迷宮災厄戦⑥〜夢光年
●原城の夢
虚空に洋風めいたサムライエンパイアの城『原城』が浮かんでいた。
その城内で激しく戦い合う猟兵達とオウガ達、ここを守っている一団はそのあまりの特殊さに攻め手側としては少し難儀してしまっていたりする。
普通の人型などであればただ戦えばいい、だが今目の前に“漂う”のは夢喰いクラゲの群れなのだ。
それも通路一杯に溢れかえり頭上を取ろうにも天井まで浮いていたりするのでさらに厄介だ。
彼らと戦ってもある意味害はない、なぜなら彼らは猟兵達を眠らせその“夢”を喰う事しか考えていないからだ。
それはあらゆる手段を用いて眠りに誘ってくるという、心地よい明かりは見ているうちに眠たくなる。
仄かな安らぎを感じる香りも心地の良い振動でマッサージされてもとにかく眠たくなる。
寝落ちの間といういやーなネーミングの部屋などが用意されており勢いよく飛び込んだというのにあっという間に夢の住人だ。
しかもこのクラゲ達、最高品質の枕のように触り心地も満点……本当に彼らは強敵なのだ。
●グリモアベース
「なんかもう変な敵出ちゃいました!」
グリモアベースに集った猟兵達にやれやれと眼鏡を光らせるグリモア猟兵の村雨・ベル。
なんというかまともな敵を予知するのがまれな彼女にとってこれはきっと平常運転なのでそろそろ誰もツッコミを入れてくれない。
本当に慣れとは怖いものである。
「えーっとですね、原城の城内に夢喰いクラゲというのがふよふよしてましてそれをやっつけてきてほしいんですよ!」
ふわっとどころかシンプルすぎる説明に一同はクラゲかぁと遠い目をする、さすがにこれはわかりにくいだろうと説明を続けるのだが。
「これは夢喰いクラゲといいまして、ありとあらゆる手段で対象を眠らせてその夢を食べちゃうという強敵なんです」
夢を喰われると悪影響が?と心配する者もいるかもしれない、さすがに恐ろしくなったのか食べられた際の心配をする者がいそうだがベルは首を振り肩をすくめた。
「それが夢を食べられても別に死んだりダメージを負ったりしないんですよね」
命の危険はない……だがその代わりに貴重な時間が失われしまう、それのほうがよほど恐ろしい事態を引き起こすということだ。
「彼らは後先考えず全力で眠らせにきます、それに対抗しうまーく退治してもらえればなと思います!」
そう言いながら転送の準備を始めるベル、猟兵達は暗雲渦巻く原城へと旅立っていくのだった。
轟天
迷宮災厄戦が開戦しました。
今回は色々と考える事が多いようですので皆さん相談してみるのもいいと思います。
●プレイングボーナス
オウガの捨て身を逆に利用する。
第1章 集団戦
『夢喰いクラゲ』
|
POW : おやすみなさい
いま戦っている対象に有効な【暗闇と、心地よい明かり】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD : 良い夢を
【頭部から眠りを誘う香り】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 気持ちよく眠って
【両手】から【気持ちいい振動】を放ち、【マッサージ】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
片桐・公明
【POW】
捨て身で近づいてくる敵に対して、こちらも接近して応対する
「捨て身で近づいてくるってことは、死ぬ覚悟ができているってことよね?それじゃ、死になさい。」
接敵と同時に妖刀で真っ二つに斬り分ける
四方八方から来る敵を気にせずUCで踊るように回避と攻撃を行う
「クラゲは触手に毒があったかしら。まぁ、一太刀で殺せば何の意味もないわね。」
眠気に対してはある程度までは頭を振るなどで紛らわすが、限界まで達した場合妖刀を自らの左肩に突き刺して痛みで無理矢理覚醒させる。
「…うっとおしい!!ふらふらふよふよしてないでこっちに来い!!」
眠気を誘う敵に対して理不尽に怒鳴りつける
(絡み、アドリブ歓迎です)
●
原城内部に潜入し大量に浮かぶクラゲを視認し片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は迷いなく抜刀し間合いを計る。
説明によればクラゲ達は計算など無く侵入者を見れば殺到してくるようだと言っていた。
であれば公明がやるべき事はとてもシンプルなものとなると思考をシンプルにする。
「捨て身で近づいてくるってことは、死ぬ覚悟ができているってことよね? それじゃ、死になさい」
手にした妖刀を振るい間合いに入ったクラゲを両断しさらに横へと薙ぎ数匹を切り裂いた。
薄暗い廊下を進みつつ絶え間なく襲ってくるクラゲを腕が棒になるのではというぐらいに振り続け切り裂き突き進んでいく公明、だが四方八方から迫ってくるというその物量こそが最大の敵なのではと思い始める。
(なんて弱気な事は言っていられない、諸葛流舞闘術は強さと美しさ……両立させないとね!)
ダッシュし壁を駆け上がり宙を舞いながら回転しまたも数匹を切り裂く、さらに着地しながらも地を這うように突き進み串刺しにしたクラゲが引き裂かれた。
ボゥっと明暗するクラゲ達を切り裂き続けるうちに公明はいつしかただ腕を振るい思考がいつしか鈍っていくことに違和感を感じなくなっていた。
点滅に近づくそのクラゲ達の明暗は視覚から本能に働きかけ眠りへと誘っていく……。
「…うっとおしい!!ふらふらふよふよしてないでこっちに来い!!」
自らの肩へと刃を突き刺し噴き出す鮮血が衣装を赤く染めていく、だがおかげでぼやけていた思考がはっきりとしやるべきことを思い出す。
眠気を誘う敵への怒気を放ち駆け抜けるべき通路へと狙いを定め一気に走り出した、邪魔するクラゲをすり抜けて狙うは出口を塞ぐ大クラゲ。
「しかと見よクラゲ共! 我が舞闘術に小細工など通用しないという事をっ!」
ステップから浮いた身体が独楽のように横回転しそのまま刃が大物すらを真っ二つに斬り裂き内容物が降り注ぐ。
ズレた眼鏡の位置を直しつつ公明はニヤリと太々しい笑みを見せたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
エスペラ・アルベール
「こんな状況じゃなければ、一匹欲しくなっちゃう感じだけど……今は寝てる場合じゃ無いんだよねっ!」
香りの範囲に入る前に、【トリニティ・チェンジ】を使用して音属性特化モードに変身しておく
意識が途切れたら自動で脳に響くレベルの爆音を自分に発して強制的に目覚めるように、魔法を設定するよ
後は驚かせ力を音の衝撃として乗せた、全力の歌唱で攻撃っ、クラゲなら身体の殆どは水分、音による攻撃は良く効くんじゃないかなっ!
……というかっ、長引くとボクの耳と頭がおかしくなるからお願い早く倒れてっ!
●
「こんな状況じゃなければ、一匹欲しくなっちゃう感じだけど……今は寝てる場合じゃ無いんだよねっ!」
ふよふよふよふよ、ぽよよんぽよよんぽよよん、目の前にクラゲ達が浮いているのもこれが戦いで無ければ目を喜ばせる光景かもしれない。
元気いっぱいにその光景についつい見惚れてしまいエスペラ・アルベール(元気爆発笑顔の少女・f00095)はちょっぴり残念そうだ。
こんな子がうちにいれば毎晩快眠間違いなし、それにクッションにも最適とか一家に一台欲しくなってもおかしくないとも思う。
とはいえこんな普段であれば無害なクラゲもここでは原城攻略の邪魔になってしまうわけだからやらないわけにはいかない。
普通に行けばきっとすぐにダウンするのが目に見えている、ならもーっとばっちりな作戦を思い付きエスペラは思わずガッツポーズを取りたくなるがさすがにそれは我慢した。
(予知で聞いてた香りはまだしていないから今のうちにっと)
ビシっと指を立て目を閉じ身体に流れる魔力の流れを調律する、3つの力がエスペラへと魔力パスを繋げてくるが今日はそこから音属性を取り込んでいった。
リズム感が身体の中で高まり一挙一動がまるで子気味いいミュージックに感じてくる、だがそのような音を操る能力だがエスペラは別の使い方を思い付き目一杯の設定を組み込むと魔法をセットしておき準備は完了。
「じゃあ、いっくよー!」
場内を駆け抜けクラゲ達の漂う目の前まで到着しすぅと息を思い切り吸いエスペラは笑顔でアップテンポの曲を歌い始めた。
だがそれは唯の音ではない、先ほど音属性を付与された際に驚かせることに特化した力がその歌声には宿りそれは次々とクラゲ達へと浸食をしていくのだ。
クラゲ達の身体の大半は水分で出来ており歌声は共鳴し次々とその身体を反響し終いには破裂し原型を留めなくなる。
(うんうん♪ ボクの歌声で破裂するのがちょーっと気になるところだけど、結果オーライ問題なしだね♪)
などと余裕ぶっているが次第に歌声は静かになっていきエスペラからすやすやとという寝息が聞こえ始めるまだほんの数分。
充満した香りへと対応策などはなくすぐに寝入りかけたのだがその瞬間けたたましい爆音が鳴りビックリしてエスペラは目を覚ます。
「ぴゃっ!? あわわわ、目覚ましうるさーい!」
そう……先ほどセットしておいた眠ったら自然に鳴るようにセットしたいわゆる目覚まし時計、うるさすぎてそれだけで周囲のクラゲが破裂するほどの音圧。
そしてそれはもちろんエスペラの耳をも容赦なく浸食していくわけで……。
(……というかっ、長引くとボクの耳と頭がおかしくなるからお願い早く倒れてっ!)
眠りかけては起こされを繰り返しエスペラの壮絶な歌唱タイムはまだまだ続くに違いない。
どっちにしろクラゲ達にしてみれば何もできずに破裂するしか道は残されていないわけなのだが。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
確かに、普段なら害の少ない相手ですが、この状況では厄介ですねぇ。
何とかやってみましょうかぁ。
【遍界招】を使用し『暗視効果の有る眼鏡型祭器』を召喚しますねぇ。
そして『FRS』と『FSS』の弾頭を『FCS』で『炸裂弾』に変更、[爆撃]による[範囲攻撃]を仕掛けますぅ。
『暗闇と明かり』で眠りを誘うのであれば『暗視』と『爆炎による光』、『爆音』で眠気を吹き飛ばしつつ攻撃を繰返せば、対処可能でしょう。
通常であれば『爆発音』は敵を集めてしまう恐れが有りますが、掃討が必要、且つ相手が攻撃に専心しているこの状況であれば、寧ろ『誘引する効果』として利用出来ますぅ。
後は順次殲滅しますねぇ。
●
「うーん、確かに普段なら害の少ない相手ですが厄介ですよねぇ」
原城内を進むにあたり夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はぷるぷると震えながら対策を考える。
何の対策もしないで出向けば間違いなく熟睡するのは間違いないだろう。それはあまりにも論外なのでちょっとばかり小技を繰り出す事にしたのだ。
「大いなる豊饒の女神、その鴻大なる知と力を持つ『祭器』を此処にお与え下さい」
るこるの祈りに応え女神がもたらした神器それは……眼鏡だった。
眠たくなる暗さそして眠気を誘う照明の明暗、これらに対して暗視能力がある眼鏡を着用し狙いを定める。
「FSS、FRS次弾装填、弾種炸裂弾!」
FCSから新しい弾丸が次々と供給され浮遊砲台とビームシールドへと今回の作戦のキーポイントとなる弾丸が準備され照準は手短な通路へと向けられる。
(爆発音は敵が集まってくる欠点がありますが今回はそれが掃討が目的ですし……)
るこるはそう自分を落ち着かせ全武装のセーフティを解除、そしてクラゲ達の明暗が悪影響を及ぼす前に砲撃が始まった。
何発も何発も弾丸がある限り砲撃は続く、クラゲが弾け飛び爆発でさらに散り散りに千切れ飛び壁に叩きつけられる。
自動装填が順調にリロードを続け砲弾を撃ち続けるがそれも次第に熱を帯びた砲身が限界を迎え速度も精度も落ちていく。
砲撃の煙が廊下に充満し残響音だけが静かに響き続けた、るこるは緊張を解きその場へと座り込む。
やれる事はやったのでこの通路を通るにはもう障害はないだろう、そこを経由してさらに奥へと進まねばならない。
砲身の冷却が終わり次第作戦へと復帰しよう……そう思いつつもるこるがほんの少しだけ休憩しようと目を閉じる。
戦いの前に緊張していたぶん、静かな寝息が聞こえ始めしばしるこるがつかの間の休みをとるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
トゥーリ・レイヴォネン
【アドリブ連携歓迎】
【面白そうな展開であればプレイング無視OK】
「眠い、のと。痛いの、いい勝負じゃない、かな」
目標
・コートの下、素肌に巻きつけている有刺鉄線の締め付けを強くし、全身から血を零しながら睡魔を振り払う
・選択UCを用いて、限界までクラゲの数を減らす
行動指針
・状況は分かっているため、予め有刺鉄線を強く締めてから戦いに向かう
・暗闇と心地よい明かり、闇の中に落とされれば対処出来なかったかもしれないが、見えるのであれば問題ない筈
・基本的に強くはないトゥーリではあるが、睡眠に抗いさえすれば勝てる相手……のはず
心情
・あー……眠いし痛い、し、気持ち悪く、なってきた、これ……
●
原城内部の廊下を充満するほどに漂うクラゲ達、それはゆらりゆらりと優雅に浮き緊張感もない。
だがこの城内の薄暗さと仄かに光るクラゲ達の点滅は侵入者達を夢の世界へと案内してしまうのだ……普通ならば。
だがこの侵入者が普通であるかどうかは意見が分かれるに違いない。
「あー、うん。ここ、すごく眠くなる、ね」
口元までを赤いマフラーで覆いトゥーリ・レイヴォネン(タナトスのオートマトン・f26117)はその城内を進んでいく。
その歩いた後に血の跡を残しつつ……それは敵に受けた傷なのではない、トゥーリ自身がこの罠に望み仕込んだ物によるもの。
「眠い、のと。痛いの、いい勝負じゃない、かな」
血に濡れた掌を見つめぽつりと零す言葉に偽りはない、普通ならば眠ってしまうであろうこの環境で傍目には平気で肉斬り包丁を振り回すこのデッドマンの少女が眠らない理由はただ一つ。
“痛み”だ。
ザクリ、クラゲ達は別段襲ってくるでなくただ浮いているだけ、起きてさえいれば子供でも十分に倒せる程度の相手。
だがそんな相手であろうともトゥーリが容赦などするわけもなく、緩慢な動作ではあるものの執拗なまでにクラゲを刺して刺して刺して捌いて刺して刺して刺して齧って刺して刺して刺して刺して……無限に続くかとも思える解体していく様は傍目にはまるで狂人のような恐ろしさだと言える。
だがこうしてクラゲを解体している時でさえコート下の有刺鉄線は肌を傷つけさらに出血がひどくなっていく。
眠気に耐えきるか出血多量で意識を失うかどちらが先でも何もおかしくはない。
そうこうしているうちにさらに事態はダメな方向へと転がり落ちていく。
ついでに食べれるかなと思って齧ったクラゲが何気に美味でちょっと小腹が膨らみ満腹中枢が微妙に作用しトゥーリの意識へと浸食していってしまった。
「あー……眠いし痛い、し、ちょっとお腹、気持ち悪く、なってきた、これ……」
それはもしかするとただの食当たりかもしれない、大丈夫だろうかこの体調不良のまま眠ってしまったら大惨事が待っているかもしれない。
色々と限界を迎えころりと倒れたトゥーリは少しばかり休憩しようと目を閉じてみるが今度は寝たくても寝れない。
(有刺鉄線、チクチク……なんだか、気持ちいい)
ちょっと目覚めてはいけないモノが目覚めそうになるのをトゥーリは少しばかり気付かないふりをし次のクラゲを退治しに通路を進んでいくのだった。
成功
🔵🔵🔴
アイ・リスパー
「気持ちよくして眠らせてくるクラゲですか……
城の攻略に手間取るのは厄介ですね」
ここは【高機動型強化外装】でパワードスーツを纏い、クラゲの群れを高機動力で一気に突破するとしましょう!
「パワードスーツ装着です!」(変身バンク
着ている服と下着を電脳空間に格納。
パワードスーツを現実空間に実体化させて、装着しようとしますが……
「あっ、きゃああっ」
変身の途中、パワードスーツを実体化させる前にクラゲたちが寄ってきて!?
「装着中は襲わないでくださーいっ!」
クラゲたちに全身をマッサージされて気持ちよくなって(意味深)……
「ひゃあああっ」
そのまま背中を反らせて身体を震わせ、気を失って眠り込んでしまうのでした。
●
原城内で浮遊しているクラゲ達を突破せねば先は無いと意気込むアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)。
だがこのクラゲ達……死の危険はないがとにかく厄介、ありとあらゆる手段で眠らせてくるわけなのだが……。
「気持ちよくして眠らせてくるクラゲですか……城の攻略に手間取るのは厄介ですね」
などと言いつつもその表情は余裕そのもの、そうアイにはこんな時のためのとっておきがあるのだから。
手を掲げポーズをとる、そして腕を交差させアタッチメントをデバイスへと装着し輝きがアイを包み込んだ。
「電脳空間にアクセス。高機動型強化外装を実体化。装着シーケンス開始します」
それはアイの高機動型強化外装を装着する至極のプロセスであり衣装が弾け飛びそして新たな装備がその身へと装着され……。
ふよふよふよふよ……ぐにゃり。
「ひゃああああ!? ちょ、ちょっとまだ装着し終わってないのに襲わないでくださいいいいいっ!?」
装甲が装着される前に内側にクラゲ達に群がられ必死に逃れようとするアイだったがその無駄な抵抗はすぐに止むことになる。
そう……クラゲ達の絶妙なマッサージで燃え上がり始めた肉体の疼きに精神がついていっていないのだ。
「はぁん♥ そこに触れたまま震えちゃダメですううううっ!!」
何度も擦られそして摘ままれトドメに振動がアイの官能を極限まで高めていき次第に広がっていく快感とそして止められないこの感触は……。
仰け反り腰を浮かしながらアイは目の前に電流が走りそしてビクンと大きく震えるなりその場へと痙攣しながら倒れこむ。
……大きな水たまりが広がり湯気があがる、このような状況で恍惚の表情のまま眠りにつくアイ。
はたして誰にも見られることなく目覚める事はできるのだろうか?
……たぶん無理だろう。
苦戦
🔵🔴🔴
ブーツ・ライル
【DRC】
アドリブ、マスタリング歓迎
_
囮か。請け負おう。
選抜に否やはないどころか、燕やメトロを危険な目に合わせたくないゆえに自らすすんで囮を買って出る。
(「──……」)
呼吸が次第に深くゆっくりになる。
襲いかかる眠気に抵抗することなく、瞼を閉じる。
…
……
………
…………全く。
「騒々しくて、おちおち寝てられんな」
口角が微か弧を描き、同時に鎖を放つ。
一つ一つが刃の如き鋭さをもつそれが、クラゲたちを刺し貫く。
──おやすみ。良い夢を。
金白・燕
【DRC】
アドリブ、アレンジは大歓迎です
(ここで眠ったら、暫く起きれなくなりそうですね…)
……ブーツ、囮は任せました
メトロは私と待機しましょう
眠ったブーツに群がるクラゲ達を一網打尽にしましょうね
眠り姫、ですか
……部下に手を出されるのは思ったより……
(もう2度と目を覚まさないとしたら?)
……あら骨兎、今日は随分乗り気ですね、そんなにガチガチと歯を鳴らして
ええ、皆倒して差し上げましょう
怖くないですよ、にっこりスマイル、スマイル
ほら、骨兎に齧られてしまえ
あら、ブーツ
起きてらしたんですか
良い夢見れました?
……ふわわ。あ、失敬。
ちょっと寝不足かもしれません。
メトロ・トリー
【DRC】
アドリブだーいすきだよ!
くらげくらくら眠くなっちゃう?
やったあ!サボりにぴったりじゃあないか!ぼくもぼくも~!
え!ブーツ先輩が眠り姫なのかい?!
むーんやっぱりブーツ先輩が餌でいいや!
お迎えに行くほうが楽しそうだもの!
ぼくはこそこそ眠りブーツ先輩をきょろきょろ
くらげが荊みたいで、ほんとうに眠り姫みたい
ね!燕くん!あれ、れれ?怖い顔?
ふふ
じゃあブーツ姫の夢が食い散らかされる前に、さ
殺しちゃおう!
やい、やい猫やい!
ぼくの煙猫がこんにちは!
競争しようよ、ぼくの猫くん!
ちょきちょき!どれが首がわかんないけど
ざくざく!ほーら!斬首刑!
おはよう!ブーツ先輩!
えへへ、王子様たちが迎えに来てあげたよ!
●
原城内に漂うクラゲ達、侵入者に群がりあの手この手で眠らせに来るという事は囮を使えば一気に殲滅もしやすいものだと金白・燕(時間ユーフォリア・f19377)は思いつく。
だがやはりここは囮の人選が大事だろう、メトロ・トリー(時間ノイローゼ・f19399)に任せてもいいだろういつもの調子できっとサボって眠ろうとするに違いない。
だがこのような場所でガチで眠られても困るというもの、であればここで頼りになるのはやはりブーツ・ライル(時間エゴイスト・f19511)だろうと結論付ける。
「……ブーツ、囮は任せました。メトロと私は待機ということでよろしいか?」
「フムン……囮か。請け負おう」
ブーツは二つ返事で了承し帽子の位置を直した、選抜されたことを誇りに思う事はあれ否定などありえない。
それ以前に燕やメトロを危険な目に合わせるぐらいならば自分から立候補するぐらいのつもりでいたわけだ。
異論など出るはずがない、無邪気な。メトロ辺りにしてみれば遊び気分でやりたがるに決まっているので先にやるといいったほうが説得もしやすくて面倒が無くていい。
「え~、ブーツ先輩が眠り姫なのかい!」
ボクもボクもと笑顔で手を上げるメトロだが後の二人はよーっく分かっている。
(サボリにぴったりじゃないか!ぼくもやりたかったなー!)
……などと考えてるに違いない、絶対にそのままやらせると何かやらかすのは目に見えているというものだ。
どう説得しようかと考える燕とブーツをよそに一人ポンと手を打ち笑顔で振り返り後ろへと悪戯っぽい表情で下がっていく。
「むーん、やっぱりブーツ先輩が餌でいいや♪」
なんだろう……すでにブーツが犠牲になる前提に話してる気がするのだがまぁ……結論としては同じことだしいいだろう。
囮になり眠気に襲われるのは間違いないのだから。
心地のいいパフームが鼻腔を擽り通路の端に座り込んだブーツの呼吸は次第にゆっくりなものへと変わっていく、普段の疲れや緊張感から解放され今はただただこの静かな城内の雰囲気に溶け込みほんの数分でその呼吸は静かな寝息へと変わった。
まさに作戦通りの出来にそれを遠目に見ていた二人はワクワクしながら準備を整えた。
「あ、来たよ」
「ほうほうこれがクラゲですか……」
メトロと燕が観察している目の前で眠っているブーツの夢を喰らおうと群がってくるクラゲ達、あまりの数に通路が埋まりそうなほどで二人は驚きを覚えつつも声に出さないようにキュっと唇を噛み手で塞ぎ漏れ出しそうな声を抑えた。
それは一見すれば眠れるブーツをクラゲ達がバリバリと食べに集まってきているようで……。
「わわわ、ブーツ先輩ほんとうに眠り姫みたい。くらげも棘みたいだし……って、ひっ!? 燕くん! 顔怖い怖いって!?」
「あぁすまないねメトロ。 思っていたよりも部下が敵の手にかけられるというのは堪えるようですね」
そう言いつつ燕は帽子を深々と被りこみ上げる怒りを覆い隠そうと深呼吸、だがその心に芽生えた感情は本物であったのか燕が呼び出した骨兎達はやけに乗り気でガチガチと歯を鳴らし今か今かと命令を待っていた。
「ふふ、じゃあブーツの奴の夢、食い荒らされる前にさっさと殺しちゃおう!」
「同感ですね、さっさと片付けるに限ります。それっ怖くないですよ!」
隠れていた二人は飛び出すとブーツへと群がるクラゲへありったけの仲間達と共に襲いかかったのだ。
「やい、やいやい猫やい!」
「ニャーゴ!」
メトロの呼びかけに応じて猫くんが出てきてピョンと横に並ぶ、息の合った連携で1人と1匹はさっそく身近なクラゲと斬り裂き真っ二つにした。
ほぼ抵抗なく斬り裂き次々と千切れ飛ぶクラゲをまるで競争のように倒し続けているとさらに燕の呼び出した骨兎達がガジガジとかぶりつきクラゲ達は弾け飛び周囲に内容物が飛び散っていく。
……。
…………。
………………。
「想像しくて、おちおち寝てられんな」
幾多の鎖が突如現れクラゲ達が引き千切られ絞られると同時に破裂しさらに内容物が飛び散った。
ゆっくりと起き上がる巨躯、やれやれと肩を竦めブーツは頼りになる仲間達に軽口をたたく。
「あら、ブーツ起きてらしたんですか?」
「おはようブーツ先輩! えへへ♪ 王子様がお迎えにあがったよー!」
燕とメトロが背中合わせにブーツを囲み周囲へと注意を払う、まだまだクラゲは数が多くここからが本番と言えるかもしれない。
(クク、全く……頼りになる王子様達だな)
口元が僅かに緩み眠気も吹き飛んでいく、ここからが彼らにとっての正念場となるだろう。
「さぁ……良い夢を見せてやろう、このクラゲ達にもな」
「……ふわぁ、あ、失敬。 ちょっと寝不足で」
「あははは、全然決まらないねー♪」
緊張感よりも仲間達との安心感が勝つこの戦場に3人の笑いが響く、寝起きの運動はここからが本番となり3人は一斉にクラゲ達へと飛び掛かっていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
捨て身で突っ込んでくるなら対処は楽だよな。
問題は、奴の眠気にどう対抗するか。
そんな訳で、【料理】の腕の見せ所だな。
【厨火三昧】で焙ったコーヒー豆をその場で挽き、香ばしいアロマで眠気を誘う香りに対抗しながらコーヒーを淹れ、シャーリーの目を覚まさせる。
お供には砂糖たっぷりのクッキー。糖分は脳を活性化させるからな。
クラゲが料理の邪魔しようとしてきたら【カウンター】の【部位破壊】で両手(?)を切り飛ばす。
で、シャーリー。
偉そうに言ってるけどお前コーヒー飲んでるだけだよな?
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
シンプル・イズ・ベスト!
敵がボク達を眠らせようと近づいてきたところを【スナイパー】+【クイックドロウ】で狙い撃つよ!
で、もし眠りそうになったらウィーリィくんの淹れたコーヒーで眠気を【吹き飛ばし】て目を覚ます
キミが作って、ボクが飲む!ボクたちが、ビルドイェーガーだよ!
(どやぁ)
●
次々と襲いかかってくるクラゲ達と対峙して戦う者達が多い中……よりによってこの二人が戦うのはズバリ“睡魔”である。
そう……クラゲが小細工してこようとようは寝なければいいのだからと香ばしい香りが城内に広がっていく。
「よーっし火力も上々、今日仕入れた豆もばっちりだぜ!」
ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)の振るう鉄鍋が珈琲豆を焙煎し出来上がる最高品質の珈琲は最高のアロマと酸味甘みそしてフルーティさのうち酸味と苦みを強調したそのような仕上がりとなっている。
「うー、眠くなってきた~ボクそろそろ寝ちゃってもいいかなー?」
マスケット銃型の熱線銃を撃つのがそろそろ面倒になってきたらしくシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)がさっそく弱音を吐き出した。
足元には撃ち落としたクラゲの残骸……と言いたいがよく見るとそれらは何か打撃で潰されたように見える。
そう……つまりは弾丸は一発も当たっていないのだ、ということはシャーリーはさっきから何をやっているのか?
「あー、ボクもうだめ~っ」
「あー、もう! 煎れたての珈琲だぜ」
ウィーリィがすっと差し出す珈琲を受け取るがシャーリーにはまだ不服な部分がある、それを察して手渡されるのはたっぷりの砂糖とお供のクッキー。
ようやく満足しぐいっと一口飲んでシャーリーの目はパチリとばっちり覚醒完了、優雅に足を組んで座ってティータイムを楽しむ姿にここが敵の城内という警戒心はまるでない。
はっきり言って仕事をしていないというか衣装も新調したばかりの水着で来てるとかこの海賊娘ときたら完璧に油断しまくっている。
だがさすがに料理の邪魔をしてくるクラゲを蹴り飛ばし続けているウィーリィは気付いてしまう、相棒の海賊娘の今日の仕事ぶりに……。
「キミが作って、ボクが飲む! ボクたちが、ビルドイェーガーだよ!」
「で、シャーリー。偉そうに言ってるけどお前コーヒー飲んでるだけだよな?」
そう……完璧に何もしてないシャーリーにさすがにお灸を据えてやろうとウィーリィは首根っこを掴み奥の部屋へと連れ込んでいく。
今日はなんと一人で働き一人で戦いそして一人でツッコミを入れているのだから。
「こらぁーっ!」
「ひいいいい!?」
生き残っていたクラゲ達も飛び上がるような海賊娘の悲鳴が城内に木霊しお仕置きタイムが始まる。
どんなお仕置きかは……おっと今日は省略だ。
2時間後に部屋から出て来たシャーリーはシクシクと反省しつつマスケット銃をぶっぱなす、最初からやっておけば平和に帰れたのにと思うだろうが追い込まれない限りこの娘が働くわけがない。
二人の尽力で残っていたクラゲもあと一歩で退治できるだろう、原城は今日もまた騒がしいトラブルが巻き起こり続けるのだった……。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