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【猟書家案件】古都防衛戦「阿修羅作戦」

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ロロサエル #陰陽師 #安倍晴明 #魔軍転生 #第2章プレイング募集〆12/13(日)22:59


●烈火に包まれし古都
 京の都。
 サムライエンパイアの歴史における古の都であり、今日では江戸に並ぶ政治経済の中枢、そして古くより陰陽師が対オブリビオン戦を想定した防衛機構を凝らした難攻不落の都市。

 それが今、燃えていた。
「神敵を滅せよ!神敵を滅せよ!」
「これは誅伐である!神罰の地上代行である!」
 通りを征くは西洋風の武具甲冑に身を包みし集団。
 それはかつて渡来人の宣教師が説いた神の教えの熱狂的信者達、いわゆる「切支丹武者」の一団である。
 しかし、只の武者に非ず。
 彼らは「超・魔軍転生」により「阿部晴明」を憑装したオブリビオンであった。

 そして彼らを率いるは猟書家「大天使ロロサエル」。
 自らの軍勢に押されつつある都の守備隊の様子を見やり、口を開く。
「ふむ、オブリビオンに対する備えをしていると言うから興味があったのですが……、これでは少々期待外れですね」
 やれやれというそぶりを見せ、猟書家は配下の武者たちに新たな指令を発す。
「——全部隊に告ぐ、主からのお言葉です。京を徹底的に破壊しなさい」

 まさにこの瞬間、京の都は陥落へのカウントダウンの最中にあった。

●三方面作戦「オペレーション・アシュラ」
「サムライエンパイアで猟書家絡みの攻勢よ!ヤツら京の都を陥落させる腹積もり(プラン)らしいわ。事態が事態だから早速ブリーフィングを始めるわよ」
 イザベラ・ラブレス(デカい銃を持つ女・f30419)は靴音を立てながら部屋に入って来るや否や、ブリーフィングルームのモニターを忙しなく操作した。

「敵の猟書家は【大天使ロロサエル】よ。ヤツの軍勢は京攻めを三方向から仕掛けているわ。それが【羅城門(らじょうもん)】、【太秦(うずまさ)】、そして【清水寺(きよみずでら)】よ」
 簡略化された京の都全域の簡易地図と周辺地形図がモニターに映し出され、3つの点が赤く表示された。
 UDCアース出身の猟兵からは「あー、修学旅行で言ったなぁ」「確かあそこ映画のテーマパークがあったような……」などと呟く声が聞こえてくる。
「今回の防衛戦はこの三拠点の防衛支援を基本とするため、以降【阿修羅作戦】と呼称するわ。次に本作戦遂行に伴う各エリアの情報を説明するわね」

「まず【羅城門】、言わずと知れた都の玄関口よ。ここには敵主力の騎馬軍団が展開しているわ。狙いは朱雀大路を行った先の大内裏でしょうね。現地守備隊は結界と複数のバリケードを用いて遅滞戦闘で対処しているけど破られるのは時間の問題よ。とは言っても結局は力技。だったらそれを上回る力技で潰してやればいいわ。幸い【キャバリアの運用ができる程度の広さがある】立地よ。キャバリア乗りなら正に一騎当千の働きができるわよ?」

「続いて【太秦】、寺社や民家が立ち並ぶ市街地エリアね。ここには射撃部隊が展開しているから待ち伏せや遭遇戦が予想されるわ。更に困った事にここの寺社は民衆の避難場所に指定されていてね。避難対応中を狙われた守備隊は孤立分断、寺社毎に立て籠もって抗戦を続けているわ。敵を殲滅しつつ、孤立した彼らを再結集できれば他拠点への増援に向かわせられるわ」

「最後に【清水寺】、一番厄介な場所ね。中心部から最も離れた場所だけど、ここには陰陽術を用いる砲撃陣地があって都市防衛の要になっているわ。確保できれば後の戦闘を有利に進められるはず。逆に奪われれば敵に制空権を握られることになるわ。敵は境内に潜んで落雷攻撃を仕掛けてくるそうだから見敵必殺(サーチ&デストロイ)を心がけてね」

「あと猟書家の動向だけど、今現在は前線に姿は確認できないわ。恐らく高みの見物にでも興じているのね。思惑通りにいかないってことを見せつけて、引っ張り出してやりなさい」

「また現地には古くから対オブリビオン戦を想定して準備を重ねてきた陰陽師達がいるわ。彼らも都市防衛に参加しているようだから互いに協力すれば支援が期待できるはずよ。ここまでで何か質問はある?」

 イザベラが猟兵達に訊ねると、その中の一人から質問が上がった。
 ——確か、京の都には対オブリビオン戦闘を想定した結界が施されているはず。その結界の状態はどうなっている?
「良い質問ね。結界自体は問題なく稼働していることを確認しているわ。しかし今回は猟書家絡み(イレギュラー)ってのもあるし何より軍勢に【阿部晴明】を憑装させているのよ?綻びがなくとも何かのきっかけで結界が崩壊してもおかしくないわ」

「阿部晴明」の名前が出た途端、猟兵達の間にざわめきが広まった。
 何しろ陰陽師界のビッグネームであり、先のエンパイアウォーではその猛威を振るった存在。それを憑装しているとなれば脅威度は段違いだ。
「はいはい、静粛に。確かに猟書家どもは普通のオブリビオンに比べてタフで、狡猾で、残忍さも大いに上回る存在よ。だけど相手はオブリビオンで、それを狩るのが猟兵の仕事。要するにいつも通り、勇敢かつ冷静かつスマートに仕事をこなすだけよ。OK?」

 イザベラの言葉に落ち着きを取り戻す猟兵達。
 言われてみれば確かにそうだ。いつも聞くだけでヤバそうな敵を相手取る依頼をこなしているのだ、今更ビッグネームがなんだ。

「じゃあこれから転送を開始するわ。向こうに着くタイミングは開戦直後になるだろうから、到着次第各自の義務を全うしなさい。ではGood hunting Jaeger.(猟兵諸君、良い狩りを)」

 こうして無駄に良い発音の言葉を掛けられた猟兵達は、グリモア猟兵の手によりサムライエンパイア、戦火の匂い漂わす京の都に送り込まれるのであった…。


マーシャル後藤
 マーシャル後藤です。
 今回はガチの戦闘モノ、しかも対軍迎撃戦です。心が躍りますね!

 第一章では「切支丹武者」の軍勢を迎え撃ちます。
 POW,SPD,WIZごとに敵部隊が分かれており、プレイングを記載される際は、どのエリアを支援するか(POW,SPD,WIZで可、エリア詳細は下記参照)の記載をお願いします。
 ※各エリアで使用できるユーベルコードは、エリアごとに振り分けられた種類のみとなりますのでご注意ください(例:【羅城門】ではPOWのユーベルコードは使用できるが、SPD,WIZは使用できない)。

 ☆公開情報☆
 ・現在、武士や陰陽師からなる「守備隊」がオブリビオンの攻勢を抑えていますが、押し返せるほどの戦力を有していません。
 ・守備隊は自身や民衆を守る行動を優先しますが、猟兵から協力の要請があれば応じます。
 ・都全域には結界が張られていますが、猟書家の軍勢が攻撃を仕掛けている3つのエリアでは敵の侵入が確認されています。
 ・結界により京の都内の建築物は破壊不可能となっています。

 ☆各エリアの公開情報☆
 ・POW:【羅城門】には敵主力の騎馬軍団が展開しています。防御は厚いですが、放置していれば数に押されて突破される可能性があります。また、現在はこのエリアのみキャバリアでの戦闘が可能です。
 ・SPD:【太秦】には鉄砲を用いる強襲部隊が展開しています。寺社には守備隊が民衆を守るため立て籠もって抵抗していますが、放置していれば各個撃破され守備隊戦力が激減する可能性があります。
 ・WIZ:【清水寺】の境内には雷撃を得意とする精鋭部隊が展開しています。巧妙に潜伏しており、守備隊の索敵能力では見つけ出せません。またこのエリアは都市防衛の要であり、抑えられると制空権を喪失する可能性があります。

 第二章は猟書家「大天使ロロサエル」とのボス戦になります。
 第二章OPにて戦闘エリアが判明しますが、この時点で他エリアに居ても駆けつけられるものとします。

 共通プレイングボーナスは「陰陽師と協力すること」です。
 また、第二章OPでは第一章での支援状況によって展開が変化し、状況に応じてボーナスが発生する場合があります。

 第一章のプレイング募集開始はOP投稿後からとなります。
 OPでは各エリアの状況を描写しておりますので、プレイングの参考にどうぞ。
 それではよろしくお願いします!
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第1章 集団戦 『切支丹武者』

POW   :    騎馬突撃
自身の身長の2倍の【軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD   :    後方支援
【切支丹女武者】の霊を召喚する。これは【鉄砲による援護射撃】や【一斉掃射】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    主の裁き
【ハルバード】を向けた対象に、【天からの雷】でダメージを与える。命中率が高い。
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●羅城門 最前線陣地
「騎馬隊が来るぞー!弓構えぃ、射てぇっ!」
「もっと重しになる物を持ってこい!それ、それもこっちに積めぇ!」
「火縄も式も足りぬ!このままでは突破されかねん!」
京の都の正面門、UDCアースではかの文豪がこの門を舞台に一筆を取ったと言われる羅城門では防衛隊が決死の戦いに挑んでいた。
敵の騎馬隊は意気軒昂、更にその乗騎は並の馬より一回り以上大きく、衝撃力は相当なものである。
『神敵に死を!我ら眼前の敵に誅伐を下す代行者也!』
しかも長槍、弓矢、火縄銃を恐れず、陰陽師総がかりの攻撃で漸く拮抗に持ち込めるかどうかの瀬戸際である。

「つ、強すぎる……」
「あれがオブリビオン……なんと恐ろしい」
馬防柵を一つ挟んだ向こうから聞こえる「熱狂」にすくみ上がる守備隊。
『おぉ見よ!神敵が主の威光に恐れをなしたぞ!攻め時は今だ!進めぇっ!』
その号令を皮切りに羅城門前の一つの陣地に騎馬軍団がなだれ込む。
「者ども怯むな!我らは都の守りの要ぞ!奴らを追い返してやれ!」
「応!」
更に陣地を飲み込まんとするもの、それに抗うもの。
今まさに、羅城門の目の前で敵味方の入り乱れる混戦の幕が上がろうとしていた。


●太秦 とある仏閣
「女子供は本堂へ避難せよ!怪我人もだ!」
「残っている者はおらぬな!?門を閉じよ!」
戦火を逃れるため京の都の民衆は、ここ太秦の寺社仏閣に身を寄せていた。
武士や陰陽師が言うには特別な結界が張っており、火の手も回らず安全なのだという。
すると突然、大きな銃声が鳴り響いた。
「何事か!?」
「て、鉄砲隊です!奴ら、鉄砲隊を引き連れております!」
「何だと!?」
守備隊の武士が物見から通りを見ると、青白い顔をした女武者の一団が隊列を組み、敗走する守備隊に向けて発砲していた。
『我ら不滅の挺身隊也、我ら主の御手の代行者也』
『愚かな不信心者に鉄槌を、神の世の妨げをこの鉄火にて切り払わん』

「通りの守備隊は全滅した模様!敵軍に完全に抑えられました!」
「なんだと!?奴らがいてはここから離れらぬではないか!」
それはつまり、他に襲撃を受けている陣地への増援が出せないことを意味する。
そして他の守備隊も自分たちと同じように寺社毎で民衆と一緒に孤立し、各個撃破される可能性があった。
「何であれ、今はここを守り抜くことに集中せよ!」
「応!」
兎に角時間を稼ぐしかない。
守備隊の面々は意を決し、仏閣の防衛に努めるのであった。


●清水寺 境内
普段であれば風光明媚な京の都を一望できる清水寺。
しかし今はその都を守るため、本堂の舞台には陰陽術式の砲陣地が敷かれていた。
だが、ある事情によりこの陣地はその役割を果たせずにいた。

「誰か敵の姿を捉えられたものは居りますか!?」
「駄目だ、参道も含め境内を舐めるように捜索させているが尻尾の一つも掴めぬ!」
「ええい、敵は真に神を味方に付けたとでも言うのか!?」
清水寺に駆け付けた守備隊の陰陽師や武士たちは天空に渦巻く暗雲を見上げ悪態をついた。
砲撃をしようとすると雷撃が襲ってくるため、まともに戦うことが叶わないのだ。
術の類から境内に潜む敵の攻撃とまでは分かったものの、その捜索は困難を極めていた。
「何としても賊を見つけ出し、砲陣地を再び動かさねばならん!各々方、引き続き捜索を続けよ!」
「応!」
此処こそは都の守りの要が一つ。陥落することは許されない。
守備隊の面々は気を引き締めなおし、敵の捜索を再開するのであった。
アマネク・アラニェ
アドリブ・連携歓迎
【WIZ・清水寺】
セイメイといえば、エンパイアウォーで
胸糞悪いことやってた奴ね。
あんなのを使う奴も絶対ロクな奴じゃないわ。
とっとと骸の海にお帰り願わないと。

守備隊の皆さんに手を貸すわ。
探しものには人手が多い方がいいものね?
UC【機蛛縦横】で蜘蛛型兵器と『寄眼』を召喚。
境内中に仔蜘蛛ちゃんたちを散開させて《索敵》よ。
天からの雷撃は『研盾』で少しは耐えてちょうだいね。
攻撃されたなら相手の視界に入ったはず。
撃たれた仔蜘蛛の位置から敵が潜んでそうな場所の《情報収集》
常人が探せない屋根の上や床下?
それとも姿隠しの術でも使ってるのかしら?
見つけたら蜘蛛型兵器で攻撃。数を減らしていくわよ。



●最先端の戦術
清水寺の境内、その中で武士と陰陽師の二人組が云々とうなっていた。
「うーむ、お主の式神でも見つけ出すことが叶わぬか……」
「誠に面目ない……」
彼らはこの砲撃を妨害する敵の捜索に出ていたのだが、頼りの綱である式神が突然敵を見失ってしまい、立往生を強いられていたのである。
「ここまでは間違いなく敵を捕らえられていたのだが、うーむ……」
「うーむ、悩んでも仕方なかろう。ここは地道に探すしかあるまいて」
そう武士が言い、周囲を探ろうとした時だった。
「ん、これは……蜘蛛、の絡繰りか?なぜこんなところに?」
武士が足元に見たのは絡繰り仕掛けの蜘蛛であった。

「あら、もしかして守備隊の方々かしら?」
続けて女性の声を武士と陰陽師は聞き、そちらに顔を向けた。
声の主はアマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)。
この事態に駆け付けた猟兵の一人である。
「私はアマネク、猟兵と言えばわかるかしら?」
「猟兵と言えば、先の戦での……つまり援軍ですな!」
「おぉ、これは僥倖!早速で悪いのだが、手助けはしてもらえぬだろうか?」
「勿論よ。事情はこの子を通して聞かせてもらったわ」
アマネクが足元の蜘蛛を手に乗せながら守備隊の二人に答える。
これは彼女のユーベルコード『機蛛縦横』で呼び出した小型戦闘兵器、つまり機械である。

「さてさて、式神を騙せても機械の目を誤魔化すことはできないわよ?」
彼女がパチンと指をならすと、その背後から300を優に超える数の機械蜘蛛、さらに「寄眼」と呼ばれる別個体に防御プログラムを施して各方向に分散させるように放った。
要するにローラー作戦である。
「それじゃあ索敵開始よ」
電脳ゴーグルをかけ、指をパキリと鳴らすと、彼女は仕事を開始した。

「……のう、陰陽師殿。アマネク殿がやっているアレ、何かわかるか?」
「さ、さぁ?私には全く見当がつきませぬ」
二人にはアラネクが虚空に手と蜘蛛脚を突き出しす様子はなにかの呪いをしているように見えたが、それも致し方のない事である。
アマネク・アラニェは歴戦の電脳魔術士。最先端のプログラミング技術の申し子である。
二人には見えていないが、そのゴーグルの向こうには数十を超えるバーチャルモニターやコンソールが存在しているのだ。
かの有名なSF作家が「行き過ぎた科学は最早魔法と区別がつかない」という言葉を残しているように、サムライエンパイアの現在を生きる者たちにとって、それは全くと言っていいほど理解の及ばない未知の技術であった。

そして、アマネクが索敵を始めてから10分も立たぬうちに状況は動き始めた。
まず目が眩むような閃光。
そして間髪を挟む間もなく鳴り響く轟音。
そして遠くで何かが割れる音――寄眼に施した防御機構が破壊された音が聞こえてきた。

武士と陰陽師は、すぐにそれが例の雷撃であると確信した。
「アラーッ!早速食いついたみたいね。損耗は……よし、想定内。全機、落雷地点に急行!全センサーを起動して周囲を探知開始!」
まるで楽しむような声を上げたアマネクは蜘蛛達に搭載された熱源、動体、音響、電波等々の各種センサーモジュールを用いた索敵を命じる。
彼女がその様子を蜘蛛の目を通して観察していると、熱源と音響センサーが反応した。
そしてその反応を解析するとあら不思議。
『なんだこれは、あやかしの類か!?』
『落ち着け!虚仮脅しに違いない!我らを釣るための罠だ!』
さきほどまで影も姿も見えず、呼吸の音さえ立てた気配すら感じさせなかった切支丹武者の一団が足元の蜘蛛達を前に取り乱しているではないか。
「ビンゴ!それじゃあ仕上げといきましょうか!全機、攻撃開始!」

アマネクその号令が発せられると同時に、切支丹武者に向けられた300以上の小型砲門が火を噴いた。

『グワアアァァァッ!?』
それは紛れもない敵の断末魔。
武士と陰陽師は一仕事を終えて達成感に満ちたアマネクを見て、お互いに顔を見合わせ奇しくも同じ感想が口を突いて出ていた。

「猟兵スッゲェ~!」

成功 🔵​🔵​🔴​

上野・修介
【POW】
「猟兵です!故あって助太刀します!」

まず守備隊に味方であること、他にも味方が来ることを告げ、士気を上げる。

「推して参る」

得物は素手格闘

脱力、調息、戦場を広く観る。
敵の数と配置、周囲の地形・遮蔽物を把握。

「来い。殉教の手伝いをしてやる」
と挑発しこちらに注意を向けさせる。

その隙に守備隊には巻き込まれないよう門の守りに下ってもらい、UCを地面に叩き込んで門の周囲に局所的な地盤陥没を起こし騎兵の脚を殺す。

脚を止めたら守備隊に遠距離からの攻撃要請。

また自身も敵陣に突貫。
フェイントを掛けながら囲まれないよう動き回るか、近くの敵の懐に飛び込む、或いは周囲の遮蔽物を盾にして被弾を軽減しつつ攻め崩す。


御劔・姫子
都にはうちの家だけやない、もっと大切な人や物がぎょうさんある…だから、これ以上の狼藉は見逃せへんよっ!
うちには鐵の巨兵も妖術の類もないけど…この太刀で、都を守ってみせるっ!
御劔家当主、姫子…推して参りますっ!

守備隊の人はあんまり無理せっとって、自分や他の人を助けてあげてな
。【切り込み】役はうちに任せてっ!
騎馬武者の数が多いから、囲まれないように立ち回らなあかん。まずは【戦闘知識、見切り】で敵の盲点を探っていこか。
弱いところを見つけたら【ダッシュ、早業】で一気に突撃して…ここは【妙手・風紅葉】を手数重視でっ!
うちが頑張れば他の人も助かるはずやから、一人でも多く倒して皆を【鼓舞】していこかっ!




羅城門の戦況は守備隊にとって好ましくない状況であった。
敵騎馬軍団の勢いは衰えを見せることなく、守備隊の戦力は低下の一途をたどっていた。
「うおおおおお!」
しかし都の守護を司る者達に後退の二文字はなかった。
背後には羅城門、その奥は都である。
故に誰しもがこの場を死地と定めていた。

『神敵ながら天晴である!貴様、名を名乗れぃ!』
隊長格と思しき騎馬武者が声高らかに一人の武士に問う。
その武士は単身ながら憑装した騎馬武者を一本槍にて複数討ち取った猛者である。
堕ちたとて武人。それ故に眼前の無明の武士に興味惹かれ、自然と口をついて出ていた。
「我ら都の防人!賊徒に名乗るななど持ち合わせておらぬ!」
『よくぞ吠えた!ならば路傍の骸と散れぃ!』
騎馬武者がその手に持つ鉾を頭上高く掲げ、武士に振り下ろす。
猛者と言えどオブリビオンの前では只人同然。
哀れ一人の武士の命が散り果てようかとした、その時であった。

「骸晒すんは、アンタらや!」
凛とした京言葉と同時に一筋の閃きが騎馬武者と武士の間に割り込んだ!
そして次の瞬間、騎馬武者が振り下ろした鉾の切っ先は天を向き、その乗騎たる巨馬も嘶いた。
『ぬぅっ新手か!?』
「御劔家当主、御劔・姫子…推して参りますっ!」
御劔・姫子(はんなり剣客乙女・f06748)、ここ京の都において代々貴人の警護を司る名家に生まれし猟兵である。
故に彼女は、今回の依頼に臨むにあたって並々ならぬ思いを抱いていた。
この羅城門前はブリーフィングでも説明されていた通り、キャバリアで出撃しても動ける程度の広さを持つ。
対して姫子の得物は一振りの刀のみ。キャバリアほどの殲滅力も無くば、今まさに対峙する騎馬武者の鉾とも彼我の間合いにおいて遅れを取っていた。
それでも彼女がこの戦地に馳せ参じた理由、それはやはりその身に流れる血に他ならなかった。
己の背後には都の人々、その営みがあると理解しているからこそ、「高貴なる者の使命」を果たさんと。

「あなたは後方の守備隊と合流を、…ここは私が食い止めます!」
「か、かたじけない…では、御免!」
『なかなかどうして、神敵にも女子にもしておくには惜しい武士(もののふ)よ!しかし我らの使命を妨げるものならば、切って押し通るのみ!でやあぁっ!』
「りゃああっ!」
縦横無尽に鉾を振り回す騎馬武者と、それを弾き払い、反撃の機会を伺う姫子。
オブリビオンと猟兵の立合いは最早尋常の遥か先にあった。
そして幾合かの末、遂に姫子にとっての好機が到来する。
とどめを刺しに来たであろう騎馬武者の鉾の切っ先を下段から打ち上げ、無防備を晒させることに成功した。
『っ不覚!』
「――妙手・風紅葉!」
その隙きを逃すまいと繰り出されたユーベルコードは御劔の剣術の秘奥が一つ。
秋暮れの一陣の風に舞う紅葉の如き剣閃は、武者とその乗騎だけでなく、その周囲から羅城門を攻めんとする後続を巻き込み寸分の狂い無く斬りつけた!
『む、無念なり……』
こうして乗馬と生命力を共有していた騎馬武者は、姫子の攻撃の前に崩れ去った。
しかし、無尽とも形容できるほどに後続は途切れず、姫子はいつの間にか敵の半包囲を受けていた。
『先の戦い、敵ながら天晴であった!しかし、この機に及んでは飛んで火にいる夏の虫よ!その命貰い受ける!』
騎馬武者の一人が姫子を称賛しつつ、手にする長槍を繰り出す。
しかし、その槍の一突きが届くことはなかった。
「御劔、跳べぇ!」
姫子は自分に指示する言葉通りに後方に跳んだ。
すると次の瞬間、さっきまで自分が立っていた地面に不規則な亀裂が入り、次々と隆起と陥没を生じさせた!
「ありがとうございます、上野さん!」

姫子に謝意を伝えられた上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)がやった事はただ一つ。
渾身の一撃を地面に打っただけである。
映画スターとしても名を馳せたとある武術家が「ワンインチ・パンチ」の名で世界に紹介した拳法の極意。
その名を「寸勁」。
身体の全運動エネルギーを一点から放出する奥義であり、「究極の突き飛ばし」とも称される。
心技体の完全な同調を必要とする為、実戦に投入される事は殆どなく、今日では演武や護身術にその存在感を見せるに限られた技術。
それがもし、実戦において、最大限に発揮できたならば、如何程の威力を生むのであろうか?

「噴ッ!」
接地スレスレの位置から地面に向けて繰り出された寸勁。
本来であれば対人用の技術であるそれを何故地面に打ったのか?
否、彼が打ったのはただの地面ではない。
彼が打ったものとは、「京の土地」である。
風水や陰陽道に精通している方ならこの時点で察しがついたであろう。
彼の目当てはこの土地に網目の如く張り巡るエネルギーの流れ、即ち「龍脈」であった。
古都と言えど満ちる大地のエネルギーは尋常を遥かに凌ぐ量であり、使い方次第で都の、サムライエンパイアの命運を分かつ事すら容易いであろう。

さて、ここで問題である。
そんな膨大なエネルギーの流れに、武を極めし者の発する勁。
それも猟兵のユーベルコードによる特別製を打ち込めばどうなるか?

『う、うおおお!?』
『どう、どう!クソッ、足が取られる!?』
答えは先述した通り、地面に亀裂が走り、不規則な陥没と隆起を広範囲に生じさせる。
そしてその陥没と隆起により変じた大地は、それそのものが天然の要害と化し、騎馬軍団の進撃を妨げた!
「守備隊の皆さん、今です!」
修介の号令とともに背後に控えていた守備隊の面々は弓から式神に至るあらゆる飛び道具を用いて騎馬軍団に射掛ける!
『ええい!只人の矢弾、何するものぞ!者ども続けい!』
しかし、それでもなお進撃を諦めぬは人の道を外れしもの故か。
巨馬を巧みに操り、岩山が如き地形から躍り出る騎馬武者多数!
しかしそれを許さぬは猟兵!
先頭を走る騎馬武者の正面に陣取りし上野・修介、一撃必殺の拳をもってして、巨馬の分厚い筋肉の最奥に鎮座する心臓を抉るが如き正拳突きを神速にて放つ!
哀れ巨馬は心臓を潰され吐血にもがき苦しむ、そしてそれは生命力を共有する武者も同じ苦痛を味わうことを意味していた。
乗騎共々倒れもがき苦しみ、絶命に至る騎馬武者。それを見た後続の武者達は慄いた。
地を割り、神の加護を受けし同胞を一撃のもとに屠る徒手空拳の猛者。
これが猟兵、これが猟兵か!
気が付けば先ほど飛び退いた姫子も修介の隣に立ち並び、その背後には守備隊の面々が立ち並んでいた。
彼らは猟兵達の戦いぶりに勇気づけられ、改めて自らを奮い立たせるに至ったのだ。

「――さぁ来い。殉教の手伝いをしてやる」
「ここから先は一歩たりとも通さんよ!」
改めて敵を見やり、手招きをするように挑発する修介と、正眼に刀を構える姫子。
二人の猟兵の支援により羅城門前の攻防の緒戦は守備隊側に軍配が上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
POW

敵は安倍川餅に大腿骨転子部骨折。何度か立ち会った事があるが……

こいつらにはネタが全く通じないのだ!

純戦シナリオで何言ってんだこいつと思われるかもだが、わたしには最重要なことなのだ!
こんなつまらん戦場は早く終わらせる。

(伝説の超変態人発動!!)

巨大化と怪力で今のわたしはRXキャバリアソードすら持てる。そしてキャバリアすら暴れられるスペースがある。うってつけだ。これは戦闘ではない。蹂躙だ。ぐさ、ではなく、ぷち、だ。

巨体を活かして拠点防御。敵の突撃を身をもって防ぎ、重量攻撃で片端からぷちぷちぷちと。
陰陽師の皆様は余裕あったらわたしが討ち漏らした敵の進撃速度遅らせてくれれば見つけ次第ぷちるのだ。



●麩治物語
『う、うわああああ!こっちに来るぞおお!』
ぷち
『間隙を狙……え?』
ぷち
『おお主よ!我ら』
ぷち
『』
ぷち

その様子を見ていた守備隊の陰陽師の一人はこう語った。
「いやぁ~、猟兵の戦い方って何でもアリなんですねぇ~……」
……すっごいフワフワしている!
モンタナの実家でお袋が焼いてくれるスポンジケーキよりフワッフワな感想だぜこりゃ!
というか何だよぷちぷちって!?
梱包材のアレか!?梱包材のアレなのか!?

~時はさかのぼる事、20分前~

「つ、つまらんのだぁああああああ!」
羅城門前の中心で悲鳴を上げる猟兵。
名を大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)と言う。
向かってくる騎馬武者をバッサバッサと斬り捨て、それでいて無傷とは流石は猟兵剣豪である。
しかしその顔は苦悶というか焦燥というか……何かに飢えている感が凄かった。
「くそぅ、安倍川餅くん(※)が相手だというから何となく覚悟はしていたが……覚悟していたがこれは酷い!」
※……たぶん阿部晴明の事を言っているものと思う。
「まっっったく!ギャグが!通用しない!のだーっ!」
あっ!!地の文で注釈入れてる隙にコイツ……!
……まぁ、つまりそういう事だ。
大豪傑・麗刃という猟兵は、一般的に『変態』と呼ばれる人種なのである。
それでいて大変強いので正確には『強い変態』である。
よく週刊少年誌でみかけるキワモノ系ギャグの登場人物のような『強い変態』であり、『強い変態』ゆえにギャグ要素を封じられることを嫌うのである。
今彼がおかれている状況を例えるなら「編集部のテコ入れでコラボ先の作品に参戦してみたは良かったものの、ジャンルがオシャレ系バトルマンガで、明らかに画風も作風も浮いて、雑な扱いを免れぬギャグマンガの人気キャラ」という感じである。
「さっきから人の事を変態変態と……変態っていうやつの方が実は変態って古事記にもかいてあるのだぞー!」
恐ろしく自然な第四の壁干渉。俺じゃなくても見逃さんでしょ。

さて、何だかんだ文句を垂れながらもバッサバッサと手は動かしてきた麗刃であったが、やはり変態には耐えられない戦いであったようだ。
「きみたちはつまらん」
スッと真顔になった麗刃の周りに何やら不穏なオーラが溢れだし、騎馬武者たちは警戒を強めた。
「さすがの麗刃ちゃんも堪忍ポリ袋の緒も切れる事もある。変態とはいえ一人の人間、好きなものもあれば嫌いなものもあるさ。そんで麗刃ちゃんの嫌いなもの、嫌いなもの……それはお前らみたいなギャグガン無視の堅物エネミーなのだああああああ!」
最早呪言の類ともいえる怪文書……ではなく心中を吐露したかと思えば唐突に麗刃のユーベルコード「伝説の超変態人」が発動!
負のオーラの総量に応じて戦闘力と身体のサイズを増大させるというものであり、相当参っていたのだろう、瞬く間にジャイアントキャバリアほどの大きさにまで成長した!凄いね、人体!
「麗刃ちゃんがギャグになるのだ~!」
おお、なんとも哲学めいたシャウトだろうか!
その奥ゆかしき思想に触れた騎馬武者達はしめやかに発狂した。

そこからはもうワンサイドゲームである。
逃げ惑う敵をRXキャバリアソードの柄でぷちぷちと潰して潰して潰しまくる。作業ゲーである。
そしてその後ろ姿は蟻の行列を虫眼鏡に太陽光を集めて焼き殺す古き良き時代のキッズのようであった。
味方も何とも言えない顔をしながらその後ろ姿を見守るほかなく、麗刃が元のサイズに戻るころには日も暮れて、「騎馬武者だった何か」の山が半ダースくらい拵えられていた。

そして後日、物好きな作家がこの様子を纏めた作品を発表した。
それこそが、「麩治(ぷち)物語」である。

成功 🔵​🔵​🔴​

アンノウン・シー
【同背後s】
(あれは二人? そもそも生命体なのでしょうか)
一人称は当艦、三人称にはミスターorミス+苗字、愛称はウノ
戦闘開始直後にUC【ラプラスの悪魔】【天動説】を発動。前者で物質の力学的状態から戦場の敵味方の動きを把握し司書に最も敵に出会わないルートを提供し、後者で効率良く戦えるようにします。
坂上田村麻呂とともに敵の注意を惹きよせ、帆柱による船闘一船流とアンカーを使い分けて敵を倒していきます。

【船闘一船流】
小帆 敵の攻撃をいなして斬る
双胴 素早く敵を二回斬る
砕氷 上から全体重乗せて斬る
胸当 間合いに入った攻撃に対し反撃する
掘削 装甲の弱いところに放つ突き技
潜水 下から敵の懐に入り斬り上げる


界立・図書館
【同背後s】
『年長二人に清水寺と羅城門は任せて、年少二人は太秦の防衛戦を頑張りましょうか』
(年長……あの二人に年齢の概念はあるのでしょうか……)
ヤドリガミ当人は器物から出られないため、戦いに出るのは式神の司書です。
戦闘開始直後にUCを発動し、児童向けの伝記漫画から初代征夷大将軍坂上田村麻呂を召喚する。
彼は四代の天皇の忠臣であったのですから、今でも京都であれば存分に戦ってくれるでしょう。
戦闘は彼とウノさんに任せつつ、私はヤドリガミの指示の下、出会う敵は高速詠唱とサーチライトの魔法陣で払いながら近くの陰陽師に協力を仰ぎ四神の召喚陣を四箇所に設置。一斉に召喚して守護する京都を守って貰います。



●実演・田村語り
太秦のとある通りでは女武者の鉄砲隊相手に大立回りを繰り広げる猟兵がいた。
「予測演算開始」
アンノウン・シー(所属不明の船・f26269)はユーベルコード「天動説」を発動し、敵の射撃動作を予測、回避を繰り返し正面から堂々と接近。
「帆柱」と名付けられた大太刀にて次々と敵を切り伏せていた。
『鉄砲隊集結!隊列組め!』
しかし敵も手練れである。
指揮官と思しき女武者が号令をかけ、分散していた射手をまとめ上げた。
『一斉射連続!撃てぇ!撃てぇ!撃てぇ!』
点で避けられるなら面で制圧すべし。号令のたびに何十という鉛玉が壁のようにアンノウンへと迫ってくる。
「回避不能。遮蔽物に退避します」
そして間一髪で守備隊が残したであろう土塁の影に飛び込み、彼女は何とか凌ぐことに成功した。
『……撃ち方やめぇ!警戒を厳にし、敵をひっ捕らえろ!』
この戦闘での優勢を確信した指揮官の指示に従い、鉄砲隊の女武者達はアンノウンが飛び込んだ土塁を取り囲み、その銃口を向けた。
その時だった。
「オオオ……おおおおっ!」
『な、なんだ!?』
空気を震わすが如き雄叫びに身をすくませる女武者達。
その声が聞こえし方向を皆一同が一斉に、「見上げた」。

「おぉ、あのお姿は……」
「明神さまじゃ、明神さまが光臨なされたのじゃあ……」
「ありがたや、ありがたや……」
その姿は、敵方だけでなく、都の守備隊も、民衆も、太秦にいる誰しもが目撃していた。
古風ながらも金色にも玉虫色にも輝く見事な甲冑。
身の丈は五十九尺(約18メートル)にも及ぶ偉丈夫。
そして佩くは名剣「ソハヤノツルギ」。
それは京の都に住む者であれば、否。
サムライエンパイアに生を受けたものであれば一度はその名を耳にするであろう大偉人。
初代征夷大将軍、坂上田村麻呂。その人であった。

「……思っていた以上に大きいですね!?」
ユーベルコード「9番台 2.5次元の民」を行使し、坂上田村麻呂を呼び出した張本人。
界立・図書館(読書と映画鑑賞と音楽鑑賞に追われるヤドリガミ・f16005)の分身体である司書は驚きの声を上げた。
司書自身は式神であり、戦闘力は皆無に等しい。故に召喚物に頼った戦闘スタイルをとる事は必定である。
そこで京の都に所縁のある武人に頼ろうとしたところ丁度よく伝記漫画に行き当たり、現在に至ったのだ。

「我を呼び出したるは、其方か?」
「は、はい!式神を通してのご無礼をお詫びいたします。私は界立・図書館。京の都の危機に馳せ参じた者でございます」
「京の都……、そうか。ここは京なのだな」
神格特有のオーラに緊張しながらも、司書は何とか事情を説明し、坂上田村麻呂に協力を取り付けることに成功した。
「あいわかった。都と臣民の為であれば、この身、いくらでも矢面に立たせてみせようぞ」
「ありがとうございます!」

こうして一騎当千どころではない天下無双の神格の支援を受けることに成功した二人の猟兵は次々と敵の部隊を撃破することに成功した。
そしてこれに呼応するように籠城していた守備隊の士気も向上。太秦から敵を叩き出すための積極的な反抗作戦が開始された。
正にそれは神風であり、猟兵や守備隊にとっては神話の追体験であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラモート・レーパー
【同背後s】
「ぱーっとやって終わらせたいけど、建物壊すなって言うわよね……だるいわ」
 お姉さんの姿で戦う。
他者にはちゃん付け、アンゲルスにのみ対と呼ぶ。
陰陽師には短刀と気付け薬と睡眠のお香を用意する様に事前に言っておく。
戦闘開始と共に指定UCを発動。その後小声か無詠唱でUC【ナイトハウンズ】を発動。指示は一つ。敵を見つけ次第噛み殺せ。
前者のUCの仕様上、発動中寝ている者は時間と共に衰弱し最悪死に至る。それに夜になるからリスクが大きい夜間飛行は行えず制空権は奪えない。
お姉さんは寝ている味方は蹴飛ばして起こしつつ、寝ている敵は折った角で首を掻っ切るなり首を怪力で折る。陰陽師も敵の首は切れるでしょ



●眠りの園

清水寺に潜む一人の切支丹武者は、猟兵と陰陽師の出方を観察していた。
陰陽師たちは皆同じような小袋を持ち、猟兵の話を聞いている。
盗聴妨害の為か、話の内容は聞き取れないが、向こうから打って出ようとしているのは明白だった。

***

「じゃあ、手筈通りにお願いね」
ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)がそういうと陰陽師たちは境内全域へと散開した。
それを見送った彼女は少し間を置き、一つのユーベルコードを使用した。
「おやすみなさい……」
すると彼女の周囲から徐々に夜の帳が降り始める。
それはとこしえの夜をもたらすもの。
名を「目覚めぬ朝」と言う。
眠る者の生気を気づかれる事なく奪う無差別攻撃系のユーベルコードである。

そしてここに「仕込み」である陰陽師の小袋、その中身は貴人が睡眠導入に用いる貴重な香を入れた炉であり、それが稼働することで彼女の無差別攻撃は成った。
境内の至る所から物が倒れる音がなる。
そして間髪入れずラモートは僕たる猟犬を召喚、敵の殺害を命令し、境内に散らせた。
あとは全て彼らがやってくれるだろう。
そして一人取り残されたラモートは深くため息をついた。
「建物を壊しちゃダメって縛りがなけりゃもっとパーッとできたのに……だっるぅ」
そういえば羅城門ならドッタンバッタンできるんだったなー、などと愚痴をこぼしながら、ラモートは睡眠に巻き込まれてまった陰陽師たちを起こしに行くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラモート・アンゲルス
【同背後s】
「聖戦を始めます」
 お姉さんの姿で戦います。
 他者にはさん付け、レーパーのみ対と呼ぶ。
敵が見え次第、UC【主の守護者】【祝福の加護】を発動。前者で敵味方の影から味方の軍勢を増やし、後者で影と陰陽師のみなさんの戦力を増強する。
士気を上げる一言を言った後、自分はUC【天使降臨】を発動。斬馬刀に変えた白剣を構えて敵の影を従えて敵軍に突撃。陰陽師のみなさんには自身の影とともに後方からの攻撃に専念して貰いましょう。影は本体が消えると消えますが、せいぜいそのくらいなので誤射とか気にせず頑張って貰いましょう。



●分水嶺
羅城門をめぐる攻防は佳境に差し掛かっていた。
猟兵達の支援により五分まで持ち直し、陣地の立て直しも少しずつ進んでいる。
それを阻もうと騎馬軍団も攻勢をかけるがそれを猟兵達が許さない。
そして、彼女もまたそうした猟兵の一人であった。

「聖戦を始めます!」
そう宣言したのはラモート・アンゲルス(生きた概念・f18548)。
その背後には無数の影法師たちが付き従っていた。
それらはこの戦場で今この瞬間を戦う者たち、即ち猟書家の尖兵たる騎馬軍団、即ち羅城門を都を守らんと奮戦する守備隊。
彼らの影を借り受けた兵たちである。

「たとえ彼らが神の御名を旗に掲げようと、正義は我らにあり!皆、私に続けぇっ!」
「「「うおおおおおおおっ!」」」
凛と、そして朗々高らかに発せられた号令は影法師だけでなく、その背後の守備隊の士気までもを高めた。
得物を斬馬刀へと変形させ、陰陽師の式や武士の射撃援護を受けて彼女は騎馬軍団に突撃を仕掛ける。

『皆の衆!神は我らに試練を与えたもうた!眼前の御使いを越えてみせよと!怖気づくものはおらぬな!?』
『『『然り、然り、然りぃ!』』』
『征くぞぉっ!』
『『『うおおおおおおおっ!』』』
そしてそれは奇しくも騎馬軍団の意気すら高めた。
彼女の神々しさに神の幻影を見たのだろうか、
熱狂とは恐ろしいものである。

こうして両軍は遂に正面から衝突した。
この時点ではまだ羅城門をめぐる攻防の結末はわからない。
しかし、この戦いにおける分水嶺は正にこの「軍対軍」の衝突に他ならなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月舘・夜彦
【華禱】SPD
三方面から攻められているとは
私達へ太秦へ、二方向は同士が向かってくれると信じ
倫太郎、私達は此処を守りましょう

視力、聞き耳にて逃げ遅れた人が居ないか
敵は鉄砲を使う為、攻撃を防げる障害物の有無を確認
逃げ遅れた人を発見後、攻撃を防げる所へ誘導、守備隊へ引き渡す
陰陽師達は主に守備隊を援護

召喚された霊には刃に破魔と浄化の力を付与して攻撃
早業の抜刀術『神風』
2回攻撃で手数を増やし、なぎ払いにて広い範囲に
そして敵の鎧に対して鎧無視・鎧砕きにて攻撃を貫通
敵の銃には武器落としにて弾を斬り、速やかにカウンターで抜刀術『神風』
倫太郎と連携して攻撃を継続して狙いを守備隊から此方へ


篝・倫太郎
【華禱】SPD
民家が多い地域に戦いを持ち込むなっての……
夜彦、往こうぜ

結界の維持だけと避難してる人を守るの、しっかり頼むぜ
寺社内の守備隊と陰陽師に声を掛け
夜彦とタイミングを合わせて戦闘開始

そっちにばっか夢中になってると
痛い目見るぜ?

業返し使用
破魔と吹き飛ばしを乗せた華焔刀でなぎ払いの先制攻撃
刃先返してフェイントを混ぜつつ2回攻撃の範囲攻撃

敵の攻撃による弾丸は華焔刀で受けて弾く
カウンターでUC発動

UC発動状態の華焔刀で先制時同様に攻撃
攻撃に写した攻撃がのるなら
なぎ払いや範囲攻撃で敵の被害拡大を狙ってく
発動時間が切れたら再度発動条件を満たすよう行動

敵の攻撃で負傷した場合は攻撃に生命力吸収も乗せてく



●剣は銃より強し
太秦の通りはいまや猟書家の軍勢と猟兵達が衝突する戦場であった。
しかし何時の時代になっても「逃げ遅れ」の発生は少なくはなかった。

小道の物陰に幼い姉弟が隠れていた。
逃げる時に親とはぐれてしまったのか、弟は不安な表情を浮かべ今にも泣きそうである。
「大丈夫だよ、お姉ちゃんがついてるから……ね?」
「う、うん」
不安がる弟を、普段母が寝付かせるときにそうする様に頭を撫でて落ち着かせる。
それも自分の手が震えているのを気づかれないように。

「急げぇ!敵がそこまで迫っておるぞぉ!」
「門をくぐっても立ち止まらず本堂まで駆け込め!つっかえさせるな!」
太秦でも一、二を競う規模を持つその寺院では今も尚避難民の受け入れが行われていた。
中には避難先の守りが崩され、命からがらに逃げ延びた者の姿もある。

「倫太郎、ここは守備隊に任せて我々は迎撃を!」
「あぁそうだな!守備隊の方々、俺たちは打って出る!」
「わかった!ここは我々に任せてくれ!」
避難所となっている寺院の護りに参加していた猟兵の月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)と篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は敵が来る方向へと駆け出した。
「それにしても民家が密集する場所に戦いを持ち込むなんて許せねぇ……!」
「気持ちは分かりますが倫太郎、今は冷静に」
怒りの感情を吐き出す倫太郎とそれをなだめる夜彦。
倫太郎が心を乱すのは致し方がない。彼には故郷を失った「過去」と、家族と共に暮らす「今」がある。
故に人々営みを破壊せんとする所業を見過ごすことは、彼の矜持にかけて、たとえ猟兵でなくともできなかったに違いないだろう。

――ガタン。
夜彦は何かが倒れる音を耳にした。
奇襲を警戒しつつ、その方向を見やる。
そこにいたのはおびえた様子の二人の子供であった。
「子供の姉弟……逃げ遅れですか?安心してください、私たちは貴方達の味方です」
夜彦は得物の刀を鞘に戻し、目の前の子供を怖がらせないように訊ねた。
「は、はい!母とはぐれてしまって……」
「夜彦、敵が来た!」
倫太郎の声に、その方向を見やれば女武者らの鉄砲隊が徒党を組んでやって来ていた。
「何とタイミングの悪い…!いいですか、決してここから動かないように。そして、弟さんを守っていてくださいね」
夜彦の言葉にコクコクと頷いた彼女は小道のさらに奥へと引っ込むように隠れた。

「さっさと敵を倒し、あの子たちをお母さんと会わせなければいけませんね」
「同感だな。さっさと終わらせるとしますか!」
お互いに言葉を交わし、二人の猟兵は敵へと駆け出した。
まずは夜彦が鉄砲隊の隊列の真正面に躍り出る。
『なっ!鉄っぽ――』
「――遅い」
数多の銃口を前に飛び出てきた剣士に虚を突かれた指揮官の号令より早く、夜彦は鞘に納めた刀を抜き放った。
それは目に見えぬ斬撃を纏わせ、隊列最後方の指揮官の首まで纏めて切り捨てた。
そして一方の倫太郎はユーベルコード「業返し」を用いて自分を狙って放たれた銃弾全てを鉄砲隊に送り返すという絶技を繰り出していた。
『面だ!面で圧倒せよ!一斉射用意!撃てぇ!』
先ほどまでと違って広範囲に飛んでくる弾丸。それに対する倫太郎の答えは「前進」であった。
「……ぐぅっ!けどそれは、想定済みだっつーの!」
防ぎきれなかったものを幾つか喰らうも、倫太郎は得物の間合いに入り、その薙刀で敵の悉くを薙ぎ飛ばした。
そして敵を斬り捨てるたびに羅刹紋が輝き、銃創を次々に癒していった。

そして程なくすると、通りから敵の気配が消えた。
二人は子供たちを連れて寺院に戻り、母親探しを手伝い、そしてまた別の避難所へと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天霧・雨吹
神の名の下に侵略とは理解し難いね
異国の神は、随分と……人がましいようだ

その異国の何とやらほどではないかもだけれど
同じく祈りを受けとるモノとして、向こうを張ってみせようとも

さぁ、放たれるまま轟き、流るる儘に暴れよう

水槍にて敵を足止め、圧し潰す
鎧無視と鎧砕きを乗せて放てば、水槍から抜けたとて早々使い物にはなるまい
濁流の如く敵を薙ぎ、僕が魁となろう

だから
畏れず怯まず進め、防人の者よ
今ひと時、我を己らの盾とし、破邪の力と為せ

守りたいと願う尊き心
その祈りが、願いが、僕が天翔る力となるのだから
ならば、僕が振るう力は、きみ達の力だ……そうだろう?



●竜神顕現せり
『な、何という……』
羅城門を攻略せんとする騎馬軍団の面々は、目の前の存在に思わず足を止めていた。

「畏れず怯まず進め、防人の者よ。今ひと時、我を己らの盾とせん」
それは確かに守備隊に向けられた言葉であり、守備隊の士気は今まで以上に高まった。
それもその筈であろう。
なぜなら「竜神」をその目にし、その加護を一身に受ける栄誉に浴しているのだから。

古き神としての出自を持つ猟兵、天霧・雨吹(竜神の神器遣い・f28091)は参戦とほぼ同時にユーベルコード「天竜顕現」で竜神の正体を明らかにし、それからは羅城門の上空にその身を構え、雷と水槍による攻撃を騎馬軍団に向けて放っていた。
それは異なる神の熱狂的信者である騎馬武者達にとっても「神罰」「天罰」と認識せざるを得ない脅威であり、
それは彼らの猛火の如き熱烈な信仰心と鋼の如き団結力に十分以上の綻びを生じさせた。

「神の名の下に侵略を図る不届き者よ。貴様らの大願、未来永劫成就せぬものと知れ!」
未だ中空にて神威を発する一頭の竜が騎馬軍団を平らげんと襲い掛かり、それに同調する様に猟兵達と守備隊による大反抗攻撃が実施された。
対する騎馬軍団は、あの湯水が如く湧き出てくる様が嘘だったかのようにその数を瞬く間に減らしていき、数刻の内にその姿を羅城門前から消していた。

遂に羅城門は破られず。守備隊と猟兵達の間には歓喜の声が響き渡った。
そして、歴史的ともいえるこの勝利は後世に語り継がれる猟兵伝説の一幕として、「羅城門の竜神様伝説」と呼ばれるようになるのだが、それはまた別のお話しである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『大天使ロロサエル』

POW   :    月閃乱撃
【日本刀による隙無き連撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    月呪審判
【三日月の如き刃】【朧月の如き羽】【月蝕の如き呪言】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    月焔邪視
【魔眼や呪言】を向けた対象に、【精神や身体の内側から蝕む焔】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●Result-羅城門は開かぬ門
羅城門。
京の都の玄関口。
一時は敵主力の騎馬軍団の襲撃により破られかけたが、駆けつけた猟兵達の協力により騎馬軍団の悉くを殲滅、羅城門は破られずに済んだ。
現在守備隊はさらなる襲撃に備え、破壊された陣地の修復に取り掛かっている。
※※※※※※※※※※
――朱雀大路への敵の侵入を防ぎました。(ボス戦におけるペナルティ無し)
――守備隊はさらなる襲撃に備え万全の準備をしている。(ボス戦において『近接戦闘ロール』判定ボーナス獲得)

●Result-守備隊、集結
太秦。
避難所が設けられたこのエリアでは敵の鉄砲隊による攻撃が仕掛けられていたが、猟兵がこれの迎撃にあたっていた事により守備隊は避難民の護衛に尽力する事ができ、人的被害は想定を大きく下回り、守備隊自身もほぼ損耗なく勝利した。
エリアの全守備隊は再結集し、他エリアへの戦力派遣の準備に取り掛かっている。
※※※※※※※※※※
――太秦エリアにおける敵の虐殺行為を防ぎました。(ボス戦におけるペナルティ無し)
――守備隊はさらなる襲撃に備え万全の準備をしている。(ボス戦において『陰陽師によるボスの行動妨害』サポートボーナス獲得)

●Result-轟け、陰陽砲台
清水寺。
都の守りの要であるこのエリアでは敵部隊の妨害により機能を発揮できない状態が暫く続いていた。
しかし猟兵の協力のもと敵部隊のあぶり出しに成功、これを撃破する。
砲陣地では陰陽師を中心に雷撃で破壊された箇所の修復や最終調整が急ピッチで進められている。
※※※※※※※※※※
――清水寺が敵の手に落ちることを防ぎました。(ボス戦におけるペナルティ無し)
――守備隊はさらなる襲撃に備え準備を開始している。(ボス戦における制空権を確保)


●大天使、降臨

「おや、これはこれは。さすが難攻不落の護りと謳われるだけはあったようですね」
猟書家、大天使ロロキエルは勝利に湧く守備隊と猟兵達を空中から見下ろしていた。
「しかしこれではまだ私の探究欲は満たされない、寧ろ余計に興味が湧いてきましたよ。――私自らが手を下しても護りきれるか、などね」

※※※清水寺※※※
「敵、【羅城門】前上空に確認!狙え……撃てぇーっ!」
猟書家の存在をいち早く察知したのは防空の要、清水寺。
まだ万全の体制とはいかないにしても先手を取ることは重要と判断した彼らは、猟書家への攻撃を開始した。
※※※※※※※※※※※

「むっ!これは……なるほど。空中にいては分が悪そうですね」
ロロキエルは自分を狙った攻撃を回避し、冷静に現状を判断した。
そして、突如空中を走った光線に地上に居た者たちも気が付き、皆が気を引き締める。
そして地上に降り立った猟書家による言葉を合図に、最後の決戦が幕を開けた。

「私は大天使ロロキエル。さぁ、貴方達の全力を持って私の侵攻を止めてみせなさい」


※※※※※※※※※※
戦域情報

・猟書家は【羅城門】前に出現。猟兵各員は直ちに現場に急行されたし。
また作戦第一段階と異なり、猟書家との戦闘においてはすべての行動(POW,SPD,WIZの各判定)が可能である。

・敵侵攻部隊は各エリアで全滅を確認。猟書家からの攻撃のみに注意されたし。

・制空権はこちらに有り、敵は空中への回避は不可能となる。

・味方守備隊の援護は陰陽師の式神による行動妨害のみ有効であることを確認。

それでは各員の奮励努力を期待する。
※※※※※※※※※※
天霧・雨吹
言われずとも止めるのだから
もう少し有益な言の葉を紡げば良いものを……

まぁ、傲岸であるだけの力はあろうから
油断せずに相対せねば、ね

相手が焔を使うというなら、僕の冰で悉く落としてしまおう
凍て砕け、冰雷

魔眼や呪言の先を見切るというのは厳しいだろうから
留意はすれど気を捕らわれすぎぬように
放たれた焔を迎え撃って、凍て砕くことに注力しよう
多重詠唱で手数を増せば簡単には届くまい

相手の手を潰すことに集中すれば
倒すことは難しかろうが
なに、それでも構わないさ
僕が倒すことに拘らずとも
いずれ後に続く誰かの刃が届くだろう

そう僕の役目は、その刃が裡か焼け毀れぬよう
焔を凍て砕くのみ



●厄焔割きしは

「おや、貴方は……なるほど。先ほどの竜は貴方でしたか。先ほどのご活躍、とても立派なものでした。よければその異能を調べさせてもらえませんか?」
ロロキエルは目の前に躍り出た猟兵、天霧・雨吹(竜神の神器遣い・f28091)を一瞥すると、彼が先の戦いにおける竜神の正体であると見抜き、興味深そうに雨吹に訊ねた。
「猟書家の頼みを素直に聞く猟兵がいると思ってるのかい?少なくとも僕は違うよ」
雨吹は呆れた様な口調でロロキエルに答えるがその顔に油断の色はなかった。
その証に彼の周囲には幾つもの宝珠が展開されており、攻守のいずれにも対応できる状態である。

「そうですか。では実力に訴えるまでですね。――灼け」
残念そうな反応から一転。
呪詛めいた言葉を呟いた瞬間、ロロキエルの周囲に幾つもの焔の渦が巻き起こり、余すことなく雨吹へと殺到する。
そして猟書家の放ったそれが尋常の火ではないことは誰の目にも明白であった。

「凍て砕け、冰雷」
対する雨吹が自身に迫る焔を指さすと周囲に浮かぶ宝珠「夜光珠」より放たれた雷撃が焔を迎え撃った。
雷に撃たれた焔は瞬時に凍り付き、二の矢に放たれた雷撃により粉々に砕けた。
「君が実力に訴えようと答えは変わらず、だ」
そこから間髪を入れず、雨吹は夜光珠から氷雷をロロキエルに向けて放つ。
しかしこれをロロキエルは、焔の壁で防いでみせた。
撃ち、それを砕く。
撃ち、それを防ぐ。
互いに当たれば重傷を免れないであろう攻撃を繰り出すも、どの攻撃も互いに届かず。
それは正に千日手の様相を呈していた。
「どうやらこのままでは決着がつきそうにありませんねぇ。そろそろ終いに――」
「君は何か勘違いをしているね」
しびれを切らしたが、ロロキエルが言い切ろうとしところに待ったをかけた雨吹。

「君はいつから……『僕が君を攻撃している』なんて勘違いをしていだんだい?」

そう、ここまでの流れは雨吹の想像通りの展開であった。
敵の放った攻撃と自分の使用するユーベルコード『神威【冰雷】』。
その性質と相性を逆手に取り、敢えて千日手の様相となるように仕向けたのであった。

「……まさかっ!?」
ロロキエルがそのことに気が付き行動を起こそうとするまで刹那と言えど遅れが生じる。
ここで初めてこの猟書家の顔から余裕が消え、更に時を同じくして猟兵達の次なる一手が打たれようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※アドリブ、連携歓迎
敵は強者。
一瞬の恐れ、迷い、侮りが即、死に繋がる

故に

――為すべきを定め、心を水鏡に

調息、脱力、敵を観据える。
敵の体格・得物・構え・視線・殺気から間合いと呼吸を量る。

正面から真っすぐ踏み込む、と同時にタクティカルペンを目と肩狙いで投擲。
敢えて防がせて呼吸を乱し、反応速度を確認。
その虚を衝いて持てる最速にて可能な限り間を詰める。

攻めに隙が無いなら狙うは『後の先』
元より斬られるのは覚悟の上。
回避を捨て、初撃は左腕を盾にし最低限急所をガード。

二撃目を放つまでの隙を突いて、懐に飛び込んで一撃。
更に拳を密着させた状態から地を踏み込み、足裏から拳までの全関節を螺旋、その勁を以て突き抜く。



●肉を切らせ骨を断つ

「疾ッ!」
上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は力強い踏み込みと共に手にした2本のタクティカルペンを投擲した。
狙うは目と肩。他の猟兵との戦闘中という状況も相まって猟書家の虚を突く形と成って放たれたそれらは間違いなく必中する。
――そう思われた。

「フッ!」
ロロキエルは僅かに冷や汗を流すも自分めがけて飛んできたそれを一刀のうちに二本とも切り落とした。
同時に放たれたとはいえ軌道の異なる二つの飛翔体を斬るなど、それが超常の域である事は明白である。
しかし修介は猟兵。
超常の技など普段から見慣れている彼からすれば、それは予測可能な行動でしかない。
寧ろ彼は「その行動の後」に注目していた。
(残心、悪し!)
咄嗟の反撃とはいえ、腕は伸び切り、技の撃ちっぱなし、次の挙動にすぐに移れない状態だ。
つまり、絶好のシチュエーションである。
超近距離での命のやり取り、迷わば死。
故に修介の次の行動は素早かった。
地面を砕かんばかりの踏み込みは彼を猟書家の眼前へと『吹っ飛ばし』た。

「っ!?」
ロロキエルは条件反射的に刀を逆手に持ち替え修介の側頭部を貫かんと動く。
避ける選択肢は無かった。
左右、背後。
どこをしても射程からは逃れられなかっただろう。
故に正しい選択と言えた。
しかし、正しいからと言ってそれが常に最善かと言えば話は別だ。
「小賢しい!」
修介はそれを回し受けにて受け止めた。
咄嗟の一撃、しかしそれ故に十分な威力は望むべくもなく。
「くっ……だが勝機!」
修介の命を奪えるべくもなく、ロロキエルは唯一の勝機を失った。
「なぁっ、ぬ、抜けない!?」
「――王手詰み《チェックメイト》だ。諦めな」
筋肉の締め付けにより、ロロキエルの反撃手段を奪った修介は、寸勁を打つべく右手を彼の正面に添えて彼に告げた。

武の極みにある猟兵の打つ寸勁だ。
羅城門前の要害がどのような経緯で出来上がったかを知っているのであれば、
それから猟書家がどうなったかは語るべくもないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
武人の仕事はただひとつ。斬るのみ。
攻撃も防御も全て斬る事で為す。敵の攻撃は全て斬って防ぎ、そして敵本人を斬って葬る。

右手にサムライブレイド、左手に脇差(にしては大きすぎるバスタードソード)を装備。全身からオーラを発し、相手に恐怖を与えつつ、限界を超えるべく気合を出す。
そしてあえて正面から進む。リーチ差から考えるに、相手の攻撃の方が早いだろうが、次々に来る攻撃を陰陽師の助力による弱体化も期待しつつ見切り、二刀で目にもとまらぬ早業で振るい、あるいは武器受けし、あるいはなぎ払い、防ぎきれなかった分はオーラ防御と激痛耐性で耐えながら前進。
そして敵の眼前に立ったら脇差で敵の攻撃を防ぎ返す刀で本人を斬る。



●抜き身の刀

「それではいってくる」
大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は言葉短く守備隊の陰陽師に向けて告げると、一歩一歩を踏みしめるかのような歩みで猟書家との戦いに向かった。
そして陰陽師たちも、彼の後姿を見送ると支援のための準備を始める。

「何なんですか……何なんですか貴方!ふざけているのか!?」
「……」
ロロキエルは激した。
しかしそれは怒りの感情ではなく、得体の良く分からないもの前に困惑してしまったが故。
対する麗刃はそれに反応することもなく、一歩、また一歩とロロキエルに近づいていた。
右手にはサムライブレイド。
左手には脇差として用いるバスタードソード。
異色中も異色の二刀流、更に陽炎かと見紛うほどの覇気(オーラ)がロロキエルの視界に移るすべての風景を歪めていた。
――全く持って訳が分からない。
それがロロキエルの大豪傑・麗刃という猟兵への漠然とした見解であった。
故にそれ以上は何も考えずに彼が攻撃圏内に入った瞬間から連撃を仕掛けた。

「……!」
そしてそれは麗刃も同じであり、連撃が始まると同時に二刀を以てこれを迎撃する。
袈裟、薙ぎ、突き。
受け、捌き、躱す。
一つを凌いでも次の一撃が引っ切り無しに襲い掛かる。
しかしそれは麗刃の歩みを止めるには至らなかった。
「うおおおおお!」
雄叫びを上げさらに高まる覇気に後押しされる麗刃。
防ぎきれなかった斬撃が迫るもその覇気に軌道がずれる。
もはや彼を止められるのは、それこそ彼の意志だけであろう。
そしてついに、その時は訪れた。
ロロキエルが彼の剣の間合いに入ったからだ。

「――次にお前は『私にそれ以上近づくな』と言う」
「わ、私にそれ以上近づくなぁっ!……はっ!?」
その瞬間ロロキエルの連撃に一瞬の隙が生じ、麗刃はその瞬間を見逃さなかった。
動きの鈍った剣を脇差にて弾き、右手の刀で体重を十分に乗っけた一撃にて猟書家を切り伏せる。

「あっけない……だからギャグのわからんクソ真面目は嫌いなのだ」
一本の剣として仕事を終えた彼はそう呟くと、二刀を鞘にしまうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【華禱】
敵の出現位置まで迅速に移動

言われなくても止めるさ
陰陽師の皆サンや守備隊の皆サンの頑張り
無駄には出来ねぇからな

往こうぜ、夜彦

拘束術・真式使用
詠唱と同時に鎖での先制攻撃
互いを繋いだら
鎧無視攻撃と生命力吸収を乗せた華焔刀でなぎ払い
刃先を返してフェイントを入れつつ部位破壊

夜彦の攻撃が通り易いよう
鎖を引き絞って敵の行動を阻害
引き剥がされる前に重ねて真式を使って
鎖で繋がった状態を維持

間合いを詰められた場合は暁想で対処も視野に

敵の攻撃は見切りと残像で回避
回避不能時はオーラ防御で防ぎ
武器受けで捌いて武器落とし
防ぎ切れない場合は咄嗟の一撃でカウンター

負傷は激痛耐性で耐え
生命力吸収で補う

夜彦、決めちまえ!


月舘・夜彦
【華禱】
出現位置に速やかに移動
視力と聞き耳にて周囲に警戒

皆の力で戦い、此処まで守り続けられたのです
彼等の平穏を取り戻す為には……後は、奴を倒すのみ
往きましょう、倫太郎

倫太郎の拘束術が発動を合図に駆け出して接近
2回攻撃を基本とし、刃が届くようになぎ払いも活用
敵からの攻撃は視力と見切りにて動きを確認
回避可能なものであれば残像にて回避
回避が困難であれば武器受けにて防御、武器落としにて弾く
連撃には特に警戒し、確実に凌ぐ
負傷は激痛耐性にて耐え、継戦能力にて攻撃の手は止めない

連撃後、または倫太郎の攻撃の後、カウンターにて抜刀術『風牙一閃』
敵の刃さえも断ち斬る程の一撃を

何度現れようと、何度でも倒すのみ



●縛鎖、一閃

「往こうぜ、夜彦!」
「往きましょう、倫太郎」
太秦から駆けつけてきた篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)と月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は羅城門にたどり着くと同時にロロキエルとの戦闘に入った。

「ほう、貴方達は太秦に居た猟兵ですか。その連携力は脅威ですので、堅実に削らせていただきましょう」
するとそれまで動く気配を見せなかったロロキエルは倫太郎へと向かい距離と詰め、一刀を振るう。
「なんのっ!」
対する倫太郎も暁想と銘付けられた短刀でそれを受け、剣戟の幕が開ける。
傍から見れば得物のリーチ、手数に勝れる連撃を繰り出すロロキエルが優勢のように見える。
現に防ぎきれない連撃は倫太郎を襲い、狙い通りの各個撃破が実現するのも時間の問題と見えた。
しかしそれは誤った認識である。

「……馬鹿な、その傷は浅くないはず!?」
ロロキエルがそれに気が付いたのはごく偶然の事だった。
何合目の斬り合いであったかは定かではないが、彼は確かに手ごたえを感じる一撃を加えていた。
それこそ動くことすらままならないほどの。
しかし、目の前の猟兵はそれをお構いなしと言わんばかりに動き、寧ろ切りつけた時よりも動きが良くなっているとまで思えた。
その気づきが、ロロキエルの動きを鈍らせた。
「漸く気づいたか!だが残念。好奇心、猫を殺すってな!」
倫太郎がロロキエルにそう告げ、何かに合図を出す仕草をする。
すると二人の周囲から何かを引きずる音が生じ、その直後、ロロキエルを中心に爆発が生じた。
「ぐわあああ!?」
「ぐっ!」
当然すぐそばにいた倫太郎も爆風に飲み込まれるが、予め展開したオーラと痛覚コントロールで耐える。
そしてその手には無数の鎖が握られている。
「今だ夜彦、決めちまえ!」

「斬る!」
相方の無事を確認すると同時に駆け出す夜彦。
その目の先には思うように身動きの取れない猟書家ロロキエル。
何とかもがき、夜彦を寄せ付けまいと刀を振るうが、その様は最早剣術と呼べる代物ではなかった。
しかし斬られれば敵を勢いづかせるだけ、そう判断し夜彦は油断せず猟書家の連撃に対応した。
当たることを良しとせず、すべて足さばきを用いた最低限の動作で躱し、確実に距離を詰める。
「ぬうう、おのれえええ!」
「――っ、ここか!」
夜彦はロロキエルの大ぶりの攻撃に合わせ彼の握り手を刀の鞘ごとで打ち据え、反射的に刀を落させる。
そして反撃手段をすべて封じられ、無防備を晒すロロキエルを襲うのは
「――風牙、一閃!」
夜彦が放つ、渾身の一撃に相応しい抜刀術。
それはロロキエルを、彼を縛る無数の鎖ごと一刀のもとに屠り去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御劔・姫子
来はったな…京の都に来たんやったら、いくら他のもの見たんやとしても、御劔の剣技を見な片手落ちや。

――たっぷり、見せてあげるさかい、堪能したってな?

陰陽師の人らに、五つ数える間でえぇから敵の動きを止めてくれるように頼んどく。
この技は【力溜め】が必要やから、どうしても時間が必要や。
体を捻り、力を溜めたら…御劔が奥義、【終乃太刀・都牟刈】の出番や。
木や岩どころやない、世界すら【切断】する太刀筋…これこそが御劔の剣やと覚えてもらおか。
もし、技の前に攻撃されたとしても【激痛耐性】で耐えて確実な一撃を狙うでっ!

うちの目が黒い内は…京の都に悪が蔓延るとは思わへんことやねっ!

※アドリブ、連携歓迎



●猟書家に捧ぐ、京の都の最高のもてなし

羅城門に鋭く、そして力強い剣戟の音が鳴り響く。
一合、二合、三合。
その音を剣豪と呼ばれる者たちが聞けば口を揃えてこう言うであろう。
「そのどれもが、一撃必殺の太刀筋に違いない」と。

御劔・姫子(はんなり剣客乙女・f06748)は遂に現れた猟書家ロロキエルとの戦いの最中にあった。
「はああっ!」
一振一念を込めロロキエルに斬りかかるも暴風の如き連撃に阻まれる。
上段、下段、正眼、八相。
唐竹、袈裟、薙ぎ、突き。
あらゆる構えから繰り出す、あらゆる技。
そのどれもが一撃必殺を約束された確かな太刀筋。
まず常道の死合であれば敵を屠る事容易かったであろう。
しかし相手は猟書家、常道の手合いに非ず。
ロロキエルは迫りくる一撃必殺の全てを、その場から動かず片手間仕事の如くあしらっていた。

「はぁ。ミツルギ家、都でも有数の剣の使い手と聞いていましたが……猟兵であってもこの程度ですか」
ロロキエルは落胆に染まった声をあげると、遂に攻勢に転じた。
彼の連撃は最強の防御であると同時に攻撃。
触れれば微塵に刻まれるは必定、もはやただの剣術で凌げるようなものでは無い。
「くっ……」
打ち合いを不利と判断した姫子の行動は疾く、すぐさま後方へと飛び退く。
「逃がすとでも?」
しかしそれを許すまじとロロキエルが距離を詰める。
そして大上段に振り上げた刀を姫子へと振り下ろす――
「!?」
しかしその一刀は姫子に届くことはなかった。

「「「うおおおおおおおおおおお!」」」
時を同じくして、姫子の後方、守備隊陣地の最前線にて陰陽師の集団がただならぬ熱気で陰陽術を行使していた。
額に汗を浮かべるは皆同じく、或る者は白目をむきながら、また或る者は喀血し、仲間の肩を借りながら術を行使していた。
これほどの荒業を以てして行使される術とは?
その答えこそが、今ロロキエルが刀を振り下ろせない理由につながっていた。

「これは……鎖、いや式札!?」
四肢の関節に至るまで動きを封じられたロロキエルは何とか首を動かし、己の状況を把握しようと視線をやった先にそれはあった。
手足を縛るは陰陽師の用いる式札。それが何十、何百と四方八方から鎖のように連なって伸びていた。
そしてその始点は、まさに陰陽師たちのいる場所である!
「これぞ我が陰陽寮名物ぅ!万式鎖であるぅ!」
「御劔殿ぉ!奴めの動きが止まった今が好機ですぞ!」
陰陽師から姫子に声がかかる。
それと同時に姫子は刀を構えなおす。
精神を落ち着け、丹田の奥底から全身に、そして刀の刃先に至るまで力を巡らせる。
御劔家の剣の奥義が秘奥の前段階である「練り」である。
そして、この「練り」の時間を得るために対オブリビオン戦闘を永らく研究してきた陰陽師、その叡智の総本山、陰陽寮の漢達による決死の時間稼ぎがあったのだ!

「はああああ!」
「っちぃ!させるかぁ!」
姫子の高まる気迫に飲まれるも、何とか拘束から逃れたロロキエルは回避しようと逃げる。
彼の頭の中で警鐘が鳴り響く。逃げなくては、何かわからないがとてつもないことが起きる、と。
確かにその直感は正しかった。しかし、逃げた先がよろしくなかった。
「があああああ!?」
あろうことか「上空」へと逃げたロロキエル。
しかしそこは京の都が誇る、清水寺の陰陽砲台のテリトリーである。
ありったけの光線に焼かれたロロキエルは重度のダメージを受けて落下。再び姫子の攻撃圏内へと近づいていた。
「アンタ、さっきはさんざんと虚仮にしてくよったよな?うちの剣術がどうとかこうとか」
「――なら見せてあげるさかい、秘奥が秘奥。御劔の剣の神髄を!」
落下してくるロロキエルを捉えると同時に姫子の刀が神々しい輝きに包まれた。
「目ん玉ひん剥いとき!これがうちの…御劔の全て…っ! 終乃太刀、都牟刈っ!!」
そして遂に放つ、脇構えからの渾身の斬り上げ!
その瞬間、刀に溜めこまれた力が光と共に放出され、ロロキエル諸共、空間そのものを切断した!
「こ、こんなものを……」
持っていたなんて。そう続く筈であっただろうロロキエルの言葉はそこで途切れた。

「これにて京の都の門前払いツアーのプログラムは終いや。うちの目が黒い内は…京の都に悪が蔓延るとは思わへんことやねっ!」
その言葉と共に姫子が刀を鞘に戻すと、守備隊からは勝利を喜ぶ大きな歓声が上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラモート・アンゲルス
【同背後s】
 呼び方等に関しては一章プレ参照
「こちらに来ましたか」
お姉さんの姿で戦います。
白剣と信仰の盾を構えUC【天は全てを見ている】を発動。敵の視線から敵の狙いを読み取り敵の攻撃を捌いて持久戦に持ち込みます。
持久戦に持ち込む理由は自分の体力を温存して対と敵をぶつけるため。清水寺が静かであった辺り、対は欲求不満で退屈している。正直体力を消耗した状態で対相手に標的の貞操を守れる気がしない。
戦闘中、時期を見計らって敵を打ち上げます。
「対は真の姿ですか。ここが地図上から消える懸念は消えましたね」
「説明は後です。目の前の敵を倒します」
 合流後、後衛に回り界立さんと周囲の被害を抑えるように守ります。


ラモート・レーパー
【同背後s】
 呼び方等に関しては一章プレ参照
「あーすごく退屈だったわ。好みの可愛い陰陽師を見つけたからあとでいただこうかしら」
 不満を垂れながら清水寺から屋根伝いに飛び羅城門に向かう。普段森の中を駆け回っているからこれくらい朝飯前。その道中で真の姿を開放。天誅を下す死に装束の剣士。この世に行く末に暗雲をもたらす者に怨恨の刃で裁く。
 打ち上げられた敵を見てUCを発動。納刀状態から首狙い抜刀術で斬る
 戦闘中は基本無言。合流後前衛として戦い、緩急をつけた刀捌きで敵を翻弄し攻撃します。
あとは連携者含め全員アドリブでお願いします。


アンノウン・シー
【同背後s】
 呼び方等に関しては一章プレ参照
「目標達成。最終目標を達成に向けて急ぎましょう」
 装備のセイルで脚力を補助し、忍者のように屋根伝いに一直線で敵の下に向かいます。到着目前で敵が打ち上げられたの視認し、これを好機とみてUCを発動し納刀状態から船闘一船流の双胴で両足を狙います。
「ミスアンゲルス、合流しました。それで……そちらはどなたでしょうか?」
 合流後、前衛として謎の剣士と連携し、帆柱と船闘一船流で敵を攻撃します。


界立・図書館
【同背後s】
 呼び方等に関しては一章プレ参照
「大将はあちらと。それでは向かいましょう」
 式神であるため、自身の核である式神符を術をかけた折り鶴に運んでもらいます。ウノさんよりは遅れてしまいますが、自分は高速移動は苦手ですから仕方ありません。
 合流後UC【郷土の戦士】を発動し安倍晴明の力を自分に宿し前衛二人を援護します。
「ラモートさん、お待たせしました」



●回想戦

その時、猟書家ロロキエルは宙を舞っていた。
この戦場において彼が宙を舞うという事は、清水寺の陰陽砲台の餌食になる事を意味している。
視界の端から光が迫って来るのが分かる。しかし思考する程度の余裕はあるようだ。
もうここからできる事もないだろう。
空は砲撃範囲、地上には猟兵達。
完全な詰みだ。
こうして全てを諦めたロロキエルは、こうなるに至った戦いを思い返すことにした。


始まりはごく普通の戦いだった。
羅城門前で騎馬軍団を相手取っていた猟兵、ラモート・アンゲルス(生きた概念・f18548)との戦いであった。
「こちらに来ましたか……できれば直接対の方に行ってくれればよかったのですが」
彼女はぼやく様に呟くが、油断せずに得物と盾を構える。
「先ほどのように軍勢を出される前に貴女にはご退場いただきましょう」
対するロロキエルも刀をすらりと抜き放ち、攻撃を開始した。
斬撃、羽弾、呪言を次々とアンゲルスに放つ。
(対は恐らく力を持て余しているはず。であればこの猟書家相手に放ってもらった方がいいでしょう)
そう考えたアンゲルスは盾を構えながらも足を忙しなく動かしロロキエルの攻撃を避け続ける。
そして敵に偽りの優位性を抱かせることで油断を誘い、良いタイミングで横合いから殴りつけるような一撃を与えてやろうという作戦である。


時を同じくして清水寺から羅城門に駆けてくる姿があった。
「あーすごく退屈だったわ。……好みの可愛い陰陽師を見つけたからあとでいただこうかしら」
ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は先の戦いで殆ど疲労らしい疲労も無く敵を殲滅してしまい不完全燃焼気味であった。
そして猟書家と言う強者の存在を感知した彼女は剣士へと姿を変え、戦いに身を投じるべくアンゲルスのいるであろう場所へと急ぐのであった。
「お、やってるやってる。それじゃあ行くとしますか」

「っ!」
突如目の前に現れた剣士に目を細めるロロキエル。
彼は彼の軍勢が都を攻めている間、全ての戦況を観察し、どのような猟兵が駆けつけていたかをつぶさに見ていた。
しかし、この剣士は初めて見る。もしや、この機を狙って潜伏していたのだろうか。
そう思案を巡らせるが、油断ならない相手であるのは間違いなかった。
アンゲルスとの間に降りてきた以上対処せざるを得ない。
そう判断して魔眼を発動させようとした時だった。
「隙を見せましたね」
突如背後から聞こえたのは先ほどまで戦っていたアンゲルスのものだった。
虚を突かれ反射的に振り返ると得物をメイスへと変えた彼女が攻撃を仕掛けている最中であった。
そしてこの後どうなったかというと、この回想を始めた時点に至るのであった。


アンノウン・シー(所属不明の船・f26269)と界立・図書館(読書と映画鑑賞と音楽鑑賞に追われるヤドリガミ・f16005)が羅城門に駆け付けたのは
ロロキエルが陰陽砲台の砲撃に焼かれ、丁度落ちてこようというタイミングだった。
「ミスアンゲルス、合流しました。それで……そちらはどなたでしょうか?」
「……」
「あぁ、対よ。あの姿だと無口になってわかりづらいだろうけど」
「なんと」
「これはもう、クライマックスという所でしょうかね。あ、念のため皆さんに強化をかけておきますね。UDCアースの方の阿部晴明の加護ですから問題ないかと」
三者三様ならぬ四者四様に言葉を交わす様子は井戸端会議のようであったが、誰もが得物を構え、眼を鋭く光らせているのは猟兵の証。
狙った獲物は逃がさないという信念の表れだろう。

「ではまず当艦が猟書家の反撃手段を潰しますので、ミスレーパーがとどめを」
「……」
コクコクと頷いたのを確認したアンノウンは落下してくる猟書家めがけ跳躍、船闘一船流の抜刀術「双胴」で四肢を破壊に成功する。
それを確認したレーパーは手にした剣に恨み辛みといった負の力を流し込み、禍々しき一刀を振るわんと跳躍。
落下するロロキエルとすれ違うもそのまま上昇、目下に彼を捕捉し、そのまま空中を蹴り、加速をつけてロロキエルにその切っ先を突き立てた!
その瞬間、彼女はロロキエルが何か言いたげな表情を浮かべたのを見た気がするが、さらに負の力を放出し落下速度を増した。

「あ、対ったらここに叩き付ける気だわ。皆、急いで下がるわよ!司書ちゃんは私につかまって!」
「え、わわわ!」
「了解ですミスアンゲルス」
レーパーが何をするかを察したアンゲルスは二人を引き連れて羅城門方面に向けて避難を始めた。
そして予想通り、レーパーの一撃は落下地点を中心にクレーターを発生させる程の威力となった。
そしてその外延部は羅城門まで残り10メートルという所までに至るすさまじいものであり、アンゲルス達や守備隊だけでなく、他の猟兵達もがその威力に肝を冷やしたのは言うまでもないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月15日


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🔒
#サムライエンパイア
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#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
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#大天使ロロサエル
🔒
#陰陽師
🔒
#安倍晴明
🔒
#魔軍転生
#第2章プレイング募集〆12/13(日)22:59


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠筧・清史郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト