帝竜戦役⑧〜Silent Cancer Hill
●それは無敵の城塞
不死蟹海岸と呼ばれる場所がある、無敵の硬度・重量・再生力を誇る、体高数百メートルの「不死蟹」の群れが生息する海岸である。
温厚なうえ普段はじっと動かないのだが、騒音・振動・匂いを嫌い、その発生源を踏み潰そうとする習性を持つことがわかっているのだ。
そしてこの海岸を制圧しようとする猟兵達に襲い来る静かなる殺し屋。
それこそが今回戦わなければならない色々な意味で強敵でありそして地形を大いに利用してくる知恵者達。
人呼んで『暗殺妖精』、その身長16cmしかない小柄な体で隠密性が高くしかも飛びまわっているだけに足音もたてたりはしない。
彼らが少々派手に動き回ろうとも不死蟹を刺激する危険性がほぼないという難敵なのだ。
それに比べ猟兵は様々な方法で物音や臭いを出すように妨害され不死蟹を刺激してしまう可能性が非常に高いというリスクしかない戦場。
小さき暗殺者達はこうして猟兵達を色々な意味で歓迎しようとしている……。
●グリモアベース
「いや~、極端なサイズの差っていうのはそれだけで武器になっちゃうんですね~」
資料を配布しながらグリモア猟兵の村雨・ベルはやれやれというように首を振る、ちょっとばかり面倒な相手だと考えたらしい。
巨大で硬く殺しようのない相手と小さすぎてどこに潜んでいるのかわかりにくいというオマケ付きだからだ。
しかもそのうえで猟兵達に不死蟹の注意を惹くように妨害工作してくるというのだからタチが悪い。
「数は多いですけど戦闘力自体は大したことないですよね~、如何に音や振動に臭いを防ぐのかというのがポイントになりそうです」
ビシっと指を立ててここ試験に出ますよ~などと資料を手で叩く。
まあこれ以上は現地判断になるかなとばかりにそこで話を切り上げると何か思い出したようにじゅるりと涎を拭いたりしている、何というかすごくダメっぽい。
「運が良ければですね『生命の書片』っていう不死蟹の子蟹の抜け殻が手に入るんですよ、重く硬く、煮ると芳醇な出汁がいつまでも出続けますのでこれはすっごく貴重!」
あー、終わったら蟹鍋でも食べたいですよねーなどとわざとらしく独り言を言っているが揃いも揃ってハイハイと相手にしていないのが哀愁を誘う。
「ひとつ金貨750枚(750万円)の価値もあるしそんな高級鍋って贅沢ですよねーきっと♪」
それを聞き早く転送してくれなどと言う者まで出るあたりけっこうみんな現金だ。
「それじゃ無事のお帰りお待ちしていまーす♪」
笑顔と共に皆にお辞儀すると一同の身体は戦場へと跳んでいくのだった。
轟天
●これは1章構成の『帝竜戦役』の戦争シナリオとなります。
無敵の硬度・重量・再生力を誇る、体高数百メートルの「不死蟹」の群れに踏み潰されるかもしれない戦場で襲い来る小さな脅威を全て退治してください。
今回の作戦では有利になるための方法が一つわかっています。
●プレイングボーナス
大きな音や振動、匂いを発さずに戦う。
これを心掛け是非戦いを有利に進めてみてください。
それではプレイングお待ちしています。
第1章 集団戦
『暗殺妖精』
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POW : スキルオーバーリミット「妖精暗殺術」
【気配を猟兵に感じさせない状態】に変形し、自身の【暗殺実行後の生存率】を代償に、自身の【「暗殺」の技能レベル】を強化する。
SPD : 暗殺技能・魔法罠即席設計
いま戦っている対象に有効な【魔法で作成したトラップ】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : 暗殺技能・虚構群衆召喚
戦闘力のない、レベル×1体の【二乗の数までの現地人・生物を模したデコイ】を召喚する。応援や助言、技能「【群衆偽装】」を使った支援をしてくれる。
👑7
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ビッグ・サン
カニですか
良いですね、殻をたくさん集めて蟹ゴーレムでも作りましょう
それを看板にして、カニ鍋店を開いたら流行りそうですね
しかし静かに作業するのは面倒ですね
いっそ周りを騒がしくして、私は普通に作業するとしましょう
(ポルターガイストを呼び出し、自分とは離れた場所で騒がしく暴れさせ、その間に蟹の殻を回収する)
あとベルちゃんが妖精のオブリビオンが出ると言ってましたが、見つけたら彼らの周りを五月蠅くしておきましょう
見つけられずに暗殺されたら、死んだふりして油断を誘って姿が見えたところを毒針で刺しましょう
殺されてもマスクが残っていたら大丈夫ですしね
代わりに彼らの体を新しい身体にしましょう
●
不死蟹の海岸では先ほどから轟音が響き大地が揺れ続けていた、誰かが巨大な不死蟹を刺激したせいで大地震級の災害が今巻き起こっているのである。
その“元凶”であるビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)はそれはそれはもう平和に蟹の抜け殻拾いに精を出していた。
(いやー、これは楽ちんです。たくさん集めて蟹ゴーレムでも作りたいですね~)
鼻歌交じりだが音はたてないように注意は怠らない、だがしかし何故これだけ平和裏に殻集めに集中できるのか?
それはもちろん……離れた場所に響く謎のラップ音のせいなのだ。
タンッタタンタンタン。
それはビッグ・サンの呼び出したポルターガイストたちの悪ふざけ、離れた場所で思い切り鳴り続けるラップ音に反応し不死蟹がズシンズシンと足踏みをしているというわけだ。
「わわわー なんでなんでー!?」
暗殺妖精たちのいた場所にもラップ音が鳴り響きプチリと何匹もが一斉に踏みつぶされた。
あまりにもあまりな大騒動、その元凶は今まさに大ピンチの真っ最中。
死んだふりがあっさり見破られ突如全身の急所から吹き出た鮮血、そうこれこそが暗殺妖精達の暗殺術……あっという間に血の海に沈んだビッグ・サン。
だがここで冒険の旅が終わるわけではなかった、倒れていた暗殺妖精の一人に倒れた死体からマスクが飛び移るとムクリと起き上がる暗殺妖精。
「まあ馴染むまではちょっと我慢ですね」
身体を乗っ取り新たなる肉体を手に入れたビッグ・サン、こうして意気揚々と生命の書片を手に入れて混乱が加速する海岸を後にしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK
(んー、静かにしてないと蟹に攻撃される。)
(で、敵は小さくて見つけにくいかあ。)
(まあ、何とかしてみようか。)
かくれんぼで妖精に勝てるとは思わないけど、できる限り目立たないように、
こっそりと忍び足で動いていこう。
敵が仕掛けたトラップを見つけたり、敵を見つけるのは【鋭敏感覚】を使おうか。
魔法はよく分からないからトラップの解除は諦めて、
できるだけ迂回したりして避けて進むよ。
敵を見つけたら、まあ大したサイズでもないし、
掴んでそのまま握りつぶしてしまえば音も出ないしいいかなあ。
生命の書片は鍋とかが美味しくなりそうだし、
見つけられたら持って帰りたいねえ。
●
(んー、静かにしてないと蟹に攻撃される、よねぇ)
もふもふにしてカチコチの四肢を音をたてないように注意しつつペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)はかくれんぼの要領でこの一触即発という名が良く似合う海岸を進んでいく。
暗殺妖精などという小さく音を立てなさそうな相手にいかに気付かれず出し抜くのか策はまだない、だがやるしかないのだ。
(で、敵は小さくて発見しにくいのだよなぁ)
掌で掴める程度のサイズでしかな相手にここまで用心しなければならないとはちょっぴり不服ではあるがこの見上げねばならない巨大な不死蟹に踏み潰されるのももちろん御免だ。
のんびりしたかったのに何でこんな場所に来ちゃったんだろうと思わないでもないが、まあ帰りに生命の書片とかいう蟹の抜け殻さえ手に入れば美味しそうだしトータルでプラスになるよねと自分を納得させる。
というかお腹へってきちゃったな~などと雑念を首をプルプル振って追い払うと改めてコホンと咳払い。
「ちょ、ちょっとばかり真面目にやらないとねぇ」
一人で言っててちょっと恥ずかしかった、誰にも見られてなければと感覚を鋭く高めていく……。
「…………。」
それでも恥ずかしかったのかペトが照れ隠しに横を向くとちょうど暗殺しに近づいていた暗殺妖精と目が合ってしまい。
パアン。
反射的に思わず手で蚊でも叩き潰すみたいに挟んでしまったわけだが……今のでちょっと音が大きすぎなかったか恐る恐る上を見上げる。
「せ、せーふ」
今ぐらいなら不死蟹は気付かなかったようだ、ドキドキしつつも握り潰してプチンという音が掌の中から聞こえてくる。
ちょっとえげつないけど音もしないし最適だよねえと自画自賛。
(あとちょっと頑張ったら、抜け殻探してから帰るんだよ)
そう思いもうちょっとだけ頑張る事にしてみた、というかそれ以上長く居ると腹の虫がきっと止まらないんだろうな~という予感がする。
いくらでも出汁がとれる殻なんて素敵すきだよと涎を拭きつつのそのそと次のポイントへとペトは歩き始めるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ジル・クリスティ
音を立てたらダメって……私のロングレンジライフル、めちゃくちゃSE鳴るんだけど
ピシュゥゥーンとかポヒュゥゥーンとかそんな感じの!
ていうか鎧装も噴射音とか出るから不味いよね
…くっ、これがこの地のフェアリーと宇宙のフェアリーの差かっ
仕方ないのでフェアリーの羽だけで飛んでいくよ
…スピードが出ない…寂しい…
でもこれなら敵と条件は互角!同じく空を飛んでいくよ!
鎧装は防御のためにそのまま着てるから、隠密性は負けるかもだけど、その分攻撃には耐えられる
そして私だって接近戦ができないわけじゃない!
ロングレンジライフルの先端からビームサーベル伸ばして(指定UC)
ライフルを両手で構えて片っ端から切り裂いてあげる!
●
(えー、音を立てたらダメだって……私のロングレンジライフル、むっちゃSE鳴るんだけど!)
そう叫びたいのに我慢している小さな妖精少女がプンプンとポーズをつけて武器を振り回す。
ジル・クリスティ(宇宙駆ける白銀の閃光・f26740)の装備はどれも子供用の玩具っぽいのが特徴で、それはもう玩具売り場でよく聞くピシュゥゥンとかポヒュゥゥゥンとかすごい音を立てるのだからこんな場所で使ったら一発アウトは必至に違いない。
というか鎧装も噴射音とか鳴るのでアウトとか宇宙からやってきたジルの装備ではどちらにしろアウトという悲しさにちょっと泣きそうだったりする。
(むぅ……しょうがないんだよ)
仕方なく鎧装の機能は諦め自前の羽根で飛ぶことにしたのだが、重力下で自力で飛ぶのはひさしぶりしかも頑張ってもスピードも大して出ないという文明の利器に頼りすぎてただのダメダメさんになってしまったのではと一瞬落ち込みそうになる。
でも考えればそれは相手も同じこと同じ土俵の上に立つだけなのだ、気合を入れ直し静かに海岸を飛び始めてみた。
しばあく誰とも会わずに飛んでいたとうのに急に背中にザクリという感触が来て驚き振り返ればそこにはいつのまにか暗殺妖精の姿が。
(さすがに隠密性は負けてる、けど……その分耐久性はこっちが上だよ!)
鎧装の上からだったのでさほど痛くはない、でも今やっつけないと見失ったらまたふりだしだ。
全力で振り返りつつロングレンジライフルを横薙ぎに振り回すが暗殺妖精もその間合いを見切り少しだけ後退した。
だが今回はそのギリギリで避けるという動作が命運を分けたのだ。
「接近戦が出来ないわけじゃないんだよ!」
小さく叫ぶと共にライフルの先端からビームの刃が飛び出し真っ二つに暗殺妖精を引き割いた。
何故と驚く妖精の奥にはまた別の暗殺妖精の姿が、こうなればもうジルは覚悟を決めるやれるところまでやってやろうと。
互いに声を出さないように注意しそれでも激しく戦う妖精たちの小さな決闘が山場へと向かおうとし始めたのだった。
成功
🔵🔵🔴
播州・クロリア
({メトロノーム・コイン}でコインロールした後、UC【蠱の腕】で{錆色の腕}から防音室を作り入室後『念動力』で部屋ごと『空中浮遊』する)
あぁ、やっと踊れる環境ができました
(安堵の表情を浮かべながら目を閉じ、すっと手を真横にピンと伸ばすと{絢爛の旋律}で『ダンス』を始める)
やっぱりダンスはいい...
踊っているだけで最高に気分が高揚します
さて、ちゃんと敵も倒さないといけませんよね
(防音室の外壁を弩に変化させた後、敵のいる方へ矢を放つ)
敵の位置はリズムと色が『第六感』で感じ取れるので
目で見えなくとも問題ありません
では、全ての敵を倒し切れるまでダンスをしながら待つとしましょうか
●
(あぁ、ここは音もなくリズムもなく……あまりにも)
不死蟹海岸で音を立てる事はすなわち窮地への片道切符、踊りをこよなく愛する播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)はそれが不満でならなかった。
だから自らのリソースを全開で使おうとまずはメトロノーム・コインに細かでデリケートな制御を任せると蠱の腕へと力の大半を注ぎ込む。
突如その腕が大きく広がり作り出したのは錆色の防音室だった。
「ふぅ、やっと喋れます……次はっと」
さらに集中し念動力でその防音室ごと宙へ浮いてしまえば出来上がったのは騒音を気にしなくてもいいダンスルーム、やはりこうでなくてはクロリアたりえない。
ピンと背筋を伸ばし手を横へと伸ばす、流れるような動作で太陽と陽光を感じさせるずっしりとそれでいて晴れやかなリズムで踊り出すと先ほどまでのイライラが嘘のように引いていった。
「おっと、敵もちゃんと倒しませんとね」
耳を澄まし心を落ち着けて敵の位置を感じ取る、自然と伝わる静かでありながら邪気を感じるそれはまさに暗殺妖精達ぼ気配に違いない。
どう近づくか話し合っているといったところだろうか、タップを踏むと同時に防音室の外郭が弩となり何発も放ち続ければ命中した周辺に起こった着弾音が次第に不死蟹の注意を惹きいつしか大騒動が眼下で巻き起こっていた。
だが防音室でダンスに勤しむクロリアにはそれは意識外の出来事……それからしばらくダンスは続けられ優雅な時間を過ごしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
露木・鬼燈
必要なのは隠密行動。
忍の得意分野だよね。
匂い消しの丸薬を呑み体臭をカット。
後は忍体術で姿を隠しながら無音で移動。
もちろん振動も抑えてね。
暗殺妖精との戦いは秘伝忍法<結>で対応。
技能を受け継ぐ小さな分身ならイケルイケル!
サイズも暗殺妖精に近いから戦いやすいよね。
まぁ、真っ向勝負する必要はないんだけどね。
妖精よりはサイズが大きいとゆーことと環境を生かして、ね。
集団で妖精に飛びついて抑えてぽいぽいと鳴くだけでおーけー。
分身ごと不死蟹が始末してくれる。
減った分身も補充すればいいからね。
後は僕が巻き込まれないように注意するだけ。
妖精に見つかっても分身に任せて逃げる。
美味しいもののためにも頑張るっぽい!
●
不死蟹海岸を音もなく気配なくそして臭いすらなく動く一つの影があった、その姿を見た者は限りなくその直後に死ぬこととなるまさに死を現している存在としてなのだが。
(匂い消しの丸薬は効果ばっちりぽーい)
露木・鬼燈(竜喰・f01316)はその独特の歩法で振動すらも抑え進んでいる。
だがこれだけでは隠密状態で動いているにすぎない、だが本当の恐ろしさはここから先にあるのだ。
鬼燈に静かに迫りくる暗殺妖精達、気付けば囲まれてしまっている。
だが音に敏感な不死蟹をまるで無視するかのように突然鬼燈が口を開いたのだ!
「ぽっぽっぽーい♪」
なんとも信じれない光景しかもその身は暗殺妖精の所へと飛び込んできた、となれば不死蟹はそれを目掛けて足を振り下ろし全てがぺしゃんこに押し潰される。
これにて鬼燈戦死……というのは早合点、かなり離れた場所でそれを見ていた人影一つ、それは今まさに押し潰されたはずの鬼燈の姿に他ならない。
(おー、ぷちって潰れてる。分身ごとぺちゃんこ大作戦、上手くいったっぽーい♪)
事前に秘伝忍法<結>で作り出した分身を囮にあえて道連れにして踏みつぶさせるという妙案は上手くいき右でも左でも不死蟹の足踏みがあちらこちらで聞こえてきていた。
(さぁ~、帰りに美味しい物見つけれると最高な終わり方っぽーい♪)
ニコニコ笑いつつ帰路につく鬼燈の手には先ほど拾った生命の書片が握られていた。
大成功
🔵🔵🔵
黒髪・名捨
これは妙なことになってますデスネ。
オレの事を知っていますデスカ?と尋ねるわけにもいきませんデス。
とりあえずあらかじめに洗濯洗浄お風呂と水洗いしてきましたのであとは音をたてないように頑張るデスネ。
怪奇ヘビ人間。蛇のようにするするこっそり移動デス。
『槍投げ』で暗殺妖精を撃墜デスヨ。
攻撃したら『闇に紛れる』ことでやり過ごすとまたこっそり移動して、別所からまた投げますデスヨ。
アドリブ他猟兵との協力OKです。
エルザ・メレディウス
*他の方との連携やアドリブ大歓迎です
■匂いの対策:海水で水浴びをして、なるべく匂いを消せるように気を付けます
*集団で行動する場合は【集団戦術】を活かして、全員の意思疎通を図り、無駄の無い動きを心がけます。
UC:影の追跡者の召喚を使って常に不死蟹の動きを監視します。
【忍び足】を使用しながら、ゆっくりと移動を心がけます。【地形の利用】も活かして、地形の起伏や岩陰を利用して、不死蟹にも暗殺妖精にも発見されないように敵へ接近致します
近づいたら、なるべく静かに攻撃を行います。【残像】なども使ってなるべくこちらに攻撃が当たらないよう適宜工夫致します
●
その地では不死蟹がいるから静かにしなければならない、そんな事を言われても困る……オレの事を知っているかと尋ねる事もできないなんて。
黒髪・名捨(記憶を探して三千里・f27254)は風呂上がりでさっぱりとした様子で洗濯できたばかりの衣服に袖を通す。
呼気でばれるのも癪なので合法阿片もしばらくはお預けとなるとちょっとばかりの今回の仕事を引き受けたのは勇み足だったのだろうか?
裂けかけの口元も包帯で覆い隠し準備が整えば現地への道は開かれた、後はそう静かに確実に敵を倒すことこそが残された課題というところか。
そしてもう一人ここの海岸で海水浴をし身を清め匂いを出来るだけ消していた者もいる。
先に影の追跡者たちに不死蟹の動きを常に観察させ問題ないうちに水浴びを行ったエルザ・メレディウス(復讐者・f19492)も隠密作戦に念の入れようが別格だった。
これだけの下準備をしてなお敵の暗殺妖精への対策も練らねばならないなど本当に手間がかかるとは思う。
だがこれらの積み重ねが全体の成功へと繋がるのが楽が出来ないときは十分に苦労しなければならない。
そんな二人はエルザの提案で共に行動し暗殺妖精を探し海岸を静かに進んでいた。
岩陰を進みそしてようやく小さな妖精達が物陰に隠れているのを見つけ二人は物陰から物陰を移動し徐々に距離を詰めていく。
このようなケースでは初手がとても大事なのだ、そこで敵の指揮系統を奪い統率がとれないままに対峙できれば相手は烏合の衆に成り果てるのだから。
(いきますよ)
(わかったデス、ではオレは左カラ)
ハンドサインで会話し二手に分かれた二人、名捨はみるみるうちにその姿が蛇のようになり音もなく暗殺妖精のすぐ背後へと迫ると音もなく短槍を投げつけた。
プチッと音がしまず一匹片付けると静かに気配を消し直す、これならば多数対無勢でもどうにかなるというものだ。
反対サイドへと回り込んだエルザもまたハスタという長槍を手に迫り最小の動きで突きを繰り出すと不意を突かれた暗殺妖精の一人を上手く始末することができた。
初動はばっちりだった、後はこれをいつまで続けれるかだ。 存在に気付かれればすぐに表立っての戦いとなる、その時勝利の女神がどちらを振り向くのか……。
それを思い知る事になるだろう、そのような事態にならないためにも二人の暗殺者顔負けの隠密作戦は静かにこの海岸で花開くのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アリス・セカンドカラー
アストラルプロジェクション。これはアストラル界に精神を放射し、え?分かりにくいから簡潔に?うん、幽体離脱の超能力よ。
肉体をグリモア猟兵に預けて現場へ。幽体なので音も匂いも振動も発しません☆
アホ毛ダウジング(第六感/宝探し)で索敵&『生命の書片』探し。
見えないことをいいことに分身(多重詠唱/集団戦術)達と早業の先制攻撃で襲いかかるわ☆情熱ダンスの奉仕でおいしく捕食して、限界突破した意識が飛び(気絶攻撃)腰が抜ける(マヒ攻撃)程の快楽属性攻撃で蹂躙してあげる♡幽体を直接弄られるのってたまらないでしょ?
ぶっちゃけ幽体だから物理無効だしでも私からは念動力で干渉できるから妖精見つけたら自重はしないわ☆
●
不死蟹海岸にある日幽霊が出るという噂が暗殺妖精達の中で噂になっていた。
曰くハイテンションの銀髪の少女が現れ目に見えない力を用い飛びまわっているのだという、まあ妖精達にしても飛んでいるわけでそこまで可笑しな存在ではないはずなのだがとにかくその怪しさは悪戯好きと言われる妖精以上らしい。
「しつれいしちゃうわね! こ・れ・はアストラルプロテクション!これはアストラル界の精神を放射し……魔力を相転移させることでアッシャー界に物理的干渉をっておーい人の話聞いてる?」
「なっ
……!?」
ヒソヒソと話し合っていた暗殺妖精の前に堂々と現れたのはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)、しかもあちらこちらにいる妖精達の前に同時に出現していたりする。
無言で突き立てられた毒針やナイフはその透き通った肉体を通り抜け全て地面に落ちてしまった。
アホ毛をピクピクさせそれらを何も気にしていないアリスは目的の金目の物を目指して鼻歌交じりに立ち去ろうとする。
「逃がさん!」
そうはさせじと立ち塞がる暗殺妖精達だったのだがビクリと震えると同時に全員が真っ赤になりながら全裸へと剥かれ始めた。
まるで見えない手にでも支えられているように身動きの取れないままに気付けば一人また一人とお漏らししながらぐったりと動かなくなっていく。
「あはは♪ せっかく見逃してあげようと思ってたのに~幽体を直接弄られるのってどんな気分?」
クスクスと笑い幽体離脱状態で妖精達を次々に性的に捕食していくアリスを前にしては暗殺妖精達はただ為す術も無く堕ちていくしか道は残されていないのだった。
成功
🔵🔵🔴
パルピ・ペルポル
妖精同士だから暗殺妖精の利点はわたしの利点となりうるわね。
でも音と振動はまだしも匂いを防ぐのはなかなか難しいのよね。
許容範囲がわかりづらいし、磯の香りに身をなじませておきましょうか。
あとは…海草でも拾っておきましょうか。
まずは念動力で雨紡ぎの風糸を自らの周囲に張り巡らせておいて、敵の行動を阻害兼盾として使用するわ。
それから糸を蟹にひっかけないよう注意して展開して。
敵に気付かれぬよう隠密行動で動いて、敵を見つけ次第を糸で絡めて火事場のなんとやらを使って切り裂くわ。
『生命の書片』はせっかくだし探して持って帰りたいところね。
なんか寿命とか延びそうな名だしねー。
●
不死蟹海岸の波打ち際から何やら海藻の塊がゆっくりと上陸してきてそしてポイっとそれらが地面に落ちる。
その中から出て来たのはすっかり磯の香りに染まったパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)で捨てたばかりの海藻を手ごろなサイズに切り分けその身に蓑代わりに被ってみる。
(見た目は悪いけどまあなかなか?)
これで対策はばっちりだ、後は仕込みが肝心……そう何事にもそこの手間暇で結果がついてくるというものだ。
「……(あっちだ)」
「……(フェアリー同士では探すのも一苦労だな)」
暗殺妖精達が侵入者を探し続けているのだが中々に発見できない、それもそのはず侵入者であるパルピもまたフェアリーなのだから。
身長差がさほど無いのでは小柄さを生かした戦法に意味は無い、ここで有利に働くのは仕込みとそして大胆な行動力。
(あぁもう、あっちもこっちも忙しいたりゃありゃしない!)
わざと暗殺妖精達の前を横切ったものだがら彼らは一斉にパルピを取り囲むように追いかけてくる、それは彼女の罠とも知らないで。
「なっ、なんだ体が」
「くっ、これは……糸?」
蜘蛛の巣にかかったかのように空中で動けなくなった妖精達、それらはパルピが周囲に張り巡らせた雨紡ぎの風糸。
その強度は折り紙付きでさらにそれを力任せに引っ張れば繋がった一本の糸は恐ろしい凶器へと変貌する。
「フェアリーナメタライカンゼヨ!」
小さく呟きその小躯からは想像もつかない怪力で風糸を引っ張った瞬間、あちらこちらで一斉に引き裂かれ真っ二つになった妖精たちが絶命し地に落ちていく。
近くにもう恐るべき暗殺者達がいないのを確認しようやくパルピはお宝さがしへとレッツゴーできるのだ。
自然と顔には笑顔まで浮かんでくる、なんだか寿命でも延びそうな雰囲気のお宝食材求めて鼻歌を我慢しながら海岸を飛びまわるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
緋翠・華乃音
音や匂いがダメなら拳銃の使用は控えた方が良さそうだな。
音は消せても硝煙の匂いはどうにも出来ない。
暗殺される側になるのは慣れてるから対処法もある。
あの小さな身体で暗殺を仕掛けるのなら、狙うのは頸動脈や大腿部など小さな傷で大きなダメージを与えられる箇所だろう。
同じ暗殺者という立場から予め狙いを予測しておく。
自分の“見切り”や“視力”を以てしても気配を捉えられないのなら、羽根の振動音や風を切る音を聞いたり“視たり”などして居場所を常に把握する。
優れた五感と直感をフルに生かして対処。
使用する武装はアーミーナイフを両手に。
暗殺しようと殺傷圏内に入った瞬間に一閃。
気配は消せても存在は消せないんだよ。
●
不死蟹海岸を音もなく進む緋翠・華乃音(終ノ蝶・f03169)は今回のミッションがなかなかに厄介なのだということを再認識せざるをえない。
(拳銃はやめておいたほうが無難、か。音はともかく硝煙の臭いはどうしようもないな)
これは仕方がない、だが暗殺者という立場で見れば一つの獲物でしか何も出来ないのでは二流もいいところ。
やりようは幾らでもあるしそして暗殺する側にとっては暗殺される側の立場というものも十二分に理解できていてこその一流なのだ。
(おそらくは急所、それも頸動脈や大腿部を狙ってくるはずだ)
そこまでわかっていれば後はいかに罠に誘い込むかが重要になってくる。
「ふぅ……」
敵を発見できずに消耗していく華乃音は不死蟹の足の影から注意深く周囲を伺いおそるおそる進み続けている、だが次第に疲労からかその動きは遅くなっていき物陰から外を伺うだけで仕舞には動かなくなってしまった。
その時、音もなく静かに背後から迫りくる小さな暗殺者、妖精たちが迫るその瞬間のことだそれは一瞬だった。
ヒュン
風切る音が通過した後には切り裂かれた暗殺妖精が何体も地面へ落ちていた。
「ま、まさか気付いて」
「羽根の音も消すとはなかなかやるが、気配は消せても存在は消せないんだよ」
囁くようにそう口にする華乃音の言葉が妖精達にとっての最後に聞いた言葉となったのだった。
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
人質が囚われている施設に潜入、敵を密かに倒しながら救出を行う依頼に参加したこともありましたが、この戦場はそれとの類似点が見られますね
この経験を活かし戦役勝利の為、この海岸を踏破しましょう
関節やUCの機構に駆動音を軽減する処置、足裏にクッション素材を装着し足音軽減、装甲を消臭し戦場に侵入(●防具改造)
気配というものは元から感知できませんが…
マルチセンサーでの熱源、動体反応による●情報収集で敵の所在や挙動は●見切っていますよ
暗殺に気づいていない振りをしつつ回避し、UCで●だまし討ち
精密操作はお手の物
捕縛、拘束した後に巻き取り剣で静かに速やかに止め
人質救助と同じ緊張感がありますね…
●
(フムン、どうやら人質救出ミッションと類似点が見られる作戦ですね)
トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)はそう考えつつも現地用の準備をし万全を喫しようとしていた。
関節部や隠し腕ギミックに特殊なグリースを注入、摩擦係数を減らし駆動音を軽減する加工を施しさらに足裏には特殊ラバー製のクッションの吸音性素材を張り付けそれらの加工が終了後に消臭ブースにて全身に消臭溶剤の散布を受けるとようやく転送されていき現地にその姿が現れた。
そこは静かに波音が聞こえる不死蟹海岸、そこで動く者といえば巨大で山のようなこの蟹達とトリテレイア。
他に動く者があるとすればそれこそが小さき暗殺者達であろうと見当がつく。
(こんな時気配というものがわかれば楽なのでしょうか)
そう思ってみても感じれないものは仕方がない、収音センサーには依然反応はないのだが動体センサーと熱源探知の双方がデータを処理し予想接敵ポイントとタイミングが表示される。
外見からは特にそうなのだが気付いているかいないかがあまりにもわかりにく、であるからこそ妖精達はそっと首元を狙い近づこうとして……突然のことに驚くことになる。
それはあまりにも早い一撃、あらぬ方向に曲がった腕が異形のように変形しそして掌が射出されたのだ。
あっという間に虜囚の身となった妖精はどうにか逃げ出したいが体格差というものはどうしようもない。
握られたまま引き寄せられトリテレイアにまさに命が握られているということだ。
「(同情はしませんよ)」
ゴキッ
鈍い音がして妖精の暗殺者はその命を散らし地面へと投げ捨てられた。
静かに着々とミッションを続行するこの機械騎士の手によりしばらくしてこの地に根差した妖精達は見事に退治されきったという。
……静かなる勝利がこの海岸を満ちた瞬間だった。
大成功
🔵🔵🔵