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パルマコン最終審理

#ダークセイヴァー #夕狩こあら #魔女狩りを阻止せよ #朱殷の隷属戦士 #残影卿・アシェリーラ

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「或る辺境の村で魔女狩りが行われている」
 枢囹院・帷(麗し白薔薇・f00445)は惨憺を覆いも繕いもしない。
 先ず以て端的にそう告げた麗人は、グリモアベースに集まりつつある猟兵の柳眉が不穏に顰められるのを見ると、継いで仔細を詳述した。
「この村では、領主たるヴァンパイアの走狗と成り下がった異端審問官の手によって、若い娘達が次々と魔女容疑に掛けられているのだが、此度、彼女達がまとめて処刑される」
 其は恐怖と絶望が齎した狂気だと帷は言う。
 己が血を啜られる恐怖から遁れる為、力無き同胞を贄と差し出す――人間が人間を売り渡す狂気を、領主のヴァンパイアが極上の娯楽と愉しんでいるのだ。
 帷の言は続く。
「娘達は村中を引き回された上で処刑場に赴き、屈辱的な拷問に掛けられて魔女である事を証明された後、領主の面前で公開処刑される」
 無論、彼女達は魔女などではない。
 異端審問官は「罪は黒く顕れる」として彼女達の衣類を剥ぎ取り、雪膚に乗るホクロを動かぬ証拠としているようだが、ホクロなど全身を探せば何処かには有るもの。乙女らは無実の罪で拷問にかけられ、壮絶な痛みに魔女と認めて命を奪われるのだ。
 帷は月白の睫を伏せて息を継ぎ、
「領主は若い娘の血を好み、絞首ならぬ絞血の刑に処して処女の血を飲むとか」
 アイアン・メイデン(鉄の処女)――乙女の血を絞る為に、巨大な鉄製の拷問処刑具が刑場に置かれているのだ、と言う。
 無論、無垢の娘がそのような暗闇で命を落す謂れは無く――。
「君達には、娘達が処刑される前に救出し、処刑に立ち会う領主をやっつけて来て欲しいのだが」
 再び瞼を持ち上げた時には猟兵の無言の「是」、覇気に溢れた顔貌が依頼の了承を示しており、帷は漸く微笑する。
 次いで彼女は凜々と口を開き、
「救出方法については、タイミングも方法も色々と考えられよう。君達に任せる」
 娘達が村中を引き回される間に入れ替わって異端審問官を欺く事も出来るだろうし、拷問に掛けられる直前に闖入し、刑場を攪乱しても良いだろう。
「娘達の解放に成功したなら、君達の前には領主の下僕たる鎧の戦士らが向かってくるだろうから、彼等を華麗にやっつけてくれ」
 ダークセイヴァーに生きる者達は、猟兵という存在を知らない。
 猟兵とはどんな者達であるか、説明するより戦って示した方が早かろうと、此処は思いっきり実力を見せて欲しいと帷は言う。
「僕の戦士を駆逐した後は、この村の領主と刑場で決着をつけるべきだろう。最後の異端者として、此処で奴を裁いてしまえ」
 ぱちん。
 繊麗の指を弾いて鳴らすのが、着地点を語った時の帷の癖。
 彼女が次に掌を暴けばグリモアが出現し、
「ダークセイヴァーにテレポートする。人々を苦しめるオブリビオンに、たっぷりとイバラをくれてやれ」
 さぁ往こう、と猟兵らを光に包んだ。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さりありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ユーカリ)こあらと申します。

 このシナリオは、領主の嗜好と娯楽の為に恐怖と狂気に隷属する人々を解放する、滅び行く村の救出シナリオです。

●戦場の情報
 ダークセイヴァーの辺境にある村。
 村の外れに刑場があり、魔女だとして捕えられた娘達は此処で形式的な裁判を経た後、屈辱的拷問を受けて処刑されてしまいます。
 刑場には、魔女審議と刑執行を見守る領主と鎧の戦士(オブリビオン)、彼の影響下にある異端審問官(人間)、そして村人(人間)が集まっています。

●村娘の救出について
 必ずしもPOW、SPD、WIZに従う必要はありません。
 自由な発想で解放の為に動いて下さい。

●集団戦時の敵の情報
 尖兵『朱殷の隷属戦士』。
 拷問や処刑、周辺の警護をする者達。
 主と血の契約を結んでおり、取引や交渉を持ちかける事は不可能です。

●ボスの情報
 領主『残影卿・アシェリーラ』。
 強者には敬意を払うが弱者には残酷で、屠った強者の血を飲むことで自身を高められると狂信している吸血鬼。
 遥か昔、オブリビオンとなる前に戦った人間の英雄から奪った「吸血鬼殺しの剣」を手に攻撃を仕掛けてきます。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 冒険 『魔女狩りを阻止せよ』

POW   :    異端審問官を力尽くで排除し、村人を救出する

SPD   :    刑場に突入し、異端審問官に捉えられる前に村人の拘束を解く

WIZ   :    周囲の村人を説得。味方につけ、処刑の中止を求める

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

戒道・蔵乃祐
これが吸血鬼の治世ですか?
非道は確かに僕自身の価値観に依る判断に相違ありません
余所者の戯言と嘲られるのもその通りだと、僕は理解します

ですが、人の尊厳を踏み躙る事だけは看過するわけには参りません!!
悪徳を是としつつ悲嘆の蜜を貪る獣達よ。憤怒の拳で成敗仕る!

我が叫びは怒髪天を衝く!!是即ち發吒なり!!


異端審問官を殺める事は、僕には出来ませんが。敵意を砕き心を折る事は出来ましょう

恫喝、呪詛で心の膿を死滅させ。破魔で邪気を祓い清めます

僕は、貴方の善性を信じたい。だが、貴方の悪行は赦しがたい…

僕の目の前から消えてください…。
吸血鬼の僕として村人の報復に打ち殺される前に

僕の両腕が貴方を縊り殺さない様に…


ムルヘルベル・アーキロギア
【WIZ】【アドリブ歓迎】
ふん、異端はどちらだ。神を崇める破壊者どもめが
乙女を颯爽と救う、などというのはワガハイの性には合わぬ
ゆえに理を以て説き伏せ、周囲の者たちを味方に引き込もう

「その審判、待った!」
正面から処刑場に乗り込む。そして大音声で告げる
過去の判例、および異端とされた犠牲者たちの情報を〈世界知識〉と〈情報収集〉で集め、いかに異端審問がふざけた杜撰なものかを明るみに出す
「"罪から出た所業は、ただ罪によってのみ強力になる"。愚王を描いた悲劇の台詞だ」
聴衆の義憤を煽り、正義が我らにあることを宣言する
救出組のため、こちらに注意を惹きつけたいのでな
誰ぞ、護衛を買って出てくれる者がいればよいが


アルトリウス・セレスタイト
さて。悪巧みと行くか

忍んでひっそりと目立たぬように
回廊で捕縛された者を安全な場へ
安全な場を確保できていなければ、一旦自分の元へ出して、中から出ないように言い含め異空間内で保護
引き回し中含め一人ずつ、なるべく目につかない位置を選んで回収

可能なら合間に村人か審問官に触れておき、気付かれそうになったら真影で二重身を出して別のことに意識を向かせる

刑場に着く前には界識を先行させ不審がっていないか探る
勘付いていそうなら強引に介入の準備も考えておく

気取られていなければ、他の猟兵の動きに合わせできる限り纏めて回収

自身が交戦不要な状況なら潜んだまま回収専念
自身が強行の際は華嵐で纏めて始末


テリブル・カトラリー
POW
敵は強者には敬意を払うという。
ならば私は強者を演じ、注目を集めよう。

適当に襤褸布を纏い怪しい者に変装、
救出対象へ堂々と近付き解放する。
途中で遮る異端審問官は怪力を使い、
換装しておいた戦争腕の裏拳等で吹き飛ばし進む。どけ。

異様な風体の者が邪魔者を吹き飛ばしながら救出の為に進めば、
多くの者に恐怖を与える事もできるだろう。
逆に、処刑を止めようとする村人からは少しは頼れる存在になれるかね?

後ついでに村人や救出対象を盾にしようとする奴らがいれば
クイックドロウ、スナイパーで狙い撃つ。


緋翠・華乃音
魔女狩りね……よくもまあ、そんな下らない事をやろうとするものだ。
……さて、助けに行こうか。

……とは言え、俺1人ではどうにもならない。
一先ずは大人しく他の猟兵への援護に徹しよう。

現場を広く見渡せる位置(可能な限り遠距離且つ高所が望ましい)に目立たぬように狙撃銃を携えて潜伏。
優れた視力・聴力・直感をフルに活用し、視野を広げて状況を広範囲に渡って俯瞰・把握。
他の猟兵が行動を起こすのを見計らって狙撃にて猟兵を援護。
身体の部位を狙撃し、異端審問官の足止め(場合によっては射殺)や拷問具・処刑具の破壊等で援護。
ユーベルコードは必要に応じて使用。


御形・菘
まったくロクでもない奴であるな
真の邪神たる妾が、きっちりとっちめてくれよう!

妾に適任なのは攪乱であろう、ダークセイヴァーでは見慣れぬ姿形であろうからな
唯一無二のこの身体、得難い個性で妾は誇らしいぞ!
娘たちを直接助けるのは皆の衆に任せる!

拷問に掛けられる直前に、刑場に集った者共からは少し離れた場所(できれば高い所)から、ド派手に名乗りを上げよう!
はーっはっはっは! 妾こそが真の魔女なり!
そのような偽者どもを吊るし上げるなぞ、貴様らの目は節穴以下か? 片腹痛いわ!

あとはできるだけ逃げ回る! 人目を引くように刑場周りをぐるぐるっとな
追いつかれそうになったら、異端審問官なら少し痛い目を見てもらおうかの


アレクシア・アークライト
 引き回しって、「市中引き回しの上、打ち首獄門」の引き回しよね?
 それって、罪人であることを確定させてから行うものじゃないの? 順番間違ってない?

 閑話休題。

・村の女性が戦いに巻き込まれないように、吸血鬼達がいる処刑場に着く前に助けたい。しかしその際、女性が人質に取られるおそれもあるため、仲間が救出に動いた場合、異端審問官その他の者が命令できないように念動力で身体を縛り、口を塞ぐ。また、女性が怪我をしないよう防護する。

「ごきげんよう。異端審問官様」
「貴方が日夜血眼で探している“異端”、そして“魔女”が来てあげたわよ?」
「私達の敵は、あっち。貴方の処遇は村の人達に任せるわ」


シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
事前に私の行動の意図を味方へ伝える


人が人を陥れて愉悦に浸り安堵する…
私の聖痕が疼きます…
村人と審問官の目を覚ませろという事なのでしょう…

覚悟を決めた眼差し


魔女にされた人と入れ替わるか裁判に異議を唱えてわざと捕まり
【処刑されても死なない】という奇跡を演出
死なないのは魔女では無い為で
審判に信憑性は無いと説得


(誘惑、おびき寄せ、かばう)等で審問官が私から拷問&処刑を始める様に誘い
なるべく他の人に被害が行かない様にする

拷問は(恥ずかしさ耐性、激痛耐性、覚悟、勇気)で耐える
審問官は胸元の聖痕を魔女の印とするかも?

処刑時は【無敵城塞】
内心怖いけど娘さん達を想って耐える

神のご加護です


皐月・灯
この世界は――いつ帰ってきても、胸糞悪りー事ばっかりだ。

ろくでもねー事ばっか起きてやがるし、
ろくでもねー連中が我が物顔でのさばってやがる。

ヴァンパイアどもは人間を踏み躙ることしか考えてねー……いや。
踏み躙ったって、意識すらしてねーんだろう。

オレは異端審問官をブッ飛ばす。
こいつらはクソくだらねー言いがかりで、
関係ねー女どもを腐れ領主サマのエサとして献上した。

ご大層な忠誠心だよ、その結果がオレの拳ってわけだ。
顎のひとつやふたつ、砕かれたって惜しかねーよな。

……オレにゃ【医術】の心得がある。殺しゃしねーよ。
手加減も、してやらねーけどな。

女どもは、怪我の手当したら逃がすぜ。
隠れ場所に心当たり、あるか?


オリヴィア・ローゼンタール
陰惨な……もはや一刻の猶予もありませんか

村娘たちが引き回されそうなところへ乱入する
制止は聞き入れず、異端審問間へ正面から歩み寄り、
ギリギリ死なない程度に顔面を殴り飛ばす(【怪力】【グラップル】)
今この場に邪悪がいるとするならば、罪なき者を陥れる貴様らこそがそれと識れ!

【トリニティ・エンハンス】【属性攻撃】で聖槍に燃え盛る炎の魔力を纏う
「罪は黒く顕れる」――なるほど、試してみましょうか?
聖なる炎を纏う我が槍に焼かれて、黒く炭化すれば有罪、炭化しなければ無罪

穂先を農具などの金属部品に軽く当てて融解させ、
【殺気】を放って脅しや冗談ではないと理解させる
周囲の耳目を集め、他の方による救出の隙を作り出す


リーヴァルディ・カーライル
…ん。魔女狩り、ね
罪なき人々を同じ人間の手で破滅させる…
悪趣味な吸血鬼が好みそうなこと

事前に防具を改造して村娘に変装
第六感に訴えて小石のように存在感を消す魔力を付与
ギリギリまで領主や戦士に猟兵だと気付かれないようにする

村にいる審問官に誘惑の呪詛をかけて虜にした後、
私は少女と入れ替わり、刑場に連行するように命令する

…貴女は隠れて。刑場には近づかないように


刑場では他の娘同様、怯えた振りをして周囲の様子を見切り、
密かに力を溜め、猟兵の乱入に併せて【影絵の兵団】を発動
半数を娘や村人の護衛にて避難させ、
もう半数を必要なら戦士の足止めに回しておく

…ん。魔女狩りは今日で閉廷
これより先は、吸血鬼狩りの時間…


ロベリア・エカルラート
●心情
やれやれ……領主に屈して俯いてるだけならまだしも、いよいよ他人を売り始めたか。この世界じゃ仕方ないとは言え、色々思い出してイラつくね

巫山戯た異端審問ごっこに参加した奴らはともかく、謂れもないのにひどい目に会う人は助けようかな、見捨てて連中と同じに成りたくないし

●行動
刑場に突入。ユーベルコードの攻撃と、その後の茨の増殖で拷問器具を破壊する

その後は異端審問官の制圧
救出対象の女性を狙うやつが居たら、フォースオーラの茨で縛り上げて足止めする
人間相手に使ったら危ないけど、私は別にコイツらが痛い目見ても構わないし
「さて、巫山戯た遊びもこれまでだ」
「趣味の悪い小道具はぶち壊したよ。さ、次はお前らだ」


オブシダン・ソード
拷問とか審問の時に乱入
ユーベルコード併用で村人達に声を掛けて、味方になってもらおうか
審問官には一太刀、もしくは炎の魔法で実力を示しておきたいね

こらこら、見世物じゃあないんだよ
自分じゃなくて安堵してる?
あいつは魔女だからしょうがない?
次は自分の番じゃないかって、そろそろ分かっているんじゃないの?
幸運はいつまでも続かないよ、こんな状況、覆さないと
今なら僕達が…腕に覚えのある戦士達が、君達に手を貸すよ

さあ、願いを言って欲しい。
僕は君達の剣になれる
共に奴等を打倒しよう

審問官と戦う味方がいるなら炎の魔法で援護を
派手に見せつけてあげよう
覚悟してよね、吸血鬼


メミニ・トリスティス
一人でも多くの人を助けたい。

襤褸を纏い、捕らえられた村娘を装って刑場に侵入するね。
囚われた村娘を確認したら、驚かさないよう優しく声を掛けるよ。
「聞いて。あなたたちを助けに来たの。さぁ、手を取って」
手を繋いだら、ユーベルコードを使うよ。
「姿を消していれば大丈夫。落ち着いて、ゆっくりで良いよ」
刑場の外に出るまでは油断せず、一歩一歩確実に進むね。

「あなただけじゃない。他の人も、きっと。ううん、必ず助けるからね」


荒谷・つかさ
魔女狩り、か。
ふうん、面白そうじゃない。
折角だし、一芝居打ってみようかしらね。

目的は「本物の魔女が降臨した」という衝撃を周囲の人間に与えて集団パニックを引き起こし攪乱する事。

娘たちに混じり、堂々と処刑の列の先頭に立つわ。
最初の犠牲者役ね。
拷問にかけられる時も自分からホクロを見せ、
「そうよ。私は魔女。そんなもので魔女を殺そうだなんて愚か者を嘲笑いに来た、本物の魔女よ」
と挑発。
そしてアイアン・メイデンに入れられたら【超硬再生・仁王降臨】を発動して耐え、血を流し狂人のような笑い声を上げながら「怪力」技能でぶち破って脱出するわ。
……実は痛みは素通りするけど「勇気」と「気合い」で我慢するわよ。


六波・サリカ
ホクロがある程度で魔女などと、ふざけた事を云う輩たちですね。
本当の異端とは何か、その身に刻み込んであげましょう。

今回は私自身が異端の「魔女」であると言い張り、
異端審問官に無実の村人を解放させる作戦です。

機械の右手を異端審問官に見せつける様に天高く掲げます。
「その村人たちが魔女だなんて、笑わせてくれますね。魔女とは私のような者の事を云うのです。」
機械の右手を、禍々しい巨大爪形状に変形させ空を薙ぎ、威圧します。

注意をこちらに向けられれば好都合、
巨大爪に高圧電流を纏い、切り裂いて、異端審問官を排除します。

「逃げなさい、村人たち。ここから先は私たち魔女…猟兵の仕事です。」


蘭・七結
恐怖に隷属する人々をみて楽しむなんて、悪趣味ね。
冤罪で無垢な少女の命が散るのは、美しくないわ。

異端審問者に【変装】して紛れ込みましょう。
審問者の1人を【誘惑】、【おびき寄せ】て【だまし討ち】。【生命力吸収】で少しの間眠ってちょうだいね。
その時に衣装を手に入れられるかしら。

審問者に紛れ込めたなら、〝嘲笑の惨毒〟を使用し、審問者や、邪魔をしてきそうな人たちにナユの毒を味わってもらうわ。
【毒使い】の神経毒よ。身体の芯まで痺れるでしょう。
神経毒の効果があるうちに【早業】で少女たちの拘束を解くわ。
もう大丈夫よ。あなた達を脅かすものたちは、ナユたちがまとめて倒すわ。




「引き回しって、『市中引き回しの上、打ち首獄門』の引き回しよね? ダークセイヴァーじゃ罪人である事を確定させる前に行うの?」
 裁判と刑の執行も同時とは、あまりに性急で拙かろう。
 小さな村の事とはいえ、無法にも程があると肩を竦めたのはアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)。
 現下、彼女の緋瞳には、正にその「引き回し」に至る――魔女の容疑を掛けられた村娘が連行される凄惨が映っている。
「お父さん! お母さん! 私は魔女じゃない、信じて!」
「ッッ、私達の愛しい娘が何故このような……!」
「審問官さま、どうかお見逃し下さいまし! 貴方も血の通った人間なら――」
「おおおっと、アシェリーラ様や私を恨むのは筋違いだぞう! 恨むなら密告した村の者、我が身可愛さに隣人を売った臆病者を恨むが良い! どわっはっはっは!!」
 贅沢など一切せぬ一家の。
 他人を妬む事もしなかった家族が。
 ヴァンパイアの遊興の為、村人の底知れぬ恐怖の為に贄と裂かれる。
「さー、娘をふん縛って連れていくのだ!」
「お願い、助けて! 許して下さい!」
 馬上にて異端審問官が検邪の牙笏を示せば、役人が娘を縄にかけ、次の家へと引き摺っていく。
 村人は其を遠巻きに見守り、ぞろぞろと刑場まで歩みを共にするのだが、猟兵らはその人波に紛れ、或いは物陰から陰惨の景を見ているという訳だ。
「この世界は――いつ帰ってきても、胸糞悪りー事ばっかりだ」
 ろくでもねー事ばっか起きてやがるし。
 ろくでもねー連中が我が物顔でのさばってやがる。
 ――と、人集りに内々裏吐き棄てたのは皐月・灯(灯牙煌々・f00069)。
 濡羽色の髪をクシャリ掻き、前髪より薄青と橙、二色の冴瞳を暴いた少年は言を継いで、
「ヴァンパイアどもは人間を踏み躙ることしか考えてねー……いや。踏み躙ったって、意識すらしてねーんだろう」
 握る拳の強さに秘めるは、正義の様な綺麗なものではない。
「――これが吸血鬼の治世ですか?」
 何を以て正道と非道を見極めるかは、己が価値観に依る判断に相違なしと、戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)は十分に辨えている。
 仮令、胸奥より突き上がる義憤の喝破が、余所者の戯言と嘲られようと彼は甘んじよう。
 蓋し、然し。
 人の尊厳を踏み躙る行為を看過するほど逸俗した覚えも無い。
「悪徳を是としつつ悲嘆の蜜を貪る獣達よ。憤怒の拳で成敗仕る!」
 最早人でなし、畜生の所業と瞋恚を宿した荒法師は、常闇の虚空に咆吼し、
「我が叫びは怒髪天を衝く!! 是即ち發吒なり!!」
 正道を往かんと鼻緒を踏み締めた。
「ホクロがある程度で魔女などと、ふざけた事を云う輩ですね」
 私刑極まれり、と佳声を嘆声に替えるは六波・サリカ(六道使い・f01259)。
 ホクロ程度でと可憐が呟くのは、そう、自身が厄災によって欠損した体の一部を機械で補い生き永らえたからで、今は連行される生娘に釘付けられている村人も、彼女の腕を見たならば、「異端」の定義を変えるに違いない。
「本当の異端とは何か、その身に刻み込んであげましょう」
 恐怖に視野を狭くする村に、今一度、転機を――凛然を帯びた金瞳は冴え冴えと、光を帯と引いて疾走った。
「……ん。罪なき人々を同じ人間の手で破滅させる……悪趣味な吸血鬼が好みそうなこと」
 縄に掛けられる村娘を見る村娘――いや、彼女は村娘に変装したリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)か。
 小石のように存在感を消し、人混みに紛れたリーヴァルディは、ギリギリまで領主や戦士に猟兵だと気付かれぬよう、「一介の村娘」たるべく身を馴染ませている。
 然すれば連行される乙女らに代わって刑場に赴き、邪の喉元に刃を届けられよう。
「私はヴァンパイアを狩る。ただそれだけ」
 いつもと同じ。変わらない。
 花顔は感情の乗せぬ儘、異端審問官が連れる生贄の行列に近付いていった。
「恐怖に隷属する人々をみて楽しむなんて、悪趣味ね。そんなもので満たされるなんて」
 あかい牡丹一花を艶髪に乗せ、ほつり、優婉と言ちたのは蘭・七結(恋一華・f00421)。
 双眸に煌く紫晶石は、絶望に色を失った村娘を映すと、静かに言を足して、
「冤罪で無垢な少女の命が散るのは、美しくないわ」
 ――そう、美しくない。
 胸元の傷痕に重なる、褪せた柘榴石の輪『盲愛の矛牙』の冷たさに睫毛を伏せた七結は、重苦しい空気を漂わせる人集りからそっと離れる。
「……よくもまあ、こんな下らない事を」
 時に緋翠・華乃音(prelude finale.・f03169)は嘆声を重ねて。
「助けに行こうか――と言うものの、俺一人では儘ならない。此処はいざという時の援護に回ろうか」
 瑠璃蝶の羽搏きを秘める麗人は、濃藍の瞳に惨憺を映すや、直ぐさま周辺の地形の把握に取り掛かり、研磨した狙撃の腕を発揮すべく己がポジションを探っていく。
 優れた視力・聴力・直感を解き放つには、視野を広げて状況を把握するには、可能な限り遠距離且つ高所が望ましい。
「――狩るのは此方だ」
 静かなテノールを置いた華乃音は、邪を撃ち抜くに最適な場所を見つけるべく、柔靭の躯を猫の様に疾走らせた。
「ふん、異端は何方だ。神を崇める破壊者どもめが」
 尊大に鼻で嗤い、幾許にも童顔な麗貌に皮肉を乗せたのは、ムルヘルベル・アーキロギア(宝石賢者・f09868)。
 縄に繋がれる村娘の涙を見た彼は、ヒラリ繊手を翻すと、
「乙女を颯爽と救う、などというのはワガハイの性には合わぬ故、他に任せる」
 解放の手段は他にも有ろうと、その爪先は直ぐにも弾かれ――いずれかへと向かう。
 彼の往く背を流眄に見送った御形・菘(目指せビリオン・f12350)も、乙女らを直接救い出すより、己が技能――いや個性を活かす術をよく心得ている。
「若い娘を贄にするなど、まったくロクでもない奴であるな」
 遍く世界は妾のもの。
 妾の庭で好き勝手は許さぬと、漆黒の邪気『凌源貪夢』をぶわり迸らせて大喝する。
「ここは真の邪神たる妾が、きっちりとっちめてくれよう!」
 カッ、と覇気漲る麗貌(キメ顔)は、目下自律稼働中の撮影用ドローン『天地通眼トゥルーアイ』にキッチリ撮らせる周到も見せて。
 その傍らに佇むロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)は、常闇に沈むダークセイヴァーの底知れぬ闇を知る一人だが、この村の惨状は毎度の事だと見過ごす訳にはいかない。
 やれやれ、と柔かな嘆声を零した麗人は、然し続く言は荊棘を帯びて、
「領主に屈して俯いてるだけならまだしも、いよいよ他人を売り始めたか。この世界じゃ仕方ないとは言え、色々思い出してイラつくね」
 内々裡、記憶の断片を過る「キライ」という言葉を奥歯に噛み砕く。
 蓋し次の瞬間には、美し緑瞳は村娘達の絶望に沈む瞳を見詰めて、
「巫山戯た異端審問ごっこに参加した奴らはともかく、謂れもないのに酷い目に遭う人は助けようかな」
 見捨てれば連中と同じになる。
 我が身をそこまで堕とすつもりは無い、と爪先を動かした。
 感情はあれど情動はなく、未来を視るも夢は抱かぬアルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)にとって、現下、藍瞳に映る景はどう感じ得たろうか――其は或いは彼自身も詳述できるものでなかったかもしれない。
 蓋し無為に留まる稟性でもなし、彼は鋭眼に乙女らの列を追うや淡然と言ち、
「扨て。悪巧みと行くか」
 と、声は置かれるものの、影は既に無く――。
 不可視の刻印【界識】(カイシキ)を先に刑場へと向わせた彼は、己が跫は風音に溶かし、人知れず「魔女の行進」を追った。
 或いは眼前の陰惨に対し、心痛めて眉を顰める事こそ吸血鬼の嗜虐に叶うものであったなら、一縷と凛然を崩さぬ荒谷・つかさ(焼き肉担当・f02032)の眼差しは、随分と頼もしかったろう。
「魔女狩り、か。――ふうん、面白そうじゃない」
 乗ってあげる、と桜唇のほとりに佇む微笑は幾許も艶麗に、
「折角だし、一芝居打ってみようかしらね」
 佳人の馨を残して人集りを離れたつかさは、その背に闘志を雷光と迸らせた。
「人が人を陥れて愉悦に浸り安堵する……私の聖痕が疼きます……」
 此れは村人と審問官の目を覚ませろという事なのか――シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は胸元にヒリつく『アセビの聖痕』にそっと繊手を宛がう。
 静かな佳声を差し入れて柳眉を寄せた可憐は、覚悟を決めた眼差しで仲間を見ると、己が行動の真意を予め皆々に伝えた。
「私は裁判に疑問を投げかけるべく、敢えて拷問に甘んじようと思います」
 聖者故にか、それとも余程持たぬ記憶の中に慥かに在った罪悪感故にか。
 自ら罪を求めて他者を守らんとするシホは、村全体の救いを求めて手を合わせ、
「神のご加護がありますように」
 透き通る月白の膚に、『パッシフローラのロザリオ』が揺れた。
「陰惨な……もはや一刻の猶予もありません」
 冴えた紅を挿すアンダーリムの眼鏡越しに凄惨を視たオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)、彼女が懸念するのは、恐怖支配の贄と差し出される村娘の命のみに非ず。
 この様な愚行が常態化すれば、軈てこの村は本当の滅びを迎えるだろうと銀の睫を伏せた修道女は、次に金瞳に凛然を帯びて真っ直ぐ――人の心に棲む邪を見据える。
「この村の異端審問官は二人。片方は預ります」
 別なる審問官がもう一つの村域を回っていると聞いた彼女は、そう声を置いて東方へ向かった。
 扨て如何なる方法で惨憺に介入するか――各々が思い立つ儘に転送地点を離れる中、テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)はふと足を止めて、
「慥か敵は強者には敬意を払うとか――ならば私は強者を演じ、刑場に招いて貰おうか」
 と、口を覆う機械マスクより合成音声を震わせ、己が躯と容貌に合わせた最適解を導く。
 そう、潜入手段は猟兵の個性によって様々。
「再た会おう」
「ああ――刑場で」
 交す視線に互いの健闘を祈った猟兵らは、暫しの別れを告げて枝と分れた。


「村の女性が戦いに巻き込まれないよう、吸血鬼達がいる処刑場に着く前に助けたいのだけれど」
 アレクシアの提案に賛同した猟兵は多く、彼等は多彩な技能や能力を以て罪なき命を救い出していく。
「聞いて。あなたたちを助けに来たの。さぁ、手を取って」
 努めて優しい佳声で乙女らを安心させたのは、メミニ・トリスティス(ホーンテッドコール・f03253)。
 襤褸を纏い、捕らえられた村娘を装って行列に加わっていた彼女は、涙目で見つめ返してくる少女の温かい手をそっと包んで、
「姿を消していれば大丈夫。落ち着いて、ゆっくりで良いよ」
 ゆっくり、静かに……と焦燥を宥めるのは、ユーベルコード【peek a boo】(ピーカーブー)がメミニと、メミニと手を繋いだ者の影を透明にしても、物音は消せないからだ。
 呼吸と足音を静謐に隠し、時を刻む様に歩くは嘗ての名残を感じさせようか――長き年月に人の姿を得たメミニは、少女と同じ体温を手に繋ぐ。
「あなただけじゃない。他の人も、きっと。ううん、必ず助けるからね」
 一人でも多くの人を助けたい――。
 行列を幾分も離れた処でメミニは救出した少女を仲間に預けると、再び縄に繋がれた乙女の列に戻っていく。一人、そして、もう一人。
 解放された村娘達は、灯によって手首の縄を解かれ、絞め跡にも厚い手当が施される。
「隠れ場所に心当たり、あるか?」
「暫くは信の置ける処に身を隠しておいた方が佳い」
 彼女らを匿うに最良の場所を供したのはアルトリウス。
 漸う差し出た白磁の指先が眩耀を紡いで顕したのは、ユーベルコード【回廊】――村娘らを淡青色に輝く粒子に包んだ彼は、村の教会へと繋がる異空間に迎え入れ、命の安全を確保する。
 音を殺した忍び足も、全く気配を感じさせない技能も奏功し、彼は終ぞ不審がられる事なく娘達の回収に成功した訳だが、問題はある。
「勘付かれてはいない様だが、人数が増減すればいずれ気付かれよう」
 そこで連行される村娘の人数を合わせたのが、シホやリーヴァルディらだ。
 彼女達は、異端審問官が家々で唾を飛ばしながら罪状を読み上げる間、繋がれた乙女達とこっそり入れ替わり、審問官らが生贄の数を遵守する様に帳尻を合わせていく。
「……貴女達は全てが終わるまで、刑場には近づかないように」
 少女と入れ替わったリーヴァルディが、審問官に刑場へ向かうよう呪詛を掛ける。
「アシェリーラ様がお待ちかねだ! さぁ往くぞ!」
 馬の嘶きは変わらず、蹄音は村外れの刑場へと繋がっていった。

 そして。
 東方の村域を回るもう一人の異端審問官は、刑場に辿り着く事はなかった。
「む、そこな女! 我が行列の前に立ちはだかるとは何者じゃい!」
 黄金の穂先を大地に突き刺し、馬の歩みを止めたオリヴィアは、須臾、身ごと疾風と化して躍し、審問官の顔面を掌に掴んで馬から引き摺り下ろすと、その儘地面に叩きつける。
「むぎゃ!」
「今この場に邪悪がいるとするならば、罪なき者を陥れる貴様らこそが其と識れ!」
「――……きゅう」
 ギリギリ、本当にギリギリ死なない程度に懲らしめられる審問官。
 然し彼に従って娘達を連行していた役人が黙ってはいない。
「村外の者だな! 口出し無用!」
「ひっ捕らえてくれる!」
 村娘を縛る縄が猟兵に迫れば、其処に七結が芳し蠱惑の馨香を差し入れ、
「邪魔するならナユの毒を味わってもらうわ。身体の芯まで心地良く痺れるでしょう」
 軽く持ち上がる語尾に代わって降り注ぐは、ユーベルコード【嘲笑の惨毒】(デア・レイズ)――猛毒のスパイスに神経を蝕まれた役人らは、凄艶の髪の毛先にも触れられず地に倒れる。
 雪膚の繊指はその間に村娘の縄を解き、絶望の淵より救い出して。
「もう大丈夫よ。あなた達を脅かすものたちは、ナユたちがまとめて倒すわ」
「あ、貴女達は……」
「猟兵」
 ――猟兵。
 初めて聞く言葉に、村娘達の瞳に光が宿る。
 七結が異端審問官に変装して刑場に向わんとすれば、村娘に扮して連行されるはつかさ。
 此方は蹄鉄の音も軽やかに、殺意を研ぎ澄まして刑場へと向かった。


 宛ら十字架の道行の如く、異端審問官が刑場に辿り着いた頃には、罪を着せられた村娘は全て猟兵となっていた。
「どうぞ私から始めてください」
 自ら最初に拷問に掛けられる事を望んだのはシホ。
 彼女は服を剥ぎ取られ、美し雪膚が暴かれた処、審問官は直ぐにも胸の聖痕を牙笏に示し、其を魔女の証と断言する。
 刑場を巡らされ、周囲の村人にも「魔女」と示されたシホは巨大な拷問処刑具「アイアン・メイデン」に入れられるが、無数に突き出た内部の鉄針は、彼女の柔肉を突き刺す事は出来まい。
「これまでに犠牲になった娘さん達を想い、村の救済の為に耐えましょう」
 全ての挙措を奪われる代わり、超防禦でダメージを拒む――彼女のユーベルコード【無敵城塞】は、今の状況を凌ぐに最適の解。
「んんン? 魔女なれば聖別された針に邪悪なる血を流す筈だが……!」
「鉄の処女は無反応だぞ? どういう事だ?」
 騒めく、響動めく。
 動揺が欺瞞に代わってもいけないと、異端審問官は次なる村娘を前に歩ませるが、彼女こそ集団パニックを引き起こさんと機会を伺っていたつかさだったとは運が悪い。
「ホクロなら此処にあるわ」
「ぐへへ、自ら肌を見せるとは……魔性の女め! この娘ッコは魔女確定だ!」
「そうよ。私は魔女。そんなもので魔女を殺そうだなんて愚か者を嘲笑いに来た、本物の魔女よ」
「!?」
 彼女はアイアン・メイデンの閂を抜くと、先に痛撃に耐えたシホに白布を掛けて助け出し、今度は自らの魔女を証明すべく、惨酷の針山に入っていく。
「あの娘御は自ら魔女と告白した。最早逃れられまい……!」
「可哀相に……可哀想……血が、んんン……?」
 誰しもが息を呑んだ瞬間だった。
 この時、鉄の処女が突如笑い出し、ガタガタと揺れて血を流し始める。
「ふふフフフ……クッククッ……あっはっはっは……!!」
 ユーベルコード【超硬再生・仁王降臨】(ニオウ・アーマー)――! 気功術による超硬化を得たつかさは、全くの気合で激痛を超克し、闘気漲る鉄拳に黒扉を内部から破壊するッ!
「どわーっ! 本物の魔女だ!!」
「本当の魔女がこの村に降臨したんだ!!」
 最早、何を以て魔女なのか、村人にも異端審問官にも判るまい。
 アイアン・メイデンが流す血は魔女の証にあらず、これまでずっと鉄檻より滴る紅血に否応にも信じ込まされていた村人達は、大いに判断を鈍らせた。
 然し異端審問官は今の超常を認める訳にはいかぬ。
「静粛に! 静粛にせい!」
 領主の走狗が大手を振って村人を黙らせようと――強硬も辞さぬ構えで身動きした、その時だった。
「その審判、待った!」
 刻下。
 審問官らの真正面より現れたムルヘルベルが、大音声を以て時を楔打つ。
 刑場に至る迄に村長の家の書庫を漁っていた彼は、優れた情報収集力を以て過去の判例、及び異端とされ処断された犠牲者の情報をまとめあげ、いかに異端審問が杜撰なものであるかを明るみに出す。
 聴衆の義憤を煽り、正義が我らにあることを宣言するに、ユーベルコード【賢者の箴言】は多くの共感を得よう。
「――“罪から出た所業は、ただ罪によってのみ強力になる”。愚王を描いた悲劇の台詞だ」
 古典が証する経験則は強く胸を打ち、村人の耳と目を一気に集めていく。
 愛用の『金縁の片眼鏡』越しに注目が集まるのを確かめたムルヘルベルが、「今ぞ」と目配せした先、他の猟兵も之に呼応したろう。
 俄に騒然とし出すカルワリオ(髑髏)の血場では、村人も次第に恐慌を帯びるが、揺れ動く黒叢を粛々掻き分ける人影がひとつ。
 ――テリブルだ。
「なん、だ……ボロ布を纏った……怪しいヤツ!」
「!! 中に入っていくぞ!」
 全くの異質が、堂々と割り入る姿に瞠目する村人達。
 然し場を仕切る異端審問官は黙っていまい、彼は異様な風体の侵入者を押し戻そうと手を伸ばすが、無論、敵う相手でなく――。
「狼藉者ッ! 神裁の場を穢すことは許されぬ!」
「どけ」
「へグゥ!」
 裏拳一発、鼻頭に叩き込まれた男が踵を浮かせて吹っ飛ぶ。
 襤褸布の隙間より『スクラップフィスト』を覗かせたテリブルが今しがた繰り出した閃撃は、刑場に集まった村人を一瞬で黙らせるに十分な一撃であったろう。
 彼女はやっとのこと口を開いた村人に、背越しに流眄を注いで、
「あ、アンタ……まさか、処刑を止めようとしているのかい?」
「――少しは頼れる存在になれるかね」
 無機質な合成音声もやや柔らかく聞こえたか、村人が僅かにも希望に縋ろうとした瞬間、脇から鎧の戦士が進行を阻まんと影を差した。
『貴様ッ、アシェリーラ様の許可無く此処を通れると思うてか! 止まれ、然もないと――!』
「――させない」
『ッ!』
 須臾。
 禍き漆黒の盾を迫り出した護衛戦士の肩を弾いたのは、華乃音のユーベルコード【No title night.】(ムメイノヨル)。
 あまりの特異性に呪いとも違わぬ異常な視覚と聴覚を活性化させた彼は、それらの感覚を統括する脳の演算機能を飛躍的に向上させ、未来予知に等しい軌道予測で『to be alone.』の銃爪を引き、鋭弾に邪を楔したのだ。
『ッ!? 何処からだ! 何処から狙撃している!!』
 姿の見えぬ刺客に護衛達が焦燥し、俄に空気が変わっていく。
 激動に揺らめく刑場に腕ごと突き入れて掻き回したのは、ダークセイヴァーでは余程見慣れぬ姿形をした菘。
「はーっはっはっは! 妾こそが真の魔女なり!」
『な、んッッ!?』
「真偽も解らず娘どもを吊るし上げてきたなぞ、貴様らの目は節穴以下か? 片腹痛いわ!」
 唯一無二のこの身体こそ、得難い個性と誇らしい。
 下半身が蛇のキマイラたる彼女は、高みより声高に名乗り上げると、その後は凄まじいスピードで――刑場をグルグルと逃げ回る!
「ぜ、ぜぜぜ絶対に魔女だ……今まで罰してきた娘達が天使に見えるくらい魔女だ!」
「役人よ、何を怯えておる! 魔女を捕まえろ!!」
 衆目を鷲掴みにする作戦は大成功。
 人智を越える超常の者が多く居合わせた事は、閉鎖的な集落にあって至極効果的であったに違いない。
 異端とは何か、魔女とは何か。
 いや、先ず以て「己で考えたか」と問う様な――サリカが天高く掲げた機械の右腕は示唆に富もう。
「闇も知らない少女たちが魔女だなんて、随分と笑わせてくれますね。魔女とは私のような者の事を云うのです」
 鉄とアルミニウムと電子基板を埋め込んだ細胞で造られた右腕。
 生血でなく、陰陽術と機械工学で動く機械腕『侵攻式』を禍々しい巨大爪形状に変形させたサリカは、常闇の空を大きく薙ぎ、刑場全体を威圧する。
 高圧電力を帯びた巨爪は、大地に衝撃を龍尾と疾らせるや異端審問官と村人を疆界と別ち、
「逃げなさい、村人たち。ここから先は私たち魔女……猟兵の仕事です」
「猟兵……?」
 この後は拷問以上の惨憺と成ろうと、警告を発す。
 其が最終的には領主アシェリーラとの血戦になるとは――今は解るまい。
「魔女でもない、吸血鬼でもない、……イェーガー、って……何だ……?」
「――君達が今の支配を打倒する、切欠を作りに来た者達だよ」
 時に。
 戸惑いに満ちた村人の前に現れたオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)の穏かなテノールは、多くを言わずとも彼等が力無き者の味方だと伝えただろう。
 彼は左手の『Fire Starter』より赫炎を紡いで仲間を援護しながら、玲瓏の流眄に村人を見遣って、
「柵の外に居れば、総てが見世物に映っていたのかな。害が及ぶのが自分じゃなくて安堵する一方、次は自分の番じゃないかって――分かっていたんじゃないの?」
 不思議にも彼の言は乾いた大地を潤す慈雨の如く胸奥に染みて、眠りについて久しい義憤、正義の心を奮い立たせてくれる。
 故に村人は柵の外から身を乗り出して叫び、
「分かってたさ! でも、俺達にゃアンタ達みたいな魔法の力なんて無いんだ!」
「オレ達はいつ自分に降りかかるか分からない魔女狩りに怯えて暮らすしか……!」
 この時、僅かにも彼等に現状を憂う心があると察したオブシダンは、彼等の勇気を引き出さんと艶笑に受け止める。
「今なら僕達が……腕に覚えのある戦士達が、君達に手を貸すよ」
 だから願いを言って欲しい、と――。
 彼のユーベルコード【尽きぬ願いを】(ハートビート)は、彼等の心からの願いに迫り、其に慥かな輪郭を与える。
 そう、彼等こそ立ち上がらなくてはならぬと知るオブシダンは、麗眸を細めて咲み、
「僕は君達の剣になれる。共に奴等を打倒しよう」
 抗う時は今だ、と村人を鼓舞した。

「くぬっ、猟兵など知らぬ! 奴等こそ魔女だ! 今こそ捉えて印を検めよ!!」
 埃舞う刑場、異端審問官が役人らにそう命令した瞬間、オリヴィアが佳声を差し挟む。
 ユーベルコード【トリニティ・エンハンス】は此度、破邪の聖槍に燃え盛る炎を纏って赫々、
「曰く『罪は黒く顕れる』と――成る程、試してみましょうか?」
「んっ?」
「聖なる炎を纏う我が槍に焼かれ、黒く炭化すれば有罪、炭化しなければ無罪――」
「ちょ、ちょっと待て儂はっ、儂は、……冗談じゃない!」
「ええ、冗談ではありませんとも」
 農具に触れるや忽ち融解するは手品でなく、鋩に宿る焦熱も、ぶわり迸る殺気も虚で無し。
 そうして彼女が審問官の挙措を楔する間、仲間達は愈々彼の命令を鶏鳴以下にして、
「元々恐怖で従っていた連中は、恐怖が別にあったら俄の権力に従う訳ないよ」
 ロベリアの皮肉は呪いの茨となって大地を這い、狼狽える審問官の脚を潜って――諸悪の拷問具「アイアン・メイデン」に絡みつく。
「さて、巫山戯た遊びもこれまでだ」
 ユーベルコード【眠り姫の夢】(レーヴ・ドゥ・ターリア)――鉄塊を覆い尽くした荊棘は歪な音を立てて其を破壊すると、審問官の卓から椅子まで、裁判に用いられる道具の全てをイバラに呑んでいく。
 白磁の首を飾る『アンジュ・プリエール』は怪しく妖しく輝こう、
「趣味の悪い小道具はぶち壊したよ。――さ、次はお前だ」
「ひっ……ひぇぇええっ、どれだけ魔女が、魔女が、魔女が儂に……!!」
 これまで多くの娘達を魔女と裁いてきた「異端者」は気が気でない。
 斯くして「魔女」らが刑場を攪乱する中、戦慄く異端審問官に漸近したのがアレクシア。
「ごきげんよう。異端審問官様」
「ッッ!」
 言は至極丁寧に。
 蓋し白磁の繊指はその美しさとは真逆に苛烈に、念動力で審問官の躯を縛り、口を塞ぎ、一切の命令も下させぬ処か、悲鳴すら挙げさせない。
 桜唇のほとりに浮かべた微笑が愈々恐怖を掻き立てよう、
「貴方が日夜血眼で探している“異端”、そして“魔女”が来てあげたわよ?」
「ふぁっ、ふん、へぁっ……!」
 妖し赤髪の「魔女」は、異能を以て彼の息の根を止めるか――否。
「貴方の処遇は村の人達に任せるわ」
 我等の敵は別に居ると含みを持たせると、恐慌しきりの審問官を灯に譲る。
 長らく声を上げる事を忘れていた村人の想いを代弁したのが、この少年の凜然たる拳であったろう。
「てめぇはクソくだらねー言いがかりで、関係ねー女どもを腐れ領主サマのエサとして献上した」
「きっ、きき君達はっ、アシェリーラ様の恐ろしさを知らんのだ! 抗う力がなければ、穏便に従うほかあるまい!」
「ご大層な忠誠心だよ。――それじゃ顎のひとつやふたつ、砕かれたって惜しかねーよな」
「やっ、ちょ待っ――ふンぎゃああアア嗚呼ッッッ!!」
 殺す一撃ではなかろうが、手加減した一撃でもない。
 肥えた審問官の踵が衝き上がり、宙を泳いで地に転がると、村人達の拳が常闇の天蓋を突き、雄々しい声が刑場に満つ。
「若い娘を生け贄にした報いだ! 当然の仕打ちだ!」
「やれ、やれ! もっとやれ!」
 激痛に転輾ち悶える審問官に痛罵が降る。
 土に汚れた躯は軈て大きな――蔵乃祐の影に敷かれて、
「ぐゥゥ、ッ、私とて春も知らぬ乙女を贄にはしたくなかった! だが仕方なかった!」
 仕方なかった、という言に湧く情動を嚥下する。
「僕は、貴方の善性を信じたい。だが、貴方の悪行は赦し難い……」
 活殺を自在する身には非ずと己を戒める蔵乃祐だが、心の膿を死滅させ、邪気を祓い清める事は出来よう。
「僕の目の前から消えてください……吸血鬼の僕として村人に打ち殺される前に」
「ひェ、ッ」
 猟兵が手を下さずとも、いずれ報復に遭う。
 権能の証たる検邪の牙笏を素手に握り潰した彼は、審問官が四ツ足で這いながら領境へ逃れるのを許し、
「――僕の両腕が貴方を縊り殺さない裡に」
 遁走の跫を背に、尚も瞋恚にヒリつく怪腕を押し殺す。
 既に形を失ってはいたが、審問官が去れば裁判の機能不全は決定的。
 猟兵の乱入に合わせ、ユーベルコード【影絵の兵団】(タイプ・レギオン)を発動していたリーヴァルディは、半数を村人の護衛に、半数を鎧の戦士の足止めに回していたのだが、
「……ん。魔女裁判は今日で閉廷」
 村娘は解放され、拷問と処刑は中止。
 当初の目的を遂行した、と刑場を見渡し、一先ずのピリオドを打つ。
 然れば紫瞳はにじり寄る狂邪――尖兵『朱殷の隷属戦士』を見遣って、
「これより先は、吸血鬼狩りの時間……」
 繊麗の指先を動かすや、総ての影絵の兵士より殺気を迸らせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『朱殷の隷属戦士』

POW   :    慟哭のフレイル
【闇の力と血が染付いたフレイル】が命中した対象に対し、高威力高命中の【血から滲み出る、心に直接響く犠牲者の慟哭】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    血濡れの盾刃
【表面に棘を備えた盾を前面に構えての突進】による素早い一撃を放つ。また、【盾以外の武器を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    裏切りの弾丸
【マスケット銃より放った魔を封じる銀の弾丸】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『――猟兵が嗅ぎ付けたか』
 刑場の騒動を高みより「見物」していた吸血鬼が、端整に引き結ばれた唇の端をクッと持ち上げる。
 この男こそ、村の領主たる『残影卿・アシェリーラ』。
 彼は乙女の血が一滴も絞られなかった現状に苛立つより、猟兵らが見せた一連の戦術と立ち回りを「小気味良し」と認め、我が血の契約に結ばれた眷属、『朱殷の隷属戦士』に命じる。
『然れば奴等の血で渇きを潤すしかなかろう』
 ――往け、と。
 主の指先一つでドス黒い狂気を迸らせた尖兵が、血濡れた盾を並べ、呼吸を揃えて漸近する。
 領主を血場に引き摺り下ろすには、眼前の邪戦士を駆逐し、真紅の絨毯でも引かねばなるまい。
 猟兵らは義気凛然、迫り来る凶邪の壁めがけて爪先を弾いた――。
御形・菘
おーおー、これまた実にモブい奴らよの
ちぎっては投げて、ナイスな映像素材にしてくれよう!

妾は最前線で壁となり、戦線を支えてやろう
皆の衆は(割と切実に)攻撃とかフォローよろしく!
挑発、存在感、殺気、恐怖を与える、そしてオーラ防御に味方への鼓舞!
更にトリニティ・エンハンスで防御力を強化するぞ
さあさあお主ら、邪神たる妾を無視して、他の者共にまで気に掛ける余裕があるのか?
はーっはっはっは! 恐れを抱いて絶望に沈むが良い!(思い付きで適当に言ってる)

いや実際のところ、今回妾はむしろ投げられる側であるな
まー撮れ高のための必要経費、痛くても我慢我慢!
あ、もちろん攻撃する余裕があるなら思い切りぶん殴ってやるぞ!


戒道・蔵乃祐
未だ様子見ですか
ならば、先ずは領主の飼い犬から排除してしまいましょう

貴殿方も保身と庇護のために。吸血鬼に従属し、弱者を搾取する側に回った手合いですか

その選択にも、理由はあったのかもしれません。
ですが、だとしても。あなた方の非道に今日泣いている人間が居るのです
故にお互い。ただ我を押し通すのみ!
侍帝の猟兵戒道。参ります


ダッシュ、フェイント、残像のフットワークで懐に飛び込み。フレイルの2撃を気合い、勇気、力溜め、覚悟、呪詛耐性、激痛耐性を込めた武器受け
ダメージが最小限で留まるようにフォースオーラを使って逸らします

此方の番…ですね!
カウンター、怪力、鎧砕きの拳固を鎧兜に叩き込みます

正中線二段突き!!


アルトリウス・セレスタイト
では邪魔するか

魔眼・掃滅で纏めて消し飛ばす
始動は潜んだまま目立たぬように
視界内の敵性個体全て異空へ放逐し脅威を排除
見えず聞こえぬ行動を捕捉するのは、オブリビオンでも骨が折れるだろう

以後露見するまで隠密したままで
敵の武装を放逐するなどで味方へ支援を
脅威度が高ければ敵を直に放逐

気取られたら仕方ないので破天で爆撃
高速詠唱・全力魔法・2回攻撃・範囲攻撃・鎧無視攻撃など駆使し、爆ぜる魔弾の弾幕を叩き付ける面制圧飽和攻撃
攻撃の密度で此方への攻撃も諸共に圧殺する


蘭・七結
ナユ達に狙いを定めたのね。
血が欲しいのでしょう?それなら、ナユと鬼ごっこをしましょう。
さあ、ナユを捕まえてちょうだいな。

ユーベルコードを使用するために、味方の方へ被害が及ばない場所へ数人を【おびき寄せ】るわ。
とても立派な盾をお持ちみたいね。それが限り、ナユの技を見ていただけないわね。
白刃の双剣を携え、【フェイント】をして揺さぶりながら、【早業】と【だまし討ち】で攻撃していくわ。
本命は盾を持ち上げる腕。
腕が不自由になれば、盾を扱えなくなるでしょう。
邪魔なものがなくなったら〝紅恋華〟を使用するわ。

鬼ごっこはおしまい。
あなたたちに、素敵な〝あか〟を見せてあげる。
さあ。どうぞご覧あれ。


リーヴァルディ・カーライル
事前に装備類に【常夜の鍵】を付与しておき、
変装を解除して【常夜の鍵】から武器を取り出す

…ん。予想以上に派手な魔女裁判になった
おかげでもう隠れ潜む必要は無い

敵の殺気の存在感を見切って攻撃を先読みし、
大鎌を怪力任せになぎ払い武器で受けカウンターを狙う
第六感が危険を感じたら【常夜の鍵】に一時避難する

…銀の弾丸。少々厄介だけど…
当たらなければ、意味がない

“防具を改造する呪詛”を宿した大鎌を打ち込み、
鎧を拘束具に変え、装備者の生命力を吸収する呪いを付与
力を溜めた呪いが時間差で爆発。傷口を抉る2回攻撃で追撃を行う

…ん。彼らにはこれで十分。無駄に消耗する必要は無い

吸血鬼、眷属では私達を止める事などできない


緋翠・華乃音
……出てきたのは戦士だけのようだな。
ヴァンパイア共々出てくれば此方を圧倒する事も出来るだろうに……
その愚かしさ……いや、傲慢さが己の身を滅ぼすという事を知らないみたいだな。

読み易い――実に単純で幼稚な一手だ。


戦端が開かれてからは敵の動向や行動を、人並外れた視力・聴力・第六感にて見切り、把握して先読みを行う。
戦況を広く俯瞰し、前線が突破されそうな場所や苦戦しそうな場所へ優先的に援護射撃を行う。
射線が見切られ盾で塞がれたりする場合にはユーベルコードを使用。
携える盾ごと、瑠璃の蝶を宿す流星で貫く。
位置を捕捉されないように狙撃位置は適度に変更する。


テリブル・カトラリー
戦士達か、どうやら、領主の関心を引く事はできたようだな。
次はこいつらを殲滅し、領主をこの場に引き摺りだす。

ブーストを吹かしダッシュ。戦士の動きを見切り
勢いのまま怪力を使いスクラップフィストで殴る鎧無視攻撃で吹き飛ばす。

大型の超重戦争腕に換装。吹き飛ばした戦士を掴みそのままブーストで振り回して敵を叩きつける。盾を構えようが関係ない。押し潰す。

そのまま周囲をなぎ払った後、掴んだ戦士を空に掲げ、握り潰して
敵に対して恐怖を与える。

次は、おまえだ。

握り潰した手を敵へ向け、武器受けで身を守りつつブーストで迫り、
戦闘を続ける。


シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎

戦闘開始迄に脱がされた服を着直します(女の子として大事)

多くの猟兵が駆けつけ
鮮やかに魔女裁判を破綻させただけでなく
村人さん達の心を奮い立たせられて感激です

私が村人さん達に伝えたかった事も
他の方が言って下さいましたし
後は元凶を倒すのみですね

【生まれながらの光】で味方の回復を優先

回復は任せて下さいね

敵の攻撃は<見切り、第六感>で回避
当たりそうでも<オーラ防御、武器受け>で防御

攻撃できれば
【鈴蘭の嵐】を<援護射撃、フェイント、誘導弾、2回攻撃>で
味方が攻撃を当て易いよう
敵の視界を遮る感じで放つ

援護します!

私達の血をご所望なら自分の手で絞って頂けますか?残影卿<礼儀作法、挑発>


オリヴィア・ローゼンタール
次なる走狗を放ってきましたか
いいでしょう――その悉くを粉砕し、蹂躙してさしあげます

【守護霊獣の召喚】により黄金の獅子を呼び出し【騎乗】する
邪悪な戦士を狩るため、槍に宿る炎は聖なる輝きを増す(【属性攻撃】【破魔】)
征きます
雑兵を蹴散らし、圧制者を引きずり出しましょう

獅子を駆り猛然と敵に襲い掛かる(【ダッシュ】)
巨大な体躯と爪牙で敵を蹂躙させ(【グラップル】【踏み付け】)、
自身は【怪力】にて聖槍を縦横無尽に【なぎ払い】、まとめて蹴散らす
我が獅子の爪牙と聖槍の輝き、有象無象が止められると思うな!

突進に対し、むしろこちらからも突撃し、槍で盾ごと貫く(【カウンター】【鎧砕き】)
怯みはしない! 吶喊!


荒谷・つかさ
やっと釣れたわね。
さくっと親玉を伸したい所だけど……順番待ちの列を捌くのが先かしら。

苦痛は気合いで我慢できなくもないけど、近づかれると厄介みたいね。
この先もあることだし、体力は温存させてもらうわ。

この処刑場にあるものの中でも、出来るだけ重くて、壊しても問題ない物。
例えば、私がさっき鉄屑にした「アイアン・メイデン」とか、処刑台とか。
そういった物を【鬼神剛腕砲】で敵群に投げつけるわ。
何の捻りも無い質量攻撃だけど、それ故に防ぎようもないでしょ。
粗方投げつくしたら、次は倒れた敵を砲弾代わりに投げるわよ。

さっきの魔女って自己紹介。あれ、訂正するわ。
私は鬼……東洋の悪魔、鬼よ。
舐めないでちょうだいね。


ムルヘルベル・アーキロギア
高みの見物を気取るか、だがまあよい
そうして傲慢に構えていればいるだけ、地に落ちたときの無様さは際立つというものよ!

敵は多数のようだ、であればオーソドックスに面の攻撃で機先を制そう
〈全力魔法〉および〈高速詠唱〉をもって【ウィザードミサイル】を使用、生み出した火弾を上空から敵陣へ降り注がせる
敵の戦力を削ぐというよりは、他の面々が攻め込むきっかけを作るための威嚇といったところか

とはいえ油断は禁物であるな
ワガハイ自身は中~遠距離を意識し、仲間たちに警告や鼓舞の檄を飛ばそう
とはいえ守りを抜けてワガハイに迫る敵影があったならば……
……うむ、ワガハイにはどうしようもない! 誰ぞ守ってくれ!


葉月・零
うーん、なんかまた嫌な感じのやつ出てきたねー。
今までも言われてたかもだけど、ほんっと趣味悪くない?
君たちからしたら邪魔する俺たちのが趣味悪いのかな?

まぁ、君たちの思う通りには俺たちがさせてあげないよ。

サクッと片付けて吸血鬼への道を繋ごう

物見の見物なんてつまらないでしょ、早く降りてきて決着つけよう?

と、まずはこいつらどーにかしなきゃ。
当たると厄介そうな攻撃だなぁ……うーん、足元滑らせて転んじゃったりしたら当たらないよね?

エレメンタルファンタジアで氷の嵐を

ダメでも視界不良で俺たちに当てにくくなれば

この地の人に猟兵ってのがいるんだよ、って
希望は捨てないでね、って伝えたいから思いっきり暴れるよ


メミニ・トリスティス
繋いだ手の温もりが忘れられない。
あの子たちが、これ以上涙を流さないで済むように。
まずはあなた達から……!

眼前の隷属戦士をしっかりと見据えて、「怖くない、怖くない」と自分に言い聞かせたら戦闘に臨むよ。

戦闘ではリザレクト・オブリビオンのユーベルコードを使うね。
呼び出した死霊騎士はわたしの護衛に就いて貰って、死霊蛇竜を敵にけしかけるよ。


ロベリア・エカルラート
上から偉そうに見下されるのは好きじゃないね。
さっさと雑魚は片付けようか

「ま、とは言っても油断なんてしてやらないけどね」

着実に行こうか。
ユーベルコード【眠り姫の夢】を使って茨の壁を作って、敵の兵を一部隔離するよ。

自分で相手できるだけの数を壁で囲って、確実にそれを狙って倒していく

攻撃には拷問器具に収納されてる鋸を使うよ

「さて、まずは小手調べだ。キミ達もすぐに片付けて上げるよ


※アドリブ、連携歓迎




 死の匂いが漂う村外れの処刑場は、今日々尋常ならぬ熱気に揺れる。
 既に異端審問官は村を遁れ、鉄の処女は破壊され。連行される村娘らと共に刑場に集まった村人達は、今や柵の外から拳を突き上げ、抑えきれぬ激情を叫びと変えていた。
「魔女裁判なんかブチ壊されて当然だ! もっとやっちまえ!」
「理不尽に殺されちまった俺の娘に代わって、俺に代わって、そいつらをやっつけてくれ!」
「いけ、いけ! やれ、やれ!」
 ヴィア・ドロローサ(哀しみの道)は二度と踏まず――抑圧されていた感情は波濤と衝き上がり、猟兵の肌膚を熱く打ち、彼等を鼓舞するよう。
 狂熱に湧く刑場を見渡し、冴えた紫瞳に村人らの反抗を映すはリーヴァルディ(f01841)。
「……ん。予想以上に派手な魔女裁判になった」
 お陰でもう隠れ潜む必要は無い、と白花の指が取り出すは【常夜の鍵】(ブラッドゲート)――常夜の世界の古城に装備類を収めていた彼女は、秘鑰を暴いて其等を得ると、村娘の変装を解いて猟兵と成る。
 先の審問で肌を晒されたシホ(f03442)は、『アドニスのパラディンドレスアーマー』に『ハイドランダのヘッドドレス』と、元のゴスロリ姿を取り戻しつつ(女の子として大事!)、心を奮い立たせる村人の声に希望を得る。
「多くの猟兵が駆けつけ、鮮やかに魔女裁判を破綻させただけでなく、私が村人さん達に伝えたかった事を言って下さったお陰で、彼等の心に灯が宿りました」
 後は元凶を倒すのみ――持ち上げた青の双眸は透徹と、狂気の黒叢を真っ直ぐに射る。
『……アシェリーラ様の御前に血の杯を』
『……残影卿に抗う愚者に死を』
 血を、死を、と互いの盾を鳴らす禍き戦士達。
 朱殷の血斑が染む刺はこれまで幾人を突き殺したか――底知れぬ陰惨が迫るも、オリヴィア(f04296)や菘(f12350)は柳眉ひとつ顰めはしない。
「次なる走狗を放ってきましたか」
「おーおー、これまた実にモブい奴らよの」
 片や走狗と言えば、片やモブと言って。
 互いに「成る程」と一瞥を交した須臾、オリヴィアは守護霊獣たる黄金の獅子を召喚して跨がると、駆け出す彼女の背を見送った菘が【トリニティ・エンハンス】を発動し、三属性に固められた防御力を以て守盾と成る。
「良いでしょう――その悉くを粉砕し、蹂躙して差し上げます」
「ちぎっては投げ、ちぎっては投げて、ナイスな映像素材にしてくれよう!」
 わぁ、と歓声が虚空を震わせたのは、戦線が交わったから。
 忽ち刑場が戦場となり、熱狂が怒濤と逆巻くと、メミニ(f03253)は胸に寄せた繊手をきゅ、と握って憂心を嚥下する。
「――怖くない、怖くない」
 助け出した時の村娘の表情は未だ鮮明に。
 彼女達と繋いだ手の温もりが、まだ此処にある。
「あの子たちが、これ以上涙を流さないで済むように……まずはあなた達から……!」
 普段は装飾として持つ暗器『ticktack』が秘めた力を暴くのは、今だ――!
「もう若い娘達を犠牲に生き長らえるのは御免だ!」
「ああ、どうかこの村に根付いた悪を打ち砕いてくれ!」
 村人達が喉を裂いて声援を送る傍ら、戦塵に身を躍らせたテリブル(f04808)と七結(f00421)は、今も鳥瞰を決める領主アシェリーラを見る。
「どうやら、領主の関心を引く事はできたようだな」
「そう、ナユ達に狙いを定めたのね」
 佳い事だと首肯を合せるのは、尖兵が猟兵を狙う間は、村人達に害が及ぶ事はないからだ。
 ブースターを出力全開、朱殷の群れ目掛けてダッシュしたテリブルは、その勢いの儘『スクラップフィスト』で盾を殴り、血塗れた刺を折ると同時、魔壁を揺るがす。
 一方の七結は白刃『此岸の残華』に相手の攻撃を誘いながら、鎧兵がフレイルを振りかぶった間隙に白牙『彼岸の残華』を衝き入れ、敵の連環を崩していく。
 そうして波打つ盾、壁の綻びを、つかさ(f02032)が逃そう筈もない。
「さくっと親玉を伸したい所だけど……順番待ちの列を捌くのが先かしら」
 と言う彼女の捌き方は大胆にして豪放。
 つかさは今や権威の失墜を象徴する鉄屑「アイアン・メイデン」を掴み上げると、【鬼神剛腕砲】(オウガアーム・カタパルト)発動――! 音速を超えて投擲した先、隷属戦士の群れを鉄塊に蹂躙する。
 この時、線から点、群から個へと綻ぶ鎧兵を精弾に摘むは華乃音(f03169)。
 瑠璃色の鋭眼は蒼鷹の如く、幾許も距離を隔てた死角から銃爪を引いて、
「ヴァンパイア共々出てくれば、此方を圧倒する事も出来たろうに……その愚かしさ、いや、傲慢さが己の身を滅ぼすという事を知らないみたいだな」
 今に訪れる未来が其を如実に示すだろう、と冷然を置く。
 然うして隊列が崩れた瞬間が、アルトリウス(f01410)が敵性個体を最大数で屠れる好機であったろう。
「では邪魔するか」
 彼のユーベルコード【魔眼・掃滅】は、極めて零に近い時を以て、視認した対象を異空へ放逐する。多くの敵性を視界に容れるに、姿形、声音を秘匿していた彼は、最も佳い位置で魔眼の力を解き放ち、その半数を戦場より消した。
『……ほう』
 斯くして魔盾の壁が崩れた時、アシェリーラの瞳が吃驚に細む。
 其は多分に好奇の目であったろう。華麗なるプリンシパルの如くドレスを翻して銃弾を躱していたロベリア(f00692)は、見送った鉄鉛の先に彼を睨め、
「上から偉そうに見下されるのは好きじゃないね」
 歌劇なら兎も角、戦場の立ち位置は上でなければと解放したのが【眠り姫の夢】(レーヴ・ドゥ・ターリア)。
「雑魚はさっさと片付けようか――とは言っても、油断なんてしてやらないけど」
 狙うは着実――彼女は伸びゆく茨で壁を作り、敵の一部を隔離する。
 自身が相手できるだけの数を囲い込み、確実にそれらを倒していく算段だ。
 同じ頃のムルヘルベル(f09868)は、傲慢を崩さぬ吸血鬼を、吃、とモノクル越しに睨め、
「あくまで高みの見物を気取るか――だがまあよい」
 瑞々しい少年の声は然し老獪に、厖大な魔力を迸らせて『賢者の襟巻』を泳がせる。
「そうして傲慢に構えていればいるだけ、地に落ちた時の無様さは際立つというものよ!」
 ユーベルコード【ウィザード・ミサイル】――常闇の天蓋より降るは赫々たる火弾。暗澹を裂いて墜下する焦熱が敵群を灼き、挙措を鈍らせる。
 ムルヘルベルが頭上から攻めるなら、葉月・零(Rien・f01192)は足元から。
「先ずはこいつらどーにかしなきゃ、なんだけど。当たると厄介そうな攻撃だなぁ……うーん、足元滑らせて転んじゃったりしたら当たらないよね?」
 言は飄々、撃は烈々。
 此度、玲瓏の紫瞳に映る【エレメンタル・ファンタジア】は氷の嵐――大地を押し流す洪水が渦を巻いて鎧兵の脚を掬い、膝を折らせて機動を殺した。
『……ッ、ッッ……小癪な……!』
『アシェリーラ様に血を分けられた不死の身、この様な事で倒れはせぬぞ』
 盾が破られ、足も奪われた隷属戦士は、「ならば」と掲げるは鐵筒。
 魔を封じる銀の弾丸を以て、猟兵の異能を、ユーベルコードを封じんとする。
『血の支配に抗う者に。嘆きと歯軋りを』
 銃口より放たれた【裏切りの弾丸】は、次手を継ぐ蔵乃祐(f09466)を獲らうか――否、其は残像。
 時を殺す縮地で懐に侵略した彼は、次いで襲い掛かる銃身を掌底で受けつつ、兜の隙間より僅かにも覗く狂眼を視る。
「貴殿方も保身と庇護のために。吸血鬼に従属し、弱者を搾取する側に回った手合いですか」
『言を慎め。残影卿の御前ぞ』
 蓋し言は止まらず。
「その選択にも、理由はあったのかもしれません。ですが、だとしても。あなた方の非道に今日泣いている人間が居るのです」
『噤め、悪僧!』
 魔手に染まるも我なら、其を咎むも我。
 なれば互いに、唯、我を押し通すのみ!
「侍帝の猟兵戒道。参ります」
『ッ、捻り潰してくれる!』
 受け止めた銃身は握撃に破壊したものの、逆手よりフレイルが振り下ろされる。
 棘は辛辣に肌膚を裂くが、彼の『金剛身』は血を流せども慟哭に染まらず、その心を堕とす事は出来ない。
 其を視て驚いたのは邪兵にも勝ってアシェリーラ。
『成る程。中々の手練れが来た』
 強者(つはもの)か武士(もののふ)と呼ばれる者達だと、面白そうに身を乗り出した血魔は、我が下僕が如何なる奇術を以て弄し制されるかを興味深く眺めている。
 だが其ももう少し。
 好奇の目は軈て驚異に、脅威に見開かれていく事となる。


「扨て、先ずは小手調べだ」
 鬱蒼たる荊棘の壁に一部の鎧兵を囲い込んだロベリアは、我が獲物に極上の苦痛を与えるべく、拷問具『ラ・ヴェ・ダムール』より鋸を取り出す。
 この時の艶笑の美しさは、酷く甘い死を予感させたろう。
「キミ達もすぐに片付けてあげるよ」
『……ッ、ッッ!』
 深い、深い森の奥。茨が囲う城の中。
 其処で如何なる陰惨が行われようとも、悲鳴は決して外には届かず――それから幾許の時を経て佇むは、血色の髪を颶風に靡かせた、緑瞳の凄艶のみ。
 斯くしてロベリアが定点で戦う一方、オリヴィアは戦場狭しと雄々しく翔ける。
「我が獅子の爪牙と聖槍の輝き、有象無象が止められると思うな!」
『ッ、ずヲッ!』
 守護霊獣の金獅子に跨り、風に翻る『祈りのヴェール』より美し銀髪を揺らす聖女。鋭槍に宿る炎を聖なる輝きと携え、往く先を阻む邪悪の塊を盾ごと貫く――無比無双。
 彼女を仕留めんとマスケット銃が馨香を追うが、絶影の機動で疾走る黄金の獅子は其を許さず、視界を蹂躙した矢先に猛爪鋭牙を振り下ろす。
『がっ……ハァ、ッ!!』
 禍き絶叫の中にオリヴィアは佳声を置いて、
「雑兵を蹴散らし、圧制者を引きずり出しましょう」
 虚空に掲げられる聖槍の光に、村人は希望を湧かせる。
『ならぬ、ならぬ……退く事ならぬ』
『アシェリーラ様に歯向かう者があってはならぬ』
 然し、未だ猟兵の数に勝る敵軍。
 護りたかった村を自らの手で滅ぼす禍患の亡者、『朱殷の隷属戦士』の最も厄介な攻撃はユーベルコードの封印か、特に数の多いうちはマスケット銃の射線に入ることも多く、難しい立ち回りが要求される。
 それ故に、リーヴァルディが【常夜の鍵】を回避先として用意していたのは、かなり周到だったと言えよう。
 彼女は敵の存在感、殺気の迸る方向を鋭いアンテナで探り、攻撃を先読みする。
 第六感が戒心を促せば、繊躯は常夜の古城へと隠れ、
「……銀の弾丸。少々厄介だけど……当たらなければ、意味がない」
 弾丸を見送ると同時、時間差で敵の絶叫を聴く。
 彼女の呪詛を受けた魔鎧が拘束具と変わり、装備者の生命力を奪って、その力が凶邪の躯を内部より破壊させたのだ。
「……ん。彼らにはこれで十分。無駄に消耗する必要は無い」
 狙いは常にアシェリーラ。血の契約に隷属した僕らに、彼女を止める事は出来ない。
「この先もあることだし、体力は温存させてもらうわ」
 と、領主との決戦を見込んで適切な戦術を取るはつかさも同じ。
 カタパルト無双【鬼神剛腕砲】にて粗方のものを敵群に投げつけていた彼女は、次は倒れた敵を砲弾代わりに投擲し、常に群れで動く敵を翻弄し続ける。
「何の捻りも無い質量攻撃だけど、それ故に防ぎようもないでしょ」
 全き是。
 其は慥かに単純な攻撃であったが、然し戦いを見守る村人にとって「意味」を感じずにはいられない攻撃だったろう。
「ああ! 裁判に必要なもの全部、全部壊してくれ!」
「領主の悪意が、俺達の弱さが現れた物たちを、まとめてブッ壊してくれ!!」
 魔女裁判をここで終わらせる――。
 そう拳を突き上げる村人の声は大きく、力強い反駁を聴いた鎧兵らは、眼前のつかさに銃口を集めた。
『村の者を唆すとは、やはり貴様は魔女……!』
『民心を煽動する魔女め。いたぶり殺してくれる』
 然し『光耀の羅刹紋』を受け継ぐつかさは一縷と怯まず。
 凄艶の佳声は凛々と冴えて、
「さっきの魔女って自己紹介。あれ、訂正するわ。私は鬼……東洋の悪魔、鬼よ」
 舐めないで頂戴ね、と睨める瞳は赤々と――兜の隙間より見る邪戦士を身震いさせた。
 時に大声一喝、
「さあさあお主ら、邪神たる妾を無視して、他の者共にまで気に掛ける余裕があるのか?」
 と、圧倒的存在感を以て邪戦士の目を集めた菘は、最前線で壁となり、戦線を支える役儀は十二分に果たしている訳だが、当初の「ちぎっては投げる」に関しては実は果々しくない。
 今や彼女の前には、整然と並んだ鐵筒が銀の弾丸を次々弾いて、
「はーっはっはっは! 当たらぬ、当たらぬ!」
 くねっ、くねっ。
「お主らは恐れを抱いて絶望に沈むが良い!」
 くねっ、くねっ。
 割とギリギリか、皮一枚程度なら許しちゃうくらいで回避して、動画としての見せ場を作っているのだが、撮れ高の為の必要経費と考えれば、多少痛くても我慢、我慢……いや割と切実にフォローが欲しい処。
 すればアルトリウスが不可視の領域から支援を差し出し、
「敵の武装を放逐する」
 言は短く、攻撃は須臾に――此度二度目の【魔眼・掃滅】が邪戦士のマスケット銃を異空へと排除し、数の暴力で優勢を得んとする敵の戦術を覆した。
『なっ、ん……!?』
「見えず、聞こえもしない行動を捕捉するのは、オブリビオンでも骨が折れるだろう」
 また彼は「或いは」と言を足して、
「たとえ捕捉したとしても、其処に攻略を見出せるかどうか」
『……ッ、ッッ……!?』
 隠密に拘るつもりも無い。
 彼は次に【破天】――死の原理で存在根源を直に砕く、青く輝く魔弾の弾幕を叩きつけ、面制圧に掛かる機転を見せた。
「面の攻撃で機先を制する……多数の敵に効果あるオーソドックスな戦術であるな」
 この時、深い首肯を添えるはムルヘルベル。
 柔かな月白の髪を爆風に梳った永遠の少年賢者は、なればワガハイもと『魔力結晶』より余剰魔力を充填し、全力にして高速なる魔の波濤を天の火と模る。
「蓋しワガハイの火弾は敵の戦力を削ぐというより、他の面々が攻め込む切欠を作る為の威嚇といった処か」
 赫々たる火球が邪戦士に降りかかるが、中には重傷を覚悟で吶喊する狂気もある。
 淡い紫瞳は迫り来る敵影を瞠って、固まり、
「……うむ、ワガハイにはどうしようもない! 誰ぞ守ってくれ!」
 瞬刻。
 冷や汗をかくムルヘルベルの背中より、同じ覚悟を以て蔵乃祐が爪先を弾いた。
『笑止ッ! 拳が銃に勝てると思うてか!』
 互いの衝撃が角逐する間際、邪戦士は徒手空拳にて迫る彼の死を確信したに違いない。
 然し銀の魔弾の螺旋回転を右頬に流した蔵乃祐こそ、正対する狂気の最期を双眸に映したろう。
「正中線二段突き!!」
 ユーベルコード【拳固】(ゲンコ)――刻み突きを当てた時を隔てず、繰り出る逆突きは超硬の鎧兜を穿ち、銃爪に指を掛けた儘の邪躯を血場に沈める。
 彼は背越しに注がれるアシェリーラの視線を振り払う様に戦塵に紛れ、
「未だ拱手を続けるなら、飼い犬が排除し尽されるまで傍観すれば宜しい」
 と、声のみを置く。
 扨て、審問開始時にも鎧兵は華乃音の狙撃に挙措を阻まれたが、彼等は未だその銃口が何処から向けられているか暴けていない。
 それもその筈、銀髪の麗人は狙撃位置を捕捉されぬよう変則的に移動し、その時その場で最も戦果を得られる獲物を仕留める――其は宛ら気紛れな猫のよう。
「全身を鎧に包んだ尖兵も、眼だけは覆いきれていない」
 それなら、と狙うは一寸にも満たぬ僅かな隙間。
「――駆けろ、瑠璃の流星よ」
 ユーベルコード【瑠璃の銃弾】(バレット・オブ・ラピスラズリ)――夜空を駆ける流星の如き銀と瑠璃色の銃弾は、戦塵の立ち込める血場に光の軌跡を描く。
『――ずアァッ、ッ!』
 尾を引いて旋回する鉄鉛は、見事、兜の隙間を潜って急所を射抜き、ずるり、糸の切れたマリオネットの様に戦士が崩れ落ちる。
 仲間の冴撃にぐらり膝を折る隷属戦士、その鎧の隙間よりしとど噴き出る血を浴びたメミニは、倒れ掛かる死躯を掻き分けながら戦場を疾走る。
「あの子たちが待ってる……この村の平和を、願ってる……!」
 怖くない、と言えば嘘になる。
 然し少女が戦う理由は、恐怖に打ち克つだけの力になって。
「お願い、一緒に戦って!」
 白磁の繊指に導かれるは精悍の死霊騎士と死霊蛇竜。
 ユーベルコード【リザレクト・オブリビオン】――二体の僕を召喚したメミニは、騎士に我が身を護らせると同時、蛇竜に鎧兵を屠らせる。
 一人で戦っている訳でないと、力強い援けをくれるはシホ。
「援護します!」
 銀の艶髪が毛先を遊ばせたと思えば、戦場に吹き荒れるは【鈴蘭の嵐】――純白の花弁が敵の視界を遮り、痛撃に楔打って、仲間に攻撃のチャンスを差し出す。
 また誰かが傷付けば、麗し聖者は癒しの光に創痍を慰め、自陣の損耗を抑える事で漸う優勢を引き寄せた。
 蓋し大量の流血を望むアシェリーラにとっては面白くない展開だろう。
 彼女は挑発も恭しく、
「私達の血をご所望なら、自分の手で絞って頂けますか? 残影卿」
『……良かろう。また脱がせてやる』
 強者を好む血魔は、些末な焦燥を噛み殺しつつ、不敵な笑みに応えた。
「あなたたち、血が欲しいのでしょう? それなら、ナユと鬼ごっこをしましょう」
『戦場を逍遥するとは不敵な小娘め。直ぐにひっ捕らえてくれる』
 赤地の羽織をひらり、純白の舞衣をふわり。七結が繊手に狂邪を手招くのは、範囲攻撃で味方に被害が及ばぬように。
 盾に隠れていては技が見えまいと、白刃の双剣は鋩を躍らせながら揺さぶりを掛け、盾が持ち上がった瞬間の腕の腱を裂き、だらりと落ちる朱殷の壁に一際の嫣然を注ぐ。
 防御が崩れた時こそ彼女の花は絢爛と咲き乱れよう。
「鬼ごっこはおしまい。あなたたちに、素敵な〝あか〟を見せてあげる」
 ――さあ。どうぞご覧あれ。
 美し艶笑が紡ぐはユーベルコード【紅恋華】(デア・ロンド)――彼女が「鬼」と誘った敵群の頭上に牡丹一花の花時雨が降り、己が渇欲に屠っていく。
『ぐああああ嗚呼嗚呼!!』
『んおヲヲヲ嗚嗚おお!!』
 其は断末魔の叫び、今際の咆哮。
 今や刑場は剣戟と絶叫、そして紅血に塗れた暗澹の檻と化している。
「こいつらを殲滅し、領主をこの場に引き摺りだす」
 村人には幾許か穏かさを見せたテリブルだが、刑場が戦場と変われば、彼女は冷徹なウォーマシン――効率的な死を求める殺戮傭兵となる。
 構えた盾を連ね、宛ら長城を成す鎧兵を前に、大型の超重戦争腕に換装した彼女は、先に殴りつけた戦士を掴んだ儘、ブーストで振り回して叩きつける――!
「盾を構えようが関係ない。押し潰す」
 ユーベルコード【換装・戦争腕】(ウォーアーム)は逞しく、荒々しく、凄まじい勢いで周囲を薙ぎ払った後は、掴んだ戦士を空に掲げ、視線を集めた先で握り潰す。
 邪血が飛沫を上げて雨と降り、肉塊が無残に零れる様は余程恐怖を煽ったろう。
「――次は、おまえだ」
 冷酷なる女声が、敵を凍り付かせた。
「君たちからしたら、邪魔する俺たちのが趣味悪いのかもしれないけど。君たちの思う通りにはさせてあげないよ」
 望むべくして死霊術士になった訳でなく、オラトリオの証たる花も翼も隠したがる零は、決して好戦的な方ではなかろう。
 然しそんな彼が思いきり暴れようと、制禦の難しい「氷の嵐」を暴走ギリギリで繰り出すのは、絶望に沈む村人の為。
「この地の人に猟兵ってのがいるんだよ、って。希望は捨てないでね、って伝えたいから」
 常闇の世界、閉鎖的な小村で生きる者達は光を知らぬ。
 凡そ百年、祖父の代でさえヴァンパイアの支配が当然だった彼等が希望を抱くのは難しかろうが、それでも光を、希望を抱かせたいと思うのが、この青年なのだ。
 零は激流に押し流される鎧兵を見送る傍ら、視線を持ち上げ、
「物見の見物なんてつまらないでしょ、早く降りてきて決着つけよう?」
 と、小気味よい微笑を以て挑発する。
 清々しいテノールが血濡れた刑場に染みたのは、そう、此処に総ての『朱殷の隷属戦士』が死に沈黙したからだった――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『残影卿・アシェリーラ』

POW   :    我が終生の敵手の力を見よ
【刀身に封じられた『太陽の炎』を纏った剣 】が命中した対象を燃やす。放たれた【吸血鬼を浄化する太陽の力を秘めた】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    我は既に死者である故に
【オブリビオンとして復活させた自分の分身 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    我が闘争の果に
【オブリビオンとなる前からの戦闘経験により】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はランゼ・アルヴィンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『――全て屠ったか。暴食なる猟兵よ』
 其は多分に賛辞であったろう。
 血の泥濘に足を踏み入れる村の領主、『残影卿・アシェリーラ』の顔貌には笑みも怒りも見えぬが、唯、徐に剣の柄へと伸びる手には「意志」が窺えたろう。
 求むは、闘争――。
 漆黒の皮手袋に包まれた手は軈て大剣を抜き、
『弱きは淘汰される故に、僕を失った事を嘆きはしないが……より強い代わりが欲しい』
 強者を組み敷き、血の契約に縛る事こそ至上の嗜虐。
 引き結んだ唇のほとりに漸く感情を乗せた血魔は、聢と言を置いて、
『今より命ずる。我が欲望を満たせ』
 来い、猟兵――と、血濡れた足を踏み締めた。
ムルヘルベル・アーキロギア
暴食? 我らを罪人と謗るか、愚か者め
であれば貴様は傲慢の輩であろうよ おまけに強欲と来たか!
すでに審問は終わっておる、裁きを受けて骸の海へ還るがいい

彼奴は自らの強さに絶対の自信を抱いておる
ならばそれを打ち砕こう まずは仲間たちとの立ち会いをつぶさに観察する
ワガハイの体内には、記憶装置を兼ねた『エクスリブリス』というナノマシンが在る
これらを活用した〈学習能力〉でその一挙一動を探るのだ
そして必殺の瞬間に【553ページの悪魔】、魔神を解き放ちその剣閃を鈍らせる
あとは残る者たちが仕留めてくれよう ワガハイはそれを繋ぐまでだ
もしも彼奴がワガハイを狙ってくるならば……あえて受け、倒れずに睨み返してやろうか


オリヴィア・ローゼンタール
現れたな、邪悪な圧制者め
走狗を使って悪趣味に興じる輩が、武辺者を気取るか

【血統覚醒】で吸血鬼を狩る吸血鬼と化し戦闘力増大
【属性攻撃】【破魔】で槍に聖なる炎の魔力を纏う
吸血鬼を、浄化する、炎……?
いかなる由来であろうと、我が聖槍の炎に翳りなし!

【怪力】にて聖槍を振るい、大剣と打ち合う
通常よりも長大な刀圏でも、柄と刃のバランスで速度は槍に劣る
如何に巧みであろうと、槍の間合いで互すること能わず!

懐に入られ延焼されたら、ガントレットに聖なる炎を纏い、掴みかかる
(【グラップル】【火炎耐性】【オーラ防御】【激痛耐性】【気合い】)
互いに同属性かつ致命の相性……ならば根性比べといきましょうか!


アルトリウス・セレスタイト
では試してみるか

崩壊で不可視の攻撃
引き続き見えない行動だが内容が違えば予想の選択肢が増えて面倒だろう
身構える、或いは移動に移るあたりを主に狙い機を奪いに

対応してきたと見たら魔眼・静止での拘束
此方に集中してくるなら焼尽の視覚効果を伴う攻撃で意識の誘引も織り交ぜる
この場合攻撃の成果より意識を引き付けること優先

目に見える形で仕留めるため異界放逐は控える
※アドリブなど歓迎


リーヴァルディ・カーライル
…あの大剣。嫌な予感がする
可能な限り、避けに徹したほうが良さそう、ね

事前に改造した防具の呪詛を変更
第六感を強化して敵の殺意の存在感を可視化する魔力を付与
行動を先読みして攻撃を見切り、大鎌をなぎ払うカウンターを試みるが
炎に触れた部位から傷口を抉るような激痛が走り戦闘不能に

…っ、吸血鬼殺しの剣。まさか、ここまで…

自身を鼓舞して立ち上がり【血の魔剣】を二重発動(2回攻撃)
生命力を吸収して力を溜めた黒炎を体に纏い、
回避されないように魔剣を向け挑発して撃ち合いを誘惑
吸血鬼化した怪力を瞬発力に変えて敵に突撃する

…この炎が何か理解した?
逃げるなら、どうぞご随意に。残影卿アシェリーラ

…焼き払え。剣ごと奴を…!


蘭・七結
ようやくたどり着いたわ、残影卿。
あなた、随分とステキなものをお持ちなのね。

連ねた指輪に口付け。願うように、乞うようにその名を呼んで、〝かみさまの言うとおり〟を使用。
あなたの強い力を感じるわ、ナユの『かみさま』。
さあ、吸血鬼殺しの術式同士の戦いをしましょ。

鬼殺しの術式が組み込まれた『彼岸』と『此岸』の名がつく双刀を使用。間合いを詰めて【フェイント】と【騙し討ち】で攻撃するわ。
ナユに相性の悪い厄介な浄化の炎は、入念に【見切り】ながら【なぎ払い】を。恐れたりなんてしないわ。

無垢な少女たちを殺めた罪は重いわ、残影卿。
ナユたちがあなたに罰をあげる。
美しく散ってちょうだいね。

✼アドリブ、絡み歓迎です。


葉月・零
やっと降りてきたと思ったら……
なにそれ、君の欲望満たすためとかって、めっちゃくちゃ癪なんだけど……
どうせなら、自分のために、村の人の為に戦うよ

もしかしたら、だけど、キミも何かに抗ったりしたこともあったのかな?

そうだとしたらもっと早くに会えたら良かったね

だからと言って加減はしないよ。
力を借りるのはかつての恩人に似た者。
暖かい日差しのような光をもって、
太陽のように煌々と清らかに燃やし尽くして

相手の武器を落とせたりしたら良いんだけど……ここは相棒を信じて頼んでおこう

呼び出した騎士と共に
希望を見出す為に戦おう

こんな俺でも少しは誰かの役に立てたのなら幸い、かな。

真の姿は戦闘に有利になるなら躊躇わずに


荒谷・つかさ
大剣使い、か。
奇遇ね、私も最も得意な得物はコレ(大剣「零式・改二」)なのよ。
それに闘争こそを欲し、求むだなんて。
貴方とは本当に気が合いそうね。

折角だし、思う存分打ち合いたいところだけど、それにはあの炎が邪魔ね。
なので【五行同期・精霊降臨術】で自分自身の肉体に火行強化をかけ、炎への耐性を付けるわ(防御力強化)。
太陽の炎は流石に無効化できないでしょうけど、大分マシなはず。

その上で、大剣一本での真っ向勝負を仕掛けるわ。
大剣を軽々扱う「怪力」、防御の上から打ち砕く「鎧砕き」と「衝撃波」等々……
持てる技能と技を全てぶつけるわよ。

貴方が真っ当な人物で、私に膝をつかせたのなら。
僕になっても良かったかもね。


メミニ・トリスティス
あなたが人々を苦しめていた元凶ね?
こんな事、もう終わりにして。
欲望を満たせと言うのなら、わたし達『猟兵』が相手になってあげる。

戦闘は他の猟兵さんと足並みを揃えるように行うよ。
わたしはサポート重視の立ち回り。
誰かが危機に瀕していたら、ユーベルコード【咎力封じ】を使うよ。

残影卿を無事に倒せたら、村の人々に知らせに行こう。


緋翠・華乃音
……これは少し、本気を出した方が良さそうか。
……まあ、やる事はさっきと変わらない。俺はただ狙撃するのみだ。


基本的な戦術は朱殷の隷属戦士との戦いと同様。
"目"と"耳"と"直感"で敵の行動を見切り、予測を立て、先読み――そして遠距離から狙撃を行う。
射線を読まれる可能性があるので同じ位置からの狙撃は数度に留め、予め目星を付けておいた狙撃位置に移動、そして狙撃を繰り返す。

――さあ、瑠璃の蝶よ。星の焔で吸血鬼を灼け。


御形・菘
うーむ、素でその物言い、お主かなりできるな!
参考になるから心のメモ帳に記録しておくぞ
まあ正義だの欲望だのと己の心情を語る段階でもあるまい
勝った者が正しい! 故に妾が正しい! 往くぞ!

戦闘経験では負けるかもしれんが、妾は初見殺しには結構自信があるぞ
撮れ高十分、出し惜しみ無しの捨て身の一撃よ
このような攻撃、受けたことは無かろう?
距離を離して、翼を使い高く飛翔…かーらーの、全力の尻尾の叩きつけ!
皆の衆は適当に避けい! 楽土裁断! 分身もろとも吹っ飛ぶが良い!

後の隙は大きかろうが、妾に攻撃が向くのなら大歓迎であるぞ?
早めのフォローは大歓迎ではあるがな!
もちろん隙を見せたら、二発目以降もガンガン狙うぞ!


シホ・エーデルワイス
…エッチ(ぼそ)>脱がせてやる

でも…凄いカリスマ性
負けても悔しいと思わないかも

彼は多分追い詰められても逃げず
最後の瞬間まで闘争を楽しむのでしょう

なら

捧げるものシホ・エーデルワイス
全力でお相手します(礼儀作法)

引き続き【生まれながらの光】で味方の回復を優先

狙われたら<見切り、第六感>で剣筋を見極めつつ
聖銃二丁で
<クイックドロウ、零距離射撃、武器受け、スナイパー、カウンター、
2回攻撃、捨て身の一撃、誘導弾、オーラ防御>
を駆使し舞うような動きで剣を弾いて防ぎ
隙があれば【銃奏】

楽しんでおられますか?

戦後
犠牲者の冥福を<祈り>
村娘さん達の無事な姿を確認し
死者への弔いと村人達の勇気を称えて賛美歌を<歌唱>


テリブル・カトラリー
無言のまま、大型腕を構える。
言葉は不要。

大型腕を向けたままブーストで突貫、掴み上げ、握り潰す。
フェイント。握ろうとした掌で視界を遮り大型腕をパージ。
大型腕に付いたブースターを吹かし、吸血鬼の領主に向けて飛ばす。

早業、残像使用。同時に杭打ち機内蔵腕に再換装。
敵が大型腕を避ける動きを見切り、クイックドロウ。
今まで使っていなかったラストデザートを引き抜き、
腕か手を狙い撃ち(スナイパー、二回攻撃)剣による迎撃を封じ、
ダッシュ。ブーストで自身を吹き飛ばし領主に肉薄、
素早く打撃を当て杭を射出。心臓を撃ち貫く。


戒道・蔵乃祐
貴方の剣技には、不死者としての能力に傲らない…積み重ねられた鍛練と研鑽が感じられる
本当に先天的なヴァンパイアなのですか…?


妖剣解放…。抜刀
(※二振りのどちらを使うかはMS様にお任せします)

目立たない+忍び足で気配を消して音も無く接近。残像で間合いを幻惑し、ダッシュで距離を詰め、早業+クイックドロウ、先制攻撃で摺り足からの抜き撃ち
アシェリーラとその分身。太陽の炎剣と斬り結びます

鎧無視攻撃、フェイント、範囲攻撃、衝撃波、なぎ払い、2回攻撃
小手、面、抜き胴!!

貴方ほどの剣士であっても、オブリビオンであるが故に。澱んでしまったのか
世界の敵としての貴方とではなく、生者であった頃の貴方と剣を交えたかった


六波・サリカ
ようやくお出ましですね、アシェリーラ
あなたの願いは叶いません
あなた風に言うならば、弱きは淘汰される
私たち猟兵があなたを打ち滅ぼします
諸悪の根源を、此処で断つ!!

持てる全てを使い全力で勝負を挑みます。
眼球の照覧式を起動。視覚からアシェリーラの【情報収集】。
これにより自身の動きを敵に合わせて最適化します。

その後、すべての兵装を起動しプログラムド・ジェノサイドを発動
【一斉発射】と【範囲攻撃】で敵を穿ちます。
「侵攻式、制圧式、吸命式、フルバースト!!プログラムド・ジェノサイド、急急如律令!!」




「あなたが人々を苦しめていた元凶ね?」
 メミニ(f03253)の佳声に無言の是が艶笑と返る。
 貴族然とした倨傲。
 憍慢にして尊大。
 凡そ吸血鬼らしい吸血鬼アシェリーラの振る舞いに、クルースニクたるオリヴィア(f04296)の金瞳が炯々、閃輝を帯びていく。
「現れたな、邪悪な圧制者め。走狗を使って悪趣味に興じる輩が、武辺者を気取るか」
 虫唾が疾る、と顰めた端整を隠しもせず、解き放つは【血統覚醒】――聖女は吸血鬼を狩る吸血鬼と化し、破魔の槍に宿る炎を赫々とさせていく。
 苛立ちを露わにしたのは零(f01192)も同じく。
「やっと降りてきたと思ったら……君の欲望満たす為って、なにそれ、めっちゃくちゃ癪なんだけど……」
 嘆息を添えた声は柔かいが、不快の感情は【Lueur d’espoir】(キボウノトモシビ)――嘗て憧れた騎士を傍に沸々と、抗う力に変換・強化されていく。
「暴食? 我らを罪人と謗るか、愚か者め」
 未だ幼さの残る少年の声で老成と語る――アンバランスな妙を持つムルヘルベル(f09868)は直ぐにも反駁して、
「であれば貴様は傲慢の輩であろうよ。おまけに強欲と来たか!」
 と、月白の繊指に『閉架書庫目録』を紐解き、大罪を犯す咎人に相応しい誅罰を探り出す。
 アシェリーラの言動に眉を動かす猟兵あらば、血魔の手にある紫黒の大剣に目を留める猟兵も居る。
「あなた、随分とステキなものをお持ちなのね」
 吸血鬼の血を混ぜた七結(f00421)は迸る邪気に早くも悟ったか、其は「吸血鬼殺しの剣」――本来、彼が持つには不可解(おかし)な一振りが手に馴染む様子に、遥か昔、オブリビオンとなる前に戦った強者から奪ったものと予測する。
 リーヴァルディ(f01841)もダンピールたれば、また吸血鬼殺しに力を尽くす身なれば、其の底知れぬ暗澹に迂闊な一歩は躊躇おう、
「……あの大剣。嫌な予感がする……可能な限り、避けに徹したほうが良さそう、ね」
 第六感を極限まで鋭化した彼女は、血魔の殺意や存在感を可視化させて、行動の先読みを図る。
 蓋し二人の懸念は時を経ず現実となる。
『女達よ、あまり勘繰るな。隠すほど疚しいものでもない』
 耽美の唇にやや笑みを挿した残影卿は、身の丈に迫る大剣を水平に構えるや目も眩む燦光を漲らせ、剣身に炎を纏わせた。
 太陽を掲げた様な聖性の光は、凡そ吸血鬼が持つものに非ず――、
『いかにも我が大剣は、嘗て吸血鬼殺しで名を馳せた男が私に突き付けた一振り。英雄の血を呑んだからこそ持つ事が叶ったもの』
 実に佳い血戦であったと、邪眼は妖しく細んで。
 闘争を好み、強者の血を啜る事こそ至妙と悦ぶか、処女の純血を飲むより得難い法悦に、端整は愈々歪んでいく。
 アシェリーラが欲望を、情動を皮相に顕すほど蔵乃祐(f09466)は塞き敢うて、
「妖剣解放……」
 彼の大剣を戒めるに『英雄幻妄パラドクスメサイア』以て然る可し、と――災魔の邪気を取り込み続け、殆ど災魔そのものに成り果てた魔刃を暴く。
「……思う存分打ち合いたいところだけど、それにはあの炎が邪魔ね」
 時につかさ(f02032)が戒心を疾走らせたのは、武人としての勘だったろうか、糅てて加えて彼女は対応も早い。
「無効化は出来なくても、耐え凌ぐことは出来る筈」
 ユーベルコード【五行同期・精霊降臨術】(エレメンタル・ポゼッション)――天然自然を構成する五精霊の力を五芒星の陣を媒介に同期、自らに降ろす事で、此度は火行強化、詰まり炎の耐性を得る。
 英雄を屠ったという血魔と、その大剣が漂わせる霊気に虚言戯言はなかろうと、アルトリウス(f01410)は強さの程を見極め、
「戦闘経験も十分にあると……では、試してみるか」
 消える――否、元より見えず。
 敵が身構える、或いは移動に移る瞬間に狙いを定め、爪を出す間際まで羽音を隠す梟の如く、無音の裡に翔けた。
「……これは少し、本気を出した方が良さそうか」
 演算デバイス『secret eye』越しに敵影を捉えた華乃音(f03169)も侮れぬ相手と見たか、同じ位置から撃って弾丸の軌道を読まれぬよう立ち回りを探り出す。
 夜空に似た瑠璃色の双眸は愈々犀利に、銃爪に掛かる白花の繊指は緊迫の糸に触れる如く――凛々と張り詰める。
 斯くして皆々が戦闘態勢を整えていく中、アシェリーラはまるで見世物を楽しむ様にそれらを眺めている。
 ――然う、血魔は期待しているのだ。
 猟兵が全力で向かい来るからこそ、其を踏み躙り、嬲り、屠るのが至妙の法悦。
『私も強者に出し惜しみはしない。精々足掻いて我が渇きを満たせ、猟兵!』
 そう大言して睥睨する残影卿を見た菘(f12350)はというと、
「うーむ、素でその物言い、お主かなりできるな!」
 今後の参考として心のメモ帳に記録しておく、と歎美するあたり逞しい。
 蓋し全く気圧されぬ悠然は、正義だの欲望だのと己の心情を語る段階でもあるまいと、幾許にも冷静であるからで、
「勝った者が正しい! 故に妾が正しい! 往くぞ!」
 彼女もまた全き理不尽を以て、蛇尾を波打たせる。
 カリスマ性という点に於いてアシェリーラを認めたのはシホ(f03442)も然り。
「彼は多分追い詰められても逃げず、最後の瞬間まで闘争を楽しむのでしょう」
 脱がせてやる、と笑みを注がれた時は「……エッチ」と思った聖者だが、彼の傲慢に矜持すら感じた彼女は、己が敬意を礼儀と示し、
「捧げるものシホ・エーデルワイス。――全力でお相手します」
 麗し痩躯に玲瓏の光を纏い、献身の一歩を踏み出した。
「――……」
 残影卿の一連の言動を漆黒の双眸に投影したテリブル(f04808)は、何をか想ったろう。
 マスクに覆われた口は語らぬが、突き付けた大型腕が言を代わる。
『――来るか』
 アシェリーラの艶めいた低音を搔き消さんばかりブーストが噴射し、大型腕を構えた儘、身ごと突貫する。
 怪腕が咽喉を掴み、握り潰すか――否、其はフェイント。
 迫り出した掌で視界を遮ったテリブルは、大型腕をパージして、血魔目掛けてブースターを吹かし、
『ほう、面白い闘い方を為る』
 然し次の瞬間に血魔の艶笑が見えたとは、彼が眼前に構えた大剣が超重金属装甲を炎に灼いて両断したからだ。
 アシェリーラはぐわらんと地に音を立てた鐵塊を見ると、『足りぬ』とばかり次撃を手招く。
 すればサリカ(f01259)は、合金と呪符で組成される眼球『照覧式』を起動して、今し方の戦闘を情報と取り込み高速演算――同時に己が機動をアシェリーラに合わせて最適化する。
「あなたの願いは叶いません。あなた風に言うならば、弱きは淘汰される」
 血魔こそ弱肉であると言うサリカにヒクリ眉を動かした残影卿は、須臾に爪先を弾く可憐に大剣を構え、
「諸悪の根源を、此処で断つ!!」
『なれば其の諸悪に潰えるが佳い』
 凄まじい太陽熱と右腕の式神『侵攻式』が激突する。
 長い、血腥い死闘となりそうだ、と――双方が思った瞬間であった。


 幸運にも、いや不幸にも。
 刑場に集まった猟兵の強靭は、血魔を頗る悦ばせた。
「さあ、吸血鬼殺しの術式同士の戦いをしましょ」
 七結が長い睫を伏せ、連ねた指環に口付ける。
 花唇が囁(つつや)くは【かみさまの言うとおり】(デア・ラメント)――願うように、乞うようにその名を呼んだ彼女が再び目蓋を持ち上げれば、双眸は鮮明な猩々緋。
「あなたの強い力を感じるわ、ナユの〝かみさま〟」
 吸血鬼化した一華は『彼岸』と『此岸』なる双刀を繊手に、ひとひらの花が舞う様に踊る、躍る。
 惨憺たる血宴に碧い燦光を射入るはサリカ。
 絶影の機動でアシェリーラに肉薄した彼女は、大剣と角逐して爆ぜる火花に佳顔を照らし、
「持てる式神、機兵魔構、全てを使い全力で挑みます」
『随分と持て成してくれる』
 刑場を回り巡る光闇、其は宛らダンス・マカブル(死の舞踏)。
 次手を継ぐつかさは冷艶に、機動は迅雷風烈。
 彼女の玉臂は華奢ながら、出刃包丁のような大剣『零式・改二』を軽々と振い、真っ向から一本気の斬撃を繰り出して血魔と激しく打ち合う。
 剣戟を間に言は小気味よく交わされ、
「闘争こそを欲し、求むだなんて。得物の好みといい、貴方とは本当に気が合いそうね」
『美鬼よ。なれば私の元へ来い』
「――それはお断り」
 好戦的な艶笑を置く彼女に代わって踏み込むは、零と、彼が信を寄せる騎士。
「相手の武器を落とせたりしたら良いんだけど……頼めるかな」
 嘗ての恩人に似た霊体と共に死角より躍り出た彼は、暖かい日差しのような光を以て、太陽のように煌々と清らかに、英雄を屠りし邪剣を封じんとするが、遠い過去に幾度も多人数戦を制したアシェリーラを捉えるのは中々に難しい。
『死霊使いか。猟兵にも過去に縋る者が居るとはな』
 皮肉を添えた血魔は、己が肉の代わり闇色のマントを裂かせて遁れる。
 蓋し遠近を違えた猟兵の攻撃の多彩さは剴切。
「彼奴は自らの強さに絶対の自信を抱いておる。ならばそれを打ち砕こう」
 ムルヘルベルが詠唱に紡ぐ魔法の届く距離を保ちながら、努めて客観的に戦況を観察するのは、アシェリーラの挙措から戦闘癖、間隙を作る瞬間を探る為。
 賢者の永遠の少年たる所以『エクスリブリス』は記憶装置を兼ね、優れた洞察と学習能力が敵の一挙一動を映す傍ら、攻略を見出していく。
 彼より更に遠い位置から冴弾を射るは華乃音。
「やる事は先刻と変わらない。俺はただ狙撃するのみだ」
 銃圧に僅かに揺れる銀糸の艶髪、その右耳に覗く十字架『innocence tear』は彼の超知覚を補い、目眩(めくるめ)く速さで変化する戦場の音を情報として集めていく。
 然れば予測し、次手を読む事が叶おう。
 彼は予め目星を付けておいた狙撃地点に神速で移動し、敵と近接して戦う仲間を遠方より支援した。
 味方の鉄弾魔弾を援護に打ち合うはオリヴィア。
 瞳を煌々、忌むべきヴァンパイアと化した凄艶は、聖槍『黄金の穂先』の鋩を迫り出し、禍き大剣と相剋を成す。
「吸血鬼を、浄化する、炎……? いかなる由来であろうと、我が聖槍の炎に翳りなし!」
『ほう……その槍の炎、我が大剣が纏う光に近い』
 長大な刀圏でも、柄と刃のバランスで速度は槍に劣る。
 如何に血魔が巧みであろうと、槍の間合いで互すること能わず――と、オリヴィアは見事な角逐を見せたが、其は戦闘経験豊かなアシェリーラも重々承知している。
『槍は片手では扱えぬが、大剣は時に片手に、逆手が使える有利もある』
 言うや残影卿は聖女の胸元に掛かる十字架を掴み、引き寄せ、
『例えば血の気の多い聖女に、接吻をくれてやる程に』
「、ッ!」
 間合いを越えた近さに、溢れる邪気に、僅かにも手は止まって――。
 此れほどの密着にあっては戟を挟むも躊躇われるが、アルトリウスの並外れた命中率は決して仲間を傷付けない。
「漸く足を留めたか」
 両踵が血の泥濘に触れた瞬間、不可視の攻撃【崩壊】が血魔だけを攻撃する。
『ッ、ァ!』
 先の集団戦を高みより見ていたアシェリーラには、既に隠密なる者の存在は知れていようが、内容が違えば予想の選択肢が増え、直ぐに破れるものでもない。
 刻下、痛撃に退く残影卿はリーヴァルディが追って、
「……畳み掛ける」
『――ッ』
 体幹を崩した瞬間に迫るは大鎌『過去を刻むもの』。
 真一文字に放たれた衝撃波は、敵の胴を斬って臓腑(はらわた)を裂く筈であったが、アシェリーラは体勢を崩し切った位置から大剣を振り被り、斬撃と焦熱に返報する。
『どうだ、ダンピールなれば太陽の炎に灼かれる苦しみも一入だろう』
「……っ、吸血鬼殺しの剣。まさか、ここまで……」
 創痍が炎に炙られて悲鳴を裂くよう。
 あまりの激痛に今度はリーヴァルディが膝を折り、華奢を傾ける。
「! 直ぐに癒しを」
 シホが【生まれながらの光】に高速回復を試みる傍ら、二の撃が留めに掛かる処へ時を穿つメミニ。
「――させない!」
 仲間が危機に瀕すれば必ずや援けんと決めていた彼女は、ユーベルコード【咎力封じ】を繰り出し、アシェリーラの挙措を楔打つ。
 拘束が叶ったのは手枷と拘束ロープ。
 総て命中すればユーベルコードが封じられたが、正に彼の「分身」が拘束を代わり、猟兵の優勢を許さない。
 なれば優勢は捥ぎ取れば佳い、と漆黒の翼を広げたのは菘。
「撮れ高十分、出し惜しみ無しの捨て身の一撃よ! 皆の衆は適当に避けい!」
 ユーベルコード【楽土裁断】(ジャッジメント・テイル)――! 蛇神の裁きは碧落より下り、鞭の如く撓る尾が剛い毅い打ち打擲をくれてやる。
 戦闘経験の豊富なアシェリーラは、嘗てこの様に破天荒な、初見殺しに定評のあるキマイラと戦った事があったろうか、
『……ッ、ッッ!』
 無い、とは高慢が言わせまいが、分身の消滅こそ其の証。
 この瞬間に本体への攻撃を差し入れたテリブルは怜悧冷徹を窮め、大口径のマグナム自動拳銃『ラストデザート』を神速で引き抜くや、白銀の籠手を撃つ――!
『……ッッ、ッ……随分と戦上手が居る』
 大剣を制すに手を殺すとは妙々。
 僅かにも痛撃に鈍麻したアシェリーラは、初めて苦虫を潰した様な「不快」の表情を露にする。
 時は刹那、摺足から鼻緒を踏んで間合いを侵した蔵乃祐は、感情の揺らぎにこそ妖刀を衝き入れ、
「…………早い」
『首が千切れては戦えまいと、躯が惜しんだらしい』
 太陽の炎剣と災魔の冴刃が、斬ッ、と切り結ぶ。
 烈々たる剣戟を間に視線は交わって、
「貴方の剣技には、不死者としての能力に傲らない……積み重ねられた鍛練と研鑽が感じられる。本当に先天的なヴァンパイアなのですか……?」
 蓋し答えるには相応の代償を求めるアシェリーラ。
 血魔は蔵乃祐の鎖骨に炎剣の切っ先を沈め、
『骸の海に逍遙するより遙か昔、私も狩る側であったかも知れぬが……知りたがりは早死にするぞ』
「ッッ、ッ――!」
 麗顔を血斑に濡らす、熱き血潮を甘露と舐めずった。


 剣の道を極めんと錬磨した事はあったろう。
 然し其も、強者の血を啜って強靱を得るようになってからは虚無と消えた。
 或いは「英雄」と呼ばれていたのは己だったかもしれぬが――記憶を渾沌に置いてきた身は、最早後ろ髪も引かれまい。
 唯、今は唯。
『やはり強者の血は格別。処女の血は純度で勝ろうが、限界まで磨き上げた肉体に流るる血は、馨しい死を後味と残す』
 極上の死を、血を啜る享楽に与るのみ――。
 アシェリーラは再び分身を召喚すると、弾指の刻を躍々と疾る。
 白の『ピア』と黒の『トリップ』、十字架をあしらった二丁の聖銃に彼を追ったシホは、凝縮された時の中で問い掛け、
「――楽しんでおられるのですか?」
『そう見えるなら然うだと言おう』
 とは言いつつ、極上の馳走を前に垂涎する獣に近しいと自嘲したアシェリーラは、シホが繰り出す【銃奏】インフィニティショットを分身と二人、大剣を盾にして受け流す。
 久方に昂揚を得るも怜悧を保つとは、アルトリウスの不可視の攻撃【崩壊】を躱して示そうか、
『そろそろ沈黙の裡に在る者の挙動も見えてきた』
「成る程。では意識を誘導したとは気付いたか」
『な、に――』
 折に視界を襲った青い剣型の焔――視覚効果を伴う【焼尽】が彼によるものと結びついた矢先、その解を激痛と与えられて端整が歪む。
 そう、猟兵は老獪にして賢哲。
「今こそ慢心を打ち砕く時――!」
 ムルヘルベルが導き出した必殺の瞬間は、今。
 繊指が捲るは【553ページの悪魔】――禁書に封印された応報の魔神が解き放たれると、向い来るアシェリーラの分身を魔の威に相殺する。
 今ぞと号ぶ彼の声に呼応したのはメミニ。
 仲間と足並みを揃えようと、常に連携を重視していた彼女は義気凜然、二度と分身を喚ばせまいと二度目の【咎力封じ】を放つ。
「こんな事、もう終わりにして。欲望を満たせと言うのなら、わたし達『猟兵』が相手になってあげる」
 血魔の相手は、力無き村娘でなく、声なき村人でなく、唯一「死」を与えられる猟兵。
 銀瞳を震わせて言ったメミニの攻撃のタイミングは抜群――全ての拘束具が命中し、アシェリーラはユーベルコードのひとつを封じられた。
 然し彼の矜持は未だ堅強。
 残影卿は吸血鬼を浄化する光耀の大剣を振りかぶり、
『刮目して視よ。これぞ我が終生の敵手の力』
 薙ぐや炎は大地を灼いて走り、龍尾と波打って延焼する。
 枝を分けた業火は四方を這い、先ずは最も近接するオリヴィアに襲い掛かるが、聖火を纏った『ホーリーガントレット』を迫り出した彼女は、焔龍の頭を掴み掛かる。
「互いに同属性かつ致命の相性……ならば根性比べといきましょうか!」
 喰いつ、喰われつ。
 聖女は白皙を炙られながら凜然と立ちはだかる。
 尚も伸び行く焦熱は、怒れる牙となってムルヘルベルの肩口に噛み付くが、激痛に佳顔を顰めた彼は然し、踏み留まって睨め返す。
「今更ワガハイに怒りを向けても徒爾。後は残る者たちが仕留めてくれよう」
 少年、いや賢者の言う通り、此処に機を見た仲間達が、頻波、五百重波と攻撃を重ね繋いでいく。
 第一波はつかさ。
「貴方が真っ当な人物で、私に膝をつかせたのなら。僕になっても良かったかもね」
『――っ!』
 受け止めた筈の一撃。威力は予想以上。
 魔力に鍛えられたガントレットは『零式・改二』の猛刃、圧倒的斬衝波に砕かれ、舞い立つ銀の破片が両者の視界を遮る中、第二波、颯と化した蔵乃祐が戦塵を潜って飛び込む。
「小手、面、抜き胴!!」
『ぐ、っ……唖ッ!!』
 流れる様に疾駆した鋒、解放を得た刀の霊気は衝撃波に、防護を失った手首を斬り、面は阻まれたものの、胴は血飛沫に剣筋を描かせる。
 時に蔵乃祐は声を置いて、
「貴方ほどの剣士であっても、オブリビオンであるが故に。澱んでしまったのか――世界の敵としての貴方とではなく、生者であった頃の貴方と剣を交えたかった」
『……ッ……やけに知った口を利く』
 であれば斯くも連撃は通じなかったろうと言う彼の言は、先に『足りぬ』と言った残影卿の傷に染みる。
 然し激痛を味わう程、第三波を預る華乃音は待ってはくれまい。
「――さあ、瑠璃の蝶よ。星の焔で吸血鬼を灼け」
 閑かに、さやかに、灼き尽くせ。
 美し翅を広げたのは、【瑠璃ノ星焔】(スターフレイム・オブ・ラピスラズリ)――瑠璃色の蝶の群れは妖々、星空のような濃藍の炎に血魔を灼き、呪詛の織り込まれたマントを蝕み、解いていく。
 惨憺たる血闘ながら、「美しい」と目を瞠らせたのは、此処にサリカが死の檻全体を閃弾に包んだからか、
「侵攻式、制圧式、吸命式、フルバースト!! プログラムド・ジェノサイド、急急如律令!!」
 総ての兵装を展開、プログラム通り起動した【プログラムド・ジェノサイド】は、全範囲一斉掃射――常闇の世界を白ませるほど輝き、そして血魔を屠る災禍を降らせる。
『これは……ッ……!』
 光と音が波濤と溢れる中。第五波、第六波は零と彼の【Lueur d’espoir】が預る。
「俺はどうせなら、自分の為に、村の人の為に戦うよ」
 彼等が絶望の淵で希望を見出すなら、その為の戦いで有利になるなら。零は真の姿を暴くのも躊躇わない。
 天掛ける光と化した彼は標的を聢と射貫いて、
「狙いは変わらず――!」
 一度は死が別ったが、今こそ時を同じくした二人の呼吸はピタリ合い、剣と魔法の挟撃が敵の大剣を打ち落した。
 此処に攻略の秘鑰を見たりと豪語するは菘。
「はーっはっはっは! この時の妾の尻尾の、何と振り甲斐のある!」
 二度目の【楽土裁断】は地表上から超重量の鞭撃。粉塵を突き上げる衝撃波は大地ごと大剣を砕き、炎を呑み込み、血魔の矜持を木っ端微塵にする。
『ッ、よくも大剣を……!』
 斯くしてアシェリーラがギリと歯噛みした、瞬刻。
 先に太陽の炎剣に灼かれたリーヴァルディが、今こそ返報に動く。
 自ら鼓舞して立ち上がった彼女は、【限定解放・血の魔剣】(リミテッド・ブラッドクリーヴァー)――一瞬だけ吸血鬼化して召喚した黒炎を剣と躰に纏わせ、身ごと鋒と化してアシェリーラの脇腹に突貫する。
『ッ、この黒焔は――!』
 痛撃を叫ぶより震撼したろう。
 いま臓腑を屠るは、過去を世界の外側に排出する忌むべき黒の炎で――。
「……逃げるなら、どうぞご随意に。残影卿アシェリーラ」
『ッ、ッッ』
 無論、血魔は後退して距離を取るが、零れた腑(はらわた)は主を残して骸の海に還っていく。
「――――」
 ならば心臓も連れて行けと、テリブルは言ったろうか。
 彼女は慥かに杭打ち機を内臓した機械腕へ再換装したが、それも僅かな残像で確認できるのみ――ブーストで敵懐に肉薄した今が早業の答えと受け取るしかない。
『ヅ痛アァッッ!!』
 楔の如き打突がアシェリーラの躯を折り、同時、胸に鋭杭を撃ち込む。
 背中を突き抜けた鋒は聢と心臓を穿って、血魔の胴に穴を開けた。
『……カッ! ……ハッ……ッッ!!』
 蓋し不死なる者は心臓を破られて安けき終焉を迎える身に非ず。
 狂う程の激痛に声を失って悶える処、七結は慈雨の如き穏やかな声を降り注いで。
「無垢な少女たちを殺めた罪は重いわ、残影卿。ナユたちがあなたに罰をあげる」
『ッッ……罰、だと……ッ』
 咎人殺しの彼女は、骸の海の疆界、此岸と彼岸の際を今こそ解く。
 サルタイア(逆十字)に交わった双剣は裁きの刃と墜下し、
「美しく散ってちょうだいね」
 最も優しく人道的、そしてセンセーショナルな――断首刑に処した。

 血潮が勢いよく溢れ、真紅の泥濘に骸が沈む。
 断末魔の叫びを結んだ後、紅と黒の煙霧となって消え行く血魔の死は、死闘を見届けた村人達を胸奥から衝き上げたろう。
 声は、拳は常闇の空を貫くように上に、上に、
「領主が死んだ! 領主が死んだ!」
「俺達は圧政から解放されたんだ!!」
 わぁ、と喝采が大地を満たす。
 希望の光を灯しだした村人達の歓喜の声を聴いたシホは、此処に祈りを捧げ、
「犠牲者の冥福を。死者に弔いを。そして、村人達の勇気を称えて――」
 佳声が紡ぐ賛美歌が、猟兵と村人らに勝利を実感させる。
 絶望の日々は今日で終わったのだ。
 哀しみは傷と残るが、一歩を踏み出す道が、光が見えたのだ。
「猟兵! 猟兵!」
「猟兵! 猟兵!」
 村人達は、昨日まで知らなかった彼等の存在を連呼し、その強靱を讃える。
 大いなる魂の喜びを見た一同は、酷く消耗した躯より出る吐息を咽喉に追いやり、手を上げて歓声に応えた。
「こんな俺でも少しは誰かの役に立てたのなら幸い、かな」
 零の言葉に首肯は集まって。
 ――嗚呼、彼等なら切り開いていける。
 力強い生の躍動に微笑を置いた猟兵らは、そう確信をもって村を後にした――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト