帝竜戦役㉙〜オクテッド・ドラゴンズ・ロア
「皆さんお疲れ様でーす! 帝竜戦役もいよいよ終わりが近づいて来ましたね!」
シーカー・ワンダーはぽふぽふと拍手しながら声を上げた。
彼が猟兵たちを呼びつけたのは他でもない。ついに戦線に参じた最後にして最強の帝竜、ヴァルギリオスとの戦いについてである。
「ヴァルギリオスは八つの首に八つの属性を持つエイトヘッズドラゴン! 帝竜化したドクター・オロチも似たような能力を持っていましたけど、ヴァルギリオスはさらに強力! 世界最強は伊達じゃない感じです!」
ヴァルギリオスは炎水土氷雷光闇毒の八属性を組み合わせたバリア、複数属性を宿した尾と翼と鱗、極め付けに全属性を融合された超火力のブレスをメインウェポンに戦闘を行う。
加えて、猟兵に対しては必ずブレスでの先制攻撃を叩き込んで来るおまけ付き。油断すれば一発で群竜大陸から叩き出されてしまうやもしれない。
「とはいっても、ヴァルギリオスだって絶対無敵じゃありません。現に既に何度か倒されていますし、皆さんの中にはこれが二回目三回目っていう人もいると思います」
これまで何体もの帝竜が現れてきたが、それらのドラゴンたちも猟兵が力を結集して打ち倒して来た。もっといえば、今まで何度かあった世界規模の戦いにおいても、オブリビオン・フォーミュラを筆頭とした強敵たちを討伐してこれたのだ。
「ヴァルギリオスだってそうです! どんなに強くたって、みんなで戦えば必ずやっつけられるはずです! アックス&ウィザーズの平和のためにも、頑張ってきてくださーい!
鹿崎シーカー
●
帝竜戦役の開戦から約一ヶ月。猟兵たちはオブリビオンひしめく群竜大陸を踏破し、ついに帝竜ヴァルギリオスの元に辿り着いた!
敵は八つの属性を使いこなす恐るべきエイトヘッズドラゴン。しかしこれを討伐せずしてアックス&ウィザーズに平和はない!
猟兵たちよ、『竜咆の八重装』を跳ねのけ、強大なドラゴンに勝利すべし!
●ボス戦『帝竜ヴァルギリオス』
炎水土氷雷光闇毒の八属性の首を持つ、世界最強のドラゴンです。かつて勇者達と相討ちの形で群竜大陸ごと封印されましたが、復活を果たし人類滅亡を狙います。
ヴァルギリオスは猟兵に対し、必ず『ヴァルギリオス・ブレス』で先制攻撃を行います。
プレイングボーナス:『ヴァルギリオス・ブレスに対抗する』。
アドリブ・連携を私の裁量に任せるという方は、『一人称・二人称・三人称・名前の呼び方(例:苗字にさん付けする)』等を明記しておいてもらえると助かります。ただし、これは強制ではなく、これの有る無しで判定に補正かけるとかそういうことはありません。
(ユーベルコードの高まりを感じる……!)
第1章 ボス戦
『帝竜ヴァルギリオス』
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POW : スペクトラル・ウォール
【毒+水+闇の『触れた者を毒にするバリア』】【炎+雷+光の『攻撃を反射し燃やすバリア』】【氷+土の『触れた者を凍結するバリア』】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 完全帝竜体
【炎と水と雷の尾】【土と氷と毒の鱗】【光と闇の翼】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : ヴァルギリオス・ブレス
【8本の首】を向けた対象に、【炎水土氷雷光闇毒の全属性ブレス】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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泉・星流
…カタストロフは…止めさせてもらうよ…
行動
バリアを鎧と仮定
【全力魔法・スナイパー・制圧射撃】で魔力での射砲撃
…に加え
威力を一点に凝縮した【(狭)範囲攻撃+串刺し+鎧砕き】で壁を撃ち抜き狙い
バリアの効果を無効化…は出来ずとも減少させられるなら【破魔+掃除】
…といった感じで技能を使用
バリアに穴が開かなくとも、接近を防げればOK
先制攻撃の対処後に指定UCを使い、【念動力・全力魔法】
想像より創造した無敵の箒に【鎧砕き+串刺し(貫通属性攻撃)】を付与
数本の箒を自分の周囲に旋回させつつ、自分もオーラ防御で身を守る。
残った箒でヴァルギリオスを貫通属性攻撃の効果を持った無敵の箒で(バリアを貫いて)攻撃する。
ナハト・ダァト
無論、私ハ君ヲ倒せ無イ
ブレスに対して
エネルギーを吸収して利用する対策を行なう
残像による分身へ、へその緒を持たせ
遠隔操作と吸収技能
許容上限上昇の技能で強化
放たれるブレスを
改造したオーラのバリアから吸収
上限に達し、耐えられなくなった残像は本体だけでなく、世界樹へも還元する
世界樹もへその緒とトラップツールⅡで意思による操作が可能な状態へ
ブレスのエネルギー吸収量が
ヴァルギリオスを抑え込むに足る量に達した所で
残像を一気に減らし
残った一体を本体と誤認させ
本体は迷彩と闇に紛れる技能で隠れる
最後の残像が消えた瞬間
世界樹と自身に蓄えた力を解放
操作する樹木と召喚した樹々で
捕食と吸収を行う
だかラ、協力しテ貰ったんダ
プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可
人格をクリスティーナに変更
・対策
回避の際に●敵を盾にするで首が首の動きを阻害させるように動く
ブレスは●激痛耐性、●毒耐性、●氷結耐性、●環境耐性、●オーラ防御、●火炎耐性、●限界突破、●継戦能力、●気合い、●呪詛耐性で耐える
・攻撃
ウィザード・バレットを使用。
付与するのは回転と貫通つまりドリル属性。
●誘導弾、●全力魔法、●一斉発射、●鎧砕き、●鎧無視攻撃、●限界突破を乗せて、相手の口から飛び込ませてやる
「そのブレスを二度と吐けなくしてあげる。ブレス袋とかあるんでしょ、多分! 無いんだったら逆鱗を内側から狙ってやるわ!」
木霊・ウタ
心情
ここに過去の居場所はないぜ
この世界は、未来は、今を生きる命のモンだ
命の煌めきを過去に消させやしないぜ
戦闘
獄炎で体を覆う
毒も凍結も蒸発させ溶かすぜ
反射の燃焼は獄炎が喰らい増大強化
ブレスや竜体は巨体故の死角を利用しつつ
爆炎の高速機動で回避
火壁も重ねた武器受けで防御
仲間も庇う
受けながら逆に鱗を溶かし砕くぜ
氷なら猶更効くよな
爆炎で矢の如く宙に飛び出し
その勢いのまま獄炎纏う焔摩天で
バリアや尾、鱗を薙ぎ払う
獄炎で八属性のバランスを揺るがせて弱体化や崩壊へ導く
完全体代償の流血あれば
それを導火線とし獄炎を体内へ導き
内部から燃やし尽くす
焔摩の裁きだ
海へ還れ!
