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下着はデリケートでプライバシーにつき強制はご法度です。

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #ドーラ・ワルダー #キマイラ #トンチキシナリオ


●ドマゾヒスト共の集まりですか?
 ――キマイラフューチャーのどこかにぽっと出現したお城にて。

「オ――――ッホホホホホ!わたくしに忠誠を誓う下僕たちは何方かしらぁ!?」
『私めらでございます、ドーラ様!!』

 鞭をパシィン、と叩き鳴らす猟書家『ドーラ・ワルダー』の下に集うは……ボンテージの上に白いブーメランパンツを履いた怪人の群れ。
 端から見たら絶対「うわあ」と声が出る光景なこと間違いなし。

「良い子です……そんな貴方たち、わたくしの自慢の『下僕怪人』共よ。
 この星の住民――キマイラ共を、集めて集めて集めまくるのです!手段は一切問いません!一人でも多く「魔城ワルドーラ」に誘拐すれば、ご褒美のひとつぐらい差し上げてもよろしくてよ!」
『かしこまりましてございます、ドーラ様!!』

 白いブーメランパンツにボンテージの怪人はうおおおお、と勢いよく駆け出していく。

「たくさん誘拐してドーラ様に罵って頂くのは俺様だあああああああああああ!!」
「いや違うこの私だあああああああああ!!!」

 とか何とか白いブーメランパンツにボンテージをつけた覆面の怪人共が叫んで走っていくという、それだけで多分キマイラは悲鳴を上げそうな光景が広がる。
 実際モニターにキマイラフューチャーの街を映してみれば、「ぎゃー!?」「いやー!?」といった声が早速聞こえている。
 ああ、何て嗜虐心をそそる声だろうか。女は恍惚の表情を浮かべる。

「ふふふ……誘拐したキマイラはわたくしが直に、片っ端から!下僕怪人に改造して差し上げますわ……!!オ―――――――――ッホホホホホ!!」

 (色々な意味で)混沌が溢れ出そうとしているキマイラフューチャーの夕暮れ時、一人の女幹部の高らかな笑い声が響き渡った。

●こんな予知も最早何回目だったか数えられるけど数えたくない件
 予知を受け招集に集まった猟兵たちを出迎えたのは、地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)の虚無に満ちた表情であった。
 お前もしかしなくてもとんでもねえトンチキな予知しやがったな?という視線を向ければすぐにその意図を察し、凌牙はこくりと弱々しく頷いた。

「……えー、と。お前らも猟書家たちの予兆は見ただろ?」

 迷宮災厄戦にて姿を表した猟書家たち――何人かは撃破したが、その意志を継ぐ者たちも出現した。
 オウガ・フォーミュラとなるべく7つの世界に骸の月を顕現させた良書課。
 その内キマイラフューチャーにキング・ブレインと共に向かった幹部の一人『ドーラ・ワルダー』が自らの手先となる『下僕怪人』をたくさん作り出す為に早速動き出していたのである。
 そして凌牙はそのうちの活動の一つを予知したワケなのであるが――これが頭を抱えたくなる内容なのだ。

「手段は一切問わないっつって差し向けた。まあそれはいい、よくあることだろ?
 だがな……その下僕共がさあ……『住民の下着を男子はブーメランパンツ、女子はボンテージで統一するように法を改正しろ!』とデモ活動をし始めたんだよ」

 はい?今何て言いました?

「下着統一デモ活動」

 ロクに文面を読み上げたくないのか凌牙は省略し始めている。

「いやあ、俺キマイラフューチャーまだ行ったことねえんだけどさ。こんなトンデモ予知するとか思わなかったんだよな……なぁんで俺こんな予知ばっかするハメになんのかなあ……」

 何回目ですか?と問えば「数えたくない」と拒否し始める始末。
 まあ、こんな予知誰だって見たかないしたまたま凌牙が予知してしまったというかわいそうな結果になっただけなのである。
 ――ただ、この地籠・凌牙という男が生まれ持った特性上すこぶる運が悪い為、そのファンブルも同然の予知を引き当てる確率が異様に高いんだが。

「まあとにかく信じられなくてもいいから聞いてくれ。で、そのデモ集団は手当り次第にキマフュの住人を無理やり取り込んではドーラ・ワルダーの根城である「魔城ワルドーラ」に連れて行って、自分らと同じボンテージにブーメランパンツの下僕怪人に造り上げてやがんだよ。
 だから、そいつらとドーラ・ワルダーをぶっ飛ばして住民を救出して、このアホな事件を収束させて欲しい。
 そもそも下着とかデリケートだし個人個人のプライバシーなんだからんなもんを統一なり何なりとか口出すんじゃねーよというかセクハラだよ!!って話だしな……きっと今行けばいつも以上に大歓迎されるしめちゃくちゃ応援してくれるぜ」

 まあ流石にドーラ・ワルダーも手段を問わないといったら下着デモに巻き込み始めるとは思うまい。多分ね。
 とりあえず、これも猟書家の企みの一つであることに間違いなく放置をすれば確実に骸の月が進行してしまうのだから行かないワケには行かぬだろう。
 かくして猟兵たちはこの頭が痛くなるような戦いに身を投じることになったのであった……。


御巫咲絢
 ※注意!このシナリオはトンチキシナリオです!
 集団敵のフラグメントを見たらブーメランパンツ過激派怪人なんてのが出てきたからこんなもん思いついちまったぜ。
 というワケでこんにちはこんばんはあるいはおはようございます、初めましての方は初めまして新米MSの御巫咲絢です。
 当シナリオをご閲覧頂きありがとうございます!御巫のシナリオが初めての方はお手数ですがMSページの内容をご一読の上で以下の概要をご覧くださいませ。

 猟書家の侵略がついに始まりましたね!
 僭越ながら御巫も災厄追跡者の一人として小規模ではありますがちまちま書いていこうと思いますのでよろしくお願い致します。
 というワケで対猟書家シナリオ一本目はキマフュでお送り致します。
 ブーメランパンツの過激派共をぶっ飛ばしてドーラ・ワルダーをおびき寄せて討伐してください!キマイラたちも応援してるぞ!

●シナリオについて
 このシナリオは『幹部シナリオ』です。
 2章で完結し、『骸の月』の侵略速度に影響を及ぼす特殊なシナリオとなります。
 このシナリオにはプレイングボーナスが存在し、それを満たすプレイングがあればボーナスを得られます。

 プレイングボーナス:キマイラに応援される(尚戦力はゼロです)

●プレイング受付について
 11/2(月)8:31から開始致します。
 それまでにきたプレイングは全て一度ご返却させていただきますのであしからずご了承ください。
 お気持ちが変わらなければ受付開始直後にプレイングをご投函ください、採用させて頂きます。

 何度も言いますがトンチキシナリオです。なんで幹部シナリオではありますがゆるっとしたノリで投げて頂ければと思います。
 皆様のフリーダムなプレイング、お待ち致しております!
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第1章 集団戦 『白ブーメランパンツ過激派怪人』

POW   :    至高の履物とは
【白のブーメランパンツ】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    白ブーメランパンツとは強さの象徴なり
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【白のブーメランパンツ】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    白ブーメランパンツの魅力を知れ!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【同志】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
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●(色々な意味でな意味で)地獄絵図
「うわあああああああ!!!変態集団だ――――――!?!?!」

 キマイラフューチャーの市街地であらゆるキマイラたちの悲鳴が響き渡る。

「時代は白ブーメランパンツなり!!だというのにみんな揃いもそろってトランクスを履くなど言語道断!法律の改正を求める!」
「ブラジャーとパンツ?いやいや時代はボンテージ!女子はすべからくボンテージで艶かしくあるべし!」

 とか言ってるボンテージの上に白いブーメランパンツを履いた覆面の男共――ドーラ・ワルダーの『下僕怪人』の一人、「白ブーメランパンツ過激派怪人」だ。
 本来の白ブーメランパンツ過激派怪人は白いブーメランパンツのみを着用しているが、ドーラ・ワルダーの下僕となった彼らはボンテージも身にまとうようになっている。
 ――いやどの道変態じゃねえかよ!!!

「ねっそこ行くお嬢さんもそう思うでしょ!?」
「いやキモい近寄らないdぎゃ―――――――触んな――――――――っ!?!?!」
「そうですかそうですか同意してくださいますか!では一緒にデモ活動と参りましょう!」
「い――――や――――――!!!!あたし変態じゃないも――――――――ん!!誰か―――――――!!!!!」

 ……と、このような感じで有無を言わさずキマイラたちをドーラ・ワルダーの住まう「魔城ワルドーラ」に連れて行っては下僕怪人化させているようだ。
 めちゃくちゃはた迷惑である。しかも女子供容赦なし。

「は、離して!離しなさい!息子を返して!!」
「うわ―――――ん!!おかあさ――――――ん!!こわいよ―――――――!!」

 何と、母親の眼の前で子供を無理やり連れて行こうとする怪人までいるではないか。
 しかし天の導きか、猟兵たちが転移してきたのはまさしく子供が連れ去られようとしているその瞬間――

 さあ猟兵たちよ、血も涙もない怪人共に鉄槌を下すのだ!
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【ボンデージ姿に『変装』】

やめやがれ!
いたいけな子供に無理矢理妙な服を着せようとするのはさ!
いや子供だけじゃない、
誰相手でも無理矢理変態衣装を押し付けるのはダメだろ!
どうしてもってんなら、アタシが相手になるよ!

……え?じゃあなんでアタシはボンデージなのかって?
無理矢理着せてくるお前らへの対抗策だよバカ!
言うな!滅茶苦茶恥ずかしいんだから!!
周りのキマイラの皆さんも引かないでぇー!?

そもそもブーメランパンツは布面積が狭すぎる!
キマイラのみんなの中にゃ尻尾持ちもいるだろうに、
その狭さじゃ尻尾穴なんて開けられないだろ!
尻尾を上にはみ出させれば下着の価値までなくなるしよォ!


アスカ・ユークレース
問・キマフュのピンチと駆けつけたらカオスだった私の気持ちを四文字で述べよ※配点10

答・ナニコレ

うんまぁいつも通りでいっそ安心したわ。物凄く現実逃避したいけど。

まずは◆迷彩◆クイックドロウで奇襲、子供の救出、◆情報収集を元に◆瞬間思考して割り出したルートへと避難誘導、◆武器改造してバリア機能をつけたドローンを数台程護衛にして逃がす。

さて避難が終わったところで…ぶっぱなすわよ?変態死すべき慈悲はない。
UCによるおおざっぱな◆弾幕の◆範囲攻撃でまずは動きを制限、次に◆誘導弾で◆追跡

……なんだかしょうもなさ過ぎて頭痛くなってきたわ……



●目には目を理論って対策として使いやすいよね
「うわ―――ん!おかあさ――――ん!」

 母親の腕を振りほどき、ブーメランパンツ過激派怪人共が子供を連れ去ろうとしたその時であった。

「やめやがれ!」
「むっ、何奴!」

 まるで天から声が下りたかのような大きく、威圧感と正義感が篭った女性の声が響き渡る。
 歴戦の猟兵の一人、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)だ。
 人の痛みに寄り添い戦う彼女が、母親から子供を引き剥がして無理やり連れ去ろうという怪人を放置するワケがない。
 今、彼女の心には怒りの炎をくすぶっていた――!

「いたいけな子供に無理やり妙な服を着せようとするのは――いや子供だけじゃない、誰相手でも無理やり変態衣装を押し付けるのはダメだろ!
 どうしてもってんならアタシが相手になるよ!」
「…………」

 沈黙。
 怪人もキマイラも、その場にいる全員が沈黙している。
 それどころかキマイラの皆さん引いてますね、怪人の皆さんは凄く不思議そうに首を傾げております。
 まあそれもそうでしょう、何故なら今の多喜さんボンデージ姿ですもん

「……お嬢さん。貴女は我等の同志なのに何故そのようなことを」
「同志じゃねえわ!?」
「いやだって着ておられるではないですか、ボンデージ」
「無理やり着せてくるお前らへの対抗策だよバカァッ!!」

 無理やり着せてくる連中なら先にこっちが着てしまえという発想、まさしく目には目を理論。
 ええ~でも普通着る~??といった視線が集中し始める……まあ妥当な反応だよね。

「だからって普通に着るというのは」
「言うな!!めちゃうちゃ恥ずかしいんだから!!!」
「ええ~ほんとにござるか~??そんなこと言って実は我々と同じそういう趣味があるのでは~?」
「あるワケあるかバカ野郎!!!ってああっ待って周りのキマイラの皆さん引かないでぇ――――っ!?」

 しかし残念ながらこの状況で引かない方がおかしいのであった。
 まあそりゃボンデージと白ブーメランパンツを強要するデモの中で助けにきてくれた猟兵が何とボンデージを着ていたとあれば……うん、そりゃね?
 それどころか多喜さんスタイル良いからめちゃくちゃ色気ヤバくて興奮してるキマイラの男子(思春期)もいる様子。

「お、俺は好きっすよそういうの!めっちゃエロくて素敵だと思います!」
「それはフォローって言うのかわかんないよ複雑だよ!?!?」
「で、でも俺は猟兵さん応援しますよ!こんな変態共とは違うのはわかりますし!!確かに同じ服装だけどそう言ってるってことは棲み分けができる人ですもんね!!」
「うんそれは嬉しいけど言ってる内容が応援してんのかしてないのかわかんねえなあ!!!?」

 まあ、猟兵はみんなのヒーローですから応援してるのは確かですよ!きっとね!
 ともかく多喜の登場で怪人共の手は確かに止まった……即ちそれは、子供を助けるなら今が絶好のチャンスということだ。
 そしてここに今、その為に駆けつけた猟兵はもう一人いる。
 アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)――バーチャルキャラクターである彼女にとってキマイラフューチャーは故郷。
 そんなキマイラフューチャー、略してキマフュに危機が迫ったとあればかけつけないハズがなく現にこうして駆けつけたワケであるがさてここで問題です。

 問題:キマフュのピンチと駆けつけたらカオスだったアスカさんの気持ちを四文字で述べよ。

 配点10点のボーナス問題ですよ!はい残り5秒……4……3……2……1……終了!ではアスカさん、答えをどうぞ!

「…………………………ナニコレ」

 正解は「ナニコレ」でした!
 まあ、ナニコレとしか言いようがない光景なのは確かである。
 ボンデージにブーメランパンツを身に着けた覆面のマッチョな怪人共が襲ってきたところを止めに入ったのが同じくボンデージを着た猟兵で周りからドン引き(一部興奮)されているとかいう光景だからね。

「うん、まあいつもどおりでいっそ安心したわ……物凄く現実逃避したいけど」

 残念ながら現実です……、とはいえ多喜がこうして怪人共の気を惹いてくれているのは暁光である。
 彼女がいなければ被害はもっと広がっていたかもしれないし、子供は連れ去られていたかもしれないのだから。
 アスカは物陰で自らに迷彩を施し、怪人共に忍び寄っていく……


 ではここで多喜の方へ再び視点を戻そう。
 引かれたり別の意味で応援されながらも彼女は怪人共を止めるべく口撃に出ていた。

「――そもそも!ブーメランパンツは布面積が狭すぎる!」
「何っ……それがいいのではないかッ!!」
「変態か!!!!」

 ボンデージ姿で言われても説得力のせの字もない……というのは野暮だとその場の全員が察したようで口を噤んでいる。
 流石キマフュの住民、ノリと勢いは親しき友も同然なこの世界で興冷めになりそうな言葉は自重できる偉い人たちの集まりだ!
 そして多喜の次の一言が怪人共に大きな大打撃を与えることとなる……!

「キマイラのみんなの中にゃしっぽ持ちもいるだろうにその狭さじゃしっぽ穴なんて開けられないだろ!?」
「なっ……何ィーッ!?」

 そういやそうだったわ、って顔でショックを受ける怪人共。
 アレですね、意識が傾きすぎて当たり前のように存在する前提を見落としていた奴。灯台下暗しとも言う。

「だからって尻尾を上にはみ出させれば下着の価値までなくなるしよォ!お前らそれをちゃんと理解してんのかァ!?」
「ハッ!!!!」
「なぁにがブーメランパンツ過激派だ、そんな当たり前の下着の価値と魅力を忘れたお前らにブーメランパンツはおろかあらゆるパンツの過激派を名乗る資格はねえ!!」

 ある意味、色々な意味で的を射た指摘という名の糾弾が怪人共の旨をちくちく突き刺していく。
 下着が何故下着と言われるか――その所以を彼らはすっかり忘れてしまっていた。
 故に、キマイラにとって下着に開けるしっぽ穴がどれほどの価値を持つものかということを完全に失念していたのである。
 白ブーメランパンツを愛する身として何たる失態を犯してしまったのかという自責の念に怪人共はぐおお、と苦しみ始めた。
 多喜が密かに発動していたユーベルコード【道説く陽光(テンモウカイカイソニシテモラサズ)】により、その罪悪感が種となり茨を芽吹かせたことにより精神的ダメージを持続的に受けている状態だ。
 精神的に下がっていったら自然と身体というものは引っ張られていくもの、それ故に怪人共はもう一人忍び寄っている者がいることに気づくことはない。

「あいたァ!?」

 そして子供をさらおうと抱えていた怪人が突如銃撃を受ける。
 その一撃の衝撃で思わず子供を手放したところをすかさず代わりに抱き抱え、母親の元へと駆け寄ってからアスカは迷彩を解いた。

「うわぁん!こわかったよぉ!」
「よしよし、もう大丈夫だからね……!猟兵さんありがとうございます……!」
「ここは(色々な意味で)危険です、ルートを割り出しましたのでそこを通って避難してください!」

 手慣れた手付きで住民一人ひとりを避難誘導し、護衛用に改造したドローンをつけて逃していく。
 多喜が精神的ダメージを負わせたことにより動きが鈍った怪人共は追いかけようとするが、ドローンのバリアにいとも簡単に弾かれ、次々に尻を突き上げて倒れた。
 何でわざわざ尻突き上げてるかって?お約束という奴だよ多分ね。

「ありがとう!猟兵さん、あんな変態なんてぶっ飛ばしちゃって!」
「ええ、任せてください!」

 住民から飛んでくる暖かい応援の言葉に微笑みながら避難誘導を無事済ませ、アスカは再び怪人共に向き直る。

「さて、避難が終わりましたので。……ぶっ放すわよ?変態死すべき慈悲はない」

 再び迷彩を使い、空間に溶け込む。
 また消えた!?と怪人共がきょろきょろと辺りを見回していれば、上空から流星のようにエネルギー弾が降り注いだ!
 ユーベルコード【惑う遊星(プラネタリ・アサルト)】による弾幕のスコール。
 鳩が豆鉄砲を喰らったかのような怪人共を慌てさせるには十分、あわあわと慌てふためきながらその弾幕から逃れようとしている一人一人に誘導弾で追い打ちを仕掛ければまるで特撮ヒーローの雑魚怪人の如くばったばったと倒れていく。
 さながらヒーローショーの如く痛快爽快な光景である――相手がボンデージに白ブーメランパンツの覆面とかいう変態装備でなければ。

「お、おのれえっ、このままで済むと思うなよ!」
「お前がなァッ!」
「べぶしゃーっ!?」

 逃げようとした怪人共も、多喜の念動力により圧し潰されるかのように地面に顔を叩きつけられては尻を突き上げてダウン。
 ぶっちゃけグラップルで固めても良いのであるが、こんな変態に触りたいかと言われると否なので念動力で固め技と相違ない威力で怪人共を倒していく。
 精神的ダメージを受けている状態に奇襲が加われば、どんな強い敵とて時によっては赤子の手をひねるように簡単に倒せるワケで。
 ましてや『下僕怪人』なら尚更さくっと終わってしまうだろう、この辺りの地域での事態はさっくりと収束の運びとなった。
 恐らく多喜やアスカが思う以上にあっさりとした流れで制圧できてしまったのだろう、二人してはあ……と思い切りため息をついて頭を抱える。

「……なんだか、しょうもなさ過ぎて頭痛くなってきたわ……」
「……アタシ、もうこれ着替えていいよな?対策する必要なかった気がする」
「その服装のままでこのまま幹部と戦うのは……ちょっとどうかな?とは思いますね……」
「だよなあ……」

 対策したはいいけど引かれてしまったし、なんか別の意味で興奮してる人もいたし。
 ちょっとこのままだと自分の身が色々な意味で危険になる気がしたので適当な部屋を借りて着替えてこよう……多喜はそう思ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

土屋・サトル
[アド連歓迎]

えぇ……??(ドン引き)
いやめんどくさがりの俺でも流石にそれはないわ……。
確かに、下着の統一性は無いとは思うけどさ……。

……はぁ~めんどくせぇ。慧、あと頼む。

【慧へチェンジ】

いや変態を相手取るオレの気持ちになってみろバカ。

戦闘はネクロオーブからヘルプの念を送って、UC【リザレクト・オブリビオン】で呼んだ死霊騎士と死霊蛇竜で戦ってもらお。
敵の魅了は全部からくり人形に引き受けてもらうか。

んでオレはUCの影響で戦えないのでキマイラ共にマイクパフォーマンスして応援を促そ。
ついでにペンライト配っとこ。

よし、これでオレはパンツを見ることなく寝れるな!! グッナイ!!おやすみ!!



●ペンライト持たせて応援すれば誰だってヒーローになれる説
 キマフュの街の騒動はまだまだ続く。
 先程斃された白ブーメランパンツ過激派怪人の群れは氷山の一角に過ぎず、まだまだ残っている住民の下着をボンデージか白パンツに変えようと襲いかかっていた。

「赤ちゃんですら白ブーメランパンツにするというんですか!?」
「……いや、それは流石におむつですな。あっでも紙おむつでなくて布おむつとか如何ですかこの白ブーメランパンツと同じ布なんですがね?あとご婦人是非ボンデージを」
「変態!!!!」

 流石に赤ちゃんはオムツで妥協したようです――ただし布――。
 赤子を抱きかかえる母親にすら手を出す非道っぷり、流石猟書家の従える下僕怪人は血も涙もない。

「……えぇ…………」

 新たに駆けつけた猟兵、土屋・サトル(《怠惰の盾》[スロウス・シルト]・f29993)はドン引きである。
 一般的な感性を持っているならドン引きしないワケがないんですがね?

「……流石にそれはないわ……」

 サトルは非情に面倒くさがりな性格である、が流石にだからってブーメランパンツを延々履き続ける趣味はないしそこまで衣服に無頓着ではない。
 下着の統一性がない、という点は確かにわかるが、下着なんてそんなもんじゃね?ともなるワケで。
 そもそも下着なんて誰も見ないものだし(一部例外は確かにあるっちゃあるが)こだわる必要性もサトルからしたら感じられず……

「……はぁ~めんどくせぇ」

 結論としてはこの一言に集約されるのであった。
 確かに(色々な意味で)面倒だと思うのも仕方ないね。しかしこんなカオスが起きるのがキマフュクオリティなのです。
 猟兵として訪れたとはいえこんな面倒な奴の相手はしたくないと思ったサトルは――

「慧、あと頼む」

 多重人格であるのをいいことにもう一つの人格である"慧"に全部押し付けることにしたのであった。

「いや変態を相手取るオレの気持ちになってみろバカ!!!!」

 ご尤も。
 とはいえサトルより慧の方が戦闘技術に関しては非情に優れており、下手にサトルで相手をするよりは慧にチェンジしたのは慧眼と言えるだろう。
 ……え?別にシャレにかけてませんよ?気の所為ですって。
 でもいくら戦闘に特化しているとはいえ、こんなド変態と相手なぞしたくないという気持ちもまた然り。慧はそっとネクロオーブを取り出してユーベルコード【リザレクト・オブリビオン】を発動。
 それとなーく飛ばしたヘルプの念を察知し死霊騎士と死霊蛇竜が現れ、黙って親子から白ブーメランパンツ過激派怪人を引き剥がして集中的に攻撃を始めた。

「アッちょっまっ、痛っ、私はドーラ様以外にぶたれるのはグハァーッ!?」

 さらっと性癖を曝け出しながら轟沈していくが、まだまだ過激派怪人はぞろぞろいる。
 【リザレクト・オブリビオン】は術者が傷つくと効果が解除されてしまうユーベルコードである為、慧は死霊騎士と死霊蛇竜が引き剥がした後に住民を安全な場所に誘導……するだけでなく。

「次々現れる謎の変態怪人共!それを退けるちょっとダークでホラーなヒーローがやってきたぞォ!
 その名も「(死霊)騎士&(死霊蛇)竜(ナイトアンドドラゴン)」!!キマイラフューチャーの平和を護る為に全力で戦うヒーロー!変態怪人をぶっ飛ばしてオレたちに希望を与えてくれーっ!!」

 何とマイクパフォーマンスし始めた。
 こんな時に何やってんだと思うかもしれないが、これがまた効果が絶大なのである――何故ならキマイラフューチャーの民はそういうのが大好きだからさ!

「わー!怖いけどカッコいい!」
「頑張れー!ナイトアンドドラゴン!」

 ほら、早速キマイラの子供たちが反応しましたよ。子供にとってヒーローは永遠の憧れだからね!
 マイクパフォーマンスをしながら慧は子供たちにささっとペンライト、しかもなんかどこかのアニメの劇場版で配られるようなお子様向けのライトを手渡していく。
 子供が喜ぶ仕様も忘れないようにすればハートキャッチ間違いなしなのだ。……でもこれいつ用意したんですか?

「さーみんな!ペンライトを振ってヒーローを応援するんだ!いっくぜ―――――っ!!」
「頑張れ――――――!!ナイトアンドドラゴ―――――ン!!」

 たくさんの子供たちの歓声を受ける死霊騎士と死霊蛇竜。
 自我が不明瞭な彼らですが、応援してもらえて嬉しいという気持ちはあるようですね。
 さっきより元気になって白ブーメランパンツ過激派怪人を次々となぎ倒していく!

「おっ、おのれェーッ!我々をどこぞの組織の雑魚兵みたいにグボァーッ!!」

 実際下僕怪人だからそういうポジションでは?とツッコミを入れたくなるような断末魔と共に消滅する白ブーメラン過激派怪人。
 子供たちの応援を一身に受けた死霊の戦士たちは彼らを一掃するまで決して止まることはない。

「……よし、これでパンツを見ることなく寝れるな!!グッナイおやすみ!!!!」

 これは自分はもう手出さなくて大丈夫だと思ったのか慧は人影に隠れて昼寝を決めることにしたのだった……いや君も怠けるんかーい!!?

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬飼家・ヤング
※アドリブトンチキ超展開熱烈大歓迎!

おまはんら鍛え方がなっとらん
細っこい白パンツとか軟弱にも程があるわ
ええか、わいが真の漢の姿を見せたる
見さらせ!これがナニワ男の……

「THE☆ふんどし」!!!!!!

そして健康には乾布摩擦!!
タオルひとつで無病息災!
さあ皆さんご一緒に!

……今タオル投げたと思ったやろ?
残念!それは【ゴム・パチ~ノ】用のゴム紐や!
先端のフックをブーメランパンツに引っかけて固定!
そーら、びったんびったん!!

あんたら、社会的に死にたくなかったらそのパンツしっかり押さえときや!
うっかりズレたらその下の大事なおいなりさんがポロリやでえ!
フィニッシュは勢いつけたゴムの一撃で「ぱちーん!!」


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
まあ、何と言いますか、この世界らしいですねぇ。

下着の強要に加えて『下着だけ着用してのデモ』と、明らかに迷惑行為なのですが。
【白翼衣】で飛行しつつ『FRS』の[砲撃]で誤射の心配の無いあたりを狙いますぅ。
住民の方を連れ去ろうとしている相手には『FBS』を操っての斬撃、更に『FSS』で住民を保護しますねぇ。

ボンデージを着ろ、ですかぁ?
それでは、私で問題なく着用出来る品をご用意いただけます?
体型にフィットする品の分、『既製品が入らないサイズの体型で着られる品』を用意するのは大変ですよぉ?

本当に有りましたら、部屋着用に持ち帰っても?
下着を入手するのも大変ですからねぇ(遠い目)。


レトロ・ブラウン
こラーっ!なニシてんでスかーっ!
着衣ノ強制は暗黙のルールで禁止デすよーっ!

はァ?ボクの下着でスか?イやはいてマセんけド。
いヤァだって保護材デもない布切れとカ関節部に当てらレませんっテ。巻キ込んじゃウ。

んナこたドうでもイイんですよ!
おトなもこどもモおねーさンも!
だレもが思い思イの服装をスるのがキマイラフューチャーでス!
押シつけナんてする悪い子ハ!
とりアえずフックショットのワイヤーで吊るしマすネ。キッ〇ーマン縛りでス。

ア、貴方たチ自身がソれ着てるノは特に気にしナいですヨ?キマイラとかチょくちょク全裸で毛並ミ大会とかヤリますし。
おねーさンたちハ蒸れマすからワセリン塗っとキますネ。



●安定のキマフュクオリティ。そう言えば納得できてしまう世界補正。サイズがないとマジで大変だしポロリはダメよ!!
「ぐぬぬ、おのれ猟兵……いつ我々の計画を察知したというのかっ!」

 下僕怪人さんはグリモアというモノの概念ご存知ないようです。まあそうじゃなきゃこうも不意打ち取られませんよね!
 しかしまだ諦めようとはしない怪人共。何故なら頑張ったらご褒美でドーラ様に罵って頂けるからだ。
 先程怠けるために全力出した人もいたように、罵られる為なら生命を貼る変態もまた然り。

「我々下僕怪人!私が死んでも代わりはいるもの!!!数の圧力でドーラ様に勝利をもたらすのだッ!!!」

 確かに代わりはいるかもしれないけど罵ってもらえるご褒美とかを考えると貴方たちじゃないとダメなんですけど大丈夫ですかね?
 まあ猟兵がいる限り悪の栄えは訪れませんが!

「まあ、何と言いますか、この世界らしいですねぇ……」

 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はそのカオスな光景に思わず苦笑い。
 乾いた笑いではないのはきっと慣れ親しんだ世界だからなのだろう……きっと。

「下着の強要に加えて、『下着だけ着用してのデモ』と、明らかに迷惑行為なのですが……」

 これがUDCアースの日本だったら間違いなく公然猥褻罪で逮捕されているであろう――いや流石にキマフュでもこれは逮捕される。
 ……されるよね?
 とにかく、罪なき人々に危害を加えるのであれば容赦してはいけない。
 こちらに気づかれていない今が好機とるこるは早速ユーベルコード【豊乳女神の加護・白翼衣】を発動しふわりと舞い上がり上空からの接敵を試みた――。


「こラ―――――っ!なニシてんでスか―――――――っ!!」

 一方まるで近所のおじいちゃんが子供のシャレにならない悪戯を見た時かのような形相で駆けつけた猟兵もいた。
 レトロ・ブラウン(ダイヤルテレビウム・f07843)である。

「着衣ノ強制は暗黙のルールで禁止デすよーっ!」
「むむっ!またも猟兵か!お前もトランクス肯定派ならばそれをブーメランパンツに変えてくれる!!」
「はァ?ボクの下着でスか……?イやはいてマせんけド」
「えっ????」

 それは白ブーメランパンツをこよなく愛する白ブーメランパンツ過激派怪人としては青天の霹靂のごとき発言であった。

「いヤァだって、保護材デもない布切れとカ関節部に当てらレませんっテ。巻キ込んじゃウ」

 とっても元気なレトロさんだが、実は稼働年数がとっくの昔に過ぎているおじいちゃんである。
 表情を変える為のダイヤルもすっかりおじゃんになってしまったせいで笑顔を作り続け早40年、そりゃ関節部分も大分ガタがきてしまうというもので。
 しかしその言葉を別の意味に解釈した怪人共はドン引きの表情を浮かべたのでした――いや、あんたらにだけはされたかないぞその顔!

「えっ……ノーパン……?」
「テレビウムと他の種族を一緒に考エちゃダメでスヨ――ッてんナこたドうでもイイんですよ!おトなもこどもモおねーさンも!だレもが思い思イの服装をスるのがキマイラフューチャーでス!
 押シつけナんてする悪い子ハ――!」

 レトロのユーベルコード【自己流分身乃術(スピード・アンド・トリックスターズ)】により周囲の量子的なアレがアレされ、次々と分身が現れる!
 その数にして74人分、本人含めて75人のレトロが一斉に愛用武器の一つである手持ちフックショット「アーバンターザン見参君」を手に怪人共へと怒濤の勢いでなだれ込んだ――!


「いやあおまはんら、鍛え方がなっとらんなあ!」

 さらに視点は変わって、馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)は出会い頭早々に怪人共に対して肩を竦めてそう言ってみせていた。

「何っ!我等のこの鍛え抜かれた肉体美のどこに欠陥があるというのだ!」

 怪人共は不服そうな顔――今更だけど覆面のおかげで実際にどういう表情なのかはわからない――を浮かべる。
 白ブーメランパンツにボンデージとかいう変態衣装だが、その筋肉は実にご立派。筋肉好きにはたまらないであろう素晴らしい肉体美を誇っているのだ。
 その服装と嗜好さえなければってなるぐらい素晴らしい胸板!腹筋!上腕二頭筋三頭筋!
 マッチョ派な御仁にバカウケすること間違いなし、でもヤングおじちゃんが言いたいのはそういう方向じゃないんです。

「ちゃうちゃうちゃうちゃうちゃう!そんないいマッチョしといて細っこい白パンツとか軟弱にも程があるわ!」
「なっ……何だとォッ!?貴様、この白ブーメランパンツを愚弄するか!」
「確かにおまはんらには似合っとるかもしれん、せやけどそれは真の漢の姿とはちゃうでえ!」
「何をバカなことを!白ブーメランパンツこそ漢の纏うべき聖なる羽衣!唯一にして無二だぞッ!!」
「甘い、甘いわ!近所のばあちゃんのつくるカルメ焼きの何十倍も甘いわ!!ええか、わいが真の漢の姿を見せたるさかい目ン玉かっぴらいてよ―――――ォ見さらせえや!!」

 激しい黄金色のオーラがヤングを包み込む。
 真の漢の姿とはかくもこのような黄金の輝きを放つものなのか、怪人共は眩しさに目ン玉をかっぴらくどころか目を細めながらも一体どのような手をこの猟兵が出すのかと警戒する。
 そして出てきたのは――

「これがナニワ男の…………「THE☆ふんどし」!!!!!!!!!」

 ――真っ白なふんどしに身を包んだテレビウムもちっさいおっちゃんであった。


「グボァ――――――!!」
「あべ―――――――――ッ!?!?」

 怪人共の悲鳴が次々響き渡る。
 ユーベルコードで飛翔能力を得たるこるの『FRS(フローティングレイシステム)』により急所にしてして誤射の可能性がない場所を的確に射抜かれていく白ブーメランパンツ過激派怪人の姿がそこにはあった。
 だが、それでも諦めてなるものかとたまたま逃げ遅れた一人のバーチャルキャラクターの女性に手を出そうと試みる。

「ええいっ、そちらのお嬢さんだけでも連れ去ってドーラ様の下僕に変えてくれrズブェァ――――っ!?」

 だがるこるの『FCS(フローティングシールドシステム)』によりあっさり引き剥がされ、『FBS(フローティングブレイドシステム)』によって斬り伏せられる。
 その間僅か数秒での出来事、悪は正義の前にあっけなく崩れ去るのだ。

「さ、今のうちに避難してください」
「あ、ありがとう!頑張ってね!」

 住民にFCSをつけたまま避難させていくるこる、そして倒れ伏す白ブーメランパンツ過激派怪人。
 しかし、怪人はまだ倒れていなかった――というより一つの執念が奴に倒れることを許さなかったのだ。
 何故なら目の前に現れた猟兵はそれはそれはとても発育の良い可愛げと妖艶さを見事な黄金比とも呼べるバランスで両立させていた素晴らしい少女だったからである。

「(な、何というナイスバディ……!!ドーラ様に匹敵、いやあるいはそれ以上の……!?)」

 そんな少女にボンデージを布教せずして終わることはできぬと、血反吐を吐き散らかしながらも怪人はるこるに恐る恐るこう告げた。

「お、お嬢さん……よろしければ、いや是非!ボンデージをお召しになりませんか……っ」
「ボンデージを着ろ、ですかぁ?」

 困ったような顔を浮かべた後、るこるは真顔で淡々とこう答える。

「それでは、私で問題なく着用できる品をご用意頂けます?体型にフィットする品の分、『既製品が入らないサイズの体型で着られる品』を用意するのは大変ですよぉ?」

 その半ば虚無とも取れる真顔は、数え切れない程の苦難を経た一人の戦士の顔とほぼ変わらないものだった。
 るこるは小柄ながらも同年代のバーチャルキャラクターの女子とは桁違いに発育が良い。そして発育が良いということは良いことばかりではない。
 そう、既製品で入らないおかげで服装に非常に悩まされオーダーメイドしなければならないということも日常茶飯事。
 だがよくある話だからとバカにしてはいけない……本当に問題なく着れるサイズの服を探すのって本当に大変なんだからね!!!!

「ううむ……ドーラ様程のスタイルがお召しになるサイズも一応あるっちゃあるのですが」
「本当ですか?本当にありましたら部屋着用に持ち帰っても?下着を入手するのも大変ですからねぇ……」
「おお、それは大変だ……」

 そんな感じでハイパーナイスバディ用のボンデージを何着かもらうことができたるこるだが、果たしてサイズが合っていたかどうかは――彼女のみぞ知る。
 それは何故か?簡単だ。
 怪人共はそれはそれ、これはこれで彼女によって一掃されたから以外に他ならない……


「とりアえず吊るしマすネ。キッ○ーマン縛りでス」

 レトロは量子的なアレをアレして発生させた分身たちによって怪人共を須らく一人残さず『アーバンターザン見参君』の無限に伸びるワイヤーでにて綺麗なキッ○ーマン縛りに仕立て上げていた。

「くっ……おのれっ、このような恥辱……くぅ、興奮してはいけないというのに……!!」

 だって我々にはドーラ様という脚をお舐めするべき主人がいるのだから――!とまるで女騎士の如くくっ殺フェイスを浮かべる(尚覆面なので実際どんな顔かはもう一度言うけどわかりません)怪人共。
 しかしこの綺麗な縛り上げ、完璧すぎてつい興奮せざる得ないのが持ち得る性癖嗜好クオリティというもので。

「ぐぬぬ、我等からブーメランパンツを取り上げるつもりか猟兵よ……!」
「ア、貴方たチ自身がソれ着てるノは特に気にしナいですヨ?キマイラとかチょくちょク全裸で毛並ミ大会とかヤりますし」

 流石キマイラフューチャー、カオスである――いや、キマイラとは言え動物たちだから毛並みがもふもふならそれは最早服を着てるようなものなのかもしれない。
 そして毛並みは正義なのでそういった大会があったら大歓迎されるだろう。だってもふもふは正義だもの、異論は認めない。
 そう、もふもふの前ではだいたい何もかもが許容されてしまうのだ。そ

「おねーさンたちハ蒸れますからワセリン塗っとキますネ」

 そしてそれだけ言って怪人共を放置した後、先程まで怪人共に捕まりその暑苦しい肉体に似つかわしい体温に汗ばみ初めていたお姉さんの皆様にワセリンを塗ってあげるレトロおじいちゃんなのでした。
 乾燥はお肌の敵、そしてワセリンはそんなお肌の敵に対抗する心強い味方なのでそれだけで好印象。
 常に笑顔でかつ可愛らしいテレビウムな容姿も相まってしばらく女子に囲まれていたとか、どうとか。


「ふんどし……??」

 そしてヤングのふんどしスタイルに首を傾げる怪人たちもいた。
 いや、確かに漢としては認められるが、白ブーメランパンツを真の漢の姿と信じて疑わぬ奴らは首を傾げざるを得なかった。
 そんな反応も気にも留めず、ヤングはふんどしのプレゼンを披露。

「そう!これこそ真の漢の姿!そして健康には乾布摩擦!!タオルひとつで無病息災、さあ皆さんご一緒に~~~!!」

 ふんどしをつけたテレビウムのちっさいおっちゃんがタオルを怪人共に勢いよく投げつける!
 とはいえテレビウムなので勢いよく力強く放り投げてもせいぜい怪人共の腰周り辺りにしかならないということもよくあるワケで。
 首を傾げたままタオルを手に取る怪人共だったがその刹那、ヤングはにやりと笑ってみせた。

「……何だ?」
「……今タオル投げたと思ったやろ?」

 何ということか、タオルと思ったものから生えていた(!?)フックが怪人共の生命にも人指揮白ブーメランパンツに引っかかったではないか!
 下手に引っ張ったら絶対ブーメランパンツが破れてもっと大変なことになってしまうこと間違いなしな絶妙な位置にかかるフック。

「残念!それは【ゴム・パチ~ノ(ゴムヒモカマセテノバシテパッチンスルアレ)】用のゴム紐や!」
「なっ、何ィ―――――ッ!くそ、おのれ卑怯な真似を……っ」
「いやいやちっちゃい子供に手ェだすおまはんらと違ってわいは健全やさかいそないなことせんわ――っと!」
「あ゛ァーッ!?」

 引っ掛けたフックから伸びるゴムテープを全てしっかりと握りしめたヤング。思い切り怪人共を振り上げた!

「オ゛ア゛ア゛―――――!?ちょ、や、やめ、我々の大事なナニかが、ナニかが!!」
「そーら、びったんびったん!!あんたら社会的に死にたくなかったらそのパンツしっかり押さえときィや!うっかりズレたらその下の大事なおいなりさんがポロリやでえ!」
「ポロリどころで済まないのでは―――――――ッ!?」

 具体的に言うとそのポロリからの地面に叩きつけとかいう男性は皆須らく真っ青な表情不可避な展開が待っている可能性もなきにしもあらず。
 いやだからこそちゃんと押さえといてねって言ったんだろうけどね。ヤングのおっちゃんもおっちゃんですしね?
 だがそれで流石にモザイク沙汰を避けたところで――

「そーら、ぱち――――――ん!!」
「ア゛ア゛ッ―――――――――――!?!?!!?!?」

 思い切り伸ばしたそれをぱちーんとすればまあ、位置的にその大事なおいなりさんに見事なまでにクリティカルヒットを決めるんですけどね。
 住民たちはそれを見て大爆笑、文字通りバカ受けです。何か偶然ちょっとお下いネタが好きな方々が集中してたみたいですね!
 猟兵として救助活動もした、怪人共も倒した、その上住民たちに大好評。ウケを狙って常日頃生きているヤングからしたら最高の結果を残せたのである。よかったね!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

望月・闇
あらあら、随分やんちゃな子達が相手なのね。
下着に随分と拘りが有るみたいだけど、他人に強要しちゃダメよ。
履くのも吝かでない、って言わせるくらいの度量と甲斐性が無いとね。

基本は至近距離での肉弾戦ね。
道行くキマイラの人達を逃がしながら接敵していくわ。
飛んで来るブーメランパンツには注意が必要ね。
十分に近付いたらUC【追い縋る疵】で攻撃を仕掛けて行くわ。
避けようとするなら『脈動する腕』を使って相手の不意を突こうかしら。
一度当てられたなら続けて二度、三度と畳み掛けるわ。

私の初参戦、飾るにはちょっと物足りないかしら?

※アドリブ、共闘、なんでも可



●お母さん、猟兵バトルデビューするってよ。
 これまで猟兵たちによるハイパーフルボッコタイムに処され続けてきた白ブーメランパンツ過激派怪人たち。
 しかし未だに諦めようとする気配はないしまだまだわんさかわんさか出てくるではないか。

「だってここで諦めたらドーラ様に罵って頂けないもん!!!!!!」

 それが原動力な辺り相当なドMである。
 しつこいそのご褒美への執念、魔の手がまた罪なきキマイラに伸びようとしていた!

「――あらあら、随分やんちゃな子たちが相手なのね」

 新たに駆けつけた猟兵、望月・闇(揺り篭・f28009)はその言動の通りやんちゃな子供の集まりを見るかのように苦笑していた。
 そこに逃げてきたであろう猫キマイラの少年が慌てて声をかけてくる。

「お、お姉さん!変態たちが集まってブーメランパンツとボンデージを強要してくるから危ないよ!」
「あらありがとう、優しい子ね。大丈夫よ、お姉さんが何とかしてあげるから」
「本当!?」
「ええ、本当よ。だから安心して。あなたはお父さんお母さんと一緒に避難するのよ」
「わ、わかった!ありがとうお姉さん!頑張って!!」

 少年の応援を背に受け、闇は静かに立ち向かう。
 道行く住民たちに避難を促しながら、ゆるゆると接敵し――

「――疾」

 不意打ちの如くユーベルコード【追い縋る疵】で先制攻撃をしかけた。
 ごく普通に何事もなく歩くかのように近づいた彼女に怪人共は気づくことなく、まんまと不意打ちを喰らうハメに。
 点穴を叩くかのような突きを受け、アベェー!?と悲鳴を上げてから派手に宙を舞った後顔から地面にダイブ、尻を突き上げてそのまま倒れた。

「か、怪人EG(※斃されすぎてアルファベットがもう既に5順ぐらいしているのでこの表記)―――――っ!!おのれ、何奴!」
「ふふ、通りすがりのお母さんよ」
「お母さん!?!?」

 実際娘を持つ母なので何も間違っていないし、立ち振舞も声の柔らかさ、そして着物と母性を主張するには十二分だ。
 優しい声色に故郷の母親(※いるかどうかはわからない)を思い出しそうになった怪人共であるが、着物に隠れたナイスバディの気配を察知したのかボンデージを着せようとじりじりにじり寄り始めた!

「下着に随分とこだわりがあるみたいだけど、他人に強要しちゃダメよ。履くのも吝かでない、って言わせるぐらいの度量と甲斐性がないとね」
「ウウッ本当に母親に叱られている気分になる……この猟兵、てごわいぞ!皆心してかかれ!」
「あらあら。本当にやんちゃで困った子たち。仕方ないわね」

 肩を竦めた後、引き続きユーベルコードで腕に黒き風を纏わせる。
 先程の一撃から相当なやり手であることを察したのか、怪人共は距離を取って戦うことにしたようだ。ブーメランパンツを文字通りブーメランとして投げつけた!
 ――ブーメランパンツ至上なのに投げて戦うんですね?
 ともかく、闇はそんなブーメランパンツを自身の持つもう一つの腕『脈動する影』をそっと背中から出し、引っ張ってもらうことで静かに回避した。
 まるで数歩下がるだけでひらりと避けているかのように錯覚する光景に怪人共はますますごくりと唾を飲む。

「疾」

 そして瞬く間に接敵、再び黒き腕を纏ったお母さんの手刀が怪人の脇腹に見事命中。
 また一人派手に飛ばされて尻を突き上げた。
 回避しようと動くのが見えたら今度は『脈動する腕』をそっと脚から放って脚を掴み動きを封じてやる。

「なっ!?この腕どこかrオバ―――――っ!!!!」

 脚を掴まれたまま二撃、三撃と畳み掛け。
 無駄のない動きで怪人共を次々にちぎっては投げ投げてはちぎり、尻を突き上げる怪人の群れが山のように積み上がっていく。
 闇は猟兵として戦いに赴くこと自体はこれが初めてだが、かつて妖怪らしく暴れまわっていた――本人曰く「黒歴史」の経験から対人戦においては豊富な経験を持っていた。
 特撮ヒーローでよくある悪の組織の下っ端程度――ではないが、1話限りのゲスト出演の怪人程度の力を持つ程度であれば赤子の手をひねるように片付けられるのである。
 なので鎮圧はあっさりと終わり、闇の前には完膚なきまでに尻を突き上げ動かぬ屍(?)と化した怪人共であった。
 着物にそれなりについてしまった土埃をさっさと払ってふう、と汗を拭う。

「……私の初参戦、飾るにはちょっと物足りないかしら?」

 むしろ飾るどころか色々な意味でヤベー連中とのバトルなのでこれが初参戦でよかったんでしょうか闇お母さん!ありがとうございます!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジェイミィ・ブラッディバック
【よくあるお問い合わせ】
Q.ウォーマシンにブーメランパンツはどうなんですか?
A.股関節の可動域に悪影響を与える可能性があります。よって不要です

…ここで私思ったんですが、つまり私って全裸扱いなんですか?
私が常日頃から高速機動戦闘をしていた=ストリーキングですか?
教えて下さいそこの怪人さん、私は貴方以上の変態なんですか
スクルドシステムは何も教えてくれない…

…否、裸で何が悪い! この装甲が! このボディが! 私の魂の服です!!
そうでしょう、お集まりのメカ沼住人の皆さん!!
(現地住民のメカヲタ連中の心を掴んで身体に闘争を求めさせる)
新作が出るまで! 世に平穏のあらんことを!!
(マシンガンで制圧射撃)



●ウォーマシンの全裸の定義とは。
 唐突だがウォーマシンに対して、よくこんな質問がくることがある。

「ウォーマシンにブーメランパンツとかトランクスとかジーンズとかはどうなんですか?」

 それに対しての回答がこちら。

「股関節の可動域に悪影響を与える可能性があります。よって不要です」

 機械だからね。
 ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵・f29697)もちょくちょくそんな質問を受けては丁寧にこう回答していたものである。
 そして今回のドーラ・ワルダーの手先たる白ブーメランパンツ過激派怪人共によるキマイラフューチャー襲撃に対抗すべく猟兵として訪れたのだが、住民共にブーメランパンツとボンデージを強要する下着統一デモという建前の怪人候補拉致の光景にふと一つの疑問が浮かんだ。

「……あれ?つまり私って…………全裸扱いなんですか?」

 首を傾げる。
 そういやウォーマシンは服を着ない。
 関節の駆動域に支障が出る為服を必要としない彼らを果たして全裸と定義すべきなのだろうか?
 答えなどすぐに出るものではない――だが、気になる!!!めちゃくちゃ気になる!!何か急に気になってきてしまったのだ!

「私が常日頃から高速機動戦闘をしていた=ストリーキングですか?教えてくださいそこの怪人さん」
「えっ」

 いきなり話を振られて住民を攫おうとする手をつい止めてしまう白ブーメランパンツ過激派怪人。
 いや何言ってんだってって顔を浮かべるが、ジェイミィが漏らす言葉の一つ一つに切実な感情が篭っていた。

「ウォーマシンは全裸扱いになるんですか?つまり私は貴方以上の変態なんですか……?」
「え、あ、いや……うーん……?」
「スクルドシステムは何も教えてくれない……」

 普段の渋いながらも優しさが滲む声色から一点、若々しくも深みのあるボイスで頭を抱えて悩むジェイミィ。
 何故急にそんな声色変えちゃったんでしょうね?わっかんねえや。
 しかし、ジェイミィの【S.K.U.L.D.System(スクルドシステム)】はたかだかボイスを変えたところで演算で算出できない疑問には答えを返してくれないのである。

「……げ、元気出した方がいいんじゃなかろうか……ほら、誰も気にしないって……な、これで涙拭えよ……」

 ※泣いてません。
 しかもハンカチ代わりにと差し出したのがよりにもよって白ブーメランパンツ。いやそれ涙拭うためのモノじゃないぞ?
 というかそれ誰かが履いてたりしたら顔拭けませんがその辺りは大丈夫なんでしょうか?白ブーメランパンツ怪人は教えてくれない。
 しばらく頭を抱えていたジェイミィであったが――

「……否」
「ん?」
「否、裸で何が悪い!!!!この装甲が!このボディが!私の魂の服です!!!」
「ええっ!?」

 これ俺が話振られた意味あった????と怪人は置いてけぼりである。
 ジェイミィは知ったこっちゃねえ!!!と言わんばかりにその場にいた住民たちに叫ぶ。

「そうでしょう!!お集まりのメカ沼住人の皆さん!!!」
「わかる!!!!!!」
「メカは服じゃなくて服を模したパーツで構成されてるのが至上!!!異論は認める!!!!俺の地雷はお前の主食!!!」
「あなたはそこにいますか!!!いるんだよ!!!!」

 ジェーイミィ!ジェーイミィ!ジェーイミィ!ジェーイミィ!
 辺りはメカ沼住民たちによるジェイミィコール一色。完全にブーメランパンツとかボンデージとかそこらがすっぽ抜けたかのようだ。
 何故か当て馬にされたかのような気分になってきた白ブーメランパンツ過激派怪人。わなわなと身体を震わせブーメランパンツを握りしめて思い切り振りかぶる!

「うおおおおお俺の優しさを返せええええええええええ!!!!!」

 しかしその拳は空を切った。
 何故ならジェイミィの持つ補助AIであるスクルドシステムが常に演算し、敵の動きを予測しているからに他ならない。
 因みにこのくだりは計算ずくではないのであしからず。ノリと勢いって大事よね。
 そしてスクルドシステムは住民を巻き込まずかつ制圧射撃に最適な場所を算出し、ジェイミィの脳内にデータとして送り込む。
 軽くホバリングして距離を取り、愛用マシンガン『GAW-WM-209X』を構え――

「新作が出るまで!世に平穏のあらんことを!!」

 世の平穏と反映を願った二丁一組のマシンガンによる高速連射による制圧射撃が放たれる!

「ぐぺぺぺぺぺぺぺぺ――――――っ!?」

 人によってはどこかで聞いたことあるかもしれない断末魔を上げ、白ブーメランパンツ過激派怪人は一瞬にして掃討された。
 尚今更ですが、銃弾等が当たると特撮ヒーローモノの如く身体から火花が散り、倒れる時は派手に爆発するというコミカル仕様になっていますのでグロテスクな光景は広がっておりません、ご安心ください。
 服着てないのにって?それがキマフュのカオス補正というものさ!(?)

 まだ戦いは続くのだが、しばらくはこの余韻に浸っても許されることだろう。
 しばらくキマフュの一角では、ジェイミィとメカ沼の住民たちによる熱い語りが繰り広げられていた――……

大成功 🔵​🔵​🔵​

政木・朱鞠
なんか、煩悩全開っていうか…『この夏は熱かったからね』的なお兄さん達ね…。
即刻、白フンドシ怪人達には目に毒を見せびらかした咎で一旦骸の海へ帰って貰おうかな。
敵の気を散らせるかわからないけど…キマイラさん達にはショーの観客として大いに騒いで貰いたいね。

戦闘【SPD】
拘束したら興奮されそうだけど…行動を鈍らせる事に重きを置いてユーベルコード『咎力封じ』を使用して敵の行動範囲を狭めたいね。
…体が直接触れるのは少し躊躇したい所だけど…背に腹は代えられないし、得物は『風狸ノ脛当』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能でガードを下げ【傷口をえぐる】で急所を潰すダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎


ユーシア・ロクス
す、すごい格好ですね……そういうモンスターなんですか?え違う?
ともかく、好きでそういう格好するならともかく、
そうじゃない人に押し付けるのはダメです!

迷彩で隠れた状態からの奇襲でキマイラさんを助けてから、戦闘開始です!

そこまでです!
あなた達の相手は、このわたしです!

飛んでくるパンツは見切ってから剣で武器受けというか切り捨てて、
隙を見つけて近づい……え?パンツって、あの、わたし、女子、ですけど……?

……………

ええと、謎のゲージがMAXになりました!なので(ぴきーん!)と何かの発動音と共にUC!剣で無防備にお空に打ち上げてからの空中コンボ、そして爆発込みのフィニッシュ技でKOです!



●THE・猟兵無双はまだまだ続く
 まだまだしつこい白ブーメランパンツ過激派怪人共だが、猟兵たちの活躍によりその勢力を大部分削られていた。
 後少しというところまできているがまだまだ諦める気配はない……そこまでしてご褒美で罵られたいのかこいつら。
 最早執念とでも呼ぶ方が相応しいかもしれない。

「ドーラ様に罵られたいんだ―――――っ!!!」

 最早声にして叫んですらいる姿に羞恥心というものは微塵も存在しない――というかこんな格好してる時点で羞恥心もクソもないんだけどね。
 ユーシア・ロクス(まっさらゆうしゃ・f26126)はそんな性癖をおおっぴろげにしている怪人共を見て色々な意味で戦慄していた。

「す、すごい格好ですね……そういうモンスターなんですか?」

 人型だけど怪人なのでモンスターの部類として扱うゲームも多分あるんじゃないでしょうかね?
 ユーシアに数歩遅れて駆けつけた政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)もそんなモンスターとすら見紛われてしまう怪人共に思わず白い目を向けずにはいられない様子。

「なんか、煩悩全開っていうか……『この夏は暑かったからね』的なお兄さんたちね……」
「うーん確かに暑かったですけど……ともかく、好きでそういう格好するならともかくそうじゃない人に押し付けるのはダメです!」
「仰る通りで。即刻目に毒を見せびらかした咎で一旦骸の海へ帰ってもらおうかな……あー、そうだ。ちょっといい?」
「はい?何でしょうか?」

 一つ案が思いついたようで朱鞠はユーシアを手招きして耳打ち。

「……なる程!それならキマイラさんたちも気持ちが楽になりますね!わかりました!」
「じゃ、手筈通りによろしくね?」

 いざ、対策を講じる為にエンカウント。


 白ブーメランパンツ過激派怪人はしつこく周りのキマイラたちに下着の強要を続けており、またしても一人罪なきキマイラの青年が怪人共の魔の手に落ちようとしていた。

「さあ貴方もレッツブーメランパンツ!」
「くんじゃねーよ変態!俺はトランクス派なんだーっ!!」

 必死に逃げ惑うもその逞しい見かけに違わぬ体力と身体能力はあるようであっという間に青年は追いつかれ、最早ここまでかと思われたその時――

「そこまでです!」

 少女の声と共にどこからともなく攻撃が放たれ、二人の間を強制的に引き剥がす。

「む!何奴!」
「あなたたちの相手は、このわたしです!……さあ、今のうちに逃げてください!」
「ああ!ありがとうな、助かったよ!こんな奴ぶっ飛ばしてやってくれ!」

 キマイラの青年からの暖かい声援を受け、まっさらゆうしゃユーシアは怪人と対峙。

「怪しい子供め……いったい何者だ!」
「わたしは――世界の平和とみなさんの安全、そしてプライバシーを護る、猟兵です!」
「また猟兵かっ!!!!」
「わたしたちがいる限り、あなたたちの好きにはさせません!!」

 確かに怒涛の如く押し寄せるからまたかよ!と敵側に言われてもおかしくはない。
 だがその言葉を聞いた周りの住民が目を輝かせてユーシアを見始めていた。

「猟兵!?また!?今日ツきすぎじゃない?」
「ああ、今日だけで何人猟兵の活躍を見れたかわかんねえな!豊作だ!」
「頑張れ猟兵ー!そんな変態野郎どもなんかぶっ飛ばせー!!」

 辺り一体が小さな猟兵を応援するべくイェーガーコールで埋め尽くされる。

「いい感じに騒いでもらえてるね。よしよし」

 ユーシアの隣に音もなくもう一人の猟兵、朱鞠が姿を現す。
 どこに行ってたの?と言われるとキマイラの応援が猟兵たちのエネルギーとなるし敵の気も散らせるということで彼らに応援してもらうべく扇動していたのだ。
 自分が表舞台で堂々とヒーローとして振る舞うよりはユーシアの方が適任だろうと思ったので、啖呵を切るのは彼女にお願いすることに。
 目に毒な光景を見させられ続けているキマイラたちの気持ちが楽になるならとユーシアは快諾したのでいざ決行、といった運びである。

「というワケで、観念してもらおうかな」
「わたしたちがいる限り、キマイラフューチャーの人たちに酷いことはさせません!」
「くっ、先程から見事にやられてばかりの我等だが最後ぐらいは死に花を咲かせてくれる!!かかれ―――――っ!!!」

 現存する白ブーメランパンツ過激派怪人が一斉にブーメランパンツを投擲!
 ユーシアの『繋ぐおはなしのカギ』がRPGと繋がり、『切り開く冒険』の形を取りそれらを受け止め――否、斬り捨てる。
 朱鞠はダンスステップとスライディングを上手く応用し、舞うかのように回避。

「(拘束したら興奮されそうだけど……)」

 一抹の不安が過りながらも相手の動きを鈍らせねば話は始まらないと、朱鞠はユーベルコード【咎力封じ】を発動。
 まずは拘束ロープで相手の身体を束縛し、次に手枷で手の自由も念入りに封じ、最後は猿轡を口に突っ込んでやる――もちろん覆面越しに。

「もがっ!?」

 身体のあらゆるところを縛られ力を奪われる白ブーメランパンツ過激派怪人。

「(な、何という完璧な強さの縛り……これでは抵抗が全くできない……!そしてこの絶妙さ、たまらん……っ!!)」

 一抹の不安は現実でした。
 まあ、罵ってもらいたい連中が縛られたりとかしたら興奮しますよね、うん。この怪人共なら間違いなく興奮する。
 そんな予感はしていたが、やはりそれを間近なところで目の当たりにするとドン引きするもの……長いこと忍として生きている朱鞠も思わずうわあ、と声を上げずにいられなかった。
 正直に言ってこいつらに直接触れるのは躊躇われるが背に腹は代えられない。
 異常なまでに跳躍力を上昇させる『風狸ノ脛当』を身に着け、朱鞠は――意を決して、男の急所たる箇所を思い切り蹴り上げるッ!

「くぁwせdrfdtfyぐひじょjkpきsじゃjろ:whpん「fじあhん@んg!?!?!?!?!」

 その超常的に強化された跳躍力による加速補正は怪人の白ブーメランパンツという装甲を貫き、傷口にさらに切り込みを入れられたかのような壮絶な衝撃を走らせる。
 正直これだけで即死級ではないだろうか。覆面の下からぶくぶくという音がする辺り泡を吹く程の威力だったようだ。
 流石に罵られたいというドMでも極限を越えた痛みには敵わぬということなのかもしれない。
 その一部始終を目の当たりにした一部の怪人共は股間を抑えて朱鞠から後ずさっていくが、当然彼女はここで逃がす程甘くはないのだった……
 南無三。流石に哀れに思ったキマイラの男性たちもいたかもしれないしそうじゃないかもしれない。


「隙だらけですよっ!」

 一方ユーシアも華麗な剣捌きで怪人共を圧倒!
 襲い掛かる白ブーメランパンツという魔の手を『切り拓く冒険のカギ』ですぱんすぱんと斬り捨てて接敵する様はまさに道を切り拓く冒険者の姿に他ならない。
 先程も言ったがこの怪人共は一人ひとりが特撮ヒーロー番組の1話限りのゲスト怪人程度の強さ。
 歴戦の経験を積んでいる戦士ですらも圧倒できる、つまりそれが猟兵となるとお茶の子さいさい、まさに無敵のヒーロー像を彷彿とさせ住民たちを沸き立たせるのである。

「頑張れ――――猟兵―――――っ!」

 住民たちの応援を背に受け、ユーシアの剣を振るう手はますます加速する。
 彼らの為にもここで倒し、その後ろに君臨する猟書家を討伐しなければとさらに力を篭めてずばんずばんと斬り伏せて最後の一人に接敵するユーシアだったが――

「待たれよ!!」
「はい!?」

 ストップと言わんばかりに手を向けられて大声を上げられたら流石にぴくっと止まってしまった。
 そこで容赦なく斬り伏せることはできないのは優しさというものである。敵とはいえ、もし話し合う気があるのならば応じるのは吝かではない。
 剣はしまうことなく相手側の切り出しを待っていると、怪人は一枚のブーメランパンツを差し出してきた。

「………………え?」
「坊や、是非これを履いてみてはくれないかね」

 何ということでしょう、ユーシアにブーメランパンツを布教するつもりである。
 まだまだこれからが成長期な子供とはいえ何と残酷なことをこの怪人は言うのであろうか。今こいつは紛れもなく地雷を踏んだ。

「…………あの」
「何かな?」
「わたし…………女子、ですけど…………?」
「えっあっ」

 怪人はしまった、と言わんばかりにあわててブーメランパンツをしまい今度はボンデージを取り出した。いやそうじゃねえよ。

「……………………………」

 無言のユーシア。
 そりゃ当然である、12歳の女の子、これから思春期に差し掛かる年齢の少女が男と間違えられてブーメランパンツを差し出されたとあればかちんとこないものは早々いない。
 とはいえ最早今胸の内に渦巻くこの感情が怒りなのかどうかはユーシアにはわからなかった。
 ただ一つわかるのは――こいつは絶対に倒さなければならない!

「……ええと」
「……はい」
「謎のゲージがMAXになりました!なので行きます!!!」
「えっちょっまっ」

 ぴき―――――ん!!と派手な効果音と共にユーベルコード【ユーシアのプレイ日記~格闘ゲーム~(スーパーユーシアコンボ)】が発動!
 不意打ちのごとく剣で空中に打ち上げる!

「アバーッ!?」

 だがまだこれだけではない。まだこれはたかだか1ヒット、つまり序の口だ。
 次にルーシアは飛び上がり怒涛の斬撃空中コンボをお見舞いしてやる。
 10HIT――30HIT――50HIT――格闘ゲームでこれ程のヒットが叩けたらモノによってはゲームが終了しているであろうヒット数が刻まれるがまだまだ止まらない……70HIT――90HIT――

「これで……終わりですっ!!!」

 ――そしてトドメの150HIT目、フィニッシュ技。
 派手な爆発と共に辺りが一瞬だけ眩い光に包まれる中、ユーシアは華麗に着地し『切り拓く冒険のカギ』を手に決めポーズ!
 立ち上った砂煙が消えた後には最後の怪人の姿は跡形もなくなっていた。これぞまさしくオーバーキルである。

『『うおお―――――っ!!猟兵カッコいいぞぉ―――――――っ!!!』』

 その怒涛の畳み掛けにキマイラたちはスタンディングオベーション。
 文句なしの称賛の言葉を投げていくが、男子と間違われた直後にカッコいいと言われると嬉しいけれどちょっと複雑な気持ちになるルーシアなのであった。
 ……大丈夫だよまだ12歳だよ!成長期これからだから!諦めないで!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ドーラ・ワルダー』

POW   :    わたくしにひれ伏しなさい!
【鞭】が命中した対象に対し、高威力高命中の【踏みつけ攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    下僕達、やっておしまいなさい!
戦闘用の、自身と同じ強さの【力自慢の下僕】と【テクニック自慢の下僕】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    こうなったら奥の手よ!
自身が戦闘で瀕死になると【巨大なびっくりメカ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
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【MSより】
第一章にご参加頂きありがとうございました!
第二章プレイング受付は11/11(水)8:31より開始させて頂きます。
断章はそれまでに投下予定ですので今しばしお待ち下さいませ。
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●返ってまともに見えてきた
 白ブーメランパンツ過激派怪人共を無事殲滅した猟兵一同。
 あとは猟書家ドーラ・ワルダーを討伐すればこの騒動はひとまず終着である。
 それに当たり、奴の根城をつきとめるべく情報収集に出る必要があるだろう。猟兵たちは早速行動を――

「オ――――――ッホッホッホッホ!」

 ――開始しようと思ったら何か本人からきたっぽい。
 猟兵たちの視界にはいつしか町並みという町並みが消え去り、異次元空間だけが広がっていた。
 住民たちの姿もどこにも見当たらない。

「わたくしの下僕怪人共をこうも容易に退けるとは、流石は猟兵といったところかしら!」

 天上も地面もわからない異次元の中に響き渡るハイヒールの音。そしてぱしぃんとしなる鞭。
 猟書家ドーラ・ワルダー本人が自ら姿を現したのだ。
 早々お目にかかれない豊満なスタイルを惜しげもなく晒すボンデージはあの怪人たちが纏っているのと全く同じモノのように見える。
 え、こんなもんあの怪人たちつけた上で白ブーメランパンツ履いてたの?ヤバない?

「その強さに敬意を評し、わたくしが手ずから葬って差し上げますわ。
 もし生き残れたならば、わたくしの下僕怪人として終身雇用の名誉も授けましょう。
 うふふ……嗜虐心をそそるようなのも好みですが、貴方方のような強靭な力と心を持つ者を完膚なきまでに屈服させるのも大好きですのよ?
 ギリギリまで抵抗してくださいましね……?すぐに終わってはつまらないですから!」

 どうしよう、さっきの怪人共が怪人共だっただけに雰囲気が違いすぎて逆にまともに見えてきた。
 とはいえそれで困惑していたら間違いなくそのハイヒールで顔を踏みつけられること間違いなし。
 そのような趣味はありませんときっぱり実力で証明するより他にない!さあ行くのだ、猟兵たちよ!
政木・朱鞠
部下になれか…魅力的な提案だけど、語彙力がチープ過ぎるんだよね。
それに私は妖狐だもの…相手を甘やかして気持ち良くさせて…こぼれ出たモノを美味しく頂くのが好きなんだよね…。
上から目線で生きてきた貴方は自分が犯した咎を数える気はないだろうから…せめて、寝言が言いやすい様に貴方には骸の海に帰って貰うんだよ…。

戦闘【SPD】
下僕さん達が厄介だね、翻弄して仕留めるために真の姿を前借りして足部分に重点的に再現して『忍法・狐龍変化身』で強化状態で牽制しながら隙を作りたいね。
武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】で防御を緩めて【傷口をえぐる】→【生命力吸収】で絞め潰しダメージを狙うよ。

アドリブ連帯歓迎



●前言撤回、そんなことなかった
「部下になれか……」

 政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)が呟いた。
 先程のドーラ・ワルダーの発言をもっとわかりやすく噛み砕くとそうなる。

「魅力的な提案だけど、語彙力がチープ過ぎるんだよね」
「なっ、なんですって!?悪のカリスマはこういった言動を取るのではなくて!?」

 あっ早速ボロ出しましたね。流石キング・ブレイン略してキンブレの部下の幹部なだけありますねもうボロ出しちゃってるよ。

「……そういうキャラ作ってたのね」
「ちっ違います!違いますことよ!わたくしがサディスティックだーいすき♡なのは事実ですことよっ!!」
「認めるのそこだけ?」
「あ、揚げ足を取るのもいい加減になさい!?わたくし人を罵ったり踏みつけたりするのは大好きですけどそういう趣味はなくってよ!!!」

 ちょっと指摘をすれば次々ボロが出てくる。メタい表現になるけどオープニングやさっきの断章での悪のカリスマ的な雰囲気はいずこへ。

「私は妖狐だもの……相手を甘やかして気持ちよくさせて……こぼれ出たものをおいしく頂くのが好きなんだよね……
 上から目線で生きてきた貴方は自分が犯した咎を数える気はないだろうから……せめて、寝言が言いやすいように骸の海に帰ってもらうんだよ」
「くっ、相容れないとはまさにこのこと!きなさい下僕たち!やっておしまいなさいっ!」

 何が相容れないかは甘やかして気持ちよくさせるか痛めつけて快楽を刻むかの違いと思われる。
 ともかくユーベルコードを使用して力自慢の下僕とテクニック自慢の下僕を召喚するドーラ・ワルダー。
 ……ところでテクニックって何のテクニックですかね。聞くのは野暮か。
 早速先手を繰り出す下僕怪人。最初に力自慢の下僕が思い切り拳を振り下ろすが事前の動作が丸わかりなので回避するのは容易であった――が、力自慢を名乗るだけあって異次元空間ですらクレーターが出来上がる。
 次いでテクニック自慢の下僕がやけにカッコつけたかのように拳銃を回してクイックドロウで速射する。
 これもスピードに優れた忍者である朱鞠は問題なく回避したが、これがスピードに優れていなかったら危ないであろうことは確かだろう。

「(……下僕さん達が厄介だね)」

 下僕共は基本、ドーラ・ワルダーの元へ猟兵たちを行かせまいと一定の距離を保っている。
 さすがは下僕と言うだけあって忠実なようだ。
 そしてここまで護りを固めているということはドーラ・ワルダーに手傷を負わせると不都合があるという解釈も可能である。
 相手に隙を作れば崩すのは存外難しい話でもないのかもしれない。ならばと朱鞠はユーベルコードを発動。

「"抑えし我が狐龍の力……制御拘束第壱式にて……強制解放"!」

 【忍法・狐龍变化身】――自身の身体部位の一つを自らの真の姿へと解放することで身体能力を著しく強化するユーベルコード。
 真の姿の一部を解き放ったことにより朱鞠はまさしく疾風の如き高速機能を可能にした朱鞠だが、それに怖気ることなく下僕共は襲い掛かる。
 まずはテクニック自慢の下僕、拳銃をもう一丁取り出した2丁拳銃のクイックドローで精確に目で捉えられぬ程の勢いで連射し朱鞠を貫いた――と思いきや、陽炎がかき消えるかの如く貫かれたハズの朱鞠は姿を消した。
 そう、それは残像に他ならなかった。本物の朱鞠は既に下僕の背後に回り込んでいたのである。
 とはいえ遠距離攻撃は厄介なので鳩尾を殴って昏倒させ、拷問具『荊野鎖』を手に突貫を試みる朱鞠。

「何をやってるんですの!!」

 ドーラ・ワルダーの怒号が飛び、彼女の指示の下残る力自慢の下僕がここは通さんとバリケードの如く立ちはだかる。
 勢いよくその屈強な拳を振り上げるのであるが、パワー型特有の特徴である動きの鈍さが災いして迅速に回り込んだ朱鞠に気づくのに3秒程遅かった。
 たかが3秒、されど3秒。スピードを追求した型に対してはコンマ一秒すら生死の堺となる――!

「このグズ!ノロマ!何をやってるんですの!!」
「も、申し訳有りませんドーラ様ァッ!!でももっと罵ってください!!」
「そんなことを言っている場合ではありませんでしょうgきゃ―――――っ!?」

 コントをしていたらあっさり朱鞠の『荊野鎖』にてその身を拘束されるドーラ・ワルダー。
 まるで蔓薔薇のようにスパイクがまばらにとりつけられたそれに締め付けられたらもちろん痛みなど尋常ではないし、だからこそ拷問具と呼ばれるワケで。

「い、痛い痛いっ!離して!離しなさいな!!」
「暴れたらもっと痛いよ。大丈夫、苦しいのはなるべく短くしてあげるから……」
「ひっ、や、やめ、やめtあああああああああああああああああ!!!!!!」

 己が咎を省みぬ咎人に与える慈悲はなし。朱鞠は『荊野鎖』を通して生命力吸収の術式を発動。
 ドーラ・ワルダーは涙目になりながら悲鳴を上げた。
 その泣き顔に最早最初の威勢もカリスマっぽさもどこへいったのやらといった具合だがまあ……キマフュ侵略を狙う猟書家っぽいと言えばそうなのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬飼家・ヤング
お、お約束のセクシー幹部のお出ましやな?
あんさんが敵やなかったら、正直わいはイチコロやったでボインちゃん
せやけどあのキッショイ白パンツ軍団を量産しようとしたんはいただけんわ
はっきりゆーて「ダッサ!!!!」

何やバカでかいメカ召喚しよった!?
こうなったら満を持して!あのキマフュー戦争でも活躍したさいきょうロボが帰ってきた!

「新世界☆バカウケリオン」爆誕!!

巨大モニターと大音声で中の人のパフォーマンスを生中継!
明日への活力、串カツ踊り食い!

世界征服なんかアホらしなるほどの笑いを見せたるで!
目には目を、巨大メカには巨大「メ」カを!

……そこは空気読んでボケれやー!!
(ナニワ名物巨大ハリセンでしばき倒す)



●激情版新世界☆バカウケリオン:串
「はー、はー……!くっ、猟兵を侮っていたかもしれませんわね……!」

 何とか命からがら抜け出したドーラ・ワルダー。四つん這いで息を切らしながら目に涙を浮かべている。最初の勢いどこいった?

「はっ!こんな状態になっている場合じゃありませんわっ!悪のカリスマとしての振る舞いを崩してしまっては下僕たちへの面子も立ちませんわ!!」

 すみませんもう十分に崩れてて手遅れだと思います……まあ聞いてませんよねそうですよねー。
 ふらふらと立ち上がり、奮い立たせるかの如く鞭をべしぃん!と地面に叩きつけるその姿は思った以上に消耗しているように見えたようで、馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)は首を傾げた。

「あんれま、お約束のセクシー幹部のお出ましかと思いきや大分ボロボロなってへん?」
「空目ではないかしら!!!!」
「いやいや、大分見た目ボロボロやであんさん。敵でなかったら助けてあげたんやけどなあ」
「ど こ を 見 て 言 っ て い る の か し ら ?」

 ヤングおじちゃんの目線が明らかに自分の二つのメロンどころかスイカとも例えられそうな豊満な胸へと向いているのに気づかない程ドーラ・ワルダーは疎い猟書家ではなかった。
 一応所謂(暗黒微笑)的な笑みを浮かべて圧をかけるものの、自身のスタイルにはそれなりの自信が実はあるので悪い気分ではない。流石大胆な服装している幹部なだけあるようだ。

「いやー、あんさんが敵やなかったら正直わいはイチコロやったで?ボインちゃん」
「あ、あら。その表現は些か上品ではありませんが褒められるのは悪い気はしませんわね……」

 ちょろい。この悪の幹部ちょろい。

「せやけど……あのキッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッショイ白パンツ軍団を量産しようとしたんはいただけんわあ。
 はっきりゆーてダッッッッッッッッッッッッッ………………!!!!!!!!!!!!!!」
「うっ……ひ、否定は……できませんわね……!でもそこまで強調しなくてもよろしいんじゃありませんことっ!?」

 いやちょい待ちドーラさん、あんたもキッショイ思っとったんかいな。上司なんだから部下選べないんですか??????

「くっ……とにかくこうなったら奥の手よ!おいでなさいっ!!」

 さらっとこちらの質問をスルーしながらドーラ・ワルダーがスイッチをぽちっとなすると何ということだ、巨大なびっくりメカが姿を表した!
 その大きさ、テレビウムであるヤングの背丈に換算するとおよそヤングを50人程集めて同じサイズになるかという程。

「何やバカでかいメカ召喚しよったッ!?」

 ヤングもこれにはびっくり顔だしバカでかいというより他にない。2km近い大きさですよ?機体サイズ3Lどころか4Lは固いぞ!
 その反応にドーラ・ワルダーはしてやったぜと言わんばかりに高笑い。

「オ―――――ッホッホッホッホ!!!流石の猟兵といえど即座にこのサイズを用意するのは容易ではありませんでしょう!?やっておしまいなさい巨大びっくりメカちゃん!!!!」

 ちゃん、をつける辺りもしかしたら愛着でもあるのだろうか。ドーラ・ワルダーが操縦する巨大びっくりメカがヤングに迫る!!
 だが……ヤングは焦らなかった。
 何故なら彼がこういう経験をしたのは何もこれが初めてというワケではない。むしろついにこの時がきたかと決意を固めるのだ。

「こうなったら……満を持して!あのキマフュ戦争でも活躍したさいきょうロボに帰ってきて貰うしかないなあ!!!!!とうっ!!」

 ヤングは空高く飛び上がる。
 そしてテレビウム特有のアンテナ……そう、どう見てもたこやきに突き刺さってるつまようじにしか見えない独特のデザインのアンテナから電波を飛ばし――一体のメカを呼び出した!

「新世界☆バカウケリオン――爆!!誕!!!」

 ででーん!と現れたのはどこかで見たことあるような某セカイ系ロボットをコミカルにしたような巨大メカ、新世界☆バカウケリオン。
 ヤングはそれにさっと乗り込み内蔵されている実況撮影システムを起動。
 するとどういうことか、異次元の向こうにあるキマイラフューチャーの街のテレビに自身らの戦いの様子を映し始めている様が異次元にも謎のモニターとして映し出されるではないか!

「な、何ですって!?このわたくしの生み出した空間を捻じ曲げて現実世界と繋げるなんて!」
「は――――っはっはっは!!動画配信民舐めたらあかんでぇ!!巨大モニターと大音声で盛大にパフォーマンスを生中継したるで!!まずは明日への活力、"串カツ踊り食い"からや!!」

 何ということでしょうそこにはコクピットの中で踊りながら串カツを揚げてはソースにつけて食べているヤングおじちゃんの図が!
 二度漬けはご法度ゆえにさっと一回通すだけに留めてそのできたてホヤホヤの串カツを大きく口を開けて頬張れば、衣の絶妙なサクサク音が最高音質で響き渡る!
 ドーラ・ワルダーの胃袋にクリティカルヒットのダメージ!!

「うっ……何て香ばしい音ですの!?わたくしの本日のお夕飯も串カツにしたくなるではないですか!というかお腹が減るじゃありませんか!!!!」
「はーっはっはっは!!どや!!!羨ましいやろ!!!衣サックサクの中ほっくほくやでぇ~~~~~!!!」
「おのれ猟兵、飯テロで攻めるなんてわたくしよりあくどいことを!許せませんわっ!!」

 飯テロの恨みは命と同等に重い。びっくりメカからびよよんと伸びるスプリングパンチがバカウケリオンに襲い掛かる――が、それをナニワ名物巨大ハリセンで弾き返す!
 弾き返されたスプリングパンチは全く別方向を向き――自身の頭部を思いっきりごちーん☆と叩いてしまった。

「なっ……ちょ、揺れが酷いまってウップ」

 機体が激しく揺れ、ドーラ・ワルダーはついうっかり三半規管をやってしまったのかうっと吐きそうな顔をして慌てて水を必要としないタイプの酔い止めを取り出してひと飲み。
 一方その実況中継にはたくさんの「wwwwwww」という草生やしコメントが集まり視聴者数も次々増えていた!これには実況者ヤングおじちゃん大満足!そしてさらにパワーと化す!

「なーっはっはっはっはー!世界征服なんかアホらしなる程の笑いを見せたるでえ!目には目を、巨大メカには巨大「メ」カを!メ だけに!!」
「……………………」

 \ポク、ポク、ポク、ポク、ポク、ポク/
 \チーン♪/

 木魚と鐘の音と共に何言ってんだこいつ、って反応を返すドーラ・ワルダーin巨大びっくりメカ。
 世界征服に対してかはわからないとしても「アホらし」とは思ったような反応である。
 そして訪れる沈黙――

「――いやそこは空気読んでボケれやァァァァ―――――!!!!」
「無茶振りはおよしなsあ―――――れ――――――――――――っ!!!!!!」

 しびれを切らしたヤングおじちゃんのナニワ名物巨大ハリセンフルスイングが巨大メカに命中。キラーンと星のように打ち上げたのだった……

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
済みません、私には其方の趣味は有りませんので。

『F●S』3種を展開し【掠写】を使用、『祭器の鏡』でドーラさんの姿を映し取り込みますねぇ。
これで『鏡』から形成された『鞭』で、同じ能力が使用出来ますぅ。
そして、或る程度『鏡写し』の動きでドーラさんの攻撃を相殺出来れば『FSS』による防御と『FRS』の[砲撃]、『FBS』の斬撃分此方が手数で有利、一撃『鞭』が当たればそのまま[重量攻撃]の踏みつけに移れますねぇ。
こういう体型ですと、胸やお尻のサイズの分、体重の方は重めになってしまいますので、それなりに有効ではないかとぉ。
この大変さは、ドーラさんも多少共感してくれる気がしますぅ。



●目覚めさせてしまうとは思うまい
「はあっ……はー……ひ、酷い目に遭いましたわ……!」

 何とか戻ってこれたドーラ・ワルダーだが、この時点で大分体力を消耗していた。
 まあどこまで飛ばされたかわからない程の距離を何とか死物狂いで帰ってくればそりゃ体力消費しない者の方がおかしいのだが……
 とはいえ、ここまで悪役としての面子が丸潰れなのは幹部としてよろしくんない自体なので栄養ドリンクをキメてもう一度最初の時のカリスマを保とうと試みる。
 え、手遅れだって?しーっ!

「オーッホッホッホッホ!さあ猟兵たち、わたくしを楽しませてくださいな!!」
「すみません、私には其方の趣味は有りませんので」

 きっぱりとお断りの意を示す夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
 ドーラ・ワルダーは戦慄した。
 それは彼女の言葉にではなく、もちろん……

「なっ……ま、まさかわたくしに勝るとも劣らぬ、いえもしかしたらわたくしより豊かなスタイルの女性がいるなんて……!!」
「褒め言葉として受け取らせて頂きますぅ」

 このスタイルの良さ故によく服装に悩まされるるこるとしては胸中複雑ではあるのだが、称賛の言葉であればそれに対する礼は欠かさないのが礼儀というものである。

「くぅ……わたくしが負けを認めかねない程の女性がいるなんて、猟兵恐るべしですわね……ですが、なればこそ尚更ひれ伏させたいというもの!
 たっぷり可愛がったあとにわたくしの下僕、いえ側近として雇って差し上げますわ!」
「先程も言いましたけど、私に其方の趣味は有りません。ですので謹んでお断りさせて頂きますねぇ」

 おっとりとした口調ながらも淡々と、はっきりと告げるるこるに対し、ドーラ・ワルダーは尚更のこと不敵な笑みを浮かべる。
 だからこそよりひれ伏させたくなるのだと言わんばかりに――故に、鞭を思い切り振げた。
 もちろん、るこるはそうくるのを予想済みで三種のフローティングシステムを起動し、シールドで防ぐ。
 二発、三発と飛ぼうがFSSによる8枚もの小型ビームシールドは精確に、そして的確に防ぎるこるに傷は届かない。

「"大いなる豊饒の女神、その名の下に全てを映し取る『祭器』を此処にお与え下さい"」

 その間にるこるはユーベルコード【豊乳女神の加護・掠写(チチガミサマノカゴ・ヒョウセツノマキョウ)】を発動。
 るこるの手元に姿を現した『祭器の鏡』がドーラ・ワルダーを映すと光を放ち、彼女の持っている物と全く同種の鞭を生み出した。

「目には目を、歯には歯を――鞭には鞭を、ですよぉ?」
「うっ!先程の無茶振りのトラウマが……ッ!!」

 途方も無い距離を命からがら戻ってくるハメになったのが相当応えた様子。だがそれで手を止める程度の甘い覚悟で猟兵たちはここにきてはいない。

「ここからが、本当の勝負ですよ」
「くっ、あまりわたくしを舐めない方がよろしくてよ!!」

 互いの鞭が寸分違わぬタイミングでしなり、ぶつかる――ぱぁん、ぱぁんと音を立てて繰り広げられる剣戟ならぬ鞭戟。
 るこるはドーラ・ワルダーの動きを注意深く観察し、鏡写しとも取れるかのような精度で動きをトレースすることでタイミングを完璧に合わせて鞭を放ち続ける。
 その上で、『FSS』『FRS』『FBS』を器用に使いこなし、こちらの被弾を防ぎつつ攻撃も試みていた。
 一対一でを武器の差で事実上の四対一に持ち込めば、もちろん押されるのはその一側の方――ドーラ・ワルダーはだんだんと押されつつあった。
 彼女の鞭捌きは流石幹部というだけあって実力があることは間違いなく、的確に斬撃も射撃も鞭でいなしてみせている。
 だが、るこるの方が一枚上手だったというだけ。相性が悪かったという結論に過ぎないのだ。

「こ、の……あいたっ!?」

 ついにるこるの鞭がドーラ・ワルダーの鞭を叩き落とす。
 完全に生まれた隙を埋めるも、そもそもそれを許さないユーベルコードをコピーしての攻撃だ。
 つまり――るこるの脚が、ドーラ・ワルダーを思い切り踏みつけるのである。

「逃しませんよぉ?」
「しまっ――――うきゃっ!?」

 体系的な都合でどうしても些か少しばかり同年代より体重が重くなってしまうるこる、その豊満なスタイルによる重量による踏みつけはドーラ・ワルダーに衝撃を与えた。

「なっ、……何ということ……この重み……」
「こういう体系ですと、サイズの分体重の方は重めになってしまいますからねぇ」
「……いい!」
「             え????」

 予想外の反応にるこるの目が点と化す。

「……こ、こんなに踏みつけられる重みに深さを感じるとは……貴女やはり、わたくしの側近になりませんこと!?」
「あ、あの……」
「大丈夫ですわ、胸とお尻の大きさで悩むのでしたらわたくしが貴女の体型に見合うサイズのものを見繕って差し上げます!ですから是非わたくしの側近に――」
「だ、だからそっちの趣味はないのでぇ……!!」

 もしかしなくても目覚めてしまったのか、それともあのドM怪人共を統べるに当たって最適だと判断されたのか。
 体型に見合うサイズを用意してくれるのは魅力的だが、それ以外はちょっと困る。
 彼女にそんな趣味はないのだ!
 ぷるぷると震えながら、側近にと迫るドーラ・ワルダーからそそくさと離れてるこるはグリモアベースへと帰投した……

大成功 🔵​🔵​🔵​

土屋・サトル
[アド連歓迎]
■引き続き慧のまま

ババアマジ勘弁してくれ。オレを静かに寝かせてくれないか。
こっちはパンツのせいで安眠妨害喰らってんだよ。
強靭な力と心を持つ者を完膚なきまでに屈服させる?
ゴメンオレ今それどころじゃねぇんだわ。さっきの夢の続き見たいんだよ
夢ん中でオレがイケメンヒーローになってんだから続き見せろよババア!!

UC【リザレクト・オブリビオン】でナイト&ドラゴン召喚!!
さっきと同じくキマイラ達にマイクパフォーマンス!!
ついでにドラゴンはババアを持ち上げて上空にぶん投げろ!!
最後の仕上げは皆でクラッカーを鳴らせぇえ!!

よっしゃ今度こそ寝れる!!!!!
グッナイ!!!おやすみ!!!!!!!!


望月・闇
あらあら、お腹冷やしそうな恰好ねぇ。
女の子はあったかくしておかないと駄目よ?

鞭の攻撃は厄介ね。
上手い事掻い潜れないかしら?
まぁいざとなったら他の皆の動きに合わせて動くとするわ。
懐に潜り込めたら貫手で攻撃しつつUC【苛む棘刺】を発動ね。
攻撃出来たら反撃に注意しつつ毒で継続ダメージを狙うわよ。
下僕を呼ばれたら同じ様にUCばら撒いておくわね。
びっくりメカは踏みつけ攻撃に気を付けながら接近戦よ。
膝裏を執拗にボコボコにしてバランス崩させようかしら。

※アドリブ、共闘何でもあり


アスカ・ユークレース
一度は乗り掛かった案件です、最後までお付き合いしましょう。あれでもキマフュの命運がかかってるわけですし。あれでも。黙って下僕になるのも癪ですし。

クイックドロウにて他の猟兵の援護射撃と致しましょう
住民や町の心配が要らないなら遠慮なく弾幕張って爆撃で吹き飛ばせるし射線も通りまくりで気持ちい…………ゴホン。
要は囮攻撃です、他の猟兵から目をそらせるための。

敵の攻撃は視力の見切りと瞬間思考力を生かした軌道計算により回避、ときには敵を盾にすることも頭に置いて
チャンスが来たらUC発動

……あの怪人(ルビ:ド変態)共の主人がねぇ……いえ、ある意味相性抜群ではあるのかも?

アドリブ絡み歓迎



●花火だぜ。
 さて、残る猟兵たちは図らずしも敵が若干性癖を新たに開拓するシーンを見てしまったことになるワケであるが。

「……ババアマジで勘弁してくれ」

 心底辟易した顔で土屋・サトル(《怠惰の盾》[スロウス・シルト]・f29993)はクソがつく程大きなため息をついた。
 そして一応年齢は不詳なれどそれなりの若さに見える女性に対しババア呼ばわりは大凡だいたい地雷と化すワケで、ドーラ・ワルダーは血管に筋を浮き上がらせて鞭をべしぃん!としならせる。

「誰が、何ですって?」
「耳まで遠いとかマジでババアかよ、頼むからオレを静かに寝かせてくれないか。こっちはパンツのせいで安眠妨害喰らってんだよ」
「っっっっ……相っっっっっっっっっっっっっっ当な命知らずのようですわね……!!」

 現在サトル――人格は慧である――は無理やり叩き起こされた怒りにより最高に機嫌が悪かった。
 寝起きはたいていの人が機嫌が悪いのだが、怠けることを至上とする彼は他の人に比べてさらに一際寝起きの機嫌は最悪だろう。

「強靭な力と心を持つ者を完膚なきまでに屈服させる?いやオレ今それどころじゃねぇんだけど。さっきの夢の続きみたいんだけど?
 夢ん中でオレがイケメンヒーローになってる夢だったんだから続き見せろよババア!!!!!」
「こんっっっっっっっっっっっっっっっの男……っっ」
「まあまあ、それよりも先に女の子はお腹をあったかくしておかないとダメよ?お腹冷やしそうな格好はよくないわ」

 ドーラ・ワルダーがブチキレる寸前にさっと割って入る望月・闇(揺り篭・f28009)。
 確かに腹部はほぼほぼ全露出も同然の為冷えそうではあるが、だからといってホッカイロを敵である猟兵が渡してくるとは思うまい。ドーラ・ワルダーはいきなり感情のやり場を失ってしまい宇宙猫になりかけた。
 そしてその様子を離れたところで見ていたアスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)も宇宙猫顔にならざるを得なかった。

「……うーん、この」

 緊張感のなさよ。
 一応こんな状況でもキマイラフューチャーの危機。危機なのだ。キマフュの命運はこの戦いにかかっているのだ――そう言い聞かせないと今にも意識が宇宙に飛びそうである。
 闇のお母さんオーラに当てられて断れずホッカイロを受け取ってしまったドーラ・ワルダーを見てしまったが故に、尚更。

「はっ!こんなことをしている場合ではありませんわ……くっ、罠にはめようとしてもそう上手くはいきませんことよ!」
「いや何被害妄想垂れ流してんだよババアさっさと寝かせろ」
「少なくとも貴方のような無礼千万にも程がある殿方は徹底的に叩きのめして差し上げますわ!!!!!!!!!下僕たち!やっておしまい!!!」

 完全にガチギレモードのドーラ・ワルダー。自らは再び巨大びっくりメカに乗りながら再び力自慢の下僕とテクニック自慢(この単語だけだと非常に意味深に聞こえる)の下僕を呼び出した!
 下僕たちは自らがダメージを受けると一旦その場から離れざるを得ないというデメリットをカバーする為に自らは予め乗り込むことにしたのだろう。
 同じロボ相手でなければ簡単に吹き飛ばせないびっくりメカに、それぞれ技術特化した下僕怪人共――まともにやり合おうとなると少々骨が折れそうだ。

「あらあら、これは厄介なことになっちゃったわね」

 敵勢力を見ながら呟く闇であるが、その振る舞いからは焦りといったものを一切感じさせることはない。
 長年の妖怪としての知恵と経験が恐らく彼女をそうさせるのだろうか。

「まあ、一度は乗りかかった案件です、最後までお付き合いしましょう。あれでもキマフュの命運がかかってるワケですし。あ れ で も」
「そうねえ。あ れ で も世界の危機だものね。アスカ、協力しましょう」
「もちろんですよ」
「アンタらに協力した方が間違いなく早く終わってオレは寝れるな。よし、めんどくせえけど手伝うよ」

 こうしてキマフュの平和を護るため、または自らの安眠を確保する為――ここに、一時的な三者同盟が成立したのであった。


 先手を切ったのはドーラ・ワルダー従えるテクニック自慢の下僕、2丁拳銃を構え華麗な手捌きでクイックドロウを繰り返す。
 それを迎え撃つのはアスカ。愛用のピストル式機械弩『フェイルノート』を構え、敵と相違ないスピードで矢を連射!
 銃弾の一発一発、その全てに素早く矢が精確にブチ当たっては次々地面に落ちていく。
 そしてそこにさらにもうひと押し加える為、アスカは弾幕を展開。余計な攻撃を爆風で吹き飛ばして相手に一歩も動かせまいとする。

「(住民や街の心配がいらないなら、遠慮なく弾幕張って爆撃で吹き飛ばせるし射線も通りまくり……正直気持ちい)こほんっ」

 心に過った邪念を払うかのように一旦手を止めて咳払い。
 この攻撃は謂わば囮攻撃である。他の猟兵たちが動きやすいように、自らに敢えて注目を集める為の。
 故に先程からテクニック自慢の下僕がこちらへばかり銃を連射しているのだ。
 とはいえ、アスカは歴戦の射手。その人並み外れた視力と動体視力、瞬間的な思考による弾道計算で的確に相殺、あるいは回避し続ける。
 こうして面倒な遠距離攻撃担当は事実上潰したも同然だ。
 そして次にその間に、闇がさっと力自慢の下僕の背後を取ろうと試みる――!

「やらせませんわよっ!」

 しかしロボットに乗ったことで物理的な視野が広がったドーラ・ワルダーが巨大びっくりメカの拳をロケットパンチにして闇へと狙いを定め、放つ。
 それを食い止め薙ぎ払うのはサトルが【リザレクト・オブリビオン】で呼び出した(死霊)騎士(ナイト)&(死霊蛇)竜(ドラゴン)だ。
 ドラゴンは腕めがけて体当たりを仕掛け、軌道を大幅に反らせるどころかメカの腕を遥か彼方へと吹き飛ばすことに成功した。

「お―――――っと!流石オレたちのナイト&ドラゴン!!巨大ロボットなんて目じゃないってぐらいの無敵のムーブを見せてくれる!お前らの応援がこいつらを無敵に仕立てあげたんだーッ!!」

 異空間でもキマイラたちの応援の声は絶えず響いていた。
 それを利用して再びマイクパフォーマンスを行えば、より一層キマイラたちからの応援の言葉は増えるというもの。
 温かい応援を貰えればもらえる程ナイト&ドラゴンも、そして猟兵たちも秘めたるパワーをより力強く覚醒させるのだ……!

『がんばれー!ナイトアンドドラゴーン!』
『猟兵さん負けないでー!』
『キマフュの未来はあんたたちにかかってるんだぜー!!!』
「くっ、おのれまるで悪の組織と対峙した正義の味方みたいなことを!」

 異空間に響き渡るキマフュの住民たちの熱い応援にツッコミを入れるドーラ・ワルダー。いや実際貴女悪の組織でしょうに。

「あらあら、子供たちに応援されたら一お母さんとして頑張らないとね」

 にこやかに笑いながら再び敵へと接近する闇。
 力自慢の下僕が止めようと動くが、またしても力自慢特有の動きの鈍さというデメリットから捉えるには至らず、その筋骨隆々とした腹部に貫手をモロに受けてしまう。

「――"縛"」

 貫手が当たればあとはこちらのもの。ユーベルコード【苛む棘刺】が貫手の命中した位置を基準とし、下僕の身体に荊の枷を蔦を巻きつけるかのように縛り上げる。

「ぐ、ぐおおおおお!?何だこの痛みはっ!ぶたれたりとかするのより痛い!ぐあおおおおお!」
「そりゃあ毒が入ってるもの。まあ大丈夫よ、せいぜい便秘とかに感じる痛みで済むんじゃないかしら?」
「地味に嫌だ――――――ッ!!!」

 力自慢の下僕は行動不能が確定。
 そしてアスカと事実上の速射勝負を続けていたテクニック自慢の下僕はナイト&ドラゴンのナイトの方に懐に飛び込まれ、為す術なく地に倒れ付した。

「も、申し訳ありません、ドーラ様……ガクッ」
「何をやっているんですのこのぽんこつ共!!ええい、こうなったらわたくしが……!」

 さっきからあっさりとやられている下僕たちに痺れを切らしたドーラ・ワルダー。
 片手をなくしたとはいえどまだ片手が残っていると言わんばかりにびっくり箱も驚きのスプリングパンチをびよよんと伸ばして攻撃しようとするが――同時に再びバランスを崩す。

「な、何ですの!?脚部関節部分にエラー!?」

 慌ててモニターを確認すると、闇が膝部分に貫手を恐るべきラッシュでフルボッコにしている姿。
 立ち上がろうとしたはいいが、既にロボの神経も同然なコードはその攻撃によってすっかり千切れており動くこともままならない。
 がっちゃんがっちゃんとレバーを必死こいて動かしたところで脚がダメならどうしようもできはしない。残念ながらこのびっくりメカに飛行機能はないのだ。
 ええいこうなったらとコクピットから出ようとした刹那、強烈な衝撃がドーラ・ワルダーを襲う。
 しかも一発だけではない。二発、三発と――アスカがユーベルコード【千里眼射ち】によりコンマ1ミリのズレもない連射を放てば放つ程びっくりメカは煙を吹き上げていき……すっかりあと少しというところで爆発寸前というところまでに達する。

「し、しまった、このままでは爆発に……!」

 慌てて緊急スイッチを押し、コクピットこと脱出を試みるドーラ・ワルダーであったが……残念ながらそれが命取りであることに気づかなかった。
 何故ならボディへと叩き込まれた攻撃はこの瞬間を作る為のブラフに過ぎないなんて、誰もすぐ想定できるものではないからなのだ。
 メカからパージした途端、アスカの渾身のもう一撃が飛び、コクピットも派手に爆発四散!
 ドーラ・ワルダーは黒焦げになった状態で地に落ち、そのまま倒れ伏す――と、思いきや。

\がぶっ☆/

 ……といった嫌な音が聞こえた。
 恐る恐る見てみると、ドラゴンが自分を咥えている。

「ひ、ひいっ……な、何、何をするつもりですの!?!?」
「よっしゃドラゴンそのままババアを持ち上げてぶん投げろ!!」
「ちょっと待って嘘ですわよねそんな物理的に花火にするなんてそんなことォォォ――――――――っ!?!?!?」

 涙目の懇願も虚しく、ドーラ・ワルダーは空高く放り投げられ――

「最後の仕上げはァ!!皆でクラッカーを鳴らせぇぇえええええええええええええッッ!!!」
「い―――――や―――――――――――――――っ!?!?!?」

 サトルの高らかな叫びと共にその手にあるクラッカーが、さり気なく闇に渡っていたクラッカーが、異空間の外から応援してくれている住民たちのクラッカーが、鳴り響く。
 そして同時にアスカのフェイルノートが最後に一発火を拭き上げ、ぱぁん!という大きな音と共に花火が空へと打ち上がった。
 ドーラ・ワルダーは二度、空にきらりと輝くお星様へと変化を遂げたのである。

「よっしゃ今度こそ寝れる!!!!!グッナイ!!!!おやすみ!!!!!!!!!!!!」

 それを確認したサトル、今度こそ寝てやると抱き枕を抱えて堂々と寝始めた。
 闇はそれに対してそっと毛布をかけてあげるお母さんの優しさを発揮。

「(うーん。あの怪人(と書いてド変態と読む)共の主人がねえ……ある意味相性抜群ではあるのかも?)」

 アスカは宇宙猫な顔になりかけながらも自分の中に浮かび上がった疑問に決着をつけようとしていた。
 こうしてまた自身の役目を果たした猟兵たちはグリモアベースへと戻っていく……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

南六条・ヴィクトリア三世
【元上司と元部下】
オ―ッホッホッホッホ!(対抗高笑い)
何ですの貴方。このわたくしに終身雇用の提案ですの?
生憎とわたくしは株式会社UAIのCEOですのよ。
企業規模は我々が上、むしろワルドーラを買収する立場ですわ。
貴女もお茶汲みから始めると良いですわ。
え? ジェイミィ? 確かあちらでまだ話し込んで…
ジェイミィ! ジェイミィ! メカ談義はそのへんでおやめなさいな!

久しぶりに宣言しますわよ、今日の金言!!
「最近の女幹部は基本的にビジネススーツですわよ!」
今日びボンデージスーツの女幹部は古いですわ!
さぁジェイミィ、直接戦闘はお任せしますわ!
…ほら、わたくし猟兵になったばかりで武装とか用意してませんもの。


ジェイミィ・ブラッディバック
【元上司と元部下】
…せっかく「シリンダーが回転しながら部品がくっつく時の興奮」について話が弾んだ所なんですが。
というかいたんですか部長、あぁ違った社長。
あ、はい、直接戦闘は私の役目ですよね。
猟兵としては私が先輩ですし。

あー確かに、最近の女幹部ってビジネススーツスタイルですよね。
特撮とかで露出度高い女幹部見なくなりましたよね。
普通にキャリアウーマンしてる方多いですもん。社長とか。
…あ、他意はないです。
鞭とかは推力移動+ダッシュで回避できますね。マシンガンで弾幕張って牽制入れます。
ミサイルで動きを固めた所で…もう一気にこれ(指定UC)撃ち込んで決めましょう。
私はとっととメカ談義に戻りたいんですよ。



●プライベートを邪魔されたらそら誰だって不機嫌になる
 猟書家、ドーラ・ワルダーは猟兵たちの多種多様な戦術(一部果たしてそう読んでいいかは不明なものもあるが)により大分追い詰められていた。
 よろめきながら生まれたての子鹿のような震えた脚で何とかまた現場へと戻ってくることはできたものの大分満身創痍である。
 というか、これが猟書家でなければ間違いなくオーバーキル級のダメージを受けていた。
 それでも立っていられるのは彼女が猟書家という実力者の一人であること――そして、キマイラフューチャーを侵略しようとする悪の組織ならではの謎のしぶとさ補正(?)によるものだろう。
 何故ならキマフュはあらゆるカオスを内包し許容する世界であるからだ。尚この仮説はあくまで仮説に過ぎない為今後世界研究の権威により覆ることも有り得ます。

「お、お、おのれ……猟兵………っっ」
「オ―――――――ッホッホッホッホッホ!!!」
「はっ!?このクオリティの高い高笑い……また新手ですの!?」
「いいえ――CEOですわ!!!」

 ばばん!と姿を現したのはつい最近猟兵となった株式会社ユニバーサル・アーマメンツ・インダストリー代表取締役社長の南六条・ヴィクトリア三世(株式会社UAI最高経営責任者(現職)・f30664)。

「先程の話を聞かせて頂きましたけど何ですの貴方」
「えっいきなり何ですの」
「このわたくしに終身雇用の提案だなんて……百年早いですわ!!」
「な、何ですって……っ!?」

 CEOとしての圧倒的カリスマヴォイスがドーラ・ワルダーに電撃を走らせる!
 最近姿を現した悪の組織の首領と長いことスペースシップワールドで名を馳せている会社の社長、パット見でどちらがキャリア的にも歴史的にも長いかは何となく理解できることだろう。
 実際企業規模の格は遠く及ばない差が開いているのだから……

「生憎とわたくしは株式会社UAIのCEOですのよ?企業規模的にも我々が上であることは間違いなく、むしろワルドーラを買収する立場ですわ」
「くっ……それは……」

 苦虫を噛み潰すような顔を浮かべるドーラ・ワルダーだが、事実であるし指摘に何ら矛盾もない為反論すればより足元を掬われてしまうことを懸念し口を噤むしかできない。
 その態度を賢明な判断と見たのかヴィクトリアは悪くないといった値踏みをするような目で見る。

「ふむ、悪の組織の首領だけあって判断力がないワケではありませんのね。よろしい、貴女も我が社でお茶汲みから始めると良いですわ」
「お、お待ちあそばせ!まだわたくしは雇用を受けるとも寸とも言っておりませんことよ!?第一貴女も猟兵であるのならわたくしと戦うのではなくて!?」
「え?それはジェイミィが……ジェイミィ?」

 きょろきょろと見回すが元部下の姿がない。否、異空間に入り込まずメカ好き同志と会話を弾ませているのだ。
 ああもう、とヴィクトリアは一旦外へと出て引っ張ってくることにした――っていうか出入り自由なんかい!!

「ジェイミィ!ジェイミィー!!ジェーイーミーィ―――――!!」
「ああもう聞こえてますよ!何ですか部長、ああ違った社長」
「メカ談義はその辺でおやめなさいな!今は戦いの最中でしてよ!?」
「あ、はい。直接戦闘は私の役目ですよね。猟兵としては私が先輩ですし……せっかく「シリンダーが回転しながら部品がくっつく時の興奮」について話が弾んだところなんですが」

 心底不満そうな声を上げるジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵・f29697)。
 キマフュで巡り会えたメカ好き同志たちと心を通わせた彼はついうっかり猟書家討伐を忘れてしまう程熱く語り合っていたところを邪魔されてしまったのは流石にもやもやするようだ。

「というかいたんですか社長」
「いるに決まってるでしょう!なりたてとは言えわたくしも猟兵!その責務は全うせねばなりませんの」
「そうですか。まあそれなら私もその責務を果たさねばなりませんし、ちゃちゃっと終わらせてメカ談義に戻りましょうかね」

 やることやってから趣味に没頭せねば規範の大人の姿とはかけ離れてしまう。ジェイミィも猟兵となってからクロムキャバリアの都市国家でガレージを営んでいる立派な社会人。
 そんな自分がやるべきことも怠けてしまってはよい子のみんなが真似してしまうのでそれは避けた方が望ましかった。
 と、いうワケでそんな感じでドーラ・ワルダーと対峙する元上司と部下のコンビ。
 ドーラ・ワルダーは色々な意味で死んだ魚のような目でこちらを見ているがそんなん知ったこっちゃないばかりにヴィクトリアはユーベルコード【株式会社UAI社長、本日の金言(プライド・オブ・プレジデント)】を発動する!

「久しぶりに宣言しますわよ――今日の金言!!『最近の女幹部は基本的にビジネススーツですわよ!』」
「なっ……なんですってェ――――っ!?!?」

 何ということだ、ヴィクトリアの鶴の一声で死んだ魚のような目をしていたドーラ・ワルダーが信じられないといった表情で激しく動揺しているではないか!

「今日びボンデージスーツの女幹部は古いですわよ――そう、UDCアースの日本で例えるなら平成がまだ10年も越えてない頃の話レベルの古さですわ!」
「あー確かに、最近の女幹部ってビジネススーツスタイルですよね。特撮とかで露出度高い女幹部見なくなりましたし。BPOの壁ってやつですかねえ。普通にキャリアウーマンしてる方多いですもん。社長とか」
「はい???」
「あ、他意はないです」

 元上司をさらっと女幹部扱いである、いや立場的に間違ってはいないから他意がないのは(多分)確かなのであろうが。
 一方、自分のスタイルが時代遅れであることを突きつけられたドーラ・ワルダーはショックを受けてその場に崩折れている……
 というか、そもそも今日び放送倫理がここまで自由なのはキマイラフューチャーぐらいな気もする。多分。きっと。そう。めいびー。

「まあいいですわ。さあジェイミィ、直接戦闘はお任せしますわ!」
「はいはい、わかってますよ。私はとっととメカ談義に戻りたいですからね」

 まるで戦意を喪失しているかのように見えなくもない相手に対してこの容赦無き姿勢。普段のジェイミィの優しく人当たりの良い姿を見ている者は驚くことだろう。
 彼にとってのメカ談義、そしてメカを愛する同胞たちは命と同等に等しい大事なものなのだ。それを邪魔されたらまあ不機嫌になるのも当然だし、普段優しい人程不機嫌になった時周りにインパクトを与えるものでありまして。

「……く……認めません……認めませんわっ!わたくしのスタイルは!!!!このキマイラフューチャーの最先端を行くんですのよ―――――っ!!!!」

 負けない限りは決して認めんと言わんばかりにドーラ・ワルダーがやけくそで鞭を振るい始める。
 しかし完全に早く帰りたいスイッチが入ったジェイミィはかつてのリーマン時代の如く心を氷のように冷たくし、客観的に俯瞰することで思考力と判断力を極限まで高めていた。
 そんな相手に藪から棒に攻撃したところですいっと推力移動するだけでかわされてしまうのは必然とも言えるだろう、しかしドーラ・ワルダーは諦めるものかと鞭をとにかくしならせる。
 それほどまでに自らのスタイルを古いと称されたことを認めたくないのだろうか。
 襲い掛かる鞭という鞭をマシンガンで牽制、ミサイルを適当な位置に着弾させ爆発域を拡散させて動きそのものを封じる。

「もう一気に撃ち込んで決めましょう。『WARNING:Disconnect unknown system "Holy Grail" immediately』」

 ユーベルコード【E-WEAPON "EX-CALIBURN"(エクストリームウェポン・エクスカリバーン)】。
 これは何と恐ろしいことか、あのクロムキャバリアにて猛威を振るい何者にも蒼穹を許さぬ恐るべき暴走衛星『殲禍炎剣』と同モデルの巨砲にて撃ち貫く最高級レベルの破壊力を持ったユーベルコードだ。
 とはいえ当てるにはジェイミィの機体に内蔵されたターゲッティングレーザーで補足しなければならないのだが、どこでそれを撃っていたのか?
 答えは簡単、ミサイルで動きを封じた時に既にターゲッティングは終了していたのである。
 メカ談義に戻りたいという一心で既に確実にユーベルコードを当てる戦術を組み立てていたジェイミィ。
 その姿は「早く家に帰りたい」と心を無にして最高効率で仕事をこなす社畜とあまり変わりない姿であった――まあ、彼が幸せならそれでいいと思うしそもそも帰る為ならそれぐらいやる人はいくらでもいますからね。

「くっ、わたくしは、わたくしは絶対認めませんわ……いえ、確かに今は古くとも!いつか必ず、必ずこのスタイルを最先端へと再び押し上げてみせ――」

 ドーラ・ワルダーのその言葉が言い終わる前に殲禍炎剣級の弾頭は放たれ、激しい爆音が響き渡った。
 これでミッションは終了である。あとは残る猟兵たちに全てを託すのみと言わんばかりに元上司と部下の二人は各々のライフスタイルへと戻っていく……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
POW

いや~ん、素敵なお姉様♥
ルルはドーラ様の恋の下僕ですぅ♥

下着姿になり白い肌を露に。
四つん這いでお尻を向けて【誘惑】

鞭の一撃を受けた後【第六感・見切り】で
踏みつけの瞬間に【オーラ防御】展開。
【激痛耐性・気合い】で痛みも快感♪

フーッ♥ フーッ♥
もう我慢できなぁいっ♥♥

守護霊の憑依【ドーピング】と『欲望解放』で
愛欲に比例して爆発的に戦闘力増強!
大事な所は隠れてるから大丈夫よ、問題ない

犬のマウンティングのように【怪力】でドーラ様を押し倒し
【属性攻撃・呪詛・マヒ攻撃】の闇で視界と体の自由を奪うわ。
闇の中での顛末を知るのは【暗視】能力のある私だけ。
健全にドーラ様を【慰め・生命力吸収】よ♥



●唐突ですがこの間だけCERO:Dでお送り致します。
「ううっ……ぐすっ……」

 おおっとついにドーラ・ワルダーさんが泣き出してしまわれた。
 拷問具で痛めつけられ、無茶振りからのハリセンフルスイングされ、いい感じの踏みつけをしてくれるスタイル抜群の側近候補には逃げられ、汚え花火だと言わんばかりに打ち上げられ、自分のスタイルを古いと言われ……
 流石にいかなる悪の首領とは言え肉体的にも精神的にもフルボッコされたらそりゃ泣きたくなるものである。

「わたくしだってあの変態共はどうかと思いますわよぅ……何ですのボンデージの上にブーメランパンツって……流石におかしいでしょ……」

 せやな。としか言えない。
 流石のドーラ・ワルダーさんでも部下たちのあのトンチキ変態スタイルには理解が及ばなかった。
 白ブーメランパンツを譲れないからなのかもしれないが指摘したら「ドーラ様にそう言って罵って頂けるからです」とか帰ってきて流石に宇宙猫顔になったのはここだけの話だ。
 多分先程のアドバイスの通りにキャリアウーマン感を出したらそんな変態の集まりみたいに思われないのではないかと思い始めてくる始末である。

「……くっ、くじけているところではありませんわ……!わたくしの野望はまだ始まったばかりですのよ……!」

 ふらふらと立ち上がり、鞭を握りしめる。
 猟書家として、悪の首領として。キマイラフューチャーを恐怖と混乱のどん底に突き落とすのだと涙を拭って次に訪れるであろう猟兵に備えた――!

 が。

「いや~ん、素敵なお姉様っ❤ルルはドーラ様の恋の下僕ですぅ❤❤」
「……えっ??」

 次に現れた猟兵、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は敵意を出しているどころかまさに一目惚れといった様子というかそれを通り越して早くも自ら服を脱いで下着姿になっていた。早くね?

「ドーラ様ぁ、下僕なルルをどうぞ叩いてくださぁい❤」
「え?え??」

 流石にすぐに理解が追いつかない様子のドーラ・ワルダー。
 ドゥルールは息を荒げて自ら四つん這いになり叩いてくれと言わんばかりにお尻を向けている。
 こんな猟兵に会うとは想像だにしなかったが、慕ってくれるのは悪い気はしないし今までが散々だったし、ちょっとぐらいはいい気持ちになったっていいかな?とドーラ・ワルダーは思い始めた。

「こ、こほん!いいでしょう。今からこの鞭でたっぷりとご褒美を差し上げますわ!受け取りなさい!」
「ああんっ❤」

 べしぃ!と鞭がしなれば甲高い嬌声が響き渡る。ここに追加で変態がいなくてよかったと思う光景がしばらく続きます。

「あら、いい声で鳴きますわね!可愛らしくてよ?」
「ふぁあっ❤ありがとうございますぅ❤❤」

 ぺしぺしと叩いて踏みつけてやれば可愛い声の飛び出ること飛び出ること。やってる側もだんだんと気分が良くなってくるものである。
 その割には肌に痕残らないなと疑問に思ったが、自分に忠実で可愛く鳴いてくれるのでドーラ・ワルダーは全部を許してしまった。
 実はひっそりと肌に痕が残らない程度にオーラ防御貼ってたなんてことは些細なことである。うん。……せやろか?
 そんな感じで恋の下僕としていい声で鳴き続けていたドゥルールであるが、叩かれれば叩かれる程もっとして欲しいという欲望って高まるものだよね。

「ドーラ様、もっとぉ❤❤」
「オホホ、欲張りさんですこと!これ以上がいいって仰るのかしら♪」
「ふぅっ❤ふーっ❤だって気持ちいいんだもん❤ルル、もう我慢できなぁい❤❤」

 がばっ!
 何ということでしょう、さっきまで踏みつけられていたのをひっくり返すかのようにドゥルールはドーラ・ワルダーを押し倒した!
 踏まれている状態から一気にひっくり返すとは尋常な力ではない――ダンピールだし猟兵なんで怪力の一つや二つぐらいあるからそんなことないか。ないね。

「きゃっ!?ちょ、ちょっと……!?って貴女何全裸になってるんですの!?」
「ふーっ……❤ふー……っ❤」

 しかもさっきまで下着姿だったハズなのにそれすらも脱ぎ捨てているではないか!
 あまりにも気持ちいいものだから興奮したドゥルールの愛欲が爆発し、ユーベルコード【欲望解放(ネイキッド・フリーダム)】が発動してしまったせいである。
 大事なところはチューベローズの花びらがご都合展開の如くシャットアウトしているがだからっていきなり全裸になる人なんていくら変態下僕を従えている彼女でもびっくりだ。
 まるで犬がマウンティングを取るかの如く覆い被さり息を荒げる姿はまさに(ここから先は放送倫理的に自主規制されております)。

「ちょ、ちょっとお待ちなさい?落ち着きなさい?ね??ね???ねえ!?!?」
「ドーラ様ぁ……もっと気持ちいいことしーまーしょーう……❤❤」
「お聞きあそばせっ!?あっ、待って身体が動かな、あっ何か急に真っ暗に待って落ち着いひゃぁああっ!?どこ触って、や、ちょ、ちょっと待っ……❤」

 先程までの勢いはどこへやら、完全にされるがままのドーラ・ワルダー。
 文字通り暗転する闇の中、一人の女性の甲高い嬌声が響き渡る。
 えっここから先?見せられないに決まってるじゃないか!!!某スタンドの如く時間をすっ飛ばします!!

「……うう、わたくし……もうお嫁にはいけませんわ……っ!!」

 というワケで闇が晴れた後。
 そこにはがくっとうなだれるドーラ・ワルダーと服を着込んですっきりつやつやの満足げな表情のドゥルールがおりましたとさ。
 お嫁に行けない、という言葉をどういう方向で捉えるかは……あなた次第です。あなた次第とします。いいね?

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーシア・ロクス
下僕って……(さっきの下僕怪人を思い出す)
ボンデージと白パンツは組織の制服だとか言われて強制されるなんて絶対ごめんです!

相手の武器は鞭で、そのUCも“鞭が命中した対象に”追撃をするもの。
あと『切り拓く冒険のカギ』(剣)で戦っていれば、剣に巻き付かせて剣を奪ったり、もしくは引っ張って体勢を崩してきそうです
なら、敢えて……!

剣で鞭を受け、剣に絡められたらわざと手放し即座に剣→カギ→『果て掴む求道のカギ(手甲)』へと変えて手元に戻し、
後は勇気と共に踏み込んで【ユーシアのプレイ日記~格闘ゲーム~】です!

接近中に攻撃されそうになっても《見切り》と何とかの波動(オーラ防御)で凌ぎます!

※アドリブ歓迎です


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【着替え済み】

相手にとって不足なし!
と言いたいけれどさ……
どうなのよその格好。
なんで他の奴にも着せるんだよ。
全然似合ってねぇだろうがよ!
その下僕とか!
だあぁぁぁ呼ばせるんじゃなかったぁぁぁぁ!?

必死で『衝撃波』とか電撃の『属性攻撃』をぶっ放すけど、
なんかこいつらご褒美にしか感じてねぇか!?
そんなに暴力が好きなら、一回自分で食らってみやがれ!!

力自慢の下僕からの攻撃を『かばう』位置に、
ドーラを【縁手繰る掌】で引き寄せて。
事態を飲み込むまでの間に『グラップル』で羽交い絞めにして
『敵を盾にする』!
オラ下僕ども、顔はやめとけボディだボディ!
電撃の『マヒ攻撃』もおまけだよっ!



●剣より拳の方がコンボ数って多いよね
「……相手にとって不足なし!って言いたいけれどさ……言いたかったんだけどさ……」

 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は今までの猟兵たちの攻撃を受けた挙げ句(ホワーオ(効果音)な目に遭い最早瀕死も同然のドーラ・ワルダーを見て何とも言い難い気持ちになった。
 因みに前回怪人共との戦いで着ていたボンデージはもちろんのこと着替えました。
 自身が駆けつける前、何となーく嫌な予感を感じて偶然行動が一緒になったユーシア・ロクス(まっさらゆうしゃ・f26126)の目を塞ぎ、本人には耳を塞いでもらった状態で案内してこうしてやってきたのだがホントにそうしてよかったと思っている。
 聞こえてくる声が子供の教育によろしくなさすぎたんだ。

「ええっと……多喜さん、もういいですか?」
「あ、ああ!大丈夫だよ、いきなり悪かったね」
「いえ、大丈夫です!でも何があったんですか?」
「わかんなくていいことだから気にしなくて大丈夫だよ。ユーシアちゃんはそのままでいるんだよ……」
「???わ、わかりました……あれっ?猟書家もう大分やられてる……」

 駆けつけるまでに何があったのかわからないユーシア、すっかり瀕死の猟書家を見て首を傾げる。
 どうかその純粋さが失われることがありませんよう多喜は心から願った。
 一方ドーラ・ワルダー、やっと気づいたようで腰に力が入らず何度か失敗しながらも立ち上がり、精一杯の虚勢を張った。

「お、オ――ッホッホッホッホ!流石ですわ猟兵共、このわたくしをここまで手こずらせるなんて!」
「脚がめっちゃ震えてる状態で言われてもなあ」
「震えてませんっ!!」
「顔が凄く赤いですけど」
「赤くありませんっっっ!!!」

 そう、度重なる攻撃と先ほどの(ホワーオ(効果音)展開によりドーラ・ワルダーは最早生まれたての子鹿のように脚がぷるぷるしていた。
 まあそりゃそうだ、何でかは子供の教育の為に言わないけど。

「ていうかさ……どうなのよその格好。何で他の奴にも着せるんだよ」
「わたくしがどのような服装をしようとわたくしの自由です。それと下僕の服はわたくしの管轄外ですわよ」
「えっ」
「下僕たちが勝手に着るんです。わたくしは下僕にわたくしと同じ格好をしろ、などと一言も言ったことありませんわよ。というかそれでもボンデージにブーメランパンツとかいう服装されてわたくしが引くぐらいですわよ。何でなんでしょうね?」
「え、あ……は、はあ……?」

 何てこったい、まさかの下僕たちの暴走だったとは思いもよらず多喜は言葉を失った。色々な意味で。

「と、とにかく全然似合ってねえだろうがよアレ!?」
「わたくしも同意いたします。ですが下僕共はそう言うと「ドーラ様に罵っていただけた!」とご機嫌になるんですの」
「うわあ……」
「???多喜さん?」

 思わずユーシアの耳をもう一度塞ぐぐらいには多喜はドン引き。
 しかし何ということか、そして下僕の話をしていたら何と噂をすれば張本人たちがやってきたではないか。
 もちろん先程と同じく力自慢とテクニック自慢の下僕だが――何とまあ都合良くボンデージを着ている始末。

「お呼びでございますかドーラ様!」
「あらちょうど良いところに。猟兵たちをやっておしまい!」
「だぁああああああ呼ばせるつもりじゃなかったのに話すんじゃなかったあぁぁぁあああああああ!??!」
「うわ……」

 ユーシアも流石に直視したくないと目を逸らす。
 筋骨隆々とした男と痩せぎすの男がそれぞれボンデージを纏っている姿は何とも言えない光景だ。
 そして早速筋骨隆々とした力自慢の下僕が猟兵二人へと堂々と立ち向かい、その拳を振り下ろせば再び地面にクレーターが出来上がる。
 回避していなければ潰れていたであろう怪力は動きが鈍いのが救いとはいえ、ひとたまりもない。

「下僕って……ボンデージと白パンツは組織の制服だとか言われて強制されるなんて絶対ごめんです!」
「だからわたくしはそのようなこと一言も言ってないと言ってるでしょうがッ!?!?」
「知りませんよ!聞こえませんでしたもん!」

 多喜が流石に子供に聞かせられないと耳を再び塞いだ為、ユーシアには先程の話が一切聞こえていない。
 なのでその台詞はこちらを油断させる為の手だと思い込み、『切り拓く冒険のカギ』で斬りつけるがテクニック自慢の下僕がそれをかばうかのように受ける。

「ぐはあっ!何という斬撃……気持ちいい!」
「ええっ!?」
「しかも可愛い幼女に斬ってもらえるなどドーラ様に罵って頂ける並のご褒美!最高!!」
「子供の前で卑猥なこと言ってんじゃねえええええええっ!!」

 卑猥かどうかと言われると微妙に賛否が分かれそうなところであるが、子供の教育によろしくない言動ばかり口走る下僕たちに多喜が衝撃派と電撃を見舞う。

「んおー気持ちいいでござる❤❤いい感じのビリビリたまらんでござる❤❤❤お姉さんもっとご褒美くださいでござるぅ~」
「嫌だよ!!!!!!!こっちくんな!!!!!!!!」
「ひっ……この人たち何なんですか……!?」

 しかし反応はこの有様、ユーシアも息を呑む程の変態ぶりである。
 尚ドーラ・ワルダーも若干引いた顔をしていたが、多分貴女が開発した性癖ですよねそれ??
 だがそうしてテクニック自慢の下僕に意識を持っていかれると当然もう片方、力自慢の下僕の自由な行動を許してしまうことになる。
 事実、多喜とユーシアが気づいた時には今まさに大きく振り被ろうとしているのだ――!

「しまった、このままじゃ……!」
「ええい!そんなに暴力が好きなら一回自分で喰らってみやがれ!!」

 力自慢の下僕はその見た目の通り鈍重な動きであり、振り被るにも時間がかかる。
 その僅かなタイムラグで状況を逆転させんと多喜はユーベルコード【縁手繰る掌(アポート・アンド・テレポート)】を発動。
 これは多喜から半径凡そ8836mの範囲内にいる彼女が認識した対象を連れて仲間の下へ瞬間転移できるというものだ。
 それで何をするかというと――

「ちょ、ちょっとなんですの!?」

 ドーラ・ワルダーをこうして下僕の前に引っ張ってくる、つまりこちら側に引き寄せるということだ。
 状況が飲み込めないでいるうちに多喜はすかさずドーラ・ワルダーを羽交い締めにし、下僕の前につきつける。有り体に言えば盾にした。

「オラ下僕ども!顔はやめとけ、ボディだボディ!」
「なっ!?ちょ、ちょっと下僕殴るんじゃありませんわよ殴ったらどうなるかわかってますわよねえ!?!」
「ど、どどどどどどどドーラ様を痛めつけるなんてそんな恐れ多いことっおっおっおっちょっまっバランス取れないあっあっあっ」
「きゃ――――――!?!?やめなさいおやめなさいや――――め――――て―――――――!!!!」
「あだだだだだだ!?!?」

 動揺から力自慢の下僕がバランスを崩し始め、ドーラ・ワルダーはそれにパニックを起こして慌てまくる。
 もちろんそれで被害を受けるのは誰かというと羽交い締めにしている多喜なワケで。

「……ど、どうしようこの状況。わたしがやるしかない……よね……うん!」

 この状況を打破するにはもうこれしかないと、ユーシアは謎ゲージを一気にMAXにして下僕に↑B攻撃を叩き込んだ!

「ぐほぉう!?」

 『繋ぐおはなしのカギ』を『果て掴む求道』の形に変え、その手甲をつけ力自慢の下僕の鳩尾を思い切りアッパーカットで殴りつけて浮き上がらせる。
 ユーベルコード【ユーシアのプレイ日記~格闘ゲーム~(スーパーユーシアコンボ)】の発動だ。

「そ――――――らそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそら―――――――っ!!!」

 ラッシュを叩き込む時は気合を入れる為に発声すると良いと最初に言ったのは誰なのだろうか。
 しかしその発声が程よいリズムを生み出し、それに合わせてラッシュを叩き込めばコンボゲージが切れる前に怒涛のコンボを叩き込むことができるのも事実だろう。
 少女は吠えた、猛々しく。そして最後にビッグバンの如き超新星の一撃――!

「こ、これはお仕置きどころか本当にただの暴力……ぐはァ――――――ッ!!」

 そんな今際の言葉と共に力自慢の下僕はしめやかに爆発四散。
 奇しくも暴力が好きなら一度喰らってみろ、という多喜の言葉通り暴力を思い知った上で消え去っていく……

「わ、わたくしの下僕があんな簡単に……!くっ、このままでは……!」
「観念しな猟書家!あんたの好きにゃさせねえよ!」
「くっ、下僕を一人倒したぐらいでいい気にならない方がいいですわよ!!」

 ばきゅん、と鳴り響く銃声。多喜の腕をテクニック自慢の下僕が放った銃弾がかすめ通っていく。
 それと同時にドーラ・ワルダーは多喜に思い切り尻をぶつけることで無理やり引き剥がし、鞭を手に取るとすかさずユーシアの両手を鞭で拘束した!

「オーッホッホッホ、わたくしも危ないところだったとはいえ猟兵は猟兵、わたくしたち猟書家の敵ですわ!お覚悟なさい!」

 そのまま思い切り膂力の限り引っ張れば、小柄なユーシアはいとも簡単に引っ張られてしまう。
 だが虎穴にいらずんば孤児を得ずとばかりにユーシアは怖じけることなく引き寄せられ――あと少し引っ張れば奴の自慢のハイヒールのかかとがぶつかるであろうタイミングでまるで手品のように鞭から腕を解放した。

「なっ、なんですってっ!?」

 因みにこれに関してだがもちろん種も仕掛けもある。
 今ユーシアは『果て掴む求道のカギ』となった『繋ぐおはなしのカギ』を装備している状態だった。
 それを元の『繋ぐおはなしのカギ』に戻せば、ユーシアの手から手甲が事実上外れることになる――つまり、手甲のサイズ分がなくなるので自然と隙間が生まれて結果すぽん!と容易に抜け出せるワケである。

「ど、ドーラ様を痛めつけるぐらいなら拙者を痛めつけて欲しいでござるゥ!!」
「てめえは引っ込んでなッ!!!!」
「お゛おんっ!!」

 主を助けようとする変態下僕は多喜が念動力で押さえつけ、ついでに再び【縁手繰る掌】を使ってユーシアの射程圏内に引きずり出す。
 ドーラ・ワルダーごと電撃を放ち、身体機能を麻痺させ確実に攻撃が当たるチャンスを築く!

「今だ!!」
「はいっ!!」

 『繋ぐおはなしのカギ』が再び『果て掴む求道』を形作り、ユーシアの両手に装着される。
 そして響き渡る謎のゲージMAX音――【ユーシアのプレイ日記~格闘ゲーム~】二度目の発動。
 今度は二人に一気に当てるので先程のコンボの2倍のコンボ数が自動的に算出される。
 最初の怪人は『切り拓く冒険のカギ』だった故に150HITであったが、『果て掴む求道のカギ』は手甲型、つまりその分コンボも増える。具体的に言うと1.5倍は増えたのではないだろうかというぐらいには増える。
 そう仮定して計算すると先程の力自慢の下僕は150×1.5=225HITを喰らっていたことになる。

 それがドーラ・ワルダーとテクニック自慢の下僕二人分になれば――450HITのハイパーコンボだ!

「これで―――終わりですッッ!!!!」

 空中打ち上げからの怒涛のラッシュ、そしてビッグバンの如き爆発の一撃が二人分炸裂する。
 断末魔を上げる暇もなく、ドーラ・ワルダーは下僕と共にしめやかに爆発四散。
 悪の組織の首領の散り際は決まって爆発するものなので、それはとても綺麗な終わりになったのではないだろうかというような派手な花火が打ち上がっていた。
 とどめの一撃を放ったユーシアはふう、とやりきった達成感に包まれながら汗を拭う。

「ありがとうございました、多喜さん」
「あたしゃ何もしてないよ。頑張ったのはあんたさ」

 互いの戦果を労いながらグリモアベースに帰投する多喜とユーシア。
 願わくばこのまっすぐな少女がこの事件を機に色々とまだ覚えなくていいことに興味を示しませんように……と、やっぱり思わずにはいられない多喜であった。

 ――やっぱりキマフュってカオスだわ。そんな改めての実感と共に、猟兵たちは全員グリモアベースへと帰投を果たす。
 猟書家の撃破という大きな戦果を引っ提げて……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月16日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ガジル・コリアンダーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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