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蜜ぷにマーチ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●ぷに大行進
 アルダワ魔法学園世界に広がる学園迷宮内。
 ふんわり花の香りを纏わせながら、ぷにぷにの物体が大行進していた。
『ぷに!』
『進むぷにー!』
 色とりどりのぷにぷにが、ぽよんぽよんと跳ねながら。ゆっくりとした速度で、だが確実に地上へと昇っていく。
 ――そしてその奥に潜む巨大な影もまた、地上を目指していた。

●ぷにと花蜜
 学園地下に広がる迷宮――そこから、地上を目指して昇ってきている存在がいる。
「その敵を、皆さんに退治して来て貰いたいんです」
 集う猟兵達へ、ラナ・スピラエア(苺色の魔法・f06644)はそう言葉を零した。
 今回向かうのはアルダワ魔法学園地下に広がる迷宮内。学園へ侵攻される前に、敵を倒し侵攻を食い止めることが目的だ。
「敵は花の蜜で出来た、蜜ぷにさんです」
 知ってる人もいますか? 小首を傾げながら少女は尋ねる。簡単に倒せるくらい弱いが、数が多いのが少し厄介な敵。けれど、そこは大きな問題では無いと少女は語る。
「可愛い蜜ぷにさんを倒すと、美味しい花の蜜が手に入るんです。入っちゃうんです」
 花の蜜――元とする花の種類により、違いの存在する蜜。ふんわり花の香る物もあるその蜜を用いたお菓子は、とても美味しいとどこかで評判になっている言う。
 可愛いから倒しづらい。けれど美味しい蜜も欲しい。そんな葛藤と戦うほうがよっぽど辛い――穏やかな声だが、少女の苺色の瞳はとても真剣。あくまで彼女の主観だが。
「でも、学園の人達の平和も大事ですから……仕方が無いですよね」
 せめて美味しく頂けるように。無事に全てが終わったら、学園の家庭科室を利用出来るように手配をしておくとラナは溜息混じりに告げる。
「蜜ぷにさん達と戯れ……いえ、退治をお願いしますね」
 本音が零れた後、こほんと咳払いをして訂正するラナ。
 学園の平和の為に。そして美味しいご褒美の為に――よろしくお願いします。優雅な一礼の後、小さな溜息を零しながら少女は猟兵達を送り出した。


公塚杏
 こんにちは、公塚杏(きみづか・あんず)です。
 『アルダワ魔法学園』でのお話をお届け致します。

●シナリオの流れ
 ・1章 集団戦(蜜ぷに)
 ・2章 ボス戦(ストーンゴーレム)
 ・3章 日常(お菓子作り:敵を全て撃破した場合)

 戦闘を行うのは迷宮内です。
 支障の無い広さ、安定感があるので特に気にすることはありません。

●3章について
 学園の家庭科室でのお菓子作りです。
 一般的な家庭で作れるお菓子は作れる、材料や器具が揃っています。
 蜜を使ったお好きなお菓子を、ご自由に想像して作って頂けると嬉しいです。

 こちらのみ、お誘いがあればラナがご一緒させて頂きます。お菓子作りもお菓子を食べるのも大好きです。

●その他
 ・基本的には蜜ぷにとのぷにぷに。その後のお菓子作りがメインのお楽しみシナリオを想定しています。
 ・同伴者がいる場合、プレイング内に【お相手の名前とID】を。グループの場合は【グループ名】をそれぞれお書きください。記載無い場合ご一緒出来ない可能性があります。
 ・途中からの参加も大丈夫です。
 ・許容量を超えた場合は早めに締め切る、又は不採用の場合があります事をご了承下さい。

 以上。
 皆様のご参加、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『蜜ぷに』

POW   :    イザ、ボクラノラクエンヘ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【勇者ぷに 】と【戦士ぷに】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    ボクダッテヤレルプニ
【賢者ぷに 】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ミンナキテクレタプニ
レベル×1体の、【額 】に1と刻印された戦闘用【友情パワーぷに】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蜜ぷにぎゅう
 迷宮内を跳ねるカラフルな蜜ぷに達。
 沢山すぎて、ぎゅうぎゅうとその身体を少し歪ませながら彼等は前に進んで行く。
 一歩ぽよんと跳ねれば階段を昇り。
 一歩ぽよんと跳ねれば、失敗したのか別の蜜ぷにの上に乗り。
 ぷにぷに。ぽよぽよ。
 どこか和む表情を浮かべながら、一生懸命前に進んで行く。

 ある程度道の広さがある迷宮内にも関わらず、彼等は何故か密集している。
 もうちょっと距離を置いて進めば、進みやすい事には多分気付いていない。
ティオレンシア・シーディア
何匹か連れて帰りたいけど…無理よねぇ、やっぱり。
しょうがないし、お仕事しましょ。
汚れないようにエプロンつけて、と。

うーん、あんまりちまちまやっても効率悪いし…
〈暗視〉と〈地形の利用〉で〈情報収集〉して迎撃にいい感じのとこを選んで、と。
数が少ないうちは好きにぷにぷにして、数が増えたら〈クイックドロウ〉〈先制攻撃〉からの●鏖殺で〈範囲攻撃〉するわぁ。

色ごとに味が違うらしいし、それぞれ別の容器に集めるわぁ。
ちょっとずつ味見しながらどんな〈料理〉に向いてるか考えるわねぇ。
プリン・クッキー・コンポート・糖蜜漬けにパンケーキ。
さあ、何を作ろうかしらねぇ。
うふふ、楽しみだわぁ。

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎


ウレルト・ジュペル
ふふ、かわいらしいモンスターさんね
倒しちゃうのはかわいそうな気もするけれど
お仕事だから、ごめんなさいね

手を叩いて呼んでみたらこちらに来てくれるかしら
鬼さんこちら 手のなるほうへ
周り込まれたりしないようにちょっと狭い道に誘導できるように頑張るわ

うまく集まってくれたらバウンドボディで手を伸ばしてプチっと潰していくわ
潰すと分裂しちゃったりするのかしら?
逃げないように小さいこもしっかり潰しましょうねぇ

攻撃されたら武器受けで受けて直接当たらないように気をつけるわ
蜜まみれになっちゃうと困るものね


ネレム・クロックワーク
彼方を向いても、ぷに
此方を向いても、ぷに
此処は、ぷにの国、なのかしら……?
色とりどりのぷにさん達は、本当に本当に、可愛らしい、わ

ごきげんよう、蜜ぷにさん
わたしと、一緒に遊びましょうぷにー……じゃなかった
そのみりょくあふれるぷにぷにぼでぃーをぞんぶんにぷにぷにさせてほしいぷにー
って、嗚呼、わたし何を言っているのかしら……

わたしがユーベルコードを使用する前に、ぜひ『賢者ぷに』を召喚して欲しいぷにっ
……いえ、何でもない、わ
心が痛む、けれど、ごめんなさい
星属性の【属性攻撃】を【高速詠唱】で愛用の魔導銃に装填
キラキラひかる、お星様で、蜜ぷにさん達を狙う、わ

ごめんなさい、貴方達の蜜は、大切にいただく、わ




 迷宮内を見渡すと、視界に飛び込むのは絵の具を散らしたパレットのような色合い。
 彼方を向いてもぷに。此方を向いてもぷに。
「此処は、ぷにの国、なのかしら……?」
 溢れる蜜ぷに達の様子に、ネレム・クロックワーク(夢時計・f00966)はそのチョコレート色の大きな瞳をきらきらと輝かせる。カラフルな蜜ぷに達を1匹1匹視線で追いながら、可愛らしいと無意識に言葉を零しその色の中に歩みを進める。
「ごきげんよう、蜜ぷにさん」
 ゆったりと、どこか甘い声色で語り掛ければ――夢中で行進していた蜜ぷに達が一斉にネレムを見た。ぽよぽよボディに窪みで表現された瞳が、じっと彼女を見ながら『ぷに?』と返事をするかのように声を発する。
「わたしと、一緒に遊びましょうぷにー……じゃなかった」
 小さく首を振り、改めて口を開けば――。
「そのみりょくあふれるぷにぷにぼでぃーをぞんぶんにぷにぷにさせてほしいぷにー」
 やはり、口から零れていたのはネレムの本音。何を言っているのかしら、と呟いてしまった通り、それは無意識に。蜜ぷに達はぷにぷにの意味が分かっていないようだが、まるで誘惑するかのようにその場で跳ね、ぷにぷにボディをぽよんと揺らす。
 蜜ぷにの誘惑に心が揺れる。――けれどネレムは、手にしていたガジェットの魔導銃『romantica*』を蜜ぷにに向けた。
『ぷに?』
 攻撃されるとは分かっていない風貌と声。一瞬で消えてしまうと分かっているから――ネレムは、攻撃を放つ前にぜひ見たいものがあった。
「ぜひ『賢者ぷに』を召喚して欲しいぷにっ。……いえ、何でもない、わ」
 無害そうな蜜ぷにの姿だからか、ついつい本音が零れてしまう。違うと彼女は語るけれど、聞いていた蜜ぷには今回の事は分かったようで。
『賢者ぷに?』
『呼ぶぷに?』
『呼んでやっつけるぷに?』
 ぷに、ぷに。色んな蜜ぷに達がまるで相談をするかのように会話をすれば――一瞬で彼等の背後には、なんだか偉そうなモノクルらしい模様が付いた蜜ぷにが現れた。
『ヤレルぷに!』
 やる気満々。そんな姿を見せた蜜ぷにを見て、ネレムは少し満足そうに口元に笑みを浮かべる。――その後蜜ぷにに降り注ぐのは、数多の星の爆弾。
 拡散し、数多の蜜ぷにの元へと降り注ぎ光を放ち迷宮を照らす。
「ごめんなさい、貴方達の蜜は、大切にいただく、わ」
 消えゆく蜜ぷに達に、ネレムは最後の言葉を掛けた。

「ふふ、かわいらしいモンスターさんね」
 大行進中の蜜ぷにの姿を見て、ウレルト・ジュペル(砂漠の守護者・f11934)はおっとりとした声色でそう零した。
 眺めているとあまりに平和そうなその光景に、倒してしまうのは可哀想だと感じるけれど――お仕事だと呟き、平常時の穏やかさとは違う空気を身に纏わせる。
 パン――少し鈍いような迷宮に響き渡るその音は、ウレルトが手を叩いた音。ブラックタールの柔らかな身では、人の形をしていても鳴る音が違って聞こえる。
 それでも音に反応した蜜ぷに達は、ウレルトの存在に気付く。――中には行進に夢中で突き進み、別の蜜ぷにの上に乗っかったり弾んだりするものいるようだけれど。
「鬼さんこちら」
 反応した蜜ぷにに向け言葉を紡ぎ、ひらりと民族衣装風の鮮やかな布を翻しながら、ウレルトが移動を始めれば――。
『何ぷに?』
『何かあるのかぷに?』
 単純な蜜ぷにが何匹か一緒に移動しだす。そんな仲間の様子を見て、何も分からない蜜ぷに達がボクもボクもと、一緒に着いて来て気付けばそれなりの数に膨れ上がっている。
 それは彼女の、思惑通り。迷宮内にある狭い道へと誘き出された蜜ぷに達。けれど彼等はよく分かっていないようで、楽しそうに跳ねている。そんな彼等を、倒すのはやはり忍びないけれど……ウレルトは自身の身体をバウンドモードへと変えると、その手を用いて蜜ぷにの身体をぷちりと潰す。
 ぷちり、ぷちり――か弱い蜜ぷにはその衝撃に耐えられず、次々と蜜へ変化していく。
 その蜜のお味は、美味しいものに夢中な彼女の御眼鏡に適うだろうか?

