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迷宮災厄戦⑱-20〜女王は踊り少女は歌う

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #オブリビオン・フォーミュラ #オウガ・オリジン


●無意識の悪夢
 トントトン、軽やかな足音を立てながら血溜まり通りで少女は歌う。
「踊りましょう。歌いましょう。クイーンにキング。商人の子を揃えましょう」
 ふふふ。ふふふふふ。
 楽しげに笑い、腹を割いた青年の手を取ってオウガ・オリジンは踊り出す。
「さぁ、ジャックも一緒に。エースは私の手を取って? ——まぁ、もう起き上がれないの?」
「——ァ」
 微か、血溜まりの中で漏れた声に楽しそうに頷いて、ステップを踏む。
「えぇ。えぇ。忘れてはいないわ! 僧侶もちゃんと揃えましょう。きっときっと、楽しいパーティーになるわ」
 くすくすと笑い、オウガ・オリジンは青年を引きずり踊る。零れ落ちた血と共に倒れ込む頃には首を切り裂いて、血溜まりの中、両手一杯のトランプをばら撒いた。
「さぁ、次を探しましょう。誰にしようかしら!」

●女王は踊り少女は歌う
「迷宮災厄戦、お疲れ様。オウガ・オリジンも随分とその術を見せてくれているようですが——……ひとつ、激戦の影響かさる不思議な国が見えたのです」
 微笑んで告げたのはスティレット・クロワール(ディミオス・f19491)であった。
「『オウガ・オリジン』の中に眠っていた「無意識の悪夢」が、現実改変ユーベルコードで具現化しました」
 そこは、まるで19世紀イギリスのような「不思議の国」だ。
「オウガ・オリジンは、一本のナイフで、人々を戯れに殺し続けているのです」
 そこは悪夢の世界。人々は偽物だが殺され続けているのは事実だ。
「現場には必ず「トランプ」が残されています。奇妙な痕跡ですが——オウガ・オリジンの中では意味があるのでしょう」
 ダイヤのトランプがばら撒かれていた場所で殺されていたのは商人が二人。残されていたトランプの柄はダイヤだ。
「5人、被害者が見つかると少しばかり次の殺害が起こるまで時間があったようです。——ここで、一区切りなのでしょう」
 そしてまた5人、トランプと一緒に死体が出る。柄はどの都度違い、時の同じであるのだ——という。
「詳細は、悪夢の世界に住まう仮初めの人々が詳しいでしょう。そして、恐怖に怯える彼らを救うのは——君たちなのですから」
 だから、とスティレットは、にこりと微笑んだ。
「君達には探偵になって貰おうと思うんだよね」
 は? とか、ん? という顔と声が浮かぶ中、にっこりと微笑んで司祭は告げた。
「だって、謎の連続殺人には『不思議な探偵』が必要でしょう?」
 最も、こちらは殺人犯が誰であるかは知っている。多くの犠牲者が出る前に、オウガ・オリジンを捕らえるのだ。
「動かぬ証拠を集めれば、「夢の手錠」が現れ、これをはめるとオウガ・オリジンは消滅します」
 次の被害者を予想するか、次の出没先を推理するか。推理の方法は探偵の自由だ。
「オウガ・オリジンの居場所を見つけてください。探偵の君達に居場所を見つけられるほどに、彼女の存在はこちらの手の届くものとなります」
 行き先を見つけられ続け、行動を見破られ続ければ——オウガ・オリジンが戯れに残した奇妙な痕跡の理由を突きつけられれば、彼女は動かぬ証拠によって手錠をはめられ、消滅する。
「悪夢の世界とは言え、戯れに殺して回ってる子には、言ってあげないとね? 犯人は君だ、ってね?」
 小さく笑って、ステイレットはグリモアの灯りを灯す。
「それでは、探偵諸君の活躍に期待を」
 ——どうぞ、気をつけて。


秋月諒
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「迷宮災厄戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●プレイング受付について
導入追加はありません。公開時から受け付けております。

0時を過ぎる場合は翌日の8:31〜だと締め切り的にハッピーです。
システム上、送信可能な限りは受付中です。
締め切りの告知は特別行いません。

また、採用人数はあまり多くはないかと。
来たものから期間内に書き上げていく形で行くため、ゆっくりめの受付です。
全員の描写はお約束できません。予めご了承ください。

●プレイングボーナス
手がかりから犯人の行方を推理する

また、推理は基本的に「成功」します。
(一応設定上の正解も用意してあります)

手がかりからどんな風に推理をしていくか、がメインになるかと。
どんな探偵なのか、思い思いに書いて頂ければと。

●夢の手錠について
オウガ・オリジンは居場所を見つけられるほどに、逃走、若しくは手がかりを残していきます。
最後の参加者様のターン(プレイングが成功すること)により、夢の手錠が出現、オウガ・オリジンにはめることにより、オウガ・オリジンが消滅します。

このため、夢の手錠をはめたい! というプレイングを頂いてもお答えできない場合がございます。
予めご了承ください。

●同行について
お二人まででお願い致します。
戦争という形式上、三人以上は、大変申し訳ないのですが採用率が下がります。

プレイングに【名前+ID】若しくは【グループ名】を明記してください。
キャパシティ上、複数の参加はお二人までとさせて頂きます。
プレイングの送信日は統一をお願い致します。
失効日がバラバラだと、採用が難しい場合がございます。

それでは今宵は探偵の皆様に、ご武運を。
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第1章 冒険 『斬り裂きの街の探偵』

POW   :    被害現場を中心に地道な聞き込みや調査活動をして、証拠を集める

SPD   :    被害現場にいち早く駆けつける事で、犯人を特定する証拠を集める

WIZ   :    現場に残された手がかりを元に推理し、犯人を特定する証拠を導き出す

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パルピ・ペルポル
犯人はわかっているのだから、どう追い詰めるかよね。

まずは次の被害者の予測ね。
現時点でダイヤのカードが残されていた被害者の人数を聞き込みして。
5人未満なら次のターゲットも商人、5人ならば次は僧侶…聖職者になるかしら。
しかし5人ずつねぇ。この人数も何か意味があるのかしら。5枚といえばポーカーだけど。
そういえば現場に残されたカードの数字は何だったのかしら。それも調べておきましょ。

ターゲットになりえる人が多く住む地域を調べて、そこで張り込みをするとするわ。
間に合えば偶然の不運なる遭遇で犯行の邪魔をするわ。
いくら仮初めとはいえ、殺人事件は止めないと、よね。
あとは遺留品から次の犯行を予想しましょ。


南青台・紙代
【WIZ】
偽りの国とはいえ、殺人事件とはあまり気分のよいものではないのである。
解決のためにも知恵を絞るとしようか。
5で一区切り、トランプ……となれば浮かぶのはポーカーであるな。
さてトランプの紋標(スート)には各々意味があったはずである。
今回現場に残されていたダイヤは確か、貨幣。
商人の象徴、であるな。
《情報収集》してみよう。過去の事件の被害者を知れば、
恐らく頭文字などで一番強い手である
ロイヤルストレートフラッシュ(10,J,Q,K,A)が
揃っているのではなかろうか。
となれば、それに当てはまる名の商人(ダイヤ)を探して
《目立たない》ように《追跡》し、
犯人が現れるのを待つのである!



●作家探偵の推理
 ——それは、正しく恐怖としてこの国に伝わっていた。出歩けば殺される。否、出歩かなくても殺される。施錠に意味があったとも、一人でいるよりは二人で居た方が良いとも、噂話は広がり繋がり恐怖だけが、この国には残っていた。
「そうか、最早『事件』にもなっていないのであるな」
 この世界に残っているのは『死んでいた』という事実だけだ。殺されると誰もが思い、街を行く人々の瞳は陰鬱であるというのに、そこに「殺した者」への恐怖が無い。まるで、いつの間にか殺されているかのように——『そうなる』ものであるかのように、その『時』に怯えているのだ。
「偽りの国とはいえ、殺人事件とはあまり気分のよいものではないのである」
 ほう、と息をつき、南青台・紙代(言の葉綴りし青蛇女・f23355)は視線を上げた。
「解決のためにも知恵を絞るとしようか」
 その為の探偵だ。
 オウガ・オリジンの「無意識の悪夢」が、現実改変ユーベルコードで具現化し生まれた悪夢の世界であったとしても『探偵』として、この世界に介入することにより、オウガ・オリジンによる「殺戮」を「事件」にすることができる。
「そして、事件には必ず犯人が存在するはずである」
 街の人々が、何に殺されてしまっているのか——その存在に犯人という概念を突きつけることができるのだ。
「——ふむ」
 ひとつ息をつき、紙代は現場となった館を見る。殺害現場は二階の寝室と、一階のフロア。住居兼職場であった商人の館は、物取りの犯行を示すものは無く——ただ、空間を染め上げるほどの赤が残されていた。
「血に濡れたトランプ。ダイヤだけ、こうもよく集めたものであるな……」
 購入場所など、一切考えなくても良いのは推理物の小説としては難があるが——これは、既に犯人が分かっている推理ものだ。
「確か、5人だったか。5で一区切り、トランプ……となれば浮かぶのはポーカーであるな」
 トランプの紋標には各々意味があった筈だ。血溜まりのフロアにばら撒かれている「ダイヤ」は確か——貨幣だ。
「貨幣、商人の象徴、であるな」
 フロアには、人はいない。一度警察は入ったようだが——長居していても、咎められることは無さそうだ。探偵として、この世界に介入したことが効いているのだろう。ソファーの上、ぐちゃぐちゃになっていた新聞を紙代は手に取る。派手な見出しと共に、恐怖の殺戮は表紙を飾っていた。
「ふむ。やはり1人、であるな」
 商家の主。そして今回殺されたのが、ジャックとエースと呼ばれる従業員。ならばこれは、トランプのキングとジャック、そしてエースだろうか。
「これで3人。……やはり、一番強い手になっているか」
 ロイヤルストレートフラッシュ。
 ポーカーにおけるワイルドカードが存在しない状況に於ける最強の役。
「ならば、次は10かQか……。ダイヤの10は資産も意味もあったであるか……」
 資産、相続。金庫は無事であったらしいが——と、そこまで考えて紙代は足を止めた。
「待て。あの新聞、商人には子供がいなかったか……?」
 ここが悪夢の世界であったとしても、新聞を見る限り人々は一般的な生活を送っているようだった。両親を殺された商人の息子の年齢は後で調べるとして。彼は戻ってくるだろう。
「両親の葬儀に」
 呟いて、紙代は息を吐く。やれ、と重くなりかけた空気を払うように、ぐしゃぐしゃの新聞を掴んで館を出る。
「早く見つけるべきであるな」
 葬儀であれば向かう先は教会だ。街中、見えた一番大きな教会へと紙代は歩き出した。

●少女探偵パルピの推理
 だから、本当にひどいもんなんだよ。
 ため息交じりにパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)に告げたのは、喫茶店の主だった。小さな言葉でそう告げたのは、この話をしているのが誰かに見咎められるのを畏れてでは無く——自分も殺されるかもしれないからだ、という。
「だって、いつ「ああなるか」分からないだろう。どんな場所に至って」
「——……、それは心配ね」
 この街の人々にとっては、突然訪れる「死」は何処までも不条理で恐ろしいことだが『あり得る』ことなのだ。オウガ・オリジンによって生み出された悪夢の世界だからか、そこに「殺した誰かがいる」という概念が存在しない。
(「もしくは、ものすごい薄い……って感じね」)
 それでも、死を恐れるのは——その方が、オウガ・オリジンが楽しめるからなのか、死の概念への拘りでもあるのか。どちらにしろ、パルピ達はこれが神罰でも、目に見えない異形が現れ魂を浚っていく訳では無いの分かっている。
 一本のナイフで、オウガ・オリジンは人々を戯れに殺し続けている——というのが真実だ
『葬儀屋も儲かっちゃいるが……実際、恐ろしいのさ』
『弔いはするのね』
『——あぁ、せめてもの、な……。弔いが終わってから、ぽくりなんてよくある話だ』
 まだそのくらいなら良い、と店主は言っていた。
『そいつさえ間に合わずになんて話もある』
 ほう、と落ちた息はひどく——重かった。
「犯人はわかっているのだから、どう追い詰めるかよね」
 ひらり、と手を振り、店主に礼を告げて喫茶店を出れば街中の重苦しい空気が目につく。件の殺戮が理由だろう。
(「確かに、5人殺されてはトランプまかれてなんて、いい気はしないもの」)
 現時点での被害者は3人。商家の主、従業員の二人だという。
「5人未満だから次のターゲットも商人かしら」
 5人ならば次は僧侶……聖職者になるのだろう、とパルピは思った。オウガ・オリジンは5人ずつ殺害を行っている。気分で入れている区切りではないだろう。
「死の5人って店主も言っていたから、必ずそうなんでしょうね。5枚といえばポーカーだけど」
 商家の主が殺された際に残されていた数字はダイヤの「K」だという。
「残りは従業員の名前がエースとジャックらしいけれど……、一回確認した方が良さそうね。……あら?」
 すれ違いざまに、喫茶店を目指してきた一人に気がつく。ふわり、とフェアリーの翅を広げパルピは声をかけた。
「聞き込みかしら?」
「——ん、あぁ。現場の方を見てきてのでな。家族構成と馴染みの教会について聞きたいのである」
「教会?」
 ふわり、と身を滑らせパルピは話しやすい位置へと紙代の前におりてくる。
「あぁ。現場に残されていた数字はトランプの「エース」と「ジャック」だ。これで揃っているのはキングとエース、ジャックである」
 ロイヤルストレートフラッシュを狙うのであれば——残るは、クイーンと10だ。
「そして、ここが悪夢の世界であれ、人が殺されれば弔いがあるのである」
 葬儀の写真は、新聞にも載っていた。
「何処に居ようが出てくるのものである。——この街に向かって」
 そうして、獲物が舞台に上がるのを待てば良い。
「実際、オウガ・オリジンは自由に行き来は出来ると思うが……」
 見立てに拘っているのは事実だ。
 くしゃくしゃの新聞を広げて見せた紙代に、パルピは力強く頷いた。
「教会……そう、だから教会ね! 家族は弔いに出てくるもの」
 店主の話にもあった。葬儀屋が儲かっている、という話。
「商家の主は、家族を余所へとやっていたそうよ。偶然かどうかは分からないけれど……結果として、ああして殺されてしまった分、怖がっているけれどこっちに出てくるそうなの」
 そして、葬儀の場は教会となる。
 ダイヤのカードが揃えば、次はハート——僧侶だ。
「喫茶店の店主が言ってたのよね、弔いが終わってから亡くなる人や、それさえ間に合わずに……って。あれって、その場で殺されたから、じゃないかしら?」
 相手はオウガ・オリジンだ。どうやって殺したかは意味を成さない。侵入方法も深く考える必要は無いだろう。——分かっているのは葬儀の場、若しくは間に合わずに殺された人がいる、ということ。
「クイーンと「10」を殺せば、次は聖職者。いざとなれば、現場の下見だって出来るわ」
 そう言ってパルピは、視線を上げた。
「今までのもそうやって、繋げてたのかもしれないけれど……。今は、張り込みね」
「あぁ。商家は頑丈な造りをしていたが、鍵も窓も壊されてはいなかったのである」
 頷いて、紙代は告げた。あの現場は凄惨を極めていた。
「十分な恐怖を与え、殺すつもりであろう」
 すぐには殺しはしない。時間をかけるのであろう——そういう作法の小説は確かに存在する。一つ、息を吐き、紙代は視線を上げた。
「喪主の顔は分かるのである。目立たないように追跡し、犯人が現れるのを待つのである!」
「——えぇ」

●一の鍵
 そして、黒き行列へと続く道の前、現れた影に二人の探偵は飛び出す。
「そこまでなのである」
「いくら仮初めとはいえ、殺人事件は止めないと、よね」
 パルピが視線を向けた先、何かが——跳ねた。何処からか現れた超高速で移動する物体が、暗がりに潜む影を撃ち抜き、それは姿を見せた。
「まぁ。まぁ。邪魔者が入るなんて! 私の、このわたしの邪魔をするなど……!」
 くすくすと笑う少女の声が、怒号を纏うそれに変わる。
「許さぬ。許さぬぞ……!」
「許されずとも——変わらぬのである」
「えぇ。犯人は君よ」
 怨嗟に満ちた声に、二人の探偵はそう告げる。くり返される殺戮に穿つ探偵の言葉。これを事件としてこの世界に固定する力に、オウガ・オリジンは怨嗟を零しながら姿を消していく。
 コン、と残ったのは用意されていたのだろうトランプのカード。
「これ、置いていくって事は使わないのかしら? あ、ハートの方も用意していたのね」
 散らばったカードにパルピは息をついた。
 クイーンと「10」以外に用意されていたのはハートのカード。連続殺人の準備は進んでいたのだろう。だがまだ、ダイヤのカードが終わってはいない。
「——これは。大通りに関する地図と新聞であるな」
 言って、紙代は眉を寄せた。新聞に載っていた商工会議所のメンバーの名前であった。
「地図には番地がある。……最悪、役を変えるのであるな」
 手に入れた情報を他の探偵たちにも知らせるべく、二人は街を駆けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロト・ラトキエ
探偵ですかぁ…
自分で言うのも何ですが、すっごく柄じゃ無いですねっ!
…助手とかモブとか、その辺でひとつ。

商人二人。財ある者にダイヤのカード。
では、他は?
スペードなら剣…騎士や衛兵、ヤードか。
クラブは労働者階級。
聖杯の意を汲むなら、ハートは僧侶?

先に、これ迄の被害者の職業と数…
そして同時に残されたカードの図柄を訊いておき。
未だ出ていない、又は数の少ないスートが被害者候補…?
被害現場を尋ねるは住人に。

聊か不可解なのは、5人区切り。
カードは52なのに…或いは絵札と自身を一纏めとした倍数?
…。
えーい、やっぱり頭脳労働は向いてません!
後は証拠を集めて退路を断つのみ!

悪戯は止めるのも、大人の役割でしょうから


ライラック・エアルオウルズ
探偵に成れる気はしないが
作家の端くれではあるが故に
ネタ探しならば任せておくれ

犯行現場に残るトランプ、ね
ダイヤは『商人』を表すそうだし
対象に合わせて柄を、と云うよりは
柄に合わせて、殺しているのかな
五人と区切るのは、ポーカー遊び?

――何にせよ、遊戯めいている
早い所、止めねばなるまいと街へ
探偵を名乗り、《情報収集》しよう
怯えているだろうから、《優しく》
《礼儀作法》も忘れずに、一礼して

街を騒がす事件を詳しく知りたい
区切るような五人、その都度の
被害者はどんなひとであったか
トランプは何の柄であったかをね

騎士や僧侶や農民
他も柄の表すようなひとであって
“組み合わせ”にピンと来れば僥倖
次の犯行、先回り出来るかな


リーヴァルディ・カーライル
確かトランプの絵柄には色々な意味が隠されていたはず

犯人は被害者をカードに見立てていた?
5人で一区切りとなると…ポーカー?

…ならば、何とかして法則性を見つける事が出来れば、
次の犠牲者を予測できるかもしれない

情報が集められているであろう警察署に向かいUCを発動
残像のように存在感の無い霧になり対策本部に潜入

両眼に魔力を溜めUCを再発動して警官達を魅了する魔眼で操り、
被害者や捜査の情報を聞き出して他の猟兵に伝えるわ

…こんばんは。お仕事お疲れ様。少し良いかしら?

誰だとは失礼ね?"同僚"の顔を忘れたの?

…それで、捜査の状況は?少し気になる点があるから、
犠牲者達の情報を殺された順を追って知りたいのだけど…



●青年探偵――基、助手の推理と憂鬱
 ――そう、そもそも探偵なんて柄では無いのだ。そう自分で言うのも何だがすっごく柄じゃ無い。
(「……助手とかモブとか、その辺でひとつ」)
 犯人はお前だ、とかどどーんとシリアスな音楽とか効果音と一緒に行くにはどうにも向いてはいない、とクロト・ラトキエ(TTX・f00472)は、直近の犯行が行われた通りに足を運びながら思った。
「誰もが怯え、誰もが恐怖する死、ですか」
 それは、まるで天災か何かのように住人達は告げるのだ。
『警察も動いてくれたけれど……えぇ。助かったわ。旦那さんもそのままにはしておけないでしょうし。大きなお店の方だとしても、ねぇ……』
 警察がやったのは現場の簡単な捜査と、遺体の移動。司法解剖が行われたかは――まぁ、考えなくて良いでしょうね。とクロトは息をつく。これは犯人の分かっている事件だ。
「誰もがそれを事件に出来ないでいるだけ、ですか。……まぁ、現場をそのままにしておいてくれたのは助かりましたが」
 ギィ、と商家の扉は音を立てて開いた。事件が起きてから『それなりに時間が経った』と近所の人間は言っていたが、床を塗らす鮮血は残っていた。
「物取りの形跡は無く、あの椅子も……まぁ、血に濡れている以上、事件があった時に使われたんでしょうね」
 切り付けたナイフの血飛沫から犯人の身長を割り出すこともできるが、オウガ・オリジンが行った犯罪である以上、特別役立ちはしないだろう。鍵は掛かっていた、という。
「誰もが鍵をかけ、怯えて過ごすのに最後は殺されてしまう、ですか」
 殺された商人は二人。財ある者にダイヤのカード。
「では、他は? スペードなら剣……騎士や衛兵、ヤードか」
 クラブは労働者階級。聖杯の意を汲むなら、ハートは僧侶?
 ひとりきりの犯罪現場で、クロトは口に出しながら情報を整理していく。これ迄の被害者は、直近で言えば館での被害者――エースとジャック以外には、商家の主だという。
「それ以外に、この街が恐怖に怯えるほどの事態になったのは、過去にも何度も似たような事件が起きているから……」
 前は、工場で働いているディックだったのよ、と住人達は言っていた。
『貧乏人だろうが何だろうが関係ないのよ』
『では、まさか……?』
 ぱち、と青の瞳を瞬かせて、クロトは驚いている顔を作ってみせる。
『えぇ、そうよ。工場の社長も愛人も殺されたって話しじゃない。奥さん、偶然実家に帰ってたんでしょう? 運が良かったのか悪かったのか……』
 工場の事件では殺されていた5人に、3種類のカードが残されていたという。工場の社長以外に、仲が良いという社長が2人、愛人が1人、出入りの商人が一人だ。
「今回の商家の事件とは異なりますね……。今回は、ダイヤで揃っている」
 そして被害者はまだ3人だ。未だ出ていない、又は数の少ないスートが被害者候補なのか。
(「聊か不可解なのは、5人区切り。カードは52なのに……或いは絵札と自身を一纏めとした倍数?」)
 その意味は何処にあるのか。
 トランプの絵柄は、都度違うものはあるが被害者の数だけは必ず一定だ。
(「一回りして、そこで殺害が落ち着く。完了している。だが何故、それで在り続ける理由がある?」)
 くるくるりと考えて、床に散らばったトランプの柄を睨みながら――やがて、クロトは、落ちてきた眼鏡をつい、とあげて息をついた。
「えーい、やっぱり頭脳労働は向いてません! 後は証拠を集めて退路を断つのみ!」
 一家の主が殺され、店の従業員も殺害されたとなれば、奥方でも、子供が成人していれば出てくるだろう。
「今までも主と奥方が狙われているのはありましたからね」
 直近で起きた事件はダイヤ――商家の事件。その前がクラブ、その前がスペード、衛兵の方は人数が足りていないが、街のマダムたちによれば署長が替わったという。
「この時期に変わったのは怪しいでしょう」
 悪夢の世界において、オウガ・オリジンの起こした殺戮は、何故か事件として捉えられていない。恐らくは「そう」させられている。だからこそ、探偵という概念が必要なのだ。
「悪戯は止めるのも、大人の役割でしょうから」
 さて、まずは推理も足だ。助手ポジでも然り。ここはしっかり働いて――と、館の外に出た瞬間、ひらりと待った張り紙が目につく。ぱたぱた、と文字は入れ替わり、先に出ていた猟兵達の推理の結果を伝える。
 ――クイーンと『10』が狙われた。
 殺害は失敗したが、オウガ・オリジンは商工会議所のメンバーとその住居を示す地図を有していた、と。

●少女探偵――基、警察官の推理
「――そう、確かに番地は数字だものね」
 ひらり、と舞い上がった新聞は自動的に文字が組み変わるものだった。文字は長く持たず――だが、一面を飾った内容は、探偵が商家の二人を救った、というものであった。
「この連続事件に介入できている、ということね」
 ほう、とリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は息をつく。踏み込んだ地が、コツン、と硬い足音をようやく、落とした。――そう、漸くだ。
「対策本部がこんなにも機能していないとはね」
 躍起になって捜査をしている、ということは無いらしい。恐らく、やろうとしても出来ないのだ。此処はオウガ・オリジンが作った悪夢の世界。その遊びを邪魔することはできない。
(「だからこそ『此処』には情報だけが集まっているのね」)
 血の変生を以て吸血鬼に変異し、存在感の無い霧となり潜入した対策本部をリーヴァルディは見た。
(「ダイヤの事件は既に一人被害者がいたのね」)
 確か、トランプの絵柄には色々な意味が隠されていたはず。地域で言えば季節、意味合いは占いにより添えられたものだが――……。
(「これは、職業ね」)
 ダイヤに関して言えば、商家の人間に偏っている。この家が狙われた、と単純に言えてしまうほどに。
(「そして、その前は工場の経営者と友人、愛人、それに出入りの商人……」)
 扱いは、工場に出向してきている会計士のようなものだったらしいが――被害者は常に5人、だ。
「犯人は被害者をカードに見立てていた? 5人で一区切りとなると……ポーカー?」
 それであれば、5人は『役』になっているはずだ。被害者についての詳細情報を得るために、リーヴァルディは世界に影を落とす。足音を二度、響かせて己という存在を署内に現す。
「……こんばんは。お仕事お疲れ様。少し良いかしら?」
「――? 君は誰だ。駄目だろう、こんな場所に勝手に入っちゃ。怒られても……」
 突然、廊下に姿を見せた少女に警察官が目を剥く。名前は、と続く声が大きくなるより先に、リーヴァルディは微笑んで告げた。
「誰だとは失礼ね? "同僚"の顔を忘れたの?」
「同僚――……」
 その言葉に、リーヴァルディの魔眼に魅了された男が二度、三度と呟く。同僚、と。
「あぁ――……あぁ、そうだった。お疲れ様です」
「いえ、いいの。……それで、捜査の状況は? 少し気になる点があるから、犠牲者達の情報を殺された順を追って知りたいのだけど……」
「あぁ、遺体が発見された順でしたら……」
 先の事件、工場で起きた事件は工場主が最初だった。その夜、一緒にいた愛人が殺された。
「次が従業員ですね。その日の遺体はそりゃぁもうひどいもんだったですよね」
 あれに比べれば、今回の商家の方が真面に葬式が出せますよ、と魅了された警察官は告げた。
「……そう」
「えぇ。此処だけの話ですが、前の署長も工場の経営者達の知り合いだったでしょう? 従兄弟が経営者だったとかで。で、結構急いで行ったらしいんですが――……」
 ご友人達も化け物に喰われたみたいに揃って殺されて。
 そう言って、警察官はため息をつくようにして告げた。
「張り切ってたのに、結局自分も死んじまったんですからね」
「――……そう、えぇ。本当に哀しい出来事だったわね」
 先に殺されたのは社長、次が愛人。従業員まで来て、残りのメンバーの殺され方がひどかった、という。ポーカーの役で考えれば「K」が三つだ。――だが、最初に殺されたのは経営者が一人だけだったという。
(「最初に選んでいた役は違った。けれどそれが、何らかの理由で果たせずに残る「K」の役目をおわされたものは『ひどい殺され方』をした……」)
 そう、とリーヴァルディは集めた情報を頭の中、組み立てる。散らばっていたトランプは複数だったという。
(「ばら撒かれていたカードが「K」であった以上、彼らはキングの役割を得たはず。なら……これはフルハウス、ね」)
 愛人と商人の名前には共通点があった。導き出された数字は「10」だ。
「愛人だとは思わなかった、ってことかしら。狙っていたのね、恐らくもっと強い役ね」
 そう、例えばとリーヴァルディは視線を上げる。前任の警察署長・エース・フォルカッシュ。家族4人も殺された彼がフォーカードであれば。
「狙いは、ロイヤルストレートフラッシュ」
 今まで出ていない組み合わせが、これであった。その情報を他の猟兵達と共有するために、リーヴァルディは警察署を後にした。

●文豪探偵の推理
 ――街は、ひどく陰鬱な空気を纏っていた。暗いよりはひどく、重い、と思う。凄惨な事件だ。それ自体は不思議は無く――だが、家々は戸締まりをしながら、何処か諦めている節があったのだ。
 ――これは、恐ろしいどうしようもないことだから、と。
「この世界においては、オウガ・オリジンによる殺人という事実が街の人々に、事件だと認識させないようにしているのかな」
 ほう、とライラック・エアルオウルズ(机上の友人・f01246)は息をついた。その手法自体には覚えはある。探偵の存在より、その死は殺しだと告げられ、殺戮は事件と告げられる。
「探偵に成れる気はしないが、作家の端くれではあるが故にネタ探しならば任せておくれ」
 犯行現場にトランプが残されていたという。
「ダイヤは『商人』を表すそうだし、対象に合わせて柄を、と云うよりは柄に合わせて、殺しているのかな」
 五人と区切るのは、ポーカー遊びか。
 手札を揃えるように五人殺し――そして、次の役を揃えるつもりか。
「――何にせよ、遊戯めいている。早い所、止めねばなるまい」
 コン、と踏み出した一歩、ひらりと街中に今日も一人の探偵が増えた。薄暗い街中は、それでも客人を厭う者では無いらしい。
「――事件のことで」
 柔く言葉を選び、怯えている街の人々に優しくライラックは声をかけた。
「少し調べているんだ。探偵だよ」
 一礼と共に告げたライラックに、ぱち、と花屋の青年は瞬いた。
「探偵……、探偵なんすか?」
「うん、珍しいのかな」
「……っすね。はい。あんま、いないので……というか、見たこと、ない?」
 殺戮が事件としてなり立たぬよう、認識を薄くされている街では不思議も無いかもしれない。最近、葬儀用の花ばかりが売れるのだと苦笑した花屋の青年は息をついた。
「それで、五人殺しの件っすよね? 前に五人あったのは、工場っすねぇ……。社長に愛人さんと友人等も殺されたって話で……」
 残されていたのは、スペードとクラブ、それにハート。キングが三枚に「10」が2枚だったという。
「工場の社長の知り合いは……まぁ、あれっすね。長男とか、三男っすよ。家族に教会の人間がいたり、親戚が警察官でも人間死ぬときは死ぬんすね」
「そうか……」
 キングの三人は工場の社長で在りながら、同時にスペードとハートの意味合いを持つ、という存在だろう。
「工場も潰れて、まぁでも結局、署長さんも交代になったらしいんですよね。……まぁ、前にも5人殺しがあったのにって話じゃあるんですよね」
「――前にも? それは、怖い話だね。今回の一件の前にもあったのかな?」
 やはり5人? と問うライラックに青年は頷いた。
「っすね。前はえーっと、トランプがそんな豪華じゃなかったんすよねぇ」
 ただの数字とか、あんまり揃って無くて。
「最近は変に柄が揃ってたりで嫌な感じっすね……変な預言だとか言うやつもいますけど」
 教会がそれは抑えているのだと青年は言った。
「死んだ商家のおっさんも、こういう時は落ち着いているべきだーってたんすけどね」
 今じゃ残っているのは教会の神父だけだと青年は言った。
「最初っからみんなで一緒にやってりゃ良かったんでしょうがね。工場のおっさんと署長さんが上手く話をつけきれてれば……? 探偵さん?」
「――うん、少し考えることができてね。ありがとう」
 そうっすか? と首を傾げた青年にライラックは頷いた。
 つまり、この殺人事件――5人殺しは二巡目なのだ。一巡目ではトランプもばらばらだ。
(「今は綺麗に揃えてきている。犯行になれたという意味もあるけれどこれは……」)
 強い役を、選んでいるからだ。
 工場の経営者とその友人達で作り上げたのは『フルハウス』
 彼らの死後、殺害されたという警察官の家族は『フォーカード』
「そうだね。ポーカーはゲームだ」
 これは、真実ポーカー遊びだ。
 花屋の青年から一輪、買った花を手にライラックは通りに出て、息をついた。そう「遊び」だと確かに自分は一度口にしていた。
 ポーカーにはプレイヤーが存在する。オウガ・オリジンがプレイヤーという可能性もあったが、これは、この街を使ってオウガ・オリジンがしている一人遊びだ。
「勝者は生き残っている、か……。あぁ、本当に早く止めないといけないね」
 長く伸びた影に息を落としてライラックは、街で一番大きな礼拝堂へと目をやった。
 クラブは労働者階級。工場の人間から農家まで。スペードは衛兵からヤード。そしてダイヤが商人であり、ハートは聖職者。
「狙われた商人の奥方と息子さんは「Q]と「10」の役割だね」
 フォーカードまで役は使い切った。ならば次のゲームで見せるのはより強い役でなければならないのだろう。
 そして、5人殺しは常に二組で行われる。
 今回のプレイヤーやダイスの『商家』とハートのプレイヤー。
「――あぁ、それなら。現場は教会だ」
 彼らは、この事態に協力し合おうとしていたのだから。

 斯くして、探偵たちの推理は完成する。
 くるくると中身を変える新聞は、探偵達がこの世界に穿った『真実』により、記事の内容を変化させていた。謎の商家殺しから『恐怖の連続殺人事件』へと。その犯人に迫る記事へ。

●告げる結末
 くすくすと笑う少女の声が響く。トン、トトン、と足音は軽やかに――だが、そこに姿は無い。影のような暗闇が残り、時折気まぐれにスカートを揺らす。
「さぁ。揃えましょう。揃えましょう。ジャックにエース、キングは手の中に」
 くるり、くるり、スカートを踊らせ、少女の影は礼拝堂に足跡を残していく。暗く、黒いそれは、祈るように座す影へと向かっていく。
「クイーンに商人の子を揃えましょう。さぁ、あなたのターンよ。綺麗に揃えて――……」
「お望みの二人は来ませんよ?」
 小さく笑う青年の声が落ちた。黒髪を揺らし、礼拝堂の席に座っていた青年――クロトが振り返る。
「やっぱり、頭脳労働よりは動き回った方が向いてますね」
 哀しいかな、と落とす息は飄々と響き、つい、とクロトは眼鏡をあげて告げる。
「オウガ・オリジン」
「――まぁ!」
 ふふ、ふふふふふ。
 鈴を転がすように少女は笑い、名を紡がれたことにより礼拝堂へと姿を見せる。顔の無い少女の姿をした『者』ナイフを手にしたオウガ・オリジンはくすくすと笑って見せた。
「あなたにわたしが止められるのかしら? わたしはこの世界で一番自由なわたしなのに!」
「――どうだろうね。でも、自由にしているだけでは揃わないんじゃないかい?」
 もう一人、立ち上がった影が静かに問うた。は、とオウガ・オリジンが振り返る。後ろを取られていたとは思わなかったのだろう。司祭が書き込んでいたという本を手にライラックは告げた。
「ポーカーのカードが揃わないからね」
 この前は工場の経営者と署長の勝負。
「フルハウスとフォーカードの戦いから今回は、商人と教会の勝負のつもりかい?」
「――っ」
 両者は対戦相手だ。そして同時に、この世界の在り方に多少なりとも疑問を持った者が選ばれている。
「この状況に立ち向かおうとしていた。……でも駄目よね? それじゃぁ、恐怖に支配された悪夢の街のままではいられないもの」
 ふわり、と髪を揺らし、リーヴァルディが告げる。
「人払いもしてあるわ。警察が来るのは最後ね」
 彼らは彼らの仕事をしにくるのだ、とリーヴァルディは告げた。
「やっと、ね」
 彼らは来るだろう。探偵による水路が終わった後。迷宮入りのように思えた恐怖の連鎖が、事件となってから。漸く動き出せるのだ。
「……っ、そんなこと、そんなもの……!」
 少女の姿が割れていく。零れる声が荒れていく。
「ここはわたしの世界だ! わたしが殺し、私が遊ぶ世界だ! わたしの思うがままの――……」
 オウガ・オリジンの言葉に、ライラックはただ一度息を吸った。
「狙っていた役はロイヤルストレートフラッシュかい? けれど、商人の奥さんも息子さんも来ない」
 「Q]と「10」が欠けたまま、ポーカーは成立しない。見立て殺人は、5人に届く前に探偵達に見破られたのだから。
「あなたの遊びはここで終わりだよ。オウガ・オリジン」
 本を、閉じる。静かに視線を向けライラックは告げた。
 探偵達の積み重ねてきた言葉が、真実が、今、真犯人へと届く。恐怖を、狂気を、正しく事件と捉え、そこに犯人という存在を引きずり出す。
「犯人はあなただ」
「――っそんな、馬鹿な。この世界はわたしの、わたしが遊ぶ場所だ! もっと、もっと――……っ」
 ガシャン、とオウガ・オリジンの手に夢の腕輪がおちる。悪夢の世界の主ではなく、犯人として。踊る少女の影は地に足をつけば絶対の存在たる力は失われ、淡い光の中に――消えた。
 ひらり、と一部持ち込まれていた新聞の表紙が変わる。
 ――連続殺人事件、見事、5人の探偵により解決、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月28日


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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