●猫の国
アルダワ魔法学園のある世界には住民達がみーんな猫の国があるのです。
とても平和にゴロゴロ過ごしている住民達、そんな彼らはとてもとても情に厚く恩を受けたら記念碑を建てるのが当たり前。
ポカポカした晴れの日にゴロゴロ居眠りしているケットシー達は今日ものんびり居眠り中。
そんな彼らの周りには読みかけの本が大量に置かれていた、きっと読んでいるうちに眠たくなってきたのだろう。
ここにある恩人記念碑はそんな本好きのケットシー達の溜まり場にしてお昼寝会場なのだ。
「はわぁ~、みんな本を読んでてとってもいい場所です~」
眼鏡を輝かせ大きな三つ編みを揺らしながら現れた一人の少女、そう彼女こそが猟書家マロリー・ドラッケン……災魔事件を巻き起こす首班の一人だ。
『ギャハハ、マロちゃんもここで読書してくっか~?』
『先日も新刊を何冊か買って来てたよな!』
マロリーの周囲に浮かんでいる侵略蔵書や禍々しい杖がケタケタと笑いながらまくしたてていく。
そんなマロリーの目に留まったのはお供え物のように本が山積みの恩人記念碑。
「はわぁ、こここ……この記念碑にはどんな物語があるんでしょうかぁ♪」
それはこの地でケットシー達に素敵な物語を書いて読ませていた有名な小説家の記念碑、それを読んだ者にワクワクとドキドキを与えていた冒険譚の数々を執筆していた男の名が刻まれている。
それはつい先日マロリーが読んでいた長編小説の作者、その物語で夢と勇気を貰ったケットシーはとてもとても多いに違いない。
どんな苦境にあっても挫けない勇者が迷宮に挑んでいくそんな物語、あまりにも長編すぎてまだまだ最後まで読み切れていない。
というよりも最終章を書き終えるまでに急死してしまいそこで永遠に結末は明かされないままになってしまったのだ。
だが猫達は恩を忘れない、(休載しまくりだったけれど)夢と希望を与えてくれたその男の事を。
そのまま永遠のこの記念碑に刻まれ感謝され続けるはずだった作者の記念碑。
だがそこに知的好奇心の塊の邪悪な手が伸びようとしていた。
「うーん、やっぱり物語のエンディングをもっともっと読みたいですっ!」
マロリーは懐から取り出した災魔の卵を恩人記念碑へと埋め込んでいく、それは知識への渇望、さらには途絶えてしまった最終回への羨望。
輝きと共に恩人記念碑から大量の紙片が舞い散り始めた……正邪逆転してしまった最悪の物語が。
●グリモアベース
「アルダワでまた事件の予感です!」
集まってくれた猟兵達を前にグリモア猟兵の村雨ベルは説明を始める事にした、なぜか机の上には何冊もの本が積まれている。
どうやらこれも事件に関係あるらしくそのうちの一冊を手に取りつつ話始めた。
「猫の国の恩人記念碑にまーた悪さしたダメっ娘がいましてね、とっちめてきてください!」
やれやれと言わんばかりに首を振る、どうやら災魔の卵がまた恩人記念碑に埋め込まれてしまったということだろう。
災魔の卵はその恩人記念碑が災魔化してしまいかつてとは真逆の性質を持った災魔を産み出してしまう。
「生み出された災魔は絶望と堕落を謡う書物に成り果ててしまっていて、このままだとケットシー達の街にそれがばら撒かれてしまうんですよね~」
そこに刻まれた物語はあまりにも酷すぎる内容、なので一刻も早くそれを処分しないといけないようだ。
ベルにしてみればまだまだ毒の弱い本らしいのだが純粋なケットシー達には刺激が強すぎる内容らしい。
「まずは怪しげな内容の書物になった災魔を処分してください、決して読んじゃダメですよー?」
そう言いながらもベルは転送の準備を始めた、怪しげな書物が撒き散らされる猫の国でいったいどんな大騒ぎが待っているのか。
新たな物語はこれから生み出されようとしていた……。
轟天
これは2章完結のアルダワ魔法学園の猟書家戦となります。
アルダワ魔法学園の猫の国で待ち受ける新たな物語。
どんなハプニングが待ち受けているのでしょうか?
第1章では災魔の卵を埋め込まれた恩人記念碑が暴走してしまいます。
面白いお話を書く人でしたが休載が多いのが玉に瑕の作者さんでした。
普段は真面目一辺倒のお話ばかり、ですが災魔化したせいで真逆の内容になっています。
酷い内容&いきなり最終回の物語ばかりが舞い散ります。
第2章では猟書家マロリー・ドラッケンとの決戦です。
マロちゃん自身へっぽこなのでワンパンで倒せる気がしますがきっと気のせいです。
●プレイングボーナス(全章共通)
……記念碑を立てたケットシーの話す「恩人の思い出話」を、攻略に役立てる。
第1章 集団戦
『書物の魔物』
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POW : 魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ : ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
👑11
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
『絶望と堕落を謡う書物』ですかぁ。
何やら嫌な予感がしますねぇ。
まずは住民のケットシーさんと接触、作者の方についてお話を聞いてみましょう。
気になるのは『休載の多かった理由』でしょうかぁ。
お話を聞けましたら『FBS』を四肢に嵌め飛行、『魔物』の出現した場所へ向かいますねぇ。
相手は『書物』で「住民達に見せない方が良い」のでしたら、早目に焼いてしまいましょう。
『FSS』で防御を固め【乳焔海】を発動、広範囲の『魔書』を一気に焼き払いますぅ。
『状況に適した魔力』となりますと、此方の防げない『胸』や『豊満』に関連する物でしょうから、必要ならその重さを『FMS』で支えて交戦しますねぇ。
●
猫の国に舞い上がる紙片、それらは全てが物語……それも終わらなかったはずの物語の幻の最終回ばかりが記されている。
「絶望と堕落を誘う……ですかぁ何や嫌な予感がしますねぇ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はそれらのページを出来るだけ見ないようにしているつもりだ。
ここに来るまでにケットシー達に聞いた情報、それによればこの作者が何故休載が多かったのかという色々な意味で問題は簡単に聞くことができた。
というか休載理由はファンの間では有名なもので……。
(長編ダークファンタジー連載がただでさえ遅れ気味なのに、可愛いアイドルの追っかけしていて筆が進まなかった……とか、色々アウトですぅ)
これは、うん……もしかすると見ないほうがいいと出発前に厳重にクギを刺されていた理由って。
「うわー、これは連載停止してた●●戦記の最終話の原稿にゃあ~」
「いけませぇん!」
ケットシーが手にした原稿をるこるは乳白色の波動をもって一気に焼き尽くしていく、というか焼かねばならない。
さっきちらっと数行見ただけでわかる……ダークファンタジーにあんなパッションなアイドルが出てくる最終回とかありえないから!
これを本物と勘違いしたケットシー達のトラウマのほうがきっとひどいのでここは心を鬼にして焼いて焼いて焼きまくるのだ。
とはいえ焼いているるこるの胸元に変化が現れそれもけっこうきつかったりする。
体形が反動で膨らみ次第に作品の中で書かれているアイドル的な雰囲気になっていっている気がする。
(これでは私までイメージを損なわせる手伝いをしているようなものにぃ!?)
るこるは宙を舞う、そして飛んでいった原稿を追うふりをしてその場を一旦離れることにした。「危ない所でしたぁ……もう少しで服から零れちゃう所でしたしここが引き際ですぅ」
るこるは未だに続く騒ぎから一度距離を置き力を溜め直すことにした、その的確な判断のおかげで今のところケットシー達に被害はない。
ただまぁ……この先どうなるかは猟兵次第といったところだろうか。
大成功
🔵🔵🔵
秋葉・亜依
「ここが魔法学園があるというアルダワですか。
特務エージェントである私が、猟書家とやらの思い通りにはさせません!」
『ふむふむ、この舞い散る紙片、亜依があんな目やこんな目に遭わされる展開が書かれているようですよ?』
「ちょっとー!?
なにばら撒いてるんですか、災魔ーっ!」
ここはスマホ型電脳デバイスを起動して、電脳魔術アプリ『ケルビン』で本を燃やしていきましょう!
サポートAIの演算能力があれば敵の動きを見切ることは簡単です!
『すみません、亜依。バッテリーが切れましたので、あとは撮影だけさせていただきます』
「ちょっとーっ!?
なんかページが飛んできて服が斬り裂かれてくんですけどっ!?」
『🔴REC』
●
「ここが魔法学園があるというアルダワですか。特務エージェントである私が、猟書家とやらの思い通りにはさせません!」
秋葉・亜依(特務エージェント・f33106)は周囲を見渡し紙片の一つを手に取りそっとそれを撫でた。
猫の国に巻き起こる勝手に生み出されていく作品の勝手な妄想、それは打ち切りなどで読めなくなった最終回の完全な偽物。
それらが紙片として飛び散り手にした者はついついそれを読んでしまう、その内容はといえば中々に過激な物まで含まれているようで……。
『ふむふむ、この舞い散る紙片、亜依があんな目やこんな目に遭わされる展開が書かれているようですよ?』
「ちょっとー!? なにばら撒いてるんですか、災魔ーっ!」
それはそれはもう本当に書いてあるのか謎なオリジナルストーリーが書かれているらしく目を通してはいない亜依。
だがサポートAIが言うのだから書いてあるのかもしれない、悩める悩めるのだ……読んでいいものかどうか、それが問題だ。
「ですが私は迷いません! この新たなる電脳魔術ケルビンの力をもってすればこの程度―!」
すごくかっこよく喋っているようですが実際はスマホのアプリをタッチしただけです、本当にありがとうございました。
だがまあ亜依はともかくプログラムの力は本物、炎を産み出し目の前の紙片を片っ端から燃やしていくのだからある意味相性バッチリの攻撃ではなかろうか。
巻き上がる炎、そして永遠に失われていくありえたかもしれなエンディングの山。
だがそれらは作者本人が書いたものではなく創作に近い、そうこれらははっきりいえば同人誌にすぎないのだ。
これ以上……被害者を出す前に、夢と希望が絶望になってしまうかのような物語はここで終わらせてしまおう。
亜依がそこまで考えていたのかはともかく炎を連打し次々と燃やしていく姿はまさに無敵。
「えいえいえいえい! このところ負けてばっかりだったので気持ちいいいですっ!」
……亜依は電池残量も気にせずに魔術を連打、なので一気にスマホも過熱し残量が15%を切った時点でその表示が現れる。
“省エネモードに入ります”
スマホの画面が薄暗くなり魔術が途切れしかもそれは防御魔術すらも消え去った事を現していた。
亜依のに次々と紙片が襲いかかり切り裂かれていく制服、手にしたスマホを足元へと落としてしまいもはや反撃の糸口さえ無さそうだ。
『すみません、亜依。バッテリーが切れましたので、あとは撮影だけさせていただきます』
「ちょっとーっ!?」
完全勝利のはずが気付けば着衣を切り裂かれていく亜依、この部分だけを見れば亜依は負けているように見えるかもしれない。
だが再生回数を稼ぎスパチャを稼いでいる亜依は今日も大勝利している、そういうことになっているので後はよろしくお願いします……。
「って、パンチだけは許してぇぇぇぇぇっ!?」
一際多く紙片が舞い、ついでにパンツも何処かへと飛んでいってしまったとさ……。
大成功
🔵🔵🔵
シャルロッテ・ヴェイロン
そういえばたまにありますねー、「作者が死亡して連載作品が未完になる」ってやつ。
――それはさておき。
まずは件の小説家について、そこら辺のケットシーたちから【情報収集】してみましょう(なぜか持ち出してた猫缶で【おびき寄せ】て餌付け(ぉぃ))。最重点は「休載が多い理由」ですね。
で、敵が魔力を貯めてる間に【指定UC】で解析のち強化――って、「――という夢だった」?…うん、こりゃヒドイ――よし、状態異常重点で。
あとは火属性の【ATTACK COMMAND】で【焼却】していきましょう(【属性攻撃・誘導弾・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃・破魔・覚悟】)。
※アドリブ・連携歓迎
ディナ・サーペント
アドリブ連携OK
可愛いケットシーたちの夢、壊すのはよくない
あの子たちの目に触れないよう、ささっと終わらせちゃおう
魔物を【海竜の眼光】で片っ端から凍らせて、砕いていくよ
誰も読むことができないくらい、粉々に
敵はあまり強くなさそうだけど、毒属性のインク魔法弾?だけは気をつけよう
毒のインクとか、当たったら何があるか、分からないから
ところで、怪しげな内容になってしまった本だけど
読むなって言われたら、読みたくなる、というか
こっそり一つだけ回収して、読んじゃダメかな
読んだ後は、きっちり処分するのを前提に、ね
●
「にゃー、猫まんまありがとにゃ~、この猫缶って言うのまた持ってきてにゃー」
ケットシー達が手を振り続ける猫の国で撒き散らされた紙片に書かれているのは様々な理由で完結できなかった物語のif。
だがそれはあくまで偽物である……愛ある同人誌であるなばらまだしも今回の物は災魔の卵で最悪の物語にされているそんな内容。
「あー、そういえばためにありますよねー。作者が死亡して未完になるってやつ」
飛んできたページを一枚拝読しポイっと投げ捨てるシャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)。
はっきり言って読む価値もない駄文だった、ケットシー達を猫缶で買収、もとい懐柔し手に入れた素敵な情報の数々。
この作者が書き続けた物語の連続性も必然性も何もかもが足りていないという稀に見る駄文。
「こんな物を読ませてケットシー達の夢を壊すのは良くないんだよ」
別のページを手に取っておそるおそる目を通してしまったディナ・サーペント(海竜のディナ・f26523)もやはり同じ感想。
あまりにも夢も何もないついでに脈絡もない内容に少しばかり怒りまでわくほどだ。
(だいたいなんだよあれ、登場人物が突然在庫セールみたいに殺されて聞いた事もないキャラがいきなり出てきて解決していくとか……)
そこまでオリジナル要素でやるなら自分の作品でやれと言わんばかりの改変ぶりに温厚なディナでさえ言いきれる。
これらは純粋なケットシー達の目に触れないうちにささっと片付けてしまおう、二人の意見は完全に一致していたのだ。
バサバサバサ……。
紙片の舞い散る音が路地に満ちていく中、書かれていた文字が浮かび上がりインク状に変化しつつ降り注ぎ始めた。
次々と飛び散るインクの魔法弾、それが到達する寸前に急に凍り付き地面に落ちていく。
手を翳して冷気を放ち続けるディナ、海竜の眼光は鋭く全てを凍らせ続けインクどころか地面に凍り付き落ちてページも踏みつぶし跡形もなく砕いてしまう。
(毒のある文章、こんなもの触れたら碌な事ないだろうしね)
こんな物は早く片付けないと……、やれやれと肩を竦めるディナの真横を炎のプログラムが駆け抜け今度は燃やし尽くしていく。
「あー、ちょっと読んだけどこれヒドイ、原作クラッシュなんてもんじゃありませんねー」
シャルロッテはどうやら散々改変された話を読みまくったのかもう容赦なんてない。
ATTACK COMMANDを実行し路地裏に飛び込んできたページに次々と引火して大元の本へと魔の手は近づいていく。
「原作を読んだこともないのに映像化の監督やってるぐらい不快です……」
「こちらも探偵役が説明している最中に初めて登場した人物が真犯人とか、これはひどい……っ」
両者は肩を並べてページを撒き散らす本の正面に立つ。
炎のプログラムと氷結の視線、両者が同時にその姿を捕らえまずは凍り付き動きが封じられた。
その凍り付いたページが今度は一気に解凍されそしてそのまま今度は丸焦げに。
容赦ない二人の力を前にし本そのものがボロボロに千切れ飛びそして消滅していった。
「夢落ち乱用とか最低でした」
「全くです、休載の原因……ホラー作者がギャルゲにハマって本編描けなくなるにしてもこれは、ナイです。
消し炭になったそれらが急速に消えていくのを見届け二人はその先にいる真犯人へと視線を向ける。
……いよいよ猟書家本人との戦いの時なのだ。
大成功
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第2章 ボス戦
『マロリー・ドラッケン』
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POW : インテリジェンス・イービル・ワンド
【手にした「喋る杖」が勝手に魔法】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : リアライズ・パニック
自身が【恐怖】を感じると、レベル×1体の【モンスター化した書物の登場人物】が召喚される。モンスター化した書物の登場人物は恐怖を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ : ダブル・マロリー
【眼鏡を外した別人格のマロリー】の霊を召喚する。これは【勝手に放つ魔法】や【杖でのぶん殴り】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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●
災魔の卵に寄生された恩人記念碑は元の形へと戻っていく、だがそれを為した犯人はまだすぐ近くにいる。
猟兵達が駆け付けた目の前のカフェに大量の読みかけの本と共に撃沈している眼鏡っ娘がいた。
どう見えもその辺の学生にしか見えないが周囲を飛びながらゲラゲラ笑っている侵略蔵書と本のしおり代わりに転がっている喋る杖を見れば一目瞭然。
彼女こそが猟書家マロリー・ドラッケン、原作改変やクラッシュされた物語を読んで心がバキバキに折れて完全にやる気をなくしている……。
「はう~、やっと休載続いてる作品の続きが読めたと思ったのにぃ……」
『マロちゃん。これはないわー、さすがのオレらでもブチ切れるわこれ』
『ギャハハハ、キャラクター増やし過ぎて一掃するとかあるあるすぎる展開だぜぇ』
蔵書や杖がマロリーをからかい続けさらに追い打ちをかけている。
「私はただ新しい物語を読みたかっただけなのにぃ……」
テーブルの上に置かれていたカップから紅茶を注ぎ軽く口にするとようやく一息つくマロリー。
ここの恩人記念碑から作り出した災魔はどうにもイマイチな物語しか生み出さなかった、他の所でもっとワクワクできる物語を捜そう。
カフェでの支払いを終え紙袋いっぱいの本を持ち席を立つ、そのまま帰ろうと歩き始めた所で蔵書が周囲にきつい視線を向ける。
『マロちゃん……帰るの少し遅かったようだ』
「ギャハハ、この気配は猟兵だ。 すっかり囲まれてるぞ」
「えぇぇ……この買ったばかりの本、帰って読むつもりだったのにぃ。と……通してくれません、よね?」
オロオロしながら逃げ始めたマロリー、諦め悪く恩人記念碑の影に隠れてやりすごすつもりなのだろう、慌てて物陰に駆け込んで体育座りし完璧に隠れたつもりのようだ。
だが正面以外の角度から丸見えな事にはまだ気づいていない様子、こうして恐るべき(最弱の)猟書家マロリー・ドラッケンとの戦いの舞台は整った。
はたしていかなる戦いがここで行われるのだろうか……?
ディナ・サーペント
アドリブ連携OK
この子が、猟書家?
なんだろう、変な杖とか変な本は置いといて、本人は無害そうと言うか…
思ってたのと違いすぎて、ちょっと拍子抜けしちゃうかも
…それにしても、あたふたしてるところとか、バレバレなのに隠れてるつもりなとことか
なんか、ちょっと可愛いっていうか、イタズラしたくなっちゃった
【銀世界】で周囲の時間を凍結させて、時間停止させたまま、彼女の目の前まで移動するよ
移動を終えたら、凍結解除
ふふ、突然目の前に敵が現れたら、どんな反応するかな?
あとはゼロ距離から【属性攻撃】で、マロリー自身を凍結させて終わらせるよ
凍らせるだけで、止めは刺さないけど
ケットシーたちを困らせた、お仕置きってことで
●
(この子が、猟書家?)
恩人記念碑の裏でコソコソと隠れている猟書家マロリー・ドラッケン、ただまぁなんというか正面以外から見ると丸見えの隠れ方なのでどう見てもかくれんぼしている小学生状態。
「はわわ……早く帰って買ったばかりのRxR(レンジャー・レンジャー)の最新刊を読みたかったのにぃ~」
長期休載ばかりしている作家が数年ぶりに出した新刊が紙袋からこぼれているのでそれのことだろう。
一人前のレンジャーになることを夢見た少年が親友と共に冒険を繰り広げるはずが色々と話がややこしくなって休載3年のすえにやっと続きが読める代物。
それをこの街の本屋で発見したマロリーだったがたぶん無事に帰る事は無・理☆
現地でそれを見てから数秒、呆れたというか何というか残念臭しかしない相手を見てディナ・サーペント(海竜のディナ・f26523)は緊張感を保つのが一番の難敵じゃないかなとか思い始めていた。
(なんだろう……変な杖とか本は置いておいて、本人は無害そうというか思ってたよりちょっと残念というか……)
いえ、残念なのは見たまんまです。
「それにしても、あたふたしてるとことか、バレバレなのに隠れてるつもりな所とか……♪」
ちょっと悪戯してみたいな!
ディナの心に湧き上がるそんな悪戯心、なんというか……シリアスに倒すにはあまりにもあまり、そしてどんな顔をするのか好奇心が湧いてきた。
「……ふふ、それじゃさっそく♪」
ディナが静かに目を閉じると周囲に立ち込める冷気、それは全てを包み込み凍り付かせていく……そう、時間さえも。
「も、もう誰もいなくなった……かな?」
『マロちゃん……そのなんだ』
『目の前……』
帽子を深くかぶってお尻をむけたまま隠れたつもりのマロリーが顔をあげると目の前にはディナがにっこり微笑んで。
「……わっ♥」
「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
突然目の前にディナが現れ驚いて反り返った瞬間に後頭部を恩人記念碑にゴツンとぶつけKO。
目を回してあっさりとマロリーはダウンしてしまった。
「え、えぇぇ……」
本や杖は事前に凍らせ動きを封じていたとはいえ弱い、弱すぎる。
(でもダメダメ……ケットシー達を困らせたお仕置きはちゃんとしないと)
毒気を抜かれてしまったとはいえ悪い事は悪い、マロリーを軽く凍らせ首に看板をかけていく。
【わたしは、きねんひにいたずらしてしまいました ごめんなさい】
おそらく興味津々のケットシー達のいい玩具にされること請け合い、しばらくこのまま反省させるべくディナは紙袋に入っていた新刊を近くのベンチで読む事にした。
(うわぁ……数年ぶりに出た新刊で主要キャラが片っ端から死んでいくとか、これは心折れるんだよ……)
読んでも読まなくてもマロリーはどうやら色々な意味で泣くことになるだろう、ちょっぴり同情しつつも心を鬼にしてそのまま放置して帰るディナだった。
大成功
🔵🔵🔵
秋葉・亜依
◎
『あの蔵書や杖、なにやら親近感を感じますね。主に所有者がへっぽこであるあたりとか』
「どういう意味ですかーっ!?」
モバイルバッテリーで私の電池残量を回復させながら、全裸の亜依を撮影し生配信を続けましょう。
そして敵の動きを観察し――。
『亜依、気をつけてください。向こうのへっぽこ魔女も混乱して、書物の登場人物が実体化してきています。――これは!』
カメラに映るのは、様々な『バッドエンドを迎えた物語』の亜依の姿。
触手に襲われたり、衆人の前で全裸にされたり、モンスターに襲われて種付けされたりといった薄い本的展開の亜依――。
『いや、いつも通りの亜依ですね』
襲われている亜依本体ごと撮影し生配信しましょう。
●
「あうあうあう、はーやくーどこかにいってくださぃぃ」
『マロちゃん、声出したらばれるから黙って黙って!』
恩人記念碑の後ろでようやく解凍されたものの逃げ損ねた猟書家マロリー・ドラッケン。
おそらくは猟書家最弱の彼女だったのだが、そのすぐ近くに猟兵の魔の手(好意的意訳)が迫っていた。
そうマロリーはかなーちドヂっ娘である、だがここに到着したばかりの猟兵もまた短期間で成長しきったダメ人間というかやることなすことダメというか残念臭では匹敵するものがあまりいないというか、うん……悪口言い出すと筆が進むねやったね!
『あの蔵書や杖、なにやら親近感を感じますね。主に所有者がへっぽこであるあたりとか』
「どういう意味ですかーっ!?」
あぁ……今のはサポートAIさんの独白なので他意はないですよ?
まさか亜依ちゃんだからてきとーに虐めちゃえとか思ってませんから本当(とは言ってない)。
「今回はこれで大丈夫っと」
モバイルバッテリーでスマホを充電しながら戦地(笑)へとやってきたわけなのだが
スマホでやってることと言えば今までに録画した亜依の全裸映像を編集して配信というまさにマロリーそっちのけで金儲けに走っている商売人の鑑。
再生回数はグングン伸びている。
「はうう、今のうち今のうち……」
「あっ、そこっ! この特務エージェント亜依がやってきたからには覚悟してくださいっ!」
逃げ出そうとしたマロリーに亜依が飛び掛かりもみ合いつつ転がっていく。
『マロちゃんが危険だ!』
『しょうがない……あれを使うぞ!』
『しかたないよなー非常時だしなー』
『そうですね亜依も非常事態ですし、協力は惜しみません』
蔵書や杖が勝手にあやしげな物語を撒き散らし実体化していくのは変なエンディングを迎えたパラレルな亜依の姿。
そのどれもこれもが全裸やら脱がされたりなど薄い本でしか見られない過激な内容ばかり。
「はっ、はうっっ!? なんで裸の絵が~!? 先輩からまだ早いって怒られたばかりなのにぃ~~っ」
マロリーは顔を真っ赤にしながら帽子を深くかぶりそれらを見ないように必死、つまりはこの場から逃げれないということだ。
それに対して亜依はといえば蔵書や杖、ついでに自分のスマホに目を白黒させながら噛みついている。
「ななななな、なんでこんな映像が本から出てきてるんですかー!?」
『そちらの兄さんから画像提供を……』
『あー、これはマロちゃんにはまだ早かったなー、エルフのねーさんに怒られる』
『亜依の極秘ファイルをいくつか提供しておきました』
なんかもう皆好き勝手喋っているけれど一つ言える事はサポートAIがいつのまにか杖や蔵書と手を組んでいる事実が一番ひどいのではなかろうか。
「こんなの私じゃ……っ」
『いや、いつも通りの亜依ですよね?』
最後まで文句を言いきれない亜依、これでは世間中に恥ずかしい痴女だということがばれてしまう。
だが考えようによってはこうだ! いよいよ特務エージェン亜依、猫の国でデビュー!」
うん……知名度だけはきっと一気に登りつめれるぞ、やったね!(とってつけたような大成功フラグ)
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
この結果は、マロリーさんも予定外だったのですねぇ。
まあ、だからと言って逃がしませんが。
【宝創】を発動し、カルロスさんの使っていた『鉄鎖ドローミ』の複製を形成、『FMS』のバリアで攻撃を凌ぎつつ隠れているマロリーさんを狙い放ちましょう。
『石碑の陰』という『回避し辛い場所』に居る以上捕縛は容易ですし、『ドローミ』の効果で【UC】を封じてしまえば、以降『杖が勝手に術を放つ』ことも出来ません。
後は[怪力]で物陰から引っ張り出し『刀』と『FBS』の斬撃を仕掛けますねぇ。
まあ、傍からは『マロリーさんを鎖で縛り弄っている』様に見えそうですが、その『酷さ』が『不利な行動』ということで?
シャルロッテ・ヴェイロン
あー、こいつ、とても猟書家には見えなさそうですが…。
なるほど、あの喋る杖や侵略蔵書に操られているのですか。じゃああいつらを倒せばオブリビオン化から解放されそうですね(ぇ)。
それじゃあFPSの兵士キャラを召喚して(【破魔・属性攻撃】)、本人以外を攻撃していきましょう(【先制攻撃・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃・スナイパー・覚悟】)。
片付いたら念のため一つ聞いておきましょう。「何でよりによって、猟書家の侵略行為に加担させられたんでしょうか?」って。
※アドリブ・連携歓迎
●
恩人記念碑の裏に隠れた猟書家マロリー・ドラッケン、そのあまりのへっぽこぶりに困惑するというか何というかダブルノックダウンでぶっ倒れている猟兵までいるけどあっちは無視していいだろう。
「あー、こいつ、とても猟書家には見え無さそうですが……」
それはそれはもう残念なものを見たとばかりに肩を竦め溜息までついて見せるシャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)。
「まっ、まあ……この結果はマロリーさんも予定外だったみたいですしぃ」
そう……戦う前から隠れているどころかすでに目を回していてどうしようもないへっぽこぶりをどう言い表していいものか悩みつつ夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も困った顔が止まらない。
どうやら二人が到着するまでにやってきた猟兵が氷漬けにしたりもみくちゃになるまでお仕置きでもしたのだろうか……。
『あっ、やべ、マロちゃん起きて起きて!』
『くっ……我らが万全ならばマロちゃんには指一本触れさせないのにっ!』
地面や記念碑に凍り付いたままの侵略蔵書と喋る杖が悔しそうに喋っているのだが二人にとっては好都合。
なぜなら……どこをどう見てもマロリー自身はへっぽこすぎて話にならず周囲にいるこれらをどう始末しようか悩みどころだったがこれならばとても容易に決着はつけれそうだ。
「このキャラクターでお掃除しちゃうです」
シャルロッテが作り出したゲームキャラが大量に凍り付いて動けない本と杖に群がると持ち上げてそのままその場から持ち去っていく。
反撃しようにも今の状態では無力に違いないだろうがまあ一応の用心、ついでにゲームキャラ特有のふざけた形の銃でビビビっと穴だらけに撃ち抜いておくあたり抜かりはない。
『ぐああ、マロちゃん後はまーかーせーたー』
『忘れるなお前らっ! 我らが先に滅びようとマロちゃんの戦闘力は1%すら変わらないということをっ!』
断末魔の叫びを残しながら新着蔵書と喋る杖は砕け散り先に消滅していく、意味深な事を言っていたがつまりまだ戦力を保持しているということだろうか?
「では、私が拘束しておきますのでぇ……大いなる豊饒の女神、その名の下に宝物を形作り捧げましょう。 鉄鎖ドローミ!」
るこるが女神の加護で作り出したメガリスの鎖が恩人記念碑事目を回していたマロリーをグルグル巻きに縛り上げ決着は……ものの数秒でついてしまった。
「ふえっ?? 痛いですううう!?」
縛り上げられようやく目を覚ましたマロリー、鉄鎖で縛り上げられ制服に隠れた肢体がぐっと強調されるもここにいる二人は別に気にしない。
すでに防御と戦闘の要である本と杖はなくそこにいるのは自分では何もできない眼鏡っ娘が一人。
そう……マロリーの戦闘力は1%たりとも変わっていない、0%なので何倍に増強しようが0%のまま。
つまりすでに詰んだ状態なのは言うまでもない。
「ちょっとケットシーさんからの視線が痛々しいのですよねぇ」
るこるがちょっとばかり困り顔、ぱっと見は学生のマロリーを恩人記念碑に縛り上げているいじめっ子に見えなくもない。
ケットシー達からはそう見えているかもという感じがしてちょっぴり良心が痛む。
「まあ、一応聞いておいてあげましょう。 何でよりによって猟書家の侵略行為に加担させられたんです?」
「ふえっ? 侵略行為って何がですっ???」
完全に頭の上に「?」マークが出ていそうな表情のマロリー、そう恐らくなのだが本人は災魔の卵を恩人記念碑に埋め込めば色々な物語が読める程度にしか思っていないのだろう。
周囲に散らばっていた紙片から打ち切りになったり作者逃亡の末に結末を迎えれなかった物語の適当すぎる文書が落ちてはいる。
だがこれらはあまりにも残念すぎる内容、おそらく当のマロリーはきっちりこれを読んでいないのでこう言っているのだろうが。
「災魔の卵なんか埋め込んだら猫さん達が迷惑してますよぅ」
シャルロッテのデコピンがパコーンとマロリーの額を打ち真っ赤になっていくおでこ。
「ひぇぇぇん、痛いですよぉ~!?」
「もうちょっと反省してもらいませんとお? 女神様もそう言っておられるに違いないですう」
るこるもマロリーの靴を脱がせてくすぐり追い打ちをかける、痛いんだかくすぐったいんだか混乱しながら泣き笑い状態で逃げれないマロリー。
「あはははは、ややや、ごめんなさぁぁぁぁぁい~~ぴぎゃ!?」
足をバタバタさせながら半泣きのマロリー、勢い余って後頭部を恩人記念碑にゴツンと一発思い切り打ち付けた。
「あっ……」
「えぇぇ……」
るこるとシャルロッテが見守る中……マロリーの身体がズプズプと骸の海にでも行くのか静かに沈んでいく。
まさかの頭を打っただけでHP0という残念ぶり……。
そう、確かに侵略蔵書と喋る杖は言っていた、彼らがいなくなってもマロリーの戦闘力は変わらないと。
それ以前に耐久度すら1%も変わらないに違いない……今回の死因は『記念碑に頭をぶつけて戦闘不能』。
噂通りの猟書家最弱というか猟兵でもここまで弱い子はいないに違いない。
「ほらっ、消える前にもう一回言いなさい!」
「早く言うですよぉ」
「ふぇぇん……ごめんなさぁい、作者さんが書いてくれるまでもうちょっと我慢します~」
泣きながら謝るマロリー、いやそっちを謝れと言っているんじゃなくて。
……などと言ってる間にマロリーは消え去ってしまった、弱い弱すぎた。
まあ何にしても事件はこれにて解決、恩人記念碑とこお粗雑な同人誌レベルの紙片は散らばったままだが。
「って、掃除が面倒……」
「わたしのゲームキャラに集めさせますので……」
どうやら終わった後の掃除の方が本番になりそうで、るこるとシャルロッテはやれやれと後始末を始めるのだった。
こうして一つの野望(?)は打ち砕かれ平和が戻ったのである。
大成功
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