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星空迷宮

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●学園迷宮にて
 その迷宮の天井には、星空が広がっていた。
 いくつもの光が瞬き、輝き、流れる。
 とはいえ、正しくは「星空に似たもの」だ。おそらくは、魔法的な何かによるものだろう。
 天井を流れた星屑は壁を伝い、床へと吸い込まれてゆく。光の点は小さくなって、消えて見えなくなった。
 その間、ほんの数秒。
 再び流星が流れたその時、何かが床を覆い始めた。さらには、何かが転がるような音も伝わってくる。
 床を覆ったのは、大量の書物であった。
 書庫から溢れたにしてはあまりに大量だ。この時点で異常なのは見て取れる。しかし、何よりも目を見張るのは書物自ら動いて移動しているということだろうか。
 その後ろを行くのは、ロボット。金色のボディは、二つの車輪で支えられている。
 書物に案内されるかのように進むロボットの目が、怪しく光る。
 彼らの動きを阻害するものはない。
 書物と機械は進む。上へ、上へと躊躇無く。
 やがて彼らがたどり着くのは――未だ何も知らない人々がいる、学園施設だ。

●依頼
 猟兵たちの姿を見つけた佐伯・キリカ(陽気な吸血魔法使い・f00963)が、大きく手を振った。
「あっ、そこの猟兵さん! 時間あるかな、お願いしたいことがあるんだよ!」
 グリモア猟兵からの依頼。すなわち、オブリビオンとの戦闘だ。
 猟兵が足を止めてくれたことに安堵した表情を浮かべるキリカ。今回の目的地はアルダワ魔法学園だと続ける。
「ううんとね、学園迷宮のフロアボスが攻め上がってくるのを阻止して欲しいんだ。すぐにフロアボスを撃破したいところだけど、厄介なことに配下がたくさんいてね。まずはそいつらを倒す必要があるんだよ」
 書物の姿をした配下を倒さない限りフロアボスにはたどり着けない。逆に言えば、彼らを倒して行けばフロアボスにたどり着ける、ということだ。
「フロアボスはロボットの姿をしているみたいだね。色は金ぴか……ううん、可愛くない、なあ……。ま、それはさておき! このボスを撃破すれば、侵攻を終わらせることができるよ」
 けれど、もし侵攻の阻止に失敗して全ての階層を突破されたら。
「……学園施設に侵攻されるのは、間違いないよね。戦えない人も多くいるから、無事じゃ済まないと思う。だから、何としても連中が迷宮にいるうちに片付けて欲しいんだよ」
 それができるのは『オブリビオンと戦うため、世界に選ばれた』猟兵だけ。
 そうそう、とキリカはぱっと笑顔を浮かべた。
「配下とフロアボスを撃破した暁には、ぜひ学園大浴場でごゆっくり、って学園から言われてるんだよ。そうだねえ、順当に撃破できれば……大浴場を利用できるのはちょうど夜かな?」
 今回利用できる大浴場は、天井が硝子張りになっているという。せっかくだ、猟兵としての仕事の後は、湯船に浸かりながら本物の星空をゆっくりと楽しむのも良いだろう。


雨音瑛
 雨音瑛です。
 どうぞよろしくお願いいたします。

●シナリオの流れ
 第1章 フロアボス配下『書物の魔物』との集団戦。
 第2章 フロアボスボス『ミミックロボット』との戦闘。
 第3章 学園大浴場での休息。

●補足
 ●第1章・第2章
 迷宮は、魔法的な何やらで天井、床、壁に星空が見えます(特に仕掛けがあるようなものではないようです)。
 ●第3章
 大浴場では、硝子張りの天井から星空が見えます。猟兵としての仕事を終えた後は、ゆっくりとした時間をお過ごしください。なお、一応男女別となっております。
 この章だけの参加も大丈夫です。
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第1章 集団戦 『書物の魔物』

POW   :    魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ   :    ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
迷宮の中とは思えない綺麗な光景だ
荒らしたくは無いが人々を守る為だ、許してくれ

迷宮の見た目が星空だと壁との距離感がわからなくなるから
敵と遭遇するまでは武器を前に突き出しながら進んで、壁に激突しない様気をつけるぞ
余裕があれば左右に壁があるか確認し、横道を漏らさない様にしたいぜ
「あ、ここも壁か、綺麗だけど本当に迷うぜ」

少数の敵と遭遇したらページを開く前に先制攻撃、
大勢や既にページを開いていたら迂闊に近づかず、一度攻撃をさせてそれをかわしてから叩くぜ
万が一かわしきれない時は、グラウンドクラッシャーで壁を壊し瓦礫で防御してみるぞ
「星空に浮かぶ本と、見た目だけは本当にオシャレなんだけど、なっ!」



 グァーネッツォ・リトゥルスムィスの周囲を囲むのは、幾千億とも知れぬ瞬きだ。
 迷宮の中とは思えない光景に時折嘆息を漏らしつつ、気を引き締める。
 武器を前に突き出して歩くのは、壁との距離感を保つためである。
「あ、ここも壁か、綺麗だけど本当に迷うぜ」
 武器の先端が壁に触れたのに気づき、グァーネッツォは困ったように笑った。
 そうして迷宮を行く姿は、さながら宇宙の旅人。武器は地図の代わりだろうか。

 次の角を曲がろうとしたグァーネッツォの足取りが、止まった。
「……来る」
 どんな知覚よりも早い、グァーネッツォの勘。
 直後、床を這う事が聞こえてくる。
「星空に浮かぶ本と、見た目だけは本当にオシャレなんだけど――」
 この場所を荒らしたくは無い。が、学園の人々を守るため。
 グァーネッツォが選択したのは、先制攻撃だ。
「なっ!」
 一瞬にも満たない判断の後、グァーネッツォは武器を力任せに叩きつける。
 そこでようやく判明した書物の魔物、その数は、複数。グァーネッツォがひとりで相手にできる数だ。
 書物の魔物たちはページに魔力を蓄えようとしたが、グァーネッツォの方が数段早かった。
 叩き込まれた、圧倒的な衝撃。
 書物の魔物へはもちろん、それは床と壁に伝わり、偽の星空を砕いてゆく。
 書物のページはばらけ、書物そのものも消滅していった。
「さーて、この調子で進んでいくとするか!」
 豪快に笑い、グァーネッツォは迷宮を進んでゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

畔扉・瑞
天井に星が瞬くとは、とても不思議な空間ですね。
星空が美しいです。
おや、流れ星が。
……心ゆくまで眺めていたいところですが、
オブリビオンの侵攻を止めなければなりませんからね。
では、参ります。

攻撃は【神凪水刃ノ舞・鱗】で行います。
紙は濡れると破れやすくなりますが、
オブリビオンの場合はどうなのでしょう。
ともかく、水の刃と共に、みなもで【なぎ払い、衝撃波】を食らわせます。
【属性攻撃、鎧砕き】で威力を高めることが出来ればと。
攻撃されたら【第六感、見切り】で回避したく。
【カウンター】で反撃を狙います。

インクが衣服に当たった場合、汚れはちゃんと落ちるのでしょうか。
戦闘終了後、少し落ち込むかもしれません……。



 畔扉・瑞の青い瞳に、流れ星が映り込んだ。
 思わず表情を和らげて見入ってしまうが、すぐにゆっくりと首を振る。
 心ゆくまで眺めていたいところだが、瑞がここを訪れたのはオブリビオンの侵攻を止めるためだ。
 オブリビオン――書物の魔物の来襲に、瑞は身構えた。
「伏して願い奉る。天の原におはします、水を統べる龍の神。御身に舞を捧げ奉る。我が身に降り給い、守護の力を与え給え」
 瑞の姿が、微かに青い光を纏うものへと変わって行く。
 瑞がひらりと手を振ると、星屑の床を衝撃波が滑って行った。同時に繰り出されるのは、鱗状の水の刃を放つ「なぎなた」だ。
 紙は濡れると破れやすくなるが、さあ、オブリビオンの場合は果たして。
 入れ違いに、書物の魔物が魔法弾を放った。インクを纏った魔法弾の数は複数、数を数える時間すら惜しいと瑞は第六感をはたらかせる。
 眼前まで迫ったそれを回避した。次は足に迫るものを、その次は胸元に迫るものをひとつ、またひとつと魔法弾の軌道を読む。
 不意に、瑞の表情が曇った。自らの意思に抗うように動いた右手首には、魔法弾が着弾していた。
 とはいえ、被弾したのはその一つだけ。数十にも及んだ魔法弾をほぼ回避したのだから、大したものだ。
 かたや、書物の魔物は真っ二つになっていた。なぎなたによって湿り気を帯びた魔物は脆くなったのだろう、衝撃波によって見事に切断されていた。
 戦果は充分であるが、瑞の顔は晴れない。
「この汚れは……ちゃんと落ちるのでしょうか」
 インク魔法弾により、袖口に黒いインクが付着していたのだ。仕事を終えた後はひとまず水で流してみようと心に決め、瑞は小さくため息を零した。

成功 🔵​🔵​🔴​

オリオ・イェラキ
まぁ、なんて
素敵な所
空が無いのに、星が見られるなんて
この迷宮に通い詰めたくなりそう

壁に流れた星屑を指でなぞって少し微笑む
わたくしはね、星空が好きよ
どうしようもなく
でも貴方達には興味のない事なのかしら
ここを出て行くなんて、勿体無い

星を描いた本ならいいのにと独言て
本達の遠距離攻撃にメテオリオを放ち迎え撃つ
わたくしの星も綺麗でしょう?
この流星で全て撃ち堕として差し上げますわ

後は魔力を蓄えてる本から
この大剣で屠って行きましょう
灯りは持たず移動は静かに
星空に黒いわたくし、見分けがつくかしら
暗視も得意ですから、獲物はちゃんと見えますわ
でも終わる迄は、星空迷宮に余所見しないよう気を付けないと



 地下迷宮に、空はない。
 だというのに、この迷宮には星々が輝いていた。
「通い詰めたくなりそう」
 壁に流れた星屑を指でなぞり、オリオ・イェラキは微笑んだ。
 漆黒の髪を揺らし、黒い瞳を瞬かせながらオリオは迷宮を歩む。彼女の白い肌だけが、ほのかに浮かび上がっている。
「わたくしはね、」
 音の聞こえた方に視線を遣る。
「星空が好きよ。どうしようもなく」
 でも、と現れた魔物を見て瞬きひとつ。
「貴方達には興味のない事なのかしら。ここを出て行くなんて、勿体無い」
 ああ、彼らが星を描いた本ならいいのに。オリオの独白のうちに書物たちは距離を詰め、インク魔法弾を放つ。
 しかし、オリオは微動だにしない。
「さぁ……お往きなさい、わたくしの星達」
 たおやかに紡がれた言葉を合図に、オリオが装備している武器達が無数の花びらへと変わった。
 黒き薔薇の花弁は星の煌めきを纏い、書物達の放った魔法弾を次々と打ち落とす。
 道半ばで落とされたインク魔法弾は床に落ち、星空を覆ってゆく。
 その上を静かに進むオリオは、大剣を以て書物たちを屠りにかかった。一冊、また一冊。
 暗視は得意なオリオだ、獲物を見逃すはずがない。
 大剣を振るう黒の貴婦人が剣を収めたのは、ひとかたまりの書物たちを仕留めた証拠。
 またゆっくりと壁面の星をなぞりながら、オリオは星の迷宮を進んで行くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルバ・ファルチェ
星空(っぽいモノ)が見れるなんてなんともロマンチックな迷宮だね。

こんな綺麗な場所に剣呑な空気は似合わない。
だから、僕に出来る範囲で危険を排除させて貰うよ。

毒属性が厄介だよね…。
僕のユーベルコードでの治療、効けばいいけど。
ユーベルコードが効かなくても【医術】で治せないかな?

まぁ、当たらなきゃどうってことは無いかもしれないから【見切り】【盾受け】で出来るだけ当たらないようにするよ。

仲間が居れば【かばう】。
【毒耐性】もあるから多少は耐えれるはず。

攻撃はドラゴンランスのコルノに【援護射撃】で【串刺し】してもらおうかな。
僕自身、攻撃は得手とはしないから。

その代わり、防御と治療は任せて!


ルナ・ステラ
がんばった後の星空を見ながらの大浴場楽しみですね♪
でもその前に、学園施設に侵攻されるのは危険なので、絶対に止めないとですね!

わぁ!綺麗な迷宮ですね!
どういう仕組みになってるんでしょうか?
ゆっくりと見たいのですが、そういうわけにはいかないみたいですね...

書物の魔物の数が多いですね...
書物ということですから、やっぱり火が弱点なのでしょうか?
【属性攻撃】で火の魔法で攻撃を試みます!
数が多いので、魔物同士で燃え広がってくれたりしないでしょうか?

もし、インク魔法弾やページカッターをとばされたら、コメットブースターで【吹き飛ばし】て攻撃を凌ごうと思います。

アドリブ・絡み等歓迎です。


都槻・綾
※絡みアドリブ歓迎

罠でしょうか
其れとも古の置き土産でしょうか
何れにせよ素敵な魔法ですね

流れ星に目を細め乍ら
宙の中を航る旅路に
楽し気に笑んで

悠長な様子へ
縫の呆れた目が向けられるのはいつもの事
壁と思しきところに指で触れて辿りつつ
深淵へと向かう

然れど
奇襲に備えて第六感を研ぎ澄まし
見切り、オーラ防御で己と味方の回避、援護

知識を屠る焚書は最も忌むべき行い
書物を破らねばならないことには
僅かに眉を顰めるけれど

綴られた文書は全て私の胸の裡に

呟いて
流星の如く放つ符、二回攻撃
敵数が多ければ範囲攻撃も織り交ぜ
出来るだけ過分に傷めつけぬよう
早期の消滅を目指す

きらきら散り逝く様は
宇宙の星の一つ一つになったかのようですね



「わぁ! 綺麗な迷宮ですね!」
 ルナ・ステラが、めくるめく星たちに歓声を上げる。その美しさはもちろん、どんな仕組みになっているのかも気になるところだ。ゆっくりと探索してみたい、と胸を高鳴らせる。
「罠でしょうか、其れとも古の置き土産でしょうか。何れにせよ素敵な魔法ですね」
 ゆるりうなずくは、都槻・綾。流れ星に目を細め、宙の中を航る旅路に楽しげな笑みを浮かべている。
 迷宮の中にいることを理解しているのか、と言わんばかりに縫の視線が向けられている。それがいつものことだと認識している綾は、壁に指で触れながら深淵へと向かってゆく。
「わ、沢山の星が流れていったよ。流星群かな? なんともロマンチックな迷宮だね」
 アルバ・ファルチェが床を指差して笑った。
 このような場所に、オブリビオンといった剣呑な存在は似合わない。だから、アルバにできる範囲で危険を排除させて貰おうとこの迷宮を訪れたのだ。
「学園施設に侵攻させないためにも、ここで絶対に止めないとですね! がんばった後は星空を見ながらの大浴場が待っているみたいですし……!」
 ルナの言葉に、綾とアルバはくすりと笑った。
「……おや、どうやらお出ましのようです。お二人とも、準備はよろしいですか?」
 綾が二人に目配せする。
「まずはわたしが!」
 ルナが両手を突き出し、火の魔法を放った。
「書物ですし、火が弱点だといいのですが……!」
 炎が書物たちを包み込む。星よりも明るく、炎が迷宮のフロアを照らしている。
「ルナさんの期待どおり、書物たちは燃え広がっていますね」
 とはいえ、まだ彼らの活動を全て止めることはできないようで。
 インク魔法弾やページの刃が、3人目がけて飛来する。
 コメットブースターを用いて魔法弾と刃を吹き飛ばそうとするのは、ルナ。だが、数が多すぎる。全ての攻撃を吹き飛ばせないと身構えたその時、アルバがルナの前に出た。肌の上を滑ってゆくページの刃で、腕に赤い線画生まれる。
 それでもアルバは痛むそぶりを見せず、ルナへと微笑みかける。
「……ふぅ、危なかったね。ルナちゃん、怪我はない?」
「はい、わたしは大丈夫です。ありがとうございます、アルバさん!」
 炎を灯されてなお、書物たちはまだいくらか動けるようだ。綾
「威力自体は大したことがなさそうですが、如何せん数が厄介ですね。封じさせてもらうとしましょう」
 知識を屠る焚書は、最も忌むべき行い。書物を破らねばならないことには僅かに眉を顰め、綾は符を放った。それも、二度。
「綴られた文書は全て私の胸の裡に」
 小さくとも温かな呟きひとつ、綾は放った七星七縛符が敵に到達したのを見て取った。
 効果は、敵の捕縛とユーベルコードの封印。
 つまり、好機が生まれたということ。
「アルバさん、ルナさん、今です」
「了解! コルノ、頼んだよ」
「はい、行きます!」
 アルバのドラゴンランス「コルノ」によって貫かれた書物が、一列に連なる。そこへ、ルナの放った炎が覆い被さるかのように到達する。
 書物たちは、もはや逃げられない。反撃もできず、一冊、また一冊と燃え尽きてゆく。
 灰になったページの欠片が、ふわりと宙を舞う。炎の色を浴びて散りゆくその様は、宇宙の星、その一つ一つになったかのようだった。

 書物の魔物は、猟兵によって全て屠られた。
 だが、これからが正念場だ。
 フロアボス『ミミックロボット』を撃破しない限り、侵攻は食い止められないのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ミミックロボット』

POW   :    トレジャーロボット
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【貨幣もしくは宝石】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    ゴーレムフォース
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【小型ゴーレム】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    フルスチームグラップル
【フルパワーでの掴みかかり】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィロメーラ・アステール
「こりゃまた、なんだかヘンテコな場所だなー!」
うーむ、あたしも負けてられないぞ!
せっかくだから、本当に本物な輝きってヤツを見せてやる!

【スーパー流れ星キック】を発動!
【残像】が出るほどの超スピードで【ダッシュ】【ジャンプ】!
そこから流星の尾を引く【スライディング】を見せる【パフォーマンス】!
そして光の【属性攻撃】の【全力魔法】パワーを纏って、敵に【踏みつけ】攻撃だー!

敵の反撃なら【空中戦】で鍛えた動きで避けてみせるぞ!
うまくいけば、動きが止まったりするはずだぜ!
……うまくいかなくても、フルパワーを出させている間はスキができそうだから【気合い】で抵抗するか!

つまりどっちに転んでもチャンスだー!



「こりゃまた、なんだかヘンテコな場所だなー!」
 星空の天井を時折見ながら迷宮を歩んでいたフィロメーラ・アステール。
 彼女の前に、フロアボス『ミミックロボット』が立ちはだかる。猟兵たちに散らされた書物の魔物、その残骸を押しのけて。
「へへっ、あたしも負けてられないな……先手必勝、スーパー! 流れ星!! キーーーック!!!」
 そう叫んだフィロメーラは、一瞬でミミックロボットとの距離を詰めた。すると、ミミックロボットの体表の輝きが増してゆく。ミミックロボのものではない、フィロメーラそのものの輝きだ。
 輝きのうちに、フィロメーラの足先がミミックロボットの頭部に到達する。
 同時に、ミミックロボットの頭部装甲が十センチほど沈み込んだ。それもそのはず、スーパー流れ星キックは隕石落下のごとき衝撃を与えるものなのだ。
 敵の動きが止まるやいなや、フィロメーラは目を輝かせた。
 次いで素早く流星の尾を引いたスライディングを見せ、ミミックロボットの背後に回り込む。
 ミミックロボットが振り返るよりも早く発動したのは、自身の身体を包み込む全力魔法だ。
「さー、もういっちょいくんだぞー!」
 無邪気に宣言したフィロメーラは、ミミックロボットの頭部を踏みつけた。
 フィロメーラが次のステップを踏むと、ミミックロボットの頭部にある装甲が一枚剥がれ落ちるものだから。
「幸先がいいなー! みんな、あたしに続けー!」
 ご機嫌な笑顔で、フィロメーラは拳を掲げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
ようやくボスを見つけたぜ
宝箱の形をしているが、それならお前をぶっ飛ばして人々の未来という宝を頂くぜ!

縦横無尽に動き回れそうな車輪も長くて大きい腕も厄介そうだ
敵の懐に入り込む……とフェイントさせて側面に回って
車輪に超極級拍手を食らわせたり、
敵が腕で攻撃してきたらギリギリまで引きつけてからかわし、
腕にカウンターで反撃……など攻撃を繰り返して、
腕と車輪の破壊を試してみるぞ
「バーバリアンの奥義、とくと味わえ!」

それと敵が無機物を取り込まないように戦闘中に発生した瓦礫や
迷宮内の落とし物は戦闘外に遠くへ投げたり、最後の手段として壊してしまうぞ
「ミミックは宝が好きと聞いたが、だからって貪欲すぎだぜ!」



 ようやく見つけたぜ、とグァーネッツォ・リトゥルスムィスは笑みを深めた。
「宝箱の形をしているみたいだが……お前をぶっ飛ばして、人々の未来という宝を頂くぜ!」
 星の流れた床を蹴り、グァーネッツォはミミックロボットの懐に入り込む。
 腕を振り上げたミミックロボットに慌てる素振りも見せず、右の足を軸にして側面へと回り込んだ。
「バーバリアンの奥義、とくと味わえ!」
 やや姿勢を落として、両の手を打ち鳴らす。
「これこそ触れずに攻撃するバーバリアンの奥義だ!」
 勝利の宣言にも似た言葉。放たれたのは、極大の衝撃波であった。
 ミミックロボットの車輪は衝撃に耐えきれず、砕け散る。
 無論、そのまま黙ってされるがままのミミックロボットではない。衝撃波によって砕けた床や車輪の破片を集め始めた。
「ミミックは宝が好きと聞いたが、だからって貪欲すぎだぜ!」
 合体などさせまいと、グァーネッツォは腕を足を、武器をも用い、無機物たちを遠くへと弾き飛ばしてゆく。
 ミミックロボットの右腕が、転がる車輪の軸を掴もうと伸びる。
「はっ、させるかよ!」
 グァーネッツォが武器を振るう。その先にあるのは車輪の軸――ではなく、ミミックロボットの右腕だった。
 金の瞳が不敵に輝くと、ミミックロボットの右腕は音を立てて床に落ちた。

成功 🔵​🔵​🔴​

オリオ・イェラキ
あれがフロアボスとやら?
少し派手な金色ね
確かに可愛げはないかしら
このフロアにある星の光が、霞んでしまいますわ
成らば、狩りましょう

騒々しい輝きがあるのならば
より深い夜を招けば良いだけ
さぁ、極夜に更けるわたくしをご覧になって
わたくしは星夜
貴方が観る、最期の夜

小型の人形はより煌きを増したメテオリオを贈りましょう
獲物が例え二倍になろうとも、怯む事はありませんの
その一撃大剣で受け止めて差し上げますわ
わたくしの身体で受け止められないとでも?
この程度、淑女の嗜み

勿論お返しもきちんと致しますわ
礼は尽くさねばなりませんから
夜空の剣撃、存分に召し上がれ

倒した後も、帰る前に
もう少しだけこの迷宮を堪能しても良いかしら


ルナ・ステラ
今度の敵は大きいですね...
掴まれてしまったら、苦しい思いをしそうですね...
わたしは距離をとって戦った方が良さそうです。

相手の攻撃を受けないように、他の人の攻撃の邪魔にならないように、箒に跨って距離をとって空中で戦おうと思います。

相手の隙ができたら星の魔法で攻撃を試みます。
隙が小さいようなら【高速詠唱】で素早く。
隙が大きいようなら【全力魔法】で大きなダメージを与えようと思います。

あと、もし傷を負った猟兵さんがいれば、癒しの獣奏器で【楽器演奏】をして傷を癒したいと思います。

ー学園には侵攻させませんよ!



