帝竜戦役⑥〜凶乱の剣技と共に、高貴で在れ
●戦場指揮官「十字騎士シュラウディア」を撃破せよ!
「そろそろ戦争も中盤に差し掛かりそうなところだがよ、ちょっと手を貸してくれねえか」
集まった猟兵達を前に、グリモア猟兵森宮・陽太が軽い口調で話し始めた内容は、戦力が不足していそうな戦場への助力。
「数多くの猟兵がよ、地表を腐汁に覆われた『地獄の古戦場』で大量の蘇生したモンスターの群れを押しとどめてくれているんだが、このまま押しとどめるだけではちょっとダメそうだ」
もし押しとどめるのに失敗すると、大量の蘇生モンスターが腐汁とともにアックス&ウィザーズの大地へと雪崩落ちる。そうなればたとえ帝竜ヴァルギリオスを討ち取ったとしてもその後の混乱は免れない。
「そこでだ、少しでもモンスターの勢いを止めるためにな、みんなには独立部隊として蘇生モンスターの群れを掻い潜り、指揮官をあ――」
「暗殺」と口にしようとして慌てて咳ばらいをし、言い直す陽太。
「――もとい、撃破してほしいんだが、いいか?」
陽太の頼みに、猟兵達は軽く首を傾げながらも頷いた。
猟兵達の顔に浮かぶ疑問符はさておき、陽太はグリモアが齎した予知の内容を話し始める。
「討ち取ってほしい指揮官は、金髪の漆黒騎士『十字騎士シュラウディア』だ」
ドラゴンすらその剣技の冴えを恐れたという、古代帝国最強の冷徹にして誇り高き騎士。陽太は予知で見た姿をそう語る。
「なぜオブリビオンとして蘇ったかはわからねえ。だがオブリビオンと化しても騎士たる誇りを持っている。卑怯な行為は嫌われるかもしれねえが、案外平気かもしれん。やってみないとわからねえ」
なるほど、と納得する猟兵たち。性質が誇り高い騎士であれば、陽太が「暗殺」という言葉を避けたのもわかる気がする。
「シュラウディアは双剣からシンプルながらも強力な剣技を繰り出して来る。何とかうまくさばいてくれ」
一方で、危機感を抱くと多数の竜を召喚するため、数で押しつぶされぬよう注意が必要だ。
「あーそうだ。群竜大陸の戦いの例にもれず、ここも報酬として持ち帰れそうな品が埋まっているぜ」
その名もずばり『蓬莱の実』。地獄の古戦場の腐汁の中でのみ育つ、人間の頭部ほどもある脈打つブドウのような果実らしい。
「何でも食べると欠損部が再生するという驚異的な特性があるらしい。だから1個金貨650枚(650万円)の価値があるとよ」
腐汁の中から探す必要はあるが、戦闘後に探してみるのも一興かもしれない。
「しかし俺、この騎士が扱う剣技、どこかで見た事がある気がするぜ……」
二槍でゲートを描きつつ、最近見たかもしれんとぼやく陽太だが、仮に見た事があってもおそらく偶然の一致。そう思っておくのが幸せと思われる。
「まっ、今はこの十字騎士とやらと派手にやり合ってきてくれ。頼んだぜ」
陽太が軽口を叩きながら二槍で虚空に描いたゲートが光を発し、猟兵達を戦場へと誘った。
●群竜大陸・地獄の古戦場
猟兵達が転送された場は、ただひたすら平坦な土地。
その地表は至る所から溢れ出す腐汁で覆われており、異臭を放っていた。
古戦場の至る所で、蘇生したモンスターと猟兵との激しい戦いが繰り広げられている。
戦場一体を俯瞰するような小高い丘の上で、漆黒の鎧と双剣を手に佇むのが、おそらくこの戦場の指揮官――十字騎士シュラウディア。
戦場を一瞥したシュラウディアは、猟兵等を発見すると、よく通る澄んだ声で高らかに宣言する。
「猟兵よ、私はこの場から逃げも隠れもしない。この狂乱を潜り抜け、辿り着いて見せよ」
明らかに猟兵を誘っているのだが、挑発ではなく心の底から猟兵との戦いを求めているようだ。
猟兵達は、素早く狂乱の渦を潜り抜け、十字騎士のもとへたどり着くべく戦場に身を投じる。
――誇り高き騎士と、刃を交えるために。
北瀬沙希
北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
よろしくお願い致します。
