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迷宮災厄戦⑦〜決めろ必殺! 正義の一撃!

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●世界征服大図書館
 ここは図書館の国。塔の如き書架にいくつもいくつも本を詰めこんだ知恵と記録の宝庫。
 ここに収蔵された本は全て、唯ひとつの主題を持っている。
 世界征服。
 征服者の記録、世界を征服するための方法、世界の頂点たる者はかくあるべし論、等々。ここにある本は全て、世界征服についての本だった。
「キヒヒッ! なるほど。こういう技も良いな」
 その大図書館の片隅で、一冊の本を手に笑声を上げるオウガがひとり。
 黒兎を模したフードを被り、長大な野太刀を背負い、剥き出しの牙が描かれたマスクで顔を覆ったそのオウガが手にしている本の題名は、『世界を征する九十九の必殺技』。剣技、武術、プロレス技、魔術、果ては畏怖させ平伏させる一言まで。世界征服を志す者であれば一度は使ってみたい技の数々を収めた、総ページ数九百ページに迫らんとする大辞典であった。
「キヒ、これを身につければ……もっと沢山の『アリス』を殺せるなぁ」
 殺意に満ちた目を細めて、『赤兎』と呼ばれるオウガはページを捲っていく。

●打ち破れ、悪の必殺技!
 オブリビオン・フォーミュラの出現を機にアリスラビリンスで勃発した迷宮災厄戦。その中の一戦場へと猟兵達を導くため、神楽火・遥瑠(テンペストナイト・f02078)が声を上げた。
「今回は『世界征服大図書館』での戦いになるの! ここにいるオウガは『世界を征する九十九の必殺技』っていう本を読んで、すごい必殺技を覚えちゃってるの!」
 世界征服するための技の数々とあって、オウガが繰り出す必殺技はどれも強力無比。尋常の手段ではとても打ち勝つことはできない。
 対抗手段は唯ひとつ、世界征服大図書館のどこかにある「正義の書」を探し、その力を得ることだ。
「残念だけど『正義の書』のありかはボクに予知できないの。でも、みんなならきっと『正義の書』を見つけ出して、悪の必殺技に負けない必殺技を見つけられるってボクは信じてるの!」
 両手を握って、遥瑠は猟兵達に笑顔を見せる。
「よーし、それじゃあ行くの! 準備はいい?」


中村一梟
 猟兵の皆様ごきげんよう、中村一梟でございます。
 今回はアリスラビリンスの戦争シナリオをお届けいたします。
 本シナリオは「ボス戦」フラグメントのみで構成され、戦争ならではの特殊なギミックがございます。ご確認の上プレイングを作成してください。

●ギミック
 このシナリオでは『「正義の味方」っぽい行動をする』とボーナスになります。例えばカッコいい口上を述べてから必殺技を放つとか、ユーベルコードと技能を組み合わせた最強の必殺技で攻撃するとか、あえて敵の必殺技を受けてから必殺技で逆転するとか。

 それでは、皆様の素敵な必殺技をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『563部隊・隊長『赤兎』』

POW   :    ひょっこり兎
【もうひとりの自分 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    殺戮兎刀
自身の【瞳 】が輝く間、【野太刀・赤】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    死なない愉快な仲間達
攻撃が命中した対象に【癒えない傷跡 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と蘇る「死んだ愉快な仲間達の亡霊」】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニノマエ・アラタです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フレイ・アーク
「無辜のアリスに害成す者を討伐する、それがヒーローってもんじゃないかな? なんだっけ、弱きを助けて悪を挫く!まさに俺たち猟兵だねぇ!」

●SPD
指定UCで相手の攻撃を読み切る。
「遅いね、お前の攻撃は全て見えている!)
魔術大全に記載された魔法を全力を込めてルーンソードに属性魔法として流し込み、怪力できりかかるよ。
「知ってる? 正義は必ず勝つんだよ」

※アドリブ連携おまかせ



「無辜のアリスに害成す者を討伐する、それがヒーローってもんじゃないかな?」
 世界征服大図書館に響いた声に、赤兎はページを捲る手を止め、顔を上げた。
「なんだっけ、弱きを助けて悪を挫く! まさに俺たち猟兵だねぇ!」
 高らかに宣言し、フレイ・アーク(人間のマジックナイト・f27853)はルーンソードを抜き放つ。彼は所有する魔導書「魔術大全第1巻」からこの戦いに最も相応しい魔術を検索――詠唱――発動。剣に魔力が宿る。
「知ってる? 正義は必ず勝つんだよ」
 自らの詠唱と重なるようにして、フレイはルーンソードに自分の魔術ではない力が宿るのを感じていた。この図書館のどこかにあるという「正義の書」。それが自身の言葉に呼応し、力を貸してくれている。
「キヒヒ、つまらんねぇ。そんなありきたりの台詞でオレをどうにかできるもんか」
 フレイに対して赤兎が構える剣は「野太刀・赤」。オウガ自身の身の丈とほぼ同じ長大な刃の切っ先を、ぴたりと猟兵に向ける。
「お前が正義っていうなら、証明してみろよ。実力で」
 赤兎もまた「世界を征する九十九の必殺技」から力を与えられている。その証拠に、ぎらりと輝いた瞳はユーベルコードがもたらすものよりももっと危険な光を宿していた。
「行くぞ。世界を征する九十九の必殺技のひとつ――九連一閃」
 それは多頭竜の首が同時に牙を剥くが如く、一瞬の間に九連撃を叩きこむ技。あらゆる方向から襲い来る九つの牙の軌道を、フレイはユーベルコードによって読み切り――読み切ったからこそ逃げ場がないことを悟った。
 であるならば、活路は前にしかない。悪に背を向けた先に、正義はないのだから。
 突進してくるオウガに向かって、フレイは踏み出す。交錯する剣閃の数は合わせて十。
「……くっ!」
「ちぃっ!」
 両者の口から同時に苦鳴がこぼれる。フレイは九つの、赤兎はひとつの傷を受けている。九頭竜の牙をその身に受けながらも、フレイはオウガに一撃を加えたのだ。
「フン、ここはお前に花を持たせてやるよ。覚えていやがれ!」
 身を翻し、赤兎が跳躍して書架の間へと姿を消す。フレイはその背を追おうとしたが叶わず、ゆっくりとその場に膝を着いた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

鈴木・志乃
お前か、赤兎ってのは。
お前が単純に強いとか、必殺技を身に着けたとか勝てる相手かどうかなんてそんなことはどうでもいい。
アリスを殺そうとしている。戦う理由なんてそれだけで十分だ。

いいか、よく聞け。
あたし達猟兵は、お前みたいに世界を脅かす敵は絶対許さねえ!!

【戦闘】
第六感で行動を見切り光の鎖で早業武器受け……したいところだけど、相当強くなってるようだから難しいかな。
なので、敵が接近してくるタイミングを見計らった上でUCを発動し光を直撃させる。その殺戮感情そのものを切断する。
いつもは省略してる詠唱も今日はきっちり言うよ。大分恥ずかしいけど。

隙をついて光の鎖で早業捕縛。
全力魔法の衝撃波でなぎ払い攻撃。



 切り立った崖のような書架の間を、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は進んでいく。
(単純に強いとか、必殺技を身に着けたとか勝てる相手かどうかなんてそんなことはどうでもいい。アリスを殺そうとしている。戦う理由なんてそれだけで十分だ)
 自分が戦わなければ誰かが血を流し、涙をこぼす。それを止めるために己が血と涙を捧げるとしても、悲劇を看過することを許さない。それはまさしく、正義の人のあるべき姿のひとつであろう。
 自らの聖痕がかっと熱を帯びるのを志乃は感じた。彼女の意志に応じた「正義の書」がスティグマを通じて力を与えてくれているのだろう。だが、きっと「正義の書」が反応しなかったとしても、志乃は歩みを止めなかっただろう。
「お前か、赤兎ってのは」
 書架のひとつにオウガが背を預けているのを見つけ、志乃は言った。顔を上げた赤兎が無言で剣を構えるのに、握った拳を突きつける。
「いいか、よく聞け。あたし達猟兵は、お前みたいに世界を脅かす敵は絶対許さねえ!!」
「許さねえと何だってんだ。口だけならなんとでも言えるよなぁ!?」
 上段に野太刀を構え、突進してくる赤兎。手負いとは思えぬその速度に、志乃は内心で舌を巻く。
(相当強くなってるみたいだ。それなら――)
 赤兎の速度と自身の詠唱を天秤にかける。そこ以外には許されないタイミングで、志乃はユーベルコードを発動させた。
「私がイェーガー(世界に認められし者)であるならば。世界の意志(ネガイ)よ、私に応えろ。その意志(イノリ)を未来に変えてやる」
 志乃の左腿に刻まれた聖痕から光が溢れる。負の感情を切り払うその光は、オウガの動作が突進から斬撃へと移行する瞬間を過たず直撃した。
「食らえ! 世界を征する九十九の必殺技のひとつ、グランドスラ――っ!?」
 殺意――すなわち剣を振り下ろすという意志を失わされた赤兎は、放とうとしていた必殺技の名前さえも見失い、決定的な隙を晒した。
 その瞬間を志乃が見逃すはずはない。彼女は光の鎖を放ちオウガを拘束、渾身の魔力衝撃波で吹き飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルンハルト・マッケンゼン
連携アドリブ大歓迎

(ライフルにバヨネットを装着しながら、昔の戦場がフラッシュバックする)
正義、か。
聖都アル・クドゥスの戦いを思い出す。
主の正義の下、膝まで異教徒の血に染まりながら叫んだものだ。
我が主よ、これでもまだ足りないと言うのか! と。

あの時、私は正義の執行者だったのか?
それとも、大量虐殺者だったのか……
今となっては、知る由も無い。
ただ……私は私を貫くだけ、だ!

(UCを発動、燃え上がる黄金の炎と共に哄笑する)
黄金の炎は不滅の焔、
未来への希望が、私を前へと歩ませる!
我が名はベルンハルト、黄金の戦士。
悪鬼よ、我が業を照覧せよ。そして……絶望せよ!
(バトルライフルを連射後、捨て身の銃剣突撃へ)



 ――我が主よ、これでもまだ足りないと言うのか!
 いつかの戦場で己が叫んだ言葉が、ベルンハルト・マッケンゼン(黄金炎の傭兵・f01418)の脳裏にこだまする。
(あの時、私は正義の執行者だったのか? それとも、大量虐殺者だったのか……)
 彼がどちらであったのか、今は知る由もない。真実は戦火の内に消え、全てはあの遠い戦場に置き去られてしまった。
 だが、真実が手元になくともわかっていることがひとつある。それは、ベルンハルト・マッケンゼンという男が今もまだ戦場にいる、ということだ。
「正直に言っちまえよ。『戦うことが好きなんじゃなくて、殺すことが好きなんだ』ってさ」
 誰かが囁く。ベルンハルトは首を振った。握り締めた銃把の感触が、自分の居場所と往くべき道を教えてくれる。
「ただ……私は私を貫くだけ、だ!」
 何に唆されるのでもなく、ベルンハルトは己の意志で引き金を引いた。放たれた弾丸は真っ直ぐに飛び、真実という名の悪意を囁く赤兎の眉間に吸いこまれ、貫く。
 斃れたオウガの姿が煙のようにかき消えた。本体ではなく、ユーベルコードによって召喚された分身だ。小さな舌打ちの音。奇襲に失敗した赤兎が踵を返す。
「今や神々は愛を捨て、世界を呪った。黄昏の時、此処に来たれり……コード・エクスティンクション!」
 ベルンハルトの手の中に黄金の輝きが生まれた。ラインの黄金銃――それは未来の可能性の光そのもの。
「黄金の炎は不滅の焔、未来への希望が、私を前へと歩ませる!」
 燃え上がる金色の光を従えて、ベルンハルトは走った。黄金銃を連射し、赤兎の逃げ道を塞ぐ。
「ちぃっ! なら、見せてやる! 世界を征する九十九の必殺技のひとつ、メガストラッシュ!!」
 闘気をまとい、数倍の間合いを得た刃を赤兎が薙ぐ。銃弾よりも遠くから襲いかかる斬撃を潜り抜け、ベルンハルトは疾走、肉薄する。
「我が名はベルンハルト、黄金の戦士。悪鬼よ、我が業を照覧せよ。そして……絶望せよ!」
 突き出した銃剣が、必殺技を放ちがら空きとなった赤兎の胴に突き刺さった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上野・イオナ
『英雄イオナ 希望を描きにただいま参上!』ってね。久々に決めゼリフ言えた気がする。
とりあえず怪人!君にアリスは殺させはしない、まずは僕が相手だ!
UC【足元の虹】使用
まずは相手の攻撃を必死に避けながら、トライレインボウ/スタンプ弾で雲のイラストを地形に貼ろう。
反撃の機会を伺いキメる!キメて魅せる!
「全ての虹は君に通ずる。さぁ、僕の決め技を受けてみろ!」
雲のスタンプを飛び移りながら足元の虹で上昇した能力で敵に何度も斬り掛かる
虹彩の剣が文字通り沢山の虹をかけるぞ!

さてと勢いでやったけどこの斬り方に後でなんかカッコイイ技名決めよう……。
※アドリブ・連携歓迎です


地籠・陵也
【アドリブ連携歓迎】
……許せない。
自身の欲を満たす為にアリスたちを巻き込み、彼女たちの家族や大事な人たちに苦痛を味わわせるなんて……失うことの痛みがどれ程のものかも知りもしないで……!!絶対に誰も死なせない、お前はここで俺が討つ!

【指定UC】を発動、真の姿で戦う。
(一応注釈:真の姿は白髪藍眼、鱗と翼に加え白角を纏い杖と盾が一体化した武器を構えている)
敵の攻撃は【武器受け・オーラ防御】でいなし、【破魔・浄化・属性攻撃・高速詠唱】で光属性の魔法攻撃だ。
悪いけど技名は任せる……思いつかなかった。

「言ったろ、絶対に誰も死なせねえ。俺が死なせねえ。
――私利私欲の為なんぞで誰一人殺されてたまるもんかよ」



「まだだ。こんなところで終わってたまるかよ……まだ殺し足りねえんだ……!」
 重傷を負いながらも殺意を絶やさぬオウガ。その姿に、地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)の胸の内に炎が燃えた。
「……許せない。自身の欲を満たす為にアリスたちを巻き込み、彼女たちの家族や大事な人たちに苦痛を味わわせるなんて……失うことの痛みがどれ程のものかも知りもしないで……!!」
 悪の裏返しが正義であるならば、悪への憎悪もまさしく、正義のひとつの形だろう。純粋であるが故に苛烈な想いは、陵也の姿を昇華させる。
「絶対に誰も死なせない、絶対に誰も見捨てない! 誰も失わせない! 俺がみんなを護ってみせる!!」
 白髪藍眼の竜人、真の姿となった陵也が杖と盾が一体化した武器を向ける。オウガ・赤兎が応じ、得物を構えようとした瞬間――。
「君にアリスは殺させはしない、僕達が相手だ!」
 高らかな声と共に、ひとつの影が降り立った。
「英雄イオナ、希望を描きにただいま参上!」
 久々の決め台詞を告げたのは、上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)である。
「それがどうした! 希望も絶望も、全部斬り捨てる!」
 野太刀を掲げ突進してくる赤兎。イオナは陵也にちらりと視線を向けた。
「反撃の機会をくれないか。……キメて魅せるから!」
「わかった。任せろ!」
 どうするのか、と陵也は訊かなかった。彼はただ前進し、振り下ろされる刃を正面から受け止める。
「言ったろ、絶対に誰も死なせねえ。俺が死なせねえ」
 赤兎の太刀を受け止めた盾の表面でオーラが爆発的に増大する。陵也の誓いに呼応した「正義の書」が、彼の力を何倍にも高めていく。
 膨れ上がるオーラが太刀を押し返す。みしり、と刃金が軋む音がした。
「――私利私欲の為なんぞで誰一人殺されてたまるもんかよ!!」
 押し返した勢いを乗せて、陵也は右手を突き出した。その掌中に宿るのは破魔と浄化の白光。
「食らえっ!!」
 極大の槍となって、光が放たれた。オウガの太刀が砕け散り、反射する破片が光の粉となって散る。
「全ての虹は君に通ずる。さぁ、僕の決め技を受けてみろ!」
 間髪を入れず、イオナが駆ける。陵也が攻防を演じている間に床に描いた雲の絵、その数七つ。
 ――紫。
 ――藍。
 ――青。
 描かれた雲を踏む度に、イオナが掲げる剣に色が増える。
 ――緑。
 ――黄。
 それはひとつひとつが光であり、合わさってより鮮やかな光となる彩り。
 ――橙。
 仰いだ人がその向こうに希望を見るもの。すなわち、虹。
 ――赤。
 七色を宿した切っ先が、七度オウガを貫く。
 その瞬間、七つの雲がひとつの虹によって繋がれた。
「があぁぁっ!!」
 オウガが吠えた。その身に撃ちこまれた虹色に――希望に抗おうとするかのように。
「お前はここで俺達が討つ!」
 再び白光の槍が放たれた。七色と白とが混ざり合い、炸裂してオブリビオンを討ち滅ぼす。
 光は消えた。オウガも痕跡を残さず、消失している。
「勝った……!」
 感慨をこめて陵也が呟く。イオナも大きく息を吐いて、手にした虹彩の剣に目を落とす。
「後でなんかカッコイイ技名決めよう……」
 その言葉に、陵也も自分が放った技の名前を考えてみた。白、光……槍――。
「……思いつかない」
 世界を救った二つの必殺技にどんな名前が付けられるのか、それはまた別のお話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月04日


挿絵イラスト