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帝竜戦役⑱〜やってやるぜ温泉の熱闘!

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸


●いい湯してる?
「ははんはおんおんおん」
「いぃいっ湯っだってばよぅ~」
「はほほほんほん」
 ご機嫌の鼻歌を披露しつつ、熱い湯に浸かる旅人と、野生動物ががちらほら。
 幻の『サウナ珊瑚』を求めてやってきた彼らは温泉の発見に、求めていたものも近くにあるはずと余裕をぶっこいて湯に浸かっていた。
 しかし、案の定そのような舐め腐った態度もそう長くは続かない。
「……チーオヅ……」
「どぅらっぴどぅ、はん?」
 鼻歌に割り込む不可解な声に目を向けると、そこには独特の戦化粧で体を彩り、黒い肌を心持ち赤く染めて手拭いを頭に乗せた野性味溢れる現地人の姿があるではないか。
 奇怪な言葉を操り、旅人らへと迫る。
「チーオヅ」
「チーオヅ」
「チーオヅ」
「チーオヅ!」
「チーオヅ!!」
「ひ、ひえええええっ」
 続々と上流から現れた彼らの言葉を理解出来ないものの、武器を構えただならぬ空気を纏う存在に震え上がり互いに抱き合う旅人と動物たち。
 彼らの悲鳴と共に湯が赤く染まるまで、それほどの時を用さなかった。

●や、やってやる。やってやるゾーッ!
「皆さんにはここ、温泉の沸く地帯にはびこるオブリビオンを倒してもらいたいんス!」
 帝竜戦役。様々な脅威と驚異が浮遊大陸に現れる中、続々と予知の生け贄となる旅人はどうやってここまで来ているのか。
 そんな個々の些末な疑問を置き去りに、シュゼ・レッドカラー(牙ある野生、双拳を持ちて食らいつく。・f25319)は珍しく怒りを露にしていた。
「お風呂はいい文化っス。初めて湯に浸かった時の、こう、『はにゃ~ん』って感じに感動したんス!
 そのはにゃ~ん体験を邪魔するオブリビオンなんか許せないんスよー!」
 確かに、これは間違いなく言い逃れようのない極悪だ。
 シュゼの言葉に理解を示す猟兵たちへ、しかし今回はそう簡単な話でもないのだと頬を掻く。
「旅人たちが襲われたのは下流で影響なかったんスけど、オブリビオンのいる辺りには『サウナ珊瑚』が群生してるっス」
 サウナ珊瑚。高熱を放ち、地熱を利用せずともこれがあるだけで水域を温泉と変えてしまう。
 更にサウナ珊瑚には特定の感情を爆発的に増加させるという恐ろしい特性を持つ。敵オブリビオンはその感情に支配され、かつ戦闘能力も向上した危険な状態だ。
「でも、奴らより更にパワーアップアップする方法があるっス。
 ……それは……えと、あれ……?」
 あっぷあっぷ。
 がさごそとカンペを取り出して照れ笑い。
「サウナ珊瑚の湯で我慢することっス!
 感情に支配されず、我慢を続けて野性を理性で縛るほど、自分たちの戦闘能力も爆発的に増大するんスよー!」
 凄くないスか、と笑う少女に、それならば暴走状態のオブリビオンにも対抗できるかと相槌を打つ。
 問題は、何の感情が増加するのかということだ。猟兵たちの至極真っ当な質問になぜか目を丸くしたシュゼは、カンペと睨めっこを始める。おいおい。
 糸目だから睨んでるのかわからんね。
「えっと、その。なんか、やってやるぞー、て気持ちになるみたいス。やる気っスね!」
 何の?
「わかんないっス」
 は?
「ひえっ。な、なんかよく分かんないスけど、『やぁ~ってやるぜ!』って気持ちになるらしいんスよーっ!」
 ごめんなさいと、慌てて頭を下げるシュゼ。
 素直に謝る相手を責めても仕方がない。何がどうなるのかは分からないが、つまりは己の中の何かしらのやる気が溢れる温泉、ということだ。
「そ、それと、今回はオブリビオンの排除と同時に地域を安定させる為に、サウナ珊瑚の採取もお願いしたいんス」
 感情を暴走させる湯、つまりは毒の湯だ。それを安定させようと言うのだからなるほどと頷ける。
 またこの珊瑚、水を温泉化するも成分が摩耗しない。クリーンな火力発電としても利用できるのではないかとされており、親指大の一欠片でも金貨百枚、百万円相当で取引されている。
「お金稼ぎと考えてくれても構わないっス。片手でたぶん一千万相当、両腕に抱えれば一億相当の数が採れるはずっス!」
 うへえ、えげつねえ。
 これは猟兵にもよるが、運ぶ手段があれば更に稼げるかも知れない。
 しかし、問題点がある。
「サウナ珊瑚の群生地域での戦闘スから、戦闘後はいち早く温泉から上がらないと暴走する心配があるっス」
 そうなればサウナ珊瑚を持って帰ることも出来ない。
 そう、戦闘中に確保しなければならないのだ。手に持ってしまえば殴るなどの攻撃ができず、頭に乗せれば頭突きが使えないということになる。
 頭突きする猟兵ほとんど見ないぞ。
「珊瑚はかなり鋭い部分もあって、怪我し易いんスよね。そんなの抱えて戦うと、温泉だからってあまり肌を露出しちゃ出血から集中力を失う恐れもあるっス」
 暴走に一歩近付くよ。やったね!
 同時にこれは敵オブリビオンにも言える。暴走状態の彼らをサウナ珊瑚まで誘導すれば、足を負傷し動きを止める事もできるだろう。
 一網打尽のチャンスだ。
「そういう訳なんで、何かに入れて運ぶなら丈夫な素材を用意しなきゃ、穴が空いて落っこちちゃうっスよ」
 以上のことに気を付ければ、がっぽりと稼ぐなり、強力な発電システムを入手するなり出来る訳だ。
 猟兵たちはグリモア猟兵に導かれて浮遊大陸へ向かう。
 その目はすでにやる気に満ち溢れていた。


頭ちきん
 頭ちきんです。
 アックス&ウィザーズの帝竜戦役、温泉地帯での戦いとなります。
 本シナリオの説明を行います。
 一章構成、集団戦の戦争シナリオとなります。
 このシナリオには以下のプレイングボーナスが発生します。こちらに沿ったプレイングを行うことで成功度にボーナスが発生します。
 発生させることで財宝も取得し易くなるので、お持ち帰りしたい方は積極的に狙っていきましょう。

 プレイングボーナス:『爆発的な感情(参加キャラクター個々の何かに対するやる気)』を発露させた上で、抑え込む。

 注意事項。
 アドリブアレンジを多用、ストーリーを統合しようとするため共闘扱いとなる場合があります。
 その場合、プレイング期間の差により、別の方のプレイングにて活躍する場合があったりと変則的になってしまいます。
 ネタ的なシナリオの場合はキャラクターのアレンジが顕著になる場合があります。
 これらが嫌な場合は明記をお願いします。
 グリモア猟兵や参加猟兵の間で絡みが発生した場合、シナリオに反映させていきたいと思います。
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第1章 集団戦 『血の一族』

