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狂信兵団

#UDCアース

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#UDCアース


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「世間はバレンタインだってのによ。俺達ゃ色気の無ぇ化け物探しか」
 UDC組織によって監督されている発掘現場。この寒さに、愚痴の溜め息も白い。
 その何でもない会話も、突然鳴り響く警報にかき消された。
「今度はどこの教団だ?」
 尤も、警備員や作業員達も慣れたものと見え、慌てず素早くUDC組織謹製の防護装備を身に付けて行く。
「なぁに、俺達の対呪詛装備は完璧さ。邪神が来たって返り討……」
 最後まで話すこと無く、警備員は事切れる。その頭部を弾丸が貫いたのだ。
「なッ……ここは日本だぞ!?」
 驚愕する警備員達に、小機関銃の弾丸が浴びせられる。
 程なく現場は血に染まり、命の気配は消え去った。

「失態ではあるが……惨い事を」
 何時にも増して苦々しい表情の馮・志廉(千里独行・f04696)は、集った猟兵達に語りかける。
 予知した現場は、東海地方の某所。邪神に関する遺跡の発掘調査が行われていたのだが、その発掘隊が、教団の襲撃を受けた。
「警備隊はおろか、非戦闘員の発掘隊まで全滅だ」
 ギリ、と歯噛みする志廉。
 襲ったのは教団と言っても、表向きには民間軍事会社を装う団体。
 その戦力は、現代的な軍隊のそれに劣らぬものを持っている。
 さらに厄介なのが、その主力部隊がオブリビオンで構成されている事だ。
「お陰で法をすり抜け、日本で堂々と破壊活動と言うわけだ。放ってはおけん」

 発掘現場から邪神召喚を行うオブジェクトを強奪した教団は、都市部で完成間近のビルを占拠し、その屋上で邪神復活を行おうとしている。
 追っ手に気付き警備を行う兵士達を突破し、邪神を討つのだ。
「復活するのは、雷穹龍と呼ばれる邪神だ。元は俺の故郷から来ている様だな」
 志廉の予知では簡易的な儀式を行うらしく、復活そのものを阻止するには間に合わない。
 しかし、雷穹龍が暴れる前に確実に仕留めなければ多くの犠牲者が出るだろう。

「無事に解決できれば、丁度街中だ。UDCアースの文化を見てみるのも良いだろう」
 日本のバレンタインというやつは俺もよく分からんが、と志廉は呟き、転移の準備を始めた。


鉄錆
 鉄錆と申します。
 今回は完成間近のビルの内部を、兵士達を倒しながら駆け登り、屋上で復活する邪神との戦闘となります。
 ビルはそれなりに高層、無人であり未完成のためエレベーター等は動いておらず、セキュリティもありません。
 格好良い戦闘プレイングを行うための舞台装置としてお使いください。建物の損害はUDC組織が何とかします。たぶん。

 戦闘後はバレンタインフェア等で賑わう街でご自由に狂気を癒していただきます。
 志廉は第三章でお声かけがあった場合のみ姿を現します。
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第1章 集団戦 『歩兵』

POW   :    武器使用
【装備している武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    制圧射撃
【合図をして】から【機関銃による連続射撃】を放ち、【弾幕】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    援軍要請
自身が戦闘で瀕死になると【追加の兵士】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神原・響
まさか日本でここまで直接的に行動に出るとは……。

アドリブ、絡みOK
まずは、ビルの見取り図をUDC組織から入手。
次にUDC改造対物理狙撃銃・ティンダロスを使い、入り口付近の見張りの兵士をヘッドショットで始末します。死体に関しては、女王の影の茨を使い食べてもらいましょう。


波狼・拓哉
…どうやら遠慮はいらねーようだな。全力で押し通る…!
敵を発見次第ミミックを投げ込む。さあ、化け咆えな、ミミック!狂気と恐怖と破壊をばら撒きな…!あ、建物倒壊だけは避けるため柱だけには気を付けてね?壁は倒壊しそうにないなら別にいいや。
俺自身は衝撃波込めた弾やロープを使ってサポートに。相手の装備してる武器を撃って衝撃で弾いたり、ロープでひっかけたりして周りの味方やミミックが動きやすくなるように立ち回ろう。
(アドリブ絡み歓迎です)



「まさか日本でここまで直接的に行動に出るとは……」
 神原・響(黒の女王の契約者・f06317)は、事前に入手したビルの図面を元に、自らが取るべきポイントを割り出していた。
 響が手にするUDC改造対物理狙撃銃『ティンダロス』を使うのに、最適なポイントを。
 突入のためにも、それほどの距離をとるわけにはいかない。近くて、それでいて兵士達に気づかれず、射線が確保できる場所。
 そんな場所が都合良く在るのか?もちろん、在りはしない。
 だが、できる。響とその手の『ティンダロス』ならば。
 時折ビルの入口から外を伺う兵士。そう簡単に姿を見せはしないが……響は『ティンダロス』の弾丸を放った。この射線では入口は通り過ぎ、兵士には当たらないはず。
 しかし、そうはならなかった。放たれた弾丸はまるで生きているかの様にその軌道を変える。その銃に組み込まれた猟犬の本能が、見張りの兵士の頭部を貫いた。

 倒れ伏した仲間に気がつき、入口に駆け寄る兵士達。屈んでその死体を確認する兵士達の頭上を、箱が通り抜けた。
 ゴト、と音をたてて着地する、ただの箱。
 一瞬、それが何なのか判じかねて硬直する兵士達。しかし、彼らもその恐ろしさをすぐに知ることになる。
「さあ、化け咆えな、ミミック!狂気と恐怖と破壊をばら撒きな……!」
 箱の主、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)の声に応じ、ただの箱は、その姿を龍に変じ、恐ろしい咆哮をあげた。
 即座に反応し、銃撃を行おうとする兵士達。だが、龍が躍動する方が速い。ビルの一回部分をところ狭しと駆け巡り、次々となぎ倒して行く。
「あ!そっちは駄目だ!」
 拓哉の指示で器用に建物を要点をすり抜けてゆくミミック。拓哉自身もミミックの補助として立ち回り、一回部分はほぼ制圧できたか。

 階段を登ろうとする拓哉の背後で、銃を向けようとする者があった。かろうじて息があった兵士の一人が、最後の力を振り絞ろうというのだ。
 狙いを定め、後は引き金を――しかし、その指は動かない。いつの間にか己に絡み付いていた黒い蔦のようなものが、邪魔をするのだ。
 何事が起きたのかと周囲を見ると、倒れている死体にも、同様に絡み付き……しかも、喰われている。
 もう一度前を見ると、そこには長い黒髪の少女が、浮いている。この蔦……いや、茨はこの少女から伸びているらしい。
 今、自分も喰われている事を理解した兵士は、嗤う少女に絶望を覚えながら、事切れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メドラ・メメポルド
そう。
あなたたち、ひどいことをしたのね。
しかも、泥棒さんまでやっちゃったの?いけないひと。
なら、食べちゃってもいいよね。
メド、おなかがすいてたからちょうどいいわ。

【POW:ブラッド・ガイスト】
さあ、ごはんの時間よ。
右肩の月へ赤い血を塗って、わたしの身体を組み換えましょう。
くらげの腕も伸ばして、手を繋いで、串刺しにもして、
みんなみんな、わたしのごはんにしてあげましょう。
ええ、逃がさないわ、逃がさない。

心配いらないわ、今のわたし、ずぅっとおなかがすいてるの。
どんなに食べても、食べても、食べても、満たされないのよ。
だから、ねえ。
たくさんたくさん、食べさせてね。

あ、ちゃんとね、味方のひとは食べないわ。


才堂・紅葉
「まったく。久しぶりのUDCアースだってのに迷惑な連中ね」
アルダワの方では入手できない買い物をして帰るつもりだが、これはどうにもいただけない。

手早く行きたいので外壁にロープを引っかけ登攀。
窓から侵入し忍び足で内部を進入。見張りを避けつつ、敵兵が二人なら遠間から【シーブズ・ギャンビット】の一突きで一人を仕留め、もう一人も関節を決めながら柔術で声を出させずに仕留めたいです。
援軍要請を出せない立ち回りが基本です。
基本的にCQCで無音で仕留め、侵攻ルートを確保するのが基本ですが、他の猟兵が戦闘を開始したなら【援護射撃】します。
一人でUDCの相手はきついですから。
※アドリブ、連携歓迎


アルファ・ユニ
遺跡で銃撃戦…なんだか映画みたいでかっこいいなとは思うけど。駄目だよね非戦闘員まで無差別とかさ。その身をもって償って貰わなきゃ

大勢部隊、軍隊は連携が核。直接戦うより内部崩壊を誘発した方が効果的だよね?戦っている猟兵の後方で目立たないように立ち回り、音銃クラハライツから心地の良い音を数人の歩兵に向けて放射する。【トロイメライ】でユニの味方にして連携を崩そうか…内乱を起こして混沌へ誘おう。

その後は妖精を戦場に散開させ、それぞれの視界をPCクローネに集約してその情報から戦況を把握。味方にした兵と猟兵達に指示を出して後方で支援をするよ。



「まったく。久しぶりのUDCアースだってのに迷惑な連中ね」
 ロープを使い、ビルの外壁を手慣れた様子で登攀する才堂・紅葉(お嬢・f08859)。
 見かけは病弱で、か弱いお嬢様と言ったところだが……その実、豊富な戦歴を持つ工作員なのだ。
 窓から侵入する際も、鏡で内部の無人を確認する等手際よく、気づかれること無く潜入に成功した紅葉。
 サバイバルナイフを逆手に持ち、忍び足で歩む。この階にも、敵の気配はある。まだドアのはまっていない出入り口に身を隠して耳を澄ませば、会話が聞こえてくる。
「敵襲だ。俺達も応援に行くぞ」
 既に一階での突入は開始されている。その応援に行こうと言うのか。その会話、足音――ツーマンセルか。未だこちらに気づいてはいない。
 やれる。
 紅葉は音もなくその身を躍動させる。影のようにするりと兵士達の背後に迫れば、一人の首に、ナイフを一突き。
 慌てて拳銃で応戦しようとするもう一人の腕を押さえ、反発を利用してその体を後ろに倒す。
 仰向けに倒れた相手の腕を極めてコントロールしつつ俯せにすれば、もう無線機には手が届かない。
 音も無く、声も出させず。サバイバルナイフは振り下ろされた。
 そして、下の階から多数の銃声が聞こえる。下からの突入班の援護をすべく、紅葉はナイフの血を振るい落とした。

 階下では、メドラ・メメポルド(フロウ・f00731)と、アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)が柱の陰で激しい弾幕から身を隠していた。
 相手の部隊を崩すには、本来はユニの
ユーベルコード『トロイメライ』により、内紛を起こさせるのが効果的だが、何せこの弾幕、銃撃音。有効な音を届けるには、より良いチャンスが必要だった。
「あのひとたち、ひどいことをしたのね」
 なら、食べちゃってもいいよね。と、その愛らしい見た目からは想像もつかぬことを口走るメドラ。
「食べるって……まぁ、そうだね。その身をもって償って貰わなきゃ」
 一瞬、銃撃が止む。これはチャンスか?いや、兵士が、手榴弾を投げ込もうというのだ。その手から手榴弾が離れる直前――忍び下りて来ていた紅葉の掩護射撃が、まさにその兵士の手をとらえた。
 投げることができず、その場で爆発が起き、兵士達は一瞬連携を失い、混乱に包まれる。
 この機を逃すユニでは無い。素早く身を踊らせて、その手の音銃『クラハライツ』から心地よい音を兵士達に向けて放射する。
 すると――敵兵士の幾人かが、突如叫び声を上げて味方に向けて銃を乱射し始めた。その叫びは、なぜ自分は今までユニを攻撃していたのか?ユニは、あんなにも大切な友人なのに――。そういう、後悔と懺悔の叫びだ。無論、『トロイメライ』による虚偽の記憶に過ぎないのだが。

 この内紛により、戦況は一変した。血は流れるが、どれも敵兵士の血だ。
 メドラは、己の足下まで流れてきた血に、左手で触れた。そんなものをどうするのか?
「さあ、ごはんの時間よ」
 メドラがその血を右肩の月に塗ると、そのキマイラとしての力が目覚め、殺戮補食形態へと変化する。
 その身から伸びるくらげの腕――触腕は、もとより身の丈ほどの長さがあったが、それが更に伸びて、内紛に気をとられる兵士達へと鋭く迫る。
 ある腕は絡み付き、ある腕は串刺しに。
 ふわりふわりと歩きながら、メドラは次々と兵士を狙う。だぁれも、逃がさない。
 妖精を飛ばし、戦況をPCで分析するユニが、メドラに声をかける。
「大丈夫?無理せずに下がっても大丈夫だから」
 くるりと振り向くと、メドラは事も無げに。
「心配いらないわ、今のわたし、ずぅっとおなかがすいてるの。どんなに食べても、食べても、食べても、満たされないのよ。」
 だから、ねえ。
 ひとつ、言い忘れたのか、メドラはもう一度振り返った。
「あ、ちゃんとね、あなたたちは食べないわ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身。

既に潜入した班の対処で手薄になるのを狙って、ビル一階から突入した班とは別の入口から突入。
ビルの見取り図を確認して上層へのルートを素早く駆け上がる。
敵と接敵したら片方が閃光仕様のジェノサイドボム(以下ボム)で目晦ましとK100による援護射撃。もう片方がK100を連射しつつ猛毒ダガーで敵を仕留めるといった連携で制圧。
敵の数が多い場合は二人掛かりで接触式ボムを生成して連続爆破。
建物倒壊の危険も気にせず、容赦なく殲滅するよ(実際、過去の依頼でビル一棟倒壊経験アリ)

「瑠璃、本物の軍隊みたい!たくさん殺せそうだよ♪」
「そうだね、緋瑪。遠慮なくやっちゃおう」

※アドリブ歓迎


星鏡・べりる
さぁさぁ、報復だ~!
UDC職員として、血と鉄の雨を降らせよ~!

私は【スカイステッパー】で入り口からではなく上の階から攻略に行くよ。
確か先に上から攻略を始めた工作員の人がいたよね。
いい仕事するよね~

あっ、でも私は静かに行動するなんて器用な事はできないから、窓を蹴破って突入して目についた兵士を銃撃なり打撃なりで始末していこうかな。
敵が増えて、分が悪くなったら窓からスカイステッパーで逃げよっと。
狙うは挟撃されていると意識させる事と、兵力の分断だよ~

さぁさぁ、舐めた真似をしてくれた邪教団に地獄を見せてあげよう。
発掘隊のみんなの仇は取ってあげるからね。



 戦力は、派手な戦闘を繰り広げられる箇所に集中されている。
 四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)“達”はその隙を突き、手薄になった所を上手く縫うようにすり抜け、上層部を目指していた。
 とはいえ敵もさるもの、全く見つからずになど行かない。やはり敵兵に見つかり、増援はやってくる。
 しかし、それは彼女達にとって恐れるものでは無い。いや、むしろ――。
「瑠璃、本物の軍隊みたい!たくさん殺せそうだよ♪」
「そうだね、緋瑪。遠慮なくやっちゃおう」
 楽しげに語らうと、彼女達は各々武器を構える。
 敵兵が気づく前に、瑠璃の手によって閃光弾が投じられる。
 光と音の洪水に、一瞬前後不覚となる兵士達。そこを狙い、緋瑪のダガーが切り裂く。致命傷とも見えぬのにバタバタと倒れるのは、ダガーに仕込まれた猛毒によるものだ。
 瑠璃の大型拳銃による掩護射撃は、的確に緋瑪の死角をフォローし、抜群のコンビネーション。
 しかし、敵兵士はその数を増してくる。やはり『ジェノサイド・ボム』で殲滅を行うか、と思った時、反対側からの銃撃が敵兵士を襲った。

 それは、窓を蹴破ると同時の銃撃。『スカイステッパー』で宙を駆け登り、上層階からの攻略を狙った星鏡・べりる(Astrograph・f12817)だ。
 自らと同じ名前を関する機宝銃を乱れ撃ち、兵士達の背後を狙う。
 突如出現したべりるに、全く予期していなかった兵士達は浮き足立つ。完全に挟撃を受けた形だ。
 どう対応すべきか?その一瞬の判断を迫られ、前後に兵力を分ける。べりるの狙いは、的中した。
 分断された兵力から放たれる一斉射撃では、空中を踊るように自在に移動するべりるを捉えるに至らない。正確な銃撃に、次々と兵士はその数を減らしてゆく。
 あまり真剣味の見えない彼女だが、UDC組織の一員として、その心中穏やかでは無い。
「さぁさぁ、舐めた真似をしてくれた邪教団に地獄を見せてあげようね~」
 発掘隊のみんなの仇は、とってあげるからね。
 そんな思いを胸に、撃って、撃って、撃つ。

 激しい戦闘に、上下の階から敵の増援がやってくる。まともに戦うには、少々厳しい数かもしれない。
「瑠璃、やっぱりやっちゃおう!大丈夫だよね?」
「そうだね、緋瑪。あっちの子も、空を飛んできたみたいだし」
 そうと決まれば、彼女達は何ら躊躇しない。火力重視の『ジェノサイド・ボム』を、敵中に放り込む。周りの被害など、どこ吹く風というものだ。
 たまらないのはべりるの方。
「あ、これヤバイやつ~」
 慌てず、騒がず、自らが破った窓から身を投げ出すべりる。
 スカイステッパーで空中に留まる内に、轟音とともに窓ガラスが派手に、美しく飛び散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

トリガー・シックス
「相手が誰であれ、敵なら排除するだけだ」
ライフル『夢想』と狙撃銃『偉大なる狩人』で【スナイパー】による【援護射撃】をしつつ『幽幻なる狩人』を召喚し、死角から奇襲させる。
【地形の利用】で空間を利用、攪乱させながら減らしていく。
気を取られているようなら『吹雪の狼』による砲撃を行う。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


鬼灯・こころ
UDCアースにはいい武器があるもんだ。……故郷のレジスタンスにもこんな装備があれば、な。
……ま、言っても詮無いことだけど

基本的には足を止めずに正面から突っ込む。
敵の注意を惹きつけて味方の突入の支援も兼ねるよ。
「ヘルシング」で撃ち返して敵の弾幕を弱めながら自分のダメージも気にせず突っ込んで【恐怖を与える】ことで手を緩めさせる。
……だめだぜ。吸血鬼はそんな武器じゃ殺せない。

充分接近したら≪収奪する者≫で防御力を高めつつ、「彼岸華」を使って暴れてやろうか。
受けた傷、失った血は【吸血】と【生命力吸収】で補給しながら立ち回るぜ。

……君たちの血は美味しくはないね。
ま、贅沢はいわないけどさ


リュカ・エンキアンサス
※アドリブ、他の人との絡みも歓迎
皆殺し……か
それも神のために
……俺は生活のために殺しはするし、ためらいはしないけれど。それでも何も感じてないわけじゃないんだけどな
彼らは、どうなんだろう

なるべく建物の影に隠れて撃ち、安全を確認してから進む
移動するときも銃を構えたまま。視界に敵が入った瞬間に問答無用で撃つようにする
自分が強くないことは理解している。だから、躊躇ったり迷ったりはしない
手早く安全に殲滅する
絶望の福音やレプリカクラフト使用しつつ、敵の攻撃はなるだけ安全に避ける
接近されたらダガーで応戦はするけれども、なるべく距離を持って戦うつもり
後危険を感じたら、即座に時間稼ぎしながらも助けを求めるよ



「彼らは、どうなんだろう」
 最終防衛ラインとも呼べる戦線。障害物に身を隠しながら、リュカ・エンキアンサス(人間の探索者・f02586)は呟いた。
 殺しそのものは、必要であれば躊躇うものでは無い。しかし、彼らは必要以上に殺すのでは無いか。
 何も感じないのか?邪神のためという大義名分があるからか。
「相手が誰であれ、どんな思想であれ、敵なら排除するだけだ」
 トリガー・シックス(傭兵・f13153)は、ドライに対応する。優しさは要らない。少なくとも、今は。
 リュカも、分かっている。今は、躊躇いも迷いも無い。必要な事をやるだけだ。
 いずれにせよ、今必要なのは、突破力。この弾幕を崩すには――。
「僕が行くよ」
 美しい装飾の施された銃『ヘルシング』を手に、鬼灯・こころ(鬼灯・f01226)は弾幕の中へ飛び込んだ。
 正面から飛び込んでくるこころに、敵兵も面食らう。そういう者から、ヘルシングの餌食だ。
 しかし、こちらが一発撃つ間に、敵は何発返してくるのか。全く、UDCアースには良い武器がある――足を撃ち抜かれた。
 これが有れば、故郷のレジスタンスも――今度は肩だ。
 この弾幕を全て躱せるはずも無い。最低限の急所だけは守っているが、既に何発も銃弾を受けている。
 しかし……止まらない。
「……だめだぜ。吸血鬼はそんな武器じゃ殺せない」
 なんだ、あれは。兵士達に疑念が生まれる。自分達の武器は、通用しないとでもいうのか?
 そのわずかな戸惑いをリュカとトリガーは見逃さない。
 リュカは愛用のアサルトライフル『灯り木』を連射して続き、トリガーもまた『偉大なる狩人』による的確な狙撃で援護に回る。

 こころの突撃によって乱れた一斉射撃であれば、リュカならば掻い潜る事ができる。と言っても、別段素早い動きと言うわけでは無い。
 銃弾を躱す、という響きからはかけ離れた、むしろ慎重とも言うべき足取りで、一歩一歩、確実な位置を取りながら銃撃を行う。
 そして実際、リュカが歩む先には銃弾は飛んでこず、歩み去った途端に激しい銃撃が通過する。
 それは未来を予知しているのか、それとも経験則によるものか。戦って、戦って、戦い抜いたその末に、絶望から見いだしたその力。
 手早く、効率的な殲滅のために。

 前線に飛び出す二人を更に援護するために、トリガーはアサシン『幽玄なる狩人』を召喚する。近代兵器を前に、その短刀や弓矢はいかにも貧弱に映るが……その真価は、隠密にある。
 銃弾が飛び交う激しい戦闘の中、アサシンの気配を感じとる事など出来ようか?いつの間にか死角に忍び寄るそれは、弓矢を無音で射つ。一人、また一人、気づかれずに仕留めて行く。
 そして、その存在に敵が気づいた時。それにより注意が逸れる事がトリガーの狙い。
 アサシンを狙い始めた敵兵に、『吹雪の狼』による砲撃が撃ち込まれた。

 爆炎が晴れる頃、こころは左手で柩型の拷問具『彼岸華』を支えながら立っていた。
 右手には、一人の敵兵。
 首筋に噛みつき、その血を飲み干すと、事切れた兵士は糸の切れた人形の様に崩れ落ちた。
 流石に血を流しすぎたが……なんとか、癒せた。
「……君たちの血は美味しくはないね。ま、贅沢はいわないけどさ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『雷穹龍グローレール』

POW   :    雷霆光輪
【超高熱のプラズマリング】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    撃ち砕く紫電
レベル×5本の【雷】属性の【破壊光線】を放つ。
WIZ   :    ドラゴニック・サンダーボルト
【口から吐き出す電撃のブレス】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・皇士朗です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達は、屋上にたどり着く。
 ヘリポートになるらしいその中央には、背広を着た教団の幹部らしき男が立っていた。
 その手には、プラズマ状の電光を放つ水晶球。
「ハハハ、俺はこの力をコントロールする事に成功したぞ!」
 もはや正気とは思えぬ表情で、ぶすぶすと煙を上げながら高笑いをあげる男。
 そして、一瞬の稲光――。
 消し炭になって倒れた男のかわりにヘリポートの中央にいたのは、龍。
 『雷穹龍グローレール』。
 到底コントロールなど出来ぬその力は、このまま放置すれば、この都市全体を電撃で焼き尽くすだろう。
波狼・拓哉
コントロールできてねぇじゃん(素)……さてどうしようか。召喚されたのは仕方がないし、どう対処しますかね。
遠距離あんまり得意じゃないんだよなー…まあ、突撃してもらうのが早いか。いつも通りお願いしますよミミックさん。(もち上げ分投げる)
二、三発は耐えるだろう。良い囮になるし万が一肉薄出来ればそのまま箱の中身で攻撃しといて貰おう。
自分自身はサポートに回ろう。衝撃波込めた弾でプラズマリングや光線、ブレスに打ち込み威力減衰を狙ったり、届きそうなら相手の傷口撃って抉ったりしよう。


四季乃・瑠璃
【ダブル】継続
本体:緋瑪、瑠璃:分身、翡翠:人形

切り札シスターズ起動。第三人格の翡翠と三人で包囲し【クイックドロウ】【2回攻撃】【鎧無視】K100で連続で鱗の薄い部分を銃撃。同時に【範囲攻撃】【鎧無視】【鎧砕き】接触式ジェノサイドボム(以下ボム)で建物ごと破壊する勢いで、敵の装甲をも砕く様に三人で爆破。

その後、更に切り札、ジェノサイドノヴァを起動。翡翠が時間を稼ぎ、瑠璃と緋瑪の二人で【力溜め】魔力チャージ。超火力で龍を殲滅する

敵の攻撃はボムで迎撃と【見切り】【残像】で回避。

緋瑪「まぁ、コントロールなんて無理だよねー」
翡翠「自業自得だね…」
瑠璃「後はこの邪神を殺せば終わり…行くよ、緋瑪、翡翠」


トリガー・シックス
「愚考の末路か」
消し炭と化した男を見ながら呟き、グローレールを見る。
ヘリポート故に遮蔽物は少ない、相手の攻撃を【見切り】で避けつつ『吹雪の狼』で【援護射撃】を行い、隙を突いて『トール』による榴弾を撃ち込む。
『幽幻なる狩人』は隙を作るために動いてもらう。回避優先、弓による攻撃で注意を引いてもらい、攻撃の誘発のために接近しては後退をさせる。


メドラ・メメポルド
あら、まあ。龍?
すごいわね、とってもつよそう。
……そしておいしくなさそう。
メド、おいしくなさそうなものはどうでもいいの。

かみなりビリビリは水の生き物の敵よ。
メドもすきじゃないわ、だから動きを止めましょう。

【SPD:あなたのために注ぐ毒】
みっつの毒で、あなたをかみさまでなくしてあげましょう。
痛みをなくしてあげましょう。
しあわせな気持ちにしてあげましょう。
そして、全部を裏返し。
痛みしか感じなくしてあげましょう。
不幸せに落としてあげましょう。
ええ、ひとの痛みを知ったなら、あなたももうかみさまでいられないでしょう?

……あーあ、おいしそうなら、食べたのに。ざんねん。



「あら、まあ。龍?」
 宙に現れた雷穹龍の姿に、薄く反応を示すメドラ。
 彼女の興味は、邪神としての強さよりは、食物としての質にある。
 その判断基準で言うならば……『どうでもいい』だ。何故なら、まずそうだ。
 そんな龍を呼び出したがために、狂気と勘違いの果て、消し炭と化した教団員に、拓哉も唖然とする他ない。
 しかし、結末はある意味では当然とも言える。もとより、邪神に触れるなど愚かな事でしかないのだ。
 いずれにせよ、召喚されてしまったものはどうしようも無い。拓哉はいつもどおり、『箱』を軸にした戦術を組み立て始める。

「まぁ、コントロールなんて無理だよねー」
「自業自得だね…」
「後はこの邪神を殺せば終わり…行くよ、緋瑪、翡翠」
 オルタナティブダブルに加え、第三の人格、翡翠を憑依させた切り札である『憑依型自立人形・シスターズ』を起動させた瑠璃は、今や三人である。全員が瑠璃であり、また瑠璃でない殺人姫三姉妹。
 ぴったりと息の合った連携で雷穹龍を包囲し、挨拶代りにジェノサイド・ボムを放る。
 それは雷穹龍の鱗に接触するや、それを砕かんと高い指向性を持って爆ぜる。

 敵の攻撃を避ける遮蔽物の少ないヘリポートにあって、トリガーは煙を利用して身を隠しつつ、『幽玄なる狩人』を呼び出した。
 アサシンは音も無く雷穹龍の死角に回り込むと、注意を引き付けるべく弓矢を射かける。
 しかし、雷穹龍の高い霊力のなせる業か?同じく霊的な存在であるアサシンの位置を感知しているかの様に、龍は空中をうねり泳いで矢を躱してゆく。こうなれば、トリガー自身の射撃と連携して追い込んで行く他ない。

 トリガーの『吹雪の狼』による掩護射撃の中、雷穹龍の眼前に突如箱状の物体が飛来した。
 すわ、また爆発物かと龍がその口から雷の息を吐きかけて迎撃すると、箱状の物体は地に落ちる。
 その箱状の……いや、箱そのものを、警戒して一瞬動きを止める龍。再び箱に電撃を浴びせようとした時、拓哉はその手の、一見玩具の様に見える銃を撃つ。
 特殊な衝撃波を放つその弾丸は電撃を相殺し――。
「いつも通りお願いしますよミミックさん!」
 ただの箱だったそれは、その本性を現す。ミミックだ。
 箱の開口部から生える鋭い牙で食らい付けば、龍は痛みにのたうち回る。

 そこにするりと歩み寄るメドラ。その表情は、一種の慈悲すら感じさせる穏やかなもの。
 ブレスを放つべく大きく開かれた口に、クラゲの触手が伸び、毒をひとしずく。
 するとどうだ?龍を苛んでいた痛みは瞬時に消え去ったでは無いか。いまだに食らいついている、ミミックの牙による痛みすら。
 戸惑う龍の口に、もうひとしずく。ふわふわと良い心持ち。
 自らメドラの毒を求めて口を開いた龍の口に、最後のひとしずく。
 すると――全ては反転する。その感覚は、痛みしか感じない。
 目で見ても、耳で聞いても、全てが痛みとして感じられる、狂気。
 人に狂気を与えるべき邪神。己が狂気に苛まれたならば、どうしてその神性を保持できようか。
 こうなっては、トリガーのアサシンによる矢も躱せぬ。その矢に射られた龍は怒り狂い、アサシンへと躍りかかる。
 これこそトリガーの思うつぼ。大型複合式ランチャー『トール』により放たれた砲弾が、龍の腹をとらえた。

 うずくまる龍の眼前に、殺人姫三姉妹が現れる。
 その顔には満面の笑み。
 その手には……彼女等の奥の手『ジェノサイドノヴァ』。
 ミミックに食らい付かれ、毒にのたうち回り、矢や砲撃を受けている間に、瑠璃、緋瑪による魔力チャージは十分。その危険性を察知した雷穹龍が宙に逃げ去ろうとするも、再びの激痛。
 見れば、食らい付いていたミミックを、爆発に巻き込まれる前に拓哉が回収していたのだ。食らい付いていたミミックの牙で、その肉片ごと抉り取りながら。
 再び空中を目指そうとしたときには、もう遅い。凄まじい爆発に、ビルも、空気も震えた。

「焼けても、きっとおいしくないわ。ざんねん」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

星鏡・べりる
あちゃー、間に合わなかったか!
あの消し炭になっちゃた男がボスだったのかな?
よし、死んでるなーあれは!

放置もできないし、逃げさせてもくれなさそうだし
それじゃ~龍退治しよっか!

えへ、キミすっごくいい技持ってるね。
どれもカッコイイなぁ、気に入っちゃったよ!
キミの全部を私に見せて欲しいな!

