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キマフュー、メダル黙示録!

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #集円竜エンドラゴン #バトルゲーマー

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#集円竜エンドラゴン
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#バトルゲーマー


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●取り立てに参りました
 キマイラフューチャー。そこは、食料や貨幣といったしがらみから解放され、日々を楽しく生きるキマイラ達の理想郷。
 だが、そんな世界に、人知れず忍び寄る黒い影が。本来であれば、金銭や物品の貸し借りなどとは無縁のキマイラ達の間には、いつしか『借用』の概念が広がっており。
「くそっ、また負けだ! どうなってやがるんだよ、この台は! あぁん!?」
 手持ちのメダルを全て使い尽くしたキマイラが、乱暴にスロットマシンの台を叩いていた。見れば、他にもメダルを失ったキマイラ達がたくさんおり、彼らは異様にギラついた目をしながら、次なるゲームの糧を求めて叫び出した。
「ああ、もっとだ! もっとメダルが欲しい!」
「仕方ないわね。また、メダルを前借りするしか……」
 彼らの瞳には、既にゲームをするためのメダルしか映っていない。メダルを手に入れるためであれば、自分の命さえ担保にしてメダルを借りる。もはや、完全にメダル中毒。そして、賭博に人生を捧げてしまった者の行きつく先は、どんな世界でも決まっている。
「残念だったな! もう、お前達に貸せるメダルはないぜ!」
「ゲームオーバーだ。担保として、お前達の身体をいただく。悪く思うなよ!」
 なんと、今まで遊んでいたスロットマシンが変形し、怪人となってキマイラ達に襲い掛かって来たではないか! しかも、彼らは今まで貸し付けたメダルの取り立てとして、キマイラ達を問答無用で連行しようとし始めた。
「くっ……! だが、俺達『バトルゲーマー』を甘く見るなよ! お前達なんか、俺達の使うゲームキャラを具現化すれば……」
「そのゲームで、我々に敗北し続けた者が言えることか? さあ、約束通り、担保を支払ってもらうぞ」
 百戦錬磨のゲーマー達に、スロットマシン怪人達が迫る! いかに優れたゲーマーとはいえ、猟兵でもない彼らの力では、この状況を覆すのは絶望的だった。

●悪夢のイカサマ銀行
「お金の概念がないキマフューで、メダルゲームねぇ……。ぶっちゃけ、こんなもん集めたところで、な~にが楽しいんだか」
 安っぽい金色のメダルを指先で弄びながら、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は猟兵達の前で、それを軽く指で弾いて宙に投げた。
 貨幣の概念がないキマイラフューチャーにおいては、食事も生活物資も全て無料! 当然、ゲームもやりたい放題であり、評価の基準はゲームをプレイする者の腕前や、ゲームそのものの面白さであったはず。
 だが、そんなキマイラフューチャーで、何故かメダルを使ったゲーム……もっと簡単に言えば、ギャンブルが流行っているという。しかも、そのギャンブルに参加した者達はメダルを欲しがるメダル狂となってしまい、後先考えずにメダルの前借りを始めているのだとか。
「もう、分かってると思うけど、この事件の裏には猟書家がいるわ。『集円竜エンドラゴン』っていって、キマフューにお金を復活させて、それで世界を征服しようと企んでいるみたい」
 エンドラゴンはキマイラフューチャーの一角にゲームセンターを構え、そこにバトルゲーマー達を集めている。ゲームをするにはメダルが必要で、それはコンコンコンでは手に入らないので、店から借り受けるしかない。借りた分のメダルは退店時に返却すれば良いのだが……そもそも、ゲームからして全てインチキのイカサマなので、どれだけ腕の立つゲーマーであっても、絶対に勝てないようにできている。
「そんなゲーセン、近づかなければOKだって思ってる? でもね……店に置かれているメダルゲームは、問答無用でバトルゲーマー達の欲望を刺激しちゃう仕組みになっているの。だから、どんなに抵抗しても、最後はメダル中毒のギャンブル狂になって、身体まで担保にしてメダルを借りまくっちゃうってわけ」
 そして、負債を抱え過ぎて首が回らなくなったところで、満を持して遊んでいたスロット台が怪人としての本性を現し、バトルゲーマー達を連行する。その上で、彼らを新たな怪人に改造してしまおうというのが、エンドラゴンの企みらしい。
「今からゲーセンに行けば、怪人がゲーマー達を連れて行こうとしているところに乱入できるわ。後は、そのまま勢いでブッ飛ばせば、とりあえずオーケーって感じかしら?」
 なお、その際に怪人が大量のメダルを落とすので、拾っておくとエンドラゴンとの戦いが少しだけ有利になるかもしれない。なぜなら、エンドラゴンとの戦いでは、メダルの多さがそのまま勝敗に直結するのだから。
「あ、そうそう! エンドラゴンはチート使って、メダルを無限供給してくるから。チートの仕組みを見破るか……それが無理なら、強引にメダル奪っちゃえば、後は意外と楽勝かもね」
 どちらにせよ、このまま放置しておける事態ではない。どんな手を使っても構わないので、イカサマを仕組んでゲーマー達を借金地獄に陥れようとする猟書家を撃破してくれ。
 そう言って、パトリシアは猟兵達を、キマイラフューチャーのゲームセンターへと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 このシナリオは、猟書家シナリオになります。
 集団戦→ボス戦の二部構成で完結するシナリオなので、参加される方はご注意ください。

●第一章
 『スロットマシン怪人』との集団戦です。
 彼らはバトルゲーマー達を連行しようとしているので、そこに割り込んだ上で倒してください。
 なお、エンドラゴンにより『メダルゲーム怪人』としての改造を受けており、その身体には大量のメダルが張り付けられています。

●第二章
 猟書家幹部『集円竜エンドラゴン』との戦いになります。
 メダルの数で戦闘力が増減する特殊空間での戦いとなりますが、エンドラゴンはチートによって、無限にメダルの供給を受けることが可能です。
 まともに戦っても、まず勝ち目はありませんが……チートの仕組みを見破って妨害するか、あるいは相手の持っているメダルを全て奪うかすれば、一気に戦況を引っ繰り返すことができるでしょう。
 また、第一章で回収したメダルも、そのままこの戦いで使用することが可能です。

●バトルゲーマー達
 エンドラゴンの策により、メダル中毒にされてしまったゲーマー達。
 第一章では、彼らはその場に留まって応援をしてくれます。
 彼らからたくさんの『いいね』がもらえるような行動をすると、それだけ戦闘でも有利になります。
 なお、エンドラゴンが倒されれば、彼らのメダル中毒も自然に治ります。
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第1章 集団戦 『スロットマシン怪人』

POW   :    プレジャー・プリーズ
自身の【刹那的な楽しみ】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    スリーセブン・スラッシャー
【頭部のスロットをフル回転しての連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ロスト・ロケット
自身の装備武器に【遺失技術製のロケットエンジン】を搭載し、破壊力を増加する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神羅・アマミ
キマイラに貨幣経済を復活させるじゃってぇ~!?
お前…それはアレじゃろ…株とかFXとかそういうのがアレになって…そんな難しい話を持ち込んだら住人たちの頭がどうにかなってしまう!
妾ももうおかしくなりそうじゃ!
絶対に阻止せねば!

しかしなんじゃな、全身にメダルがベタベタに貼り付けられてるって…
しかもロケットつけてカッ飛んでくるようなら、妾のUC『吊込』による電撃トラップを【カウンター】気味に【範囲攻撃】してやれば格好の的のような…?

でもな…貴様ら前座には後々のことを踏まえもっとメダルを吐いてもらわねば困る!
【メカニック】の知識を総動員し…斜め45度から…ボディブロー!
オラ~!吐け~!もっと吐かんか~!



●究極奥義! その名は台パン!?
 貧富の差などとは無縁のキマイラフューチャーに、貨幣の概念を復活させる。そんな話を聞いた神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は、いても立ってもいられずに、スロットマシン怪人達が跋扈するゲームセンターへと直行した。
「キマイラに貨幣経済を復活させるじゃってぇ~!? お前……それはアレじゃろ……株とかFXとかそういうのがアレになって……」
 いや、そもそも、キマイラフューチャーに株とかFXとかないから!
 それ以前に、貨幣経済が復活したところで、最初は貸し借りの原則による借金の取り立てがせいぜいだろう。やがて、悪徳高利貸しが出現し、それからなんやかんやあって株だの何だのといった話まで到達するには……人類の歴史を顧みると、500年くらいかかるかな?
 もっとも、そんなことはアマミにとって関係ない。なんとも気の長い世界征服作戦にも思えるが、そもそも貨幣経済が復活することで、人々の心が荒んでしまうのが問題なのだ。
「そんな難しい話を持ち込んだら、住人たちの頭がどうにかなってしまう! 妾も、もうおかしくなりそうじゃ! 絶対に阻止せねば!」
 ゲームセンターの扉を開けるや否や、アマミは問答無用で次元転送装置から多数のトラップを繰り出した。突然のことに、スロットマシン怪人達は対応できず、次々とトラップの餌食になって行く。
「盛者必衰、油断大敵! 己の力に自惚れて、迂闊な歩を進めたその一寸先こそが闇! 呪縛されし五体に後悔の二文字も刻め! 死ねーッッ!!」
「「「な、なんだ……うわぁぁぁっ!!」」」
 哀れ、ロケットブースターで加速攻撃を仕掛けようとしたところで、怪人達はアマミの繰り出した電撃トラップに引っかかり、次々に黒焦げとなって地に落ちた。
「ふぅ……た、助かった……」
「あ、猟兵さん! あのね……このゲームセンター、とってもケチなの! ゲームに必要なメダルを、私達にちっともくれないのよ!」
 そんな中、アマミに助けられたバトルゲーマー達が、スロットマシン怪人達を指さしてブーイングの嵐。メダル中毒になってしまった彼らには、自分の命よりも目先のメダルの方が重要になっているので、頭が痛い。
「ふむ……ケチ、とな。まあ、確かにメダルは、大いに越したことはないしのぅ」
 ゲーマー達の言葉を聞いて、アマミの顔が笑みの表情に歪んだ。何か物凄く悪いこと……それも、外道中の外道と言える、えげつない行為を閃いた時のそれだ。
「ゲーマー達の言う通り、貴様ら前座には後々のことを踏まえ、もっとメダルを吐いてもらわねば困る! と、いうわけで……今からメダルを強制徴収じゃぁ!!」
 既に満身創痍で動けないスロットマシン怪人達に、アマミは強烈なボディブローをお見舞いした。当然、狙うは敵の急所。機械に詳しい彼女が斜め45度の角度からパンチを繰り出せば、それは深々と怪人の腹に食い込んで、何かに砕けるような音がした。
「ごぶっ!? ごぱぁぁぁぁぁっ!!」
 強烈な一撃を腹に食らい、スロットマシン怪人が溜め込んでいたメダルを吐き出す。だが、それでもアマミの攻撃は終わらない。この事件を起こしている猟書家とガチバトルすることを考えたら、メダルはいくらあっても足りないくらいなのだから。
「オラ~! 吐け~! もっと吐かんか~!」
「ちょっ……も、もう無理……ぐげっ!? お、お願い、やめ……おぱぁっ!!」
 メダルの一枚たりとも残させはしないと、アマミは執拗に怪人を殴る、蹴る!
 いつしか、それを見ていたゲーマー達も、目の前のメダルの輝きに魅せられて行き。
「そ、そうか! メダルが出てこないなら、叩いて出させればいいんじゃないか!」
「台パンはマナー違反だけど、この店のゲーム、マジでクソだったからね! ちょっとくらい、過激に使っても問題ないわよ!」
 筋肉マッチョな格ゲーキャラや、いかにもゴツい鎧とハンマーに身を包んだRPGの戦士など、パワー系のキャラクターを次々に召喚して行くゲーマー達。これはもう、応援などという生易しいものではなく、アマミの行動に便乗した強制徴収行為である。
「ヒャッハァァァァッ! メダル、メダル、メダルだぁぁぁぁっ!!」
 アマミに続けと言わんばかりに、ゲーマー達もそれぞれ好きなキャラクターを召喚し、彼らを使ってスロットマシン怪人達を叩き始めた。平時であれば問題なく蹴散らせるだけのパワーを持っている怪人達ではあったが、しかしアマミのトラップで黒焦げにされた今となっては、一般市民のリンチでやられてしまう程に、酷く弱体化しきっていた。
「ごふっ!? ちょ、ちょっと待……ぐはぁっ!!」
「た、頼む! 許してく……おげぇぇぇぇっ!!」
 メダル欲しさに、怪人達へと繰り出される非道な台パン行為!
 その後、メダルを全て吐き出させられたスロットマシン怪人達の身体は、まるでこの世界から逃げるようにして消滅し、後には大量のメダルだけが残されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天王寺・薫
キマイラフューチャーって、貨幣概念がなかったのね、へぇー…
なんて行ってる場合じゃないわね。
とりあえず、今回は、新たに出てきた猟書家に対して対応するのね。

とにかくとして、まずは、あの怪人…怪人??
機械っぽいけど、怪人扱いしていいてことかしら??

じゃ、まずは、あたしから、霊体を呼び出して、こいつらに滑った雑巾を踏ませて転倒を誘ってみるわね。
連行しようとしている奴だし、相手に気を取られているときに仕掛けるわね。


転倒したら、媒体道具から霊体に念じて攻撃、マシンをガンガン叩き割るのね。

ロケット使うなら、雑巾が引っかかりやすくなりそう。

アドリブ歓迎



●切り札は最臭兵器
 食事も生活用品も、そして遊ぶためのコストさえ全て無料! そんなキマイラフューチャー世界は、しかしそこに住んでいない者からすれば、正に夢物語にしか登場しない理想郷。
「キマイラフューチャーって、貨幣概念がなかったのね、へぇー……」
 あまりに常識が違い過ぎるのか、天王寺・薫(スカンク母さん・f25649)は感心した様子で、しばし放心状態だった。
 どこぞの世界の常識は、異なる世界では非常識。当然といえば当然なのだが、いつまでも感心している場合ではない。見れば、怪人達は既にゲーマー達を連行しようと、周りを取り囲んでいるではないか!
「とにかくとして、まずは、あの怪人……怪人?? 機械っぽいけど、怪人扱いしていいてことかしら??」
 未だ混乱した状況のまま、薫はとりあえず怪人達の足元に濡れた雑巾を投げつけた。目先の獲物しか見えていなかったため、怪人達は雑巾で滑って次々と転倒し、その間にゲーマー達は逃げ出した。
「……痛ぇな、おい! なにしやがんだ、このアマ!」
「よくも邪魔しやがったな! ブッ殺してやる!」
 あまりに情けない方法で妨害されたせいか、スロットマシン怪人達は一斉にブチ切れ、ロケットエンジンを搭載した武器を手に薫へと迫った。再び雑巾で転倒させようと試みる薫だったが、さすがに正面からでは引っかからない。おまけに、怪人達はロケットの推力で簡易的に飛行もできるので、そうなると床に転がっている雑巾を踏んでもくれない。
「フハハハ! 見たか、これぞ遺失技術の力!」
「我々は、この世界にかつての文化を取り戻し、世界を正しい方向に変えようとしているのだぞ! 邪魔をするな!」
 調子に乗った怪人達は、薫に対してロケットのパワーを使った一撃離脱を繰り返す。このままでは、一方的に薫がやられるだけかと思われたが……次の瞬間、宙を舞った雑巾が怪人のスロットバーに付着し、それが原因で視界を塞がれた怪人は、再び盛大に転倒した。
「うごっ!? 一度ならず、二度までも……ぐぁぁぁぁっ!!」
「おい、止めろ! こっちに来るんじゃね……ぎゃぁっ!!」
 暴走するロケットエンジンに引っ張られ、スロットマシン怪人達は、次々に玉突き事故を起こして行く。そうして、完全に立ち上がれなくなったところを狙い、薫は改めて人間サイズのスカンクの霊体を召喚した。
「かつて飲み込まれた【あたし】だったスカンクの魂、今、ここで出てきて敵をやっつけておいで」
 薫の言葉に導かれ、巨大なスカンクが姿を現す。本来であれば小型犬サイズのスカンクが、人間サイズになっているので、威圧感も相当だ。
「ビィィィィッ!!」
 独特の鳴き声を発しながら、スカンクの霊は薫が命じるままに、倒れた怪人の腹を叩き割ろうとした。が、しかし、本来であればスカンクの武器は、鋭い爪や牙、そして必殺のスカンクガスである。当然、力任せにスロットマシンを叩き壊すだけのパワーなどなく、中途半端に怪人達の身体が傷つけられて行くばかり。
「痛ぇっ! おい、止めろ! ボディに傷がつくじゃねーか!」
「よせ、噛むな! ひっかくな!!」
 まあ、ダメージは食らっているようだが、それでも倒しきるまでには至らない。このままではメダルも回収し損ねてしまいそうだし……やはり、最後の手段を使うしかないか。
 ロボットのように見えても、怪人は怪人。呼吸をしている以上、スロットマシン怪人達にもガス攻撃は通じるはず。と、いうわけで……スカンクの霊の力を借りて、今必殺の、スカンクガスアタック!!
「「「ぐわぁぁぁっ! 臭ぇぇぇぇっ!!」」」
 やはりというか、ガスの効果は絶大で、怪人達はスロットバーをぐるぐる回転させながら、吐瀉物の如く、次々とメダルを吐き出し始めた。
 恐るべきは、最臭兵器。予想外の苦戦を強いられるかと思われたが、蓋を開けてみれば、薫は怪人達の吐き出したメダルを大量に入手できていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