POW   :    聖魔伏滅拳
【破魔の力を込めた拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    聖魔伏滅斬
【破魔の力を封じた剣や斧】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    血の福印
【自らの血】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
■感情
敵を徹底的に倒す
■珊瑚
諦める
■作戦
元素周期を口にしてやる気が爆発しないように戦う
■行動
水着で温泉へ
「くっ、これは…」
湧き上がる『やる気』。相手を徹底的に倒し破壊し尽くさないと
とことんヤル、徹底的にヤル。そんな気持ちが爆発しそうになったら
「フォルセティ。元素周期表を順番に言い合うわよ。まず、水素」
リチウム、ホウ素…少しだけ落ち着いてくるわね
「お兄さん、こちらで遊ばない?」
血の一族(男のみ)を水着&ポージングで[誘惑]しながらサウナ珊瑚へ[おびき寄せ]
血の一族が珊瑚に足を捕られている隙に[範囲攻撃]の【フィンブルの冬】で一網打尽にする


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】 (連携・アドリブ可)
【行動】
セーラー水着でフィオ姉ちゃんと温泉地帯へ
「あれ?すっごくやる気が出てくる」
温泉を浴びると敵を倒して倒しつくさないとって気分になるよ
やるからには徹底しないとって思っちゃう
このままだと頭の中が爆発しそうだよ。うーん…
「ええ、何それ?ヘリウム」
元素記号を言い合いっこするんだって。ベリリウム、炭素…
ちょっとだけやる気を抑えることができるかも?
「鬼さんこっちらー。次はラドン」
冷静になったら血の一族を(挑発)してサウナ珊瑚へ(おびき寄せ)るよ
珊瑚で足止めしたら聖箒を振りかざして(全力魔法)のカラミダド・メテオーロだよ
珊瑚のお土産は諦めるね


ベール・ヌイ
やってやるという感情を抑えるのは難しい
元々やる気と言うはあまりないがそれでも増幅されるならたぶん戦闘のやる気がでてるはず

【ベルフェゴールの矢】を起動
自分に一本さして、残りの矢を相手に刺してお互いのやる気を0にしましょう
まぁ、やる気がなくても矢でハリネズミにしますが
多少の痛みは「激痛耐性」で耐えます
あとは【ベルフェゴールの矢】で相手をハリネズミにしながら珊瑚の回収をしましょうかね
「おこたcar」の上に乗せれば、たぶん邪魔にならないでしょう
アドリブ協力等歓迎です



●思い出とはプライスレス。
 湯気の漂う温泉地帯。眼鏡っ子にはさぞや辛かろうその場所で、『血の一族』と呼ばれた者たちは肩まで湯に浸かり、じっくりと温まっている。
「……アアァ……」
「…………、エルォイ。マイア、ネットグロフ」
「……レタム・トン・セオド……」
「セイ」
 日本語を喋れ。
 それぞれ頭の上へ乗せた畳んだ手拭いで顔を拭いたり、たまに体を解しながら感慨深げな溜め息を吐く。老人しかおらんのか。
 しかし、それも僅かな間。
「タウヴ?」
「イウヴ、オド・ウォイ?」
「……チーオヅ……」
「チーオヅ?」
「チーオヅ」
「…………、チーオヅ」
「チーオヅ」
「チーオヅ!」
「チーオヅ!!」
 段々と広がるその言葉は、湯で温まった彼らの目に火を灯していく。
 ひとつの湯でその言葉が絶叫される頃、ぺぺぺぺぺと気の抜けた音の四輪駆動車が温泉地域に現れた。
 景観破壊だ、許せねえ! とばかりに高められたボルテージはそれに乗る者へ向けられた。
「ぬい?」
 敵意に晒されて返された瞳に映る意思は無く。
 眠たげなベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)はおこたから覗く顔を横向けに、机にべったりと貼り付いている。
 【おこたcar】。どう見ても水平移動するおこたである。机の上にはお茶と蜜柑が設置されていた。思ったより景色に合うわ。
 絡み付く視線と視線。ベールは無言、机の上の蜜柑へ手を伸ばすと、机に貼り付いたままの姿勢で蜜柑の皮を綺麗にひとつながりで剥いていく。
 開いた皮の上に、てん、と丸裸の蜜柑を乗せた少女はひとつをむしり、口の中に放り込めば広がる甘味と酸味に頬を引き締める。
 はぬいぬい、はぬいぬい、と擬音語よろしく蜜柑を食すと、下がる目蓋に抵抗せず。
「……ねむい……」
「ティーブ・ンヲッド、ウォイ!」
「エィィィイド!」
 続々と立ち上がり武器を構える血の一族たち。めちゃくちゃ怒ってますね。
 手拭いを頭に乗せて、続々と温泉から上がる屈強な男女が武器を構えて少女に迫る、何と危険な画か。
 しかし、殺到する敵意を受け止めたのはベールではなく、水着姿の女性と少女。少女?
「貴方、大丈夫?」
 パレオやデッキブラシで武器の柄を受け止めた二人は、勢いをつけて血の一族を押し返す。
 未だに眠そうにうとうとしているベールへ敵を近づけないようにとする女、フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は赤い髪を湯気に濡らし、うなじに貼り付くそれを煩わしくはね除けて温泉へ飛び込む。
「くっ、……これは……」
 めちゃんこ気持ちいい。
 自然の流れと熱により起きた水流が複雑なうねりを与え、熱めのお湯に血管が両手を上げて歓迎し、拡大するのを感じる。
 瞬間的に上がった新陳代謝に汗の玉が素肌に浮かぶと同時、その心の奥底から湧き出る衝動。
「あれ? すっごくやる気が出てくる」
 同じくセーラー水着の襟を揺らして湯に飛び込んだのは少女ではなく少年、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)も驚きに目を丸くする。
 相手を徹底的に破壊し尽くす。とこのとんまですべからく。
 このままだと頭が爆発しそうだと、こめかみを押さえてうんうんと唸る弟へ、フィオリナは込み上げる衝動を抑えるべく一計を案じる。
「これがサウナ珊瑚の力ね。
 フォルセティ、元素周期表を順番に言い合うわよ。まず、水素」
「ええ、何それ?」
 何それ。
 しかしながらも素直にヘリウムと答えれば、リチウムと返されベリリウムと返し、互いに言葉をかわすことで落ち着きを取り戻していく。
 生物とは注意をそらす者だ。本能を押さえ込む為の単純な手法であるがその効果は絶大で、猛獣と化した血の一族の二の舞とならずに済む。
 二人は足下を確認した後、互いに目を合わせ、交差するよう彼らから飛び退いて笑みを見せた。
「お兄さん、こちらで遊ばない?」 
 女性らしい柔らかさと肉体を強調する扇情的なポーズで血の一族の男を呼び寄せる。
「イウヴ!?」
「エニム・スチ!」
 互いに取り合う様子を見せながら、我先へとフィオリナへ飛びかかる。別のやる気が漲ってきたようだぞ。
 女も混じっているあたり罪深きフィオリナの美貌──、違うなこれ嫉妬だわ。
「鬼さんこっちらー、次はラドン」
 怪獣の方じゃないよ。
 デッキブラシは捨て置いて、取り出したるは箒。
 かつて世界を滅ぼしたとされる存在をその身に封じ、名を戴冠した【聖箒ソル・アトゥース】。
 尋常ならざる魔力を肌で感じた血の一族もまた、各々の武器へ破魔の力を宿す。
「マイア、エカム・トシフ、レヲヴ!」
「マイア、エカム・ノベウ、レヲヴ!」
 それは拳であり斧であり。
 身構えた血の一族は闘志を瞳に宿して雄叫びを上げる。飛びかかるそれらに対し、フィオリナとフォルセティは顔を見合わせ頷いた。
 敵を誘導するような水平移動。
 姉と弟は体を合わせ、自然と導線がひとつとなった敵意はサウナ珊瑚の群れに足を取られた。
「ウウヴ!」
「トンド・リーブ! エルォイ、ティーブ・ンヲッド!」
 足の肉を削ぎ、あるいは貫く珊瑚に対しても、激情に突き動かされる彼らの動きを止めるのは僅かな間。
「イ・レヴォケル!」
 自らの血を使い傷ついた足を回復させる者により、再び迫る肉の群れ。
 しかし開いた間合いと隙があれば、そこは魔術師の独壇場だ。
「そんな押しの一辺倒じゃ女の子を落とせませんよ。行くわよ、フォルセティ!」
「任せて、フィオ姉ちゃん!」
 バトンのように聖箒をくるくると回して天へ掲げれば、フィオリナの構えた手から伸びる【銀翼杖セラファイト】が交差し、高められた魔力が触れ合って空間に光を生じる。
 フィオリナの扱う杖もまた、銀翼の天使の力が宿るとされる強大な魔力を秘めた杖だ。ソレスティア家に代々伝わる宝具であり、次期当主である彼女の権威をも示している。
 水面を浮上した彼女は魔力の光をその身に帯びて、水着姿から白銀のドレス姿へと変じた。
「氷の檻に閉じ込めてあげる。氷結へ導け、黄昏の吹雪よ!
 【フィンブルの冬(インビエルノ・デ・フィンベル)】!」
 湯気の漂う熱気の中に、突如として現れた風雪は視界を覆い、血の一族の周囲の熱を根刮ぎ奪い去る。
 それだけではない。竜巻となった風は熱を上空へと放逐し、更なる温度低下をもたらしサウナ珊瑚の群生する水面をも氷付けにしてしまった。
 冷凍された血の一族は最早、喋ることすら出来まい。
 次は弟の番だ。
「それじゃあ、いくよ!
 ──悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ、集うは漆黒の紅炎……!
 【カラミダド・メテオーロ】!」
 振り下ろす聖箒に導かれて、指し示された獲物に牙を剥くのは虚空より来りし者、巨大な灼熱の隕石だ。環境を考えろ環境を。
 氷付けにされた血の一族がかわせるはずもなく、隕石の衝突とその熱量で粉砕され、それどころか水蒸気爆発まで引き起こしてしまう。
 地形を変える程の一撃は、環境だの景観だの言える限度を遥かに超越していた。爆発の衝撃は威力を軽減するドレスを着たフィオリナがフォルセティを守ったことで難を凌ぐ。
「あ、ありがとう、フィオ姉ちゃん」
「全く、いつまでも世話の焼ける弟なんだから」
 ぷいと顔をそらす姉。尊い。それはさておき。
「珊瑚、無くなったかなぁ」
「しようがないわよ」
 大規模な破壊により巻き上げられた砂埃とも湯気ともとれぬ白煙の中、視界の悪さに眉を潜めるフィオリナ。
 同時にその帳を切り裂いて、斧を構えた男が二人、左右より踊り出た。彼女らが爆砕した者らとは別グループだろう、奇襲に片方しか防げぬと直感してほぞを噛む。
 直後、二人の側を駆け抜けた二本の矢が、それぞれ男へ突き刺さる。同時に闘争に満ちた彼らの顔からすっぽりと感情が抜け落ち、茫然自失となって獲物を手から溢す。
「……勇気も怒気も復讐心も……全てを亡くす。これはベルフェゴールより承りし怠惰に至りる矢」
 驚く二人の視線の先で、おこたに座ったまま脳天から矢を生やしたベールがVサインを見せる。
 先程までの眠たげな目はやる気に満ちてすっきりと開き、と思いきや、それほどやる気の見れない半眼であるも目覚めてはいるようだ。
 彼女の頭に突き刺さり、流血を強いる矢はもちろん、ただの矢ではない。
 ユーベルコード、【ベルフェゴールの矢(タイダニイタルヤマイ)】。怠惰の属性を秘めた矢により、突き刺さった対象の原動力となる感情を消失させる力を持つ。
 更に。
「ぬいぬいぬいぬいっ!」
 虚空へ速連射される矢の数々が舞い散る屑、否、サウナ珊瑚の欠片を跳ねて次々とおこたcarの上に集約していく。
「おお~」
「……す、凄い……って、怪我してるじゃないですか!」
 当然とばかりに披露する神業の間にもしっかりと男らを針鼠のように矢だらけにして絶命させるベール。
 そんな彼女の頭頂から顎先まで滴る朱の色に、慌てたフィオリナは変身を解いてパレオを少女の頭に巻く。
 応急処置であるが、このように暑い場にいては出血も早々と止まらないだろう。
「……ぬい、これぐらい平気です……」
「平気じゃありません!」
「血がいっぱいで痛そうだよ」
 魔法で冷やしつつも、早めの離脱を提案する姉弟に小さく反抗する。
 捨て身をも省みない少女にとって、平気と言える怪我であるのは確かだが、それでもただ心配する彼女らを邪険にしている訳でもない。
 その身を包む優しさに押されるようにして、ベールは帰還を受け入れた。そもそも、これ以上のサウナ珊瑚は机から零れ落ちてしまうのだからといった、区切りの良さも計算に入れていたが。
 ぺぺぺぺぺぺぺ。
 気の抜けた音を出して破壊された温泉地域から離脱する三人。
(……そるにしても……うふふっ。セーラー水着なんて可愛さ炸裂だわ! お姉さん困っちゃう)
「?」
「フィオ姉ちゃん、どうかしたの? …………、おーい?」
 サウナ珊瑚の欠片から放たれる熱気に当てられたか、そもそもがそういう気でもあるからなのか。
 帰りのおこたcarに乗った三人の内、一人はやる気に囚われているようだった。

・フィオリナ・ソルレスティア、フォルセティ・ソルレスティア
 取得サウナ珊瑚無し。水着の思い出を持ち帰り完了。
・ベール・ヌイ
 取得サウナ珊瑚、二億円相当とほっこりした気持ちを持ち帰り完了。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クシナ・イリオム
アドリブ歓迎

よーし!戦闘だ!私は表情が変わらないが!今!とても自身に満ちている!!
オブリビオンなど何するものぞ!
我ら猟兵大体3万人!帝竜撃滅の前にその歩みを止めることなしと知れ!
そのために!まず!驍勇無双のぉ!!

