迷宮災厄戦⑫〜MIXMIXMIX
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『愉快な仲間たち』×『愉快な仲間たち』×『愉快な仲間たち』。
オウガにまぜられて生まれてしまったオウガ。
『アンメリー・フレンズ』はまざり合いたい。
マーブル模様のくまぐるみ。ぶくぶくふくれたトンカチ足でぐしゃりんこ。
空っぽな窓に鳥さんを入れよう。グワグワ、くちばし。つばさもいちにいさん。
はーとはーとはーとがないの? 真っ赤な毒と青い血流すはーとをちょうだい。
きんいろキラキラたまごがたくさん。交ざろう混ざろうぐちゃぐちゃに。
いっぱいあるもの。そこにいるもの。みんなみんなボクらといっしょに。
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「『ザ・ゴールデンエッグスワールド』に現れた『アンメリー・フレンズ』を倒しに行ってきてもらえるかい?」
メリー・アールイー(リメイクドール・f00481)は、『迷宮災厄戦』の戦場で見た新しい予知を猟兵達へ説明していく。
「この戦場は少し特殊でね。戦闘が始まると、沢山の『黄金ガチョウ』が現れて、そこらじゅうで『黄金の卵』を産み始めるんだ。その黄金の卵は拾えば拾うほどパワーアップ出来るんだってさ。オウガは卵を丸呑みしながら集めまくるから、普通に戦おうとするとこっちが不利になっちまう。だから、あんた達にも卵を集めながら戦っておくれ」
オウガは幾らでも卵を飲み込めるが、猟兵達はそうはいかないはずだ。卵と言っても中身までぎっしり黄金がつまっているので、真似をするのはあまりお勧めしない。各自どうやったら沢山の卵を確保出来るか考えて戦場へ向かってもらいたい。ちなみに、パワーアップの効果はこの国の中だけに限られる、とのことだ。
「黄金の卵を沢山持ってると、だんだん自分自身も黄金色に光り出すんだとさ。金ピカの派手な戦場になりそうだねぇ。そうそう、そこにいるオウガ『アンメリー・フレンズ』はオウガによって姿形を様々に混ぜ込まれてしまって狂気に陥った元愉快な仲間たちだ。……残念ながら、こいつらは混ぜられ過ぎて元の姿にはもう戻れない。骸の海に速やかに還してやっとくれ」
メリーはボタン型のグリモアをクルクルと回転させて転移ゲートを開いた。
「戦争疲れ、しとらんかい? まぁ皆大変だと思うけどねぇ。自分で出来る事をひとつずつ頑張っていこうじゃないか。アリスラビリンス……守ろうね」
よろしゅうにー! メリーは今日も笑顔で猟兵達を戦場へ送り出した。
葉桜
OPをご覧いただきありがとうございます。葉桜です。
アリスラビリンスの『迷宮災厄戦』の依頼です。
『プレイングボーナス……黄金の卵をオウガに取らせず、自分達が取る」
ユーベルコードは指定した一種類のみの使用となります。
プレイングはOP公開から募集開始です。
申し訳ございませんが、全採用のお約束は出来ません。
少なめの人数の採用で、なるべく早めの完結を目指します。
ご参加お待ちしております!
第1章 集団戦
『アンメリー・フレンズ』
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POW : アフィッシュ・ストラクチャー
対象の攻撃を軽減する【醜くいびつに膨れ上がった異様に巨大な姿】に変身しつつ、【異形化した手足や所持している道具等】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : ポートマント・ビーイング
【周囲の仲間と合体する、又は合体させられる】事で【禍々しく歪んだ恐ろしい姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : スライシー・フルード
自身に【影響を及ぼしたオウガに由来する悪しき力】をまとい、高速移動と【状態異常を引きこす毒液や汚染された血等】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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ティエル・ティエリエル
WIZで判定
黄金ガチョウさんの卵を一杯集めればいいんだね!
戦闘が始まってガチョウさんが飛んで来たら、まずは黄金の卵集めに専念するね♪
オウガに取られないように進行方向に先回り!
背中の翅で飛び回って【フェアリーランド】の中にどんどん黄金の卵を吸い込んでいくよ♪
卵をいっぱい回収してピカピカ黄金に光ったら攻撃開始だ!
状態異常を引きこす毒液や汚染された血等はママが持たせてくれたお守りの「毒耐性」が守ってくれるから
レイピアを構えて「捨て身の一撃」で突撃!風を纏ったレイピアの「属性攻撃」でズバズバっと貫いちゃうぞ☆
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
有栖川・夏介
敵のオウガが卵をとるのを妨害します。
「お茶会セット」から睡眠針をとりだし、【微睡みはティーポットの中で】による攻撃
眠らせることができなくても、多少動きが鈍くなればいい
その隙に卵を回収してアイテム「水煙管」の中に収納していく
卵の数が許容量を超えてしまったら……破壊してしまいましょう。
オウガが強くなるのを防げばいいのですよね?
「処刑人の剣」を構え、敵との間合いをはかる。
敵が卵に手を伸ばしたら、その卵ごとオウガの切断を試みる
【怪力】で力の限り処刑人の剣を振りかぶり、攻撃
「取らせはしない…!」
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「わぁ、本当に金ぴかだらけだ!」
元気いっぱいの妖精が『ザ・ゴールデンエッグスワールド』に訪れると、既に黄金のガチョウが黄金の卵をぽこぽこ生んでいた。オウガの『アンメリー・フレンズ』も、継ぎ接ぎぬいぐるみの身体の胸の窓に金の卵を入れて、自分と混ぜ混ぜしようとしている。
「黄金ガチョウさんの卵を一杯集めればいいんだね! それもボクがもらっちゃうよ♪」
ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、妖精の羽根でオウガの元までギューンとひとっ飛び。オウガのグニャグニャの手に捕まれた卵を横取りして【フェアリーランド】に仕舞い込む。そのまま落ちている卵を次々と壺の中へ入れて、オウガがのっそり進もうとしている道の卵を、全部先回りしていただいてしまう。
「この壺の中には幾らでもはいるからね。いっぱい回収するぞー♪」
ティエルが通り過ぎたルートの卵は、すっかり無くなっていた。
金ぴかとどうしても混ざり合いたいアンメリー・フレンズは、方向転換して別の場所の卵を取りに行く。この国は黄金で溢れているのだから、混ざれるものは沢山ある。黄金のガチョウごと混ざってしまうのも、いいかもしれない。
ガチョウの首と卵。黄金色を両手に掴んだオウガは――突然、ぐらりと揺らいで倒れた。
「しばしの眠りを。おやすみなさい」
有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)のお茶会セットという名の暗器セットの中から、睡眠針が飛ばされたのだ。【微睡みはティーポットの中で】オウガを包み込む。
自由になったガチョウは助けてくれたお礼としてぽこぽこぽこ、沢山の黄金の卵を産んでその場から逃げて行った。
「こんなに沢山、入りますかね」
夏介は水煙管の小物入れに卵を収納するが、芋虫のシルエットはあっという間にまるまるのパンパンになってしまう。それでも、黄金パワーは十分に集まったようで、夏介の身体がキラキラと輝き出す。
――キラキラぴかぴか。ちょうだいまざろう!
すると、微睡みから醒めたオウガが、夏介に向かってバシャアと真っ赤な毒液を撒き散らした。しかし、残像を置いて素早く回避した夏介の姿はもうそこにない。
キラキラぴかぴか光っているのは、入れ替わるようにして現れた黄金色のティエルだ。
「すごい、力が溢れてくるね! そんな毒なんて効かないよー!」
ティエルが握る、ママが持たせてくれたお守りの宝石の効力も上がっていて、明るい光に守られているティエルには毒の液は一滴もかからなかったようだ。
――あっちはまざらない。やっぱりこっちがいい。
オウガはぎょろりと視線移して、長い蛇のような手を卵に絡み付けた。
「オウガが強くなるのを防げばいいのですよね?」
黄金に輝く夏介は表情を変えずに淡々と呟く。これ以上の卵の回収は望めないけれど、目的がオウガのパワーアップ防止なら――、
「取らせはしない……!」
ズダンッ――黄金の卵ごとオウガの腕を切断してしまえばいい。切断に特化した処刑人の剣は黄金パワーで更に鋭さを増し、卵もオウガも美しい断面を露わにさせた。
醜い悲鳴と青い血を撒き散らすアンメリー・フレンズにとどめをさそう。
「ズバズバっと貫いちゃうぞ☆」
風鳴りのレイピアを構えたティエルが、黄金の光を靡かせて流星のようにオウガへ突撃した。風を纏った鋭い剣先からオウガの胸の窓に飛び込み、背中を貫いて飛び出す。
旋風の剣技によって身体の中を掻き回されたオウガは、バラ、バラ――地面に落ちた。
大成功
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八月・九木
ふむ、探偵をお呼びかな?落とし物探しと言えば探偵、自明の理だね。
戦場中に散らばった金の卵の収集なんて人手があればどうとでもなるさ。
つまりはミステリにおいて禁忌の初手公権力召喚だよ、これは戦争ドキュメンタリであってミステリじゃあないから許されるとも。
集まってくれた警察の面々と協力して金の卵を拾い集める。
彼らも遺失物のプロだしかなり役立つだろうが、不安なのは戦闘力だね。
個々の戦闘力が高いわけもないし直接戦闘は無理だ。奪い合いは避けていこう。
ある程度集めたら合体……したいが卵を1か所にすると持ちきれないだろうし別れたままだね。
最後まで戦力に不安が残るけれど仕方ない、とにかく数で銃を撃つ!
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「ふむ、探偵をお呼びかな? 落とし物探しと言えば探偵、自明の理だね」
落とし物の金の卵は探すまでもなくそこら中に産み落とされているのだが……一体どこに探偵が入り込む余地があるのだろうか。
それでも八月・九木(超理論安楽椅子探偵・f22542)は推理を披露する時と同じように、戦場で堂々と振舞いその声を響かせた。
「まずは落とし物の回収だ。人手があればどうとでもなるさ。つまりはミステリにおいて禁忌の初手公権力召喚だよ。これは戦争ドキュメンタリであってミステリじゃあないから許されるとも!」
自分も持てるだけの卵を抱きながら、九木は【捜査一課出動!】を有能警察に命じた。集まってくれた警察の面々に協力してもらい、地面に散らばる卵を集めていく。
――きんいろぴかぴか。まざれまざれ。
少し先の場所では、オウガも口や胸の窓に卵をひょいぱく入れていく。本来ならオウガの強奪を阻止したいところだが……。
「今のボク達の力では直接戦闘で勝利出来る可能性は低い。遺失物のプロである君達は奪い合いを避けて、可能な限りでの卵の回収に集中してもらいたい」
警官に指示を投げた九木は安楽椅子を肩に乗せて瞳を閉じ……思考を巡らせる。
どうしても戦力に不安が残ってしまう。警官達を合体させて卵を一ヵ所に集めれば、その黄金パワーを一気に得る事が出来るが、おそらく全ての卵は持てないだろう。
困った、万事休すか……しかし、真実を探す新緑の瞳を開いた九木の前には、予想以上の働きをしてくれた警官達の姿があった。有能警察は本当に有能だったのだ。
警官達は自分で持ちきれない卵を一ヵ所にまとめて円陣で囲う事により、全方向のオウガを威嚇しながら守っていたのだ。警官達の身体は卵を守り抜くという意志と黄金のパワーで光輝いていた。
一方で、金の卵を食べたオウガ達も合体して二首八つ足の醜い化物に変化していた。それでも、ここは総力戦でやり合うしかない。
「仕方ない、とにかく数で銃を撃とう!」
五十六人の警官達は、合体オウガから卵を庇う壁となる隊列に変更。黄金の弾丸でオウガを一斉射撃する。オウガは禍々しく歪んだ体躯からは信じられないスピードで迫って来るが、警官達の弾幕は止まない――止まない。最期まで諦めない!!
身体を風穴だらけにされたオウガは、警官を喰らう寸前で事切れた。
まさに紙一重の勝利だった。
成功
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桐島院・師走
「何か」と「何か」を混ぜ合わせた命。僕もある意味そうなのかもしれない。ちゃんと救ってあげないといけないね。
【インコンプリート・アポストル】を使って、兄上達を呼ぶよ。小さくて丸い人魂だけど実体はあるから、1人で1つくらいは卵を持てるはず。これで11個は確保出来るかな。この場合、僕と兄上どちらが光るんだろう?
オウガに対しては、「部位破壊」と「2回攻撃」で戦っていく。相手の腹の辺りを狙うよ。もし、自分や味方が相手の状態異常にかかったら、「浄化」で取り除いて支援したいな。
飲み込んだものを鋏で取り出された狼のおとぎ話を知ってるかい。あなたも吐き出してもらうよ。
(アドリブ・絡み歓迎です)
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悪しき力で世界を脅かす『アンメリー・フレンズ』。愉快な仲間達の成れの果て。
別のオウガにより、その存在を弄られ混ぜられ生まれてしまった哀れな命よ。
「『何か』と『何か』を混ぜ合わせた命。僕もある意味そうなのかもしれない」
桐島院・師走(シザーレッグズ・f20989)は醜く歪んだ不気味な姿となって彷徨うオウガに対しても、穏やかな視線でそれを見つめる。
師走の両脚は、人間の脚の代わりに鋏のような刃が接続されている。彼もまた異形の姿で神の使いとして作られた、十二番目の実験体なのだ。
「ちゃんと救ってあげないといけないね」
……兄上。
語りかけるように、師走は【インコンプリート・アポストル】で十一人の兄を喚ぶ。
「ちょっとした奇跡を見せようか」
弟に喚ばれた兄達は、か弱き人魂として現れ、師走の周りをふわりと漂った。
小さくて丸い人魂は不思議と実体があるようで、周囲の卵をひとつずつ持ち上げる。それぞれが持つ十一個の黄金の卵から人魂へ力が伝わり、黄金色に輝き出した。
――キラキラ。たまごよりぴかぴか。きれいなのともっともっとまざりたい。
アンメリー・フレンズは黄金の卵と共にガチョウまでも身体に取り入れて、背中に鳥頭を足と手に翼を生やしたおぞましい姿を、金色に光らせていた。強欲なオウガは他の光も溶かして自分と混ぜようと、真っ赤な毒液を師走達に向かって撒き散らす。
「僕達は共にいる。共に在る――恐れるな」
オウガが攻撃を放つまでの間、師走は自分と兄達を繋ぐように祈りを捧げていた。
すると、兄達の黄金の光が師走に集まり、輝きは瞬く間に周囲へ広がっていく。
悪しき力を込められた毒液も、光に晒されて浄化されていった。
「飲み込んだものを鋏で取り出された狼のおとぎ話を知ってるかい」
シャキン――裁きの音が鳴る。
足には鋏の二つの刃『春待月』、手には二槍の『極月』『氷月』。
四刀流の刃は黄金の軌跡を描いて。オウガの腹を断つ、断つ、命を絶つ、絶つ。
「あなたも吐き出してもらうよ」
割かれた腹から、黄金の卵と黄金のガチョウが零れ出た。
継いで継いで混ぜ続けて。いつまでも終わりを迎えられなかった命は、師走の手で骸の海へと還されたのだ。哀れな命の安らかな眠りを祈って、師走は戦場を後にした。
大成功
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