唐揚げ
マグロです。猟書家シナリオ第12弾です、押忍!!
今回はスペースシップワールドで怪獣大決戦ですよ!
猟書家ってなあに? とか詳しい話は、下記のURLをご参照ください。
●参考URL:猟書家の侵略
『 https://tw6.jp/html/world/441_worldxx_ogre.htm 』
●プレイングについて
『鎧装騎兵や宇宙船乗組員と協力して戦う』(2章どちらも)
戦闘はおもに船外の宇宙空間で行われますが、過去の戦争で獲得した『特殊宇宙服』により、ほぼ生身と変わらない形で宇宙空間での活動が行なえます。
もちろんキャバリアや宇宙バイクなど、乗り物を駆使してもらってもOKです!
(「私は神なので宇宙服なしでも問題なし!」とかも、だいたいオッケーです)
今回は熱血バトル描写重視でアツくやっていこうと思います。
成功や大成功でも、ある程度の演出的ダメージ描写があるかもしれません。
ボロボロになりながらカッコよく敵を倒す、みたいのが好きな方にオススメです。
(ダメージ描写を極力避けてほしい場合はその旨をプレイングしてください)
●関連設定について
今回のシナリオで登場する『グレイテスト号』は、いくつかの過去シナリオに登場したスペースシップです。
詳しくは、タグ「#グレイテスト号の"色男"」をご参照ください。
(もちろん、知らなくてもご参加いただく上ではまったく問題ありません)
●プレイング受付
今回は『1/12(火)13:59前後まで』といたします。
第1章 冒険
『宇宙亡霊軍団を突破せよ』
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POW | 敵軍団をユーベルコードで蹴散らし、再度召喚されるまでにボスを探す。 |
SPD | 敵軍団を速度やテクニックで翻弄し、追いつかれぬうちにボスを探す。 |
WIZ | 敵軍団を罠に嵌めるなどし、時間を稼いでいる間にボスを見つけ出す。 |
👑7 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴 |
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●スペースシップワールド:宇宙船『グレイテスト号』
「オイオイオイオイ! オイオイオイオイオイオイオイ!!」
鳴り響くレッドアラート、揺れる船体、止まぬ警報に次ぐ警報!
派手派手しいカラフルなスーツを着た"色男"ジャックは、足早に通路を歩く。
「なんだなんだ? どうしたって急にウチが狙われた? こちとら貧乏船だぞ!
ようやくデカい興業が終わって一息ついてたってのによォ……!!」
この船の乗員、つまりサーカス団のメンバーは爪弾き者ばかり、戦う力はない。
"色男"も、教導艦のスパルタ生活が耐えられず逃げ出した半端者である。
未踏宙域探索の関係で、鎧装騎兵の部隊が乗り込んでいたのは僥倖だが……!
「しかもなんだありゃ! いつの時代の映画だよ、宇宙人だの怪獣だの!」
『記録ニ存在シナイ超古代ノ星間生命体ト推測サレマス』
「わかってんだよドリー、そんなことはよォ! 問題は俺らのことだよ!」
電子頭脳・ドリーの言葉に、ジャックは八つ当たりじみて叫んだ。
『デスガコンナ時コソ、"彼ラ"ガ来テクレルノデハ?』
「それもわかってるさ! だが問題はそこじゃない」
ジャックは猟兵たちを、その力を信じている。彼らは来てくれるはずだと。
だがジャックが慌てふためき悩んでいたのは、そのことではない。
「――俺らだって、自分たちの力でなんとかしなきゃならんだろうが!」
ただ救われ守られる側で終わりたくないという、意地だったのだ。
同時刻、グレイテスト号周辺。
『こちらハル機、戦闘準備完了ッス!』
『同じくヨーコ機、いつでも行けます。隊長、ご命令を!』
鎧装騎兵部隊『ストレンジャー』の面々が、大量の"黒"を前に展開していた。
『敵が7で宇宙が3、ってか? ったく、時代遅れのSFモンスターどもが』
少数精鋭の部隊を率いるのはいぶし銀の騎兵、通称J・J。
『なんとしてでも船を守り抜くぞ、気合い入れろ!』
『了解!』
『オス!!』
士気は十分、だがあまりにも多勢に無勢!
侵略宇宙人と宇宙怪獣の群れはあまりにも数が多く、そして強大だ。
鎧装騎兵の機動兵器をしてすら、なお巨大な怪獣も珍しくないのである。
この窮地を救えるのは、猟兵を置いて他に無し。
ハリーアップ、イェーガー!!
オニキス・リーゼンガング
友と/f16930 悪霊ですので宇宙服無し
心情)絶望的な状況でも諦めないヒト、わたくしは好きですよ。
弱いなら余計にね。
ふふ。これでも龍神ですから、守るのは好きなんです。
そうですね友よ、すでに散った命です。
今更惜しむこともない。いまある生命のため使いましょうか。
行動)空の上は重力がないそうで。ならば大きな氷塊を作り、
オーラでしっかり覆い固めて。《枝》で敵の群れに打ち込みますね。
エネルギーを充填して爆弾にするのも悪くないかも。
あとは…わたくしの届く範囲で危険に陥る味方がいれば、身を挺してかばいましょう。
腐っても龍神、金属よりは頑丈です。
ああ、友はかばいません。意味がないので。
朱酉・逢真
ダチと/f28022 神なので宇宙服ナシ(着れない)
心情)ひ、ひ、ひ。はずれ者らァのサーカス団かィ。いいねェ、ステキさ。魅力的だ。どんな"いのち"もそうだがね。さァさダチ公、いつもどォりだ。死んでも守るぜ。
行動)鎧装騎兵の機体らを覆うみてェに結界張って。こうすりゃ機体の内側は害せンようならァ。眷属ども。獣鳥虫魚のお前たち。死出の旅路だ、祝福しよう。暗い海を渡れ。"いのち"のため死んでこい。俺も、ああ。あのめったデカいのンにしよう。食われてやろう。神も悪魔も腐らす病毒、《過去》の坊やじゃどォもできんよ。
●宙(そら)に泳げよ獣鳥虫魚
死んでいく、死んでいく、死んでいく。
黄泉路を遡りて異界より来たりし獣が、魚が、鳥が、虫が。
暗く昏い星の海を泳いで飛んで這い渡り、亡霊の群れと喰らい合って死んでいく。
星のように。塵のように。芥のように、死んでいく。
「ひ、ひ、ひ――結界は万全だ。有象無象は眷属(あいつ)らに任せとけ」
「ならば、そのように。あなたもせいぜい派手に死ぬといいですよ、友」
「言われるまでもねェさ。ひひ」
まるで次の再会を約束する友のように、気兼ねなく死を告げ、そして応えた。
オニキス・リーゼンガングはあるかなしかの笑みを浮かべ、昏い海を跳ぶ。
重力なき星の海。それは竜神にとっても、そう体験したことのある場ではない。
新鮮味がある――そして恍惚、あるいは喜悦。闘争への喜びと歓びが。
生命の存在許されぬこの領域に、渦巻くのは運命に抗うヒトの意思と熱量。
絶望的な状況でも諦めないヒトの心意気、それは神にとって心地よい。
庇護すべき脆弱な"いのち"ならば、なおのことに好ましかった。
「すでに散った命、惜しむべくもありますまい」
オニキスが昏い海の虚空をなぞると、そこに氷が生まれた。
宇宙とは熱と風のない死の世界、つまりは絶対零度の闇の海である。
ならばそのマイナスの熱量を凝り固めることなど、オニキスには造作もなし。
朱酉・逢真の眷属がミサイルのように翔んで泳いで這って死にゆくなか、
巨大なる宇宙船のそれと競い合うように、巨大な氷の小惑星が生まれた。
『AAAAAARGH!!』
「亡霊が亡霊を喰らおうとするとは、実に面白いもの」
対するは滅びた星の獣。宇宙怪獣とも呼ばれる星間宇宙の化け物だ。
クエーサービーストと銘打たれた、現行の脅威には届かぬ、されど巨躯。
オニキスはいましがた生み出した氷に指先で触れ、悪霊の力で表層を鎧った。
触れるものあらばそのいのちの熱量を奪い取り、枯らし、滅ぼす死の凍気。
「獣相手に技は要らないでしょう。まとめて散りなさい」
オニキスは――死のオーラで覆った氷の塊を、《枝》で殴りつけた。
摩擦係数なき星の闇海を、巨大にすぎる氷塊が恐るべき速度で滑り跳んだ。
叩き込まれた亀裂は飛翔しながらめきめきと氷の塊を覆い尽くしていく。
そして破砕――いわば神の力で打ち出した、超音速の氷の散弾である。
氷の塊をも飲み込みかねぬ宇宙怪獣の全身を、氷柱じみた散弾が撃ち、貫いた。
『AAAARGH――!?』
ビーム砲をも寄せ付けぬ表皮を、鱗を、砕いて穿ち貫いていく。
氷の塊を鎧う死のオーラが、一度死したる過去の残骸を内側から凍てつかせた。
たちまち宇宙怪獣の巨躯は死の凍気によって固まる。声なき彫像の完成だ。
「これはいい道具が出来上がりましたね。利用しましょう」
オニキスは宇宙怪獣だったモノに触れ、さらなる龍の神気を流し込んだ。
絶命状態で凍りついた巨体が二倍近くに膨れ上がる。そして……爆散!!
「ひひひ! 張り切ってやがるなァ、守るモンがあると燃えるのかね」
効率的に過ぎる死の連鎖に、逢真はけらけらと楽しそうに哂った。
無防備である――当然、その身体は小魚のようにばくんと怪物に呑まれた。
凍りついた宇宙怪獣をも超える巨体。宇宙船など爪で引き裂いてしまうだろう。
もぐもぐと口の中で死肉を味わいながら、巨獣はオニキスに狙いをさだめた。
蔓延る眷属の群れを尾と爪で殺しに殺し、次は龍神を喰らおうとする。
「次があるのならば、口に含む"もの"は選り好みするのをおすすめしますよ」
オニキスは薄く笑った――その言葉の意味を巨獣が吟味することはなかった。
口からはどろどろに穢れた血が噴き出し、はらわたが裂けて飛び出す。
一瞬にしてその巨体は壊死し、崩れ果てた身体は眷属に呑まれ裂かれ食われた。
「かばってくれてもいいンじゃねェかい、せめてポーズだけはよ」
「無意味に過ぎます。あなたが面白がるだけでしょう?」
「ひ、ひ、ひ! それが大事なンだよ、それが――」
死肉を糧に新たに"生じた"宿が、陰気な笑みを浮かべた。
オニキスは付き合ってられないとばかりに頭を振り、次なる獣の群れを視る。
命なき星の海に浮かぶ、あまりにもか細くか弱き"いのち"の群れ。
それを守るため、ヒトの姿をした神はその権能を惜しみなくふるい続けた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
桐生・零那
幾多の戦いを猟兵と共に戦い抜いた輩か、頼もしいな。
その希望の光、失わせるわけにはいかない。
救ってみせる。それこそが神の導きなのだから。
宇宙空間での戦いは初めてなんだが、この『特殊宇宙服』とやらは本当に大丈夫なのか?
いや、疑っている暇はないか。ダメならダメで、目を閉じ息を止め、気合でなんとかなるだろう。
しかし害獣どもがわらわらと。まるで巣から追い出された蟻のようだ。
まぁ、やることは変わらん。1匹の残らず駆除をするのみだ。
二刀を持って斬りはらっていくが、いかんせん数が多すぎる。
宇宙を駆ける騎兵と協力しようにも、この手は2本しかないからな。
それならもう1手加えるか。
【零ノ太刀】
視線の先の敵を斬る。
●希望妬む獣を討て
聞くところによると、この『特殊宇宙服』は超古代の遺物であるらしい。
先の『銀河帝国攻略戦』において、古代文明の宇宙船から賜ったものである、と。
「……不思議なものだな。一切違和感がない」
宇宙空間に出た桐生・零那は、透明な宇宙服を引っ張り顔を顰めた。
ほぼ完全透明かつ一切動きを妨げない特殊宇宙服は、もはや生身と変わらない。
服の上から着ても、この通り着けていることすら忘れそうなレベルだ。
その自然さが、かえって零那の不安感を掻き立てる――というよりは、不信感か。
「まあ、いい。どうやら――疑っている暇もなさそうだからな」
零那は、飛来する無数の侵略亡霊の群れを鋭く睨みつけた。
銀河帝国よりもなお旧き、惑星在りし頃に人々を脅かした宇宙人と怪獣。
なんともSFじみた突飛ない敵だが、この星の海ではいまさらな話である。
「まるで巣から追い出された蟻のようだ」
零那はぴくりとも笑わずに冗談を言い、両手を翼のごとく広げた。
左手に握るは"影無"。使い手の生命力を啜って力を増す怨嗟の魔剣。
右手に握るは"神威"。神に仇なすモノに苦悶と解放をもたらす神剣。
星間宇宙を飛翔する化け物を相手にするには、あまりにも頼りない――が。
「征くぞ」
零那は思考によって宇宙服の推進を得ると、音なき宇宙を滑るように跳んだ。
淀みない動作。戯画化した悪魔のごとき侵略宇宙人が襲いかかる!
――はたして。
蟹を思わせる甲殻類じみた宇宙人の腕は、ばっくりと真っ二つに割れた。
神速の斬撃。切断面は肩口まで到達し、そこからさらに呪詛が染み込んだ。
零那はもはや斬った獲物を振り返らない、あれはすでに死んでいるからである。
続けざまに蛇めいた怪獣、その巨躯は零那の10倍近い。
「遅いな」
神剣が唸った。大気中であれば真空の斬撃さえも生み出すほどの速度だ。
蛇めいた怪獣は、まな板に穿たれた鰻のごとくばっくりと裂けて死ぬ。
剣を振るうたびに害獣どもは死んでいく。たった二振りの刃で。
……二振り? 否。零那が振るう刃は、その実みっつ。
「希望の光を、お前たちのような過去の亡霊に奪わせるわけにはいかない。散れ」
異色の双眸が細まれば、その眼差し自体が斬撃となりて敵を斬った。
これぞ抜かずの刃、あるいは零ノ太刀とも渾名される、触れず・振らずの剣。
生命の存在許さぬ暗黒よりも、その殺意は鋭く、冷たく――そして、無慈悲である。
成功
🔵🔵🔴
砲撃怪獣・ガンドドン
(☆喋りません。かわりにガオォンとかで意思疎通します)
招集に応じて戦場へと出撃するが、敵の戦力は強大だ。
いかに猟兵の力があっても、自分の戦闘力では敵の軍団に対抗するのは困難だろう。
そう思考するガンドドンの近辺で、ストレンジャー隊の戦士たちが戦う様子が見える。彼らもまた敵の軍団に苦戦を強いられていた。
ここでガンドドンは考える。
彼らの扱う特宙機(対侵略者特殊宙挺機甲)を生み出した開発技術の一部は、ガンドドンを生み出したものと共通する部分がある
であれば――規格にもまた共通する部分があるはずだ
ストレンジャー隊の特宙機へと通信し、そして合体プログラムを起動。
【武装合体】によって彼らのマシンを強化し、戦う
●リ・ストレンジャーズ
『すげえ……!』
『ハル、感心してる場合じゃないよ! 応戦して!』
『お、押忍!!』
猟兵たちの戦いを目の当たりにしたふたりの鎧装騎兵は、船を守り続けた。
ふたりの駆る機体は、身に纏う鎧というよりは一種の機動兵器である。
他世界のそれに照らし合わせるならば、規模はキャバリアのそれに近い。
だがやんぬるかな、彼らが精鋭と言えど、この数の利はあまりに覆しがたかった。
船を守らねばならないという状況も、ストレンジャー隊を苦しめる。
『キャアアッ!!』
『ヨーコ! ……くそっ、ハル! ヨーコ機の援護に回れ!』
『押忍!!』
隊長J・Jの指示を受け、ハル青年は被弾したヨーコの機体をカバーする。
だがそこへ襲いかかるのは、鮫めいた鋭角的フォルムを持つ恐るべき宇宙怪獣。
凶悪銀河鮫・ジェネマガーグ! 小惑星をも飲み込む超巨大怪獣だ!