【死心にて穿つ者】で感情を封印して戦闘に入るね
その後、治療で敵戦力が回復しないよう一体一体急所を攻撃して一撃必殺を狙い、淡々と敵を【暗殺】する
一撃必殺は昏睡対策のために短期戦にする意味合いもあるかな
少なくとも戦闘に集中しすぎて引き際を見誤らないように
いや、落差が激しいって言われても感情操作は暗殺妖精の基本だから…

あ、サウナ珊瑚はほっとくよ
私は領主狙いだから…後で取りにいけると信じよう


クトゥルティア・ドラグノフ
※アドリブ共闘大歓迎

なんのやる気!?
それがわからないのは凄く不安なんだけど!
ええい、行くしかない!

燃え上がれハート、焼き尽くすほどヒート!!
なんか妙に、熱血みたいな気分に!!
やる気って、そういうやる気?!

手でもったら怪我をする?
ならばサイコキネシスで掴めば問題なし!
サイコキネシスを維持したまま戦うのは辛い?

大丈夫大丈夫やればできるできる諦めるな気持ちの問題だ応援してくれている人の気持ちを考えるんだ!
だからこそ、ネバギバぁ!!

うん、この場所のせいだけどさ、私こんな熱血じゃないからね本当は!?

落ち着けと自分に言い聞かせつつ、【野生の勘】と【戦闘知識】で立ち回りつつ、【怪力】乗せた剣技を叩き込むよ!


カーバンクル・スカルン
なるほど、わからん……というのは冗談で、殺気というかやる気が天元突破しちゃう温泉なのは分かった。それを抑えながらぶっ飛ばす……ねぇ。

それじゃあ私自身は戦いたい気持ちをぐっと堪えて、相手には勝手に自滅してもらおうか。

私がノコギリでガリガリ珊瑚を採取している周りに線を引いてスタンバイOK。
相手がこっちに近づいて、線を足で踏んだ瞬間に温泉の中から機械仕掛けのワニが飛びついて引き摺り込んで窒息させますよー。

採取が終わったらきちんと足で線を掻き消すことも忘れずに、ね?



●熱血とはむさ苦しいのではなく暑苦しいのだ。
 温泉地域の一部が破壊された事で水蒸気に乗り、サウナ珊瑚の成分が広範囲に拡散してしまった。
 これで湯に浸からずとも皆さんやる気に溢れてくれるはずだ。決してご都合主義的な展開ではない。
「グリモア猟兵の説明じゃ分からなかったけど」
 湯気に包まれ姿を表した青い人影。
「なんのやる気!? それが分からないのは凄く不安なんだけど!」
 声を張り上げるクトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)は敵と相対する前からも珍しく、攻撃的な顔をしている。
 湯気の向こうから、赤く光る眼光に敵意を感じ取り、とにかく行くしかないと自らの剣を構えた。
 【月明かりに咲く華の剣】、彼女の父が彼女の為に鍛え上げた大剣だ。
「よーし! 戦闘だ!」
 その顔の隣で大声を上げるのはクシナ・イリオム(元・イリオム教団9班第4暗殺妖精・f00920)。
 その顔に感情らしき動きはないものの、朗らかかつやる気に溢れた言葉が迸る。
「私は表情が変わらないが! 今! とても自信に満ちている!!」
 やかましいぞ。どんどん敵が寄ってくるぞ。
 しかしクトゥルティアもそれを止める事なく、むしろ呼応するように胸の内から湧き上がる衝動に戸惑いを隠せない。
「オブリビオンなど何するものぞ!
 我ら猟兵大体三万人! 帝竜撃滅の前にその歩みを止めること無しと知れ!」
 素晴らしい勢いを持った前口上だ。先頭にて啖呵を切れば、後の兵士の士気を上げるに間違いなく。当然、並ぶクトゥルティアもその体に熱と、柄を握る手に力が増していくのが分かる。
「やる気って、そういうやる気!?」
 戦闘意欲の高揚。
「チーオヅ!」
「チーオヅ!」
「チーオヅ!」
 こちらを取り囲む血の一族の言葉。前口上するなら日本語習って来い。
 白煙を切り裂き踊り出るその巨体。刃に宿る禍々しきは白き光。
「ちっ!」
 真正面からその一撃を受け止めて、クトゥルティアはその威力に舌を打つ。
(こんな程度……いや……落ち着け……!)
 思わず力で対抗しようとした自らを静め、剣を引いてその斬撃を受け流す。
 そのまま斧の背を撃ち刃を落とし、がら空きになった男の胴へ横薙ぎの一撃を打ち込んだ。
「おっと待ち切れないか! ならばこそ、その為に! まず! 驍勇無双のぉ!!」
 喉も裂けよと吼えるクシナ。
 ──痛覚、恐怖、狂気、誘惑。これら死心の前に意味成さざるなり。
 呪詛とも思える言の葉は、自らを引き留める為の言霊。心殺しの丸薬を過剰投与することで感情を封印し、理性的な行動を増強させる。連続使用を続けると感情が戻らなくなるという鬼の業。
 それが彼女の所属していたイリオム教団の秘術、【死心にて穿つ者】。
 先程までの堂々たる存在感は消失し、自らも湯気に紛れ、雄叫びを上げて突き進む血の一族の背後へと回り込む。
 筋肉に守られた首筋も、頚椎の中心は肉が薄い。走り揺れるその一点へ狙い澄ました【妖精用投げナイフ】が【9-2と刻印されたスリングショット】から放たれる。
 研ぎ澄まされた感覚は狙い違わず、男の頚椎を貫いた。常人からすれば裁縫針程度の大きさのそれも、その身に宿した呪詛により骨を易々と穿つ威力を誇る。
 崩れ落ちたその身を踏みつけ、構わず駆ける蛮族どもへ、クトゥルティアは口角を引き上げて剣を横に構えた。
「ルァアアォオル!」
 獣の叫びと同時に繰り出された巨大な戦斧を、一歩も退かずに再び真正面から受け止めれば、背後より現れたクシナの一刺しが男を絶命させる。
 戦闘の場に湯気はなく、現れた妖精に拳を打ち込む寸撃を見切り、ひらりと空を舞い避けた彼女の頭上を掠め、風に唸りを上げる刃がその拳を割った。
 噴き出す血と苦鳴にサディスティックな笑みを一瞬見せたクトゥルティアであったが、次撃で男の首を撥ね飛ばすとクシナへ目を向ける。
「ごめんね、大丈夫だった?」
「ん。見ての通りだよ」
「…………。なんか、全然さっきと様子が違うというか、落差が激しいなぁ」
「いや、落差が激しいって言われても感情操作は暗殺妖精の基本だから」
 暗殺者なのにぐうの音も出ない正論だ!
 クトゥルティアも引きつった笑みを見せたが、取り囲む唸り声に直ぐに感情を引き締める。
「引き際は見誤らないように気を付けるけど、もう少ししたら電池切れるからお願いね」
「……電池……? ああ、なるほど」
 その小さな体に流れる不自然な気の流れから、サウナ珊瑚以外の力の働きを見抜いたクトゥルティア。
 ならばすべきは真っ向勝負。敵の注意を引き付ける事。
「燃え上がれハート、焼き尽くすほどヒート! 刻み込め、英雄のソード!!
 なんか妙に、熱血みたいな気分に!!」
 いや、間違いなく熱血です。
 持ち手を返し、顔の横に構えた剣、切っ先は正面へと向けて牙を剥く。
「私のに斬られたい人から、かかって来い!」
「エルォイ! エカム、フタブ・ドォールブ!」
『セイ!』
 男たちの影に混じる女の号令に一斉に応え、クトゥルティアに向かって殺到する。
 それを万力を込めた剣の一振りで弾き飛ばし、獰猛な笑みを面に刻む。クシナはそんな彼女の横を抜けて指揮を取る女の背後を取り、肺を狙って邪教の祝福を受けた銀色の籠手、暗殺妖精の装備である【竜の鱗】に仕込まれた【竜の牙】を突き込む。
 魔力を注ぎ内部から腐らせる外法の武器。これを受けて助かることはないだろう。頭を潰せば少なくともクトゥルティアもやり易くなるはずだと、薄れ始めた意識に渇を入れて、暗殺妖精はその牙を研ぐ。
「…………。なるほど、わからん」
 そんなどたばたを横目に、水面に足を浸けてぽわわと温まっているのはカーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)。
 たてた膝に肘を乗せ、組んだ手に顎を乗せ。思わせ振りな格好で情けない言葉を溢しているが、勿論それは冗談だ。
 明らかにテンションをぶち上げた様子の彼女らと、温まる程に沸き立つ戦闘意欲。
(殺気とかのやる気が天元突破しちゃう温泉ねぇ)
 で、それを抑えながら敵をぶっ飛ばすと。
 艶めかしい肌を伝う滴を払い、カーバンクルは立ち上がる。普段より戦闘においては戦場の法則を無視した戦法を得意とする少女である。
 この温泉とは親和性が高く、迂闊に天元突破してはそれこそ大気圏外を抜けた理性が戻って来なくなる恐れもある。
 故に戦いたい気持ちをぐっと抑え、彼らには自滅してもらおうと決めた様子。
 温泉にばしゃりと飛び込めば群生するサウナ珊瑚に見当をつけ、自らの採取する分の回りにユーベルコードによるラインを発生させた。
「さて。いっちょやったりますか」
 あっつ苦しい絵面のクトゥルティアらをその背に、準備完了とばかり、取り出したノコギリで根元からガリガリと珊瑚を削り切る。
 水面を波立たせるその動きは流石に目立ち、その背後に忍び寄る者らが複数。凶刃を振り上げたそれらの気配を察して鋭い笑みを浮かべたのはカーバンクルの方である。
 彼らの足が少女の描いたラインに触れると同時に、水面より現れた機械仕掛けの鰐がその牙を血の一族へ突き立てる。
 始動したユーベルコード、【鯨飲馬食(ドラッグ・イン・ウォーター)】が召喚した存在だ。抵抗するも虚しく強靭な顎に水中へと引き摺り込まれた者たち。彼らを捕らえた牙は花開くように変形し決して抜けず、故に脱出する事も不可能だ。
「これじゃあ見えづらいよ」
 暴れる体から溢れる血が温泉を赤く染め上げて、カーバンクルは思わず愚痴を溢した。
 一方でその様子に気づいたクトゥルティア。
「おっと危ないっ」
 意識を失いふらりと体勢を崩した小さな体を、【サイコキネシス】で受け止める。
 その小さな体とノコギリをギコギコする少女とを見比べ、襲い来る刃をかわし。
「なるほど!」
 怪力のままにカウンターの横一閃を食らわせて、クトゥルティアは赤く染まる温泉に意識を集中させる。
「おおっ?」
 ノコ引く隣で水底から掘り起こされるようにして浮かび上がったサウナ珊瑚の塊を見て、驚きの声をあげるカーバンクル。
「手で持って怪我をするなら、サイコキネシスで掴めば問題なし!」
 しかし、サイコキネシスを維持したまま戦うのは辛いのではないだろうか。
 そんな素朴な疑問を浮かべたカーバンクル。その思考を読んだはずもないが、クトゥルティアは目を見開き声を張り上げる。
「大丈夫大丈夫やれば出来る出来る諦めるな気持ちの問題だ応援してくれている人の気持ちを考えるんだ!
 だからこそ、ネバギバぁ!!」
 血の一族にも負けぬ咆哮が空を割る。
 自らの熱血、というか単に暑苦しいだけとも取れる言動を環境のせいにしながら、相対する敵を睨み付ける。
「グッ。エイド、ウォイ!」
 気圧されて振るう斧。
 芯の流れた一撃など恐れるものなく。剣を片手に持ち直すと同時、敵の柄を握るその手を素手で受け止めて軌道を逸らし、柄頭でその顎を打ち砕く。
 その腹を蹴りつければ軽々と吹き飛ぶ巨体、水面に沈むと同時に機械仕掛けの鰐がその身に食らいつく。
「これは正に入れ食いね」
 笑みを見せたカーバンクル。
(あ、サウナ珊瑚。は、ほっとくかな)
 サウナ珊瑚の効能か、想定より早く戦線に復帰したクシナは小さく頷く。
(……私は領主狙いだから……後で取りにいけると信じよう)
 なぜフラグを建てたんだ妖精さん。
 その後も血の一族を粉砕する彼女らであったが、長々と湯に浸かっては逆上せてしまう。特に感情が逆上せるのは厄介だ。
「ここらが潮時、かな。クトゥルティア、カーバンクル、退くとしようよ!」
「あたっ、いつっ、くう! ……あともうちょい……いや駄目だ!」
 クシナの言葉に渋るカーバンクルであったが、クリスタリアンの素肌にも突き刺さる鋭利なサウナ珊瑚に流石に諦めたようだ。
 珊瑚を抱えたまま、血の池となった温泉に浮かぶ一族の体を足でよけてユーベルコードのラインを消していく。
 クトゥルティアもまたサイコキネシスにより拾い上げたサウナ珊瑚であるが、サイコキネシスさんも相当痛いご様子で採取に手間取ったようだ。
 正確には「あいてっ」という言葉が似合う程に拙い動きとなったからである。勿論、原因は戦闘に集中が割けた事による。
「それでもゼロじゃない。撤退します!」
 その剛力でもって地面を抉り、土塊を血の一族へと弾き飛ばして目潰しとし、後退するクトゥルティアたち。
 引き出された戦意は満足せず後ろ髪を引かれる思いであったが、すぐにそれも治まるだろう。
 手元のサウナ珊瑚さえ処分すれば。

・クトゥルティア・ドラグノフ
 取得サウナ珊瑚、八千万円相当と滾る熱き血潮と暑苦しい気持ちを持ち帰り完了。
・クシナ・イリオム
 取得サウナ珊瑚無し。暗殺妖精らしからぬ陽動技術の経験値を持ち帰り完了。
・カーバンクル・スカルン
 取得サウナ珊瑚、八千万相当とチャレンジ精神を持ち帰り完了。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

護堂・結城
まぁ、この珊瑚は俺も気になるしな
回収作業、ついでに稼ぎ時としてやってやる!!
…暴走しない程度にな

【POW】
【水上歩行】しながら相手を【挑発】珊瑚地帯に引き込むぞ
最初に珊瑚を氷牙の槍で折って回収、【念動力】で【浮遊】させて確保だ
氷牙を斬馬刀に変え【怪力・なぎ払い】で至近によられないよう牽制

【歌唱・大声】に【生命力吸収】をのせて戦場に溢れた感情を喰らう【大食い・範囲攻撃】
自身のやる気を抑え込める程度に喰らい、敵からは加減して吸収、指定UCを発動するぞ

【焼却・属性攻撃】をのせた白き劫火の剣群を操り、近い敵から焼き切ってやる

「いやー、このUCなら両手開くから楽だわ、氷牙、どんどん回収するぞー」


才堂・紅葉
こんな稼ぎ場を待っていました!
まずはやってやるぜの気持ちを抑えて寛ぎます
寛ぎながら、せっせと珊瑚を集めます
でかいシノギに……いえ、エネルギー問題解決の為に有用ですからね!
勿論、持ち運びの問題はあります

「コード・ハイペリア」
なので真の姿の【封印を解き】、両手を広げ、その掌の上を中心に緩い重力場を形成します
珊瑚はそこに向けて『落下』し、自然と一塊になるでしょう
乙女の柔肌は超重力場による【オーラ防御】で守ります

ただ両手が塞がり敵襲に対処出来ません……な【演技】で敵を温泉まで【誘き寄せ】
既に足場の【情報収集】は終えており、私はこの【地形を利用】出来ます
足を怪我した敵を手早く【頭突き】で沈めていきますね


御園・桜花
「温泉に持ち込んでぎりぎり許される…木の桶と軍手と地下足袋でしょうか」
「殺(や)ってやるぜ、に聞こえるのですが」
「湯船に鮮血は事故物件扱い、絶対避けようと思っていましたのに…ここまで来たら、同じですね」

皆が笑顔になる温泉作りに協力しようとして意気込んでやって来て既に血塗れ温泉であったことに意気消沈
武具も持ってこなかったのでUC「桜吹雪」使用
敵をまとめて切り刻む
「血の池温泉の出来上がりですね…」
目を逸らす

珊瑚を踏んでも取っても痛くないよう軍手と地下足
浮いてる木の桶が沈まない程度に少量珊瑚を貰っていく
温泉地ゆえ多分全裸バスタオル…?

「せめて温泉では共生できる方々に転生されますよう…」
お掃除して帰還



●まだまだ欲に素直な客人はやって来る。
 身を包む湯気と熱気に、そして立ち込める血の臭い。
 温泉と言えば体を浄め、身を寛ぐはずの場所であるが、この地だけで言えばただの戦場だ。
 その源泉を前にして立ち並ぶ三人の猟兵。
「こんな稼ぎ場を待っていました! ……でかいシノギに……いえ、エネルギー問題解決の為に有用な稼ぎ場ですからね!」
 水着姿に手を組み合わせ、夢見る少女のように瞳を輝かせる才堂・紅葉(お嬢・f08859)。もう十割隠せていない本音が出ているが、素直になってもいいのよ。
「まぁ、この珊瑚は俺も気になるしな。回収作業、ついでに稼ぎ時としてやってやる!」
 護堂・結城(雪見九尾・f00944)は暴走しない程度にな、と胸中で付け加える。実に素直でよろしい。潔くも堂々と胸を張る姿には威風さえ感じられた。
 一方、サウナ珊瑚の影響を受ける前からやる気に溢れる二人と違い、意気消沈しているのは御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)である。
 グリモア猟兵の言葉により、人々を闘争へ駆り立てるであろうサウナ珊瑚の除去し皆が笑顔になる温泉を目指していた桜花。
 意気込んでやって来たものの、既に血塗れ温泉となっている事にショックを受けたようだ。
 その肉感的な体をバスタオル一枚で隠し、手荷物は手桶だけという格好だ。武器もないではないか、戦争中だぞ猟兵。
「湯船に鮮血は事故物件扱い、絶対避けようと思っていましたのに」
「そう気落ちする必要はないぜ。処理さえすりゃあ、問題ないただろう?」
「……そうでしょうか……」
 結城のフォローも通じず沈んだ面持ちは浮上せず。
 紅葉は苦笑してから前方へと目を向ける。
「先発した猟兵の皆さんのお陰で近場にいた血の一族とやらは、片付いているようですね。
 今の内にサウナ珊瑚を回収しましょう!」
『おーっ!』
 水場に合わせた女性陣は血に汚れた温泉からは離れた場所へと入り、群生するサウナ珊瑚を確認する。
 桜花は手桶に入れていた軍手と地下足を装着、水底の珊瑚を掘り返して手桶に回収していく。
「ふーっ。臭いや雰囲気さえ考えなければ、本当に良いお湯なんですけどね」
「全くです」
 お湯を肩にかけて寛ぐ紅葉の言葉に、桜花も同意する。サウナ珊瑚の影響もあり、すぐに血行も良くなるのが分かる。
 寛ぐとは言えしっかりサウナ珊瑚の回収を行う紅葉らに満ちるやる気に眼も光る。
 結城と言えば彼女らと違い水着でないこともあってか、湯に浸からず水上を歩行している。
 お供とする氷牙の名を与えられた竜は槍となり、彼の鋭い手先となってサウナ珊瑚を根元からへし折っていく。
 折られたサウナ珊瑚は念動力によって頭上へと浮遊させ確保しているが、扱いが難しそうだ。
「なるほど」
 結城の様子を見た紅葉は顎に指を添えて思案した後、両手を広げる。
「コード・ハイペリア」
 発動するのはユーベルコード、【ハイペリアの姫(プリンセス・オブ・ハイペリア)】。
『コード・ハイペリア承認。出力限定解除ランク百。
 警告、反動許容値を大幅超過。即時停止を推奨します』
 抑揚のない性質による警告が頭に響く。しかし、目の前の金の成る木、もとい世界平和に大いに貢献するであろう資源を前に、それを止める口実などあろうものか。
 断じて否だ。
 自らの封印を解き、焦茶色の毛髪が鮮やかな赤色へと変わっていく。その手の甲に浮かぶ青の紋章。開いた手中に形成された緩い重力場へ『落下』していくサウナ珊瑚は自然と一つの大きな塊となり、紅葉は山となった塊をその腕に抱く。
(乙女の柔肌は超重力場でしっかりと守るわ)
 手中に収まる熱は欲望を表すものか。ニヤリと邪な笑みを浮かべる紅葉の様子を知る者は無く、ただ結城が現れた気配に表情を引き締める。
「他に湯浴みをご所望のお客さんだ。相手してやろうぜ」
 自らの未だに未熟な念動力では拾えない分も槍でへし折りつつ、結城は言葉を転がすと氷牙を撫でて幅広く肉厚な刀身を備えた斬馬刀へと変ずる。
「さあて、やってやるついでにもいっちょ、やってやるとするか!」
「殺ってやるぜ、としか、聞こえませんね」
「ああっ、敵襲だというのに両手が塞がってしまいました!」
 おいおい。
 よよよ、と水面に沈む紅葉に慌てて援護に入る桜花。君も武具ないじゃないですか!
「……チーオズ……」
「チーオズ」
「チーオズ!」
「チーオズ!!」
 迫り来る声を前に結城は自らの獲物薙ぎ払い、気合を入れると同時に戦場へ満ちていく感情をつぶさに感じ取って笑みを浮かべる。
「マイア、エカム・トシフ、レヲヴ!」
 その視線の先に湯気を切り裂き現れたのは、巨大な拳に光を宿す大男。
 斬り応えならば十分か。下方から抉り込むようなかちあげのアッパーをかわし、同じようにして現れた他の敵と共に攻勢へ出る前にまとめて薙ぎ払う。
 致命傷を狙ったものではない。その体を切り裂きつつも見せるのは反撃の意志のみ。
「こっちだぜ」
「ウォイ! エカム、フタブ・ドォールブ!」
「ティーブ・ンヲッド、ウォイ!」
 手招きしつつ、水上を滑るように移動する結城へ怒りを滾らせる後を追う血の一族。
 それもサウナ珊瑚の効能故であろうが、まるで理性が働いている様子がない。だからこその挑発であるが、怒りを増長させた彼らは結城の誘導によりサウナ珊瑚の密集する場所へと足を踏み入れた。
「ルァアアォオル!」
 無用心な足を深々と珊瑚に深々と貫かれて苦悶に叫ぶ男たち。
 戦意、怒り、苦痛。戦場に溢れた感情に舌舐めずりし、細く長い、笛の音のような遠吠えを発する結城。
 それは戦場に木霊する音で、揺蕩う感情を結城の元へと導いていく。感情を剣に、怒りを力に変える雪見九尾とは言え、貪るままに喰らってしまって暴走などすれば目も当てられない。
「ご馳走さん!」
 自身のやる気を抑え込める程度に喰らい、加減して吸収した結城はユーベルコードを始動する。
 【雪見九尾の劫火剣乱(ナインテイル・ソードフレア)】。
 虚空に現れた白き劫火の剣群。それはこの熱く煮立った戦場に燻る感情そのものであり、底冷えする瞳でもって睥睨する者の号令を待つ尖兵だ。
 情け容赦も無ければ一切の慈悲も無く、その瞳に囚われた者たちは声を上げることすら忘れ、自分たちが受ける結末を理解した。
「安心しろ、順番だ。近い敵から焼き斬ってやる
 ──頭を垂れよ、受け入れよ。死はお前の名を呼んでいる」
 結城の言葉は王命の如く、血に餓えた獣となった剣の舞は男らへ襲いかかった。
 それを見送り、結城は大剣となった氷牙の変身を解除する。
「いやー、このUCなら両手開くから楽だわ。氷牙、どんどん回収するぞー」
 先程とは打って変わって明るい口調。
 鋭いサウナ珊瑚のもたらす痛みに顔をしかめつつ、空いた手にもそれらを回収していく。
 結城から少し離れ女性陣。
「ウォイ! エイィイド!」
 紅葉を守るように前に進み出た桜花へ、雄叫びを上げる血の一族。もう何言ってるか分からんから叫び声でいいよね?
 普通の人間ならば恐怖に動けなくなるであろうが、ここに立つのは猟兵。威圧の叫びなどで動じる様子は皆無だ。
「ほころび届け、桜よ桜」
 彼らと付き合うつもりなど一切無いとユーベルコードを始動する。
 軍手や地下足、そしてバスタオルが無数の桜の花弁へと変化し、【桜吹雪】となって旋風を伴い舞い上がる。
 湯気は晴れたが、桜花の体は桜の花弁によって視覚保護されているので、ご安心下さい。
『──……!』
 牙を持つ風は血の一族の身体中の肉を容赦なく削ぎ落としていく。自らの血を媒介として治癒を行おうとする者も見られたが、吹き荒れる風はまるで回転刃の如く彼らの身から剥がれず、結局は僅かな延命を施しただけでその場の全てが無惨な最期を遂げた。
 所々に骨を露出させた人形であった者。彼らが沈む水は赤く、とろりとそれを受け入れるようであった。
「……血の池温泉の出来上がりですね……」
 目を逸らす桜花。もう血の池地獄だよ。言い訳出来ない程の事故物件だよ。
 自覚があるのだろう桜花は益々と意気消沈した様子であるが、これがなければむしろ、サウナ珊瑚の効能で嬉々として事故物件を量産していたかも知れない。
 桜花の庇護から抜け出していた紅葉はそのサウナ珊瑚を抱えてよたよたと、戦場を右往左往する。そんな目立つ行動をしていて狙われないはずもなく、「あそこにお間抜けさんがいるぜ!」とばかりに現れた屈強な体躯の男たち。
 仲間より離れた彼女は手頃な獲物と思っただろう。──才堂・紅葉という人間を知らない者は。
 踏み出した足を珊瑚に貫かれ、可愛らしい悲鳴を上げる屈強な男たち。お間抜けさんはどちらか分かったようだな。
 その場を行き来することで足場の情報を集めていた紅葉に、それとは知らずに誘き寄せられた血の一族。
 先程までの覚束ない足取りなど無かったかのように、水中の珊瑚をひらりとかわし、舞うように男の隣に立つ。
「ルアァォオル!」
 獣の叫びを上げて傷ついた足での限界を見せた拳など掠りもせず、身を回転してかわした少女は更に身をひねり、勢いと反動を乗せて。
「ジャンピング・ヘッドバット!!」
 頭突きする猟兵じゃんこの子。
 叩きつけられた頭部は男の頭蓋骨を粉砕し、桜花方面から流れて来た赤き湯に沈む。
 残る頭骨は両手で数える程も無い。
「さて、私の頭が潰れるのとあんたら全員の頭が潰れるのと、どっちが先だと思う?」
 にっこりと微笑むお嬢様スマイルはその日、確かに凶器であった。

 血の池地獄と化した温泉地域には、とてもではないが口に出すのも憚れる惨状であった。
 それこそ現世に現れた地獄とも呼べる光景には流石の猟兵も不味いと考えたのか、桜花を筆頭にある程度の清掃をしている。
 湯を変えることは出来ないが、水面に浮かぶ諸々の肉を処理する一同。空気の読める敵さんは襲撃してこなかった。手伝えよ。
「せめて、温泉では共生できる方々に転生されますよう」
「えーと、外道は温泉に近づきませんように」
「シノギの稼げる立派な温泉になりますように」
 それぞれがそれぞれの願をかけつつ、顔を見合わせて思わず苦笑する。
 サウナ珊瑚が減少すれば、紅葉の願い程度は簡単に叶うかも知れない。膨らんだ期待は誰に報うか知られぬも、猟兵たちは温泉地域を後にした。

・報酬
護堂・結城
 取得サウナ珊瑚、一億四百万円相当と眼福な記憶を持ち帰り完了。
才堂・紅葉
 取得サウナ珊瑚、一億五千万円相当とジャンピング・ヘッドバットの経験値を持ち帰り完了。
御園・桜花
 取得サウナ珊瑚、二千四百万円相当と後悔の念を持ち帰り完了。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイ・オブライト
何故こんなややこしい所に来ちまったのか
だが例の珊瑚はヘルにも役立つ
さて。やってやるつったら戦い以外にねえ、が ※Vエンジン回転数が上がりバチバチ帯電・発熱する他特に変化なし
我慢?

…要は長風呂か?
此方からは仕掛けず
敵の拳撃を掴んで捻り怪力で湯へ引き摺り込み、属性攻撃(電気)。麻痺らせ半強制的に隣で浸からせる
折角の良い湯だ。そう急くなよ
あんたらは面白え言葉を使うな
そこのゴツゴツ(珊瑚)はなんて呼ぶんだ?
ほー、○○(復唱)気に入った
その厳ついナリにも親しみを覚えないでもねえな、兄弟
やってやりたさは握手=放電でクールダウン続け、親睦深めたとこでUC
珊瑚に突き刺す形で殴り倒せば頭骨に欠片程度食い込むだろ



●THE steel
 血の池地獄に現れる影がひとつ。
 温泉地域に姿を見せたレイ・オブライト(steel・f25854)は、その様相に溜め息を吐いた。
 余りにも濃い血の臭い。所々が破壊された大地。子供が見ようものなら温泉の印象も一目で悪くなることに間違いないだろう。
 何故、こんなややこしい所に来てしまったのか。
 これ見よがしの大きな溜め息を残しつつも、レイは自らの服を脱ぐ。ウホッ、いい体。
 所々にある古傷は戦歴の激しさを物語るも、戦場で叩き上げられたような、それひとつが兵器と呼べる鍛え抜かれた体が惜し気もなく晒される。
(ややこしかろうと、例の珊瑚はアポカリプスヘルにも役立つ。採らない謂れはねえな)
 赤いお湯にざぶりと飛び込み、水面を蹴散らしながらサウナ珊瑚を探す。
 指の怪我も気にせず珊瑚を引き抜いていく。サウナ珊瑚の影響はもちろんレイにも襲いかかった。
 彼にとってのやる気とは戦意に他ならず、湯に浸かり、サウナ珊瑚を直接回収するレイにも変化が現れる。
 熱くなる体と高鳴る鼓動。ヴォルテックエンジンの回転数が上がり、その身を戦いに駆り立てるように鳴動している。時折放出される電流がその身から光を発するが、死人にとってはただ動力のギアを上げただけとばかりで、内面的な変化も少ないようだ。
 こーのゾンビ野郎!
 とは言えその衝動が高まり続ければ、動力もまた高まり続ける。長々と浸かれば暴走状態にならないはずもないが。
(他にまだ敵がいるかも知れねえ。我慢ってんなら、要は長風呂か?)
 物はついで、仕方ないとばかりに肩まで浸かる。
 他の猟兵が感じたように、自然の流れと熱により起きた水流が複雑なうねりを与えてめちゃんこ気持ちいい。
 深く息を吐くと湯気の向こうに大きな人影が現れた。赤い湯を割り進み出た禿頭は山のような巨体を従え、白く濁濁った両眼でレイを捉えた。
「チーオズ、ウォイ?」
「…………」
 此方からは仕掛けず。
 片手には珊瑚、黙したまま座り込む。絡む視線に敵意が燃えて、男は声を張り上げた。
「マイア、エカム・トシフ、レヲヴ!」
 掲げた両拳に宿る白き光。レイは拳を打ち鳴らす巨漢に対しても態度を変えず、面白い言葉を使うものだと余裕の笑みを見せる。
「ティーブ・ンヲッド、ウォイ!」
「ちっ!」
 大振りな一撃。
 敵の拳撃をかわすと同時に腕を絡め、サウナ珊瑚の影響で高まる怪力でもって無理やり捻りながら湯へと引き摺り込む。
「折角の良い湯だ。そう急くなよ」
「イウヴ!? ッ、ガァアア!」
 腕を極めると同時に放電。その身を麻痺させられた男に最早、抵抗のしようもなく拳から光が消えた。
 レイはその隙に腕から手へと握り変えて、よりコンパクトな関節技へ移ると、再び湯へと戻る。すぐ隣で歯を剥き唸る男は、一瞬でも気を抜けば即座に殴りつけてくるだろう。
 とは言え、ヴォルテックエンジンの暴走を抑える為に適宜放電するレイの拘束から逃れるのは至難の業だ。
「ところで、あんたらは面白え言葉を使うな。どれ、このゴツゴツはなんて呼ぶんだ?」
 片手に乗せた珊瑚の山を男へ突きつける。
「…………、ラロク?」
 警戒しながらも返す言葉にレイは笑う。
「ほー、ラルクか、気に入った」
 敵意を見せない笑み。その厳つい体格も、親しみを覚える要素の一つだとばかりに空を見上げる。
「こんな時代だ。俺たちだけでも平和に行こうぜ、兄弟」
 言葉を転がすも。
「ウォイ! エカム、フタブ・ドォールブ、ティーブ・ンヲッド!
 ウォイ! エィィイイド!」
「…………、そういきり立つなよ、兄弟」
 やれやれと溜め息を吐く。
 オブリビオンとイェーガー、お互いを結ぶのは敵意と殺意だ。馴れ合えない者も分かり合えない者も多く、心を通わせることなど稀だ。
 その巨躯に宿す害意は、放置すれば災厄となるだろう。現れる者もこの男しかいない以上、周囲の敵は全て猟兵に駆逐され、唯一の生き残りであったのか。
 ならば、分かり合うことは不可能かも知れない。
「悪いな、兄弟。オレも、もしもの話に平穏を巻き込む訳にはいかねぇんだ」
 怪力のままに腕を捻り、男は堪らず湯の中に転がる。体勢を崩した男の顔面に打ち込まれるのは、レイ・オブライト【一撃必殺】の拳。
 その無双の拳は顔を砕き、水面を砕き、水底の珊瑚にまで届く威力は男の頑強な頭骨をも珊瑚に貫通させた。
 びくりと震えた男の足が、そのまま沈むのを見送り拳を収める。
「じゃあな、兄弟」
 新たな朱の色を加えた水域。元の姿に戻るには時間がかかるであろうが、血の一族と呼ばれた彼らが消えた以上、平和も訪れるだろう。
 猟兵らが多くのサウナ珊瑚を回収した為、残る湯が新たな水と入れ替われば件の成分も薄まり人々を暴走させることもないだろう。
 当初ほどの熱さはないが、ぬるま湯もまた良いものだ。体を乾かして袖に腕を通したレイは背後に広がる温泉地域に目を向ける。
 地獄の様相のここもまた、自浄作用が自然へと戻していくはずだ。
「得る物もあったしな」
 その道に今、友と呼べる者はなくとも、手に乗せた珊瑚の山を空に掲げて小さく笑った。

・報酬
レイ・オブライト
 取得サウナ珊瑚、一千万円相当とスティールメンタルを持ち帰り完了。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月23日


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🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#戦争
🔒
#帝竜戦役
🔒
#群竜大陸


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト