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まほろばは夢ときえた

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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「無人の村が見つかった」
 グリモアベースの片隅に立っていたヴォルフラム・ヴンダー(ダンピールの黒騎士・f01774)が、厳かに告げる。
 漆黒の甲冑に身を包んだ、青白い顔の男。
 一見、普段通りの表情を浮かべているように見えるが。
 その眼光がいつもより鋭いことに、猟兵たちは気づいた。
「以前、俺が訪れた時には、まだひとの営みがあった。だが今は、だれの姿もない」
 単独での調査は危険と踏んで、異変を察知してすぐにグリモアベースに戻ったという。
 よって、『村は無人である』ということ以外、なにひとつわかっていない。
「だが間違いなく、オブリビオンの仕業だろう」
「どうしてそう思うんだ?」
 問いかける猟兵に、ヴォルフラムは言った。
「俺は、村人たちを知っている」

 その村には、かつてオブリビオンによって故郷を喪った歴戦兵たちが、各地から集まっていた。
 失った故郷は戻らない。
 しかし。
 ――村を第二の故郷とし、この地でともに生きていこう。
 そう決意を固めた彼らは日々鍛錬を続け、オブリビオンの支配に抗い続けた。
 噂を聞きつけたヴォルフラムも村を訪れ、兵らとともに手合わせを行ったことがあるのだという。
「一般人ではあったが、手練れの兵が多くいた。力の弱いヴァンパイアや、その支配に墜ちた者たちを寄せつけず、かろうじて独立を保っていた」
 今も。
 その、はずだった。
「しかし、再訪した村は無人だった。村になにが起こったのかを調べ、事の真相を解き明かしたい」
 「よろしく頼む」と告げると、ヴォルフラムはグリモアを掲げ、猟兵たちを転送する準備に入った。


西東西
 こんにちは、西東西です。
 『ダークセイヴァー世界』にて。
 無人の村について調査を行い、村になにが起きたのかを解き明かしてください。

 提示されている行動は一例です。
 どうぞ思うまま、自由な発想でプレイングください。

 それでは、まいりましょう。
 終わることのない、常闇の世界へ――。
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第1章 冒険 『過去に沈む場所』

POW   :    閉ざされた扉を破り家屋などの内部を調べる、未知の脅威に備える

SPD   :    村全体を見回って観察する、物理的な痕跡やその原因を調べる

WIZ   :    魔法の痕跡を調べる、地理や気象、その他の着眼点から調査する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユリウス・リウィウス
住人消失事件、とでも言えばいいのか。
今のダークセイヴァーなら、オブリビオンが本気になればどこでも起こりうる事案だな。

「行方不明」なのだな? 「死体が転がっていた」のではなく。
ならば救える可能性がある。そのための助力は惜しまん。

集落というのは、それだけで完結は難しいものだ。周辺の村々や各地を巡る行商人や吟遊詩人など、直近の村と接した人間はいるはずだ。
彼らの証言を元に、事象が起こった時期を特定したい。
その期間と領主やオブリビオンの行動を比較検討すれば、何らかの道筋が見えてくるかもしれん。

我ながら交渉下手が嫌になるが、同胞を救うためだ、必要な情報は聞き集めねばならん。

消えた皆、どうか無事でいてくれ。




「住人消失事件、とでも言えばいいのか」
 ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)はそうつぶやき、事件の起こった村を出て、周辺地域を歩き回っていた。
 グリモア猟兵は、「死体が転がっていた」のではなく、「行方不明」なのだと言った。
 救える可能性があるのなら、そのための助力は惜しまぬつもりだ。
「とはいえ、やみくもに調査するわけにもいかん。となれば――」
 集落というのは地続きである以上、それだけで完結することは難しい。
 周辺の村々や各地を巡る行商人や吟遊詩人など、直近の村と接した者がいるはずと踏んで、地道な情報取集を行うことにする。
 ようやく隣村へたどりつき、通りかかった村人を呼びとめる。
「すまない。この村に、最近、隣村の住人と接した者はいないか」
 問われた男は、いぶかりながらユリウス――黒の甲冑に剣をたずさえた、無精ひげの男を見やり、言った。
「アンタ、見ない顔だな。何が目的だ?」
「同胞を救うため、人を探している」
「同胞を救うだ? そりゃ穏やかじゃねぇな」
 村人はそう返したが、まだユリウスに対して警戒しているようで。
 鋭い目線を向けながらも、言った。
「数日前、歴戦兵がひとり通ったさ。今ごろは、隣村で歓迎を受けてるだろ。なにしろあそこは手練れの村だ」
「なるほど。それだけわかれば、十分だ」
 ユリウスは村人に礼を告げると、きびすをかえして歩きだした。
(「あの村人は、隣村から人が消えたことを知らないようだった」)
 そして、たったひとりであれ、数日前に旅人が向かったという。
 だとしたら。
 そのひとりも含めて、消えたということになるのだろうか。
 ささやかではあるが、得た情報を仲間たちに報告に行くべきだろう。
(「――消えた皆、どうか無事でいてくれ」)

苦戦 🔵​🔴​🔴​

鼠ヶ山・イル
鍛錬を続けて支配から免れていた村、か
そんな見上げた精神のやつらがいたんだな
そんな村が存在するってだけで、どれほど周辺住民の支えになってたか…
想像に難くはねぇが

オレも魔法を使うから、その辺から調べていくかね
村としての形を残しながら、人だけいなくなってる──
そんなの、どんな魔術なら可能なのか
オレは【呪詛】の知識はあるから、そんな痕跡がないかも知りたい
家々の壁面とか、地面とかに、そういった呪の痕跡はないか?
そもそも、血痕はないのか?
争った形跡は──

ああくそ、できれば生きていたら、って考えちまう
変な希望は持たない方が、楽なのにな


アルバ・アルフライラ
【WIZ】
歴戦の猛者が集う村…
その全てが消え失せたとは随分と不穏よな
支配に抗いささやかな平穏を保っていた村に、何が起きたのか
全てを明らかにする為にも…解明を始めるとしよう

村へ辿り着いたならば先ずは村の見回りを
周囲に漂う魔力の残滓、魔方陣等の呪術的な代物等
魔術的な痕跡が残っていないか確認
世界知識でどの様な類の魔術なのか、ある程度把握出来ると良いのだが…
痕跡が何処かへ続いている場合はそれを追跡
…もしかすると何か遺されているかも知れぬ
調査中、何が起きても対処出来るよう警戒は怠らない

判明した事があれば、皆と情報共有も行う
一人では僅かな手掛かりでも、集まれば分かる事もあろう
何が何でも、足取りを掴んでやる




 普段はやや軽いノリの鼠ヶ山・イル(アヴァリティアの淵・f00273)も、村の現状を見ては、声のトーンを落とさずにはいられなかった。
「鍛錬を続けて支配から免れていた村、か。見上げた精神のやつらがいたんだな。そんな村が存在するってだけで、どれほど周辺住民の支えになってたか……」
 想像には難くないが、今となっては、もぬけの殻だ。
 イルの言葉に、ならび立っていたアルバ・アルフライラ(双星の魔術師・f00123)も同意する。
「歴戦の猛者が集う村……。その全てが消え失せたとは、随分と不穏よな」
 転送後、ざっと周囲を見渡してみたが、グリモア猟兵のいったように、人っ子ひとり見あたらない。
「村としての形を残しながら、人だけいなくなってる──。そんなの、どんな魔術なら可能なのか」
「いずれにせよ、しらみつぶしに調査を行うしかなかろう」
 二人は頷きあい、別方向へと歩き出す。

 イルは注意深く周囲を警戒しながら、多少の知識を持つ【呪詛】の痕跡がないかを探した。
 家々の壁面や、地面に、何者かの仕掛けた呪の痕跡はないか。
 そもそも、血痕はないのか。
 争った形跡はないだろうか──。
 しかしどこにも、それらしい痕跡は見つからない。

 アルバも、調査を行う地点周囲に漂う魔力の残滓、魔方陣等の呪術的な代物など、魔術的な痕跡が残っていないかを丹念に確認していく。
 しかし、こちらも同じく、収穫はゼロで。
「せめて痕跡が見つかれば、世界知識を用いて、どの様な類の魔術なのか、把握できるのだが……」
 歩き回った労力もむなしく、結局、何も見つけることはできなかった。

 再び合流したふたりは、互いの情報を持ち寄った。
 ひとまず判明したのは、『魔術・呪術的な要因による失踪ではない』ということだ。
「ああくそ、できれば生きていたら、って考えちまう。変な希望は持たない方が、楽なのにな」
「一人では僅かな手掛かりでも、集まれば分かる事もあろう」
 何が何でも足取りを掴んでやると、アルバは瞳に秘した燃ゆる星を煌めかせて。
 仲間たちと合流するべく、転送地点へと向かった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ティル・レーヴェ
村の中に争った形跡はなく、数日前にかの村に向かった者も共に姿を消しており、消えた要因は魔法的なものではない……か

もしや村人達は消えたり消されたのではなく、自ら出て行ったのではなかろうか
第2の故郷と呼んだ地を捨てるわけではなかろうし、何らかの情報を得てこの地を守るために打って出たのでは?其れがオブリビオンの罠だとしたら……一刻を争う

扉を破るなどは不得意故、得意なものに協力を仰ぎ屋内も調査しよう
何かを計画したとしたなら、長などの家や集会場の様な場所に手がかりはなかろうか

一度訪れたことがあると言うヴォルフラム殿にも話を聞いて、過去と今の相違点なども見つけられぬじゃろうか
些細な事が糸口になるやもしれん


クック・ルウ
猟兵との情報共有、協力は惜しまない

 逆転の発想をしてみようか

 連れ去られたのではなく、自ら姿を消した、という可能性はないか?
 痕跡を消したのは村人達かもしれぬ

 彼等はただの村人達ではなく、戦の心得もある者達だ
 そうした心得もあるだろう
 姿を消した理由はわからないが
 何者かの追跡を恐れたのかもしれない

 なあ、おじじ殿
 噂を集めてみようじゃないか
 【動物と話す】のも重要かもしれない
 家の隙間に住む鼠、飼育されていた家畜達、村の近くを飛ぶ鳥達
 なにを見た? なにを聞いた? お前たちはなにを知っている?

 だが、近くに動物も居ないのならば
 もっと恐ろしい事が起こったということなのだろうな


ユリウス・リウィウス
外ばかりを気にしてしまったな。原点に返ろう。

酒場や家々に(鍵がかかっていたら破って)入り、どんな状況か確かめる。
その場にあるべきで無くなっているものはないか?
この場所は歴戦兵の集落。ならば全員でどこかへ傭兵に出たという可能性を検討する。この場合、依頼を持ってきたのは件の新参の旅人となるな。

だが、村人が自発的に村を出たのなら、隣村に気付かれないはずがない。
人の寝静まった深夜に動いたか、この推理が見当外れか?
それとも、他者に知られてはならない依頼、か?

家々に旅装を整えた様子はないか? 酒場にうまい話の勧誘ビラはないか?
そもそも一人残らずということがあり得るか?
置き手紙でも残っていればいいのだが。




 集まった猟兵の多くが考えたのは、『村に痕跡がないかどうかを探す』ということだった。
 しかし、あてもなく調査を行ったところで、手がかりを見つけることはできず。
 なんの進展もないまま転送を繰りかえすうちに、猟兵たちは、ひとつの可能性について考えるようになっていた。

 ――村の中に、争った形跡はなく。
 ――数日前に村に向かった者も共に姿を消しており。
 ――消えた要因は、魔法的なものではない。
「もしや。村人達は、消えたり消されたのではなく、自ら出て行ったのではなかろうか」
 オラトリオの聖者であるティル・レーヴェ(福音の蕾・f07995)の呟きに、思案にふけっていたブラックタールのフードファイター――クック・ルウ(水音・f04137)も、同じことを考えていたと返す。
「彼等はただの村人達ではなく、戦の心得もある者達だ。姿を消した理由はわからないが、何者かの追跡を恐れたのかもしれない」
 クックの言葉に、ティルは、かつてこの地を訪れたことがあるというヴォルフラムに問いかけた。
「ヴォルフラム殿。過去と今の相違点など、なにか見つけられぬじゃろうか。些細な事が糸口になるやもしれん」
 しかし、ヴォルフラムは首を横に振って。
「俺が覚えている限り。村の様子は、それほど変わっていない」
 肩を落としたティルに、「強いて違和感を告げるなら」と、男は続けた。
「あれだけの数の歴戦兵が、ひとり残らず居なくなることは、考えにくい」
 その言葉に、クックが食いつく。
「痕跡を消したのは、村人達かもしれぬ。彼らには、そうした心得もあっただろう?」
 その問いに、ダンピールの黒騎士は是とも非とも言わなかった。
「消えた者たちの思惑など、俺にはわからん」

 釈然としないものを抱えたまま、クックは二人と別れ、単独調査に乗りだすことに決めた。
「なあ、おじじ殿。噂を集めてみようじゃないか」
 ユーベルコードで老鴉を召喚し、村内を飛びまわらせるも、村が無人という事実が改めて確認できただけで。
 次なる手をどうするかと考えた時、閃いた。
(「動物と話すのも、重要かもしれない」)
 しかし、貧しいこの村にはもとより家畜はいないようだ。
 野良猫や家鼠にでも会えればと探してみたが、影も形もみあたらない。
 近くを飛んでいた鳥に声をかけるも、
『おれたちは渡って来たばかりだぜ』
 数日前のことなんかわかるもんかと、つれない答えとともに去って行く。
 クックは、ここでも釈然としないものを感じて。
「ひとも、動物も居ない……?」
 消えたのが、人間だけではないというのであれば。
 やはりなにか、恐ろしい事が起こったということなのだろうか――。

 一方、ティルはユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)と合流し、酒場や家々を回っていた。
「扉を破るなどは不得意故、協力に感謝する」
「いや、大したことじゃない」
 ユリウス自身、原点に返るべく調査の見直しを行っていたところだ。
「ここは、歴戦兵の集落。ならば、全員でどこかへ傭兵に出たという可能性がないかと思ってな」
「妾も似たようなことを考えていた。第二の故郷と呼んだ地を捨てるわけではなかろうし、何らかの情報を得て、この地を守るために打って出たのでは? とな」
 その言葉に、ユリウスが先日立ち寄った隣村で得た情報を、思い出す。
「……その場合。村に情報を持ってきたのは、件の新参の旅人。となるのだろうか」
 その推察を裏付ける要素は、見つかってはいないが。
 その推察を否定する要素も、見つかってはいない。
 ティルは紫の瞳をそばめ、うめいた。
「もし、其れがオブリビオンの罠だとしたら。……一刻を争う」
 ユリウスは険しい表情を浮かべ、民家の扉を蹴破る。
(「村人が自発的に村を出たのなら、隣村に気付かれないはずがない。それとも、人の寝静まった深夜に動いたか? 他者に知られてはならない依頼だった、のか?」)
 その状況を、よくよく確かめようと。
 ユリウスは眼を皿にして、暗がりに沈む家を見た。
 ――その場にあるべきで、無くなっているものは『何』だ?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

馮・志廉
・心情
理不尽な支配に抗う志こそ得難いもの。
オブリビオンの仕業としても、手遅れにならなければ良いが。

腕に覚えがあれば何にせよ先ずは武具を取るはずと見て、家や鍛練場を調べる。
十分な準備を持って装備を行ったかを調べ、慌てた様子なら襲撃を受け連れ去られたと考え、血痕や足跡等を探る。
落ち着いた様子ならこちらから打って出たと見て、行き先や相手が分かる物が残されていないかを調べる。
武具が残されていたのなら、催眠術等の可能性を考え、そういった痕跡を探る。

「少しでも手掛かりが残されていれば良いのだが」




 猟兵たちが総出で村の調査を行うなか。
 人間の剣豪である馮・志廉(千里独行・f04696)は、『不自然な消失』の違和に気づき、単身、村の家々を調査してまわっていた。
(「理不尽な支配に抗う志こそ、得難いもの。オブリビオンの仕業としても、手遅れにならなければ良いが――」)
 代々鏢局(警備運送業)を営んできた一族の末裔とあって、駆ける足取りは軽い。
 健脚を生かし、最後に村の中央にある施設に辿りつくと、
「少しでも手掛かりが残されていれば良いのだが」
 「御免」と言いはなち、無人の『鍛練場』に足を踏み入れる。
 石造りの門を抜け、中庭へと至れば、そこには人を模した木人が何体も並んでいた。
 村人たちの鍛錬の賜物だろう。
 数多の傷を受けた木人は、どれも深い傷をもち、全身がボロボロになっている。
(「村の者たちが、それぞれ腕に覚えがあるのなら。何にせよ、先ずは武具を取るはずだ」」)
 志廉はあたりに視線をはしらせ、『消えたモノ』の有無を確かめる。
 中庭には、無い。
 倉庫と思しき小屋は、からっぽ。
 扉を壊し、駆けこんだ母屋のどこにも、それらは見当たらなかった。
「やはり……!」
 志廉の推察はここへきて、ようやく確信に変わった。
 念のため周辺の血痕や足跡等を探るも、『襲撃を受けた』と考えられるような痕跡はどこにもない。
 つまり。
 武具も防具も、すべて無くなっているということは。
 村人たちは、自ら武具を身につけて、どこかへいった可能性が高いのではないか――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火狸・さつま
【POW】
何か痕跡がないか村を見て回る
家屋に入る場合は、誰も居ないと分かってはいても
一応、ノックをし声を掛けて
扉や窓から入る場合もあまり手荒になり過ぎぬよう
後で修復出来るように外すなり
すぐに直せる範囲になるよう極力努力する
村の人が生きている事を…信じて

普段の生活では有り得ないような…おかしな点を探す
扉の開き方
物の配置
家屋や家具の傷
足跡の方向や歩幅、荷車の轍
変に途切れる場所がないか
後は異質なニオイがしないか

…居なくなった、のではなく
見えなくなった、存在を感じなくなった…そんな可能性は無いだろうか…?
気配を探す


突如人が消えた、という事なれば…
この村に暫く留まれば、何か現象が起きはしないだろうか…?


鷲生・嵯泉
故郷を失い、それでも立ち上がり、抗う事を選んだ
重なる境遇に気が逸る
悪い予感と無事を思う気持ちがせめぎ合う
……しかし覚悟はしておこう
それが、この世界での日常なのだから

残された痕跡に争った跡や呪法の跡が無いという事ならば
住人達が自ら何処かへ向かった……
或いは向かわされた可能性も少なくない
ならば、集会場の様な場所を当ってみるか
此れが元々この村に在った建物であれば
何処かへ抜ける隠し通路の様な物があるかもしれん
空気の流れ、叩いた反響、第六感を駆使して
壁・床・天井と云わず隈なく探す

違和感があれば躊躇無く、叩き壊してでも確認
情報は出来るだけ他の者と共有して、探索の糧とする
何としてでも辿り着かねばならんからな


伍島・是清
無人だと静かだな
ここ最近賑やかさに慣れていた所為か、少し物寂しい。
──生きてると、善いけどな。

視覚、聴覚、嗅覚の精度を上げて探索
あまり続けると吐き気を催すから長くは出来ねェけど

「匂い」「足跡が向かう先」「環境音以外の音」が在ればそれらに目星を付けて深掘り
追跡するなり、音と匂いの正体を探るなりする
隠れて残ってる村人がいたりはしねェかな
万が一居れば状況を聞く

見たもの感じたものは、意味ねェと捨てずに全部共有しとく

少しでも何かが見つかるよう、願って




 同じころ。
 夜闇に重く垂れこめる雲の下では。
「故郷を失い、それでも立ちあがり、抗うことを選んだ住人たち。その彼らが、自ら何処かへ向かった――」
 もたらされた情報を聞き、鷲生・嵯泉(烈志・f05845)が眉根を寄せていた。
 無事を思う気持ちと、悪い予感。
 いっそう表情を険しくする嵯泉の内心を察し、伍島・是清(骸の主・f00473)と、火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)は、祈るような想いで言った。
「隠れて残ってる村人がいたりは、しねェかな」
「村の人が生きている事を……信じて」
 無人であると理解しながらも、さつまが丁寧に扉をノック。
 いくら待っても、あたりはしんと、静まり返るばかりで。
 「邪魔するぞ」と呼びかける声に応える者は、未だ、ひとりも現れていない。
 ここ最近賑やかさに慣れていた是清には、その静けさが、すこし物寂しく感じる。
(「──生きてると、善いけどな」)
 胸中で呟き、嵯泉、さつまの傍らで、視覚、聴覚、嗅覚を研ぎ澄ます。
 三人は、村の端に存在する小さな民家の捜索を行っていた。
 他の家からやや離れた位置に存在することが気になり、そろって赴いたのだ。
 いくら耳を澄ましてもなにも聞こえないと、是清が首を振って示し。
 さつまが扉から離れ、二人へと目配せをする。
「手荒になり過ぎないように」
「承知」
 応えるなり、嵯泉は扉の蝶番めがけ蹴りをはなった。
 接続部を砕かれた扉は、そのまま室内へと倒れてゆき。
 三人は躊躇なく屋内へ踏みこむと、さっそく内部調査にとりかかる。

 さつまは、普段の生活では有り得ないような『おかしな点』を探すべく、身の回りのひとつひとつに焦点をあて、観察していった。
 扉の開き方。
 物の配置。
 家屋や家具の傷。
 異質なニオイがしないか。
 そうして丁寧に見ていくうちに、気付いた。
 壁に掛けられた、ある家族の肖像画。
 そこに描かれていたのは、凛と前を向く夫婦と、無邪気に笑む子どもたちの姿だ。
 ――故郷を追われ、たどりついた先で築いた家族の肖像。
 勇ましい彼らであれば、男女の別なく、だれもが武器を手に戦いに赴いた可能性は高い。
 猟兵たちは皆、『歴戦兵である村人たち』と、ひとくくりにしてばかりいたが。
 ひとの集まりである以上、戦いの得意な者ばかりではないはずだ。
 ましてや、戦力に満たない幼い者たちを戦場へなど、連れていくだろうか。
「となると」
 ――子どもや、それ以外の者たちは、どこへいった?

 別の部屋では、是清が『匂い』や『環境音以外の音』に注意を払い、意識を集中させていた。
 可能であれば足跡も辿りたかったが、あいにく屋内ではその痕跡まではたどれない。
(「あまり続けると吐き気を催すから、長くは出来ねェけど」)
 それでも何かが見つかるよう願い、見たもの感じたものを、嵯泉へと共有する。
「ただの隙間風かもしれねェが。風の音が、耳につく」
 よくよく注意を払わなければ聞こえないような、微かな風音。
「私も、この家には違和を感じる」
 嵯泉は空気の流れを調べ、壁や床を叩き、反響を確認してまわった。
(「何としてでも、辿り着かねばならんからな」)
 『第六感』も駆使し、壁・床・天井のすべてをつぶさに調べて。
 そして。
 部屋の端の床板を叩いた瞬間、是清が言った。
「音が違う」
 すぐさま嵯泉が叩き壊せば。
 そこには、地下へ繋がる階段と、空洞が続いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

銀座・みよし
・SPD

急に無人と化した村…
別の場所でまた村を作ってる可能性もあるやもしれませんが…
何にせよ調査です!

連れてきてる隼のホルスさんに空から村を見て貰いつつ、
動物さんにお話を聞いて見ましょう

ホルスさんの【視力】ならば空の上からの不振な痕跡が、
どこを中心に多く発生しているかを把握しやすいかと思うのです
その不振点を中心に野鼠さんや雀さんなどから【動物と話す】ことで情報を得られれば、と
…あとお話を聞かせてくれた動物さんたちのお礼にはビスケットを差し上げます
情報が得られたようならば他の猟兵の方々と情報共有をします
何も見つからなかったどうしましょう…いえ、弱気は禁物でございます!

(アドリブや絡みは問題なく!


ルクレイフェ・アニェージ
神隠しと言うものかしら?
居なくなっただけならまだ何とかなるのだけど。
この村に何が起こったのか、私達の手で見極めないと。

戦闘の痕跡は無い、魔法の痕跡も無い。
だとしたら在るのは何かしら?
住人達全員が自ら動かざるを得ない事情が発生でもしたのかしら。
でもオブリビオンの仕業だという事でしょう?
地形へ攻撃を行い自然災害を促したとか?

ユーベルコードを【サモン・オルファ】を使用
上空から村全体やその周辺を見渡すわね。
何か変わった物は無いかしら。

各自で集めた情報を共有して
何が起こったか推理立て出来たら良いわね。

※アレンジや他者との交流OKです。


逢坂・宵
ヒトが消えた、ですか……
特に前触れというものがなければ、
まず間違いなくなんらかの悪意的存在……オブリビオンの仕業でしょう
これは慎重に、念には念を入れて調べる必要がありそうですね

アストロラーベを取り出して
星の位置などをみながら、周辺の地理や気象の情報を収集しましょう
そして、村の重要な箇所……例えば集会場、墓地、礼拝所、商店など
そういった、人が集まるところになんらかの痕跡が残されていないか
詳細に調べていきましょう
あとは、村から離れた小屋などですね
案外こういうところに痕跡があるものです
これがオブリビオンの仕業であるならば、
なんらかの痕跡が残っていて……そして、求める答えの糸口が何処かにあるはずです


マリス・ステラ
【WIZ】他の猟兵とも協力します

「村を出たのならそれらしい痕跡があるでしょう」
それに最後に見かけたという歴戦兵の旅人……
嫌な予感を覚えないほうがおかしいくらいです

星の導きに従い『第六感』を働かせる
『破魔』の力宿る『視力』は見えざるを視せてくれるでしょう
星枢(地縛鎖)の力で『地域の情報』を探り『祈り』を捧げます

「主よ、憐れみたまえ」

『失せ物探し』村にあるべきがない、それが手掛かり…
目に見えなくても、星は常に宙にあります

「白日の下に隠されても、星明かりなら見通せるかもしれません」

夜を待ち、全身から【生まれながらの光】を放ち『封印を解く』時です

「求めよ、さらば与えられん」

星の道標になりましょう




 ――武装した村人たちは、自らどこかへ向かったのではないか。
 ――一方で、一部の村人たちは、隠し通路を使いどこかへ赴いたのではないか。
 情報を得た猟兵たちは、ただちに調査範囲を村の外へと広げた。
 しかし、村の周囲は見通しの悪い林道が続いている。
 夜闇に包まれた周辺地域すべてを探るには、人手も時間も足りない。
「特に前触れというものがなければ、まず間違いなくなんらかの悪意的存在……オブリビオンの仕業でしょう」
 これは慎重に、念には念を入れて調べる必要がありそうですねと、逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)がアストロラーベ(天図盤)を掲げて。
「村を出たのなら、おそらく。それらしい痕跡があるでしょう。それに、最後に見かけたという歴戦兵の旅人……。嫌な予感を覚えないほうが、おかしいくらいです」
 マリス・ステラ(星を宿す者・f03202)が頷き、星の導きに従って『第六感』を働かせる。
 「主よ、憐れみたまえ」と祈りを捧げるとともに『破魔』の力宿る眼で夜闇をみとおし、地縛鎖「星枢」の力を借り、『地域の情報』を吸いあげる。
「求める答えの糸口は、かならず何処かにあるはずです」
「白日の下に隠されても、星明かりなら見通せるかもしれません」
 宵の星読みと、マリスの祈りによって得られた情報。
 星にまつろうふたりのヤドリガミが集めた情報と、これまでに猟兵たちが集めた情報を重ねゆくことで、村人たちの目指した方角を絞りこんでいく。

 しばしの後。
 簡易地図に逐一情報を書きこみながら、気になる場所がいくつかあると、マリスは猟兵たちに切りだした。
「村の北方は切りたった崖になっており、そこには円形の古城跡があるようです」
 ずいぶんと古い時代のもののようで、現在は建物そのものが崩れ落ち、ひとの暮らす場所としては機能していない。
 続けて、宵はステラとは真逆の方角を示し、言った。
「一方、南方にはいくつかの小屋があることがわかりました」
 この小屋は、嵯泉、さつま、是清の3人が発見した、地下通路のある家から直線方向に南下した位置に存在しているという。
「おそらくですが。あの家にあった通路の抜け道が、この小屋群近くに繋がっているのではないでしょうか」
 東西はどうなっているかというと、近隣の村へ至る林道が続いている。
 先に訪れた村では、歴戦兵たちの失踪はまるで話題にのぼっていなかった。
 であれば、村人たちが東西に向かった可能性は低いのではないか――。

 集めた情報から二人が推測できたのは、ここまでだ。
 できあがった簡易地図を手に名乗りをあげたのは、巨大隼を連れた銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)と、大鷲を連れたルクレイフェ・アニェージ(キメラレイド・f01367)だった。
「急に無人と化した村……。別の場所でまた村を作ってる可能性もあるやもしれませんが、何にせよ調査です!」
「神隠しと言うには、なんだか不自然よね? 居なくなっただけなら、まだ何とかなるのだけど。この村に何が起こったのか、私達の手で見極めないと」
 ルクレイフェは、詳細のわからない北方への偵察を申し出て。
 みよしは、南方への偵察をかってでた。
「おいでオルファ、大空を翔るあなたの力を私に貸してくれるかしら」
 自身の身長の2倍の大鷲に騎乗し、ルクレイフェがさっそうと暗い空を駆けていく。
 巨大隼のホルスさんと視界を同期できるみよしは、上空からの偵察を隼にまかせ、自身は地上から調査に赴く。

 人の脚であれば数日かかる道程も、直線距離で移動できる鳥であれば最短距離で効率よく偵察を行える。
 南方へ向かったみよしは、動物たちに話しかけ、情報収集をするべく野鼠や雀を探し歩いた。
 しかし、先に同様の試みを実行していたクックと同じく、近隣に動物を見つけることはできなかった。
「せっかく、お礼のビスケットをたくさん焼いてきましたのに……。このまま、なにも見つからなかったどうしましょう……。いえ、弱気は禁物でございます!」
 両拳を握りしめ気持ちを奮いたたせるも、『動物が居ない』ということは、それだけで異様な状況だ。
 そうして、みよしが隼ホルスの視界に意識を向けた時だ――。

 同じころ。
 大鷲に乗り、北方上空を飛翔していたルクレイフェは、眼下に広がる光景に息をのんだ。
 武装した村人たちと、犬のような姿のオブリビオンの集団が対峙している。
 朽ち果てた古城跡は、まるで円形の闘技場のようだ。
 そして。
 その場にあって、異様な殺気をはなつ者が、ひとり。
「あれは、オブリビオン……!?」
 頭上を通過した大鷲と騎乗者のルクレイフェに気付き、オブリビオンの男がにまりと口を曲げる。
 次の瞬間、犬たちは一斉に咆哮をあげ。
 あたりに、悲痛な声が響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『オルトロス』

POW   :    くらいつく
自身の身体部位ひとつを【もうひとつ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    ほえる
【悲痛な咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    なかまをよぶ
自身が戦闘で瀕死になると【影の中から万全な状態の同一個体】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵たちの調査により、消えた村人たちは『おそらく自らの意思で、北方と南方へ移動していたであろう』ことがわかった。

 大鷲の力を借り、北方上空の偵察を担当したルクレイフェ・アニェージ(キメラレイド・f01367)は、すぐさま村へ戻り仲間たちへ言った。
「『武装した村人たち』は、北方で存在を確認したわ」
 場所は、円形の古城跡。
 村人の数は、およそ80名近く。
 同じ場に、オブリビオンの犬の群れと、異様な殺気をはなつ男の存在も確認したという。
 「あの男。この私を見て嗤ったのよ」と憤慨し、続ける。
「犬の群れと村人の戦いは、すでに始まっているわ。歴戦兵の集まりと言っても、彼らは一般人。急がなければ、村人たちは全滅してしまうでしょうね」

 一方、隼の眼を借りて偵察を行った銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)は、というと。
「南方上空からは、村人の姿を見ることはできませんでした。しかし、北方と同じものと思われるオブリビオンの犬の群れが、小屋をとり囲むように出現するのを確認しております!」
 裏付けをとれておらず、正確な人数も不明だが。
 これまでの情報から判断すると、南方の小屋には『非武装の村人たち』が隠れている可能性が高い。
 だとすれば犬の群れは、その村人たちを狙っているのかもしれない。

 北方へ向かい、『武装した村人たち』の元へ駆けつけるか。
 南方へ向かい、『非武装の村人たち』の元へ駆けつけるか。
 猟兵たちの判断が、村人たちの命運そのものを分けようとしていた――。


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※連絡事項※

 2章の戦場は、【北方】【南方】の2か所となります。
 プレイング冒頭に、どちらの戦場へ向かうかを記載してください。
 グリモア猟兵の転送はどちらか一方のみとなり、2章中、戦場を行き来することはできません。

 村人たちの生死はシナリオの成否には影響しませんが、2章の結果しだいで、村人たちの命運が決まります。

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一駒・丈一
【南方】

やれやれ。こんなところで、
野犬もどき退治の必要が出てくるとは、まったく最高だな。

さて。
小屋に敵を近づけたく無いが、野犬の類はすばしこい。
普通に限られた手勢で迎え撃ったのでは、隙間を掻い潜られ突破される可能性が高い。

ならば、
可能な限り、初動において相手の足を鈍らせることに注力する。
敵を視認次第、ユーベルコードの『罪業罰下』を放つ。
ただし、初撃は敵ではなく、敵の周りの……林の木々。
木々を一閃して倒すことで敵の眼前に障害物を設け……敵の行軍を鈍らせる。

また、追い打ちとして
倒れた木々を掻い潜って出てきた敵に対しても、同じく一閃にて相手しよう。

幸い、
村周辺一帯は林だ。この地の理を活かすとしよう。


馮・志廉
【南方】
故郷を失い、なお追いたてられるか。
この仕打ち、到底見逃す事は出来ない。

注意を小屋から放すべく、到着と同時に槍を持ち群れに飛び込む。
馮家槍法を振るいつつ軽功【ダッシュ】【ジャンプ】で群れの中を駆け回り、多数のオルトロスを【薙ぎ払う】。
槍頭のみならず、柄を使った打撃等を用いて立ち回り、群れごと小屋から引き離す方向に動く。

「獣め。蹴散らしてくれる」




 戦力の分散が必要と悟り、猟兵たちの一部は南方へと向かった。
 グリモア猟兵の転送を受け小屋群へ駆けつけると、オブリビオンの犬たち――『オルトロス』の群れが、ひとつの小屋を囲み、外壁を破壊すべく襲いかかっているところだった。
 一駒・丈一(金眼の・f01005)は戦場を一瞥するなり、
「やれやれ。こんなところで野犬もどき退治の必要が出てくるとは、まったく最高だな」
 声とともに息を吐き。
「野犬の類はすばしこい。それなら――」
 トンと地を鳴らし踏みこんで、『介錯刀』を一閃。
 己に課せらた因果を一時的に逆転させることにより、529mまでの視認している木々を斬り倒す。
「こちらも、この地の理を活かすとしよう」
 ――ヅ、ド……ォン!!
 轟音とともに、倒木は次々と小屋の周囲に倒れこんだ。
 さすがのオルトロスたちも、瞬時に散開。
 丈一の狙い通り、相手の足を鈍らせることには成功したが。
 犬たちは厄介者が現れたとばかりに、猟兵たちめがけそれぞれに襲いかかる。
「獣め。蹴散らしてくれる」
 馮・志廉(千里独行・f04696)も犬たちの注意を小屋から離すべく、武器を手にその身を獣の群れへと躍らせた。
(「故郷を失い、なお追いたてられるか。この仕打ち、到底見逃す事はできない」)
 繰りだすは、房飾りのついた、よくしなる中国槍『鎮八方』。
 緩急をつけた立ち回りに、跳躍。
 突いたかと思えば、退き。
 薙いだかと思えば、容赦のない打撃が襲って。
「河南馮氏に三つの絶技有り。味わってみるか」
 軽やかな志廉の身のこなしに、怯んだ犬たちが次々と貫かれ、霧散していった。
 槍を逃れ散り散りになった犬たちは、丈一が請け負う。
 手にするは、先と同じ『介錯刀』。
 その刃は、歴史上に名を残す、数々の偉人や罪人の介錯に使われたとされる刀であった。
 真偽のほどは定かではなかったが。
 どうであれ、これから斬られゆく犬たちには、価値のわからぬ話。
「これにて終いだ。余罪は地獄にて禊がれよ」
 課せられた因果は、犬の群れを巻きこみ。
 容赦なく、その首をはねた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

火狸・さつま
【南方】
村人が、居るのであれば
助けなければ
全速力で小屋へと向う



【POW】
立ち位置や戦況により臨機応変に対応
他の仲間と声を掛け合い連携をとり立ち向かう

駆け付ける勢いのまま
犬の群れの中へと飛び込み武器ふるい【先制攻撃】
着地と共に
トンッと足踏み鳴らせば
足元より出でて飛び掛かる炎の仔狐
【燐火】にて【範囲攻撃】
小屋には燃え移らせない


敵からの攻撃は【見切り】にて避けるか【オーラ防御】にて防ぐ
受けたダメージは【激痛耐性】にて凌ぎ
燐火と雷火にて【範囲攻撃】


鷲生・嵯泉
【南方】
……正しい選択等、無い
在るのは命を選ぶという傲慢な行動だけだ
だが、全てに手を伸ばす事等出来ん事も事実
1人ではない。他方へ向かう者を信じ、成すべきを為そう

既に破られた小屋もあるかもしれん
しかし先ずは犬共を排除せねば被害が広がるのみ
……ギリ、と何処かで音が鳴った気がした

数が多いなら纏めて叩いてくれよう
破群領域に怪力を乗せ叩き潰す
攻撃は見切りと第六感で躱し
多少の傷は激痛耐性で無視して攻撃を優先
集まって来るならそれも構わん、残らず片付けるには好都合だ

終われば直ぐに改めて北方へ転送してくれるよう頼む
間に合う間に合わないではなく、成さねばならぬ事の為に
出来るだけの事をしたいという我が儘に過ぎんがな




 ――オォオオオオオオン!
 倒れ往く同胞を前に哀しみでも覚えたのか、オルトロスたちは次々と悲痛な咆哮をあげはじめた。
「これは……!」
 裂ける肌をものともせず、戦場を駆け続けたのは鷲生・嵯泉(烈志・f05845)。
 彼は「数が多いなら、纏めて叩いてくれよう」と考え、そのタイミングをはかっていたのだ。
 『破群領域(ハグンリョウイキ)』と呼ばれるユーベルコードを使えば、周囲の敵を一掃することは容易い。
 取りこぼしがあったとしても、小屋群から遠ざけられるのであれば、積極的に狙っていく価値はある。
「集まって来るならそれも構わん、残らず片付けるには好都合だ」
 反撃を受けたとしても。
 多少の傷は、先ほどと同じく激痛耐性で無視する覚悟だ。
(「既に破られた小屋もあるかもしれん。早急に犬共を排除せねば、被害が広がるばかり」)
 ギリ、と何処かで音が鳴り。
 一刻も早く小屋へとはやる気持ちを押さえ、嵯泉は牙剥く犬のあぎとを見切り、華麗に身をひるがえす。
 ――正しい選択など、無い。
 ――在るのは。命を選ぶという、傲慢な行動だけだ。
「形態移行だ。残らず叩き潰す」
 声に応じ、嵯泉が手にしていた刃がゆらり、鞭状に変じた。
 その効果範囲、実に半径441m。
 しなやかに弧を描いた得物は、殺気をはなった犬たちをひとしく薙いでいく。
「村人が、居るのであれば。助けなければ」
 続いて駆けつけた火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)も、戦場へつくなり全速力で別の小屋へと向かった。
「俺は、右手の集団を請け負う」
 共闘する猟兵たちに声をかけ、果敢に犬の群れに飛び込んで。
 『雷火』と呼ぶ刻印を発動させれば、尻尾全体に鮮やかな文様がひろがっていく。
 黒き雷をはなてば、さつまはトンッと足を踏み鳴らした。
「ちょいと遊ぼうか」
 次の瞬間、足元から狐の形を成した炎の仔狐があらわれて。
 跳ねるように周囲を駆けたかと思えば、犬の群れめがけ飛びかかる。
 炎はまたたくまに、犬たちの毛皮を焼き尽くしていった。
 ――オォオオオオォォォオオン!
 炎を消すべくオルトロスは地に身体をこすりつけはじめたが、ユーベルコードによりうまれた火は、そんなことでは消えやしない。
 『燐火』と『雷火』の範囲攻撃を重ねゆけば、数多の犬がその身を焼かれ、灰塵となって消えていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ティル・レーヴェ
【南方】
北方の加勢は向かった者に任せ、戦う劔を持たぬ村人達を護る盾となろう

先ずは小屋の中を確認し村人がいれば助けに来た事を告げ妾達猟兵を信じて小屋で信じて待つよう伝える
中に入れなければ外からでも
混乱で外に散り散りとなられては護れぬ者が出そうじゃ

其方らを助けに来た
他に仲間もおるし北方へも援軍が行く
必ず護る故信じて待っておれ

万一中が村人以外なら皆に伝える

人が足りねば前線
大丈夫なら小屋寄りの位置で視野広く敵の動向に注視
最優先は村人の生存
敵と小屋の間に立つ様にして
村人へ害が及びそうなら身を呈して護る

弱った敵の位置を味方に教え確実に数を減らすよう助力しつつ回復で戦線を支える
妾の目の届く先誰一人倒れさせん




 犬たちが他の猟兵の対応に追われ離れたすきに、ティル・レーヴェ(福音の蕾・f07995)は先ほど襲われていた小屋に駆け寄る。
 襲撃を受けた際についたものだろう。
 おびただしい数の獣の爪跡が刻まれた小屋は、見た目に反して、堅牢なつくりであるらしい。
(「妾の目の届く先、だれひとり倒れさせん」)
 希望を託し、ティルは声をはりあげた。
「誰かおらぬか。この声が届いておるならば、返事をせよ」
 ――カタン。
 わずかに扉が開き、隙間から、不安に満ちた瞳が覗く。
「だれ?」
「お父さんたち、帰ってきたの?」
 呼びかける声に怯える声。
 家族が恋しいと泣きだす声。
 次々とあふれ聞こえた声は、まだどれも幼く。
(「混乱で外に散り散りとなられては、護れぬ者が出そうじゃ」)
 ティルは彼、あるいは彼らをおびやかさぬようにと、呼びかけを続けた。
「其方らを助けに来た。他に仲間もおるし、北方へも援軍が行く。必ず護る故、信じて待っておれ」
 犬はインクの染みが広がるように、次から次へと増えていく。
 場が落ちつくまで建物内で待機せよというティルの呼びかけを、子どもたちは信じて。
 戦場が静けさを取り戻すまで。
 じっと、建物内に身を潜め続けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリス・ステラ
【北方】を優先
【南方】が少ないなら変更

【WIZ】他の猟兵と連携します

「ここは私たちが引き受けます。あなたたちは逃げてください」

村人たちに呼びかけながら全身から十字架のような光柱を迸らせて敵を『おびき寄せ』ます
何者かと問われれば「ヴォルフラムの友人です」と答えます

弓で『援護射撃』と負傷者には【生まれながらの光】
ただし重傷者に限定、緊急の時は複数同時も実行

「主よ、憐みたまえ」

村人たちの生命が最優先
敵の攻撃は星の輝きによる『オーラ防御』と『カウンター』の星の煌めきで対応
地縛鎖・星枢の力で大地から魔力を得て疲労と魔力を補う

「我思う。故に我あり」

『祈り』を絶やさず、自身の輝きを持って全ての味方を『鼓舞』


ユリウス・リウィウス
戦力を分けるのは得策じゃないが、やむを得んな。北の方はよろしく頼む。

抜け穴を通って、急いで南へ。
武装していないということは非戦闘員なのだろう。そちらの方が急を要する。

皆無事か? 救助に来た。極力抜け穴の中に入っていてくれ。

さて、相手をしなければな。
血統覚醒でヴァンパイア化してから真の姿を開放し、黒風鎧装。
「生命力吸収」で体力を吸い上げながら、犬どもを駆除にかかる。
「恐怖を与える」ことは出来るかな? 犬の攻撃は旋風で弾き、「傷口をえぐ(る)」って、確実に一頭ずつ仕留めていく。

真の姿
全身甲冑とも拘束具ともつかない黒い装甲で全身を覆われた姿。あちこちに棘が生え、眉庇から赤い眼光が漏れている。


伍島・是清
【南方】
地下に繋がる階段と空洞を辿り、南方へ
小屋と戦闘音で状況を察する。──成る程
小屋、あれは人の気配がする

事情は預かり知らぬが、まァ、小屋を護るとしようか
よお、犬っころ。
遊んでやるよ。おいで。

行きはよいよい、帰りは──

己の身は敵を盾にして守る
機械のからくり人形たちを敵に嗾しかけ
敵をまとめるように誘導させて

プログラムジェノサイド『絲独楽』

絲を纏い、独楽回り
敵の中心に飛び込んで一気に狩る
…残念だったな、帰りはねェぞ

敵が狩れたら北へ往く
向こうからも戦闘音が聞こえるから、ね
生憎救いのヒーローは柄じゃない、小屋は振り返らずに往く

──どうか、無事で。
心のなかでただ、祈るだけ




(「成る程。小屋、あれは人の気配がする」)
 同じく南方に駆けつけた伍島・是清(骸の主・f00473)は、仲間とオルトロス、そしてかすかに感じ取れるその他の気配をかぎ分け、胸中でつぶやいた。
(「──事情は預かり知らぬが、まァ、小屋を護るとしようか」)
 小屋群と戦場を一瞥し、今しも小屋の扉を食い破らんとする犬たちへ、挑発するように呼びかける。
「よお、犬っころ。遊んでやるよ。おいで」
 新たな獲物に気付いた犬たちは、すぐに標的を是清に切り替え、反転。
 群れとなって襲い来る。
 是清はあえて背を向けて駆け、機械のからくり人形たちを敵にけしかけて。
 小屋から引き離し、まとめるように誘導したところで、自身はトンと地を蹴った。
「行きはよいよい、帰りは──」
 謡うように零し、空たかく跳躍。
 中空でくんと身を捻り、大地に点々と広がる黒い染みを見渡す。
 敵群の中心に着地した時には、その身にきらと光る鋼の『絲』をまとっている。
 オルトロスたちが牙を剥いた、瞬間。
 ──プログラムジェノサイド『絲独楽』。
 独楽のごとく回転攻撃を繰りだし、集まっていた犬たちを次々と一閃。
 超高速の攻撃を前に、犬たちはなすすべもなく。
「……残念だったな。帰りはねェぞ」
 是清は、あたりの小屋の安全が確認できるまで、糸とからくり人形を手繰って。
 散り散りに消えていくオブリビオンを見送り、小屋に背を向ける。
 ――生憎、救いのヒーローは柄ではない。
「ここは私たちが引き受けます。あなたたちは逃げてください」
「皆無事か? 救助に来た。極力抜け穴の中に入っていてくれ」
 呼びかけるマリス・ステラ(星を宿す者・f03202)、ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)に後を託し、北方を見やった。
 かの戦場がどうなっているかは、不明だが。
(「どうか、無事で」)
 自身も駆けつけるべく、転送を担うヴォルフラムの元へ駆ける。

 残る敵を効率よく屠るため、マリスは自ら敵をおびき寄せる囮をかってでた。
 とはいえ、むざむざやられるばかりではない。
「主よ、憐みたまえ」
 『星屑』の名を冠する弓を引き、自身も果敢に攻撃の一手を担う。
(「戦力を分けるのは得策ではなかったが、今回ばかりはやむを得まい」)
 全身甲冑とも、拘束具ともつかない黒い装甲で覆われた姿をあらわし、ユリウスは残る敵戦力の殲滅にかかった。
 その身はあちこちに棘が生え、眉庇からは赤い眼光が漏れている。
 真の姿に漆黒の旋風をまとい、さらに己を強化して。
 傷を負えば、すかさずマリスが『生まれながらの光』で癒し、猟兵たちは確実に一頭ずつ仕留めていった――。

 ほとんどの犬が消えたのを確認した後、マリスとユリウスは各小屋へと声をかけていった。
 最初は、警戒するように誰も出てこようとはしなかったが。
 やがて次々と姿を現したのは、まだ幼い子どもたちや、女性。
 そして、怪我や傷を負った者や、老人たちだった。
 そのなかの一人。
 武器を手にした女性が進み出ると、2人へ向け言った。
「貴殿らが何者かはわからぬが、我ら一同、命を救われた。助力に感謝する」
 そろって頭をさげる様子に、ユリウスは「礼は良い」と言い添えて。
「武装していないということは、みな非戦闘員か」
「そうだ。我々は歴戦兵の村の住人であり、その中でも、戦闘を担うことが難しい、避難者だ」
 女は、他数名の手練れとともに彼らの護衛として同行していたが、とつじょ現れたオルトロスに成すすべなく、他の護衛は命を落としたという。
 犠牲をだしてしまったことは、悔やまれる。
 しかし。
 2人は猟兵たちが守る安全地帯へと移動するよう促し、移動がてら、護衛の女に問うた。
 ――いったい、村になにが起こったのか?
 女は、唇を噛みしめて。
 北方を見やりながら、告げた。
「オブリビオンが。『残影卿・アシェリーラ』が、やってきたのだ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ルクレイフェ・アニェージ
【白亜の光芒】で参加。
北方へと向かいます。

南方へは…誰かが向かってくれていると信じましょう。
今回色んな人を見殺しにしてしまうかもしれない。
しかし、あそこに居たあの男、あいつは放って置いていい存在では無い。

戦地についたら武装した村人が戦うべきか、避難すべきか
敵の数と味方の数、敵の強さと味方の強さ、
戦況の分析を行い指示をだす。

私の攻撃範囲に味方や村人が居る場合は避難を促し、
五指に魔力を宿し、リヨンラッゼを起動させる。
人差し指の【転換】、中指の【天候】を混ぜ合わせて
ユーベルコード【キメラレイド】を発動、
敵を飲み込め、雷霆の津波

引き潮って知っているかしら?
仲間を呼ぶ間も与えない
雷霆の津波は二度現れる


煌天宮・サリエス
【白亜の光芒】【北方】
闇を照らす者として戦う彼らに癒しと救いを。
村人と邂逅と同時に生まれながらの光を使用、ルクレイフェさんの指示に従うよう説得を行います
村人が指示に従う場合は指示をもとに、従わない場合は戦闘の指示の場合で動きます
指示が避難ならば村人とも避難し敵の攻撃に備え村人の傍にいます、戦闘なら後方で妨害が目的の射撃と回復で援護します
回復は村人の状態が死に繋がる可能性がある、次の攻撃を受けられない場合は村人に優先して使用、それ以外の時は戦況に応じて使います。回復は同時に対象とれるので戦闘の場合は空を飛び高い地点から戦況を見ます
同じチームの人が味方がオブビリオンを倒すと信じ私は光を放つのです。


アダルベルト・ドゥオデキム
【白亜の光芒】【北方】はっ、くそったれな状況だ。ま、構いやしねぇさ。こういう状況に暴力で介入すんのは得意分野だ。じゃ、派手に掃除といきますか。俺ぁ敵の殲滅に専任する。村人の避難なり指示は仲間に任せる。チャンスまでは敵の動きの指向性を観察。リンタローの牽制攻撃がキマったら連携してワンコ共を焼き払うぜ。なるたけ復活されねえよう一撃で葬れそうなやつを中心に殲滅銀弾で狙う。村人はなるたけ巻き込まねえようにするぜ。殺し損なったなら何度でも打ち込んで焼け野原にしてやる。おうテメェ、ルクのお嬢ちゃんを笑ったらしいな?ま、俺ぁ優しかねぇ。覚悟も後悔もする暇なんざ与えねえ。すぐ殺す。ま、笑わなくても殺すけどな。


篝・倫太郎
【白亜の光芒】で北
嗤われたのはルク個人じゃねぇ
多分、俺達猟兵を嗤ったんだ
そんな野郎に好き勝手されるなんざ、まっぴらごめんだね

古城跡に到着したら、エレクトロレギオンで機械兵器を召喚
華焔刀を振るって先制攻撃からの二回攻撃でなぎ払い
以降は機械兵器と自身で敵の牽制と陽動

出来るだけ、戦闘行動の『邪魔』だと思わせるよう
機械兵器も俺も遊撃的に行動
村人の説得と避難の声掛けはルクとサリエスに任せる

説得とか苦手だし、そんな余裕ねぇや

ルクのキメラが放てる状態になったなら攻撃圏外へ

ルク!アダルベルト!デカい一撃は任せるぜ!
向こうさんの嗤ってる余裕、きっちり奪っちまってくれ
嗤ってる場合じゃねぇぜ?オブリビオン!


セフィリカ・ランブレイ
【白亜の光芒】【北方】
南も気になる。身体が二つ欲しいね、なんて言ってられないか
ルクレイフェちゃん、指揮サマになってるう。ここはお任せだねっ

私は村人さんたちのサポートに回るよ。戦うにしろ逃げるにしろ。
「大丈夫だよ、私達が来た。自分と私たちの両方を信じて。命を大事に、明日のために、ね!」
村人たちを勇気づける言葉をかけたい
負傷者多いなら、無茶はしないでほしい

【ガジェットショータイム】を使用
今回呼びつけるのは強さよりも数を重視した何体もの歩兵型ガジェット
戦う村人の援護や、傷ついた村人が逃げる時間を得るための盾とする運用
「ごめんね、無理させるけど。後で直してあげるから、頼むよっ!」




 同じころ。
 北方へ向かい、『武装した村人たち』の元へ駆けつけた猟兵たちは、人の歴戦兵とオブリビオンの犬が入り乱れる戦場を前に、迅速に行動に移った。
 真っ先に連携し、場を動かしたのは【白亜の光芒】の5人だ。
 煌天宮・サリエス(聖呪天司・f00836)は村人たちと邂逅するや、『生まれながらの光』をはなち、傷ついた者たちの身を次々と癒した。
「なんだ!? 傷が……!」
「助かった!!」
 数と練度を武器に抵抗を続け、奮闘していた歴戦兵たちは、とつじょ癒されていく身に歓声をあげた。
「私たちはみなさんを助けに来ました。ルクレイフェさんの――白い髪の女性の指示に従ってください」
 サリエスの呼びかけに、ルクレイフェ・アニェージ(キメラレイド・f01367)も声を張りあげる。
「あなたたちの勇気は素晴らしいものだわ。でも、私たちは即時撤退を提案する。これ以上の犠牲を厭うなら、私たちの指示に従って逃げるのよ!」
 敵に前に、背を向ける無念もあるだろう。
 仲間を討たれ、沸きあがる怒りもあるだろう。
 しかし、人間と、オブリビオン。
 その圧倒的な戦力差に、すでに命を落とし、地に伏している者の姿も少なくない。
 一般人である彼らが戦場に残れば、確実にその数は増すばかりだ。
(「今回、色んな人を見殺しにしてしまうかもしれない。しかし、あの男、あいつは放っておいていい存在では無い」)
 ルクレイフェは胸中で呟き、男の姿を探したが、見あたらない。
 あの男に邂逅するためには、まずは、犬たちの駆除をする必要がありそうだ――。

「ルクレイフェちゃん、指揮サマになってるう。ここはお任せだねっ」
 仲間の勇ましい姿を見やり、セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)も、避難の呼びかけをさらに多くの元へ届けるべく、戦場を駆ける。
「大丈夫だよ、私達が来た。自分と私たちの両方を信じて。命を大事に、明日のために、ね!」
 己の足で立つ歴戦兵は多いものの、そのほとんどが何らかの傷を負っている。
 だからこそ、無茶はしないでほしいと、セフィリカは願って。
 背を向け始めた一般人を襲おうと牙を剥いた犬たちの前に、ユーベルコード【ガジェットショータイム】で、歩兵型ガジェットを大量に呼びつける。
「ごめんね、無理させるけど。後で直してあげるから、頼むよっ!」
 主の声を受け、歩兵型ガジェットたちは戦う村人の援護や、傷ついた村人が逃げる時間を得るための盾となって動き始めた。
 さすがの一般人も、これ以上の抵抗はたいして意味をなさないと気づいたのだろう。
 避難を開始した歴戦兵の動きは、敵であるオルトロスたちも察したらしい。
 逃げようとする者たちへ、次々と標的を変えはじめる。
「はっ、くそったれな状況だ」
 アダルベルト・ドゥオデキム(ダンピールのクレリック・f00207)のはなった75の流体銀弾が、犬の頭をことごとく貫通し、一瞬にして霧散する。
 圧倒的な力を前にひるんだ犬を睨みつけ、吐きすてる。
「ま、構いやしねぇさ。こういう状況に暴力で介入すんのは得意分野だ。派手に掃除といきますか」
 サリエスやセフィリカに村人たちを託し、アダルベルトは『対吸血鬼聖滅礼装拾弐式』――機械仕掛けの巨大十字架を構え、次々とオルトロスを討ち、貫いて屠っていく。
 一方、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は戦場を駆けながら、時おりあたりに目線を走らせていた。
(「ルクを嗤った野郎の姿は、みえないか」)
 ルクレイフェは、己が笑われたのだと憤慨していたが。
(「嗤われたのはルク個人じゃねぇ。多分、俺達猟兵を嗤ったんだ」)
 しかし、当の本人の姿が見当たらないのでは、迫りようもない。
 村人を救い、確実に脅威を取りのぞくためにも、まずはオルトロスを倒すしかないようだ。
 ユーベルコード『エレクトロレギオン』で機械兵器を召喚し、華焔刀 [ 凪 ]の連撃で犬を一閃!
 機械兵器とともに派手に立ちまわり、戦場を風のように舞い踊る。
 倫太郎の牽制と陽動が功を奏し、オルトロスは猟兵たちの元へ集まりつつあった。
(「――オルトロスたちには、どうやら群れで行動したがるらしい」)
 標的が自ら固まってくれるというのなら、願ってもない。
 観察をしていたアダルベルトは、それを好機と判じて。
「リンタロー! こっちへ寄せてくれ!」
 避難する村人たちから遠く、己とルクレイフェの攻撃に、もっとも効率よく入る範囲。
 呼びかけに応え、倫太郎はすぐさま動いた。
 ――懸命に生きる者たちをあざ笑う。
 ――そんな者に好き勝手をされるなど、まっぴらごめんだ。
「ルク! アダルベルト! デカい一撃は任せるぜ! 向こうさんの嗤ってる余裕、きっちり奪っちまってくれ」
 声に返すより早く、アダルベルトは準備を終えている。
「邪悪なる者、浄化され地に還れ。土は土に、灰は灰に、塵は塵に。そう、あれかし――」
 流体銀弾が雨のごとく犬たちを貫いた、その瞬間。
 戦場の別の位置で機を図っていたルクレイフェは、五指に魔力を宿し、リヨンラッゼを起動。
 仲間たちを信頼しているからこそ、傍近くで動く必要はない。
 人差し指の【転換】と、中指の【天候】を混ぜあわせ、ユーベルコード『キメラレイド』を発動させる。
「私の本領を見せてあげる、これが――『混血魔導(キメラレイド)』よ」
 戦場にひとつ、雷が弾けたかと思えば。
 雷霆(らいてい)の津波が津波のごとく押し寄せ、戦場を焼き尽くした。
 薄暗い世界に、眼を焼くほどの光が何度もはじけて。
 避難をしていた村人たちも、驚きの声をあげ、振りかえる。
「足を止めないで! さあ、今のうちに!」
 セフィリカがガジェットとともに彼らのしんがりをつとめ、弾ける雷を仰ぎ見て。
 また別の位置では、サリエスが空を飛び、傷ついた者たちへ同時に光をはなっていた。
 ざわめく歴戦兵たちを安心させるべく、声をかける。
「安心してください。あれは、味方のはなった光です」
 己のものとはちがう、他を圧倒する、光――。
 雷に撃たれた犬たちは咆哮をあげる間も、仲間をよぶ間もなく、塵となって消えていった。
 ルクレイフェは、己と仲間たちの連携が、最大限に効力を発揮したことを確信する。
 かろうじて逃げ延び、まだ猟兵たちを襲おうと向かいくる犬たちへ向け、口を開く。
「仲間を呼ぶ間も与えないわ。雷霆の津波は、二度現れるの。――引き潮って、知っているかしら?」
 その言葉を、オルトロスたちが理解したかどうか。
 痛烈な光に撃たれ、漆黒の犬たちは、ことごとく散っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『残影卿・アシェリーラ』

POW   :    我が終生の敵手の力を見よ
【刀身に封じられた『太陽の炎』を纏った剣 】が命中した対象を燃やす。放たれた【吸血鬼を浄化する太陽の力を秘めた】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    我は既に死者である故に
【オブリビオンとして復活させた自分の分身 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    我が闘争の果に
【オブリビオンとなる前からの戦闘経験により】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はランゼ・アルヴィンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵たちの活躍により、南方、北方すべてのオルトロスを一掃することに成功。
 南方の村人は、有志の猟兵が守る安全地帯に身を移し。
 北方で戦い、傷ついた村人たちも、すでに古城跡から撤退している。

 犬たちの居なくなった古城跡には、ひとりの男が佇んでいた。
 北方偵察時に目撃されたオブリビオンの男――村人より伝え聞いた男の名は、『残影卿・アシェリーラ』。
「想定とは異なる過程を経ることとなったが。この結果は、我が望んでいたものに相違ない」
 一定の距離をとり、警戒する猟兵たちを見やり、嗤う。
 彼の者は、強者と戦い、倒した相手の血を呑むことで自分を高められると狂信している吸血鬼であるという。
 ――強者には敬意を払うが、弱者には残酷。
 男は己の分身を復活させながら、言った。
「さあ、この中で最も強い者はだれだ? 我が前に力を示せ。そして、我に血を捧げよ」


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※連絡事項※

残影卿・アシェリーラが、『我は既に死者である故に』を発動した状態で戦闘開始となります。
2体は互いを補いあうように連携攻撃を行うため、注意が必要です。
何らかの対策をもって臨むことをおすすめいたします。

戦闘があまり得意でない方も、プレイングに『できること』を明示頂ければ、他の猟兵と連携できる可能性があります(プレイング内容を見て、MSがマッチングします)。

本シーンであらかじめチームを組んで連携を行う場合は、【2人~3人での共闘】を推奨します。

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馮・志廉
高みを目指すのは結構。
そのために無辜のものを犠牲にすると言うのは論外だ。仇は、必ず討つ。
元より面識も無い。なんの見返りも求めない。
縁もゆかりも無い者の無念を晴らすために心の底から怒り、己の一命を賭ける。
それこそが『義侠心』。

「ならば、俺が相手をしてやる」
刀を手に名乗りをあげ、二人相手に挑みかかる。
相手の目的が強者との戦いである以上、ある程度はこちらの力を測ると見る。
刀を舞わせて防御に徹して油断を誘い、雑な攻撃を仕掛けて来た所で一気に全力を出す。
大力鷹爪功で柄や手首を掴んで流し、相手の剣で分身を貫く『借刀殺人』の技。
自らも傷を負うのは厭わない。
「良い剣だ!利用させて貰ったぞ」




「高みを目指すのは結構。だが、そのために無辜のものを犠牲にすると言うのは論外だ。――仇は、必ず討つ」
 馮・志廉(千里独行・f04696)はそう告げるなり、不利を承知で2体の残影卿へ向かい斬りかかった。
(「相手の目的が強者との戦いである以上、ある程度はこちらの力を測るとみた」)
 傷を負うことは、厭わない。
 一度、二度と斬り結び、馮家に伝わる名刀『劈空刀』を舞うように閃かせる。
 2体のアシェリーラが手にするのは、遥か昔、オブリビオンとなる前に戦った人間の英雄から奪った、『吸血鬼殺しの剣』。
 吸血鬼を浄化する太陽の力――封印された炎をその刃にまとわせながら、残影卿は嗤った。
「ならばくれてやろう。――我が終生の敵手の力を見よ」
 はなたれた炎は志廉の身を焼いたが、ユーベルコード『義侠の武』は、志廉の義侠心を燃やせば燃やすほど、身体能力を向上させる技。
 防戦と見せかけながらも、切れ長の眼は敵の動きをしかと見切り、その動きはより軽快になっていく。
 ――もとより、面識も無い。
 ――なんの見返りも求めない
「縁もゆかりも無い者の無念を晴らすために、心の底から怒り、己の一命を賭ける。それこそが『義侠心』!」
 志廉は、猛禽類を思わせる武学『大力鷹爪功』で1体の剣の柄をからめとり、もう1体の剣で分身を貫いた。
 これこそが、『借刀殺人』の技。
「良い剣だ! 利用させて貰ったぞ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユリウス・リウィウス
ああ、おまえがこの騒動の元凶か。俺たちが働いた手間賃くらいは払ってもらうぞ。おまえの血でな。

真の姿解放、黒風鎧装。

同じ実力の敵を同時に相手取るわけにはいかん。
分身を本体から引き離すように戦いを挑もう。
「生命力吸収」で受けた傷を癒やしつつ、じりじりと押されているように後ろへ下がり、分身を本体から引き離す。
黒風鎧装の暴風と「盾受け」で防御し、十分な距離がとれたら「2回攻撃」「鎧砕き」を交えて、「傷口をえぐ(る)」りながら攻勢に転じる。

分身を討滅したら、俺も残影卿への攻撃に参戦しよう。

真の姿
全身甲冑とも拘束具とも見える鋼鉄の装甲で全身を包み、眉庇から赤い眼光がこぼれる。
全身の各所から棘が生えた状態。




 志廉の攻撃で動きが鈍った分身めがけ、黒剣『ライフイーター』を振るったのはユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)。
「ああ、おまえがこの騒動の元凶か」
 気だるげに声をあげ、残影卿・アシェリーラを前に、真の姿を解放する。
 全身を包むのは、甲冑とも拘束具とも見えるトゲの生えた鋼鉄装甲。
 眉庇からは赤い眼光がこぼれ、銀の髪もつ涼しい顔の男を睨みつける。
「俺たちが働いた手間賃くらいは、払ってもらうぞ。おまえの血でな」
 告げると同時に漆黒の旋風が巻き起こり、ユリウスの真の姿が、さらに強化されていく。
 同じ実力の敵を、同時に相手取るのはあまりにも不利。
「となれば、俺は分身を引き受けよう――」
 果敢に攻めたてると見せかけ、機を見てじりじりと後退。
 漆黒の旋風と盾で確実に防御を重ね、受けた傷は生命力を吸収してやり過ごす。
(「――敵に悟られぬよう、分身を本体から引き離せれば良い」)
 本体と戦う仲間たちからも距離がとれたなら、ここからが本番だ。
「どうした。護るばかりでは我を討てんぞ!」
 敵の挑発は受けとらず、踏みこみながら黒剣を振りかぶる。
 繰りだされる炎の剣戟をその身に受けるも、ユリウスは返す刃で、傷口をえぐるように攻撃を繰りだしていった。
 ――パリ、ン。
 かすかな音とともに、分身の鎧が砕ける。
 間合いをとろうとした吸血鬼を、ユリウスはすかさず踏みこんで詰め。
「これで、多少は攻撃が通りやすくなったはずだ」
 その効果を確かめんと、さらに追加の一撃を、叩きこんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリス・ステラ
【WIZ】他の猟兵を援護します

「あなたのために祈りましょう」

あなたは死に抗う勇気を奮う村人たちに遠く及ばない
奪う者は奪われる覚悟をしなくてはなりません
今がその時です

弓で『援護射撃』
響く弦音は『破魔』の力を宿し彼の守りを破るでしょう
負傷者には【生まれながらの光】
回復は重傷者に限定、緊急時は複数同時に実行

地縛鎖・星枢で大地から魔力を得て疲労やダメージに対応
全身から放たれる光は『オーラ防御』の星の輝き
『カウンター』は星が煌めくように、『各種耐性』で踏み止まる

私はこの場にいる猟兵の中では最も弱いかもしれない
けれど最も強い力を知っています

「それは愛です。だから祈るのです」

アシェリーラ、あなたの魂の救済を


鷲生・嵯泉
強者と会い見える事が望み、か……
其れを悪しとする気は無いが
他者を蔑ろにする行為はつくづく性に合わん

真面に当るのは分が悪い……ならば搦め手を使うまで
符術はさして得意な方ではないが
縛する事が叶えば命を削る甲斐もあるというものだろう
多少の傷は激痛耐性で無視し
攻撃は最大の防御と、怯む隙があれば前へ出る
攻撃は見切りと第六感で躱すか、或いは武器受けにて弾く事に努め
フェイントでの攪乱からの反撃を狙うとする

自身の強弱等どうでもいい
力量の及ばん事を嘆き悔やむ心算も無い
成すべきを為す為に必要とあらば、使える全てを使ってくれよう
だが生憎と、お前に捧げる為の血なんぞは無いという事だ




「強者と相まみえることが望み、か……。其れを悪しとする気は無いが」
 鷲生・嵯泉(烈志・f05845)は両の手に携えた刃を閃かせ、満身創痍の分身が繰りだす『吸血鬼殺しの剣』をはねのけた。
 赤々と燃える太陽の炎が、琥珀の髪先をちりと焦がして。
 一瞬、異臭が鼻をつく。
(「真面に当るのは分が悪い。――ならば、搦め手を使うまで」)
 追うように迫った刃を第六感で見切り、どん、と強く足裏で大地を叩く。
 流れる動作で横合いにまわりこめば、何物をも通さぬ帳が分身の視界を覆った。
 その瞬間、声をあげたのは、後方支援に立っていたマリス・ステラ(星を宿す者・f03202)だ。
「あなたは、死に抗う勇気を奮う村人たちに遠く及ばない。奪う者は、奪われる覚悟をしなくてはなりません。――今が、その時です」
 『星屑』の名を冠する大型弓を手に、狙いを研ぎ澄ませて。
 響く弦音に『破魔』の力を乗せ、援護の一撃をはなつ。
 「星の転がる音がする」と評される魅惑的な声で、マリスは言った。
「あなたのために祈りましょう」
 矢は流星のごとく煌めきの尾をひいて、分身の脚を貫いた。
 たまらず膝をつき、送葬の軍装が間近に迫ったと気づいた時には、もう遅い。
(「符術はさして得意な方ではないが。縛する事が叶えば、命を削る甲斐もあるというものだろう」)
 自身の強弱など、どうでもいい。
 力量の及ばぬことを、嘆き悔やむ心算も無い。
 ――恥じるは、挑まぬまま背を向けること。
「他者を蔑ろにする行為は、つくづく性に合わん」
 向けられた刃にひるむことなく、果敢に迫った嵯泉が、黒々と塗り潰された紙片の束を投げはなつ。
 アシェリーラの身にひとつ、ふたつと黒符が触れれば、刃は何の変化もなく空をかくばかり。
 分身はそこでようやく、己が力を封じられたのだと悟った。
「吸血鬼殺しの力を得られずとも。我には、絶対的な『強さ』がある……!」
 ――力さえあれば、他を征することはできる。
 ――更なる高みに登りつめることができる。
 分身のはなつ、邪悪な殺気をはねのけるように。
 マリスの全身からあふれる星の光は、よりいっそう、輝きを増していく。
「私はこの場にいる猟兵の中では、最も弱いかもしれない。けれど――。最も強い力を、知っています」
 抱く想いが、相対するオブリビオンに届くかどうかは、わからないが。
 狙い定めるは、先ほどとは反対の脚。
 念押しのように矢をはなち、マリスは毅然と、告げた。
「それは愛です。だから祈るのです」
 ――アシェリーラ、あなたの魂の救済を。
 戯れ言を。
 そう分身の口が紡ぐより早く、嵯泉は闇色纏う禍断の刃を振るった。
 首筋に、横一文字の斬撃。
 勢いよく溢れる紅を浴びてなお、その刀身は一雫すらも見得ず。
 前のめりに倒れた分身の身体が、一瞬にして端から霧散していく。
「成すべきを為す為に必要とあらば、使える全てを使ってくれよう。だが、生憎と。お前に捧げる為の血なんぞは、無いということだ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユリウス・リウィウス
同行:リリスフィア


引き続き、真の姿で黒風鎧装を使用し戦闘を継続する。
先の一撃で分身を討滅出来ていればよし。まだ余力があれば、最後まできっちり片付ける。

眼前の分身を倒し、残影卿に分身を討滅したことをアピールする。

こんな騎士崩れ一人も倒せず、おまえの分身は朽ち果てたぞ。それで強者を求めるなんて、どんな神経してるんだろうなあ、おい?
ああ、すまん。神経なんて高尚なものは、おまえの身体を巡っていないんだよなあ。

これだけ挑発すれば十分か。再召喚した分身をまた俺に送りつけてくるだろ。
本人が来たくても、奴狙いの仲間がいるはず。

技能
生命力吸収、見切り、武器受け、盾受け、2回攻撃、傷口をえぐる、鎧砕き、カウンター




 分身の姿が完全に消え去ったのを見届けて。
 真の姿を解放したままのユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)は、本体である残影卿・アシェリーラと対峙していた。
 ユリウスに力を与える漆黒の旋風が、ごうごうと唸るなか。
「こんな騎士崩れ一人も倒せず、おまえの分身は朽ち果てたぞ。それで強者を求めるなんて、どんな神経してるんだろうなあ、おい?」
 ダンピールの黒騎士は赤い眼光を細め、あざ嗤うかのように声をはりあげ、続ける。
「ああ、すまん。神経なんて高尚なものは、おまえの身体を巡っていないんだよなあ」
 それが挑発であることは、おそらくアシェリーラも理解してはいたのだろう。
 しかし、己の力量を絶対と信じるがゆえに。
 吸血鬼は、言わせたまま捨て置くことを良しとしなかった。
 ユリウスの繰りだした斬撃を予測し、軽やかに回避。
「我と対等に語らうことを許すは『強者』のみ。会話を許した覚えはないぞ、『弱者』ども」
 炎まとった剣をオブリビオンが叩きつけるよう振りおろせば、ユリウスは間一髪、その刃を黒剣で受けとめた。
 刀身を伝い、衝撃が手腕まで届く。
 痺れるような感覚を覚えつつも。
 ユリウスは内心、すべてが狙い通りに運んだことを喜んでいた。
(「これだけ挑発すれば、十分か」)
 注意を惹きつけている、この間に。
 他の仲間たちが、追撃にかかってくれたなら――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクレイフェ・アニェージ
【白亜の光芒】
強者と戦いたいのなら人間を襲わずに吸血鬼同士で争えばいいのよ、
あれこれ言いつつ、結局は弱者を甚振る事しか出来ないただの三下だわ。

私に喧嘩を売ったのは許して差し上げるわ、
あんまり、嗤われた事をあれこれ言っていても仕方ないでしょう?
それに…これから嫌と言うほど跪かせるのに。

五指に魔力を宿し、リヨンラッゼを起動。
ユーベルコード【トーラスルーチェ】を発動させる。
幾つものリングを個別に操作し、
不規則に自身の周りに周回させ、敵の注意を引くわ。
敵に当てる様に見せて当てず、敵の目の前で いくつかの炎弾を衝突させて爆発させ敵の目くらましに使用、
その後残る全弾を敵に向かって射出するわ。


アダルベルト・ドゥオデキム
【白亜の光芒】いい気になってやがるヴァンパイアってのはクソ親父を思い出してイライラさせやがる。あぁ、望み通りなら良かったじゃねえか。俺はヴァンパイアハンター。テメェらの天敵だ。ヴァンパイアの力を開放して戦闘するぜ。援護を受けつつ本体を師匠仕込みの吸血鬼制圧格闘術で攻める。「んじゃ、頼むぜお二人サン」それも全力だが、切り札は別になる。仲間が決定的瞬間を引き寄せるまでは戦いながらその時を辛抱強く待つぜ。その時が来たら俺は対吸血鬼の聖銃『Metatron』を懐から取り出してゼロ距離で突きつける。「満足したか?してなくても知らねえがよぉ!」ヴァンパイアの魔力と聖銃の祝福を聖銀弾に乗せて打ち込んでやる!


篝・倫太郎
【白亜の光芒】
まぁ、オブリビオンな時点でとっとと帰れって話だわな……

エレクトロレギオン使用
華焔刀で先制攻撃からのなぎ払いで2回攻撃
本人も分身もどっちも多少はダメージ入れられたら僥倖ってな

基本、ルクとアダルベルトの援護
召喚した機械兵器と自身で敵の連携の妨害

機械兵器達は特に視界を阻害して
死角を作るように無軌道・無秩序に移動と攻撃させる
自身への攻撃は華焔刀で受け流す形で対応
基本本体重視で対応

そうそう好き勝手させるかっての

補足というか内心
あー?ルク、そう言いつつも
実は結構オコなんじゃねぇの?
藪をつついて蛇を呼ぶ趣味はねぇから言わねぇけどもさ

まぁ、嗤われていい気がしねぇのは俺も同じだけども




「まぁ、オブリビオンな時点でとっとと帰れって話だわな……」
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は仲間たちの作りだした隙を活かすべく、即座に『エレクトロレギオン』を発動。
 召喚した105体の小型の機械兵器に命じて、吸血鬼へと一斉にけしかける。
 どれも一撃で消滅してしまう強度とはいえ、視界を阻害し、隙を生みだすには十分。
 死角を作るよう、無軌道・無秩序に移動と攻撃を繰りかえさせる。
 アシェリーラが機械兵器の駆逐に手を取られている合間に、倫太郎自身は柄に焔が舞う華焔刀 [ 凪 ]を手に、間合いへと飛びこんだ。
「そうそう好き勝手させるかっての」
 息を吐くと同時に、横薙ぎに一閃!
 続けてはなった二撃目は見切られ、回避されてしまう。
 攻撃を喰らいながらもすかさず叩きこまれたカウンターを、倫太郎は黒塗りの柄を盾代わりに受け止めた。
「いかなる手をつかおうと同じこと。己の力量を見誤ったな、『弱者』ども」
 『吸血鬼殺しの剣』による、炎をまとった連撃。
 多少の心得はあるとはいえ、力押しで来られては、倫太郎も抑えきれる自信はない。
 しかし――、
「いい気になってやがるヴァンパイアってのは、クソ親父を思い出してイライラさせやがる」
 声と衝撃は、アシェリーラの背後から届いた。
 ――後頭部への、痛烈な一撃。
 顔から地面に衝突する寸前、なんとか両腕で衝撃を受けとめ、横合いへと身体を逃がす。
 追い撃ちをかけるように、機械仕掛けの巨大十字架が地面を抉ったのは、一瞬の後。
「俺はヴァンパイアハンター。テメェらの天敵だ」
 破壊し損ねた機械兵器の駆動音に混ざっても、なおよく通る、アダルベルト・ドゥオデキム(ダンピールのクレリック・f00207)の乱暴な声。
 裂けた頭部から血が流れ、吸血鬼の顔面を赤く染めていく。
 額を押さえ、その手を血に染めて笑みを浮かべる吸血鬼へ、アダルベルトはさらに十字架をけしかける。
 第三の声は、また別の場所から。
「強者と戦いたいのなら、人間を襲わずに吸血鬼同士で争えばいいのよ」
 ルクレイフェ・アニェージ(キメラレイド・f01367)は、白の瞳で吸血鬼を見据えると、五指に魔力を宿し、『決戦魔装リヨンラッゼ』を起動。
「あれこれ言いつつ、結局は弱者をいたぶる事しかできない。――ただの三下だわ」
 【白亜の光芒】三者の準備が整ったことを確認し、アダルベルトが呼びかける。
「んじゃ、頼むぜお二人サン」
 勝手知ったる仲であるからこそ、返る応えはなく。
「遊んであげるわ。さぁ……、この炎の試練、見事掻い潜りなさい」
 ルクレイフェはユーベルコード『トーラスルーチェ』を発動させ、21の輪炎を自身の周りへと浮かべた。
 それぞれを不規則に操り、周回させ、時おり輪炎どうしを衝突させることで爆発を引き起こす。
 それはまるで、無邪気な火遊びのようにも見えて。
「私に喧嘩を売ったのは許して差しあげるわ。あんまり、嗤われた事をあれこれ言っていても仕方ないでしょう?」
 あくまでも優美に。
 あくまでも令嬢然と言いはなつ様を見やりながら、倫太郎は二度目の『エレクトロレギオン』を展開させ、胸中でつぶやいた。
(「あー? ルク、そう言いつつも、実は結構オコなんじゃねぇの?」)
 「まぁ、嗤われていい気がしねぇのは俺も同じだけども」と、口には出さず、心中を察する。
 たとえそれが、図星だったとしても。
 倫太郎には、藪をつついて蛇を呼ぶ趣味はない。
「これから、嫌と言うほど跪かせてあげるわ」
 ルクレイフェは満面の笑みとともに、残る輪炎をアシェリーラへと射出。
 最初の威勢はどこへやら。
 間断なく向けられる攻撃に、吸血鬼は反撃の余地すらなく、全弾をその身に受け地に伏せた。
 延焼を受けながら体勢をたて直しても、迫り来るのは機械兵器と倫太郎の斬撃。
 そして、アダルベルトの激しい近接攻撃。
 『その時』がやってくるまでに、そう時間はかからず。
 満身創痍で、地に膝をつく残影卿を前にして。
 アダルベルトは対吸血鬼の聖銃『Metatron』を取り出し、銃口を額に押しつけた。
 観念した――もとい、満足げな様子であったのは、彼らを『強者』と認めたからだろうか。
「満足したか? してなくても知らねえがよぉ!」
 その声に。
 吸血鬼はくつくつと嗤った。
「その血を呑み尽くすまで。我は何度でも蘇ろうぞ」
 ダンピールのクレリックは、「ハッ」と嗤い、告げた。
「――Hasta La Vista Baby(地獄で会おうぜ、ベイビー)」
 ヴァンパイアの魔力と、聖銃の祝福をこめた聖銀弾は。
 男の額を綺麗に貫通し、哀れな過去を、一瞬で灰へと還した。


 「残影卿、撃破」の報は、村で待機していた歴戦兵やその家族たちに、歓声をもって迎えられた。
「犠牲は出てしまったが……。これで我々は、これからもここで生きていくことができる」
 非戦闘員の護衛を行っていた女が、猟兵たちに頭をさげる。
 女の婚約者も、今回の戦闘で命を落としたという。
 それでも。
 顔をあげて生きていくのだと、女は言った。

 『強者』に飢え、各地に悲劇をもたらしていたアシェリーラの噂を、歴戦兵たちはかねてから見聞きしていたという。
 そして訪れたオブリビオンは、犬を使って戯れに『弱者』と『強者』の選別を行うと言った。
 そうして、生き残った『強者』の血を喰らうのだ、と。

 これが別の村であったなら。
 だれもが絶望にとらわれ、ただただ、命をさしだすままだったかもしれない。
「それでも、第二の故郷として暮らすべく、希望をのこせたなら。――この地で。今度こそ命を繋ぎたい。その一心で、我々は戦うことを選んだのだ」
 だからこの結果に悔いはないと、村人たちは言った。
 この世界に生きる限り。
 おそらくこれからも、苦難は続くだろうから、と。

 「まほろば」と呼ぶには、まだ遠い。
 けれど。
 なによりも尊いつかの間の平穏が、ふたたび、この村に訪れようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月09日


挿絵イラスト