私は【《星鏡》】の発動条件を満たす為に、あえて何か攻撃を受けるよ。
がっちり防御して受けるつもりだけど、やっぱ痺れるかな?
でも喰らったなら準備完了、バッチリ理解した!
喰らった技をやり返すなり相手の技を相殺するなりで、上手く攻撃し返すよ!

なんだか神秘的な龍神様に見えるけど、元はどんな龍だったんだろうね?
気になるなぁ~


才堂・紅葉
「最悪……どこがコントロールできてんのよこれ」
 邪神教団の連中はいつもこれだ。
 溜息を抑えられないが、切り替えていこう。

 業務手順は真っ向勝負しかない。
 安全策をとるには距離と時間が足りない。
 ここで仕留めなければ確実に大被害が出る。
 柄ではないが小細工抜きで行こう。

 三点バースト、回避、移動、三点バースト、回避、移動、三点バースト……
 電撃のブレスの溜めに合せて榴弾。
 銃撃で感覚器の髭、榴弾で制御系の角を狙う。
 後は、相手が倒れるまでこれを繰り返す…。 
 
(時見月在晴天影有波……だったかしらね)

 意識が次第にクリアになり、雷龍の攻撃が放たれる前に体が動く。
 ふと亡き師の教えが胸をよぎった。 


リュカ・エンキアンサス
※アドリブ・他の方との絡みも歓迎
竜退治……ね。
いいだろう。
あなたが命を賭してこれを呼んだのならば、俺も全力でもってこれを屠ろう。それが礼儀だ。

とはいえ考えなしには動かない。
接近する猟兵が多いのであれば、後退して援護に徹する。
その際は銃を使用し、なるべく相手の動きを読んで攻撃の邪魔をするように立ち回る。
接近戦になるなら……そうだね。先手必勝。
バイクに乗って体当たりでもかまそうか。大丈夫、アルビレオは丈夫だから。
その後はナイフを抜いて応戦する。
……接近戦もそれなりに心得があるけれど、
これ一本で竜相手に大立ち回りとか正直無謀な気がしてる。
まあでも、塵も積もればだっけ。何とかするしかないだろう。頑張る



 煙の中から、龍は天に向けて躍り上がる。
 片方の角は折れ、あちこちの鱗は剥がれ、焼け焦げた皮膚。
 それでも、龍は健在だった。

 リュカは、既に原型を留めていない、教団員だったものをちらりと横目に見る。
 流石に命懸けで呼び出しただけの事はある、と言うべきか。
「礼儀として、全力をもって屠ろう」
 べりるも、その瞳に好奇の色を宿し、やる気を見せる。
「放置もできないし、逃げさせてもくれなさそうだし。しっかり退治しちゃおう!」
 紅葉も、邪教団の相手は慣れている。
 身勝手な狂気の後始末に溜め息も漏れると言うものだが、瞬時に切り替える。
 目標は、敵の消滅。

 一声、激しい咆哮をあげた雷穹龍は、怒りを剥き出しにして、べりるに向けて躍りかかる。
 べりるにとっては最も相性の悪い、ユーベルコードでは無い、単純な暴力が迫るが――。
 その横っ面を、『アルビレオ』の後輪が張り飛ばした。
 その古びた外見に反し……いや、使い込まれた様子の通りか。頑丈なアルビレオにはフレームの歪みも見えない。
 その勢いのまま雷穹龍に組み付いたリュカは、鋭く研ぎ澄まされた無骨な短剣を、鱗の剥がれた皮膚に突き立てる。
 龍は痛みに暴れるが、リュカも振り落とされはしない。しかし、突如眩い光を放ったかと思うと。
 雷穹龍はその力で、全身から高熱のプラズマを放ったのだ。
 無論、至近距離で受けたリュカも、ただでは済まない。ただでは済まないが――リュカの命を焼き尽くすには、まだまだ足りない。
 火傷した手で短剣を握り直し、更に傷を抉りにかかるリュカ。
 再度プラズマを放とうとする龍だったが、銃弾を撃ち込まれて十分な間が取れない。その銃弾を撃ち込むのは、リュカによって呼び出された戦場の亡霊。
 命に届くまで、短剣を振り続けるのだ。

 接近戦はリュカに任せ、紅葉は紅葉の業務あるのみ。
 もっとも、紅葉好みの十分な安全策を取るような余裕も無い。柄では無いが、真っ向勝負だ。
 アサルトライフルを撃つ。必要な分だけで良い。だから、三点バースト。
 そうしたら、回避行動、電撃を転がり避けて走る。そして、また撃つ。
 これを繰り返せば良い。理屈は簡単だ。
 撃つ。避ける。走る。
 撃つ。避ける。走る。
 簡単だ。敵が倒れるまで、繰り返せば良い。
 繰り返す度に、心が静まって行くのが分かる。
(時見月在晴天影有波……だったかしらね)
 亡き師の教えが胸をよぎる。
 電撃が放たれる前に、動いていた。
 今なら、分かる。亡き師の言葉も、龍が光線を放とうとしているのも、後方のべりるが、何を狙っているのかも。

 べりるは、待っていた。その瞳を見開いて。
 相手の全部を目に焼き付けるのだ。
「来るわ!」
 紅葉の声に、しっかりと防御姿勢をとるべりる。
 その力――コードネームの由来でもある、【《星鏡》】。この力を使うには、相手のユーベルコードを受ける必要がある。
 雷穹龍の周りに数多の光が生じたかと思うと、それは百もの光線となって放たれる。
 一部は、リュカが龍の体をずらし。
 一部は、紅葉がその発生源を射ち。
 わずかに破壊光線の軌道をずらした結果、べりるの下へ向かうは一筋。
 その一筋の前に亡霊が立ちふさがり――貫いた。
 十分に威力を減衰した光線を、べりるは受け止めた。
 勿論、痛い。焼けた。痺れている。
 だが、瞳はしっかりと見開かれていた。
「バッチリ理解した!」
 その瞳で龍を見つめるべりる。
 ぴた、と龍を指差すと、そこには数多の光。
 瞳に写った紫電の光を、本来の力で撃ち返す。
 察知したリュカも離脱し、紅葉は龍の逃げ道に先回り。
 百もの紫電を集束させた光が、雷穹龍を包む。
 龍は、自らの破壊の力で、消滅したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ストレス発散で狂気を拭い去る』

POW   :    スポーツや大食いなどで、ストレス発散

SPD   :    ショッピングやゲームなどで、ストレス発散

WIZ   :    読書や映画鑑賞などで、ストレス発散

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ビルは、半壊と言っても過言では無いかも知れない。だが、この事件を見過ごした場合に発生していたであろう被害に比べれば、物の数では無いと言うべきだ。
 現に、今も街は動き、能天気な、と言えるほどに、バレンタインの雰囲気に受かれている。

 デパートではチョコレートをはじめ様々なものが買える。
 思い思いのものを食べるのも良いし、映画鑑賞や読書に耽るのも良い。
 猟兵達は、狂気から守り抜いた平穏を過ごす。
才堂・紅葉
「稼いだ分は使わないとね♪」
蓄財は美徳だが散財は快感だ。
その辺りのバランス感覚がこの業界での長続きのコツである。

と言う訳でまずはショッピングにゲーセンと街をぶらつこう。
アルダワ魔法学園では寮生活なので羽を伸ばす良い機会だ。
UDCアースの流行の服や、本や漫画のチェックも良いだろう。
後はチョコレートの素材を買い込んで、アルダワに持ち込んで一稼ぎだな。

懐も温かくて心が広くなっているので、楽しみ方が分らない同業者がいたら連れまわしても良いだろう。
荷物持ちにもなるし、まぁ息抜きの仕方を伝える位は先行投資という奴だ。

※アドリブや他の猟兵、NPCとの絡み歓迎



 雑多な街並みや人混み、そして、けたたましい電子音。
 どれもアルダワには見られないもの。特に、ゲームセンターの様な場所は、独特の空気がある。
 学園では体の弱いイイトコのお嬢様なキャラで通している紅葉。それが嫌な訳では無いが、やはり息抜きはしたくなる。
 学友がこんな姿を見たらどう思うだろうか?それとも、ゲーセンのイメージも無いだろうから……そんな事を考えると、笑みもこぼれる。
 懐の温かさは、心の温かさにも影響を及ぼすというものだ。
 ひとしきり久しぶりのゲーセンを堪能したが、まだまだ足りない気分。せっかくこちらに来たのだから、ここでしか買えないものを。
 流行の服に、雑誌や漫画――。
 紅葉の脳裏に、名案が閃いた。

「これが日本のバレンタインの楽しみ方と言う事か?」
 両手、両肩、大量の買い物を提げた志廉が、紅葉に問いかける。涼しい顔ではあるが、その格好からすると、少々間の抜けた感もある。
「ふふ、これからですよ。バレンタインと言えばチョコレートですから」
 いかにもお嬢様といった体裁を整えて、紅葉は身軽にチョコレート売り場を目指す。
 暇そうにしていた志廉を唆し……いや、息抜きの買い物に誘ったのだ。
 もとより暇そうにしていたのだし、荷物持ちくらいは授業料と言うことで。
 そして紅葉は、大量のチョコレート素材を買い込む。アルダワでは手に入らないものもあり、一儲けできるのだ。
 派手な散財の後には、必ず次の稼ぎを考える。才堂・紅葉という人のしっかりしたところだ。
「使った分はまた稼げそうね♪」

大成功 🔵​🔵​🔵​

虚偽・うつろぎ
SPD
大食いついでに買い物してまわろうかな
デパートならデパ地下だよね
デザートから惣菜にその他諸々何でもありそうだし
今こそ我が財布の紐を緩めし時…!

7本の腕に購入した大量の食べ物が入った袋を下げ
迅速かつ効率的移動によって購入してまわる
目指すは全商品制覇
ただしお小遣いは3万円まで
本当に目指すだけ

お小遣いが尽きたらどこか座れるところにでも移動して
購入した食べ物を食べ尽くすよ
まるで手品のように流れるように食べ物が消えていくでしょう
(手から吸収して食べる)
軽く見世物のように演出するかな
容器ごと消えてしまう手品的な演出を

アドリブ等ご自由にお願いします



 猟兵とは、いかなる姿であっても、その世界で違和感を持たれる事は無い存在。
 そう。虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)の様な、名は体を表すのを体現した男であっても、それそのものには違和感を感じないのだ。
 にもかかわらず、彼がこのデパ地下で十分な注目を集めているのは、彼の買い物スタイルに依る。
 まず、速い。
 それはまさしく突貫と呼ぶべき速度であるが、彼はその柔軟極まりない肉体を存分に活かし、ごった返す一般客の間を華麗にすり抜けて行く。
 更に、的確。
 彼はデパ地下の案内図を見るや即座に構造を看破し、素晴らしい効率で全てをクリアする順番を見抜いている。
 そして……強い。
 デパ地下における衝動買いの誘惑たるや、想像を絶するものである。しかし、彼は負けない。予算3万円という絶対的なルールを守り、店員の勧誘を断ち切るのだ。
 かくして、彼はその七本の腕に提げた袋に狙いの食料を満載し、その予算尽きるまでを戦い抜いた。
 その買い物ぶりは、この売り場でしばらく語り継がれる事となる――。

 休憩スペースに移動したうつろぎは、お待ちかねの食事タイム。大食いの彼はその全てを食すべく、テーブルに買った品々を並べる。
 味噌カツ、天むす、手羽先等々、この土地のものを堪能してゆくうつろぎ。
 ふと、周りの注目を集めていることに気づく。その量に依るものだろう。
 茶目っ気を起こし、その手から包み紙ごと手羽先を消して見せれば、まるで手品と周囲は目を白黒させる。

 そんな休日。代金はしめて二万九千九百七十八円也。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神原・響
『うむうむ、やはり口直しには甘い物じゃよなー』
黒の女王と共にチョコの食べ歩きをします。

スタンダードな物から一風変わった物など、様々なチョコレートを姫様は食べて、食べて、食べ尽くしていきましょう。

アドリブ、絡み歓迎



 この時期の街はバレンタイン関連のイベントで溢れている。今、響が居るデパートの催事場も例外では無い――というより、最前線だ。
『はー、どれも美味しそうじゃの』
 響と共に歩む、美しい黒髪の少女。いや、正確には歩むと言うよりは浮遊しているのだが。
 ともあれ、見た目の歳相応の少女らしく、様々な売り場のチョコレートを見て回っていた。
 このデパートでは現在チョコレートのイベントが行われており、日本や世界の様々なパティスリーのチョコレートが並んでいる。
「ふふ、貴女の好きなものを、好きなだけ食べましょう」
 少女は赤い瞳を輝かせ、どれから買おうかと心を弾ませた。

『うむうむ、やはり口直しには甘い物じゃよなー』
 イートインコーナーのチョコレートドリンクに始まり、フルーツをチョコレートディップやチョコレートパン、勿論定番の美しい細工を施されたショコラたち……。
 結局、土産も含めて殆どの店で何かしら購入する事になった二人。
 その出費額は推して知るべきであるが……女王様の満足げな笑顔に、響も頬を緩ませるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リュカ・エンキアンサス
※アドリブ歓迎
クロエお姉さん(f02406)と
お姉さん。こっち。って、手を引いて
全力で遊び尽くす

ゲーセン、一回いってみたかったんだ。お姉さんは初めて?
ぬいぐるみ取るんだっけ。この中でどれか欲しいのある?ちょっと待ってて…
……(とれない
……お姉さん、こういうの上手?
なるほど連携…って、俺が操作するほうか
いいところ見せたいし、頑張るよ

あ。こっちは銃で撃つのがあるみたい。シューティング?
お姉さん、勝負しよう。って、得意分野なのに平然と言ったりもする
教えてほしいの?しょうがないな…(嬉しそう

うん。カジノもやろう。何これコイン?投げるんじゃないのか
カンはさほどじゃないけれど、真面目にやれば何とかなるはず


クロエ・アルページュ
リュカ(f02586)に手を引かれてゲーセンに
リュカ、リュカ、早く遊びましょう!
えぇ、初めて。とても賑やかですわ
ピコピコサウンドがとてもわくわく致しますの

ぬいぐるみ!沢山ありますのね
…あちらの猫がいいですわ
むむ、むつかしいのですわね(クレーンの気まぐれに一喜一憂)
では連携致しましょう!わたくし奥の距離をみます
クレーンの癖に合わせて計算すれば…操作は任せましてよ
ゲットできればぬいぐるみを抱いて、お礼を

勝負!望むところですわ!シューティングは操作性にわたわた
得意分野ずるいですわ、わたくしにも教えて頂戴
コインは賭け事かしら?どちらが枚数多くできるか勝負ですわ
わたくし勘はするどくてよ、なんて全力運頼み



 人混みをかき分け進むリュカ。その左手には、少女の華奢な美しい右手。
 クロエ・アルページュ(eine wilde Rose・f02406)の手を引き向かうのは、ゲームセンター。
 導かれるクロエも、はじめての経験に心弾ませて。
「リュカ、リュカ、早く遊びましょう!」
 自動ドアをくぐった先の、眩しいLEDの灯り、耳に刺さる電子音……どれもが新鮮で、今はとても好ましく感じる。
「お姉さんはゲーセン初めて?」
「えぇ、初めて。とても賑やかですわ」
 かく言うリュカも、初めてのこと。でも、誘ったのは自分だし、いいところも見せたい。しっかりとエスコートするのだ。

「あった、これこれ。ぬいぐるみ取るんだよね」
 クレーンゲームの中には可愛らしいぬいぐるみが、大小様々に積まれている。
「どれか欲しいのある?」
「まぁ!たくさんありますのね……わたくし、こちらの猫がいいですわ」
 クロエが指差すのは、まるまると太ったもふもふの白猫ぬいぐるみ。いいところを見せる絶好のチャンス到来だ。
 硬貨を投入して……掴めない。
 再度投入……引っ掛かったが……ぽろり。
「むむ、むつかしいのですわね」
 クレーンの動きの度にころころと表情を変えるクロエだったが、我慢できずに自らも動き出す。クレーンゲームの横に回り込み、二人でタイミングを合わせて取るのだ。
 こうなっては、ますます情けない姿は見せられないリュカ。二人は息をぴったりと合わせ、抜群の連携の結果――。取り出し口に、どさりと猫は落ちてきた。
 ぬいぐるみを抱き締めて微笑むクロエ。
「うふふ。リュカ、ありがとう!大事に致しますわ」
 その後もいくつかのぬいぐるみを取った二人。お土産としては、この位だろうか。

「お姉さん、勝負しよう」
 リュカが誘うのは、ゾンビを撃つガンシューティングゲーム。
「勝負!のぞむところですわ!」
 勇ましく受けて立つクロエだったが、銃撃戦こそはリュカの本領。結果は火を見るより明らかである。
 ダブルスコアで点差をつけられ、クロエは頬を膨らませる。
「リュカの得意分野でずるいですわ!わたくしにも教えて頂戴」
 別に本気で怒っている訳ではない。微笑ましい文句を受けて、嬉しそうにレクチャーを始めるリュカだった。

 まだまだ、遊び足りない。
 あちらにはカジノを模したメダルゲーム。次の勝負はこれにしよう。
 こちらには可愛らしい写真が撮れるプリントシール機。今日の記念を残したいな。
 次は何で遊ぼうか。リュカに手を引かれ、クロエの足取りも、今日はとても軽やかだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

トリガー・シックス
一人で映画を楽しむ。
人気のスペースオペラ映画を鑑賞する。
鑑賞後は街を歩き、射的の店を発見して入る。
恋人ときているであろう苦戦する男子学生の隣に立ち、狙いを確認。
(焦るな。目標をよく見定めて引き金を引くんだ。中心でなくとも近い場所に当たればいいと)
小声でアドバイスを送りつつ、自身も射的を行う。
終えて出ようとしたら勝負を挑まれて。
「やれやれ、相手するしかないか」

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK



 蘇りし、かつて銀河を支配した帝国!
 帝国の魔の手から逃れる美しき姫君!
 人類のために立ち上がるは、解放軍!

 休日の癒しに、UDCアースで流行りのスペースオペラ映画を一人鑑賞したトリガー。
 どうにもこの身に覚えのある展開に、笑いがこぼれる。
 スペースオペラの大活劇までもが、今や自分の日常の一部だ。

 街をぶらり歩いていれば、かつての己の日常の一部が目についた。
 それは、射的ゲームに興じる学生達。
 男子学生と、恋人だろうか?同じ学校らしき女子。
 彼女にねだられてでもいるのか、何度も同じぬいぐるみを狙っているが、まるで落ちる気配は無い。
 ふと心が動いた。

 トリガーもまた、射的場に立っていた。男子学生の隣に陣取り……。
(焦るな。中心でなくとも近い場所に当たればいい)
 男子学生に耳打ちして、その手本の如く次々と的を撃ち落としてゆく。
 悠々とその場を後にしようとすれば、ぬいぐるみを落として調子に乗っているらしい男子学生が勝負を挑んでくるではないか。
「やれやれ、相手するしかないか」
 厳しい現実を知るのもまた、良いだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月11日


挿絵イラスト