迷宮災厄戦⑩〜ハートの城の図書館ラビリンス
ここは、ハートの女王の住む城。
しかし、今は……。
ごごごご。なにやら、重い音が響く。
どすんどすんと音を響かせ、それらはやってきた。それはかつての主を模した石像。
ハートの女王の石像が、城に入ってきた猫を見つけ、それに触れる。
「みぎゃっ!!」
不届きな猫は、そのまま消え去り、城の外へ。
猫が居なくなったのを確認すると、次の不届き者を見つけて、城の外へと追い出していく。
しかも、その石像は無数に存在している。
それだけではない。城の内部は複雑な迷宮にも姿を変えていた。
「皆様、来ていただき、ありがとうございます」
そうぺこりと頭を下げるのは、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)。
「皆様に向かっていただくのは、ハートの女王の城です。オウガ・オリジンに戯れに殺された、かつての忠臣『ハートの女王』の怨念が籠もったお陰で、場内は複雑な迷路となっています。ですが、その全ての迷路を攻略すれば怨念は消え、制圧可能となります」
そのため、猟兵の皆には、城の迷宮の攻略を頼みたいのだと、リズは告げる。
「今回、皆様には、ハートが3つ書かれた扉を開いて、女王の図書館を潜り抜けていただきます。そこを通り抜け、窓からベランダに出て脱出して下さい。そうすれば、攻略完了ですわ。ですが、一つ問題があるのです」
問題がある……一体何があるのかと、猟兵達が眉を顰める。
「実は……城の中には、たくさんのハートの女王の石像がいるんです。その石像は触れたものを城の外へとテレポートさせて、追い出してしまうんです。もちろん、皆様の力があればすぐに倒すことはできますが……無数にいますので、攻撃を仕掛けて足を止めれば、すぐに石像に囲まれて、外に追い出されてしまうでしょう。それよりも、追いかけさせたまま、先へ進んでいく方が対処しやすいかと思います」
ハートの女王の城で、女王の石像と追いかけっこすることになるらしい。
「大変かも知れませんが、きっと皆様の力があれば、城から脱出できると思いますわ。皆様の無事を祈っていますわね」
そういって、リズは迷宮と化したハートの城へと猟兵達を送ったのだった。
柚葵チハヤ
どうもこんにちは! 柚葵チハヤです。
1章のみの戦争シナリオ、今回はハートの城での脱出です。
今回の舞台は「ハートの女王の図書館」となります。棚や本、テーブルなどなどが迷宮の壁となっていますので、ご注意下さいね。
今回のプレイングボーナスはこちらです。
プレイングボーナス……地形を利用して女王の石像と追いかけっこする。
複数で参加する際は、お相手の名前やID、グループ名の記載もお忘れなく。
それでは、皆様の華麗な脱出プレイング、お待ちしていますね。
第1章 冒険
『女王の石像から逃げろ』
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POW : 女王の石像の集団に追いかけられながら、迷宮内をマラソンしつつ迷宮を探索する
SPD : 女王の石像に見つかる度に、全速力で振り切って安全を確保しつつ迷宮を探索する
WIZ : 女王の石像に見つからないように隠れ潜みながら迷宮を探索する
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月代・十六夜
図書館ではお静かにー。こわーい司書さんが追い出しちゃうぞーってか?
迷宮化した図書館…元から図書館は迷宮では?そういう意味じゃない。せやな。
冗談はさておき、本棚が壁って事は、積まれた本の隙間から向こう側が見えたりとか、
そもそも防音性が無いからお互いに存在を認識しやすいってのがミソだな。
まぁやることはかわりゃしないんだけどね。【韋駄天足】の【ジャンプ】による室内ピンボール行ってみよう!
周囲の【聞き耳】と目まぐるしく変わる視界に一瞬入る石像の姿を【視力】で確認しながらほぼほぼ無音での高速移動を実現するぜ。
つかまえてごらんなさーい。そもそも近づかないけどね!
最初にその扉を開いたのは、月代・十六夜(韋駄天足・f10620)だった。
音を極力立てないよう、ゆっくりと開き、その身を滑らせるように、するりと中へと入る。幸い、入り口付近には、あの石像はいないようだ。
「図書館ではお静かにー。こわーい司書さんが追い出しちゃうぞーってか?」
静かに扉を閉めながら、辺りを見渡す。
天井までに並べられた本棚が、迷路の壁のように並べられている。目指すは、ここにあるといわれた、出口のベランダ。
「迷宮化した図書館……元から図書館は迷宮では? そういう意味じゃない? ……せやな」
思わず十六夜は、一人突っ込みしながら、本棚の本を抜き出した。
「お、やっぱりな」
十六夜の思った通りだ。積まれた本の隙間から向こう側が見えるのが分かった。その先には、あの石像の姿も見えた。
「防音性もなさそうだし、お互いに存在を認識しやすそうだな。……まぁやることはかわりゃしないんだけどね」
そういうと、十六夜は韋駄天足の跳躍で、ぽんぽんと本棚を蹴りながら、ジグザクに進んでいく。さながらそれは、人間ピンボールになったかのよう。
十六夜は周囲を聞き耳で探りながら、目まぐるしく変わる視界に一瞬入る石像の姿を視力で確認しつつ、ほぼほぼ無音での高速移動を実現してみせる。
「つかまえてごらんなさーい。そもそも近づかないけどね!」
追いかけてきた石像をそのままに、十六夜はようやく見つけたベランダへと一気に飛び込んだのであった。
大成功
🔵🔵🔵
殺風景・静穂
迷路もカクレンボも嫌いではないけれど、駆けて逃げ回ったりするのは好きではないの
ユーベルコードの使いどころよね
図書館なら本はたくさんあるでしょうから、それらを人間の姿に変えて囮にしましょう
映画俳優、政治家、スポーツ選手……アニメのキャラクターなんかを造っても面白いわね
できるだけ派手に逃げ回らせて、石像の意識をそちらへ向ける
その間は、物陰に潜みながら、本棚に並ぶ背表紙でも眺めていようかしら
ハートの女王の図書館
さて、どんな本が置いてあるのかしらね?
とっても興味深いわ
鉢合わせるような恰好で石像に出逢ってしまったら、私そっくりの偽物を複数つくって撹乱
本体がばれたらそれまで
このスリルを愉しみましょう
「迷路もカクレンボも嫌いではないけれど、駆けて逃げ回ったりするのは好きではないの。わたしの力の使いどころよね」
二番目にこの迷宮に足を踏み入れたのは、殺風景・静穂(計算ずくの混沌・f27447)。
「図書館なら、本はたくさんあるでしょうから……」
数冊引き抜き、静穂は笑みを浮かべる。
「はい、うりふたつ」
朧二重(オボロフタエ)を発動させ、その持っていた本を次々と、人間の姿へと変えていく。
「こうやって……人間の姿に変えて囮にしましょう」
映画俳優、政治家、スポーツ選手……果てはアニメのキャラクターと本を大量に人間へと変化させて、彼らに逃げ回ってもらう。
案の定、石像が本から人になった者達を追いかけて、何処かへと去っていった。
その間、静穂は物陰に潜みながら、本棚に並ぶ背表紙を眺めている。
「ハートの女王の図書館……さて、どんな本が置いてあるのかしらね? とっても興味深いわ」
だが、どれも不思議のアリスや鏡の国のアリスのタイトルばかりで、これといった面白そうな本は見当たらない。やはり、幻想が生み出した図書館といったところか。そのことに少し残念そうに顔を曇らせていると……。
がたがた。
「!!」
鉢合わせるような形で、石像と出会ってしまった。くるりと静穂の方へ顔を向けたそのとき。
「はい、うりふたつ」
近くにあった本棚から、次々と自分そっくりの人間を生み出した。すると、石像は頭をくるくる回しながら、どれが本物か戸惑っている様子。
「本体がばれたらそれまで……このスリルを愉しみましょう」
そうやって、石像の目を潜り抜け、静穂もまた十六夜と同じく、ベランダから外へと脱出することに成功したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
南青台・紙代
アドリブ・連携OK
童話じみた世界らしい図書館であるな。実に興味深い。
このような時でなければあちこち見て回りたいものだが……
(《聞き耳》を立て女王の石像の気配を探る)
残念ながらその余裕はなさそうである。
いずれまた訪れる機会を得るためにも早く城を抜け、
戦争を終わらせる一助とならねばな。
UC『怪奇ヘビ人間』で自らの身を蛇に変え、
棚や本、テーブルなどの障害物が多い《地形の利用》をしながら進もう。
棚の上や本の陰に隠れるなど、できるだけ《目立たない》ように、
慎重に進んでいかねばならんな。
窓まで辿り着いたら、開く音で石像に気付かれないために
『蛇怪之気』でそうっと開いて外へ出るとしよう。
次にこの地に足を踏み入れたのは、和の装いをしている切れ長の美女、南青台・紙代(言の葉綴りし青蛇女・f23355)。
「童話じみた世界らしい図書館であるな。実に興味深い。このような時でなければ、あちこち見て回りたいものだが……」
ごとごとと、重い音を響かせ、迫ってくるのはあの女王の石像。
「残念ながらその余裕はなさそうである。いずれまた訪れる機会を得るためにも、早く城を抜け、戦争を終わらせる一助とならねばな」
そう呟き、紙代はその身を青蛇に転じると、そのまま、本や棚、テーブル等の障害物の多い所を縫って進んでいく。棚の上や本の陰に隠れるなど、できるだけ目立たないように、慎重に慎重に進んでいく。
「時間はかかりそうだが……これならば、見つからずに出口まで行けそうだ」
棚の上から、身を隠しながら、ようやく、目的地であるベランダの近くまでたどり着いた。その間も、紙代は慎重に進める。
「最後の最後で見つかるのは、いささか面倒であるからな」
『蛇怪之気』でそうっと、ベランダへの扉を開くと、しゅるりと紙代は無事、外へと抜け出したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
依神・零奈
鬼ごっこね、戦争にしては随分と和やかな事……まぁ、冗談は程々にしておいて面倒な事になる前にさっさと突破しちゃお。
要するに石像に追いつかれなきゃいいって事ね、ならまず立ち止まる事なく走り続ける事が重要なのは間違いない筈、あとは確実にベランダに辿り着けるように前方に集中したい所だけれど……後方の憂いは断っておくに限るね。UCを発動し舌禍による【呪詛】を振りまいてしまおう。
「図書館では静粛に さもなければ災いが訪れる」
災いを呼び寄せられた石像達は前方に《偶然》にも無数の本が崩れ落ちたり《偶然》にも崩れ落ちたテーブルの残骸に進路を阻まれたりする、筈。
「鬼ごっこね、戦争にしては随分と和やかな事……」
そういって、この図書館に入ってきたのは、依神・零奈(殯の掃持ち・f16925)。彼女もまた、この迷宮を制覇しに来た猟兵の一人だ。
「まぁ、冗談は程々にしておいて、面倒な事になる前にさっさと突破しちゃお」
そう呟き、零奈は思案する。
「要するに、石像に追いつかれなきゃいいって事ね。なら、まず立ち止まる事なく、走り続ける事が重要なのは間違いない筈」
石像の影がいないのを確認しながら、なおも零奈は続ける。
「あとは確実にベランダに辿り着けるように前方に集中したい所だけれど……後方の憂いは断っておくに限るね」
辺りを見渡し、もう一度、石像がいないのを確認して。
「図書館では静粛に。さもなければ災いが訪れる」
舌禍「七羽鴉」(クチハワザワイノモト)を発動させて、その後は静かに一言も発しずに、迷宮の奥へと進んでいく。
途中、がたごと音を鳴らす石像の前に『偶然』にも無数の本が崩れ落ちたり『偶然』にも崩れ落ちたテーブルの残骸に進路を阻まれたりしていたのだが……零奈は、そんなことが起きているのだろうと物音で察するのみ。
そのまま難なく、ゴールのベランダを潜り抜けて、零奈もまた迷宮からの脱出を図るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
周囲を露と視認で警戒しつつ物陰に隠れ扉を探す。
石像の歩む音を察知したら暫く隠れやり過ごそう。
とはいえ広い迷宮だ。二人ではかなり時間がかかるな。
手数を増やそう。【小さい援軍】達に協力して貰う。
自身の迷彩能力を駆使して情報収集をして貰おう。
身の危険を感じたら結界術で危機回避をしてくれ。
「さて、頼むぞ。……何だ、露? 目を輝かせて」
変な奴だ。
私達も城の中を探すぞ。助手だけを働かせられん。
留まっていたら発見されやすい。移動した方が安全だ。
もし発見され追いかけられたら物の間を縫うように逃走。
露と逸れないようにしないとな。手でも繋いでおこう。
…もたつくのは私の方かもしれないが…。
神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
広くて大きいお城よね。どうやって探そう。
何かヒントとかないのかしら…うーんうーん。
え?増やす?どうやって…そんなの…が!?
わあぁ…。なにそれなにそれ。凄く可愛いー♪
レーちゃんに手を引かれてあたし達も探す。
勿論。周囲を警戒しながらよ。石像怖いもの。
もし石像に追われたらレーちゃんを背負ってダッシュ。
レーちゃんに引かれながら逃げるのも素敵だけど…♪
そんなこと言ってたら捕まっちゃうわ。それはダメよ。
レーちゃん逃げる体力なさそうだからあたしが…!
えへへ♪レーちゃん背負うの何回目かしら♪
しっかり逃げ切って二人で一緒に脱出するわ!
うん。あたし頑張る。ごー!
次にやってきたのは、シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)と、神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)の二人組。
「広くて大きいお城よね」
「ああ、これほど大きいとは思っていなかったな」
シビラと露の二人は、周囲を視認で警戒しつつ、物陰に隠れ出口を探していく。石像の歩む音を察知したら、暫く物陰に隠れやり過ごしていた。
「どうやって出口を探そう? 何かヒントとかないのかしら……うーんうーん」
と露が唸っていると。
「ヒントか……二人ではかなり時間がかかるな。手数を増やそう」
「え? 増やす? どうやって……そんなの……が!?」
騒ぎ出す露を余所に、シビラが小さい援軍(アウクシリア)を発動させる。
「Ridică-te cu noi Aveți puterea de a înfrunta viitorul……」
とたんに現れるのは、黒ヴェールをかぶった手乗りシビラ達。
「さて、頼むぞ。……何だ、露? 目を輝かせて」
ミニシビラ達に、自身の迷彩能力を駆使して情報収集をするよう頼むと。
「わあぁ……! なにそれなにそれ!! 凄く可愛いー♪」
思わず数体を抱っこして、シビラに怒られてしまったが、それはまた別の話。
「私達も城の中を探すぞ。助手だけを働かせられん」
「うんそうだね。可愛いレーちゃんが頑張ってるんだもの、あたしたちも頑張らないとね」
「留まっていたら発見されやすいしな。移動した方が安全だ」
「勿論。周囲を警戒しながらよ。石像怖いもの」
そう小声で話しながら、ゆっくりと確実に歩みを進めていくと。
ごとごとごとん! 石像が物音を立てて出てきた。
「露、こっちだ」
シビラは咄嗟に露の手を握り、物の間を縫うように駆け出すと。
「レーちゃんに引かれながら逃げるのも素敵だけど……♪」
露はその手を引いて、そのままシビラを背負ってしまう。
「あ、えっ
……!?」
「そんなこと言ってたら捕まっちゃうわ。それはダメよ。レーちゃん逃げる体力なさそうだから、あたしが……!」
しっかり背負ったのを確認して、露は駆け出した。
「ちょ、ちょっと、露!」
「えへへ♪ レーちゃん背負うの何回目かしら♪」
「そうじゃなくて、だな……はあ……気を付けろよ、露」
諦めたかのようにそうシビラが露に声をかけると。
「うん。あたし頑張る!! このまま、ごー!」
元気よく駆けていき、そのままベランダを見つけて、一緒に脱出したのだった。
こうして、猟兵達の活躍により、この迷宮を突破することができた。それにより、ハートの城の怨念が消え去り、またこの地の制圧に一歩進んだのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