楠葉・狐徹
【SPD】

「そいつら連れてく前に俺と遊んでくれよ!」と敵の前に立ちはだかる


まずは敵がスリーセブン・スラッシャーを使用してきたらこちらも【カウンター】で妖剣解放を使用し、高速移動で攻撃を回避し、敵が攻撃を中断できずにいる隙に斬撃の衝撃波を足元に飛ばして足払いを試みる

「お前は体型的に倒れたら起き上がるのに時間がかかりそうだからな…!」と殺意を増幅させつつ一言

敵の動きが止まったらバールに武器を持ち替えて【怪力】で何度も敵を殴打し、メダルを剥ぎ取り、回収

「俺の故郷でもたまにあったぜ。打ち壊しってやつがな!暴利を貪る奴はバトルゲーマー達に代わってぶちのめしてやる!」と周りのバトルゲーマー達にアピールする



●キマフュー、メダル一揆!?
 前借りしたメダルの取り立てとばかりに、ゲーマー達を連れ去ろうとするスロットマシン怪人達。だが、そんな彼らの前に、颯爽と現れた一つの影が。
「おっと! そいつら連れてく前に俺と遊んでくれよ!」
 妖刀を抜き放ち、楠葉・狐徹(表裏一体の刃・f17109)は刃の切っ先を突き付けながら告げた。もっとも、遊びと言ってもメダルゲームのことではない。殺意を増幅させる妖刀を持つ狐徹にとっての遊び……即ち、己の命を賭け札にした殺し合いだ。
「面白い! 受けて立ってやる!」
「食らぇぇぇっ! スロットフル回転だぁぁぁっ!!」
 狐徹の実力を知らない怪人達が、早くもスロットのリールを高速回転させながら襲い掛かってきた。なかなかのスピードだが、速さなら狐徹も負けてはいない。
「残念だったな。俺はここだぜ?」
「うぬっ! おのれ、小癪な!!」
 自ら妖刀の怨念を纏うことで、狐徹は紙一重のところで怪人達の攻撃を避けて行く。その上で、刀を振るって生じさせた衝撃波を敵の足元に叩き込み、盛大に転倒させることに成功した。
「のわっ! い、いかん!」
「ぬぉぉぉぉっ! リールが止まらんっ!!」
 一度、攻撃モードに入ると止まれないのか、怪人達は転倒させられた後も、手足をバタバタさせてもがいている。オート連続攻撃とは、なかなか強力な技だったが、臨機応変に状況へ対応できないのは欠点だ。
「お前は体型的に、倒れたら起き上がるのに時間がかかりそうだからな……!」
 その身に纏った殺意を増幅させつつ、狐徹は武器を刀からバールへと持ち替えた。敵の身体は、スロットマシンだけに硬いはず。故に、刀で解体しようとすれば一苦労だが、しかしバールであれば話は別だ。
「俺の故郷でもたまにあったぜ。打ち壊しってやつがな! 暴利を貪る奴はバトルゲーマー達に代わってぶちのめしてやる!」
 そんなことを言いながら、スロットマシン怪人の身体を情け容赦なく解体!
 前後左右、あらゆる角度から殴打して、まずは身体に付着していたメダルを奪う。そして、最後はバールのマシンの蓋に引っ掛け、梃子の原理を応用して力を籠めれば……。
「うぎゃぁぁぁっ! や、やめてくれぇぇぇっ!!」
 蓋が盛大にめくれ、中から溢れ出す大量のメダル。正にこれは、悪徳商人の屋敷を襲撃する、現代の……否、未来の世界の打ち壊しと言っても過言ではない!
「そうか! 箱を叩いてもメダルが出ないなら、解体すればいいんだな!」
「よ~し、そういうことなら……出でよ、重機ロボ軍団!」
 次々と怪人達を解体して行く狐徹の様子に鼓舞されて、バトルゲーマー達も、それぞれゲームキャラを召喚すると、一斉に怪人達へと襲い掛かった。衝撃波で転倒させられており、まともに立ち上がれないスロットマシン怪人達は、数の暴力の前にただ蹂躙される他になく。
「オラァッ! もっとメダルを出しやがれ……って、何か出て来たな」
「……あれ? これ、もしかして、俺達がメダルを借りたときに作らされた『借金証文』とかいうやつじゃね?」
 中には、自分達の借金証文を見つけ出し、それを堂々と焼き捨てる者まで出る始末。こうなってくると、もはや打ち壊しというよりは、徳政を求めて蔵を襲撃する土一揆にも等しかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
WIZで判定

ようし、メダルをいっぱい集めちゃうぞ☆
なんだか体にいっぱい張り付いてるから全部もらっていっちゃおうっと♪

ロケットエンジンを噴射した直線的な攻撃を「空中戦」の「見切り」でひらりと回避☆
そのまま張り付いているメダルを【フェアリーランド】の中にどんどん吸収していくよ♪
ひらりひらりと舞いながら一通り回収したら機械の繋ぎ目に狙った「鎧無視攻撃」でレイピアをさくさくと突き刺して行っちゃうね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



●小さな取り立て屋
 メダル怪人による借金の取り立て場は、猟兵達の活躍によって、一転して彼らとバトルゲーマー達によるメダル狩りの場と化していた。
「くそっ! このままでは、エンドラゴン様に申し訳が立たん!」
「怯むな! 純粋な戦闘力なら、ゲーマーどもより俺達の方が上だ!」
 思わぬ反撃に足並みが乱れるスロットマシン怪人だったが、彼らとて腐っても猟書家によって強化された怪人である。猟兵の助けがあればまだしも、キマイラフューチャーの一般市民でしかないバトルゲーマー達の腕では、彼らと真っ向勝負して勝つのは少々辛い。
 このままでは、乱戦になった挙句、ゲーマー達が不当な暴力によって連れ去られ兼ねない。だが、そんな窮状を見かねてか、乱闘の現場にティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が乱入した。
「ようし、メダルをいっぱい集めちゃうぞ☆ なんだか体にいっぱい張り付いてるから全部もらっていっちゃおうっと♪」
 まずは、持ち前のスピードを生かし、怪人の身体に張り付いているメダルを次々と回収して行く。彼女のサイズでは、メダル1枚を抱えるだけでも精一杯に思えるが……そこは、ティエルもちゃんと考えていた。
「おい、なんだあの羽虫は!」
「げぇっ! お、俺達のメダルが、壺に吸い込まれてやがる!」
 そう、ティエルは魔法の壺の中へ、怪人達のメダルを吸い込ませていたのである。これならば、メダルの大きさや重さを気にする必要もない。正に無限の強制徴収。メダルさえなくなってしまえば、彼らは有象無象の量産型怪人に過ぎないわけで。
「この……ちょこまかと!」
「慌てるな! こっちもスピードアップして攻撃だ!」
 怪人達が武器にロケットエンジンを搭載して振り回すも、なにしろティエルは空を飛んでいる。闇雲に振り回したところで彼女の姿を捕らえることはできず、反撃で手痛い反撃を食らうだけ。
「それっ! これはお返しだよ☆」
「ハッ……! そんな小さな剣で、やられるはずが……って、痛ぇぇぇっ!!」
 サイズ差からティエルを見下していた怪人の腹に、小さく細いレイピアが深々と突き刺さる。敵の防具を無視して攻撃できるティエルの剣は、小さくても侮れない破壊力を持っているのだ。
「おいおい、なんだよあいつは!」
「冗談じゃねぇ! 俺は逃げるぜ!」
 残った怪人達は、もう取り立ては不可能だと諦めて、一斉に逃げの態勢に入った。だが、スピードを最大の武器とし、おまけに空まで飛べるティエルを相手に、背中を向けるのは悪手でしかなく。
「逃がさないよ! そのメダル、ぜ~んぶもらっちゃうからね☆」
 後ろから一気に距離を詰め、怪人の背中に剣を突き刺す。超高速の質量弾として突っ込んで行ったティエルの身体は、ライフル弾にも匹敵する破壊力を持っており。
「ぎゃぁぁぁっ! お、俺の腹がぁぁぁぁっ!!」
 見事に怪人の身体を貫き、その穴から大量のメダルが零れ落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『集円竜エンドラゴン』

POW   :    ゼニャハハ!これが喰らって来た《人の業》だガネ!
戦闘中に食べた【貨幣】の量と質に応じて【体内で燃えているエンシェントブレスを放ち】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    どうしたどうした諦めたらここでジ・エンドだガネ!
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【体内に蓄えた貨幣】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ   :    いずれ怨嗟が世界を包むガネ!
戦闘力のない、レベル×1体の【メダルに心を奪われた一般住民達】を召喚する。応援や助言、技能「【略奪】」を使った支援をしてくれる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠勝堀・円稼です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●集円にして終焉
 前借りしたメダルの債権回収と称して、バトルゲーマー達を連行しようとしていた怪人は全て撃破された。
 だが、戦いはこれからが本番だ。案の定、配下が全て撃破されたことを察知した黒幕、集円竜エンドラゴンが、自ら債券を回収するべく猟兵達の前に現れたのである。
「ゼニャハハ! 調子に乗るのも、ここまでだ! ここから先は、俺様が直々に相手をしてやるだガネ!」
 見れば、辺りはいつしか貸金庫がズラリと並んだような空間になっており、その中央に座するエンドラゴンは、どこからともなく湧いてくるメダルを口の中へと放り込んでは、美味そうにほうばっていた。
「この空間では、メダルの多さがそのまま強さになるんだガネ! そして、俺様はこの空間の中では、無限にメダルが供給される! つまり……お前達には、万に一つも勝ち目なんかないんでガネ!」
 戦う前から既に勝負はついていると、ふんぞり返るエンドラゴン。分かっていはいたが、なんというチート! さすがはイカサマ賭博と悪徳高利貸しの元締めだ。自分の懐を肥え太らせるためならば、どんな外道な手段を取ることにも躊躇いがない。
 このまま戦っても、エンドラゴンの言う通り、勝ち目は殆どないだろう。しかし、猟兵達の手の中には、先程の戦いで怪人達から奪ったメダルがある。これを上手く利用すれば、相手に好き放題される前に、戦いの流れを変えられるかもしれない。
 集円竜エンドラゴン。理想の楽園であるキマイラフューチャーに、再び貧富の差を拡大させんとする悪徳竜に、正義の鉄槌を食らわせ時が来た!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― この章では、第一章で怪人達から奪ったメダルを持っていると、戦いが少しだけ有利になります。
 さすがに、それだけでエンドラゴンを倒すことはできませんが、戦いの中でエンドラゴンの無限メダル供給を断ち切ったり、あるいはエンドラゴンのメダルを全て奪ったりすることができれば、状況をひっくり返すことも可能となります。
 反対に、メダルが殆どない状況では、行動の成功率が著しく低下するため気をつけてください。
神羅・アマミ
出たな成金野郎!
貨幣とは「価値がある」と大勢が信じ込むことではじめて意味を持つ。
ならば貴様をブッ倒し、全てをただの鉄クズに変えてくれよう!

奴は何処かからメダルを転送して貪る一方、妾たちの持つメダルを奪うことはできぬわけじゃな?
そのカラクリを見破る上で、この場で明らかに怪しいのは…やはりズラリ並んだ貸金庫か。
ならばUC『結髪』を発動し、奴よりもまず周囲の【地形破壊】を優先する!

【一斉発射】にて尽く【吹き飛ばし】、金庫としての機能を失わせる、或いは格納物と思しきメダルを爆熱にて溶かしてしまうことで、奴の戦力を削ぎ落とせぬものか。
供給を断てば、金持ちが勝つという妄執に囚われた奴へ精神的優位に立てる!


楠葉・狐徹
最初に敵に斬りかかるが当然効かないので一旦距離を取る。そして、ピンチを装い「ならば奥の手だ!このメダルは1枚で通常のメダル100枚分の価値があるんだぜ!」と表面に十字にラインが入ったメダルを取り出す

もちろんこの話は嘘であり、単にただのメダルに刀で十字に傷を付けただけである

敵がそのメダルを奪おうとして来たり、動揺して動きが止まったらその隙を突いて【怪力】と【グラップル】を用いた鬼神力を発動。敵を掴んで振り回したり、地面に叩きつけたりしてメダルを吐き出させたり、身体から払い落としたりしてメダルを奪う

「ギャンブルの基本はブラフだろう?さあ、これからお前を干物みたいにしてやる!」

※アドリブ&連携OK



●バトルギャンブル、始動!
 キマイラフューチャーに貨幣経済を復活させ、キマイラ達の心を荒ませんとするエンドラゴン。一見して嫌味な拝金主義者にしか見えないが、しかしメダルを食らうことで無限にパワーアップできるので油断はできない。
 現状、この空間においてはエンドラゴンの方が圧倒的に有利。だが、それでも決して臆することなく、神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は自ら率先して前に出た。
「出たな成金野郎! 貨幣とは『価値がある』と大勢が信じ込むことではじめて意味を持つ。ならば貴様をブッ倒し、全てをただの鉄クズに変えてくれよう!」
「ゼニャハハハ! 威勢だけは一人前だが、この空間では俺様が無敵ということを忘れたでガネ?」
 そんなアマミの言葉を一笑に付しながら、エンドラゴンは湧き出るメダルを次々とほうばっている。なるほど、確かに無限のメダル供給がある以上、この場所で下手に仕掛けるのは悪手。迂闊に勝負を挑んだら最後、金の力で強引に敗北ロードへと叩き込まれ兼ねない……のだが。
「うぉぉぉぉっ!!」
 敵の様子を伺いながら仕掛けるチャンスを探すアマミとは反対に、楠葉・狐徹(表裏一体の刃・f17109)は正面からいきなりエンドラゴンに斬り掛かった。
「……ハッ! そんな攻撃、痛くも痒くもないでガネ!」
 もっとも、メダルの量では圧倒的にエンドラゴンの方が上のため、当然のことながら狐徹の刃は弾かれた。黄金色の肉体に傷一つ付けられないまま交代する狐徹だったが、そんな隙をエンドラゴンは見逃さない。
「ゼニャハハ! これが喰らって来た《人の業》だガネ!」
 己の食べたメダルを金色のブレスに変え、エンドラゴンは狐徹に放つ。単なる火炎の吐息などではない。吐けば吐くほど、それは周囲の敵を焼き尽くしながら、エンドラゴン自身をも強化するというチート技だ。
「くっ……ならば奥の手だ! このメダルは1枚で、通常のメダル100枚分の価値があるんだぜ!」
 それでも、狐徹は辛うじて直撃だけは避けつつも、懐から1枚のメダルを取り出した。
 表面に十字のラインが入ったメダル。確かに、珍しいと言われれば珍しいのかもしれない。ただ、1枚で100枚分の価値は、少し話を盛りすぎではなかろうか。せいぜい、UDCアースにおける『ぎざぎざ10円玉』くらいの価値ではないかと思われるのだが。
「な、なにぃぃぃっ! 貴様、いつの間にそんなレアなメダルを手に入れていたでガネ!?」
 欲望の権化と成り果てていたエンドラゴンは、既に相手の嘘を見抜く力を失っていた。目の前に高価な財宝があるとなれば、それを何が何でも手にいれてやろうというのは強欲なる者の性。
「ぬぅぅ……そのメダル、こっちに寄越すでガネ!!」
 なんとなく質で負けたような気がして、エンドラゴンは狐徹から強引にメダルを奪おうと突撃して来た。体格差に加え、メダルの枚数差もあるため、このままでは確実にやられてしまう。一体、どうするのかと思われたところで、アマミが必殺のフォトンブラストで応戦だ!
「眩き光子に誘われ、自らその身を焦がしに来たか! 妾が水先案内人となりて、直々に躯の海へと渡してやろうぞ! 死ねーッッ!!」
 眩い光と共に放たれる破壊の力。だが、それを軽々と避け、エンドラゴンはなおも狐徹へと迫る。
「ゼニャハハハ! ハズレだガネ! さあ、一気に勝負を終わらせて……!?」
 だが、ここに来てエンドラゴンは、自分のメダル供給が尽きたことに気が付いた。
 いったい、これはどういうことだ。メダルは無限に供給されるはずではなかったのか。状況が掴めず、戸惑いながら後ろを振り向くと……そこには、アマミの攻撃で壁や扉を吹っ飛ばされ、中に回収していたメダルまで、ドロドロに溶かされた貸金庫の成れの果てだった。
「ガ、ガネェェェッ! 俺様のメダルがぁぁぁっ!!」
 溶けたメダルはメダルではなく、単なる金属の塊だ。故に、エンドラゴンがいくら食べたところで、これでは強化のしようがない。
「ふん……やはり、この金庫こそが、お主のイカサマの仕掛けだったというわけじゃな」
 自分の読みが当たったことで、アマミは勝利を確信した。このまま相手が何もせず、抵抗することを諦めてくれればの話ですが。
「ぬぐわぁぁぁっ! そうはさせないでガネ! 金庫よ、元に戻るでガネ!!」
 エンドラゴンが、ちょっと祈れば、あら不思議♪
 アマミの光線で破壊された金庫が、中のメダル諸共に、完全修復されたではないか!
「ゼニャハハハ! これで仕切り直しだガネ!」
 イカサマのネタがバレても、エンドラゴンは余裕の態度を崩さなかった。もはやこれまで、万事休すかと思われたが……何故か、アマミと狐徹もまた、不敵な笑みを絶やすことはなく。
「今ので、メダルを使い切ったじゃろ? つまり……補給される前に攻撃すれば、それで妾達の勝ちじゃ!」
 ここに来て、アマミが堂々のネタ晴らし! 先程の攻撃は、外れたのではない。わざと外したように見せかけて、実は最初から貸金庫と狙っていたわけで。
「そういうことだ、観念しな。行くぜ……解き放つ無尽蔵の力……!」
 丸腰状態のエンドラゴンの首を掴み、狐徹が高々と持ち上げる。そのまま右へ、左へと振り回せば、その度にエンドラゴンの身体から、メダルがジャラジャラと飛び出してくる。
「や、やめるでガネ! これ以上、搾り取られたら……ガネェェェッ!!」
 抗議の言葉も空しく、エンドラゴンは壁に叩きつけられた。貸金庫は修復されているが、中のメダルを回収して食べるには、まだ少し時間が掛かってしまう。
(「こ、このままではヤバいでガネ! ……ハッ!? あ、あれは……!!」)
 一瞬にして攻守が交代した状況の中、エンドラゴンは自分の足元に1枚のメダルが落ちているのに気が付いた。先程、狐徹が見せびらかした、あの十字の傷が入ったメダルだ。
「ゼニャハハハ! どうやら、まだ勝負の女神は、俺様のところにいるみたいでガネ!」
 こうなったら、このメダルを食べて一気にパワーを回復してやろうと、エンドラゴンはメダルを一思いに飲み込んだ。が、それで強くなれたと思ったら、大間違い! メダルを食べたはずなのに、何故か内から湧き上がるような興奮が感じられず。
「引っかかったな! それじゃ、第二ラウンド……行くぜぇっ!!」
 何が何だかわからない状態のエンドラゴンに、再び狐徹の投げ技が決まる!
「ごはっ!! な、なんでだガネ!? なんで、パワーアップできな……ぐべっ!?」
 メダルの枚数差が災いしてか、碌に受け身さえ取ることができない。徹底的に投げつくされ、ズタボロになったエンドラゴン。そんな愚かで哀れな竜へ、鋭く突き刺さるアマミの冷ややかな視線。 
「間抜けじゃのぅ……。単に傷がついた程度で、本当に1枚で100枚分の価値があると思っておったのか?」
 狐徹の言っていた話は、最初から嘘だ。すべては、この状況を生み出すための盛大な布石。相手が勝利を確信した時、その相手は既に敗北している。それこそが、賭け事……即ち、ギャンブルの王道なのだから。
「おのれぇぇぇっ! よくも騙してくれたでガネ!!
「ギャンブルの基本はブラフだろう? さあ、これからお前を干物みたいにしてやる!」
 指の関節を鳴らしながら、狐徹がゆっくりとエンドラゴンに迫る! 慌てて逃げ出そうとするエンドラゴンだったが、もう遅い!
「悪いが、次は外さんぞ? さあ、エンドゲームじゃ! 死ねぇぇぇぇっ!!」
 アマミの放ったフォトンブラストがエンドラゴンの背中に炸裂して大爆発!!
 狐徹から逃げ出そうとしたとことを狙い打たれ、成す術もなく地に落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
WIZで判定

ふむふむ、無限にメダルが出てくるのかー
ふふーん、いいこと思いついちゃった!無限に出てくるのを逆手に取るよ♪

無限に出てくるメダルを【妖精姫のタライ罠】の範囲に収めて延々とタライを頭に落とし続けるよ♪
ほらほら、取り出すのを辞めないとずーっとタライが落っこちてきちゃうぞ♪

ようし、メダルがなくなったらさっき拾ったメダルを持ってるボクの方が有利だよね!
レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でどんどん突っついて行っちゃうぞ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


アハト・アリスズナンバー(サポート)
「私の手が必要ならば、お貸しします」

無表情、無感情に見える、死んでも次の自分が即座に故郷から転送される量産型フラスコチャイルドです。

一人称は「私」、口調は誰に対しても「です、ます、でしょうか」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。

基本的には手が必要なら貸す、といったスタイルでユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず突撃します。
ただ、アリスが関連してる場合は積極的に突撃し、アリスの敵を排除するように動きます。

その他の部分はマスターさんにお任せします


カミンスキー・テレサ(サポート)
 多重人格者の學徒兵×力持ち、14歳の女です
口調は設定を参照して下さい

 普段(テレサ)は軍人口調で、生真面目な性格の優等生
規律を重んじ従順に従い行動しますが、世間知らずで割と天然です
馬鹿なので力と勢いで解決します
自己犠牲心が強く、他人を優先して行動します

別人格のゾフィアは余裕のあるクールな成人男性の人格
テレサよりは融通が利き、大人っぽいです。
ドジな所はあまり変わりません

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●クソゲー、滅びるべし!
 メダルを持っている者が、高い戦闘力を持てるという特殊な空間。そのカラクリこそ見破れたものの、エンドラゴンは未だ健在だ。
「あ~、酷い目に遭ったガネ。あの後、メダルを補給しなかったら死んでいたガネ……」
 半分黒焦げ状態になりながらも、エンドラゴンは悪態を吐きながら戻ってきた。
 ギャンブルは、一度始めたら勝負がつくまで終わらない。自分が不利と分かっていても、途中で逃げ出すことは許されない。
 そう、先程のは、あくまで戦略的撤退だったのだ。そんな風に言い聞かせながら、再び戦場へと舞い戻ったエンドラゴンの前に待っていたのは……今までになく小さな、しかし高貴な挑戦者だった。
「ふむふむ、無限にメダルが出てくるのかー。ふふーん、いいこと思いついちゃった!」
 エンドラゴンの姿を見るなり、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は何かを閃き、そして力を行使した。とりあえず、何かされる前に自らを強化すべく、メダルを呼び出して補給しようとするエンドラゴンだったが。
「みんなずっこけちゃえー♪」
「……ガネッ!? な、なんだガネ!? 呼び出したメダルが、次々とタライに!?」
 なんと、エンドラゴンが補給しようとしたメダルは、その全てが金タライとなって、彼の頭を直撃したのだ。
「ほらほら、取り出すのを辞めないとずーっとタライが落っこちてきちゃうぞ♪」
「ぐぐぐ……おのれ、小癪な真似を……」
 歯噛みするエンドラゴンだったが、こうなってしまっては仕方がない。もはや、これ以上の強化は見込めないと察し、物理的にティエルを排除する策に出た。
「こんなことで、勝ったと思ったら大間違いでガネ! メダルを補給できなくても、お前なんか俺様の腹の中にあるメダルだけで十分だガネ!」
 そう言うが早いか、エンドラゴンは周囲に多数のキマイラ達を召喚する。彼の策略により、メダル中毒にされてしまった、事件の被害者でもあるバトルゲーマー達だ。
「うぅ……メダル……メダルゥ……」
「そいつを……寄越せぇ……」
 メダルを欲するだけのギャンブルゾンビにされた彼らが、虚ろな表情をしたまま一斉にティエルへと襲い掛かる。動きこそスローモーだが、なにしろ彼らはキマイラフューチャーの一般市民。下手にユーベルコードで攻撃などすれば、一撃で昇天してしまうかもしれないので、迂闊に手を出すことができないのは厄介だ。
「わわっ! そんなに大勢で……それも、普通のキマイラさん達を使うなんて、卑怯だよ!」
「ゼニャハハハ! なんとでも言うがいいでガネ! こいつらは、メダルに魂を奪われた者達……いずれ怨嗟が世界を包むガネ!」
 再び攻守が逆転し、エンドラゴンは勝ち誇ったように吠えていた。このままでは、ティエルは攻撃しようにもできないばかりか、下手をすれば自分のメダルまで中毒患者たちに奪われかねない。
 メダルを失ってしまえば、その時点でティエルに勝ち目はないだろう。このまま防戦一方になってしまうのか。一転して大ピンチな状態だったが、しかし天は……そしてなにより、グリモア猟兵は、未だ彼女のことを見捨ててはおらず。
「……私の手が必要ならば、お貸しします」
「あの竜を倒せばいいのでありますね? ならば、有象無象の相手は任せるであります!」
 空間を転移し、送り込まれて来たのはアハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)とカミンスキー・テレサ(貫き通す意思・f23215)の二人。戦力不足な現状、この増援はなんともありがたい。
「みんな、あのキマイラさん達は、傷つけちゃダメだよ! とにかく、ボクのメダルが奪われないように守って!」
 メダルゾンビと化したゲーマー達からメダルを死守すべく、ティエルは二人に頼んだ。なるほど、上手い戦い方だ。メダルさえ奪われなければ、まだいくらでも戦い方はあるわけで。
「えぇい、鬱陶しいやつらでガネ! こうなったら、もっと中毒患者を呼び出して……っ!? ガネッ!? あだだだだっ!!」
 そうはさせまいと、再びメダル中毒者を呼び出そうとしたところで、エンドラゴンがの頭に降り注ぐ大量のタライ。
「な、なんでガネ!? なんで、また金タライが……」
 メダルの供給は止めたはずなのに、何故にまたタライが降ってくるのか。状況も掴めぬまま苦悶の表情を浮かべる哀れな竜へ、ティエルは空中から高々と告げる。
「ふっふ~ん! ボクのユーベルコードは、無機物を金タライに変えて降らせることができるんだよ♪ だから、キミが呼び出したメダルだけじゃなくて、キミのおなかの中にあるメダルもタライに変えさせてもらったんだ」
「な、なにぃぃぃっ!!」
 途端に蒼白となるエンドラゴン。まあ、無理もないだろう。補給手段を絶たれた状態で、自分の体内にガメていた分のメダルまで失ってしまえば。
「よ~し……みんな、一気に行くよ!」
「なっ……! ちょ、ちょっと待つでガネ!?」
 ティエルの号令に合わせ、助っ人に馳せ参じた猟兵達がエンドラゴンへ一斉攻撃! まずは、カミンスキーがもう一人の自分であるゾフィアの存在を具現化し、左右から挟み込む形で攻撃を浴びせ。
「肉体の操作権限を一時的にオリジナル・アリスに移行。同調開始」
 続けて、真の姿を開放したアハトが竜殺しの大剣をエンドラゴンの脳天目掛け、盛大に振り下ろした。
「……ガネェッ!? こ、こいつは、もしかしなくても大大大ピンチでガネ!!」
 いくらメダル中毒患者を呼び出そうと、本体であるエンドラゴン自身がメダルを持っていなければ、まともに戦うことなどできはしない。哀れ、最後は風の力を纏ったティエルによる突き刺しを、何度も食らう羽目になり。
「それっ! もう一発、オマケだよ!!」
「や、やめるでガネ! 無抵抗の相手を攻撃するなんて、それでも正義の味方がやるこ……ぐぇぇぇぇっ!!」
 途端に命乞いを始めるエンドラゴンだったが、当然のことながらティエルはガン無視して急所へレイピアを突き立てた。
 今の今まで好き放題して、自分がピンチになったら許してくれとか、そんな虫の良い話があるものか! 己の悪行を食いながら、利息付きで骸の海へと返却してくれる!
「はぁ……はぁ……メダル……メダ……あ、あれっ!?」
 エンドラゴンが倒されたことで中毒状態から脱することができたのか、周りにいたゲーマー達も、気が付けば全員が元に戻っていた。
 ゲームは楽しい。しかし、身の丈に合わない重課金は、身を亡ぼすだけの諸刃の剣。
 ここ、キマイラフューチャーにおいては、やはりゲームは誰でも無課金プレイが絶対だ。貨幣が意味を持たない以上、ゲームの勝ちは『いいね!』の数で決まる。ましてや、金をかけても勝てないイカサマゲームなど、クソゲーとして淘汰されてしかるべきなのであろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年01月20日


挿絵イラスト