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猫街災魔奇譚

#アルダワ魔法学園 #猟書家の侵攻 #猟書家 #マロリー・ドラッケン #ケットシー #災魔の卵


●猫の国と災魔の卵
 時は現代、所はアルダワ……蒸気漂う魔導の世界に再び事件の種が撒かれようとしていた。
 かつて魔王戦争が行われた魔法学園が存在するこのアルダワ世界。
 世界は広く魔導蒸気機関車で行く事の出来る遠い国々の全容が猟兵達の耳に入ったのはつい最近のこと。
 そしてその一つにケットシー達の素敵な国があるというのをご存じだろうか?
 アルダワ魔法学園より遥か南に『猫の国』と呼ばれる場所がある、ケットシー達が勝手気ままに過ごしているその街もまた今日ものんびり流れる賑やかな一時。
 魔導蒸気文明の恩恵を受けつつも猫達が過ごしやすい可愛いデザインの建物が並ぶ姿は猫好きにはきっとたまらないに違いない。
 そんな街角に幾つも建っているのが見られる様々な記念碑のような物、それは一つ一つが別の形をしていて同じ物は二つとないのではないかと思われる。
 それはケットシー達が“受けた恩を忘れない”という義理堅い習性を如実に表した物だといえよう。
 この街角にも一つの像が建っていた。
 遥かな昔、迷宮から湧き出る災魔を封じてくれたと言われる『盾を構えたゴーレム』の姿と伝承が刻まれていた『恩人記念碑』。
 受けた恩を後々の子孫にまで伝えようというその温かな想いの籠ったこの記念碑に動き出した猟書家の魔の手が伸びようとしている。
 災魔の卵を植え付けようとする邪悪な影、その猟書家の名は“マロリー・ドラッケン”。
 魔法学園の制服らしき物に身を包んだ悪の権化の眼鏡っ娘なのだ!

●猟書家の暗躍
『……って感じにかっこよく予告までしちゃったんだからマロちゃんそろそろ仕事しないとマズイよー?』
 壁に立てかけられた杖がケタケタと声をあげるが当の本人はまるで聞いていない。
 街角のカフェテラスに買い漁ったであろう本を読みながら頑として動こうとしないうえに次の巻にまで手を伸ばそうとしていた。
『ダメだってマロちゃん! また探求のオルガノンの奴に“ちょっとは働けよこの下等生物!”とかあのドSな目で睨まれるに違いないって』
「はぅぅ……でもこの迷宮から溢れ出る災魔をダンジョンを掘り進みながら封印していったゴーレムさんのお話が今いいところなんですよぅ~」
 周囲に浮かんだ侵略蔵書達の言葉にまだ嫌々をするマロリーだがその語尾は今にも消え入りそうなほどか細い声量。
『大丈夫だってマロちゃん、オウガ・フォーミュラのミスター・グース様から預かってきた『災魔の卵』をそこの記念碑に埋め込んだらマロちゃんの目の前で物語を実演してくれるって!』
「本当! 本当ですかっ! わわわ……すごく見たいです、このゴーレムさんの物語、この目で知りたいっ知りたいですぅぅぅっ!!」
 バンと手をついて立ち上がった猟書家マロリー、立ち上がった拍子にずれた眼鏡を直すとさっそく駆け出し恩人記念碑に近づいた。
「はははは、早く!早くあなたの物語を見せてくださぁぁぁい!」
 懐から取り出した災魔の卵はすぐに恩人記念碑に溶け込むとマロリーの目の前ですぐに変化が現れる。
 そう……記念碑に記されていたシールドマシンゴーレムの姿にだ。

●グリモアベース
 恩人記念碑が災魔化し現れたのは盾とドリルを構えたシールドマシンゴーレム達、それらが動き出すと街の至る壁という壁を掘り始め混乱が街を包み込む……そんな予知が出たようだった。
「集まってくれてありがと~、ひっさしぶりにアルダワに災魔の魔の手が伸びてきたようですね~」
 出迎えたグリモア猟兵の村雨・ベル(エルフの錬金術士・f03157)はやれやれと言わんばかりに腰に手を当て溜息をついた。
 どうやら予知で見かけた猟書家の顔にでも覚えがあるらしい。
「事件の犯人は猟書家マロリー・ドラッケン、まーた暴走してるなぁ……あの子」
 なにやら因縁でもあるのかベルは考え込むが今回は関係ないだろうとばかりに事件の概要だけを説明し始めた。
 災魔の卵を植え付けられた恩人記念碑は災魔化し、かつて猫達が受けた恩とは真逆の事をし始める大量の災魔に成り果ててしまうということ。
 そして今回は何故だかは知らないがゴーレム達は壁という壁を破壊し始めているという事だ。
「生まれ出した災魔は、記念碑に刻まれていた猫達の恩人をベースにしているので詳しい事は現地のどこかにいるケットシーの誰かに聞いてみてほしいかな?」
 記念碑を建てたケットシーならばどのような恩人だったのかを知っているはずなのできっと攻略に役立つだろうということらしい。
 まずは生れ出た災魔達を何とかすること、それを心掛けてほしいとベルはいう。
「ちょっとばかり厄介な相手かもしれないけれど、事件の解決よろしくお願いしますね!」
 そう言いながら会釈しベルは猟兵達を現地へと転送し始める、その先に待つのはどのような事件の顛末だろう……。


轟天
 今回の舞台はアルダワ世界の「猫の国」
 アルダワ魔法学園の外に広がる広大な世界で2章構成の新たな依頼形式。
 どのような事件が待ち受けているのでしょうか?

●第一章
 『シールドマシンゴーレム戦』
 災魔の卵によって生み出された大量のゴーレム達。
 事情を知るケットシー達にどのような恩を受けた話なのかを聞くことができれば、楽に対処できる作戦が思いつけるかもしれません。
 そこはそこノリと勢いでどうとでもなりますのでよろしくお願いします。

●第2章
 ボス戦『マロリー・ドラッケン』
 マロちゃんは知的好奇心のみが突出した気弱な眼鏡っ娘ですが、その暴走っぷりはすさまじいものです。
 ゴーレムがいなくなれば戦いとなりますので、2章公開時に断章をお待ちください。
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第1章 集団戦 『シールドマシンゴーレム』

POW   :    シールドカウンター(ドリル)
単純で重い【だけの攻撃ならば盾で防ぎつつ、掘削ドリル】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    シールドカウンター(アーム)
【敵の攻撃を盾で受け流し、反撃の解体アーム】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    シールドダンジョン
戦場全体に、【一定時間後に出口が封鎖される封印結界魔法】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
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曾場八野・熊五郎
うーん猫の国とは生意気でごわす
我輩たちも賢い動物の国をヒト達に作らせるべきそーすべき

(pow)
とりあえず毛玉たちにあのカカシのお化けみたいな奴の話を聞くでごわ
なんか弱点でもあればめっけもんでごわ、フレキシブルに立ち回るでごわす
建てた猫が見つかんなかったら、臭いとかから『追跡』して探すでごわす

基本は【犬ドリる】で手足の関節狙ってもいでいくでごわす『怪力・部位破壊・トンネル掘り・貫通攻撃』
初めは地面から穴掘って真下から一発かますでごわ、その後は足元を素早く動いて攪乱しながら攻撃していくでごわす『騙し討ち・ダッシュ・ジャンプ・野生の勘』

アドリブ連携絡み歓迎


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「猫さんの国、と聞いたわ」
目をキラキラさせながらケット・シーに話を聞きましょう。
[動物と話す][コミュ力]でもふもふ…じゃなくって昔の話を聞く。

弱点が思いつけばそこをつく。思いつかなかったら[逃げ足]で距離を取って[迷彩][目立たない]で隠れ、集中してからユーベルコード【千里眼射ち】。
後はこれの繰り返しでゴーレムたちを倒していくわ。




「にゃーにゃにゃー」
「うーん、そうでごわすか!」
 アルダワ世界の猫の国、ここの住人は右を見ても左を見てもケットシーばかり。
 そこで岡持ちをとりつけた超カブに乗りながら曾場八野・熊五郎(ロードオブ首輪・f24420)は事件の真相を追おうと超カブを走らせる。
 見た目が可愛いワンちゃんがバイクで出前中というファンシーぶりなのだがその運転はこの街ではある意味危険に晒されていた。
「何でそんな所で寝ころんでるでごわすかー!?」
 路上で昼寝をしているケットシーを避けて近くの茂みに飛び込み大転倒、それでも岡持ちは平行のままだしバイクも全然曲がらない。
(うーん、猫の国とは生意気でごわす……吾輩たちも賢い動物の国をヒトに作らせるべき、そーすべき!)
 タイヤがカラカラ回ってる横の茂みからにゅっと頭を出し何処までも他力本願な熊五郎の叫びが街角に響いた。

「猫さんの国、と聞いたわ!」
「にゃ? お嬢さんは旅人さんかにゃ~」
 ケットシーに話しかけ目を輝かせているヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)。
 記念碑に関する質問をしているはず……なのだがもふもふと抱きしめたいなどと頬が緩みっぱなし、この国にいるケットシー達は本当にのんびりと楽しく暮らしているものだからヴィオレッタにしてみればもうそこら中にモフりまくりたい猫達がわんさかといるわけだ。
 そんな誘惑にも耐え昔の話を聞いてみるとゴーレム達はダンジョンから出てきていた災魔を落とし穴掘ったりして埋めたりするのが得意だったということ。
 広い場所や壁があるととにかくそれらを掘ろうとする習性があったという事だ。
(戦い場所を選べばそれで勝手に気が逸れてくれそうね?)
 モフモフには名残惜しいが一度手を離し戦いの場へと一路少女は駆け始めた。

少し広めの広場に殺到してきたゴーレム達、どうやらここは彼らにとって掘りたくなってしまうような場所になるらしい。
「痒いでごんすーっ!」
 突如としてゴーレムの足元の地面からニョキリと生える高速回転する謎の物体と声、地中から犬ドリル全開で飛び出してきた熊五郎がゴーレムの足を貫いてピョーンと飛び出してきたのだ。
「!?」
 突然地面の中から奇襲されればワラワラと足元を見ようと動きを止めるゴーレム達。
 その足元を小柄な熊五郎が駆け回り捕まえようにも仲間が邪魔で捕まえれないという悪循環。
 そんなゴーレムの一体の首元に矢が突き刺さった、それは確実にゴーレムをゴーレムたらしめいている刻印を貫きただの土くれへと戻っていくゴーレムだった物。
「いい囮がいるわね、じゃあ今のうちに♪」
 目立たず物陰から射貫き打ち抜く鋒矢を引き絞りそして解き放つ、信じられないような長距離からまるで千里眼で見ているかのように矢を次々と命中させていくヴィオレッタ。
 このような距離ではもちろんゴーレム達に出来る事はなく一方的に貫いていく。
「わう、何だか知らないでごわすがチャーンス!」
 犬ドリルを前方に構え足元を突き進む熊五郎にゴーレム達は次々とその場に崩れ落ちていく。

 猫の街での大騒動はこうして幕を開けたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

魔術的パラダイムシフト(結界術/多重詠唱)で薄い本な世界観に転換☆
安心と信頼の化術神罰肉体改造武器改造防具改造で力を略奪する男の娘化ナーフ。盾もドリルも子供の玩具にかわってるわ♪
後はいつもの如く欲望の権化として、分霊(式神使い/集団戦術)達と一緒にエナジーを捕食しエネルギー充填よ♡
そうしながらも並列思考(瞬間思考力/多重詠唱)のテレパシー(読心術)でケットシーとのリモート脳内会話でどのような恩を受けたかの話を聞くわ。リモート脳内通信なので、ケットシーにアレな光景を見せなくて済むわよ。




 猫の国至り妄想の権化が悪行を繰り広げる、ある意味猟書家より酷い魔少女が降り立った周囲だけは妄想まみれの世界観に見えるのだが猫達も皆逃げ出してその場にはいない。
 あまりにも怪しいのだがゴーレム達にとってはそれは破壊すべき壁などがファンシーになっただけで目的自体は変わらない。
(ケットシー達にアレな光景を見せないようにソーシャルディスタンスしなきゃ!)
 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)はケットシーから情報を得るのにテレパシーを使ってどのような恩を受けたか聞こうとするのだがその頭の中は大暴れするゴーレム達にびっくりしてしまっていて解読不能。
 埒があかないとゴーレム達を玩具を持った男の娘に変化させて弱体化させるべくそちらへと意識を割くことにした。
 式神で作ったアリスの分身達とシールドマシンゴーレムとの戦いは苛烈に進んでいく、アリスの魔術で男の娘に出来たエリアはアリスの優勢、数が多すぎて魔術が間に合わないエリアはゴーレム達の優勢。
 猫の街の大騒ぎはまだまだこれからが本番だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

イデアール・モラクス
ふぅむ、何とも珍妙な話だが…要は逆をしてるのだからかつてのゴーレム達は壁を作る事で災魔を封じたのでは?

・一応聞いてから
その辺にいるケットシーに連勤マタタビでもやって話を聞くか。
「時間があれば猫相手でも色仕掛けしたのだが…致し方無し」
たぶん壁を作れば壁を掘りにくるだろ、私は【魔導覚醒】を用いて簡単な壁精製魔法を『乱れ撃ち』して壁を建設しまくり、壁をゴーレムが掘り出したら後ろに周り『多重詠唱・全力魔法』の『範囲攻撃・爆撃・一斉発射・地形破壊』の爆裂魔法を連射して『蹂躙』してやろう。
「盾持ちはケツを掘られたら終わりなのだよ」

※アドリブ歓迎




「ふぅむ、何とも珍妙なのだが……要は逆の行動をしているのだろ?」
 頭に???と疑問符を並べイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)は少しばかり考え込む。
 聞いていた情報から考えればゴーレム達は災魔が現れた時に壁を作る事で封じたのではないかと思う。
 だが彼らのドリルなどによる能力を考えればそれでは真逆ではなかろうか?

「まぁ、考えてみても仕方が無いか……おおいそこの猫、話を聞かせてほしいのだが」
 イデアールは小難しい事を考えるのをやめ周囲でゴロゴロしているケットシーの一人に近づきまたたびを差し出した。
「にゃ~~~ごろごろご、ゴーレムは穴掘ってにゃ~うめうめにゃーにゃはははは♪」
 それを吸うなり余計にゴロゴロとだらけていくので何を言ってるのか聞き取りにくい、だがよくよく聞けば意味深な言葉が混ざっている。
(ほう……埋める、とな?)
 言葉の節々にそれらしい内容が混じっているので間違いない、おそらくは穴を掘って埋めてしまうという事なのだろうか?
(ううむ、時間があれば猫相手でも色仕掛けしたんだがなぁ)
 この魔女さん節操無しである、がそこれはそれ……今はそんな事をシテいる時間はなさそうだ。
 すぐそこの通りにまでゴーレムが溢れ始めた以上はすぐに探索せねばなるまい。

「さて、私の魔力を甘く見るなよ?」
 指をパチンと鳴らすと同時に街のあちらこちらにわざとらしく土が盛り上がり壁になっていく、それはゴーレム達にとって掘り進めたくなる絶好の壁であるわけで。
 ガガガガガガ……と大きな削岩音が周囲に響き渡り始めた。
 しかもそれと同時にゴーレム達を中心に作り出された結界迷宮にイデアールも共に囚われてしまう。
「ククク、なんだ被害をどう出ないように考えていた私がバカみたいじゃないかぁ? 感謝するぞ土くれ人形共!」
 壁を破壊するのに夢中なゴーレム達に背後に颯爽と立ち高まる魔力と恐ろしいまでに多重に詠唱された怪しき呪文。
 腕を高速で突き出すたびに放たれる恐怖の爆裂魔法、それは幾多の爆発を呼びゴーレム達を片っ端から土くれへと変えていった。
「オラオラ……私の本気はこんなものではないぞ?
 結界迷宮が内側からひび割れ最終的に元の街へと戻った時、イデアールの前に立つゴーレムは一体も残ってはいなかった。
「盾持ちはケツを掘られたら終わりなのだよ♥」
 指でバキュンと銃でも撃つ仕草をしながら魔女はくるりと振り向き歩き出す、戦うべき相手がいるであろう場所に向けて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
『英雄像のゴーレム』ではなくて『ゴーレムの像』ですかぁ。
確かに経緯は気になりますねぇ。

【銀翼袍】を使用し飛行、像の攻撃の届かない位置からケットシーさんを捜索、狙われていた場合は保護した上で、お話を聞きましょうかぁ。
『崩壊の波動』の効果で、弱いとはいえ『認識阻害』が行えますから、多少の時間は稼げるでしょう。

お話を聞いたら交戦ですぅ。
再度『上空』へ移動、『FSS』は私の周囲に配置して上から、『FRS』は地上近くに配置し横から、其々[砲撃]を行いますねぇ。
『盾』の構造上両方は防げませんし、スクラム等で対処するなら隙間を狙った『FBS』の斬撃で、聞いた弱点を[部位破壊]ですぅ。




 猫の国に到着した夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は素朴な疑問に少しばかり想像の翼を広げる。
 恩人記念碑に刻まれていたのは“英雄”ではなく“ゴーレム”の像だということ、それは想像していたのとは少しばかり違うというか違和感を感じる。
 そんな感じに恩義を感じるという事はきっと普通とは違う経緯があったのではとるこるは予想した。
「まずはケットシーさんにお話し聞きたいのですが……けっこう騒ぎが大きくなってますぅ」
 戦輪の力で上空に浮遊し眼下の街を見下ろせばあちこちで動いているゴーレム達が見受けられその動きが丸見えになっている。
 そして視界の片隅に逃げているかのように見えるケットシーの姿を発見しるこるは急降下を始めた。

「ななな、何であのゴーレムさん達が暴れてるんだにゃあああ」
 逃げているケットシーに土煙と破片が飛んでくる、身の危険を感じた彼は次の瞬間ふにゃりとした柔らかな感触に包まれその身体は裏路地ではなくなんと建物の上空に移動していたのだ。
「なんでお空を飛んでるにゃあ、もしかしてボク死んじゃったかにゃー!?」
 ジタバタと手足を動かすと耳元で優し気な声が囁く。
「ちょ、ちょっと大人しくしてくださぁい、助けにきたんですよぅ~」
 驚くケットシーが振り返ると自分を抱き上げているのが女神の衣を纏ったふくよかな女性だと気付きようやくほっとしたようだ。
 近くの屋上に下ろしてもらい少しばかり知っている事を離すとその女性は天高くまた飛び上がっていく。
 ケットシーは心に刻む、今の女性の事もちゃんと恩人記念碑に刻まねばと!

(どうやらあのゴーレム達は穴を掘ってそこに現れた災魔を落として埋めてたわけですねー)
 だが逆転した思考では逆に穴を開けまくって災魔の封印を解くように動いているのだろうか?
 ならば壁への穴あけに集中している今がチャンスだろう、自分の周囲にビームシールドを待機させ地表近くには浮遊砲台を展開させ、さらに戦輪も別の角度から突撃させ準備は整った、
「いってください、ここでキメますぅ!」
 るこるの宣言と共に一斉に地表で始まる砲撃戦、ゴーレム達は慌ててスクラムを組みシールドを構えそれに対抗する。
 濃密な砲撃に対抗するのは仕方がないとはいえそれは側面から奇襲してきた戦輪のビームローターにはあまりにも無防備といえる。
 シールドを構える腕や踏ん張る脚が切り裂かれ態勢が一度崩れれば砲弾の雨を防ぎきれずゴーレム達は次々と砕け散っていく。
「この調子ならいいペースで討伐できそうですぅ」
 るこるは先ほど聞いた情報から彼らに一番足りていない“射程”を生かし戦いを優位に進めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

麻古衣・紬
猫かわいいです~……、じゃなかったケットシーさんにお話を聞かないとですよね。
兎に角、ケットシーさんから記念碑の恩義について[情報収集]を行いましょう。
恐らく、壁を壊してるということは建設とかそういう方面なのでしょうかね……。
とすれば、ケットシーたちの大事な建物などが怪しそうなので、
そういった建物に集まるかもしれませんね。

攻撃のチャンスが出来上がれば攻撃を開始します。
【考え無しの立往生】を使って[全力魔法]を[範囲攻撃]で[2回攻撃]します。
敵の攻撃に対しては[第六感]による予知や[見切り]で回避します。
(アドリブ可・SPD)




「猫かわいいです~」
 猫の国でゴロゴロしているケットシー達を眼福とばかりに見続け麻古衣・紬(灼華絶零・f06768)は興奮の真っ最中。
 お話を聞こうと思って近づくもそのモフモフでプニプニな愛くるしさにもう夢中、一匹ずつ話を聞いて回っていたせいかけっこうな時間がすでに経過してしまっていた。
(恩人記念碑に記されていた話を総合すると……大きな落とし穴を掘って災魔を封印して、壁を蓋にしたって事みたいですし、今回は逆に蓋にする壁を先に壊して回ってるというわけですか)
 ならば次に狙われるとすれば騒ぎが起こっている少し先にある大きな壁、そこにきっとゴーレム達は殺到するに違いない。
 ドゴーンドゴーンと響き渡る破壊音と足音、どうやら考えている間もなくそこへと到達するのは間違いなさそうだ。
 紬は思う、だとすれば壁に向かっている間はゴーレム達の意識はそちらへと向き強力なシールドでの防御も疎かになるのではないかと。

 猫の街のファンシーな建物を縫って進軍してくるゴーレム達、その足が止まり目の前の壁へと視線が注がれた。
 一斉にドリルを取り出し一歩一歩近づいていく、回転するドリルが壁に触れようとした瞬間にゴーレム達のいる通路が純白に包まれた。
「全てを瞬く間に凍て尽くせ!"考え無しの立往生(インディスクリミネイト・フリージング)"!」
 紬が手にした雷霆ティタノマキア【白銀】を振るい全身のパワーを振り絞り解き放った猛吹雪は通路上にいたゴーレム達を次々と凍らせその駆動部も何もかもを凍らせ動けなくすることに成功していた。
 シールドを構えていなかったのもあるだろうが付近一帯の通路が凍り付いている威力を思えばこれをガードしきるのは不可能だったろう。
 ビキビキキキッ……。
 それでも無理やりに動こうとするゴーレム達、だがそこにトドメとばかりに何もかもを凍り付かせる第二波が襲い掛かり今度こそ全てが凍り付き動かなくなってしまった。
「ケットシー達の恩人たちにこれ以上情けない姿は見せれないです!」
 先程の大魔術で魔力はかなり削れてしまったので今度は軽く放った魔力弾が当たっただけで凍り付いたゴーレム達はバラバラに砕け全てが土くれに還っていった。
 どうやらこの地区のゴーレムはもう大丈夫だとほっとし紬はその場へと座り込む、早く帰りたい……けれども可愛いケットシー達のために!
 まだやり残したことがある、そう思いながら立ち上がると事件の元凶を求め箒に跨るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鬼道・椿
あの猟書家…マロリーさん
初めて見るのに何だか他人に見えない感じなのは気のせいでしょうか!?

と、ともあれ、今は町で暴れるゴーレム達を…!

敵に会う前にケットシーさんに記念碑についてお話を聞いて…

それによると、ダンジョンで迷子になっていたケットシーを
ゴーレムが壁を壊して助けてくれたらしい…
その逸話が反映されて、壁を見境なく壊してる…?

そして接敵したら、敵が出したダンジョンに!?
その壁を壊しながらゴーレムがやって来る…!

一旦逃げて身を隠すと、敵は壁を見境なく壊し始める…
…それを利用すれば…!

壁を破壊中で、こちら防御が疎かになった隙に
魔具力再現:力の紋章を地面に撃ち、その上に立って
自己強化してから攻撃!




 アルダワ世界の猫の街、そこはケットシー達の住むとてもファンシーな街。
 そしてそこに巻き起こる事件の背後にちらほらと見え隠れする……というかだいたいこいつのせいと思える猟書家マロリー・ドラッケン。
 予知で見せられたその姿を思い出しながら鬼道・椿(魔記具封印者(レコーダーズ・レコーダー)・f27595)は思うのだ。
(あの猟書家……マロリーさん、初めて見るのに何だか他人に見えない感じなのは気のせいなのでしょうか!?)
 椿本人もそう思っているだろうがそれを現場へと送り出したグリモアベースにいるエルフも同じことを思っているに違いない。
 きっとあれだろう……二人並べると見わけがつかなくて間違えて狙われる的なお約束が待っているかもしれない。
 
「ととと、ともかく……今は街で暴れるゴーレム達をどうにかしませんと!」
 雑念を振り払いさっそく記念碑のあった辺りで気絶していたケットシーを抱き起し話を聞くことができた。
 何とそこで思わぬ収穫が手に入る、恩人記念碑に書かれていた話にはどうやら続きがあったらしい。
 落とし穴を掘って災魔達を埋めた後、壁で蓋をして封印したという話の裏にもっとあかりやすい逸話があったというのだ。
 それは……。

“ダンジョンで迷子になっていたケットシーを壁に穴を開けて助けてくれた”
という話らしい。
 だとすると……その逸話が変に曲解され今の状況を生み出しているのではないかということだ。
「つまりは壁がある所で戦えばゴーレム達の注意はそっちに?」
 ちょっと不安要素があるもののシールドマシンゴーレム達の目の前に身を晒した椿、それを見付け追いかけてくるのは怖くて仕方がなかった。
 封印結界魔法が発動し椿ごと周囲の景色が迷宮へと変化していく、こうなればゴーレム達の視線の先にいるのは椿ただ一人。
「って、話には聞いてましたがこれって思ってた以上にピンチですよ~~~~っ」
 半泣きで逃げ始める椿をガシャンガシャンと決して早くない速度で追いかけ始めるゴーレム達、だが何も考え無しにこの状況を選んだわけではない。
一度物陰に身を隠してしばらく待ち再びひょこりと顔を出せば壁破壊に夢中になっているゴーレム達が目に入った。
 そう……彼らは壁、しかもダンジョンの中でそれらを見つけると見境なく穴を開けようと夢中になっているというわけだ。
 そしてそれに集中している間はシールドによる防御もあまり機能しているとはいえない。
(今が……チャンスです!)
 取り出した“万象万化にして不動不変の万年筆“を思い切り振り飛ばすインクが床に魔法陣を描き出した、急いでその紋章の上に飛び乗ると弱弱しかった椿の魔力にさらなる魔力が加えられどうにかゴーレム達にも通用するであろう力が満ちてくるのを感じる。
「再現します…破壊の為の力を生む、紋章を描く力を…!」
 再び万年筆から飛び散った魔力あるインクがゴーレムに命中すると、その形を司っていた印が塗りつぶされ次々と土くれに戻っていくゴーレム達。
 最後の一体を破壊すると周囲の景色がダンジョンから普通の街並みに戻っていきようやく一息つくことができた。

 こうして恩人記念碑から生み出されたシールドマシンゴーレム達は一掃され一先ずの平穏が戻る。
 後はこの事件の元凶を探し出すだけだ、椿はさっそく猟書家がいそうな場所へと路地を駆け始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『マロリー・ドラッケン』

POW   :    インテリジェンス・イービル・ワンド
【手にした「喋る杖」が勝手に魔法】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    リアライズ・パニック
自身が【恐怖】を感じると、レベル×1体の【モンスター化した書物の登場人物】が召喚される。モンスター化した書物の登場人物は恐怖を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    ダブル・マロリー
【眼鏡を外した別人格のマロリー】の霊を召喚する。これは【勝手に放つ魔法】や【杖でのぶん殴り】で攻撃する能力を持つ。
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●マロリーと愉悦な仲間達
「はわぁ~、すっすごいですっ! シールドマシンゴーレムさんの記念碑からこんな物語が見れるなんてっ!めくるめく冒険、そして沢山の人々との出会い! 感謝と、恩返しへのめくるめく決意! もっともっと見てみたいですぅ~~っ!」
『まままま、ま、マロちゃんそろそろヤバイって!』
『ケヒヒヒ、不味いぜワンドの兄貴、ゴーレム達の騒ぎがあちこちで急に静かになっちまった!?』
 街角のオープンカフェで目を輝かせながら災魔の卵が巻き起こした“新たなる物語“を見たまま動こうとしない猟書家マロリー・ドラッケンを喋る杖『インテリジェンス・イービル・ワンド』が説得し続けているがやはりまだまだ動こうとしない。
『マロちゃん、不味いってそろそろ奴らが来るからっ!』
 浮遊する侵略蔵書達が仕方がないのでマロリーのマントや帽子に噛みついて引っ張るがこれまた全然動かない。
 ビリ、ビリリリ……、かくしてマロリーのマントは今日もどこかが破れている。

 のんびりはしていられない、ここまで急にゴーレム達の騒ぎが静かになるなどケットシー達の住民達に出来る事ではない。
 考えられるとすれば先日アリスラビリンスにも大挙して押し寄せてきた“猟兵”と呼ばれる者達。
 このアルダワ世界にも“転校生”と称してやってきていると言われている者達が騒動を早々と鎮圧してしまったに違いないのだ。
 となればやはり恩人記念碑の目の前のオープンカフェにいる所などを発見されたら絶対に狙われる。
「はぅぅ、何だかどこも静かになっちゃたような? ……って、なんでマント引き千切ってるんですかぁ!?」
 ようやく騒動が静かになった事でマロリーの注意が自分達に戻ってきてくれた、マントなどがすでにボロボロになっているのはそれだけ侵略蔵書達が必死に噛みついていた結果なので仕方がない。

『マロちゃん……急いでやってもらいたい事がある、早くこのインテリジェンス・イービル・ワンド様を手に取るんだ!』
「ふぇっ?」
 いきなりそう言われオドオドしながらもマロリーはインテリジェンス・イービル・ワンド(杖)をギュっと胸に抱きしめた。
 トクントクンと高鳴る鼓動が早くなっていく、マロリーが一体何がと思った時にはどうやらもうそれは目の前に現れてしまっていたらしい。

 猟書家であるマロリーにとって最大の強敵達、そう猟兵達がこの場へと集結してきていた。
「ななな、なんですかこの人達っ!?」
 眼鏡がズレ、半泣きでそれらの者達のプレッシャーにビクリとするその姿はあまりにも弱弱しい。
 その時点になり杖と侵略蔵書は重大な失敗に気付いてしまう……メガネを外した(セクシーで好戦的な)マロちゃんに人格交代させるのを忘れていたと。
 
 かくして猫の国の街角で猟書家マロリー・ドラッケンは猟兵達と対峙する、はたして猟兵達はこの猫街に巻き起こった災魔事件を解決できるのだろうか。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
私は半脱ぎ派、せっかくの魔女コスを脱がすなんてとんでもない、でも破るのは桶。メガネは結界術で固定してズレはしても外れたり破壊させりはしない、絶対にだ。

マロちゃんと合体したい♡眼鏡魔女っ娘かわいいやたー♪
魔術的パラダイムシフト(結界術)で薄い本的な世界観に転換☆
化術神罰肉体改造武器改造防具改造でマロちゃんとワンドを合体♡させて疑似フタ化ナーフで力を略奪、侵略蔵書達も男の娘化ナーフさせてパラサイトテンタクルと合体♡してもらいましょ♪
魔法は捕食してエネルギー充填し快楽エナジーに転換してマロちゃんに注入♡
さぁ、マロちゃん私とめくるめく快楽の物語を紡ぎましょ♡



●HENTAI来襲
「うふふふ♪ さぁ! わたしと目くるめく官能の世界へ~♪」
「な、なんかヤバい人が来ちゃいましたぁ~!?」
 世の中にはパワーバランスというものがある、事件を巻き起こす猟書家は通常の猟兵などに比べても遥かに強かったりするはずだ。
 ……だがその精神性の強度という意味ではこの二人の相性は最悪に近い、はっきり言って猟書家マロリー・ドラッケンから見てみれば色々な意味でアウトの存在が這い寄りつつあるのだ。
 その脅威ことアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)の魔の手が伸びつつあるのだ。
 この歩くX指定であるアリスがよりにもよって猫の街で撒き散らすのは、周囲の景色ごとそこを“薄い本”のような18禁妄想世界へと変えていく怪しき空間。
「マロちゃん“アレ”はヤバい、俺でもわかるぞ……絶対近づいちゃダメなやつだ!」
「ひぇぇ、なんで猫の街にあんな怖い人がぁ~っ」
 それもそうだろう、目の前で寝ころんでいたケットシー達が次々と男の娘に外見が変質していくような場所にいたくはないはずだ。
「マロちゃんと合体したい♡ 眼鏡魔女っ娘かわいいやたー♪」
「こっち来ないでください~~~~っ!!」
 ビビりながら杖を突き出したマロリー、その叫びに応じてか次々と魔力弾がアリスへと撃ちだされ土煙があがった。
 だがその爆心地からまるでカサカサカサとGの如き音をたてながら這い寄るアリス、これは怖いというかそろそろ人間やめてるぞこれ。
「さぁ、1つになりましょ♡ 大丈夫、パラサイトテンタクルスはコワクナイヨ」
 さらにアリスが解き放つ力は武器と肉体を融合させていく恐るべきもの、アリスどころからその影響はマロリーにまで効果を及ぼし始めさらなるピンチにいよいよ半べそ状態。

「マロちゃんと合体させられてしまぁ……」
「ひぃぃぃ、怖すぎますよぅ~~っ」
 このままでは融合させられ怪しいアリスの妄想世界で危ない目に合わされてしまう、そんなピンチに侵略蔵書達が時間稼ぎとばかりに一斉にアリスに襲い掛かった。
「マロちゃん早く逃げろぉぉ、こちはかなり“ヤバいい”奴だ!」
「あらぁん♥ そっちから来てくれるなんて、せっかちさん♥」
 近づいていく侵略蔵書ですら男の娘に変化させようとする強烈なHENTAIパワーにインテリジェンス・イービル・ワンド達は当のマロリーの意見を聞くことなく一つの決断をする。
「「「逃げろ~~~~っ!」」」
「はうあっ!? 首根っこ引っ張らないでくださぁぁぁぁぁ~~~~~~ぃ」
 残響音を残してその場から大急ぎで逃げ出した猟書家ご一行、まあこれは確かに戦うどころか関わっちゃいけない相手です。
「え~、マロちゃんと私のめくるめく快楽の物語を紡ぎたかったのに~♥」
 投げキッスをしてアリスはすごく残念そうに笑ったのだった。


■猫の街攻防戦■
●猟書家マロリー   vs 〇アリス・セカンドカラー

 マロリーの戦意喪失につき棄権敗退

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
ああ、出発前にベルさんが仰っていたのは、こういうことですかぁ。
取り敢えず、参りますねぇ。

まずは『FBS』を四肢に嵌め飛行、最初は出来るだけ上に距離を取りつつ、『FRS』『FSS』による[砲撃]を行いましょう。
『杖』が『範囲魔法』を使いましたら【耀衣舞】を使用し『上』へ突進、『光速離脱』で範囲外へ移動し回避しますねぇ。
そのまま[空中戦]の要領で急降下して横合いに回り『魔術』使用直後の彼女へ[2回攻撃]による『光速突撃』を行いましょう。

彼女が飛行し追ってきた場合も『光の結界』&『光速突撃&離脱』によるヒット&アウェイは同様に、突進の際は上から狙い、叩き落とす形も狙いますぅ。




「やっと猟書家を捜せますぅ」
 とりあえずはゴーレム達の動きがほぼ封られた猫の街を四肢に纏う戦輪で浮遊しつつ夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は上空から眼下の街を見下ろしていた。
 街の混乱は先ほどまでに比べて収まってはいるものの逃げ回っているケットシー達が路上にうろうろとし始めた事もありるこるは戦いやすいうちに発見せねばと恩人記念碑周辺へと意識を向けた瞬間に地表で何かが光った。
「えっ??」
 るこるの正面に展開したビームシールドが自動展開した直後にそれを貫く光弾が貫通し2枚目に展開されていたビームシールドがその威力を減衰させてなおるこるへと迫る。
(かなりの高度はとっていたというのに、なんて射程してるんですか!?)
 想定していたよりも遥か上空まで平気で飛んできてさらに炸裂する攻撃魔法、それはどう考えても猟書家による悪意ある先制攻撃……つまりその発射地点を見れば目的の人物がいるということだ。

「はわぁ……なんでいきなり魔法撃つんですかぁ???」
 へっぴり腰でしゃべる杖にしがみついている風の猟書家マロリー・ドラッケン、そんな彼女の意思とは関係なく次々と放たれる強烈な火球が上空のるこるへと襲い掛かっていく。
『マロちゃん、お祭りはもっと愉しまなきゃダメだぜぇ』
 再び打ち上げられるその魔法は弾速は遅いのだが空中でいきなり炸裂し広範囲に撒き散らされる火花の塊。
 どうやら喋る杖がマロリーの意思とは関係なくるこるにそれを撃ち込んできているらしい。
(あぁ、出発前に仰っていたのはこういうことですかぁ)
 るこるは豊乳の女神への祈りを始め打開策を考える、ケットシー達への被害はこの高度にいる限りは少なく済むだろう。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて舞を捧げましょう」
 祝詞と共に光の結界が身を包みるこるは“遥かな上空”へと一気に突進する、その直後に今の今までいた高度に炸裂する敵魔法。
(って……離れて見てみればこれって打ち上げ花火ですかぁ、なるほど~それで弾速自体は遅かったのですかぁ)
 見た目はあれだが威力はビームシールドの防御力では耐えきれないほどの凶悪さ、浮遊砲台などの砲撃よりも射程が長いのでこれではこちらからは手が出せそうにない。
 ならばこの速度を生かして立ち向かうしかなく……るこるは大回りし今度は地表ギリギリまで一気に降下し地面スレスレで直角に軌道を変化させた。
「いましたぁ!」
「はわっ、もう何か光がきて……ひいいいい」
 街の建物を縫うように進み視界に入ったマロリーへと“光速”で突進を敢行、体当たりが決まる寸前で魔法防御陣がそれを阻害しるこるは軌道を変え大きく空中でループする。
(なかなか向こうも硬い結界を持ってますねぇ、ですが……こちらの光の結界も舐めてもらっては困りますぅ)
 そう考え視界を地面に向けると何と喋る杖がるこるのほうへと突進してくるではないか。
『マロちゃん! 突撃だぁ~~~っ』
「はわぁぁぁぁ、死ぬ!? 死んじゃう~~~っ!!」
 飛び出した杖に引っ張られるようにしがみ付いているようにしか見えないマロリーが泣きながらくっついている。
 というか今にもその手は杖から離れてしまいそうで……。
「お仕置きですよぅ~」
「ひいいいい!?」
 るこるとマロリーの魔法結界を纏った空中体当たり決戦は一撃で決着がついた……というかるこると喋る杖がぶつかり合った瞬間に手がすっぽ抜けて街へと墜ちていくいくマロリー、眼下に見える公園の池に大きな水柱があがった。
「え、えぇと……マロリーさん堕ちましたけどぉ?」
『何言ってるんだマロちゃんがそう簡単に墜ち……墜ちてるっ!?』
 インテリジェンス・イービル・ワンド最大の誤算、それはマロリーの握力が大して強くなかったということだ。
 そして主が近くにいない喋る杖にはこれ以上の魔術を使う魔力が足りない。
「今がチャンスですぅ!」
『ぐわぁぁぁ~~~~~っ覚えてろぉぉ~~~っ』
 るこるのダイレクトぽよよん光速アタックを受け同じく地表に叩き落とされていく魔法杖もまた公園の池に大きな水柱をあげることとなる。
 るこるの信仰心の勝利……なのだろうきっとたぶん!


■猫の街攻防戦■
●猟書家マロリー   vs 〇夢ヶ枝・るこる

大成功 🔵​🔵​🔵​

イデアール・モラクス
猟書家ッ!なるほど、コレがそうなのか!
何とも可愛らしい姿をしているじゃないか…というか知ってる顔に似ている…ここに送られる際に見た顔に…。
まぁいい!可愛がるのに変わりなし!

・真面目な戦術
【多重詠唱】による攻撃魔法『乱れ撃ち』『弾幕』と魔剣の『薙ぎ払い』で敵の攻撃を『武器受け』しつつ観察。
「術具はその杖だな!」
そしてUC【色欲の触手】を『全力魔法』で数を無数に増やした上で『高速詠唱』を用いて素早く召喚、『範囲攻撃』で本体と杖を同時に絡め、マロニーから杖を引き剥がす。
「お前の外見…仕草、実に滾る!」
拘束したらマロニーを触手で穴という穴を『串刺し』にし『暴力的』に『蹂躙』してやろう。

※アドリブ歓迎




 ケットシー達の住まう猫の街に降臨した怪しき魔女の笑い声が轟いた、それもそのはず目的の相手を捜しまわっていたら中々に面白い光景の中へと飛び込むことができたのだから。
「猟書家ッ! なるほど、コレがそうなのか!」
 イデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)は公園の池の側にある樹に濡れた服を干して乾かしている猟書家マロリー・ドラッケンの姿を発見しその赤い眼で視姦しニヤニヤとプロポーションチェックも怠らない。
「何とも可愛らしい姿をしているじゃないか……というか知っている顔に似ている……ククク」
 そこで嗜虐的な表情になるのはやめるのです、あなたを送り出したエルフはそこまで被虐的じゃないはず……はず。
(まぁいい! 可愛がるのに変わりはないからなっ!!)
 怪しい事を考えながら涎を手で拭くのはぜひやめていただきたい、それを見ていた好奇心の塊のケットシーも今の仕草で逃げ出したので。

 イデアールの放った挨拶代わりの魔力弾が直前で弾け周囲に散らばり掻き消える、防御魔法でどうやら軽めのジャブは予想通り弾かれたようだ。
『お、おい……マロちゃん、服を乾かしている所アレなんだがまた敵が来たぜ』
「ずいぶんとご挨拶ね? この“メガネを外した”私に立ち向かおうだなんて……どこの田舎魔女かしら?」
 爆発による土煙の中から歩み出てきたのは喋る手を杖にし普段とは別人のようにキリリとしたマロリー、それもそのはずメガネを外していた事で一般常識担当の人格へと変貌していたのだ。
(いや……私は“セクシー担当”だと何度言えば……っ)
 そう内心ツッコミを忘れないマロリーの今の姿はと言えば、下着姿の上にマントと帽子だけ羽織ったという普段に比べセクシーな艶姿。
 それを見てクククとさらに笑いのトーンをあげたイデアールが指先をパチンと鳴らしつつ次々と魔力弾を解き放った。
「アーハハハ、そこまで来たら裸マントぐらいしてくれたほうがイイんじゃないか? いやまぁ……私はそのほうが“そそる”がなぁ?」
「ハッ、言ってなさい……っ!」
『うぉぉぉぉ、いきなり振り回さないでマロちゃぁぁぁん!?』
 喋る杖をノーモーションでフルスイングする(メガネをしてない)マロリー、それを手にした魔剣で受けとめ金属音がキイイインと響く。
 さらに鍔迫り合いの真っ最中に杖から放たれた爆裂魔法が二人を引き離し距離を取らせた。
「ほほぅ……術具はその杖だなぁ?」
「だとしたら、どうするのかしら?」
 睨み合う二人、先に動いたのはイデアールだった。ありったけの魔力を注ぎ込み周囲に浮かぎあがる魔法陣から呼び出されたのは怪しく蠢く“色欲の触手”、これら性的に相手を屈服させようとする怪しき魔の手がマロリーに襲い掛かった。
 その手に足にそして杖に巻き付き二つを切り離す、そうして絡みあげればまるで拘束具のように全身を搾り上げていく拷問具のようで。
「お前の外見……仕草、実に滾るっ!」
 じゅるりと唾の音が聞こえた気がする、だがそんな絶体絶命の状況だというのにこの別人格のマロリーにはまだ余裕がある。
 術具である杖を奪ったというのにこの余裕、なぜだ……と考える、肉付きのいい肢体に触手が絡みつきそれはもう淫靡な姿へと堕としている最中だというのに何かを見落としている気がした。
「ふふっ、褒められるのは悪い気分じゃないけど忘れている事を教えてあげるわ」
「む……何をだ?」
 触手を舐めつつも余裕のマロリー、さすがに気になったイデアールの目の前で引き離したはずの喋る杖が勝手に風の刃を巻き起こし触手を切り刻んでいった。
 そう術者によらずとも“勝手に”詠唱も発動もしてしまうのだからマロリー自身は何気に何もする必要がなかったりする。
「アハハハ、触手なんぞでは満足していただけないようだなあ?」
「あんなのじゃ役不足、よっ」
 まさに互角以上の戦いを繰り広げる二人、不敵に笑うマロリーにイデアールは最終手段を講じる事にした。
胸の谷間から取り出したソレを容赦なくマロリーの顔面へと……。

「はわっ!?」
「ククク……眼鏡っ娘はやはりこうでなくてはなあ?」
『あっ、こいつマロちゃんに眼鏡かけさせやがった!?』
 それは出発前に誰かさんから奪ってきた眼鏡、その不意打ちにはさすがに対応できず眼鏡をかけた事で普段の性格に戻ったマロリー、そしてそんなダメっ娘にニコニコと怪しい手付きで近づいていく暴虐の魔女。

 そしてちょうど近くにあるのは公園の人気のない茂み、色々な意味でピンチがマロリーを襲う!

■猫の街攻防戦■
●猟書家マロリー   vs 〇イデアール・モラクス
 ゆうべはおたのしみでしたね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
恐怖を感じさせた相手を追跡するのなら、こちらに気づかせなければいいわね。

物影に潜んで[目立たない][迷彩]で隠れておく。
あとは集中してユーベルコード【千里眼射ち】
銃ではなくて音の小さい弓での狙撃よ。

そしてまた身を隠す。
あとは繰り返しね。

万一敵に接近されたら[逃げ足]で距離をとってまた隠れるチャンスを作るわ。




 アルダワ世界の猫の街の大騒動はまだもう少し収まる様子がなく騒然とし続けていた、それというのも街角で定期的に響くこの可愛い声というか悲鳴が原因なのだが。
「痛っ!? さっきから誰ですかぁ???」
 ザクッと嫌な音がしてお尻を抑えて倒れる魔女っ娘、猟書家マロリー・ドラッケンは先ほどから音もなくチクチクと矢を放ってくる誰かを相手に悶絶し続けていた。
 飛んできたであろう方向に魔力弾が飛んでいくのだが着弾する頃にはすでにその場に犯人の姿はなくもぬけの殻というやつだ。
(恐怖を感じた相手を追跡するのなら……気付かせなければいいわね)
 街の裏通りを静かに駆けながらヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は射貫き打ち抜く鋒矢を手に次に放つポイント目指していた。
 音の小さな弓矢で静かに攻撃しそして撃った瞬間には次の狙撃ポイントへと次々と移動するために可能な限り狙われないようにしているおかげで今のところは一方的な攻撃を続けれている。
「さっ……次こそは頭を一発でって、わわわ!?」
 次のポイントに着いた……という所で撃ち込まれてくる大量の矢、慌てて一歩引いた所に現れたのはまるで物語から飛び出てきたかのようなトランプ兵達。
 矢を射かけ槍を振り回してくるそれらを相手になどしていられない、これは恐らくは懸念していた恐怖を感じた相手に侵略蔵書から飛び出した物語のキャラクターが襲い掛かってくるそれだ。
『マロちゃんに何するんだ悪戯っ子めー』
『マロちゃん虐めていいのは俺達だけなんだぞー!』
「そっちのほうがひどくないですかっ!?」
 シクシクと泣きつつお尻に刺さった矢を抜いているマロリーの周囲に侵略蔵書達がふよふよと浮きながらヴィオレッタに兵隊たちを差し向けてきたわけだ。
 だがそんなものに今回付き合う気は毛頭ない、千里眼を使う集中が出来ない以上はとりあえず距離を取り直しまた次のチャンスを狙おう。
 迫る兵隊の額を矢で貫き突破口を開くとヴィオレッタは近くの茂みへと飛び込み姿を消す、一撃離脱の戦いはまだここからが本番となりそうだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

麻古衣・紬
いざ本丸、猟書家を倒しましょう。
まぁ、本が好きっていうのはどこか親近感あるのですが、
やはり悪事は悪事なので……。
なにより可愛いケットシーさんに被害が出るようなことは許せませんし!

近距離戦も遠距離戦もどちらでも対応されそうなので、
箒を使って[空中浮遊]しながら[空中戦]に持ち込みます。
遠距離に届く攻撃は魔法で[オーラ防御]を行い、
[高速詠唱]と[多重詠唱]の【追伐の魔弾】による[全力魔法]の物量攻撃で[2回攻撃]する。

(服装といい本好きといいどこか抜けているところも
マロリーと紬は傍から見れば似ているような……。
そういう所を紬は無意識に若干敵視しているようです。)

(アドリブ可・WIZ)


鬼道・椿
予兆でも見ましたけど…マロリーさん、本当に私そっくりです…!
百合『でも大きな違いがあるよ。周りの本とか、持ってる杖とか…』
…なら、私たちがやるべき事は…!

魔記具封印の儀で使う【拘束用の再現魔具力】を
マロリーさんの周りの本や杖に放ちつつも
攻撃が来たらしっかり回避!

召喚された敵や別人格の方の近接攻撃も回避しつつ
拘束魔具力に加え【抵抗力を弱める魔術を込めたインク】も使って迎撃!

また、回避のため動き回る中
密かに「結界術」の準備もしていきます

そして、これまでの行動が上手くいったら
【封印の書の封印魔術】をマロリーさん以外の敵に放ち
本格的に魔記具封印の儀を発動!

その子を惑わせるのは、これで終わりです!




 アルダワ世界の猫の街、そこで繰り広げられたシールドマシンゴーレムの大騒動にもどうやら決着の時が迫っているらしい。
 恩人記念碑に刻まれていたその“物語”を蒐集……いやたんに知りたいがために事件を巻き起こした猟書家マロリー・ドラッケンは瓦礫や土煙の中を駆け走っていた。
「はぁはぁ、なんで物語を知りたいだけでこんなに追われないといけないんですかぁ~」
『ギャハハ、マロちゃん軽く言ってるけど街は大騒ぎだぜぇ』
『キヒヒ、おかしな連中こないうちにそろそろトンズラだな!』
 マロリーは喋る杖と侵略蔵書達と共に視界の悪い建物の角を曲がり誰かとぶるかり尻餅をついた。
「痛たたた……だ、大丈夫ですか」
「はうう、痛いです」
 ぶつかった相手が手を差し伸べそして立ち上がる土煙が晴れた所で両者は目を丸くし驚いた、そう目の前にいるのはまるでじぶんそっくりな眼鏡っ娘。
 帽子にマントそして髪型と言い雰囲気と言い違うのは手にした杖の代わりに本を持ったその姿、鬼道・椿(魔記具封印者(レコーダーズ・レコーダー)・f27595)は出発前に予兆で見せられていたとはいえ自分とマロリーがそっくりである事に呆気にとられてしまっていた。
「ま、マロリーさん、本当に私そっくりです……っ!」
「ほえ? わ、私が目の前にいるってどういう……きょ、興味がありますっ!」
 鏡写しのような二人のこのまま放置するといつまでも見つめ合っていそうな空気を互いの持ち物たちが制止した。
『マロちゃん、こいつもたぶん敵だぞ!』
『椿、シャキっとしなさい! 周りの本や杖をよく見なさい……私達“姉妹”とは違うでしょ?』
 椿の手にしていた“封印の本である姉「百合」”が判断の鈍った妹に喝を入れそして間合いを取らせた。
 マロリーにしても杖と蔵書達がマントに噛みついて無理やり引き剥がし双方共に距離を取る。
「わかってますっ……私達がやる事は一つですから!」

「そーいう事です!」
 そんな二人の頭上から声が聞こえそしてマロリーへと大量の魔法の矢が降り注いでいく、それは箒に跨り多重詠唱で一気にキメに掛かった麻古衣・紬(灼華絶零・f06768)の追伐の魔弾。
 避けようとしているマロリーを地表スレスレでホーミングし追尾する初級にして応用の利く強力な魔法の呪文だ。
(本好きっていうのはどこか親近感がありますが悪事は悪事ですし……なにより、ケットシーさんの街をこんなにした責任はとってもらいます!)
 紬はそう心に秘めた瞬間に土煙の中から火球が何発も撃ちだされてきたので慌てて手を翳した。
 正面に展開された魔法陣にそれらが着弾して大きく天を焦がす、もちろんこれはマロリーによる反撃と見るべきだろう。
「さすがに一撃で倒れるような相手じゃなさそうですねっ」
 箒に跨ったまま建物の影へと隠れ紬は一度間合いを計り直すことにする。

「はううう、怖いですぅ」
 目を閉じ耳を手で塞ぎながらしゃがみこんでいるマロリー、転がった喋る杖が勝手に火球(ファイアボール)を上空へと何発か放つとようやく魔法の矢は途切れたようだ。

『よーっし、マロちゃん煩いのはいなくなった今のうちに……』
「させないですっ!」
 
 インテリジェンス・イービル・ワンドが怯えるマロリーに自分を拾わせ逃げ出そうとするのを遮るか細い声、椿は魔術をこめたインクをマロリーへと投げつけそして懐に直していた文房具も展開しそれを遮ろうとする。
 それはここからは逃がさないという強い意思、だがそれを振り払おうと侵略蔵書達が呼び寄せた物語の登場人物達。
 悪いケットシーの群れが急に目の前に現れ椿はビクリと身を震わせる、だがそれは隣路地から放たれた通路いっぱいを埋め尽くすほどの魔法の矢が薙ぎ払っていく。
 奇しくもここに集った椿、マロリーそして紬の3人は共に制服にマントと帽子姿という若干とはいえ共通項のある者達。
 その3人がこうして共闘、そして対決するのは偶然の産物なのかと運命の巡り合わせなのか。

「きゃあああ……くっ、ややこしい事になってみるたいね? まったくもう、これじゃお色気も何もあったものじゃないわ」
 紬の魔法の矢による混乱で眼鏡が外れて転がったマロリーが急に今までと雰囲気が変わりキッと魔法の使い手を睨みつける。
 そんな変化に気付きつつも紬はあえて身を晒すように高度をあげて上側からマロリーへと呪文を唱える。
(服装と言い本好きでどこか抜けているような所は似ていたかもしれません、でもだからこそこんな悪事はここまでです!)
 そう思いつつも視線はマロリーではなく先ほどから何かの準備をしている椿へとチラリと向いていた。
「二人がかりでも私は負けないわよ?」
 喋る杖を振りかざし紬には回避不能なほどに広がる紫電を、そして何か企んでいそうな椿には魔力を籠めた一撃で殴打すべく飛び込んでいくマロリー。
 だがそれは椿と百合にとっては想定内、これこそを今の今まで待っていたわけだ。
「今ここに…」
『私達の力を合わせ…』
 封印の書が勝手にパラパラとページがめくれインクや文房具が飛び交いマロリーへと集まっていく。
「『あなたを封印します!』」
 椿と百合の同時詠唱が終わった瞬間に強力な封印術が“マロリーの杖と侵略蔵書達”に襲い掛かり完全に拘束してしまった。
「その子を惑わせるのはよしなさい! これで……終わりです」
 椿がはっきりと言い放つ、そう……魔具達が無ければマロリー自体の戦闘力は人並以下でしかない、いくら好戦的な人格になっていようと力の源が無ければ何の脅威でもなくなってしまう。
「と、いう訳だ覚悟!」
「この、私が、この程度で諦めるとでもっ!」
 壊れた箒と共にマロリーのすぐ後ろに降り立つ紬、それを素手でどうにかしようと平手で打とうとするマロリー。
 だがその前に椿は秘策を駆使することにした、肩をポンポンとし振り返ったマロリーの顔にそっと眼鏡がかけられた。
 それはマロリーの丸眼鏡ではなく椿のアンダーリムタイプの眼鏡、それと同時にマロリーの表情はふにゃりと柔らかくなりそして普段通りのオドオドとした少女に戻ってしまった。
「は、はわわわ……!?」
「ようやく普通にお話が出来そうです♪」
 ニッコリと微笑み懐から取り出した予備の眼鏡を付け直す椿、そして戦意喪失しているマロリーを縄で縛り上げる紬。
「ケットシーさんに迷惑かけた分のお仕置きは必要ですねぇ……」
 静かな紬の笑顔が怖い、これはきっと折檻だ……。
『不覚……』
『マロちゃん逃げてくれぇ』
 封印されて身動きできない杖と侵略蔵書の声がマロリーにさらなる絶望を与えていく、助けを求めて視線を送った椿もニッコリと笑顔で箒と塵取りを差し出しマロリーにそれを持たせた。
「ケットシーさんの街、だいぶ汚れちゃいましたよね?」
「あぁ、僕が思うに……掃除はきちんとしないといけないですね?」
「ふぇぇぇ……そんなぁぁ」

 こうして一連の騒動は片が付いた。
マロリーは椿に背を押され街中を掃除させられたあげく紬にあっさりと骸の海送りされていった。
またどこかで騒動を巻き起こすのは間違いないがそのたびきっと猟兵達が何とかしてくれるだろう。
 そして猫の国に再び平和が戻る……次の事件が起こるまでの一時の平和が。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月09日


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🔒
#アルダワ魔法学園
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#マロリー・ドラッケン
🔒
#ケットシー
🔒
#災魔の卵


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠村雨・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト