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羅針盤戦争〜カピバラ島に降りる邪神

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ


●敵は『三番目』
 遂に幕を開けた『羅針盤戦争』。
 敵本拠地への道を切り拓くべく、ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)も、猟兵たちの支援に動き始めた。
「このたび討つべき相手は、オブリビオン・フォーミュラたるカルロス・グリードの分身体が1つ『三の王笏』でございます」
 この『三の王笏』は、UDCアース由来の通称『カピバラ島』を掌中に収めるべく、島に襲来する。
「カピバラ島には、いわゆる人間は住んでおりません。いるのは、UDCアースから落ちて来たカピバラたちの子孫のみです。もっとも、外見も大きさも、普通のカピバラとの違いは誤差の範囲内でございますが」
 ヴェルタールが虚空に投影した映像の姿は、確かにザ・カピバラと言えるものだった。

「『三の王笏』は、UDCアースの力を具現化することが可能でございます。手にした不気味なるメガリスを使い、邪神を召喚するのでございます」
 邪神の力は強大で、『三の王笏』に絶対の先制攻撃を約束する。いかなる歴戦の猟兵であっても、その理を覆す事は出来ない。
「裏を返せば、皆様がたの知恵と技をもってすれば、邪神の力をしのぎ切ることは難しくはないと、そういうことでこざいます」
 ヴェルタールが示す通り、敵の禍々しき力に耐え、あるいは打ち払い。
 相手の猛攻が止んだ後でも立ち上がっていることができれば、『三の王笏』に一矢報いる機会が得られると言う事だ。

「敵は、カルロス・グリードの分身体。倒したところで本体への影響は微々たるものかもしれません。ですが、カピバラ島を猟兵の領域とする事には、大きな意義がございます。敵の侵略に抗い、敵本拠地を目指す上で、でございます」
 ドーンと! 撃退して欲しいと、ヴェルタールはいつもより擬音を強めにしたの発したのだった。
 二割増しほど。


七尾マサムネ
 こちらは、戦争シナリオです。
 1章のみで完結し、戦争に影響を与えます。

●今回のプレイングボーナス条件
 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。

 それでは皆さんの参戦、お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    邪神「暴食せしもの」
【無数の大口を持つ邪神による噛みつき】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神「虚空を睨むもの」
【巨大眼球型邪神の視線による感染呪詛】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    邪神「謎を喰らうもの」
【疑問】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【触手塊型邪神】から、高命中力の【謎を喰らう触手】を飛ばす。
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朱鷺透・小枝子
カピパラとは、なんだ?
それは、敵対生物なのだろうか……?

回点号に搭乗、操縦。
遠隔操縦、ディスポーザブル03を起動、地面へ向けて誘導弾、
地面を爆破し、爆炎で虚空を睨むものの視線を遮る

いずれにせよ、敵は目前、ならば為すべきは一つ!
『劫火戦塵』発動、スナイパー、爆炎の中からパルスマシンガンの弾幕を放ち、全弾命中させ、眼球を潰す。

この身体が動くまで、尽くこれを撃滅する!!
継戦能力、操縦を継続し、シールド展開、推力移動。
カルロス・グリード目掛けて飛翔、戦鎌を構え、ランスチャージ。

行け、飛べ、回点号!!
機体ごと一つの槍となり、敵を穿つ。



 キャバリア『回点号』に乗り込み、カピバラ島に降り立った朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)。
 機体センサーが察知した強い気配とは別に、沢山の動物たちの気配を感じ取った。
「カピパラとは、なんだ? それは、敵対生物なのだろうか……?」
 が、小枝子が思案する間もなく、強い気配は視認された。
 メインカメラ越しにも伝わる、強力な存在感。
「来たか、猟兵。この島もまた、我らの橋頭保となるのだ。渡しはせぬ」
 『三の王笏』が掲げし異形のメガリス。それに呼応して空間が裂けた。
 現れたのは、巨大眼球。邪神『虚空を睨むもの』。
 この世の邪悪を凝縮したような球体は、全身より無数の霊体を解き放った。感染型呪詛の具現、その全てが、小枝子の回点号へと向かう。
 だが。
 突如、邪神が回点号を見失った。
 島の地面が爆発。その炎が小枝子と邪神の間に、壁を作り上げたのである。
 それを為したのは、遠隔操縦された別機体、ディスポーザブル03。ミサイルコンテナより射出された、誘導弾であった。
 目標を見失い、行き場を亡くした呪詛が、暴れ狂う。
 島を襲う破壊の嵐から逃れるべく、飛び出していく動物たちを、小枝子は見た。あれがカピバラという奴であろう。
 しかし、爆炎が有効な時間にも、リミットがある。ならば、この機を逃す手はない。
 標的を見失いながらも、なおも呪詛を発し続ける邪神。そこへと、射撃が浴びせられた。
 爆炎を穿って襲来する、パルスマシンガンの弾幕。
 全弾、命中。射手としての技量を存分に発揮した小枝子、そして回点号の狙いは正確であった。
 邪神は、弾痕の数だけ禍々しい色の液体を噴出して、呪詛の放出を停止した。
「この身体が動くまで、尽くこれを撃滅する!!」
 回点号が前進する。呪詛の残滓を、白の装甲で受け流しながら。
「行け、飛べ、回点号!!」
 シールド展開、推力全開。
 グリードオーシャンの陽光を反射した白き機体が、邪神の加護を喪失したカルロス・グリード目掛けて、飛翔。
 待ち受ける敵へと、戦鎌を構える。
 そしてキャバリアは、槍となった。
 白銀の軌跡を描いて『三の王笏』を穿ち、貫いたのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

片桐・公明
【POW】
敵の先制攻撃については、正面かまっすぐ敵に接近することで当たり安いと錯覚させる
そのうえで敵を見据え攻撃着弾のタイミングを計って大きく回避する
邪神の召喚・使役による攻撃なら少なくとも邪神の最初の位置は容易に分かるはず
そこからならUCに頼らなくてもある程度の軌道は予測できる

敵本体に接敵したらあとはUCでひたすら攻撃する
「もう逃がさないわよ。」
敵の通常攻撃はいなすものの基本的には気にしない
敵UCは巻き込むことができるよう、そしてそれによる使用を躊躇するように立ち回る

(絡み、アドリブ歓迎です。)



 片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)を待ち受けていたのは、無数のカピバラ……ではなく。
 『三の王笏』がこの世界に誘引した、邪神が一柱であった。
「我らの邪魔などさせぬ。さあ、贄をくれてやろう、『暴食せしもの』よ」
 公明は見た。
 空間を引きちぎって現出する、無数の大口を持つ邪神を。
 刹那でも直視すれば、その身から立ち昇る狂気にて、精神や肉体を蝕まれてしまいそうな。
 内包する食欲を如何なく発揮し、公明へと喰らいつかんとする邪神。
 伸長する無数の口。逃げ場はない。かわせはせぬ。
 公明が選択したのは、真正面からの前進であった。
 獲物があがき逃げ回ることがないのならば、邪神にとってこれほど好都合なことはない。
 それゆえ、『三の王笏』の指示はなく、邪神もまた、ただ本能に任せて前進するのみ。
 それが公明の狙いである。
 そもそも、邪神が召喚された時から、公明の戦いは始まっていた。
 邪神の召喚場所、すなわち攻撃の起点を、即座に確定。
 そこから一直線に食らいついて来たのなら……ユーベルコードに頼らずとも、公明自身の技能と経験をもってすれば、邪神の牙をかわすことは不可能ではない!
「……!」
 舞い上がる枝に土煙、そして石片の数々。
 邪神が噛んだのは、カピバラ島の大地と木々、それと虚空であった。
 邪神が望まぬ食事を供されている頃。公明の姿は、既に『三の王笏』の眼前にあった。
「もう逃がさないわよ」
 公明が、踊る。
 諸葛流舞闘術、その真髄を全て発揮して、カルロス・グリードへと拳を、蹴撃を叩き込む。
 『三の王笏』もまた、そのメガリスを振って対抗する。
 その反撃をいなしつつ、ひたすらに打撃を浴びせ続ける公明。
 2人が攻防を繰り広げる陰で、邪神の破壊、捕食衝動は止まっていなかった。
 空間をも引き裂く咆哮が、公明の鼓膜ではなく精神を震わせる。
 公明の肉を喰らうべく、大口を開く邪神だが、『三の王笏』との距離があまりにも近すぎた。
 直前で『三の王笏』の意志により軌道を逸らされた邪神は、またも土を喰らい、砂にまみれた。
 噴き上がる土砂で相手の視界を遮断、公明が『三の王笏』を蹴り飛ばす光景は、痛快と言えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ビリー・ライジング
いつもは妹と一緒だが、たまには一人で頑張ってみるか。

対先制攻撃:
瞬間思考力でファイアーウォールを展開。
盾受け・オーラ防御・呪詛耐性・狂気耐性・激痛耐性で耐える態勢を取る。
「……どうした? もう終わりか?」

攻撃:
全力魔法・高速詠唱でUCを発動して、敵の動きを封じる。
炎の属性攻撃をルーンレイピアに込め、
範囲攻撃・2回攻撃・貫通攻撃で敵に生えてる触手ごと、切り刻む!
時折、フェイントも織り交ぜて、太刀筋を見切られない様にする。



 戦地、カピバラ島に転移したビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)は、原生動物たちを愛でる暇も無く、敵首魁との対決に臨む事となった。
 『三の王笏』である。
「いつもは妹と一緒だが、たまには一人で頑張ってみるか」
 不敵に笑うビリーへと、『三の王笏』が用意したもてなしは、巨大なる眼球の視線……『虚空を睨むもの』であった。
 その視線を浴びた者は、あまねく、呪詛に侵食される。一度捉えられれば、滅びの運命より逃れる術はあるまい。猟兵も例外ではない。
「存在そのものを書き換えられ、世界より消え去るが良い。猟兵よ」
 ビリーを蝕もうとする呪詛、それを阻んだのは、不可思議な輝きであった。
 すなわち、あらゆる防御の構え。
 瞬時に状況を把握したビリーは、呪詛の放つ物理的損傷から、オーラで身を護り。それをすり抜けて届く痛みは、歯をきつく噛んで堪え。
 肉体ではなく、精神を侵食する呪詛そのものには、魂そのものを守るべく、ありったけの耐性を発揮する。
「狂気に呑まれるがよい……」
「どうした? もう終わりか?」
 ふ、と勝ち誇りの笑みを浮かべかけた『三の王笏』に、ビリーの声が届く。
 呪詛を真正面から受け、あちこちから血を流しながらも、ビリーは立っていた。
「耐えきったのか? 惰弱な神程度ならば容易く狂わせるほどの、負の力を」
「終わりなら、こっちからいかせてもらうぞ?」
 ビリーが、地面を蹴る。
 邪神に構うつもりなどない。狙いは『三の王笏』その人だ。
 敵の攻撃が止んだ瞬間から開始した詠唱が、完了の時を迎えるのはすぐであった。
 顕現したのは、黄金の鎖。
 邪神をすり抜け、辿り付いた束縛が、『三の王笏』を絡めとり、自由を奪い取った。
 魔力で構成された鎖が封じるのは、肉体のみならず、そのユーベルコードまでも。
 その時には既に、ビリーは次なる挙動に移っていた。
 抜いたルーンレイピアに宿るは、炎。ビリーの最も得意とするエレメントだ。
 そして、裂帛の気合とともに。
 繰り出したビリーの剣技が、『三の王笏』を切り刻む。その衣服はもちろん、禍々しくその身を飾る触手の群れまでも、だ。
「俺の太刀筋、そう簡単には見切れないぞ?」
 フェイントを交えたビリーの刃は、『三の王笏』を圧倒したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

