猟書家の侵攻~とある青年の災難
キマイラフューチャーの「ヴァルハイト呪術教団」本部にて・・・。
首領であるマレーネ・ヴァルハイトは新たな『呪術怪人』を誕生させていた。
最近のマレーネのブームは元が可愛い感じの怪人を呪術怪人にしおどろおどろしい雰囲気へ変貌させる事、らしい。いわゆるギャップ萌え、という奴だろうか・・・。
今回もモグラやカエル、ネコといった元は可愛らしい部分があった怪人を変貌させて一人うっとりとしていた。この変貌具合がいいらしい。
「ヴァルハイト呪術教団」はキング・ブレインの目論む「悪の組織連合による世界征服」を目標に行動している。
今はスクラップビルダー達を捉えその命を奪い下僕として蘇らせ、惑星全体を呪うための「巨大祭壇」を建造させる手駒とする作戦を実行に移している。
「さぁ、貴方達。祈りを捧げるよの?貴方達のその祈りこそが下僕となる存在を誘い寄せるのだから」
必死に祈りを捧げる呪術怪人達に満足げな表情のマレーネ。我々の作戦を邪魔する存在はどうやらここ最近他に注力する所があったのか、こちらの作戦を阻止しようとする動きが少ない。今がチャンスなのだ。一気に計画を進行させ世界征服への大きな一歩を踏み出す時だ。
(下僕となる存在を回収する為の怪人を、現地に手配しなければいけないわね)
マレーネはターゲットとなる存在が訪れる予定のヴァルハイト呪術教団の拠点に呪術怪人を送る段取りをする。殺害したターゲットを下僕として蘇らせるのはマレーネの呪術にて行う事。
呪術怪人の段取りをした後、自身も拠点へ向かう為の準備を始めるのだった。
「羅針盤戦争、皆様お疲れ様でした。お疲れの所で申し訳ないのですが、猟書家達の動きを予知したのです。」
炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)は集まった猟兵達にそう告げる。
今回瑠美が予知したのはキマイラフューチャーのようだ。
スクラップビルダーのロイという名の青年が今回のターゲットらしい。予知ではとある『ヴァルハイト呪術教団』の拠点に誘い出されてしまうらしい。そのまま見過ごせば、ロイはそのまま呪術怪人達に命を奪われてしまうとの事だ。
またその死したロイを下僕と蘇らせる儀式を行う為、現地に『ヴァルハイト呪術教団』の首領マレーネ・ヴァルハイトも姿を現すらしい。呪術怪人達を倒した後、続けてマレーネとの戦闘となる事は避けられないだろう。
「ロイさんはその場に留まり続けて皆さんの戦いを見守る事になりそうです。一人で帰す事も出来なくはないでしょうが呪術怪人達に再度攫われてしまっては意味がありません。ひとまずはマレーネを倒すまでは一緒に同行してもらうのが一番安全でしょう」
ロイはスクラップビルダーとして地形操作をある程度出来るらしい。力を借りれば猟兵の有利な状況を作り出せるかもしれない。
「マレーネは見た目は可憐な少女の姿をしていますが、冷徹な性格の幹部猟書家です。くれぐれもお気をつけて。皆様のご無事とご武運をお祈りしております」
そういって瑠美は猟兵達を現地まで転送する準備に入るのだった。
●『ヴァルハイト呪術教団』拠点にて
ロイは気が付くとその場にいた。朝起きて朝食を食べて・・・、その後何をして過ごそうかな?なんて考えているうちに何故か異様な睡魔に襲われて・・・。
夢遊病者のようにふらふらとこの場所まで歩いて来ていたのだ。頭の中はぼんやりしていて、どうしてここへ来たのか自分でもわからない。こんな場所へは来た事がないし。でも、何故かここへ来なければいけない・・・と。
視線を感じる。目の前の暗がりの方から。
「だ、誰だ!?誰かいるんだろ?」
ロイの声に応えるかのようにおどろおどろしい姿をした怪人達が姿を現した。思わず身を竦ませるロイ。怪人達はモグラやカエル、ネコといった姿をした怪人っぽいが、その姿はホラーチックなおどろおどろしいものとなっている。突然このようなものを見せられたロイは蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまい・・・。このままでは自分の命は危ないのでは・・・と考えは浮かぶものの体がついていかない。
怪人の手がロイに伸びる・・・。
その時、ロイにとっての救世主達がその場に駆けつけたのだ!
黄昏空
MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。気が付けばもうじきMSになって2ヵ月が経過しようとしております。皆さん羅針盤戦争お疲れ様でした。先月は非常に慌ただしく過ぎ去った感がありますが、今月からは通常通りでぼちぼちと進行してまいります。
今、猟書家に結構押し込まれ気味なキマイラフューチャーの援護を、と思いシナリオの方を出してみました。
このシナリオは猟書家関連シナリオです。2章で構成されております。
第1章は「呪術怪人」として改造された『つよくてクールなアニマルズ』との集団戦となります。「呪術怪人」となった事で見た目が可愛い感じのアニマルズがおどろおどろしい感じに変貌しております。
スクラップビルダーの青年ロイが『呪術怪人』によって殺害される直前に猟兵達は駆けつけます。ロイを救出しつつ『呪術怪人』を撃破してください。
第2章は「ヴァルハイト呪術教団」の首領マレーネ・ヴァルハイトとの交戦となります。
ロイはその場に留まり、猟兵達を応援してくれます。ロイの応援を受けつつマレーネを倒してください。
このシナリオにはプレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス(1章・2章共通):スクラップビルダーに応援される(戦いに使える地形などを作ってもらえばそこそこ役立ちます)
先月の戦争シナリオでの反省点を活かし、今回は試験的にプレイング受付期間を最初に告知しておく形式をとってみます。
シナリオ運営に関してはタグでもプレイング受付期間をお知らせさせていただきます。
第1章のプレイング受付は3/3の8:31~3/6の23:59までの予定です。
第1章 集団戦
『つよくてクールなアニマルズ』
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POW : モグラさんドリル怪人・ウェポン
【モグラさんドリル兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : カエルさん殺法怪人・ジェノサイド
【カエルさん殺法攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ネコちゃん拳法怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ネコちゃん拳法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
何とか間に合ったみたいですかねぇ?
それでは、始めましょう。
『FMS』を先行させロイさんの周囲にバリアを展開、ガードしますねぇ。
ドリルの貫通力を防ぐ為バリア自体を回転させ『力の伝達』を阻害しますぅ。
そして【秤濤】を使用、『魅了』と『超重力波』の波動を広域に放射し[範囲攻撃]による[2回攻撃]を行いますねぇ。
『魅了』の影響で同士討ちを誘っても良いですし、『超重力波』で動きを止めた上で『FRS』『FSS』の[砲撃]で仕留めても良いですぅ。
戦場の地形から、[砲撃]が通り辛い場所が有りましたら、ロイさんにお願いして『射線』を通していただきましょう。
以降、確実に叩いて参りますねぇ。
「何とか間に合ったみたいですかねぇ?」
あと一歩踏み込むのが遅くなっていたら危なかったであろう。ひとまずホッとした夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
だが、未だロイの身が危険に曝されているのは間違いない。直ぐに戦闘モードへと思考を切り替えるるこる。
「それでは、始めましょう」
るこるは小箱より浮遊する円盤を取り出すとロイの周囲に展開させた。
「な、なんだ?うわっ!」
ロイが自身の周りに浮かぶ円盤に驚くのと彼に怪人が襲い掛かるのはほぼ同時の事だった。カエル型の怪人がその跳躍力で一気に間合いを詰めロイに殴りかかって来たのだ。
だが、そのカエル型の怪人の一撃はロイには届かない。目の前に迫ったカエル怪人に思わず目を閉じていたロイが恐る恐る目を開けると…。自身の目の前に張られたバリアに阻まれ、恨めしそうにしている怪人の姿がそこにあった。
るこるが展開した円盤は複数個展開する事でバリアを発生させるのだ。いち早くるこるは手を打ち、そのおかげでロイは九死に一生を得たのである。
バリアの強靭さを垣間見た怪人達。すぐさまそのバリアを展開した張本人であるるこるへターゲットを変更した。モグラ型の怪人が手にしたドリルを回転させながらるこるへ迫る!
だが、そんな行動をるこるが見逃すはずがない。ロイへ展開させた円盤とは別に一部残しておいた円盤を自身の周囲に張り巡らせる。ロイは一般人故、怪人の一撃を受ければ致命傷になる可能性は十二分にある。
だが、猟兵であるるこるの場合は怪人の一撃が直撃するのでなければ万に一つも死の危険性はない。それ故に怪人の一撃をピンポイントで迎撃すればよい。怪人の動きに合わせ自身の前に展開させたバリアそのものを回転させる。
ガガガガガガッ
ドリルとバリアがぶつかり合い火花が飛び散る。だが、怪人のドリルはるこるのバリアを突破するには至らなかった。バリアを回転させたことでドリルの回転による破壊力を相殺させたのだ。
「おぉっ、すげぇ!」
迫力のシーンに思わずうなりを上げるロイ。まさかこんな間近で迫力ある戦闘シーンをみられるとは思っていなかったのだ。
モグラの一撃を凌ぎきったるこるは続けて反撃に出る。
「大いなる豊饒の女神、その御力の欠片による裁きをお与え下さい」
乳白色のオーラがるこるを包むと共に彼女の体より乳白色の波動が辺り一帯へ衝撃波のように放たれた。素早い動きが出来たカエル型怪人はその衝撃波を跳躍により回避したが、モグラ型とネコ型は衝撃波をもろに喰らった。
魅了効果のある波動を喰らった2体は同士討ちを始める。仲間の突然の同士討ちにカエル型怪人も混乱する。
その混乱に乗じてるこるは砲撃を開始する。両腕と周囲に展開させたビームシールドに内蔵された砲が一斉に火を吹く!
瞬く間にモグラ型とネコ型は砲撃に巻き込まれたが、カエル型だけは慌てて物陰に隠れて攻撃を凌ごうとする。
「ロイさん、でしたねぇ?申し訳ありませんが、あの怪人の前にある岩を何とか出来ますかぁ?」
「お安い御用だよ!任せてくれ!」
ロイによって身を隠す場を奪われた怪人へるこるの容赦ない砲撃が降り注いだ!
大成功
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菫宮・奏莉
怪人さん退治は勇者よりヒーローさんのほうが得意分野かもなのですが、
ピンチに駆けつけるのは、勇者だって得意なのです!
……ピンチになるまで見ていたりとかではないですからね?
でもでも、かっこよく登場して、さっそうとロイさんを助けますですよ。
ヒーローさんには及ばないかもですけど、勇者のオーラを見せつけるのです!
と、ロイさんと怪人の間に割り込もうとして、ヘッドスライディング。
割り込みには成功しましたが、また傷が増えた気がしますのです……。
ま、まぁけっかおーらいです!
さぁ、医療安全管理チームのみなさま、やっちゃってくださいなのですよー!
え? 戦闘員を呼び出すのは怪人側?
そ、そこは気にしたらダメなのです!
(怪人さん退治は勇者よりヒーローさんのほうが得意分野かもなのですが…)
そうは思いつつもロイを助ける為、怪人達に立ち向かおうとする小さな勇者は菫宮・奏莉(血まみれ勇者・f32133)。
「ピンチに駆けつけるのは、勇者だって得意なのです!」
そう、困っている人々を助けるのは勇者のお仕事なのだ!
「君は勇者なのか!ありがとう。そんなに傷だらけになりながらも、俺を助けに来てくれたんだね」
ロイがそういうのも仕方ない話だ。見た目は傷だらけで包帯を巻いている小さな女の子なのだから。
体のあちこちに擦り傷があるのは、ここへ辿り着くまでの間に「ちょっとした不幸」に見舞われただけである。前方不注意で頭を少しぶつけたり、何もないはずの所で足を取られてコケたり。奏莉にとってはいつも通りの事なので平常運転ではあるが。
そういった状況に見舞われたのでロイの危機一髪のタイミングで駆け付ける形になった。
(……ピンチになるまで見ていたりとかではないですからね?)
このタイミングでの参戦は、そう、単なる不幸の結果だ…たぶん。
本人なりに格好よく登場した小さな勇者は、今まさにピンチなロイの元へ颯爽と駆けつけるのだ。
「ヒーローさんには及ばないかもですけど、勇者のオーラを見せつけるのです!」
ロイの元へ駆けつけさせてなるものか、とネコ型の怪人がモグラとカエルの怪人とは別行動で奏莉に立ち塞がる。
だが勇者は止まらない。ロイを助けるために全力で走り、彼の元まで辿り着こう…として、またもコケた。
目の前に立ち塞がっていたネコ型怪人の鳩尾に一つの弾丸の如く奏莉の頭突きが突き刺さる。全力疾走での頭突きとなった為、その破壊力はとてつもないものとなった。普段からコケまくって鍛えられている奏莉の頭突きは、そう、まさに…
「約束された凶悪なる頭突き(カナリノフコウ)」!(記録者命名)
ネコ型怪人を吹き飛ばしながらもそのまま勢いが止まらず、ロイの目の前までヘッドスライディングで滑り込む形となった奏莉。
なんという丈夫さ。顔に擦り傷は出来ているが、それ以外には特にダメージはなさそうだ。
唖然とするモグラとカエルの怪人。その破壊力になんだか表情が硬直しているようにも見える。
「す、すげぇ!あんな捨て身の頭突き、初めて見た!流石勇者だ!」
感動するロイ。
(割り込みには成功しましたが、また傷が増えた気がしますのです……)
額を押さえつつ立ち上がる奏莉。だが、感動しているロイを見て「ま、まぁけっかおーらいです!」という気持ちになった。怪人とロイとの間に入り込むという目的は達したのだし。ぽじてぃぶしんきんぐである!
次は何を魅せてくれるんだろう!とワクワクしているロイを背に奏莉は高らかに宣言する。
「さぁ、医療安全管理チームのみなさま、やっちゃってくださいなのですよー!」
呼びかけに応じ、医療安全管理チームの皆さんが怪人の目の前に姿を現す。
「あれ?このタイミングで戦闘員を呼び出すのは怪人側じゃ…?」
「そこは気にしたらダメなのです!」
思わずツッコミするロイ達の目の前で、嘗て羅針盤戦争でも王笏相手に猛威を振るった医療チームが、怪人への治療(物理)を開始するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
真宵蛾・小鳥
WIZ
「まちなさい!其の青年を連れ去ってはいけないのです!」
「青年、小鳥の助けは必要ですか?」
「御困りなのですね、大丈夫きっと来世では良いことあります」
「助けてくれるものと思っていたのですね。わかりました、出来る限りやってみます」
【行動】蝶の群れで怪人をロイから引き離し、間に小鳥が割って入ります。
ロイに敵から離れる様に促しつつ、怪人の周囲を拳法を躱しながら廻り、UCと蝶による攻撃。リーチはこちらが上手。仮に直撃したところで実態のない小鳥の周囲を舞う蝶の数が増えて攻撃力が増すだけですけど。
ロイに危険が迫れば身を挺してかばいます。
たとえ、最後の肉片が散ろうとも、出来る限りの事はすると言いましたし。
ウル・ビーディー(サポート)
当機はミレナリィドールのパーラーメイド×ビーストマスターと分類されます。
集団戦、ボス戦では状況に合わせて必要なユーベルコード、装備アイテムを使用します。
損傷は厭わず、敵勢力の殲滅を第一に戦闘を行います。
日常、冒険においても同様に、ユーベルコードと装備アイテムを用いて探索等を行います。
当機には感情システムが搭載されておりません。よって、信念や忌避する事等はございません。他の方が遠慮される可能性のある依頼や行動においても、問題なく活動が可能です。
グリモア猟兵様の指示に従い、依頼を遂行することを最優先事項として登録致しております。
依頼解決の為、ご随意に当機をお使い下さい。
ロイに危険が迫る中、2人の新人猟兵が呪術怪人との戦闘に参入した。
「まちなさい!其の青年を連れ去ってはいけないのです!」
真宵蛾・小鳥(コトリと落ちた其の箱は・・・・f32483)とウル・ビーディー(侍女獣人形・f26152)。彼女達二人は共に猟兵としての初陣となる。
「青年、小鳥の助けは必要ですか?」
そう問いかける小鳥にロイは即座に応える。
「た、助けてくれっ!頼む!」
「御困りなのですね、大丈夫きっと来世では良いことあります」
「え…?それってどういう…」
小鳥のややピントの外れた答えに一瞬硬直するロイ。来世って…助けてくれないのか?と絶望的な表情を浮かべた。
「小鳥様、グリモア猟兵様のご依頼はロイ様の救出とウルは記憶しております」
「そう、でしたね。あの青年も助けてくれるものと思っているようですし。わかりました、出来る限りやってみます」
「小鳥様、援護致します」
小鳥の勘違いとも受け取れる反応に、素早く的確なフォローを入れ軌道修正を行ったウル。ウルは感情システムが搭載されていない為、その分ただ実直にグリモア猟兵より受けた任務達成の為、自身の最適な行動を模索する。
小鳥を援護する為左腕に内蔵された散弾銃を展開し攻撃準備を整えた。
また、いざという時の為、自身の頭脳とリンクしたビーストマシン・セパドを足元へ待機させた。これで小鳥を遠近両方でサポートする事が可能であろう。
小鳥は手から蝶の群れを放つ。ヤドリガミである小鳥の体は幼い魂の群れで構成されている。その魂の群れの一部を蝶と化し解き放ったのだ。蝶の群れはロイに迫っていた怪人達の目の前まで飛んでいくとその視界を遮り、同時に追い立てるように襲い掛かった。無論蝶そのものに攻撃力などないので怪人を傷つける事も叶わないが相手の動揺を誘う事は出来る。
自分達を囲うように飛び続ける蝶の群れを煩わしそうにする怪人達。追い払おうと手を伸ばすが蝶たちはひらりと躱す。苛々した様子で蝶を追い払おうと足を進める怪人達。怪人達は無意識のうちに蝶に誘導される形でロイから徐々に離れつつあった。
その間に素早くロイの元まで駆けつける小鳥とウル。
「青年、これより本格的な戦闘になります。少し離れて下さい」
「わ、わかった。離れればいいんだな?」
「ロイ様、こちらへ。ウルがお守り致します」
小鳥は怪人達の方へ、ロイはウルに護衛される形で怪人達から少しずつ距離を離す事にする。
散弾銃を構えたウルがセパドに背面の警戒を任せ、ロイと共にじりじりと戦場より距離を離す。
その頃には怪人達も蝶の群れから脱し、ロイの元まで迫ろうと行動を開始していた。その前に小鳥が立ち塞がる。
「ここは小鳥が通しません。たとえ、最後の肉片が散ろうとも、小鳥が出来る限りの事はします」
ネコ型の怪人が小鳥に応戦する。ネコちゃん拳法と呼ばれる高速連続猫パンチが小鳥を襲う。ギリギリの間合いでその攻撃を回避する小鳥。
ネコ型怪人の爪が小鳥の肌を掠るがそれを気にしないかのように小鳥は動き続ける。
小鳥の体は魂の集合体、実体はなきに等しい。負傷などものともしないのはその為だ。小鳥の体が傷つけられれば、それにより蝶が増え相手をより追い詰めていく事となる。
小鳥はネコ型怪人の視界を蝶で塞ぎつつUCを発動させた。ネコ型怪人の体に傷跡が浮かび上がる。それは小鳥が刻んだ呪い、UC「連鎖する呪い」は徐々にネコ型怪人を死へといざなう準備を整えていくのだった。
一方ウルの方にはカエル型怪人が迫っていた。
モグラ型はなんとかウルが追加で右腕の軽機関銃を展開し両腕の銃での牽制で距離を保てている。
モグラ型怪人はパワータイプのようで翻弄出来ているのだが、カエル型怪人は敏捷性があるようだ。間合いを詰められる可能性を考慮したウルは自身をペロペロなめ毛繕いをした。
ロイは隣で急に毛繕いを始めたウルに一瞬キョトンとする。
「ん?あんた一体何を?」
「ロイ様、お気を付けください。恐らく敵が来ます」
「一体それって…っ!」
ロイが言い終わる前にウルの発言が正しかった事が証明されてしまった。その跳躍力を活かしカエル怪人が一気にロイ達の眼前まで間合いを詰めて来たのだ!
高速で迫るカエル怪人の一撃!
だが、その怪人の一撃をウルはロイの前に立ち、その攻撃を凌ぎきる。
カエル怪人の連続攻撃をウルは紙一重で回避していく。先ほどの毛繕いでウルの全身の摩擦抵抗を極限まで減らしていたのだ。その効果が発揮されていた。
そして連続攻撃をひらりと躱したウルは怪人の側面を取り、両腕の銃をフルオートで撃ちまくった!
弾丸がカエル怪人を穿ち、物言わぬ骸へと変えていくのにそう時間は掛からなかった。
「さて、後は2体ですね。ロイ様、あのモグラの周囲にバリケードのようなものを生成する事は出来ますか?」
「ん?あぁ、そのくらいなら何とかなるよ。直ぐに取り掛かるよ」
セパドが牽制してくれているモグラ型の動きを封じるようにロイによって壁が生成された。これで少しの間だが時間稼ぎは出来るだろう。
その間にウルは軽機関銃を小鳥と交戦しているネコ型怪人のいる方向へ撃ち込んだ。
小鳥と交戦していたネコ型は視界を小鳥の蝶によって遮られていた。そこへ「運悪く」ウルが撃ち込んだ弾丸が飛び込んできた。そして「運悪く」ネコ型怪人はその弾丸によって眉間を撃ち抜かれ絶命した。
そう、傍目から見れば「不慮の事故」ともいえる偶然のような出来事。これは小鳥の発動させた連鎖する呪いの効果による「不慮の事故」であったと、ネコ型は気が付く事もなく死を迎えた。
そして…最後に残ったモグラ型は、無理やり手に持ったドリルで壁を破壊し外へ出た時には完全孤立状態となっていた。ウルの両腕の銃によって蜂の巣にされ、ボロボロになった所を小鳥が取り出したオーブによって召喚された者により絶命するのだった。
こうして数的に不利であった新人猟兵の2人は、連携した結果この状況を無事乗り切ったのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
荒散屋・無躯
※連携改変何でも可
うわキモ…元の形知らねぇけど
とりあえず適当にそこら辺の物使って、キモいのをガッてやるわ
敵のアジトなんだろ? なんかいい具合に鉄パイプとか廃材とか石ころとか、そういうのでいいから
何も無かったらオレの目でも使うわ
で、やってる間にソコにいる、ナントカって奴にゴミ集めをやらせるわ
オレのアレに必要だし
良い具合のが無かったら壁でも何でもぶっ壊せばいいだろ
良い具合にゴミが集まったら、オレのアレでガーッてゴミを集めて…ドーンってやるわ
あ? 助けに来た奴の態度じゃない?
悪いが、生憎オレは正義のヒーロー様じゃねぇんだ、アイツらみたいに優しく助けてやる気はねぇ
生き残りたいなら、黙ってオレに協力しな
「うわキモ…(元の形知らねぇけど)」
猟兵としてオブリビオンとの交戦経験はまだまだ少ない荒散屋・無躯(Trash・f32488)。夜の暗がりで見かけたら、夢に出て来そうな風貌となった怪人達なのは確か。そのような感想を彼が抱いたとしても不思議はない。
(一応仕事としては請け負ったが、あんまり見ていたくねぇ面だなぁ。さっさと片付けるか)
無躯は辺りをきょろきょろと辺りを見渡す。「ちょうど良さそうな武器とかねぇかな?」と。
戦闘となっている場所の一角に廃材らしきものが見えた。だが、ここから少々距離がある。
「仕方ねぇ、とりあえずこれかぁ」
手に取ったのは自分の目。無躯は人体実験によってサイボーグとなった身。それ故に右眼は機械化された義眼なのだが…。投擲武器として使う事が多い為か既にボロボロ。今回も直ぐに使えるものがないから、「後で回収しておけばいいかぁ」みたいな感じでひとまず敵に投げつける事にした。
「オラッ、こいつでも喰らっとけや!」
こっちへ歩み寄ろうとしていたモグラ型怪人(キモい奴)の顔面に向けて義眼を投擲する無躯。ナイスコントロールで義眼はモグラ型の顔面にめり込んだ。想像以上にクリーンヒットだったらしい、思わず蹲っているキモい奴を横目で見ながら無躯は廃材の元まで辿り着く。
「お、ちょうどいい感じだな。」
手に持った廃材を軽く振り回してみる無躯。それなりに長さもあるし、これならモグラ型のドリルの射程より長い。一方的に殴れそうだ。
痛みから回復したモグラ型がこちらへ向かって駆けて来るのが見えた。そのキモいのに向けて無躯は廃材を振り回す。
「こいつでぶん殴りゃ、多少は可愛い顔になるかもしれねぇぜ?」
まぁ最低でもキモい顔は見なくて済む事になるだろう。廃材をぶんぶん振り回しモグラ型をぶん殴り続ける無躯。
一般人相手ならこれだけでも何とかなりそうだが、流石に相手は呪術怪人。これだけでは決定打たり得ない。
こちらの戦闘の様子を「おぉ…」と見守っていたロイに向け、無躯は声を掛ける。
「お前、そこのお前だよ。ナントカって言ったっけ。覚えてねぇが」
「ロイだ」
「おぅ、そうそうそんな名前だったか。まぁ、どうでもいいが。とりあえずその辺りにあるゴミを集めてくれや。それが俺には必要なんだよ」
「あ、あぁ…わかったよ。ゴミ集めだな…。なんか俺の中のヒーローのイメージとはちょっと違うな…」
「悪いが、生憎オレは正義のヒーロー様じゃねぇんだ。他の奴らみたいに優しく助けてやる気はねぇ。生き残りたいなら、黙ってオレに協力しな」
徐々に廃材も変形し武器として活用するのも厳しくなってきている。廃材を使った攻撃パターンも相手に読まれ始めている。そろそろ決着を付けないとまずそうだ。
「ゴミを集め終わったぞ!これでいいのか?」
「おぅ、問題ねぇ。キモいの、これでトドメだ!」
ロイから声が掛かると共に手に持った廃材を地面に捨て、無躯は両手を天に掲げる。
その手にゴミがどんどんと集まり始め…。先ほど捨てた廃材も含め、無躯の両腕は巨大なものとなっていた。
「ぶっ壊すのは得意だぜええええ!!」
その巨大な両腕を怪人達の上に向け振り下ろす!
地面を抉るほどの破壊力の一撃は、怪人達を一撃粉砕するのだった。
大成功
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シエナ・リーレイ
■アドリブ・絡み可
何だか親近感を感じるよ!とシエナは動物に対し呟きます。
猟書家事件の最中であってもぶれる事なく『お友達』を求め彷徨うシエナ
自身と似た雰囲気を纏う沢山の動物さんを見つけたので仲良くなる為に遊び始めます
カエルが振るう殺法を敢えて掠める様に避けて踊るシエナ
気分が高揚するにつれてその動きが速くなり、カエルが追いつけなくなれば暗殺者染みた動きで首をへし折ります
みんなも一緒に踊りましょ!とシエナは動物達を誘います。
シエナがカエルが踊り疲れて眠ってしまった事に気が付けば[呪詛]を注ぎ込んで『お友達』に迎えます
シエナは『お友達』なカエルと共に他の動物達と楽しく踊り始めます
「何だか親近感を感じるよ!とシエナは動物に対し呟きます」
おどろおどろしい呪術怪人達を眺め、どこか嬉しそうな態度を見せるシエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)。
シエナは元々呪術師が作り上げた呪殺人形。呪術によっておどろおどろしい風貌へ変化を遂げた怪人達はどこか親近感を感じるようだ。
そんなシエナがこの任務を受けたのはロイを救出する為、というよりは目の前にいる怪人達の方が目的であった。
彼女は『お友達』を求め色々な世界を彷徨っている。シエナにとって『お友達』はとても大切な存在。呪殺人形である彼女に名前を付け愛してくれた嘗ての所有者の少女。その少女の遺言である「シエナの様な友達が沢山欲しかった」という言葉こそが、彼女にとっての行動理念なのだ。所有者を殺し続ける日々から解放してくれた少女、その存在はシエナにとっては何物にも代えがたい存在なのだ。
だからこそ、猟書家事件の最中であってもシエナの行動はぶれる事はない。自身と似た雰囲気を纏う沢山の動物さんを見付けた彼女は、仲良くなる為に遊び始めるのだった。
カエル型怪人がシエナ目がけて連続攻撃を放つ。その攻撃をシエナは敢えて掠めるように避ける。その表情はどこか楽しそうだ。
シエナは戦いを楽しんでいるのではない。そう、シエナにとってはこれは戦いではなく『動物達との遊び』でしかないのだ。
カエル怪人を相手にダンスを踊っているような、そんな気持ちでいる。
シエナはダンスを踊っているうちにどんどん気分が高揚していくのを感じる。あぁ、なんて楽しい時間だろう、と。
シエナの高揚感に伴って彼女の動きはどんどん加速していく。ついにはカエル怪人では追い付けない速さまでシエルの動きは加速してしまった!
カエルさんは躍り疲れてしまったんだね、そう感じたシエナはその速度でもってカエルの首をへし折った。その行動はとても自然で、まるで暗殺者かのような流れるような動きであった。
カエル怪人の首があり得ない方向に曲がりながら崩れ落ちる様を、その場にいる全ての存在が凍り付いた表情で眺めていた。ただ一人、シエナを除いて。
躍り疲れ倒れてしまったカエル怪人をシエナは優しく介抱する。シエナの手がカエル怪人の遺体に触れた瞬間、彼女の手から呪詛がカエル怪人へ流れ込んだ。
シエナの介抱にカエル怪人は感動したのか、『お友達』になってくれるようだ。嬉しそうなシエナ。
ここに至って、他の怪人達もその異質さにやっと気が付いた。目の前の少女の形をした存在は、得体のしれない存在であると。だが、遅すぎたのだ。
「みんなも一緒に踊りましょ!とシエナは動物達を誘います」
笑顔で目の前の少女はこちらを見ている。虚ろな表情で物言わぬ嘗ての仲間と共に。
シエナは楽しかった。また『お友達』がこうして増えた。まだ他の動物達にも『お友達』になってもらわないと!
シエナは『お友達』なカエルと共に再び他の動物達と楽しく踊り始める。
まだまだ彼女にとっての楽しい時間は続くようだ。
大成功
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第2章 ボス戦
『マレーネ・ヴァルハイト』
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POW : 来なさい帝竜達。存分に暴れ狂えるがいい!
召喚したレベル×1体の【スライム】に【相手に適した帝竜の首】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
SPD : 温かいのは返り血ぐらい、貴方もそう思うでしょ?
【瞬時に間合いを詰めての腸を抉る一撃】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : 私は貴方の言葉が聞きたいの。精々囀るがいい
【視認不可能になったスライム】が命中した対象の【体内】から棘を生やし、対象がこれまで話した【自身に向けた負の感情・仲間を守る意思】に応じた追加ダメージを与える。
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猟兵達によりロイの命を奪おうとしていた脅威は取り除かれた。
グリモアの話では、この場にマレーネ・ヴァルハイトが現れるはずである。油断なく周りを警戒する猟兵達の前に情報通りマレーネが姿を現した。
本部より転移していたマレーネは、下僕となるはずだった青年とそれを守るように布陣する敵対者の存在を目の当たりにする。
一瞬驚きの表情を浮かべた後、ため息を一息つく。
「そう…。今回は邪魔が入ったようね。せっかく作った呪術怪人達だったのに…」
淡々とそう告げた後、ロイの方を向く。
「そういう事もあるわね。せめて貴方達を倒してそこの下僕候補を持って帰るとしましょう。いい怪人になるかもしれないし」
ロイを後ろに下げ、猟兵達はマレーネに向き合った。
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(MSより)
OPで記載の通り、第2章でも「ロイに応援される」事でプレイングボーナスが得られます。
戦場は第1章と同じ場所での戦闘となります。
マレーネはまず猟兵を排除しようと行動するようです。
その為、猟兵が倒されるまでは基本ロイが狙われるような事はありません。皆さんはマレーネ撃破に専念していただいて問題ないでしょう。
プレイングの受付はタグにある通り『3/10(水)の8:31~3/12(金)の23:59』となっています。
焦らずプレイング受付までの間、作戦やプレイングを練っていただけばと思います。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
それでは、お相手させて頂きますねぇ。
『FBS』を四肢に嵌め飛行、『FMS』によるバリアに[結界術]と『FSS』の盾を重ね、防御態勢を整えますぅ。
『結界』の種類は『帝竜の首』に合わせ選択、【UC】発動まで防ぎますねぇ。
そして【崇卓】を使用、『恒星の表面』の様な『超重力&炎』の空間を形成しましょう。
『帝竜の首』を生やしても本体はスライム、その部分を『炎』で[部位破壊]すれば対処可能ですぅ。
『超重力波』は相手の行動を阻害しての防御を中心に。
後はロイさんに要請してマレーネさんを狙う際の邪魔な『スライムの死体』を埋めて頂き、『FRS』の[砲撃]も加えて彼女ごと確実に叩きますねぇ。
荒散屋・無躯
※連携改変何でも可
アニキ、あの子マジマブいッス!
猟兵になって良かったッス、可愛い子めちゃいるんスね!
あ、どうもロイさん! 自分リュウジっつーもんッス!
アニキのお供、やらせてもらってやす!
ロイさんには引き続きゴミ集めお願いしやす!
やっぱ自分ら的には?こういうゴミも武器なんで、戦力アップ的な?
そういうアレで、宜しくッス!
にしてもスライム厄介ッスねー、アレどうにかしな
って、アニキ? どうしたッスか急に自分掴んで…あコレまた自分投げッスね? 女の子なら喜ん…って、ユベコ違ぇ!?
コレ自分ぶん回し系ッスか!? でこのままスライムぶっ飛ばし系ッスかコレ!
まってまってスライムはやdア゛ーーーーーーーーッ
マレーネの前にまず立ち塞がったのはるこると無躯だった。
無躯の周りを先程はいなかった(というか出番がなかった)小型の竜が飛んでいる。彼の名前はリュウジ、自称「無躯の舎弟」の竜である。
戦闘時は小手へと変じ無躯と共に戦い事があるが…、どうやら前回出番がなかった分、今回は張り切りたいようだ
(以後、今回に限り無躯パートはリュウジ視点からお送りいたします)
リュウジはマレーネを見て大興奮!