『ハ、ハル……!』
『大丈夫っス、ヨーコ先輩! オレが……絶対に守り抜いてみせます!!』
サイズ差はあまりにも圧倒的。さらに周囲には多数の侵略宇宙人が展開。
J・Jも援護には間に合わない。それでもハルは諦めることなく攻撃を続けた……!
緊迫した状況を、もうひとり――否、もう一機の存在が目の当たりにしていた。
砲撃怪獣・ガンドドン。銀河帝国に反逆せし、意志あるウォーマシン。
それは……否、"彼"は見ていた。そして、聞いていた。
この苦境にあっても諦めることなく、希望を、命を守るために戦うヒトの姿を。
機動兵器構造、解析――データ一致。あれは自機と共通部分を持つ存在だ。
人間の言葉で言えば、きょうだい。あるいは、同志……つまりは、仲間である。
……KRAAAAAAASH!!
『AAAAAARGH……!!』
「な……!」
ジェネマガーグに飲み込まれかけていたハルは、すんでのところで命を救われた。
横合いからツッコんだガンドドンが、彼の機体を守ったのである。
だがその無茶の代償として、ガンドドンのボディは被弾し火花を散らしていた。
「お、オレたちを守ってくれた……のか?」
――ガォオン……!
鋼鉄の獣は言葉を持たぬ。その咆哮は電子のこだまとなって響いた。
読解は出来ぬ。だがハルは理解した。言葉ではなく、獣の裡に宿る意思を。
「一緒に……戦ってくれるんスか」
――……ガォオオオオン……ゴォアアアウッ!!
言葉はいらなかった。ハルはたしかに、その咆哮から感じていたからだ。
「よォし……何がなんだかわかんねえけど、こっからが反撃っスよ!!」
すなわち、正義。
邪悪な願いの跳梁跋扈を許さぬ、未来と希望を守ろうとする獣の意思を!
『なんだこいつは? 何が起きて……?』
J・Jも知らぬ機能が起動し、ストレンジャーの特宙機(対侵略者特殊宙挺機甲)をガンドドンと同期させていた。
共通規格ゆえの合体機構。ハル機とガンドドンは、いま、ひとつになる!
青・赤・そして銀。3つのカラーリングを持つ、刃のごとき鋭角的フォルム!
――ガォオオオン……ガキンッ!
「うおおおお!! ヨーコ先輩は……いや、この船の人たちも誰も、絶対に殺させねえ!!」
ガンドドンとの合体により超パワーを得たハル機が、猛スピードで敵に接近。
ジェネマガーグの顔面を殴り飛ばし、片腕にアームドフォートを収束展開!
「対宇宙怪獣用、多重収束熱線砲……発射あ!!」
――ガオォオオオオンッ!!
獣の咆哮とともに放たれた巨大な熱線が、ジェネノガーグを体内から焼き滅ぼす。
これこそが、侵略亡霊どもへの反撃の狼煙となった……!
成功
🔵🔵🔴
煌燥・燿
ノノ(f07170)と参加
アレが例のとっておきか。
カッコいいな、俺も乗りてえ、赤いし。
しかし相棒があんなもの乗り回すようになっちゃ俺の力ももう必要ないんでは?
なーんてな。
相手が戦艦じゃなくて生物そのものなのは幸いだ
影焼透鏡の最大有効射程は6㎞ある筈だが
能力がカメラとレンズと俺のスペックに依存する都合
無反動砲みたいなゴツイの超望遠レンズでも
実質的な最大射程は300mになる。
その300mを頭に入れて迎撃してくれ。
そのラインを越えて来たヤツは俺が必ず撮り殺す!
ビームやミサイルみたいに仲間を巻き込まないのだけはまあ、プラスかねえ。
だいじょうぶだお前の晴れ姿も力は使わずしっかりカメラに収めといてやるよ!
ノノ・スメラギ
ヨウくん(f02597)と
どうだいヨウくん、ボクの新しいドレスは!
『VMガイスト・レプリカ』、VMAXシステムのナノマシンで強化したボク専用の宙間戦闘用キャバリアさ!
向かうは宇宙怪獣ども、お披露目としては悪くない。蹴散らしてやろうじゃあないか!
ああ、ヨウくん、後方の守りはキミに任せた!
ボクは『レプリカ』で全力射撃(【砲撃】、【一斉斉射】、【誘導弾】、【弾幕】)と共に、敵軍に突貫してかく乱する! UCで得た速度があれば、並みのヤツはついてこれやしない!
鎧装騎兵のみんなは敵の乱れたところで各個撃破を狙ってくれ!
さあ、いくぞ! VMAXガイスト・レプリカ! 最初っから【限界突破】の全速で行くよ!
●宙を切り裂け、VMガイスト・レプリカ!
紅き一条の流星が、暗黒をも覆う侵略宇宙人の群れを貫いた。
遅れてその軌跡を爆炎が彩る。まるで淀んだ湖を清水が癒やすかのように。
「アレがノノのとっておきか……カッコいいな!」
『どうだいヨウくん、ボクの新しいドレスは!』
「ああ、最高だよ。俺も乗りてえぐらいだ」
『さすがにそれは難しいね。コイツは――"レプリカ"は、ボク専用機だからね!』
紅き流星の正体は、ノノ・スメラギの駆る専用キャバリアである。
コードネーム、VMガイスト・レプリカ。宙間戦闘特化スーパーロボット。
VMAXシステムのナノマシンを駆動系に応用した、まさしくノノのための機体。
「……わかってるさ、そんなこと。だからこそカッコいいんだ」
煌燥・燿は、相棒の"晴れ姿"に微笑むように目を細めた。
「お前の晴れ姿はきちんとカメラに収めておいてやるよ、相棒。
だから――全力で蹴散らしてこい! 後ろは俺に任せておけ!!」
『ああ、ヨウくん。後方の守りはキミに任せた!』
ノノの心は晴れやかだった。
VMガイスト・レプリカの、予想以上の出力がもたらす高揚感もある。
けれどもなにより少女の心を晴れやかにしていたのは、理解と信頼だった。
相棒の――燿への複雑な感情は、少女にとって必要なプロセスだったのかもしれない。
砕けかけた鋼がさらに強固に繋がるように、彼女の心は強く健やかになっていた。
だから恐れはない。たとえ敵が万を超え億を超え、那由多の数ほど居ようとも。
「さあ、かかってこい宇宙怪獣ども! このレプリカを捉えきれるならね!!」
VMガイスト・レプリカは、ランダムに動き回る原子めいてジグザグに飛翔する。
摩擦係数なき宇宙では、レプリカの飛行速度は超音速にたやすく到達し得るのだ。
紫・青・緑の怪光線をあざ笑うようにかいくぐり、回避しながらの一斉発射。
VMランチャーの輝きが宇宙を貫き、爆散した怪獣の炎が暗黒を彩る!
「躊躇はしない、容赦も、出し惜しみもナシだ! レプリカ、全力で行くよ!!」
いきなりのリミッターカットにより、全駆動系が悲鳴を上げた。
鳴り響くレッドアラートを力技で黙らせ、ノノは不敵に笑みさえする。
ナノセコンド単位で流れ込む敵出現情報を脳内処理しながら、虚数魔法の力場を展開。
物理的制約を魔法的駆動で可能な限りゼロまで抑え込み、敵集団を蹂躙する!
「そうだ、相棒。お前はそれでいい」
燿は頼もしげに紅き流星を見つめ、そしてシャッターを切った。
魂を抜き出すカメラの魔力は、超・遠距離においてさえ生物に作用する。
宇宙人であろうと、怪獣であろうと、かつてはこの星間宇宙に生きていたもの。
すなわち知性を持ち魂ある存在ならば、ユーベルコードの対象足り得るのだ。
VMガイスト・レプリカの猛攻をかいくぐった敵は、次々に魂を失い四散した。
誰一人とて通すことなく、
誰一人として見逃しはしない。
最強のふたりの猛攻が、数で勝る侵略亡霊の大群を圧倒していく!
『ヨウくん、速すぎるからってブレブレの写真だけで終わらせたりしないでくれよ?』
「俺と誰だと思ってるんだ、ノノ。その勇姿は余さず撮影しているよ。
――お前の後ろを取ろうとする、不敵な連中だって、この通りな!」
『そうこなくっちゃ、ボクの相棒とは言えないね!』
ふたりは嬉しげに言葉を交わし、敵を躱し、そして宿命を覆す。
けして肩を並べることはない――ノノは少しばかり速すぎるからだ。
けれども、それでいい。ふたりの戦いは、そうあるべきだと、ふたりは知った。
ほつれ再び結ばれたバディの絆は、雲霞の如き侵略者にも引き裂けはしない!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミレア・ソリティス
作戦目標、敵集団及び指揮個体「猟書家」の殲滅
……並びに、友軍の、希望(ほし)の防衛。
任務了解しました。ミレア・ソリティス、出撃します
宙間戦用ユニット「ヴィントシュトス」(バイクモード)へと騎乗し鎧装騎兵隊に追従、同時にUC【コード・モルフェウス:LD】を起動。
本機周辺を半電脳領域化し、《情報収集/ハッキング/ジャミング》により領域内情報を“掌握(ドミネート)”
直接の応戦は砲戦用独立砲台ユニット「ヴィントシュティレ」に任せ、
領域内部の敵に対し、構造体の改竄破壊や、放たれた攻撃へと干渉し敵へ誘導・命中させつつ、友軍の損傷や欠損を書き換え修復・補填を行う等の友軍支援に専念します
※アドリブ他歓迎です。
黒川・闇慈
「補給も兵站も考えず数で向かってこれるのですからオブリビオンというのはタチが悪い……単艦相手に豪華なことです。クックック」
【行動】
wizで対抗です。
これだけの数を相手に長期戦はすべきでありませんが……一定の支援はしておきませんと乗組員や鎧装騎兵の皆さんが保ちません。
私はグレイテスト号に残り、UCを用いて負傷者の救護を行いましょう。戦線離脱してきた鎧装騎兵、負傷した乗組員にまとめて治癒を掛けさせていただきますよ。
「負傷者を即座に前線へ送り返すのはなんともブラックな気もしますが……緊急事態ですのでどうかご容赦を……クックック」
【アドリブ歓迎】
オリヴィア・ローゼンタール
侵略する者、無辜の民を脅かす者を、私は赦しはしない
【巨躯変容・炎冠宰相】で巨大化変身
グレイテスト号と軍勢の間に割って入り、背に守る
大型や数の多いところは私が潰します
範囲や威力を重視すると、どうしても大雑把になってしまうので、グレイテスト号の皆さんにはフォローをお願いします
巨大な体躯は敵の注意を惹き付けるに充分な働きをするでしょう(存在感・おびき寄せ)
聖槍に炎を纏い(属性攻撃)、【怪力】を以って迫る軍勢へと叩き付ける
超高熱の【なぎ払い】は太陽風が如き【衝撃波】と化す
大型のものを聖槍で【串刺し】にし、穂先の魔力を解放(全力魔法)
内側から爆破する(焼却)
縦横無尽に暴れ回り、有象無象を【蹂躙】する
ゴロウザエモン・サンモト
▼アドリブ・連携歓迎
ちょっと公的な魔王の資格を取っている間に新たな猟書家がわらわらと…間引く必要がございますね。
武器を振り回すよりもこの場では素早く魔法を放つ方がよさそうなので【多重詠唱】【高速詠唱】による複数の魔法で敵を迎撃。
・援護について※【集団戦術】
武器を手斧に換装し味方に襲いかかる敵に加重の【呪詛】をかけ動きを鈍らせる。
やられそうな味方がいたら【早業】で槌頭を換装し不壊の小槌で【武器受け】するなどしてかばう。
ダメージがキツくても【激痛耐性】と【継戦能力】で戦い続け【威厳】を持って味方を鼓舞。
アイゴー!(自分を指差し)
ユーゴー!(味方たちを指差し)
ヒアウィーゴーでございます!(突撃)
カタリナ・エスペランサ
希望を奪う、か。言ってくれたものだ
当然許す筈も無い。過去なるもの、須らく未来に傅くべし――なんてね?
身の程って奴を教えてやるとしようか
《空中戦》技術フル活用、《覇気+存在感》の陽動と《目立たない+迷彩》の隠密を連続で切り替えて敵を攪乱するよ
《第六感+戦闘知識》で《見切り》敵の動きを先読みして立ち回る
魔法陣を仕込み時間差を付けて展開する派手な《破壊工作+属性攻撃+弾幕+蹂躙》は《生命力吸収》による《継戦能力》維持の一環さ
更に《暗殺》するように《早業》で【征服の聖印】発動
標的を《ハッキング》する刻印は刻めば刻む程に侵蝕を深める
《ブームの仕掛け人》として手勢を操り混乱を拡大、敵軍を食い破っていこう
●滅びの宿命(さだめ)を塗り替えろ!
『なるほど……ザイビア様がこれだけの戦力を投入するわけだ』
大群の只中にありて、グレイテスト号を鋭く見据える影ひとつ。
侵略宇宙人ムグレン星人。高い知能と科学力、そして強力なエネルギー操作能力を持つ、いわばこの侵略亡霊軍の幹部級とでも呼ぶべきネームド個体である。
『宇宙の希望、猟兵……そして猟兵どもを擁する人類。どちらも不要な存在だ。
さあ進軍せよ、蘇りし宇宙怪獣たちよ! ザイビア様の意思のもとに!!』
ムグレン星人の指揮のもと、無数の宇宙怪獣が統率された動きで船を襲う――!
「……新たな猟書家とその眷属がわらわらと。間引く必要がございますね!」
宇宙船一隻を落とすには、あまりにも飽和的な大群。
これを最前線で迎撃するのは、ゴロウザエモン・サンモトである。
差し向けた五指から火・水・風・土・雷の元素魔法を招来し、迸らせた!
五色の光線が宇宙怪獣の群れを稲妻の如く貫き、そして爆炎が宇宙を染める!
「大型の敵個体は私が請け負います!」
「ならアタシが敵の群れを陽動しよう。集まったところにいまの攻撃をもう一度!」
敵の勢いがわずかに減じた瞬間、オリヴィア・ローゼンタールとカタリナ・エスペランサの二名が加勢し、ともに両翼へ突っ込んで敵個体を釘付けにする。
浅間通り、オリヴィアは特に巨大な宇宙怪獣を真っ向から迎え撃ち一対一へ。
対するカタリナは七色の翼を広げ、無視できぬ存在感と挑発的な動きで敵を惹きつけ、かと思えば光の魔力によってステルス化し、敵を幻惑するのだ。
『ほう……なるほど、即席の連携としてはなかなかですね。だが!』
ムグレン星人は、巨大な二体の宇宙怪獣になんらかのエネルギーを注ぎ込んだ。
するとエネルギー化した宇宙怪獣同士が融合し、一体の怪物へと変貌する!
