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スイーツ工場の危機!〜甘い幸せを添えて〜

#スペースシップワールド #帝国エージェント #料理

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 スイーツ工場の目立たない一角に人影が一つ。周囲を確認しスーツケースを開くと中の大きな瓶をとりだした。
「ここで良いな……こいつならば、可能な限り現状のまま工場を制圧できるだろう」
 ウネウネ揺らめくソレを解き放ち人影はフッと笑みとも取れる息を漏らす。解き放たれたソレは自己増殖を始め、ゆっくりと、しかし確実にその数を増やしながら目標を探しその目玉をギョロリと彷徨わせた。

●スイーツ工場の危機
「集まってくれて、ありがとうございます!事件、事件です!」
 グリモア猟兵のユーノ・エスメラルダ(f10751)はグリモアベースに集まってくれた猟兵たちにぺこりとお辞儀をすると、慌てるように事件という言葉を繰り返した。
「場所は『スペースシップワールド』の世界です。お菓子の……スイーツの工場が、スパゲッティが工場の人たちを襲ってるの!」
 今なんて?
「スパゲッティが、工場の人で、ええと」
 本人も何を言いたいかわからなくなってきたらしい。ごめんなさい、と一度謝ったあとに落ち着くために深呼吸。
「落ち着きました!説明するね、スイーツの工場に『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』というモンスターが現れました。このモンスターは自己増殖をしながら自分を食べさせようとして工場の職員たちを襲ったの。食べさせられた人たちは味の固定概念を崩されたショックで無力化されて、その隙にモンスターを持ち込んだ人に次々捕まってるみたい」
 聞き間違いかなと思いかけるワードがいくつか飛び出すなか説明は続いた。
「まずはこのモンスターの退治です!」

●まずはモンスター退治
 ユーノは持ってきたノートに手にしたペンでぐりぐりと絵を描いていった。
「このモンスターはね、イチゴ味のスパゲッティなんだけど、一部の黒いところはイカスミで生臭くて、あと目がいっぱい付いてるの。ぴょんぴょん飛んだり、つるっと滑りやすくなったり、あと匂いで爆発するよ!爆発すると味の固定概念に疑問を持っちゃうから、しばらくは美味しさって何だろう?みたいな疑問を持つようになっちゃうかも……」
 描かれたのはおぞましいモンスターの姿。そして説明されたのは別の意味でおぞましいモンスターの特性。
「工場は広くて機械もけっこう丈夫なので、そのまま戦っても大丈夫だよ。みんなを工場に転移させたらすぐ集まってくるから、それを退治していけば全部を倒せます。モンスターを持ち込んだ黒幕は工場の制圧が完了して油断しているので、すぐには戦闘に気付けず全部倒すまでは現れません。なので、モンスター退治にまずは集中です!」

●小さな幸せのために
 そうだ、とユーノは思い出した情報を付け加える。
「このスイーツ工場はちょうど今、お菓子作りの体験イベントもやってます。だから全部やっつけて工場の職員さんたちも助けたら、みんなでスイーツ作りの体験ができるよ。お菓子作りロボットも借りられるから、作ったことがない人でも大丈夫」
 つまりモンスターを倒して黒幕も倒してスイーツ工場を救ったら、最後に工場の設備でスイーツ作り体験を楽しむことができるということだ。

 ユーノは説明を追えると、集まってくれた猟兵たちに改めて向き直った。
「甘くて美味しいものは小さな幸せをもたらしてくれます。だからその幸せを作る工場の襲撃は、とても悲しいことです。どうか人々の幸せを守るために力を貸してください」
 ユーノは胸の前で手を組み無事の祈りを捧げながら猟兵たちを転移させる。
「ユーノはみなさんを転移させなければならないので、戦いには同行できません。みなさまに幸運がありますように……」


ウノ アキラ
 はじめまして、そしてこんにちわ。
 甘すぎないくらいのさっぱりしたスイーツが好きです。特に甘みが抑えられた生クリームいいよね……。ウノ アキラです。
 このオープニングに興味を持っていただき、ありがとうございます。

●お得情報
 マスター紹介ページにもあるとおり執筆は主に土日になるので、プレイングを安定して受け付けられるのが毎週木曜から土曜の間になりますことをご了承ください。
 章がクリアにならず引き続き参加を募る場合も木曜から土曜にかけてが採用しやすいです。
 他にも合わせプレやアドリブ指定の記号についても書いていますので、マスター紹介のページは一読頂けると文字数を少し節約できるかもしれません。

●依頼について
 スペースシップワールドの依頼となります。
 一章は集団戦。二章はボス戦。三章がスイーツ作りとなります。

 いちごスパはいちおう触手ですが容赦なく口に入って食われようとするのでえっちな感じにはなりにくいと思います。
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第1章 集団戦 『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』

POW   :    いちご味
【鼻腔をつく爽やかないちごの香り】が命中した対象を爆破し、更に互いを【味の固定概念への疑問】で繋ぐ。
SPD   :    できたてパスタぁ!
【汁気を出すことで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    空を飛ぶ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鈴木・志乃
うはあ、見てるだけで具合が悪くなり、そう
早く倒さないと、色んな意味でやられちゃうね

汁気で摩擦抵抗を減らすなら、近接武器は効き目薄いかな?
じゃ、音波ならどう?
音は空気中より水中の方が、良く伝わるんだよ
汁気って水、だよ、ね……(うねる触手を見ながら)

ほんとまずそう!!!
ユーベルコード【天使の叫び】
武装のマイク握って、声の音波による【衝撃波】でどんどんダメージ与えていくよ
自分の羽も展開して縦横無尽に飛び回り、敵を翻弄する
ほーら絡まれ絡まれスパゲッティ~っ!

くそう、お気に入りのパーカー、臭い染み付かないと良いけど……


霧城・ちさ
これがスパゲッティですの?
想像したものより形が違って驚きましたの
あまり食欲のわかない形……というか食べものではありませんわね

外に出してはいけないものですし私達で退治しますわっ
自由に動かれては不利なのでうまく追い詰めたいですの
私はみなさまを援護して不意の攻撃など防御に備えておきますわね
一体が相手の時はみなさまの攻撃に合わせて私も攻撃していきますわっ
攻撃された後の影響もひどいので私が回復していきますの
食欲がなくなりそうな敵ですがここはなるべく被害を抑えて長引かないようにがんばりますわね


キャスリーン・ジョイス
おーっほっほっほっ!
宇宙でワタクシと張りあおうなんて片腹いたーいですわ!
こんなゲテモノなんてあっという間に蹴散らして……な、なんですのこの化け物はー!?こんなの聞いてませんわー!?

……こほん。
と、とにかく蹴散らして差し上げますわ!
ホルスターから熱線銃を二挺引き抜いて、両手で【クイックドロウ】フルバーストですわよ!
銃撃は貴族の嗜みですわ!
「さぁ、撃って撃って撃ちまくりますわよ!!おーっほっほっほっ!」

摩擦抵抗を減らしたところで熱線には関係ありませんわ!
その目の玉らしきものも含めて丸焦げになりなさいな!
「おーっほっほっほっ!他愛もありませんわね!」

それにしてもこの匂い……胸焼けしそうですわね。



●華とパッションと苺ソースと
 転移が終わるや否や細長い群れが猟兵たちへ群がり始める。蕎麦かラーメンの湯切りのごとく空中で上下に飛び跳ねるそれは、甘い香りと体液を撒き散らしながら虫が群がるかのように「カハッ!ケヘッ!」と声を上げながら様々な隙間からつるりと這い出し来訪者たちを取り囲んでいく。

 この群がるスパゲッティ達に対して先陣を切ったのが鈴木・志乃(生者・f12101)とキャスリーン・ジョイス(はぐれお嬢様純情派・f12803)だ。
「おーっほっほっほっ!宇宙でワタクシと張りあおうなんて片腹いたーいですわ!さぁ、撃って撃って撃ちまくりますわよ!!おーっほっほっほっ!」
 キャスリーンはホルスターから素早く熱線銃を引き抜き標的へ発射していく。キャスリーンが撃ち損じたスパゲッティも志乃による音波の衝撃波でズタズタに散っていった。
「うはあ、見てるだけで具合が悪くなりそう、早く倒さないと、色んな意味でやられちゃうね」
 魔改造した専用のコードレスマイクを握り、声を発する志乃。
「ゥルア゛ア゛ア゛ア゛ァっっ!!」
 シャウトを響かせ再び音波による衝撃を放つと、叫びで高まる気持ちのままに自身の羽を広げ包囲網の穴へと飛び出した。
「ほーら絡まれ絡まれスパゲッティ~っ!」
 背の羽を展開して加速していく志乃はスパゲッティたちの注意を引き付け翻弄していく。『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』たちは対抗するように汁気を飛ばすが、熱と音による攻撃の前にはあまり意味がなかった。
「こんなゲテモノなんてあっという間に蹴散らして……な、なんですのこの化け物はー!?こんなの聞いてませんわー!?」
 一拍遅れてスパゲッティの姿を認識したキャスリーンが攻撃の手を止めてしまい、その隙を逃すまいと志乃をあきらめた一部のスパゲッティがキャスリーンへ狙いを変えていく。しかし不意の攻撃に備えていた霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)により魔法のピコピコハンマーでスパゲッティはたき落とされてしまった。
「これがスパゲッティですの?想像したものより形が違って驚きましたの。あまり食欲のわかない形……というか食べものではありませんわね」
 近づくスパゲッティたちを次々と叩き落としながら感想を漏らすちさ。敵の姿の不気味さのみならず、すこし苺ソースが服に付いてしまったことも不服そうだ。
 この間に動揺していたキャスリーンは気を持ち直した。
「あ、あり、ありがと。……こほん。と、とにかく蹴散らして差し上げますわ!」
 その言葉にちさも頷く。
「外に出してはいけないものですし私達で退治しますわっ」

 志乃が敵を翻弄し、キャスリーンが熱線で撃ち抜き、ちさが戦闘が長引かないようにと回復とフォローをこなしていく。
 衝撃波と、熱線と、スパゲッティ。飛び散る苺ソース、香ばしく甘い香り。
「おーっほっほっほっ!他愛もありませんわね!それにしてもこの匂い……胸焼けしそうですわね」
 キャスリーンがぽつりと呟く一方で、敵の動きを引き付けていた志乃はけっこう苺ソースをかぶっていた。
「くそう、お気に入りのパーカー、臭い染み付かないと良いけど…… 」
 スパゲッティの数は確実に減っていき戦いは有利に進んでいた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

村崎・ゆかり
猟兵の初陣は果てなく続く大宇宙か。いいでしょ、星辰の加護を持って、怪奇生物をぶっ潰す。

猟兵集団の後衛に着き、「破魔」の力を込めた七星七縛符を放って、イチゴスパどもの動きを封じてやるわ。皆、今のうちにそのゲテモノを討滅して!

スパの数が減ってきたら、私も前線に立った方が効率よさそうね。
巫覡載霊の舞で「なぎ払い」。
触手が口に入ってこないように、薙刀が届く範囲に侵入してきたら薙刀を回転させて即座に弾く。上手く絡め取れたら、呼吸を合わせて投げに繋げる。
こいつらに弱点になる部分があれば、薙刀でそこを突いてやるわ。

退却するかしら? なら巣くってる場所を見つけるために黒鴉召喚で追跡する。
確実に殲滅しなきゃ。


ヴロス・ヴァルカー
&&& お菓子作り体験…興味がありますね。最近、団員の方たちが料理しているのを見て、私もやってみたくなったんですよね。そのためにはまず…怪物退治からですね。全方位に触手を広げ、飛んでいるモンスターを【常世の花】で片っ端から叩き落とすことにしましょう。仮に、触手が顔面の炉に突っ込んできても、私は味も何もわからないので問題はないはず…多分。後は、隙があるなら撃破したモンスターを【黒き心臓】で改造し、味方を増やしたいですね。次の戦いのためにも。


彩波・いちご
&&&
スイーツいいですよねえ
こう見えて私も甘いものは大好きです♪
…え、見た目のままですか?そんなー?

それはともかく、美味しいスイーツのためにも、まずは美味しくないいちごをなんとかしないとですね
…私の名前がいちごだけに、このモンスター見るのほんと不思議ですっていうか、宇宙にくるとこればっかりと戦ってますよ、もう4回目です

スパゲティ見かけたら、これ口に入ろうとしたけるんですよね?
なら、囮的に口を大きく開けて、おびき寄せつつ
【天使のような悪魔の歌声】の衝撃波で一網打尽です

あとまわりに仲間や知り合いとかいたら【異界の抱擁】で援護をするとか、他人との絡みやアドリブ歓迎でっす



●触手・オン・ザ・ステージ
 先の三人が先陣を切りスパゲッティの群れを切り崩す傍らで一方の猟兵たちもまた攻撃へと転じ始めていた。

「スイーツいいですよねえ。こう見えて私も甘いものは大好きです♪」
 と、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)はスイーツ作りに想いを馳せていた。しかし転移が終われば目に飛び込んできたのは目玉のついた空飛ぶウネウネ。
「……私の名前がいちごだけに、このモンスターを見るのは不思議な気分です。っていうか、宇宙にくるとこればっかりと戦ってますよ、もう4回目です!」
 目と目が合う瞬間に運命を感じたり感じなかったりするが互いに敵同士である。心なしか目が合ったスパゲッティモンスターの目が哀しげに潤んだような気がする。
 そんな触手に縁のあるいちごの横で身体の大部分が触手のウォーマシン、ヴロス・ヴァルカー(テック・プリースト・f03932)もスイーツ作りに想いを馳せていた。
「最近、団員の方たちが料理しているのを見て、私もやってみたくなったんですよね」
 表情は分からないが楽しみである様子が見て取れる。
「そのためにはまず…怪物退治からですね」
「はい、美味しいスイーツのためにも、まずは美味しくないいちごをなんとかしないとですね」
 ヴロスは全身の触手を全方位に展開してスパゲッティへ触手を向け爆音によるダメージを与えていく。その広がりうねる全方位の触手を背景に、さらにいちごによるアイドルスマイルからの天使の歌声のステージが開催された。いちごの歌声から超音波の衝撃が発せられていく中で歌や踊りを好むヴロスは意識してか無意識か徐々にいちごの歌のリズムに合わせリズミカルに触手を操っていた。
 苺色の触手が跳ね飛ぶ中、歌のリズムに合わせ踊る触手とアイドル。様態はさながら触手アイドルの触手ステージとなっていた。

 しかし連続で音の衝撃を繰り出しても単発である故に時おり取りこぼしたスパゲッティの接近を許してしまうことがある。その隙間を埋めていたのが村崎・ゆかり(紫蘭・f01658)だった。
「猟兵の初陣は果てなく続く大宇宙か。いいでしょ、星辰の加護を持って、怪奇生物をぶっ潰す」
 仕方ないという態度を見せながらも、接近してくるスパゲッティを七星七縛符で捕縛して細やかに二人のフォローをこなしていく。ユーベルコードを封じられ空中を蹴ってジャンプすることができなくなったスパゲッティはそのまま地面にぼとりと落下した。そこへすかさず音の衝撃波が飛びスパゲッティは抵抗できずに四散する。

 スパゲッティが着実にその数を減らしていくなか、戦況を見て途中でゆかりも前線へと繰り出した。
「私も前線に立った方が効率よさそうね」
 攻撃を軽減する神霊体へ変身しなぎなたによる衝撃波を放っていく巫覡載霊の舞。舞うようになぎなたをふるい、ステージをさらに華やかにしていく。
 歌と踊りと汁気で盛り上がる中で全てのスパゲッティが動かなくなった頃にはこちらの三人もそれなりに服が汚れてしまっていた。
 特にヴロスは、落下してきた『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』から二人を守ろうとして顔の炉にスパゲッティが直撃していたが、表情がわからない彼が無事かどうかは本人のみが知ることだろう……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『帝国エージェント』

POW   :    ゴールドアイ
【金色の瞳】に覚醒して【歴戦の白兵戦型ウォーマシン】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    仕込み帽子
自身が装備する【鋭利な刃を仕込んだ帽子】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    ハッキング
対象のユーベルコードに対し【電脳魔術のハッキング】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠グロリア・グルッグです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●二章についてのお知らせ
 二章の開始前の描写は、1月26日(土)から27日(日)にかけて書く予定となります。申し訳ありませんがすこしお待ちください。
 また、二章のプレイングの受付は予定通りに木曜の1月31日(木)からとなる見込みです。
 引き続きよろしくお願い致します。
 猟兵たちの活躍によって工場内の『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』は全て倒された。甘い苺ソースが飛び散ってにおいが充満しているがあとで綺麗にできるだろう。

 スパゲッティによる襲撃が終わり一息つく彼らの元へ何者かが一人近づいてくる。――カツン、カツン、カツン――。怒りを含むその足音の方を見ると足音のぬしが姿をあらわした。
「なぁんとなんと、まあまあまあ……なにやら騒がしくなったと思ったら」
 立ち止まるとガッと床を一度踏みつけ、腹立たしさを隠しもせず顔面の光を赤く明滅させる『帝国エージェント』。
「何してくれちゃってるんですか?猟兵どもぉ……!スイーツ工場を接収し、この設備と技術者、何よりこの菓子の人気を銀河帝国の支配に利用しようとしたら、上手くいったと思ったタイミングでぇぇえ!」
 過去から蘇ったオブリビオンである彼は、猟兵を一目見れば本能で猟兵という『敵』だと理解する。なにより作戦の妨害をされたことが腹立たしい様だ。
「わたしはネェ、完成の間近でひっくり返されるのが、一番我慢ならネェんですよぉぉ!!」

 この睨み合いもすぐに戦いになるだろう。準備は出来ただろうか?スイーツ工場を救うため、そして甘くて美味しい小さな幸せを守るため。――戦いの始まりだ。
村崎・ゆかり
&&&

あんたがろくでもないスパゲティをばらまいた張本人ね。
オブリビオン――過去の亡霊は、須く骸の海へ叩き落とす!

ゴールドアイを使われる前に「先制攻撃」で先手を取り、薙刀で「串刺し」よ!
「二回攻撃」もおまけね!
トランプ状の霊符を使い、七星七縛符。「高速詠唱」で反応される前に霊符を叩き付けるわ。「属性攻撃」は「呪詛」を乗せて。

敵の身体が壊れ始めたら、巫覡載霊の舞を披露しましょう。
「なぎ払い」から、「破魔」の「全力魔法」を込めた「衝撃波」!

飛んでくる帽子は薙刀を回転させて弾く。
術式ハックがちょっと面倒ね。「二回攻撃」で、一手目を囮に二手目を本命に「串刺し」にしてあげる。
あなたの時代は終わってるのよ。


ヴロス・ヴァルカー
&&&
即興のセッション、とても楽しめました。
しかし、このむせかえるようなにおいにはちょっと閉口です…口ないですけど。
…どうやらこの方が今回の黒幕のようですね。
サクと終わらせてお菓子作りに行くとしましょうか。

【常世の花】を。
今度は触手一本ずつ、間断なく使っていきます。
おそらく、敵により相殺され続けるでしょう、先ほども使いましたしね。
それで構いません。
相手のリソースを私に割かせ続け、味方の大技を通す隙を作るのが狙いです。
それに、電脳魔術によるハッキングなんて…【常世の花】に比べたらなんとも手間がかかりそうなもの、いったいいつまで相殺し続けられるやら。
疲弊した顔を見るのが楽しみですよ。



●変わらないものと変わるもの、常世と現世
 猟兵たちにより打ち倒されたスパゲッティたちのむせ返る甘い香りが満ちるなか、現れた帝国エージェントに対し先に動いたのが村崎・ゆかり(紫蘭・f01658)だった。
「あんたがろくでもないスパゲティをばらまいた張本人ね」
 帝国エージェントへ問い質すゆかりへ帝国エージェントは言葉を返す。
「そうだと言っているでしょう?……ああそうだ、『敵』に言葉など要らない」
 帝国エージェントはそう呟き帽子に手をかけた。手首のスナップを利かして帽子を投げれば30は超える数へと複製され一斉に仕込まれていた鋭利な刃が展開される。対してゆかりは『巫覡載霊の舞』を発動。対象の攻撃を軽減する『神霊体』へと変身し帽子を凌ごうと構えた。

 猟兵たちへ襲いかかろうと迫る刃を伴う多数の帽子だったが――ボンッ――次々と爆音による衝撃で撃墜されていった。ヴロス・ヴァルカー(テック・プリースト・f03932)の『常世の花』による爆音だ。命中の高いそれは帝国エージェントの放った仕込み帽子を撃ち落としていく。
「……どうやらこの方が今回の黒幕のようですね」
 ヴロスは帝国エージェントを見据え全身の大半を構成する触手を展開した。ヴロスは帝国エージェントへさらなる爆音を浴びせようとその触手からの爆音による攻勢を始め、ゆかりもそれに合わせて神霊体の姿で斬り込んでいく。
「オブリビオン――過去の亡霊は、須く骸の海へ叩き落とす!」
 これらの攻撃に対し帝国エージェントは笑みとも取れる音を漏らした。
「それらは、すでに『視た』ものだ」
 帝国エージェントが手をかざすと『電脳魔術のハッキング』が発動。先程のスパゲッティとの戦いは途中から観察されてしまっていた様である。
「くっ……」
 相殺されていちど解除されてしまうゆかりの『巫覡載霊の舞』とヴロスの『常世の花』。しかしヴロスは再び同じユーベルコードによる攻勢をかけた。
「まだまだ、いきますよ!」
 相手のリソースを自分に割かせ隙を作ろうという算段である、しかし今回はユーベルコードの相性が悪かった。いや、ユーベルコード以外でも相性が悪かったのかも知れない。その駆動の特性すら知られているかのように、最低限のリソースで帝国エージェントに防がれてしまった。
「その技……何処だったか……見たことがある、そう、確か機神の……」
 帝国エージェントは顔の光を明滅させながらそう呟き、ヴロスのユーベルコードの力を相殺し無力化していく。――疲弊するのはどちらが先か。

「はあぁっ!」
 帝国エージェントがヴロスに気を取られているうちにゆかりは帝国エージェントを間合いに収めなぎなたによる攻撃を開始した。
 ヴロスへの対処は維持したままその連撃を防御で凌ぐ帝国エージェント。
「くっ……面倒な、しかし、軽い。それではわたしは倒せませんよおぉ!」
 帝国エージェントはゆかりのなぎなたを足で蹴り返して踏みつけ、そのままゆかりの動きを止めた。貫手による追撃がゆかりへ放たれるがゆかりの高速詠唱から叩きつけた七星七縛符による捕縛で追撃は妨害され、ゆかりはいちど距離を取る。

 ユーベルコード――世界法則さえも覆す謎の超常能力――を用いない攻防では決定打に欠ける。七星七縛符が引き剥がされるまでの一瞬にヴロスの放つ爆音がいくつか帝国エージェントにダメージを与えたが、これもすぐにハッキングで無力化されてしまう。
 既に見られてしまった魔力などによるユーベルコードはハッキングされてしまい通じにくく、現時点の状況は帝国エージェントの方が有利なように見えた。
 ただ一つ、一連の攻防の中で『呪詛』により帝国エージェントの体躯が蝕まれ始めていることを除けば。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩波・いちご
&&&
「そもそもスイーツの悪用なんて許しませんよっ!」
スイーツ好きとしてはそこは譲れません
あと、このいちごスパにも言いたい事は山ほどあります!
作ったの貴方ですよね?
いちごの味もパスタの味も殺しちゃってるじゃないですか!
こんな奇をてらっただけのものは、料理に対する冒涜です!

冒涜には冒涜で対抗、というわけではないですが、戦闘になれば【異界の抱擁】を召喚してエージェントを拘束
「お菓子は皆を幸せにするためのもの!支配の道具ではありません!」
そしてそのまま【天使のような悪魔の歌声】で吹き飛ばします!
…あ、歌う歌ですけど、苺スイーツの事を歌ってみましょうかね?


村崎・ゆかり
手強いわね、こいつ。
「先制攻撃」で「衝撃波」を帯びたなぎなたの「2回攻撃」を繰り返し、ゴールドアイに覚醒する暇を与えない。

お得意のハッキングを警戒しつつ七星七縛符を足に放って、動きを封じましょう。これは「破魔」の「属性攻撃」。

ゴールドアイを警戒しているように見せかけ、その実変身の隙を狙っているの。
変形する時こそ最大の隙が出来る。なぎなたの穂先に霊符を突き刺し、「全力魔法」の不動明王火界咒を「高速詠唱」で起動させ、弱点のはずの内部構造を「串刺し」にして燃やしてあげる。

これが私の切り札。ハック出来るものならしてみなさい!
とどめは巫覡載霊の舞からのなぎ払い。

安心なさい。銀河皇帝もすぐに送ってあげる。


グルクトゥラ・ウォータンク
旨いものを食うということは、豊かで、静かで、自由で、救われていなければならないんじゃ…。その幸せを壊す所業、許しがたし!モロ…ゴディ…なんかこういろんなところに代わって貴様を討つぞい!

とか決意したが奇襲がかけられそうなら奇襲をかけようかの。奴が他の猟兵とドンパチやってる間にUC起動、アサルトライフル標準装備のガジェットボールズ召喚。各小隊を工場内の各所に配置して多方向からの銃弾を浴びせるぞい。【先制攻撃】を狙って静かに行動、対ウォーマシン用に貫通弾の【武器改造】済み、【範囲攻撃】【援護射撃】で仕込み帽子やらごと撃つぞい。

無事に終わったら、たまには甘いもんをつまみにして呑んでみるかのう。


ヴロス・ヴァルカー
&&&
…!?こう易々と相殺されるとは…
ですが、今の言葉を聞いた以上、逃がすわけには!
少々、疲弊していますが【叛逆者の火刑薪】を。
仕込み帽のいくつかは撃破済み、残っている分も高速移動についてこられるものじゃないはず。
もし接近してくる仕込み帽があれば、黒い蒸気による迎撃を。
相手に高速で接近した後、高熱の触手で相手を締め上げます。
一種の拷問といえるでしょうか。
お互いの身体のことを考えず強く強く締め上げるとしましょう。
機神について…聞かせてもらいます!



●それぞれの思うところ
 戦場はいちど仕切り直された。
「こう易々と相殺されるとは……」
 ヴロス・ヴァルカー(テック・プリースト・f03932)は展開していた触手をいちど収め帝国エージェントの出方を伺う。
(ですが、今の言葉を聞いた以上は……)
 仲間の猟兵達による攻防の展開によるものの、ヴロスは目の前の帝国エージェントに聞きたいことがあった。

「そもそも!」
 彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)が声を荒げる。スイーツ好きとして譲れない意見があるようだ。
「スイーツの悪用なんて許しませんよっ!あと、このいちごスパにも言いたい事は山ほどあります!」
 そこらに散らばっている『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』の残骸を指して続けた。
「作ったの貴方ですよね?いちごの味もパスタの味も殺しちゃってるじゃないですか!」
 特にイカスミが添えられてるのは無い。甘いパスタはデザート枠として存在しなくはないけれど、この黒い部分のイカスミを一緒に加えるのは無い。あと全体的に甘さがきつくて苺である意味も薄い。
 それはそれとして。
「いや、わたしは作ってないが」
 帝国エージェントによる素のトーンでのマジなレス。
「わたしも出所は詳しく知らないな、勝手に増えて管理が楽なので使っているだけだ」
 あっそうなんだ……的な微妙な空気が一瞬流れる。再び訪れた膠着を今度は複数の銃声が引き裂いた。

 武器改造により対ウォーマシン用に改造された貫通弾が、工場の様々な設備の上部や隙間といった四方八方の空間から放たれ一発が帝国エージェントの体を貫く。グルクトゥラ・ウォータンク(サイバー×スチーム×ファンタジー・f07586)による攻撃だった。
 様々な機能をもたせた球状のガジェット『ボールズ』を多数用意して『コマンダーボールズ』と『小隊ボールズ』へと編成。それらを工場の各所へ予め配置していたのだった。
「くっ……狙撃か、猟兵どもめぇ!」
 再び敵意を再燃させる帝国エージェントの様子を物陰から見て着弾を確認するグルクトゥラ。奇襲と先制攻撃は上々。
「無事に終わったら、たまには甘いもんをつまみにして呑んでみるかのう」
 そう呟くと、さて次はどう仕掛けるかと半自律で動くボールズたちへ指示を送る。

●攻勢へ
 この隙を逃さず続いて切り込むのは村崎・ゆかり(紫蘭・f01658)。なぎなたによる連続攻撃で帝国エージェントへ衝撃を与えていく。
「手強いわね、こいつ」
 呪詛の技能も加えて少しずつ弱らせてはいるのだが有効打はなかなか与えられない。
「ふんぐるいふんぐるい……。準備はできました、一旦引いてください!」
 いちごの掛け声に反応しゆかりが距離をとると、すぐさま大量の異界の触手が出現して帝国エージェントを捕縛する。
 ところでユーベルコード『異界の抱擁』の説明に『嬲る』って字があるのですが、たぶん見えてないところで帝国エージェント大変なことになってる。
 続けてマイクを構えてミュージックスタート。アイドルスマイルからの天使の歌声を向け、歌と共に超音波に達する衝撃波を放つ。歌詞のテーマは、甘くてけれど所々酸っぱい、ついつい夢中になっちゃう苺スイーツに比喩したラブソング。
「くっ……させませんよおぉぉ!」
 対して帝国エージェントは『電脳魔術のハッキング』を行おうとするが、発動せず衝撃波をまともに受けてしまった。帝国エージェントの内部の機構が超音波で揺さぶられ軋む。
 この衝撃で触手も解除され膝をつく帝国エージェントの足元にはらりと落ちる一枚の真っ白なトランプ。いちごの放つ触手が帝国エージェントを捉える時に、ゆかりが後退しつつ放った七星七縛符の霊符であった。この七星七縛符により帝国エージェントのハッキングは不発になったのだ。

 この攻勢のチャンスにグルクトゥラも一気に攻撃の手を強めた。先程の着弾観測から狙いを補正した銃撃が一斉に帝国エージェントへと浴びせられる。
「チマチマ戦うのは性に合わんでな。ちょいと派手にいかせてもらうぞい!」
「ぐっ……!」
 アタッシュケースや身にまとうコートなどを用い銃弾の雨を少しでも軽減させようとする帝国エージェント。
「旨いものを食うということは、豊かで、静かで、自由で、救われていなければならないんじゃ……」
 武器改造による特効!そういうものもあるのか。改造って男のコだよな。
 対ウォーマシン用に用意された特別な貫通弾が防御行動をとる帝国エージェントの身を確実に削っていく。
「その幸せを壊す所業、許しがたし!モロ……ゴディ……なんかこういろんなところに代わって貴様を討つぞい!」
 UDCアースの某お菓子メーカーを連想する単語が聞こえた気がしたけれどその某メーカーと今のセリフはたぶん関係ない。

●攻撃の限界点
 そのまま削りきれるかと思いきや帝国エージェントに変化が現れる。顔の赤い光が黄金に輝き始めたのだ。
「何度も言いますがァ、わたしはネェ、完成の間近でひっくり返されるのが、一番我慢ならネェんですよぉぉ!!」
 金色の瞳に覚醒し白兵戦型ウォーマシンへと変形する帝国エージェント。その隙へゆかりが刃先にトランプ型の霊符を刺したなぎなたで貫こうと踏み込む。
「ノウマク サラバタタギャテイビャク――」
 高速詠唱で刃先のトランプから絡みつく炎を浴びせようとしたが、しかしその突きは変形途中の帝国エージェントの腕により掴まれてしまった。
「変形中への攻撃は、マナー違反ですネェっ……!」
「このっ……放しなさい!」
 ゆかりはそのまま『不動明王火界咒』を発動させて帝国エージェントを炎で包む。その炎のダメージで怯みなぎなたは放され再度距離を離せたゆかりだが、その時にはすでに帝国エージェントの変形は完了していた。
 爆発的に増大した戦闘力のための熱が変形完了と共に排熱され、その風により帝国エージェントを包んでいた炎はいちど掻き消されてしまう。

 帝国エージェントはこれまでに呪詛、超音波、絡みつく炎などを受けており既に内部はボロボロに近い状態だ。
 装甲も貫通弾による銃撃であちこち欠けており奇襲で受けた直撃の影響なのか、あれから機敏に動けてもいない。
 猟兵たちの方に有利な状態である筈だが、猟兵たちに対する帝国エージェントの気迫は追い詰められた獲物のそれではなく、狩る側である様に底が見えなかった。
「近くにいるのは危険です!いちど距離をとりましょう!」
 いちごはそう言い帝国エージェントを触手で再び捕縛しようとするが、影から触手は現れなかった。
「その技は、もう見た」
 片腕を掲げる帝国エージェント。ハッキングによりユーベルコードが相殺されてしまっていたのだ。
 帝国エージェントはアタッシュケースからライフル型の熱線銃を取り出すと腕のビームシールドを展開した。その姿は正に歴戦の白兵戦型ウォーマシン。黄金に輝く瞳のような光が猟兵たちを睨みつける。
「ダメージで本調子とはいかないが……さあ、第二ラウンドだ」

●囚われる者
 帝国エージェントが反撃に出ようとしたその時だ。
「させませんよ」
 背後に高速接近していたヴロスが全身を帝国エージェントへ絡みつかせて締め上げる。その体は極度に加熱された体液が染み出して帝国エージェントの表面の装甲をじわじわと赤く加熱させていく。
 高速移動を可能にするほど出力を上げ自身さえ蝕む、寿命と引き換えのユーベルコード『叛逆者の火刑薪』。噴出される黒い蒸気がさらに帝国エージェントの装甲を腐蝕させていった。
「いつの間に…くっ」
 抵抗をする帝国エージェント。しかしこれまでのダメージの蓄積ため出力が思うように上がらず、逆に高温と蒸気で腐食していく外装が軋みを上げていく。対するヴロス自身も無理な高出力と高熱で体が軋みを上げていた。
「機神について……聞かせてもらいます!」
「貴様……あの部隊の者、か。それを知りたければ、今一度、銀河帝国の傘下に戻るがいい……!」
 そう帝国エージェントが言うと、帝国エージェントの帽子が念力で宙へ舞い30は超える数となる。そのまま仕込まれた刃でヴロスを襲った。
「危ない!」
「援護するぞい!」
帽子はグルクトゥラの『ボールズ』からの射撃やいちごの触手により迎撃されたが、落としきれず、黒い蒸気も追いつかずにいくつかが帝国エージェントに絡みつくヴロスの触手を切り飛ばしていった。ヴロスによる拘束が緩む。
「ああっ……逃がすわけには……!……ぐはっ!」
 拘束が緩んだところで帝国エージェントはヴロスの残る触手を掴み地面へ投げ落とし離れる。

●終焉へ
「好きにはさせません!」
 間髪入れずいちごの狐火が帝国エージェントを襲う。それに対し帝国エージェントはいちどハッキングを試みるように腕を上げるが、即座にビームシールドによる防御へと切り替えた。
「チッ……イカれたか。ええい、うっとおしい……!」
 ハッキングのための機構が故障してしまったようだ。動きもどこかよろめいている。さらに『巫覡載霊の舞』で神霊化したゆかりが踏み込んでいく。
「安心なさい。銀河皇帝もすぐに送ってあげる」
 なぎなたからの衝撃波でなぎ払い、最後のひと押しと畳み掛けていく。

 帝国エージェントは猟兵達の攻撃をビームシールドで防ぎ熱線のライフルで迎撃をして、奮戦ながらも追い詰められていた。そして――
 突如、帝国エージェントが転んだ。否、片足が関節から外れた。これまでのダメージの蓄積でその体が限界にきて壊れ始めたのだ。
「おのれぇえ、こんな所で、このわたしがぁぁ!」
 帽子を念力で浮かせ再び仕込み帽子で抵抗を試みようとしたが、グルクトゥラの球状のガジェット『ボールズ』から放たれた対ウォーマシン用に改造された貫通弾により帽子ごと腕や胴を撃ち抜かれる。
「お菓子は皆を幸せにするためのもの!支配の道具ではありません!」
 前奏の合間にいちごはそう言うと、マイクを構えてアイドルスマイルをして苺のスイーツの歌のニ曲目を歌う。残る帽子もこの歌からの超音波に達する衝撃波で迎撃された。
 そしてこの衝撃波の一撃で帝国エージェントもまた、その機能を停止させた。

●小さな幸せのために
 こうしてスイーツ工場を襲った脅威は退けられた。
 捕らえられていた工場の職員や職人たちは全員無事に開放され、すぐにスパゲティまみれの工場内の清掃と機械整備が開始されていく。

 工場の責任者による感謝の言葉がその場で猟兵たちに送られ、『スイーツ作り体験』の開催の準備も進められていく。

 さあ、あまくておいしい幸せを楽しもう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『宇宙のスイーツ工場』

POW   :    とにかく沢山のスイーツを作る

SPD   :    見た目にこだわるスイーツを作る

WIZ   :    挑戦的な味のするスイーツを作る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●三章についてのお知らせ
 二章への参加ありがとうございました。
 マスターコメントにもあるとおり、「プレイングを安定して受け付けられるのが毎週木曜から土曜の間」となります。
 そのため日曜にあった分はキャンセルをさせていただにます。
 今からだと日曜の間には書ききれず、平日も執筆はできないためです。
 申し訳ありません。

 三章のプレイングの受付は予定通りに木曜の2月7日(木)からとなる見込みです。
 引き続きよろしくお願い致します。
リシェリア・エスフィリア
【ロア・ネコンティ(f05423)と行動】

事件解決には間に合わなかったけれど、後始末は手伝う
それが済んだら私達もスイーツ作りに挑む

ロアの好物はパフェと聞いたから、それを作ってみる。
色々依頼に行ったし、お礼も兼ねて。

…とはいえ、私もあまり料理経験はない。
けれど、パフェは美味しいものを重ねてさらに美味しくするもの。
レシピに忠実に、シリアル、ヨーグルト、アイス、クリーム、フルーツと、美味しいものを重ねていく。天辺には、ねこと剣を象ったチョコを飾って、完成。
勿論、自分の分とロアの分、2人分、作るよ。
見晴らしの良い場所を見つけて、食べよう。

「良いコンビを組めた、と思う。また、よろしくね」


ロア・ネコンティ
&&& リシェリアさんと(f01197)

恩人のためにスイーツを作りたいので場所をお借りします。

工場から材料を分けてもらいつつ、作るのは2人分のパフェです。

パフェグラスの底には塩気のあるグラハムクッキーを砕いていれます。次にレアチーズのムースをいれ、その上につぶつぶのカシスソース。パフェ内でレアチーズケーキを作るのです。

さらに上にはホワイトブラウニー、ホワイト生チョコ、バニラアイスを乗せ、スミレ香る濃紫のカシスソースをかけて、銀のアラザンを星のようにふりかければ、宇宙パフェ、完成です!

リシェリアさんへパフェを、一緒に戦ってくれた感謝の言葉とともにお渡しします。宇宙で食べるスイーツって最高ですね!



●感謝を添えて
 リシェリア・エスフィリア(蒼水銀の魔剣・f01197)とロア・ネコンティ(泥棒ねこ・f05423)は2人で工場内の掃除を手伝っていた。戦いの後のいちごソースを拭き取る2人。
「事件解決には間に合わなかったけれど、後始末は手伝う」
「ですね、そして美味しいスイーツを作って食べましょう!」
 これまで何度かコンビを組んで補い合い、オブリビオンの事件を解決してきた2人。一方が攻撃の剣となりもう一方がそれを支え力を引き出す。どちらが欠けても何かが足りない。そんな頼もしいパートナーに感謝のスイーツを。

●寄り添う剣
 スイーツ作りの体験の部屋で思案するリシェリア。いったんロアとは作業を別にしてパフェのレシピと材料を確認する。
(…とはいえ、私もあまり料理経験はない)
 お菓子作りロボットも借りられるので料理経験がなくてもボタンでポチポチっと作ることも出来る、けれど――料理経験は多くは無いけれど手作りにしたかった。
 レシピを一通り確認しながら、呟く。
「あまり料理経験はない。けれど、パフェは美味しいものを重ねてさらに美味しくするもの」
 よく冷やしたパフェグラスにシリアル、ヨーグルト、アイス、クリーム、フルーツと、美味しいものを重ねていく。レシピに忠実に、美味しくなるように気持ちを込めて。
 そして天辺にねこと剣を象ったチョコを飾った。ねこがロアで剣がリシェリアだろうか、ねこと剣のチョコはフルーツの上で仲良く寄り添う。
「完成」
 自分の分とロアの分、2人分のパフェが出来上がった。
(どこか、見晴らしの良い場所を探そう)
 そして、2人で食べよう――完成したパフェを見るリシェリアの表情はどことなく柔らかい。

●星を集めて
 一方でロアは手際よくパフェを作っていく。工場から材料を分けてもらうと、調理台に時分が乗る踏み台を置いて高さを調整して作業開始。
 パフェグラスの底に塩気のあるグラハムクッキーを砕いていれて平らな底を作ったら、レアチーズのムースを満たしたあと上につぶつぶのカシスソースをかけて層を作る。
 カップのレアチーズケーキのようになったそれはグラスを横から見ると、カシスソースの層がレアチーズに浮かぶ宇宙のように見える。
 その宇宙の上にはホワイトブラウニー、ホワイト生チョコ、バニラアイスなどの具材。宇宙に浮かぶ白い具材は巨大な恒星の輝きのようでカシスソースの紫と引き立て合う。
 さらにその上にスミレ香る濃紫のカシスソースをかけて巨大な恒星を隠せば、広がる濃紫の宇宙と合間から見える白い光。銀のアラザンをぱらりと散りばめると一つ一つの小さな星空となった。
「宇宙パフェ、完成です!」
 同じく2つ作り上げるとその完成に口元が緩むロア。孤独を星空で癒してきた彼には特別な意味もありそうだ。
 送る星空は側にいるよというメッセージだろうか。一緒に戦ってくれた感謝と、これからもよろしくを込めて。

●パートナー
 工場の休憩室の一つに来た2人。設備は簡単なテーブルと椅子しか無いけれど。この部屋では外の宇宙の景色が見えた。
 瞬く大小の星々は夜空のようでもあり、宝石のようでもあり。時おり遠くに見える岩塊の群れが泳ぐ小魚のようでもあり。

 2人の前に並ぶのはお互いを思った合計4つのパフェ。2つずつあるパフェを前にロアは困ったように、けれど嬉しそうにフフっと笑う。
 意外とお腹が膨れるパフェは2つ分も食べるのはすこし苦しいかもしれない。けれど甘党な2人なら普通に食べられるのかもしれない。少なくとも互いを思い合い4つになったパフェは、2人にとっては嬉しいものではあるだろう。
 パフェとスプーンをテーブルに並べる途中で星空の景色を背にリシェリアはロアへ気持ちを伝える。
「良いコンビを組めた、と思う。また、よろしくね」
 その言葉を受けロアも感謝の言葉を返す。
「こちらこそ、一緒に戦ってくれてありがとうございます!」
 そう言いながらロアはリシェリアへ自分の作ったパフェを差し出した。

「宇宙で食べるスイーツって最高ですね! 」
 星空の前でそれぞれの感謝を込めたパフェを食べる2人。例え困難が降りかかろうとも、2人ならきっと――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴロス・ヴァルカー
&&&
【pow】少々気になることは残りましたが…終わってしまったものは仕方ありませんね。
お菓子作りを楽しみましょう。
うーむ、味見が出来ないのは厄介ですねぇ、どなたかにお願いできれば…
初心者は初心者らしくわからないことはロボットに尋ねましょうか。
初心者でも簡単に…それも大量に作れるお菓子はあるでしょうか?
…皆さんに喜んでもらえれば良いのですが。



●創る経験
 スイーツ作りの体験が進む中、ヴロス・ヴァルカー(テック・プリースト・f03932)は少し考え事をしていた。
 帝国エージェントから聞けなかった機神と皇帝の関係、かつて自分が所属していた機械教団との関係、かつて信仰していた教えの真意、本物の機神のこと――。
「少々気になることは残りましたが……終わってしまったものは仕方ありませんね。お菓子作りを楽しみましょう」
 答えのでない悩みからいちど意識を切り離しまずは楽しむことにした。本来の目的――最近見た団員の仲間たちの料理をする姿を見て、やってみたくなったこと――を思い出したからだ。

 しかしここで再び新たな問題が起きる。
「うーむ、味見が出来ないのは厄介ですねぇ、どなたかにお願いできれば……」
 スイーツ作りの体験の部屋にあるレシピを読み込みながらも頭をひねる。量がグラム単位で書かれているものならともかく……ひとつまみ、ぱらり、少々、お好みで。
 レシピに並ぶ味を確認しながら作ることが前提の記述がちらほらと。
「初心者は初心者らしくわからないことはロボットに尋ねましょうか」
 お菓子作りロボットの元へいきレシピを訪ねる。
「初心者でも簡単に……それも大量に作れるお菓子はあるでしょうか?」
 音声入力を受け取ったロボットはデータベースを検索する。簡単に、大量に。
「検索結果、デマシタ」
 映し出されるレシピをじっと見るヴロス。
「プリン……ですか」

●はじめてのプリン作り
 分量は明確、そして材料も少ない。ミルク、鶏卵、グラニュー糖。そしてスイーツ体験で初心者が無料で貰える計量用の大小のスプーン。
 ヴロスは記憶したレシピを元に作業を開始する。鍋に決まった量のグラニュー糖と水を入れ少し焦げた茶色のソースになるまで加熱する。
 苦味や甘は、分量と色で判断ができる。この場はレシピの映像通りの色になってから加熱を止めた。そこへ先に入れた水と同じ量の熱湯を加えて水分を追加しカラメルソースとする。
 これをプリン用のカップに少しずつ注いだら本体の作成に移った。卵の割り方には少し悩んだが手持ちのガジェットを利用して一部を割り、穴を開けて中身をちゅるんとボウルに出す。
 卵とグラニュー糖決められた分量を混ぜてからミルクを鍋に入れて加熱し、温まったら少しずつこの卵を溶かし混ぜる。一気に入れると卵は溶けず固まってしまうのでここが難しい。
 混ざりきったら布で不純物を濾し取りカップに注ぎ規定の時間を蒸してから冷やせば完成する。

「ふう……ひとまず形にはなりましたね。熱したり冷やしたり熱しすぎないようにしたりと、意外と忙しかったですが……」
 完成したプリンの入ったカップを見る。外見はレシピ映像と同じ出来だ。
「……皆さんに喜んでもらえれば良いのですが」
 このプリンは仲間たちへの土産になるのだろう。これをきっかけに仲間との交流で料理を教わっていくのも良いかも知れない。
 かつて戦いに明け暮れた戦士に、生み出し喜ばれる創造による幸せが訪れますように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
&&&

スイーツ作りを始める前に。
一度巫女装束に着替えて、スイーツ工場を禊ぎしましょう。
「コミュ力」で工場長に掛け合って許可を得ます。

不浄なオブリビオンに蹂躙された場所です。物理的に復旧しても気持ちの悪さは残るはず。
その穢れを払い落とします。



お待たせ。「破魔」の祭儀は終わったわ。それじゃスイーツ作りを始めましょ。
お菓子作りは科学の実験とも言うけれど、確かにこれだけしっかりとレシピに書かれていれば、苺スパができあがる心配はなさそうね。

これでも私は、生まれも育ちも洛中。宇治抹茶を使ったパウンドケーキで、和をアピールするわ。
材料をこねて型に流し込んで、オーブンで焼き上げて完成。
さあ、どうかしら?



●和をテーマに
「それじゃスイーツ作りを始めましょ」
 そう言い巫女服から着替える村崎・ゆかり(紫蘭・f01658)、陰陽の巫女としては災いや不浄なものなどの穢れは見逃せない。そのため工場長に掛け合い先程まで清めの儀式をしていたのだった。
 いつもの服装に戻りスイーツ作りの体験の部屋にあるレシピに目を通すゆかり。
「お菓子作りは科学の実験とも言うけれど……確かにこれだけしっかりとレシピに書かれていれば、苺スパができあがる心配はなさそうね」
 何を作ろう――そう考えながらページをめくる中で一つの焼き菓子に目が止まる。しっとりしながらしっかりした食べごたえ、しかも茶葉の粉末で香りを出すレシピ。
「これでも私は、生まれも育ちも洛中。宇治抹茶を使ったパウンドケーキで、和をアピールするわ」
 やってやろうじゃないとゆかりの闘志に火がついた。

●抹茶パウンドケーキ
 基本的にケーキ類はカロリーの暴力である。まず材料の2/3ほどの質量がバターと砂糖になる。そしてけっこう手首がきつい。

 バターがふわふわの空気を含んだクリームになるまでひたすらかき混ぜる。とにかく混ぜる。
 バターがその脂分のみでフワッとしたらようやく砂糖を規定量入れ、再び混ぜる。砂糖が馴染んでジャリジャリ感がなくなるまでひたすら混ぜる。抹茶の粉末も忘れずに。
 ジャリジャリ感がなくなれば次は卵。バターの油と卵の水分は混ざらず分離するものなので、これを少しずつ卵を加えながらうまく撹拌して無理矢理混ざるようにする。とにかく分離の隙を与えないよう混ぜ続ける。
 卵が混ざれば分離する前に粉を一気に混ぜて生地にしていく。これで卵とバターの状態は安定するが、練ってしまうとグルテンが発生し固くなるので、切るように粉っ気が無くまでザクザクと混ぜる。

「……ふう、こんなものかしら。うまくいってるわよね」
 ゆかりはすこし手首をぶらっと振って軽い休憩を挟んだ。なぎなたを振るうのとは違う部位の手首の筋肉が疲労を訴えるが、ここまで出来ればあとは焼くだけ。ペースト状の生地を型へ。
「材料をこねて型に流し込んで、オーブンで焼き上げて完成っと」
 焼き菓子を焼成する装置に入れレシピどおりの設定をして待つ。
「さあ、どうかしら?」
 焼いた型を取り出すと抹茶の芳醇な香りが広がった。バターや砂糖の甘い香りも混ざって美味しそうだ。
 甘いくて、ほんのり抹茶でほろ苦いパウンドケーキはおそらく紅茶と合うだろう。和にこだわるならば、ほうじ茶とも相性は良さそうだ。
 この場で食べるのも良いけれどパウンドケーキはかなりお腹に貯まる上に高カロリー、持ち帰って仲間と分け合うためのお土産にするのも良さそうだ。
 世話焼きで積極的に関わりたいゆかりならばこの甘い幸せを仲間のもとに届けるのは良いかもしれない。
 良き出会いと関係の継続がこれからもありますように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】のみんなと
「それじゃ、せっかくですからケーキでも作ってみましょうか」
工場設備を使わせてもらって、ケーキをつくりますね
バレンタインも近いですし、チョコケーキにしてみましょうか
味にも見た目にも気を付けてデコレーション
ミルクチョコと生チョコで作った黒いチョコタルト
ホワイトチョコを使った白いザッハトルテ
と、ホールケーキを2つ作ってみました
…ちょっと頑張りすぎちゃいましたかねっていう感じの、とても立派なケーキを、一緒に来た寮生に振舞います
「どうでしょう、結構うまくできたと思うんですけど?」
料理には自信ありますし、出来は満足
あとは切り分けて
「はい、あーん」
なんて食べさせてあげましょうか


瀬戸・舞奈
【恋華荘】で参加だよ。

チョコをくれると聞いて舞奈参上!(スイーツ作り終えてから現れる)
え、今更来て何なのって、いちごさんにチョコ食べさせてあげるって言われたからやってきたんだけど?
それよりチョコー、チョコ頂戴ー♪
わー、チョコケーキだぁ!チョコケーキも大好きだよっ!
黒いチョコタルトも白いザッハトルテも両方食べるー♪
なんだったら、余らないように舞奈が沢山食べてもいいよ?
え、いちごさんが食べさせてくれるの?
わーい、はい、あーん!(ひな鳥みたいに大口開けてチョコを待つ)
んー!美味しいー♪いちごさんは本当にいいお嫁さんになるよー♪(尚、舞奈はいちごさんのことを同性だと思ってる)


不知火・桂花
【恋華荘】の皆と…

ってか、いちごに呼び出されてケーキ食べるために参上よ
そもそも今回、アタシは戦いに首突っ込んでないしね
…まあ気が引けるから、何もしないで待つのはナシ
ありあわせの材料で芝麻球(中華風胡麻団子)を揚げるわ

にしても結構やるわね、いちご
特にこのザッハトルテなんて色艶が…(ゴクリ)

…え?の、呑んでないわよ生唾なんて!?
あーんも要らないって、一人でイケるわよ!
でも、いえ…その…しょうがないわねっ

あーんっ…(ぱく)
…お、おいしい(キラキラ☆)
って見ないでよ!?あーもう恥ずかしいッ!

はい、お返しの芝麻球
ええ、いちごも照れさせてやるわ…!
粗熱とったから一口でイケるわよ?
口開けなさい!

…あーんっ♪


フロウヴェル・ゼフィツェン
【恋華荘】
ケーキ食べる、って、いちごのお誘いあったから。
戦いには参加してなかったけど、お邪魔するの。

スイーツ作る人、結構いるから、ベルは食べる専門。

桂花の胡麻団子…芝麻球、だっけ。胡麻の香ばしい香り、お口いっぱいに広がって…美味しいの。
食べやすいし。

んで、いちごのチョコケーキ…。
…いちご、食べさせてほしいの(小さなお口開けてあーんしてもらう構え)

…んぅ、どっちのケーキも美味しいの…♪
甘くて、とろとろ濃厚で…何より、いちごのケーキって思うと…
なんだか、とっても幸せ気分なの…♪
(普段無表情な顔をうっとり蕩けさせて)

もっともっと、食べさせてほしいの…♪
カロリー?大丈夫なの、全部こっち(胸)にいくの。



●そういえば近いですね、バレンタイン
「それじゃ、せっかくですからケーキでも作ってみましょうか。バレンタインも近いですし、チョコケーキにしてみましょう」
 と張り切った彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は、一時間後にせっかくというにはだいぶ本格的なものを、それも2つ作ってしまったことに気がついた。
「……ちょっと頑張りすぎちゃいましたかね」
 工場設備を使わせてもらい完成した2つの立派なホールのケーキ。一つはミルクチョコと生チョコで作った黒いチョコタルト。ホワイトチョコを使った白いザッハトルテ。
 チョコタルトはサクサクのクッキー生地の上に生クリームを練り込んだチョコを流し込みミルクチョコで飾り付けた、濃厚でいながらズッシリとした食べごたえ。
 ザッハトルテは基本はチョコを練り込んだバターケーキなためフワッとしながらもしっとりした濃厚な味で、表面を覆うチョコも含め全体をアプリコットジャムのほんのりした酸味と香りが引き立てる一品だ。
 この2つのホールケーキを前に少し考え込むいちご。
「まあ……なんとかなりますよね、声をかけて来てくれた寮生に振舞うためのものですし」
 料理には自信あるし出来は満足なもの。きっと喜んでもらえるはず。喜ぶ仲間たちの姿を思い浮かべながらケーキを食べるための食器を用意していると、いちごの名を呼ぶ声が聞こえてきた。ちょうど同じ旅団の【恋華荘】の面々が到着したようだ。

●少し時は遡る
 いちごに招待されケーキを食べるためにやってきた不知火・桂花(逆弦紅娘・f05277)。しかしケーキを食べるにはすこし早い。
「そもそも今回、アタシは戦いに首突っ込んでないしね、だからケーキ食べるためだけに来たわけだけど」
 などと言い訳のようなことをブツブツ呟きながらスイーツ作り体験にひっそり参加する。
「……まあ気が引けるから、何もしないで待つのはナシ。それだけよ、それだけ」
 材料を指定して受け取りお菓子を一つ作り始めた。

●れっつチョコレート
「チョコをくれると聞いて舞奈参上!」
 チョコと聞いて我慢できずに駆けつけた瀬戸・舞奈(チョコスキー・f03384)、ぴょこんと茶色のポニーテールが揺れる。
 続けてやってきたのがフロウヴェル・ゼフィツェン(時溢れ想満ちて・f01233)。
「スイーツ作る人、結構いるから、ベルは食べる専門」
 フロウヴェルの表情は動いておらず一見何も感じていない様子だが、その視線はいちごの作ったケーキに熱く注がれており『早く食べさせるの』と訴えている様でさえある。そして桂花も先程作ったお菓子の入った包みを手にそっと合流した。
「みなさん、来てくれたんですね」
 嬉しそうに出迎えるいちご。
「どうでしょう、結構うまくできたと思……」
「それよりチョコー、チョコ頂戴ー♪」
 いちごが感想を尋ねようとしたところで、チョコと聞いて我慢できずに駆けつけた舞奈はいちごにチョコの場所を聞く。私は今日このために来た、という勢いだ。
「わー、チョコケーキだぁ!チョコケーキも大好きだよっ!黒いチョコタルトも白いザッハトルテも両方食べるー♪」
 いちごの背後のケーキに気づき素早く回り込んた舞奈はチョコケーキを食いつくように見つめる。もし尻尾があれば全力でぶんぶん振っていたかもしれない。
「はいはい、今切り分けますからね」
 いちごはそう言って舞奈をなだめ、フロウヴェルの『早く食べたい』と訴える熱い視線を浴びつつケーキを切り分けていく。母のような男の娘さんである。

●素直になれず
 ここまでの様子を我関せずと言う態度で見ていた桂花もまた、視線はケーキに吸い込まれ気味だった。
「にしても結構やるわね、いちご。特にこのザッハトルテなんて色艶が……」
 チラチラと見ながらも刺激される食欲に思わずゴクリと唾を飲む。その様子に気付いたいちごは切り分けたケーキの乗った皿を持ち桂花の元へ。
「桂花さんもどうぞ」
 フォークで一口サイズに切り、フォークに刺して差し出す。
「……え?の、呑んでないわよ生唾なんて!?あーんも要らないって、一人でイケるわよ!でも……」
 顔を赤くしながら取り乱す桂花、『でも』と出かかった言葉を飲み込んだ。しかしこうやって差し出されたからには……。
「いえ…その…しょうがないわねっ」
 パクリと食べる桂花。
「……お、おいしい……!って見ないでよ!?あーもう恥ずかしいッ!」
 一瞬目を輝かせるも、いちごが微笑んで見ているのに気づくとすぐさま顔を赤くして不機嫌っぽくなる桂花。
 いちご本人は意識してか無意識か定かではないが、素直になれない桂花はきっとこうしないと食べるきっかけを失っていただろう。そして――。
「はい、お返しの芝麻球」
 こういうことでもないと、わざわざ早く来て作った揚げ団子を渡す機会も失っていただろう。
「ええ、いちごも照れさせてやるわ……!粗熱とったから一口でイケるわよ?口開けなさい!」
 手にした揚げ団子は満遍なく胡麻がつけられており、決して片手間で作ったわけではない丁寧な仕上がりが見て取れる。いちごに食べさせようと団子を手にいちごへ迫る桂花は高圧的な口調に対しとても嬉しそうだ。

●一緒の時間
 すでに口の中が団子で一杯になってもなおいちごの口へ入れてくる桂花から逃げようとするいちご。そこへ挟み込むように道を塞ぐ舞奈。
「え、いちごさんがチョコケーキ食べさせてくれるの?わーい、はい、あーん!」
 といちごへ迫る舞奈に応えようと、桂花の団子の攻勢に抵抗しながら無理な姿勢でプルプルと舞奈へケーキを差し出すいちご。その後いちごは2人を巻き込み盛大に転んだりするわけだがそれは割愛。

 そんな三人の様子を見ながらモグモグと桂花が作った団子の残りを食べるフロウヴェル。
「桂花の胡麻団子……芝麻球、だっけ。胡麻の香ばしい香り、お口いっぱいに広がって……美味しいの。食べやすいし」
 賑やかな仲間たちのやりとりをじっと見るフロウヴェルのその表情はまったく変わらない。しかし目元や口元は僅かに緩み楽しんでいる様子でもある。
「んで、いちごのチョコケーキ……」
 ここでなんやかんやあってようやく開放されたボロボロのいちごが一休みをしにヨロヨロとやってきた。
「ふう……大変な目にあいました……」
 ここでチャンスとばかりにキランと目を輝かせたフロウヴェル。手を伸ばしたケーキの皿を元の位置に戻し、いちごの元へいく。
「……いちご、食べさせてほしいの」
 小さな口をあーんとあけてねだる。上目遣いなのは天然か計算か。
「ああ、ベルさん。すみません相手してあげられなくて。はい、あーん」
「……んぅ、どっちのケーキも美味しいの……♪」
 口元が緩み、普段の無表情からは珍しいうっとりした表情を見せるフロウヴェル。
「甘くて、とろとろ濃厚で……何より、いちごのケーキって思うと……なんだか、とっても幸せ気分なの……♪」
 うっとりと蕩けさせた表情で言うフロウヴェル。言葉の表現に他意は無いはず。とろとろ濃厚はたぶん生チョコのタルトだと思う。
「もっともっと、食べさせてほしいの……♪」
 ここぞといちごにねだり迫るフロウヴェル。それを見る残り2人……怖い目で見ている桂花と事故で食べ損なった舞奈の寂しそうな視線がいちごに刺さる。
「その、ベルさん。食べ過ぎたらカロリーも大変ですし」
そう言いなるべく平等に扱おうと務めるいちごに対してフロウヴェルは。
「カロリー?大丈夫なの、全部こっち(胸)にいくの」
 自分の豊満なそれを持ち上げる。恐ろしい子……!
 見た目は美少女でも中身は男であるいちご。思わず顔を赤らめ目を背けたところでいちごは桂花に首根っこを捕まれてフロウヴェルから引き剥がされた。

●バレンタイン、生き残れるんですか……?
 その後も【恋華荘】のメンバーは仲良くケーキを食べ進めていく。
「んー!美味しいー♪いちごさんは本当にいいお嫁さんになるよー♪」
 舞奈だけはいちごの性別を勘違いしているらしい、しかしお嫁さんという言葉が似合うだけに違和感がない。フロウヴェルや桂花もその言葉にうんうんと頷く。
 もとは外聞的な意味合いから女性の格好をしているいちごは嫁扱いに男として何か言い返そうとしたが、この三人の勢いそしてなにより舞奈にショックを与えないようにと考え、言葉を飲み込み静かにケーキのおかわりを三人の皿によそったのだった。
 温泉郷の旅館に集う恋模様の行方に幸がありますように……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月11日


挿絵イラスト