 ぷに、ぷに。ひしめき合う蜜ぷに達の様子を見て、ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は何匹か連れて帰りたいと思う。――勿論、無理な事は分かっている。諦めて仕事をしようと、腰に巻く黒いエプロンを締め直した。
 話に聞いていた通り、蜜ぷにの数は多い。何も考えずに退治をしては効率が悪い――彼女は常に細めた眼を凝らし、迎撃しやすい場所を探す。
 幸い、迷宮内は入り組んだ作りのようで様々な道がある。蜜ぷに達は出口しか見えていないようで一直線――そのうえ、何故かぎゅうぎゅうと密集しているので、その他の道を歩くことは容易いだろう。
 目的地を決め迷宮に靴音を響かせて歩けば、それが気になったのか好奇心旺盛な蜜ぷにが近寄ってくる。ぽよんっ。跳ねる音にティオレンシアは興味を持ち――思わず、1匹だけ近付いて来た蜜ぷにに素手で触れてみる。
『ぷにに』
 ちょっとびっくりしたようにその身を揺らす蜜ぷに。すると、動きに合わせて手に伝わるぷにぷに感。ティオレンシアの眼差しが、どこか柔らかくなったけれど――その幸せも束の間。仲間に着いて来たのだろうか、気付けば彼女の周りには数多の蜜ぷにが。
「あら」
 つい零れたその声色は、蕩けるような甘い声色。密ぷには『ぷに!』と元気にお返事をするかのように鳴くと、額に1と刻印された戦闘用ぷにを召喚する。
 戦闘モードはばっちり。そんな蜜ぷにに愛用のリボルバー、『オブシディアン』を向け弾丸を迷い無くティオレンシアは放った。
 1発、2発――次々と放たれるその弾丸は、的確に蜜ぷに達を蜜へと変えていく。6連のその弾丸が放たれ終わると、ティオレンシアはどこか胡散臭い笑みを浮かべ。
「6発撃ったら終わり? そんなこと、誰が決めたのかしらぁ?」
 変わらぬ甘い声でそう呟くと、更なる弾丸を放っていく。
 周囲が蜜に溢れれば、蜜ぷにの色毎に仕分け容器へと蜜を集める。手に付いた蜜をぺろりと舐めてみれば――どこか爽やかな香りのする、不思議な甘みが口に広がった。
 これに合うのはどんなお菓子だろうか。
「うふふ、楽しみだわぁ」
 楽しそうにそう呟くティオレンシアの周囲には、色濃い蜜の香りが充満していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

英・明夜
わあー、可愛い! 安全な生き物だったら良かったのに、残念だよね…(しょも)

えっと、蜜をどうやって手に入れるのか分からないけど、あんまり、ボコボコにしないで倒した方が良いのかな?
だからね、なぎなたで、ぽこぽこ、ぽこぽこ! って倒して行くね。
痛いね、ごめんね!

ぽこぽこで倒せないなら、可哀想だけど、ザクって突き刺すか、バサーってなぎ払ってみようかな。
遠くから一気に飛び掛られそう、とか、合体されちゃいそう! って時は、フォックスファイアで、やられる前に焼いちゃうね。
(…甘い匂いがするのかな…)

もし近くに他の猟兵さんが居たら、蜜ぷに達に後ろからドンってされないように、背中を預け合って戦いたいな。


黒瀬・ナナ
(発見しても、暫く物陰から蜜ぷに達を眺めている)
蜜ぷに……あんなぷにぷにした可愛い生き物が存在していたなんて!
持って帰っちゃダメ?ダメなの?
うぅ、倒すのがとても心苦しいけれども、美味しいお花の蜜と皆の平和の為に、いざ勝負よ!
とーぅ!(密集して移動している蜜ぷに達に飛び込む)

密集しているなら都合が良いわ。
巫覡戴霊の舞で軽やかに舞いながら【なぎ払い】、【範囲攻撃】で一掃を狙うわね。
可愛くても手加減はしないんだから……って、うぅぅ、だ、だめよ、そんな可愛い目で見つめないでーっ!
もし周りに他に猟兵さん達がいたら、上手く協力してぷにぷに達を追い込むわね。

※アドリブ歓迎。




 蜜ぷにと猟兵達が戯れている姿を、そっと見守る人影が。
(「蜜ぷに……あんなぷにぷにした可愛い生き物が存在していたなんて!」)
 大きな琥珀色の瞳を、本物の宝石のように輝かせる黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)は、行進する蜜ぷに達を見つめては持って帰りたいと葛藤する。
 けれど、彼等は倒さなければいけない敵。とても心苦しいが、それが猟兵たちの使命だ。美味しい花の蜜と平和の為に――ぐっと小さく手を握ると。
「とーぅ!」
 ナナは声を上げ、勢いよく密集する蜜ぷにの中へと飛び込んでいった。それは、必死に戦う少女の背中側。――着地と同時に下敷きになった蜜ぷにが、ぷにっとした感覚の後に弾けて蜜に変わってしまう。
 そのぷにぷには、確かに気持ちが良かった。けれど――突然現れたからか、仲間が倒されてしまったからか。周囲の蜜ぷに達は、行進を止めなんとも癒されるその表情をじっとナナに向けている。
「うぅぅ、だ、だめよ、そんな可愛い目で見つめないでーっ!」
 先ほどの決心が揺らいでいく。けれど、頑張ると決めたから。だから――掌に感じる薙刀の柄の感触を確かめるように握り直し、ナナは武器を構える。
 舞を踊るように軽やかなステップを踏めば、その身は神霊体へと変化し。『迦陵頻伽』から衝撃波を放ち次々と蜜ぷに達を倒していく。
 長い黒髪を揺らしながら戦えば――ふわり、桜の薫りが鼻をくすぐった。

「わあー、可愛い!」
 足元のぷにぷにに、思わず英・明夜(啓明・f03393)は声を零していた。安全な生き物だったら良かったと思うけれど――その願いは叶わない。
 だから彼女は、覚悟を決めた顔つきで戦いに挑む。
『ぷに?』
 どんなにその見上げてくる姿が可愛くても。薙刀を構え、勢い良く振り下ろせば――ぷにっとした弾力の後に蜜ぷにの身が壊れてしまう。
 刃物を使うのは抵抗があるから、あくまで叩いて倒す手段をとる明夜。だが、まだまだ小さな彼女にとって、可愛らしい蜜ぷにを退治するのはちょっと心苦しい。
「痛いね、ごめんね!」
 その倒れ行く姿を見ないように――瞳を閉じながら役目をまっとうしようと頑張る。密集して動けない蜜ぷに達が、眼をつぶっていても倒れていく感触が手に伝わってくる。
 けれど辺りが見えていない明夜には、蜜ぷにも黙っていない事には気付けなかった。
『来てクレタ、ぷに』
 友情パワーぷにが合体をし、彼女に背後から攻撃をしようとした時――黒髪の少女が、間に入り守ってくれた。
「ありがとう!」
 明夜は少女に向けお礼を告げた。背中が大丈夫だと分かれば、もう安心。
 視界に溢れるカラフルな蜜ぷに達を、彼女は狐火を使い次々倒していく。
 蜜ぷに達の数が減る程に、甘い甘い香りが濃くなるのを感じながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キトリ・フローエ
嵐吾(f05366)とウカ(f07517)と
今日も学園の平和を守るために頑張るわ!
そして相変わらず可愛い見た目をしてるけれど
ごめんなさいね、あたし達、あなた達を倒して先に進まないといけないの
嵐吾は蜜ぷにちゃんは初めてなんですってね?
ウカみたいに可愛くて倒せないように…とか、ならないように頑張って!
…そうよ、あれを倒すのよ嵐吾。さあ、心を鬼にして!(鼓舞)

あたしは素早く全力で、エレメンタル・ファンタジアをお見舞いするわ
氷の嵐でなるべく多くを巻き込んで、一瞬で凍らせてあげる
大事な蜜は零れないように瓶に入れて、フェアリーランドに収納
嵐吾が後で美味しいおやつを作ってくれるから、ウカ、頑張りましょうね!


終夜・嵐吾
キトリ(f02354)とウカ(f07517)と

蜜ぷにとやらと、わしはまだのーえんかうんとなんじゃ。
どんな姿なんかの。ぷにぷにしとるんはわかるんじゃが……

……えっ、キトリ。ちょ、キトリ。あれ?あれを倒すんか? ……つんつんしてきてええ?
しかし、むごい……
それにウカのあの心酔っぷりは……いやもう何も言うまい。

ささ、悪いが蜜ぷによ。攻撃させ……きとりようしゃない。
よしわしも。
頽れよ、蜜ぷにたちと戯れてこい。
うぅん、花弁に包まれてコロコロ遊んでおるようにしかみえんな……
いや最終的にきゅっとなってぱぁんなんじゃが。

ちょっと味見。や、この蜜うまい。
こんな、こんなうまいものをなれらは……!わしに隠れて……!


華切・ウカ
キトリちゃんと(f02354)と嵐吾さん(f05366)と

蜜ぷにちゃん蜜ぷにちゃん、また会えましたね蜜ぷにちゃん!
ぷにちゃん、ぷにぷに、ぷに……はわわわ、今日もぷにぷにですね!すき!

ふふ、あなたはオレンジぷにさん、むらさきぷにさん、あかぷにさん……にじいろさんも!
えへへ、えへへ。今日もぷにぷに、このぷにっと感。
でも、でもやはり今日もお別れの時が……ウッ、つらい。
はああ、本当にウカ、ここに移住してしまいたい……

ごめんね、ぷにちゃん。花鋏、ウカ自身でちょんと。
今日もまたあとで背徳の時間に、会いましょう……
美味しくいただきます!
あっ、キトリちゃんと嵐吾さんに遅れずついていきます!




 噂の蜜ぷに――友人達から話を色々と聞いていたので、こっそり気になっていたと終夜・嵐吾(灰青・f05366)は語る。
「どんな姿なんかの。ぷにぷにしとるんはわかるんじゃが……」
 ゆるりと語る彼の横で、妖精の羽をばたかせるキトリ・フローエ(星導・f02354)は、今日も学園の平和の為にやる気満々。
「嵐吾は蜜ぷにちゃんは初めてなんですってね?」
 耳に近い位置で、可愛くて倒せないなんて事にはならないようにと注意をすれば。友人達を横目に華切・ウカ(空鋏・f07517)は、目標を見付けて我先に駆け出した。
「蜜ぷにちゃん蜜ぷにちゃん、また会えましたね蜜ぷにちゃん!」
 頬を紅潮させ、どこか瞳を潤ませて。ウカは目の前にみっちり詰まった蜜ぷに達へ、興奮を含んだ声を掛ける。
『ぷに? 誰ぷに?』
 勿論、会った事など無いので蜜ぷには不思議そうな反応をする。そんなところも愛らしい……はわわわわ、と興奮を隠し切れずにその身を震わせる。
 普段よりもテンション高い彼女は、そのまましゃがみ込み蜜ぷにを恐る恐るつんっと突いてみる。ぷにっとした感触は前にも体験した極上のぷにぷに感。
「今日もぷにぷにですね! すき!」
 そんな興奮冷めぬ友人の姿を見て――キトリは、相変わらずだと小さな溜息を零す。その横で、嵐吾はふるふると震えながらキトリを見た。
「……えっ、キトリ。ちょ、キトリ。あれ? あれを倒すんか?」
 心なしか琥珀色の瞳に涙を滲ませながら、少女に向けそんな事を確かめる。するとキトリはこくりと頷きを返し。
「…そうよ、あれを倒すのよ嵐吾。さあ、心を鬼にして!」
 鼓舞するように、青年に声を掛けた。――その現実に、むごい……と小さな声が返るけれど。キトリにとっては、可愛くても倒さなければいけない存在。
 けれど――今はもうちょっと、時間を置くべきだろうか。
 目の前には、仲間と共に居る事も忘れている様子のヤドリガミの少女が。オレンジぷにさん、紫ぷにさん、赤ぷにさん、青に緑に虹色まで。囲まれて幸せそうに笑っている。
「えへへ、えへへ。今日もぷにぷに、このぷにっと感」
 完全に頬を緩ませ、色々な蜜ぷに達をぷにっと突く。突かれた蜜ぷには『ぷにー』とちょっと怒ってみたり、ころんっとその場で転がってみたり、もっとやって! と言わんばかりに『ぷに!』とその場で跳ねてアピールしてみたり。様々な反応を見せる。
「ウカのあの心酔っぷりは……いやもう何も言うまい」
 始めて見る友のそんな姿に、嵐吾はあっけに取られている。ウカの蜜ぷにへの愛を知っているキトリは、若干諦めも混じった様子でこくこくと頷いた。
 ぷに。ぷに。遊んでいる少女を眺めれいれば、嵐吾も気になり近くに居た自信の瞳とよく似た琥珀色の蜜ぷにをつんっ。
「おお……! ぷにぷにじゃな」
 これはウカが心酔するのも分かるわい。納得したように頷く彼の様子を見て、自身が動かなければ永遠に続いてしまう――そう判断したキトリは、前に進み出た。
「ごめんなさいね、あたし達、あなた達を倒して先に進まないといけないの」
 キトリを見る蜜ぷには相変わらず可愛らしいけれど、彼女の覚悟は変わらない。
「ささ、悪いが蜜ぷによ。攻撃させ……」
 少女の声に反応し嵐吾が場の空気を変えるかのように呟くのとほぼ同時、キトリが生み出す氷の嵐が迷宮に吹き荒れる。一瞬で氷付く蜜ぷに達。
「きとりようしゃない」
 ぽつりと嵐吾が呟くけれど、彼も居ずまいを正し蜜ぷにへと向き直る。やはり、倒すのは気が引けるが――既に戦いは始まってしまったのだ。だから彼は季節の花――真紅の椿の花びらを生み出すと、周囲へと舞わせ蜜ぷに達へと攻撃をする。
『ぷに~』
 ちょっと楽しそうにするけれど、花びらに触れると蜜へと変わってしまう儚い蜜ぷに。
「うぅん、花弁に包まれてコロコロ遊んでおるようにしかみえんな……」
 儚いけれど、一瞬見えるその光景はとても和むもので――。
「ああ、お花に包まれたぷにちゃんも可愛い……!!」
 ウカは絶好調だった。けれど、けれど――瞳の涙を指で拭うと、彼女は自身の本体である『華切』を握り締め覚悟を決める。
「お別れの時……ウッ、つらい。はああ、本当にウカ、ここに移住してしまいたい……」
 まだまだ未練はあるけれど。せめて自身の手で。
 ちょきんっ。抵抗を感じる手付きで蜜ぷにを切れば、突いた時とは違うぷにぷに感が指に伝わってくる。その感触により、嬉しさと悲しみの感情が複雑に湧き上がる。
「嵐吾が後で美味しいおやつを作ってくれるから、ウカ、頑張りましょうね!」
 揺れ動く友人に向けキトリが鼓舞の言葉を掛ければ、少女は覚悟を決め強く頷いた。
「今日もまたあとで背徳の時間に、会いましょう……」
 背徳の、甘い時間で――ウカは改めて、蜜ぷにの事を思い出すのだろう。幸せと背徳の時間を楽しみにした一行は、氷の嵐と花びら、そして刃により次々と蜜ぷにを倒していく。
 生まれた香る蜜は、キトリが瓶へと収納していく。小さな彼女がせっせと集めるのを協力するウカと嵐吾。――鼻をくすぐる甘い香りに興味を抱き、嵐吾はぺろりと味見をしてみる。
 柔らかな甘みはしつこくなく、とろりと蜜が口に広がる感覚。ほんのり、香るのは何の花だろう? 今まで味わった事の無いその蜜のお味に。
「こんな、こんなうまいものをなれらは……! わしに隠れて……!」
 ぴんっとふさふさの灰青色尻尾を立てながら。嵐吾が2人に言葉を掛ければ、少女に笑みが返ってきた。――初めてのお楽しみは、この後に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

青和・イチ
甘いぷにぷにと、戯……じゃなくて、退治、すれば良いんだね。
了解。
…なんか、すごい癒し系の予感、だけど…
上に来られると、マズイし。仕方ない、ね。
蜜のお土産も、欲しいし…くろ丸、頑張ろ。
(声を掛ければ、足元に添う相棒の犬(顔コワイ系)が「わふ」と応える)

数が多くて、密集してるなら…【サイキックブラスト】の電流で、纏めて感電してくれたり、しないかな。
動きが止まれば、仲間も攻撃、し易いだろうし。
ちょっと、つついたりとか…してみたい。

って、うわ…やっぱ、すごい癒やし系…
可愛すぎて、良心が痛む、ね…

・他の方との絡み、アドリブ歓迎
・大きな表情変化(特に笑顔)はNGです


稲荷・恋狐
■蜜ぷにさん
蜜ぷにさん達可愛いですねー♪
なのに倒さないといけないのが忍びないです……。
でも……おいしいお菓子作りの為に、おいしいお菓子作りの為に、今だけ恋狐は心を鬼にしますっ!
「蜜ぷにさん達、お覚悟ぷにーっ!」

■戦闘
まずは弱めの桃香春風で桃の花の匂いを周囲に巻きながら蜜ぷにさん達がそれに釣られて【おびき寄せ】られないか試してみますっ!
おびき寄せが出来たら今度は強めの桃香春風による【範囲攻撃】で一網打尽を狙ってみますね!

おびき寄せできなかったら恋狐の方から群れに飛び込んで桃香春風で攻撃しますっ!
「この世は食べるか食べられるか……。諸行無常ですぷにー……」

(アドリブ・他の人との絡み大歓迎ですー♪)




 ぷにぷに。集ってぷにぷにする蜜ぷに達を眺め、青和・イチ(藍色夜灯・f05526)は癒し系だと感じる。戯れ……では無く、退治をすると云うお話。花蜜のお土産も欲しいから、彼はちらりと視線を下にやり。
「くろ丸、頑張ろ」
 足元に寄り添う相棒の犬へ声を掛ければ、彼女は「わふ」と勇ましい顔で返事をする。
 一歩――足を踏み出し蜜ぷにへと近付けばきょとんとした顔を向ける蜜ぷにが。
 じっと藍色の瞳で敵を見据え。両掌から高圧電流を放てば、その電流により蜜ぷに達の動きが止まっていく。
『ぷ、ぷに~』
 ぷるぷると震えれば、そのぷにぷにの身がぷるんと震える。そんな蜜ぷにの様子を見て、ついついイチは指先を伸ばしてみる。
 ぷにんっ。
 魅惑のぷにぷに感。
「って、うわ……やっぱ、すごい癒し系……」
 儚いぷに達は、つついただけでその身が消えてしまうけれど。一瞬指先に感じるぷにぷに感は、忘れられないほど極上のもの。
「可愛すぎて、良心が痛む、ね……」
 表情を変えぬまま、けれど心に満ちるぷにぷにへの幸福感と罪悪感を感じながら。くろ丸に語り掛ければ、彼女はじゃれるように動きの止まった蜜ぷにへとその前脚を伸ばす。
『ぷにゅうー』
 くろ丸の脚の衝撃で、不思議な声を上げながらは消えてしまうほどに蜜ぷには儚い。
 ――けれど、彼等を倒さなければいけないと覚悟を決めなおし。イチは電流を放った。

 ころんっと転がって来た蜜ぷには、稲荷・恋狐(おてんば桃色狐・f06130)の足に当たり動きが止まる。足に伝わるぷにぷにとした感触に、恋狐は桃色の瞳を瞬いた。
 可愛い。可愛いから、倒さなければいけないのが忍びない。
「でも……おいしいお菓子作りの為に、おいしいお菓子作りの為に、今だけ恋狐は心を鬼にしますっ!」
 まるで自分に言い聞かせるかのように、恋狐はそう呟く。頑張る、その意志を更に強くするように大切な扇を持つ手に少し力を強める。
「蜜ぷにさん達、お覚悟ぷにーっ!」
 蜜ぷにに向けその扇を向ければ――扇は無数の桃の花びらに変わっていく。まるで扇に描かれた模様の花びらが、零れ落ちるかのように。
 辺りに舞う花びらと共に、桃花の甘い香りが漂う。花蜜が好きな蜜ぷにが『ぷに?』と反応する。それは、香りに釣られたのか花びらに釣られたのか。
『お花ぷに?』
『おいしい蜜ぷにー』
 ぽよん、ぽよんっ。跳ねながら寄って来る可愛らしい蜜ぷにに、変わらず心が揺らぐけれど――恋狐は覚悟を決め、桃の花びらを蜜ぷに達へと向かい放つ。
 悲しい声を上げ、次々と蜜へと変化していく蜜ぷに達。中には、先ほどイチが動きを止めた蜜ぷにもいる様子。
「この世は食べるか食べられるか……。諸行無常ですぷにー……」
 悲しい声に反応したのか、狐耳をぴこりと動かしながら。恋狐は小さな声で呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビビ・カラット
スズ(f02317)を引っ張って参加
WIZ

人気すぎて見たことないのよ蜜ぷに!
やっぱり蜜もカラフルなのかしら?
お風呂に入れたら甘くてフローラルで素敵じゃない?
その為にもたくさん狩らなくっちゃね!

えーとどこどこ?…あれね!
うわ、ちょっと見てあの透明感!フォルム!
それに、ぷっ、ぷにぷに感!ヤバイわ…!
この子なんかほら凄い素敵なピンク色、わたしと似てない?!
なんて綺麗なの…蜜ぷに…
た、倒さなきゃだめかしら?

ってもたもたしてたらなんか増えてきてる…
と、とりあえず捕まえるだけよ!
慌てて【咎力封じ】を使用するわ

だってまさかそれだけでぷちっといくだなんて…思わないじゃない…
ううっ
袖に入れるのも意味わかんないぃ


コイスル・スズリズム
仲良しのビビ(f00174)ちゃんに連れられて

え~ぷにってそんな可愛いの?
お風呂にいれるのぉ?
すずあんまり甘いお風呂は…

姿を発見すると
その甘そうな見た目に

あっ!確かにかわいらしい!お風呂にいれたい!

似……
ビビちゃんはもう少しかくかくしてる気がする

でもめんどうだから
「似てる似てる。」って相槌をうっておくよ!


すずは
物を隠すUC「That that that」で蜜を収納

地形を情報収集しながら第六感を頼りに
見つけた敵をビビちゃんに伝え
自身に向かってたら
左袖口から取り出す小冊で「武器受」

攻撃はビビちゃんに任せ
たわむれてるのをほほえましく眺め進む

ほらあ!
ぼーっとしてないでさっさと蜜を袖に入れる!仕事やで!




 まだお目に掛かった事の無い蜜ぷにへ、期待の高まるビビ・カラット(煌なるもの・f00174)。とても可愛くカラフルだと噂で聞いて、思わずテンションが高くなる。
 そんな彼女に引きずられるようにやって来たコイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)は、本当なのかとちょっと疑っている。
「やっぱり蜜もカラフルなのかしら? お風呂に入れたら甘くてフローラルで素敵じゃない?」
 そんなコイスルの手を引きながら、ファンシー・ビビッド・ピンクの瞳を輝かせ楽しそうにビビは語る。そんな彼女の反応にあんまり……とコイスルは尻込みするが。
『ぷに?』
「あっ! 確かにかわいらしい! お風呂にいれたい!」
 蜜ぷにの姿を見つけると、コイスルの反応ががらりと変わった。そんな彼女の声を聞いて、ビビはどこだと即反応。指差された先に、密集した蜜ぷにを発見すると。
「うわ、ちょっと見てあの透明感! フォルム!」
 興奮しながらそう語る。ぷにぷにでほんのり透き通った身体、つるっとしたフォルム。なんとも癒し系なその見た目に、ついついビビは凝視してしまう。
『ぷに~♪』
 まるでお散歩をしているかのように、ぽよんと跳ねる蜜ぷにを追いかける2人。様々な色がいるが、ビビが気になったのは勿論自分の瞳をお揃いのピンク色の子。
「凄い素敵なピンク色、わたしと似てない?!」
 横に並んでどう? と尋ねてみれば、コイスルは小首を傾げるが。
「似てる似てる」
 ちょっと棒読みでそう返す。――本当は、クリスタリアンのビビのほうがかくかくしている気がするけど、その後がちょっと面倒だと思ったから。
 コイスルの考えには気付かずに、ビビは少し満足げに笑い足元の蜜ぷにを見る。
「た、倒さなきゃだめかしら?」
 あまりに綺麗で可愛くて、ついビビは武器を握る手を緩めてしまう。そんな彼女の後ろで、長い袖を揺らしながらコイスルは微笑ましく友人の様子を眺めている。
 しばしの葛藤。しかしその間に、次々と足元の蜜ぷに達が増えていく。
 ぽよんと跳ね。仲間と積み重なりじっと見つめてきたり。戦う意志があるのかどうかは分からないが、確かに数だけは増えている。
「と、とりあえず捕まえるだけよ!」
 意を決して武器を構えるビビ。彼女の放った拘束具は真っ直ぐに蜜ぷにへと飛ぶが――その衝撃は、儚い蜜ぷににとっては十分な威力だった。拘束するだけのつもりが、ぷにっという感触の後消えて蜜へと変わってしまう。
「ああ……」
 残念そうに声を上げるビビ。すかさず、コイスルは蜜を自身の左袖の中へと仕舞う。さて次を――そう思いツインテールを揺らしながら顔を上げるが、ビビは固まっている。
「ほらあ! ぼーっとしてないでさっさと蜜を袖に入れる! 仕事やで!」
 痺れを切らし、ついコイスルは大きな声を上げていた。その声にびくっとビビの身体が反応したのが見える。けれど彼女は、ふるふると身体を震わせ。
「だってまさかそれだけでぷちっといくだなんて……思わないじゃない……」
 捕まえるだけのつもりが、あっけなく散っていったのが思った以上にショックだったらしい。けれど仕事、と言われれば仕方が無い。
 蜜を袖に入れる事に意味が分からないと零しつつ、ビビは拘束具で蜜ぷにを倒していく。その蜜を集めつつ、向かってきた蜜ぷにを受け止めるコイスル。
 ――2人の少女は協力し、確かに数多の花蜜を手に入れていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ストーンゴーレム』

POW   :    ゴーレムガード
全身を【硬質化して超防御モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ   :    ゴーレム巨大化
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【岩石】と合体した時に最大の効果を発揮する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●花纏う石像
 無事にぎゅうぎゅうの蜜ぷにを倒し、沢山の蜜を手に入れた猟兵達。
 すぐにでも学園に戻り、お菓子作りを始めたいところだが――行く手を阻む存在が。
 岩で出来た巨大な敵ゴーレムが、まさに猟兵達を襲おうと構えている。
 ――そんな彼の岩の身体には、苔だけでなくいくつか花が咲いている。
 それは先ほど、何体かの蜜ぷにが持っていた花と同じな気がするが。敵は説得も出来ない、無機物の存在。ただ、倒す事だけがこの場を抜ける方法。
ネレム・クロックワーク
あれを倒さなくては、お楽しみの時間には辿り着けないというわけ、ね
それならば、全力でお相手する、わ

愛用の魔導銃を連射モードにチェンジ
【全力魔法】と星属性の【属性攻撃】を【高速詠唱】で魔導銃に装填
連射型の【七星の鍵】をお見舞いしてあげる
煌めく星々の加護を以て、貴方の『時』に鍵をかける

次いで【全力魔法】と雷属性の【属性攻撃】並びに【マヒ攻撃】を【高速詠唱】で魔導銃に装填
雷を纏わせたマヒ付きの連射型魔法弾で追撃を
【七星の鍵】とマヒ攻撃を交互に与え、ゴーレムの『時』に鍵をかけながら確実に生命力を削ぎ落としていく、わ

向こうの攻撃には【見切り】で回避
必要に応じて、他の猟兵さん達の攻撃時には援護射撃も行う、わ


稲荷・恋狐
■ストーンゴーレム
蜜ぷにさん達には申し訳なかったですけど……。この蜜があれば美味しいお菓子が作れますし、あとは帰るだけですね!
って……なんですあれーーー!?

■戦闘
狐火の舞で火で出来た子狐さん達を沢山作ってお仲間さん達の援護をしますっ!
ぴょんぴょん動きながら攻撃させることでゴーレムさんを翻弄出来たらいいのですけど。
もし、ゴーレムさんが凄く守りの体勢になったら(ゴーレムガード使用時)七星七縛符で解除出来ないか試してみますっ!
「ふっふっふー。【呪詛】を織り交ぜた恋狐の護符は結構効くので、お覚悟ぷにーっ!」

(※アドリブや、他の人との絡み大歓迎ですー♪)




 手元に集まった花蜜を見て、稲荷・恋狐はその桃色の瞳に悲しさを宿し。耳と尻尾を少ししゅんとさせながら。蜜ぷにさん達には申し訳なかったと思う。
 けれど、この蜜があれば美味しいお菓子が作れる! その気持ちで心を前向きに正し、帰ろうと思った時に現れたのが、例の巨大なゴーレムだった。
「なんですあれーーー!?」
 びっくりして桃色の尻尾を逆立てながら。けれど、このままでは帰れないと悟った彼女は、扇を構え臨戦態勢に。
「さあ、一緒に頑張りましょー!」
 ぴょんっと跳ねながら恋狐が扇を振れば、生まれるのは18の子狐の姿をした炎。恋狐と一緒にひらひらと敵を翻弄するように戦場を舞い踊れば――敵はその拳を、どこに振り下ろせばいいのか分からず少し困惑した様子。
 くすりと、微かに悪戯っ子を帯びた笑みを浮かべる恋狐。辺りの仲間から注がれる攻撃に、ゴーレムはその身を固めようとするが――辺りに漂う護符を恋狐が放てば、その身を捕縛し護りを解放する。
「ふっふっふー。【呪詛】を織り交ぜた恋狐の護符は結構効くので、お覚悟ぷにーっ!」
 自身ありげに笑む恋狐。微かに体力の消耗を感じながらも、桃色の着物の裾を翻しながら、無防備な敵に更なる追撃を加えていった。

 目の前には拳を振るうゴーレムの姿――彼を倒さなければ、花蜜を味わうお楽しみの時間に辿り着く事は出来ない。
「それならば、全力でお相手する、わ」
 チョコレート色の瞳を伏せ、ネレム・クロックワークはぽつりと呟く。カチリと音を立てながら手元の魔導銃を弄り、銃を構えて口早に詠唱を唱えれば――銃口から放たれるのは七星の連射。
「煌めく星々の加護を以て、貴方の『時』に鍵をかける」
 きらきら煌めくアステリズムが、輝きを纏いながら敵へと命中すれば。星の加護がゴーレムの動きを鈍らせていく。仲間と共に蓄積されていく拘束は、確かに敵を捕らえている。
 星の加護を確認し、微かに口元に笑みを浮かべるネレム。
 けれど間を置かず――彼女は更に、銃口を敵へと向ける。
 銃に込めるは星の力だけではなく、雷の力。素早く口ずさむ詠唱の後、放たれた弾丸が当たる前に――敵の振り下ろした拳をひらりとかわせば、ネレムのミルクティ色の髪がふわりと戦場を舞った。
 次々と放たれる星の弾丸により、確実にゴーレムの動きは封じられていく。
 それはネレムの攻撃にも。そして共に戦う仲間の力にもなる事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビビ・カラット
スズ(f02317)と参加
SPD

うっ、可愛くない…テンション下がるわ…
えぇ〜またわたし囮?!
みるからに硬そうだし痛そうだし下手したらわたし砕けない?!
あんまり保たないからね!

大きすぎて一気には無理ね
一先ずヤバそうな拳だけでも【咎力封じ】で動きを阻害するわ
手枷やロープで雁字搦めにできるといいのだけれど
床を新しく砕かれたら面倒だもの

一応囮になるけれど
封じ損ねて殴られそうになったら無理せず
動かないスズの後ろに隠れるわ
…っていうか残像よね?先にツインテール引っ張って確認しとこ
『危なかった〜、残像とはいえ心が痛いわ』
棒読みすぎかしら

相変わらずスズの魔法は凄いわね
あ、ねえこの花も持っちゃいましょ


コイスル・スズリズム
【WIZ】同行はビビちゃん

あ、かわいくない敵……。
露骨にビビちゃんのテンションが下がってるのがわかる

この後甘いもんが待ってるから
ほら
やる気下げてないで敵の気を惹く!!!

すずは『情報収集』で無機物・特に岩石の位置を確認
同時に範囲攻撃で複数の『残像』作り
ビビちゃん隣におく

以降せっせと『目立たない』『忍び足』で単独行動する
『物を隠す』『高速詠唱』
UCを用いて左側袖口に今度は岩石>無機物優先で収納
こうすることで巨大化させない作戦

しっかり隠せたら
今度はこちらが出す番!
左側袖口から小冊を取り出し
高速詠唱の二回攻撃で全力魔法

防御は『見切り』を活用
小冊で『武器受』

やっぱビビちゃんって、普通に戦ったほうが強いわ




 ――眼前に現れた、苔生した巨大なゴーレム。
 見るからに硬そうなその外見は、つい先ほどまで対峙していた癒しのぷにぷにとは対照的存在だった。そんな敵を見てコイスルとビビは。
「あ、かわいくない敵……」
「テンション下がるわ……」
 口を揃えて、素直な感想を零していた。先ほどとは打って変わって、見るからにテンションの下がっている友人の姿を見て、コイスルはひとつ溜息を零し。
「ほら、やる気下げてないで敵の気を惹く!!!」
 活を入れるように大きな声を掛け、ビビの背中を叩いた。その言葉と刺激に、ビビの身体はびくりと反応する。――また囮なのかと、その瞳が瞬かれた。
「みるからに硬そうだし痛そうだし下手したらわたし砕けない?!」
 クリスタリアンとして気になるところ。けれど甘いものが待っていると言われては、頑張るしかない。敵はとてもやる気満々で拳を振り上げ、まさに下ろそうとしている――そんな拳目掛け、ビビは拘束具を放ち敵の動きを鈍らせた。
 先ほどとは違い、今度はそれだけではゴーレムは倒れない。ロープや手枷を放ち、敵の巨大な身を拘束しようとするビビの横――コイスルは周囲を観察する。
 少しでも、敵の行動を阻害しようと考えた彼女は、周囲にある無機物や岩石を探していく。ビビが敵を惹き付けている間に、敵の力の一部になるであろう物体を回収していく作戦だ。手を隠すほどの袖の中に、素早く仕舞いこんでいく。
 ゴーレムは拘束具を振りほどこうとするかのように身を揺すり、緩やかな動きの後振り下ろされる拳はまっすぐビビへと――迫る拳に、慌てて彼女はコイスルの後ろに。
 小さな目標を変えることは難しい。その拳は真っ直ぐに、コイスルを狙い地面へと叩き込まれる。衝撃に、ゴーレムの手部分の岩がぱらぱらと零れ落ちる音が耳に届く。
「危なかった? 残像とはいえ心が痛いわ」
 棒読みでビビが語るとおり――攻撃を受けたコイスルは、彼女は生み出した残像。
 その間に周囲を整えていたコイスルが、消えゆく残像を確認した後敵へと向き直る。
「今度はこちらが出す番!」
 輝く藍色の瞳で敵を見据え、彼女が数多の魔導書から選んだのは赤い一冊。
「寒いよになるべるが想像するよな華やぐ川渡るその時」
 ぱらりとページを捲りながら、早口で紡がれる呪文。その呪文を唱えるのと同時、振り下ろされる拳が彼女に吸い込まれていくが――敵はなんとか奮闘し、その場に拳を留めさせる。けれど、いくつか岩が欠けている事が見て取れる。
「相変わらずスズの魔法は凄いわね」
 圧倒的な力を持つ友の魔法を見て、素直に感嘆の息と共に言葉をビビは零す。負けていられないと、更なる追撃を与えていく友人に――。
「やっぱビビちゃんって、普通に戦ったほうが強いわ」
 コイスルもまた、そんな事を呟いた。

 パラパラと零れ落ちる岩の破片。
 確実にダメージを与えていると、2人は感じ更なる追撃を放つ。
 友人と一緒ならば、きっと1人よりも強い力を放てるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
あらあら、邪魔なのが出てきたわねぇ。
あたし早く帰ってお料理したいんだけど、どいてくれる?
…なーんて。言って聞いてくれるわけないわよねぇ。

腕か足か、どっちかまず潰したいわねぇ。
〈クイックドロウ〉からの●封殺を〈先制攻撃〉の〈鎧無視攻撃〉で撃ち込むわぁ。
〈スナイパー〉で肘とか膝とかの関節部を狙って〈一斉発射〉。
〈早業〉でリロードからの〈2回攻撃〉を叩き込んだら、その部分くらいは吹っ飛んでくれるかしらねぇ。
コアみたいなとこが分かったらそこに攻撃を収束させるわぁ。

堅い相手はあんまり得意じゃないんだけど。
ピンホールショット10発単位で撃ち込めば、流石に割れるくらいはするでしょぉ?


英・明夜
まともに攻撃を受けると、すっごく危なそうだから。
少し距離を取って、なぎなたで攻撃するね。
ただ、ゴーレムは大きくて、腕も長いでしょ。
懐に飛び込んでいかないといけないなら、巫覡載霊の舞を使って、もっと離れた場所から攻撃するね。
攻撃の衝撃を少し減らせるUCだけど、当たらないのが一番だもん、油断しないで、ちゃーんと
動きを見て、好機を捉える…ように頑張る!

ゴーレムが巨大化しちゃうなら、大きくなったら身動きが取り辛い場所で戦えたら良いのかな?
明夜や猟兵の誰かがそういう場所に追い込めたら、一斉に反撃、したいよねえ。

…お花。
ゴーレムと蜜ぷにさん達、仲良くしてたのかなあ(ちくっと胸痛め、短く合掌)。




「あらあら、邪魔なのが出てきたわねぇ」
 のんびりと、甘い声でティオレンシア・シーディアはゴーレムを見てそう呟く。早く帰ってお料理がしたい、そう呟くけれど――ゴーレムは聞いているのか聞いていないのか。その瞳らしき赤い部分を点滅させたが、拳は決して下ろさない。
「……なーんて。言って聞いてくれるわけないわよねぇ」
 小さく溜息を零しながら、ティオレンシアはそれなら仕方が無いとリボルバーを構えた。細めた瞳で敵を捉えると――放たれた弾丸は、ゴーレムの膝に当たる部分に命中する。
 巨大な敵に打ち込まれる、小さな弾丸。
 けれど硬い身体を打ち抜く力を込めた弾丸は、確かに岩の身を貫いていく。それが一発では無く複数になれば――確かに、ダメージを与える事が出来る。
 その証拠に、一発ならば気付きもしないであろう敵はその身をよじり、振り払おうとするかのような動きをしている。敵の反応を確認し、ティオレンシアは更なる追撃を。
 放ち、リロードし、また放つ――馴れた手付きで繰り返される行為。
 硬い相手はあまり得意ではない。そう零すけれど、数と箇所を見極めれば、それは確かな一撃になる事をティオレンシアは分かっている。
 だから彼女は、笑みを浮かべ。
「ピンホールショット10発単位で撃ち込めば、流石に割れるくらいはするでしょぉ?」
 甘い声で、部位をいくつか崩れさせていく敵に向けそう言い放った。

 繰り広げられる、猟兵達の攻撃を眺めながら――力強いゴーレムの一撃に、まともに受ければ危なそうだと英・明夜は想う。
 薙刀を握り、息を整え。彼女は敵との距離を測った。敵の身体は巨体。長い腕も考えると、リーチは相当のもの。――安全を第一に考えると、一定の距離を置きながら戦うのが良いだろうか。
「当たらないのが一番だもん」
 小さな声で、自分の行動を確認するかのように少女は呟きながら。金色の瞳を左右に動かし、相手との間合いを考えながら彼女は神霊体に変身すると、薙刀から衝撃波を生み出し巨体へと放つ。
 無機物たるゴーレムから声は出ない。
 けれど、その衝撃は鈍い音を響かせ。確かな一撃を与えた手ごたえを感じる。
 共に戦う多くの猟兵達が、敵の動きを止めている為、動きの鈍い巨体を狙うのは難しい事ではない。降り注ぐ攻撃の中、明夜が更なる衝撃波を放てばそれは決定的な一撃になった。
 ――ガラガラと崩れ行く音が迷宮内に響き渡る。

 後に残るのは、詰み上がる岩。
 明夜はかつてゴーレムだったその岩に近付くと、視界に入った白い花を1輪摘み取る。
「ゴーレムと蜜ぷにさん達、仲良くしてたのかなあ」
 それは蜜ぷにが持っていた花と同じもの。ふわりと花をくすぐる香りは、どこか覚えがある気がする――ちくりと胸が痛むのを感じながら、明夜は手を合わせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『手作りお菓子を君に』

POW   :    大きなお菓子作りに挑戦!

SPD   :    お菓子いっぱい作るよ!

WIZ   :    お菓子は見た目が命! 出来映えにも拘るよ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●甘いご褒美
 迷宮内の侵攻を食い止めた猟兵達は、花蜜を手に学園の家庭科室に。
 ホイッパーを持って、何を作ろう?
 クッキー、マフィン、パウンドケーキ。初心者が作りやすい物でも良い。
 少し背伸びをしてスフレやシュークリームも美味しいだろう。
 花の蜜を何に使うのか――。
 それを考えるだけでもワクワクする時間。

 焼きあがるお菓子の薫りが漂う瞬間は、きっと心が満ちるだろうから。
コイスル・スズリズム
ビビちゃんと引き続き
【WIZ】

(この人蜜ぷにのことばっかりいってる)
パンケーキ作り!
袖から先ほどとった蜜をボオルへ
あぁ~ゆらしちゃだめ~~
どうしてもやりたいなら
すずのほっぺにしなさい

細かく!
丸く!
強く!

お菓子作りに慣れた
すずが出来栄えにこだわるため小言をいう。普段となんか逆!

はじめてにしてはよくできてるよ!!

たっぷりつけすぎなくらいの
蜜につけこんで
いただきます~!
おいしくないわけがないね


(花―
ゴーレムとぷに
悪意さえなければ
友達になれたのかもね。でも――)

おいしそうにパンケーキを食べるビビちゃんを見る

学園の笑顔を守るなら、多少の袖は汚さないとね
頬杖をつきながら
そんなことを思いパンケーキを口にした


ビビ・カラット
スズ(f02317)と
WIZ

蜜ぷに…蜜になってもなんだか愛らしいわね
ぷにぷに感を思い出しながら器をつついて揺らし

せっかくだし何にも混ぜずに
パンケーキにかけてそのまま食べましょ
というわけでよくわからないけれど初挑戦
レシピを見る限りは簡単そうね
…卵の割り方はどこかしら?

ううっ全然簡単じゃないじゃない…
スズに指摘されるなんて
仕返しに頬をつっつきながら焼けるのを待と

何とか焼けたわね
ここは蜜もた~っぷりいきましょ!
拾えていたらゴーレムの花も乗せて
きっと華やかなパンケーキになるわ
…まん丸にできたせいか、ちょっと蜜ぷにっぽいけれど

美味しい~!
とろける!
あー幸せ、これは病みつきになるわ
スズ、また行きましょ!




「蜜ぷに……」
 器に移した花蜜を見ながら、ビビ・カラットがぽつりと呟くのを聞いたコイスル・スズリズムは溜息まじり。――蜜ぷにのことばかり言ってると、心で思うだけに止めておく。
 少女の袖からぽたぽたと花蜜が零れれば、ふわりと柔らかい花の香りが広がるのを感じる。その香りが引き金か、ビビはあのぷにぷに感を思い出して蜜の入った器を揺らす。
「あぁ~ゆらしちゃだめ~」
 ぽたり、軌道が反れて花蜜がテーブルの上に落ちるのを見て藍色の瞳をビビへと向ける。どうしても突きたいのならコイスルの頬にしろと。
 ぷにり。1回少女の柔らかな頬を突いてみるビビ。
 それで気分が切り替わったのか、改めてお菓子作りへと向き直る。今日2人が作るのは、シンプルなパンケーキ。蜜を直接、たっぷり掛けて食べたいと語り合っていた。
 初挑戦なビビは真新しいエプロンを身に纏い、手元のレシピ本を見る。書き連ねられているのは、材料と手順。材料は既に揃っているし、あとは混ぜて焼くだけ。
「レシピを見る限りは簡単そうね」
 ふむふむと頷きながら、ビビは卵に手を伸ばしながら――。
「……卵の割り方はどこかしら?」
 片方の手で卵を持ち。片方の手でレシピ本をぱらぱらと捲る。――粉のふるい方やメレンゲの作り方は載っていても、卵の割り方が載っている本はあまり無いだろう。
 友人のその様子を見て、思わず溜息を零すコイスル。
 細かく、丸く、強く。
 コイスルに指摘されながら、慣れない手付きで生地を作るビビ。
「ううっ全然簡単じゃないじゃない……」
 いつもは強がりなビビも、初めての事にちょっぴり弱気。お菓子作りに慣れたコイスルは、出来栄えにこだわりがあるようで色々と呟きながら、普段と逆だと感じる。
 ――そして、苦労はしたければ狐色のパンケーキが焼きあがった。
「何とか焼けたわね」
「はじめてにしてはよくできてるよ!!」
 色々と大変な事はあったけれど、いつも通り強がりな発言を零すビビに向けコイスルは小さな拍手を送りながら絶賛した。
 パンケーキに掛けるのは、たっぷりの花蜜。ふわふわの生地が、しっとりするくらいたっぷりに。先ほど手にした白い花を綺麗に洗って添えれば、丸い形も相まってまるで蜜ぷにのようだとビビは思った。
 いただきます。
 その言葉と共に一口食べれば。
「美味しい~! とろける!」
「おいしくないわけがないね」
 嬉しそうに笑うビビを見て、自信満々にコイスルはそう返した。
 目の前に詰みあがったパンケーキに添えられた花を見ると、先ほどの敵を思い出す。
(「花――ゴーレムとぷに。悪意さえなければ、友達になれたのかもね」)
 ぼんやりと、そんな事をコイスルは考えた。勿論、それは難しい事も分かっている。
 顔を上げれば。目の前には、嬉しそうに初めて作ったお菓子を食べるビビの姿。
「あー幸せ、これは病みつきになるわ。スズ、また行きましょ!」
 強い眼差しを持つ友がそう語れば、コイスルは笑みを浮かべ。
「学園の笑顔を守るなら、多少の袖は汚さないとね」
 頬杖を付きながら言葉を零し――空いた手でフォークを用い、パンケーキを口にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネレム・クロックワーク
この時を、待ち望んでいた、わ
作るのは、パンケーキ
ふんわり花の香る蜜の風味をそのまま活かせるかと思って
この時の為に、星型とハート型のパンケーキリングを用意していたの
ついでに、星型とハート型の型抜きも持って来た、わ
お星様のパンケーキの上にはお星様のバターを、ハート型のパンケーキの上にはハート型のバターを乗せるの

綺麗に焼けると嬉しくなって、つい作業に没頭してしまう
とても楽しい、わ……!

ラナさんの綺麗な瞳の色のような苺とホイップクリームを添えて、蜜をかけて、紅茶を用意したら完成
ラナさん、良かったら、一緒にどうかしら……?
星とハート、どちらがお好み?
上手に出来たと思うの
ラナさんのお口に合ったら嬉しい、わ


泉宮・瑠碧
帰ってきた皆はお疲れ様だ

お菓子作りと聞いて、寄らせて貰った
…料理自体は一応出来るが
まだ他の世界の菓子には馴染みが薄く…学ばせて貰えたらと思う

以前、レシピを調べていて…
れあちーずけーき、というのだが
幾つか材料や機材の名前が分からず…
ラナに教えて貰えると助かる

記述から、ゼラチンとは固める物とは分かるが…
ふやかすとは一体…
チーズは知っているが、クリーム…?
知らない単語で手間を掛けさせるとは思う…申し訳ない

…本当に、自分の世界とは色々と違うというか…
便利な物が多いのだな

最後に柑橘類の香る花蜜のソースを掛けて、完成
味見をして
自分では上手く出来たと思うので…ラナにも食べてみて欲しい
少しは御礼になれば良いが




「この時を、待ち望んでいた、わ」
 そわりと瞳を輝かせて、ネレム・クロックワークは花蜜を手に取る。
 小瓶の中でとろりと揺れる蜜。ふんわりと花の香る蜜の風味を、そのまま活かせるのはパンケーキだと彼女は思った。
 生地を混ぜ、フライパンへ生地を流し込む時――今日の為に用意したと云う、星型とハート型のパンケーキリングの中へと。
 厚めの生地をじっくりと時間を掛けて。ふつふつと表面がいってきたらひっくり返して。表面に綺麗な狐色が見えると、胸に満ちる幸福感。
「とても楽しい、わ……!」
 焦げないように気をつけて――焦らずじっくりと焼き上げれば。あとはトッピング。ここで綺麗に出来るかで、味わいも変わってくるもの。
 満足な出来に仕上がった事を確認し、ネレムは嬉しそうに笑みを浮かべると。丁度、通り掛った少女へと声を掛ける。
「ラナさん、良かったら、一緒にどうかしら……?」
 声を掛けられ、少女は私? と驚きながら瞳を瞬いた。
「ありがとうございます、折角だしご一緒させてもらいますね」
 驚きの後、嬉しそうに笑みを浮かべ。ネレムの用意した席に座れば、そこには可愛らしいパンケーキが白いお皿の上に2つ。
 星型の上には星型の、ハート型にはハートのバターを乗せ。ふわふわのホイップクリームの上には真っ赤な苺と、大事な大事な花蜜が掛けられている。
 香る紅茶と合わされば、それは素敵なティータイム。
「星とハート、どちらがお好み?」
「どちらも可愛いから悩みますね……。えっと、じゃあお星様でも良いですか?」
 こくりと頷き、ネレムは星型のお皿をラナに。自身の前にはハート型を置く。
 頂きます――挨拶をして一欠片口にすれば。花蜜の香りとパンケーキの素朴な味がよく合った味わい。ふわふわのホイップクリームと、苺との愛称も抜群だ。
「んー! すごく美味しいです!」
 大好きな甘い物を食べて、頬に手を当てて嬉しそうに笑うラナを見て。ネレムも嬉しそうに笑う――やっぱり、作った物を美味しいと言って貰える事は嬉しいから。
 そんな嬉しそうに輝く瞳を見て、ネレムは。
「ラナさんの綺麗な瞳の色と、同じ」
 苺を指差しながらそう零せば、ラナは恥ずかしそうに笑いながら。――ネレムさんの瞳と同じ、チョコレートを添えても美味しそうですねと零した。

 戦いを終えて、帰ってきたメンバーにお疲れ様を掛けた後。泉宮・瑠碧(月白・f04280)は改めて、お菓子作りへと向き直る。
 ただ、困った事があるレシピに並ぶ材料や機材を見ても、名前と一致しない。
「ラナに教えて貰えると助かる」
「私でお役に立てるのなら、喜んでお手伝いします」
 だから助けを求めれば、ラナ・スピラエア(苺色の魔法・f06644)は笑顔で応えた。何を作るんですか? と問いかければ、瑠碧は持参したレシピを示す。
「れあちーずけーき、というものだ」
 真白のケーキにブルーベリーソースが添えられた写真を指差す瑠碧。まだ他の世界の菓子に馴染みが薄いので、学ばせて貰いたいと語る彼女にラナは頷きを返した。
「知らない単語で手間を掛けさせるとは思う……申し訳ない」
「誰だって最初は何も知らないですから、当然です」
 少しでも、洋菓子に興味を持って貰えたら嬉しいとラナは語りながら調理台の前へ。
 まずは材料から――。
「記述から、ゼラチンとは固める物とは分かるが……ふやかすとは一体……」
 本を片手に、ゼラチンを片手に。眉を寄せてむむむ、と悩む瑠碧。冷水に入れてふやかすとアドバイスを貰い、恐る恐る手を動かし。クリームチーズはチーズとは別物だと、実物を見てまた驚きを感じる。
「……本当に、自分の世界とは色々と違うというか……便利な物が多いのだな」
 ほう、と感嘆の息を零しながら。見た事も無いものに溢れた料理風景に驚きを隠せない瑠碧。けれどひとつひとつ、意味が分かれば工程自体は難しく無いだろう。
 チーズムースを作り。土台を作り。――最後は、今回のメインである花蜜のソースを掛けて完成。白いケーキにオレンジ色のソースが美しい、見事な出来栄え。
「おお……」
 出来上がったケーキを見て、感動したのか深い青の瞳を輝かせながらじっとケーキを見る瑠碧。恐る恐るフォークをケーキに入れ口に運んでみれば――。
「自分では上手く出来たと思うので……ラナにも食べてみて欲しい」
 ケーキを乗せたお皿を差し出し、ラナにそう語り掛ける。
 嬉しそうに口元を和らげ語る彼女に、頂いても良いのかと問い掛ければ彼女は頷く。
「では、遠慮なく頂きます」
 ぱくり、食べる姿を少し心配そうに瑠碧は見るけれど。
「うん、美味しいです! 滑らかだし、この柑橘の花蜜がさっぱりしていて合いますね」
 笑いながらそう返す少女に、どこか安堵したような息を零した。
 少しは御礼になれば良い――そう瑠碧は願う。
 その願いが叶っているかは、目の前で嬉しそうに笑う少女の姿が物語っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

稲荷・恋狐
■お菓子作り
色々ありましたが……。ついにこの時が来ましたねっ!
蜜ぷにさん達の命を無駄にしないために、この蜜を美味しいお菓子に変えましょー!
今回恋狐はクッキー作りに挑戦してみたいと思いますっ!
たっくさん作る事できそうですし、個別に包装したらお世話になってる人達へのお土産にもなりそうですからねっ!

生地が完成したら型抜きですね!
恋狐は動物さん達の型抜きで……。そうですね。犬さん。猫さん。兎さん。あとは狐も忘れちゃダメですね!
様々な動物さんの型抜きでクッキーを焼いたら味見をして、美味しかったら包装して持ち帰りますっ!
「クッキー喜んでもらえると嬉しいですねー♪」

(アドリブ・他の人との絡み大歓迎ですー♪)


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

さってと。邪魔なのもいなくなったし、〇お料理しましょ。

色々考えたけど、やっぱり王道のケーキにしようかしらぁ。
洋酒やナッツ、ドライフルーツはあたしのお店から持ってくればいいし。
パウンドケーキにジンジャーケーキ、トリークル・プディングに糖蜜パイ。
…最後のはケーキともちょっと違うけど。
色々な味の作ったほうがいいかなーってのは職業病かしらねぇ。

猟兵になってよかったことの一つがレシピのレパートリーがものすごく増えたってことよねぇ。UDCアースとか調べればいくらでも出てくるし。
どんどん作って周りにもおすそ分けするわねぇ。
(食べるのももちろんだがそれ以上に作るのが好きなタイプ)


英・明夜
明夜、ご飯支度はしたこと在るけど、お菓子作りは初めて。
得意な皆に教わったり、初心者で集まって、失敗しないように頑張るね。
…その前に。皆で、ほんの一口ずつ。蜜の味見がしてみたーい!

明夜は、沢山作って、猟兵の皆や、生徒さん達にもお裾分けがしたいんだ。
だって、「美味しい」の笑顔は、皆で分けっこしたいから!

明夜が挑戦するのは、まーぶる模様のぱうんどけーきだよ。
蜜には、色が付いてるのかな?
付いてないなら、じゃむとか、えっと…ここあぱうだーを混ぜるね。

焼き上がって切ってみるまで、どんな模様が出来るか分からないのが、心配だし、ワクワクするよね。
上手く出来るかな。竈(オーブン)の前から離れられないよう…!




「色々ありましたが……。ついにこの時が来ましたねっ!」
 嬉しそうに尻尾を揺らし、稲荷・恋狐はテーブルに並ぶ花蜜を見やる。――蜜ぷにの命を無駄にしない為にも、美味しいお菓子に変えようとやる気満々。
 そんな少女を横目に。小麦粉の大袋を手にしたティオレンシア・シーディアは、材料と作り方を改めて考える。今回彼女が作るのは、王道のケーキ達。
 机に並ぶのは、基本的な材料に加え持参した洋酒やナッツ、ドライフルーツといったちょっぴり大人向けな材料。その材料のラインナップも、様々な味を楽しもうと云う考えも、やはりバーのマスターと云う職業柄か。
 材料を量り、混ぜていく――それは家庭で行うお菓子作りとは違う、プロの手腕。
「猟兵になってよかったことの一つがレシピのレパートリーがものすごく増えたってことよねぇ」
 様々な世界のお菓子を知ることが出来、中には想像以上の情報が手に入る地域もある。それは、まさに猟兵達特有の利点だろう。
 粉をふるい、バターを混ぜ――慣れた手付きのティオレンシアを見て、英・明夜がこそりと近付く。
「明夜、ご飯支度はしたこと在るけど、お菓子作りは初めて」
 だから、教えてもらっても良いかと尋ねれば。
「勿論よ」
 いつも浮かべた笑みから、口元の笑みを強くし。甘い声でティオレンシアが答えれば、明夜はありがとうと嬉しそうに笑う。すると少しお菓子作りが不安だったのだろうか、恋狐も自分も一緒に良いかと問いかければ、ティオレンシア頷きを返した。
「挑戦するのは、まーぶる模様のぱうんどけーき」
 沢山作って、猟兵の皆や生徒にもお裾分けがしたいと明夜は自分の願望を述べる。だって、『美味しい』の笑顔は皆で分け合いたいから。ひとりより皆のほうがより幸せだと感じられるから。――そうしたら、泣いていた人も笑顔になれるかもしれない。
 そんな事を語る明夜に、恋狐は強く頷いた。恋狐も、沢山作ってお世話になっている人達へのお土産にしたいと思っていたから。
 心を込めた甘いお菓子は、きっと誰かを幸せにしてくれる。
「恋狐はクッキー作りに挑戦してみたいと思いますっ!」
 同じく、様々なお菓子を作ろうとしていたティオレンシアは、楽しそうに語る少女に笑いながら頷いた。
 丁度彼女も、ジンジャーケーキの生地作成を終え。パウンドケーキを作ろうとしていたところ。オーブンにジンジャーケーキの生地を入れると、次なる製作の為、恋狐と明夜と共に調理台の前へ。
 お菓子作りに大切なのは、正しい材料と工程。
 恋狐はクッキーの。明夜とティオレンシアはパウンドケーキの材料を次々量り混ぜ合わせていく。ティオレンシアを真ん中にして作業を行えば、随時注意点を教えて貰えるので安心だ。作業を進めていけば、初めてのことに緊張していた明夜も落ち着いてきて。
「蜜では……色は付かないよね?」
 とろりと瓶の中で揺れる花蜜は、蜂蜜と同じような色合いをしていた。マーブル模様を作るには、やはりココアパウダーを混ぜるのが一番簡単だろう。
 でも、蜜の味が気になる――だから、甘味として混ぜる前に少しだけ味見を皆で。様々な蜜を集めたので、1口ずつ食べてみればとろりと口にとろける新たな口どけ。強い甘みのものもあれば、柔らかく上品な味わいも、薔薇の香りが口に広がるものもある。
「おいしい!」
 金の瞳を輝かせる明夜。この蜜を使ったお菓子はとても美味しいものになるだろう。
 その期待が更に大きくなるのを感じながら作業を続行。綺麗なマーブルになるように混ぜ合わせる明夜。洋酒を加えた生地を、手馴れた手付きでパウンド型へと流し込むティオレンシア。伸ばしたクッキー生地を、型抜きしようと用意された型を並べ、どれにしようと恋狐は考える。
「犬さん、猫さん、兎さん。あとは狐も忘れちゃダメですね!」
 自分らしさ溢れる型を並べ、生地を抜いていけば――あとはお互い焼くだけ。
「上手く出来るかな。竈の前から離れられないよう……!」
 扉を閉じたオーブンの中は見えないが、それでも明夜はそわそわとしている。
 出来上がり、切ってみるまでマーブル模様がどうなっているかは分からない。心配だし、ワクワクすると彼女が語れば。同じように、心配そうにする恋狐も頷いた。
 そんな2人の少女を見て、ティオレンシアは楽しそうに笑みを零しながら自分は次なるお菓子の製作へ。――食べるより作る事が好きな彼女は、まだまだ作りたい物があるようだ。

 ――お菓子の焼きあがる甘い香りが漂う。
 ――溢れるお菓子は、きっと多くの人の心を満たすだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キトリ・フローエ
嵐吾(f05366)とウカ(f07517)と

さあ、お待ちかねのおやつの時間よ!
嵐吾がパンケーキを作るって言うから
あたしは何をしようかしら?(そわそわ)
何か作ろうかなって思ったけれど
ウカは…ぷにちゃんロス状態になってるわね…
かと言って、あたし一人じゃやっぱり時間がかかっちゃうし…
わ、ふわふわ…!
えっ、あたしがパンケーキのデコレーションしていいの?
わかった、任せて!

色とりどりのフルーツを見栄え良く綺麗な感じに散りばめて
たっぷりのホイップクリームを添えたら
チョコレートはお任せがいいかしら?
このふわふわ感、まずはバターとたっぷりの花蜜で味わいたいわ!

甘くてふわふわ!今日もいっぱい、ごちそうさまでした!


終夜・嵐吾
キトリ(f02354)とウカ(f07517)と

この蜜を味わうなら、パンケーキかの。
ふわっふわのじゃろな、やっぱり。
メレンゲがしょがしょして作るパンケーキ。
焼く時には丸い型を使って……ほれ、できたぞい!
厚みのあるパンケーキ。

ふふ、そしてわしはぬかりない…
ちゃんとホイップクリームも用意しておいたんじゃ。
パンケーキにもちょっと加えてあるんよ。
デコレーションしてできあがりじゃが、わしこういうセンスないからの。
キトリたのむ。
果物はいちごーばななー、ちょこもいるかの?
蜜ぷにのぷにとはちがうが、ふわっと感もまたよかろうて。


華切・ウカ
キトリちゃんと(f02354)と嵐吾さん(f05366)と

うう、ぷにちゃん……今日もまたこの、背徳タイム…
はぁ、ぷにぷに、でした……ぶにちゃ、ぷに……ぷに……そして相変わらずの美味……
どうしてこんなにおいしいの?
ぷにちゃん罪深い……

……なんだかいいにおいが。
わ、ふわふわパンケーキ!
デコレーションはキトリちゃんが?
すごいです! わわ、おいしそう……

それにぷにちゃんの蜜…!
はああああじゅわっとしみこんでいく…
この光景さえウカには、ウカには…!くぅぅ…!
遠慮なくいただきます!



 お待ちかねのおやつの時間。小さな身体にやる気を満たし、キトリはヘラを持つ。
 けれど――普段はお姉さんな彼女だが、今日は嵐吾がいる。彼がいれば、お菓子作りは任せてしまっても問題ないし、絶対に美味しいものが出来ると確信している。
「この蜜を味わうなら、パンケーキかの」
 とろりと揺れる花蜜を見ながら、考える嵐吾の言葉にキトリが頷けば。彼は慣れた手付きで準備を整えていく。パンケーキでも、一手間加えたメレンゲを使ったふわふわでとろける物が目標。
「あたしは何をしようかしら?」
 任せてばかりでは落ち着かない――どうしようかとテーブルの材料を眺めた後、視線を移すと見るからに落ち込んでいるウカの姿が。
「うう、ぷにちゃん……今日もまたこの、背徳タイム……」
 可愛らしい姿から変わってしまった蜜を眺め。深い深い溜息を零す。
「ぷにぷに、でした……ぶにちゃ、ぷに……ぷに……そして相変わらずの美味……」
 金の瞳を潤ませながら、花蜜を口にすれば更なる悲しみが沸き起こる。どうしてこんなにおいしいのか――可愛いのに美味しい、それはとても罪深い。
 ウカがぷにちゃんロスになって戦力外なのは、もういつもの事なのでキトリは気にしない。そっとしておいたほうが良いと判断し、羽を羽ばたかせながら考える。――小さな彼女ひとりでは、どうしても何か作るにも時間が掛かってしまう。
「……ほれ、できたぞい!」
「わ、ふわふわ……!」
 もふもふの灰青色の尻尾をご機嫌に揺らし、お皿をキトリに見せる嵐吾。少しくたっとしたパンケーキは、とろけるような柔らかさの証だ。アイオライトの瞳を輝かせ、キトリが感嘆の声を零せば嵐吾は嬉しそうに笑った。お菓子作りは勿論得意だけれど、やはり喜んでくれる相手がいる事が嬉しいから。
 自信作であるふわふわパンケーキに合うのは勿論――。
「ふふ、そしてわしはぬかりない……ちゃんとホイップクリームも用意しておいたんじゃ」
 メレンゲだけでなく、生クリームも泡立てて用意済みなのを見せどやっ、としてみる嵐吾。隠し味的に、パンケーキにも生クリームを加えてあると明かしつつ後は飾るだけだが。
「わしこういうセンスないからの。キトリたのむ」
「えっ、あたしがパンケーキのデコレーションしていいの? わかった、任せて!」
 名前を呼ばれ、一瞬キトリは驚くけれど。任命された事に嬉しそうに笑い、腕まくりをしやる気を見せる。
 苺にバナナ、チョコ――用意された材料を見て少しキトリは考える。美味しさは見た目も大切なので、これは重要任務だ。
 生地の上にまず散らばめるのは、色とりどりのフルーツ。ふわふわのホイップクリームをたっぷり添えれば、ふわふわの生地と合わさり見るからにとろけそう。
 自身とさほど変わらぬサイズのパンケーキをデコレーションするのは、巨大アートを手掛けているかのよう。――一生懸命パンケーキに向かうキトリに、嵐吾は次に焼き上がった生地を渡す。その工程を繰り返していると。
「……なんだかいいにおいが」
 すん、鼻をくすぐる甘い香りにウカが現実へと帰ってくると、目の前に並ぶのは可愛らしく飾られたふわふわパンケーキ。
「デコレーションはキトリちゃんが? すごいです! わわ、おいしそう……」
 金色の瞳を輝かせ、テーブルに並ぶ3つのパンケーキを前に大興奮。
「チョコレートはお任せね!」
 嬉しそうな友人に褒められて、少しくすぐったいけれど嬉しそうに声を弾ませキトリは最後の仕上げを各個人に委ねた。チョコレートソース、カラフルなチョコスプレー、何を最後に乗せるかで、また違ったパンケーキになるだろう。
 フォークとナイフをセッティングし、早速食べようと。ナイフで表面に触れてみれば、とろけるふわふわ感に嬉しそうに笑む女性陣に、嵐吾は満足そう。
 これなら――バターとたっぷりの花蜜を、とキトリが蜜を垂らせば。
「はああああじゅわっとしみこんでいく……」
 その光景を見て、ウカははわわわと大興奮。この光景さえ、蜜ぷにに心酔しているウカには辛いけれど――最後に花蜜菓子を味わうのも、大切な事だから。
「遠慮なくいただきます!」
 ほんのり涙を浮かべながら、フォークとナイフを手にするウカ。蜜たっぷりのふわふわパンケーキは、今日も背徳的な美味しさなことだろう。
「蜜ぷにのぷにとはちがうが、ふわっと感もまたよかろうて」
 罪深い……小さく呟くウカにゆるりと笑いながら、嵐吾が零せばこくりと頷きが返って来た。それぞれが手を加えたパンケーキは、とろけるようですぐに無くなってしまう。
「甘くてふわふわ! 今日もいっぱい、ごちそうさまでした!」
 ――最後に響くのは、幸せいっぱいの声。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

青和・イチ
しまった…のんびりしてたら、ボス倒れてた…
猟兵のみんな、凄い
(「わふ…」と申し訳なさそうに鳴くくろ丸

お陰で無事帰れたし…お菓子作ろ
目標は、シュークリーム

【SPD】
一緒に食べたい子が、いるので…頑張る
ちゃんと、くろ丸にもあげるから…沢山作るね

お菓子作りには定評がある
…方向性がおかしい、という意味で
(シュークリームにキュウリを飾ったり、パンケーキ地にたらこを混ぜたりするセンス

大丈夫、今日の僕には強い味方(お菓子の本)がいる
これさえあれば…
……
……すいません、どなたか、この意味を…
(絡み可の方が居れば助力お願いしたいです

(何とか完成
生クリームに、花蜜掛けたら…可愛くて、美味しそう
喜んでくれるといいな




 猟兵のみんな、凄い――敵を倒し、無事帰還出来た事に青和・イチは、そう心に想う。 気を取り直し、お菓子作りへと向き直る。今日の目標はシュークリーム。
 一緒に食べたい人がいるから、頑張ろう。小さく手を握りながら、沢山お菓子を作ろうと考えるイチ。そんな彼はお菓子作りには定評があるようだ。――それは方向性がおかしい、という意味で。
「大丈夫、今日の僕には強い味方がいる」
 そんな彼の手元にあるのは、お菓子作りの本。初心者向けの分かりやすい物のようだ。
「これさえあれば……」
 ぱらり――ページを捲りシュークリームの作り方を見る。これさえあれば、独特なセンスを持つイチでもきっと大丈夫。そう、たとえシュークリームにキュウリを飾ったり、パンケーキ生地にたらこを混ぜたりする彼でも。
「……」
 材料、作り方の手順、気をつけるポイントなど。細かな点まで書いてあるその本の内容を、イチは凝視するが。眉を寄せながら、小首を傾げている。
「…………すいません、どなたか、この意味を……」
 どれだけ考えても理解出来なかったのか。周囲の人へと尋ねれば、お菓子作りに詳しい人からアドバイスを貰える。ひとつひとつ、質問を交えながら丁寧に。
 温度に気をつけなければ、折角のシューが潰れてしまうというのが一番大事だろうか。材料の温度を確認しながら、一生懸命材料を混ぜ、形を作りオーブンへと入れる。
 ――まだぎこちない動きだけれど、アドバイスを貰ったからか無事に出来上がったのを確認して、イチは少し嬉しそうに纏う空気を和らげる。
「生クリームに、花蜜を掛けたら……可愛くて、美味しそう」
 ふんわりと香る、花の香りを楽しむ事も出来るだろう。――喜んでくれるといいな。零す言葉に期待を込めて。シュークリームを見つめるイチの表情は変わらないが、どこかその眼差しは優しく感じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

都槻・綾
料理も家事も普段は世話人任せ
基本手順も知らぬ初心者

ラナさんに教わりつつの和菓子作り
蜜香に惹かれ興が乗っての挑戦

段取りも要領も得ないけれど
創作に没頭する時間は始終楽しく、愛おしい

口の端には
内緒で味見した花蜜

…おや
見つかってしまいました?

悪戯っぽく浮かべる笑み

蜜を織り込んで
淡く食紅に染めた白餡を
掌でころり丸めた三つの玉
其々、木棒で切り込みを入れる

細工の腕だけは繊細で確か
蕾が八重にと開いて行く

其は春を想う
『梅』『桜』『牡丹』の練り切り

手解きして下さったラナさんへ桜を
感謝の贈り物

梅はいつも世話になっている縫へ
牡丹は自身への土産物

※詳細動作お任せ
優雅な物腰
微笑みを絶やさぬ穏やかな雰囲気ながら
茶目っ気あり


曙・聖
花蜜はどのお菓子に使っても、よく映えそうですよね。
考えるだけで、お腹が空いてきてしまいます。
今から、お菓子の仕上がりが楽しみです。

【WIZ】
見た目にも拘ったパンケーを作ってみましょうか。
材料を均一になるように混ぜて…あ、花蜜もこっそり入れて見ましょうか。
そして、焼きムラや焦けがでないように慎重に、フライパンで焼いきます。
焼いた数枚をお皿に重ねて、デコレーションしましょう。
配置に気をつけながらエディブル・フラワーとフルーツをのせて、最後に花蜜を垂らしましょうか。

花蜜で作ったお菓子は美味しいと評判のようですが、どのような味なのでしょうか?
しかし、気合いを入れ過ぎましたね。食べるのが勿体ないような…




 料理含め、家事はいつも他人任せ。
 何も分からないけれど、今日は挑戦してみようと都槻・綾(夜宵の森・f01786)は想ったようだ。きっかけは、花含む蜜の香り。
 ――けれど、慣れない事は何から手を付けたら良いかも分からない。だから彼は、通りがかったラナへと助けを求めた。
「私で、分かる範囲で良ければ」
 和菓子はあんまり詳しくないと語る少女に、自分よりは出来るだろうからと彼が零せば。それならば、と彼女は頷いた。
 砂糖の変わりに花蜜を織り込んだ白餡。淡い食紅で色を付けた後、小さな丸が3つ。最初は慣れない様子が伺える動作だったが、要領を掴むのが上手いのかすぐにコツを掴む綾。
 思わず創作に没頭し、黙々と手を動かせば――1つ1つ違う花、春を祝福する梅と桜と牡丹の花が咲いた。
 完成した3種類を眺め、どこか満足そうに笑むと。綾はそのうちの1つを、ラナへと差し出す。
「こちらを、感謝の贈り物です」
「ふふ、ありがとうございます」
 掌にころん、と収まる小さな芸術品。最初に詳しく無いと言った通り、どこか物珍しそうに桜の練り切りを眺めるラナ。
 そんな彼女に柔らかな笑みを返しつつ――綾は他の2つを大切そうに包む。
 梅は、いつもお世話になっている人への贈り物。
 牡丹は、自身へのお土産に。
 持ち帰ることで、今日この日の記憶を残したり、誰かに分け与える事も出来るだろう。

 花蜜は、どのお菓子に使っても映えそうだと、曙・聖(面影草・f02659)は心に想う。ふんわりと花香る蜜は、普通のお菓子とは違った味わいになるだろう。
 蜜の入った瓶の蓋を開けると、聖の鼻をくすぐるのはスミレの香り。自然を感じるその香りに、思わず彼は口元に笑みを浮かべると――同時に、空腹感を感じお腹を押さえる。
「今から、お菓子の仕上がりが楽しみです」
 ふわりと笑みながら、ボールと小麦粉を手にする。彼が作ろうと思ったのはパンケーキ。材料を順番通りに入れ、徐々にお菓子の香りが強くなれば心が満ちる。
 一般的な、普通の工程を進めているけれど――何か、足りない気がする。
「……あ、花蜜もこっそり入れて見ましょうか」
 今日は蜜ぷに退治後だから出来る、花蜜を使ったお菓子を作ってこそ。だから聖は、優しいスミレの香りがする花蜜を、混ぜ合わせた生地の中にとろりと零していく。
 後は温めたフライパンを一度冷まし、生地を焼いていくだけ。焼きムラや焦げが出ないよう慎重に。表面の様子と、時間と――穏やかな笑みを浮かべているけれど、タイミングを逃すまいと注意をして彼は生地を焼いていく。
 1枚、2枚、3枚――。美しい狐色に焼き上がった生地を重ねれば、それはパンケーキの塔。色とりどりのフルーツを乗せ、エディブル・フラワー……ビオラの花を、添える。
 最後に、彼が手にしたのは先ほどの小瓶。たっぷりと蜜の入った瓶を傾ければ、美しいパンケーキの上に花蜜がとろりと掛かり、その聖の瞳によく似た琥珀色は美しく輝く。
 テーブルに乗る聖が作ったパンケーキは、まるで喫茶店に並ぶ物のように華やかで美しい。満足の出来に嬉しそうに笑むけれど。
「しかし、気合いを入れ過ぎましたね。食べるのが勿体ないような……」
 口元に手を当て、そんな本音をぽつりと呟いた。
 ――けれど、花蜜を味わうならやっぱり温かいうちに。
 ――ふんわり、仄かにスミレの薫りがするパンケーキを。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日


挿絵イラスト