特徴的なのは頭部から突き出た赤い三本の角と、胸部から腹部にかけての髑髏めいた威圧的紋様である。
『行け、宇宙融合獣スカルガルラ! あの猟兵を抹殺するのだ!』
――ゴウォオオオオン……!!
大気なき真空の宇宙を、髑髏を掲げた融合怪獣の咆哮が震わせた。
凶悪な爪は、猟兵の肉体はおろか宇宙船の外壁すらもたやすく引き裂くだろう。
だが、オリヴィアは臆さない。聖なる槍を掲げ、力強く叫んだ!
「天来せよ、我が守護天使! 世界にも等しき大いなる巨躯の一端を、この身に分け与え賜え……!!」
見よ。聖槍は邪悪を滅する炎によって燃え上がり、紅き凶爪を受け止める。
そしてオリヴィアの身体を祝福された武具が鎧えば、その背中から白き翼が生まれ……5メートル近い、正義を行使する炎冠宰相(メタトロン)に変じたのだ!
『退きなさい、邪悪な者よ。ここから先は一歩も通しません!!』
黄金の炎を燃やし、オリヴィア……否、炎冠宰相メタトロンがスカルガルラを迎え撃つ。
ムグレン星人は舌打ちし、さらなる大量の怪獣で押し返そうとした。
『あのちょこまかと鬱陶しい小娘を包囲し、押し潰せ!』
「それはアタシのことかい? そう簡単に捕まるつもりはないね!」
カタリナは倍近くに増えた敵の猛攻を、かろうじて躱し続けていた。
その軌跡を無数の魔法陣が追従し、やがて宇宙の暗黒に巨大な陣を描きあげる。
魔術完成まであと一歩――しかし敵の数はさらに勢いを増す。多勢に無勢だ!
――KRA-TOOOOOM!!
『何!?』
その時である。横合いからの砲撃が、カタリナを包囲する敵怪獣群を穿った。
はるか後方、グレイテスト号をかばう形で出現する宇宙バイク! あれは!?
『……作戦目標、敵集団及び指揮個体"猟書家"の殲滅』
宙間戦用ユニット「SV-00ヴィントシュトス」を駆るウォーマシンの通信が木霊する。
『……ならびに、友軍の、希望(ほし)の防衛。ミレア・ソリティス、戦線に加わります』
宣言と同時に、ミレアは周囲の空間を強制的にハッキング、現実深度(リアリティレベル)を電脳魔術により改竄・不安定化する。
『コード・モルフェウス、アクティブ。半電脳領域を限定構築。
領域を拡大開始。敵味方問わず、対象への直接干渉による支援を開始します』
水に熔ける墨のような速度で急激に拡大した電脳領域が、敵の猛攻を留める。
さらに先の砲撃の発生源でもある、砲戦用独立砲台ユニット「ヴィントシュティレ」を全力砲撃モードに移行、オリヴィアならびにカタリナの戦いを支援するのだ!
「これならよし――征服の聖印(インスタント・スレイブ)、起動!」
そして見よ。カタリナの巨大魔法陣が明滅し、怪獣の群れに魔術的刻印を植え付けた。
それは対象に疑似人格を植え付け、強制的に相手を支配する魔神の技である。
一転して怪獣の群れは同士討ちし、あるいはムグレン星人を襲った!
『バカな! この数の宇宙怪獣の意思を掌握したと……!? ならば!!』
ムグレン星人は、混乱の中心――すなわちカタリナを叩こうとする。
『させません。あなたがこの一群の指揮個体であることは分析済みです』
そこへミレアの執拗な支援砲撃、さらに領域書き換えによる進路妨害。
なおもムグレン星人は怪光線を繰り出すが、、ゴロウザエモンの斧が光線を切り裂く!
『破滅の宿命を拒むか? 愚かな生者どもめ!』
「それが汝らの言う宿命ならば、我らはそれを塗り替えることこそが使命。
さあ皆様! いまこそ全員で突撃でございます! すなわち――!」
ゴロウザエモンは自らを指差し、味方を指差し、小槌を掲げた!
「アイゴー! ユーゴー! ヒアウィーゴー、でございます!!」
「ああ、反撃開始といこうか!」
『半電脳領域、さらに拡大。敵軍団を完全打倒します』
「侵略する者、無辜の民を脅かす者を、私は赦しはしないっ!!」
カタリナ、ミレア、そしてオリヴィアの猛攻が、敵前線を押し返す。
その光景は、たしかにグレイテスト号にも届いていた!
「だ、大丈夫なのか? 俺たちは生き延びられるのか……?」
「ご安心を――と言っても、この状況では大した慰めにもならないでしょうが」
恐怖に震える鎧装騎兵の身体に、黒川・闇慈は手をかざした。
手のひらからその黒衣に似つかわしからぬ、慈愛に満ちた光があふれる。
すると被弾により受けた傷口は、光によって癒やされ徐々にふさがっていく。
負傷者は彼だけではない。猛攻を耐えしのいだグレイテスト号の面々が居る。
サーカス団の団員に過ぎぬ彼らは、先遣突入した侵略宇宙人の群れを自力で撃退していたのだ。
外の迎撃ではなく内側の援護に駆けつけた闇慈がいなければ、死傷者が出ていてもおかしくはなかった。
「補給も兵站も考えず数で向かってこれるのですから、オブリビオンというのはタチが悪い……単艦相手に豪華なことです。クックック」
「なあ猟兵さん、一体どうして連中はこの船を狙うんだ?」
「……それは、私の口から言うのは少々憚られますが」
けが人の言葉に曖昧に笑いつつ、闇慈は目を細めた。
「敵がそれだけあなたがたを狙う意味を、勝利によってわからせてやりましょう。
負傷者を即座に前線に送り返すのは気が引けますが、どうかご容赦を……クックック」
彼らも戦う者として、再び立ち上がるのだ!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
月汰・呂拇
■チームU
へッ、怪獣だあ? あっちじゃ時折喰ってたぐらいだ
舐めるなよ――オープンメガリス!
巨大化し怪獣軍団に真っ向から切り込む
ここは任せろってんだ!
巻き添え喰らいたくなきゃ、そこを退けッ!
体格差はある程度埋めたんだ
気合入れて行くぜッ! リミッター解除!
手斧に炎を纏わせて奴らを焼却だ!
飛び道具はオーラで弾き
分厚い皮膚は砕いて内側に衝撃を浴びせてやらあ!
分かってるっての……ここはジジィの元いた世界だ
訳の分からん奴のさばらせる程、俺は巨人が出来てねえんだ
さあ、ステーキになりたい奴からかかって来いッ!
敵を引き付けてユーノの探索を間接的に支援
それと鎧装騎兵軍団がやられねえ様に
俺が出来るだけ受けてやらあ!
ユーノ・ディエール
■チームU
侵略宇宙人? 不吉な予感がしますね
それに怪獣。この世界にも、そんなモノが……
ええ、分かってます。引く気など更々ありません!
こちらユーノ! 間に合ってますよね? ここから行きます!
…………呂拇が!
大丈夫、最大限援護しますからお構いなく
鎧装騎兵隊と共に悪しき怪獣軍団を倒すのです!
UC開放と共に騎乗したクルセイダーで最大戦速
開幕ミサイルの目晦ましで肉薄しつつ
デトネイターで串刺して潰します!
私の直掩にはデスワームがいるのです
迂闊に近付けばバラバラに引き千切ってやりましょう!
さあ、呂拇……あなたの力を見せなさい
あなた自身の願いの為に、やれッ!
撹乱させつつ私は侵略宇宙人を念動探知し続けましょう!
●嵐のごとくに熱くなれ
「はははははは、ははははははは!!」
宇宙空間さえも震わせる咬傷は、紛れもなく侵略宇宙人アビ星人のそれ。
超・超高熱の光球をその手に生み出し、太陽めいが輝きをグレイテスト号へ放つ。
「さあ、消し飛んでしまいなさい人類の希望よ! はははははは!!」
熱量はこの世においてもっとも単純な暴力、光球の温度はまさしく破滅だ。
グレイテスト号の人々は、目を灼くばかりの光を見た。そして破滅に呑まれ――。
――KRA-TOOOOOM!!
「はははは――何?」
……船をまるごと飲み込み焼き滅ぼすほどの光が、衰滅した。
亜音速で飛来した巡航ミサイルによって、相殺されたのである。
アビ星人は彼方を見やる。猛スピードでこちらに飛来する白亜の機影!
「あれは……!!」
『聞こえますか、グレイテスト号! こちらユーの、間に合ってますよね?』
『ああ、聞こえてるぜ! よく来てくれたな!』
快哉めいて返ってきた"色男"の声に、ユーノ・ディエールは莞爾と微笑む。
間に合ったのだ――いや、間に合わせる。もはや手遅れになどさせない。
この宇宙で、この故郷で! あんな侵略者どもに命を奪わせるものか!
「ここから行きます、もう少しだけまっていてください――さあ、呂拇!!」
「へッ、言われるまでもねえ!!」
クルセイダーと並走するのは、異形のマシン……いや、巨人であった。
月汰・呂拇はぎらりとバイザーに光を走らせ、数多の怪獣と宇宙人を睨む。
「ここはジジィが元いた世界だ。何をすべきかなんざわかってるっての!」
「ならこちらも最大限援護します、あなたの力を見せなさい、呂拇!
あなた自身の願いのために……やれッ!!」
「怪獣なんざ喰い飽きてンだよ――オープン・メガリスッ!!」
呂拇の肉体がさらに3倍まで増強・拡大され、進撃スピードが加速する。
撃墜されようとしていたストレンジャー隊の機体と、怪獣の間に割って入る!
『ギャギャギャ……!?』
「退きなさい、髑髏猛獣ブラッドキング! その男は手に余ります……!」
「させるかよ!!」
アビ星人が怪獣を退かせるよりも、呂拇の反撃の方が早かった。
機体を撃墜しようとした尾の一撃を装甲で弾き、返しの刃で炎の手斧を振るう。
燃え盛る手斧は、髑髏猛獣の蛇腹めいた鱗をたやすく砕き、肉に食い込む!
『ギギィイイイアアッ!!』
「ハッ!! おい鎧装騎兵とやら、巻き添え喰らいたくなきゃ下がってな!」
『りょ、了解!』
騎兵は後退、その入れ替わりにデトネイター機から発射されたミサイルが着弾。
ブラッドキングは爆発を喰らい悶え苦しむ。呂拇は手斧を繰り返し叩きつけた!
「わけのわからん奴らをのさばらせるほど、俺は巨人が出来てねえのさ!
さあ、ステーキにして食ってやるぜ! おおおおおおオオオオオオッ!!」
呂拇の額から突き出た角が燃え上がり、手斧を包む炎の熱量が増した。
それは斧刃を二倍、いや三倍にまで拡大したかのように白熱するほどだ。
右拳の一撃でその名に違わぬ髑髏めいた頭蓋を殴りつけ、そして斧の一撃!
「ぶった切れやがれぇ!!」
『AAAARGH――!!』
髑髏猛獣ブラッドキング、頭蓋より尻尾まで正中線と叩き割られ爆発四散!
入れ替わりに襲いかかるアビ星人! デトネイター機の穂先が迎え撃つ!
「はははははは! 実に、実に忌々しいタイミングで来たものだ、猟兵!」
「アビ星人……! やはりあなたたちの仕業でしたか!」
「ほう、我が同胞をご存知のようだ。世話になった、と言っておきましょうか?」
アビ星人はあざ笑うように短距離テレポートを繰り返し、デスワーム攻撃を回避。
小規模な光球をばらまき、ユーノと呂拇の動きを釘付けにする。
「思い上がるのもそこまでです、アビ星人! あなたたちの好きにはさせません。
宇宙の希望を穢したその罪、他の同族とともに骸の海で後悔してもらいます!」
「はははははは! なるほど、あなたたちが強者であることは認めましょう。
しかし! 我々を率いるサイビア様は、あなたたちなど物の数ではない!!」
破滅の光弾が膨れ上がる! ユーノと呂拇は顔を見合わせ頷いた!
「デスワーム!」
『AAAARGH!!』
「この程度……!」
「おっと、俺がいるのも忘れるなよぉ!?」
光球はデスワームの迎撃に消費され、わずかな間隙が生まれた。
呂拇が猛烈な勢いで斬りかかり、アビ星人は宇宙殺法でこれを凌ぐ。
「怪獣軍団よ! 私を援護するのです!」
『『『そうはさせるか!』』』
「!?」
KA-BOOOOM!! 取って返した鎧装騎兵隊による、抜群のタイミングの支援だ!
ビーム砲やミサイルが、アビ星人を守ろうとした宇宙怪獣を撃墜していく!
「これが宇宙の意思、そして! あなたたちの終焉です、アビ星人!!」
ユーノの放った強烈な念動衝撃波が、アビ星人の守りを吹き飛ばした。
「バカな――!?」
「おおおおおおおおッ!!」
そして呂拇の一撃! 袈裟懸けの手斧がアビ星人を……両断せしめる!!
「は、はは、はははは……! 申し訳ありません、サイビア様……!」
「――!」
「どうしたユーノ!」
「いま、たしかに感じました……かすかですが、無間のサイビアの気配を!」
ユーノは顔を顰めた。感じた精神波の波長は――侮蔑。
己の部下をすら見下し無価値とみなす、傲慢なる暴君のそれであった。
ユーノは闘志を燃やした。決して侵略者を許さぬという、熱く嵐のような意思を!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月凪・ハルマ
グレイテスト号……俺は惑星ロボの件以来か
けどどうやら、懐かしんでいる暇はないらしい
◆SPD
【迷彩】で姿を隠し、いつも通り隠密行動
同時に【武器改造】で旋棍を刀剣状に変形させておく
いつもの爆破手裏剣も用意
【目立たない】様に戦場を移動しつつ、爆破手裏剣で
敵の攻撃を妨害する等してストレンジャーを援護
同時に隙を見ながら【暗殺】で敵の数を減らしていく
とはいえ、ちまちまやってても埒があかないか
……仕方ないな
多少危険ではあるが、姿を隠したまま敵陣深くまで移動した後
【早業】で天墜のエンジン起動、同時に【破天剛砕錨】発動
そのままぶん回して(【範囲攻撃】)、纏めて敵を薙ぎ払う
その後はさっさと退散
被害を最小限に留める
ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
たまぁにあるのよねぇ、なぜか事態の中心になる特異点みたいなとこって。
…まあ、巻き込まれる当人たちにはいい迷惑以外の何物でもないワケだけど。
あたしはミッドナイトレースに○騎乗して鎧装騎兵さんたちとユニット組んで動こうかしらねぇ。
これだけ無茶苦茶な数だと、狙うとか悠長なことしてるヒマなさそうだし…ゴールドシーン、お願いねぇ?
右手で射撃と〇投擲しつつ左手で●活殺を起動。味方の補助と回復しつつひたすら妨害と○範囲攻撃バラまくわぁ。
ソーンなら「障害」と「防壁」、カノなら「活性」と「炎」…同一術式で色々できる汎用性が魔術文字のウリだもの、めいっぱい活用しましょ。
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
猟書家…侵略者め…
彼らを救う為にそして奴らを屠る為に私はここへ来た…
行くぞ…私は処刑人…強豪…連合…ヒアウィーゴーッ!!!
[覚悟を胸に闘争心]を奮い立たせ
[オーラ防御を纏い空中戦]で宇宙へ跳ぼう
宇宙での[戦闘知識]を発揮しつつ
鉄塊剣と妖刀振るい敵群に[切り込み]
[なぎ払い範囲攻撃]で蹴散らし[存在感と悪目立ち]で
敵群を自身に惹き付けて鎧装騎兵達への攻撃を逸らそう
[武器受けと激痛耐性]で攻撃に耐え抜き[力を溜め]よう
力を溜めたら攻撃数の[早業と暴力]で敵群を次々に
討ち倒してゆき【悪虐なる者に残虐な死を】齎して
[蹂躙]してゆこう…
猟書家め…必ず見つけ出し、その首を刎ね飛ばしてやる!!!
●きたぞ! われらのイェーガー
宇宙の暗黒を染め上げるのは、そこかしこで燃え上がる爆炎と光線の嵐。
グレイテスト号は、今もって無事であるのが不思議なほどだった。
ストレンジャー隊はベテランであるものの、そもそもの数が少なく劣勢だ。
サーカス団員の中には、予備の宇宙戦闘用スーツで打って出る者も居たが、
むしろそれは死期を早めるだけだった……そう、これまでであれば。
だが、そうはさせじと馳せ参じた猟兵たちが、必滅の宿命を塗り替えたのだ。
鎧装騎兵を率いて星間宇宙を飛翔するは、ティオレンシア・シーディア!
左手で空中に魔法の文字を描くと、光り輝くルーン文字が魔弾となって放出。
右手でグレネード投擲とリボルバー射撃を繰り返し、目についた敵を狙い撃つ!
「たまぁにあるのよねぇ、ああいう事態の中心になる特異点みたいなとこって。
巻き込まれる当人たちにはたまったもんじゃないでしょうけどねぇ?」
BLAMBLAMBLAMBLAM!! 弾丸は宇宙怪獣の巨体と比較すればあまりにも脆弱だ。
しかし魔術文字によって励起された破壊力は、むしろ撃ち込まれた直後に炸裂する――外側からではなく、内部で爆弾めいて燃え上がり敵を苦しめるのだ。
さらに光の壁となった魔術文字が、侵略宇宙人の怪光線から騎兵を守った!
『ちぃ! 生身の人間ごときが! 妙な力を使いおって!』
『あんな豆鉄砲で何が出来るものか。下がれ、バルバロ星人よ!』
『応!!』
多種多彩な刀剣を我が物のように操る武闘派宇宙人、バルバロ星人が後退した。
後退を指示した魔術宇宙人カッパー星人が、七色の光線を放射する!
「全機、散開しろ! 猟兵を巻き込まないようにするんだ!」
『『『了解!』』』
鎧装騎兵部隊は四方へ散開し、追尾能力を持つ怪光線の範囲攻撃を回避する。
ゴールドシーンと魔術文字によるブーストがなければ、不可能な機動力だ。
中には回避しきれず被弾する機体も居たが、そこは"防壁"の文字が功を奏した。
魔術文字の片鱗が怪光線を阻み、騎兵を爆散の危機から救ったのである。
「ダメよぉ、こういうときは頭から叩くのが鉄則でしょお?」
『フン、言われるまでもないわ――さあ行け、バルバロ星人!』
『バロロロォ!』
そして、バルバロ星人が後退していたのはこの散開のためだった。
がら空きになったティオレンシアを、八つ裂きにする構えである!
ティオレンシアもこのコンビネーションを想定し、迎撃弾を構えていた。
しかし彼女は何かに気づくと、バルバロ星人からカッパー星人に狙いを変える。
一体何故だ? 鎧装騎兵たちが彼女を守るには、コンマ秒が足りないのに!
「させるかッ!!」
その答えは、ティオレンシアを飛び越える形で飛び出した黒き影にあった。
バルバロ星人の突き出した処刑槍を、クロス字に構えた二刀が受け止め、弾く。
ガキン! と飛び散った火花は、バルバロ星人の身体を包み込む地獄の炎となる!
『バ、バロォオオオッ!?』
「猟書家の手先、蘇った侵略者の亡霊どもめ。私はお前たちを許さない。
彼らを救い、そしてともに戦う仲間を守るため、私はここへ来たのだ!」
暗く落ち窪んだ双眸に地獄の炎を燃え上がらせ、仇死原・アンナが叫んだ。
「私は処刑人……決めるぞ、覚悟を……!」
「相手はよろしくねぇ。他の連中はこっちで押し止めるわぁ」
アンナは肩越しにティオレンシアを振り返り、こくりと頷いた。
そして地獄の炎に悶え苦しむバルバロ星人に、二刀の猛攻を仕掛ける!
「強豪! 連合! ヒアウィーゴーッ!!」
『バロロロォ! 貴様のその剣、実に興味がある! 欲しいぞ、バロロッ!』
バルバロ星人とていっぱしの戦士、不意は撃たれたが立て直しは早かった。
処刑槍を捨てると長ドスめいたサーベルを引き抜き、アンナを迎え撃つ。
一撃ごとに宇宙の暗黒に火花が散り、地獄の炎が両者を燃え上がらせた。
バルバロ星人がアンナの身体を切り裂けば、そのダメージが炎の糧となる。
燃え上がる地獄の炎は、ティオレンシアを、そして騎兵たちを守る力でもあるのだ!
「なるほど……敵対者の武器を奪い、己のものとして振るう盗人がお前の本性か」
『盗人? 違うな! 多彩なる宇宙海賊とでも言ってほしいねェ!』
「くだらん戯言をほざくな、侵略者め!!」
アンナとバルバロ星人は、さながらぶつかりあう原子めいて宇宙を駆け抜ける。
ティオレンシアは体勢を立て直し、散開した騎兵の援護に努めた。
カッパー星人の攻撃がそれを阻む――かに見えたが、敵は攻めあぐねている。
「先ほどからなんだ? 我々の連携を乱すような、この妙な手裏剣は……!」
ティオレンシアのグレネード攻撃と交互に炸裂する、謎めいた爆破手裏剣。
それがカッパー星人の怪光線攻撃を妨害し、さらに怪獣の指揮をも乱していた。
カッパー星人は騎兵隊を攻撃しながら、思念波で妨害者の位置を探ろうとする。
だが、うまく焦点が絞れない。どうやら相当上手く隠れているようだ。
『バルバロ星人よ! 女ひとりにいつまで手間取っている!?』
『黙れ! この女なかなかの強者だ、なんとしてもこの武器が欲しい!』
『ちぃ、要らん興を乗らせおって……致し方なし。来い、侵略怪獣軍団!』
カッパー星人が邪悪なる精神波を放つと、周囲の怪獣たちの目が紫色に輝いた。
知性の低い怪獣を精神支配し、強制的に守りに使おうというつもりか!
冷凍凶獣パゴラ、炎熱魔獣アギサイト、轟雷怪獣エレキラーの三体である!
『まずはあの女の猪口才な炎を灼き尽くせ、アギサイト!』
『AAAARGH!!』
宇宙船をも一撃で消し炭に変える魔獣の超高熱ブレスが放たれ……ない!?
『GROWL!?』
怪獣の横っ面を殴り飛ばしたのは、巨大化したチェーンアンカーである!
「本当は、隠れたまま仕事を進めたかったんだけどな……!」
妨害者――月凪・ハルマは忌々しげに言うと、ぐるんと鎖を頭上で回した。
鎖と連結しているのは、言わずもがなアギライトを殴り飛ばしたアンカーだ。
それは拡大する竜巻のように、パゴラとエレキラーをも巻き込み敵を薙ぎ払う!
『ようやく姿を表したな、小賢しい妨害者め!』
「ちまちまやってても埒が明かないんでな。まあ、仕方ないさ」
カッパー星人の放つ光線を躱しながら、ハルマはさらにアンカーを振り回す。
備え付けのエンジンによって加速したアンカーの回転速度は、大渦の如し!
「どうせやるなら、精一杯足並みを乱させてもらうさッ!!」
さらに回転速度に自らも乗ることで、ハルマは怪獣の冷凍光線を回避した。
攻撃を避けながら爆破手裏剣を投擲し、エレキラーの電撃攻撃を阻害する!
攻撃に利用したアンカーの反動をも回避に逆用する動きは、まさしく忍びのそれ。
吹き飛ばされた怪獣の巨体に足場に蹴り渡り、カッパー星人に肉薄する!
『な……!?』
「――姿を現させたからって、ケリがついたと思ったのか?」
その瞬間、ハルマはチェーンアンカー・天堕を手放していた。
カッパー星人は目を見開く。その喉元に突き刺さる、忍者刀の刃先……!
「"こういうときは頭から叩くのが鉄則"、だろ? 侵略者さん」
『……!!』
ハルマが姿を見せたのは、進退窮まっての苦し紛れなどではない。
ここが姿を表すチャンスだという、確信があったがゆえの進撃なのだ。
見よ。天墜に薙ぎ払われた怪獣の群れに、騎兵隊の猛烈な砲撃が襲いかかる!
「散発的な攻撃じゃダメよぉ、一体一体集中攻撃で落としていくわぁ」
『全機、照準を猟兵に合わせろ! 俺たちの火力を見せてやれ!』
『『『うおおおお!!』』』
BLAMBLAMBLAM!! BRATATATATATA――KRA-TOOOOM!!
宇宙怪獣、爆散! これもティオレンシアの魔術文字による火力増強の効果か!
『バロッ!? み、味方が!』
「隙を見せたな侵略者め。この私を前にして……!!」
バルバロ星人の一瞬の混乱を見逃すほど、アンナは容赦を知らぬ。
ためていた力を解き放ち、二刀で敵の武器を弾いてさらに身体を両断する!
『バ、バロォオオ……!!』
「安心しろ。お前の主の首も刎ね飛ばし、すぐに後を追わせてやる……!!」
バルバロ星人の身体を地獄の炎が飲み込む。侵略宇宙人、爆散!
三人は息つく暇なく、次なる侵略者を討つために宇宙を駆ける――!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
宮前・紅
【POW】
宇宙船かあ、中々面白そうな舞台だね?
あはは♪今日くらいは"善"に投じても良さそうだ!
鎧装騎兵、宇宙船乗組員と協力して戦おうかな、勿論──俺のやり方でね
親指をガリッと噛んで、血を出す………それからUCを発動
フェイントで相手の攻撃を上手く躱せたら良いんだけど、隙を見てコンツェシュで敵を穿つ(貫通攻撃+暗殺+鎧無視攻撃)
俺に敵を集中させれればベストだけど、一瞬でも良い──気が逸らせさえすれば此方も動きやすくなるだろうしね
それに、俺が血を流せば流す程、敵は俺から目を逸らせない筈
良いよ、凄くイイ感じ──!!
あぁ、生きた心地ってこういうことを言うんだね
死の舞踏でも始めるかい?侵略者さん♪
戎崎・蒼
船外の宇宙空間での戦いか
慣れない場所だからこそ、気を引き締めて行こう
地の利は人の和に如かず、他の騎兵や乗組員とも協力して何とか敵軍団を押し返そう
…僕もせめて船を救う一助となれれば良いけれど
Syan-bulletを使って熱放射を狙い、細やかに攻撃を加えたい
弾丸を撃ち込むという点で運動エネルギーが生まれる為、比熱的現象にはならないと思う
命中したらUCを発動
水の凝固点はほぼ零度、対する宇宙の温度は3ケルビン……もし凍るとしても粉状の雪になると思われそうだが、これはこのUCを使った空間化における結晶化だ、ダメージは相当入るはず
…僕は知識からの予測しか出来ない、こればかりは上手くいくのを祈るしかないな
●宇宙に煌くダブル・カラー
ガキ、ガギン、ガギン――ッ!!
ぶつかり合っては反発を繰り返すふたつの刃と、その使い手。
かたや腕と一体化したサーベルを振るうのは、暴君宇宙人ラヴァ星人である。
そのサーベルさばきと悪辣な知性により、古代人類を苦しめたとされる強者だ。
対してこれを迎え撃つのは、血の細剣を構えた宮前・紅であった。
丁々発止に剣戟の最中にありて、その表情は浮かれる子どもめいて明るい。
「あははは♪ いいねぇ、次から次へと現れる敵・敵・敵! 盛り上がるなあ!」
『狂人め。死合の最中だというのに、ずいぶんと楽しそうに笑うではないか』
「そりゃ当然だよぉ――だって俺、いますっごい楽しいからさ!」
紅がコンツェシュで斬りかかる。ラヴァ星人はサーベルで剣を受けた。
かと思えば次の瞬間には、反撃(リポスト)の切っ先が紅の胸部を裂いている。
フェンシングじみた攻防一体の剣技。暴君の名に相応しい縦横無尽さ!
「あは♪ 悪くないね」
『痛みを感じぬとでも……!?』
紅はその傷に何の痛痒も感じていないかのように、倍の剣を繰り出した。
痛みがない、ということはない。ただ紅は『押し殺している』だけの話だ。
「ねえ、もっと俺を楽しませてよ! 俺を切り裂いて、血を流させてごらん!
今日は俺が"善"になれる貴重な一日なんだ、もっともっと楽しまなきゃあ!」
『ぬう……!!』
趨勢は紅に傾き、ラヴァ星人は猛烈な剣戟を凌ぐ防戦一方の構えとなった。
両者は混戦状態の戦場を、まるで流星のように猛スピードで飛翔する。
『怪獣軍団よ、加勢しろ! この男、どうやら私の手には余るようだ!』
「いいねぇ。多勢に無勢なんてもっと燃えてきちゃうよ! そう来なきゃ!」
ラヴァ星人が怪獣を増援に呼び出そうとすると、紅はうっとりと笑った。
言葉の半分は真実であり、もう半分はブラフといったところ。
紅の真の狙いは、指揮官級であるラヴァ星人を釘付けにすることと、もう一つ。
できるだけ多くの敵の目を惹きつけ、囮としてかき乱すことにあるのだ。
そして紅の狙い通り、大量の怪獣が紅を狙って背後から襲いかかる……!
「――あいつ、また無茶を!」
グレイテスト号の甲板上、超・遠距離から戦いを観測する戎崎・蒼が顔を顰めた。
無謀に等しい突出を行っている時点で、紅(あれ)の狙いは読めていた……が、
よもや本気で、たったひとりで囮を務めるつもりだとは信じきれなかったのだ。
(やだなあ蒼くんは――どうしてそんな顔をするのさ。俺、悪いことしてる?)
きっと紅が蒼の渋面を見ていたら、こんなことを言っただろう。
("善"なら命を省みず、誰かのためにその身を犠牲にしてこそ……でしょ♪)
だなんて、わかったような言葉で蒼をからかうに違いない。
それが戦術的にも効果的であるからこそ、蒼は嫌悪と怒りに顔を顰めた。
――おそらくあいつは、蒼が援護することをすら織り込んでいるはずだ。
その信頼が忌々しい。"そのつもりで此処に居る"自分の浅ましさも。
「……そんな偽善を働かれて死なれても、寝覚めが悪いんだ」
蒼は言い繕うようにひとりごちて、かきん、と硝子めいた弾丸を装填した。
指揮官級の侵略宇宙人は、紅の攻撃を凌ぐので手一杯の様子。
であれば蒼の仕事は、怪獣を追撃する鎧装騎兵隊の攻撃を援護することだろう。
巨大な怪獣を撃ち落とすには、その攻撃を一瞬でも抑え込んでやればいい。
銃を構え、狙いを定める――宇宙空間という慣れない局地の状況を脳内で演算する。
音と空気、そして熱のない死の世界。ならばやりようはある。
(苦しむ人々を華麗に救う、正義のヒーローを気取るつもりなんてない)
――ただ僕は、あんな奴らに殺される人々の犠牲を見たくないだけ。
紅のように、ほとんど皮肉めいて"善"を謳うような性悪さは蒼にはない。
ただ少しだけ――そう、ほんの少しだけ、あの奔放さが羨ましくもあった。
「――ならせめて、"証明"してみせるさ。僕だって、希望を救う一助になれると」
正義の味方のように華々しくなくとも、彼らの道行きを切り開けるように。
覚悟めいた決意とともにトリガーを引けば、音もなく氷の弾丸が放たれる。
摩擦係数なき星間宇宙を駆け抜けた弾丸は、狙い過たず怪獣の頚椎に命中した。
紅を背後から丸呑みにしようと、その大口を開いた瞬間に、である。
『――!?』
命中地点を中心に、怪獣の頚椎付近は急速に結晶化、と同時に砕け散った。
怪獣そのものの身体が持つ、まるで炉のような熱量による反応だ。
まるで肉食の鳥に首をえぐられたような、無残な凍傷だけがその名残である。
怪獣を追撃する鎧装騎兵隊のビーム砲が、その巨体を穿ち爆散せしめた!
「……よし。僕のユーベルコードは通用する。僕は――やれる」
蒼は息を整え、次弾を装填すると同時に二射目を放った。
狙いはラヴァ星人――否。それと戦う紅の背中をめがけて。
「――あっは」
蒼ならばそうする、ということを、紅は読んでいた。
紅は蒼の援護に気づく。そして、紙一重で銃撃を避ける。
……ということを、『蒼も承知の上であえて紅を狙った』のである。
その程度ではあいつは殺せない、という腐れ縁めいた信頼があらばこそ。
相互理解による無音の連携は、銃撃をラヴァ星人へと導かせた。
回避は射線の提供、己を狙わぬ攻撃を暴君は避けきれぬ!
「バカな!?」
「じゃあね♪」
そして細剣が、暴君の首を刎ねた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
曾場八野・熊五郎
【スペース悪巧み:前衛】
「我輩の縄張りに土足で踏み入るとは面の皮の厚い害獣でごわす。今こそ餌のために立ち上がる時でごわ」
「エナジーも補給したし、いざ合体でごわす!」
UCで超カブを変形させてキャバリアのコクピットとドッキングする(デンラ○ナー方式)
コクピットでスペース犬の餌をモリモリ食べながらキャバリアで出撃する
「宇宙で乗るのは初めてでごわすが何とかなるなる。熊五郎、いっきマ”!?」
スラスターの推力(ダッシュ61)+UCで座席にめり込んで止まれなくなる
「オメン……タスケ……ゴワ……」
野生の勘と追跡に加え、ティアーの軌道修正を受けグレイテスト号に近寄る敵に体当たりしながら勇敢に駆け回る
詩蒲・リクロウ
「スペース悪巧み:前衛」
あっち見てもこっち見ても敵敵敵。
こんな時はグラウンドクラッシャー出来たら楽なのに、地面も壁も無い宇宙じゃ使えないんですよねぇー!
ちょっとティアーさんリチャードさん!なんか、良さげな武器ないんですかね!斧だけじゃリーチも範囲も全然足りないんですけど!ってウワァーッデブリコワイ!いや、これ武器にすれば……。
頼りない武器に頼りになる仲間、心許ない足場に心強い応援……
今こそ勇気を奮う時!その為の一歩を今こそ踏み出す!「チキンハートシャウト!」改め「ブレイブハートロアー!」
意気地なしはこれっきり!
ティアーさんらばかりに格好いいとこ譲りませんからね!
リチャード・チェイス
【スペース悪巧み:後衛】
レディース&ジェントルメン&お爺さんお婆さん。
WSD(Worldを救うDeer)放送の時間である。
(現れたスクリーン鹿は楽屋(戦艦内を勝手に命名)のカメラ鹿と鹿波で繋がっているのだ)
見るがよい。世界の命運のため自ら奮い立たんとする彼等の姿を。
聞くがよい。我等を信じ持てる力を絞り出さんとする彼等の姿を。
(グレイテスト号クルーの応援がスクリーン鹿によって戦場へ届けられる)
若きシャーマンズゴーストよ。武器を所望かね。
ならば今しがた召喚したロバート・ハンセン君を連れていくがよい。
使い方? ははは、己の鹿と対話した者であれば言わずともである。
ティアー・ロード
【スペース悪巧み:前衛】
「乙女達はこの涙の支配者が守る!」
我が身とオーラ防御で鎧装騎兵の乙女達を庇いながら戦うよ
乙女に近づく敵には捨て身タックルの鉄槌だ!
「全く、まともに相手する数じゃないな」
「誰よりも何よりも乙女だけを守りたいものだが……
船を落とされる訳にもいかない」
「今度一緒に見に行くと、約束していてね」
「ここからはヒーロータイムだ!」
使用UCは【刻印「鹿鳴之宴」】!
誠に遺憾だがカメラ鹿を召喚し私達の活躍を中継!
【楽屋裏】からの声援を受け、私達はパワーアップするよ!
強化後は念動力で敵味方の攻撃の軌道を操作
敵を翻弄して道を共に切り開こう
「ハーッハッハ!
さぁ、足踏みしてるだけじゃ進まないぞ!」
ジョン・ブラウン
【スペース悪巧み:後衛】
「はーいはい了解。あっ、そこ線危ないよ」
グレイテスト号内にて、外部と通信しながらスタッフ鹿達に指示を出すジョン
「じゃあモニタその置いて、皆こっち並んで」
「えーでは今から、皆には画面の向こうのティアー達を全力で応援してもらいます」
「途切れたり声張ってなかったら死んじゃうのでガチでお願いします」
「そんでもって――あ、説得終わった?」
ウィスパーによるドリーへの説得と機体の強化を完了させ
「じゃあ僕はあっちで応援してるから、誰か操縦お願いね?」
船員に運転を任せてさっさとモニタの前にはけて行く
「ほら頑張れー!サーカスに連れて行くって約束してるんだから、ここで沈まれちゃ困るんだよ!」
●凶悪宇宙怪獣軍団! 対 スペース悪巧み
彗星のように燃える巨大宇宙怪獣が、猛スピードでグレイテスト号に迫る。
火炎超獣バルドンである! その熱量は、ビーム砲さえも歪曲させるほどだ!
『このままだと船に体当りされるぞ! なんとしても撃ち落せ!』
『ダメです、ビームが捻じ曲げられます! 実体弾はそもそも当たりません!』
マシンガン、キャノン砲、荷電粒子砲、熱線砲、どれも完全無効化されてしまう。
『……ならせめて、私たちが盾になることで……!』
ストレンジャー隊の勇気ある女性隊員は、捨て身の覚悟を決めた。
バルドンの軌道上に立ち、文字通り肉の盾となろうというのだ!
『よせ――!!』
隊長の声もむなしく、燃え上がる宇宙怪獣と機体が接触する……!
――かに、見えた。
しかしバルドンはぐにゃりと急カーブを描き、てんで見当違いの方向に飛ぶ。
というよりも、まるでぶつかりあったおはじきのように弾き飛ばされた!
「ギャオオオウッ!?」
どうやらこれは、バルドンにとっても予想だにしない展開だったようだ。
炎を四散させながら身構える火炎超獣。一方で、立ちはだかった隊員も呆然自失。
なぜばらば、彼女を守ったのは間に割って入ったティアー・ロードだったからだ!
「乙女たちはこの涙の支配者が守る! さあ勇気あるお嬢さん、下がってるんだ」
『あ、ありがとうございます……!』
「なに、礼は不要さ。けどどうしてもというならさしあたり今夜食事グワーッ!?」
KA-BOOOOM!! バルドンの吐き出した溶岩弾がティアーにド命中!
オーラ防御によりダメージは減衰されたが、女性隊員は慌てて撤退した。
「ちょっとなんなんだキミは! 私がいま口説いてたの見えてなかったのかい!?」
「そもそもそういう場合じゃないですよねティアーさん! 戦闘中ですよ戦闘中!」
と、遅れて駆けつけた詩蒲・リクロウがツッコミを入れた。
「細かいことはいいんだよ、ヒーローの口上を悪役が邪魔するのはルール違反だろう?」
「ヒーローは口説かないと思うんですけどね……まあいまさらですかね」
リクロウは呆れた顔でティアーを見つつ、バルドンに向き直った。
突撃を妨害されたバルドンは、再び超熱量の炎を全身に纏っている!
「こんな時はグラウンドクラッシャー出来たら楽なんですけどねえ!」
「地面も壁もない宇宙じゃどうしようもないさ。少し手が焼けそうだな」
さきほどよりも高まっていく炎の熱量を感じたティアー。
「曾場八野くん! キミもこっちに応援に来たまえ! メカ乗ってるんだろう!」
『あーうるせーでごわすなーいま行くところだったんでごわすよマジでマジで。
でもそんな風に頭ごなしに言われたもんだから、我輩やる気なくしたでごわす』
「反抗期の中学生みたいなこと言ってる場合です!? いいから来てください!」
『チッしょうがねえでごわすなー!!』
とかなんとか漫才をしつつ、曾場八野・熊五郎のマシンが駆けつけた。
先行して飛んできたキャバリアのコクピットに、カブごと乗り込む熊五郎!
「我輩の縄張りに土足で踏み入るとは、面の皮の厚い害獣どもでごわす!
いまこそ正義……はどうでもいいや、餌のために立ち上がるときでごわ!」
「そこはもう少しヒーローっぽくしておきません!?」
「そうだよ、正義はどうでもいいけど一番大事なのは乙女のピンチさ」
「あなたこそ一応ヒーローですよねえ!?!?」
リクロウのツッコミが追いつかない。まあいつものことである。
「ちなみに我輩、こいつに宇宙で乗るのは初めてでごわす」
「戦う前になんで不安にさせること云うんです!?」
「なんとかなるなる、熊五郎いっき……マ゛!?!?」
ドォン!! と、キャバリアはとんでもねえスピードで加速した!
「「あ」」
突撃1秒前のバルドンに真正面から体当りし、ピンボールめいて吹き飛ばす!
「ギャオオオン!?」
「ごわごわごわわわわわわわ」
吹き飛ぶバルドン! 追い打ちするキャバリア! 吹き飛ぶ(以下繰り返し)
「「…………」」
ティアーとリクロウは顔を見合わせる。
「「まああれはなんとかなる(ります)ね」」
そして一瞬で忘れ去った。このチームに仲間意識とかそういうのはない。
……それはさておき、同時刻。グレイテスト号船内!
「ヤバイヤバイヤバイ、あっちもこっちも被弾して修理が間に合わねえ!」
"色男"ジャックは、不格好なシルクハットを押さえて駆けずり回っていた。
グレイテスト号はオンボロ宇宙船だ。装甲も武装もあまりに貧弱。
流れ弾がかすめただけでも致命的になり得る。というか、なっている。
船長にして座長みずから修理に東奔西走しなければならないほどに。
「ヤバイヤバイヤバイ! おい悪いなみんな、遅れ――アレッ?」
そんなこんなでようやくブリッジに駆けつけたジャックであった、が。
「Aブロック消火完了! 外装は予備の資材で塞いでおくよ!」
「居住ブロックのほうはもう大丈夫、メンバーは救護室に!」
「万が一に備えて、サーカス用の備品はDブロックに集めておいた!」
と、クルーたちはテキパキと働き、事態を解決しつつあった。
「はーいはい、諸々了解。あ、対空砲の照準はこっちに回してね。僕がやるよ」
「「「了解です艦長!」」」
「って待てや!?!? 船長は俺だよ俺ェ!!」
なんかすごいデキるクルーみたいになってる一同にツッコミを入れるジャック。
すると、片手間に対空砲の操作をしながら、新艦長(?)が振り返った。
「遅かったね旧艦長。悪いけどこの船は僕のものだよね」
「お前もノリノリでジャックすんなよ!? いや指揮は助かったけどよォ!」
「アッハハハ。まあウチのスタッフを指示しなきゃいけなかったからね」
新艦長……もとい、ジョン・ブラウンはけらけらと笑う。
画面の中では、対空砲の見事なエイムで宇宙怪獣が撃墜されていた。
「ウチのスタッフ? お前ら5人組じゃなかったっけか?」
「いつもはそう。けど今日は、とっておきのアイデアがあるんだよ。
だからちょっとチームメンバーの手を借りて、応援を呼び出したんだ」
「応援……って、そのへんてこりんな生物どもか……???」
ジャックが指差したのは、赤いお面のシャーマンズゴーストたちである。
額にはちまきをしてせっせと修復作業に勤しむものもいれば、
オペレーターのお手伝いをするもの、自ら光り輝いて発電(!?)するものも居た。
「うん。スタッフ鹿」
「鹿!? 鹿ってこんな見た目してねえだろ!?」
「いいや鹿である」
「ギャピィッ!?」
背後からヌゥン、と出てきたリチャード・チェイスにビビるジャック。
「誰がなんと言おうと彼らは鹿である。鹿ったら鹿なのである」
「いや登場の仕方こええな!? つーかなんでそこまでこだわるんだよ!?」
「こだわるも何も、鹿を鹿と言うことは当然のことである。白は白、黒は黒である」
「そうそう、僕がジョン・ブラウンだっていうのと同じようなもんだよね」
「左様。つまり船長よ、小さなこだわりを捨てるべきはそちらのほうである」
「え……なんで俺のほうが変なこと言ってるみたいな扱いになってんだ……???」
大変に不名誉で不満であったが、ジャックは飲み込むことにした。非常事態だから。
実際スタッフ鹿(???)のおかげで、手が足りていることは事実なのだ。
「それよりも、である。いまこそ諸君の力を借りるときであるな」
「そうそう、準備も終わりそうだからね。クルーを集めてもらえるかい」
「クルーを……? それが、お前らの言う"いいアイデア"なのか?」
リチャードとジョンは顔を見合わせる。そして、ジョンがにやりと笑った。
「ああ。みんなも一緒に"戦う"ことが出来る、最高にクールでスマートなやり方さ」
「時間はないのであるぞ座長よ。さあ鹿のごとく真面目に働くのである!」
「俺いままでずっと真面目にやってんだけどなぁ!?」
なぜか強い勢いでどやされて、笑いながら飛び出すジャックだった。
「ごわああああああああ!? ごおおおおおおおおおおお!?」
ビュンビュンビュンビュン! 猛スピードでランダムに飛び回るキャバリア!
あまりにもランダムすぎるその動きが、かえって敵を牽制していた。
ティアーとリクロウは熊五郎の犠牲を無駄にしないため、機体のあとに続く。
ビビって退いた怪獣をぶん殴ったりオーラアタック(物理)を仕掛けたり。
しかし(ものすげえGで餌ゲロってる熊五郎はさておき)敵の包囲網は狭まりつつあった。そもそもの数が多すぎるのだ!
「ごわあああああ!! 我輩たす たすけ おぼぼぼぼぼぼ」
「まずいね、これは……」
「ええ、さすがに熊五郎さんを救助」
「いやそれはいいとして」
「いいんです!?」
「囲まれているようだよ。まったく、まともに相手する数じゃないな」
リクロウはティアーの言葉にツッコミを入れるのを我慢しつつ、周りを見た。
なるほどたしかに、侵略宇宙人と怪獣の群れがふたっりを完全包囲している!
「……たしかにこれはネタじゃなさそうですね。なにか良さげな武器とかは」
「"私は"持ち合わせがないよ。けれど遺憾ながら、手はある」
「それは!?」
「――本当に遺憾なのだけれどね! コードセレクト、ザ・ディアー!!」
光が生まれ、召喚されたのは――カメラを持ったシャーマンズゴースト!?
「……」
「……」
「…………なんですかこれええええ!?」
リクロウの叫びもごもっともである。鹿(鹿ではない)に何が出来ると!?
『何を言っているか若きシャーマンズゴーストよ、見ての通り鹿である』
「この状況にそっちこそ何言ってるんですかリチャードさん!?」
カメラ鹿の持つ通信機から、リチャードの声が聞こえてきた。
『案ずるなかれ若人よ、そのロバート・ハンセン君は武器としても使えるのだ』
「使えるわけないじゃないですか!? だいたいなんですかこのカメラは!」
『よくぞ聞いてくれた。これこそWSD放送の要である!』
「「WSD放送」」
『ワールドを救うディアー、略してWSD放送である』
「「ワールドを救うディアー」」
せめてそこはスペースにしろよとか、そんなツッコミは無粋である。
さて、カメラゴースト……もといカメラ鹿が撮影している映像はというと。
脳波(!?)を通じ、グレイテスト号船内のかスクリーンに投影されていた!
ちなみに、スクリーンを用意したのも鹿である。鹿ってなんなんだ(哲学)
「レディース・アンド・ジェントルメン・アンド・お爺さんお婆さん。
見るがよい。世界の命運のため、自ら奮い立たんとする彼らの姿を」
スクリーンに映し出されるのは、悪巧みの面々だけではない。
グレイテスト号を守ろうと、己の身を犠牲にしてでも戦う騎兵たち。
すなわち希望のために立ち上がらんとする、多くの人々の姿だった。
「こ、こいつは……!」
「そう、これが"アイデア"さ。みんなで画面の向こうの"ヒーロー"を応援するんだ」
驚愕するジャックとクルーたちに、ジョンは言った。
「言っておくけど、全力でね。途切れたり声張ってなかったら死んじゃうから」
「ん、んなこと言われるまでもねえけどよ! 応援でなんとかなるのか!?
っつーか、こんな大掛かりなセット、ドリーのやつがなんて言うか……」
『そちらの説得は完了しています』
「いいねウィスパー、ナイスタイミングだ。ちなみにどういう条件で?」
『戦闘終了後の電子的休暇一ヶ月ぶんで手を打っていただきました』
「さりげなく何労働交渉してんだよぉおおお!?」
というジャックの悲痛な叫びは完全スルーである。
「さあみんな! ティアーたちを……いや、戦うすべての人々を応援してくれ。
応援なんて何の意味もないかもしれない。声援なんて無力かもしれない。
けどそれは、"いつも"の話だ。今この時は、僕らが必ず届けてみせるからさ!」
クルーたちは顔を見合わせ、そして拳を振り上げて叫んだ。
「「「――頑張れ! 負けるな、皆!!」」」
ジョンとリチャードは顔を見合わせ、頷く。そしてシステムを起動。
人々の声援は、"ワンダラー"によって増幅され、戦場全域に飛んでいく。
祈りに力などない。
応援に意味などない。
それは常識の話。ユーベルコードとは、常識を越えて奇跡を起こす力!
「ほらみんな、頑張れ! サーカスに連れて行くって約束してるんだからさ!
ここでこの船に沈まれちゃ困るんだよ、悪巧みの根性を見せてやるんだ!」
ジョンの声も、皆の姿も、すべてが戦場に届けられる――!
「「……」」
ティアーとリクロウは顔を見合わせ、頷きあった。
「仕方ないですねえもう! 鹿でもなんでも使って店……いやそれは無理だ!
こうなったら飛んできたデブリを使ってみせます! 頼りない武器ですが……!」
リクロウは飛来したデブリをがっしと掴むと、電子スクリーンを見返した。
「……頼りない武器に頼りになる仲間、心もとない足場に心強い応援、ですか」
「わかっているね? ここからは、ヒーロータイムだよ!」
「ええ、いまこそ勇気を奮うとき。そのための一歩を此処で踏み出します!」
リクロウは大きく目を見開いた。恐怖からではなく、勇気を以て叫ぶのだ。
「意気地無しはこれっきりです! 僕は――僕らは、今こそ戦います!!!」
「ハッハッハ! いいシャウトだ! さあ曾場八野くんも行くよ!」
「カメン……タスケ……ゴワ……」
「うんうん、ヒーローとしての熱い闘志を感じるね! それでこそだ!」
死にそうな熊五郎の声を超・超・ポジティブ解釈するティアー。怖い!
ともあれ完全に暴走していたマシンは、ティアーの力で軌道修正が図られる。
より効率的に、ついでにより殺人的Gがかかるような軌道で飛び回るのだ!
「ゴオオオオオオオオオオオワアアアアアアアアアオボロロロロロロロ」
「さあ、足踏みしてるだけじゃ進まないぞ! サーカスの時間だッ!!」
熊五郎の暴走チャージが敵の包囲網をかき乱し、リクロウが飛び出す。
デブリを怪獣の頭部に叩きつけ、爆散するその身体を足場にさらに加速!
ティアーの念動力が敵の怪光線や火炎弾を捻じ曲げ、戦場を駆け抜けた!
希望とは、それ自体では何の意味もなく、何も生み出すことがないもの。
祈りを、ねがいを、その声を糧に戦う者たちが居るからこそ希望は輝くのだ。
人々のねがいと声を背に受けた5人の最強チームは、誰にも止められない!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
やっほー!ひさしぶり?ひさしぶり!
大体まず希望を奪おうっていうのが負け犬っぽいっていうか
すごく後ろ向きでよくないと思うな!
もっとこう…バーーッと!
それっぽい荘厳なBGM流しながら登場するとかカッコイイことしよーよ!
それでも数だけは多いっていうんだからめんどくさいよね!
ここはボクの【第六感】を使おう!(あてずっぽう、勘の類)
キミたちはあっちへ行って!あいつら突っ込んでくるよ!
そこの子たちは向こうへ移動!ほらほら、ぐしゃっと潰されるよ!
と偉そうに指図しながら
ボクも「フッ、ここを通さないよ…!」とかやりながらUCと球体くんでドーンッ!とやっていこう
ヒアウィーゴーッ!!
メイスン・ドットハック
【WIZ】
久しぶりじゃのー、色男
相変わらず元気にしておるが、不運(ハードラック)も相変わらずじゃのー
揚陸艦ロストリンクに搭乗して参戦
無限竜の雷雲をシールド展開しながら、グレイテスト号の前に配置して敵の攻撃を防いでいく
操縦補助はAIアメジストちゃんに任せる
その間にUC「紫炎よ、その根源を消し滅ぼせ」の炎を電脳魔術でコーディングしたミサイル弾に装填
そのまま亡霊軍団の集団に発射して、着弾と同時に広範囲炸裂させるようにプログラミングしておく
誘導指示はAIドクトルに任せておいて、自身は戦況を見ながら的確に紫炎を操っていく
そいつは非物質とか霊体とかに良く効くけーのー。せいぜい燃えてくれのー
アドリブ絡みOK
ナイ・デス
敵の召喚能力は、凄まじい、ですね
召喚者を倒さなければ……けれど、その間は彼らが無防備
まずは、敵を減らしましょう
彫像達を召喚、合体させて5m
隙間の中から【第六感】で敵を知覚して
光を放って【推力移動】
重装甲……彫像の塊でしかない機体を【念動力】で動かし【重量攻撃】
【激痛耐性、継戦能力】聖者の光が、彫像も再生させて
【生命力吸収】する光の【レーザー射撃でなぎ払い切断】ついでに疲労も回復
ただ殲滅だけなら、時間かければ
けれど、かばいながらでは……
鎧装騎兵や宇宙船の活躍に、認識を改め
『光の加護』を彼らに
猟兵だけでない
人は誰でも、希望(ヒカリ)になれる
【集団戦術、一斉発射】
ボスをみつけ、倒すまで……任せます!
🔴魂の炎を希望(ヒカリ)に変えて
文明侵略者、ダイウルゴス。
そのカタチと能力の一部を模した巨大彫像(キャバリア)が、船を守る。
搭乗者たるナイ・デスの放つ、不死不滅に等しい再生能力をもたらす光が、
敵の猛攻によって穿たれ燃えて砕けるキャバリアを、秒速で再生させ続けるのだ。
『はははははは。あれではまるで木偶人形も同然ですね』
地獄宇宙人アビ星人は、その鈍重さをあざ笑った。
再生能力と超・重装甲による防御力は、実際煩わしい存在だ。
しかしそんなものは、偉大なる闇の帝王の怪獣軍団にかかれば障害物でしかない。
その守りと再生力の上から叩き潰す。奴らならば、それが出来る――いずれは。
『抜かるなよアビ星人! 邪魔な肉壁はひとつきりではないぞ』
そんなアビ星人の驕りを、剣豪宇宙人ムシャーザが冷静に諭した。
ムシャーザの言葉通り、グレイテスト号を守るのはナイの機体だけではない。
ナイの機体が文明侵略龍ダイウルゴスの力を模倣しているとすれば、
メイスン・ドットハックの揚陸艦ロストリンクが展開するのは無限竜ワームの力。
破滅を目論んだかのドラゴンの生み出した雷雲そのものを出力しているのだ。
「此処から先は通すわけにはいかんからのー、返り討ちになってもらうけーのー」
『フッ。我ら亡霊軍団を甘く見ているようだな。猟兵……!!』
とはいえムシャーザもまた、警戒はすれど返り討ちになるつもりはなかった。
無限竜と文明侵略竜、本来ありえない二つの片鱗による協力(クロスオーバー)。
それをもってしてなお、この数の侵略宇宙軍の猛攻は荷が重いというのか!?
「あーあっ、残念だね! 大物ぶっておいて、やることは多勢に無勢のタコ殴り!
大物を気取るならさぁ、もっとこうバーッと荘厳なBGMとか流せばいいのに!」
不敵なる亡霊軍団の跳梁跋扈を、ロニ・グィーはナンセンスだと笑い飛ばした。
「この守りを突破できるつもりでいるみたいだけど、ボクらは守るばかりじゃない。
数が多いんならさ、目についた連中を全員消し飛ばして減らせばいいだけだし!」
『実にいいアイデアじゃのー、ただ棒立ちになってるつもりはないからのー』
『同じく……です。まずは、敵を減らしましょう……!』
揚陸艦ロストリンクからは、紫の滅炎をコーティングした電脳ミサイルが射出。
物質はおろか、魂や精神といった非物質的なモノさえも灼滅しうる電脳の炎は、
『空間そのものに着弾』した瞬間、有象無象の怪獣を飲み込み燃え広がる!
『AAAAARGH!?』
グレイテスト号をその強力な衝角で串刺しにしようとしていた、吶喊魔竜ランザーが紫炎に呑まれた。
その亡骸を切り裂いて迸るのは、ナイの機体から噴き出したレーザー光である。
ナイの光がもたらすのは、再生能力だけではない――その逆、生命力を吸収するマイナスの用法も存在するのだ。
光のレーザーは単なる光線に見えて、その実『触れた場所を吸収能力で腐敗・脆弱化させる』という、極めて特異な方法で怪獣を"切断"しているのである。
つまり、生物である限り、この光線を防ぐ方法は存在し得ない。
図らずも怪獣のその巨体と強靭さが、むしろ弱点となってしまったのだ。
『攻撃に転じましたか、ははははは! ならばこちらも全力で行きましょう!』
アビ星人が掌の中に超高熱の光球を生み出し、二機めがけて擲った。
太陽の表面温度が温風に感じられるほどの、破滅的な熱量を秘めた一撃である。
それを、ロニの召喚した巨大な"餓鬼球"がばくりと捕食し、対消滅した!
『何ッ!?』
「悪いね、ボクの球体くんは光とかも食べちゃうんだよ! あははははっ!!」
熱量を"持っていく"形で消えた球体の残骸から、生身のロニが飛び出した。
アビ星人が防御姿勢を取るよりも早く、神の力を込めた拳が命中する。
大地さえも割れ砕くほどの単純な暴力が、アビ星人の身体をバゴン! と砕いた。
四散した血煙はメイスンの紫炎に、クォークさえも遺さず焼き尽くされる!
『アビ星人! ……チッ、やはり奴らは殲滅力も十分か!』
「おっと、ボクらをくぐり抜けて後ろを叩くつもりでしょ? それはダメだなあ」
『!!』
ムシャーザの前に高速で接近するロニ。宇宙魔剣と神の拳が激突する!
「こういうときはあれかな? 「フッ、ここは通さないよ!」とかいいよね!
というわけで宇宙人くん、ボクと遊ぼうよ! 燃えるシチュエーションだろ!?」
『ええい、鬱陶しいガキめ……! サイビア様を脅かす前にここで殺す!』
「悪役らしい台詞だね! やってごらんよ! ヒアウィーゴーッ!!」
ふたりは刃と拳をぶつけ合わせ、流星のように猛スピードで戦場を駆け抜けた。
指揮官役であるムシャーザが釘付けになったことで、怪獣軍団の猛攻や和らぐ。
『反撃のチャンスだ、ストレンジャー隊突撃! 前線を押し返すぞ!』
『『『了解!』』』
メイスンとナイに守りを任せていた鎧装騎兵たちが、このチャンスに打って出た。
押し込まれていた戦況を、我が身を厭わぬ猛攻で大きく押し返す!
「す、すげえ! やっぱとんでもねえぜ……猟兵(あいつ)らはよ!」
『その台詞もなんだか久しぶりな気がするのー、色男』
グレイテスト号のブリッジで戦いを見守る"色男"ジャックのもとに、メイスンの通信が割り込んだ。
「相変わらず原基なようでなによりじゃが、不運(ハードラック)も相変わらずじゃのー」
『なあに、そんなもんお前らと最初に会ったときに、とっくに覚悟の上だぜ!』
「いいセリフじゃのー、まあそこで安心して見ているとええんじゃのー」
ロストリンクは反撃戦線の鋒となって、電脳ミサイルをばらまきながら前進する。
猟兵という希望の星が、屈しかけていた人々の心に炎をもたらしたのだ。
『俺たちだって、宇宙を守る鎧装騎兵なんだ! 見ているだけでいられるか!』
『ええ、そうよ……私たちも、希望を胸に戦えば……!』
「…………」
猟兵のような奇跡の力を持たずして、それでも奮戦する宇宙の戦士たち。
その姿を目の当たりにしたナイは、赤い瞳を大きく見開き、ふっと笑った。
「――人は誰でも、希望(ヒカリ)になれる……」
"ダイウルゴス"の隙間からあふれる光が強まり、その機体を黄金に輝かせた。
まさしく"光"そのもの。それはただ、人々の心を奮い立たせるだけではない。
傷ついた機体のダメージを癒やし、また立ち上がる力をもたらす加護を持つ!
「このまま……無間のサイビアを、引きずり出し……ます!」
彼らは、ただ守られるだけの弱者ではない。ともに戦う戦士なのだ。
だからナイは、鎧装騎兵に、そしてグレイテスト号の人々に言った。
「それまで……守りは、"任せます"!」
『……了解!!』
返ってきた声はひとつきりではない。けれどもその意思はひとつだった。
紫の炎とまばゆい光に照らされた人類意思の戦線が、戦場を切り裂いていく!
『バカな……! 我ら侵略宇宙軍団が、押し返されているだとッ!?』
「あははは! その台詞も"らしい"ね! ――なら、あとはどうなるかわかるでしょ?」
驚愕するムシャーザを、ロニの隻眼がにやりと愉快そうに見下ろした。
彼の生み出した球体が四方八方を飛び交い、決闘への横入りを妨げる。
「数だけ多い悪党の軍団なんて、こーやって反撃で叩き潰される役どころなんだよ!
けどキミは運がいいね――このボクが自ら、ぶっ潰してあげるんだからさぁ!!」
KRAAAAAAAAAAAASH!! 超怪力を乗せた拳が、宇宙魔剣もろとも亡霊を叩き潰す!
断末魔を満足げに浴びたロニは、前へ前へ進むボロ船と戦士たちを振り返った。
「久しぶりの大騒ぎなんだから、もっと楽しくやらなきゃ。そうでしょ? あは!」
ヒトの輝きの強さを知る神もまた、その矛となりて宇宙の闇を駆ける。
猟兵と人類、ふたつの存在が力を合わせたその輝きが、暗黒を切り裂く――!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鳴宮・匡
数が多いなら、相応の備えが必要かな
“影”で生み出した銃を手に臨むよ
細かく場面に応じて形状を変えながら立ち回ろう
後方からの援護射撃が主体なら、狙撃に適した形に
敵の前に出る必要があるなら、取り回しの易いように
鎧装騎兵たちの布陣を見ながら自身の立ち位置を定めて
しっかり協働してことにあたるよ
生きているものなら、殺せない道理はない
姿かたちが見慣れないものだとして
動きを観察していればどこが重要な部位なのかは読み取れる
よく視て、効果的に敵を妨害/殺害していくよ
――これからを生きていくのはこいつらで
だったら、道を切り開くのだってそうであるべきなんだ
だから、目立たず、それでも仕事は確実に
影のように忠実に働くよ
トルメンタ・アンゲルス
――よう「色男」、まだ生きてますよね!
あの船もあの人もつくづく運がないと言いますか……
ともあれ、障害は全て凪ぎ払うまで!
行くぞ相棒!
変身、アクセルユニゾン!
『MaximumEngine――Mode:Formula』
攻撃力重視の装甲と変身合体し、征きます!
お望み通り、最速で行きますよ!
第六感で敵の動きを見切り、物理法則を無視したダッシュで敵を掻き乱し、片っ端から蹴り穿ち、切り裂き、なぎ払いましょう!
しかし、こう数が多いと頭もみつかりませんねぇ。
ならば、一気に減らすまで!
戦場を駆け回り、敵の群れを誘導して寄せ集めます!
そこを、この飛び蹴りで、纏めて穿つ!
絶撃のォ!
ブリッツシュラァァァァァク!!!
フェルト・フィルファーデン
まったく、年が明けてもこんなのばっかり。本当はもう少しゆっくりしたかったのだけれど……仕方ないわね。
いいわ、アナタ達がそのつもりなら、いくらでも相手してあげる!
この数……流石に分が悪いわね。総力戦で挑まないと勝ち目は無いわ。
そういう訳でまずはUCで高速演算。消耗を避けるために最短で、なおかつ誰も傷付かず誰も死なない、最善の手を導き出す……!
導き出せたらその結果をグレイテスト号に送信。そこから経由して鎧装騎兵の皆様にも連絡を。これである程度は安全が確保できるはずよ。
……ええ、これでもある程度。だから後は皆の判断に任せるしかない。
でも、信じているわ。あなた達ならきっとこの難局も乗り越えられるって!
ヴィクティム・ウィンターミュート
いーーーねぇ
負けん気だけは誰にも負けてねぇ
そういうのでいいんだよ
でけぇ脅威を前にして、遺言を遺すなんて野暮な真似をしない連中は好ましい
勝たせてやろうじゃねぇの!劇的にな!
俺がこの戦いの脚本を書く
部隊を分けるぞ!腕の良い連中を中心にした鎧装騎兵部隊アルファはグレイテスト号の防衛中心!絶対に取り付かれないように全部撃ち落とせ!
ベータは敵の群れの横っ腹を狙って撃ちまくりな!位地取りは都度親が指示をする!
チャーリーはデカブツ専門だ!複数のブラスターを収束させてコアを壊せ!
さて、指示だけして働かないってのも情けない
俺も前に出るとしようか
誤射?心配するなよ
俺が全部避けちまえば、何の問題も無いだろう?
ジャガーノート・ジャック
★レグルス
(ザザッ)
聞こえたなキャプテン。
相棒お得意の無理難題だ
今回も付き合って貰おう。
――こう呼んだ方が良かったか、"兄弟"?
積もる話と謝罪はまた後にしよう。
本機からのオーダーは一つ。
――派手なのは好きだろう、キャプテン そしてグレイテスト号のクルー達。
なので何処までも「君達らしく」「君達にしか見せない輝きを見せてくれ」。
――『MOVIE SCENE』――!
(行使対象は我々レグルス、そしてグレイテスト号。
ショーと言うに相応しい、この危機を乗り切る脱出劇を君達の紡ぐ勇敢な足踏のリズムに合わせて。)
本機達が導き君達を守る。
――君達はこの星の世界の希望が如何なるものか
見せつけてやれ。(ザザッ)
ロク・ザイオン
★レグルス
(キミに嬉しい報告、色々あるのだけど
今はこう呼ぼう)
キャプテン・ジャック
いつもの無茶だよ
ありったけ、おれたちに賭けてくれ
(この船のことはよく知っている
敵にすら名の知れたサーカス団
宙域にキミたちの到来を轟かす、外部出力装置があって当然だ
全回線SIAMに接続、「叫嘩」)
――どけ!!!
(【殺気】を籠め【恐怖を与える】怒号、咆哮
全力の【大声】を遍く戦場に
敵を怯ませ動きを止め道を開けさせる
少しの隙があれば、ここにはそれを使える者が沢山いるはずだ)
…今ので退かない奴が、敵の核だ
ありったけよこせって言ったろ
このまま、全速力で突っ込め!
じゃ、外はレグルスの仕事だ。
行こう、ジャック
おーば!
リア・ファル
オーケー、知り合いのピンチなら黙っていられないね
行くよ、イルダーナ!
戦域探査、戦術展開!
敵の通信は妨害、
ボクらは各員と情報連携し、戦域や敵情報を確定
(情報収集、、偵察、ハッキング、ジャミング)
敵を攪乱し各個撃破に持ち込む為、
『セブンカラーズ』で撃ち込みつつ
敵陣中央を『イルダーナ』で突破する!
(弾幕、操縦、空中戦、推力移動)
一機だと思ったかい? ざーんねん
【召喚詠唱・流星戦隊】!
中央で暴れ回るボク達に構っていると、
鎧装騎兵の面々に各個撃破されちゃうよ?
戦艦AIの本領、甘く見ないでよね!
SSWならば、どんな闇でも、流星の如く切り裂いて進むのみ!
ネグル・ギュネス
此方、アサルト1──おやっさん、援護のデリバリーは必要か?
遅いって?…間に合ったんだからいいだろ?
まあ、不要と言われようが勝手にやるんだが
征こうかファントム、宇宙の平和をなんとやらだ!
速度と技で翻弄し、穴蔵決め込んだ野郎を引き摺り出すぞ
──展開せよ、雷電領域
飛翔、妨害領域展開、速度で掻き乱してヘイトを稼いでデバフを押し付ける!
おやっさんに優先破壊目標座標を送れ、ファントム
流石に数が多いし、無傷とはいかねぇ、いかねぇ、が
俺をヒーローと慕う人達の期待を、裏切るわけにゃあいかねぇ
切り込み、風穴をぶち開けりゃあ、あとは突っ込むだけだ
仲間も、宇宙船もいる、皆で打ち抜くぞ──!
※アドリブ・他絡み大歓迎
●イェーガー・ギャラクシー・ファイト
――銀河帝国攻略戦。
スペースシップワールド最大の戦いにして、猟兵たちにとって最初の"戦争"。
あの戦いは猟兵だけでなく、この世界の人々をも巻き込んだ大戦となった。
グレイテスト号はその一翼を担う新生・反乱軍のメンバーとして戦ったのである。
わけても激しい戦いとなったのは、『阻止限界点Ω-999』での大乱戦だ。
銀河皇帝の居城を守る最後の防衛線を突破するための、敵味方の全力会戦。
グレイテスト号が味わった戦いは数あれど、量としては間違いなくあれが最多数。
なおも尽きぬ怪獣軍団をモニタ越しに見る"色男"は、それを思い出していた。
「……あれに比べりゃ、このぐらいはわけねえのかもしれないな」
などとこぼれた台詞を、鎧装騎兵たちが正気かと疑ってしまうほどである。
『船長、今のは戯言か? これ以上の戦いを味わったことがあると?』
ストレンジャー隊隊長、J・Jは思わず聞き返した。
「あいにく本気だよ、J・J。けど俺たちは、それすらも生き延びられたのさ」
――猟兵(あいつ)らが居たから。ジャックはそう続ける。
「特に無茶苦茶なのがふたり居てなあ、いつも助けてくれるがいつも無茶を言う。
やれ宇宙船をかっ飛ばして敵のど真ん中に突っ込めだの、なんだのと……」
言いかけて、ジャックは記憶を手繰るように挙げた手を彷徨わせた。
そう、無茶ばかりを言い、けれども必ず駆けつけてくれるふたりの猟兵。
誰よりも頼りになるふたり。"色男"が今のような運命になった最大のきっかけ。
けれども彼らは――正しく言えばその片割れは、今はもう"色男"のことを……。
「……いや、やめとくか。こんなとこで思い出話なんざ」
『キャプテン』
「――!」
その時、通信に割り込んでくる声があった。
ざりざりと鑢をかけるような、耳に障る、だが優しさを孕んだ声。
ジャックが最初に聞いた声は、まるで己の声音に怯えるようにひそやかだった。
けれども、今は違う。……そう、彼が誰かに胸を張れる自分になったように。
彼女も……ロク・ザイオンもまた、自分に胸を張れるようになったのだから。
『キャプテン・ジャック。聞こえるか』
「……ああ、聞こえてるぜロクのお嬢ちゃん! 相変わらずいいタイミングだ!」
グレイテスト号が揺れる。戦闘の余波は着実に船に近づいていた。
「それで、どうした? 再会の挨拶ならもう少しあとに――」
『無茶を言いに来た。"おれたち"らしく』
――おれたち。
ロクは初めてこの船に乗ったときから、ずっと相棒と一緒に居た。
獅子星(レグルス)の銘を関するコンビ。その片割れの名もまた、ジャック。
「……そうかい。奴さんも一緒か。まあそりゃそうだわな!」
"色男"は、あえて声を張り上げた。それには理由がある。
ロクの相棒、ジャガーノート・ジャックを、彼は"兄弟"と呼んでいた。
最初の理由は『同じ名前だから』という、至極シンプルなものではあった。
けれどもいくつもの戦いをくぐり抜け、腐れ縁となるにつれて、その呼び方は親愛と信頼を込めたものとなった。
だがジャックは――ロクの相棒は、戦いの代償として記憶を奪われた。
この世界での戦いの記憶も、そのひとつ。"色男"はそれを知っている。
けれどもその事実を知らされたとき、"色男"はなんでもないように振る舞った。
だから、今回もそうしよう。彼はそう考えたのである。
……しかし。
《――聞こえたな、キャプテン。"相棒お得意の"無理難題だ》
続けて聞こえてきた声は、わざとらしくそう強調した。
《――"今回も"付き合ってもらおう。答えはYESだけ期待している》
「……おい。オイオイオイオイ」
《――それとも、こう呼んだほうがよかったか?》
"色男"は、口の端が釣り上がるのを隠しきれなかった。
ストレンジャー隊の面々はそれを訝しんだが、クルーたちは知っていた。
なにせこの船長にして座長ときたら、いつもその話ばかりするのだから。
《――"兄弟"》
「は……ははは! はっははははは!!」
シルクハットが落ちるくらい、おもいっきりのけぞって笑っていた。
涙が出てくるくらいに笑えてしまう。ああ、まったく、こいつらと来たら!
《――積もる話と謝罪は、またあとにしよう。今は……》
「ああ、ああ! わかってるよ、全速力で突っ込めってんだろう馬鹿野郎め!」
"笑い涙"を拭いながら、借金まみれのダメ人間は快哉そのものの声で叫んだ。
「まったく無茶を言いやがる。だがそのためには全力で手伝ってもらうぜ!
……おっと、なにも"兄弟"とお嬢ちゃんだけじゃねえぞ。聞こえてるだろ!?」
"色男"がそう言えば、いくつもの声が通信に割り込んできた。
『おいおい、せっかく感動のシーンだからって黙っておいてやったのによ。
わざわざご指名されたんじゃ、仕方ねえ。だが、もっと浸っててもいいんだぜ?』
などと、電脳魔術師Arsene――ヴィクティム・ウィンターミュートが茶化す。
『それじゃ困るだろ、一応戦闘中なんだぞ。そういうのは終わったあとでいい』
そんなヴィクティムの軽口を、鳴宮・匡が溜息まじりにたしなめた。
『"どちらにも同感"って時は、どっちの側に立てばいいんだろうな?』
……そしてふたりの心強き仲間であるネグル・ギュネスが、キザっぽく言う。
『こちら、アサルト1――おやっさん、援護のデリバリーをお届けだ。
俺もみんなも、間に合ったぜ。だから、"遅い"って台詞はナシにしてくれ』
『ってイイとこ持っていこうとすんなよ、ネグル。司令塔はこの俺だろ?』
『お前らな……まあ、いいか。とにかく作戦があるなら、それに従うよ』
三人はいつもどおりのやりとりを、通信越しでもいつもどおりにやっていた。
"色男"はいよいよ満面の笑みを隠せなくなる。この三人こそは銀河戦争の立役者。
"アサルト"の名を持つ彼らトリオの力を、この船の人々誰もが知っている!
『っと、助けが必要なら、そういうときこそ"Dag's@Cauldron"の出番だよ?』
三人の軽妙なやりとりに混じって、リア・ファルのチャーミングな声が聞こえた。
『大規模戦闘の支援と連携の補助、そういうのこそボクの十八番だからね!
それに……どうやら、此処に集まったのは、ボクもよく知る人ばかり。
向こうが数と戦力で勝るなら、こっちは連携と個の力で勝とうじゃないか!』
『リアも居るなら、大抵の問題は解決するな。頼りになるよ』
『お褒めの言葉ありがとう、匡にーさん! どうぞご贔屓に!』
信頼に満ちた匡の言葉に、リアは嬉しげにお茶目な言葉を返した。
『この通信は他のメンバーにも転送済みだよ。ふたりとも、聞こえてるよね?』
『ええ、聞こえているわリア様! 数に入れてもらえるだなんて光栄よ?』
『同じく把握済みですよ! 本当ならいの一番に名乗りたかったですがね』
と、フェルト・フィルファーデンとトルメンタ・アンゲルスが応答した。
彼女らもまた、銀河帝国攻略戦――ひいては星の獣・クエーサービースト討伐戦において、幾度となくこの船を守り、あるいは"色男"らとともに肩を並べた歴戦の猟兵たちである。
リアにとっては知らぬ相手ではない。それは、彼女らにとっても同様だ。
「オイオイオイ、総登場じゃねえか! こいつはいよいよクライマックスだな!」
『気が早いですよ"色男"、まだ生きているからって調子に乗らないでください』
『ふふっ、でもいいことだと思うわ! だって、落ち込んでいるよりはいいもの!』
『そこは同意だな。バカ正直に遺書をしたためる連中よりよほど好ましい』
嬉しそうなフェルトに、珍しくヴィクティムが同調した。
けれども、その声音に嘘はない――諦めないということは美徳なのだ。
端役を自称するArseneとしても、そういう奴らを主役に彩る舞台こそ腕が鳴る。
人々の"希望"と"幸福"を守る――その点において、フェルトと彼は同じなのだ。
『ええ、本当にその通り。もちろん、諦めてしまうことを弱さとは言わないわ』
噛みしめるように、フェルトは言った。
『……けれどわたしは、この世界の……そしてあなたたちのそんなところが好きよ。
どんな状況でも、どんな敵でも、諦めることなくわたしたちを信じてくださる、その心の強さが……!』
『正月早々に駆り出された恨みは、たっぷりと返してやらないとね!』
『ええ、リア様!』
『ま、お喋りはここまでとしておきましょう。"積もる話はあとで"と彼も言いました』
ジャックの台詞を引用し、トルメンタは言った。
『話を戻します。これからグレイテスト号は敵のど真ん中に突っ込む、そうですね?』
『……そうだ。そのために、おれたちが道を切り拓く』
「って待て待て待て、いくらなんでも無茶だ。敵の目標はこの船だぞ!」
トルメンタとロクの言葉に、鎧装騎兵隊隊長のJ・Jが割って入った。
『あんたが騎兵たちのリーダーだな? その慌てぶりはよーーーくわかる。
けど、ここはこいつらを信じてみてくれよ。なにせ天下無敵の猟兵、だぜ?』
『……お前だってそのひとりだろ。そこは"俺たち"でいいんだよ』
『置いとけよ、匡。俺は端役なんだ』
通信越しでも、匡が呆れた顔をしているのは見て取れたろう。
『とにかく、あんたの部隊支援を俺の電脳魔術が援護する。協力させてくれ。
この船はもちろん、あんたの部下も、あんた自身も、絶対に陥とさせやしない』
「…………その根拠は?」
『いま言った通りさ――こいつらなら、それが出来る』
ヴィクティムが大きく手を広げ、一同を示しているのが見えるようだった。
『一つだけ訂正をさせてくれ。"出来る"んじゃなく、"やる"んだ』
Arseneの言葉に、ネグルが追従した。
『俺たちは……私たちは、そうやってこの世界を守り、未踏宙域を切り開いた。
隊長、いますぐ我々を信じろとは言わない。なら代わりに船長を信じてくれないか』
「船長を?」
『ああ。おやっさんは、俺たちの戦いの生き証人でもあるからな』
『……そうだな。この世界の全部の戦いを見てきたわけじゃないと思うけど』
相棒の提案に、匡が同意した。
『俺たちは"そのため"に此処へ来たんだ。邪魔をするつもりも、足を引っ張るつもりもない。
それに、俺たち以外にも、もうたくさんの猟兵が一緒に戦ってるはずだろ。
……なら、ここで足踏みしている必要はないと思うぜ。違うか?』
「…………」
「決まりだろ、隊長! 嫌がったってこいつらはやるぜ?」
"色男"が嬉しそうに言えば、隊長J・Jは心底うんざりした様子で嘆息した。
「……ったく、伝説の戦士の再来とやらはとんでもない奴らだな!」
『褒め言葉と受け取っておきましょう! では、早速先鋒は俺が行きますよ!』
話が片付いたと見るや、トルメンタは嬉々として叫んだ。
『切り込み隊長なら譲れないな。行くぞ、ファントム!』
モニター上を駆け抜ける光は、紛れもなくネグルと愛機のそれである。
『わたしも電脳魔術の演算を支援するわ。ここからは誰も絶対に奪わせない!』
『敵の通信は現在進行形で妨害中! 早速ストレンジャー隊の通信をリンクするよ! ヴィクティムさん、フェルトさん、それに他のみんなにも繋げておくね!』
『オーケー、スロット・アンド・ランだ! 匡、合わせろよ!』
『言われるまでもないよ。いつも通り、仕事をこなすだけだ』
フェルトとリア、さらにチーム・アサルトのふたりも戦列に馳せ参じる。
「頼んだぜ、旦那がた! こっちも命を懸けてるんだからよ!」
……そしてふたり。言葉を待つ彼らに向けて、"色男"は言った。
「グレイテスト号、全速前進だ! せいぜい守ってくれよ、"兄弟"、嬢ちゃん!」
《――任せておけ、キャプテン》
『ありったけ、おれたちに賭けてくれ。おれたちも、全力で応える!』
怯えながらではなく胸を張り、グレイテスト号は戦乱のさなかへ突入する。
最強の助っ人――いいや、仲間たちが居るならば、恐怖などありえない!
同時刻、異常重力場XX-2068。
戦域内に巧妙に隠された暗黒の空間で、無間のサイビアは訝しげに声を出した。
『……何? 『目標がまっすぐこちらに突っ込んでくる』だと?』
然り。空間上に靄めいて浮かんだ映像は、グレイテスト号のそれ。
その道行きを切り裂くように、トルメンタとネグル機が猛撃を仕掛ける。
『自殺行為に狂ったか。否……これが、"希望"の力か』
暗黒の大帝は忌々しげに拳を握りしめた。
掌から紫黒の邪悪な力が溢れ出て、さらなる亡霊軍団を召喚する。
『なんとしてでも人類戦力を滅ぼすのだ。皆殺しにせよ……!』
敵の猛攻は止まらない。希望の光を妬み、恐れ、忌まわしむ邪悪なる軍団が増大する……!
……そして、戦闘宙域ポイントゼロ!
怪獣軍団のど真ん中に突撃したグレイテスト号は、猛火の嵐に晒されていた。
ストレンジャー隊はヴィクティム・リア・フェルトの三名の指示のもと、
コンマ秒単位でそれぞれの機体の状況を把握し、一糸乱れぬ防衛線を敷く!
「アルファ部隊は船の後方を守れ! 近づく敵はなんだろうと撃ち落とすんだ!」
「ベータ部隊はボクと一緒に、侵略宇宙人どもの横っ面をふっとばすよ!
大まかな攻撃はボクとイルダーナが仕掛けるから、散らばった敵の各個撃破を!」
「チャーリー部隊はわたしの担当ね? なら、大型の怪獣を叩くわ!
わたしの騎士人形たちと皆様の力を合わせれば、たとえ巨大な獣でも……!」
ヴィクティムの戦術策定に従い分けられた三部隊が、それぞれの指揮に基づく。
全体的な陣頭指揮は、ストレンジャー隊のJ・Jが執る形である。
「……正直、感嘆しているよ。あんたたちの演算能力はすさまじいな!
まるで機体が新品に、いや、数段上の高級品に生まれ変わったみたいだ!」
『押忍! ハル機、怪獣殲滅任務に入るッス!』
『こちらヨーコ機、敵宇宙人部隊の追撃に加わります!』
「船の守りは俺たちに任せておけ、前に出すぎるなよふたりとも!」
『『了解!』』
三人の支援と集積したデータのおかげで、ストレンジャー隊の動きは数倍以上にもスムーズかつ的確なものとなっていた。
「攻撃が来るわ、重装騎士は盾を展開――さあ今よ、皆様は弓兵に合わせて!」
グレイテスト号に襲いかかろうとした強牙恐竜ティラントは、フェルトの騎士人形たちによる一斉攻撃と、鎧装騎兵・ハルの収束レーザー砲を受け爆発四散!
その対面では、リアの召喚したイルダーナ編隊が銀河忍者・ヴァルカン宇宙人の連携殺法をかき乱し、散開させる!
『『『我々の本体を見抜いているのか? 何故だ……!?』』』
「電脳魔術の応用による質量のあるホログラムか、面白い生態能力だな」
「けど、その技術はこっちも再現済みさ。――全機、距離200の個体に集中攻撃を!」
ヴィクティムとリアの演算能力が合わされば、ホログラムなど虚仮威しも同然。
無防備な本体に一斉攻撃が突き刺さり、ヴァルカン星人は苦しみながら滅殺!
「オオオオオオオオッ!!」
「展開せよ、雷電領域――虫一匹とて逃がしゃしねぇ!!」
船前方、トルメンタが稲妻じみた軌道で敵中央を駆け抜け足並みを乱す。
それに続いてユーベルコードによる妨害領域を展開したネグルが敵を捉え、
怪獣軍団の狙いをグレイテスト号から自分たちへと惹きつけるのである。
概念的超光速に達したトルメンタの動きは、怪獣軍団でさえ視認不可能。
さらにネグルの《不壊の鋼(アンブレイカブル)》は、一度取り込まれれば絶対に抜け出すことの出来ない不可視の網も同然である。
ふたりを間合いに踏み込ませた時点で、奴らの運命は決まっていたのだ!
「さすがの速度だな、トルメンタさん! 負けてられないぞ、ファントム!!」
「そう簡単に追いつかれちゃ困りますよ、ネグルさん!
けど、俺に並ぶ時点であなたも大概です。このまま風穴を開けます!」
「言われるまでもないな!! 一網打尽にしてくれる――!!」
黒と蒼、ふたつの流星はやがて竜巻じみた螺旋を描き、敵怪獣軍団を捕縛。
敵はそのスピードに目が回り、寄せ集められたことにも気づいていまい。
それでも、トルメンタもネグルも無傷とはいかない。
敵の攻撃は点や線のレベルではない――面、いやむしろ空間を圧倒する殲滅力。
すれ違うたびに装甲が、サイバーパーツが切り裂かれ火花を散らす。だが!
「この星の世界に輝く人々の希望を! 奪わせはしない!!」
「俺をヒーローと慕う人たちの期待を! 裏切るわけにゃあいかねぇ!!」
ふたりの戦士は身を切り裂く痛みさえも闘志に変え、二色の螺旋となった。
グレイテスト号甲板上、狙撃銃をドッキングし構えた匡がそれを視る。
「また無茶してるな、あいつ」
相棒の暴走じみた前のめりな戦いも、彼にとっては慣れたものだ。
だから許容できるかと言えばそれはまた別の話――けれども、止めたりはしない。
そこに彼が……いや、彼らがどれだけの信念と覚悟を込めているのか。
匡自身は正義や義憤を燃やせぬとしても、理解は出来る、そして識っている。
だから己がやるべきは、彼らの働きを無駄にせず、最大最強の一撃を叩き込むこと。
死神じみたその眼で、過去を貫き未来を切り拓くことなのだから!
「――よく見える。怪獣って言ったって、亡霊だとしても"生きている"んだ」
ならば、殺せない道理はない。
もし仮にそんな"道理"があったとしたら――それさえも影の魔弾で撃ち抜こう。
「これからを生きていくのは、"こいつら"なんだ」
この世界を守るために立ち上がった人々――だけではない。
そんな彼らに、心の底から活力を振り絞り戦おうとする仲間たちもそうだ。
相棒。戦友。この戦場に集った、すべての猟兵たちもまた、未来へ進むべき存在。
だから匡は、影のように静かに、けれどもはっきりと光を見据える。
二色の螺旋が窄まる――そこが狙い撃つべき、邪悪の集市一点!
「――勝ちに行くぜ」
トリガーを引く。怪獣を殺すにはあまりにも質量が小さく頼りない弾丸。
けれども、見よ。光を縫うように飛翔した影の魔弾は、怪獣軍団をワンホール・ショット。
一度トリガを引くごとに、ひとつの命を奪う。死神のように無慈悲に!
「絶撃のォ――ブリッツシュラァアアアアアクッ!!!!」
「宙(てん)に雷鳴、此(ち)に黒刀――暗黒(やみ)を断つは破魔雷光!!
集いて祓え! 祓いて滅せ!! 疾れ閃光、これが俺の一撃だ――ッ!!」
竜巻じみたふたりの軌道は、今度はDNA螺旋じみた幾度も交錯しまた離れる。
その交錯点にあるのは数多の怪獣! バツ字に切り裂き吹き飛ばし散らす!
船を妨げる数百体以上の怪獣が、三人の連携により宇宙の塵と化した!
……そして!
『小賢しい……! これでエンドマークにしてくれる!』
最後の指揮官級宇宙人、ムグレン星人の身体から闇の炎が放たれた。
「無間の闇より来たれ、我が亡霊侵略軍団の要たる融合怪獣どもよ!
エンペラーギャラクタロン! ベリゼッド! そしてライトニングキラー!!」
それは、凶悪無比なる怪獣をさらに融合させた悪夢的存在!
巨躯邪悪なる存在が猛攻を阻む――そこへ挑むは双つの獅子星!
「――どけッッッ!!!」
だが、それらを一喝する、森の番人の咆哮が宇宙に轟いた。
ロクの叫び。それを呼び水に、グレイテスト号の人々の声援と足踏みが、音なき宇宙に響き渡る!
グレイテスト号を、猟兵たちを、騎兵を消し飛ばすと見えた怪獣どもの怪光線・炎・あるいは雷撃が、まるで恐怖するように拡散したではないか!
『な、なんだこれは!? ただの音が、我が融合獣を怯えさせたとでも……!?』
《――ただの音にしか聞こえないならば、それが貴様の限界だ》
グレイテスト号船首部、黒豹ジャックがムグレン星人を睨んだ。
《――これはグレイテスト号の人々の、彼らにしか出来ない輝き。すなわちお前たちが恐れる、ヒトの持つ"希望"の輝きだ》
戦線の只中、絶対的死に囲まれた中にあって、"色男"は、クルーたちは、いや、騎兵たちでさえ叫ぶ。
――猟兵(イェーガー)!
我らとともに戦うもの。
この世界を救ったもの。
我らの希望、我らの友、我らのきょうだい!
『なんだ、これは!? 貴様らは一体、何者だ……!?』
「……知らないなら、覚えておけ。おれたちは、猟兵だ。――そして」
《――そして我々が、獅子星(レグルス)。さあ、行くぞ、ロク!》
「おーば!!」
宇宙に響き渡る声援、足踏み、猟兵たちの雄叫びと銃声・砲声・快哉・撃音。
それらすべてが渾然となって混ざりあい、ひとつのリズムを刻み込む。
まるでサーカスのショーじみて、リズムは力を生みやがて趨勢を傾けた。
ネグルとトルメンタの刃と踵が、恐るべき怪獣軍団を引き裂く。
その最中を矢のように影の魔弾が――匡の殺意が飛翔し、心の臓腑を貫く。
フェルトの人形騎士たちは邪悪なるものの牙を防ぎ、
リアの手繰る電脳の輝きは、騎兵たちに進むべき道を指し示す。
まるで指揮者じみて、混沌としたリズムをヴィクティムが調律していく。
そして炎と稲妻がひとつとなって、三体の融合獣を貫き、ムグレン星人に迫る!
『お、お許しを、サイビア様――!』
獅子の名を持つ双星の刃/光が、邪悪なる願いを貫いた。
その軌跡を追うようにして、グレイテスト号は飛翔する。
目指す場所はただ一点、異常重力場――すなわち闇の大帝の王座である!
成功
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