迷宮災厄戦⑱-19〜その悪夢は永遠に
●無意識下のアサイラム
猟兵たちと様々な手段で戦いを繰り広げていく『オウガ・オリジン』。
猟書家から取り戻した力もあり、その『現実改変ユーベルコード』はその力を増していた。
このまま力を増していく『オウガ・オリジン』だが……激戦の影響か、奇妙な変化が現れ始める。
(わたしの方が圧倒的に有利だ。嗚呼それなのに、なんなのだ! この最悪な気分は)
「猟兵どもは、幾度も幾度もやってくる。何度も、何度も、何度も、何度も!」
いくら壊そうとしても壊れない。いくら傷めつけても、離れていくことがない。
(嗚呼、最悪だ。気分が悪い)
彼女は気が付くと、全ての窓に鉄格子の嵌められた暗く陰鬱な場所に居た。
それは彼女の中にあった『無意識の悪夢』。
猟兵と戦う中で『オウガ・オリジン』の奥深い何かが刺激され……高まる現実改変ユーベルコードの力が『無意識』を掘り起こした様だ。
「……何だ、ここは」
――わたしはこんな場所は知らない。
――びょういんだよ。
――こんな巫山戯た牢獄、いま直ぐ壊してやる。
――できないよ。
頭に反響する声に吐き気を覚えた『オウガ・オリジン』は、思わず胸元をおさえた。
するとその手首から突如鮮血が噴出する。
「あああああ痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……」
噴出した鮮やかな赤は獣のカタチ――『悪夢獣』へ変化していく。
『オウガ・オリジン』は激しいめまいと吐き気そして痛みで動けずにいた。
その手首からは、具現化された噴出した悪夢が噴出し続け生まれた獣たちがこの悪夢の国へと満ちていく。
●『悪夢獣』の群れを殲滅しよう
「集まってくださり、ありがとうございます!『迷宮災厄戦』へ参加するみなさんへ、お知らせです! パワーアップしていく『オウガ・オリジン』さんに、変化が現れました」
グリモア猟兵のユーノ・エスメラルダ(f10751)はグリモアベースに集まってくれた猟兵たちにぺこりとお辞儀をすると話を続ける。
「どうやら皆さんと戦っていく中で無意識下の何かが刺激されて、現実改変ユーベルコードの力が反応したようです。その結果として、この全ての窓に鉄格子の嵌められた部屋のみの国が生まれました」
それは、まるでアサイラムの様な――。
「その国で『オウガ・オリジン』さんは、自身の意思と無関係に『悪夢獣』という存在をひたすら噴出させています」
そう言いながらホワイトボードに描いていくのはうずくまる少女の姿と、その周辺を囲む巨大な馬、一角獣、そして狼と、兎。
「この『悪夢獣』たちはオリジンさんの中に眠っていた悪夢から生まれている様です。そして猟兵たちを見ると襲ってきます」
続けてそれぞれの『悪夢獣』の特徴が説明されていく。
まずは巨大な馬と一角獣。
「巨大な馬型の悪夢獣は、一角獣型と協力しながら突進してダメージを与えてきます。そのパワーは力強く、前に立つものを向き飛ばすとしてくるでしょう」
次に、狼。
「狼型の悪夢獣は、群れで連携して襲い掛かってきます。隙を与えず次々と追い詰める様に攻撃してくることでしょう」
そして、兎。
「最後に兎型の悪夢獣は、鋭い前歯と刃になった耳をもち戦場に潜んでいます。オリジンさんへ敵意を向けた相手の首を刈り取るようにその歯と耳で襲い掛かってくるでしょう」
これらの『悪夢獣』と戦うことになる。
「今回はこの『悪夢獣』をすべて倒すと、オリジンさんは力尽きて消えていくようです。そしてオリジンさん本人は、苦しみで全く動けず、まともにしゃべることも出来ない状態です」
本人のためにも、早く終わらせてあげた方が良さそうだ……。
●悪夢を終わらせるために
「これまで仲間の死すらなんとも思わず鬼畜で残酷な面を見せていた彼女ですが……ここに来て無意識に押し込まれていた何かが出てきた様子です。……私達にいまできることは、この『悪夢獣』を倒し彼女を終わらせること。どうかこの場所の攻略に皆さんの力をお貸しください……」
説明を終えたユーノは、ユーノはやがて祈りと共に魔法陣を展開させていく……ここに乗れば、目的の世界へ転移できるだろう。
「ユーノはみなさんを転移させなければならないので同行はできません。みなさまにご武運がありますように……」
ウノ アキラ
はじめましての方は初めまして。そしてこんにちわ。
ここにきてまさかのオリジンの内面に関わる戦場……ちょっとびっくりしています。ウノ アキラです。
このオープニングに興味を持っていただき、ありがとうございます。
●
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プレイングボーナス……鮮血にまみれながら、悪夢獣と戦う。
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血を避けたり拭ったりせず、血を受け入れながら戦う感じです。
OPでも触れたように『オウガ・オリジン』は今回は何もしてきません。
●お得情報
日曜日(23日)の8時以降に、その時点で届いているプレイングからリプレイを書こうと思っています。
他にもマスター紹介のページは一読頂けると文字数を少し節約できるかもしれません。
よろしくお願いいたします。
●依頼について
やや難です。難易度の関係からプレイングボーナスは限られるため、いつもの様なボーナス盛り盛りにはなりにくいです。
全員の採用は難しいですが、書けそうな範囲で書きたいと思っています。
また、『書きやすそうな方から採用する』ためプレイングは不採用になる可能性があります。ご了承ください。
第1章 集団戦
『『オウガ・オリジン』と悪夢のアサイラム』
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POW : ナイトメア・パレード
【巨大な馬型悪夢獣の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【一角獣型悪夢獣】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 悪夢の群狼
【狼型悪夢獣の群れ】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 忠実なる兎は血を求む
【オウガ・オリジンに敵意】を向けた対象に、【鋭い前歯と刃の耳を持つ兎型悪夢獣】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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黒城・魅夜
私こそは「悪夢の滴」
オリジンよ、悪夢に魘されるものよ
あなたを哀れみはしませんが
悪夢は我が滅ぼすべき存在です
鮮血?ありがたいですね
ダンピールである私にとってむしろ饗応とさえいえるもの
「吸血」「生命力吸収」でたっぷりとのどを潤させてもらいましょう
普通の血ではないとしても
「呪詛耐性」「狂気耐性」「毒耐性」「環境耐性」を駆使し
その味わいだけを戴きます
悪夢を僭称する獣よ、あなた方は私の「残像」でも相手にしておいでなさい
「誘惑」でも残像に誘導しきれなかった獣の牙は
「オーラ防御」しつつあえて受ける「覚悟」を見せましょう
そして同時にこの傷から噴き出す血は霧となって獣たちを滅ぼします
これが真なる血の使い方です
●悪夢の中
全ての窓に鉄格子の嵌められた暗く陰鬱な場所。
どこかの建物の中の様であるが、細部はぼやけ『何かがある』という以上のことは解らない。灯りの有無すら定かではないそこは、まるで夢の中。
そんな空間で目を引く色がある。
赤だ。鮮やかな赤が部屋の中に飛び散りながら獣のカタチをつくっていた。
「これは……血ですか」
黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は指についた赤いそれをなめとった。
「それも鮮血。ありがたいですね……ダンピールである私にとってむしろ饗応とさえいえるもの」
そう呟く魅夜の視線の先には苦しみでうずくまる『オウガ・オリジン』と彼女を取り囲む赤い『悪夢獣』たち。
敵意を見せる悪夢に対し、魅夜はユーベルコード『血に霞みし世界に祝福を捧げよ硝子の心臓<<ミスティック・ミスティーク>>』を使い周囲の鮮血を濃霧へと変えて纏う。
「鮮血の屍衣を纏いし呪いの鋼、喰らい尽くせ……汚濁の魂」
それは徐々に広がり、狼型の悪夢獣を包むと……獣の内部から鎖が肉を引き裂いた。
獣の内に転移された鎖は先端に鈎の付いたもの。それは魅夜の『悪夢』で魅夜自身を拘束していたもの。
『悪夢』というものは、魅夜にとって特別な意味を持っている。
「私こそは『悪夢の滴』。オリジンよ、悪夢に魘されるものよ。あなたを哀れみはしませんが。『悪夢』は我が滅ぼすべき存在です」
漆黒の瞳が細められ昏き光が宿った。
鮮血から生み出されし赤き狼の群れが魅夜を襲う。
霧に触れた仲間が鎖で爆ぜるのも構わずに、その攻撃が及ばぬほどの数で攻めたてようと狼たちが次々と迫る。
やがてその牙は魅夜の元へと達するが――しかし、その牙は空を噛んだ。
牙が捉えたのは魅夜本人ではなく、赤き濃霧が作り出した幻。
「悪夢を僭称する獣よ、あなた方は私の残像でも相手にしておいでなさい」
濃密な血の香りが魅夜自身の匂いさえ覆い隠し五感を鈍らせていた。
そんな濃霧の中で、魅夜は素早くステップを踏み赤き狼の牙を避けていくのだった。
赤き霧の中で悪夢の獣たちは捉えきれずにいた。そして一体、また一体と鎖で爆ぜていき血へと戻っていく。
その血は魅夜が操る鮮血の濃霧へ。より色濃く。赤く。
「これが真なる血の使い方です」
赤き悪夢の中で黒い蝶がひらひらと舞っていた。
大成功
🔵🔵🔵
チル・スケイル
…(獣狩りは慣れてはいるが。血塗れはそうでもない)
…(だが、問題もない。オウガ・オリジンを討つ)
…(兎か…通常の戦場ならともかく、凍土で自在に動けるとは思えない)
…(天に向けて氷の魔法弾を放ち、炸裂させ雪を生み出す)
…(戦場が凍土に変われば故郷での狩りと同じ。【カシュパフィロ】で悪夢獣を撃つ)
…(噴き出す血液は避けない。視界が塞がれなければそれでいい)
…(どんな戦場だろうと、私は闘うだけ)
●凍り付いた世界
赤く仄暗い部屋。そこは周囲の窓や扉がすべて鉄格子で覆われた、中の者を逃さないための空間。
……ぼやけた細部は、ここが夢なのだと思わせてくる。けれど、ここはあくまで悪夢の再現であり現実だ。
それはユーベルコードという力の強大さの一端が垣間見える現実だった。
そんな空間に雪が降り始めた。
血と混じった雪がちらちらと舞い、凍った床の血の上に降り積もっていく……この現象もまたユーベルコードによるもの。
永久凍土と同じ環境でチル・スケイル(氷鱗・f27327)はスナイパーライフルに似た魔法の杖『カシュパフィロ』を構えた。
照準の先に見えるのは、赤い兎。その悪夢獣は『オウガ・オリジン』の周囲に二匹、三匹ほど居た。
チルは思う。
(兎か……通常の戦場ならともかく、凍土で自在に動けるとは思えない)
ホッキョクウサギのように身を縮める赤き兎は、血と混じりながら積もっていくまだらの雪に穴を掘り始める。
その頭を、チルの魔法弾が撃ち抜いた。
(戦場が凍土に変われば故郷での狩りと同じ。『カシュパフィロ』で悪夢獣を撃つ)
鮮血で濡れた真っ赤な地面に比べれば、飛び散る血でまだらに染まる程度の雪はまだ悪夢獣を探しやすい。
しかし降り積もる雪の赤い部分は、どことなく血生臭くもある。
(獣狩りは慣れてはいるが。血塗れはそうでもない……だが、問題もない。オウガ・オリジンを討つ)
チルは思う。この悪夢獣たちを倒していくことが、討つことに繋がるのだと。
この時、オリジンへの敵意に反応した兎がチルへと襲い掛かってきた。
周辺に潜んでいた数体が飛び出しチルの首を刈ろうと刃の耳を振りかざす。
「……!」
その襲撃を蒼いローブで凌いだチルは拳銃型の魔法の杖『パフィロ』で迎撃をした。
(獣狩りは慣れている。故郷での狩りと同じ)
止めを刺す時に弾けた悪夢獣の血を浴びたまま、チルは再び『カシュパフィロ』で獲物を探していく。
(噴き出す血液は避けない。視界が塞がれなければそれでいい。どんな戦場だろうと、私は闘うだけ)
細部がぼやけた夢のような空間で、鮮やかな赤と白が舞っている。
何もかも凍り付いた静寂の中で、寡黙な狩人は静かに獲物を撃ち抜いていった。
成功
🔵🔵🔴
霧島・絶奈
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◆心情
深層心理に潜む、『アリス・オリジン』としての側面でしょうか?
興味は尽きませんが、先ずはこの戦場を制圧するとしましょう
◆行動
鮮血を避けずに戦いますが…
目に入ると視界不良を招きます
ゴーグルを着用し、視界を確保しましょう
其でも尚視界が閉ざされるなら【聞き耳】を立てる事で敵の位置を探り戦闘を続行
【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別する指向性散弾」を複数設置
悪夢獣の突進への備えとしつつ、視界不良でもある程度正確な攻撃を可能とします
設置を進めつつ『獣ノ爪牙』を発動
私も軍勢と共に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
●屍者による制圧
霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は転移を追えると即座に足音を立てない様その場を離れ部屋の薄暗さに紛れて身を隠した。
それは仕掛けを設置するため。仕掛ける瞬間を見られてしまっては罠にならないため先ずは隠れる必要がある。
見たところ『悪夢獣』たちは特に反応している様子はない……絶奈は白い衣に床の血を塗りさらに自身を目立たなくしていった。
(目に入ると視界不良を招きますし、ゴーグルも着用しましょうか)
血が目に入らない様に装備を整えた絶奈は、薄暗い中で鮮やかな赤を生み出している部屋の一角――『オウガ・オリジン』の方を見る。
(これは……深層心理に潜む、『アリス・オリジン』としての側面でしょうか? 興味は尽きませんが、先ずはこの戦場を制圧するとしましょう)
絶奈は部屋の中をうろつく赤い悪夢獣たちに見つからないよう、暗視で周囲を確認しながら静かに慎重にベッドやテーブルの影を進んでいった。
そしてそのまま魔法で敵味方を識別して散弾を発射する装置を複数設置していく。
聞き耳もたて、見つからない様に、慎重に。
(この位で良いでしょう……では、共に愉しみましょう、この『逢瀬』を)
一通り設置した絶奈はユーベルコード『獣ノ爪牙<<ロンナ>>』を発動させる。
「顕れ出でよ、親愛なる我が軍勢。其は異体同心の輩にして一騎当千の古兵――」
詠唱と共に現れるのは、大砲と槍などの武装を伴った屍者の軍勢。
この出現に気が付いた巨大な馬の『悪夢獣』は、次々と屍者の軍勢へと突進した。
走り寄る複数の巨大な馬に対し屍者の軍勢は槍を突き出して同様に突進していく。
屍者の軍勢と巨大な馬の衝突は、時おり一角獣の悪夢獣が暴れることで屍者の軍勢を吹き飛ばしていったが状況はやや拮抗していた。
そこへ絶奈もアリスランスの『【Innocence】』を手に前へと出る。
その槍に纏わせるのは感覚の痺れを伴うオーラ。
ふっと短く吐かれる息と共に素早く振るわれたランスは衝撃を伴い一角獣の悪夢獣を打ち倒した。力尽きた悪夢獣は血へと戻り、絶奈の服をさらに汚していく。
残る巨大な馬も槍と砲撃を避けようと回り込んだところで設置されていた散弾に撃ち抜かれていく。
しかし息をつく暇もなく新たに悪夢獣が生まれていく……絶奈は服が血に汚れていくのも構わず屍者の軍勢を伴い迎え撃っていった。
成功
🔵🔵🔴
アマネク・アラニェ
&
オウガオリジンもなんか色々あったみたいね。
でも、過ぎ去った時間は、変えられない。
戦争も、アンタの悪夢も、終わらせてあげるわ。
自らの手の甲を噛み血を出してUC【ブラッドガイスト】発動。
『凶赫』の《封印を解く》と殺戮捕食態、
手の甲を覆う鉤爪へ変える。
迫ってくる悪夢獣の突進は《野生の勘》で《見切り》ながら
急所に当たらないように気を付けるわ。
相手の《生命力吸収》して回復できるから、
多少のダメージは厭わないで
攻撃の機会を逃さないようにしないとね。
鮮血? アタシはグールドライバーよ。
怯むわけないじゃない。(と浴びた鮮血を舐める)
●放っておけなくて
全ての窓に鉄格子の嵌められた暗く陰鬱な室内の、悪夢の国。
ここに発生した『悪夢獣』のせん滅が進められていく。
「そーれっと!」
手の甲につく鉤爪のような武器……手甲鉤が振るわれて赤い巨大な馬から血が飛び散った。
その武器を操るのはアマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)。ユーベルコード『ブラッド・ガイスト』を用い両手首にある金の腕輪『刻印環:凶赫』の封印を解いて殺戮捕食態になった手甲鉤を自在に振るっている。
巨大な馬の悪夢獣は一角獣の姿の悪夢獣と協力して突進を繰り返すが、アマネクはその突進を自在な蜘蛛の糸『秘め糸:妙法』を用いて天井や壁へ張り付き三次元の動きと野生の勘で翻弄していった。
それでも時おり避けきれず吹き飛ばされてしまう。
「うっ……痛いわね! このぉ!」
追撃を加えようと突進する馬へ、すれ違い様に鉤爪を引っかけるアマネク。
敵の傷口から血が噴き出すとその生命力を吸収して傷を癒していった。
武器の封印を解くために自身の手の甲をガリッと噛んだ時の傷も、この生命力の吸収ですでに治癒済みだ。
赤い一角獣を打ち倒したアマネクは天井に張り付きながら、部屋の一角で鮮血を噴出させ苦しみ続ける『オウガ・オリジン』を見る。
(オウガオリジンもなんか色々あったみたいね)
この獣たちが『悪夢』から生まれたというのなら、それはきっと今苦しんでいる彼女から出てきたものなのだろう。
(でも、過ぎ去った時間は、変えられない。戦争も、アンタの悪夢も、終わらせてあげるわ)
それはこの悪夢獣を殲滅してこの場の『オウガ・オリジン』を早く消滅させるということ。
戦場暮らしが長かったこともあり、助からない状態での延命がいかに苦しいかをアマネクは知っている。
だからこそ面倒見が良い一面がある彼女は、放っておけなかった。
「それに――」
アマネクは顔についた血をぺろりと舐める。
「――アタシはグールドライバーよ。鮮血くらいで怯むわけないじゃない」
新たに生まれてきた悪夢獣へ目掛けアマネクは天井から飛び降りた。
(攻撃の機会を逃さないようにしないとね)
多少のダメージは織り込み済み。アマネクはこの悪夢を終わらせるためにその力を振っていった。
成功
🔵🔵🔴
エィミー・ロストリンク
【SPD】
うん、悪夢ってとても怖いよね
アリスだったあなたを終わらせる為に、わたしも鬼になるよ
一角獣の突進に関してはガトリングガン「オルトロス」の制圧射撃で対応
それでも突破してくる相手は、UC発動敵の軌道を先読みして回避し、黒竜大斧ベルセルクで真っ二つする勢いで頭上に振り下ろす
血が纏わり付くのはあとで海水で洗い流すので問題ない
ただかつてアリスだった少女の悪夢を少しでも滅ぼしてあげたいと無心で銃撃を繰り返し、斧を振るう
頭が痛い……、血、なんだっけ? 嫌なことがあったような……
何か別の記憶が想起しそうになりながら、UCの影響の頭痛も抑え込みながら限界まで悪夢獣を狩る
アドリブ絡みOK
●封じられていたその悪夢を
転移したエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)が最初に見たのは、一面に広がる血の赤。そして鼻をつく鉄の様な匂いだった。
その血に刺激さたエィミーの記憶がチリチリと疼く。
(……? 血は、あとで海水で洗い流せるよね)
しかし、そのノイズはまだ小さく彼女は自覚できていない。
次に視界に入ったのは鮮血を噴出させて苦しむ『オウガ・オリジン』と、その周囲で生まれていく『悪夢獣』たち。
エィミーは赤い悪夢の獣の姿を確認するとガトリングの『「Black・Breaker」オルトロス』を構えた。
(うん、悪夢ってとても怖いよね。アリスだったあなたを終わらせる為に、わたしも鬼になるよ)
周囲の窓や扉がすべて鉄格子で覆われた悪夢の国に、ガトリングの激しい音が鳴り響く。
最初の攻撃でまずは馬を一体倒したエィミーだが、対する悪夢獣たちも反撃を繰り出してきた。
「おおきい馬が、いっぴき、にひき……!」
いくら怪力で武器が邪魔になりにくいとはいえ突進を避けたり防御したりするのは流石に厳しい。
「んー、反動がすごいけどー……仕方ない!」
エィミーはユーベルコード『DL:昨日の強敵は今日の親友<<ダウンロード・ホワイト・トワイライト>>』を起動した。
ユーベルコードにより、エィミーの知り合いのアメジストなクリスタリアンが用意した電脳魔術を介してエィミーの脳へ『正確無比な未来予知』を可能とする能力がダウンロードされていく。
ダウンロードを終えたエィミーは右へぴょんと飛び退いだ。するとエィミーの居た場所を一角獣が通り過ぎていく。
さらにエィミーが四歩前へ歩いて大斧型メガリスの『黒竜大斧ベルセルク』を背中に置けば巨大な馬が斧にぶつかり半身を割かれて転がっていった。
……そしてその直後に訪れる、この正確な未来予知の代償。
「痛い痛い痛い! やっぱり反動がすごいんですけどー!」
激しい頭痛に襲われながらもエィミーは懸命に『オルトロス』を操って銃弾を放ち、『ベルセルク』を振って悪夢獣を屠っていく。
(頭が痛い……、あ、血だ……、なんだっけ? 嫌なことがあったような……)
頭痛と共に、血に記憶が刺激されて思考の奥がチリチリ疼く。
しかしエィミーは思考にかかるノイズと頭痛に耐えながら戦いを続けた。
かつてアリスだった少女の悪夢を少しでも滅ぼしてあげたいという思いと共に。
成功
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夜奏・光花
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無意識に作り上げた世界が隔離された暗い場所…ましてや自身が苦しみで動けないなんて‥はじまりのアリス、オリジンがオリジンになる前の彼女に何があったのでしょう。
【暗視】で周りは良く見えるので攻撃は【見切り】,【ジャンプ】,【フェイント】で回避します。
【破魔】を付与したデスサイズを使い【属性攻撃】による【衝撃波】を放ったり、【早業】で【なぎ払い】【2回攻撃】や【範囲攻撃】をしながら【生命力吸収】です。
わたしはダンピールなので血は一応平気ですが、血塗れになるのは初めてです…。
敵だからこそ…彼女をしっかり終わらせましょう。
●悪夢の終わり
全ての窓に鉄格子の嵌められた暗く陰鬱なこの室内は、細部はぼやけており『何かがある』という以上のことは解らない場所だった。
灯りの有無すら定かではないそこは、まるで夢の中。
そんな空間で目を引く色は、赤。
それは『オウガ・オリジン』から苦しみと共に噴出しする鮮血と赤い悪夢の獣たちの色。
しかし、その獣も今はだいぶ数が減っている。
暗視を用いて薄暗い室内をぐるりと見渡した夜奏・光花(闇に咲く光・f13758)は、この悪夢がもうすぐ終わることを確信した。
ユーベルコード『血統覚醒』により父から受け継いだ力を行使する光花は大鎌の『白銀のデスサイズ』を振い巨大な馬を両断した。
真紅に輝く瞳が示すのはヴァンパイアの力……爆発的に増大した戦闘力で光花は『悪夢獣』を倒していく。
敵を屠れば血は飛び散り、また場所によっては鮮血を直接浴びてしまう……そんな場所なため光花の服はすでに血濡れになっていた。
ヴァンパイアの姿も合わさって今の光花は猟奇的な雰囲気を纏っていたが、彼女自身はそんな血塗れとは縁の薄い性格。
(わたしはダンピールなので血は一応平気ですが、血塗れになるのは初めてです……)
戸惑いを覚えながら、それでも彼女はその大鎌を振う手を緩めない。
何故なら助けることが出来ないオブリビオンだからこそ、『終わらせる』ことでこの苦しみから遠ざけることができるはずだから。
(敵だからこそ……彼女をしっかり終わらせましょう)
それは、彼女なりの優しさであり、祈りでもある。
一角獣の『悪夢獣』の突進を飛び上がって避けて素早くなぎ払うと光花は『オウガ・オリジン』をちらりと見た。
彼女は未だに苦しみ続けており、憔悴している様だった。噴出する血の量も減っている……。
(無意識に作り上げた世界が隔離された暗い場所……ましてや自身が苦しみで動けないなんて)
育った環境に恵まれた光花だったが、世の中には不幸な人生があることは知っている。これまでもオブリビオンに関する事件を通して実際に経験してきた。
だからこそ、光花は救えた存在や救えなかった存在……そして救えたかもしれない存在に思いを馳せる。
(……はじまりのアリス、オリジンがオリジンになる前の彼女に何があったのでしょう)
始まりの『アリス』の人生を気にしながら、光花はその大鎌を振るい悪夢を刈り取っていった。
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猟兵たちの活躍により『悪夢獣』はその数を確実に減らしていく。
そして『悪夢獣』の数が減るに従い『オウガ・オリジン』は見るからに弱っていった。
やがてオリジンは血濡れの床に倒れこむ。
……冷たい床にで動かなくなったオリジンは、眠る様に目を閉じると静かに消えていった。
大成功
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