「地獄の古戦場」に無数に現れる蘇生モンスターの群れを指揮する、
この戦場の司令官のひとり「十字騎士シュラウディア」の撃破をお願いします。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「帝竜戦役」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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状況は全てオープニングの通り。
今回は冒頭への追記はございません。
●本シナリオにおける「プレイングボーナス」
【乱戦を潜り抜け、司令官に素早く接近する】とプレイングボーナスが付与されます。
なお、報酬として提示した『蓬莱の実』ですが、入手するかどうかは任意です。
プレイングで拾うと明記されていた場合に限り、リプレイでもそのように描写致しますが、描写がなくても拾った扱いにしていただいて構いません。
●プレイング受付期間
オープニング公開直後から受付開始。
締め切りはマスターページ及びTwitterで告知致します。
※リプレイ執筆は『5月12日以降』の予定です。
●【重要】プレイングの採用について
本シナリオは、早期完結を優先して運営致します。
基本的には少数採用となりますので、有難くも多数のご参加をいただいた場合、判定が大成功ないしは成功になった方の中から無作為に選出し採用致します。
そのため、プレイングに不備がない場合でもお返しする可能性がございますので、予めご了承の上、ご参加いただけると幸甚です。
●本シナリオ成功時のボーナス
「⑥地獄の古戦場」のシナリオ成功数1つにつき、戦争サバイバルのメダル数に🏅10000を加算します。本シナリオを成功させた場合も、もちろん加算されます。
(※5月6日以前に公開されたシナリオでは🏅5000加算となっておりますが、🏅10000が正しい値となります。🏅5000となっているシナリオも、集計時に正しく🏅10000加算されておりますのでご安心ください)
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『十字騎士シュラウディア』
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POW : 堕天十字斬
【手にした双剣】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 凶乱と殺戮のダンスマカブル
自身の【真紅に変じた瞳】が輝く間、【手にした武器】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 滅龍ヌア・ティティム顕現
自身が【危機感】を感じると、レベル×1体の【滅龍ヌア・ティティム】が召喚される。滅龍ヌア・ティティムは危機感を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
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伊美砂・アクアノート
【SPD オルタナティブ・ダブル】
【他の猟兵の行動支援】
ーーー別の戦場で首級は挙げたからね。此処は他の猟兵に戦果を譲るでおじゃる…いや、別に最強の剣士に恐れをなしたとかでは無いでゴザルよ? ほ、ホントでゴザルよ?
分身して二手に分かれ、戦線を擾乱。他の猟兵が敵将に近づきやすくするよ。 拙は毒香水を振り撒きつつ、ガラス糸を繰りましょう。では、儂はナイフと長靴で斬り切り舞うとするかのう…!
一当てしたら、私はグレネードを敵中央に撃って離脱。僕は対戦車ライフルで敵将を『暗殺、スナイパー、視力、早業』で狙撃、結果に問わず離脱します。……ついでに、多少の兵は斬っておきますか。じゃあな! 金髪美人の姉ちゃん!
●戦果は皆で共有するために
真っ先に足を踏み入れた伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)は、謎の軍団の王の首を鮮やかに落とした幽霊蜘蛛の糸を手中で玩びつつ、遠くで待ち受ける十字騎士シュラヴェイアの姿を確認していた。
「別の戦場で首級は挙げたからね」
――だから、ここでは首級は『狙わず』、支援に徹するつもり。
「此処は他の猟兵に戦果を譲るでおじゃる」
急にサムライエンパイアの若様のような口調に変貌したかと思えば、たちまちあどけない子供の口調に変貌する、伊美砂。
「えー、ほんとうはこわいんでしょ?」
他の人格が急に割込み口調が変わるのは、伊美砂にとっては日常茶飯事だから慣れたもの。
とはいえ、別の人格に突っ込まれてはさすがに否定もしたくなるもので。
「……いや、別に最強の剣士に恐れをなしたとかでは無いでゴザルよ?」
「えー、実はあの双剣が怖いんでしょ?」
「ほ、ホントでゴザルよ?」
実際恐れをなしたのか否かは伊美砂のみぞ知るとして、人格同士が一通り好き勝手口出ししたところで、伊美砂は行動を開始した。
蘇生モンスターの目の前で、伊美砂は2人に分身。二手に分かれ、他の猟兵達が行動しやすいよう支援を開始する。
突然、同じ顔同じ衣服の猟兵が2人現れると、それだけで蘇生モンスター軍は混乱した。
――一体、どちらが本物なのだ?
迷っている間に、2人の伊美砂は蘇生モンスターたちを撹乱。
「拙は毒香水を振りまきつつ、ガラス糸を」
片方の伊美砂がさいはての香水を周囲に振りまけば迂闊に近づいた蘇生モンスターは次々と昏倒し、耐え抜いたモンスターも繰り出した幽霊蜘蛛の糸に切り裂かれ。
「では、儂はナイフと長靴で斬り切り舞うとするかのう……!」
別の伊美砂が剃刀と毒針を仕込んだ長靴を履き、視認困難なガラスナイフを手に敵陣の真っ只中で剣舞を披露すると、近づいたモンスターたちは剃刀で切られ毒針で昏倒し、さらにガラスナイフで変幻自在に断ち切られてゆく。
どちらが本物か全く見分けのつかない2人の伊美砂は、徹底的に蘇生モンスター軍を翻弄し、戦場に混乱の種を撒いてゆく。
「さて、頃合いかしら?」
一頻り撹乱したところで、片方の伊美砂はグレネードランチャーからグレネードを発射。適当に狙いを定めて撃ち込んだグレネードは敵軍の中央に落下し爆発、もうもうと煙が立ち込める。
爆発で蘇生モンスターたちがさらに混乱する隙を突き、もうひとりの伊美砂が対戦車ライフルの銃身を短く切り詰めた対戦車ピストル『ジャンクメイカー』を抜き、一動作で狙いをつけてシュラウディアを狙撃した。
――ズキューン!!
「煙越しに遠くから撃ち込むとは……くっ!」
グレネードの爆風を突き抜けた銃弾を、シュラウディアはギリギリで双剣で逸らし直撃を避けるも、逸れた銃弾は右の肩当を砕き姿勢を崩す。
しかし伊美砂たちは、シュラウディアに銃弾が命中するか否かを見届ける前に、集まりつつあった蘇生モンスターを斬りながら撤退していた。
「じゃあな! 金髪美人の姉ちゃん!」
先手を打って蘇生モンスター軍団に大混乱を巻き起こし、さらに十字騎士シュラウディアにまで痛烈な一打を与えた伊美砂の活躍は、戦況を猟兵優位に傾かせるには十分すぎた。
大成功
🔵🔵🔵
ラモート・レーパー
「技は流石に劣るのよね……」
UCで蛇に姿を変えて大群の足元を這って指揮官のもとに行く。
辿りつけたら再度UCでお姉さんの姿をとって、ボーラに変えた黒剣で距離をとって戦うわ。
連携アドリブ歓迎
●戦場では時の運が気まぐれに働く
「技は流石に劣るのよね……」
卓越した剣技を用いる相手に、ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は如何に接近し、不意をつくかを考えていた。
真っ向から斬り合うとおそらく斬り伏せられる。ならば搦め手で攻めるのみ。
「万人、『』を思う姿はただ一人同じものなし」
ラモートはユーベルコードで蛇の姿を取ると、蘇生モンスター軍の足や他の猟兵の足の合間を縫うように進み始めた。
――しかし、時の女神が容赦なく牙を向くことを、この時のラモートは知らない。
ラモートが這い進む地面は腐汁に覆われていてぬかるんでおり、滑りやすくなっている。
蛇姿のラモートはモンスター軍団の合間を縫うように快適に移動するが、蘇生モンスターは些細なくぼみやぬかるみに足を取られれば、四足歩行のモンスターとて容易にバランスを崩しかねない。
そして、ラモートが四足歩行の大型蘇生モンスターの真横を通過したその時。
「グアッ?!」
1体の蘇生モンスターがくぼみに足を取られ転倒し、ひっくり返って背中から地面に落下。しかも、落下地点をまさにラモートが通過しようとしている。
「あ」
ラモートが気づいた時には既に遅く避けようがなく、背中から地面に落下した蘇生モンスターの下敷きとなってしまった。
(「あ~あ……蛇になったのが裏目に出たか……いや運が悪かったかな~?」)
完全に運が悪かっただけとはいえ、蛇を下敷きにしたことにすら気づかない蘇生モンスターが立ち上がるまで、蛇姿のラモートは腐汁に塗れながら待つしかできなかった。
蘇生モンスターが起き上がった隙に何とか脱出したラモートは、かろうじてシュラウディアの元へとたどり着く。
だが、戦場を縫うように移動していた蛇の姿を目撃されていたのか、シュラウディアは既に真紅の目を光らせていた。
「そこの蛇、覚悟!」
(「あちゃーバレてたか」)
ラモートは慌ててお姉さんの姿を取り、ボーラに変えた黒剣を振り回して距離を取ろうとするが、蛇から人へと変化したことで逆にあっさり間を詰められてしまう。
「凶乱と殺戮の剣技、貴殿の身で味わい、踊り狂え!」
双剣による怒涛の18回攻撃をラモートはボーラを盾代わりに凌ぎ切るが、先手を打たれたのでは為す術がない。戦場を急いで離れるので精いっぱいだった。
苦戦
🔵🔴🔴
神楽・鈴音
戦場を抜けて親玉撃破ね
エンパイアで水晶屍人と戦った経験が役立ちそうだわ
UCを発動させ、浮遊する金属製の賽銭箱の上に乗って移動
下からの攻撃は、他の賽銭箱を盾にして防御
空飛ぶ敵がいても、自分の周りに賽銭箱を多数回転させて防壁にし、なにもかも吹っ飛ばして強引に突撃!
限界高度まで上昇してシュラウディアを探し、真上から全ての賽銭箱を合体させた金属塊となって圧殺する
「天罰覿面!私に『蓬莱の実』をよこしなさい!
そのまま戦いに突入しても、剣と賽銭箱じゃ質量が違うし、数でもこっちが上のはず
70個の賽銭箱を次々と叩きつけて、その間に私は『蓬莱の実』を探させてもわうわね
「1個でも金貨650枚!絶対に見つけるわよ!
●かつての経験を生かして……?
転送された場と指揮官との間に蠢く、大量の蘇生モンスター。
状況を目にした神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)は、奇妙な既視感を覚えていた。
(「サムライエンパイアで水晶屍人と戦った経験が役に立ちそうだわ」)
昨年の夏、サムライエンパイアの東北の地で水晶屍人が多数現れた時、水晶屍人の群れを掻い潜ってボケ殺しのハリセンと対峙した経験を思い出す。
あの時は本体の複製たる賽銭箱が大活躍したが、今回も応用できそうだ。
(「にひひ……お宝、いただきま~す♪」)
心の中でにんまりと笑い、鈴音は己の本体たる賽銭箱の複製を次々と召喚し始めた。
鈴音は召喚した70個の賽銭箱のひとつに乗り、空を飛んで移動を始める。
当然、十字騎士シュラヴェイアには鈴音の存在があっさりと露見するが……。
「何だ、その面妖な箱は!!」
空飛ぶ賽銭箱の存在に、冷徹になるどころか逆に呆気に取られるシュラヴェイア。
「モンスターどもよ、あの箱を狙え!」
それでも冷徹にシュラヴェイアは蘇生モンスターらに鈴音を攻撃させるが、鈴音を狙う攻撃は全て賽銭箱が防ぎ、空からの攻撃も回転する賽銭箱に防壁よろしく封じられれば、蘇生モンスター軍もシュラウディアも為す術がない。
鈴音は賽銭箱が浮ける限界ギリギリの高度まで上昇し、賽銭箱で攻撃を防ぎながらシュラウディアの上空へ。
やがて、シュラウディアの真上へたどり着くと、全ての賽銭箱を合体させ、巨大なひとつの金属塊を作り上げた。
「天罰覿面! 私に『蓬莱の実』をよこしなさい!!」
――ゴウッ!!
賽銭箱という名の巨大な金属隕石が、シュラウディアを圧殺、もとい圧潰すべく猛スピードで落下。
「猟兵が、無謀なことをする!!」
70個の賽銭箱が合体した金属塊を、シュラウディアは一瞬双剣で受けようとするも、圧倒的な質量差には敵わず、哀れ金属塊の下敷きに。
鈴音が金属塊を賽銭箱にバラすとシュラヴェイアもふらつきながら立ち上がるが、シュラヴェイアが双剣を構える前に、鈴音がバラバラになった賽銭箱をシュラヴェイアに叩きつけ始めた。
その間に鈴音は周囲の腐汁でぬかるんだ地面に手を突っ込み、『蓬莱の実』を探し始める。その目は既にシュラヴェイアを見ておらず、頭もお金のことでいっぱい!
「1個でも金貨650枚! 絶対に見つけるわよ!!」
「貴殿に誇りはないのか!」
「誇りよりお金よ、お金!!」
――ドキッパリ。
堂々と宣言する鈴音に、再び呆気に取られるシュラウディア。
その間にも賽銭箱が次々と波状攻撃よろしくシュラウディアに叩きつけられると、シュラウディアはたちまち双剣でさばくのに精いっぱいに。
敵に妨害されることなく悠々と地面を掘り進める鈴音の手に、やがて人間の頭ほどの大きさのブドウの実のような物体が触れた。
慎重に掘り出し引き揚げた実は、鈴音の手の中で不気味に脈打っていた。
「『蓬莱の実』、ゲットしたわよ!!」
にんまりと笑う鈴音。金貨650枚分のお宝、いただきました!
なお、賽銭箱に翻弄されたシュラウディアは、賽銭箱の雨に頭と胴を強打され続けた結果、鈴音が撤退する頃には顎下に強烈な一撃を食らってノックアウト寸前となったボクサーのように上半身をふらつかせていた。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
全く、オビリビオンでなければ気が合いそうな奴だが・・・堂々とした態度は大したものだ。まさに誇り高き女傑ってことか。その振る舞いに敬意を表して。待ってな、すぐアンタの元へ行くよ。
多量の竜を召喚するなら無敵の相棒に一緒に進軍して貰おうかね。アタシは
【ダッシュ】しながら【衝撃波】【範囲攻撃】で周りの敵を吹き飛ばしながら進む。無敵の相棒には一緒に敵を打ち払って貰う。攻撃は【オーラ防御】【見切り】【残像】で凌ごうかね。シュラウディアに攻撃出来るところまで来たら、無敵の相棒に軍勢の最後の抑えを頼んで、【オーラ防御】【見切り】【残像】で攻撃に耐えてから【カウンター】【串刺し】を【怪力】で攻撃。
●誇り高き女傑と相対することを願って
「全く、オブリビオンでなければ気が合いそうな奴だが……」
小細工なしで正面から堂々と待ち受ける十字騎士シュラウディアの姿勢に、真宮・響(赫灼の炎・f00434)は敵意ではなく共感を抱いていた。
しかし、遠くに見える十字騎士シュラウディアはオブリビオン。共感を抱こうが猟兵である限り対峙する運命にあることに変わりはない。
――ここで討ち果たすしか、ないのだ。
「……待ってな、すぐアンタの元へ行くよ」
愛用のブレイズランスを片手に、響は真っ直ぐシュラウディアを見据える。
――狙うはシュラウディア、ただひとり。
「さあ、アンタの力を借りるよ!! 共に戦おう!!」
響は身長3mを超える夫の姿を模したゴーレムを召喚すると、蘇生モンスターの軍団の真っ只中に突撃。ゴーレムも響の動きをトレースするように後に従う。
響がダッシュしながらブレイズランスを振るうと、炎を纏った衝撃波が蘇生モンスターの一群を一気に薙ぎ払い炎に包んでゆく。
さらにゴーレムも響の動きをトレースして巨大な炎の槍で蘇生モンスターを横一文字に薙げば、威力も範囲も倍加した炎の衝撃波がさらに蘇生モンスターの群を吹き飛ばす。
二段構えの炎の衝撃波に巻かれた蘇生モンスターは、なす術なく骸の海へと還っていった。
蘇生モンスターの群れを突破した響は、漆黒の十字騎士と対峙。
「人の姿を模した偶像とは、なんと面妖な!」
他の猟兵に徹底的に翻弄され弱らされたシュラウディアは、自身の身長の2倍以上のゴーレムに見下ろされ、微かに危機感を覚える。
「出でよ滅龍ヌア・ティティム、目の前の猟兵を徹底的に蹂躙し、喰らえ!」
シュラウディアの声と共に召喚されるのは、100を超える滅龍ヌア・ティティムの群れ。たちまち響とゴーレムの上空は滅龍に埋め尽くされ、周囲は一気に暗くなった。
「アンタ、頼んだよ」
今にも響を蹂躙すべく息を荒げている滅龍の群れに果敢に挑むのは、相棒のゴーレム。
響がブレイズランスを軽く横薙ぎに振るうのをトレースしたゴーレムは、炎の槍で一気に滅龍の群れを薙ぎ払い蹴散らし、後ろに迫る蘇生モンスターの群れごと足止めする。
後方の安全を確保した響は、そのままダッシュでシュラウディアに迫った。
「十字騎士シュラウディア、一太刀受けてもらうよ!」
「良かろう、来るがいい!」
双剣を構え待ち構えるシュラウディアに真っ向から勝負を挑んだ響は、突き出される双剣を残像を囮に躱し、ブレイズランスの柄で牽制。
続けざまに視界の外から薙がれる双剣を見切り躱そうとする響だったが、わずかに剣の勢いが上回り、響の右わき腹を切り裂く。赤のオーラが剣の威力を削いだため深くは切り裂かれなかったが、響の背中を冷や汗が軽くつたい落ちた。
(「もしシュラウディアが無傷だったら、今の一撃で真っ二つにされていたね……」)
軽く切り裂かれはしたものの、双剣を振り抜かれた今は絶好の反撃のチャンス。
響は剣を躱した勢いを利用し、流れるように、かつ勢いよくブレイズランスを突き出した。
「渾身の一撃、食らいな!」
――ガコッ!!
「ぐ、ぐぐ……見事」
ブレイズランスは鈍い音を立てながら漆黒の鎧の腹部を貫通し、シュラウディアを串刺しに。
シュラウディアの口からは、鮮血が一滴滴り落ちていた。
成功
🔵🔵🔴
ガルディエ・ワールレイド
個人感情としては真っ当な切り合いを挑みたい気もするが……
戦争の事を考えると不可視攻撃での不意打ちを狙うべきか
悪ぃな
◆武装
《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流
移動時を重視して鎧は無し
耐水性ボディスーツ着用
◆移動
既に戦争サバイバルで千を超えて戦った地だ
その経験を活かして敵と遭遇しにくいルートを選び進むぜ
避けれぬ戦闘も最小限で済まし強行突破
◆戦闘
《見切り/武器受け》での受け流しや弾き返し等で防御
《オーラ防御》使用
敵は双剣を前提とした剣技を使うようだ
だから、戦闘の何処かで、片方の剣を【竜神気】で攻撃してリズムを乱しそこで勝負をかけるぜ
それまでは地道に切り合って機が来るまで耐える
●個人的な心情より全体への貢献を
ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は、腹部を槍で貫かれふらつきを隠せない十字騎士シュラウディアの姿を遠くから見ていた。
誇り高き冷徹な騎士である、十字騎士シュラウディア。
一応、騎士を名乗っているガルディエとしては、小細工なしで真っ当な斬り合いを挑んでみたい。
しかし、この戦場で千を超える数の戦いを戦い抜き、誰よりも蘇生モンスターの掃討に貢献しているガルディエの理性は、正々堂々とした勝負にこだわるべきではないと警告していた。
(「戦争の事を考えると、不可視攻撃での不意打ちを狙うべきか
……?」)
既に数多くの猟兵が数多くの蘇生モンスターを撃破し、腐汁に、骸の海に還しているが、還したそばから新たに蘇ったモンスターが猟兵達に襲い掛かっている。このままでは埒が明かないのも、また事実。
――だから、個人的心情は横に置いておくことにする。
「戦争のことを考えるとやむを得ないか。悪ぃな」
着慣れた鎧ではなく耐水性ボディスーツを着用したガルディエは、魔槍斧ジレイザと魔剣レギアを構えながら、蘇生モンスターの一団へと突撃した。
古戦場を隅々まで駆け巡った経験と知識を生かし、ガルディエは極力敵と遭遇しづらいルートを選び、できるだけ交戦を避けながら進む。
やや急ぎ気味の行軍ゆえ、腐汁が頻りに跳ねるが、耐水性ボディスーツのおかげで身体が腐汁で濡れることはない。
それでも、時折戦闘が避けれぬ状況にはなるものの、蘇生モンスターに先んじて魔槍斧ジレイザで薙ぎ、魔剣レギアを大上段から叩き込んで、強引に突破。
豊富な戦場経験をフル活用し、さらに緩急つけた進撃で、ガルディエはほぼ最短距離でシュラウディアの前に辿り着いていた。
「シュラウディアとやら、一戦交えてもらうぜ」
「良かろう、この戦場を知り尽くしたる猟兵よ、来るが良い」
短く言葉を交わすなり、弾かれるようにシュラヴェイアに肉薄したガルディエは真っ向勝負を挑むが、先に得物の狙いを定めていたのはシュラウディア。
ガルディエの肩を狙ったシュラウディスの左手の剣を、ガルディエは魔槍斧ジレイザで受けつつ魔剣レギアを突き出すも、それはシュラウディスの右手の剣で払われ。
シュラヴェイアが双剣を袈裟に振り下ろすと、ガルディエも斬り上げるように魔剣レギアで受け止める。
双方がお互いの得物を受け流し、あるいははじき返し、一進一退の攻防。
時折得物が肌を掠め決して浅くない傷を負うが、ガルディエは機が熟するまでじっとリズムを崩さぬように耐え続けた。
お互いが決定打を欠き、千日手になると思われる程の時間が過ぎる。
「そろそろ散れ、無数のモンスターを屠りし者よ」
冷徹さを崩さぬシュラウディアが右手の剣を大きく振りかぶった瞬間、初めてガルディエがパターンを崩した。
――悪ぃな。そこも俺の間合いだ。
ガルディエの裡から湧き出る不可視の異端の神の力が、シュラヴェイアが振り下ろす右手の剣を弾き飛ばし、その手からもぎ取る。
「不意打ちとは!」
「この戦争に勝つためだ、悪ぃな」
右手の得物を失い大きく姿勢を崩したシュラウディアの腹を、ガルディエの魔槍斧ジレイザが激しく打ち据え、漆黒の鎧に大きな罅を入れていた。
成功
🔵🔵🔴
白石・明日香
いるぞ。いるぞいるぞいるぞいるぞ、奴がいるのがわかる!
混沌とした戦場はバイクで掻い潜る。飛び交う攻撃は軌道を見切って躱す1
身に着けたドライブテクニックを見せてやるよ!
当たりそうな攻撃は武器受けで叩き落とし或いはオーラ防御で耐える。
奴の攻撃範囲に入りそうになったらバイクをぶつける感じで飛び込む
衝突寸前に後ろに飛び降りて攻撃はバイクに受けてもらうとしよう。
そうすればどんな攻撃だろうと関係ないし。
後は敵が体勢を立て直す前に残像で攪乱しながらダッシュで接近、攻撃は
軌道を見切って躱してやる。同じ二刀流だし、どんな型で来ようと癖はわかるんだよ!
間合いに入ったら怪力、2回攻撃、鎧無視攻撃で叩き切る!
●十字の名を冠す騎士に引導を
「いるぞ」
腐汁満ちる戦場に足を踏み入れた白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)は、遠く離れた十字騎士シュラウディアに何か感ずるものがあるのか、感嘆の声を出す。
「いるぞいるぞ」
遠目に見える金の長髪をなびかせ、漆黒の鎧に身を包んだ冷徹な騎士を目にすると、全身の震えが、歓喜が止まらない。
「いるぞいるぞいるぞいるぞ、奴がいるのがわかる!」
声音に計り知れない歓喜を宿し、明日香はただただ戦場の狂喜に身を委ねる。
――この戦場にいるのは、十字の名を持つ縁ある騎士だ!
――なら、奴を倒すのはオレの使命!
そして、十字騎士シュラウディアも、縁を感じ取り目を細める。
「来たか、十字に縁を持つ者よ……ここまで来るが良い」
双剣を十字に構え、明日香を待ち受けるその表情には、初めて歓喜が滲み出ていた。
「さあ、決着をつけに行くぜ!」
倒せど倒せど無限に沸き続ける蘇生モンスターと、それらを片っ端から撃破する猟兵たちで混沌とした戦場を、明日香はバイクに乗り、掻い潜る。
時折腐汁とぬかるみにバイクの前輪がとられ転倒しかけるが、実戦経験を通して身に付けたドライブテクニックを駆使し、バイクを巧みに操作して転倒は防いだ。
群れを掻い潜り、とうとうシュラウディアの姿を捉えた明日香。
「行くぜ!」
明日香はバイクのスピードを上げ、シュラウディアにぶつかるつもりで飛び込むが、シュラヴェイアが避ける気配を見せず双剣を構えているのを見て、咄嗟にバイクを放棄し後ろに跳ぶ。
直後、振り下ろされた双剣でバイクは真っ二つに割られ、大爆発を起こした。
着地後、爆発に紛れてダッシュで接近する明日香だが、その行く手にはシュラウディアの双剣が確りと待ち構えている。
「狂乱に満ちた縁ある者よ、わたしの凶乱と殺戮の刃を受けるが良い!!」
シュラウディアの真紅の瞳が、一瞬だけ激しく光り、分裂したように見える双剣が明日香を切り裂かんと迫りくるが。
「同じ二刀流だ、どんな型で来ようと癖はわかるんだよ!」
かつて憎悪に駆られた知人が見せた剣技と目の前の騎士の剣技との共通点を見出し、初撃を素早く呪剣ルーンブレードで弾いて防いでいた。
「何!?」
「これでしまいだぜ! アバヨ!!」
双剣を弾かれ大きく態勢を崩したシュラウディアに、明日香は全てを食らうクルースニクを大上段から力まかせに振り下ろす。
振り下ろしの一撃は、罅が入ったシュラヴェイアの漆黒の鎧を砕き。
続けざまに斬り上げた一撃は、シュラヴェイアの胴を深く深く切り裂いていた。
――それは、命脈と縁を同時に断ち切る、致命的な一撃でもあった。
「見事だ、十字の縁を持つ者よ」
致命傷を受け膝をついたシュラウディアの声音には、悔しさも怒りもない。
「貴殿なら、私に代わり……他の十字を……」
ただ、明日香を褒めたたえるように言の葉を紡ぎながら、十字騎士シュラウディアは骸の海へと還って行った。
――十字の縁がある者の存在を、明日香に示唆して。
成功
🔵🔵🔴
最終結果:成功
完成日:2020年05月14日
宿敵
『十字騎士シュラウディア』
を撃破!
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