「アニキ、あの子マジマブいッス!」
「あのちょっと気だるげな雰囲気とか破壊力抜群ッス!」と無躯に話し掛け興奮冷めやらぬ様子だ。「なんだか騒がしい竜がいるみたいね。改造したらどうなるのかしら?」とか言ってる気がするけど、聞こえない事にした。
「あの子も破壊力抜群ッス!」
と今度はるこるの方を見ながら大興奮。どの辺りをもって破壊力抜群なのかは秘密らしい。
「猟兵になって良かったッス、可愛い子めちゃいるんスね!」
リュウジは今めちゃくちゃハッピーな気分のようだ。
そんな視線を感じたるこる、ちょっと一瞬だけ気恥ずかしそうなそぶりを見せたが直ぐに戦闘モードへと気持ちを切り替える。相手は幹部猟書家、先ほどの怪人を越える強敵だ、気を抜ける相手ではない。
一方リュウジの方はロイに自己紹介を済ませていた。
「あ、どうもロイさん! 自分リュウジっつーもんッス!アニキのお供、やらせてもらってやす!」
「あ、あぁ…。あんたの方はあの人と違ってフレンドリーなんだな」
「アニキはこんな感じの人ですからね。ロイさんには引き続きゴミ集めお願いしやす!」
「あぁ、さっきのように集めればいいんだな?」
「やっぱ自分ら的には?こういうゴミも武器なんで、戦力アップ的な?そういうアレで、宜しくッス!」
「では、こちらは上空から攻撃いたしましょうかぁ。ロイさんをやらせるわけにはいきませんし。お相手させて頂きますねぇ」
るこるは戦闘準備を素早く済ませる。小箱より戦輪を取り出し四肢に嵌めた。ふわりとるこるの体が宙に浮かんだ。上空に移動したるこるはさらに小箱より浮遊する円盤とビームシールドを取り出した。
相手のスライムが生やしている竜の首はあの帝竜のもの。帝竜戦役の経験もあるるこるとしても、あの帝竜達の攻撃を防ぐには守りに全力を注ぐ必要があると判断したのだ。
展開したバリアに結界術を連動させ、るこるの最大限の守りを構成する。
それと同時に帝竜の首がるこるの方を向き攻撃を仕掛けて来る。多彩な攻撃をなんとか結界術の性質を変化させる事で必死に耐え凌ぐるこるであった。
るこるが必死に帝竜の攻撃に耐えている頃…。
「にしてもスライム厄介ッスねー。マジでヤバいッスよ」
そわそわしながらリュウジはどう攻撃に転じるべきか考える無躯の隣でるこるの姿を見守っていた。
「このままだと、流石にあの子がヤバいッスよ…アニキ。アレどうにかしな」
それまで考え込んでいた無躯がむんずとリュウジを手に取った。
「って、アニキ? どうしたッスか急に自分掴んで…あコレまた自分投げッスね?」
先程の怪人戦で目玉を投げたように自分を投げるのかと、そう思ったリュウジ。
マレーネをじっと眺め…。顔を若干緩ませながら覚悟(?)を決める。
「自分も漢っす!覚悟は決めたッスよ!ぐふふ…」
あのマレーネの柔らかそうな肢体に直撃する自分の体を想像し気持ちが昂るリュウジ。
「女の子なら喜ん…って、ユベコ違ぇ!?」
自分の予想と違う事に気が付いたリュウジ、思わず気が動転する。
「コレ自分ぶん回し系ッスか!? でこのままスライムぶっ飛ばし系ッスかコレ!まってまってスライムはやdア゛ーーーーーーーーッ」
確かに相手は柔らかい、うん、スライムだしね。でもリュウジの求める柔らかさではなかった。
無慈悲にも無躯はリュウジをぶん回し、るこるの方に集中していたスライムを蹴散らし始めた!
「っ!…どうやら…、風向きが変わったみたいですねぇ…」
帝竜達の攻撃を耐え凌ぎ、UC発動のタイミングを計っていたるこる。
なかなか敵の猛攻がやまず、防戦一方だったのだがその展開に変化が現れた。
どうやら地上でスライムへの攻撃が開始されたようだ。これもるこるが一時的に敵の攻撃を一身に受けていたおかげで出来た大きな隙。るこるの粘り勝ちである。
「では、ここからは反撃させていただきますねぇ」
るこるは今こそUCの発動の時、と判断した。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その祭壇の理をここに」
発動させたUCによりマレーネの周りを恒星の表面のような超重力と炎の空間に変化させた。
「な、何この空間は?」
空間が突然変わり対応しようとするマレーネだが、その前にスライムの方が根尽きた。
いくら帝竜の首を生やしても本体はスライムなのだ。炎で焼かれればひとたまりもない。ついでに超重力だ、それのおかげでマレーネは動く事もままならない。
その間にるこるはロイに呼びかける。
「ロイさん、すみません…。マレーネさんを狙うのに邪魔そうなスライムの残骸をなんとか出来ないでしょうかぁ?」
「お、おぅ…。そのくらいなら何とかなると思うぞ!」
目の前で展開された突然の空間変化に驚いていたロイだが、直ぐに対応してくれた。
マレーネの周囲にあるスライムの死骸が徐々に地面に埋没するように吸い込まれていく。
「これで射線は確保出来ましたぁ。一気に畳み掛けさせていただきますねぇ」
今のマレーネは周囲のスライムも一掃され、また超重力の影響で本人も防御態勢も取れない状況だ。今まで防御に回していたビームシールド、円盤、それに加え両腕の砲門をマレーネに向ける。
るこるの武装の一斉攻撃が火を吹いた!無防備となったマレーネに次々と着弾していく。
「ひ、酷い目に遭ったッス!」
無躯に盛大にぶん回され一瞬意識が飛んでいたリュウジが見たのは大火力に曝されるマレーネの姿だった。
「あぁ…なんかちょっともったいない気がするッスね。チャンスだったんッスが」
やっぱりちょっとあの柔肌に接触してみたかったなぁ…などとブレないリュウジであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
菫宮・奏莉
ロイさんは下僕候補などではありません。
大事な大事なお友達なのですよ!
と、いいますか。
誰かを下僕にしようなんて、いけないのです。
そんなことを言っちゃう人には、
わたしの運をお裾分けしてあげちゃいますのですから、
あなたもドジっ娘になるといいのです。
『呪術教団』を解散して、改心すれば、
マレーネさんみたいに可愛くてスタイルの良いでドジっ娘でしたら、
人気爆発だと思いますのですよ。
……わたしとは大違いなのです(ぺたーん)
あいてのスライムさんは【第六感】で躱していけたらと思うのです。
もし当たってしまいましたらダメージは大きいかもですが、
トゲトゲには負けませんのです!
勇者は挫けないのがもっとーなのですよっ。
「…流石の私でもあのまま囚われ続けていれば少し危なかったわね」
マレーネは姿こそ少女であるが幹部猟書家、その実力はやはり伊達ではない。なんとか超重力の空間を突破し戦場へと舞い戻って来た。
「…まだ下僕候補を手に入れるまでには少し掛りそうね」
自身の前に立ち塞がった少女を見てマレーネはそう呟いた。
「ロイさんは下僕候補などではありません。大事な大事なお友達なのですよ!」
マレーネに向かってそう話し掛けたのは奏莉だった。だが、それに対する返事はひどく淡白なものだった。
「お友達?私は下僕候補と友達になどなったつもりはないわね」
「と、いいますか。誰かを下僕にしようなんて、いけないのです。
そんなことを言っちゃう人には、わたしの運をお裾分けしてあげちゃいますのですから、あなたもドジっ娘になるといいのです」
「運?そんなもので私の力を圧倒出来るなんて思わない事ね?」
話は終わりだ、とでもいうようにマレーネが奏莉に向かって何かを投げつけた。
その何かを躱そうとして…躓いたかのようにコケた奏莉。元立っていた場所にベチャっと何か粘着質なものが張り付く音がする。
「…私のスライムを避けた?…偶然、よね?」
コケた奏莉に向かって再び何か、いや、スライムが投擲された。
「コケちゃいました。また擦り傷出来ちゃいましたね」
トレー型の盾を手鏡代わりに自分の顔を覗き込む奏莉。そのトレーの向こうで何かがベチャっとトレーにぶつかった音がした。
「?」
「…また、避けられたわね…どういうことなの?貴方、さっき自分の事をドジっ娘とか言っていたけれど、今の貴方はどう見てもラッキー少女だと思うわよ?」
「そ、それはですね…。わたしの悪運を全てマレーネさんにあげる為です!」
はい、物凄い偶然です本当は。だが、幸運が続けばその反動は必ず来る。…そしてその反動の向かう矛先は…。
「マレーネさん。『呪術教団』を解散して、改心すれば、マレーネさんみたいに可愛くてスタイルの良いでドジっ娘でしたら、人気爆発だと思いますのですよ」
「可愛いと褒めてくれるのは嬉しいけれど、教団を解散するつもりはないわね」
「それに……わたしとは大違いなのです」
自分とマレーネの胸元を見比べて絶望的な表情を浮かべる奏莉。
なるほど、彼女自身の言う通り絶壁な奏莉であった。ぺたーん。
「あら?でも私が貴方くらいの歳の頃はそんなものだったわよ?」
「えっ?!じゃ、じゃあ…もしかしてわたしにも希望がある?お姉ちゃんみたいにならない?」
「…貴方のお姉さんの事は知らないけれど。望みはゼロではないのではないかしら?
さて、そろそろ私は貴方と話すのも飽きたわ。決着を付けましょうか」
マレーネは再び不可視のスライムを奏莉に投げつける。奏莉は必死に躱そうとするが元より姿の見えない存在、一部掠ってしまう。
「‥‥っ!!」
激痛が内よりこみ上げてくるが決して弱音は吐かない。
「勇者は挫けないのがもっとーなのですよっ」
「大したものね、でも、これで決着よ?…っ!?」
最後のスライムを投げつけようとしたマレーネの手が滑る。
…べちゃっ
投げつけそこなったスライムはマレーネを包み込んだ。
辺りにマレーネの苦悶の声が木霊した。
大成功
🔵🔵🔵
シエナ・リーレイ
■アドリブ・絡み可
あなたがこの子達の飼い主さん?とシエナは尋ねます。
沢山の動物の『お友達』が出来てご機嫌なシエナ
動物達の飼い主が興味を抱きかねない程の呪詛を纏いながら動物の飼い主さんと仲良くなるべく突撃します
ムズムズするよ。とシエナは違和感を訴えます。
無警戒に近寄ってくるシエナにスライムを送り込んだ飼い主は無力化した後の用途を考え始めますが何故かシエナの口から苦痛の囀りは聞こえてきません
シエナが飼い主に向けるのは親愛と好意、更に当人は楽しく遊んでいるだけなので仲間を守る意志もない為にスライムは棘を生やせない様です
程なくしてシエナのスカートの中から『お友達』となったスライムが零れ落ちるのでした
真宵蛾・小鳥
「ロイの死後を決めて良いものでは有りません。ロイは、自身の望んだ場所へ行くのです」
「囚われの向こうに叶う望みは有りません」
「ロイが望むなら、死後に小鳥の体の一部にしてあげてもいいですよ?体の全部ではなくて申し訳有りませんが」
【行動】蝶を展開してスライムを索敵。直撃を避けます。
仮に体内から棘を生やされても、小鳥の体は実態がないので、周囲の蝶が増えるだけなのですが。
ロイは、棘に巻き込まないように気をつけます。
UCを使用して戦います。ついでに呪詛も乗せて使わせてください。すこし溜まり気味なので、定期的に出して別の人に移しておかないと小鳥から溢れてしまって・・・。
ロイを巻き込まないように気をつけます。
リチャード・ライナス
「マレーネへ)俺はあんたや教団に個人的に興味があったから来たんだ
wiz
絡み歓迎
敵対心・殺意を持たず、ロイを守る気も特に無い
純粋に『悪の何たるか?』を知りたく、また神としての能力が顕現不能になった原因を探るべく来た
敵がどう裁かれるか?には興味がない
「ロイに)壁を作ってくれないか?(直接攻撃を防ぐ障壁作成を依頼
不用意に近づき過ぎぬよう【空中浮遊】しつつ壁の端や上から敵の様子を伺う
他猟兵達の行動を確認し、UCを打ち込む隙を探る
「UC使用)見せてくれよ。戦意を失ったあんたに残るものは何なのか
万一ロイが狙われれば【精神攻撃】や【気絶攻撃】(や仲間の攻撃)で引導を渡す
「俺は裁かない。ただ見届けるだけさ
(まさか…、あのような失態を犯すとは…。)
相手を攻撃対象として認識して放った一撃がまさか自身に降りかかるとは…。
攻撃した瞬間だっただけに防御の事は考えていなかった、故に自身の攻撃をまともに喰らってしまったが…。マレーネは必死に呪術防御を展開し自身の内に展開された術式を相殺する。彼女は呪術のエキスパート、だからこそ幹部猟書家まで上り詰めたのだから。
満身創痍ながらも未だ立っているマレーネ。その前に立つ小鳥。
「まだ、邪魔者はいるようね。そこの下僕候補を殺して私の手駒にしなければならないというのに…。ままならないわね、本当に」
「ロイの死後を決めて良いものでは有りません。ロイは、自身の望んだ場所へ行くのです。囚われの向こうに叶う望みは有りません」
「ロイ?あぁ、あの下僕候補の事かしら。貴方の言葉の意味は図りかねるけれど…、あの下僕を殺した先に私の願いはあるのよ。邪魔しないでもらえるかしら?」
マレーネの言葉に首を振る小鳥。この場を行かせるつもりはない。とは思いつつも、ロイの死、についてふと考えてしまった小鳥。ふと後ろの方にいるロイへ言葉を投げかける。
「ロイが望むなら、死後に小鳥の体の一部にしてあげてもいいですよ?体の全部ではなくて申し訳有りませんが」
「い、いや…遠慮しておこう。全力で。(助けに来た人の言葉…とは思えないのだよなぁ…うぅん…)」
小鳥の言葉の意味を図りかねるロイ。先ほどの怪人との戦闘の際もロイは感じた感覚。会話をしているはずなのに、どこか会話が成り立っていない。どこかピントのズレた居心地の悪さがこみ上げてくる。得体のしれない感覚に、ロイは無意識に距離を取ろうとするのだった。
小鳥はちらりとロイの様子を眺める。マレーネが現れた段階で既に後方へ下がってもらっている為、まず戦闘に巻き込まれる事は無い。マレーネとの戦闘に専念出来る状況ではあるのだが、妙に気に掛かるのだ。巻き込んでしまわないか、と。
経緯はよくわからないが、今も少し戦場からさらに距離を取ったようだ。これなら問題ないだろうか。
ひとまず自身の一部を蝶へと変じさせ自分の周囲に浮遊させる。不可視のスライムを察知するためだ。
「立ち塞がるなら、排除するまでね。どうやら貴方は呪術の塊…みたいなものかしら?」
体の一部を蝶へと変えた様子を見ていたマレーネは小鳥が人の形をしてはいるが、人ならざるものである事を感じ取った。警戒しつつ不可視のスライムを投擲する。
不可視のスライムだが、姿が見えないだけ。物体をすり抜けられるわけではない。そこに形は存在するのだ。それ故に小鳥の周囲に展開された蝶たちの群れの中を通過する際にその位置はある程度特定できる。その位置を頼りにスライムの直撃を避けていく。
小鳥はスライムを避けながらUCを発動する。怪人戦にも見せた連鎖する呪いを発動させた。続けて自身の内より溢れそうになっている呪詛もマレーネに向けて放つ。定期的に人に移さねば自身の中の呪いがあふれ出てしまうのだ。ロイを巻込まないよう、チラッと様子を眺める。大丈夫、これなら巻込まない。
「呆れたわね。敵を前に注意力散漫なようね。よそ見している暇を与えると思うかしら?」
呪術のエキスパートのマレーネ。相手が呪術に関わる存在ならばその対策も取れるのだ。小鳥の攻撃を防御しつつスライムを放つ。そのスライムがよそ見していた小鳥に直撃する。
…痛みを感じた、肉体を持たないはずの自分が。マレーネは呪術師だ。何も呪術は身体的なダメージだけとは限らない。普段感じる事のない痛みを感じ、困惑する小鳥。それは魂をも蝕まんとするかのように。
小鳥が万事休す、と思われる所へ。ふらりとマレーネの前へ現れた存在がいた。シエナである。
シエナはこの状況下でもスライムの攻撃に全く気にした様子を見せない。小鳥とは違う不気味さを感じるマレーネ。そして…マレーネの視線はさらにその後ろへと注がれる。
「貴方達…、何故…?」
その視線の先にいたのは自身が作り出した呪術怪人達。主であるはずのマレーネの言葉に反応を示さない彼らに不信感を抱くのだった。
「あなたがこの子達の飼い主さん?とシエナは尋ねます。」
「そうよ。私の部下達をどうしたの?操っているのかしら…?」
シエナはご機嫌だった。先ほどの時間に沢山の動物の『お友達』が出来たためだ。
そんなシエナは彼らの飼い主であるマレーネに突撃する。
「貴方…呪詛を纏っている?貴方も呪術師なのかしら?興味深いわね。」
そう言いながらマレーネは不可視のスライムをシエナに投擲する。それを避けようともせずまともに受けるシエナ。
「興味深い対象ね。どうやって部下達を操ったのかしら…?無力化して調べて…。…っ!?」
考えを中断するマレーネ、自身のスライムの直撃を受けたはずのシエナの動きに全く変化がない事に気が付いたのだ。
「な、何故?貴方、私の攻撃が効かないというの?」
「ムズムズするよ。とシエナは違和感を訴えます。」
そう一言、答えただけだった。シエナにとってはマレーネの存在は敵とは認識していない。『お友達』の飼い主であり親愛と好意の対象である。ましてやシエナは戦っているつもりはない、ただ楽しく遊んでいるつもりなのだ。
ロイを特に守るわけでも仲間を守るわけでもない。それ故にスライムはシエナに棘を生やす事が出来ないのだ。
しばらくして…、シエナに張り付いていたスライムがスカートの中よりぼとりと落下する。
そしてシエナに寄り添うようにマレーネの方を伺うようなそぶりを見せたのだ!
「え…、なにをしたの?今、貴方、私のスライムになにをしたの!」
言い知れない恐怖感を感じたマレーネがシエナに問いかける。
聞かれたシエナは一瞬きょとんとし、こう答えた。『お友達』になったの、と。
「私のスライムを支配下に置いたというの?まさか、この私の…。信じられない…こんなの…」
目の前の状況が信じられず呆然とするマレーネ。
そんな呆然としたマレーネに別方向から声が掛かる。
「あんたがマレーネだな。俺はあんたや教団に個人的に興味があったから来たんだ」
そう話し掛けたのはリチャード・ライナス(merchant・f29694)。
「なに?私の教団に興味があるの?配下に加わりたいのかしら?」
「いや、そう言ったものには興味はないな」
リチャードがこの戦いに参戦したのはロイを守る為ではない。マレーネを倒す為でもない。彼には彼の目的があって参戦したのだ。
純粋に『悪の何たるか?』を知りたく、また神としての能力が顕現不能になった原因を探るべくここへ来た。
彼は神の一柱であるが、かつての力を失ってしまっている。その原因は未だ分かっていないのだ。今回はその手掛かりが掴めるかもしれない、と。
それ故にマレーネに対して敵対心も殺意もないし、彼女がどう裁かれるか?には興味がないのだ。
そんな彼が後方にいるロイに向かって要望を出した。
「すまないけど、壁を作ってくれないか?」
スライムの攻撃は可能なら避けたい。それゆえの障壁が欲しいと思ったのだ。
「わかった。これでいいか?」
即席でリチャードの前に壁を作り出すロイ。
「あぁ、これで問題ない。ありがとう」
その頃には棘による攻撃からなんとか脱した小鳥と、マレーネとも遊びたいと突撃を掛けるシエナの2人がマレーネとの交戦を再開していた。
小鳥とシエナ、そしてマレーネ。3人の動きを空中浮遊しながら確認するリチャード。彼は自身の一手を打つタイミングは計っていた。
そしてそのタイミングは唐突に訪れた。小鳥とシエナの対応に追われ、リチャードをノーマークになった隙を彼は逃さなかった!
リチャードは指先で目の前の空間を囲った。その囲った空間から導線が放出され、マレーネの死角よりその導線が突き刺さった。
「な、なに、この導線は!く、くぅぅっ…体の内側から何かが…」
マレーネが苦しみだした。だが、その導線の先にいるリチャードへ視線を向けた物の、その眼には敵対心が浮かんでいない。何故か?
それはリチャードのこの導線の、いやUCの効果だ。
この導線で繋がれた存在は敵愾心を喪失する。そして今やその敵愾心の喪失対象はリチャードに対してだけではない、小鳥やシエナに対しても同じ効果を及ぼしていたのだ。つまり、マレーネの戦意を奪ったのだ。
「見せてくれよ。戦意を失ったあんたに残るものは何なのか」
万一ロイが狙われたら、と思っていたが…。この様子ではその心配もなさそうだ。
「何故、何故私は…。私はヴァルハイト呪術教団の首領。なさねばならない事があるというのに…」
だが、どうやっても戦意が向上しない…。戸惑うマレーネに対し小鳥が反撃に出る。
小鳥が今一度UCの発動を試みる。先ほどはマレーネの呪術耐性により上手く効果が発揮されなかったUC。だが、今の戦意喪失したマレーネには有効打となった。
マレーネに刻まれる呪詛の傷跡、そこへさらに小鳥の呪詛が注ぎ込まれる!
内側からリチャードの導線よりダメージを受け、さらに小鳥の呪詛が体内を暴れまわっている。そこへ…。シエナによる一撃が突き刺さった。
「私は…私は…なさねばならない事が…」
全てを言い切る前にその意識は絶たれ、マレーネの体は骸の海へと還っていった。
その様子を上空から見届けたリチャード。
「俺は裁かない。ただ見届けるだけさ」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
こうして、猟兵達の活躍により命を奪われる所だった青年ロイの命を救われ、「ヴァルハイト呪術教団」の首領マレーネ・ヴァルハイトの企みも潰える事となったのだった。
こうしてロイにとって波乱万丈の忘れられない1日は終わりを告げたのだった。
(完)
最終結果:成功
完成日:2021年03月13日
宿敵
『マレーネ・ヴァルハイト』
を撃破!
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