事後
静まった大地で鎮魂曲を爪弾く
骸の海で安らかにな
木常野・都月
一人称:俺
二人称:貴方
三人称:先輩や尊敬してるヒトはさん付け、それ以外は呼び捨て
名前:苗字さん
この竜を倒せば戦争は終わる。
絶対に負けられない。
俺が出来る全力で挑みたい。
先制攻撃は、高速で回避したい。
地の精霊様に、俺の足元に電磁場を作って電磁浮遊したい。
風の精霊様を後ろ向きに発射すれば、少しの力で高速移動出来るはず。
[野生の勘、第六感]を使って避け切らなければ[属性攻撃、高速詠唱、カウンター]で対処したい。
UC【エレメンタル・ファンタジア】で炎の竜巻で攻撃したい。
8本の首のうち、攻撃が効きにくい属性の首以外を1本でも多く無力化したい。
残った首は[全力魔法、属性攻撃(2回攻撃)]で追撃したい。
戦場外院・晶
私としてはアドリブお好きに
貴方様、ないし名前様付けです
「戦場外院・晶と申します……よしなに」
さあ、苦難を踏破し帝竜へと至らん
必ず辿り着くという祈りを目に見えるオーラとして纏い……八つの暴威の最中へと
「……ぅ」
苦行というもの生易しい
あらゆる拷問も霞みましょう
焼かれ砕かれ毒されて……それでも、帝竜と闘いたい、その祈りはいや増すばかり……刹那、その闘志を高め
「……禁」
息吹を封じる一瞬に、痛みを無視して駆けよって
【手をつなぐ】
限界を越えましょう、血も命も惜しくはない……二度と訪れぬ強者を
「……せい!」
投げる
彼自身の大きさ、強さを利用して崩すがグラップル
「……破ぁ!」
この拳、この一撃に、我が全てを込めて
アリルティリア・アリルアノン
バーチャル魔法少女アリルちゃん、ログインなう☆
悪の帝竜ヴァルギリオス!この世界の人々の為、やっつけてやります!!
準備が整った所で帝竜を煽ってヘイトをこちらに向けさせ、
ヴァルギリオス・ブレスを誘います(おびき寄せ)
アリルはオーラ防御を展開するも、奮戦むなしくブレスに呑み込まれ消滅……
しかし実はそれはアリルの可愛さが精巧に再現された立体映像(罠使い、時間稼ぎ、アート、残像)!
本物のアリルは光学迷彩で周囲に溶け込みつつ、情報収集の結果を元に死角を取っていたのです!
さあ隙が出来た所でアリルのターン!
全属性乗っけた全力魔法!ホログラフィックペタルをぶつけてやります!
四王天・燦
《華組》
シホ…背中を押してくれてありがと。
心残りはヴァルギリオス様に気持ちよく勝ってない事。
畏敬と闘志を胸に臨む
ブレスの瞬間を見切りカウントダウン―爆薬投擲。
衝撃で狙いを外し爆炎で目潰し。
被弾はシホと協力してオーラ防御二重奏で逸らすぜ
神鳴抜刀、真威解放。
飛翔、掌を自傷。
この素敵な世界に繋がる切欠―フォーミュラーへの礼として血を顎に注ぐ。
極上品だろ
戦いは戦い、欲すは雷と炎の首。
時速395㎞の空中戦、ランダム軌道で攪乱。
シホの華霞に合わせ…これがアタシ達の帝竜戦役最終奏!
電撃属性攻撃を纏った斬撃を見舞うぜ。
顎から二枚卸し。
薙ぎ払いて首刎ね
深々と礼。
願わくば互いに満足できますよう
え?
大理石剣…治る?
シホ・エーデルワイス
《華組》
アドリブ歓迎
燦の心残りを察し
もう一度相対する事を提案
うん
それでこそ燦です
私も燦が全力で戦える様
力を尽くします
『聖笄』の光学<迷彩で目立たない状態になって狙いを付け難くしつつ
ブレスの各属性に対抗する属性攻撃の誘導弾>で迎撃
ブレスで薙ぎ払われる事も考慮し
常時<第六感と聞き耳で警戒し見切り躱し時間稼ぎ>
被弾時は燦と息を合わせて<各種耐性付きオーラ防御>の二重奏で逸らす
燦が仕掛けるタイミングで
攻撃が当たらない様
<フェイントで【華霞】の花弁に残像を伴わせた誘導弾で舞わせ
目潰し属性攻撃の援護射撃>
燦も帝竜にとっても満足の行く戦いになる事を祈ります
戦後
別の依頼で損傷した燦の大理石の剣を【復世】で復元
ナイ・デス
世界最強のドラゴン……ヴァルギリオス
私は、貴方のことを、忘れません
世界を滅ぼそうとする、相容れぬ敵、ですが……それでも
貴方は、偉大、です
【勇気、覚悟】臆さず
大地【踏みつけ、念動力】で自身の背を押して
聖なる光の【オーラ防御】でブレスを受け止める
【激痛耐性、継戦能力】仮初の肉体が削れていく。それでも、心は折れない
私は、勇者のパートナー
本体が『いつか壊れるその日まで』
世界を、守る者
再生する。肉体を光に変えていく
ブレスを途切れさせない
『いつか壊れるその日まで』連続発動
負傷と再生繰り返し【限界突破】して
忘れない、です
【生命力吸収】する光がブレス押し返し、飲み込んで
今に生る、在る為の力を失わせ、終わらせる
メンカル・プルモーサ
…ふむ。帝竜を束ねるヴァルギリオスか……
…こいつを倒せれば取り合えずは決着だね…
…まずはブレスへの対処…重奏強化術式【エコー】による多重詠唱…
…八属性それぞれに対応した障壁を全力で張るよ…
…障壁が割れたら遅発連動術式【クロノス】により事前に仕込んでおいた次の障壁を展開……時間を稼ぐよ…
…そして【竜屠る英雄の詩】を発動……装備武器…黎明剣【アウローラ】に竜殺しの概念を充填…長大な魔力の刃を形成…
…屠龍斬撃術式【ハバキリ】…一振りで割れてしまうけど…ブレス諸共横薙ぎに切り裂くよ…
…これで致命打を与えれられれば良し…後は術式銃【アヌエヌエ】による銃撃(竜殺し付き)で援護するかな…
リゼ・フランメ
如何なる破滅も、この胸の炎をもって向かいましょう
私の願いは、過去と罪を焼き滅ぼすことなれば
新たなる罪の惨劇(カタストロフ)を、地上に落とさぬ為に
私の剣の間合いまでは早業で駆けながら、フェイントをいれた動きで攪乱しつつ回避
壊すバリアは一部のみで構わないの
まずは闇を含むバリアを破魔を乗せた衝撃波で
氷のそれは、焼却と属性攻撃の斬撃で
複数の属性から成るなら、そのバランスを崩し、踏み込む僅かな間隙を作り出すのみよ
残る属性は勇気と決闘で踏み込み
身を削れど、構わない
無傷でと甘く思ってはいないし、流れる血こそ、私の技の代償であり、燃やす刃の炎を滾らせる
緋願之剣花の一閃
全霊込め、舞うが如く焔刃を閃かせましょう
カシム・ディーン
共闘希望
僕
名は呼び捨て
丁寧口調
…竜の中の竜
世界を蹂躙した竜の王
竜を相手なら獣の法を以て応じましょう(狂気に満ちた笑み
対SPD
【医術・情報収集・視力】で帝竜の強化具合と状態異常の把握
何より…肉体構造の把握
【属性攻撃】
風属性を全身に付与して全力で回避に努める
致命だけは絶対に避け切る!
帝竜眼…起動!
他の依頼の経験と身体構造把握からヴァルギリオスと同じ姿へと変化…!
ぐ…がぁ…!(代償と力の負荷に苦しみながら狂気の笑み
スペクトラルウォール展開…そのままぶつけ合い相殺しあいながら
ヴァルギリオス…お前は躯の海に帰さない
お前の全てを…寄越せぇ…!
【溜め攻撃・捕食・二回攻撃】で襲い掛かりその血肉全てを喰らう…!
炎と雹と岩塊の混ざった嵐が大渦を巻き、光り輝く稲妻が虚空を引き裂く。紫色の吐息は瘴気。天変地異めいた大竜巻を内側から吹きとばしたのは竜の咆哮! 八つ首の帝竜ヴァルギリオスが姿を現し、堂々たる大音声を響かせた!
『よくぞ来た、猟兵たちよ! 我が領地の奥まで踏み入り、数多の竜を狩り尽くし、不屈の進撃を披露したこと、見事と讃えざるを得まい』
四本脚で大地を踏みしめ、七つの首が天を仰いで息を吸う。やがて残る一本の首は赤い瞳を爛々と輝かせながら、口から地獄めいた炎を噴いた。轟く竜皇の宣誓。
『しからば余もまた相応の礼を以って汝らに応えん。小さき者よ。雄々しき者よ! 我が膝下の大地にて……』
七つ首が息を止め、周囲がピタリと無音に変わる。一瞬の静寂の後、八本目の首が勢いよく括目! 同時にエイトヘッズドラゴンは一斉に吠えた!
『一切灰塵と化すが良い!』
SMAAACK! 先陣を切った光のブレスが突き抜ける! その直線状に浮遊するメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は銀の三日月をあしらった杖を目の前で回転させ水平でストップ!
「……重奏強化術式『エコー』起動……障壁展開……」
全身を淡い青の光で包むメンカルへビームが接近! 直後、彼女の前に開かれたオーロラ状のバリアが光線を防御! ZGYAAAAAAM! 広がる虹の波紋を透過した翡翠の竜巻がワンテンポ遅れて襲い来るブレスへと向かう!
「バックドア解放! バーチャルコンバート、OK! システムオールグリーン! バーチャライズ・オーンッ!」
翡翠の竜巻が弾けてドットが散る中、アリルティリア・アリルアノン(バーチャル魔法少女アリルちゃん・f00639)が虚空へと躍り出た! 手にした小ぶりなステッキをマイクのように持ち、彼女はくるりと一回転してポーズを決めた。
「ネガティブハートにスマイル配信! バーチャル魔法少女アリルちゃん、ログインなう! 悪の帝竜ヴァルギリオス!この世界の人々の為、やっつけてやります! かかって来なさい!」
炭化を切ったアリルティリアに軌道を跳ね上げた稲妻のブレスが襲いかかる! アリルティリアは両手でステッキを振り上げ、背中を限界まで反らし―――ライムグリーンのオーラをまとった短杖を振り下ろした!
「たぁ―――っ!」
雷撃のブレスと激突したステッキがオーラのバリアを開いてアリルティリアを守護! つんざく雷鳴と稲光、暴風じみた衝撃に歯を食いしばって耐えるアリルティリア! そこへ紫の燐光をまとった闇色の光線が追撃にかかる!
「ほわわわわわわわわわっ!」
雷のブレスをしのぐアリルティリアが下方と闇の光線を交互に見やる。実際追撃まで防ぐ余裕はない! だが直後、光の十字架が三つインターラプトし、それぞれ光弾を発射した! 光弾から羽化するようにして現れるナハト・ダァト(聖泥・f01760)の分身三体!
「本体とノ接続異常ナシ」
「ブレス確認。術式、問題なシ」
「ドレインシールド、展開!」
三体のナハトは同時に両腕を交叉! 彼らの前面に出現した黄金色の障壁が闇のブレスを受け止め吸収していく。一方、地上を走るナハトの本体は両の触腕を指揮者のように振り回す! ワンテンポ遅れたブレスが四属性分迫りくる!
「叡智ノ光よ!」
ナハトは声を張り上げ両腕を勢いよく左右に開いた。胴体に刻まれた光の十字が眩く輝き、極太のレーザービームじみたヴァルギリオス・ブレスの前にいくつも閃光十字架が召喚される! そこから飛び出す分身たちがバリアを張った!
「吸収開始!」
ZGGGGGGWWWWOOOOOOOOSH! ドラゴンブレスがナハトたちのバリアを打ち据え凄まじいサウンドを響かせる! オレンジ、パープル、ペールブルー、ターコイズ。四つの属性を示す光が戦場を照らす!
「出来る限りブレスハ凌ぐ。だガ、全てはカバー仕切れないだろウ。各自、武運ヲ祈る!」
「おうよ! 行っくぜえええええええええええッ!」
BOOOOOM! ナハトの右隣りを火炎弾が突破する! 火炎弾、もとい獄炎に包まれた木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)に続く複数の影が続く!
プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)戦場外院・晶(燃えよドラゴン……この手を掴め・f09489)、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が全力ダッシュでヴァルギリオスへ向かう一方、彼らのやや後ろを走る四王天・燦(月夜の翼・f04448)がシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)に囁いた。
「シホ……背中を押してくれてありがと。あの方に気持ちよく勝ってないことだけ、心残りだったんだ」
シホが燦の横顔を見る。燦は走りながらまだブレスを吐いていないヴァルギリオスの首から目を離さぬまま言う。右手に時計を埋め込んだ箱めいた形の爆弾を握りしめ、不敵な笑みを浮かべてみせた。
「だからここで必ず勝つ! そんでこの戦争に有終の美を添えてやろう!」
シホはふっと柔らかく微笑み、頷き返す。
「うん。それでこそ燦です。私も燦が全力で戦えるよう、力を尽くします」
「頼りにしてる! 来るよッ!」
燦が爆弾を振りかぶった瞬間、七つ首に囲まれた中央の首が大きく息を吸い込んだ! 口腔からチロチロと覗く紅蓮の炎。それを吐き出す寸前で、燦は爆弾を投げる!
「だらァァァァァァァァァァァッ!」
THROWWWWWWWW! ぶん投げられた爆弾はヴァルギリオスの眉間めがけて真っ直ぐ飛翔! ブレスを吐き出す寸前、ドラゴンの目と鼻の先で大爆発した! CABOOOOOOOOOOM!
『小賢しいわ!』
ヴァルギリオスは炎の目くらましを受けるも、構わず爆炎のブレスを吐き出した! ZGGGGWOOOOOOOOSH! 地面に打ち下ろされた炎は大きく広がり戦場を侵食! 赤い大津波を前にウタは肩越しに仲間を見返る!
「良い火力してるぜ! 誰か俺の後ろに居たい奴! 居るか!?」
「私は大丈夫です」
「問題ない、です!」
切り返した晶とナイの身体を聖なる白い光のオーラが包み込む! 双眸に闘志を燃やす二人の背を見、都月はうっすらと青い電磁力の光をまとった告げた。
「俺は上に行く。ナハトの負担を少しでも減らしたい。単独行動になるけど、許してほしい」
「行くならさっさと行ってきなさい! せいぜい狐焼きにならないようにすることね!」
杖先に設置した大型魔導書をめくりながらプリンセラ! 彼女が開いたページの文字を指先でなぞると、文字列は真紅に染まり炎を放つ! 都月は彼女に短い目配せをしてハイジャンプ! 直後に炎の津波が地上を走る猟兵たちを強襲!
「全員気合い入れなさい! 絶対勝つわよッ!」
檄を飛ばすプリンセラの衣服が真紅に光った! 彼女の後方で燦とシホが固く手を繋いで白い蒸気の如きオーラを比翼連理めいて広げる! 炎が彼女たちを飲み込んだ! CABOOOOOM! 空中の都月は一瞬そちらを振り返る。
「みんな……!」
眼下を埋め尽くのは大海じみた炎のみで、共に走った仲間たちの姿は見えない。都月は前に向き直ると、杖先を左脇の下に通した。
(あのヒトたちは死んじゃいない。だから俺も、俺のやるべきことを……!)
「精霊様!」
都月の杖先に翡翠色の風が生み出し、後方に空気砲を発射! 彼の身体を空中へと跳ね飛ばし、ヴァルギリオスを見下ろせる位置へ! だが刹那、ブレスでナハトの分身を消し飛ばしたブラウンとオフホワイトの首が都月を見上げる!
『余を高みから見下ろさんとするか、猟兵』
『頭が高い!』
二本の首はそれぞれオレンジとペールブルーの光を口内に溜め、ビームブレスを繰り出した! ZGYAAAAAAAAM! 都月は両足をたたんで前傾姿勢を取り、螺旋状の軌道を描いて飛翔する! サーチライトめいて彼を追う光線!
「く……!」
都月はさらに垂直飛翔し高度を稼ぐ! 天に伸びた二条の光線が彼を挟み込もうとするが、光線に沿っていくつも出現した光の十字架がそれをガード! ナハトの分身たちだ!
『猪口才な』
黒い鱗と四つ目の竜頭が呟き、押し寄せる炎の波から連続バックジャンプで退避するナハトを睨んだ! 開いたアギトに紫電の輪郭を持つ黒球を生成し、ブレスを発射! 闇の吐撃は火の海を越え、ナハトに襲いかかる!
「ヌゥ、間に合わないカ
……!?」
焦燥を零すナハトが零した瞬間、彼の前にオーロラのカーテンが割り込みブレスをガード! 白い火花の波紋を散らす障壁を横倒しにした杖を突き出す構えで支えるメンカルは、激しく髪をなびかせながらナハトを見やった。
「……平気……?」
「済まなイ、助かっタ」
素早く礼を告げるナハト。彼の前で爆炎の波がオーロラの壁に激突し、凄まじい衝撃で空間を揺さぶった! メンカルは眠たげな目に険しさをにじませる。グレーの髪の隙間から覗く肌には脂汗!
「……うーん……一枚目、破られるかも……? 遅発連動術式『クロノス』、起動準備……」
メンカルの両袖に文字列の円環が浮かぶ。その時、メンカルの真正面で何かがオーロラバリアに叩きつけられた! CRAAASH! メンカルが顔を上げたそこには弾き飛ばされたアリルティリアが、必死の形相でオーラバリアを支えていた。
「ふんむ―――っ!」
渾身の力と共にステッキを押し出すアリルティリア! 彼女の動きに合わせてオーラの壁が雷撃のブレスを押し返さんとする。だがそこへ毒々しい紫の光が追いうちをかけた! ZGAAAAAAAAM! オーラバリアがひび割れる!
「んぎゅうううううううううううっ……! ごめん! アリル、もう無理っ……!」
目をきつくつぶったアリルティリアが絞り出すように言った刹那、二色のブレスがオーラバリアを爆砕して彼女を飲み込み、メンカルのオーロラ壁にぶつかった! CRAAAAAAAASH! 再び走る激震!
「うぐっ……」
メンカルの上体が衝撃を受けてノックバックする! 一方、都月はヴァルギリオスめがけて頭から垂直落下! 杖を居合い抜きの刀じみて構え、帝竜へと一気に距離を詰めていく!
「効きそうなのは……氷と毒、かな。よし」
眦を鋭くした都月は杖を高く掲げた。先端に埋め込まれた緑の宝石が赤に変色! 彼の身体をから爆炎の大竜巻が噴き出した! ヴァルギリオスの白とブラウンの首が口を閉じてブレスを止め、都月めがけて再発射!
『堕ちるが良いッ!』
GYAAAAAAAAAM! 都月の視界を染め上げる二色の閃光! 都月は目を細めながらも、杖を握る手にあらん限りの力を込める! 勢いを強める炎の嵐!
「精霊様! 俺に竜を払う力を!」
都月が杖を振り抜くと同時、彼を包んでいた炎の大竜巻が加速した! 天蓋の如き紅蓮の渦は二属性のブレスとぶつかり合い、轟音をまき散らしながら拮抗! しかし氷と大地の力をはらむ二条の光が、炎を徐々に押し上げ始める!
「くっ……! おおおおおおッ!」
都月は顔を歪め、突き下ろした杖を両手で握りしめさらに押し込む! さらに激しさを増す炎の竜巻だが、鍔迫り合いの維持が限界! 食いしばった都月の歯がぎりぎりと軋み上げた、その時である! 炎の海からプロミネンスが噴出!
「うおおおおおおおおああああああああああああッ!」
炎の矢じみて飛び出したウタが大剣を振りかぶった! 刃に刻まれた梵字が赤熱! 狙いは氷のブレスを吐き出す白い首!
「そっ首、叩き落とすぜえええええええッ!」
『やらせはせぬ!』
ミサイルじみた速度で飛ぶウタの正面、白い竜の首の影から群青色の竜頭が姿を現す! 開かれた大口にチャージされるのは膨大な水! 凄まじい威力の水砲がウタを迎撃にかかる! ウタは上体を限界までひねり、大剣を振りかぶる!
「頭を下げてください……!」
「ん?」
思わず振り返るウタの頭上を金色の光弾が複数飛び越え、爆流に真正面からぶつかって放電! ZGRAAAAAAAK! 水飛沫が飛び散り、四方八方に伸びた稲妻が水気を蒸発させていく。宙に躍り出たシホは二丁拳銃を構える!
「道を拓きます。燦!」
シホが赤青二色の拳銃を連射する! BLAMBLABLAMBLAM! 放たれた銃弾は空中で放電して雷球と化し、複雑軌道を描きながら水流を放つ青の竜頭に殺到! 連続で着弾して爆発! 竜の首がうなりながらのけ反った!
『むう……?』
中央の首がその様子を横目に捉え、ブレスを吐き続けながらシホがいるはずの場所に視線を移した。だが彼女の姿を捉えられぬ! シホは透明化しているのだ! そして同じく不可視化した燦が中央の首真上で刀を掲げる!
