迷宮災厄戦⑱-9〜蘇る支離滅裂
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「忌々しい……忌々しい猟書家どもめ。猟兵も気に食わないが、貴様らはもっとだ。一人一人猟兵に倒されているのは良い気味だ。我が力も戻りつつある」
オウガ・オリジンは『現実改変』の力を身体に纏い、その姿を変化させていく。
「その姿と力だけは有効活用してやるぞ……我が名はジャバウォック。支離滅裂、誇大妄想の王。さあ、猟兵の皆さん。再び勇者となりて、私の首を落として魅せてご覧なさい」
その声も、姿も、そして力も。滅びた筈のサー・ジャバウォックそのものであった。蘇ったサー・ジャバウォックが、猟兵達を迎え撃つ。
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「召集に応じてくれてありがとうなのです。これが今回得た予知なのです。オウガ・オリジンはサー・ジャバウォックに変身し、全く同じ姿と能力で戦ってくるようなのです」
グリモアベースにて、砂漠のフェアリー、ウーナ・グノーメ(砂礫の先達・f22960)は翅を煌めかせながらそう告げた。
「強力かつ不可解なユーベルコードを用いる点、それで必ず先制攻撃してくる点は全く同じなのです。再び強敵と相見えることを強いてしまい、大変申し訳ないのです」
ウーナは深々とお辞儀し、くるりくるりと浮かんで両手を広げる。
「しかしながら、相手は一度猟兵に滅ぼされた敵なのです。如何に強大とは言え、私はあなた方に臆する理由などありはしないとも考えるのです。どうか再び、スナーク狩りを成し遂げて欲しいのです」
グリモアが輝き、世界を亘る門が開く。
「どうか、お気を付けて。わたしはあなた方の勝利を確信しているのです」
無表情なフェアリーは、しかし翅を大きくはためかせ、猟兵達を心配するように彼らを見送るのであった。
鶺鴒
こんにちは、或いは初めまして。鶺鴒(せきれい)と申します。
皆様の活躍を精一杯描写させて頂きたく思います。
本シナリオは一章完結の戦争シナリオとなっております。全体のルールはトップページを参照下さい、シナリオとしてのルールに変化はございません。
今回は『敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する』ことで、プレイングにボーナスが付与されます。
逆に対策が不十分だった場合、結果が強制的に苦戦や大苦戦になることもありますので、ご注意をお願いします。
それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちさせて頂きます。
第1章 ボス戦
『『オウガ・オリジン』ジャバウォック』
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POW : 侵略蔵書「秘密結社スナーク」
見えない【架空の怪物スナーク】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD : ヴォーパル・ソード
【青白き斬竜剣ヴォーパル・ソード】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ : プロジェクト・ジャバウォック
【人間の『黒き悪意』を纏いし竜人形態】に変身し、武器「【ヴォーパル・ソード】」の威力増強と、【触れた者の五感を奪う黒翼】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
👑11
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三山・怯子
五感奪われようが、言葉が絶えることあろうか!
語る者以上にーー見た者読んだ者聴いた者、脳に刻みこまれる『言葉』の濁流が、なあおい滅裂の王、あんたに効かない筈があるか!
『今日は死ぬにも殺すにも良い日だろう、天寿なんざあるだけ無駄だ
死を恐れはぐった気狂いを、殺したいならば歌牙を剥け!』
語れ諸行無常、闘争への憤怒と歓喜、食い物にされる激情を!
五百を超える言葉の羅列が、おれの怒号の文字列が、檻のようにおれを護るだろう
自分で何を言ったか、耳でも目でも確認する事も叶わぬが、この頭はまだまだまだまだ吠えたりねえ
注ぐ剣も数任せで弾いてみせる
『塵芥の驕傲
自惚れだけでしか、抗えない』
ただの一節だっていい
突き刺され
「五感奪われようが、言葉が絶えることあろうか!語る者以上にーー見た者読んだ者聴いた者、脳に刻みこまれる『言葉』の濁流が、なあおい滅裂の王、あんたに効かない筈があるか!」
三山・怯子(野分・f24069)が吠え猛る。嵐のように、野分のように。
「今日は死ぬにも殺すにも良い日だろう、天寿なんざあるだけ無駄だ!死を恐れはぐった気狂いを、殺したいならば歌牙を剥け!語れ諸行無常、闘争への憤怒と歓喜、食い物にされる激情を!」
意味不明な言葉の羅列が怯子を覆う、サー・ジャバウォックを包み込む。だが、それよりも、竜人と化したサー・ジャバウォックが剣を振るう方が遙かに速かった。
「確かに、支離滅裂な言語は私と本質を同じくするものです。しかし、今の私には『ヴォーパル・ソード』がある。お忘れですか?ヴォーパルという言葉など存在しないことを。何故それがジャバウォックの首を落とせたかを」
サー・ジャバウォックの姿を借りたオウガ・オリジンは悠々と語る。そう、怯子は『絶対先制』の対策が不十分だったのだ。
「それは支離滅裂で蒙昧なる言葉の嵐を断ち切る剣。混沌とした議論を断ち切る鶴の一声の象徴とも言われているのです。……失敬。何が言いたいかと言いますと、貴方は格好の獲物でしかなかったのですよ」
激情に任せた声の嵐は、快刀乱麻を断ち切るが如く、ヴォーパル・ソードに刻まれていた。
失敗
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卜一・アンリ
あら、あの姦しい女の子が素敵でいぶし銀なオジ様に早変わり?
…すぐにその化けの皮諸共撃ち抜いてやるわ。
【ダッシュ】で接敵、真っ向勝負。
まだ距離がある1撃目は剣の軌道を【見切り】【ジャンプ】回避。
返し刃の2撃目は【武器落とし】の要領で、【クイックドロウ】銃撃で剣筋をブレさせその下を潜るように回避。
そして3撃目は退魔刀を逆手で【早業】抜刀、【武器受け】しつつ【スライディング】。
そのまま懐に飛び込み次第、【黄金の雨のアリス】の【乱れ撃ち】!
その大きな得物じゃこの【零距離射撃】には対応できない!
虚構の結末は変わらない。
サー・ジャバウォックは猟兵に討たれておしまい、よ!
【アドリブ歓迎】
「あら、あの姦しい女の子が素敵でいぶし銀なオジ様に早変わり?……すぐにその化けの皮諸共撃ち抜いてやるわ」
卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)は様々な感情を込めた一言を吐くと同時に、疾風の如き勢いで駆け出した!
「さて、そう上手くいきますかな?唸りなさい、ヴォーパル・ソード!」
そのダッシュの軌道をなぞるかの様に、閃光の如く恐ろしく素早い斬撃が襲いかかる。だが、その軌道を見切ったトーは軽いジャンプでそれを回避。
「残り、二回!」
既にサー・ジャバウォックの戦闘データは残っている。この攻撃は素早い三連続の斬撃を繰り出すもの。返す刃で襲い来る二撃目は、武器落としの要領で銃撃で弾いて剣筋をブレさせ、その下を潜るように回避する。
「あと……一回!」
三撃目は逆手で退魔刀を抜刀し、恐るべき早業で受けつつもスライディングによって、二撃目よりも更に低い軌道をすり抜ける。トーは完全に潜り込み、大振りの剣では瞬間的な対応が出来ない距離にまで接近した。
「私、滅多に刀は使わないの。私に刀を使わせただけでも大したものよ。でもね……」
銃を突き付け、言葉を言い切る前に弾丸を、0.1秒にも満たない時間の間に幾度となく打ち込んだ!
「ぐ、ぬおお……!」
「虚構の結末は変わらない。サー・ジャバウォックは猟兵に討たれておしまい、よ!」
硝煙が舞い上がる中、確かな衝撃がサー・ジャバウォックを貫き、その体勢を大きく崩し、後退させた。
大成功
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空桐・清導
また戦うことになるなんて思いもしなかったぜ。
だけど、俺は出来ることをやるだけだ。
巨大化する剣を前に[覚悟]を決め、突っ込む。
初撃、迫りくる刃を[ジャンプ]で避ける。
二回目、[気合い]と[オーラ防御]で耐える。
三回目、ここだ!ギリギリまで剣を引きつける。
サンライザーの[零距離射撃]で弾き飛ばす。
隙が出来た。今ならいける。
UCを発動して真紅のドラゴンを呼び出す。
「畳みかけるぞ、相棒!!」
勇輝龍と連携攻撃で追い込んでいく。
こいつと一緒なら[勇気]100倍だぜ。
よろめいた所を尾の一撃で弾き飛ばす。
「今だ!合体必殺!シャイニング・ブラスター!!」
[力溜め]したサンライザーと勇輝龍の合体ビームでトドメだ!
「また戦うことになるなんて思いもしなかったぜ」
空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は拳を打ち合わせながらそう言った。
「また、ですか。大事なことは二度言うのが人々の慣し。ならば三度目において証明は完璧になされます。さあ、貴方もヴォーパル・ソードの完璧なる証明を味わいなさい!」
「アンタの言っていることは良くわからないが、俺は、俺のできることをやるだけだ!」
迫り来る刃を清導はジャンプで躱しながら、清導は見栄を切る。
「勇士、勇者、英雄、チャンピオン。ああ、いずれにしても隙だらけですよ」
すかさず振るわれる二撃目の刃を、オーラ防御を展開した清導が気合いで耐える。
「まだだ!あと一回攻撃が来る、そこがチャンスだ!気合いを入れろ、俺!」
三撃目、その刃をギリギリまで引き付けて清導は好機が訪れるのを待った。
「ここだ!サンライザー!」
肩部に搭載された熱線砲の零距離射撃で、三撃目の刃を弾き飛ばす!
「この隙、頂いた!畳み掛けるぞ、相棒!」
ユーベルコードにより出現した真紅のドラゴン、勇輝龍との連携攻撃で、逆にサー・ジャバウォックを追い込んでいく。手数は単純に2倍、更に先程の三連撃は敵味方の区別が付けられない弱点を持つ。再度発動しても分散してしまい、集中的な攻撃は不可能だ。
「ぐうう……貴様……!」
「こいつといれば勇気100倍だ、一人で戦ってるアンタにはわからないだろうがな!」
よろめき、隙の出来たサー・ジャバウォックを勇輝龍の尾部が弾き飛ばし、距離を作った。
「今だ!合体必殺!シャイニング・ブラスター!!」
渾身の力を込めて放たれる合体攻撃。閃光の如く輝くビームは、サー・ジャバウォックの身体を確かに貫いた。
大成功
🔵🔵🔵
アハト・アリスズナンバー
ジャバウォックになりましたか。ならば、この剣を再び煌めかせる時なのでしょう。――斬竜剣ヴォーパルソードよ。
UCを起動。肉体の寿命いっぱいまで使い続けます。
相手のUCに対して、【見切り】【ダッシュ】で避ける事を狙い、先制攻撃を避けます。
相手の攻撃が直接的な物である限り、その上のスピードで避けるのです。
そのままスピードを生かして【カウンター】の【鎧無視攻撃】をします。
斬竜剣ヴォーパルソード。貴方の握るそれに昇華した、私のヴォーパルソード。貴方自身で受けて頂きます。
ダメージは受けても【激痛耐性】で無視しつつ、【貫通攻撃】で早めの決着を狙いましょう。
「ジャバウォックになりましたか。ならば、この剣を再び煌めかせる時なのでしょう。――斬竜剣ヴォーパルソードよ」
アハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)は青白く輝く剣を取り出した。それはサー・ジャバウォックが用いるものと全く同一のもの。
「ヴォーパル・ソード!?何故貴方がその剣を!」
「何も驚くことはないでしょう。解析してコピーするのは、あなたの専売特許ではないと言うことです」
そう、既にアハトはジャバウォックとの交戦経験を持っており、そのデータを蓄積しているのだ。この剣は、その戦闘データから生み出された、言わばレプリカ。
「ならば使わせる前に仕留めるだけです。私のヴォーパル・ソードを受けて斃れなさい!」
ヴォーパルソードの素早い三連撃がアハトに襲いかかる。アハトは最低限の動きでそれを見切り、回避に専念するも、幾つかの手傷は負ってしまう。三連撃が終わる頃には、アハトは鮮血を滴らせていた。
「ふふ、勝負有りです。あとは貴方に治療の暇を与えないだけで良い!」
「そうですね、それができるならですが。アリスコード送信。リミッター限定解除コード承認。――フルスロットル」
瞬間。それまでの何倍もの速度でアハトが距離を詰め、斬龍剣ヴォーパルソードで袈裟懸けに斬り付けた。咄嗟にサー・ジャバウォックも対応して鍔迫り合いに持ち込むも、その変容ぶりに驚きを隠せない様子だ。
「なっ……その速さ、一体!?」
「答える必要はありません」
瞬間的に背後に回り込み、一閃。縦、横、斜め、縦横無尽に飛び回り、繰り広げられる斬撃にサー・ジャバウォックは完全に対応が後手に回ってしまう。
「幾ら痛苦に耐性があるとはいえ、出血が激しい。手早く終わらせて頂きます。」
「小癪な……!」
サー・ジャバウォックはヴォーパル・ソードを振るい反撃に出るも、それはアハトの挑発であった。『後の先』……圧倒的なスピードの差によって繰り出される、理論上回避不能のカウンター攻撃。それがサー・ジャバウォックの身体を刺し貫き、周囲に鮮血がぶち撒けられた。
大成功
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リデル・キャロル
~心情~
アリスでオウガ?
オウガでアリス?
はじまりまじわりわからない
でもジャバウォックに変身したなら
こっちも変身ジャバウォッキー!
~戦闘~
怪物スナークの攻撃はアイテム「ウサギ時計」による技能【盾受け】で凌ぎ、技能【怪力】やアイテム「プリンセスハート」をぶつけて攻撃します
スナークの攻撃を防ぎつつジャバウォックへと接近し、ユーベルコード『怪物への昇格』を使い、変身した姿と技能【怪力】でジャバウォックへと攻撃します
~その他~
アドリブ等は大歓迎です
ジャバウォッキーの姿は、素肌の上から鱗を鎧のように纏い、禍々しい翼と角、尾を持った女性の竜人のような姿です
七那原・望
思考までサー・ジャバウォックなのですか。
まさか目的とか手段まで塗り変えられてたりするのですかね?
【第六感】と【野性の勘】で敵、並びにスナークの動きを【見切り】回避、或いは【オーラ防御】でガードを。
見えないだけの怪物なら、わたしにとってはただの怪物なのです。
もっとも効果的なタイミングを見極めて、攻撃力を重視した【Lux desire】を至近距離でスナークに放ち、撃退。
その後、相手が次の一手を撃つよりも早く敵に向かって【全力魔法】で攻撃力が【限界を超えた】【Lux desire】を放ち、畳み掛けます。
同時にアマービレで呼んだねこさん達にも【全力魔法】を【一斉発射】してもらうのです。
「アリスでオウガ?オウガでアリス?はじまりまじわりわからない」
「思考までサー・ジャバウォックなのですか。まさか目的とか手段まで塗り変えられてたりするのですかね?」
リデル・キャロル(力持ちのプリンセス・f22015)と七那原・望(封印されし果実・f04836)は、オウガ・オリジンが変容したジャバウォックを観察する。
その余裕とも取れる態度に、サー・ジャバウォックの表情は怒りに歪む。
「ぐぅ、ダメージが大きい……行きなさいスナーク、彼女らを皆殺しにするのです!」
侵略蔵書より放たれる、見えざる架空の怪物スナークが二人に向けて襲いかかった。
「スナーク、スナーク、あるいはブージャム! 靴を三足重ねて履いて、パン屋は貴方とこんにちは!」
「わたしは普段から目が見えていないのです。つまり、それはただの怪物なのです」
リデルはウサギ時計の盾受けと力持ち特有の持ち前の怪力、そしてプリンセスハートの攻撃でスナークの攻撃を凌ぎ、普段より盲目の望は超人的な勘と感によって攻撃を回避、避けきれない攻撃はオーラ防御で対処。リデルに攻撃が向かった瞬間を見極めたユーベルコードの奔流により、不可視の怪物は光の中へと掻き消えた。
「ジャバウォックに変身したなら、こっちも変身ジャバウォッキー!8歩歩いて入場し、くるりと廻ってこんにちは。Nonsense(ジャバウォッキー)は、すぐそこに!」
スナークの攻撃を一通りやり過ごしたリデルは不思議な呪文とポーズを取ると、可愛らしい時計ウサギの姿から、禍々しい角と翼を生やした忌むべき魔獣、ジャバウォッキーへと姿を変えた。そのままサー・ジャバウォックの元へと接近し、凄まじい怪力で抑え込もうとする。
「何の!私が、この程度で……!」
しかしサー・ジャバウォックもさしたるもの。その怪力に拮抗しつつも再び侵略蔵書を開いてスナークを召喚しようとする……が。その瞬間を望は狙っていた。
「全ての望みを束ねて…… Lux desire!」
攻撃力を限界まで突破させた光条が、サー・ジャバウォックの身体を焼く。更には共達・アマービレで召喚した魔法猫による援護射撃、そしてリデルの怪力による押し潰しにより、サー・ジャバウォックの耐久力は遂に限界を迎えた!
「おのれ……おのれ!猟兵どもめ!この屈辱、決して忘れぬぞ
……!!」
サー・ジャバウォックはオウガ・オリジンの姿に戻りながら消滅していく。多くの猟兵の力によって、決着はついたのだ。
大成功
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