雨咲・ケイ
カピバラ……あののんびりした風貌が
かわいらしいですよね……。
敵もカピバラを愛でるつもりでしょうか?
いや、そんなわけありませんね。
彼らが酷い目に合わされる前に何とかしましょう。

【SPD】で行動。

敵の先制攻撃は【盾受け】と【オーラ防御】の併用で凌ぎ、
ダメージと呪詛はスノーホワイトの香気で【浄化】しましょう。
そして、アリエルの盾を輝かせた【目潰し】を伴う
【シールドバッシュ】の【カウンター】を仕掛けてやります。
敵が怯んだら、邪神に銀霊縛鎖を【投擲】して
【破魔】の力で【捕縛】し、カルロス共々
【光明散華】で攻撃しましょう。

アドリブ等歓迎です。



 雨咲・ケイ(人間の學徒兵・f00882)は、『三の王笏』の待ち受ける、カピバラ島へと転移した。
 そこでは、既に島民、すなわちカピバラたちが避難を行っていた。
「こののんびりした風貌がかわいらしいですよね……」
 思わず、つぶやくケイ。
 まさか敵も、カピバラを愛でるつもりだろうか?
「……いや、そんなわけありませんね」
 おそらくないだろう。
 彼らが酷い目に合わされる前に、何とかしましょう。
 そう心に決めるケイの前に、敵は顕現した。
 オブリビオン・フォーミュラが分け身、『三の王笏』。
「自ら滅びに訪れてくれるならば都合が良い。『虚空を睨むもの』よ、睨み尽くせ」
 『三の王笏』の頭上に、巨大な眼球が現れた。次元そのものを割るようにして。
 邪神が、全身から霊魂の如きエネルギー体を発する。
 本来視認不可能であるはずの呪詛を具現化すれば、そのように映るらしい。
 視線を浴びたケイは、即座にその洗礼を受けた。肉体が軋み、精神が侵食される。
 ならば、とケイは心を強く持つ。
 肉体に及ぶ影響は、愛盾アリエルと、ケイ自身のオーラという二段構えで抗し。
 心はおろか魂までも魔手を伸ばす呪詛は、スノーホワイトの醸し出す香気が祓ってくれる。
 邪神の人知を超越した狂気といえども、防御に徹したケイを、蝕みきることはできなかった。
 邪神目指し、飛び込むケイ。呪詛に耐えきったアリエルが、光輝を放つ。まばゆい光を間近で受けた邪神に、逃れる術はなかった。
 視界を焼かれ、アリエルのシールドバッシュを受けた邪神の全身が、震えた。悲鳴を発するように。
 邪神が怯んだのを確信。ケイは手もとから、新たに銀弧を放った。
 虚空を翔けた銀の鎖は、邪神だけでなく、それを従える『三の王笏』までも絡めとった。芯まで破魔の力が宿った鎖は、容易に解くことなどかなわない。
「この身を縛るとは、なんと不遜である事か」
 自由を奪われたカルロスたちを、ケイは光でもって打ち据える。
 空を埋め尽くすほどの光の氣弾が、邪悪に属するものたちを浄化するべく、降り注いでいくのである。
 元より、相手の行動さえ予測しうる技だ。
 ひとところにとどめられた標的を捉えることなど、造作もないことであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

薬師神・悟郎
耐えて、抗い、一矢報いる好機を狙う
大丈夫、俺にもやれるはずだ

俺が纏っている外套を念動力で操作
闇に紛れ込ませ対象に接近させ、攻撃可能範囲に入った瞬間に破魔と殺気を纏わせたそれを早業で仕掛けることで敵だと誤認させ、先制攻撃をそれに発動するように仕向けておびき寄せる
襲撃するギリギリまで存在感を消していたそれを、瞬間、囮だったと判断する余裕がないことを願う

外套に注意が完全に逸れたところを弓の射程ギリギリの位置から狙い、暗殺
属性攻撃と破魔の力を込めた一撃にて部位破壊
可能であれば他の猟兵による攻撃で脆くなった箇所がいい

俺自身もオーラ防御と狂気耐性、呪詛耐性で防御を固め、敵の攻撃に応戦できるよう備えておこう



 カピバラの住まう島にて。
 薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)は、身を隠しつつも、強大な敵を狙っていた。
 一つは、『三の王笏』カルロス・グリード。
 そしてもう一つは、王笏の召喚した巨大邪神……眼球の姿をした『虚空を睨むもの』である。
 耐えて、抗い、一矢報いる好機を狙うと、悟郎は心に決めていた。
(「大丈夫、俺にもやれるはずだ」)
 そして、『三の王笏』が動いた。
「何処に隠れようとも、邪悪なる神の視覚より逃れることなど叶わぬ」
 王笏の武器たる邪神もまた、球体面から呪詛を噴出し、標的を滅ぼさんと動き出した。
 視線に捉えたもの全てを蝕む呪詛が、悟郎へと、存分に浴びせられる。
 物質的にも、精神的にも、存在を殺し尽す、邪神の洗礼だ。
 悟郎といえど、それを受けて無事で済むことはあり得ない。
 だが。
「む」
 『三の王笏』の眉が、微動する。
 邪神の視線の先にいたものは、想定していた標的ではなかったからだ。
 正体は、悟郎の纏っていた外套。念動力で生物の如く操られた上、破魔と殺気を発するそれは、囮としての役目を果たしたのだ。悟郎の狙い通り。
 邪神の呪詛は強力だ。それゆえ止める事は叶わず、一度定めた相手を滅ぼすまで続く。
 この時を、隠れた悟郎は待っていた。
(「何て奴だ。ここまで呪詛の影響が届くなんて」)
 悟郎自身、防御を固め、身を護っていなければ危なかったかも知れぬ。
 だが、全ての策は結実した。『三の王笏』に、こちらの居場所は捉えきれていない。
 見つかるのは時間の問題……しかし、そのような余裕も、与えるつもりなどない。
 黒弓【影縫】に、矢をつがえる。
(「ここで失敗などするものか」)
 ユーベルコードによって、悟郎の射程は、大幅に延長されている。
 そのぎりぎり精一杯を使い切り、矢を放つ。
 それは、狙いたがわず、『三の王笏』を貫いた。悟郎の気配を察する事は、『三の王笏』にもかなわなかった。
 暗殺と呼べる手並みで、『三の王笏』に痛手を与える事に成功したのだ。
 しかも、悟郎が狙いとしたのは、既に猟兵との交戦で、負傷した箇所ときている。
 今の矢の威力は、通常の三倍。王笏の表情を、苦痛で塗り替えるには、申し分のないものであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カトル・カール
この戦争でやる事は多いが、目の前の敵から確実に倒していこう
先制攻撃は厄介だが、要は疑問を持たなけりゃいいんだな?
疑問を持たない覚悟を決めて臨む

カタストロフは阻止してみせる、カピバラは大きいがネズミ、お前は撃退目標
つまり敵だ。倒す。

というわけで、メイスを振るう
その触手は鎧の一種か?鎧だな、つまり鎧砕きでミンチに出来る
ユーベルコードも併用
ドーンでガーンでバーンだ
機会があればメガリスへのダメージも狙っていきたい

無事に撃退成功したら、カピバラをモフることは可能だろうか
小さい豚じゃないんだな…ネズミなんだな…



 戦場と化したカピバラ島。
 その土を踏んだカトル・カール(コロベイニキ・f24743)は、羅針盤戦争の幕開けを肌で感じていた。
 この島全体を覆う瘴気。元凶は『三の王笏』と、かの者が従える邪神群である。
「この海を征したなどと錯覚する愚者どもよ。我がその曇りを晴らしてくれよう」
 『三の王笏』が新たに呼んだ邪神は、既にその背にあった。
 触手型邪神、その名を『謎を喰らうもの』。
 身構え、心構えるカトルへと、王たるオブリビオンが問い掛けた。
「そなたら猟兵を待つのは世界そのもの。すなわち、あらゆる世界が敵と言えよう。しかして、数多の戦いのその先に得られるのは、果たして安寧であろうか?」
 カトルは沈黙した。
 羅針盤戦争の後も、猟兵たちとオブリビオンとの戦いは続く。
 しかも、過去の化身たるオブリビオンは、時の流れが進むたびに現れ、消えることなどないのだろう。
 王笏が示すのは、無間地獄のような道……しかし、カトルは、己の心を決意にて支えた。
「カタストロフは阻止してみせる、カピバラは大きいがネズミ、お前は撃退目標。つまり敵だ。倒す」
「この我が、定命の獣に劣ると申すか。怒りを通り越して痛快である」
 はっ、と『三の王笏』が笑った。
 その背後の邪神触手は、行き場を失った破滅を持て余すように、うねっている。
 邪神の暴威を封じたカトルは、迷いなくメイスを振るった。
「その触手は鎧の一種か? 鎧だな、つまり鎧砕きでミンチに出来る」
 解を与えられるまでもなく自ら定義した上で、カトルの一撃が繰り出される。
 連続する打撃が、『三の王笏』の体を揺らす。
 ドーンでガーンでバーン。
 そこに、裁きの光も添える。手にしたメガリスへと狙いをつけて。
 渾身の一打が、『三の王笏』を遙か遠くへ吹き飛ばす。ついでにちぎれた邪神の触手が、虚空に舞い飛び、塵と化した。
 すると、脅威が遠のいたのを察したのであろう。『島民』たるカピバラたちが、木々の間から顔を出した。
 カトルへ近づき、鳴いた声の意味は、お礼を述べるものであったか。
 気にする事はないと、カトルはカピバラをモフった。
「小さい豚じゃないんだな……ネズミなんだな……」
 するとカピバラが鳴いた。気持ちよさそうに。

成功 🔵​🔵​🔴​

月夜・玲
わー、カピバラだ
何ていうか。カピバラにまみれたフォーミュラってのも乙なもんで…
何?奴さん滅茶苦茶真面目だと
そうだね…戦争だもんね…
ちょっとだけ真面目にやろっと


《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
前面に『オーラ防御』によるシールドを多重展開
更に両剣での『武器受け』体制を整えて敵の連続攻撃に備える
敵の攻撃を受け止めたらすかさず回し蹴りを入れて『吹き飛ばし』て直撃を回避

反撃の時間だよ
【Code:F.F】起動
『エネルギー充填』しながら高速移動でカルロス・グリードに接近
近距離から全力のエネルギー球をぶち込む!
おかわりは如何?
『2回攻撃』でもう1発追撃をくらわそう

アドリブ等歓迎



 月夜・玲(頂の探究者・f01605)が上陸した島の安全圏には、巻き添えを恐れ、逃れて来たカピバラたちが集まっていた。
「わー、カピバラだ」
 そこへ。
 猟兵の気配を感知したのであろう、空間を渡るようにして、『三の王笏』が現れた。
「何人で来ようとも、この島は渡さぬ」
 分身とはいえ、オブリビオン・フォーミュラたる威厳にあふれたカルロスを見て、玲は……ちょっぴり気を緩めた。
 敵が出現した場所は、カピバラの群れのただ中であったからだ。
「何ていうか。カピバラにまみれたフォーミュラってのも乙なもんで……」
「この獣たちに用はない。ただ此処が要衝であっただけのコト」
 至極真面目な表情と口調。
 玲は、和みかけた心を引き締めた。そう、悲しいけれどこれは戦争なのだ。
 敵たる『三の王笏』に合わせて、玲も真面目になった。少しだけ。
 玲へと差し向けられたのは、巨大な眼球、邪神『虚空を睨むもの』。
 視覚の化身たるその球体は、玲をしかと認識する。同時に呪詛が、邪気の形をとって放出された。
 目に映るもの全てを、侵食せんと魔手を伸ばす呪詛の群れ。
 待ち構える玲は、《RE》IncarnationとBlue Birdを抜いた。
 呪詛のロックオンは、最早確定状態。いかにしてこれを切り抜け、カピバラをモフモフするか。重要なのはそこである。
 殺到する呪詛が玲を蝕むのを阻んだのは、オーラによって構築されたシールドであった。積層型であるそれは、敵の絶え間ない侵攻に表層を割られながらも、玲を守る。
 更には両手に握った剣、その交叉が、魂への侵食を防いだ。
 圧倒的な呪力、その波を受け止めた玲は、回し蹴りを繰り出した。呪詛ごと切り裂くようにして。
 蹴りを受け、邪神本体が吹き飛んだ時、シールドはかろうじて数層を残していた。
「さあ、反撃の時間だよ。最終公式起動、全てを零に!」
 模造神器の力を一身にまとい、光線の如く翔ける先に待つは、カルロス・グリード。
 相手の瞳に映る自身を視認できるほどの近距離から。
 玲は、全力のエネルギー球をぶち込んだ。
「!!!」
 吹き飛ぶ『三の王笏』。水切りの要領で地面を跳ねるその身へと、再加速した玲が追随する。
「おかわりは如何?」
 カルロスの返答が来るより速く。
 玲の追撃が先行した。

成功 🔵​🔵​🔴​

シノギ・リンダリンダリンダ
王笏の分身体。本体をボコすためには分身体からまずボコしませんとね
可愛いカピパラに罪はありません。え、というかお前もしかしてカピパラが好きでそれが欲しかっただけとかじゃないですよね……?

POWに対抗
無数の邪神の攻撃。邪神に対抗するのは巨大ロボと相場が決まっています
【ザ・タイタン・オブ・カリビアン】を召喚!海賊幽霊船が巨大ロボに変形する!!
変形したロボは私に覆いかぶさり、邪神の攻撃をガード!
防御用なので装甲を5倍、攻撃回数を半分に

耐えきったら反撃の時間ですね
遠隔操作でロボの鋼の拳を叩き込みつつ、それに合わせて私も右腕のMidās Lichでスナイピング。呪詛を叩き込みます
トドメはDX海賊船ビーム!



 予期せぬ戦乱に巻き込まれ、逃げ惑うカピバラたちの波をかき分けて。
 シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)は、『三の王笏』との相対を果たした。
「こちらが、王笏の分身体。本体をボコすためには分身体からまずボコしませんとね」
 世界を賭けた戦乱であっても、島民たち、つまり可愛いカピパラに、罪はない。
「え、というかお前もしかしてカピパラが好きでそれが欲しかっただけとかじゃないですよね……?」
「答える義務はない」
 それは、こちらの想像にお任せする、ということでいいだろうか。
 いいのだろう。シノギはそう解釈した。
 カピバラ好きフォーミュラ(暫定)は、シノギへの答えとして、邪神を用意した。
「喰らい尽くせ。二度と七大海嘯に歯向かえぬように」
 主によって、解き放たれ。
 邪神『暴食せしもの』が、全身の口から雄たけびを上げた。
 それは、まともに耳を貸せば精神を喰い散らかされ、正気を失ってしまいそうな、狂気の旋律。
 だが、シノギに襲い掛かる邪神に体当たりを食らわせて現れたのは、巨大海賊船であった。
 地を海に変え、裂けた水の中から浮上してきた海賊幽霊船。海を渡るための形が分解し、人型へと再構築されていく。
 砂塵の柱をそそり立て、島の大地を踏みしめ降臨、【ザ・タイタン・オブ・カリビアン】!
 そのまま、船長たるシノギに覆いかぶさった巨大ロボは、喰らいつく邪神の牙に抗った。
 相手は、フォーミュラのメガリスに呼ばれた存在。その威力に備えるべく、巨大ロボは、防御形態をとった。
 執拗に食らいつくも、装甲に傷を刻むことしか叶わなかった邪神が、遂に、ロボを解放する。
 シノギの遠隔操作を受けたザ・タイタン・オブ・カリビアンが、五指を固める。
 鋼の拳が、水蒸気の白い輪を生みながら、邪神の肉体に打ち付けられた。
 邪神を払いのけたロボは、次にカルロス本人へと標的を定めた。
 容赦なく振り下ろされるロボの巨腕に合わせ、シノギもまた右腕のMidās Lichで、呪詛を叩き込んだ。
 そして、『三の王笏』がひるんだ瞬間。シノギは高らかに宣言した。
「今こそ必殺の……DX海賊船ビーム!」
 ザ・タイタン・オブ・カリビアンより放たれた光線が、『三の王笏』を薙ぎ払ったのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリア・フォルトゥナーテ
アドリブ連携歓迎(特に海賊猟兵との連携)

「グリモアとは便利なものだ。相手の攻撃の種類まで分かるとはな」

修道服のヴェールを脱ぎ外して、極悪な主人格が表に出る。傲岸不遜で傲慢そのもの。己の意志揺らぐ事のないプライドの塊。

故に何も疑いはしない。

「はっ!邪神にしか頼れない小物。与えられた玩具を見せびらかすガキとどう違う。その上、分身とは……非力な上臆病者か。始末に負えん」

邪神の方へ手をかざし、その体に不気味な凹凸のある黒い染み「黒丸」を植え付ける。そして、その染みに導かれる様にクラーケンが、その十本の剛腕と無数の牙で邪神を襲い始める。
その凄惨な光景は、見る者に恐怖の念を抱かせるだろう。



 マリア・フォルトゥナーテ(何かを包んだ聖躯・f18077)は、カピバラ島の空、傲然と浮遊する『三の王笏』カルロス・グリードを見上げた。
 オブリビオン・フォーミュラの分身体。
 その存在感は、並みのコンキスタドールの比ではない。
「さあ問答の時間だ猟兵よ。守るほどに価値があるのか、この世界に? あるとすれば、価値とは何ぞや?」
 王笏の問いは、ただの問いではない。マリアの運命さえも左右する。
 証拠がある。『三の王笏』が背に負う触手型邪神『謎を喰らうもの』が、食事の時を今か今かと待ち望み、おぞましく蠢いているのだ。
 だが、マリアが発したのは、疑問と回答、いずれでもなかった。
「グリモアとは便利なものだ。相手の攻撃の種類まで分かるとはな」
 修道服のヴェールを脱ぎ外すなり、マリアの顔つきが変わった。
 秘されていた極悪な主人格もまた、露わになったのである。
 その表情は、傲岸不遜。王笏と肩を並べられるほどに傲慢そのものであり、己の意志が揺らぐ事のないプライドの塊であった。
 故に、何も疑いはしない。
「ほう、微塵すらも心揺らがぬか。数多のオブリビオン・フォーミュラが敗れたのも道理」
「はっ! 邪神にしか頼れない小物。与えられた玩具を見せびらかすガキとどう違う。その上、分身とは……非力な上臆病者か。始末に負えん」
 『三の王笏』の称賛ともとれる言葉に、マリアは罵声を返した。
 『三の王笏』を見据えたまま、邪神へとかざしたその手が、黒い染みを植え付ける。
 次の瞬間、海が胎動を始めた。
 一度染みを刻まれれば、邪神でさえも、その印から逃れる事は叶わない。
 そして、海を破って現れたのは、海魔クラーケン。
 邪神にも劣らぬ狂気をはらんだ巨体が、海水のヴェールを脱いで上陸する。
 マリアの指し示した染み……『黒丸』へと導かれる様にクラーケンが、邪神背負う『三の王笏』へと迫りゆく。
 クラーケンに備わる十本の剛腕、そして無数の牙が、邪神と『三の王笏』へ向けられた。
 一本一本が個々の意志を持つが如く、不規則に動く剛腕が敵を締め付け、むしゃぶりつく牙が、敵を肉片へと変えていく。
 その光景は、凄惨というほかない。
 見る者の心を凍てつかせ、原初的な恐怖を抱かせるのに、十二分な惨状であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【絆】
邪神の力を使うとは侮れんのー
それなら僕達はキャバリアの力で対抗するとしようかのー、エィミー

キャバリアKIYOMORIをど派手に登場させて眼球型邪神の前に立ち塞がる
その実、エィミーのアカハガネを含めてAIドクトル・AIアメジストちゃんの自動操縦に任せており、キャバリアが呪詛感染しても問題ないように遠慮なく攻撃を敢行
自身とエィミーは電脳魔術によるホログラム幻影を張り潜伏する

先制攻撃後はUC「祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり」でKIYOMORIを巨大化させて、さらに大魔王第一形態召喚による攻撃で眼球型邪神を集中攻撃
派手な攻撃でカルロスの意識をこちらに誘導

こちらばかり見ていて大丈夫かのー?


エィミー・ロストリンク
【絆】
これが王笏の力なんだねー。でも負けないよー!
いくよ、アカハガネちゃん! お願い、力を貸してね!

キャバリア・アカハガネに搭乗していると思わせておいて、自身はメイスンのホログラム幻影に紛れて潜伏している
音声だけではコックピットが流れるようにしておき、万が一見つかった時の為にロード・プラチナの宝冠の力で即時超硬装甲を展開できるようにしておく

先制攻撃後、メイスン総攻撃の間にUC「失われた絆を繋ぐ姫君」を発動させて、アカハガネの攻撃力を上げてガトリングキャノンでカルロスを攻撃
その間にナノシリアに搭乗したエィミーが黒竜大斧ベルセルクで接近攻撃を仕掛ける

一気に攻撃だよー! これでも対応できるかなー!



 メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は、戦地カピバラ島へと上陸しながら、索敵を速やかに開始した。
「邪神の力を使うとは侮れんのー。それなら僕達はキャバリアの力で対抗するとしようかのー、エィミー」
「もっちろん! どかーんってやってみせるよー!」
 元気に応じたエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は、メイスンと共に『三の王笏』を求めて島内部に突入したのである。

 邪神の力で侵食された森の木々を、豪快に吹き飛ばして。
 メイスンのキャバリア『KIYOMORI』が、ど派手に登場した。島民カピバラたちを守るべく、『三の王笏』の前に、敢然と立ち塞がる。
「自ら姿を晒すとは、迂闊である。呪いという名の祝福、存分に受けとるがよい」
 『三の王笏』の宣告ととともに、天に浮かぶ眼球型邪神の呪詛をメイスンたちに向けて放出した。
 メイスンとエィミー、二機のキャバリアの機体が、またたく間に、呪詛に呑みこまれていく。
 魔性の球体表面から迸る呪詛は、メイスンたちの目に捉えられるほどの濃度を持っていた。
 装甲が圧迫されるだけでなく、操縦席のエィミーたちの精神にまでも侵食は及ぶ。
「ううっ、これが王笏の力なんだねー。でも負けないよー! いくよ、アカハガネちゃん! お願い、力を貸してね!」
 エィミーの声は、キャバリア・アカハガネから発せられた。主の意思に応えるよう、カメラアイが光を強く灯す。
 とはいうものの。
 駆動系はもちろん、コクピットまで侵蝕する呪詛をまともに浴びては、さしものエィミーたちのキャバリアも抗う術はもはやない……そう思われた。
 少なくとも、『三の王笏』は、そう認識していたはずである。
「む……?」
 突如起きた異変は、メイスンのKIYOMORIを起点としていた。
 機体が、呪詛を跳ね除けるように巨大化。それだけではない。
 異界の魔王第一形態、その巨大化までもが召喚される。
「邪神の攻撃を浴びてなお、精神の均衡を保つと言うか」
「いやそれは無理」
 メイスンの声は、キャバリアとはまた別のところから響いた。
 島の木々が『剥がれ落ちる』。否、それは、メイスンのしかけた電脳魔術によるホログラム幻影である。
 キャバリア内部にしっかり搭乗していると思わせておいて、エィミーたち本人は、メイスンのホログラム幻影に紛れて潜伏していたのである。
 先ほどのエィミーの音声も、コックピットから流れるように細工しておいたに過ぎない。
 エィミーのアカハガネを含め、メイスンたちのキャバリアを動かしていたのは、AIドクトルやAIアメジストちゃん。
 いわゆるオートパイロットであり、メイスンたちに問題は無かったというのが真相であった。

「今度はこっちの番だよー!」
 エィミーの反撃宣言を合図として。
 巨大化したKIYOMORI、そして、電脳アウルム・アンティーカによる、挟撃が始まった。
 同じく巨躯を誇る邪神に対して、あらゆる兵装、機能を披露し、波状攻撃を加えていく。一切の容赦なく、惜しみもなく。
 異世界技術の結晶による集中砲火。これを無視することは、『三の王笏』をもってしても不可能であった。
「世界よりかすめ取った力などに屈せぬ。滅ぼし尽せ、邪神よ」
「おっと、こちらばかり見ていて大丈夫かのー?」
「何?」
 メイスンの楽し気ですらある口ぶりに、『三の王笏』は気づかざるを得なかった。
メイスンの全力攻撃が、同時にも囮であるという事実に。
 しかし、時すでに遅し。
 エィミーのアカハガネのガトリングキャノンによる射撃が、『三の王笏』へと着弾を果たした。
 メイスンの総攻撃の間に、アカハガネの攻撃力は強化済み。
 アカハガネの動力として採用されているのは、この世界由来のメガリス。エィミーのメガリス増幅を受けて、上限を解放された状態にある。
 次々と各種兵装を展開するアカハガネの砲火にさらされる『三の王笏』。
 だが、攻勢は、更にギアを上げていく。
 エィミー自身の参戦である。白き海竜、メガリスの化身ナノシリアの背に乗り、直接操る事を選んだエィミーが、空を行く。
 異界帝竜の鱗を刃として備えた黒竜大斧ベルセルクを構えれば、切っ先に力が集まる。
 エィミーと結ばれたメガリスたちは、互いがリンクするように力を増幅し合うのだ。
「一気に攻撃だよー! これでも対応できるかなー!」
 邪神とはまた別種の、竜由来の狂気をまとう大斧が、『三の王笏』へと振り下ろされる
 猛攻につぐ猛攻。
 数多の世界で得た力を結集させたエィミーたちの一斉攻撃の前には、フォーミュラの分体と言えど、防戦に徹するよりほかなかったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イスラ・ピノス
UDCアースの邪神ってあんな感じなんだ
うーん…まぁ海にも似たようなのいないこともないけどさ
でも海の中が得意な訳じゃないよね
それならこの手でいくよ

疑問をどういう形で与えてくるか分からないけど
一応聞く耳持たない気持ちは持って!
攻撃には回避とソーダオーラで防御頑張る
僕のすることに迷いはないよ
シェイプオブウォーターで深海にご案内!

疑問があろうが押し流しちゃえ
どんな難問だろうと海の中なら僕に悩みはないもんね
高速泳法に水中機動も水中戦もどんと来い
第六感にも頼って邪神を回避しつつ攻撃だね
それに書架の王も黙らせた海の底
そっちだって易々とは解けないよ

攻撃は短剣やコイン、アクアストローの泡魔法等で出来だけ!



 イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)は、『三の王笏』の背にて胎動する邪神が一、『謎を喰らうもの』の異形を見つめていた。
「UDCアースの邪神ってあんな感じなんだ。うーん……まぁ海にも似たようなのいないこともないけどさ」
 だが、イスラの見立てでは、特別海の中での活動が得意というわけではなさそうだ。
 ……狂気で全てを塗り込める邪神に、地形適応という概念があるのかどうかは別として。
 カピバラ島の脅威への対処にとりかかるイスラに、『三の王笏』が問いを投げた。
「問おう、猟兵よ。グリモアの正体、知りたくはないか? 己が恩恵を受けし、神秘なる秘密と根源を」
「あー、そうくるか……」
 イスラ自身はグリモアを持たないが、それが重要なのはわかる。
 重要性は理解しているが、それがどこから来るものなのかはよくわからない。
 わからないが、それ以上聞く耳を持たないことにした。
 これが戦争であり、ここが戦場であるならば、
「僕のすることに迷いはないよ」
 空が泣いた。
 ソーダ水の雨が、辺りを満たす。
 すぐに地上は、深海と同じ環境へと変貌した。
 どんな難問だろうと、海の中ならイスラに悩みなどない。
 突然、水の中に招かれた『三の王笏』たちは、苦を得る事こそないものの、自在に遊泳することはかなわないようであった。
 対するイスラは、すいすいと泳ぎ回る。むしろ、地上より自在に動くことが出来ているくらいだ。まさに水を得たセイレーン、である。
 謎をかわされ、ユーベルコードの発動が不完全であっても、触手自体は脅威となる。水をかき分け、イスラ目指して伸びていく邪神。
 『三の王笏』自身もまた、手にしたメガリスを武器として振るい、イスラを捉えようと試みる。
 しかし、相手の動きは、他ならぬ水が教えてくれる。挙動によって生じる波や揺らぎ。
 微細な変動を察知すれば、敵をかわす事はイスラにとって苦ではない。
「書架の王も黙らせた海の底。そっちだって易々とは解けないよ」
 イスラのクリーピングコインが触手を弾き、短剣が切り裂く。
 そして、アクアストローから噴き出す泡魔法が、『三の王笏』を包み込む。
 翻弄される『三の王笏』。
 とりわけ大打撃を加えたのは、投げ舵輪の直撃であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

司・千尋
連携、アドリブ可

分身体で得た情報って本体に伝わるのかな?
面倒な事になりそうだ


常に周囲に気を配り敵の攻撃に備え
少しでも戦闘を有利に進められるように意識

先制含む敵の攻撃は
細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
速度や威力を相殺し回避や『翠色冷光』で迎撃する時間を稼ぐ
無理なら防御
間に合わない時は双睛を使用
噛みつかれないよう距離を取る事を最優先で行動


近接や投擲等の武器も使いつつ『翠色冷光』で攻撃
回避されても弾道をある程度操作して追尾させる

死角や敵の攻撃の隙をついたりフェイント等を駆使
確実に当てられるように工夫


もし島民が戦場にいたら優先してかばう



 『三の王笏』との対峙を果たした司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)には、ある懸念があった。
「分身体で得た情報って本体に伝わるのかな? もしそうだとすれば面倒な事になりそうだ」
 仮に、千尋の仮説が正しかったとしても。
 今ここで支配されようとしているカピバラ島の住民……すなわちカピバラたちを放っておくことなどできはしない。
 『三の王笏』の先制は、異形として現れた。
 邪神『暴食せしもの』。無数の口を備えた肉塊と言った趣である。
「行儀よく、しかして無惨に蹂躙せよ」
 王笏の命を受け、邪神がその食欲の枷を解き放った。
 千尋一人喰らったところで満たされるとは思えぬが、肉があれば欲するのが暴食の性。
 数多の口が、触手の如くその身を伸ばして、喰らいついてくる。
 バックステップしつつ、千尋は光を放った。千尋の代わりとして、分割した光の盾が噛み砕かれていく。
 オーラでコーティングされたシールドは、噛み応えがある事と思うが、邪神の咀嚼力に耐えることは難しい。
 とはいえ、さぞかし味気ないのであろう。美味を欲した邪神の渇望は、盾が粉砕されるほどに増していくように、千尋には見えた。
 逃げ遅れた島民……カピバラたちを抱き上げ救いつつ、邪神の猛攻に耐え続ける千尋。
 やがて。
 しばらくの『食事』の後、邪神の動きが止まる時が来た。
 千尋は、烏喙を投擲しつつ、果敢なる接近に転じた。
 この世界の空とも海とも異なる色合いの『翠色冷光』が尾を引き、邪神と『三の王笏』に向かう。
 更には、鴗鳥を掲げて、暴食の化身を殴り飛ばすと。
 邪神を切り抜け、速度を上げながら、月烏を抜刀。『三の王笏』へと切りかかった。
 メガリスと刀がぶつかり合い、神秘なる火花を散らす。
 ぐぐ、と千尋が刀を押し込んだ時には、王笏の背後から青の光弾が迫っている。
 あまり、手の内を見せたくはないのだが。そんな風に思いつつ。
 光弾が『三の王笏』を四方より焼くなか、千尋は愛刀を、敵の胸に差し込んだのであった。
「ふむ、潮時か。奪われたものはまた奪い返せばよいだけのこと……今この時は猟兵どもに預けるとしよう」
 千尋の刀を自ら引き抜くと、『三の王笏』は消滅していく。
 敗北者とは思えぬ不遜を残して。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月05日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト