海賊の楽園、色と酒に堕ちる島
「その島は、海賊の為にあるような島なんです」
アサナギ・イサリブネ(深海人の鮫魔術士・f30479)はそういった。
「住民は、この島を牛耳るオブリビオンの海賊の命令で、集まってくる海賊に奉仕を強いられているのです」
この島には、あるものをそのオブリビオンの主に献上すれば、上陸が許される。
そのあるものとは――。
◇◇◇
常に酒の香りが漂うような街。
「ハハハハ、たまらねえなこの島は!」
海賊が大声で笑う。
広い島々で略奪を繰り返し、普通に港に寄ることも出来ないようなその海賊は、この島には堂々と船を止めて上陸している。
もちろん奪った物の中で、極上の献上品を持ち込んでのことだ。
「お前らのご主人様も、喜んでくれるだろうぜ?」
海賊の膝には、殆ど何も来ていないような服装の幼い少女が震えている。
片手で簡単には捻り潰せそうな、大きな手で無造作に体を撫でられながらもそれを拒めはしない。
彼女だけではない、目を向ければそこらで。いや、この島の至るところで。
海賊に奉仕を強いられる住民が堪えている。
宿の小間使いの少年が仕事の最中に部屋に引きずり込まれ戻ってこない事も少なくない。夜通し酒に酔った海賊が暴れて店ひとつが倒壊したところで海賊を取り締まるものはなく、逆にそれで海賊に歯向かえば、瞬く間に住民の中に紛れ込んだオブリビオンの手先が罰を下しにくる。
それがこの島だった。
そして、オブリビオンはとある目的のために、この環境を作っている。
それは――。
◇◇◇
お酒です。
アサナギはそう言った。
「この島の支配者は、お酒をひたすらに求めていて、それを略奪できる海賊達に世界のあらゆる酒を集めさせています」
その為に、この島を海賊の楽園に作り替えている。
「ですが、私たちがこの島を見つけたからには、もう放ってはおけません」
まずは、海賊達から情報を聞き出し、監視の目を抜ける方法を探る。
そうすれば、オブリビオンは逃げる間も準備する間もなく猟兵を相手取る事になる。
より有利に進めたいとアサナギはいう。
「海賊を装い、港で酒を渡して侵入します」
酒は様々な世界から集めたものを持ち込んでいる。きっとそこまでは問題ないだろう。
「なので、皆さんにはそこから先をお願いします」
海賊を装うのは港まで、あとは自由に進めてほしい。
この島を解放する為に、力をかして欲しいとグリモアが輝く。
熱血漢
第一章は、そこかしこで行われている海賊の息抜きや宴に紛れ込んで、情報を探ります。
第二章は、情報を元に警戒網を抜け、オブリビオンのいる館に急襲。警備のオブリビオンを蹴散らし、第三章のボス戦です。
プレイングお待ちしています!
第1章 冒険
『海賊達の宴に潜入せよ』
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POW : 海賊に扮して潜入する
SPD : 見つからないように隠れて潜入する
WIZ : 差し入れをする島民に紛れて潜入する
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有栖河・鏡
海賊の島たァなかなかイイじゃねぇか、愉しみ甲斐があるぜ…!
俺はミニスカに腹出しシャツの女海賊スタイルで入島、そのまま街に繰り出す。
よぉ兄ちゃん…アンタなかなかイイモノ持ってるじゃねぇか…❤️
路地裏をフラついて、欲求不満持て余して女に乱暴してる海賊を見つけ【誘惑】して人気の無いトコに誘き出してから…尋問タイムだぜ❤️
残念、俺は男なんだよぉ…。
ああでもガッカリする事は無いぜ、たっぷり可愛がってやるからさァ…クヒャヒャヒャ!
【グラップル】で組み敷いて四つん這いにさせたら【トンネル掘り】で【串刺し】にしてヒィヒィ言わせてヤる。
そしたら何でも話す従順なワンちゃんになるだろ?
●アドリブ歓迎だぜ
表通り程ではないにせよ、そう言った裏道を歩きなれた人間がそこそこに通り抜けるような路地裏で、海賊の男は壁に向かって丸出しにした尻を振っていた。
いや。
「……っ、――ッ」
くぐもった声が聞こえる。男の荒い声とは違うそれに、男の体と暗がりに見えないがそこに誰かがいるのだと分かる。 乱暴な音はよく聞けば濡れた肉が触れあうそれで、道行く人はそれを見ないように、もしくは逆に見世物のように野次を飛ばし去っていく。
皆立ち止まることが無いのは、そんな光景は別段珍しい事ではないからだ。
海賊の頭という風格はない。だが、若者でもなく歴戦の気配があるその男の遊びに、興味を持って足を止めた者がいた。
有栖河・鏡(悪に咲く狂刃・f22059)、その人だ。
「よぉ兄ちゃん」
ミニスカートにヘソを見せる短いシャツ。女海賊然とした鏡は、男の背を見つめて、恍惚と笑み、声をかけていた。
逞しい腕に指を這わせ、降り向かせる。
「アンタなかなかイイモノ持ってるじゃねぇか……❤️」
「……ア?」
「俺と遊んでよ」
乗り気でも無いし抵抗もしない相手に欲求慰めるよりも、乗り気でも上手な相手の方が楽しいよ?
そう言ってやれば居丈高に海賊は笑った。豊満とは言えない鏡の体を舐めるように見定める。そして強気な鏡を屈服させるのはさぞかし楽しいだろうとそう考えた。
「ひいひい泣いても許してやらねえぞ?」
「は、……望むトコロ」
退屈を紛らせていた女性を捨て置いて、男は誘いに乗るまま下ろしていたズボンを窮屈そうに引き上げるのだった。
◇◇◇
なんだ? どうしてこうなった?
そう海賊の男は自問した。
「ォ、ぐぅう……ッ」
貫かれた体が燃えるように熱い。頭が真っ白になる。
「おいおいどうした兄ちゃん、泣かせてくれるんじゃないのか?」
クヒャヒャヒャ! と男『を』組み敷いた鏡が笑う。そもそもの発端はそこだ。
海賊の男は鏡を女だと見ていたが、全く違う。鏡の後を追い、楽しもうかと言うところで、瞬く間に地面に畳まれた男に見せられたのはミニスカートから覗く棍棒だった。
「残念、俺は男なんだよぉ……」
雄々しいそれに青ざめる間もなく四つん這いにされ、それに貫かれた男は、激痛と後悔と、徐々に与えられる快楽に脳をしびれさせていた。
「おぉ、は、ううッ」
貪る事しか知らなかった男は貪られる快感に目覚めていた。そして、唐突にそれがピタリと止まる。
「な、もっと、……く、れよ……ッ」
「少し、教えてくれたら――たっぷり可愛がってやるからさ」
催促すらする従順な犬に成り下がった男に鏡はそう口を歪めたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
白羊郷・浅未
(港についてからフラフラ。海賊に拐われる)
……おじさん、海賊のひと?
だったら『かんしやく』の人のこと知ってる?
答えてくれなくても、いいか。海賊のおじさんに好きにされてる間に、UCで記憶を見るよ。
嫌じゃないかって?
村にいたときにいっぱいさわられたし、色々してたから、へいき。(故郷の農村で経験は豊富)
海賊のおじさんも、夢中になってくれたら、いっぱい夢が見れるから、ぼくもがんばるね。
おじさんはどんなこと知ってるのかな、いっぱいおしえてね。
◎☆アドリブ歓迎、NGなし
白い幼い肌を、それを簡単に捻り潰せそうな手が這い回る。
暗い部屋で白羊郷・浅未(眠れる仔羊・f30484)は、男の腕の中でその青いパジャマを剥かれていた。
男の口がまるで初い果実のような肌を甘噛みして跡をつける。
「ぅ、ん……」
「随分使われてるみてえじゃねえか」
男がそういうのは、搾取されながらもリラックスした様子で甘い声を上げる浅未にか、それとも吊り上げるように伸ばした下着の中に隠れた窄みが男の骨太の指を難なく咥えたからか。
「あ、ふ」
身をよじり、男の肩に手を回してその腕に支えられる浅未は、胸の桃色をかじられて淡く息を吐く。
幼く、妖艶に映る姿はどことなく神秘的にも映る。
浅未は、船を降り、そのパジャマのままうろうろとしていたのだ。この街でそんな無防備な状態ならば、拐われるのは自明だろう。
実際、街中を数分も経たない内に、この男に拐われ滾った血潮を突き付けられていた。服を脱がすのも待たず、男は指にほぐしたそこに向けて、熱をパジャマの裾から潜らせる。
嫌じゃないにか、と聞かれれば慣れているとぼんやりと答えるだろう。彼を信仰対象の御子とされていた農村で、いわゆる儀式がそう言った行為だったわけで。
「ん、っ」
漏れでる声を押さえるように浅未は男に口づけすると、舌が乱暴に押し入ってくる。一段と勢いが増す。鉄のような触感が体内を抉るその行為に、夢中になる男へと浅未は静かに、透明な雲を放った。
「……、っは、上等な体じゃねえか」
仰け反る浅未の細い腰を引き付けるように抱き締めながら、浅未を貪る男の頭にその雲が包んでいく。
それは夢に入り込み、記憶や感情を読み取る透雲だ。夢現の中にいる男の記憶が浅未に伝わってくる。
浅未の中をかき混ぜる感覚に、浅未の幼い屹立が蜜を漏らしながら揺れる。もっと奥へ。
「あ、……ぅ」
男の記憶を潜り込んでいき、そして
「――ああ、ソイツが暴れてな」
「そうか、協力感謝する」
『監視役』。その会話を覗いて、その顔を――。
それを確認しようと瞬間。
浅未の中に何かが弾ける感覚が全身を叩く。一気に感覚が現在に引き戻されて、気だるげに浅未は、放心したような男を刺激する。手慣れたものだ。
「……おじさん」
その顔を見れていないし名前も分からない。もっと情報がいる。
「ぼくがんばるから」
だから、と浅未は再び戻ってきた感覚に、少し笑った。
「――夢中になってね」
怪しく幼い笑みだった。
大成功
🔵🔵🔵
マリア・テミルカーノヴァ(サポート)
※ えっちなことはNGです。夫がいるので。
修道衣に身を包んだエルフの聖者です。
副業で電脳魔術士もやってたりしますが。
一応年齢は23歳で女性ですね。
赤い瞳と赤い髪、大きな胸ととがった耳は修道衣の下に隠している感じです。修道衣の下は水着ですけどね。
基本的にはおっとりとしたお姉さんのように話します。
誰にも優しさを振りまくことを忘れない感じです。
修道女らしくちょっと信心深いところがあります。
ただし、戦闘でオブリビオンには容赦しない感じです。
基本的に後方からの戦いになりますが、全力で向かう感じです。
ユーベルコードはお任せします。
なお、ネタ依頼にはぬるぽ投げると思います。
後は概ねお任せします。
「ああ……、恐ろしい」
マリア・テミルカーノヴァ(電子の海を彷徨う光・f00043)は端正な顔を悲痛に歪めて、両手を祈るように握っていた。
信心深い彼女にとって、この暴力と搾取によって成り立つ島の在り方は著しく、悲しみをもたらすものだった。
そう。指をきつく繋がせる、この感情は怒りではなく恐怖でもなく、悲しみだ。
ここでその罪深さに悲哀を浮かべるのが、彼女の弱さでもあり、しかし、マリアがマリア足り得る強さでもあった。
「――」
息を殺し、マリアは喧騒を避けて進む。自分が表通りをあるけば、要らぬ注目を浴びてしまう。この島を解放するためには、ここでマリアが挫けてしまうわけにはいかないのだ。
進む足は慎重に、しかし、迷いなく。曲がり角などでは細心の注意を払って人の気配を探っていく。
「っ!」
そして、角を曲がった瞬間に、マリアはそこにいた人影に息を呑んだ。
気配は感じなかったのに。
そう身構えた彼女は、壁にもたれ掛かる人影をみて、なぜ気配が無かったのかを悟る。全身をアザだらけにした少年が、目を閉じ力無く手足を投げ出している。
ぴくりとも動かない。なんのことはない。気配を発することも無くなっているのだ。
「……っ」
乾ききってしまいそうな唇を噛む。きっと、こういったことは珍しくもないのだろう。マリアは、それでも少年に駆け寄っていた。
もし少しでも望みがあるのなら。
「……っ、息がある……」
マリアは、一も二もなく聖者の力を行使した。清廉な光が路地裏の暗い闇をかきけし、少年の傷をいやしていく。
「……ぁ」
少年の口が動く。その時!
「なんだ今の光は?」
「おい、見てこいっ」
そんな声が聞こえた。光を不審がられたか、すぐに逃げなければ、と考えるマリアに、しかしまだ回復しきっていない少年を捨て置けないとブレーキがかかる。
そして、屈強な男が角から姿を表した。遮蔽物は無い。
「……、なんもねえな」
そこには、誰もいない暗い路地裏があるだけだった。
◇◇◇
「行ったか、バカで助かった」
がこん、と、壁の煉瓦のズレを直した少年にマリアは頭を下げた。
「……助かりました、ありがとうございます」
「……、は?」
少年は、マリアの言葉に心底不思議そうに首をかしげた。マリアにとっては、壁の煉瓦を外して屋内に避難させてくれた彼に当然の感謝を告げたのだが……。
「これでチャラだ。それでも感謝してくれるってんなら金でもくれよ」
「……」
息を呑んで、マリアは首を振った。この島の貨幣を持ち合わせてはないし、それが彼の救いになるとも思わなかった。彼の矜持をそれで踏みにじる事になる気がした。
「あんた、……猟兵とか言う奴か?」
「……はい」
警戒しながらもマリアは頷くと、少年は呆れたようにため息をついた。
不用心だと言いたいのか。ともかく「じゃあ、あれをぶちのめすんだな」と少年は、マリアにこの島のコンキスタドールについて、情報をくれたのだった。
「せいぜい死なないようにな」
と少年は対価も求めず、体を引きずるようにして、はやく行けとマリアに促すのだった。
成功
🔵🔵🔴
甘・エビ(サポート)
シャーマンズゴーストのシャーマン×闇医者、93歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、覚醒時は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「はあー、こいつはまたイカれた島だなぁ!」
どっかの世界の、疫病を退けれそうな風貌をしたシャーマンズゴーストが、怖いもの知らずという様子で、通りの往来で喧嘩をしているらしい、人だかりに近寄っていき、大声を吐いた。
「ああん!? んだテメエ!」
「おっと、なんだ死にかけてるじゃねえか」
向けられる突沸したような殺意の視線も意に介さず、人混みの向こうで喧嘩に勝ったらしい海賊が、負けた方を足蹴にしている光景を見て、人混みに割り入っていく。
「むむ!」
エビは、じいと足蹴にされた男を見つめる。なんというか、虫の息であった。
そんな状態の男をまじまじと見つめるものだから、すこし気味悪く勝った男も遠巻きに見ていると、エビは唐突にその男を担ぎ上げると、近くの店に運び込んだ。
そして、机に男を寝かせ、店員を外に出させると扉を閉める。
どこから取り出したか、『治療中』と書かれた看板をその店の戸に掛けて数秒。
「お、……っえ、は? や、やめろ!! てめえ、それで何す、え、いや! 嘘だろやめ、あ、……あぁあああああああ
!!!!」
ギャリリ、ゴギャ、ガシュブシャ、ゴリゴリゴリ、ギギギ。
瀕死だったはずの男の声とは思えない大声、恐らく死力を振り絞った抵抗だったのだろうそれと、なんだか明らかに穏当ではない奇怪な耳を塞ぎたくなる音が響いて。
「ふう……」
額の汗をぬぐうような仕草と共に、なんか血しぶきがめっちゃついているチェーンソーを持ったエビが出てきた。
(ヤった)
(絶対ヤった)
(百割ヤった)
それを見た観衆の意見が一致するその瞬間、彼の後ろから、訳がわからないという表情の、先ほど担ぎ込まれた男が、五体満足でそこに立っていた。
「怪我人がいたら治してやるぞ」
静かなどよめきが広がる中。エビは群衆にそう告げた。
(アレを受けるのか?)
と群衆が思う中で、エビは来るだろう患者から情報を聞き出そうと考えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
大豪傑・麗刃(サポート)
まじめなこと『だけ』はやりたくないのだ!
いかなるシリアスな場面でも最低一か所はネタを挟みたい。ダジャレ、奇怪な言動、一発ギャグ、パロネタ、メタネタ等何でもよい。ただまあ一応状況をちゃんと前進させる意図はあるので、状況が悪化するような行為は……本当に悪化するならやらない。一見悪化するけどネタとして許されるならむしろやりたい。場合によってはギャグを『変態的衝動』に繋げて身体能力を強化し無理やり状況の改善を狙う事も。
あまりに超どシリアスな雰囲気のため、ギャグなんか絶対に許さないとMSが判断するのなら、シリアスオンリーも一応できなくはないがその時は頭痛が痛くなるのだ(強調表現としての二重表現肯定派)。
彼は大豪傑であった。
いや、名前が大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)という事ではあるのだけれど、しかしまあ、なんというか、こう、ドシリアスな空気に放り込まれても、大豪傑らしく大豪傑な感じになってしまうのだ。
つまりどういうことかというと。
「やあやあ! 我こそは、大豪傑が当主にして猟兵! 大豪傑・麗刃である!」
こういうことだった。
でも、以外とバレない。馬鹿がなんか面白い芸でもやっているものとして、海賊達はやんややんやと麗刃を囃し立てるもので『猟兵を名乗ってるけど、絶対違うだろ』としか思えない空間が出来上がっている。
「よくぞ集まってくれた! みなに聞きたいことがある!」
ゲラゲラと笑う声がかえるので、無視して麗刃は声を張り上げる。
多分、了承なんだろうという考えだ。
「この街を監視しているというその物の情報を聞かせて欲しい!」
そう問いかけると、酒によっているのかワイワイと四方八方から情報が飛んでくる、そんななかで。
巨大な樽が宙を舞った。それは猛烈な勢いで麗刃へとむかい、閃いた刀に真っ二つに別れて転がっていく。
「辛抱たまらず出てきたか、悪党!」
さて、悪党ばかりの島で、誰のことかと見ればそこには、漁師のようにも海賊のようにも見える男が立っていた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『メガリスに狂う男たち』
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POW : ハトウカトラス
自身の身体部位ひとつを【海水の刃】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
SPD : ケンカコンフリクト
【粗雑な肉弾戦】による素早い一撃を放つ。また、【水に濡れた服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : ウズマキジャベリン
自身に【海水】をまとい、高速移動と【拳から水流のドリル】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
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それは住民や海賊に紛れていた男達だ。
彼らは、目にメガリスのいびつな光を湛え、猟兵達に立ちはだかる。
彼らの主を守るため、この島の支配を守るため。
◇◇◇
第二章は男たちとの戦闘です。
ご自由に。
プレイングお待ちしています!
白羊郷・浅未
この島の人たちがゆっくり寝れないのは、おじさんたちのせい?
そっか、じゃあ……頑張らないと。だね。
UCで攻撃。
毛布で防御【オーラ防御】しながら、綿雲羊に突進で吹き飛んでもらうよ。
もし近づかれたら、毛布にまとわせたオーラから【催眠術】【誘惑】で攻撃をそらさせて回避する。
それで、動きを鈍らせたところを数で押し流すよ。
それが終わったら、ボスに直行だよね。なんだか懐かしい感じがしたけど、これでお別れだ。
◎☆アドリブ歓迎
「ははは! ちびっこいのがあの猟兵だなんてなあ!」
笑う男に白羊郷・浅未(眠れる仔羊・f30484)は眠たげな眼で、それらを見つめていた。
「この島の人たちがゆっくり寝れないのは、おじさんたちのせい?」
「あ? そうか、そうだな」
一瞬男達は呆けて、そしてまた笑いだした。
そんな当たり前のことを、ということだろう。
「そっか、じゃあ……頑張らないと。だね」
浅未がそう言った瞬間、実に66匹もの綿雲のような体に角を持った羊の群れが現れたのだ。
それらは、男達を押し流さんばかりに突撃を仕掛けていく!
それは一度ならずも切り返し何度も男達を襲うのだから、さしもの彼らも笑ってはいられないようだった。
仲間が角に貫かれて死にゆく中で、羊に拳を叩き込みながらもしかし数は減らない。
「……あのガキ」
浅未が、倒された羊を片っ端から補充しているのだ。これではじり貧だと悟った男達は、羊の迎撃ではなく、浅未への直接攻撃へと方針を変えた。
だだだ! と一斉に駆け寄る男達。その大半は羊の猛攻に貫かれ絶命するも、生き残りが浅未へと飛びかかった!
海水を全身に、拳にドリルと化した渦を纏った攻撃が、浅未へと襲いかかる、が。
「――な!?」
「ごめんね」
ひらりと、毛布が舞う。虹色の光を纏うそれは、催眠術の技能によって男の攻撃の目測をずらしていたのだ。
つまりは、彼が殴ったのは、浅未の幻影。地面を穿っただけの拳を再度握るよりもはやく。
「……ここはちょっとだけ懐かしい感じがしたけど」
欲のままに抱かれ、その腕で眠る、その温もりや寂しさ。そう言ったものがここにはあって、それが心地よくもあったけれど。
「お別れだ」
呟きを聞いた直後。
男が羊の角に貫かれて、宙を舞っていた。
大成功
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有栖河・鏡
さぁて、お次は愉しい愉しい狩りの時間だぜ?
昂らせてくれよ、いきり勃つくらいによぉぉ!!
抜刀の構えで勢い良く【切り込み】をかけ、敵の位置を完全に【見切り】【颯】の【暴力】的な剣で次々に敵を【部位破壊】し手脚を【切断】していく。
くひひひひッ!
痛いかぁ?辛いかぁ?じわじわ嬲られて死んでく気分はどうだぁ?
反撃には【野生の勘】で反応、【咄嗟の一撃】で【武器受け】して返す刀で【串刺し】にしてやるぜ。
さぁて…死んでないヤツは命乞いしな、可愛がってやる❤️
命乞いしてきたヤツは【踏みつけ】て【トンネル掘り】でたっぷり慰みものにしてやるぜ。
アドリブ大歓迎だぜ
振り下ろされた拳を、刃が両断する。そのまま骨を通し肩を切り飛ばして、有栖河・鏡(悪に咲く狂刃・f22059)は吠えるように笑う。
「さぁて、お次は愉しい愉しい狩りの時間だぜ?」
「お、うぐああああ!!」
「昂らせてくれよ、いきり勃つくらいによぉぉ!!」
腕を真っ二つにされた男が絶叫する、その片脚を真一文字に切り飛ばせば、ひざの下で地面を踏みしめた脹脛を残して男の体は地面に倒れこんだ。
鮮血が地面を染める。四肢、などとは言うそのうちの二分の一を失った男は、メガリスの影響か、その意識を手放すことなく鏡を見上げている。
その剣は、相手の命を奪うことにあらず、その魂を嬲ることにこそ重きを置いたもの。
殺人鬼、というものがこの世にあるのなら、きっとそれは彼を指すものなのだろう。
「くひひひひッ!」
いくつもの屍を転がして、鏡は心から楽しそうに笑う。
「痛いかぁ? 辛いかぁ? どうだ、じわじわと嬲――」
「――ッ!?」
「息はもう少し静かにしろよ?」
言葉の途中で背後へと刃を突き出した鏡は、手に返る鉄を弾く感触と同時に、背後に迫っていた男の口に人差指を立てて、静かにとジェスチャーをする。
ごぷり、とその唇から赤い液体が零れ落ちていく。水の刃を弾いた直後、鏡が貫いた気管支から溢れた血が咳とともに喉をさかのぼっているのだ。
突き放すように、その胸を押して鏡はその体を切り捨てて、蹴り離す。
すると、汚い声が上がる。
「グ、が!!」
すでに息絶えたその体は声を発さない。そのこえはその死体に下敷きになった、腕と足を片方ずつ失った男から発せられていた。
それは、逃げようとしたのか、腹ばいになって、背に落とされた死体をのけようともがいている。
「なあ、嬲られて死んでく気分はどうだぁ?」
「ひ、ぃ、たす、け……」
「ああ、いいぜ」
血に濡れた刃を男の顔の傍に突き立てて、死体を蹴り退かせた鏡が問う。その背に脚を乗せて、もう逃げられはしない男に笑う。
「は、え……?」
「それじゃあ、……存分に可愛がってやる❤️」
逃げる方法もなく、ただ見逃すというような返事を返した鏡に一縷の望みを抱いた次の瞬間に、激痛と己の矜持がすべて引き剥がされるような衝撃が襲う。
「……逝っちまうまで、な」
鏡の唇を、真っ赤な舌が覗いて消えた。
大成功
🔵🔵🔵
ジーク・エヴァン
【パンドラ】
到着が遅くなってしまったけど、どうやら海賊どものアジトも見つかったみたいだね
(周囲の惨状を見て)
……下衆どもが
女を、自分の欲望の捌け口にしているだけの欲望の塊ども
お前達の宴も、ここで終わりだ
周囲の女の人達に多重詠唱した結果術を施そう
…戦闘音も、これからの惨状も見えないように強力に施しておこう
もう彼女達は、十二分に傷ついたんだから…
そうしたらシグさんと一緒に竜眼の盾を構え、盾受けと結界術で海水の刃も拳の一撃も防ぎながら突撃し、鱗裂きの二回攻撃を決める
海水を纏った高速移動か
なら、【滅竜戦装】のスピードで上回ってやる!
……お前らの命なんて、グラムに喰わせてやる気にもならないよ……
シグ・ビョルソン
【パンドラ】ふん、酒と聞いてやってきたは良いものの。少し遅れてしまったようだ。 このビールも無駄に…勿体ない、呑むとするか。ジークも動くタイミングで俺も行くとするぜ。 盾を構えて手近なやつに突進し、そのまま押し出して海に突き落としてやる!メガリスか。別世界の友人が言うには何でも切れる水の刃に似ているな。しかし、俺も負けられん。UCを使って防御し、直後前に踏み出して頭突きをしてやるか。勢いをこちらに寄せたなら怪力に任せて剣を振るうとするか!安心しろ、死ねばヴァルハラに行ける。葬送の酒もある!それとも、狼の牙(トラバサミ)がお好みかな?はぁ!頭に被せてやるぜ!狼の牙の冠だ!良かったな!
怒りに満ちていた。
「……下衆どもが」
この街の、いや、島の惨状を見て鎧を身にまとう少年は、怒りに声を震わせる。
少し出遅れてしまったことを後悔しはしたが、思えばそれは正解だったのかもしれない。
幼い子供から大人まで。この島の住民が、ただ、海賊の欲望の捌け口となって虐げられているこの日常を見て、ジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)はただ純粋に任務を全うしようとなど考えられはしなかっただろうから。
足を踏み出す。鎧が彼の怒りに火をともす火打石のように高鳴る。
「おう、行くか?」
「はい」
堅く、頷いたジークにシグ・ビョルソン(ヴァイキングス・ウォーロード・f29414)は、腰かけていた樽から降りて大剣を片手に握り、椅子代わりだった樽を名残惜し気に見返した。
「これも無駄になるな……」
中身は上等なビールだ。懐柔のために工面したものだが、どうやら役に立つことはないらしい。
「勿体ない、あとで呑むとするか」
実はというと、あまり味見もしていないのだ。あまり手の出しにくい値段帯のものであるからして、惜しい。不要になったならもらい受けても問題ないだろう。
「てめえらもあいつらの仲間か!?」
吠える青髪の男に、ジークは冷ややかに視線を返す。
監視の目であるオブリビオン。海賊たちにとっての味方であるそれの登場で調子づいたのだろう、遠巻きに見ている海賊が、おびえている女中の腰を掴み引き寄せる。
「……きゃッ」
「グ、あ!?」
だが、その瞬間。まるでその手が見えない何かに弾かれるように、海賊と女中が反発しあった。いや、むしろ海賊の体が弾き飛ばされたというべきか。
「それ以上、この島の人たちに触るな……お前達の宴も、ここで終わりだ」
ジークが見つめていたのは、コンキスタドールではない。その向こうにいた海賊や、彼らに虐げられる人々だ。
目に見える範囲。そのすべての島民にジークは多重結界を張り海賊の汚れた手から遠ざけたのだ。
「……チ、この!」
その力量を推し量ったコンキスタドールはもはや問答の暇もないと悟ったのだろう。その動きが掻き消える。
その急制動に目が追い付かないほどの速度へと一瞬で至ったコンキスタドールがジークの目の前に迫る!!
「ははっ!」
だが、直後響いたのは、ジークの肉を、水流のドリルが抉る音ではなく、それを何かが弾く快音と、剛毅な短い笑いだった。
「――っ」
「どうした、隙だらけだぜ!」
シグが盾で、刹那の攻撃を弾き返した衝撃で無防備になったコンキスタドールへとシグが肉薄し、そして、その巨体を十全に生かした突進が防御すらもできないコンキスタドールに直撃した!
まるで大砲のように、海へと吹き飛ばされたコンキスタドールは、幾度か水面を跳ねた後に水底へと沈んでいく。もう上がってくることはないだろう。
だが、コンキスタドールは一体ではない。幾人ものメガリスに侵され狂った男が、波状攻撃を彼らへと仕掛けてくる。
弾き、捌き、しかし攻勢に踏み出せない連携に、二人は一瞬の目配せに頷き合う。
攻勢に出れないなら、まずは『完全に防ぐ』
「っらア!!」
シグが前に出て、振るわれる水の刃に身を晒す。防ぎきれない刃の幾つかがシグの肌を裂いて鮮血を吹かせるが、意には介さない。その数秒が稼げれば、それで問題ない。
「来たれ。怒りを剣に、決意を鎧に、希望を盾とし、我は滅竜の英雄とならん……!」
ジークの叫び。
竜滅の刃が吠える。黒き魔剣がジークの怒りに呼応し、茶色の髪が白銀の長髪へと変わり、鎧は黒に、瞳は金に。
深紅の宝玉が嵌められた盾をシグの隣に並び、構える。
コンキスタドールの攻撃が放たれる。
「……っ」
ジークとシグはその瞬間。前へ。盾を構えたまま踏み込んだ!!
◇◇◇
振るわれた拳が、タイミングをずらされ十全な威力を出せないまま、盾に押し返される。
ジークは、その瞬間、弾いたはずのコンキスタドールが視界から消え失せていることに気付いた。
そしてそのコンキスタドールがジークの背後へと迫らんとしている。その瞬間、背に生えた翼が羽ばたき、そして、視界が目まぐるしく回転し、そのコンキスタドールの背後へとジークは移動していた。
「……なッ」
コンキスタドールをも上回る速度。竜をも屠る魔剣が男の体を貫いていた。
◇◇◇
(水の刃、別世界の友人が言うには何でも切れる水の刃に似ているな)
それは強烈な水圧と細かな刃によって金剛石すら容易く削り取る刃。その内に猛烈な水流の巡りを宿した刃は、まさしくそれと似通ったものなのだろう。
「だが、負けられん!」
振り下ろされた刃に、シグは盾を正面に、それを受け止める。動きを完全に殺し、防御へと全身全霊を傾ける姿勢。それももう片方の相手はジークが受け負っているとなれば、だれがその防御を崩せるものか。
専防の構え、それによって水の刃を弾いたシグは、直後、一歩踏み出した。彼は盾を持ち剣を握るが、しかし、騎士ではない。
ヴァイキングだ。
故にそこに剣の道はなく、あるのは戦いの道。つまり、使えるものは何でも使う。敵の脳をたたく最短最速の一撃。それは。
頭突きだ。
容赦なく兜をコンキスタドールへとたたきつけたシグは己も頭に衝撃が走りながらも、体制の崩れたコンキスタドールをその剣を怪力で振るい、体を両断してのける。
「安心しろ、死ねばヴァルハラに行ける。葬送の酒もある!」
「このッ!!」
「はは、それとも狼の牙がお好みかな?」
弔いの言葉もそこそこに、飛び掛かってきたコンキスタドールの攻撃を弾き、何か鉄の輪のようなものを被せる。
トラバサミ、バネによって無数の牙を食い込ませる罠が直接コンキスタドールの頭部へと作動し、余りある威力に脳漿がはじけ飛ぶ。糸を失った操り人形のように崩れ落ちたコンキスタドールを足蹴に海へと叩き込みながら、シグは剣を空に突き上げる。
「目指すは、この島の主、その館だ! 遅れるなよ?」
「ああ、絶対に――解放してみせる」
立ちはだかるコンキスタドールを蹴散らしながら、彼らは一直線にその館へと向かっていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『紅のフラップテイル』
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POW : ランバリオン
戦闘中に食べた【酒】の量と質に応じて【酔えない怒りで】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : Hangover!
【意識を混濁させる呪われたラム酒】が命中した対象に対し、高威力高命中の【怒りのこもったラッパ銃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 泥酔の杯
【杯から呪われたラム酒の雨】を降らせる事で、戦場全体が【泥酔している様な状態】と同じ環境に変化する。[泥酔している様な状態]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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足りない。
幾千滴の美酒で腹を満たしても、欲が満たされることはない。
足りない。
幾万樽の駄酒で喉を焼いても、酩酊に浮かれることはない。
足りない、足りない、足りない、足りない!!!
酒精の香りが漂う。
ラム酒のかぐわしい香りが、あたりを充満している。
それでも酔えもしない絶望が、彼女を狂気へと走らせていた。
獣と化して、欲を求め続ける。
『紅のフラップテイル』
そのためならば、島一つ地獄にして見せよう。
◇◇◇
第三章、紅のフラップテイルとの戦闘です。
島に充満する酒の香り、その元凶です。
この香りに触れ続ける限り、常に猟兵達は軽い酩酊状態になります。
ではプレイングお待ちしています!
白羊郷・浅未
◎☆アドリブ歓迎
ふわふわ……、あんまり好きじゃないな……
ふわふわすると、変な感じになって、分かんなくなるから。あぅ。
むずむずする体を押さえながら、綿雲羊の突進を仕掛けるよ。
あんまり動いたら気持ち悪くなっちゃう。
いま、だめだ寝ちゃいそうになる……、『生まれながらの眠り』で酩酊を解除しながら、寝落ちしないよう戦うね。
みんな、気持ちよく寝られないんだ。そうだよね、こんなにお酒のにおいがいっぱいだったら、ちゃんと寝れないもん。
終わったら、帰る前にゆっくり寝ようかな……お願いしたら、島の人一緒に寝てくれるかな……
怪我してる人とかいたら一緒に治してあげるね。
「ふわふわ……、あんまり好きじゃないな……」
白羊郷・浅未(眠れる仔羊・f30484)は、あたりに漂うラム酒の香りに、くらくらとする頭をどうにか動かして、その女主人の前に立っていた。
「……あんたらが猟兵かい」
「あなたがこの島のボスさん?」
互いに質問をぶつけ合う。
浅未は朧気な思考でどうにか言葉を紡ぐだけだが、この酒気にあってもひとつも揺れない女主人はただ、そうかいと頷いただけだった。
そして、彼女が浅未へと銃口を向けた瞬間。どこからともなく現れたのは綿雲羊の群れがフラップテイルへと殺到していった!
◇◇◇
むずむずと全身が逆撫でされるような感覚に苛まれながら浅未は、襲い来る眠気に耐えていた。
(みんな、気持ちよく寝られないんだ)
体を休めるように、眠気に回復しながら、しかし寝落ちをしないように意識を保ち続ける。
(そうだよね、こんなにお酒のにおいがいっぱいだったら、ちゃんと寝れないもん)
島の人達が、疲弊しきっているのは、この環境もあってなんだろう。このフラップテイルが、その杯から振り撒く酒を止めない限り、ここに安寧はない。
ゆっくりと眠ることもできないのだ。
だから浅未は耐える。
終わったら存分に寝るんだ、という夢を見ながら、浅未へと放たれたに庇うように飛び込み、銃弾に貫かれる綿雲羊をさらに召喚し続けていく……。
◇◇◇
「ん、ぅ……」
そんな夢を見て浅未は目を覚ました。
「……すう」
と名前は聞いたかどうか、島の男の人が隣に眠っている。裸でふれあう肌が暖かい。
浅未は、細い幼い体を傷の癒えた男の胴体に寄せる。寝たままで浅未の体を求めているのか、手が柔いしりを撫でるのに浅未はその胸板をついばんで、もう一度眠りに落ちるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
大豪傑・麗刃
◎☆
なんだろうその他諸々って。まあいいや。
さてサポートに拾われたのも何かの縁。筋肉モリモリマッチョマンの変態を掃滅……って!もう終わっているではないか!よもや半日もたないとは思わなかったのだ!
んで?こんな弱い部下しか持ってないのはきみか!きみはなんか怒ってるようだが、わたしはわたしで第二章のEXPとWPを取り逃したのだ!
わたしも怒ったのだー
!!!!!
(スーパー変態人発動!!)
右手に刀2本!左手に脇差2本(にしては大きすぎるバスタード・ヒーロー剣)!んで真っ向から突撃し全力で叩き潰すだけなのだ!
とっととやられてEXPとWPをよこすのだ!
(ところどころ発言が意味不明なのは酔ってるからだろうたぶん)
「はっはっは!」
大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は腕を組んで、高笑いする。
「助力を請われたからには仕方ないなあ! では、筋肉モリモリマッチョマンの変態を掃滅するとしようではないか! ……と思っていたのにっ
!!!!」
なんかもう『く』の字を超えて『の』の字くらいに仰け反っていたところから、がばあ!!とバネで跳ねるように前かがみになって叫んでいた。
「もう終わっているではないか!!」
大豪傑が大豪傑らしいところを見せて大豪傑快刀乱麻でばっさばっさ大豪傑みを大豪傑しようと思っていたのに。
なんかもう全部終わってるのだ。
時はすでに第三章。ボス戦である。
「こんな弱い部下しか持ってないのはきみか! どうせなら青丸が20個ほど必要なくらい強い部下を集めてろと!」
「……あ?」
「きみはなんか怒ってるようだが、わたしはわたしで第二章のEXPとWPを取り逃したのだ!」
見るからに「鬱陶しいなこいつ」みたいな邪険な目で睨みつけるフラップテイルに、麗刃は怒りをさらにヒートアップさせていき。
「わたしも怒ったのだー
!!!!!」
全身にオーラがみなぎる。
「うおおおおおお
!!!!」
気合を入れ、すごいオーラで髪が逆立ち、金色に輝き始める!!
それになんだか目が吊り上がって、線が太くなって何となくキャラデザあたりが国民的漫画とかゲームの、というかそれ、あの大作家である鳥やm
◇◇◇
「ぐッ!! ふざけた真似しやがって」
右手に刀2本!
左手に脇差(にしては大きすぎるバスタード・ヒーロー剣)2本!!
どうやって持ってるかは絵師さんにお任せするとして、ともかく、それを振り切った姿勢で、麗刃は、ふ、と息を吐いた。
壁にめり込んでいたフラップテイルが、悪態をつく。何ということはない、真正面からつっこんで振り抜いてかっ飛ばしただけなのだが、適当にあしらってやろうとしたその予想よりも強烈な一撃だったのだ。というのも、その秘訣は、今の彼の姿勢にあった。
ちなみに、麗刃は壁ではなく床にめり込んでいる。突っ込むときに思いっきりずっこけて、全体重と勢いが乗った攻撃が出た。
そういうことだ。
「さあ! とっととやられてEXPとWPをよこすのだ!」
鼻高々に言いながら、逆立った髪が床に刺さって抜けないのをどうにかしようと悪戦苦闘する、この床は難敵だろう。
戦いはまだ始まったばかりだ。
大成功
🔵🔵🔵
有栖河・鏡
酒臭え…確かに酒はクセになるのは分かるぜ。
だがよ…血の味と香りはもっと酔えるんだぜ?
【意馬心猿】を発動、酒の匂いと酔いに負けねぇくらい心を狂気と欲望で満たして【切り込む】ぜ。
遅ぇ遅ぇ!酔っ払いの攻撃が俺様に当たるかよ!
【野生の勘】によって弾丸の軌道、酒の一滴まで完全に【見切り】回避、或いは【咄嗟の一撃】で切り払い【武器受け】で防ぎ切るぜ。
斬り刻んでから可愛がってやるよ、テメェのお仲間みたいにさぁ!
強化された【我流の剣技】で敵の四肢を【切断】【部位破壊】、終いには刀で腹を【串刺し】にして壁に縫い止め【グラップル】で組みつき欲望が赴くまま【暴力】を振るい【トンネル掘り】してやる。
アドリブ歓迎だぜ。
「酒臭え……」
億劫な溜息をついて、有栖河・鏡(悪に咲く狂刃・f22059)は腰とスカートを揺らして、腰に手をやった。
鏡とて、酒の味は分かる。酔う心地よさも知っている。
だが、別段、鏡は酒に強い執着を持ってはいない。というのも、それよりも心地よさを味わえる、いわば酒ならぬ美酒を知っているからだ。
血。
「知ってるか? 血の味と香りはもっと酔えるんだぜ」
「いいや、これ以上にいいものなんてありゃしないね!」
「キハッ! そりゃ残念だなあ!」
体内から吹き荒れるような禍々しい黒い闘気を発して鏡は、フラップテイルへと駆け抜けた。
「残念なのは、あんたの舌さ!」
鞘を投げ捨てるように、抜刀しながら肉薄する鏡に振るわれた杯からラム酒が波のように溢れ出した!
カーテンのように迫る酒。その香りに明らかに触れるだけで酩酊の虜になってしまいそうなそれに、足を止めるのではなく、それを潜るように滑り込む。体を捻じる様にして床を腕で弾いて頬に触れそうな水滴を避けると、捩じ上げた刀で地面に跳ねたしぶきを薙ぎ払った。
「……っ」
フラップテイルはラム酒を潜り抜けた鏡に、ラッパ銃の銃口を突き付けるが、その引き金が引かれて弾丸が跳ねた瞬間には、鏡は既にその軌道を躱していた。
「斬り刻んでから可愛がってやるよ、テメェのお仲間みたいにさぁ!」
三つの剣閃が駆ければ、足と腕がはじけ飛ぶ。支えを失ったフラップテイルの胴体を刃が貫いて、四肢を損じたフラップテイルを壁に縫い留めた。
瞬間。
「……っ!」
鏡は、ラム酒の香りに危機を察知していた。
瞬時に、刀を捻じり、突き込んだ刃で腹をかき混ぜるように抉りこんでは、刃を抜き去って飛びずさった。
「ったく、鼻が曲がる」
強烈な酒気とともに、地面に落ちた杯からこぼれたラム酒が、フラップテイルの四肢に渦を巻いて、再生するように肉へと変わっていく。
そして、数秒もたたずに、フラップテイルは手足を取り戻し、その手に杯を掴んでいた。それは祝福というよりは、決して手放せぬ呪いにしか見えず。
「……殺す、絶対にあんた達は、生きては返さない……!」
あふれる血潮をそのままに、フラップテイルは憎悪の視線を猟兵達へと向けていた。
鏡は、嫌悪の混ざる視線で舌打ちを返したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シグ・ビョルソン
【パンドラ】親玉は、あいつか。
ジークの怒りも収まらないようだな。
俺もちょっとばかし手ぇ出してやるとするか。
その前にヴァイキングのビールをちょっと一杯いただくぜ?さぁ、やろうじゃねえか!死闘をな!
奪取のルーンのおかげで奴に攻撃を当てれば回復するってもんだ。殴られたら殴る、銃で撃たれれば頭突きで返す!疲れは忘れたって感じだな!いつまでも動けそうだぜ!なぁ、おいお前!いつまで捌き切れるんだ?どこまでやれるんだお前ぇ! はぁ!
俺かジークが相手に有効打を当てた直後、さらに一撃加えてやるぜ!そして近くに地面にギロチンを投げて設置しそのまま体を押し付けてやる!これがUCよ!さぁ、ジーク。トドメを刺してやれ。
ジーク・エヴァン
【パンドラ】
ッ!酷い酒気だ…
お前がこの島を地獄にした海賊の頭か。
お前も、竜と同じだ。
人の痛みを喰い物にする化物だ。
お前の罪は、ここで俺達が裁く!
グラムで俺の掌を斬りつけ、痛みで意識を覚醒させる。
この程度、島の人達が受けた痛みに比べれば…!
それにその程度の怒りだと?
嗤わせるな!教えてやる…奪われる者の怒りを!
グラム!【滅竜戦装】!
奴の酒も怒りも全て高速移動で避ける。
シグさんが死闘の末に奴を止めてくれた!
ありがとうございます!
この隙に、角砕きの部位破壊とグラムの生命力吸収の二回攻撃で貴様の欲望ごと喰らい尽くす!
泡立つ黄金を喉に流し込む。ゴグゴグと数回喉を流して、杯に並々に注いだビールが瞬く間に空になっていく。
「……ぶはあっ」
豪快にビールを飲みほしたシグ・ビョルソン(ヴァイキングス・ウォーロード・f29414)が杯を投げ捨てたのを見て、フラップテイルは舌打ちと共に睨みつけてきた。
「挑発のつもりかい」
「ああ、酔えないんだったか、そいつは悪いな」
目の前で、この酒気の中で更に酒を呷るという行為に、怒りを昂らせるフラップテイルに、しかしシグは、肩をすくめて笑うだけ。
なにせ、彼の隣にそれ以上に怒りを露わにしている男がいる。
「……お前がこの島を地獄にした海賊の頭か」
なれない酩酊に、眩む頭でかの悪逆を睨みつける。
「お前も、竜と同じだ。人の痛みを喰い物にする化物だ」
ふらつく足で一歩進む。まるで波の悪い船の上にいるようだ。
「お前の罪は」
もうろうとする意識に、ジークは魔剣グラムの刃を握りしめた。手甲の布を破った刃に、血がしたたり落ちる。痛覚が燃えて胡乱に揺れていたジークの瞳がはっきりとフラップテイルにピントを合わせる。
この程度の痛み、島の人達が受けた痛みに比べれば何のことはない。
「ここで――俺達が裁く!」
滴った血液を払うように、体の横にグラムを振り払ったジークの鎧が黒に染まっていく。その髪がすべて銀に代わるよりも早く。
そんなもの待てはしないと、一秒たりともこの元凶を野放しにできないと、音を置き去る様に竜騎士が駆ける。
その動きを追おうとしたフラップテイルの視界に。
「さぁ、やろうじゃねえか」
「……ぐっ!?」
シグが突進する。
失った四肢の代わりに生まれた酒の爪が、シグの顔に横三本の深い傷を抉り、血しぶきが舞う。
口に流れ落ちる血をなめとって、鉄の味にシグはにやりと笑う。顔面を切られた。燃えるように痛む。それも酩酊の中に落とし込んで、滾る熱に笑っていた。
「――死闘をなァ!!」
さらに踏み込む。重厚な大剣が振り下ろされ。
爪が、盾が、銃が、兜が。互いに弾くことなく、数秒の間に何十もの攻防を繰り返す。優勢はフラップテイルだった。その爪が、銃がシグの体にいくつもの穴をあけ、全身を血に染めたシグは、赤でぬめる足場で果敢にも攻め立てる。
だが、悔し気に顔をしかめるのはフラップテイルだ。
(……っ)
いくら怒りに心頭していたとしても気付く。フラップテイルの付けた傷が治っている。いや、シグの攻撃が触れた瞬間に、僅かにその傷がふさがっていく。もう顔の傷は薄く痕が残るばかりだ。
「はっ! なぁ、おいお前! いつまで捌き切れるんだ?」
「くそッ」
今度こそあからさまな挑発、一度身を離し、体制を整えようと身をひるがえす。
「――」
瞬間魔剣グラムが、フラップテイルの首を狙う!
「ぐ、おああッ!」
腕を振り上げ、ジークの剣は首ではなくその腕を切り飛ばす。跳ねた腕は、腕としての役を終えたからか、元の酒へと戻りジークへと降り注いだ。
「く、ッ」
飛沫の上を飛びぬけ、斜めに急降下して地面を蹴り上げ、バウンド。
「そら、がら空きだッ!!」
そして、その隙に距離を詰めたシグが、もう一方の肩を大上段から振り下ろした一撃に打ち払う!
両腕を失したフラップテイルが、ラム酒の杯から新たな腕を手に入れるより先に、シグの盾による殴打がフラップテイルに直撃する。
そして。
「ぐぅああああッ!!」
たたらを踏んだそこには、メガリスに侵された男の頭蓋を喰らい潰したトラバサミ。
それに脚を噛みつかれたフラップテイルは、そこで致命的な隙を晒していた。
(今……!)
酒の一滴すら避けきったジークが駆ける。
シグの作った隙に飛び込む。その好機を、シグの作った傷を無駄にはしない。
背に負っていた鉄塊剣を引き抜き、尋常ならざる速度で駆けたジークの一撃が、フラップテイルに吸い込まれる。
旋回突貫し、二剣を横薙ぎ過ぎたジークが勢いをそのままに振り返る。
その一撃は、フラップテイルの体へとX字に剣閃を刻み、ひび割れた杯と共に砕け散る。爆発するように飛び散ったのは、血液ではなく、ラム酒そのもの。
だが、その酒はもはや何の力もなく、空中に霧散していき。残ったのは、酒気の消えた清らかな空気だった。
◇◇◇
コンキスタドールの支配は解かれた。この島の悪習を継続しようとする海賊もいるだろうが、猟兵が関与していると分かれば、身を引いていくだろう。
今すぐに、とはいかないだろうが、酔いから醒めた人々はゆっくりと生気を取り戻していく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