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トラップタワーマンション大戦略!

#デビルキングワールド #マンションダンジョン

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#デビルキングワールド
#マンションダンジョン


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 デビルキングワールドの都会には、度重なる増築で迷宮のように入り組んだ高層マンション……通称「マンションダンジョン」がいくつも存在している。
 その内部にはデビルキング法に則って数十年も家賃を滞納する悪魔達が無数に生息しており、大家から依頼を受けた勇敢なギャング達が日夜ダンジョンに挑み、家賃を取り立てていた。
 しかし、そのサイクルが今崩れようとしていた。
「皆様にはこれから、借金の取り立てに行っていただきたいと思います」
 ルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)はそう言って、集まった猟兵達に問題のマンションダンジョンの全景や見取り図がまとめられた書類を配っていく。
「ぶっ飛ばされたギャングさんの話によると、大家さんの書類に無い住民が住み着いていてそれにやられてしまったとのこと。また、それだけでなくそいつが住み着いてからマンションの床のタイルに今まで体験したことがないほどエゲツないトラップも仕掛けられているそうです」
 悪魔相手の遠慮全く無しなトラップは物理的にも精神的にも厳しい物が目白押しとなっているそうだが、どうやら色ごとに発動する罠は決まっているそうで、踏んでも大丈夫な床を見極めることが出来れば悠々と先へ進むことが出来るだろう。
 ただし定期的にシャッフルが行われているそうで、今どの色がどのトラップを司っているかは不明だそうだ。
「で、問題の家賃滞納悪魔供についてですが……今回、問題の勝手に居着いている輩以外は一般人ならぬ一般悪魔のみです。外見こそ今まで遭遇してきたオブリビオンと大差ありませんが、根は善良な者達ばかりです。ちゃんとOSHIOKIをすれば今まで通りきちんと家賃を納めてくれるはずですので、くれぐれも殺しはしないでください」
 そのマンションにきちんと住んでいるのは「フランケンシュタイン」という筋骨隆々とした人々とのこと。そのため黒い竜の姿だというオブリビオンとの見分けは容易につくであろう。
 ただ相手は複雑なマンションの形状を熟知し、猟兵達に匹敵する戦闘力を持つ強敵でもある。殺しは許されないが、手を抜けばギャング達の二の舞になることは確実だ。
「そして本題であるオブリビオンは悪辣な知性を活かしながら口から放たれる漆黒の炎によって、全てを焼き尽くしてくるとのこと。……大家さん曰く、防火性はバッチリとのことですが、うっかり全焼されないようお気をつけください」
 そう念を押して、ルウはマンションの入口である、玄関の自動ドアを開ける。その直後、突然落ちてきたどデカいタライがルウの頭を景気良く叩いた。


平岡祐樹
 こちらがエゲツないマンションでございます。お疲れ様です、平岡祐樹です。

 第一章のトラップタイルでは、プレイングで希望された物を基本的には採用いたします。おまかせの場合はこちらで何かをぶつけますのでお楽しみに。

 第二章の敵は「魔界の一般住民」になります。魔界の住民は多彩なので、外見は普通のオブリビオンと大差ありませんが、一般住民なので、惨たらしく惨殺されるような描写は避けてください。ただ普通に斬られたりふっとばされたり燃やされたりする範囲なら死ぬことは無いそうなので、どんどんやっちゃってください。「悪魔は頑丈です」。
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第1章 冒険 『悪魔のトラップタイル』

POW   :    罠を踏むことは承知の上で、最短距離を最速で進む

SPD   :    危険な罠のタイルを破壊し、安全地帯を確保する

WIZ   :    自分や味方は有利な効果のタイルを、敵は不利な効果のタイルを踏むよう工夫する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マリア・ルート
じゃあせっかくだから私はこの赤いタイルを踏むわ……って、あ、あれ?なんか浮遊感が――!?これは、転移!?
ちょっと、モンスターハウスならぬ悪魔ハウスとか誰が用意したのよ!あーもう、いらっしゃいみたいな目で見られても!
あーもう、こっちは急いでんの!少し【使用UC】で黙っててもらうわよ!
と、とりあえず戻れたら赤いタイルは破壊しておかないと……



「じゃあせっかくだから私はこの赤いタイルを踏むわ」
 タライと頭を抱えて蹲るルウの横を通り過ぎつつ、マリア・ルート(千年の王国から堕ちのびた姫・f15057)は堂々真正面からマンションに足を踏み入れた。
 どの色が安全か分からない以上、誰かが犠牲にならなければいけない。故にこの突貫は避けられないことだった。
 しかし、マリアの二歩目は空を切った。
「……って、あ、あれ?なんか浮遊感が――!?」
 ゆっくりと浮かび上がったマリアの体は前に傾き、とっさにスカートを押さえる。直後、変な魔力の流れを感じ取った。
「これは、転移!?」
 そう後詰めの仲間達に伝えるや否や、マリアの姿は玄関から消える。
 そして日光とは別の光源によって照らされた部屋に現れたマリアは無重力から解放されて床に落ちた。
「あいたたた……って」
 転移によって眩む視界が戻った先にいたのは、禍々しい雰囲気を持った小さな竜達。
 ニッコリと無言で微笑む顔と裏腹に、その口元には頬の中に抑えきれない炎が溢れ、チラついていた。
「あーもう、いらっしゃいみたいな目で見られても! こっちは急いでんの!」
 マリアが床を殴った瞬間に宙に浮かび上がったのは大量の武器、鈍器、火器、暗器、兵器。
 件のフランケンシュタインではないオブリビオンの配下である以上取り立ては不可能。ならば容赦なく消し炭にしても構わないだろう。
「『あんたは見たことある?目の前を埋め尽くす、武器の大群を』。……少し黙っててもらうわよ!」
 防御を顧みない全力の火力を前に竜達は苦し紛れの炎を放つが、大量の物量を前にそれはマリアの元へは届かない。それどころか熱気すらもマリアの自前の武器に劣っていた。
「ちょっと、モンスターハウスならぬ悪魔ハウスとか誰が用意したのよ……!」
 大した反撃も出来ぬまま落ちていき、物言わぬ骸となった竜を蹴り飛ばしつつ、マリアは玄関口へと向かう。道すがら他の部屋も覗いてみたが、住民の姿はどこにもなかった。
「と、とりあえず戻れたら赤いタイルは破壊しておかないと……」
 そう言ってマリアは扉の覗き穴から外を確認する。外には赤だけでなく様々な色のタイルが大量にある。
 今回はまだ対処可能なトラップであったが、踏んだら身動きが取れなくなる物だってあるだろう。もしくは早くも正解のタイルを見破り、安全に進めている者だっているかもしれない。
「ううっ……誰か遠隔で通信できる人いなかったっけいなかったわよね……」
 それらの内容を互いに伝える手段が無いことに歯噛みしつつも、意を決してマリアは扉を閉める鍵を開けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルメイ・シエ
どうせだから、堂々と真っ直ぐ歩いていけばいいよね。
…あれ? なんか目の前から斧なり槍なり矢やら何やら…武器が雨のように降ってくるね。
まあいいや、ボクのこの「柘榴石で出来た魔法の杖」が有れば大丈夫。ひょいと一振りで、飛んでくる武器が元の方向で逆戻り出来るし、もう一度振れば横に飛ぶ。
ありゃりゃ、振った先に住人さんがいたの、気の毒に。でも悪魔だって聞いたし、この程度じゃ死なないね。がんばれー。
(そう言って彼はポケットから紅茶の入ったポットを取り出し、何処からともなくティーカップを取り出し、汲んで…
そのままお茶を床にこぼして、ティーカップを叩きつけるのであった…)



「どうせだから、堂々と真っ直ぐ歩いていけばいいよね」
 猫の尻尾をゆらゆら振らしながら、バルメイ・シエ(世界はキミを待たない、僕はキミを待っていた!・f31453)は玄関口から真っ直ぐ、お気楽にマンションの通路を進んでいった。
 全く見る気がないその足元では当然ながら続々と罠が仕込まれたタイルが踏まれていく。
 その結果、進路方向にあった天井が音も無く横にスライドしていき、隠されていた剣やら斧やら槍やら矢やら何やらバリエーションに富んだ武器の雨霰がバルメイの頭目掛けて大量に落ちてきた。
「……あれ?」
「ヒャッハー、侵入者ハ駆逐ダー!」
 こちらに襲いかかってくる武器の声に遅ればせながら異変に気づいたバルメイは目を丸くしながらも澄ました態度を取り続ける。
「まあいいや、ボクのこの柘榴石で出来た魔法の杖が有れば大丈夫」
 そう言いつつ杖が振られると、その動きと合わせて飛んできた武器が来た方向へと戻っていった。
「ア、アレ?」
 自力で動くことは出来ないが、重力に従って落ちるはずの自分達の体が浮かんでいくことに困惑の声が武器達から漏れる。そんな彼らの気持ちを知ってか知らずか、バルメイは鼻歌混じりに杖を今度は横に振る。
「そおれ、もういっちょ」
 その動きに合わせて横の壁に叩きつけられ、気絶した武器同士がぶつかり合う金属音が響く中、一際重い質量を持った大槌が薄い壁を叩き壊す。直後、蛙が潰れた時のような短い悲鳴が聞こえてきた。
 武器の攻勢が止んだのをみて近づいて覗き込んでみれば、崩れた壁の向こうに大槌にのしかかられた形で目を回すフランケンシュタインの姿があった。
「ありゃりゃ、振った先に住人さんがいたの、気の毒に。でも悪魔だって聞いたし、この程度じゃ死なないね。がんばれー」
 そう言ってバルメイはポケットから紅茶の入ったポットを取り出すと、杖を持っていた手にティーカップをまるで手品のように出現させる。
 そして流れるように紅茶を注ぎ、水分補給と洒落込もうとする。
 しかしあまりにもカッコつけようとし過ぎたためか、目測を誤ったアツアツの紅茶は床に広がっていった。
 ポットの注ぎ口から始まる紅茶の流れが止まる。それまで澄まし顔であり続けたバルメイは無言で片腕を挙げると床にティーカップを投げつけ割った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミリア・プレスティール
【ミリアの心情、行動】
これは床を踏まないようにミトン(手袋に憑依した守護霊)に乗っていけば安全に…え、ダメ?
「少しは猟兵らしく自分で対処しろ」って?
そんなこと言って私が罠にかかる姿が見たいだけじゃないの…?
でも確かにミトンに頼りっぱなしはよくないかも?
なんとか罠にかからないように頑張らないと!もし引っかかったら私の歌声でもトラップは壊せるのかな…?

【ミトンの心情、行動】
たまには自分で切り抜けてみる経験も必要だ…(ということにしておこう。)
ミリア自身、強化人間だから物理攻撃にはめっぽう強いから死にはにない。
とりあえず罠にかかるとこは動画に残すか…

※アドリブ、他の方との絡みOK



「これは床を踏まないようにミトンに乗っていけば安全に……」
 そう言ったミリア・プレスティール(被虐少女と手袋守護霊・f16609)に見せられたのは拒否の文面であった。
「え、ダメ?」
『少しは猟兵らしく自分で対処しろ』
 タッチペンを回しながら主張するミトンにミリアは疑いの眼差しを向ける。
「そんなこと言って私が罠にかかる姿が見たいだけじゃないの……?」
 今までの行いから信用はされていても信頼はされていないミトンは矢継ぎ早に書いては見せて消し書いては見せて消しを繰り返した。
『ミリア自身、強化人間だから物理攻撃にはめっぽう強いから死にはしない』
「……それは、そうですけど」
『たまには自分で切り抜けてみる経験も必要だ……』
「うっ……でも確かにミトンに頼りっぱなしはよくないかも?」
 その勢いに乗せられ、ミリアの中から運ばれる選択肢が消えていく。
「もし引っかかったら私の歌声でもトラップは壊せるのかな……?」
『うっかり間違って治す歌を歌わない限りな』
「そんなミスしませんよ! ……なんとか罠にかからないように頑張らないと!」
 握り拳を作って気合を入れるミリアの後ろでスマホを片付けるミトンにもし顔があれば下衆な笑みを浮かべていたことだろう。
「まず、赤色のタイルは避けて……。ミトンと離れ離れになっちゃうかもしれないから」
 すでに先駆者の犠牲によって内容が分かっているタイルは踏まないように気をつけながら前に進んでいく。それでも無駄に多彩かつ悪意のある設置がされたタイルを避け切ることは許されなかった。
『近づかないで…Laaaー!』
 しかし渾身の高音域の歌声が音の衝撃波となり、天井から降り注いできた武器を破壊していった。
「この調子なら、なんとか行けるかも……!」
 呻き声をあげる武器を放置しつつ、ミリアは小さく頷きながら歩を進める。その足取りは罠を次々と打倒出来た自信からか軽快になっていた。
 そんな矢先、初めて見るタイルを踏んだ瞬間にそのタイルだけでなく周りの床がミリアを巻き込みながら突然競り上がった。
「あっ……!?」
 上からの攻撃に慣れてしまっていたことが仇となったのか、虚を突かれてしまったミリアは歌い出す前に天井に床ごと叩きつけられる。一方でミトンは助けようともせず、いそいそと録画のアプリを起動させて撮影を始めていた。
 しばらくしていると床が元の位置へ戻り出し、真っ平らにされたミリアが天井から離れてヒラヒラと落ちてきた。
 ある意味見慣れてしまった光景にミトンは録画をやめ、メモアプリを起動させて走り書きをした。
『チッ、つまらん』
「つまらん……って何ですかー!!!」