「神鳴抜刀、真威解放……!」
血の雫が垂れた刀身は紅の稲妻を放って燦の身体を包み、煌めく羽衣と白い装束を生成! シホは両手を交叉に人差し指に引っ掛けた拳銃を回して双方投擲! 回転しながら飛んだ二丁の銃は無数の花弁と化して散った!
「燦、援護します! 私の花よ、咲き誇って!」
銀色に光る花嵐が二重螺旋を描きながらヴァルギリオスの鼻先へ向かう! 同時に燦はヴァルギリオスの脳天へ紅色に帯電する刀を振り下ろした! しかし花弁と刃は竜鱗に触れる寸前で見えない壁にぶつかり停止! 燦が目を剥く!
「バリア……! こっちもか!」
燦が毒づく一方、放水とすれ違ったウタが白い竜の首に大剣をフルスイングする! CRAAAAAASH! 首に触れる直前で見えない壁に弾かれる梵字の大剣! そこへ炎からハイジャンプしたプリンセラが杖を振り上げる!
「二人とも、そこ離れなさい! 穴だらけにされたくなかったらねッ!」
プリンセラは振った杖を正中線に構えた。彼女の前面に展開される大型の魔法陣から、無数のドリルじみた魔力弾がマシンガンめいて放たれる! 刀を力尽くで振り切って後ろに跳ぶ燦と入れ違い、魔力弾が炎竜の鼻先で連続命中!
「バリアがなによ! 風穴あけてやるんだから―――ッ!」
『無理を言う』
ヴァルギリオスが喉を鳴らす前で、魔力弾が全て氷に包まれて次々と砕け散っていく! ヴァルギリオスは勢いよく翼を開き放射状の突風を繰り出した! 跳躍した猟兵たちが木の葉じみて吹き飛ぶ!
『流石だ猟兵! 我が吐息をも超える力と強靭さを賞賛しよう! しかしだ!』
ヴァルギリオスの周囲にいくつもの煌めきが生まれ、透明な三重の球状バリアが輪郭を描く! さらにヴァルギリオスは光の右翼と闇の左翼を広げ、瞬発的に跳躍! ウタと燦を跳ね飛ばし、空から落ちる都月の炎竜巻を跳ね散らした!
「なっ……!」
『堕ちよ。空は我がものである!』
ヴァルギリオスの後部から赤青黄の三重螺旋光をまとった尾が垂直に伸び、複雑な軌道を描きながら都月の頭上へ! そして真上からの突き下ろされた尾が、炎竜巻を弾かれた衝撃で仰向けになった都月の腹を撃ち抜いた!
「ぐあっ!」
弾丸めいた速度で突き落とされる都月! バリアをまとったまま羽ばたき、猟兵たちを見下ろしたヴァルギリオスは咆哮と共に言い放った!
『貴様らは余に触れること能わず! そろって滅びよ! 貴様らの遺灰を我が軍門の竜たちへ捧げ弔いとしよう! 我が前へ進み出た英雄たちよ! その背を支える賢者たちよ! 諸共に塵と化すべし!』
大気を震わす大音声、そして八色の流星のように撃ち下ろされたブレスが地面に突き刺さり、KRA-TOOOOOOOOOOM! 凄まじい大爆轟を引き起こした! 爆発は前衛を飲み込み、大火をしのぐオーロラの壁を消し飛ばす!
「皆様っ! 私の周囲に!」
晶が声を上げ、指二本を立ててブレスを指し示す! その指先にオーラが集中!
「……禁ッ!」
晶が腕を振り下ろした! ZGGGGGGGBOOOOOOOOOM! 世界樹そのものを揺るがす極大の衝撃! 目下を覆う八色が複雑に混ざった炎を見下ろし、ヴァルギリオスはグルグルと笑った。刹那!
「なぁーんちゃってぇっ!」
ヴァルギリオスの巨体を背後から大質量が打ち据えた! それは―――ALAS! 二体目のヴァルギリオス! こちらも三重のバリアを展開し、一体目のヴァルギリオスのそれを削っていたのだ! 振り向いたヴァルギリオスが呻く!
『これは! 骸の海より蘇りった余ではない……。余の姿を真似た猟兵か!』
「GRRRAAAAAAAAARGH! ご明察ッ!」
二体目のヴァルギリオスが血を吐きながら言う。ヴァルギリオスの姿に変化したカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は、八つ首の口を歪めて笑った!
「ヴァルギリオス! お前の戦いぶりはッ……! 特等席でしっかり観戦させてもらってたッ! ぐ、がぁ……ッ! ARRRRRRRRRRRRRRRRRRGHッ!」
獣じみた苦悶の叫びを上げるカシム! その首の付け根にはナハトやメンカル、アリルティリアがしがみついている! アリルティリアはヴァルギリオスを指差し、得意げな表情で言い放った!
「どんなもんですか! 今あなたが吹き飛ばしたのはアリルが作った立体映像! 完璧すぎて本物だと思ったでしょう! しかしアリルたちはこうしてここにいるのです! あなたをやっつけるためにっ!」
「無論、私ハ君ヲ倒せなイ。だかラ、協力してもらったんダ」
片腕をヴァルギリオス化したカシムの首に回して固定したナハトが、逆の手をヴァルギリオスにかざす。次の瞬間、地面を覆う炎を突き破り巨大な樹の柱が伸長! 先端を放射状に枝分かれ展開し、ヴァルギリオスをバリアごと捕縛した!
『馬鹿な……世界樹を支配したとでも言うつもりか!』
「あくまデ、ごく一部ニ限る。だガ、先ほど私ノ分身たちニ溜め込ませた君ノエネルギーヲ全て使った荒業ダ。仲間たちガ君を倒すまデ、縛っておクだけなラ充分……!」
ナハトが言い終るが早いか、カシムの八つ首が咆哮した! 自分のバリアに八連頭突きをかまし、轟音を撒き散らす! 地鳴りめいて振動する竜体の上で片膝を突いた泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)は、ワインレッドのスナイパーライフルを構えた!
「追い詰めた……。まずは、そのバリアを穿つ……カタストロフは……止めさせてもらうよ……」
星流が引き金に指をかけると同時、銃口に緋色の魔法陣が開かれた! スコープ越しに星流とヴァルギリオスの視線が交錯! ヴァルギリオスは一瞬の逡巡の末、八つ首と体を丸めてバリアを強化! 光輝く球状の盾が巨竜を隠す!
『ぬぅオオオオオオオオオオオオオオ―――ッ!』
SMAAAAAACK! バリアの光が強まり、ナハトの支配下にある枝葉とカシムのバリアが音を立てて凍てつき、ひび割れる! 星流は表情を変えぬままに息を止め、引き金を押し込む!
「……行くよ」
星流が発砲! CABOOOOOOOOM! 紅蓮のマズルフラッシュと共に緋色の光がカシムのバリアを透過してヴァルギリオスの青白いバリアに直撃! 耳をつんざく甲高いサウンドと共に全力魔法を込めた弾丸がせめぎ合う!
「足りないか……」
スナイパーライフルから顔を離す星流! 刹那、地面を覆うブレスの残り火を突破し、世界樹を高速で駆け上がる人影あり! 燃える大剣を下段に引き絞ったウタが、背中からジェット噴射しながら全力で走っているのだ!
「ったく、何が何だかわかんねえけどよ! ヴァルギリオス! お前が往生際悪くこの世にしがみついてんのはなんとなくわかるぜ! ここに過去の居場所はねえ! この世界は、未来は、今を生きる命のモンだ!」
ウタは走り幅跳びの如くジャンプし、着地の勢いで両膝を折り曲げる! 足裏から炎を噴き出しての二段ジャンプ! BOOOOOOOM! 一気に空中へ躍り出、高速前方回転しながらヴァルギリオスへと急降下!
「命の煌めきを過去に消させやしないぜ! 食らえ天誅ッ!」
回転の勢いで大剣を振り上げ、ウタは枝と枝の隙間に見えるバリアへ炎の刃を振り下ろした! CABOOOOOOOOOOOM! 刃の峰から火山噴火じみて炎が噴き出し、バリアに―――亀裂を走らせる!
『何……?』
バリアの中で身を丸めていた首のひとつが頭上を見上げた。濃い光を放つバリアの二層奥に確かな亀裂! さらに、CRACK! 星流の銃弾もバリアに蜘蛛の巣状のヒビ割れを入れる!
『馬鹿な……あり得ん。余の全霊を注いだ盾に傷がつくなど……! ……まさか、枝か!』
ヴァルギリオスの直感が、バリアを捕らえた世界樹の枝に向く! ナハトの支配下に置かれ、細工を施された世界樹はヴァルギリオスのバリアを蚕食しながら成長を続けていたのだ! 亀裂が! 広がる!
『味な真似をしてくれるな、猟兵……! ならば!』
ヴァルギリオスは丸めていた巨体を解き、八つのアギトを開いてブレスをチャージ! バリアに回すエネルギーを抑え、全方位に首を巡らせる。バリアの崩壊と共に世界樹の枝を消し飛ばす構え! だがその時、バリアに風穴が開く!
『早い』
唸るヴァルギリオス! 彼の目はバリアの二層目に小さく光る紅蓮の衝撃波を捉えていた。赤い髪を振り乱しながら炎の剣を突き出すリゼ・フランメ(断罪の焔蝶・f27058)だ! リゼは細身の刀身を捩じり込むように突き入れる!
「はあああああああッ!」
裂帛の気勢を上げる彼女の頬を、バリアから吹き出た瘴気が撫でる! たちまち黒く変色し、腐り落ちて行く肉に構わずリゼはギリギリと刺突を続行!
(やっぱり無傷では済まない……いえ、もしかしたら死ぬのかしら?)
ヴァルギリオスの瘴気に四肢を黒ずませながらリゼは内心でごちた。星流が入れた亀裂に一太刀入れて一層目に穴を開け、現在二層目。これを超えれば攻撃を反射する三層目が待つ! 強く剣の柄を握る手からボロボロと腐肉がこぼれた。
「っはぁッ!」
カッと括目したリゼは渾身の突きで二層目を貫く! 手の甲から噴出する黒く濁った血液がタールめいて燃え上がった! 血を媒介とした炎は澄み切った赤色に代わり、リゼの剣に螺旋を描くようにして巻きつく! リゼは身をひねった!
「私の炎舞をお目にかけましょう。この火は過去と罪を焼き滅ぼすもの。この刃は未来を斬り拓くもの! いざ……」
リゼの剣が炎の刀身を真っ直ぐ伸ばし、ムチのようにしならせる! リゼは白みがかった金色の炎で出来た最後のバリアへ、剣を一閃!
「緋願之剣花!」
SLAAAAAAAAASH! 逆袈裟の一撃がバリアを横断! 瞬間、バリアは強い光芒と共に炎の斬撃を跳ね返す! BOOOOOOOM! 跳ね返された炎斬撃がリゼの胴体を引き裂いた!
「がふっ……!」
血を吐きながらのけ反るリゼ! その顔の真横を紅蓮の銃弾が突き抜け、バリアに直撃した! 空飛ぶ箒にまたがった星流が戦闘機じみて飛ぶ無数の箒を引き連れ、リゼが攻撃した地点へ直線飛行! バリアに命中した弾丸を指差す!
「……貫け……」
星流を追い越した無数の箒が次々と三層目のバリアに突き刺さっていく! バリアはその都度光炎のビームを星流に返すが、垂直に立った数本の箒がオーラをまとい、リゼの周囲を旋回してそれらを跳ね返した! ヴァルギリオスが鎌首をもたげる!
『来るが良い、猟兵たちよ!』
三層目のバリアが箒に射抜かれ、内側から爆散! 狂喜の歓声を上げたカシムが自分のバリアを引き裂いてヴァルギリオスに襲いかかると共に、ヴァルギリオスは自分の胴を翼で包み竜巻じみて回転! 全方位にブレスを放った!
『滅せよ!』
ZGWOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOSH! 巨大な渦を巻く八つ色のブレスが襲い来る世界樹の枝を全て吹き飛ばし、カシムをブレスで押しのける! 口惜し気に吠える彼から、メンカルとアリルティリアが跳んだ!
「厄討つ譚歌よ、応じよ、宿れ。汝は鏖殺、汝は屠龍。魔女が望むは災厄断ち切る英傑の業」
「かがやく正義の花よ舞え!」
メンカルが振り上げた濃紺の刀身が真上に極光のビームを放ち、長大な刃を形成! アリルティリアの手から放られたステッキは光の花嵐となって彼女の周囲を荒れ狂った! ヴァルギリオスは二人に薙ぎ払うようなブレス!
『GRRRAAAAAAAAAAAAAAAAAAARGH!』
「そこまで、ですっ!」
ブレスがメンカルとアリルティリアを襲う寸前、二人の目の前を横切った閃光がブレスに直撃! 聖なる光に包まれたナイは炭化しきった両手をかぎ爪状に折り曲げ、力を込める! ブレスが、ナイの小さな手に吸い込まれ始めた!
『我が力を食らうか! その朽ちかけた矮躯で!』
「はい。いただき、ます、大いなる、帝竜。貴方の力を、全て……!」
決然と目を見開いたナイの身体が閃光に代わり、ブレスに突き入れた手が巨大化していく! ナイは身をひねりながら90度の咆哮転換! 光そのものとなりながらヴァルギリオスに向き直る! そこでヴァルギリオスは異変に気付く!
『ぐむ、ぬううッ……!』
(止め、止められぬ……!)
喉の奥からブレスを! 引きずり出されている! ナイの光輝く巨大な手の平がドラゴンの吐息を無理矢理引きずり出し、吸収しているのだ! ナイは小さく呟いた。
「私は、勇者のパートナー、ナイ、です。本体が、いつか壊れるその日まで、世界を、守る者……。世界最強のドラゴン……ヴァルギリオス。私は、貴方のことを、忘れません。世界を滅ぼそうとする、相容れぬ敵、ですが……それでも、貴方は、偉大、です」
『ヌウウウウウウウウウウウ―――ッ!』
ヴァルギリオスが八つ首の目を全て血走らせた刹那! ヴァルギリオスの後方から放射状に展開しながら無数のドリル型魔力弾が飛来! 閉じられないドラゴンの口に雪崩れ込み、喉笛を体内から突き破る! プリンセラ!
「やーっと口にぶち込めたわ! 私の魔法の味はどう!? ほら、前菜は終わったわよ! オードブルは譲ってあげる!」
ヴァルギリオスの後方で浮遊するプリンセラが叫んだ直後、SLASHLASHLASH! 黄金色と黒赤色の竜首が半ばから斬り飛ばされた! 落下するアギトが時間差で縦にバックリと割れる。竜首と共に降下する燦は竜の首を斬った刃で手の平を裂き、あふれ出した血を割れたアギトへ投げ放つ!
「返礼だ。量は少し足りないかもしれないけど……極上品だろ」
「燦!」
遠くからシホの声が響き、エーデルワイスの花嵐が燦を守るようにしてくるむ! 彼女の真上では、都月とウタが爆炎を放つ獲物を白い竜の頭に振り上げていた!
「ウタ! 真下に燦がいる!」
「ああ、見えてるぜ。うっかりこの図体叩き落として潰さねえようにしねえと……一撃でふっ飛ばすぞ! せぇーのッ!」
ウタと都月が一緒に剣と杖を振り下ろした! CABOOOM! 爆炎の竜巻と刃が冷凍ビームを吐く白竜の脳天を破壊し、爆発四散せしめる! 都月は素早く杖を振り、自分とウタに青白い光を与えて左右に分かれる!
「……屠龍斬撃術式『ハバキリ
』……!」
「必殺! ホログラフィックペタル! いっけえええええええええええっ!」
メンカルが天突く光の剣を縦一文字に斬り下ろし、アリルティリアが頭上に固めた巨大な花弁球を投げつける! メンカルの剣がヴァルギリオスの胴体をバッサリと裂き、隕石じみて直撃した花弁球が竜の巨体を墜落せしめる!
『馬鹿……なッ……!』
口から出涸らしじみたブレスの筋を引きながらヴァルギリオスが呻く! 斜めに落下する彼の横合い、伸長したままの世界樹の幹を駆け上がっていた晶がヴァルギリオスめがけてジャンプ! その巨大な爪の一本を両手でつかんだ!
「つかみました……ようやく! 強者たる貴方様を! この手に!」
晶は声を上げると、両腕に聖なる光のオーラを凝集! ヴァルギリオスの巨体を空中で振り回し、地面へ投げ落とす!
「……せい!」
THROWWWWWWWWW! 垂直に落下していく帝竜に頭を向け、晶はブレスを浴びてボロ衣と化した装束の欠片を零しながら虚空を蹴る! 垂直落下しながら拳を引き絞り、四散した光の花弁球の下にあるヴァルギリオスの胴に鉄拳!
「破ぁッ!」
SMAAAAAAAASH! 帝竜の巨体に拳がめり込み、地面に叩きつけられてクレーターを作り出す! 断末魔の大音声を響かせるヴァルギリオス! そこへカシムがダイブし、八つの首でその体をズタズタに食いちぎった!
「GRRRRRRRR……御馳走様」
カシムは呟き、千切れた竜の頭を噛み潰した。
大成功
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