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籠絡ラムプは筆を折らせず(作者 G.Y.
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『そう、そうよ……女に罵声を浴びせた男は、次の朝首を絞められて殺されていたの』
「あぁ、あぁそうだ。そうして女は復讐を続けるんだ」
 ある男が一人、原稿用紙に文字を書き殴る。物語はある女性の復讐譚だ。
『いいわ。そうして次は女……』
 その脇に立つのは、黒髪の女性。足元にはラムプがぼんやりと朧げに揺れていた。
「なるほど……ふ、ふひひ、これは良い」
 男は何かに取り憑かれるように筆を走らせる。……否。実際に取り憑かれているのだ。
「ひ、ひひっ、すごいぞ、言葉が溢れてくる。物語が渦巻いている。次も大評判間違いなしだ」
 そう言いながら、男は一心不乱に文章を書き続けるのであった。

●偽の文豪、温泉にて
「籠絡ラムプというものをご存じかしら?」
 エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が猟兵達に向けて問いかけた。
「最近サクラミラージュで話題となっている、不思議なオイルランプなんですの。この籠絡ラムプを使えば、危険な影朧を手懐けて、その力をまるで自分のもののように利用することが出来るんだとか」
 なんとも危険な話だ。実際、エリルは眉を顰め言葉を続ける。
「これは現在サクラミラージュを騒がせている幻朧戦線がばらまいた『影朧兵器』なんですの。使い続けていれば、いつかは影朧は暴走して、使い手を含めた帝都に甚大な被害を及ぼしますの」
 そうなる前に回収しなくてはならない。そしてエリルは今回の目標の説明を始めた。
「今回の目標は太田・治助(おおた・はるすけ)。元々は売れない作家だったのだけれど、最近メキメキと頭角を現し始めた文豪ですわ。けれど、その影には『影朧ラムプ』の力があるんですの」
 治助が手懐けた影朧は、かつて人気を博した作家の影朧である。その影朧はある時第三者からの誹謗中傷を受けたことがきっかけで人気が失墜、ついには自殺をしてしまったのだという。
「影朧は治助に文豪としての文章力を授け、かつての経験や恨みを物語として発表させているみたいですわ。その生々しさが評判となっているみたいですわね」
 影朧の力なのに……と、エリルが困ったように言った。
「まずは、皆様は治助様のもとへ向かって、彼に接触してくださいまし。治助様は現在、有名な温泉地で湯治をしながら次の作品を執筆しているようですわ。ただし……」
 エリルが難しい顔で言う。
「治助様の滞在している場所については現在不明。調査する必要がありますわね。温泉地には宿がいくつもある上、治助様は編集者が押しかけないようにと偽名を使っているということだから、それぞれの宿の宿帳などを片っ端から調べても、簡単には見つからなさそうですわね」
 どうやって見つければいいだろうか、様々考える必要がありそうだ。
「ともあれ、温泉地は猟兵であればサアビスチケットで入り放題。温泉を楽しみながら調査をしてみてはいかがかしら?」
 そうしてエリルはグリモアを輝かせた。
 いざ、籠絡ラムプを求め、桜散る温泉地へ――。





第2章 ボス戦 『魔縁ノ作家』

POW ●〆切の無間地獄
非戦闘行為に没頭している間、自身の【敵の周辺空間が時間・空間・距離の概念】が【存在しない無間の闇に覆われ、あらゆる内部】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD ●ジャッジメント・ザ・デマゴギー
自身の【書籍、又は自身への誹謗中傷】を代償に、【誹謗中傷を行った一般人を召喚、一般人】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【敵に有効な肉体に変質・改造し続ける事】で戦う。
WIZ ●イェーガー・レポート~楽しい読書感想文~
対象への質問と共に、【400字詰原稿用紙を渡した後、自身の書籍】から【影の怪物】を召喚する。満足な答えを得るまで、影の怪物は対象を【永久的に追跡、完全無敵の身体を駆使する事】で攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「な、なんだあんた達……」
 テーブルに向かって万年筆を走らせていた男の手が止まった。
 その脇には、ぼんやりと光るオイルランプ。

 影朧『魔縁ノ作家』こと小金井町子がかつて愛した旅館の一室に、今猟兵達は乗り込んでいる。
 万年筆を持つ男。間違いない。彼が太田・治助である。
 写真よりも目は落ち窪み、大きな隈が出来ている。床に積み上げられた原稿用紙はゆうに単行本5冊分にもなろうというほどで、それらは彼がこの地に滞在してからほぼ全ての時間を執筆に費やしていたことを示していた。
「あぁ……そう、そうか……」
 虚ろな目で太田が笑う。目の前にいる者達が猟兵であることを悟ったのだ。そうなれば、もはやこの生活も終わる。終わってしまう。
「いいや……終わらせたくない……!!」
 太田は籠絡ラムプを手にして、それを掲げた。
「出て来い、頼む!」
 その言葉に応じ、『魔縁ノ作家』小金井町子が猟兵達に立ちはだかった。
『何故邪魔をするの……あいつらは私の全てを奪ったのよ。せめて、これくらいの復讐はさせなさいよ……!』
 忌々しそうにしながら、町子は猟兵達へと襲い掛かるのであった。
琥珀川・れに(サポート)
※人が多いなら流すも自由さ

「貴族たるもの余裕を忘れてはいけないな」
「やあ、なんて美しい人だ」

ダンピール貴族
いかにも王子様っぽければねつ造歓迎さ
紳士的ジョークやいたずらも好きかな

敵も味方も性別か見た目が女性ならとりあえず一言は口説きたいね
ナンパではなくあくまで紳士的にだよ?

実は男装女子で
隠しはしないが男風源氏名レニーで通している
その方がかっこいいからね

戦闘スタイルは
・剣で紳士らしくスマートに
・自らの血を操作した術技
が多い
クレバーで余裕を持った戦いができれば嬉しいよ
早めに引くのも厭わない

説得系は
キラキライケメンオーラやコミュ力で
相手を照れさせてみせよう


「やあ」
 『魔縁ノ作家』小金井町子の前に、キラキラとしたスーツを身に纏った麗しい姿……それはまさに『王子様』であった。
「なんて美しい人だ」
 ゆらりとステップを踏むように町子へと歩み寄ると、ごく自然にかしづいて、その手をとった。
「えっ……!?」
 思わず町子がときめいた。町子を見上げる瞳はまるでアメジストのように美しく、微笑む唇にたたえた薄い紅に心が奪われる。
「君のような人を傷つける者がいたなんて、遺憾極まりないよ。君を失ったなんて、この世界の損失さ」
 そう言って手の甲に口付けを贈る『王子様』の名は琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)。男性とも見紛う容姿の彼女は、レニーという名で王子様として振る舞っているのだ。
「あ、あう、あうあ……」
 顔を真っ赤にしてオロオロする町子。不倫を含んだ恋愛を題材とした傑作を披露し続けていた人気作家は、実生活では案外ウブであった。
「ま、町子……?」
 太田が戸惑うように言う。今まで見たことのない町子の姿に、彼も動揺しているようだった。
 ずるりと町子の手から白紙の原稿用紙が滑り落ちた。それと同時に町子の本から影の怪物が出現する。
「はっ!?」
 その怪物に、何故か町子までもが驚いた。完全に舞い上がってる。
 怪物は原稿用紙に感想文を書くまでレニーを攻撃し続ける。そんな非常に危険な技が発動してしまったのだ。
「おや、これは……」
 レニーが動じず、原稿用紙を拾い上げる。迷うことなくさらさらと原稿用紙を埋めると、レニーがそれを町子に返す。
「はい、どうぞ」
 ぱらりと町子はその文を読み始める。
「……!!?」
 まるで火山が噴火したかのように町子の顔が真っ赤に染まった。甘い甘い、彼女の文才を称えた言葉が一杯に詰まって、怪物はあっさり消えてゆく。
 満足そうにレニーが笑うと、刃を抜く。
「さぁ、その傷を癒そう」
「えっ!?」
 町子が思わず叫んだ。レニーの刃は、自らの手首を切りつけたのだ。噴き上がる血は雨となって、部屋中に降り注ぐ。それと共に、町子の身体を蝕んでいた疲労感が吹き飛んで行く。
 これは贄の天涙。その血は、触れた者を癒す雨となった。
 嗚呼、何故この人はそんなに美しい、陶器のような肌を傷つけてまで私を癒すのだろう?
 そしてどうして、血に濡れたその姿は美しいのだろう。
「身体も心も癒えたかい?」
 血を止めてレニーが笑う。
「は、はいぃぃ~……」
 もはや町子はレニーにメロメロになってしまうのであった。
成功 🔵🔵🔴

六条寺・瑠璃緒
そうか、君がその作家に書かせて居たんだね
君、恥ずかしくはないのかな?

さぁ、原稿用紙をおくれ
何故君は全てを奪われたのか?何故僕達は邪魔をするのか?
前者について君に非はない
僻みか妬みか、いずれにしても気の毒だと心底思う
さぞ無念だったろう
後者は、そこにいる彼は彼自身の言葉を綴るべきだからだ
君の無念を人に背負わせるべきじゃない、まして同じ夢を追う物書きだ

女史、君の本はいつか読んだよ
君の名は本の著者として後世に残るべきであって、こんな事件で残るべきじゃない
解るかな?
「じゃあ、君がすべき事も、わかるね?」

攻撃にはオーラ防御を
催眠術のように言いくるめて転生又はUCによる自滅を促す


 立ちはだかる『魔縁ノ作家』小金井町子を前に、瑠璃緒は嗚呼とため息をつく。
「そうか、君がその作家に書かせて居たんだね」
 その言葉に、労わりと僅かな侮蔑が籠る。
「君、恥ずかしくないのかな?」
 澄ました表情で語り掛ける瑠璃緒に、町子は図星を突かれたか、みるみる眉がつり上がる。
「私はこのままではっ……!」
「さぁ、原稿用紙をおくれ」
 町子の言葉を遮り、瑠璃緒は手を差し出す。虚をつかれた町子は、言われるままに原稿用紙を手渡した。直後、周囲の影がねじれ浮き上がり、怪物となって瑠璃緒を睨みつけた。
 それにも意に介さず、瑠璃緒は原稿に文字を書き連ねながら語り掛ける。
「何故君は全てを奪われたのか? 何故僕達は邪魔をするのか?」
 万年筆を走らせる小気味の良い音を響かせ、目は町子に向かず。
「前者について、君に非はない」
 妬み、僻み。恨みつらみ。いつの世にだってそれは人に這い寄り、そして蝕む。それに巻き込まれた町子は、不運だったとも言える。だから瑠璃緒が町子を不憫に思う気持ちは本物だ。
「気の毒だと、心底思う。さぞ無念だったろう」
「……」
 偽りのない言葉が響いたか、町子は言葉を失い俯いた。その背後には、ハラハラと二人を見守る太田の姿があった。その太田を指して、瑠璃緒は「後者は」と言葉を続ける。
「そこにいる彼は彼自身の言葉を綴るべきだからだ」
 影の怪物達は、手を止めた瑠璃緒へと襲い掛かろうとする。しかし彼の張ったオーラの障壁はそれを弾き返し、瑠璃緒は顔色一つ変えずに言い放つ。
「君の無念を人に背負わせるべきじゃない。まして、同じ夢を追う『物書き』だ」
 その言葉に、町子と太田がハッとした表情を浮かべた。けれど、今更引き返せはしない。今の太田の言葉は、町子の言葉なのだ。町子の言葉無くして、太田の今の地位は無い。
 共依存のような関係性となった二人の取るべき道は、目の前の猟兵を倒し、逃げ去り、そして新たな地で執筆をする以外にないのだ。だから、町子は瑠璃緒の言葉を振り払い、影の獣を差し向ける。
「女史。君の本はいつか読んだよ」
 あと一行……というところで筆を止めた瑠璃緒がまっすぐに町子を見つめて言う。
「君の名は本の著者として後世に残るべきであって、こんな事件で残るべきじゃない」
 その言葉が町子の頭を揺らす。思考が波にさらわれるように真っ白になって、影の獣達が動きを止める。
「解るかな?」
「…………」
 町子は虚ろな瞳でぼっと瑠璃緒を見つめた。
「……町子?」
 心配そうな太田の声に、町子は反応しない。瑠璃緒はじっと見つめながら、町子に問う。
「じゃあ、君がすべき事も、わかるね?」
 町子が無言のまま影の獣を自らへ向けた。影の獣は指示されるがまま、町子に食らいつく。
 ――君に拠る葬送。瑠璃緒の言葉は、町子の心の根底にあった罪悪感を膨れ上がらせ、自傷行為へと発展させたのだ。
「ま、町子!!」
 太田が叫ぶ。その声に我に返った町子は、影の獣を振り払う。
「よくも……!」
「さぁ、女史。完成したよ」
 最後の一文を添えて、瑠璃緒が原稿用紙を差し出した。そこには彼女の著書の感想が連ねられており、影の獣が姿を消してゆく。
「僕の感想は君の著書に対するもの。君の言葉は、君の言葉のままであるべきだ」
「……そんなこと……」
 もう出来る訳がない。だが、それでも。自身の中に憎悪と執着が失われつつあることを、町子自身も自覚を始めていた。
成功 🔵🔵🔴

ケルスティン・フレデリクション(サポート)
人や動物を傷つけたり、道具にしたりする敵には殺意高め。
ひとは、オブリビオンのどうぐじゃないし、きずつけられるためにいきてるんじゃないもん
だから、助けなきゃ!


一人称 わたし
二人称 名前を呼び捨て

口調は幼く
言い切る形や「〜なの」「〜よ」言葉尻を伸ばすことも多い

基本的には皆のお手伝い役
戦闘や情報収集、その他言われた事を行います。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


早臣・煉夜(サポート)
どんな方だろうとも、容赦なんてしませんですよ
僕はそのために作られたんですからね

妖刀もしくはクランケヴァッフェを大鎌にかえて
それらを気分で使って攻撃です
妖剣解放を常時使用して突っ込みます
使えそうならアルジャーノンエフェクト
怪我なんて気にしません
この身は痛みには鈍いですから
死ななきゃいいんです
死んだらそれ以上倒せなくなるので困るです

僕は平気なのですが、なんだかはたから見たら危なっかしいみたいですので
もし、誰かが助けてくださるならお礼を言います
ありがとーございますです

勝利を優先しますが、悲しそうな敵は少し寂しいです
今度は、別の形で出会いたいですね

なお、公序良俗に反する行動はしません
アドリブ歓迎です


「あぁ、こうしちゃいられないわ。締め切りは明後日なのよ。まだまだ書きたいことはあるんだから」
 籠絡ラムプから現れた『魔縁ノ作家』小金井・町子は突如そう言って太田・治助を促した。
「あ、あぁ、そうだ。そうだった」
 無名の小説家である太田・治助は、生前、人気作家であった町子の力を借りて、人気小説家に仲間入りした太田には、書くべきものが何万文字とある。だがそれ以上に、町子の『書かねばならぬ』という強迫観念に囚われているように思えた。。
 落ち窪んだ目、痩せた不健康な身体。だからこそ、ケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)はその姿を許すことが出来なかった。
「ひとは、オブリビオンのどうぐじゃないし、きずつけられるためにいきてるんじゃないのよ」
 このままでは太田は近いうちに倒れてしまうだろう。そうでなくとも、籠絡ラムプをこのままにしていては暴走してしまうことが予知で知らされていた。
「うるさいわ! わたしはもっと書きたかった! 頭にはまだ沢山の物語があるの!」
 原稿用紙とともに影の獣が猟兵達を襲う。
「それにしては、あなたの今書いている文は憎しみばかりでつまらないですね」
 早臣・煉夜(夜に飛ぶ鳥・f26032)は原稿用紙に感想を書き殴る。
「……うっ……」
 影の獣が消える。今の町子の文章は、言ってしまえば自分を自殺へと追い込んだ者達への恨みつらみだ。元の文章力のおかげで世間からは評価されているが、本来ならばもっと良いものが書けているはずだ、と、それは町子自身も気が付いていた。
「まぁ、どんな相手だろうと容赦しませんですよ。僕はそのために作られたんですからね」
 煉夜は妖刀を抜き、構える。そして一気に脳の演算速度を爆発的に増強する。アルジャーノンエフェクトが発動した。
 その異様な気配に、町子は一瞬で危険を察知すると、太田へと振りなおった。
「くっ、早く!」
 町子が太田に早く文章を書くように促す。二人で執筆活動に没頭することで、猟兵達を無間の闇に閉じ込めようという算段だ。
「だめよっ。くまさん、でてきてー!」
 ケルスティンが叫ぶ。すると巨大でファンシーなくまさんが出現し、太田と町子の間に割って入る。
「そ、そんなっ!」
 これでは執筆活動に没頭が出来ない。その隙を突き、煉夜が町子へ妖刀を振り下ろした。
「きゃあああっ!!!」
 痛みに悲鳴を上げる町子。その様子に、煉夜はふと寂しそうな顔をした。
 彼女もまた被害者なのだ。幻朧桜に癒され、いつか転生できることを祈る。
「今度は、別の形で出会いたいですね」
 そう言って、がくんと身体が崩れ落ちた。アルジャーノンエフェクトの効果が切れたのだ。
「きゃっ」
 ケルスティンはくまさんを操り、急いで煉夜を抱きかかえる。煉夜は能力の解放の反動で、昏睡状態に陥っていた。
(怪我なんて気にしません。この身は痛みに鈍いですから、死ななきゃいいんです)
 そう言っていたことをケルスティンは思い出す。
「もう、猟兵だって身体を大切にしなきゃだめなのよ」
 そう言って、ぷぅとふくれるケルスティン。
「……ありがとーございますです」
 目覚めた煉夜は何だか暢気な口調で、そうお礼を返すのであった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