成功 🔵​🔵​🔴​

赤星・緋色
これ、私、気付いちゃったんだけど
タイル踏まなければよくない?
(ボケ殺しの悪行)
目的の部屋まで行くだけなら外壁を登って行っちゃってもいいけど
取り立てならちゃんと入口からの方がいいよね

床タイルのない部分、つまりドア、壁、窓、天井などとスカイステッパーにクライミングの技能を組み合わせた変形ボルダリングなムーブでいきます
フランケンシュタインが住んでるなら天井とかも高そうだし
そんな感じで目的の部屋まで空中を跳んだりぶら下がったりで進んで行きます

でも住人の悪魔さんたち、ランダムで罠タイル変更されたら間違って踏んじゃわないのかな
踏んでも大丈夫だったり?
頑丈そうだし



「ねぇねぇ。これ、私、気付いちゃったんだけど……」
 あちこちで猟兵の物か悪魔の物か分からない阿鼻叫喚が聞こえてくる中、マンションの外観を見上げていた赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)は首を傾げて呟いた。
「タイル踏まなければよくない?」
 目的の部屋まで行くだけなら外壁を登って窓を蹴破ってダイナミックエントリーでもすれば良いのである。
 わざわざ罠を踏んで酷い目に遭う必要があるのだろうか、と緋色はミリアと同様のことを至極真面目に思っていた。
「でも取り立てならちゃんと入口からの方がいいよね」
 面倒くさいなぁ、と頭を掻きながら入った緋色はタイルのない部分……ドアから伸びるノブ、壁に取り付けられた消火器、窓のサッシ、天井に吊るされた照明などといった、とても小さな突起物や段差を【スカイステッパー】にクライミングの技能を組み合わせた変形ボルダリングの要領で渡っていく。
 住んでいる悪魔に合わせてか、縦にも横にも広い通路は、緋色に取って遊び場に等しい物であった。
「でも住人の悪魔さんたち、ランダムで罠タイル変更されたら間違って踏んじゃわないのかな」
 あちこちに見受けられる、誰かが罠に引っかかった痕跡を見ながら、右足を蛍光灯に引っ掛け、真っ逆様にぶら下がる。
 ひょっとしたらこのマンションに回覧板のような物があって「○月×日にタイルを以下の通りの内容に変更します」みたいな物があれば悪魔達も注意しながら出入りしているのかもしれない。
「踏んでも大丈夫だったり? ……頑丈そうだし」
 これまでの道中で作動や直撃によって壊されたり修復されたりした痕は見かけたが、血を拭ったような痕はどこにも見当たらなかった。
 入る前に見せられた筋骨隆々とした、金属混じりの肉体と、このマンションに入ったギャング達が一応全員生還していることを思い返した緋色は予想に納得しつつ、蛍光灯が外れる前に次の足場を見つけて飛び移る。
 常人が乗ろうとしたら間違いなく滑って落ちるであろう、手すりに着地してしゃがみ込んだ緋色の視線の先には夜逃げしていなければ顔しか知らない誰かが未だに住んでいるはずの部屋。
 緋色は割り橋を伸ばすとドアの隣にあったインターホンを押し鳴らす。……反応は無い。
 応答が無いことにムッとしながら連打してみると、ドアの奥から苛つき混じりに駆け出す足音が聞こえてきた。
 鍵が外され、扉が開く。出て来た住民に向け、そのままの体勢で緋色は笑いかけた。
「どうも。溜まっている家賃をいただきに上がりました」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『フランケンシュタイン』

POW   :    マッドネスサンダー
自身の【知性】を代償に、【電撃】を籠めた一撃を放つ。自分にとって知性を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    フランケンナックル
【強靭な拳】で攻撃する。[強靭な拳]に施された【電撃発生装置】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ   :    ファイナルフランケン
【体内を流れる電流】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「サッキカラウルサイ、ネルノジャマ……」
 猟兵のいる場所の近くにあった部屋の扉が唐突に開かれ、中からボサボサ頭のフランケンシュタインが現れる。
 どうやら誰もやって来ないことを良いことに二度寝三度寝を決め込んでいたらしく、不機嫌極まりないようだ。
「ソウオン、オマエラノセイ! サッサトカエレ!」
 寝起きの頭だからか、長年払ってないからか、どうやら来訪者が取り立て人だとは一切思っていない様子のフランケンシュタインは怒りの感情を電流に変え、強靭な拳に纏わせるのであった。
バルメイ・シエ
危ない、危ないよー。そんなに力んだら楽しめなくなっちゃうじゃないかー。もっと気持ちを軽く持とうよ。例えば、こんななぞなぞはどうかな?Tで始まり、Tで終わり、中身がTで満たされたもの、これなんだ?
正解はこの部屋さ。「T’s C」、紅茶の海を泳ごうか。踊るティーポットと共にこの部屋を沈めていくよ。もっと紅茶を楽しまないとね。
…あれ、なんか電撃放とうとしてる?危なくないかなぁ?ってありゃー、言わんこっちゃ無いなぁ。そんなことしたら感電しちゃうよねー。
えーと、なんか言うことが…あ、そうだ。「取り立てに参りました」、だっけ?



「危ない、危ないよー」
 振り下ろされた電流鳴る拳がタイルに覆われた床を砕く。ぴょんぴょんと跳ねて避けたバルメイは外と違って絶対に安全な部屋の中へ転がり込む。
 中身は乱雑ではなくキレイに整えられており、必要最低限の家具以外の物も置かれている。滞納しているのはお金が無いからではないことは明らかであった。
「オマエ、カッテ、ハイルナ……!」
「そんなに力んだら楽しめなくなっちゃうじゃないかー。もっと気持ちを軽く持とうよ」
 住居侵入犯は腕を広げてニヤニヤとした笑みを浮かべる。
「例えば、こんななぞなぞはどうかな? Tで始まり、Tで終わり、中身がTで満たされたもの、これなんだ?」
 戻ってきたフランケンシュタインは足を止め、考え出すが答えは出ない。
「正解はこの部屋さ。【T’s C】、紅茶の海を泳ごうか」
 指を鳴らしたバルメイの背中を守るようにどこからともなく浮かび上がったティーポットの中から紅茶が際限なく溢れ出す。
「オマ、ヤメロ!? オレノ、コワレル!」
 フランケンシュタインの焦燥をよそに踊るように撒き散らされる紅茶が部屋を濡らしていく。その中には当然ながら水気厳禁な品も含まれていた。
「もっと紅茶を楽しまないとね。……あれ、なんか電撃放とうとしてる? 危なくないかなぁ?」
 自分の財産が壊されることを恐れてか、フランケンシュタインは自分が発する電流の勢いを増させる。だが必要以上の電気が流し込まれても壊れてしまうのではないか、とバルメイは指摘したがフランケンシュタインは自分の身が可愛いのだと思って勝ち誇る笑みを浮かべながら両腕を紅茶の海に突っ込んだ。
「ってありゃー、言わんこっちゃ無いなぁ」
 ショートして黒焦げになった電子機器を見回しながら、紅茶の海に浮かぶバルメイは肩をすくめる。
「そんなことしたら感電しちゃうよねー。えーと、なんか言うことが」
 普通の水と違い、電撃を流して良い物と良くない物の判別出来るティーポットのマジックに気付けなかったフランケンシュタインは膝をつき、紅茶の海に頭を沈める。
 それはショックからかオーバーフローからか。
「……あ、そうだ。『取り立てに参りました』、だっけ?」
 バルメイが文言を思い出しても、気を失ったフランケンシュタインの口からは空気の泡が等間隔にしか浮かんでこなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

赤星・緋色
んー、ちゃんと扉開けて出てきてくれたし
悪魔さんへの加減が分からないからトラップ床を利用しようかな

「ふははははー、私こそは悪の家賃強制取立人!
の代理だよ
という訳で実力行使で家賃回収しまっす」
挨拶ついでに相手の近くの床タイルを数枚撃ち抜いておきます

戦闘は来た時と同じで地形も駆使した相手斜め上方からの射撃
攻撃が外れても床トラップの巻き込みが狙えるからね
相手が踏んだタイルは安全な床タイル
言い換えればその隣の色は罠タイル

「こんなこともあろーかと、ちゃんと電撃耐性のある防具で来たからね
そっちの攻撃は効かない(といいな)よ!」
(パンチそのものが防げるとは言ってない)

相手がギブアップしたら家賃取り立てていこ



「ふははははー、私こそは悪の家賃強制取立人! ……の代理だよ? という訳で実力行使で家賃回収しまっす」
 高笑いを決めた緋色は手すりを壊す勢いで振るわれた拳を跳び避けると落ちる前に足を照明に引っ掛けながらガトリング砲を構えた。
 斜め上方からの射撃に、籠城を決め込んでくるかと思いきや、ちゃんと扉開けて出てきてくれたフランケンシュタインは腕を組んで防ぐのみ。
 しかし狙いはそれだけでは無かった。
 相手が踏んでいるタイルは安全な床タイル、言い換えればそれ以外の色は罠タイルである。
 もし攻撃が外れたとしても床トラップへの巻き込みが狙えるとなれば、周りにある危ない罠を発動させるタイルを撃ち抜くのはそうおかしな話ではない。
 また頑丈だと聞きつつもどこまでなら耐えれるかという加減が分からない以上、初めから悪魔向けに作られているはずのトラップに頼るのはアンパイであった。
 タイルが砕け散ると同時にその周囲の床が跳ね上がり、巨体が宙に浮く。
「ぬあっ!?」
 一方で緋色がぶら下がっていた照明が屋根ごと外れてしまい、突然の出来事に動揺して空を蹴ることも出来ずに精巧なヘビや虫の作り物と一緒に落ちていく。
 こういうトラップが近くにある、と事前に分かっていたからかフランケンシュタインは拳をギュッと握り締めると全力で振り抜いた。
 跳び上がる者と落ちていく者の放物線が交錯し、小柄な体が重力とは違う方向へと撥ね飛ばされる。
 ただフランケンシュタイン向けに広めに設計された通路の壁に叩きつけられる前に緋色は体を回してガトリング砲を撃ち、その反動で勢いを殺すことで消火栓の箱の上に着地した。
「こんなこともあろーかと、ちゃんと電撃耐性のある防具で来たからね。そっちの攻撃は効かないよ!」
 強がりの言葉を吐くも、パンチそのものの衝撃は潰し切れていない。バーチャルキャラクターで無ければ血反吐を吐いて骨も何本か折れていて誤魔化すことは出来なかっただろう。
 だが、まだ動ける。
「ほらほら、私を止めてみなー!」
 壁を背に、緋色は再び大量の弾丸を地面にばら撒いていく。すると再び床に撥ね飛ばされたフランケンシュタインは突然飛び出した通路の両の壁に挟み潰された。
「グッア……」
 拘束から解放されるも、圧に耐え切れず倒れたフランケンシュタインの頭に砲口を突きつけた緋色は息を吐いてから改めて問いかけた。
「さて、もう一度言うよ。溜まった家賃、払っていただけますかー?」

成功 🔵​🔵​🔴​

ティー・アラベリア(サポート)
家庭用人形ティー・アラベリア。ご用命を受け参上致しました!
わぁ!今回は敵がいっぱいなのですね!
沢山燃やして、皆様の戦闘をご支援します。
ふふふっ、楽しみですね!

・基本行動
火力支援によって、他の猟兵の活躍をサポートするように行動します。
魔導波探信儀の偵察・索敵・地形把握機能で取得した敵味方の位置情報と地形情報と連動させ、92式魔杖による広範囲の火力投射(援護射撃・制圧射撃)によって味方の行動を援護します。
その他、必要に応じて90式魔杖を使用した狙撃、95式魔杖を使用した対空戦闘を実施します。

・UC使用
支援が必要な場合:突撃破砕魔導射撃
火力が必要な場合:砲撃妖精突撃射撃

※アドリブ・連携歓迎です※



「家庭用人形ティー・アラベリア。主様からのご用命を受け参上致しました」
 そう言って開かれた扉の前で綺麗な礼をとったティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)の姿にフランケンシュタインは困惑する。
 それもそのはず、フランケンシュタインは家事手伝いの予約など取っていなかったからだ。正直に他の部屋と間違えているのでは……と言おうとしたが、ティーは大柄なフランケンシュタインの腕の下を通り抜け、部屋の中へ入っていった。
「チョッ、チョット!」
 堂々とし過ぎている侵入劇にフランケンシュタインが慌てて振り返る中、ティーは一切の躊躇も無くリビングと玄関を分ける扉を開け放った。
「これはこれは、かなり散乱しておりますね。しっかりお掃除しなければ」
 リビングは一人暮らしの男には珍しく広く、床にゴミや脱いだままの服もなく、綺麗に整えられていた。が、ティーの目にはそのようには映らなかった。
 ティーは最初から持っていた杖を室内へ向けると何の躊躇も無く魔力を放ち、中央を核として爆発を引き起こす。
 見るからに高級そうなテーブルも、ソファーも、テレビも、何もかも全て木端微塵を通り越して初めから無かったかのように消滅した。しかし床や窓には一切の傷がついていない。見事な「お掃除」である。
「ナ、ナニスルダー!?」
 驚愕と抗議が入り混じった声にティーは真顔のまま小首を傾げる。
「何、と。ボクは主様からの命令に従ったまででございます。この書類に書かれている部屋の者が家賃を払わなければ部屋を掃除しても構わない、と」
 ここでフランケンシュタインは自身の思い違いに気づいた。この家事手伝いの言っている「主様」は自分ではない、「大家」であると。
 そんな住人を無視して次の部屋の掃除に移ろうとするティーを止めるべく、フランケンシュタインは体内の発電機を作動させる。
「ミ、ミタメデダマサレタ! ダガ、ワカッタカラニッ……」
 しかし、喉元に先ほど部屋を更地にした杖の先を突き付けられた瞬間に動きを止められた。呼吸もせずじっと自分を見つめるティーの目には何の感情も浮かんでいない。それによってもたらされた恐怖は、フランケンシュタインの心を折った。
「ワカッタ、ハラウ! ハラウカラ、コレイジョウハヤメテクレエエエエエエエ!」
 情けない声で命乞いをする哀れな悪魔に向けて、ティーは口角を上げてニッコリと微笑んだ。
「では、すぐに主様へ上納するはずの物を頂きましょうか。そうすれば、主様の望みは叶えられ、ボクの仕事の量も減りますから……☆」

成功 🔵​🔵​🔴​

マリア・ルート
いやあんたらがD払わないから面倒なことになってるのよ!
騒音立てたくもなるわよ!取り立てたらさっさと帰るから!

ああもう、ちょっと自棄にならないでよ!一回ちょっと――一度、頭、冷やそうか?(笑顔で【使用UC】で剣をフランケンシュタインの目前に落としながら、「戦闘知識」を使い次どこに移動してくるか予測しなるべく直接傷つけないようにする)

いい?あんたらがD払ってくれれば全てすむの。
うるさくしないですむの。
あんたらを寝かせられるの。ゆーのぅ?

はい、わかったらさっさとD払う。
これでまだ払わないなら――少し、傷つけないといけなくなるわよ?
私、なるべく傷つけたくないんだからね?(武器を背後に多数浮かべながら)



「いやあんたらがD払わないから面倒なことになってるのよ! 騒音立てたくもなるわよ! 取り立てたらさっさと帰るから!」
 ここに来るまでトラップの雨霰に晒されてきたマリアは顔を真っ赤にして言い返す。その正論にフランケンシュタインは逆ギレしながら拳を振り上げた。
「ダマラッシャー!」
「ああもう、ちょっと自棄にならないでよ!」
 先程までマリアがいた場所に拳が叩きつけられる。すると跳び退いたマリアの着地地点へ目掛けて大量の水が降り注いだ。
「一回ちょっと――」
 自分から突っ込む形でびしょ濡れになってしまったマリアは口を閉じると俯く。そんな様を見たフランケンシュタインは指を鳴らしながら腕に電撃を纏わせた。
「オマエ、イッパイミズ、カブッタ。コンドニガサナイ」
 長く息を吐く音が響く。
「……一度、頭、冷やそうか?」
 いつの間にか天井にぶら下がっていた白銀の刃がフランケンシュタインの前を音を立てて過ぎ、床に叩きつけられる。
 フランケンシュタインがそれを目で追うとその刃は硬いはずの床を貫いて階下に落ちていった。
「いい? あんたらがD払ってくれれば全てすむの。うるさくしないですむの。あんたらを寝かせられるの。ゆーのぅ?」
 地を這うような声で呟くマリアの声にフランケンシュタインは慌てて顔を上げる。
 そこでは滴る水を拭おうともしないマリアの周りに大量の武器が浮かび上がっていた。
「はい、わかったらさっさとD払う。これでまだ払わないなら――少し、傷つけないといけなくなるわよ?」
「ハッ、イマノデオレ、ビビラセタトデモ――」
 未だに自分の優勢を疑わないフランケンシュタインの耳元を巨大な斧が横切り、壁に大穴を開ける。
「ねぇ。私、なるべく傷つけたくないんだからね?」
 フランケンシュタインの頬に横一文字の傷がつき、血が薄く流れ始める。それは決して体に多大なるダメージを与える物では無かったが、本能に訴えるには十分な傷であった。
「ヤ、ヤチン、ハラエバ、カエル、ノカ?」
「さっきからそう言ってる。……早くしなさい」
 苛立つマリアの気持ちに沿うように、全ての武器の切っ先がフランケンシュタインに向けられる。それを見せられたフランケンシュタインは慌てて戻ると、すぐに大量のDが入った袋を持って来た。
「ホラ! コレデイインダロ!」
「ひーふーみー……ええ。確かにいただいたわ」
 マリアが頷いた瞬間、フランケンシュタインは扉を勢いよく閉める。しかし先程開けられたばかりの穴から、すぐに布団へ潜って震える様が丸見えとなっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蛇塚・レモン(サポート)
いつも元気で優しく快活な性格
その身に蛇神と妹の魂を宿す20歳の娘
霊能力と保有する技能及びアイテムを駆使して事件解決を試みます

普段の口調は語尾に『っ』を多用します

時々「蛇神オロチヒメ(裏人格)」ですが老人口調NG
UCで召喚されると巨大な白蛇として顕在化

戦闘スタイル
召喚術士だけど前衛役も出来るパワーファイター
武器は蛇腹剣と指鉄砲から放つオーラガン
基本的に脳筋だけど、左目の蛇神の眼力の催眠術で敵に幻覚を見せたりUCで行動不能に陥らせたり絡め手も得意

多少の怪我は厭わず積極的に行動
また、例え依頼の成功のためでも、他の猟兵に迷惑をかけたり、公序良俗に反する行動はしません
あとはお任せ
よろしくおねがいします!



「こっんにちはーっ! 集金に参りましたっ!」
 扉を開けた先には蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)が満面の笑みで待ち構えていた。その元気いっぱいの大声は寝起きの頭にガンガン響き続けていた。
「ウル……サイ!」
「うおっと」
 苛立ちと共に振るわれた拳をひらりと躱したレモンの左目が怪しげに光る。するとフランケンシュタインの体が後ろから何かに引っ張られているかの如く、動かなくなり始めた。
「グッ……グッ……!?」
「ほら、早く家の中に戻ってお金を取ってきて! この間もたっかい出前を頼んで豪遊してたことは大家さんの調べで分かってるんだよ!」
 貧乏だという言い訳を事前に封じたレモンにフランケンシュタインは呻き声を上げる。
 しかしその声は憤怒の意のみを込めた物では無かった。
 フランケンシュタインの両腕から発せられるバチバチという音にレモンは厳しい視線を送る。
「グガァァァァァァッ!」
 予想通りに電流が表出した両腕が振り上げられ、レモンに向けて振り下ろされる。しかしフランケンシュタインが叩いたのは全くの検討外れの場所だった。
「ここまで簡単にかかっちゃうとかかっちゃったで不安になっちゃうな……」
 電流によって知性を飛ばしてしまったフランケンシュタインが自分が見ている物がレモンの左目の蛇神の眼力の催眠術で見せられた幻覚だと認識出来ず、闇雲に攻撃を繰り返す。
 その度に不可視の鎖がフランケンシュタインの体に巻き付き、雁字搦めにしていき……最終的に直立不動の体勢で横倒しにさせてしまった。
「払う気が無いっぽいから、勝手に家探しさせてもらうよ。恨まないでね!」
 今自分が置かれた状態を理解出来ないまま喚き続けるフランケンシュタインを跨いで、レモンはそこそこに高級そうな家具が置いてある室内へと踏み込んでいく。
 そこから金目の物を漁っていこうとしたのだが、財布や通帳もテーブルの上に置いてあったり、引き出しを開けて一番上に入っていたりと色々とガバガバであった。どうやら一人暮らしだったかつ外の罠の山にうつつを抜かして防犯意識が希薄な物となっていたようだ。
「うーん、現金だと滞納してる分には足りないなぁ。通帳の中には十分入ってるけど……」
 このまま通帳を大家の元へ届けても暗証番号は知らないし、フランケンシュタイン自身がいなければ引き落とすことも叶わない。
 どうしようか首を傾げたレモンの頭に突然天啓が舞い込んだ。
「あ、そうだ。こいつごと大家さんの所に持っていけばいいんだ。あたいってば頭良いね!」
 そうと決まれば善は急げである。レモンは鎖の先を掴むと大柄なフランケンシュタインの体を引きずりつつ地上へと降りていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『デビルドラゴン』

POW   :    ドラゴニックコンボ
【黒竜の爪】が命中した対象に対し、高威力高命中の【尻尾攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ノヴァブレス
【漆黒の炎】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    魔竜軍団
召喚したレベル×1体の【ドラゴン】に【黒き炎の翼】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 タワーマンション最上階の部屋。
 そこはマンションの中で最も見晴らしが良く、最も広く、最も家賃が高い場所である。
 本来ならば、その部屋は貸し出されておらず無人のはずだった。
 しかし今は招かざる者が我が物顔で陣取っていた。
「……先程から下が五月蝿いな」
 今までの取立て人が罠に引っかかり続けてる物とは違う異音に、竜の表情は険しい。
「とうとう大家も我慢の限界が来てとんでもない傑物を雇ったと見える。……だが、デビルキングとなる我の前では誰を寄越しても無駄だと証明してみせようではないか!」
 竜が一吠えするとほぼ同時に、来訪者を告げるチャイムが鳴らされた。
バルメイ・シエ
ぴんぽーん、邪魔するよー。え、邪魔するなら帰ってって?そうは問屋が卸さないんだってー。え?許さないだっけ?まあいいや。
戦う気が満々なら、僕も本気でいこうかな。【柘榴石〜】は、僕の思いのままの事象を起こす杖。…そう、君の攻撃はどう頑張っても当たらないのさ。だって、「躱し続ける」ことを願っているからね。逆に、杖一振りで、僕は炎だって雷だって、小さな星一コだって落とせる。
…僕の一撃でトドメは刺せないだろうけど、代わりに致命的な一撃、食らわせてあげる。不思議で、異次元な、魔法の力で!
…もちろん加減してマンションは壊さないよう努力はするけど、もし壊しちゃったら…その時は「運までワルだった」で済ましてね。



「ぴんぽーん、邪魔するよー」
 口でもチャイムを再現しつつ、住居の中に入ってきたバルメイはリビングへと繋がるドアを勢いよく押し開ける。
「よくぞここまで来たなギャングどもよ! しかし我が覇道を邪魔するのであれば、容赦はせん!」
「え、邪魔するなら帰ってって? そうは問屋が卸さないんだってー。え? 許さないだっけ? まあいいや」
 奥から威勢よく聞こえてきた、ふんぞり返っている不当占拠者の名乗りは無視し、バルメイの興味は「物事はそう簡単には運ばない」ということを示す諺の正誤に移っていた。ちなみに「卸さない」が正解である。
 自分が長年あっためてきた名乗りが適当に流されたことに腹を立てた竜は無言で床を蹴るとバルメイとの距離を一気に詰め、赤く鋭い爪を生やした手を叩きつけてきた。
 横に避けたバルメイははやる鼓動に合わせるように何度も跳ねる。
「おっとっとっとぉ……戦う気が満々なら、僕も本気でいこうかな」
 そう言って取り出したるは柘榴石で出来た杖。ただバルメイはそれで叩いたり魔法を撃ったりするのではなく、まるでダンスを踊るかのように両の手で扱いながら部屋中を回り出した。
「なぜだ、なぜ当たらん!」
「この杖は、僕の思いのままの事象を起こす杖。…そう、君の攻撃はどう頑張っても当たらないのさ。だって」
 「躱し続ける」ことを願っているからね、という言葉の通り、躍起になって振り回される爪はバルメイの肌に当たりそうで当たらない所ばかりを通過して床や壁を叩く。
 苛立ち混じりに竜は切り裂いたばかりの傷に尻尾を叩きつけたが、それで飛んだ破片すらもバルメイには当たらない。
「逆に、杖一振りで、僕は炎だって雷だって、小さな星一コだって落とせるんだ」
 実証を済ませたバルメイは竜の攻勢が疲れから鈍ったタイミングでゆっくりと杖を振りかざす。
「……僕の一撃でトドメは刺せないだろうけど、代わりに致命的な一撃、食らわせてあげる。不思議で、異次元な、魔法の力で!」
 天井から空気を切り裂くような音がすると同時に室温が急激に上がっていく。それを感じ取った直後、竜は屋根を破りながら落ちて来た巨岩に潰される。
 追加で入ってきた重みに耐えられなかったのか、床は甲高い音を立てて破れ、竜は巨岩ごと下の階へ落ちていった。
「あっちゃー、加減したつもりだったんだけどな。……でも、『運までワルだった』ってことでオーナーさんにはご容赦いただこうかな?」
 残されたバルメイは出来たばかりの大穴を覗き込むと顔を引き攣らせながら頬をかいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

天宮院・雪斗(サポート)
『なせば大抵なんとかなる』
 妖狐の陰陽師×ビーストマスター、7歳の男の子です。
 普段の口調は「子供(ぼく、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、怒った時は「子供(ぼく、呼び捨て、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
  甘えん坊で、頭撫でられるの好き、お姉ちゃんたちに甘えるのも好き。あとはおまかせ(アドリブ・行動OK)です。よろしくおねがいします!



「ヒック……ヒック……エッグ……」
 ひたすら咽び泣く悪魔のお姉さんの前で、獣耳と尻尾の残った人間の姿になった天宮院・雪斗(妖狐の陰陽師・f00482)は仏頂面になって仁王立ちしていた。
 時は遡ること数時間前。「拾ってください」という紙を貼りつけた段ボール箱に座った雪斗は数分も経たない内に、前を通りすがった住民のお姉さんに拾われ、罠にかかることなく難なく侵入を果たした。
 しかしそれ以降が問題だった。
 お風呂に入れられるまではまだ良かった。でも拭きは雑だしご飯は美味しくないし背中に顔突っ込んで呼吸してくるし、嫌がっても「怖がらなくてもいいんでちゅよー」「慣れてないんでちゅねーよしよし」と赤ちゃん言葉で返して続けてくるし。
 こうして甘えん坊・撫でられるの大好きという圧倒的に低いはずのハードルを見事に踏み倒した悪魔に対し、堪忍袋の尾が切れた雪斗は言葉の通じる人間体になった上で「何が嫌だったのか」を滔々と述べるついでにこの住居の家賃を払っていないことも追及した。
 その結果がこれである。
 言いたいことを全部言い終わり、雪斗が長く息を吐いていると天井がミシミシと変な音を立て始めた。
「っ、危ない!」
 異変に気づいた雪斗の焦燥に応え、1匹の狐がドアをぶち破って部屋に突入し、しゃがみ込んでいるお姉さんの服に噛み付くと勢いのままその場から引きずり離す。
「ふ、ふえっ!?」
 突然の力技に驚きの声をあげた悪魔を顔を上げると、鈍い音を立てて天井が崩れ落ちる。そうして出来た穴から巨大な岩を抱えた竜が現れた。
 敵襲を感じ、九尾の狐が全ての尻尾を逆立てて雪斗の前に立ち塞がったが、竜は何もすることなく床を突き破って落ちていった。
 続けてやってきた、燃え盛る翼で飛ぶ小さな黒い竜は雪斗達の姿に気づくと口に炎を溜めたが、放つ前に九尾の狐が放った青い炎に焼かれて落ちていった。
「も、モフモフ……モフモフが、増えた……」
「うわー、危なかったねー」
 腰を抜かしながらも新たに現れた狐2匹に目を輝かせる悪魔の戯言を無視し、雪斗は例の親玉と見られる巨大な竜が作った穴を覗き込むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
 妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
 普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 何枚もの床をぶち抜き、落ちて来た巨岩の勢いが収まったところで竜の体はようやく床に受け止められた。
「ぐっ、ガハッ……よ、よくも、あのウサギめぇ……!」
 竜はのしかかった岩を乱雑に押し退けて怒りに震えながらポッカリと開いた天井を睨みつける。やはり物理的にも音量的にも派手だったのか上の階の住人兼被害者達は興味津々だったり恐る恐る顔を覗かせて下を見ていた。
 自分の無様な姿が見せ物になってしまったことに竜のはらわたはさらに煮え繰り返る中、突然声がかけられた。
「あ、あなたがこのマンションを牛耳ってる人?」
「誰だ、テメェは……」
「こんにちは、焔だよー。で、あなたがこのマンションを牛耳ってる人?」
 竜からの問いかけに四王天・焔(妖の薔薇・f04438)はお行儀良く椅子に座りながら答える。そして無視された自分の問いを改めて言い直すと、竜の機嫌はさらに悪くなった。
「だったらなんだ」
「いや? この程度で満足してるなんて、まだまだだなー、なんて思って」
 こう見えて四王天・焔。デビルキングワールドの某国の立派な国王様である。不法占拠で偉そうにふんぞり返っている輩とは格が違うのである。
 そんなことを外界から自ら隔離した場所で過ごしていた竜が知る由もなく、言葉尻だけを捉えて激しく激昂した。
「黙れちびっ子めが……お前ごとき我の手を煩わせることも無い! やれ我が下僕よ!」
 竜の指示を受けて現れた小さな黒竜が翼に炎を纏いながら焔に迫る。焔は和装メイド服の袖元から素早く護符を取り出して自らの周りに展開した。
『符よ七色の力を顕現せよ。混沌の輝きにて敵を討て!』
 炎・冷・雷・光・闇・心・無。色鮮やかな7色の光線を受けて竜達は撃ち落とされたり見当違いのところに飛んだり、戦意を失って不時着していく。
「この程度でデビルキングに慣れちゃうなら、焔はもうリーチかけちゃってるかも?」
 焔は笑ってることに気づかれないよう口元を隠したが、肩が震えている時点で誤魔化すことはもう出来なかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月守・咲凛(サポート)
対空戦闘機の咲凛です。
空戦用の武装ユニットを装備してます。
私はお姉ちゃんなので、自分が怪我をしてでも戦えない人を守らなければならないのです。
後方への注意はちょっと疎かになりがちで、攻撃を受ける事もあるのです。
オブリビオンにトドメを刺す事を躊躇いませんけど、戦えない相手に対して攻撃するのはかなり躊躇します。
状況次第で武装ユニットを外して囮行動を取る事もあるのです。囮捜査は得意なのです。

戦闘傾向
アジサイユニットを盾として飛ばして身を守りながら、空中での射撃戦を好みますけど、護衛対象がある時とかはアジサイには味方を守らせて自分は敵の攻撃を躱しながらムラサメユニットで接近戦するのです。



「クソッ、どいつもこいつも役立たずめが!」
 苛立たしげに竜はうずくまった小さな竜を手で叩き潰し、さらに尻尾で叩く。八つ当たりをすることで、竜の調子は若干ではあるが落ち着きを取り戻した。
「はっ、今は一城ならぬ一畳の主かもしれねぇがなぁ……俺はもっとビッグになる男なんだよ! ここに収まるような器じゃないってこと、証明してやるよぉ!」
『スラスター全開、行きます!』
「え、なっ!?」
 そんな竜目掛け、上の階からスラスターを全開にさせた月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)が穴を伝って急降下する。
 弾幕など展開しない、全身全霊の超加速モードに気づいた時にはもう間近にまでその小さな体は迫って来ていて、竜は再び床に沈む羽目となった。
「あ、ドラゴンさんごめんなさいなのです! おかげで止まれました!」
 咲凛は慌てて竜の背中から降りて頭を下げる。何で子供があんなとんでもない速さを出して、ぶつかって来たのに無傷でピンピンしてるのか……など疑問点は大量にあったが、一生懸命に謝る子供に怒鳴り散らすほど竜の怒りゲージは盛り返してなかった。
「そうだ。私、分からないことがどうしてもあるんですよ。デビルキングを目指しているドラゴンさんならきっと答えてくれますよね?」
「おお、なんでも聞くが良い。……おい小童。俺が王の器だというところをここで見せてやろう」
 丁寧に丁寧を重ねる咲凛の態度に竜はご満悦になったらしく、その場で胡座をかいて質問の先を促し始める。
「デビルキング法って、とにかく悪いことをすれば良い、って法律ですよね?」
「ああ、そうさ!」
「でも、何かを殺めることは禁じられてますよね?」
「ああ、そうだな」
「家賃を払わないこと、それは悪いことです」
 怪しくなって来た雲行きに竜の眉間に皺が寄り始める。
「でも、家賃が貰えなかったら大家さんにお金がいきません。お金がなかったら生活が出来ません。生活が出来なくなったら、皆死んでしまいます。……それって遠回しにドラゴンさんが大家さんを殺したことになりませんか?」
 そして咲凛は首を傾げながら竜をみつめる。
「そこは……どうなるんでしょう?」
 無垢な問いかけに竜は……何も答えることが出来なかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マジョリカ・フォーマルハウト(サポート)
わしはマジョリカ。深海の魔女じゃ。
使えそうな技能やアイテム、ユーベルコードを使ってやり易いように活躍させて貰えれば構わぬ。
口調とか適当でよい。細かい事は気にするでないぞ。



 無言を貫く間、4つの無垢な瞳にじっと見つめられた竜が取った手段。それは……逃走だった。
 炎を煙幕代わりに吐いた竜は大きな翼で火の手を子供2人に向けた後、そのまま自分が天井に開けた穴へ飛び去りを試みた。
 下の方から怒って叫ぶ声が聞こえて来るが、竜は一切振り返らない。都合の悪いことは聞かない主義でなければ王はやっていけない、なんて屁理屈を頭の中でこねくり回すことに集中していたからだ。
「貴様、どこに行くつもりじゃ」
 しかしそれでお話が終わらないのは世の常である。
 上の階で地道に集金活動を続けていたマジョリカ・フォーマルハウト(みなみのくにの・f29300)が放った水流がデビルドラゴンの体を吹き飛ばし、壁に叩きつける。
「幼子に質問だけさせて答えぬなど、王が聞いて呆れるわ。答えに窮するような質問でも無かったろうに。……つまり『未必の故意』になり得ると思っておった、ということであろう?」
 未必の故意。
 分かりやすく言うならば、「もしかしたらこれで誰かが死ぬかもしれないけど、別にいいや」という、自らの行為から罪となる結果が発生することを望んではないが、もしそのような結果に陥ってもそれはそれで構わないと思う、心理状態を表す言葉である。
 サスペンスドラマで使われることもある単語であるが、マジョリカは暇な時に読んでいた法律について記した本からその存在を知っていた。
「はっ、我が王への道の布石となるのだ! 死んだ直後は不満に思ってもいつかは納得する日が来るであろう!」
 水が止んだタイミングで竜は口から漆黒の炎を生み出し、マジョリカに吹きかける。
 しかしカウンター気味に放たれた塩水に全て飲み込まれ、開き放しだった口内に入ったことで急激に広がった塩味にむせ返ることとなった。
「……いつかは納得する?」
 眉間にシワを寄せたマジョリカは口を拭いながら、これまで自分の元にやって来た客達の姿を思い返す。
 軽症や簡単に治る傷などでは暴言を吐いて帰っていく者ばかりだった。だが切羽詰まった者は、どれだけ法外な値段だと文句を言おうとも、最後の最後には縋り付くように差し出してきた。
 それはなぜか。マジョリカは自分なりに出した答えを竜に告げた。
「死んだら何もかもそこで終わり。だから人は必死に生き続けようとするのじゃ」

成功 🔵​🔵​🔴​

赤星・緋色
一番上の階で、ドラゴンが入れるくらいの大きさって言うと
きっと家賃も高いよね
沢山取り立てできそう
うおぉぉお!

よし、ここは奥義
ピンポンダッシュ!
入口チャイムを鳴らしてからダッシュで外壁側を回り込み
窓から侵入して不意打ちかな
意味あるかわかんないけど

そんな感じで今回はガジェットショータイム
今回ご用意しましたのは魔導蒸気で駆動する振動カッター
ドラゴンの硬い鱗もほら、この様にサクサク切れます!

なんと、私の防具は電撃だけじゃなくドラゴンさんの炎も防いでくれるのだ
熱いのやだからできるだけ避けるけどね

成敗、という訳で溜まってた家賃はちゃんともらっていくね!



 一番上の階で、ドラゴンが入れるくらいの大きさの部屋。その家賃はきっと高い。つまりかなりの額の取り立てが期待出来る。
 そう思って突撃した先にドラゴンの姿は無かった。聞けば先程星に潰されて下の階に落ちてしまったらしい。
 しかしその星を落とした者の手引きで入った部屋に換金できそうな目ぼしい家具は無かった。
「うおぉぉお!」
 故に緋色はプランB・ピンポンダッシュに移行する。どこで止まって、どの部屋に逃げ込んだのか分からないのであれば、片っ端から当たるしかないからだ。
 とりあえず1つ下の階から、ある部屋のチャイムを全て鳴らしてから猛ダッシュで外壁に飛びついて回り込み、ベランダ側に移って中を確認する。
 部屋に戻ってきたらベランダで見知らぬ人が笑顔で手を振っている、というドッキリを何度も繰り返した末に緋色はようやく本命にぶち当たった。
「みつけましたよー」
 意味があるかは分からないが、何となく不意打ちになればいいなー、という理由で窓を蹴破って中へ突入する。
「げほっ、今度は何だ!」
「何だと言われましたら、取り立て人ですねー」
 床にぶち撒かれたガラスを蹴りつつ、緋色は肩をすくめる。
「でも、ドラゴンさんお金も換金出来そうな物も何も持ってらっしゃらなかったんですよねー。だから体で払ってもらいたいなー、って」
「ふ、ふざけるな! 王たる我が庶民に金を」
 竜の主張を無視し、緋色は何かを取り出した。
「そんな感じで今回ご用意しましたのは魔導蒸気で駆動する振動カッター」
 チェーンソーめいた見た目のそれの電源を入れた緋色は流れるように竜へ近寄ると、おもむろにその左腕を切り飛ばした。
「ドラゴンの硬い鱗もほら、この様にサクサク切れます!」
「や、やめろぉ!」
 まるで実演販売のスタッフのように話しながら、流れるような手つきで自らの体をバラバラにしようとする緋色に竜は悲鳴をあげながら炎を吐く。
 緋色は鱗を剥ぎ取りつつ距離を取った。一応服は静電性だけでなく耐火性も万全であるが、近くにいて熱いことに変わりないからだ。
「もう、大人しくしててくださいよっ、と!」
 だからこそ邪魔となる炎を生み出している首を、何の合図も無くはね飛ばした。
 鬱陶しい存在が無くなった緋色はマイペースに竜の解体を進めていく。
「成敗、という訳で溜まってた家賃はちゃんともらっていくね!」
 たんまり重なった鱗を持ち上げつつ緋色は部屋を後にし、残された首は割れた窓から入ってきた風に流されて散っていった。
 こうして、このマンションで起きた家賃滞納騒動は終焉を迎えた。
 ちなみに勝手に改造された廊下や猟兵の戦いによる傷は、王を自称していた竜の鱗の売上額のみで払い切れたそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月06日


挿絵イラスト