 オリオ・イェラキは目を細めた。
 これまで相手をしてきた書物の魔物に比べ、少し派手な金色だ。グリモアベースで聞いたとおり、確かに可愛げはない。
「このフロアにある星の光が、霞んでしまいますわ」
 ここからは、狩りの時間。オリオの言葉を誘いと取ったのか、フロアボス『ミミックロボット』が車輪を回転させながら近付いて来る。
「さぁ、極夜に更けるわたくしをご覧になって。――より深い、素敵な夜へ」
 オリオの唇が動けば、星煌く夜色のオーロラが彼女を幾重にも覆ってゆく。
 対して、ミミックロボットは左腕で床のパネルを複数枚剥がして己に纏った。身長が増し、元の二倍の姿へと変貌する。
 瞬きひとつ、オリオが贈るのはメテオリオ。武器たちは瞬時に星の煌きを纏う黒薔薇となり、ミミックロボットの装甲を深く抉る。
 攻撃を受けながらも、ミミックロボットはオリオへと掴みかかった。
 オリオは首から下を巨大な腕で捕まれ身動きひとつ出来ない状態、なのだが。
「あら」
 それだけ零して、焦りひとつ見せずじっと待つ。
 力が僅かに緩んだと感じたその時、オリオは大剣の柄を握る手に力を込めた。
「礼は尽くさねばなりませんものね」
 浮かべる表情は微笑み。大剣で指関節を押しきり、捕縛から逃れる。
 星のステージで数歩のステップの後、軽々と扱われる大剣が見せるは夜空の剣撃。時折見える銀線は、さながら流星。
「さすがフロアボス、といったところかしら。頑丈ですのね」
 いくつもの傷を負っても、ミミックロボットは未だ健在だ。
 それならそれでこの迷宮を堪能できると笑みを深めるオリオの耳に、穏やかな音色が届いた。

 箒に跨がった少女、ルナ・ステラが奏でる癒しの音色で、オリオの傷が癒えてゆく。
「良かった、間に合いました……!」
 胸をなで下ろし、ルナはミミックロボットをじっと見る。
 書物の魔物と違い、フロアボスであるミミックロボットはさすがに大きい。少し距離を取った状態で、ルナは攻撃へと移る。
(「あまり隙はなさそうですね……それなら!」)
「お星さんたちわたしに力を! 悪しきものに降り注げ! シューティングスター☆」
 口早に詠唱して放つは、無数の流れ星。光纏った星々は100もの尾を引いてミミックロボットを捉える。
「――学園には侵攻させませんよ!」
 ミミックロボットを見据え、きりりとした表情でルナが告げた。
 煌めきたちはミミックロボットの装甲を、あるいは関節部を穿ち、確実にダメージを与えている。
 しかし、ミミックロボットは数多の星を受けながらも前進してくる。片腕と片方の車輪を失ってはいるが、まだ充分に戦えるようだ。
 通路を逃げるルナの後ろから、ミミックロボットの腕が伸びる。
 加速するルナ、負うミミックロボット。
 ミミックロボットの指先がルナに触れるが早いか、少女の体が拘束される。
「……っ! 離して、ください……!」
 抵抗して数秒、ミミックロボットの指が一本ごとりと落ちた。
 ルナはその隙を見逃さない。体勢を取り直し、再びミミックロボットと距離を取る。
 おそらくは、星の魔法が刻んだ傷によるものだろう。ルナの抵抗が駄目押しとなり、破損に至ったのだ。
 機械指の落ちた床を見れば、ルナを応援するようにいくつのも星が流れてゆくのが見えた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

畔扉・瑞
ふむ、これが金ぴかのロボット。
鍵穴のようなものがありますが、あれは目なのでしょうか。
では、あそこが顔?
それに他にも……。
おっと、つい観察してしまいました。
戦いに集中しなければ。

【神凪水刃ノ舞・鱗】で神霊体へ。
関節など、装甲の隙間を狙って攻撃してみます。
体勢を崩せるよう【なぎ払い、衝撃波】で【吹き飛ばし】てみましょう。
ロボットがこちらに掴みかかってくるような動作があったら、
【第六感、見切り、残像】で回避を。
無駄に観察していたわけではありませんので、ふふ。
できれば【カウンター】で反撃します。

戦いが終わったらインクの染み抜きが待っていますので。
早急に撃破されてくださいね。

※連携、アドリブ等歓迎です。


都槻・綾
※絡みアドリブ歓迎

第六感
見切り
オーラ防御
で奇襲に備える

まみえた敵は
煌びやかで荘厳な姿

海賊譚に登場する宝箱のようですねぇ

道中の星海も書の山も
玉石散らした如く美しかった
宝庫の如き身から零れ落ちたものでしょうか
旅路に笑んで礼

然れど
古の宝は
地に海底に秘され
夢に語られることこそ浪漫

骸海に還り
深く深く沈み逝きなさい
夢抱く誠の宝箱となる為に

私は『貴方の物語』を胸に綴って刻んでおきましょう

恭しく掲げた指先から放つ符は流星の如し
きらきら弾けて呪縛

皆の援護をしつつ
行きなさい、と縫を促す
舞うかの所作で敵を討つ様に称賛

振袖が汚れたと不服気な様子へ
身を清められる場があるそうですよ
と笑って

さぁ
星降る湯屋へと参りましょうか



「鍵穴のようなものが目なのでしょうか……では、あそこが顔? それに他にも……おっと、つい観察してしまいました」
 戦いに集中しなければ、と、畔扉・瑞が首を振る。
「煌びやかで荘厳な姿――海賊譚に登場する宝箱のようですねぇ」
 のんびり言うは、都槻・綾。続いて彼の脳裏をよぎるのは、ここまでの旅路だ。
 道中の星海、書の山。玉石を散らしたかの如く美しかったそれらは、彼の宝庫の如き身から零れ落ちたものだったのだろうか。
 笑んで恭しく一礼し、綾は背を伸ばす。
 されど古の宝、その浪漫は目に見える場所にあり続けることではない。地に、あるいは海底に秘され、夢に語られることこそ。
「骸海に還り、深く深く沈み逝きなさい。夢抱く誠の宝箱となる為に」
 綾の顔には、ひどく優しい笑みが浮かんでいた。
「私は『貴方の物語』を胸に綴って刻んでおきましょう」
 掲げた指もまた恭しく、放つ符は流星を思わせる。
 きらり輝いた符が、弾けての呪縛でミミックロボットを戒める。
「今です、瑞さん」
「ありがとうございます。それでは、行きます……伏して願い奉る。天の原におはします、水を統べる龍の神。御身に舞を捧げ奉る。我が身に降り給い、守護の力を与え給え」
 神霊体へと変化した瑞は、鱗状の水の刃を放つなぎなたで斬りかかった。狙うは装甲の隙間、関節部だ。
 衝撃波と共に襲い掛かるそれを、ミミックロボットはまともに受ける。車輪の軸が緩むが、容赦せずさらに力を加える瑞。ミミックロボットは吹き飛ばされ、壁面に背から激突した。天井から落ちるものは星、ではなく天井の欠片だ。
「行きなさい」
 綾の促しで、縫はミミックロボットの懐へ飛び込んだ。舞うような所作で剥がれ飛んだ装甲を見て、綾は幾度か手を叩いて賞賛を送る。
 縫が離れた直後、綾は符による拘束を解除した。
 体勢を立て直したミミックロボットは、瑞に掴みかかろうと迫りつつ腕を伸ばす。
 しかし瑞は腕をするりと逃れ、
「無駄に観察していたわけではありませんよ、ふふ」
 ミミックロボットが残像に掴みかかる様子に悪戯っぽい笑みを浮かべた後、さらに一撃を加える。
 ダメージを与えている、という実感もある。上から下まで眺めてみても、かなりの箇所が破損している。
「早急に撃破されて欲しいところですが……それなりに頑丈なようですね」
 瑞が落とした視線の先にある袖口。端に滲む黒いインクは、消える気配もなくそこにある。
「インクの染み抜きが待っているのです、そろそろお開きにしませんか? 対処が早ければ早いほど、綺麗に落ちてくれるといいますし」
 その言葉に、縫がこくこくとうなずいている。それもそのはず、先の攻撃で汚れた振り袖にいたく不服気なのだ。
 綾は縫と振り袖を交互に見て笑い、宥める。
「安心なさい、身を清められる場があるそうですよ」
 ――星降る湯屋。綾の口から零れた言葉に、縫はすぐさま機嫌を直した。
 さあ、本物の星空を瞳に映すまで、もうひと頑張りだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルバ・ファルチェ
ボスのお出ましか…。

数で来るようならこちらも数で対抗させて貰おうかな。
ユーベルコードで盾を複製、仲間が居れば【盾受け】で全員を守れるように。
もちろん僕自身も【かばう】【おびき寄せ】【挑発】で敵からの攻撃を引きつける。
攻撃は【見切り】【第六感】で避けたり、【武器/盾受け】で受けたり【耐性】で耐えたり【オーラ防御】でダメージを最小限にするよ。
ただ標的になるんじゃなくて隙あらば【カウンター】を仕掛けて【鎧砕き】【武器落とし】を試みて仲間が有利に動けるよう努める。
僕自身は攻撃を得手とはしないわけだけど、出来る限りのサポートはしたいからね。

あとはコルノに【援護射撃】【串刺し】辺りで頑張って貰おう。


雨糸・咲
折角の星空に、大きくてぴかぴかした貴方は残念ながら不似合いですよ

…と言って、外へ出られても困ってしまうのです
どうぞ、ここで眠ってしまって下さいな

小さいゴーレムさん達は
合体されたら困りますから
それぞれが近付かないよう気を付けながら
一体ずつ確実に破壊しましょう

【フェイント】で注意を逸らしつつ
両腕から伸ばした蔓を巻き付け
動きを止めにかかります

相手は大きいですから
肩などの関節部分を狙ったり、
車輪なら
軸と輪を固定できれば…

他の方が攻撃する為の足掛かりになれれば、と
首尾良く破壊もできれば上々ですね

※アドリブ、他の方との絡み歓迎

落ち着いて物腰柔らかながら
戦闘には毅然とした態度で臨みます


境・花世
まるで冒険譚に出てくる、
封印されし宝箱みたい
少年のようにそわっとする胸を押さえ
早業で壁を駆け上れば
ほら、煌く星空が冒険の舞台

最強のボスには弱点がつきものだよね
その鍵穴とかすっごく怪しい気がする
フック付きワイヤーを使って、
上方から一気に肉薄してみようか

っと、とと、あっぶない、

掴まれそうになって慌てて離れ
こういう時の足の速さには定評があるよ
格好悪い? いやいやまさか

逃げたと見せかけて
実はとっときの決め技を持ってるのって、
冒険譚には欠かせない展開だからね

――咲け!

鍵穴に放り込んでいた花の種を
一気に開花させて内側から壊そうか
きらきらと崩れてく宝箱の中身は
お星様、なんて結末はどうかなあ

※アドリブ絡み歓迎



 アルバ・ファルチェはミミックロボットの正面に立ち、片方の腕を前に突き出した。
「僕の前では誰も傷つけさせないよ」
 付近に立つ雨糸・咲と境・花世に、《盾の騎士の証》が刻まれた盾、その複製がいくつも出現する。もちろん、術者であるアルバの前にも。
 そうして進み出たアルバは、不敵な笑みを浮かべて1体のミミックロボットを見遣った。
「まだまだ戦えるんでしょ? ほら、来なよ」
 あからさまな挑発に、ミミックロボットは『乗った』。
 ミミックロボットの目が光り、彼の周囲に数十体の戦闘用小型ゴーレムが出現する。
 一斉に襲い掛かる小型ゴーレム。アルバは、
「なるほどね……っと!」
 第六感を用いて回避し、あるいは
「残念、僕にはこれがあるんだよね」
 盾で受け、さらには盾の間を縫って打ち込まれた一撃すら耐えてみせる。物理攻撃への耐性を持ち、かつオーラ防御を駆使するアルバに隙はない。
 また、ドラゴンランスのコルノによる串刺しも、アルバを守ってくれる。
 何より、ただ標的になるだけのアルバではない。
「今度はこっちの番だよ!」
 小型ゴーレムを蹴散らしながら叩き込んだ一撃で、ミミックロボットの全身に細かいヒビが入った。加えて、部分的に装甲が剥げている。
 これでいっそう、他の猟兵有利に動けるというもの。
 ならば、さらに攻撃を確実なものとするために。
 咲は視線と逆の方向に動き、両腕の蔓を伸ばした。視線につられて動いたミミックロボットは、わずかに行動が遅れる。
「少しの間だけ…ね。良いでしょう?」
 咲の焦茶色の瞳に、星空とミミックロボットが続けて映る。折角の星空に大きくてぴかぴかした彼は不似合いなのだ、残念なことに。
 とはいえ、外へ出られても困ってしまう。
 だから咲の提案する案はひとつだけ。
「どうぞ、ここで眠ってしまって下さいな」
 蔓に茂る葉は葡萄のそれ、絡みつくは車輪の軸。
 軸と車輪が固定され、ミミックロボットの動きが止まる。捕縛は見事、成功だ。
「ふふ、止まりましたね。……花世さん、行けますか?」
「もっちろん、まかせて!」
 応える花世は壁を駆け上り、煌めく星空を舞台にフック付きのワイヤーを伸ばした。
 移動しつつ狙うはミミックロボット、その鍵穴だ。
「すっごく怪しいよね。それに、最強のボスには弱点がつきものだし」
 何より、冒険譚に出てくる封印されし宝箱のような見た目に、花世の胸は少年のように高鳴る。
 花世がミミックロボットに迫る中、再び小型ゴーレムが召喚された。
「あらあら。こちらはお任せくださいね」
 数十体の小型ゴーレムが合体しようとしたその時、咲が手近な一体を素早く破壊する。
 柔らかな笑みを浮かべ、咲は小型ゴーレムを一体、また一体と確実に破壊してゆく。怯むことなく、着実に、迅速に。
 決して合体させまいという、確かな意思を宿して。
 直後、花世がミミックロボットの上方から一気に肉薄する。猟兵の攻撃で歪む鍵穴をコンとノック、さあ、どんな攻撃を叩き込もうか。勘案する彼女に、ミミックロボットの腕が迫る。
「っと、とと、あっぶない、」
 慌てて離れる花世の速度は大したもの。ミミックロボットの腕は虚しく空振りする。
「格好悪い、なんて言わせないよ――咲け!」
 逃げた先で着地した花世は、ぱちんと指を鳴らした。
 一瞬の後ミミックロボットの内側から、無数の花が咲き誇る。
 逃げたと見せかけてとっておきの技を持っている――なんて、冒険譚には欠かせない展開だ。
「きらきらと崩れてく宝箱の中身はお星様、なんて結末はどうかなあ」
 花世が口にするそばから、ミミックロボットの装甲がいくつも剥がれてゆく。
 フロアボスの撃破まで、あと一押しだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​


 落ちた装甲を飛び越えながら、アルバ・ファルチェはミミックロボットへと向かって行く。
「なら、ここで退く訳にはいかないね。……ボロボロになっちゃったからそろそろ休もう?」
 冗談交じりに声をかけるのは、騎士ゆえの優しさによるものか。
 なんて言ったところで無駄なのは百も承知だから、アルバはさらにミミックロボットとの距離を詰める。
 怪我をしている猟兵はいない、となれば攻勢に出るのみ。
「やられる前にやれ……ってね!」
 装甲パネルを複数破壊し、腕の関節部に強かな一撃を加える。
 飛び退いて数十センチだけ離れたアルバの指先が、ミミックロボットを指し示した。
 ミミックロボットの頭上から光が降り注ぐ。星の光よりもずっと、ずっと強い光は機械の全身を軋ませる。
 もちろん、それだけには留まらない。
「コルノ!」
 名を呼べば、向こうも心得たもの。コルノはミミックロボットの胴体を串刺しにし、ドラゴンランスの役割を果たす。
「ふふ、来ると思ってたよ」
 ミミックロボットの腕がぎりぎりと持ち上がり、振り下ろすと同時に伸びる。
 しかし、そこにアルバはいない。
 第六感は見事に働き、ミミックロボットの攻撃を見切った。念には念をと、コルノの角で腕を受けながら。

 小さく響いた上品な笑い声は、オリオ・イェラキによるものだ。
「まぁお行儀の悪い。素直に倒されるのもフロアボスとらの役目ではなくて?」
 違いますの、と小首を傾げるさまは不思議と淑やかだ。
「でも、骨のある獲物も嫌いではありませんわ。わたくしもまだまだ、あのままでは満足できませんでしたもの」
 けれど、星空迷宮は充分に楽しめたから。
 ミミックロボットの夜明けを飾るべく、オリオは動いた。
 灯りの無いまま迷宮の星の動きすら読み、闇だけを選んで静かに突き進む。
「極夜に更けるわたくしを、見つけられるかしら」
 さらなる真夜中を纏って、オリオは足を止めた。そこは既に、ミミックロボットの眼前だ。
「刹那の輝き、見逃さないで」
 大剣が描く流星の軌跡は、今宵一番の瞬く星となってミミックロボットの胴体に到達した。金属質な手応えが、オリオの腕に伝わる。
 押し切る。オリオがそう決めた瞬間、ミミックロボットは真っ二つになった。
 ミミックロボットの上半身で輝いていた目は輝きを失い、下半身も微動だにしない。
「さあ、お眠りなさい……」
 何せ、ここは眠るには丁度よい場所。
 流れる星たちがきっと、子守歌を歌ってくれるだろうから。
オリオ・イェラキ
まぁお行儀の悪い
素直に倒されるのもフロアボスとらの役目ではなくて?
あら、違いますの

でも、骨のある獲物も嫌いではありませんわ
わたくしもまだまだ、あのままでは満足できませんでしたもの
星空迷宮も楽しめましたの
さあ、貴方の夜明けを飾りましょう

一切の明かりを持たず、迷宮の星の動きさえ読んで
明かりのない所を選び静かに突き進む
極夜に更けるわたくしを、見つけられるかしら
より深い、真夜中を纏って

獲物が気付く頃は至近距離かしら
でもその時にはもう遅い
今宵一番の瞬く星を
どうぞ、堪能して
大剣の流星を、かのモノ目掛け叩き込む
お眠りなさい…そう、丁度
寝るには良い場所なのですから


アルバ・ファルチェ
あと少しで撃破できるなら、ここで退く訳にはいかないね。

掴みかかりは【第六感】で【見切り】。
【鎧砕き】【武器落とし】、ダメ押しでユーベルコードで攻撃。
ボロボロになっちゃったからそろそろ休もう?…なんて言ったところで無駄だろうけどね。

今回は『やられる前にやれ』な思考で攻勢に出るけど、怪我をした人がいればAmour Gratuitを優先。

攻勢に出ても本質は『護る事、癒す事』だからね。
騎士としてだけじゃなく、クレリックとしての力も発揮出来るかな。

コルノには相変わらず【援護(射撃)】で【串刺し】を。
あとはコルノの角か本体で【武器受け】とか【かばう】事が出来そうなら無理なの無い程度に頑張ってもらおうかな。



 落ちた装甲を飛び越えながら、アルバ・ファルチェはミミックロボットへと向かって行く。
「なら、ここで退く訳にはいかないね。……ボロボロになっちゃったからそろそろ休もう?」
 冗談交じりに声をかけるのは、騎士ゆえの優しさによるものか。
 なんて言ったところで無駄なのは百も承知だから、アルバはさらにミミックロボットとの距離を詰める。
 怪我をしている猟兵はいない、となれば攻勢に出るのみ。
「やられる前にやれ……ってね!」
 装甲パネルを複数破壊し、腕の関節部に強かな一撃を加える。
 飛び退いて数十センチだけ離れたアルバの指先が、ミミックロボットを指し示した。
 ミミックロボットの頭上から光が降り注ぐ。星の光よりもずっと、ずっと強い光は機械の全身を軋ませる。
 もちろん、それだけには留まらない。
「コルノ!」
 名を呼べば、向こうも心得たもの。コルノはミミックロボットの胴体を串刺しにし、ドラゴンランスの役割を果たす。
「ふふ、来ると思ってたよ」
 ミミックロボットの腕がぎりぎりと持ち上がり、振り下ろすと同時に伸びる。
 しかし、そこにアルバはいない。
 第六感は見事に働き、ミミックロボットの攻撃を見切った。念には念をと、コルノの角で腕を受けながら。

 小さく響いた上品な笑い声は、オリオ・イェラキによるものだ。
「まぁお行儀の悪い。素直に倒されるのもフロアボスとらの役目ではなくて?」
 違いますの、と小首を傾げるさまは不思議と淑やかだ。
「でも、骨のある獲物も嫌いではありませんわ。わたくしもまだまだ、あのままでは満足できませんでしたもの」
 けれど、星空迷宮は充分に楽しめたから。
 ミミックロボットの夜明けを飾るべく、オリオは動いた。
 灯りは無し、迷宮の星の動きすら読み、闇だけを選んで静かに突き進む。
「極夜に更けるわたくしを、見つけられるかしら」
 さらなる真夜中を纏って、オリオはやがて足を止めた。そこは既に、ミミックロボットの眼前だ。
「刹那の輝き、見逃さないで」
 大剣が描く流星の軌跡は、今宵一番の瞬く星となってミミックロボットの胴体に到達した。金属質な手応えが、オリオの腕に伝わる。
 押し切る。オリオがそう決めた瞬間、ミミックロボットは真っ二つになった。
 ミミックロボットの上半身で輝いていた目は輝きを失い、下半身も微動だにしない。
「さあ、お眠りなさい……」
 何せ、ここは眠るには丁度よい場所。
 流れる星たちがきっと、子守歌を歌ってくれるだろうから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『学園大浴場でリフレッシュ!』

POW   :    じっくり湯船につかり、温まって疲れを癒す

SPD   :    素早く体を洗ったりして隅々まで綺麗にする

WIZ   :    浴槽や脱衣所などで交流し、精神を癒す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 仕事を終えた猟兵たちを迎えるべく、大浴場が解放された。
 ガラスの天井の向こうに見える星々は、紛う事なき本物だ。曇る硝子越しにすら見える星の輝きの、なんと強いことか。
 湯気を立ち上らせる湯船に映り込んだ星と月も静かな光を放っている。
 温かな湯と穏やかな風景は、ともに猟兵たちの心を解してくれることだろう。
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
【SPD】
よっしゃー、学園に戻ってきたぞー!
お風呂タイムだー!

まずは戦いでの汚れを落とさないとな
浴場の至る所を汚したくないし
頭のてっぺんから足のつま先まで全てちゃんと洗うけれど、
特に瓦礫を掴んだり蹴飛ばした手・腕・脚は念入りに洗うぜ
「あわあわでしゅわわのわー♪」

事件の予知や現場までのテレポートをしてくれたキリカに恩返しで背中を洗ってあげたいな
オレの体と違うから怪力を発揮させない様気をつけ、シャボン玉を扱うように丁寧に慎重に洗うぞ
「綺麗な肌、より美しくなーれ♪」

最後に体を洗い終わったらほどほどの湯船につかって星空観賞だ
この平穏な時を守れてよかったぜ……


オリオ・イェラキ
ふふ、アルダワの夜空は
とても暖かいのね

体を良く洗ってから湯船へ
楽しく運動した後の入浴、格別ですわ
それに星見が出来るのなら尚更
少しだけあの迷宮を惜しくもあるけれど
視界も星空。思い出も星の中だなんて
今日は幸せな1日でしたわ

つい長湯をしてしまいそうだけれど
あの硝子の天井、良いアイデアですわ
夫と切り盛りする宿にも近く温泉を用意しますから
是非雨除けの天井は硝子に
きっと、そこで見る夜空も素敵な筈

そう、こうして一人のびのび入るのも良いのですけれど
素敵な夜空を大切な人と暖まりながら見たいものですわ
思うだけで頬が緩むのを感じながら、ゆったりとお湯を手に掬う
…星が、湯に反射しているみたい
この手に掴めた気がしますわ


都槻・綾
※絡みアドリブ歓迎

頬に紅く小さな手形をつけて
釈然としない顔で湯屋へ

戦いで姿が汚れたと不満気だった縫を連れ
男湯へと入ろうとし
頬を張られた為のもの

入口前での口論の末
かよさん(f11024)へ預けることに

天蓋は薄雲かかる夜空めいて
露天風呂のよう

正に命の洗濯ですね
一献傾けられれば尚贅沢でしょうか

共闘者とご一緒するなら
お疲れ様でした
と労いを交わし
悪戯っぽく微笑んで盃を傾ける仕草

縫の居る方へ声が届けば
…ちゃんと大人しくしていますか?
と確り言い包め
かよさんへは詫びを

我儘娘で申し訳ありません
後でお礼をさせて下さいね

彼女が纏う艶やかな花は
湯水の中では睡蓮のように咲くのだろうか
其れとも工芸茶?
何れ美しいに違いない


境・花世
※アドリブ・絡み歓迎

星の輝き映す水面に
躰を浸して恍惚と吐息零す
極楽って此処にあったんだね

なんて笑い掛ける腕の中
可憐な黒髪の少女人形は
綾(f01786)の大切なきみ
来る前のひと悶着に思い出し笑いして
縫、お疲れ様だったね

共に仰ぐ夜天は偽りでも
胸を打つ輝かしさに変わりなく
他の誰かの感嘆の声が重なったなら
顔を見合わせて和んだりして

……あれ、綾の声が聴こえた気がする
滑らかな絹のような言葉も声も
星よりもっと清冽な響き
頬の紅葉は治ったのかな、なんて
少女人形と一緒に耳を澄ませて密やかに笑い

――ちゃんといいこにしてるよ、ね?

きらきら頭上を流れた星の緒は、
あの麗しい青磁の眸も煌かせたろうか
ねえ縫、見てみたかったね


ルナ・ステラ
星と月を眺めながら、ゆっくりと疲れをとりたいですね。
喋るのは上手ではないですが、他に猟兵さんがいるならお話ししてみるのも楽しそうですね...

わぁ!大きいお風呂初めてです!
えーっと...身体を洗ってから入ればいいんでしょうか...?

お湯温かくて気持ちいいです♪
天井から見える星や月もとても綺麗です!

(初めは不安でしたけど、助けてくれたあの人に勧められて、学園に来ていろいろな出会いや経験ができてよかった気がします。今どこにいるかわかりませんが、あの人も同じ夜空を見ているのでしょうか?元気かな?わたしの魔法も役に立っているかな?)

しっかり疲れをとって、明日からも頑張ろうと思います。


アルバ・ファルチェ
これはまたロマンチックな湯船だね。
水着着用の混浴だったら良かったのになぁ。

なんて冗談はともかく、せっかくだからのんびり手足を伸ばしながら浸かろうかな。

こう、お湯を掬うと星や月を手の中に閉じ込めたみたいだね。

手が届いたようで、届かない虚構…平和って言うのもこんな感じなのかな…。

例え虚構でも、みんなの笑顔が守れるなら僕は頑張るだけだけど。
…師匠に付けられたこの傷にかけて…もう護れずに泣くなんてこと、二度としない。

……あー、せっかくのお風呂なのになんか変に考え込んじゃったな。
今はただ、この素敵な星の浮かぶ湯を楽しもう。
猟兵にだって休息は必要だもんね。


フィロメーラ・アステール
ここはお星様がよく見えるなー!
やっぱり本物は一味違うぜ! 年季も入ってる!
「こうして漂いながら光を眺めていると、ちょっと懐かしい気分になるなー……」
いや、具体的な記憶は特にないけど!

今回の仲間たちは星に興味のあるヤツとかいそうだし、何か話ができたらいいな!
宇宙のあるあるネタとか星の意外なエピソードとかで盛り上がり……ん? そんな話題はない?
だっらた、あたしが何か話してやるよー!

ちょっと擬人化すぎてさっぱり理解や共感に繋がらない、と評判なんだけどな!
「あのお星様は面倒くさそうな感じしてるだろ? だから周りに誰も集まって来なくて……隣のお星様が『しょうがないから相手してやるか』って感じで……」


畔扉・瑞
【WIZで行動】

やれやれ、なかなか丈夫なロボットでしたね。
では、学園大浴場にお邪魔いたしましょうか。

迷宮内の星空も趣深いものでしたが。
本物の星空も美しいですね。
こちらは開放感があります。

お湯に浸かってしまわないように、
髪は後頭部で一つにまとめて、
緩くお団子状にしておきましょう。

おや、お湯にも星空が。
(湯船に映った月や星を両手ですくい遊びつつ)
月が取れました、なんて、ふふ。
湯は良いものですね。
つい気が緩んでしまいます。

さて、一応水やら何やらで浸け置きしてきましたが、
インクの染みは取れるでしょうか。
星空を見上げ、物思いにふけります。
……あ、流れ星。


※絡み、アドリブ等歓迎です。



「よっしゃー、学園に戻ってきたぞー! お風呂タイムだー!」
 浴場に続く扉を思い切り開けたグァーネッツォ・リトゥルスムィスは、まずは戦いでの汚れを落としにかかった。
 戦いでの汚れがついたまま歩き回っては、皆が楽しむ浴場を汚してしまうというもの。それは、グァーネッツォの望むところではない。
「あわあわでしゅわわのわー♪」
 楽しげに歌いながら石鹸を泡立て、頭のてっぺんからつま先まで、順に洗ってゆく。特に念入りに洗う手、腕、脚は、戦闘の際に瓦礫を掴んだり蹴飛ばしたりした部位だ。
 さて、とグァーネッツォは佐伯・キリカを手招きした。
「うん? なになに、グァーネッツォさん?」
「予知とテレポートのお礼に、背中を洗ってやるぜ!」
「わあ、ありがとう! よろしくお願いするね」
 そう言って椅子に座ったキリカの背中を、グァーネッツォは丁寧に慎重に洗う。頑丈な自身の身体とは違うからと、怪力を発揮しないよう気をつけるその様子はシャボン玉を扱うようだ。
「綺麗な肌、より美しくなーれ♪」
「褒めすぎだよー、でもありがとね。とっても気持ち良いよー」
 そうして身体を洗い終わったら、いざ湯船へ。
「……この平穏な時を守れてよかったぜ……」
 壁面に背を預けて見上げた夜空は、グァーネッツォに言い知れぬ満足感をもたらすのだった。

 星の輝き映す水面に躰を浸し、境・花世は恍惚と吐息を零した。
「極楽って此処にあったんだね……それにしても……縫、お疲れ様だったね」
 笑いかける先は、腕の中の少女人形。黒髪の彼女は、都槻・綾のたいせつなきみだ。
 思い出し笑いは、ここに来るまでのひと悶着のためだ。
 しかし、思考はすぐに風景へと向けられる。
 共に仰ぐ夜天は硝子越しでも、胸を打つ輝かしさに変わりない。

 大きいお風呂は初めてだというルナ・ステラは、まずは他の猟兵の様子をうかがった。
(「えーっと……身体を洗ってから入ればいいんですね、ふむふむ……」)
 なるほどと頷いて、見様見真似で身体を洗う。
 その後おずおずと入った湯船は思った以上に適温で、すぐに肩まで浸かった。
「温かくて気持ちいいです♪」
 見上げた硝子越しに見える星と月もルナの疲れを癒やしてくれるようだ。
「本当に……きれいですね……」
 そんな感嘆の声を聞いて、花世はルナを見た。思わず顔を見合わせることになって、二人同時に笑ってしまう。

 迷宮のそれとは違い、本物はひと味違うとひとりうなずくのはフィロメーラ・アステール。年季も入ってる、と付け足すさまは星ソムリエのようだ。
「こうして漂いながら光を眺めていると、ちょっと懐かしい気分になるなー……」
 なんて言いつつ、実際のところ具体的な記憶は無いフィロメーラだ。
 湯船に浸かって数秒、あたりを見回してルナへと話しかける。
「な、な、宇宙のあるあるネタとか星の意外なエピソードとか話そうぜ!」
「え、ええっ? ご、ごめんなさい、わたし、そこまで宇宙や星には詳しくなくて……」
「そっかー! だったらさ、あたしが何か話してやるよー!」
 縮こまるルナに、フィロメーラはサムズアップした。期待に満ちた目で見るルナにフィロメーラは自信満々な様子で胸を反らし、頭上の星、その一つをびしっと指差した。ルナの視線が、追随する。
「あのお星様は面倒くさそうな感じしてるだろ? だから周りに誰も集まって来なくて……」
 フィロメーラの説明は、もっぱら擬人化が過ぎて理解や共感に繋がらないという評判だ。興味深そうに聞いていたルナの首が徐々に傾き、頭上に「?」が浮かぶ始末。
「隣のお星様が『しょうがないから相手してやるか』って感じで……」
 それでも、フィロメーラの説明はどこか聞く者を楽しませようとする心意気を感じるのだった。

 以前自身を助けてくれた人の勧めで学園に入学したルナは、学園にやってきた初めこそ不安を抱いていた。しかし、今ではさまざまな出会いや経験を経て結果的に「良かった」と思えるようになっていた。
(「あの人も、同じ夜空を見ているのでしょうか? ……元気かな? わたしの魔法も、役に立っているかな?」)
 不意に見た星を、行方の知れないあの人もきっとどこかで見ているのだと、そして自分の魔法も役に立っているのだと信じて。
 今はしっかり疲れをとって、明日からも頑張ろう。
 湯船の中で拳を小さく握りしめ、ルナは微笑んだ。

 身体をしっかりと洗ったオリオ・イェラキは、足先からゆっくりと湯に浸かってゆく。
「ふふ、アルダワの夜空はとても暖かいのね」
 楽しく運動――もちろん、迷宮で繰り広げた戦闘のことだ――した後の入浴は、格別だ。星見ができるのなら尚更と、ゆっくり首を持ち上げた。
 正直なところ、あの迷宮を出るのは少しだけ惜しかった。けれど、いまや視界も星空、思い出も星の中。オリオにとって幸せな一日であったのは、間違いない。
 目を閉じて、思い出を蘇らせてみる。
 それから、どれくらいの時間が経ったのだろう。天井から落ちた雫が湯船で弾ける音が聞こえて、目を空ける。
 再び見上げた硝子の天井は、やはり良いアイデアだと感心しきり。
 オリオが夫と切り盛りする宿にも、近々温泉を用意する予定だ。その際は、雨除けの天井はぜひ硝子にしようと考える。そしてそこで見る夜空も、きっと素敵なはず。
 また、こうして一人でのびのび湯に浸かるのも良いが、素敵な夜空があるのならば大切な人と温まりながら見たいと思ってしまうもの。
 そう考えるだけで頬が緩むのを感じながら、オリオはゆったりと湯を手に掬った。
 掌で輝く湯は、星が反射しているように見える。
「……この手に掴めた気がしますわ」
 もう一つ思い出に加えて、オリオは湯をさらりと手から零した。

 紅く小さな手形を頬につけた綾は、釈然としない顔のまま湯船に身体を浸した。
 姿が汚れたと不満げであった縫を連れて男湯へ入ろうとし、頬を張られた結果がそれだ。
 入り口の前でのさんざんな口論の末、花世に預けることになったが――やはり解せない、と言わんばかりの表情であった。
 さて、浴場自慢の夜天を見上げれば、湯気は薄雲かかる夜空めいて露天風呂のようにすら感じられる。
「正に命の洗濯ですね。一献傾けられれば尚贅沢でしょうか――おや、瑞さん。この度はお疲れさまでした」
 後頭部で一つに纏めて緩いお団子にした畔扉・瑞に労いの言葉を告げ、綾は悪戯っぽく微笑んで盃を傾ける仕草をした。
「お疲れさまでした、綾さん。なかなか丈夫なロボットでしたね。皆さんあまり怪我はされていないようですが、戦闘で汚れた方もいたと聞きました」
 瑞の言葉に、綾ははたとして男女別の浴場を仕切る壁を見遣る。
「……ちゃんと大人しくしていますか?」

「……あれ?」
 綾の声、が聞こえたような気がして、花世は耳を澄ました。
 星よりももっと清冽な響きを持った、滑らかな絹のような言葉と声は、聞き間違えようが無い。
「ね、頬の紅葉は治ったのかな」
 そう言って少女人形と共に耳を澄ませる花世が、密やかに笑う。
「我儘娘で申し訳ありません。後でお礼をさせて下さいね」
 壁に向かって小さく頭を下げる綾は、同時に想像する。
 縫の纏う艶やかな花が、湯水の中では睡蓮のように咲くところを。あるいは、工芸茶のように。
 いずれにせよ美しいに違いないと見上げた空には、流星が煌めいた。
「――ちゃんといいこにしてるよ、ね?」
 応える花世も、流れる星の緒を確認する。
 あの麗しい青磁の眸も煌かせたろうか、と花世は瞬きをして少女人形を見遣った。
 見てみたかったね、と。

 水着着用の混浴であれば、いっそうロマンチックな湯船となったことだろう。
 そんな冗談めいたことを考えながら、アルバ・ファルチェは手と足をのんびり伸ばした。
 アルバが浴槽に浸かったのを見て、瑞が軽く頭を下げる。
「アルバさん、お疲れさまでした。……迷宮と違って、こちらは開放感がありますよね」
「おつかれさま! そうだね、空が見えるのと手足を伸ばせるのがいいよねえ」
 アルバの言葉に頷きつつ、瑞は迷宮内の星空を思い浮かべて本物の星空と比較する。
 やがて動きを止めて湯船を見れば、月や星が揺れているのに気付いた。目を輝かせ、瑞は両手でそれらを掬って遊び始める。
「月が取れました、なんて、ふふ」
 その次は星も掬って、掌に輝く財宝を集めたような気分になって。
 湯は、良いものだ。つい気が緩んでしまうくらいには。
「うんうん。星や月を手の中に閉じ込めたみたいだよね」
 同じことをしていたアルバも、楽しそうだ。
(「手が届いたようで、届かない虚構……平和って言うのもこんな感じなのかな……」)
 不意によぎった思考に、アルバの表情がわずかに曇った。
 けれど、例え虚構であってもみんなの笑顔が守れるなら頑張るだけ。
 師匠につけられた傷にかけて、護れずに泣くなんてことは二度としない。
「……あー、せっかくのお風呂なのになんか変に考え込んじゃったな」
 ぶん、と首を振ってへらりと笑みを浮かべるアルバ。思考を切り替えて、星の浮かぶ湯を堪能しようと顎の近くまで湯に浸かった。猟兵にも休息は必要だ。
 密やかで穏やかなゆらめきと煌めきに、アルバはただ身体を預けた。

 瑞も、目線を遠くの星空に固定して物思いにふけっていた。
 迷宮のこと。成したこと。
 何より、インクの染み。
 袖口を水やら何やらでつけ置きしてきたが、はたして浴場から出る頃にはどうなっていることか。
 多少は落ちてくれればいいのだが、落ちなかった場合は――。次の手を考える瑞の瞳を、星が滑って行った。
「……あ、流れ星」
 二度目を探して見つめた夜空は、時が止まって見えた。
 まるで、誰かによって描かれた夜空の絵であるかのように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト