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絆ふらっふぃ

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●絆ふらっふぃ
 もふもふ。そこはもふもふの楽園。
 竹の連なる道を行き、ぽっかり開けた場所は――もふもふなものたちの憩いの場所。
 管狐や猫又、化け狸にもふんとしたまぁるい鳥など、いろいろなものたちが気ままに過ごしていた。
 そして――彼らと縁を望む妖怪たちがここに訪れる。もちろん、彼らと遊ぶのが目的で訪れる妖怪たちもいる。
 楽しいね、ときゃっきゃと声響く憩いの場――そのはずだったのに。
 突然、すべての『声』が消え去った。
 妖怪たちは自分の喉を抑えたり、互いに驚いて目をみはったり。
 喋れない『沈黙の世界』が訪れる。
 そして現れた骸魂たちは妖怪たちを飲み込んで――その姿を変えていく。今まで共に遊んでいた妖怪たちの姿がかわり、ひゃっともふもふなもの達は近くの茂みなどへと隠れていく。
 妖怪たちももふもふな姿になってしまったけれど――オブリビオンとなってしまったのだ。
 そして、その様を見詰めるのはひとりのオブリビオン。
 大丈夫、言葉などなくとも――絆は育めますと。
 滅びゆく世界の中で、ただ彼女は微笑んでいた。

●予知
 カクリヨファンタズムへと向かってくれんか、と終夜・嵐吾(灰青・f05366)は紡ぐ。
 そこでは今、終わりが始まっているのだと言って。
「幽世から『声』が消えてしまったんじゃ」
 そして訪れたのは『沈黙の世界』――そして、世界の終わり。
 妖怪たちは骸魂に飲み込まれオブリビオンとなっていく。
 この様を見過ごしておくことはできまいよと嵐吾は言う。
 まずは導く場所にてオブリビオンとなった妖怪たちを助け、そしてこの件を引き起こした者を倒してほしいのだと、続けた。
「そこにおるオブリビオンは可愛らしい茶色わんこの姿をした骸魂なんじゃよね」
 誰かを探し彷徨い続けている――その心の行先を定めてやることができれば、きっと難なく囚われた妖怪たちを助ける事ができるはずと嵐吾は言う。
 その方法はきっと様々だろうと。
「妖怪たちを助けることができたならこの件を引き起こした者もあらわれるじゃろう」
 それを倒し、妖怪を救えば世界は元通りになるだろう。
 けれど――今、世界は『声』が失われている。それはそこに訪れた猟兵も同じようになるだろう。
 戦いの場では声で意思疎通をすることはできない。けれどきっと戦いようはいくらでもあるだろう。
「それから、わしが送る場所はふわっふわでもっふもふなものたちの憩いの場所なんじゃ」
 今、骸魂がさまよいそのふわもふの者たちは隠れている。すべてが終わった後、もう大丈夫だとその者たちが思えるよう、彼らと遊んでくると良いと嵐吾は紡ぐ。
 もしかしたら、そこで新たな縁を紡ぐこともできようと言って、己の尾を揺らしながら。
 そしてでは頼む、と手の内のグリモアを輝かせ猟兵たちをその場所へと送るのだった。


志羽
 お目通しありがとうございます、志羽です。
 プレイング締め切り、受付方法などはお手数ですがマスターページの【簡易連絡】をご確認ください。

●シナリオについて
 第一章:集団戦『茶まろわんこ』
 第二章:ボス戦『???』
 第三章:日常『もふもふパラダイス』
 以上の流れとなっております。

 一章、二章と『声』が失われております。
 声での会話はできませんので、そのように描写されます。

●三章について
 こちらは問題ないプレイングはすべて採用します。
 お遊びタイムです。
 ふわふわでもふもふな子たちと遊べたり、新たな絆を紡いだり、といった事ができます。
 詳細は追加される冒頭をご覧ください。
 またお声掛けがあれば嵐吾もご一緒できますが基本的にはいません。

●お願い
 複数人数でのご参加の場合は、ご一緒する方がわかるように互いに【ID】は【チームタグ】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。(続けて二章、三章参加の場合、IDについては必要ありません)
 ご協力よろしくお願いします。

 以上です。
 ご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『茶まろわんこ』

POW   :    スペシャルわんこアタック!
単純で重い【渾身の体当たり】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    おいかけっこする?
【此方に近寄って来る】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    もちもちボディのゆうわく
全身を【思わず撫でたくなるもちもちボデイ】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 茶まろわんこが――じぃと見つめてくる。きらきら輝く瞳で。
 わふ、と鳴いたのだろうが――それは音にはならない。おかしいなと首を傾げたものの気にも留めず。
 けれど――現れたもの達を遊び相手と定めたか。
 それとも嘗て共に遊んだ、友に過ごした『誰か』だと思ったのか。
 尾を振って、茶まろわんこは誘いをかける。一緒に遊ぼう、というように。
ベイメリア・ミハイロフ
あああ…なんとおかわいらしい…!
しかし、しかしながら
この中には本当のお姿をされた妖怪さんが
閉じ込められているのでございますよね
お倒し申し上げ、お救いしなくては…!
ああ…でも、本当におかわいらしい…

まずは第六感にてお相手の動きを見切り
屈み手を叩いておいでおいでの姿勢で構え
もちもちボディをひたすらお撫でしたく存じます
重い攻撃には、激痛耐性を活用して
必要であればオーラ防御を
なでこなでこしつつ、抱きしめながら
至近距離からのRed typhoonを使用

あああ…申し訳ございません…
ところで、やはりと申しますか
声が聞こえませんね
こちらの声も、でございますけれど
わんこさんのお声も聞きとうございました

※共闘歓迎



 きゅるるんとした瞳に見上げられ――ベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)はふるふる、震えていた。
(「あああ……なんとおかわいらしい……!」)
 あそぼ、と僅かに首を傾げて見上げてくる茶まろわんこ。
 そっと手を伸ばそうとして――ベイメリアは引っ込める。
 撫でて撫でてと見上げてくるもふもふ茶まとわんこ。
 もふもふふわふわ――ベイメリアの心はその幸せに震えていた。
(「しかし、しかしながら、この中には本当のお姿をされた妖怪さんが、閉じ込められているのでございますよね」)
 なでなでなで、もふもふもふ。
 お倒し申し上げ、お救いしなくては……!
 けれどけれど、とその心話すべきことはわかっているのだけれどももふもふふわふわ、嬉しそうに尻尾を振り見上げるきゅーとな視線。
(「ああ……でも、本当におかわいらしい……」)
 茶まろわんこは、ベイメリアをロックオンしていた。
 遊んでくれる――と。
 そしてベイメリアは屈み、手を叩いておいでおいでと様子伺う。
 すると、ぱっと嬉しそうな顔をして茶まろわんこは飛び込んできた。
 もふもふもちもちボディの誘惑――なでなでなでなで。
 ベイメリアの手は茶まろわんこの身体をなでこなでこ。
 茶まろわんこもそれが嬉しいのか大人しく動かずされるがまま。
 もふもふもふもふ、その感触をなでなでしながら抱きしめて――ふわり、深紅の薔薇の花弁が舞い踊る。
 そのひとひらに茶まろわんこの視線は奪われて――そして巻き上がる中で茶まろわんこの姿は消えていった。
(「あああ……申し訳ございません……」)
 茶まろわんことしていた骸魂は飲み込んでいた妖怪を解放して消えていく。
 そしてその妖怪はまた、ふわもふなわんこだったのだ。もふもふ……! と少しだけ撫でて、ベイメリアは安全な場所にそっと避難させる。
 そしてベイメリアは、自分の喉を抑えて。
(「やはりと申しますか、声が聞こえませんね」)
 それはこちらの声も、であるけれどほかの皆もだ。
 叶うならば――わふん、と。
 わんこさんのお声も聞きとうございましたとベイメリアは茶まろわんこを見送る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高邨・伊毬
【姫と忍】
成ちゃんと、頑張りますぅ!

わぁ…!
かわいいかわいい真ん丸子犬ですぅ。
獅子王ちゃんより真ん丸ですぅ。

あ…!
獅子王ちゃんは、獅子王ちゃんで、とってもとってもかわいいですけどぉ…うぅ。

こんなにかわいらしい子が骸魂に食べられちゃった子なんですぅ?

成ちゃん。
この子…倒したら、元の子に戻るでしょうかぁ?

とっても遊んで欲しそうですけどぉ…
伊毬も心を鬼にしますぅ!

【指定UC使用】
この子の動きは単純明快!
まっすぐ行って、吹っ飛ばす!ですぅ!
直進してきたらカウンターのちゃんす!
伊毬が囮になりますから、成ちゃんお願い!なのですぅ!

※成ちゃんとは小さい頃から一緒です!
あいこんたくとと身振り手振りで伝えますぅ


飛雲・風成
【姫と忍】
伊毬さんと此処迄やって来ましたが…
声を封じられていると厄介な事もある物ですね。
俺は兎も角、伊毬さんは大変そうです。
(必死の身振り手振りを読み解きながら)

…伊毬さん、そんな事を言っていると貴方の獅子王が泣きますよ?
(此方も身振り手振りで返す)

俺も動物は嫌いじゃないですが、之も仕事。
…若干伊毬さんが悲しげですが…
後で甘い物の差し入れと獅子王との散歩を提案してみましょう。

伊毬さんを囮に使うのは俺としては得策では無いですが…傷付けない様に必ず守りますよ。

【指定UC使用】
伊毬さんが作ってくれた時間を無駄にはしない。
背丈を超える巨大手裏剣で攻撃。
衝撃からも守れる様、直前で伊毬さんの前に立ちます。



 わぁ……! と、声が出ていたならきっと零れていた。
 飛雲・風成(化身忍者のグールドライバー・f17723)はひとつ、ため息ついた。
(「声を封じられていると厄介な事もある物ですね」)
 僕は兎も角、と風成が視線向けた先、高邨・伊毬(戦巫女の精霊術士・f17718)は茶まろわんこの姿を見てぱっと笑顔を浮かべていた。
(「かわいいかわいい真ん丸子犬ですぅ。獅子王ちゃんより真ん丸ですぅ」)
 きゅるるんとした瞳でちょっと小首傾げて。尻尾をぱたぱた降る。その姿をかわいいと言わずなんというのか。
 身振り手振り、想いを伝えてくる伊毬。
 そして真ん丸もふもふな姿に心揺れる――しかし、その心で獅子王が、豆柴わんこが一声鳴いた。
 そして風成も。
(「……伊毬さん、そんな事を言っていると貴方の獅子王が泣きますよ?」)
(「あ……! 獅子王ちゃんは、獅子王ちゃんで、とってもとってもかわいいですけどぉ……うぅ」)
 だって、こんなにかわいらしい。
 しかしこんなにかわいらしい子がどうしてと思うのだ。
(「こんなにかわいらしい子が骸魂に食べられちゃった子なんですぅ?」)
 尻尾をふりふり、遊んで遊んでと期待満ちた視線を浮かべる茶まろわんこ。
 伊毬は成ちゃん、と風成へと視線向ける。
(「この子……倒したら、元の子に戻るでしょうかぁ?」)
 その問いかけにこくりと風成は頷いた。風成も動物は嫌いではない。
(「之も仕事。……若干伊毬さんが悲しげですが……」)
 後で甘い物の差し入れと獅子王との散歩を提案してみましょうと風成は思う。
 そして伊毬の心も定まっていた。
(「とっても遊んで欲しそうですけどぉ……伊毬も心を鬼にしますぅ!」)
 そして茶まろわんこと向き合うと、その子も伊毬へときりっとした視線向ける。尻尾を振りながら。
 茶まろわんこはしゅたしゅたと動き、伊毬の周囲を巡る。
 くるくる周囲を回る動きは惑わせているようにみえて単純なものだ。
(「まっすぐ行って、吹っ飛ばす! ですぅ!」)
 そしてちら、と伊毬は風成へと視線向けて。
(「伊毬が囮になりますから、成ちゃんお願い! なのですぅ!」)
 直進してきたらカウンターのちゃんす! と伊毬の言いたいことを風成はちゃんと理解していた。
(「伊毬さんを囮に使うのは俺としては得策では無いですが……傷付けない様に必ず守りますよ」)
 風成はその動向を見守る。
 たたっと走ってきた茶まろわんこ。その弱点はもう見切っていた。
 単純明快――それを見てかわして。守護明神が伊毬の傍に現れ茶まろわんこの動きを封じた。
 その時間は僅かなものだ――けれど、風成はその時間を決して無駄にはしない。
 背丈を超える巨大手裏剣を風成は放つ。
 この後、攻撃をかけてきても守れるように風成は伊毬の前に立っていた。
 その手裏剣の刃は茶まろわんこをとなっていた骸魂を削って消していく。
 茶まろわんこの姿が消えていくのを、伊毬は少し残念そうに見つめていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オズ・ケストナー
セト(f16751)と

わあ、かわいい
言ったつもりが音にならなくて
そういえばと

セトと顔見合わせて
わんこをしめして笑顔で頷きあう
あそぼうっ

ガジェットショータイム
じゃーん、フリスビーだよ
きっと好きだよね
身振り手振りでセトに
伝わったら笑顔でこくこく頷く

それじゃあなげるよっ
おおぶりで、えーいっ
キャッチしたら拍手
あっ、これはきこえる
褒める声の代わりにいっぱいいっぱい撫でて
セトもなげるのじょうずだもの
この拍手はセトのぶんっ

セトとわんこが走り出したらいっしょに
すごい、はやいっ
笑い声は聞こえないけど、顔を見ればわかる
たのしいねっ

最後はもふもふ撫でて抱きしめて
生命力吸収
いつか、あいたいひとにあえますように
おやすみ


セト・ボールドウィン
オズ(f01136)と

いぬだ!
オズ、いぬがいっぱい…あれ?
そっか、声が出せないんだっけ

オズの方を見る
その視線を追いかけて、頷く
りょーかい、遊ぼう!

あっ。これ投げるやつだよね
オズから受け取ったフリスビーを、軽く叩いて音を出す
いぬ達に聞こえるように
これで遊ぼうって伝わるように

それじゃ俺も!
いぬ達がいい感じに取れる速さ・高さを考えて
楽しく遊べるように少しずつ調整して
よしよし、上手
褒めるのは大きな音の拍手と撫で回しで

追いかけっこする?
んじゃ、へとへとになるまで走るか!

並んでいぬ達を追いかけながら、オズの顔を見る
そうだな。すげー楽しい!

最後は、いぬ達を楽しかったなってぎゅってして
痛くないよう弓柄でぺちん



 わあ、かわいい――と、言ったつもりが音にならなくて、そういえばとオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)はセト・ボールドウィン(木洩れ陽の下で・f16751)へと視線向けた。
 セトもいぬだ! と。
 オズにいっぱいいる、と言おうとして言葉になってない事に気づく。
(「そっか、声が出せないんだっけ」)
 キトンブルーの瞳と、緑の瞳がぴたりとあう。
 オズの視線はそこから茶まろわんこの方へ。それをセトの視線も追いかけて、こくりと頷いた。
 するとオズはぱっと笑顔浮かべて。
 あそぼうっ。
 りょーかい、遊ぼう!
 二人の気持ちはひとつだ。
 オズはふふと笑い零してその手にあるものを生み出した。
 まぁるい円盤、それは。
(「じゃーん、フリスビーだよ」)
(「あっ。これ投げるやつだよね」)
 きっと好きだよね、とセトに身振り手振りで遊び方を。伝われば、笑顔と一緒にこくこく頷く。
 セトはそのフリスビーを軽くたたいて音を出して茶まろわんこたちの気を引いた。
 すると茶まろわんこたちがそれは……! と瞳輝かせ、尻尾ふりふりしながら近づいてきた。
 そして頭を落としお尻を上げて、はやくはやくとしゅたしゅた動いている。
 それじゃあなげるよっ、とフリスビーを戦く掲げて。
(「おおぶりで、えーいっ」)
 しゅーんと投げられたフリスビーをもふもふたちがたたーと追いかける。その中から抜け出た一体が華麗に跳躍してきゃっち。
 すごいっ、とオズは拍手を送る。
(「あっ、これはきこえる」)
 そしてフリスビーを誇らしげにくわえて戻ってきた茶まろわんこをオズは褒める声の代わりにいっぱいいっぱい撫でた。
 その様子に、それじゃ俺も! とセトもフリスビーをしゅっと。
 いい感じに取れる速さ、高さを考えて。
 ちょっと高くあがったと思ったけれど上手に茶まろわんこがきゃっち。
 すると隣から拍手。それはオズからのだ。
 セトもなげるのじょうず、と笑み浮かべて。
(「この拍手はセトのぶんっ」)
 セトは瞬いて、でもその拍手も嬉しい。そして一緒に茶まろわんこへ拍手送れば、茶まろわんこはたたーと戻ってきて撫でて撫でてと尻尾ふりふり。
(「よしよし、上手」)
 わしわしと撫でれば、もう一回! なのだろう。
 それにほかの茶まろわんこたちもうずうずしている。 セトとオズは笑って、茶まろわんこたちのために何度もフリスビーを。
 それを何度もして――ふと、くいくいとセトの服の端を引っ張る感触。
 一体の茶まろわんこが気づいてくれた、と嬉しそうにしてしゅたっとすこし離れて、尻尾振って。それはまるで誘っているかのようだ。
(「追いかけっこする? んじゃ、へとへとになるまで走るか!」)
 たっと走り始めた茶まろわんこをセトが追いかける。
 するとつられて走り出すほかの茶まろわんこたち。
 オズもおいかけっこだねっと一緒に走り始める。
(「すごい、はやいっ」)
 笑い声はしないけれど、顔を見ればわかる。
 楽しい――その気持ちがここには溢れていた。
(「たのしいねっ」)
(「そうだな。すげー楽しい!」)
 セトとオズも笑いあって、声はないけれどその気持ちは茶まろわんこたちにも伝わっている。
 たくさん走って、ころんと横になれば茶まろわんこたちがもふもふとしたその身体を寄せてくる。
 セトはたのしかったな、とぎゅっと。すりすり、もふもふした感触が心地よい。
 そして痛くないよう弓柄でぺちんと叩けば骸魂が外れて元の姿へ。
 オズはぎゅーと茶まろわんこを抱きしめた。
 満足気な顔を、どの茶まろわんこもしているのだ。
(「いつか、あいたいひとにあえますように」)
 おやすみ、とその生命力をゆっくり吸収すれば、その身から骸魂が外れていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パルピ・ペルポル
声がなくてももふがあればなんとかなるわ(きりっ)
…まぁちゃんと仕事はするわよ。うん。

意思疎通はアイコンタクトとボディーランゲージでどうにかしましょうか。
茶まろわんこは遊びたい、わたしはもふりたい。
ならわたしが追いかけるからわんこは逃げる。捕まえたら全力でもふる。
それで問題ないわね?ではいくわよー。
というわけでおいかけっこして火事場のなんとやらを使って逃げられないようがっつり捕まえて全力でもふもふ堪能するわ。
走ってる間にこっそり念動力で雨紡ぎの風糸を自らの周囲に張り巡らせておいて。
なかなかつかまらないなら糸で捕まえてもふるとするわ。
気が済んだら骸魂だけ退治してお帰りねがうとするわ。



(「声がなくてももふがあればなんとかなるわ」)
 と、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)はきりっと。
 ふわりと飛んで茶まろわんこの傍へと向かう。
(「……まぁちゃんと仕事はするわよ。うん」)
 意思疎通はアイコンタクトとボディーランゲージでどうにかしましょうか、とパルピは思う。
 そう思いながら茶まろわんこを見るとしっぽをふりふり、そしてきらきらした期待を込めた視線。
 遊びたい。遊んで、遊ぼ!
(「茶まろわんこは遊びたい、わたしはもふりたい」)
 なるほど、要望は一致している。パルピはふわりと飛んで茶まろわんこの傍へ。
 するとしゅたっと動いて距離を取り、チラチラ見てくる茶まろわんこ。
 それは追いかけっこのお誘いだった。
(「ならわたしが追いかけるからわんこは逃げる。捕まえたら全力でもふる」)
 そう、身振り手振り使って告げると茶まろわんこはわかったというように尻尾をふりふり。
(「それで問題ないわね? ではいくわよー」)
 しゅたたっと走り始めた茶まろわんこ。しかし火事場のなんとやら――パルピは追いかけて、そしてその身に抱き着いた。逃げられぬように。
 もふもふ。もふもふもふ。
 全力でのもふもふー!
 ふわふわに包まれ、そして茶まろわんこにとってそれは撫でられているようでとても良いらしい。
 逃げられ続けたなら、念動力でこっそり雨紬の風糸巡らせて捕まえようかと思っていたのだがその必要もなく。
 パルピを背中に乗せて楽しそうに茶まろわんこは走り回る。
 きゃっきゃと楽しそうに走ってはしゃいで。
(「気が済んだら骸魂だけ退治してお帰りねがうとするわ」)
 だからそれまでは――もふもふ。
 このもふもふを堪能する時間。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【華禱】WIZ
物凄い期待に満ちた目で見られてるなぁ……
なんて思いながら隣を観れば
愛おしそうに瞳を細めて微笑ましいものを……

は?!これは時々俺を見る時の夜彦!

あ、いや……それはそれだ、今は
声が音にならないならこうすればいい
(夜彦の袖口をくいくい)
『あ・そ・ん・で・や・ろ・う・ぜ・?』
ゆっくりはっきり、口を動かして

それから茶まろわんこをもっふもふ
もふりまくってぎゅむって
わしゃー!と頭や首や背を撫でて

もっふもふ具合はウチの子には負けるかな
(無自覚な親馬鹿)

なんて思いながらもふもふを堪能

これはこれでイイな

やっぱり夜彦が俺を見る目が微笑ましいものを観る目だけど

最期は骸魂をUCで倒して妖怪から引き剥がす!


月舘・夜彦
【華禱】WIZ
……もちもちの、茶まろわんこ……なるほど、一緒に遊びたいのですね
ええ、ええ、勿論お相手しますとも
そうでした、声に出せていないのですね
如何したものか……

微笑ましく見つめていると倫太郎殿に袖口を引かれ、口の動きを読む
答えは『は・い』
口だけを動かして、同意するように頷きます

近付いて来た茶まろの犬達の頭や体を撫でたり
人懐っこい子には両腕で抱き締めるようにしながら全身を撫でます
声に出せなくとも心地良さそうな表情から何処が良いのかが分かります
倫太郎殿も楽しそうです

我が家にもぬいぐるみのようにふわふわした、貴方達のような子がいます
彼のことも思い出してしまいました

骸魂は速やかに抜刀術『静風』にて



 きらきらの瞳、ぱたぱた動く尻尾。
 わふわふわふ、もふもふもふ、といったところだ。
(「物凄い期待に満ちた目で見られてるなぁ……」)
 そう思いながら篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)が隣、つまり月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)へと視線向けると。
(「……もちもちの、茶まろわんこ……なるほど、一緒に遊びたいのですね」)
 ええ、ええ、勿論お相手しますともと夜彦は声にしたつもりが、音にはならず。
 そして、その愛おしそうに瞳を細めて微笑ましいものを見ている――その表情、見覚えがあると倫太郎は思うのだ。
(「は?! これは時々俺を見る時の夜彦!」)
 それに気づいたが、声に出ないことを如何したものかと考えている夜彦を見て。
(「あ、いや……それはそれだ、今は」)
 声が音にならないならこうすればいい、と倫太郎は夜彦の袖口をくいくいと引く。
『あ・そ・ん・で・や・ろ・う・ぜ・?』
 ゆっくりはっきり、口を動かして伝えれば、夜彦は微笑んで。
『は・い』
 口だけを動かし、同意するように頷いた。
 近づいてきて、遊んで撫でてと訴える茶まろわんこへと夜彦は手を伸ばす。
 頭や身体を撫でてやれば、すりすり。もっともっととオネダリ。
 いいですよ、と柔らかな視線と共に夜彦はその体を撫でて、その要望に応えていく。
 倫太郎はというともっふもふ、わしゃわしゃとちょっと強めだがそれが好きという茶まろわんこもいるのだ。 わっしゃー! と頭や首、背を撫でてやれば喜ぶようにころころ。
(「もっふもふ具合はウチの子には負けるかな」)
 と、無自覚な親馬鹿を倫太郎は心に。それとそれを察したのか、じぃ、と茶まろわんこはその瞳を向けてくる。
 倫太郎は悪いと笑って、一層わしゃわしゃと撫でてやるのだ。
 その様を、両腕で抱きしめるようにしながら、夜彦は見つめ微笑む。
 すると腕の中で茶まろわんこはこっちを見てというようにすりすり。気をひこうとするのは、どの茶まろわんこも上手なようだ。
 すみませんと笑って夜彦は声に出せなくとも、その表情から何処を撫でられるのか好きか。何処が良いのか察して撫でてやる。
(「我が家にもぬいぐるみのようにふわふわした、貴方達のような子がいます」)
 彼のことも思い出してしまいました、と心に落とし。
 二人でもふもふ、茶まろわんこたちの相手を続ける
 これはこれでイイな、と思いながら倫太郎は夜彦へと視線向ける。
(「やっぱり夜彦が俺を見る目が微笑ましいものを観る目だけど」)
 それがなんだか複雑なような、嬉しいような何とも言えないような。
 そしてもふもふを堪能して――そして茶まろわんこも満足したのか。
 骸魂は攻撃する間もなく離れて、そして消えていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

石神・カガチ
【POW】
こうした無害に等しい奴等も骸魂なんだからなぁ、調子が狂うぜ
ぼやくのはそこまでか
どうせ此処じゃ、それさえもねぇんだ

寄って来た犬共の敵意はゼロ
体当たりは咎力封じの拘束ロープを使って、ちょいと体を結んでやって
速度を軽減させそのまま体で抱き留める

よーしよし、遊びたいなら力加減ってもんを覚えねぇとな
抱きかかえた犬をわしわしと撫で回しながら
また突進してきた別の犬を同じ要領で抱き留めて大人しくさせる

……お前等これ楽しんでねぇか??
まぁ、いいよ
気が済むまで相手してやるから大人しく解放させろよ?
助けられると判断したら、咎力封じで動きを封じて棍棒でオブリビオンをぶっ潰す
やっぱこういうのは無害じゃなきゃな



 溜息がおちた。言葉は話せないが、それは零れ落ちるらしい。
(「こうした無害に等しい奴等も骸魂なんだからなぁ、調子が狂うぜ」)
 石神・カガチ(収監所の所長代理・f28275)は――自分の足元へと視線を向ける。
(「ぼやくのはそこまでか。どうせ此処じゃ、それさえもねぇんだ」)
 尻尾をぱたぱたと振って見上げてくる茶まろわんこ。
 彼らから敵意はまったく感じない。
 たたっと楽し気に走ってくる茶まろわんこは、カガチへと飛び込んでくる。
 その体当たりは、力の限り――普通の犬であれば大したことはない。けれど今は、そうではないのだ。
 体当たりしてくる茶まろわんこへと拘束ロープを使ってちょいと空打を結んでやる。
 速度が柔らかくなれば、余裕も生まれて飛び込んできたその身をぽふっと体で抱き留めてやった。
(「よーしよし、遊びたいなら力加減ってもんを覚えねぇとな」)
 その茶まろわんこをカガチはわしわしと撫でまわしていく。すると嬉しそうに尻尾ふりふり。その様子を見ていたほかの茶まろわんこが自分も! と飛び込んでくる。
 そうなったら、カガチはまた同じように開いてをしてやるだけだ。
 片腕に先程の茶まろわんこを抱えて。新たに向かってきた茶まろわんこを受けとめわしわしわし。
 さすがに両手が塞がった状態で次の茶まろわんこは受け止められない。
 順番な、と最初の茶まろわんこを降ろしてまた新たな茶まろわんこを受け止める。
 すると順番というのを理解したのか。
 何度も何度も楽し気に同じように向かってくる茶まろわんこ。
(「……お前等これ楽しんでねぇか??」)
 そんな表情向けると、尻尾ふりりりりりり。
 嬉しいのはよくわかる。
(「まぁ、いいよ」)
 気が済むまで相手してやるから大人しく解放させろよ? と向ける視線をわかっているのか、それともわかっていないのか。
 茶まろわんこたちはカガチに遊んでもらっている気分なのだろう。
 徐々に疲れたか大人しくなっていく茶まろわんこたち。それは満足しているから、というのもあるのだろう。
 今なら助けられる――そう判断してカガチはその動きを封じ棍棒を振るう。
(「やっぱこういうのは無害じゃなきゃな」)
 骸魂から解き放てば、オブリビオンではなくなれば、もうそれはカガチにとって倒す相手ではなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

林・水鏡
(声が出るか試してみて)
ほんに声がでんのう。
これでは意思疎通が難しい…早く声を取り戻してやらんと他のものも困るじゃろうて。

しかし、まぁなんとも愛らしいのう。
こう、わしゃわしゃ撫でたくなるんじゃがそれが相手の攻撃?じゃからのう。
…うーん、じゃあこういうのはどうじゃ?
(自身の作った折り紙の式神でじゃらすように興味を引いて)
ハハハ、楽しそうじゃのう。
こうやってずっと遊んでいてやりたいがそうもいかんで。
(式神にこっそり幽世蝶を紛れさせ)
UC【胡蝶の夢】
夢のまにまに消えるといい。



 それは辺り前の事だったというのに。
 声がでるのか試してみて、けれどそこには吐息の音しかない。己の聞きなれた声は今は響かぬのだ。
 ほんに声がでんのう、と林・水鏡(少女白澤・f27963)は心の内で零す。
 声が出ない、ということは意思疎通が難しい。
 視線一つですべて通じるなんてことは初対面ではないのだろうから。
(「早く声を取り戻してやらんと他のものも困るじゃろうて」)
 水鏡は早くこの件を起こしたものを、と思うのだが――己に向けられた視線にも気づいていた。
 きゅるるんとした瞳。そしてふりふり、もふもふ尻尾が揺れている。
 それは茶まろわんこ。
(「しかし、まぁなんとも愛らしいのう」)
 わしゃわしゃ撫でたくなるんじゃが、と水鏡の心はうずく。
 けれどこれは。
(「攻撃? じゃからのう」)
 どうするか、と水鏡は唸る。そして、ひとつ手を思いついた。
(「……うーん、じゃあこういうのはどうじゃ?」)
 水鏡が作り出したのは折り紙の式神。
 それをあやつり、周囲で躍らせじゃらせば、茶まろわんこの興味は式神へ。
 ぴょんぴょんと跳ねるように追いかけて遊び始める。
 追いかけて、頭上を飛び越えられるとどこにいったのか、くるりと回って探す茶まろわんこ。
 その様子を水鏡はしばし眺めていた。僅かに、その様子に笑みも浮かんでしまうというもの。
(「ハハハ、楽しそうじゃのう」)
 こうやってずっと遊んでいてやりたいがそうもいかんで――と、そっと幽世蝶を水鏡は放った。
 式神の中に、そっと紛れさせて。
 それを追いかける茶まろわんこは楽しく遊んでいる。けれど知らぬ間に、誘われていくのだ。
 夢のまにまに消えるといい――水鏡は僅かに微笑みを向けて骸魂を払っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェレス・エルラーブンダ
るい(f13398)と
かたわらのるいと瓜江を見上げて頷く

こちらを伺ういぬに
ば、と四肢をひろげて見せた
自分の尾っぽを揺らして見せたなら
あそびたがりを釣るのはかんたんだ
こい、いぬ
はやさくらべだ

いつかかたわらにいた、だれか
わたしにもいた
おまえはどうだ、いぬ

もっとはやくはしらないと、るいにおいつかれるぞ
いぬが遊び疲れるまで、残像交え走り続けよう

『たのしかった』といぬがまんぞくしたら
ゆかりのあったものたちをかえしてくれるだろうか

……おまえもきっと
さみしかっただけなんだろう

ちゃんと幽世にたどりつけるように
あたまでもなでてやればあんしんするだろうか

できればいたくない方がいい
だから、るい
つれていってやってくれ


冴島・類
フェレスちゃん(f00338)と

ふわふわと結ばれるはずだった縁が
茶まろ君のゆらぐ場所に変わってる

声は出ない代わりに
見上げるフェレスちゃんに頷く
言葉で聞かずとも
駆けて
思い出すきっかけを探そ

誘い返すもう1本の尾
追いかけっこの始まりかい?
フェレスちゃんの方に飛び込んできたら
逆をついて捕まえようとしたり
写身で気を引いたり
寸前でとり逃したりと
満足するまで遊ぼうか

探していた誰かとも
もっと一緒に遊びたかった
いたかったのかい?

さみしいは…
穴が空いたような気持ちになるからね

疲れる迄付き合ったら
フェレスちゃんと茶まろに手招き
少し休憩しよ

撫でる側で見守り
落ち着いて送れるようなら
相棒に破魔の力込め
痛くないよう包めたら



 ふわふわと結ばれるはずだった縁が茶まろ君のゆらぐ場所に変わってる、と冴島・類(公孫樹・f13398)は思う。
 そこは茶まろわんこが誰かを探してきょろきょろ、うろうろ。目が合えば期待を込めた視線を向けてくる場所。
 その場所に一緒に立ったフェレス・エルラーブンダ(夜目・f00338)は傍らの類と、そして瓜江を見上げて頷いた。
 そして類も、頷いて返す。
 言葉で聞かずとも、通じるものはあるのだから。
 遊んでくれる? 遊ぶ? と様子伺う茶まろわんこへと、フェレスは――ば、と四肢広げて見せた。
 そして自分の尾っぽをゆらゆら、揺らせば誘われたか、それとも誘いになったか。
 どっちでもきっといいのだろう。茶まろわんこがしゅたたんと走って釣られる。
(「こい、いぬ。はやさくらべだ」)
 フェレスが追い付かれる前に走り始める。それに合わせて類も。
 駆けて、思い出すきっかけを探そうと。
 と、類の視界の端にフェレスの尾が誘い返すように揺れて見える。
 追いかけっこの始まりかい? と類は笑み浮かべて、フェレス追いかける茶まろわんこをまた追いかける。
 追いかけてくる、ついてくる。その気配は見ずともわかるのだ。
 楽しそうにしているのも、その足音でわかる。
(「いつかかたわらにいた、だれか」)
 わたしにもいた、とフェレスはその影思い起こす。
 そして――おまえはどうだ、いぬと視線向ければ、類の姿が見えた。
(「もっとはやくはしらないと、るいにおいつかれるぞ」)
 と、追いかけてくる茶まろわんこに視線で教えてやる。
 茶まろわんこもちらり、後ろを見てびっくり。そしてぴゅっと速度を上げた。
 類は笑って捕まえてしまおうかと逆をついて。けれどしゅたしゅたんと茶まろわんこは軽やかに走って逃げる。
 それを見て、フェレスも負けないと一層走る速度を上げた。残像交え走り続けて。
 いぬ、こっちだと誘う。誘われたら、ぱっと瞳輝かせて茶まろわんこもきゅっと急ブレーキからの方向転換。
 そして茶まろわんこが追いかければ類が写身で気を引いて。距離詰めると茶まろわんこは慌てて方向変えて逃げたり。
 でもそれが楽しいのだ。
 じゃれて、遊んで、追いかけっこなのだから。
 楽しい、楽しい――その心は満たされていく。
 いぬがまんぞくしたら、ゆかりのあったものたちをかえしてくれるだろうかとフェレスは思う。
(「……おまえもきっと、さみしかっただけなんだろう」)
 走って遊び疲れて、茶まろわんこはぺたんと伏せる。
 その様子に類は、少し休憩しよとフェレスを手招き茶まろわんこの傍へ。
 探していた誰かとも、もっと一緒に遊びたかった――いたかったのかい? と眼差しに優しさを乗せて。
(「さみしいは……穴が空いたような気持ちになるからね」)
 すん、と茶まろわんこは鼻鳴らして、ゆるゆると尻尾を振る。
 ちゃんと幽世にたどりつけるように、そんな気持ちを込めてフェレスは手を伸ばした。
 頭を撫でてやれば、もっとというようにすり寄せてくる。
 あんしんするだろうか――してるみたいだ、と心は安堵を得て。
 できるならば、いたくない方がいいとフェレスは類を見上げた。
 類もそれはわかっている。
(「だから、るい。つれていってやってくれ」)
 その視線の意味することを感じて、頷いて。類は相棒である瓜江へと破魔の力を込めた。
 痛くないように抱きしめる――それだけで、茶まろわんことしていた骸魂は払われていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・ニュイ
【華座敷】

二人ともふもふと戯れたかったんだよね……
特に兄さんはふわもこ大好きみたいだし
クロトさんは慣れてなさそうだけど、慣れたらいいと思う!
なんだけど声ええええ!!

誰か探してるの?
近づいて手を大きく振る
機嫌良く振られた尻尾が可愛い
持参していたフリスビーを思いっきり投げる。取ってこーい!
取ってきてくれたら良く出来ましたっていっぱい褒めて頭をなでなで
あー可愛いなあ……もこもこだなあ…
しゃがみ込んで思いっきりダイブ
もちもち…気持ち良い

兄の可愛いの心の声にはえへらって返す
兄さんが犬の下敷きになると吃驚するものの、満喫してて安心
クロトさんも大丈夫そうで良かったー

心の隙間は埋めてあげたい
それで救えるのなら


クロト・ラトキエ
【華座敷】

動物にはどーも嫌われる質でして。
…染み付いた気配とか、そういうの見透かされてるのか。
来る前も、オブリビオンをキュッとヤればいいのか訊いたら、
千之助にすっごい止められましたし!
助ける、ねぇ…
見様見真似で、一丁やってみるしか?

という事で。
これはニュイが凄い参考になる!と試みますが…
回想の通り、
動物には逃げられる方です。
特に、ちっさいのには!

あんなに見てくるのになー…
メッチャ尻尾振ってるのになー…
手招きしてもねー、
猛ダッシュ逃走されたらねー、
僕のバリケードな心だって折れるってもんですよ!

手を引かれれば…恐る恐る…
逃げられなければ…もちっと…
…割と、悪くない、かも?
しかしけしかけ過ぎでは!?


佐那・千之助
【華座敷】
犬との思い出はほろ苦い
故郷は治安が悪いので
子供のころ飢えた野犬に追われ…

でももう大人じゃし、平気じゃし。平気じゃし。
…ニュイは静かでも賑やかじゃな

ニュイと犬、わんこ2匹みたいでかわいい
見てたら好きになってきた
…おいで(おずおず
あっ遊んだ直後でテンション高、勢いつよ、あっ
飛び掛かられ、抱きとめ…

勢い余り仰向けに倒れながら脳内はスローモーション
えっ…テンピュール…?
もちふわ…
怖くない…
極上…
すき…
声が出せぬぶん手で体で目一杯可愛がり

クロトの手を引き、犬に触れさせて
優しくな。逃げたら泣く
…うん。じょうず…
それ好き?そなたにも乗せてみようか
遊び心のまま、犬を促すようにぽふっと
それゆけわんこっ



 犬との思い出はほろ苦い。
 故郷は治安が悪かった――子供のころ飢えた野犬に追われ……それを佐那・千之助(火輪・f00454)は思い出し。
 しかしいやいやと首を振る。
(「でももう大人じゃし、平気じゃし。平気じゃし」)
 動物にはどーも嫌われる質でして、とクロト・ラトキエ(TTX・f00472)は一歩離れて。
(「……染み付いた気配とか、そういうの見透かされてるのか」)
 ここに来る前も、オブリビオンをキュッとヤればいいのかと傍らの男に訊ねたならば。
(「すっごい止められましたし!」)
 助ける、ねぇ……と心の中でクロトは零す。
(「見様見真似で、一丁やってみるしか?」)
 そう思って視線向けた先。
(「二人ともふもふと戯れたかったんだよね……」)
 特に兄さんはふわもこ大好きみたいだし、と霧島・ニュイ(霧雲・f12029)の視線は柔らかく。
(「クロトさんは慣れてなさそうだけど、慣れたらいいと思う! ――なんだけど声ええええ!!」)
 何もでない、とニュイは喉に触れ。
(「……ニュイは静かでも賑やかじゃな」)
 その、心の内を見透かしたから、わずかに千之助は笑み零す。
 そしてニュイはそっと近づいて。
(「誰か探してるの?」)
 茶まろわんこへと手を大きくふれば、ふりふり、尻尾がふって返される。
 それを見て、じゃあとニュイ取り出したのはフリスビーだ。
 それを目にして、茶まろわんこの瞳がきらきらと輝いた。
 それをニュイは思いきり投げる。
(「取ってこーい!」)
 しゅばっと投げたそれを茶まろわんこは追いかけてきゃっち!
 そしてそれをもって戻ってくる。
 ニュイは良く出来ましたと、声は出せないけれどいっぱい褒めて、頭をなでなで。
(「あー可愛いなあ……もこもこだなあ……」)
 もふもふ。もふもふもふ。撫でながらそのもふもふに思いっきりダイブするニュイ。
(「もちもち……気持ち良い」)
 その様子を見ていたクロト。
 なるほど、凄い参考になる! と試みる。
 試みて――そう、きゅるんとした視線を向けられるが近づけばばっと距離取られる。
 割とすばしっこい茶まろわんこの動き。
(「やっぱり、逃げられる……! 特に、ちっさいのには!」)
 あんなに見てくるのになー……と、じぃと見つめてくる姿を眺め。
(「メッチャ尻尾振ってるのになー……」)
 尻尾を振っているので、これはと手招きするクロト。
 しかし、茶まろわんこはぴゃっと逃げる。
(「手招きしてもねー、猛ダッシュ逃走されたらねー、僕のバリケードな心だって折れるってもんですよ!」)
 そんな一進一退なクロトの傍で、千之助もまたその心に変化が生まれていた。
 ニュイと犬、わんこ2匹みたいでかわいい。
 見ていたら、好きになってきたのだ。
(「……おいで」)
 おずおずと差し出された手。
 すんすんと鼻を寄せてくる茶まろわんこ。
 きゅるんと可愛い瞳を向けられた途端、千之助の心はそわりそわり。
 と――ばっと勢いよく飛びついてくる茶まろわんこ。
(「あっ遊んだ直後でテンション高、勢いつよ、あっ」)
 声はないがわふんわふんとそのふわもふもちもちボディがすりすり。
 そしてしゅばっと飛びかかってきたら、手を伸ばして受け止めるだけで。
 ああ、もふもふの――もふもふが、目の前に迫る。
 受け止めながら仰向けに倒れる千之助。その脳内はスローモーションで――もふんっ。
(「えっ……テンピュール……? もちふわ……」)
 もふもふっ。やわらかなここち――千之助は自分の顔上のそれをもふっと抱きしめた。
(「もちふわ……怖くない……極上……」)
 すき……その想いは声にはできぬが、もふもふとその手で、身体で千之助も目一杯かわいがる。
 と、そのもふもふボディから視線はふとクロトに向いた。
 クロトはまだ距離感遠いまま。それを見て千之助はその手を引いて。
(「優しくな。逃げたら泣く」)
 と、そうっと導く。
 手を引かれて。クロトも恐る恐る。
 逃げられない? 大丈夫? と視線は訴えている。
 けれどそっと、触れたなら――もちっと。
(「……うん。じょうず……」)
(「……割と、悪くない、かも?」)
 もふもふ、もちもち。もふもふもふ。
 僅かにクロトの口端が緩んだのを見て、千之助は茶まろわんこをもふっと。
(「それ好き? そなたにも乗せてみようか」)
 おいでおいでと手招いて、茶まろわんこを遊び心の儘に促してぽふっ。もふっ。もふもふもふっ。
 それゆけわんこっ、と千之助が身振り手振り号令駆けるとさらに茶まろわんこは集ってわふわふもふもふ飛び掛かってくる。
 しかしけしかけ過ぎでは!? と、その声はクロトの心の中で。
 そんな、可愛い心の声にえへらっと返して。
 下敷き状態のその姿にニュイは瞳瞬いて。けれど満喫しているようで安心。
 それに、とニュイはクロトへも視線向ける。
(「クロトさんも大丈夫そうで良かったー」)
 そのほっとしたところを何か察したのか、茶まろわんこがぺろりと頬を舐めてくる。
 ニュイは笑って、なでなでもふもふ。
(「心の隙間は埋めてあげたい。それで救えるのなら」)
 嬉しそうにしているのだから、きっとこれは意味あることなのだろう。
 まだもうしばらく、茶まろわんこたちからの遊んでは続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎

おおー!
ゆーくん好きそうなもちふわ……ん?
って、マジで声が出ないのな
心の行先を定めてやる、ねぇ……
ひとまず、ゆーくんにコイツをどうするか聞いてみるか

ゆーくん指差し
茶まろわんこを指差し
いえーい!って言う感じに、身振り手振りを
(訳:ゆーくん!茶まろわんこにテンアゲしてるー?

――げふっ!?
ゆーくん、落ち着いてマジで痛いからね!?
いや、割とリアルにイイ所入った……ガチで……
もふりながら見上げる姿には、両手で×のサインを見せる
首も横に振ったら伝わるかな?

……しゃーねぇ、特別サービスしてやるか
ゆーくんが遊んでいる間に
UC:煌花を発動
空へ、すうっと移動させて行先を示せれば


月待・楪
氷月(f16824)と
アドリブ等歓迎

!…氷月、犬、まるい犬が
ア?あー…?
マジで声が出ねェな…くそ
行先か…こんな悪意なさそーな奴らが変なとこに行くのは
面白くねーな

ん?
……全くわかんねーな
つか意味わからなさすぎて腹立つ
っつーことで氷月の脇腹を蹴る
ハハッがら空き
ワケわかんねー動きして油断してるからだろ(指差して笑う)

アホが悶えてる間にわんこを触る
あー…すげーもふもふ……飼いたい…
(もふりながらじっと氷月を見上げる)
…わかってる
飼えねーっつーんだろ
代わりにいっぱい遊んでやるからな

はぁ…じゃあな、わんころ
【念動力】で【空中浮遊】させて氷月の示す方向へ
ちょっと寂しくなったのを誤魔化すためにひづにくっつく



 もふもふふわふわもちもちぼでぃの、茶まろわんこが首を傾げて見つめてくる。
 月待・楪(Villan・Twilight・f16731)は瞳見開いて。
(「! ……氷月、犬、まるい犬が」)
 と、紡いだのだが音にはならず。
(「ア? あー……?」)
 楪は表情顰める。そして傍らの氷月・望(Villain Carminus・f16824)も。
(「おおー! ゆーくん好きそうなもちふわ……ん?」)
(「マジで声が出ねェな……くそ」)
(「って、マジで声が出ないのな」)
 声の出ぬことに、楪と望はお互い顔を見合わせる。
 そして、ほてほてとさらに近くへと歩み寄ってきた茶まろわんこ。
 かわいい、ふわふわ、もちもち。きゅるんとしたかわいらしい瞳。
 しかし――オブリビオン。
(「行先か……こんな悪意なさそーな奴らが変なとこに行くのは、面白くねーな」)
 楪はじぃ、と茶まろわんこと見つめ合う。尻尾ふりふり、かわいい。
 その様子を望は目にし、小さく笑い零したがすぐに消えて。
(「心の行先を定めてやる、ねぇ……」)
 ひとまず、と望は楪へと視線向け。
(「コイツをどうする?」)
 楪を指さし、茶まろわんこを指さし。
 いえーい! と両手上げたり身振り手振り。
 ゆーくん! 茶まろわんこにテンアゲしてるー? と、望は伝えようとしていた。
 しかし、楪は首を傾げ。
(「ん? ……全くわかんねーな。つか意味わからなさすぎて腹立つ 」)
 と、その返事は脇腹へ向けられた蹴りひとつ。
(「――げふっ!?」)
(「ハハッがら空き。ワケわかんねー動きして油断してるからだろ」) 笑いながら楪はしゃがんてもふもふ茶まろわんこをなでなで。
(「ゆーくん、落ち着いてマジで痛いからね!? いや、割とリアルにイイ所入った……ガチで……」)
 痛い、と望は脇腹押さえてうぐぐと声にならぬ唸り声を。
 その様子をもふもふしながら楪は見上げていた。
(「あー……すげーもふもふ……飼いたい……」)
 もふもふ。もふもふふわふわもふもふ。茶まろわんこは幸せそうに嬉しそうにもふもふされていた。
 その視線に望は両手を交差させて×のサインを見せる。そして首も横に振るのだ。
 飼えません。
 けれどそれは、楪も。
(「……わかってる。飼えねーっつーんだろ」)
 なら、かわりにいっぱい遊んでやるからな、と楪はぎゅっと茶まろわんこを抱きしめて。
 そしておいかけっこ! と誘う茶まろわんこと一緒に遊び始める。
 その様子に望は苦笑まじり。
(「……しゃーねぇ、特別サービスしてやるか」)
 脇腹の痛みがおさまってきて、望はあたたかな色の花火を生み出していく。
 行く先は、あっちと空へ向かって。
 それを見て茶まろわんこは大はしゃぎだ。
(「はぁ……じゃあな、わんころ」)
 念動力で浮遊させて、楪はそちらへと茶まろわんこを導いて。
 骸魂に飲まれオブリビオンとなっていた茶まろわんこ。
 けれどそれは解き放たれて消えていく。
 それを目に少し、寂しくなった楪はそれを誤魔化すように望へとくっついた。
 望はその気持ちを察してぽんぽんと軽く楪の背中を叩く。寂しくないから、というように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宵鍔・千鶴
菫(f14101)と


声が、発することが出来ない
不便さともどかしさは有れど
隣の彼女を見遣れば視線は重なり
案外平気そうな表情に安堵する
そうか、きみは元々声の無い世界に居たんだった

眼の前のわんこと同じ様に訴えるものは
とても似ている菫の眸
喋らずとも解る、愛い娘よ、

確かに猫の扱いは慣れてるけど
犬の喜ばせ方も同じなんだろうか
わんこにおいで、遊ぼう、と
真っ直ぐ見つめ
首元や頭をわしゃわしゃぐりぐり
応えてくれたらいい子と思いっきり褒め
甘やかそう
倣うよう、わんこと戯れる彼女に
返事の代わりそっと彼女の髪を
優しくふわふわ撫で
ん、菫も。いい子だね
髪に触れた指先は擽ったくて心地いい

この子が満足するまで
共に過ごしてあげよう


君影・菫
ちぃ(f00683)と

聞こえへんし聞かせられへん
不思議な感覚やけど元々がモノのうちに不安はなくて
ちぃはどうなんやろとそっと覗いてみたりも

わんこと同じきらきらの瞳をちぃに向けて
いっしょに遊ぼって無邪気な手招き
口の動きだけで伝えたのは戯れの『おとーさん』

出来るだけちぃとおんなじ事してみたいなて
猫たちの扱いも上手やったから真似てみたいん
それは雛鳥のように
それは幼子のように
無垢に真似るもの
楽しいねえってそれはきっと音にしなくても

撫でて貰えるのは心地よくてしあわせ
せやから
ちぃの綺麗な黒色にそっと手を伸ばして
うちも少しだけと、指先で伝えよか

わんこが――目の前のキミが満足するまで
うちらと一緒にいっぱい遊ぼな



 聞こえへんし聞かせられへん――それは君影・菫(マリオネテス・f14101)にとって不思議な感覚。
 けれど元々がモノである菫には不安はない。
 傍らの宵鍔・千鶴(nyx・f00683)はどうなんやろ、と菫はそっと覗いてみる。
 声が、発することが出来ない。それは千鶴にとって不便さともどかしさは有る。
 けれど、覗き込む菫は案外平気そうな表情で。
 その姿を目にして、千鶴はぱちりと瞬いて僅かに表情緩めた。
(「そうか、きみは元々声の無い世界に居たんだった」)
 そう思っているとほてほて、茶まろわんこがあそぼ! と近づいてきてじぃと見つめてくる。
 あそぼ、あそぼ、あそんでくれる? そんな不安も少し滲んだ視線。
 けれどここに、それを断るものはいないのだ。
 その誘いに菫はきらきら輝く瞳を千鶴に向ける。
 菫からと、茶まろわんこからと。
 ふたりのきらきら視線。とても似ていると千鶴は小さく笑い零すがそれも音にはならない。
 いっしょに遊ぼと菫は無邪気な手招きしつつ、千鶴へと向けてその唇動かす。
 戯れに、『おとーさん』と。
(「喋らずとも解る、愛い娘よ、」)
 出来るだけちぃとおんなじことしてみたいなて、と菫は思う。
 猫たちの扱いも上手やったから真似てみたいんと見つめる。その意味をくみ取って、千鶴は茶まろわんこをまっすぐ見つめ。
(「確かに猫の扱いは慣れてるけど、犬の喜ばせ方も同じなんだろうか」)
 おいで、遊ぼう。
 まっすぐ見つめれば茶まろわんこは嬉しそうに飛び込んでくる。
 首元や頭をわしゃわしゃぐりぐり。
 撫でてやればもっと、とすり寄ってくる。応えてくれるその様子にかわいい子と思い切り褒めてやるように。
 その千鶴の真似を菫もするのだ。
 それは雛鳥のように、幼子のように――無垢に真似る。
 楽しいねえ、とそれは声に、音にしなくてもお互い伝わるものだ。
 甘やかすように撫でて、そして倣うように茶まろわんこと戯れる菫に千鶴は返事の代わりに、そっと髪を梳いて、撫でてやる。
 優しくふわふわ撫でて。
(「ん、菫も。いい子だね」)
 菫にとっても撫でてもられるのは心地よくてしあわせ。
 だから――菫もそっと手を伸ばす。
 千鶴の綺麗な黒髪に少しだけと指先を添わせ、伝えるのだ。
 髪に触れた指先はくすぐったく、心地よく千鶴も柔らかに瞳細める。 と――自分の相手がおざなりになっているぞ! とばかりに二人の間に茶まろわんこは飛び込んできてかまって、撫でてとアピールしてくる。
 その様子に、二人視線合わせて小さく笑い零して。
(「この子が満足するまで、共に過ごしてあげよう」)
 千鶴の視線に菫もこくり、頷いて。
(「キミが満足するまで、うちらと一緒にいっぱい遊ぼな」)
 千鶴と菫、二人に撫でられて茶まろわんこは嬉し気に胸を張る。
 でもまだ足りないと、尻尾はぱたぱた揺れているもののもうしばらく、一緒に過ごす時間が必要そう。
 茶まろわんこの心満ちて骸魂から解き放たれるまで、茶まろわんこを間に挟んだ時間は続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレズローゼ・クォレクロニカ
💎🐰
アドリブ歓迎

ん、あれ?変だな
声が出ないんだ!
あわわ!声が出ないよ、兎乃くん!てジェスチャーで伝える
多分伝わってる
だって兎乃くんも慌ててるから!
でも大丈夫さ
声が出ないなら、絵に描けばいいんだ!
ほら、伝わってる
何となくわかるもんねー

あ、犬!(犬の絵をかく)
とにかく遊べばいいのかな?
こんな時こそ、「TRUMP TRUMP」!
此方で遊ぼーって誘惑して、トランプ兵を投げたり戯れたりして、楽しく遊ぶんだ!
ほら。笑顔!
言葉は使えなくても、笑顔で安心安全のアピールだよ
うんうん、兎乃くんもいい感じさ!
そうさ、楽しいのがいい
悲しい気持ちも塗り替えるんだ
そしたらきっと、会いたい人にもあえるよ、って
伝えたいよ


兎乃・零時
💎🐰
アドリブ歓迎

声が出ない…
…もしかして…俺様詠唱出来ないんじゃ…!(気づいた)

フレズも声出ない感じ!?

ジェスチャーする感じの身振り手振りで伝えたり
服の裾引っ張るとかで上手く意思疎通
フレズとなら問題ないだろ!

まずは骸魂どうにか…そうだ!
二人で上手い事遊びつつやりゃ行けそう…やろうぜフレズ!
声出ないの調子狂う…

犬が動けないなら
地を【踏みつけ×地形の利用】して犬を【手をつなぐ】感じで抱えて空へぽーんと【投擲】してUC!

遊ぶ感じも入れつつ倒せば
楽しい感じになって心も上向きになりそうじゃねぇか?

防御力高いっぽいしUC通じないだろうし遊ぶ感じになるはず…
花火のドーンな衝撃が伝わるのは楽しいはずだし!



(「ん、あれ? 変だな」)
 ぱちくり、瞬いたフレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)は声が出ないんだ! と思って。
(「あわわ! 声が出ないよ、兎乃くん!」)
 ぱっと視線を身体ごと向けて身振り手振り、ジェスチャーで兎乃・零時(そして少年は断崖を駆けあがる・f00283)へと伝えた。
 それはきっと伝わっている、はず。
 なぜなら、零時も慌てているのだから。
(「声が出ない……もしかして……俺様詠唱出来ないんじゃ……!」)
 フレズも声出ない感じ!? とばっと顔向ける零時。
 その様子にやっぱり伝わってるとフレズローゼは思うのだ。
 しかし、ふふりとちょっと胸張って見せた。
 でも大丈夫さ、とその表情は一案ありという様子。
(「声が出ないなら、絵に描けばいいんだ!」)
 月色の絵筆を躍らせればそれで充分。
 ほら、伝わっている。何となくわかるもんねーとフレズローゼは笑うのだ。
 そして零時も。
(「フレズとなら問題ないだろ!」)
 と、ふわふわもちもち。丸っこい茶まろわんこが二人を見つけ寄ってくる。
 それに気づいたフレズローゼは犬の絵をかいてそちらを指さした。
(「あ、犬!」)
 とにかく遊べばいいのかな? とフレズローゼは僅かに首かしげ。零時は、きっとそうだと大きく頷いてみせた。
 まずは骸魂どうにか……そうだ! と零時は思いつく。
(「二人で上手い事遊びつつやりゃ行けそう……やろうぜフレズ!」)
 と、身振り手振りしながら、しかし零時は僅かに唸るような表情。
 やはり声がでないのは。
(「調子狂う……」)
 そう思っているともふもふわふわふの茶まろわんこが距離を縮めて傍にやってきた。このふたりは、遊んでくれそうだと思ったのだろう。
 ふふーんと胸張って茶まろわんこはもちもちもふもふボディで仁王立ち。
 それはまるで撫でていいんだぞ、と言っているような雰囲気だ。
 そしてちらちら、視線向けて遊ぼうのアピール。
 こんな時こそ、とフレズローゼは笑み浮かべる。
(「歌って踊って塗り替えて! さぁさ、女王陛下のお願いさ!」)
 トランプ兵を召喚して、遊ぼうと誘惑。誘いかけてみれば茶まろわんこはうずうずしている様子。
(「ほら。笑顔!」)
 言葉はつかえなくても、笑顔で安心安全のアピールを。
 零時はそれなら、とその茶まろわんこを手を繋ぐ感じで抱えあげて上へと向かって投げ上げる。
(「楽しい感じになって心も上向きになりそうじゃねぇか?」)
(「うんうん、兎乃くんもいい感じさ!」)
 零時は掌向けて圧倒的魔力の塊――ビームを放つ。
 防御力最大振りの茶まろわんこにとっては遊ばれているような感覚だ。
 花火のようにどーんと向けられる感覚は初めてのもの。
 落ちてくる茶まろわんこを零時が受け止めれば、もう一回というように尻尾揺らしていた。
(「そうさ、楽しいのがいい。悲しい気持ちも塗り替えるんだ」)
 そしたらきっと、会いたい人にもあえるよ、って――伝えたいよとフレズローゼは僅かに瞳細めて。
 茶まろわんこが満足するまで、二人で一緒に楽しい時間を贈物に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『絆の試練』アナスタシア』

POW   :    疑心の罪
【滔々と語られる愛の説法】を披露した指定の全対象に【己に向けられている愛情に対する、疑いの】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD   :    煌々たる失翼
【慈愛と歓喜の感情】を籠めた【飛ばした羽根の乱舞】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【持つ、大切な者との様々な関わりの記憶】のみを攻撃する。
WIZ   :    真偽不明の愛
自身が【愛する者同士の深く強い絆】を感じると、レベル×1体の【両者の、極めて精巧なニセモノ】が召喚される。両者の、極めて精巧なニセモノは愛する者同士の深く強い絆を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠御形・菘です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 声なき世界――その中で『絆の試練』アナスタシアは打ち震えていた。
 まぁ、やはり――声がなくとも絆は変わらず、そして新たにつなぐこともできるではありませんか、と。
 骸魂が解き放たれていく、それを目にして降り立ってみれば猟兵たちによって絆が築かれて――そして彼らが元から持ちうるそれが瞳に映る。
 そう、だから――声などなくても良いのだと。
 それより一層深く、繋がれるのではと彼女は思う。
 やはり、世界はこのままで良い――それを正そうとするものは、絆を得ていようとも、打ち砕くのみ。
 けれどそれがもし、もし――己が思っているよりも深いなら、きっと世界は救われてしまうだろうと。
 アナスタシアは微笑む。それはそれで、良いのだと。
 私は『絆の試練』なのですから、と。
高邨・伊毬
【姫と忍】
(またも身振り手振りで一生懸命伝えながら会話)

まん丸まん丸な子の後は、西洋の神様の御使いみたいな人がいますぅ。

成ちゃん
この人も、敵なんです?

伊毬と成ちゃんとは、得意な事が違いますぅ。
どうやって倒すのか、伊毬には分からないですけどぉ、伊毬の得意な事で頑張りますぅ!(ふんす!と気合い)

ふむふむぅ??
愛ってなんでしょう?
伊毬以外の人に優しくするのとは違うんですぅ?

それとも、大好きな人や獅子王ちゃんの事でしょうかぁ?

伊毬は、父上も母上もお手伝いさんも成ちゃんも獅子王ちゃんも大好きですぅ!

でも、偽物は偽物!
本物には適わないんですぅ!
【指定UC】
全部ぜ〜んぶ偽物なら、皆を薙刀でやっつけるですぅ!


飛雲・風成
【姫と忍】
(またも伊毬さんが一生懸命身振り手振りで話しかけてくる事に苦笑し、それに応え)

そうですね。
今回の相手は、少し厄介な能力を持っている様です。

ここまで同行して来ましたが、この敵に関しては互いの戦法を変えなくてはいけませんね。

伊毬さんにとって、一人で戦うのは今回が初めての事。

目を離さない様にだけは気をつけたいですね。

愛を語るのは滑稽だと、俺は思いますよ。

…まぁ、其れを俺に説いた所で、俺にとってはそれ以前の問題なのですが。

(伊毬の方をチラリと見て、高邨家当主の言葉を思い出し)

俺は唯、恩義に忠義で尽くすのみ
です。
恩義が利己的な物であったとしても。

【指定UC使用】
強化した巨大手裏剣で応戦
敵を斬る



 丸まん丸な子の後は、西洋の神様の御使いみたいな人がいますぅ、と高邨・伊毬(戦巫女の精霊術士・f17718)は身振り手振りで飛雲・風成(化身忍者のグールドライバー・f17723)へと伝える。
 一生懸命身振り手振りで話しかけてくる様に苦笑しつつ、風成はそうですねと頷きひとつ。
(「成ちゃん、この人も、敵なんです?」)
 伊毬はアナスタシアを見つめる。
 アナスタシア自身も言葉を失って、けれどその視線一つですべてを語るようなそぶりだ。
 その様に今回の相手は、少し厄介な能力を持っている様ですと風成は伝える。
 ここまで同行して来ましたが、この敵に関しては互いの戦法を変えなくてはいけませんねと風成も身振り手振り。
 なるほど、と伊毬はこくこく頷く。
 伊毬と風成は、得意な事が違っている。
(「どうやって倒すのか、伊毬には分からないですけどぉ、伊毬の得意な事で頑張りますぅ!」)
 と、ふんす! と気合を入れる伊毬。
(「伊毬さんにとって、一人で戦うのは今回が初めての事」)
 と、風成は見詰める。
 そしてアナスタシアはそんな二人へと、穏やかな笑みを浮かべて向けるのだ。
 それが彼女の愛の説法。ふたりへと向けられたものだ。
(「ふむふむぅ?? 愛ってなんでしょう?」)
 伊毬の心はざわつく。ちょっとだけ、それが何なのかを考えてしまうのだ。
(「伊毬以外の人に優しくするのとは違うんですぅ?」)
 それとも、大好きな人や獅子王ちゃんの事でしょうかぁ? と、伊毬は周囲の者たちを思い浮かべていく。
 そんな伊毬から風成は目を離さない様にだけは気を付けつつ。
 愛を語るのは滑稽だと、俺は思いますよと伊毬から、アナスタシアへと視線を向ける。
(「……まぁ、其れを俺に説いた所で、俺にとってはそれ以前の問題なのですが」)
 そして伊毬の方をチラリと見て、高邨家当主の言葉を思い出すのだ。
 その言葉は風成にとって――己に深く食い込むもの。
(「俺は唯、恩義に忠義で尽くすのみです――恩義が利己的な物であったとしても」)
 そして伊毬は色々考えた末に。
(「伊毬は、父上も母上もお手伝いさんも成ちゃんも獅子王ちゃんも大好きですぅ!」)
 アナスタシアのもたらすものは、二人には響かぬようだ。
 このふたりには、揺らがぬ絆があると――アナスタシアは嬉しそうでもある。
 そしてふたりにそっくりな、精巧な偽物を生み出した。
 同じだけれども――違う。
 その姿に伊毬は眉顰め。
(「そっくり……だけど、でも、偽物は偽物!」)
 本物には適わないんですぅ! と伊毬はその身を神霊体に変えて、薙刀を振るう。
 偽物であるならみ~んな薙刀でやっつけるですぅ! と衝撃波を放つ。
 それはアナスタシアの生み出したふたりを、そしてアナスタシアにも一撃となった。
 けれどその衝撃波を耐えて、踏み込んでくる偽物へと向かって風成は己の血を与え強化した巨大手裏剣をもって応戦する。
(「成ちゃん!」)
 その、姿にありがと! と伊毬は身振り手振り。
 けれど今は倒すのが先ですよと風成に視線一つで促され、伊毬はこくこくと頷き再び薙刀を振るうのだった。
 やがて二人の偽物は倒れて、アナスタシアはそれを見届けそっとその場を去る。
 集うものたちの持つ絆の姿を求めるために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

林・水鏡
確かに声が無くとも通じ合えることも絆が強いと言えるじゃろうし、声が無いことで深まる絆もあるじゃろうが…やはりそれだけではままならぬものもある…。

声は失わせん。それに声がなければ…名を呼んでやることもできんじゃろう?

UC【骸合体・饕餮】
大切なものとの絆などありすぎるくらいじゃがそれを一片足りとも失うつもりはない。
【オーラ防御】【結界術】で防ぐぞ

声が無いの世界はつまらんし寂しいもんじゃて。
つーてもこれ全部自分の頭の中で考えてることじゃからのう。あやつに伝わるかどうか…



 次はあなたが、絆を見せてくださいますのとアナスタシアは林・水鏡(少女白澤・f27963)へと微笑む。
 確かに声が無くとも通じ合えることも絆が強いと言えるだろう。
 声が無いことで深まる絆もあだろう。
 けれど――と、水鏡は彼女の姿を視界に収め、その瞳を細めた。
(「やはりそれだけではままならぬものもある……」)
 水鏡は、この世界は受け入れられないのじゃと首を振る。
(「声は失わせん。それに声がなければ……名を呼んでやることもできんじゃろう?」)
 声が無くても絆はきっと紡げる。けれど声があれば、もっとその心を伝えることもできるのだろうから――やはりなくては、ならないのだと構えをとった水鏡。
 アナスタシアはその翼を広げて、羽ばたく。
 不服じゃろうが力を借りるぞと骸魂『饕餮』を水鏡はひとつになる。
 それがあなたの絆なのねとアナスタシアは大きく羽ばたいて慈愛と歓喜の感情を込めた羽根を水鏡へと飛ばした。
 その羽根は大切な者との様々な関わりの記憶を攻撃するもの。
(「大切なものとの絆などありすぎるくらいじゃがそれを一片足りとも失うつもりはない」)
 それをオーラを使い、そして結界術でもって己に届かぬようにする水鏡。
 声が無いの世界はつまらんし寂しいもんじゃて――と、思うのだが。
(「つーてもこれ全部自分の頭の中で考えてることじゃからのう。あやつに伝わるかどうか……」)
 羽根を払い、その中を抜けて水鏡はアナスタシアへと肉薄する。
 霊力を喰われていく感覚があった。ずうっと、ひとつであることは難しいがこの目の前の女を倒すまでであればと、天叢雲剣を振りぬいて彼女へと一撃、見舞った。
 アナスタシアは――喜んでいた。
 私の与える試練にも屈さぬその絆を守りたいと思う心は素晴らしいと。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
※お仲間さまと共闘できます際には
動きを拝見し攻撃等を合わせるように
こちらからは身振り手振りで合図を


声がなくとも、確かに繋がるものはございましょうが…
それを試す者が、あなたである必要はないとわたくしは考えます
ですから、声を返していただきたく
…と申し上げようにも、声は出ないのでございますが

わたくしと深い絆を持つもの…
今でしたら、バディペットのフジモトでございましょうか
わたくしたちの絆は、何を仰られようが
揺らぐことのないものでございます

敵の攻撃は第六感・野生の勘にて見切り回避
不可であればオーラ防御にて防ぎたく
こちらからは、WIZ攻撃で複数の対象が相手となった場合は
範囲攻撃も活用し一層したいと思います



 お助けします、と身振りで伝えて、ベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)も踏み込む。
 アナスタシアは微笑みを浮かべ、皆様の絆をみせてくださいませといったところか。
(「声がなくとも、確かに繋がるものはございましょうが……」)
 それを試す者が、あなたである必要はないとわたくしは考えます、と。
 ベイメリアはその視線をアナスタシアへと向けた。
 ですから、声を返していただきたく。
(「……と申し上げようにも、声は出ないのでございますが」)
 伝える方法はある。
 己の行動で示せばいいのだ。アナスタシアを倒す、ということで。
 ベイメリアは思い浮かべる。
(「わたくしと深い絆を持つもの……」)
 そう考えて思い浮かんだのは、柴犬に似た小さな雑種犬――バディペットのフジモトだ。
 わたくしたちの絆は、何を仰られようが――揺らぐことのないものでございます。
 ベイメリアはその想いを、その心に固く抱く。
 それを感じたか――アナスタシアはふたつ、影を生み出した。
 それが象るのは、ベイメリアとフジモトの姿。
 そっくり、けれど――わたくしとは違うもの。
 ベイメリアはその姿に惑わされることはないのだと、指先を向ける。同じように偽物も指先を向けるが――それよりもベイメリアのほうが早い。
 天からの光が降り注ぎ、その光は現れた自分たちとそしてアナスタシアも穿つ。
 その攻撃にアナスタシアは身を折って、己が生み出した偽物が消えるのを目にしていた。
 けれど悔しそうでも、憤っているわけでもなく――見せられた絆に微笑みを浮かべていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

パルピ・ペルポル
まぁ声がなくても絆を結べること自体は否定しないけれど。
声を交流手段として使っている者は声を使うのが一番効率いいんだから。
それをひとりよがりな意見で奪うのは感心しないわねぇ。

ってわたしが思ってるのも伝えようがないし、伝えてもやることは変わらないのよね。

まずは念動力で雨紡ぎの風糸を自らの周囲に張り巡らせておいて、敵の行動を阻害兼盾として使用するわ。
さらに風糸を蜘蛛の巣状に展開して、偶然の不運なる遭遇を使って隙を作って敵を捕獲したら穢れを知らぬ薔薇の蕾を使って動きを封じて攻撃をするわ。

絆って元々は縛り付ける綱の意味らしいわねぇ。



 まぁ声がなくても絆を結べること自体は否定しないけれどとパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)も思う。
 アナスタシアのいう事にも一理あるのかもしれないが――やはり声はあったほうがいい。
 アナスタシアの説くものと世界の滅びはあまりにもつり合いがとれないのだから。
(「声を交流手段として使っている者は声を使うのが一番効率いいんだから」)
 それをひとりよがりな意見で奪うのは感心しないわねぇと、パルピはすいと空を飛ぶ。
 そう思うものの、それを言葉で紡ぐことはできず。
 そして紡いだとしても。
(「やることは変わらないのよね」)
 蜘蛛の糸より細く、柔軟性と強度を兼ね備えた透明な糸――雨紡ぎの風糸を念動力でもって周囲に張り巡らせて、
 それを敵の行動を阻害するもの、そして己を守る盾としてパルピは使う。
 風糸を蜘蛛の巣状に展開し、アナスタシアの元へと向かう。
 あなたにも試練を――そんな風に、アナスタシアはパルピと同じ姿の偽物を生み出した。
 それにちらりと視線一つ向ければ――どこからか現れた骸魂がすごい勢いでアナスタシアへとぶつかった。
 それで生まれた隙を見逃さず、パルピは風糸を使って捕縛する。
 そこに捕まったのはパルピの偽物だ。それへと向けて、パルピは白い薔薇の蕾を手にする。
(「絆って元々は縛り付ける綱の意味らしいわねぇ」)
 其れより放たれた茨が偽物へと絡みついて、真紅の薔薇を咲かせていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

石神・カガチ
【POW】
絆の試練?
テメェみたいなのが俺に試練?
あのわんころ達は試練の為に利用されたってことかよ
ふざけんなよ、自作自演で思い通りにいったから満足してるだけじゃねぇか

あー、そっか……声がないから伝わってねぇのか
なら潰すしかないな、仕方ない

武器を構えつつ説法を聞いてみる
……愛情?生憎、そういうのには興味がなくてね
そうじゃなきゃ、獄卒なんていう役割なんてやってねぇんだ
だってそうだろ?
出会った奴等(咎人)を裁くのが俺なんだ
怨まれ呪われてもいい覚悟ってもんがある

怪力を使って敵目掛けて破砕地陣
躱されても周辺の地形は変わっちまってる
そこでバランスを崩すなりすりゃ追撃の隙もある
この程度でくたばってくれるなよ



 石神・カガチ(収監所の所長代理・f28275)は鬼棍棒でどん、と地を叩く。
 絆の試練?
 テメェみたいなのが俺に試練?
 ――そう思うとカガチの表情は知らずのうちに僅かに歪んでいた。
(「あのわんころ達は試練の為に利用されたってことかよ」)
 ぎり、と奥歯をかみしめる力は、強く。
(「ふざけんなよ、自作自演で思い通りにいったから満足してるだけじゃねぇか」)
 そんな猛る想いを抱えているものの、アナスタシアに伝わるようなそぶりはない。
 ただ微笑んで――己の愛を語っているのだ。
(「あー、そっか……声がないから伝わってねぇのか」)
 なら潰すしかないな、仕方ない――カガチは鬼棍棒を構えながらふと思う。
 あのアナスタシアの愛の説法とはいかなものか――不思議なことに彼女の微笑みはまるで心に響いてくるのだ。
 愛は等しく。絆は何よりも深く――そして尊く。
 愛は憎しみに変わることもあるけれど、それもまた絆――などと思っているのだろう。
(「……愛情? 生憎、そういうのには興味がなくてね」)
 そうじゃなければ――己はこうではないとカガチは思うのだ。
 獄卒なんていう役割を追っていない。やってはいないと。
(「だってそうだろ?」)
 出会った奴等――咎人を裁くのが俺なんだ、とカガチは己を知っている。
 その、獄卒という立ち位置にあるには覚悟が必要ということも、知っている。
 怨まれ呪われてもいい覚悟が。
 お前にはそういうもんがないだろうと、怪力をもって鬼棍棒を振り上げるカガチ。
 叩くしか能がないと、ただ振り下ろすだけ。
 アナスタシアはそれを正面からうければ己が持たぬと思ったか、身を引いて交わした。
 それで正解だったのだろう。
 振り下ろしたカガチの鬼棍棒は地を割って、周囲の形を変えていく。
 それにアナスタシアは対応できず態勢を崩した。
 初撃は当たらなくてもいい。かわされても地形かわれば追撃の隙もあるのだから。
 この程度でくたばってくれるなよ――僅かに笑って、獄卒たるカガチは動く。
 オブリビオンであるアナスタシアを打ち砕くために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

冴島・類
フェレスちゃん(f00338)と

天の使いの格好をした者とは、面倒な

彼女は情緒が育ち行く途中なんだ
天使が勝手な価値観を押し付けるもの…なんて
毛嫌いするようになったらどうしてくれる

慈愛、情について語る声
こう言うの、聞き飽きてるんだよなぁ

嘗てのものは…
愛、ではなかったかもしれないが
かけられてなければ
此処に立ってないし

刃抜いた君が振り返り
合った目に、笑み
ぽん、ぽんと両肩を叩いて
大丈夫、力をお抜きと

手を伸ばすことを覚え始めた子の
真っ直ぐな信を疑う程
盲目ではない

かけて行くフェレスちゃんを追い
攻撃を届けるよう援護と庇い
反撃時には瓜江の放つ風刃で
吹き飛ばし狙う

世界や絆がどうあるべきかなんて
決めるのは君じゃない


フェレス・エルラーブンダ
るい(f13398)と

にんげんが妙に有難がる
天使さまとか云うもののかたちに似たそれ
なら、こいつは『かみさま』の代弁者なのだろうか

……。

慈悲?あい?そんなもの
泥の底、陽のささない瓦礫の下にあるものか

文句を言いたいのに声が出ない
癇癪を起こして刃を抜き放つ

おまえになにがわかる
るいはふゆをこせる寝床を貸してくれた
痛めつけたり、追い回したりしなかった
いろを、字をおしえてくれた
盗むことも、傷つけることもいらないって

振り向く
るいと目を合わせる
ただ、それだけ
でも充分だ

攻撃回数を重視した棘檻
二回攻撃を交えて物量で黙らせる

かってに嘘だと決めるな
じぶんのきもちくらいじぶんできめる
……罪も、罰も、わたしだけのものだ!



 にんげんが妙に有難がる、天使さまとか云うもののかたちに似たそれ――アナスタシアの姿にフェレス・エルラーブンダ(夜目・f00338)はその瞳を細める。
(「なら、こいつは『かみさま』の代弁者なのだろうか」)
 ほかの猟兵の攻撃から逃れて、アナスタシアはフェレスと冴島・類(公孫樹・f13398)前へと降り立った。
 彼女は二人へと、己の愛の説法をただ微笑みだけで語るのだ。
(「天の使いの格好をした者とは、面倒な」)
 類の足は自然とフェレスの前へ。すると、類? とフェレスは見上げる事になる。
(「彼女は情緒が育ち行く途中なんだ。天使が勝手な価値観を押し付けるもの……なんて」)
 毛嫌いするようになったらどうしてくれると視線を強めて拒絶を唱える。
 けれど、微笑みから――その心へとアナスタシアの説くものがひたひたと侵する。
 フェレスはそれにむぅ、と瞳細めて。
(「慈悲? あい?そんなもの」)
 泥の底、陽のささない瓦礫の下にあるものか――世界が終わってしまっては何もない。
 フェレスはそう思うのだ。
 そして類も、その説法が心に響くことはない。
(「こう言うの、聞き飽きてるんだよなぁ」)
 嘗てのものは……と、思い起こす。
 それは――愛、ではなかったかもしれないが。
(「かけられてなければ、此処に立ってないし」)
 そう思っていると、フェレスが今度は類の前に立つ。
 文句を言いたいのに声が出なくて――それに募る苛立ち。
 癇癪起こして、刃を抜き放つフェレス。
 おまえになにがわかる、ときっと視線は鋭い。
(「るいはふゆをこせる寝床を貸してくれた」)
 痛めつけたり、追い回したりしなかった。
 いろを、字をおしえてくれた。
 盗むことも、傷つけることもいらないって――おしえてくれた、とフェレスは思う。
 それがフェレスにとってどんなに意味のあることだったのか。
 少なくとも、目の前のアナスタシアが説くものよりフェレスの心に響くものだった。
 フェレスは後ろを振り向く。
 るい、とその視線は名を呼んでいた。
 視線が合う。ただ、それだけだ。
 でも、それだけでフェレスには充分だというのに。
 類は、合ったその瞳に、笑み向けて手を伸ばす。
 その両肩に手を置いて、ぽん、ぽんと叩いて――大丈夫、力をお抜きとそれ以上を類は渡すのだ。
 手を伸ばすことを覚え始めた子の、真っ直ぐな信を疑う程――盲目ではない。
 先を駆けたフェレス。その後を類も追う。
 フェレスは身体中に仕込んだ刃をもってアナスタシアの懐へと飛び込んだ。
 叩きこむ、その回数を上げてアナスタシアを攻めていく。
 深く、突き刺さる。
 その刃をアナスタシアは振り払う。吹き飛ばされたフェレスを受け止めたのは、類の瓜江だった。
 そしてまた攻撃届くように援護と、風刃を放ちその中をフェレスがまた走る。
 吹き飛ばしには、お返しを。瓜江の風刃はアナスタシアを吹き飛ばし、瓦礫の上に縫い留める。
 そこへフェレスは踏み込んで。
(「かってに嘘だと決めるな」)
 じぶんのきもちくらいじぶんできめるとフェレスは強く思う。
 そう、己が抱えた心は誰にも上塗りはできない。
 それが変わることはあるのだろうが――アナスタシアによってそれが起こる事はなく。
(「……罪も、罰も、わたしだけのものだ!」)
 その姿を見つめ、類も思う。
 世界や絆がどうあるべきかなんて、決めるのは君じゃないと。
 いつでもそれは、己自身だとフェレスの背を見守りながら。
 それを類は知っているし、きっともうフェレスも知っていると、僅かに表情和らげて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セト・ボールドウィン
オズ(f01136)と

オズを初めて見たのは…いつだっけ
友達の誕生祝いのとき。たしか
そのときは友達の友達だったけど…でも、今は

きれいな羽
でも、これ敵のだよね?何か嫌な感じがする

オズの作ってくれた要塞
これは…テント?それなら!

敵の姿を窓から探す
意識を集めるのは難しくない
オズが守ってくれるから


『名前が判ると呼びたくなる』
俺がそう言ったら、笑ってくれた
俺の名前を呼んでくれた

そのときからオズは、俺の友達なんだ

これからもいっぱい名前呼んで
オズのことも、俺のことも。いろんなこと話して、遊んで
もっともっと仲良くなるんだ

だから、「声」は必要で
オズとの記憶だって必要なんだ

千里眼射ち
狙うはアイツひとり。――貫け!


オズ・ケストナー
セト(f16751)と

セトをはじめてみたのはおしごとのとき
はじめて目が合ったのは節分で豆まきをしたとき
ちゃんと記憶しているそれが
羽根が近づけば揺らぐよう

セトっ
音にならない
でも、この羽根にふれちゃだめだ

ガジェットショータイム
小さな要塞のようなガジェットは
いっしょに立てたテントの基地に似ている

セトと自分を覆って
オーラ防御も合わせ羽根から守る

セトはしってる
テントには窓がついていること
もちろん、この要塞にも同じように

わたしはぜんぶぜんぶ忘れたくない
セトとはこれからもっといっしょにあそんでなかよくなって
こんなことしたね、っていっぱい話すんだ

だから
声はいるよ
それに、セトのことたくさんよぶってきめてるものっ



 猟兵たちからの攻撃をうけ、アナスタシアは羽ばたく。
 その翼よりふわりふわり、いくつもの羽根が舞い落ちて、跳ぶ先はセト・ボールドウィン(木洩れ陽の下で・f16751)とオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)のもと。
 その羽根は、触れれば大切なものの記憶を奪うという。
(「オズを初めて見たのは……いつだっけ」)
 友達の誕生祝いのとき。たしか、とセトは思い返す。
(「そのときは友達の友達だったけど……でも、今は」)
 そうではなくて、大切な友達のひとり。
 オズも、思い出す。
 セトをはじめてみたのは、猟兵としての仕事の時。
(「はじめて目が合ったのは節分で豆まきをしたとき」)
 ちゃんと記憶しているそれが、あの羽根が近づけば揺らぐように感じて、オズはセトへと視線向けた。
 きれいな羽、とセトの視線はそれへと向いている。
(「でも、これ敵のだよね? 何か嫌な感じがする」)
 そうセトが思っていると、オズはセトっ、と音にならない声で呼んで。
 きれだけれど――でも、と。
(「この羽根にふれちゃだめだ」)
 それを伝えるためにそしてセトと、そして互いの持つ記憶を守る為にオズが生み出すのは小さな要塞のようなガジェットだ。
 その形に、セトは瞬いて嬉しそうにする。
(「これは……テント? それなら!」)
 それは一緒に立てたテントの基地に似ているから。
 セトと自分を覆って、オーラの防御もあわせてオズは守りを固める。
 一緒に作ったからこそ、知っている。
 テントには窓がついていること。それはもちろん、この要塞にも同じようにあるのだ。
 その窓からちょっとだけ顔覗かせて、セトは敵の姿を探す。
 意識を集めるのは難しくない。それはオズが守ってくれるからだ。
『名前が判ると呼びたくなる』
 俺がそう言ったら、笑ってくれた――俺の名前を呼んでくれた、とセトは思う。
(「そのときからオズは、俺の友達なんだ」)
 その友達が守ってくれている。
 なら、自分ができることをしなきゃと思うのだ。
 これからもいっぱい名前呼んでオズのことも、俺のことも。いろんなこと話して、遊んで――もっともっと仲良くなるんだ。
 その為にも、とセトは思う。
(「だから、『声』は必要で。オズとの記憶だって必要なんだ」)
 失いたく声。そして失いたくない記憶、そのどちらも守りたいものだ。
 それはオズも、同じ。
(「わたしはぜんぶぜんぶ忘れたくない」)
 セトとはこれからもっといっしょにあそんでなかよくなって――こんなことしたね、っていっぱい話すんだと思いながら。
 だから、声はいるよと。声があるなら言っていただろう。
(「それに、セトのことたくさんよぶってきめてるものっ」)
 見つけた、と矢を番えるセトの姿。
 その羽根から守りながらオズはセトっ、がんばれっと応援を心の中で。けれどこれは、声が出たとしても邪魔をしないようにとオズは心の中でそれを紡いだだろう。
 窓から、よぉく狙って――セトの構えたその先はアナスタシアを捕らえている。
(「狙うはアイツひとり。――貫け!」)
 集中して放たれたそれがアナスタシアの翼を貫いた。
 ひらりふわり、落ちていく羽根が止まっていく。
 声が無くても、視線あわせて、小さく手をハイタッチと合わせて。
 通じるものはあるけれど、やはりその名を呼びたい気持ちは強くて、声は出ずともその唇は互いの名の形を辿っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
倫太郎殿が私に向けている情が真のものか
声がなくとも、確実に確かめる術はないのでしょうね

心は本人のものであり、本人にしか判らない
逆も然り、彼にも私の想いは判らない
どんなに言葉を交わしても、手を繋いだとしても
埋められない隙間は如何してもあるのでしょう

暗闇の中、見えぬ不安に駆られるのは当然のこと
それでも手を伸ばした先に確かなものがあるのなら、迷わず手を伸ばそう
きっと握り返してくれる者が居ると信じて

覚悟を刃に、彼の毒針が敵に刺さったのを視力で確認すれば
早業の抜刀術『砕風』にて攻撃
彼に与えられた隙を、決して見逃しはしない

私達は互いの愛情を知る前に、共に戦う友でもあります
勿論、今も


篝・倫太郎
【華禱】

疑心か……
で?だから?ってのが俺の答え
尤も声にはならないけど

だって、夜彦が俺を愛していないんじゃないか、とか
疑ったところでどうにもなんねぇだろ

それは夜彦の気持ちで俺がどうこう出来るもんじゃないから
信じてると相手に自分の信を押し付けて疑ってりゃ世話ねぇって話だ

愛情とは、別の処に信がある
愛情を疑ったら、その信も疑うのか?
答えは否――

だから、いつも通りだ

俺は。そういう揺さぶりには強くねぇ
……けど、そこだけに重き置いて
この人の隣に居る訳じゃねぇんだ

巡針:蝕を使用
ダッシュで近接して先制攻撃
刃先返して2回攻撃で確実に傷を負わせる

夜彦の動きは見なくたって判る
その根拠は愛情とは違う絆だから

もう、還んな



 翼を貫かれアナスタシアはふらふらとバランスを崩す。
 けれど月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)と篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)の姿を見つけ、微笑みをたたえた。
 次はあなたたちがみせてくださるのでしょうと。
 その笑みで、愛の説法を。それは二人の心に疑心を生み出していく。
(「倫太郎殿が私に向けている情が真のものか」)
 声がなくとも、確実に確かめる術はないのでしょうねと夜彦は僅かに、困ったように小さく笑み零す。
 その傍らで倫太郎は、いつもと変わらぬのだ。
(「疑心か……」)
 それがあろうとも、思うのは。
(「で? だから? ってのが俺の答え」)
 その答えは、声にはならないけれど夜彦に視線むけて倫太郎は笑ってみせる。
(「だって、夜彦が俺を愛していないんじゃないか、とか――疑ったところでどうにもなんねぇだろ」)
 夜彦の気持ちで俺がどうこう出来るもんじゃないから、と倫太郎は思う。
 信じてると相手に自分の信を押し付けて疑ってりゃ世話ねぇって話だと。
 そして夜彦も、同じようにわかっているのだ。
 心は本人のものであり、本人にしか判らないということを。
(「逆も然り、彼にも私の想いは判らない」)
 どんなに言葉を交わしても、手を繋いだとしても――埋められない隙間は如何してもあるのでしょうと夜彦も柔らかに微笑んだ。
 暗闇の中、見えぬ不安に駆られるのは当然のことなのだ。
 それでも手を伸ばした先に確かなものがあるのなら、迷わず手を伸ばそうと夜彦は思うのだ。
(「きっと握り返してくれる者が居ると信じて」)
 少なくとも、倫太郎殿はそこに居れば握り返してくれると知っている。
 愛情も互いを繋ぐものではある。けれど、二人はそれだけではないのだ。
 愛情とは、別の処に信があるのだ。
(「愛情を疑ったら、その信も疑うのか?」)
 倫太郎は、ふと口端だけあげる。
 答えは否――だから。
(「いつも通りだ」)
 心を揺さぶる何か。それに己が強くないことを倫太郎は知っている。
(「……けど、そこだけに重き置いて、この人の隣に居る訳じゃねぇんだ」)
 倫太郎は走る、華焔刀をその手に。
 その刃の切っ先がアナスタシアを捕らえれば魔力でできた不可視の毒針が突き刺さる。
 それを、夜彦は見て踏み込み刀術による刃で続けて捕らえた。
 倫太郎が生み出した隙を決して見逃しはしないのだと。
 その動きは倫太郎の視界の外でだった。
(「夜彦の動きは見なくたって判る」)
 それは愛情とは違う絆があるからだ。
 互いの愛情を知る前に、ともにいくつもの戦いを抜けた友でもあるのだ。
 それは。
(「勿論、今も」)
 変わらない事。
(「もう、還んな」)
 そう思い倫太郎がさらにいれた一撃。
 アナスタシアは傷を負わされているというのにすてきな絆と、微笑んでいた。
 ここにも確かな絆があるのですねと嬉しそうに。私の与える試練をものともせず超える絆がいくつもあると。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎

つーか、ホント
声が出ないっつーのも中々、難儀だよねぇ
何度かやってみれば、ゆーくんにも伝わるかな?
敵が来る前に、お試しというコトで……

(楪の肩を叩いてから)
ゆーくん
敵が来たら、俺にドーンと任せてよ?
最後に渾身のキメ顔を見せれば、きっと伝わる筈ってね!

――げふぅ!?
ゆ、ゆず、流石に鳩尾は痛い……
って、ゆずの偽物がわらわらと出てきたねー?
……はっ、残念でした
唯一の姿を見間違える程、節穴じゃねぇ

目を見りゃ解る
愛おしいだけじゃない、殺意すらも感じさせる
撃ち抜く様な灰の輝きが本物を教えてくれる

UC:紅雨
落ちろ、落ちろォ!!!
ははっ!派手なダンスと洒落込もうぜ、Honey!


月待・楪
氷月(f16824)と
アドリブ等歓迎

はー…思った以上にストレスっつーか…
ひづの声が聞こえねェのはつまんねーな…

ア?
なんだ、訳わかんねぇ踊りしてんじゃねーよ
若干わかりそーでわかんねージェスチャーが腹立……チッ無駄にいい顔すんな、バァカ
(キメ顔に舌打ちして、おもいっきり鳩尾にグーパンチ)

顔がいいお前が悪い
うわ……氷月モドキ…全員謎のキメ顔じゃねーか
(じっと氷月の顔を見てジェスチャー)
ナァ望…俺のこと、殺したい?

く、ふ…ハハハッ
やっぱどいつもこいつも、俺の氷月より殺意が足りねー
俺の刃からの殺意を感じ間違う程、不感症じゃないんでな

【EasterLily】
OK,darling
パーティタイムだ!



(「つーか、ホント。声が出ないっつーのも中々、難儀だよねぇ」)
 氷月・望(Villain Carminus・f16824)は傍らの月待・楪(Villan・Twilight・f16731)へと視線向ける。
 その表情はといえば。
(「はー……思った以上にストレスっつーか……ひづの声が聞こえねェのはつまんねーな……」)
 と、仏頂面だ。
 望は何度かやってみれば、ゆーくんにも伝わるかな? とふと思う。
(「敵が来る前に、お試しというコトで……」)
 楪の肩を叩く望。
(「ゆーくん。敵が来たら、俺にドーンと任せてよ?」)
 その様を見た楪は――声がでたなら、ア? と漏らしていただろう。
(「なんだ、訳わかんねぇ踊りしてんじゃねーよ。若干わかりそーでわかんねージェスチャーが腹立……」)
 身振り手振り、そして最後に渾身のキメ顔を見せれば、きっと伝わる筈ってね! と、いう姿が楪の瞳に映って。
(「チッ無駄にいい顔すんな、バァカ」)
 舌打ちと共におもいっきり鳩尾にグーパンチをいれる楪。
(「――げふぅ!?」)
 それを受けた望はその場所押さえて。
(「ゆ、ゆず、流石に鳩尾は痛い……」)
 顔がいいお前が悪い、と楪はじっとり視線。
 そんな二人の前に――あなたたちにも試練をとアナスタシアは現れる。
 傷を負いつつ、新たな試練をと、ふたりの絆を感じて生み出すのは偽物たち。
 同じ姿、同じ顔をしたもの達だ。
(「うわ……氷月モドキ…全員謎のキメ顔じゃねーか」)
(「って、ゆずの偽物がわらわらと出てきたねー?」)
 じっと、望の顔を楪は見る。
 そして身振り手振り――伝えるのは。
(「ナァ望……俺のこと、殺したい?」)
 何を伝えているのか、望はそれがわかってしまった。
 だから、息吐いて笑って。
(「……はっ、残念でした。唯一の姿を見間違える程、節穴じゃねぇ」)
 目を見りゃ解る――そこにあるのは、愛おしいだけじゃない、殺意すらも感じさせるもの。
 撃ち抜く様な灰の輝きが本物を教えてくれると望は思うのだ。
 楪は喉奥鳴らして、その言わんとしていることに笑い零した。
(「く、ふ……ハハハッ」)
 そして感じる者も違うのだと、アナスタシアの与えた試練に臆することもなく。
(「やっぱどいつもこいつも、俺の氷月より殺意が足りねー」)
 偽物が、それぞれと同じ武器もって向かってくる。
 偽物の望、その刃を軽く楪は避けた。
(「俺の刃からの殺意を感じ間違う程、不感症じゃないんでな」)
 これは違う、偽物だ、贋物だ。
 本物は、傍らで笑っている。
(「落ちろ、落ちろォ!!! ははっ! 派手なダンスと洒落込もうぜ、Honey!」)
 そして一瞬咬み合う視線。
 望が落とす紅雷の槍が偽物を貫いて、感電により動きを止めて。
(「OK,darling――パーティタイムだ!」)
 それを貫くのは弾丸。楪が足を止めたその一瞬を打ち抜いていく。
 パーティータイムは偽物砕いて、払い除けて。
 本物の二人だけはそこにただ、佇む。
 偽物には惑わされぬその絆に、アナスタシアは素晴らしいと、微笑んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレズローゼ・クォレクロニカ
💎🐰
アドリブ歓迎

試練、か
燃えるじゃないか!兎乃くん!
うむぅ、だね
かわしきれる気はしないかも

ふふん、その意気だよ
ボクだって、やってやる!
野生の勘を働かせ、見切ってかわして絵の具の呪殺弾で羽を撃ち落とす!
大事な人達との記憶を破壊工作なんてさせないんだ!
兎乃くんとはちゃめちゃに楽しく愉快に遊んだ記憶も
桜の館で過ごすあったかい日々も
優しい手に柔らかな笑顔も
ボクの名を優しく呼んでくれる、その声も
そして今、隣にいるキミだって
全部全部!
守ってみせる!
兎乃くんに抱えられて、魔法に添うよう飛び出して
全力魔法をばーーんと描きそして
「女王陛下の気まぐれ裁判!」
ガブッと食いちぎってあげるよ

どんな試練も乗り越える!


兎乃・零時
💎🐰
アドリブ歓迎

試練ってなら
超えなきゃな!

当たるのは駄目だ
半ば直感だ
だがこのままじゃ躱せない
薙ぎ払うにも数が多い

…なら、今持つ最大の手札をきる時だ
やってやる!

リミッター解除×封印を解く
UC起動

これは魔術に非ず
種族固有の共鳴現象
故に
詠唱無しで作動する疑似未来!

「「当たるか、よ!]]

普段と違い高身長な大人姿で急加速
フレズを抱え乱舞を避ける!

当たろうが記憶は気合いで保つ

今なら無詠唱魔術も…!

聞こえずとも叫ぶのさ

今までに有った
楽しく
嬉しく
驚く様な日々
そんなフレズ達との想い出を!
絶対に絶たせねぇ!

行くぜフレズ!

無詠唱
光【属性攻撃×限界突破×全力魔法】!

薙ぎ払え!

リミテッドオーバーレイ
極光一閃!!



 次は――あなたたちとアナスタシアは笑み向けていた。
(「試練、か」)
 燃えるじゃないか! 兎乃くん! とフレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)は兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)へと視線向ける。
 それに大きく零時も頷いた。
(「試練ってなら、超えなきゃな!」)
 ふわりふわり、アナスタシアの羽根が舞っている。
 それを一目見て、零時は構えた。
(「当たるのは駄目だ」)
 それは半ば直感。だがこのままじゃ躱せないとも、思う。
 薙ぎ払うにも数が多い。
 そしてフレズローゼにも零時の感じていたものは通じていた。
(「うむぅ、だね。かわしきれる気はしないかも」)
 それならと零時は目配せ一つ。
(「……なら、今持つ最大の手札をきる時だ。やってやる!」)
 己のリミッターを解き放ち、そして封印解いて、零時は前を見据える。
(「現在《今》も過去《昔》も引っ張って! 望んだ未来へたどり着く! 理屈も道理も関係ねぇ! 俺様に力を貸しやがれ!」)
 これは魔術に非ず――零時の、種族固有の共鳴現象だ。
 故に詠唱無しで作動する疑似未来。
 零時の背は伸びて、それはこの先の姿へと変じる。
(「「当たるか、よ!]])
 向かってくる羽根――零時はフレズローゼを抱え上げた。その乱舞を開けるべくだ。
 ひとつ、ひらり。ふたつ、ふわり。
 それが微かに零時の身に触れていく。何かが奪われそう――けれど、気合で零時はそれを振り払う。
(「ふふん、その意気だよ。ボクだって、やってやる!」)
 零時が避ける。けれど躱し切れずに向かってくるものもあるのだ。
 それをフレズローゼがカバーする。野生の勘が、あっちこっちと囁いて。
 絵の具の呪殺弾で撃ち落としていく。
(「大事な人達との記憶を破壊工作なんてさせないんだ!」)
 守りたい――兎乃くんとはちゃめちゃに楽しく愉快に遊んだ記憶も。
 桜の館で過ごすあったかい日々も。
 優しい手に柔らかな笑顔も。
(「ボクの名を優しく呼んでくれる、その声も――そして今、隣にいるキミだって」)
 フレズローゼは羽根を避けて、そして距離詰める零時を見上げていた。
(「全部全部! 守ってみせる!」)
 それは、零時も同じ気持ちだ。
 今までに有った、楽しく、嬉しく。
 驚く様な日々――
(「そんなフレズ達との想い出を! 絶対に絶たせねぇ!」)
 フレズローゼと零時の視線が一瞬、触れ合うように重なった。
(「行くぜフレズ!」)
 詠唱は無く、光を集わせ限界超えて全力の魔法を零時は放つ。
(「薙ぎ払え!」)

 リミテッドオーバーレイ
 極光一閃!!

 と、言の葉にせずともそれが奔る。
 それに添うように飛び出して、全力魔法をばーんと描くフレズローゼ。
(「ガブッと食いちぎってあげるよ」)
 女王陛下の気まぐれ裁判! とその身の一部をジャバウォックの頭に変えて、一閃うけたアナスタシアの身をかじり取った。
(「どんな試練も乗り越える!」)
 その、強い想いはアナスタシアに届いているのだろう。
 試練を超えていく、その心がとうといと微笑んでいた。
 己の身に傷を負うよりも、そちらのほうが大切なようだった。
 それでも募るダメージから逃れたいと思う気持ちは素直だ。
 アナスタシアは羽根を振りまいて、その場から距離をとった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・ニュイ
わんこ達の安全を確保し
避難しているのを確認して

あのねー、声がなくても絆は紡げるけど、あった方が便利なんだよ!?
って言いたいけど声…!!
じだんだを踏む

己の少ない記憶が傷つけられるとびくり、怖がるような表情に
記憶をなくしてからできた大切な人達
僅かにある記憶の中にいる家族やそばに居るリサちゃん
やめて
記憶に触れないで
ただでさえ少なくて不安なのに奪わないで

間合いを取り
攻撃は見切り、躱す
見切りきれなければ銃で武器受けし、カウンター

銃を2つ構え
UCダブル
右に雲、左に霧
スナイパーで命中率を上げて2回攻撃で手数を増やす
頭や胸などの急所を狙い
クイックドロウで早撃ち
速さでも正確さでも負けない
一瞬で勝負つけてあげる



 骸魂がついていようとも、もふもふのわんこはわんこ。
 霧島・ニュイ(霧雲・f12029)が安全な所へと示せばぴゅーと走って、振り向いて尻尾ふりふり。
 皆が避難したのを確認してニュイはアナスタシアの方へと向き直る。
 彼女は傷を負い――もうその身は完全ではない。
(「あのねー、声がなくても絆は紡げるけど、あった方が便利なんだよ!? って言いたいけど声……!!」)
 ニュイはじだんだを踏んで、苛立ちを現す。
 声はやはり、必要だと思う。こういう時に発せないのは、特に不便。
 そんなニュイにむけてアナスタシアは羽ばたく。
 絆、それを紡ぐものがここにもいると慈愛と歓喜の感情をこめてその羽根を飛ばしてくる。
 ふわり、そのひとひらがニュイに触れる――それはニュイの記憶を僅かに削って、奪っていった。
 ニュイは己の少ない記憶が傷つけられびくり、と。怖がるように表情を固まらせた。
 記憶をなくしてからできた、大切な人達――そして。
 僅かにある記憶。その中にいる家族や傍にいるリサちゃん。
 その記憶にふれられ、わずかに削られて散っていく感覚がある。
(「やめて」)
 記憶に触れないでとニュイは一歩、下がってしまう。
 ただでさえ少なくて不安なのに奪わないでと――この羽根にはこれ以上触れてはならないとニュイは間合いを取る。
 ひらりふわり、柔らかに落ちてくる羽根を避けて、躱して。
 どうしても触れそうな――その瞬間には銃でもって払い除けた。 その手には――銃を二つ構える。
 右に雲、左に霧。
 何処を狙えばいいか、ひらりと落ちる羽根の先にいるアナスタシアをニュイは捉える。
 命中率を上げ、攻撃の回数をあげ手数増やして。
 狙うのは頭か、胸か。急所狙って早撃ちかける。
 速さでも正確さでも負けないとニュイの心は動かない。
(「一瞬で勝負つけてあげる」)
 放たれた弾丸はアナスタシアを貫いた。そこから、アナスタシアの身には罅が奔り、砕けるようにその身が散っていく。
 すると――ニュイの中に戻ってくる記憶があった。
 それはアナスタシアとしていた骸魂が散ったから。その中より、呑み込まれていた妖怪が崩れ落ちるように倒れ込んだ。
 己の中に戻ってくるもの、そして。
「あ……声、戻ってる」
 アナスタシアが奪っていた声が、戻ってくる。
 それは喋れない『沈黙の世界』の、終わり。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『もふもふパラダイス』

POW   :    体力の続く限り遊ぼう!

SPD   :    気のすむまで撫でよう!

WIZ   :    まったりゆったり一緒に過ごそう!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 声が戻ってきて『沈黙の世界』が終わる。
 そして何も自分たちを脅かすものがいなくなったとみて――ひょこりひょこりと。
 安全になったみたいだと隠れていた場所から顔をだすもふもふたち。
 管狐、猫又、化け狸――ほかにもたくさんの、もっふもふのいきものたち。
 いろんな場所に、いろんなもの達がいるのだ。
 日向ぼっこしたり、この場所を訪れたものと楽しくあそんだり。
 はたまたもふもふたちで集ってこんもりもっふもふの塊のようになっていたり。
 そんなもふもふたちは此処を訪れる者たちを快く受け入れていた。
 中には、縁を繋いでこの場所から離れていくもふもふもいる。
 それはきっと、この場で共に紡いだ時間次第。
林・水鏡
ん、無事声を取り戻すこともできたし皆安心したようじゃな。
うむ、愛い愛い。
よし、撫でて欲しいものはおるか?
おらんでも撫でるぞー(なでなでなでなで)
…茶マロにはあまりかまってやれんかったしのう。

こう言う触れ合いもいいもんじゃなぁ。
この世界はすーぐ滅びてしまいそうになるが。
お前達のようなもの達のためにも頑張って守らねばの。
ふふ、よい縁があれば誰かと共に行ってその者の役に立つのもいいじゃろう。
我か?…私は最近弟子ができたでなそっちで精一杯じゃからのう。だから私は大丈夫じゃ。



 声が戻った世界は、何よりも平穏だ。
「ん、無事声を取り戻すこともできたし皆安心したようじゃな」
 己の声を、僅かぶりに聞いて林・水鏡(少女白澤・f27963)が笑っていると――
「くぅん!」
 鼻鳴らしながら小さな子犬が寄ってきた。尻尾をふりふり、きらきらの瞳を水鏡へと向けている。
 水鏡はしゃがみ込んで、その子犬へと笑いかけた。
「うむ、愛い愛い」
 そういうと、子犬はぐりぐりと頭をすり寄せてくる。
 それは――撫でて! と言っているようだ。
「よし、撫でて欲しいものはおるか?」
 おらんでも撫でるぞー、と笑いながら頭ぐりぐりすりつけてきた。
 その頭をなでなでなでなで。ボディもなでなでなでなで。
 すると近くに隠れていたのか、他の子犬たちも現れ我も我もとすり寄ってくる。
 その一匹ずつを水鏡は満足するまで撫でてやった。
 顎の下も、耳の傍も、腹も背中も。
「……茶マロにはあまりかまってやれんかったしのう」
 こう言う触れ合いもいいもんじゃなぁと水鏡は一匹を膝の上に乗せてなでなでしつつ思うのだ。
「この世界はすーぐ滅びてしまいそうになるが。お前達のようなもの達のためにも頑張って守らねばの」
「わふ!」
 水鏡の声に一声ないて、その子犬はじぃと見上げてくる。
 それは何かを強請っているような視線なのだが――水鏡はふふ、と笑い零して。
「よい縁があれば誰かと共に行ってその者の役に立つのもいいじゃろう」
「くぅん? きゅん!」
 子犬が首を傾げて水鏡へと問いかける。水鏡はぱちくりと瞬いて。
「我か?」
 水鏡はそうじゃなあと少し、考える。
 その表情にあるのは柔らかな――笑み。
「……私は最近弟子ができたでなそっちで精一杯じゃからのう。だから私は大丈夫じゃ」
 おぬしも早く大切な出会いがあると良いな、と水鏡は優しく撫でてやるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

冴島・類
フェレスちゃん(f00338)と

何度か咳払い
うん、フェレスちゃんの声聞こえるよ
戻ったみたいだし
毛並みが魅力的な子らも無事で何より


見分けつくに決まってるでしょ
おかしなこと言うね
ほらご覧?
君も、あの子らも一人一人違うだろう

伸べられた手に引かれ、彼らに近づく
遊んでみたい子はいるかい
縁があれば仲間になれるみたいだよ?

管狐に化け狸
妖怪とは言っても、馴染みやすい子が多いね
猫又さんか!近しいのを感じるかい

見守って…
ちゃん歩み寄ったのに胸撫で下ろす
誰だってはじめましてはこわい
君なら、どうされたら怖くない?

彼女に新しいともだちができたら
一緒に日向ぼっこでもして
まだある緊張を解そうか
名前、聞いてみたらどうかな


フェレス・エルラーブンダ
るい(f13398)と
あ、あー

やっとこえがでた
よかった
毛玉たちもぶじだ

私があれにまざると、るいがまいごにならないか
……だいじょうぶ?

笑う声に胸撫で下ろし
はぐれないようにと手を差し伸べて

ほそながいきつね
はっぱのついたたぬき
あっちは……ね、ねこ

猫又と呼ばれるそれ
思わず尾っぽが膨らんでしまったけれど
敵意がないとわかっているからすぐに頭を下げた

おどろかせた
ごめん
おまえもねこで、わたしもねこだ

名乗れば握手ができるだろうか
にんげんはそうして『ともだち』になるらしいから

あくしゅ
できたから、もうこわくない

わたしはフェレス
こっちがるい、瓜江
おまえは?

緊張に声が上擦ったけれど
返事が返れば、つい喉を鳴らしてしまった



「あ、あー」
 やっとこえがでた、とフェレス・エルラーブンダ(夜目・f00338)は喉をさすさす。
 よかった、とフェレスは冴島・類(公孫樹・f13398)を見上げる。
 類は何度か咳払いして。
「うん、フェレスちゃんの声聞こえるよ」
 うん、とフェレスは頷く。毛玉たちもぶじだ、と視線向ければ類もつられてそちらへ向いた。
「毛並みが魅力的な子らも無事で何より」
 もっふもふ。管狐にわんこ、猫又、化け狸――ほかにもほわほわもふもふのまぁるい鳥のような子がいる。
 その子たちはもふっとかたまってぎゅっぎゅとおしくらまんじゅうをして遊んでいるようだ。
 その様子を見て――ぴこりとその耳が、そわりとその尻尾が動く。
「私があれにまざると、るいがまいごにならないか」
「え」
「……だいじょうぶ?」
 不安げに見上げてくる――何を言っているのか、と思ったけれどなんだかおかしくなってきて、類はくすりと笑い零した。
「見分けつくに決まってるでしょ。おかしなこと言うね」
 ほらご覧? と類は僅かにしゃがんで、フェレスと視線の高さを合わせた。
「君も、あの子らも一人一人違うだろう」
 毛色も、様々だ。銀色の子もいれば茶色のこも、赤色がかった子もいるのだから。
 その言葉にたしかに、違うとフェレスは自分の尻尾の色を見る。
 フェレスは類の笑う声に胸撫でおろし、そうっとその手を差し伸べた。
 はぐれないように、と。
 類は柔らかに笑ってその手を取る。
 先を行くのはフェレスだ。類は手を引かれ一緒に。
「ほそながいきつね。はっぱのついたたぬき」
「遊んでみたい子はいるかい」
 縁があれば仲間になれるみたいだよ? と類は言う。その言葉にうーん、とフェレスは周囲を見回した。
 管狐に化け狸――妖怪とは言っても、馴染みやすい子が多いねと周囲でみんなと遊んでいる姿に類は瞳細める。
「あっちは……ね、ねこ」
 ぴこり、とその耳が動く。何か感じるものがあったのだろう。
 類はそれを感じて、笑って背中押すように声かけるのだ。。
「猫又さんか! 近しいのを感じるかい」
 ねこまたとフェレスは言って一歩近づく。
 でもぴた、と猫又のほうが歩み止めた瞬間、フェレスの尾がぶわっと膨らんだ。
 それに猫又も驚いたか、びくっと硬直した。
 その様にフェレスは敵意がないのもわかっているからすぐに頭を下げる。
「おどろかせた、ごめん。おまえもねこで、わたしもねこだ」
 そう言って、そうっとフェレスが手を伸ばす。
 すると猫又はすんすんと鼻鳴らしてその指先にちょんと、鼻先をあてた。
 その様子を類はただ黙って見守って、ちゃんと歩み寄れていることに胸撫でおろす。
 誰だってはじめましてはこわいと、類は知っているのだから。
(「君なら、どうされたら怖くない?」)
 それを考えるんだよと、フェレスの背中を少しだけ押してやる。
 フェレスも、まだ少し不安はあった。
 名乗れば握手ができるだろうか――にんげんはそうして『ともだち』になるらしいから。
 でもその握手は、もうできているのだろう。握手よりももう少し、親しい距離で。
 猫又はするりと、その頬をフェレスの差し出した手へとすり寄せる。
 その様子にフェレスの瞳はぱちくり、瞬いて――そして輝いて。
 もうこわくない。
 類は笑って、フェレスに新しいともだちと一緒に日向ぼっこでもしようと提案する。
 まだ少し、緊張があるからそれを解そうかと。
「名前、聞いてみたらどうかな」
 フェレスはうん、と頷いて。
「わたしはフェレス。こっちがるい、瓜江」
 おまえは?
 名前を聞く――その緊張に声は上擦った。
 どきどきしている。フェレスの問いかけに――にゃああと、小さな声が返った。
 その声に、フェレスもつい喉を鳴らす。
 猫又は自分の名前を告げて、尾を揺らし、遊ぼうとその一歩を縮めてきた。
 それは小さな一歩だったけれど――フェレスにとっては大きなこと。
 その様子を類は優しく見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パルピ・ペルポル
わぁ…もふもふがたくさん…!
これもう埋もれ放題じゃないどこからいっちゃおうかしら…。
って、もう声戻ってたわね。てへ。

そういうわけで一番大きなもふだまりに飛び込んで埋もれつつ全力でもふもふします。
はーこれは至福の時間だわ…。
この手触りは管狐、これは猫又、こっちは化け狸でこれは…わんこかしら?
どの子もいいもふ具合だわ。
このままお昼寝したら最高よね…周囲からは楽しそうな声が聞こえるからもう大丈夫でしょうし。一仕事したあとだしちょっとお昼寝してもいいわよね。
というわけでもふたちとお昼寝するから何かあったら起こしてねっ。
まぁ本気で何かあったら自力で起きるけどね。



 そこでお昼寝のふわふわもふもふ。そこで駆け回るふわふわもふもふ。
 その姿にパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は緑色の瞳に楽し気な気配を滲ませた。
「わぁ……もふもふがたくさん……!」
 あっちを見ても、こっちを見ても――もふもふ。
「これもう埋もれ放題じゃないどこからいっちゃおうかしら……って、もう声戻ってたわね。てへ」
 心で紡いでいたはずが、それを言葉にしていたことに気づいてパルピは笑う。
 声が戻ってきた世界――これが当たり前の世界なのだ。
 当たり前が戻ってきたことにパルピもほっとしつつ、その瞳が映したのは。
 もっふもふ――毛玉たちが固まってお昼寝をしているところだった。
「一番大きな、もふだまり……!」
 そこへ、パルピは勢い付けて飛び込んだ。
 もふもふ。もふもふもふもふ!
 埋もれつつ全力でもふもふするパルピ。
「はーこれは至福の時間だわ……」
 もふもふたちの間をもそっと動いて。
 ちょっともふもふの手触りが変わる――管狐、これは猫又。
「こっちは化け狸でこれは……わんこかしら?」
 それは体が小さいからこそ、受けられる至福。
 どの子もいいもふ具合だわとパルピはお気に入りのもふもふにその身を摺り寄せる。
 もふもふふわふわ――幸せな心地に微睡みも訪れる。
「このままお昼寝したら最高よね……周囲からは楽しそうな声が聞こえるからもう大丈夫でしょうし」
 きゃっきゃと遊ぶ声――楽しそうな鳴き声。
 ふ、とパルピは表情緩める。
「一仕事したあとだしちょっとお昼寝してもいいわよね」
 というわけで、もふもふに身を委ねてパルピもお昼寝。
 何かあったら起してねっ、と傍の猫又に言えばにゃぁんと眠たげな声だ。
 まぁ本気で何かあったら地力で起きるけどねと――言いながらころり。
 ふかふかにつつまれてパルピは瞳閉じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
フジモトも連れて、もふもふさんたちと戯れとうございます
皆さま、この子もお仲間に入れてやってくださいませ
まあ、本当に、様々なもふもふさんがいらして…!

そういえば、嵐吾さまの尻尾も、結構なもふもふでいらっしゃったような…
いつか、ご機会に恵まれますれば、ふ、触れさせていただきたく…
…はたして、触れさせていただけるでしょうか?

思いを馳せつつ、さまざまはもふもふさんたちを
優しくお撫でして
…ああ、わたくし、いっそここに住まわせていただきとうございます…!
このようなもふもふふわふわさんたちに囲まれて暮らしとうございます!

名残惜しくもございますが
最後には、まとめて優しく抱っこを

(アドリブ、絡み歓迎いたします)



 柴犬に似た雑種犬のフジモトは、ベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)の周囲を楽しそうにくるくる回っていた。
 フジモト、とベイメリアの視線は優しい。
「もふもふさんたちと、戯れましょう」
 そういうと、フジモトはわふっと鳴いて。
「皆さま、この子もお仲間に入れてやってくださいませ」
 ころころと、もふもふの子たちが転がるように遊びにやってくる。
 フジモトはその子たちときゃっきゃと遊び始めた。
 管狐、猫又に化け狸――さまざまなもふもふたちとじゃれ始める。
「まあ、本当に、様々なもふもふさんがいらして……!」
 その場に腰下せば、ベイメリアの周囲にももふもふの子たちが遊んで、撫でてと集ってくる。
 その子たちをフジモトと一緒になでなで。楽しそうにぴこぴこと動く尻尾に、ベイメリアはふと思うのだ。
「そういえば、嵐吾さまの尻尾も、結構なもふもふでいらっしゃったような……」
 頼む、とこの場での一件の解決のためにここへ送った男は妖狐で、尻尾も大層もふもふだった。
 あの尻尾――と思い浮かべる。
(「いつか、ご機会に恵まれますれば、ふ、触れさせていただきたく……」)
 もふもふ。あの尻尾のもふもふはきっと約束されたもふもふ。
「……はたして、触れさせていただけるでしょうか?」
 と、思いを馳せつつ、集うもふもふたちを優しく撫でるベイメリア。
 その優しさに、もっともっとところんと傍で寝転んでくる子もいる。
「……ああ、わたくし、いっそここに住まわせていただきとうございます……!」
 このようなもふもふふわふわさんたちに囲まれて暮らしとうございます! ――と、声にも出るというもの。
 至福の時間。たくさんのもふもふに囲まれ、そしてもふもふしてとおねだりされて、そしてもふもふしてエンドレス。
 ベイメリアの表情は幸せでいっぱいだった。
 けれど――そんな時間も、夕暮れ時には名残惜しいお別れの時間になってしまう。
「名残惜しくはございますが……」
 最後に、と手を広げればもふもふたちが飛び込んでくる。もちろんフジモトも。
 ぎゅうと優しく抱っこをして、ふわふわもふもふ――幸せ、いっぱい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

石神・カガチ
沈黙が終わり、少しずつ声が聞こえて賑やかになっていく
……つーか、こんなに隠れてたのかよ
続々とぽこぽこ顔を出し始める動物達に若干引きつつも
相手した奴等も声を出せるようになったのだろうと笑って去ろうとしたが

ひょこりと草むらから顔を出す何か
先程の茶まろとは異なる黒色の犬の顔
明らかに此方を見ている
めっちゃ見てる

なんだぁ?そんな面しても遊んでやらねぇぞ?
面倒くさそうに言えば、その眼差しは何処か違うような気がして

――そう、犬が従うべき主を見つけた
リスペクトの視線である

……遊びたいわけじゃねぇのか
はー……ウチの番犬にでもなるか?

言い終える前に喜んで飛び出してきた犬は

……三つ首だった

ケルベロスじゃねぇか!!!



 誰も声を発せない世界が終って――石神・カガチ(収監所の所長代理・f28275)は徐々ににぎやかになっていく、その人々の声に耳を傾けていた。
 その中でがさがさ、と音がする。その音がした方、茂みに目を向ければぴょんと管狐が飛び出した。その傍から化け狸も、猫又も。飛び出してぽてっとこけるふわもこの鳥は列なして。
「……つーか、こんなに隠れてたのかよ」
 安全になったと次々と飛び出し顔を見せ始める姿。その多さに若干引きつつのカガチ。
 けれど、ここにいる者たちと鳴き声零しながら楽しそうにしている姿見れば、心に落ちるあたたかなものもある。
 僅かに笑って、踵を返した――その先にひょこん、と。
「わふっ」
 草むらから顔出したのは、先ほどの茶まろのわんことは異なる黒色の犬の顔。
 じぃ、とその瞳は――カガチだけを見詰めていた。わさわさとその周辺の草が動いているのは尻尾をふっているからだろうか。
 キラキラ瞳は輝いて、明らかに自分を見ている。
「なんだぁ? そんな面しても遊んでやらねぇぞ?」
 俺は遊んだりはしないと面倒くさそうに言いながらがりがりと、雑にカガチは頭を掻く。
 けれど、気づく。
 確かにキラキラと瞳は輝いているのだがそれは遊んでほしい、というようなものでは、ない?
「……遊びたいわけじゃねぇのか」
 そう零せば、黒犬はわん! と一声。
 このまなざしはなんだろうかとカガチは見詰め返す。
 きらきら――期待? それは違う。
 ああ、これは――そう、犬が従うべき主を見つけたリスペクトの視線。
 ボスを、見つけた……! というものである。
 じいいいいと見詰められる、その視線に負けたかカガチは一つ息を吐いて。
「はー……ウチの番犬に」
 と、言う途中でぴょんと飛び出してきた黒犬。
「でもなるか? ……って」
 ケルベロスじゃねぇか!!!
 と、カガチの声が響きわたる。
 その声にそうだよ! というように元気にみっつのわん! が重なった。
 そう、三つ首のわんこだったのだ。
 尻尾をふりふりふりふり。そしてカガチの前でケルベロスわんこはぴしっとお座りした。
 これから、お世話になりますというように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セト・ボールドウィン
オズと

…あ
声が戻ってる

オズ?
恐る恐る呼んでみる
聞こえる。俺の名前…オズの声だ

よかった
張りつめてた気が緩んでく
よし、俺らも遊びに行こうよ

目の前にでかいかたまり
何だろう。顔を探してぐるっと回る
すごく大きな…いぬ?
へー。お前、いぬがみって言うのか
(よくわからないけど)カッコいいな!

毛皮にそっと触れて、そのまま寄りかかる
うわー…気持ちいいな。これ
ね、背中乗っていい?オズも、こっちおいでよ

ごろんと転がると日向の匂いがする。あったかい
何か俺、眠くなって来ちゃったな

ねえ、オズ?
返事が返れば、それだけで嬉しい
へへ。…んーん、何でもない

オズの声が心地いい

差し出された手を握りかえして
きっと夢の中でも名前を呼ぶんだ


オズ・ケストナー
セトと

セトっ

呼ばれて思わず両手を上げ
セトの声がする、セトのこと呼べる
うれしくてうれしくて
うん、あそびにいこう、セトっ

もふもふの壁
揺れる尻尾に、わんこだって気づく

ふさふさだ、おおきいっ
イヌガミ?
わたしはオズだよっ、よろしくね
うんと背を伸ばして撫でて

わあ、いいの?
先に登ったセトに引き上げてもらえば
まるで白い草原みたい

ほんとだ、きもちいいねっ
まねっこして寝転がればふんわり包まれて
あったかいねえ……

呼ばれたら顔向けて
なーに、セト

セトが笑うからわたしも綻ぶ

セト

名前を呼んで、手を差し出す
たしかにセトはすこしねむたそうで
わたしもなんだかねむくなってくる

だから、夢のなかもいっしょにあそべるように手をつなぐんだ



「……あ、声が戻ってる」
 それに気づいたセト・ボールドウィン(木洩れ陽の下で・f16751)は、オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)の方をみて。
「オズ?」
 恐る恐る呼んでみれば――聞こえる。これは自分の声だ。
 そしてオズも呼ばれて、思わず両手をあげて。
「セトっ」
 セトの声がする、セトのこと呼べる。
 それはオズにとってうれしいこと。
 そしてセトも、それは同じ。
 俺の名前……オズの声だ、と。よかった、と張りつめていた気が緩んで、セトも笑み浮かべる。
 声が聞こえたのは、世界が救えたということ。
「よし、俺らも遊びに行こうよ」
「うん、あそびにいこう、セトっ」
 ふたりでふわふわもふもふたちと遊ぶべく、足向ければ――その前におおきなおおきなもっふもふの塊があった。
「わ、もふもふ……しっぽ?」
 視線を上に向ければ、上でふっさふさのしっぽが揺れていることにオズは気づく。
 これはもしかして、大きなおしり?
 なんだろう、とセトは顔を探してぐるっと回れば――
「わふん!」
「すごく大きな……いぬ?」
「ふわふわだ、おおきいっ」
 オズとセト、二人を背中に乗せれそうなほどにおおきなわんこがいた。
 ふせのポーズでリラックスというところ。
 そのわんこはわふわふ、というのだが何を言っているのかは伝わってくる。
「へー。お前、いぬがみって言うのか」
「イヌガミ? わたしはオズだよっ、よろしくね」
 いぬがみ、とは何かわからないけれど――カッコいいな! とセトは笑う。
 そしてオズはうんと背を伸ばして、その鼻先をなでなで。
 セトもそうっと手を伸ばして、もふ。そのまま寄りかかる。
「うわー……気持ちいいな。これ」
 もふもふ。やわらかな心地――セトはいぬがみへと顔むけて。
「ね、背中乗っていい?」
 問えば、いいよとわふんと鳴き声ひとつ。
 やった、とセトはその体の上に登って。
「オズも、こっちおいでよ」
「わあ、いいの?」
 オズが伸ばした手をとって、オズもその背中の上に。
 もふもふふわふわの白い毛並み――まるで白い草原みたいとオズは零す。
 ごろんと転がると日向の匂いがして、あったかい。
 くすぐったそうにセトが零すとオズも笑って。
「ほんとだ、きもちいいねっ」
「何か俺、眠くなって来ちゃったな」
 オズも真似して寝転がればふんわり包まる。
「あったかいねえ……」
 そう零して流れる沈黙。でもそれはどこか居心地が良い。
「ねえ、オズ?」
「なーに、セト」
 呼ばれて、オズは顔向ける。
 セトはくすぐったそうに笑うのだ。返事が返れば、それだけで嬉しいのだから。
「へへ。……んーん、何でもない」
 オズの声が心地いいいとセトは笑う。
「セト」
 オズはその名前を呼んで、手を差し出す。
 その手を、ふふと穏やかに笑い零してセトは握り返した。
 ちょっとだけ眠たくなって、瞼は重いけれど――だからこそ、思う。
 きっと夢の中でも名前を呼ぶんだと。
 オズもそれにつられてかなんだかねむくなってきて。
 ちょっとだけ、その指先に力込めた。
 夢のなかもいっしょにあそべるように――手を、しっかりつないで。
 きっとその夢のはじまりは、二人一緒にふわもこの、いぬがみの背で目覚めることからはじまるのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・ニュイ
わ、あ………
見渡す限り一面のもふもふ達にテンションが凄く上がる

ふわふわの猫又が傍に居たので、手を伸ばして撫でてみる
あったかい、可愛い

いいなあ……
もふもふ可愛い
こういう子達と過ごしてみたい
飼えたら楽しいだろうなあ。
僕だけを主人としてくれる愛玩動物…

でもリサちゃんいるし…
遺体を動かすご主人なんて怖いよね?

手を引いて立ち上がりかけた時
ぐえっ…!
後ろから何かが体当たり
振り向けば
あっ、一緒に遊んだわんこ!
しかも骸魂から解放されてるね!良かった良かった!

ぎゅっと抱きついて
もふもふして
君が無事でよかったよ
ちゃんと救えたんだね

元気でね…

歩き出す
振り返って

あれ、着いてきてる……?

……ねえ。
僕と一緒にいてくれる?



 声が戻った世界でもっふもふな子たちが戯れている。
「わ、あ………」
 見渡す限り一面のもふもふ達――霧島・ニュイ(霧雲・f12029)のテンションはものすごーく上がっていた。
 一緒に遊んでくれそうな子はいるかな、と視線をくるりとまわす。
 そこにいるわんこも尻尾ふっていつでも追いかけっこを受けてくれそうだが、化け狸を追いかけていってしまった。
 ふわふわもふもふの鳥はみんなで集ってお昼寝中の様子だ。
「にゃあ」
 と、後ろから一声――ニュイが振り向くと、そこにはふわふわの毛並みの猫又が尻尾ゆらして近づいてくるとするりとその足にすり寄ってきた。
 手を伸ばせば嫌がるそぶりもなく、その身を撫でさせてくれる。
「あったかい、可愛い」
 もふもふなでなですると、満足したのかするりと猫又はいってしまう。
 けれど次は! というように管狐が遊びに来た。
 ニュイは笑って、いいよと手招く。もふもふ、その毛並み撫でて。
「いいなあ……」
 その口から、思わずこぼれた。
 もふもふ可愛い。
 こういう子達と過ごしてみたいとニュイは思うのだ。
(「飼えたら楽しいだろうなあ。僕だけを主人としてくれる愛玩動物……」)
 でも、とニュイは首を横に振る。
(「でもリサちゃんいるし……遺体を動かすご主人なんて怖いよね?」)
 そう思って、撫でていた管狐からニュイは手を引いた。
 またね、と立ち上がりかけたその時。
「ぐえっ……!」
 どーんと後ろからの体当たり。なに、と振り向けば――
「あっ、一緒に遊んだわんこ!」
 尻尾をふりふり。わふ! と元気に一声だ。
「骸魂から解放されてるね! 良かった良かった!」
 ばっと飛びついてきたわんこをニュイは受け止めるように抱きしめる。
 もふもふふわふわ。
「君が無事でよかったよ。ちゃんと救えたんだね」
 そう思えて――嬉しい。
 その無事を喜ぶようになでなでもふもふ。
 けれど、別れなきゃとニュイはそっとわんこを地に卸して。
「元気でね……」
 そう言って背中を向けて歩き出した。
 でもちょっと名残惜しくなって振り向けば――離れた場所にはいなくて。
「わん!」
「え? あれ、着いてきてる……?」
 その声は自分の真後ろで。視線落とせば尻尾ふりふり、はふはふ嬉しそうにしている。
「……ねえ。僕と一緒にいてくれる?」
 ニュイがしゃがんで手を伸ばすと、その指先をぺろりと舐めて。
 もちろんというように、わふ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
はい、倫太郎殿
名を呼ばれれば微笑んで返す
当たり前ながらも、取り戻した声に安堵する

折角ですので、続々と出て来た妖怪達とお話をしてみましょう
妖怪ですから通じそうですが動物と話す技能も活用します
エンパイアにも妖怪の類いがおりましたので嬉しいですね

倫太郎殿、貴方も……早速懐かれているようで
視線を下に向ければ、足元に居る狼
倫太郎殿が従えている烈殿の幼い頃に似ていますね

私はお話ついでに触らせて頂いてます
今回の騒動で器が壊れてしまった管狐の子供の悩みを聞いておりましたら
それが……すっかり懐いてしまいまして
UDCアースに丈夫な管はないでしょうか……?

貴方も放っておけないようですね
連れて帰りましょう


篝・倫太郎
【華禱】
……夜彦
そう名を呼んで
ちゃんと音になっている事を確認出来れば
ほっと安堵して

折角のもふもふをしっかり満喫!

夜彦は……っと
(足元にもふもふなころころ)
……仔狼、かな?
送り犬……?
ま、なんでもいっか……
靴の甲を踏んで見上げてくるの様子は
烈を保護した当時を思い出させるから
しゃがみ込んでわしゃわしゃ!
おぉう?!
尻尾全開でもっと!って顔してくるのズルいぞ、お前……

夜彦ー夜彦ー
烈の小さい頃みたいなのが居るー

って、あんたはなにしてんの
お悩み相談されてたのか……
んー?探せばあるんじゃねぇかな
……連れてく?

自分も連れて行け!的に足元から聞こえる一鳴きに
夜彦と顔を見合わせて笑い

二匹ともウチの子だな、こりゃ



 周囲にはみんな賑わいの声が戻ってきている。では己はどうかと――すっと、息すって。
「……夜彦」
「はい、倫太郎殿」
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)はちゃんと音になっていることを確認して、そして月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)が頷いて名を呼び返したらほっと安堵が満ちる。
 それは夜彦も同じだった。
 当たり前ながらも、取り戻した声に安堵はあったのだ。
 そうしていると、もふもふな子たちが周囲に集ってきて夜彦の表情は一層和らぐ。
 折角ですので、続々と出て来た妖怪達とお話をしてみましょうと夜彦は紡いで近くの子を撫でた。
 妖怪なので言葉は通じそうだが、動物と話す術を使って。
「エンパイアにも妖怪の類いがおりましたので嬉しいですね」
 この子などとてももふもふ、と夜彦は抱え上げる。
「夜彦は……っと」
 言われて倫太郎は足元でふんふんしている、もふもふなころころへと視線向けた。
「……仔狼、かな? 送り犬……?」
 ま、なんでもいっか……と倫太郎は零して。
 しかしその子はたすたすと前足を動かして気を引こうとしているようだ。
 靴の甲を踏んで見上げてくる。その姿は白と灰の斑な毛並みと金の瞳が特徴的な若い牡狼を――烈を保護した当時を思い出させるものだった。
 倫太郎はしゃがみこんでわしゃわしゃとその子を撫でると。
「おぉう?!」
 尻尾前回でふりふりしてもっと! と顔をしてくる。
「ズルいぞ、お前……」
 そう言って、倫太郎は。
「夜彦ー夜彦ー、烈の小さい頃みたいなのが居るー」
「倫太郎殿、貴方も……早速懐かれているようで」
 そう言って、夜彦は足元へと視線向ける。
 その様子に確かに、と笑って。
「倫太郎殿が従えている烈殿の幼い頃に似ていますね」
「だろ。って、あんたはなにしてんの」
 今度は倫太郎が夜彦の腕をのぞき込む。そこにいるのはどうやら管狐だ。
「私はお話ついでに触らせて頂いてます」
 今回の騒動で器が壊れてしまった管狐の子供の悩みを聞いておりましたら――と、苦笑交じり。
 その腕の中でうずくまってきゅんきゅん鳴いている。
「お悩み相談されてたのか……」
「それが……すっかり懐いてしまいまして。UDCアースに丈夫な管はないでしょうか……?」
「んー? 探せばあるんじゃねぇかな……連れてく?」
 探すなら手伝うぜ、なんて笑っていると。
 うぉう! と足元から一声。そちらをみればきりっとした顔でふんすふんす、言っている。
 まるで自分も連れて行け! というように。
 その様に倫太郎と夜彦は顔を見合わせて、同時に笑い零した。
「二匹ともウチの子だな、こりゃ」
「貴方も放っておけないようですね」
 連れて帰りましょう、と夜彦は言う。
 そうだなと頷いた倫太郎は仕方ないなと笑いながら足元のもふもふを抱え上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

芥生・秋日子
もふもふな癒しの楽園があると聞いて!
そんなのがあると知ったら普通に行きたくなっちゃうものです。
というわけなので、ただただもふもふしに来たのだけど、いいでしょうか?

(周辺をキョロキョロ)
わわ、もふもふな妖怪さんがこんなに
これはまさに楽園。いや、もう普通に可愛い。好き。触りたい!!
驚かせないように、そーっとそーっと手を伸ばし、そのもふもふに触れてみる。

……!!今触れた!?触れたかなぁ!!?
一瞬もふっとした。もふっとしたよ。はぁああん、癒し……
よし、次はもっと長時間もふもふと戯れるぞぉ!

そこの管狐くん、キミに決めた!
よしよし、怖くなーい怖くなーい。ちょっとでいいからもふもふさせてねぇ



 もふもふな癒しの楽園があると聞いて!
 芥生・秋日子(普通の人・f22915)の足取りは軽い。
 もふもふ癒しの楽園があると知ったなら――行きたくなっちゃうというもの。
 ということで、ただただもふもふしに来ただけの秋日子。
 それでもいい? と視線を向けると大歓迎! というようにもふもふっ子たちが顔をのぞかせてくる。
 周囲をキョロキョロ見て、秋日子の表情は嬉しさに満ちる。
「わわ、もふもふな妖怪さんがこんなに」
 これはまさに楽園――いや、もう普通に可愛い。
 好き。触りたい!!
 その気持ちはいっぱいなのだが一方的にならないように、驚かせないように気を付けて、秋日子はそーっとそーっと手を伸ばした。
 すると、寄ってきたのはひとなつっこい子たち。
 その手にもふっとした感覚が触れて。
「……!! 今触れた!? 触れたかなぁ!!?」
 一瞬、もふっとした。もふっとした……! と秋日子はふにゃり、笑みを深める。
「はぁああん、癒し……」
 そして次なるステップは。
「よし、次はもっと長時間もふもふと戯れるぞぉ!」
 秋日子はどの子が遊んでくれそうかなとくるっと回って周囲の様子をうかがう。
 すると、茂みの影からじっと見つめて。ちょっと隠れてとなんだか恥ずかしそうにして、お外にでてこれない管狐を見つけた。
 遊びたい。けれど勇気が出ない――そんな雰囲気に秋日子は瞬いて。
「そこの管狐くん、キミに決めた!」
 管狐の傍に行けば、恥ずかしいのか隠れてしまった。
「よしよし、怖くなーい怖くなーい。ちょっとでいいからもふもふさせてねぇ」
 そう言って手を差し出して待っていると、そうっと管狐は顔をだし、その手に収まってくれた。
 ふわもふ――幸せ、と秋日子の表情は緩む。

大成功 🔵​🔵​🔵​

筧・清史郎
らんらん、お疲れ様だな
もふもふなひとときを共に過ごそうか(微笑み

まずは手近な子を撫でてやろう(巧みに
UCで動物さんと仲良くなれるよう強化しつつ
ふふ、気持ちいいか?

…ん?気付けば沢山のもふもふに囲まれ
俺の周囲がもふもふの塊に
そう慌てずとも、順に全員気持ち良く撫でてやろう(微笑み

ついでに、らんらんとこんこんももふもふ
らんらんの尻尾は極上のふわもこだからな(微笑み

そしてふと、蒼き焔纏う美しい二尾の狐さんと視線が合う
おいで、と声掛ければ素直に甘えてきたが
…こんこん?
ほう、成程(察した

よければ、俺と一緒に来ないか?
そう二尾の狐を誘い、絆を結ぼう
ふふ、らんらんと一緒に、こんこんも遊びにきていいぞ(微笑み



 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は涼やかに笑う。それは一件を解決すべく、猟兵たちを送っていた友の終夜・嵐吾(灰青・f05366)をねぎらうべく。
「らんらん、お疲れ様だな」
 もふもふなひとときを共に過ごそうか、と微笑む清史郎に嵐吾はそうじゃねと返す。
「こんこん、嫁を……見つけてくるんじゃよ!」
 と、嵐吾は連れてきた子ぎつねを送り出す。
 その様子を見つつ清史郎は寄ってきたわんこを撫でていた。
「ふふ、気持ちいいか?」
 胸元を撫で首に耳にとその巧みな撫でスキルにわんこはメロメロである。
「……ん?」
 すると気が付けば――清史郎の周囲には順番待ちのもふもふっ子たちが。
 次は、私! というように猫又がすり寄ってくると、順番まちというように管狐がとびかかる。
 そんな様子に清史郎は瞳細め微笑んで。
「そう慌てずとも、順に全員気持ち良く撫でてやろう」
 清史郎の周囲にはさらにもふもふたちが集う。その様子にさすがせーちゃんじゃと嵐吾は零しながら尻尾をふさふさ、揺らしていた。
「おお? なんぞじゃれ……せーちゃんか」
「ああ、らんらんの尻尾は極上のふわもこだからな」
 揺らしていた尻尾も、またふわもこ。
 目の前でふっさふっさしていたらもふりたくなるというものだ。
 嵐吾は、なんぞが尻尾にじゃれついたか、と思ったのだがそれは友だったわけだ。
 まぁいつものこと、と存分にもふればよいと笑う。
「そういえばこんこんは?」
「嫁探しに行っとるよ」
 なるほど、と視線を巡らせる。こんこんはどこにいるだろうかと探していると――ふと、清史郎の青混じる赤い瞳と、蒼き焔纏う美しい二尾の狐の視線があった。
 じぃ、と見詰めてくる――その狐へと向かって清史郎はおいで、と声かけ手を伸ばす。
 するとそっと寄ってきてその鼻先をちょんと。
 素直に甘えてきた様子に瞳細めていると、嵐吾の連れであるこんこんがそわそわしながら近寄ってくる。
「……こんこん? ほう、成程」
 そわそわ、その場でくるくる回りながら伺っているのは、この二尾の狐の様子。
 その意味を察した清史郎は、柔らかな笑み浮かべ。
「よければ、俺と一緒に来ないか?」
 その言葉に狐はゆっくりと炎揺らしながらきゅんと鳴いた。
 そしてこんこんと、その狐の間で視線をいったりきたりさせていた嵐吾も気づいて、尻尾を大きく揺らす。
「せーちゃん」
「ふふ、わかっている、らんらん。らんらんと一緒に、こんこんも遊びにきていいぞ」
 その言葉にこんこんはぴんと尻尾たてて嬉しそうに揺らす。
 清史郎はその様子にうまくいくといいなと腕の中に納まった二尾の狐を撫でながら思うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレズローゼ・クォレクロニカ
💎🐰
アドリブ歓迎

はっ!?
あいうえおかきくけこ!ホントなんだ!声がでるよ、やったー!兎乃くん!
満面の笑みでハイタッチ
やっぱりキミの声がきこえると安心するんだー

わ!ほんとだ!
沢山いるよー、かわった動物たち!
あのこは猫又で、この子は狐だ!
そうだね、兎乃くん
まずは基本のボールさ!
親交を深めて、抱っこへと進むんだ!

化け兎はいないのかなーなんて呑気な声をあげながら、ボールをなげては動物たちと戯れて
兎乃くん!?いつの間に!
可愛い猫ちゃんを頭にのせたキミの姿

ボクだって!
仲良しさんを作るんだ!
チェシャ猫みたいな猫又追いかけて、逆に翻弄されて遊ばれる

わーん!仲良しになるのむずかしい!
でも絶対仲良しになるんだ!


兎乃・零時
💎🐰
アドリブ歓迎!

声が戻ってきたな!フレズ!
これで問題は解決、だな!
(いつの間にかさっきの長身から元の姿に戻ってる)

やっぱ声が聞こえるとホッとするもんだよな…
(フレズの声も聞けて一安心!)

ん?お?…すっげぇ動物いたんだな…
てか普通のと違って色んな奴らいんな…!?

なぁなぁ、どんなふうに遊ぶ?フレズ!
やっぱ撫でたりボール投げたりとかか?
成程、そんな感じか!

そんな風に言いつつフレズと色々遊んでれば

黒い毛
赤い瞳
二つの尾に赤い火青い火
それぞれ灯した猫又が仲間になりたそうに見てたので

フレズ―!
見ろよほら!仲間増えた!
猫!!(帽子の上に乗せて

フレズは仲間になりそうな…だ、大丈夫、きっとなれるさ!(応援!



「はっ!?」
 ぱちくり、瞬いてフレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)は自分の声に気づく。
「あいうえおかきくけこ!」
「声が戻ってきたな! フレズ!」
 一時的にとっていた長身の姿からからいつもの兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)に戻って。
「これで問題は解決、だな!」
「ホントなんだ! 声がでるよ、やったー! 兎乃くん!」
 フレズローゼは両手上げる。零時はその手の高さに自分の手も合わせて、ふたりで満面の笑みのハイタッチ。
「やっぱりキミの声がきこえると安心するんだー」
 その声に俺様もそう思うと零時も頷く。
「やっぱ声が聞こえるとホッとするもんだよな……」
 フレズローゼの声も聞けて、一安心もあるのだ。
 そんな二人、さっそくふわふわもこもこの子たちが戻ってきた場所へと足向ける。
「ん? お? ……すっげぇ動物いたんだな……」
「わ! ほんとだ!」
 その声に、管狐に猫又、他にも色々なふわもふたちが視線を向けてくる。
「てか普通のと違って色んな奴らいんな……!?」
「沢山いるよー、かわった動物たち!」
 あのこは猫又で、この子は狐だ! とフレズローゼは寄ってきた子に手を伸ばす。
 とてとて、寄ってきた猫又が尻尾を揺らしてにゃあと鳴く。
 それは遊ぼうと誘っているようだ。
「なぁなぁ、どんなふうに遊ぶ? フレズ!」
 やっぱ撫でたりボール投げたりとかか? と零時はうなる。
「そうだね、兎乃くん。まずは基本のボールさ!」
 そして、親交を深めて、抱っこへと進むんだ! とフレズローゼは胸張って。
「成程、そんな感じか!」
 ボールはどこからか、これで遊んでともふもふっ子がもってきた。
 フレズローゼはいいよ! と拾ってえーいと投げる。
「化け兎はいないのかなー」
 なんてフレズローゼは言いながら戯れる。
 そして零時は――見つめあっていた。
 黒い毛並み、赤い瞳。二つの尾がゆうらり揺れる。それには赤と青の炎がそれぞれ灯っていた。
 じぃ。じぃ。
 お互いに見つめ合って――零時は笑いかける。
「一緒にくるか?」
 相当と、猫又はにゃあと鳴いて零時の帽子の上へと飛び乗った。
 そして一番に見せに行く相手はもちろん。
「フレズ―! 見ろよほら! 仲間増えた! 猫!!」
「兎乃くん!? いつの間に!」
 可愛い猫ちゃんが帽子の上に! とフレズローゼの視線は釘付けだ。
 その猫又は初めましてというように一声、ご挨拶もしてくれる。
「ボクだって! 仲良しさんを作るんだ!」
 そう言って、フレズローゼは猫ちゃん! と零時の頭の上の猫又へと声向ける。
「素敵な猫さんのお友達、いない?」
 そう尋ねると、猫又はくるりと周囲を見回して――にゃあ、と尻尾を揺らし、顔向けて促した。
 それを追いかけてみれば、木の上でもっふもふの猫又がお昼寝している。
 それはまるでおとぎ話の猫――チェシャ猫のような猫又だった。
「わ! ボクと仲良くなろ!」
 と、その木の下へ向かいフレズローゼはぴょんぴょんと跳ねる。
 その様子をちらりと見て、猫又は起き上がるととことこと枝の上歩み、ぴょんとまた別の木へと飛び移った。
 フレズローゼはそれを追いかけて声をかける。地面に降りたかと思えば、フレズローゼの周囲を回って目を回させてにゃにゃと笑ってまた木の上へ。
「わーん! 仲良しになるのむずかしい!」
 でも絶対仲良しになるんだ! とフレズローゼはめげない。
「フレズは仲間になりそうな……だ、大丈夫、きっとなれるさ!」
 零時は俺も応援する! と一緒に追いかける。
 零時の頭の上の猫又は、にゃあと鳴いてフレズローゼをからかう猫又に声かける。
 その返事のにゃーは、もう少し遊んでからとのこと。
「仲良くしよー!」
 そう向けるフレズローゼの声は、どうやらいやではないらしい。ただちょっと素直じゃない猫又のようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎

いぇーい!声、復活ってね?
まあ、ゆーくんとなら声が無くても意思疎通出来そうだケド
無いよりはあった方がいいだろうし、ね

どうした、ゆーくん?
……気が合うね、俺もそう思ってた
やっぱり声があった方がテンション上がるよねー!
ねえねえ、ゆーくん!もっと名前呼ん(もふもふによる強制終了?

アルダワだけじゃなくて
この世界にも、色々なもふもふがいるんだねー
んじゃ、遠慮なく……おっ、すっげーもふもふ感
時間が許す限り、一緒にもふもふを堪能してから
ゆーくんに視線を向けてみる
連れて帰りたいって言うかな、なんて思っていたら……

あー、もう
やっぱり、俺の唯一には敵わないや


月待・楪
氷月(f16824)と
アドリブ等歓迎

アー…あー…ん、戻ったな
は、特に困らねーけどやっぱ声はあった方がいい

氷月
いや、呼びたくなっただけだ

にしても
(たくさんのもふもふたちを見て)
…すげーたくさん居るな
つか、やっぱどいつもこいつも普通の動物じゃねーんだよなァ

(もふもふの山にふらふらと引き寄せられる)
アルダワの眠りネズミもいいけど、こいつらの毛並みもいい
ほら、氷月
こっち来いよ
こいつら日向ぼっこしてっからすげーふかふかしてる

もふっとした感触を楽しんで
ついでにちょっとうとうとしたら何枚かスマホで写真【撮影】

こいつらなら連れて帰れるだろーけど
……わりーな
望と二人だけの生活が気に入ってんだ
また今度遊んでやるよ



 声のない世界は終わって、すぅと深く生き吸い込んで。
「いぇーい! 声、復活ってね?」
 氷月・望(Villain Carminus・f16824)の明るい声色に月待・楪(Villan・Twilight・f16731)は生返事。
「アー……あー……ん、戻ったな」
「まあ、ゆーくんとなら声が無くても意思疎通出来そうだケド」
 無いよりはあった方がいいだろうし、ね――と望は笑いかける。
 その笑みに楪も口端あげて。
「は、特に困らねーけどやっぱ声はあった方がいい」
 そう言って、少し間をおいて楪は。
「氷月」
「どうした、ゆーくん?」
「いや、呼びたくなっただけだ」
 その言葉に望はくつりと喉鳴らし。
「……気が合うね、俺もそう思ってた」
 そしてぱっと笑顔浮かべるのだ。
「やっぱり声があった方がテンション上がるよねー!」
 と、そのテンションの上がりっぷりに楪はこれ以上付き合うのはと思うのだ。
「ねえねえ、ゆーくん! っと名前呼ん」
「にしても……すげーたくさん居るな」
 めんどくさくなりそうだと、望の言葉をサラッと流して楪は背中向けもふもふたちのもとへ足向ける。
「つか、やっぱどいつもこいつも普通の動物じゃねーんだよなァ」
 ふらふら、もふもふたちが昼寝をする山へと楪の足は引き寄せられる。
 猫又に管狐、化け狸。ほかにも何者かわからぬふわふわもこもこたちが仲良さげに集って互いの身に互いを寄せてお昼寝中といったところ。
 傍にしゃがみ込んでそっと手を伸ばせばふわん、もふん――極上の触り心地。
 アルダワの眠りネズミもいいけど、こいつらの毛並みもいいと楪は望を手招きする。
「ほら、氷月。こっち来いよ」
「アルダワだけじゃなくて、この世界にも、色々なもふもふがいるんだねー」
「こいつら日向ぼっこしてっからすげーふかふかしてる」
 昼寝をしてとろーんととろけたような管狐を楪は抱き上げて望の手に。
「んじゃ、遠慮なく……おっ、すっげーもふもふ感」
 もふもふ。もふもふもふ。
 楪は黙ってその感触を楽しんでいた。
 そうしていると――手の中でさらにうつらうつら、無防備な姿。
 スマホ取り出して楪は何枚か撮影を。
 望ももふもふしつつ、楪のその様子をそっと見ていた。
(「連れて帰りたいって言うかな……」)
 と、思っているとその視線に気づいた楪が顔上げて。
「こいつらなら連れて帰れるだろーけど」
 すりすり、と寄ってくる管狐を楪は抱きあげそっと離す。
 管狐はなんで? というように小首傾げてじぃと楪を見上げてきた。
「……わりーな。望と二人だけの生活が気に入ってんだ」
 また今度遊んでやるよと頭撫でれば管狐は去っていく。
「あー、もう」
 そのやり取りを聞いていた望はたまらず声零して。
 やっぱり、俺の唯一には敵わないやと今日一番の笑みを。
 そんな望へと向かって、お前とはいつでも遊んでやるよと楪もまた笑み向けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

歌獣・苺
うわぁ~!かわいい
もふもふの子たちが
いっぱーい♪

ーもふもふ、もふもふ…♪

…ん?あそこに白いもふもふが落ちて…ひっ!
か、顔がふたつに身体がひとつ、
尻尾はみっつの白い狐さん……?

あれ…弱ってる…?
もしかして、いじめられたの?
…かわいそうに。あなたたちは
『ふたりでひとつ』なだけで
他は何も変わらない大切な
『いのち』なのにね

あぁ、何だか
過去の『わたしたち』みたい

それなら…

ーーー救わなきゃ。

…良かったら一緒に来る?
お腹、空いてるでしょ?
いっぱいご飯食べて、
いっぱいねて、元気になったら
一緒にたっくさん遊ぼう!
【奇形】で生まれてきたことを誇らしく思えるように、私がしてあげる!!…どうかな?

…うん!約束ね♪



「うわぁ~! かわいい」
 もふもふの子たちが、いっぱーい♪ と歌獣・苺(苺一会・f16654)は弾む声をさせていた。
「ーもふもふ、もふもふ……♪」
 と、じゃれついてくる子たちと遊びながら苺の歩みはとても軽い。
 どの子も可愛くて、撫でてやれば嬉しそうにしているのだ。
「……ん?」
 と、進先でもそもそと動く白い塊。それは隠れるようにうずくまっていた。
 それはほかのもふもふたちと一緒にいる様子がない。
「あそこに白いもふもふが落ちて……ひっ!」
 苺はその白いもふもふの傍に。ごそごそ動いて、その白いもふもふの顔が現れた。
 それは――ふたつ。
「か、顔がふたつに身体がひとつ、尻尾はみっつの白い狐さん……?」
 その白いもふもふの姿は、全く予想していなかったものだった。
 けれど苺は気づく。
「あれ……弱ってる……?」
 白い毛並みは少し汚れていて、ぼろぼろなのだ。
「もしかして、いじめられたの?」
 その問いかけに、その狐はきゅうと小さく鳴くだけだ。
 苺の手は――知らず、伸びていた。
「……かわいそうに。あなたたちは『ふたりでひとつ』なだけで」
 他は何も変わらない大切な『いのち』なのにねとそうっと撫でる。
 この白い狐に、感じるものがたくさんあるのだ。
「あぁ、何だか」
 過去の『わたしたち』みたい――そう思ってしまったなら。
 それなら……――救わなきゃ、と苺は思うのだ。
「……良かったら一緒に来る? お腹、空いてるでしょ?」
 いっぱいご飯食べて、いっぱいねて、元気になったら。
 そう声を向けて苺は白い狐へと笑み向けるのだ。
「一緒にたっくさん遊ぼう!」
 その姿で――『奇形』で生まれてきたことを誇らしく思えるように、私がしてあげる!! と明るく告げるのだ。
「……どうかな?」
 そう言って苺は両手を差し出す。
 一緒に、おいでと優しく誘って。
 その手に、白い狐や鼻先寄せてぺろりと舐めると身をゆだねる。
「……うん! 約束ね♪」
 苺は白い狐を、ぎゅうと優しく包み込んだ。
 幸せにしてあげる――ううん、一緒になろうねと微笑んで。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宵鍔・千鶴
菫(f14101)

――すみれ、すみれ
声が出るよ、
音のない世界はもう終わり
調律の様に傍らの彼女を呼ぶ

彼方此方からぴこぴこ覗く妖怪たちに
改めて挨拶をして
なあ、俺たちともっと遊ぶ?

あれ、近づいてくる管狐、親子じゃないか
大きいのとまだちっさいの
仔の方はまだヒト慣れしてないっぽい
きょろり慣れないながらも
好奇心旺盛に遊びたいを主張する仔狐に

………何となく菫に似てるね、
ふふ、おんなじだ

確り保護者付きなところも含めて、と苦笑する
怖くないよ、甘やかしてあげる
俺のところにおいで
大きい君には菫を見守って欲しい

此れは、俺にとっても第一歩
手を差し伸べ、柔らかな身体を委ねてくれたなら
大切にえにしを結んでキミたちを守ろう


君影・菫
ちぃ(f00683)

沈黙の終わった世界
旋律みたいに紡がれる名前の音は優しい、嬉しい
同じようにちぃ、ちぃって
甘えた音を重ねる

わあ、かわええ子たちいっぱいおったんねえ
妖怪たちにゃんと挨拶してから
辺りをきょろり

――あ、ほんまや
おっきいのとちいさいの
親子ってこう見るとなんやあったかいなあ

……はら、うちに似とう?

でも見守っててくれる存在がおるのは、そやね
うちと――うちらと、おんなじ
なあ、て
ゆるい音でおっきな子に話しかけて
うちもなあ、“こども”なんよ
だからキミが見守っててくれるなら素敵やなあて

うちのおとーさんとキミの子
そしてうちと新しい世界を見いひん?

えにしがゆうるり結ばれるなら
指先にぬくもりが欲しいなあ



 ――すみれ、すみれ、と。
 宵鍔・千鶴(nyx・f00683)が己の、君影・菫(ゆびさき・f14101)の名を呼ぶ声。
 沈黙の終わった世界で、旋律みたいに紡がれるその音が優しく、菫は嬉しさを感じて。
 そして、菫も紡ぐのだ。
「ちぃ、ちぃ」
 甘えた音を重ねれば、声がでるよと千鶴は笑い返す。
 調律のように、互いの名を紡げば心はくすぐられるようだ。
 そして千鶴は、ぴこぴこと顔覗かせる妖怪たちに気づく。
 その視線を菫は追いかけて。
「わあ、かわええ子たちいっぱいおったんねえ」
 改めて、現れた子たちへと千鶴も菫も挨拶を。
「なあ、俺たちともっと遊ぶ?」
 千鶴が誘いかけると、遊んで遊んでとたくさん、ふわふわもこもこの子たちが遊びにやってくる。
 いっぱいおるね、と菫はあたりをきょろりと見回して。そして千鶴も視線を向けて、はたとあるところでそれを止めた。
「あれ、近づいてくる管狐、親子じゃないか」
 大きいのとまだちっさいの。
 仔の方はまだヒト慣れしてないっぽいと千鶴は続ける。
「――あ、ほんまや」
 ぴょんと跳ねるちいさいの。大きなのにじゃれついて遊んでとせがんでいるようだ。
「親子ってこう見るとなんやあったかいなあ」
 好奇心旺盛に遊びたいを主張している仔狐。その姿に千鶴はふと笑み零し。
「………何となく菫に似てるね、ふふ、おんなじだ」
「……はら、うちに似とう?」
 確り保護者付きなところも含めて、と千鶴は苦笑する。
「でも見守っててくれる存在がおるのは、そやね。うちと――うちらと、おんなじ」
 なあ、と菫はその狐たちへと話しかける。
 ゆるい音、大きな子へと向けて。
「うちもなあ、“こども”なんよ」
 だからキミが見守っててくれるなら素敵やなあて、と菫の声はゆるりとひびく。
 そして千鶴は、小さな子へと手を差し出した。
「怖くないよ、甘やかしてあげる」
 俺のところにおいでとやわらかに紡ぐ。
 そして千鶴の視線は大きな子へと向いて。
「君には菫を見守って欲しい」
 菫は瞬いて、けれどくすぐったそうに笑み浮かべるのだ。
「うちのおとーさんとキミの子、そしてうちと新しい世界を見いひん?」
 ここで過ごすのも穏やかで良いかもしれないけれど――こことは違う世界を見せてあげられるから。
 好奇心旺盛な仔狐は、千鶴の手へとぴょんとじゃれついてじいと瞳向けてくる。
 それは楽しみと言っているようだ。
 千鶴はその仔を抱き上げた。
 此れは、俺にとっても第一歩なのだと。
 大切なえにしを結んで、キミたちを守ろうとこの管狐たちにも、そして菫にも優しく視線向けて。
 そして菫の手にもそっと、顔を寄せてくれる。
 指先に感じるぬくもりに、菫もよろしくなぁと柔らかに微笑んだ。
 大切なえにしを結んで――あたたかなものが満ちる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高邨・伊毬
【姫と忍】
・まったりゆったり皆と遊ぶんですぅ!

わぁ…!
成ちゃん!成ちゃん!
声が戻りましたよぉ!
ちゃんと、聞こえてますかぁ?

助けた子達も、他の人達も、みんな、みーんな!

静かなのも、ちょっとだけ面白かったですけど…やっぱり少し不安になっちゃいましたぁ…。

伊毬は、成ちゃんと皆と、この子達とお話がまた出来る様になって、とっても嬉しいですぅ!

えへへ!
成ちゃん、これからも宜しくお願い致します、なんですぅ!

あれ?
足元があったかいと思ったら、もふもふちゃん達がいつの間にかもふもふしていましたぁ。

(ひょこっと拾い上げて、目を合わせ、自身の目をキラキラさせて、ぎゅうぅっと)

成ちゃん、この子、とっても可愛いですぅ!


飛雲・風成
【姫と忍】
※ゆったりまったり遊びます。

(声が戻ったとはしゃぐ伊毬に破顔し)

大丈夫。
聞こえていますよ。伊毬さん。

(辺りを見回し)
そうですね…。他の者達も声が戻った様です。
これで今回の事件は解決になりましたね。

伊毬さんも頑張りましたね。
お疲れ様です。

此方こそ。
俺でよければ、何処でもお供しますよ。

(伊毬は気付いていないが、足元の様子に随分前から気付いていても、敢えて言わず)

そうですね…
生きているものは、あたたかい…。
変温動物は違うかも知れませんが。…ふふ。

…伊毬さんは
意外と浮気性ですよね…。
(またも、とある豆柴に思いを馳せて)

はは…!
冗談ですよ。

此処でゆっくりした後は、獅子王にもおやつをあげましょう



 声のない世界は終わって――響く賑わいは自然に耳へと届く。
 そして、互いの声もそうだ。
「わぁ……! 成ちゃん! 成ちゃん!」
 声が戻りまりたよぉ! と高邨・伊毬(戦巫女の精霊術士・f17718)は自分の声が出る事に喜んでいる。
 そんなはしゃぐ姿に飛雲・風成(化身忍者のグールドライバー・f17723)は破顔していた。
「ちゃんと、聞こえてますかぁ?」
「大丈夫。聞こえていますよ。伊毬さん」
 ならよかった! と伊毬も微笑む。
「助けた子達も、他の人達も、みんな、みーんな!」
 それは伊毬にとっては嬉しいこと。表情を見ればそれはすぐにわかる。
「静かなのも、ちょっとだけ面白かったですけど……やっぱり少し不安になっちゃいましたぁ……」
 声があるのは、とってもいいことですねぇと伊毬は言う。
 風成はあたりを見回してそうですね……と、頷く。
「他の者達も声が戻った様です。これで今回の事件は解決になりましたね」
 そして、風成は伊毬へとかすかに微笑んで。
「伊毬さんも頑張りましたね。お疲れ様です」
「伊毬は、成ちゃんと皆と、この子達とお話がまた出来る様になって、とっても嬉しいですぅ!」
 嬉しそうにしている。その雰囲気に惹かれたのか――近くにいたふわもこたちがそうっと伊毬の周囲へと集い始める。
「えへへ! 成ちゃん、これからも宜しくお願い致します、なんですぅ!」
「此方こそ。俺でよければ、何処でもお供しますよ」
 そう言いながら、風成は伊毬の足元にそっと視線を向ける。
 ころころのふわもこたちがじゃれついているのだ。
「あれ?」
 足元があったかいと思ったら、もふもふちゃん達がいつの間にかもふもふしていましたぁ、と伊毬は一匹ひょこっと拾い上げて目をあわせた。
「わん!」
 そしてかわいいですぅ! と瞳キラキラさせてぎゅうっと抱きしめた。
「そうですね……生きているものは、あたたかい……」
 風成は微笑む。己は触れず、伊毬がじゃれあうのを眺め永田。
「変温動物は違うかも知れませんが。……ふふ」
「成ちゃん、この子、とっても可愛いですぅ!」
 伊毬がぱっと浮かべる表情に、風成は苦笑零して。
「……伊毬さんは、意外と浮気性ですよね……」
「浮気……?」
 風成がとある豆柴の姿に思い馳せていれば、伊毬も気づいたのだろう。
 浮気じゃないよぉ! と紡ぐ。
「はは……! 冗談ですよ」
 そのちょっと慌てた声に笑い零して。此処でゆっくりした後は、獅子王にもおやつをあげましょうと風成は言う。
 伊毬はそうすると頷いて笑う。
 今は――ここにいる子たちと遊ぼうと言って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月27日


挿絵イラスト