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流し偽りの宝石龍

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #激流のリヴェンタ #ドワーフ

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 ドワーフ。
 人間の3分の2程の身長の小人種族で、男性は屈強でひげを生やし、女性は幼い人間のような容姿をしていることは周知の事実であろう。
 そんな彼らは今でこそ世界各地にいるが、かつては他種族と交流しない閉鎖的な種族で、世界各地の洞窟だけを棲家とし、優れた鍛冶や石工の技術を秘匿していた。
「いわゆる『ドワーフの洞窟王国』はオープンになったいまでも複数現存していて、優れた技術によって整備されております。……下手すれば地上の辺境都市よりも」
 そう言ってルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)は苦笑いを浮かべた。
「洞窟王国には様々な石碑や彫刻が、ドワーフの見事な技術によって全く劣化する事も無く、多数残されているそうです。……今回確認された猟書家の狙っているのは、そんな石碑のうちの一つです」
 その石碑には猟兵達の来訪より遥かな昔、数千人の勇者が帝竜ヴァルギリオスと相打ちになるまでの戦いを綴った「ヴァルギリオス碑文」が刻まれている。
 今までは単純に彼らの戦いを忘れないための記念碑でしか無いと思われていたのだが……猟書家が関心を示したということは何らかの謎が隠されている可能性が高い。
「猟書家の名前は『激流のリヴェンタ』。水攻めを何より好む水魔で、国全体を水没させて住民を皆殺しにした後、碑文の研究をしようとしています」
 リヴェンタは現在進行形で王国の入口から配下のオブリビオンと共に大量の水を流し込んでいる。
 このまま放置していれば王国は水の底に沈むであろう。ただ現状注ぎ込まれている水の量は少なく、オブリビオンの妨害さえなければドワーフでも突破できる程度らしい。
「ただ、これは実力がないわけでも舐めているわけでもなくジワジワと絶望させて苦しめようとしているから、だと思われます。当然、配下が劣勢に立たされたと知らされれば一気に水量を増やすことも出来るでしょう」
 今から新しい出口を掘り開けて避難するには時間が圧倒的に足りず、元凶であるリヴェンタを倒して水を止めてもその間に中に入り込んだオブリビオン達の虐殺が起きてしまってはひとたまりもない。
「なので皆さんにはご苦労をおかけしますが、今回は洞窟王国内に直接飛んでいただきます。王国内であれば地理を熟知しているドワーフ達の力を借り、有利に戦いを進めることができるでしょう」
 そうして話はリヴェンタが解き放ったオブリビオンへと移る。
「で、先兵についてですが、財宝が竜の姿を取った感じの見た目をしています。このオブリビオンを使ってきたのはドワーフ達が知り合いの作品だと勘違いして近づいたところを襲いかかる……という算段とみられます。なので現地のドワーフさん方に物の真偽を聞く必要があるかと。……あ、作品に対する無差別攻撃は止めませんが、たぶん後でひっくり返るような請求書が送られてくると思うんで覚悟してください。自分は一切払う気ないので」
 最後の最後で怖いことを呟き、ルウは猟兵達のみが通れる王国への扉を開けた。


平岡祐樹
 お疲れ様です、平岡祐樹です。ノーモアオブリビオン・フォーミュラを胸に今日も頑張って参りましょう。

 今案件の舞台はアックス&ウィザーズの地下に広がる地下王国の一つ。刻一刻と水位が上がる地を舞台に潜り込んだオブリビオン達を一掃し、猟書家「激流のリヴェンタ」が待つ入口へ突貫していきましょう。

 今案件では全章にシナリオボーナス「ドワーフ職人達の洞窟知識を借りる、あるいは勇猛なドワーフ戦士達と共に戦う」がございます。
 これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
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第1章 集団戦 『武具の財宝竜』

POW   :    黄金の鎧
全身を【黄金に輝くオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD   :    貫く宝槍
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【体】から【貫徹力の高い突進攻撃】を放つ。
WIZ   :    恐怖の兜
【恐怖の兜】に【視線】を向けた対象に、【逃げ出したくなる恐怖や嫌悪を与える呪詛】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ歓迎

「ボクは武器の使い方とか分からないから色々教えてね!一緒に勝とう!」
『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して『スカイステッパー』でSPDを強化して『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃を仕掛けて『神代世界の天空神』で攻撃を空間飛翔して避けて敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化をします。
機会を見て『ジェットストリーム・ラヴハート』でPOWを強化して『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で髪の毛/蛇尾脚/拳で攻撃をします!
『エデンズ・アップル』で黄金の林檎を食べて疲労や怪我をいやします。
ドワーフにも分けます。

「絶対勝つぞ!」


火土金水・明
攻撃を始める前にドワーフのみなさんに、本物の作品か偽物の作品か確かめてもらって、偽物(オブリビオン)の方を攻撃します。「やっぱり、素人の目では分からないものですね。危ないところでした。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】で、『武具の財宝竜』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】【呪詛耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



 水が履いている靴が丸々沈む程度の高さまで達している道を火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は進んでいた。
 この程度の浅さならまだ行動に支障は無い。しかしこれが膝や胸、口までに達したところでオブリビオンに襲われたら……。
「そうなる前にすでに入り込んだ物を一掃する必要がありますね」
 話に聞けばオブリビオンはこの街の中の像だったり商売道具だったりに化けているという。現にこの道には値札の無い像が等間隔に並べられていた。
「わざわざルウさんがああおっしゃった所を見ると、そう容易に見破れる変装ではない……ということでしょうね」
 そう一人呟きながら進んだ先には、水で錆びてしまわないよう外にある商品を店内の高い所に避難させるドワーフ達に混じってティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)の姿もあった。
「みんな、ドンドン上に持っていって! 早く手を空かせてもらって探すのに協力してもらわないと!」
 ティファーナの指示に応えつつ、白い服に身を包んだ女性陣が箸より重い物を持ってきてなさそうな細腕で悠々と鎧や大槌を持ち上げて二階へ駆け出す。
「いやあ、人は見かけに寄らないもんだな……」
「ボクは武器の使い方とか分からないから色々教えてね! 一緒に勝とう!」
「お、おう……」
 目の前の風景と知識が一致せず困惑している様子の店主は、ティファーナからの申し出を空返事する。そんな反応にティファーナが頬を膨らませる中、明は声をかけた。
「すみません、今お手隙だったりしますか?」
 事情を説明して同行を求めれば、明が通って来た道にあった像はこの店の商品とのこと。
「うちの商品に紛れて隠れるなんてふてぇ野郎じゃねぇか。俺の商品知識を舐めるなよ!」
 調子を取り戻した店主はずんずんと明が進んできた道を進んでいく。そして、とある像の前でその脚を止めた。
「……ん? こんなの、俺は仕入れた覚えはねぇぞ?」
「本当? 超カッコイイのに」
 ついて来たティファーナにそう言われた店主は首を振って答えた。
「ああ、たしかに出来栄えは良い……だがこんな良いのは仕入れたそばから売れているべきだ。こんな所にあるような商品じゃない」
「……ここはストレージ品のエリア、ということですね」
 自信満々に頷く店主の言葉を信じ、明は氷の矢を錬成する。
『我、求めるは、冷たき力。』
 一斉の狙撃で矢達磨になった像が無言で痙攣しだし、崩れていく。本来の像ならあり得ないその挙動に明の目は厳しさを増した。
「やっぱり、素人の目では分からないものですね。危ないところでした」
 その振動を合図として、遠くにあった像も複数体動き出す。その視線に明とティファーナは背筋が震えるような悪寒を感じた。
 それは店主も同じだったようで、突然尻餅をつくと手を使って必死に後退りし出した。
 息を荒くしながら険しい表情を浮かべるティファーナの背に白い蛇が浮かび上がり、リンゴを頭の上に落とす。
 地面に落ちる前に受け止めつつ、よりにもよって落としてくるかと抗議の視線を送る頃には蛇の姿は無い。
 閉まっている口から呻き声を漏らしつつ、ティファーナはリンゴに齧り付く。そして残りをおもむろに店主の口に押し込んだ。
「よっし、絶対勝つぞ!『レディースの能力を今こそ見せる刻だよ!』」
 それから拳を掌の中に打って気合いを入れ直したティファーナの叫びに、女性達が一斉に跳び立つ。その後に続いたティファーナに向けて頭部が槍状にしている像が迫る。
『闘神の本気と勇姿を見せるよ!』
 一瞬で装いを変えたティファーナの組んだ手からハート状のビームが放たれる。しかし像はそれをものともせず突き進んできて、ティファーナは素早く空間の狭間へすり抜けた。
「残念、それは残像です」
 その頃、これくらいの威圧感なら慣れっこな明は水飛沫をあげながら滑り込む像の突進をヒラリとかわす。
 そして返す刀でまだまだ残っていた氷の矢を降り落として地面に串刺しにしていくとその全身を眩い金色の光で纏いだす。
 しかしその真上から現れたティファーナから発せられる光によってかき消された。
「つ・ぶ・れ・ろー!」
 縦に一回転して落とされた巨大な蛇の下半身が像を叩き潰す。その衝撃で生まれた波は近くにいたドワーフ達の全身をびしょ濡れにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルシア・ハーヴェイ
いつ襲われるかわからないのは怖いからね。
猶予もあまり無いみたいだし、手早く片付けちゃいましょう。

でも、工芸品の真贋は私じゃ分からないか。
そのあたりはドワーフの皆さんのほうが詳しいだろうし、色々と意見を伺いたいかも。
あと、構造的に脆そうな箇所がないかも一応確認しておこうかな。
ドワーフさん達には怒られちゃうかもだけどね。

攻撃は【POW】で、射撃で少しずつ削っていこうか。
敵の攻撃を受けるのは必要経費と割り切って、敵が飛び込んでくるのを待つよ。

敵が近づいて来たら『UC:刀銃一双』を使用し、
刀で切り付けてからの近接射撃での強力な一撃を狙います。
生命力を吸われるのなら、それ以上の威力を叩き込めばいいハズ。



「侵入した敵は武具や像に紛れているようだ!」
「見慣れない物があれば、近寄らずすぐに警邏の者に通報してくれ!」
 そんな会話をルシア・ハーヴェイ(人間のサバイバルガンナー・f30940)は街頭の土台に腰掛けながら聞いていた。
 いつ襲われるかわからないのが怖いのは、オブリビオンストームから生き延びた者として痛いほど分かっている。
「猶予もあまり無いみたいだし、手早く片付けちゃいましょう」
 しかし工芸品の真贋はルシアには分からない。もし見せられたとしてもそれが好みか否かぐらいしか言えないだろう。故に判断をドワーフ達に任せ切りになるのは仕方ないことだった。
「判断? 勘と記憶頼りだな」
「……それだけ?」
 だが当のドワーフから返ってきたのはそんな頼りない答えだった。
「ああ。素材とか俺や友人が打った物なら間違えようがない。長年見てきたからな。……だが赤の他人の奴はどうしようもねぇ。どうやるかなんて知らねぇし、昨日いなくても今日来たと言われたらそれまでだ」
「……なるほど」
 逆に言えば、長年そこで培ってきた物に対してはちゃんと返ってくると理解したルシアの元へ、金色に輝く竜の像が半身を水上に見せながら突進してきた。
 ルシアはスコープを覗き込み、引き金を引いては弾を込め直す。弾丸が当たるたびに像の表面は削れ、輝きがさらに増した。
「……止まらない! おい、逃げるぞ!」
 ドワーフの手を振り払ったルシアは銃を背にしょって長刀の柄に手を伸ばす。そして噛みつきにかかった像へ居合斬りの要領で斬りかかったが、斬撃は鼻先の手前を通過してしまう。
 そして口の代わりに放たれた尻尾の一振りをモロに食らってしまったルシアの体は低い弾道を描き、建物の壁に激突して止まった。
「おい、大丈夫か!」
「……流石に読まれてましたか」
 毒付きながら、ルシアは差し出されたドワーフの手を取って立ち上がる。そして矢継ぎ早に質問を投げかけた。
「今の、構造的に脆そうな箇所は?」
「……腰だな。ちょっとでも削れちまったら自分の重さで折れちまいそうだった」
 話している間にもトドメを刺すべく像は迫ってきている。
「ありがと、参考になった」
 同じ手は二度とは食らわない。先程剣を抜く間際にスピードを緩めて来たことを思い返しつつ再び射線状に立つ。
 そして相手が緩めた瞬間に一歩前に出て振り抜く。その剣筋は像の顎を捉え、体を大きく退け反らせた。
「遠くなら削る程度でしたが、この距離なら流石に効くでしょう?」
 同時に丸見えとなった腰にルシアは素早く抜いた銃口を押し当て、引き金を引いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定
*アドリブ◎

『フェアリーランド』の壺の中から風精霊/聖霊/月霊/戦乙女を呼んで「ドワーフさん♪戦乙女がご一緒に戦いますから頑張りましょう☆」と言います♪
『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃をします!
『聖精月天飛翔』でWIZを強化して『月世界の英霊』で敵の攻撃を空間飛翔して避けて敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化を仕掛けます!
『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛け『エレメント・セイント・ティファーナ』でSPD/WIZを強化して『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します☆
祈り/浄化/鼓舞勇気を



 王国には現在進行形で水と一緒に宝石竜達も大量に流れ込んできている。
 そして都市の喧騒に紛れ込む前に見つかってしまった竜達は口封じのためにドワーフ達に襲いかかろうとしていた。
 その姿を見てしまったドワーフ達は立ち向かうどころか腰を抜かし、武器を捨てて我先にと国の奥へ奥へ逃げ出そうとする。
「お前ら何をやっている! いつもの訓練を思いだせ!」
 そう叫ぶ上官の声も震え、負の連鎖を止める引っ掛かりにはならない。焦りによる汗が額を伝う中、上から女の子の張り上げるような声が響いた。
「ドワーフさん♪戦乙女がご一緒に戦いますから頑張りましょう☆」
 顔をあげれば、体格からは持ち上げられそうにない大きさの壺を吊り上げて飛ぶ祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)の姿があった。
 そしてその壺の中からは風精霊に聖霊、月霊や戦乙女といったよりどりみどりの軍勢が控えている。
 それらが出る前に封じようと竜のうちの何体かが飛び立ち、ティファーナに襲いかかってきた。
「うわっと!?」
 とっさに壺を宙に投げることで身軽になったティファーナは突進を間一髪のところで避ける。一方で回転した壺が竜の顎に捉えられて粉々に破壊される前に精霊達は外へ飛び出した。
『歌唱う、我らが精霊・聖霊・月霊よ♪ 歌い、踊り、唄い、舞踏れ♪ 素ノ源ヨリ来タレリ…』
 精霊達が持つ弓から撃たれた大量の矢が竜の体に当たり、ティファーナの指した部位を閉鎖された洞窟の天井に突然浮かび上がった3つの月から落ちてきた光の柱が撃ち抜く。
 そして竜に刺さったそれらは前触れもなく膨らむと、竜達の体を地面に釘付けにさせた。
「よし! それでは……!」
 黄金の輝きを放ちながら抜け出そうと暴れるが、思うようにならない竜達を尻目にティファーナはあらゆる魔力を強めて、逃げ惑うドワーフ達に向けて飛んでいく。
『歌唱う、精霊・聖霊よ♪ 癒し、治し、生命の灯火を再び与えたまえ…⭐』
 治癒の力を込めた歌声が、植え付けられた恐怖心を散らせていき、ドワーフ達の足が次第に緩まり止まる。
「あれ、俺たちはなんで……」
「逃げてる場合じゃねえ! は、はやく守らねぇと!」
 そして職務を思い出して慌てて持ち場へと戻り、地面に捨てた得物を拾い上げながら竜達へ挑みかかる。
 どれだけ攻め立てられても、竜から放たれる光は強まるどころか弱まっていく一方であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミラン・アレイ(サポート)
明るく元気でマイペース系なドラゴン女子だよー。語尾は伸ばしがち。思考は柔軟にシンプルに。共感型なところもありつつ芯はある感じ。おもしろいことや楽しいこと大好き。シリアスも大好き。行動原理は「人の助けになりたい」かなー。
スキルやユーベルコード は使い所では遠慮なく使うよー。
戦闘はパワープレイに寄りがちだねー。オーラ防御で攻撃弾きながら剣で斬ったり、怪力でぶん殴ったり。ドラゴンっぽく、竜翼で飛んで空中戦しかけたり、ドラゴンブレス吐いたりもするよー。あと、味方のサポートに徹するのも好き。
あとはお任せでアドリブ歓迎だよー。


ベイメリア・ミハイロフ(サポート)
メイン参加者さまのお邪魔にならぬようにしつつ
状況を見て行動を行おうと思います

日常では、まったりのんびり楽しみたいと思います
探索が必要であれば、情報収集・聞き耳を活用し
さりげなく目立ちすぎない程度に行動を

戦闘での行動は、絶望の福音又は第六感・見切りにて相手の攻撃を予見し回避又はオーラ防御・武器受けからのカウンターを狙いつつ
広範囲に敵がいます場合にはRed typhoonを
1体に対してはジャッジメント・クルセイドにて攻撃をいたします
チャンスがあれば早業・高速詠唱からの2回攻撃を
回復が必要なら、この身を削ることになろうとも、生まれながらの光を使用いたします

呼び方ファーストネーム+さま
一人称:わたくし



 雪崩れ込む宝石竜を蹴散らし続けても、それを補充するように新たな宝石竜が送り込まれてくる。
 その様は、襲って来た竜の頭部をメイスで砕き散らせたベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)の脳裏に過った嫌な予感が知らせていた通りだった。
「……どういたしましょう。このままでは持久戦で負けてしまうのはこちらですね」
 元々の排水機能を超える量の水が流れ込んでいる今のままでは水の底に沈んで窒息死させられるのは当然の道理。それに今はまだ真水であるが、これに毒を混ぜ込んだり熱湯にしたり、そもそもの水量をさらに増すなどすることで早期の決着を狙うことを相手は出来る。
 今のところの戦果だけを見ればこちらが圧倒しているように見えるが、生殺与奪の権を持っているのは未だに相手の方であった。
「強行で外に出るべきでしょうか……ですがまだ隠れている敵が残っていたら……」
「何かお困りかなー?」
「ひゃっ!?」
 突然上から逆さまの状態で視界に入り込んでしたミラン・アレイ(ドラゴンガール・f29182)の姿に、ベイメリアは思わず悲鳴をあげる。
「おっと驚かせちゃったかー、ごめんねごめんね! で、わたしは何をすれば良いのかな?」
 翼を使って器用に空中で逆さまになっていたミランは元の姿勢に戻ると剣を抜き放つ。その刀身から小さく鳴る音にベイメリアは真顔になり、真剣な眼差しでミランの目を見つめた。
「この地に忍び込んだオブリビオンの一掃を。……それさえ叶えばあとは打って出るだけですので」
「まっかさーれたー。これなら一瞬でやれるけど……でも、今すぐにやったらマズイよね?」
 そう言ってミランはベイメリアの足元を見やる。水深はすでに膝を超える位置にまで達していた。
「そうですわね。少なくとも、ドワーフの皆様を水から離さなければ」
 ベイメリアは真紅のシスター服から小さな箱を取り出して頷く。
「ですが、お任せください。一時の猶予さえ頂ければ、必ず」
「わかったー。その間はわたしがカバーするね」
 非戦闘要員のドワーフ達はすでに高台へ逃げ込み、水に浸かっているのは戦闘中の者のみ。
 竜によって植え付けられた恐怖心によって逃げ出し隠れている心配もあったが、洞窟という狭い場所で高層の建物を作ることは出来ない。そのため空を飛べるミランからその姿は丸見えであった。
「ドワーフ様、助けに参りました! こちらの箱に入れば……」
「ああ、ありがとう! これで、助かるんだな!」
 詳しい説明をする必要も何のトラブルもなく恐怖に取り憑かれた者達を早々に確保出来たベイメリア達はドワーフと交戦中の宝石竜を横から叩き飛ばして安全を確保してから箱を差し出した。
「あ、ありがとうございます……」
「いえ、そんなことよりこちらに触れてください!」
「で、ですが、我々が退避してしまえば一気に攻め込まれて……」
「大丈夫です、ほんの数分入っていただくだけですので……」
 まだ戦う意欲がある者は今後の展開を思って躊躇する姿勢を見せたが、ベイメリアの必死の説得に気圧されて箱の中へ吸い込まれていく。
 その間無防備になっている所を襲いかかろうと竜達も飛びかかってきたが、その前にミランが立ち塞がった。
 口から吐かれたブレスで遥かに大きくて重いはずの竜を吹き飛ばし、細腕からは想像出来ないほどの怪力で受け止めて豪快に投げ飛ばすだけでなく、その体を他の竜達に巻き込ませることで攻撃の勢いを止めさせてしまった。
「ミラン様、終わりました! 次の案内をお願いいたします!」
「おっけー!」
 そして陸上にいるのがベイメリアと竜だけになったところでミランは大きく息を吐く。
『雷刃よ疾れ――』
 その声が耳に入った瞬間にベイメリアも箱の中へ避難する。そうして持ち手がいなくなった箱が水の中へ沈むとほぼ同時にミランを中心として円状に拡がる鋭利な雷の刃が放たれた。
 水に触れた瞬間、刃は溶けるようにその形を崩したが一気に拡散して王国全体を駆け巡る。
 そして電気が通りやすい金属の体を持った竜達は逃げる間も与えられないまま感電し、無言で倒れ伏していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カルロス・エルウラカン(サポート)
確かに使命の為に躍起になる私達は『化け物』かもしれません…あなた達から見れば理不尽かもしれませんが大きな厄災が起こる前に改めて骸の海へ戻って頂きます。

行動
探索の際は痕跡から手掛かりを得る様に努めます。
囮の際は率先して受け持ちます。

戦闘
正念場ですから、少々力押しになりますが私も全力を持って応えねばなりませんね。
隙を見せるので大ダメージを受けるリスクは大きいですが『ジャスティス・ペイン』で身体能力を底上げして【大連珠】を武器として拳に巻き近接戦闘に移らせて頂きます。

その他
もしも、勝利できたのなら勝ったことを喜ぶ前に倒した相手に弔いの祈りをしておきたいですね…。

アドリブ共闘OKです



「……あとはもう、来る物のみに注力すればよろしいのですかね?」
 触れている水から痺れがきていないことからもう滞留してないと分かっていても、何となく怖さを感じているカルロス・エルウラカン(復讐の仮面・f06567)は倒れ伏した宝石竜を横目で見つつ、王国の出入口へと足を進めていた。
「独自の光源が無ければ、光挿す方にのみ進めば良かったのでしょうが」
 この王国の地理に詳しくはないし、住民はこぞって避難してしまったため呼び止めて話を聞くことは出来ない。
 しかし水が流れ込んできている方向、竜を食い止めるために武装をしたドワーフ達がこぞって向かっていた低い場所などから概ねの見当はつく。
 そして感電した竜と戻ってきた警邏の数が増えていくたびに確信へ変わっていった。
 先程の雷は外にまで伝わったのか、水量は増減せずとも今まで一緒にしていた竜は混じっていない。そこから導き出された予想は。
「気絶している今こそ、打って出なければですね」
 お年寄りでも上がりやすいように工夫されたのであろう角度の緩い坂道を嘲笑うかのように勢いよく流れる水流を大足で跨ぐように進むカルロスの希望を裏切るように、外からの光が差し込んできたタイミングで巨体が流れてきた。
 遮られた光でそれを予期したカルロスはすぐさま握り拳を振り切り、鈍い音と共に竜を突き返す。
 大きく後退した竜は反り返った体勢を立て直すと眩い黄金のオーラを全身に発しながら水の後押しを受けて再び突進を仕掛けてきた。
「この程度では止まりませんか。ならば……」
 水で足を取られないよう、地面に深く踏み込ませたカルロスは大連珠を痛みが残った拳に巻きつける。
 そして先程殴った場所とほぼ同じ場所に向けて、豪快に叩き込んだ。
 一刻の間を置いて竜の体全体に亀裂が入り、バラバラとなってカルロスの後ろへ飛び散る。
 しかしそれらが再び集まって形を成すことはなく、水に飲まれたまま坂道の一番下まで流されていくのみであった。
「……もし高名な方が作られた物であれば申し訳ないことをしました。ですが、どうか恨まないでください」
 作り手が「人を害するため」にあの竜を作り出した訳では無いことを信じて謝意の言葉を呟いたカルロスは日の光が差し込む地上へ自らの体を晒した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『激流のリヴェンタ』

POW   :    ウォーターハザード
【何もかもを押し流す破壊的な激流】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    わたくしのアクムにようこそ
【幻術の霧】を降らせる事で、戦場全体が【激しく渦巻く水流の中】と同じ環境に変化する。[激しく渦巻く水流の中]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    フリージングレイン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【身に纏っている水属性のオーラ】から【最大数レベル×10発】の【氷晶の弾丸】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠一郷・亞衿です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「うふふ、猟兵の皆様方も紛れておりましたか」
 水流を逆走してきた猟兵とドワーフ達の姿を見て、猟書家「激流のリヴェンタ」は余裕そうな笑みを真顔へと変える。
「これならジワジワといたぶらずに一気に沈めてしまえばよかったですわ……いや」
 何かを思いついたリヴェンタは首を振ると猟奇的な笑みを浮かべる。
「どうせなら貴方方ごと押し戻して沈めて、微かに差し込んだ希望を踏み躙って、絶望の中で死んでもらった方がよろしいですわ。……そう考えれば、来る余裕を与えたのは正解でしたね」
 王国へと流し込む水を自らの身に纏わせたリヴェンタは両腕を大きく広げて叫んだ。
「私は醜く膨らんだ死体の臭いの中でヴァルギリオス碑文を読み込みたいの。猟兵の皆様もその一端になってくださらない?」
ルシア・ハーヴェイ
オイオイオイオイ……。
アンタ、戦場に出て余裕かましてる場合かよ!?
どれだけ強いかは知らねぇが、
敵を軽く見てるヤツは長生きできねーぞ。

……っと、頭に血昇らせてる場合じゃねぇか。
丁度、敵の攻撃は水使ってくるみたいだし頭冷やさんとな。

とりあえず、敵に近づかんことには話にならんなぁ。
遮蔽物を生かして、隠れたり跳んだりしたりして
敵の水流を避けられないか試してみようか。

なんとか近づけたら【UC:刀銃一双】で切り込みに行くか。
どこ狙えばいいかわからんけど、
元の形がなくなるまで打ち続ければ問題ないだろ。



「オイオイオイオイ……。アンタ、戦場に出て余裕かましてる場合かよ!?」
 リヴェンタの余裕綽々の笑みにルシアは眉間に皺を寄せ、怒りを吐露する。
「どれだけ強いかは知らねぇが、敵を軽く見てるヤツは長生きできねーぞ」
「小娘が先ほどから煩わしいですわね……なら、まずはあなたのいる方から」
 そうつぶやいたリヴェンタの纏っている水が膨らんだかと思った瞬間、ルシアの体は水に飲まれていた。
 咄嗟ながら口を固く紡いで息を止め、ルシアは痛みを覚えつつ見開いた目を恐ろしい勢いで横切る物体に向ける。
「ぶっは!」
 そして偶然進路にあった岩に体を強引に引っかけると、その陰に体を滑り込ませながらびしょ濡れになった頭を振った。
「……っと、頭に血昇らせてる場合じゃねぇか」
 こうしている間にも壁がわりにしている岩にはおびただしい量の水が打ち付けられており、このまま放置していれば粉々となった岩と共に再び流されてしまうだろう。
 物理的にも精神的にも頭を冷やされたルシアは濁流が来ていない場所に狙いを絞ると、水を含んで重くなった服を引きずることなく飛び出していく。
「あら、何かに引っかかっちゃったかしら? でも……何度も飲まれたら流石に耐えられないでしょう?」
 中から脱出出来たことが意外だったのか、リヴェンタは目を丸くしながらも落ち着いて指先を向け直すと水の流れもそれに倣って動き出す。
 自分よりも遥かに大きく太く重いはずの木も岩も薙ぎ倒す水流を間近に肌で感じつつ、ルシアは徐々に徐々にその距離を詰めていく。
 どこを狙えばいいかはわからないが、元の形がなくなるまで打ち続ければ問題ないだろう。
『傷ができれば、そこが弱点になる。』
 そう信じて、ルシアは剣を抜いて斬りかかる。そしてその斬撃は水を産み出す源流を切り裂いてリヴェンタの体を露わにした。
 ルシアはそれに満足せず、僅かに生まれた隙に目掛けてもう片方の手に握られた銃を連射する。
 そのほとんどが修復された水の中に沈んで失速したが、最初の一撃は確かにリヴェンタの脇腹を貫いたように見えた。
 しかしその傷口は即座に水の衣の中に隠され、リヴェンタの顔色も一切変わらない。さらにカウンター気味に噴き出した水圧によって、確認しきる前にルシアの体は再び吹っ飛ばされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
※アドリブ歓迎

「ミンナ♪ドワーフさんと協力しようね☆」と言って『フェアリーランド』の壺の中から風/水の精霊/聖霊/月霊/戦乙女を呼んで“七色金平糖”を配り『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の星矢』で聖攻撃をします☆
敵の攻撃を『月世界の英霊』で空間飛翔して避けて敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化を仕掛けます!
『聖精月天飛翔』でWIZを強化して『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻をします☆
猟兵とドワーフに『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒やします♪
『エレメント・セイント・ティファーナ』で追撃も仕掛けます!


ティファーナ・テイル
SPDで判定
※アドリブ歓迎

「ドワーフさんと共闘して敵を倒すぞ!」と拳を向ける。
『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して『スカイステッパー』で縦横無尽に動き回り『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で❤ビーム攻撃をして、敵の攻撃を『神代世界の天空神』で空間飛翔して避けて敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化させます!
『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化して『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で髪の毛/蛇尾脚/拳で猛攻を仕掛けます!

『ゴッド・クリエイション』で水の女神を創造して水流や暴水を可能な範囲で制御したり、抑え込みます!
「正義と勇気で勝利を掴む!」



「ドワーフさんと共闘して敵を倒すぞ!」
 地を這う流れを空から見ていたテイルが握り締めた拳をリヴェンタに向ける。その隣にいたティファーナは先程壊された物とほとんど同じ見た目の壺を担いでいた。
「ミンナ♪ドワーフさんと協力しようね☆」
 その言葉を合図に壺の中から大量の精霊達が飛び出してくる。ティファーナは壺を宙に投げて消すと脇に抱えていた容器の蓋を開けた。
「これが、ごほうびでーす!」
 勢いよくぶちまけられた金平糖が落ちる前にキャッチした精霊達は嬉々としてそれを口に放り込むと、それぞれの得物をつがえて一気に掃射する。
 続けて猟兵達の後に続いていたドワーフ達やテイルの呼び出していた従属神群も投げ槍や弓矢を放っていく。
「あらあらあら、いっぱいのフェアリーさんと大天使さんまでいらっしゃって……。よりどりみどりの楽しい安置所になりそうですわね」
「大天使……?」
 気になる単語にテイルは眉を顰めるが、その思考が進む前にリヴェンタが大量にばら撒いた氷晶の弾丸が邪魔をした。
『世界を巡りし英霊よ… 蘇ノ能力を現わせ…!☆』
『世界を巡りし神々♪ 神代の天空宮殿へと誘っちゃって♪』
 それぞれの空間転移術を用いてそれを避けた2人はそれぞれポーズを取ることで太陽からの光線とハート状の光線を叩き込む。
「これだけ狙いが多いと目移りしてしまいますわね。でしたら……『わたくしのアクムにようこそ』?」
 しかしそれはリヴェンタが放った霧によって屈折し、明後日の場所を抉る。そして辺りに充満した水分は実態を取り戻して牙を剥き、激しく渦巻く水流と化した。
「まっず、『天空神の庇護と加護と祝福の威光に黄昏る』!」
 あらゆる光を通さない激流は2人が慌てて放ったユーベルコードを弱める光を遮り、激しさを増していく。
 飛ぶことが出来ないドワーフにそもそもの体が小さな精霊や神々は容赦なく飲まれ、流転し、助けを求めて必死に手を伸ばした。
『歌唱う、精霊・聖霊よ♪ 癒し、治し、生命の灯火を再び与えたまえ…⭐』
 そんな彼らの息や体の無事はティファーナが光り輝きながら紡ぐ独唱で何とか繋がれていた。だがこのままでは被害が拡大の一途を辿ってジリ貧になるのは歴然だった。
「正義と勇気で勝利を掴む!」
 神々の元を飛び回りながら歯を食いしばったテイルは転移する動きを止めて手を伸ばし、迫ってきた水流に突っ込ませる。そして流されそうになる体を必死に堪えながら水の中に意識を集中させた。
「ふふふふふ、まるで巣の中に水を流し込まれた蟻のようですわね! 自らの無力さを両親や神を恨みながら死ぬと良いですわ!」
 その中にある何かを感じ取ったテイルは、それを逃がさないように全力で開いていた手を握り締める。すると震え出した拳から光が生じ、膨張してテイルの右腕を弾き飛ばした。
 その代わりにその場に着いたのは水の衣に身を包んだ半透明の存在。それが目を開く前にテイルは痺れる右腕を押さえながら叫んだ。
「水の女神さん、この水流を可能な範囲で制御して!」
 水の女神と呼ばれた存在がゆっくりと手を差し伸べると水の勢いが弱まり、巻き込まれていた精霊や神々が次々と脱出し、宙に投げ出されたドワーフ達を受け止める。
 邪魔な存在が一気に取り払われたのを見て、テイルの体は光と変貌した。
『勇気! 正義! 神愛! 神様パワーを爆発だ!』
 光速の速さを得たテイルは一気に距離を詰めると髪の毛に拳、蛇のような尾といったあらゆる部位を用いてリヴェンタに殴りかかる。強力な水の外套のコントロールを失ったリヴェンタがそれらを咄嗟に受け流す術はなく、殴打の痕が体に刻まれていく。
「『精霊、聖霊、英霊、月霊よ、叡智と膂力を示せ!☆』『神罰なる天罰の刺突を!☆彡』」
 そこへ溜まりに溜まった鬱憤をティファーナによって自らの属性に転換させて身にまとった精霊や神々の攻撃がリヴェンタの体に突き刺さる。そしてそれらは刺さると同時に光を増して消失した。
 だがその存在は確かにリヴェンタの体に残されていた。
「ああああああっ!!?」
 何も無くなった所から生じた全身を貫く痛みにリヴェンタが絶叫し、その衝撃が水の女神に奪われていた主導権を取り戻させる。
 周囲に漂っていた水はまるで急激にリヴェンタの周りに集まった後に波紋のように広がって陸上空中関係なく周囲にいた全ての戦力を押し流した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

火土金水・明
「あなたの計画は決して成功はしません。みんなで協力して邪魔をしますから。」(可能であれば、ドワーフさん達に相手に対する牽制の攻撃をお願いします。)
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【対空戦闘】で【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『激流のリヴェンタ』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】【氷結耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



 顔に滴る水を服の袖で拭いつつ、明は空を飛び続けるリヴェンタを見上げる。
「あなたの計画は決して成功はしません。みんなで協力して邪魔をしますから」
 その呟きは半狂乱に絶叫し続けるリヴェンタの耳には届かず、降り続けていた水玉は凍って殺傷率のある物体へと変わり出した。
 地面に落ちる度に砂埃を起こして穴を作り、体を覆い守る鎧に落ちれば砕け散らせて筋骨隆々としている肉に突き刺さる弾丸を避けながら、明はまだ無事なドワーフに大声をかけた。
「衛兵の皆様。可能であれば、相手に対する牽制の攻撃をお願いします」
「おう、任されたぞ!」
 びしょ濡れでも比較的扱えるバリスタや弓矢を携えたドワーフ達が元気よく答え、それらを撃ち落としていく。
「おらおら、濁流はどうしようも無かったが霰程度なら何とかなるんじゃい!」
 ただ、威勢こそ良いが撃ち落とすのに手一杯でそれ以上の成果は期待できなかった。しかし猟兵ほど戦える剛の者ばかりであれば、このような事態にはそもそもいたっていないだろう。だがこうなることはすでに覚悟していた。
『我、求めるは、冷たき力。』
 魔力を身にまとって宙に浮かんだ明の周りにリヴェンタの生み出した物とは違う形の氷の矢が何十何百と展開されていく。
「参りましょう、全てを止めに」
 そして勢いよく腕を横振りした瞬間にそれらはリヴェンタへと放たれた。
 凄まじい速さで動き続けているリヴェンタを追尾し、覆い続ける渦巻く水流に入った氷の矢は溶かされ削られ流されながらも押し切られることなくその奥に隠された柔肌を抉り取る。
 その度に染み出す血が水流に溶け込み、どちらかと言えば青っぽく見えていたそれが赤く変色していく。その度にリヴェンタの口からは呪詛にも嘆声にもとれる意味を成さない言葉が漏れ出た。
 そんな感情の起伏に合わせるように地上に降り注いでいた氷晶の弾丸は大きくなりながら空中に静止すると向きを変え、明に照準を合わせる。
「いいかげん、消え去りなさい猿真似師が!」
 リヴェンタの号令を受けて大砲の弾以上の大きさになった弾丸が一斉に放たれ、射線にきた明の体のあちこちを抉り取り、その奥にあった山肌を削る。
 しかし明の残った体から血は噴き出さず、代わりに薄れて消えていった。
「残念、それは残像です」
 間一髪で質量の暴力を避けていた明は元の大きさの弾丸の手によって服のあちこちを千切られながらも、自らの唇に人差し指をあて、ウインクしながら決め台詞を告げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

テラ・ウィンディア(サポート)
「我が武を以て挑ませて貰うぞ!」



一人称
おれ

二人称
あんた(敵でも尊敬できる人
お前(敵
貴様(激怒した時

エルフの女の子だが突撃志向で戦闘を好む

基本戦術
【戦闘知識】で敵の動きや陣形等の捕捉と把握
闘いながら敵の性質や心の在り方の把握に努める

その後は敵陣に突撃して暴れまわる

【空中戦】を好んで空間全てを利用した闘い方を好む

敵の攻撃に対しては
【見切り・第六感・残像】を駆使して回避

ユベコで主に使うのは
グラビティブラスト(敵が多数の時
【一斉放射】で破壊力増強
メテオブラスト(敵が単体の時
【踏み付け】で破壊力増強

基本フォローが目的なんだろうが
おれはやっぱり之が一番得意だからな

クロムキャバリアではヘカテイアに乗るぞ!



「おっらあ!」
 削られた山からテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が飛び出し、空中のリヴェンタに槍を振るう。
 その柄を反射的に受け止めたリヴェンタはその犯人の姿を捉えた青い目を見開いて叫んだ。
「がっ……何時ぞやのエルフ! また現れましたの?」
「おっ、おれのことを憶えてくれてたのか? なら……何しにやって来たのかも、分かるよな!」
 槍に纏われていた炎が勢いを増し、周囲にあった水のベールを蒸発させる。しかしリヴェンタが力を込めるだけでそれは補充されるどころか量を増やしてテラの体を押し飛ばした。
 だがテラが飛ばされたのは横でも下でもなく、上。前回の洞窟の中での戦いとは違い、屋根が無い場所では押し潰される心配も無い。
 故にテラは大人しく上に飛ばされ、リヴェンタの視界から外れた所で押さえていた火力を解放した。
『星よ…世界よ…流星の力を我が身に宿せ…!』
 含み笑いを隠そうとせず、重力から反発させる水圧を焼失させたテラの体は加速しながら落ちていく。
 しかしテラ自身は余裕で宙返りを交えながらその墜落に身を預けた。
『今こそ我が身、一筋の流星とならん…』
 摩擦によって体に蓄積する熱を感じつつ、リヴェンタの姿を捉えたテラはその体を逃さぬよう、気づかれないよう微調整を加えていく。
 対してリヴェンタは上への注意を全くしていない。蒸発の原因がテラではなく宇宙空間のせいだと勘違いでもしたのだろうか。
『メテオ・ブラスト…受けろぉ!!!』
 上空からの超重力を纏った踵落としがリヴェンタの頭頂部ではなく顔面に炸裂する。最後の最後で空気が切り裂かれる音とテラの叫び声に気付いてしまったのだろう。
 しかしその気づきは被害をさらに広げてしまう皮肉な結果となってしまった。
 140cmにも達しない小柄な見た目から想像できないほど重い一撃は、水の力で空を舞い続けていたリヴェンタを地面まで叩き潰す。
「せっかくのキレイな顔が台無しになっちまったな。……でも大量殺ドワーフ未遂犯には似合いの顔かもな」
 踏みつけていたリヴェンタの顔から跳んで着地したテラは自らが起こした惨劇の様子を見て鼻で笑った。

成功 🔵​🔵​🔴​

吾喜内・来世(サポート)
「情けは人の為ならず! 困ったときはお互い様だ!」
女性的な身体に男性的な言動、陰鬱な外見に陽気な性質を持った桜の精です。
善意と正義感に従い、世の不条理や他人の不幸を掃う為に行動します。
心根が素直な為、敵の言葉に迷ってしまうこともありますが、事件解決という目的は忘れずに遂行しようとします。

「祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る」
ユーベルコードは状況に応じて使い分け、攻撃と防御はそれ任せです。
本人は援護や救助の役割を主に担当します。装備の薬からその場面で最適なものを選び、自分や味方、敵にすらも服用させます。

アドリブや他者との絡みは大歓迎です。
やりやすいように、自由に動かしてください。



「水害か……圧し切られるのも、流されるのも、どっちも嫌だね……」
 桜の木が親であり心の拠り所でもある吾喜内・来世(サクラキメラ・f22572)は先程の激流で倒された木々の姿に体を震わせる。それはもし自分がそのような目にあったら、という恐怖だけではない。こうすることに一切の躊躇がない、リヴェンタに対する怒りも混じっていた。
『祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る。翔け給へ』
 来世は跪き、倒れた木の幹に何かの軟膏を塗りつけた手を添えて目を閉じ、祈る。
 すると倒れた木々の枝や根が伸び、同じような目にあった木に絡まり、一つの物体へと化していく。その姿はドワーフ達にとって見覚えはあるが、驚嘆する物でもあった。
「な……なんじゃあこりゃあ!」
 来世を優に超える大きさまで成長した樹木の龍は声帯の無い口を開き、空気を震わせる。その圧は激怒しながら地面から起き上がったリヴェンタには届いていなかった。
「ひゅ……ひゅざけんじゃないはよ、わひゃひをだれひゃとおもっているのよ!」
 顔の骨や歯が折れたのか、呂律が回らない口で何とか声を発したリヴェンタは再び幻術の霧を降らせる事で、一帯を激しく渦巻く水流の中へと閉じ込める。
 しかし水流に対抗できるうねる身体を手に入れた樹木はまるで激流を逆走する鯉のように、力強く泳ぎ、リヴェンタへと迫っていった。
 その存在に遅ればせながら気づいたリヴェンタは泳いで逃げようとするが、龍が一掻きするたびに距離はどんどん縮まっていく。
 そして手が届く距離にまで達した所で、龍の背に跨っていた来世が懐から新たな薬を取り出した。
「今のお前にお似合いの薬、くれてやるよ」
 水に流されないよう、直接ボロボロになってちゃんと閉まらなくなったリヴェンタの口にねじ込む。するとリヴェンタは顔を覆おうとしては震えて手を引っ込ませ、泡をしきりに吹き出しながら暴れ出した。
「全ての感覚が増大された気分はどうかい? ……さらにその痛みを感じさせてあげよう」
 ざらざらの木肌で出来た顎門がリヴェンタの体を噛み砕きにかかる。その質量によって全身の骨が折られる度にリヴェンタの口は大きく開き、大きな泡が一つ二つ浮かんでは消えていく。
 そして水が引いていくと同時に全身の力を失ったリヴェンタの体も溶けて流されていった。
「あとは黄泉の国で勤しんでくれ。……無理に起こしてすまなかったな」
 来世が労いの意を込めて叩くと同時に、樹木の龍の体も崩れていく。その様をドワーフ達は瞬きもせず、最期まで見守っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年12月17日
宿敵 『激流のリヴェンタ』 を撃破!


挿絵イラスト