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経験値が欲しいか……?

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●経験値と書いてちからと読む
『経験値が欲しいか……?
 経験値が欲しいか……?

 欲しいのならば……、くれてやるッ!
 経験値が欲しいのならば……、くれてやるッ!』

 アルダワ魔法学園内地下迷宮の一画で近頃発見された碑文である。
 彫られていたのは巨大な両開き式の石製の扉。
 それは大きくて重々しくはあるものの、だが開けようと思えばあっさりと開けられるものであり、決して侵入する者を阻んだりはしなかった。
 いやむしろ軽い。
 手を触れただけであっさりと開いてしまう。
 ご丁寧に『ここに触れたら自動で開きます』という説明書きまでついている。
 要するに『どなた様でもウェルカム』である。

 ――だが来ない。

 そう、挑戦者がほとんど来なかったのだ。
 これだけプレイヤーフレンドリな入り口であるにも関わらず、この石扉を開けようとする者はごくごくごくごくごくごく少数に限られた。
 何故か。
 学園側聞き取り調査(有効回答数183)の結果を見るに、この入り口に入らない理由第一位は『何んとなく恥ずかしいから』だった。
「だって、焦って強くなろうとしてる、とか噂されたら恥ずかしいし……」
 大体そんなである。
 学校備え付けのトイレに一人で行くのが恥ずかしいとかそんなノリだこれ。
 もう、猟兵がやっちゃえばいいんじゃない?
 そういうことになった。

●挑戦者が……、欲しいです……。
「愉快痛快あるだわまほ~がくえ~ん」
 景色が常に移り変わるグリモアベースにて、着流し姿のグリモア猟兵ルナンガ・ゼス(f05002)がヘラリと笑って手を打った。
「…………」
「…………」
 集まった猟兵が、そんな彼を無言で見る。
「じゃあ打ち合わせはじめま~す」
 今のは一体、とは思いつつも尋ねない猟兵達であった。
「アルダワ魔法学園の地下迷宮のワンフロアが挑戦者を大々的にぼしゅ~しとりますのでちょっと構ってきてください」
「どう構えばいいんだ?」
「テキトーに」
「その説明がまずテキトーだって気づいてるか?」
「アッハッハッハッハッハッハ」
 ルナンガは「楽」と書かれた扇で顔を仰ぎながら笑って受け流した。
「一応ね~、くだんの石扉の向こうは何かめっちゃくちゃ宝箱天国なんだっていう情報は得られてるんだよねぇ。多分、その宝箱のうちのどれかに先に進むための何かが入ってると思うよ~。で、先に進んで、ボス倒して、攻略おねがっしゃす」
 と、軽く頭を下げる彼に、猟兵達は顔を見合わせる。
「まぁ、オブリビオンがいるとなればそれは叩かなきゃならないが……」
「ボクとしてもねぇ、急いでほしい理由はあるんだよねぇ~」
 ルナンガがのんびり言うと、またしても背後の景色が移り変わる。
 現れたのは、例のフロア入り口の石扉であった。
『経験値が欲しいか……?
 経験値が欲しいか……?

 欲しいのならば……、くれてやるッ!
 経験値が欲しいのならば……、くれてやるッ!

 だが来ない……! いくら待っても……!
 沈黙……、圧倒的沈黙……!

 何故来ない……!
 日常という平穏に漬かり切った切った豚共……!

 何故冒険しない……! 何故……!
 経験値を求めずして……、何が攻略……!

 はい、経験値、経験値あるよ経験値ー!
 今ならお安くしておくよー、新鮮ぴちぴち経験値だよー!

 経験値この先1m!

 そーだ、経験値もらいにいこう。
 そう思ったあなたにだけ秘密で経験値を得る方法教えます。
 知りたい方はこの扉をワンタッチ!

 経験値が欲しいのならば……、くれてやるッッッッ!(絶叫)
 くれてやるってばッッッッッッッ!!!!!(懇願)』
「…………」
 あまりにも挑戦者が少なくて、現在の扉はこんな感じになっていた。
「そろそろ痛ましいから、攻略してあげて欲し~な~って」
「あ、うん」
 そういうことになった。


音虫
 あーい、初めましてオブ初めまして。音虫と申します。
 第六猟兵初シナリオはオーソドックスなダンジョン探索モノとなります。

 第一章:(宝箱+宝箱×宝箱)×宝箱=宝箱、な感じで宝箱を開けましょう。
 第二章:宝箱から得られた何かによって何かの鍵が開きその先に何かがあります。
 第三章:待ちに待ったボス戦(多分ボス側が)。

 という感じの構成になっております。
 果たしてこのフロアの先に待ち受けるモノとは! そして経験値とは一体!
 プレイングお待ちしておりま~す。
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第1章 冒険 『宝箱がいっぱい!』

POW   :    片っ端から開けていく、力づくで罠を突破

SPD   :    効率よく解錠や罠の解除を行う

WIZ   :    箱の外側や周囲に手掛かりがないか探す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鏡島・嵐
経験値が欲しいかって……?
いや、正直いらねぇ。いくら戦っても怖ぇモンは怖ぇし、慣れねぇし。
んじゃなんでここに来たんだって? 戦いは怖ぇけど冒険は嫌いじゃねぇし(あっけらかん)

判定:【SPD】
宝箱天国つっても、いちいち調べねぇと先に進めねぇんだろ? 罠とかあったりすんだろ? どこがプレイヤーフレンドリーなんだよ……。
とは言え調べねぇことには始まらねぇし、〈第六感〉〈鍵開け〉を駆使して、目を惹いた宝箱を優先的に開けていくぞ。
もし〈鍵開け〉でどうにもならない宝箱があったら〈衝撃波〉をぶち当てて開かないか試してみるか。
中からお化けとか変なモンが出てきたら、クゥに相手させる。



 経験値が欲しいかと問われ、鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は呟いた。
「いや、別にいらねぇ~。いくらあっても怖ェモンは怖ェし」
 この男、実に素直。
 そう、経験値がいっぱいあったところで戦えば痛いし怖いのだ。
「でも冒険は嫌いじゃねぇし、来ちゃったぜ!」
 この男、実に素直!
 目の前に冒険があったらそれに飛びつく、まさに男の子であろう。
 が、そう思って乗り込んだ石扉の向こうに待っていたのは、宝箱の山だった。
「……うっわ」
 思わず、平たい悲鳴が口から突いて出た。
 もちろん話に聞いてはいたものの、ビジュアルが伴うとやはり迫力が違う。
 ずらっと床に整列しているそれをこれから一つ一つ開けていくのだ。
「冒険……? ……ああ、冒険だな!」
 湧きかけた疑問を勢いで押しつぶし、嵐は早速手近な場所にある宝箱に挑む。
「む……」
 当然の話ではあるが、宝箱には鍵がかかっていた。
 ならば、と、嵐は用意してきた開錠用ツールの先端を鍵穴に突っ込んだ。
 少しばかりいじくり回せば、手ごたえはすぐに変わった。
 罠は、どうやらないようだ。
「楽勝!」
 ニッと笑って、彼は宝箱の蓋を開ける。
『おめでとうございます! ハズレです!』
 そう書かれた紙きれが入っていた。
「…………」
 嵐は笑顔のまま、空の宝箱を蹴っ飛ばした。次だ、次!
 イラだちを何とか抑えて、罠に引っかからないように慎重に、一つずつ、

『おめでとうございます! 空っぽです!』
『おめでとうございます! 空虚です!』
『おめでとうございます! スカです!』
『おめでとうございます! ババです!』
『おめでとうございます! 空振りです!』
『おめでとうございます! 不正解です!』
『おめでとうございます――』

「ボキャブラリー豊かに煽ってくんじゃねェェェェェ!」
 十七個目の宝箱を開いた辺りで、ブチギレた嵐が衝撃波で宝箱を盛大に吹き飛ばしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐之上・権左衛門
【SPD】んー・・・別に焦って強くなりたいってわけでもないのだが、未知なる所があれば行ってみたくなる貧乏気質。
一応「鍵開け」もあるし、折角だからちまちま解錠していきましょうかね。
あ、あと「第六感」でなんかしら閃いたらいいな~とか思ってたり。危険感知とか値打ちものとか?

ま、なるようにしかならんけどねっ。



 佐之上・権左衛門(主食はアンパンと牛乳・f00239)は早くも後悔しかけていた。
「これはひどい」
 そこにあるのは目に見えるクソゲーだった。
 外見のみで語ればそれは宝の山だが、しかし、まさにそれが見掛け倒しなのは、権左衛門も理解している。
 当たりなんて引けるワケないよなぁ、と、思いながらもここまで来たのは、そこに自分の知らない風景があるからだ。
「よ、っこいせっと」
 ツールを使って鍵を開け、箱の蓋を開く。
『残念! こここそまさにハズレの極み!』
 中に入っていた紙切れを見て、権左衛門は小さく笑った。
「ああ、知ってた知ってた」
 元より、焦って強くなろうとも思っていない。
 自分がこの部屋に挑むのは、もしかしたら何か得があるんじゃないかという、そんな淡い期待からだ。
 そもそも、ガッつくのは趣味じゃなかった。
「お?」
 それなりに緊張しながら宝箱を開け続けていた権左衛門が、ふと気づく。
 自分の足元に、石が転がっていた。
 半ば透き通った奇麗な石だ。箱に入っていたのか、それとも元からあったのか。
「……ふむ」
 権左衛門はそれを拾い上げた。
 見る限り、ただの石である。実際、それは特に価値もない鉱物だ。
 しかし権左衛門は、その石を自分のコートのポケットにしまい込んだ。
 こうした、ほんの小さな発見も冒険を彩る楽しみの一つ。
 権左衛門は、それを知る男であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ
ケイケンチ?…経験値って一体…?
そんなにあげたがるのならもらってもいいんだけど…

POW 片っ端から開けていく、力づくで罠を突破
「すごい、宝箱だらけ…宝箱屋にでも来た気分だ…」
とりあえず地道に宝箱を一個ずつ開けてゆき
先に進むための何かを探す
[見切り]、[呪詛耐性]、[火炎耐性]、[オーラ防御]を使用して
罠に気をつけながら黙々と開けるつもり

罠を無事避けれたら
「あ、危なかったぁ…」
そう言って尻餅をつくかもしれない

何か怪しいものを見つけたら
「何だろう…これ?」
とつぶやきながらマジマジと見つめる

アドリブ等、絡みOKです


星羅・羽織
アドリブ大歓迎!
他の人との絡みも大歓迎です!
好きに動かしていただいて構いません!

経験値、耽美な、響き。
なんの事かは、わからないけど、経験値無限に、ほしい。

私は、優秀な、魔術師。
だから、こういうのは大得意、任せて(どやん)
まず、宝箱本体と壁を、調べる。
模様とかに、ヒントを、隠してるパターンも、ある。

(ヒントを見つけられたら)
「わかった。これ。完璧」

(ヒントを見つけられなかったら)
「ヒントは、やっぱり、中にある」(おもむろに手近の宝箱を開ける)
「……」(からっぽな中を見る)
「こっちかも」(別のを開ける)
「なるほど」(少し遠くのを開ける)
「こう来る」(開ける)
「その発想は、なかった」(開ける)



「「――経験値って」」
 ほぼ同時にこの宝箱地獄にやって来た星羅・羽織(星空に願いを・f00376)と仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)がこれまた同時に声を揃え、
「何ていうか耽美な響き」
 と、羽織。
「何ていうか何のことだろう」
 と、アンナ。
 羽織も経験値とは何なのか知っているわけではない。
 だが欲しかった。とにかく、もらえるだけ欲しかった。
 一方で、アンナは欲しいとか以前の話だ。何だそれ。何なのそれ。である。
「そんなにあげたいの? もらってあげようか?」
 宝箱に問いかけるが、返答などあるはずもなく。
「じゃあ、もらってしまおう……」
 アンナが近くに転がっている宝箱を無理やり開けようとする。
「そんな、大して調べもせずにー!?」
 羽織がアンナの行動に驚き、大きく後ずさった。
 モワァン、と、アンナが空けた宝箱から真っ黒いガスが噴き出る。
 それは高濃度の呪詛だ。
 常人がまともに浴びれば、骨まで腐らせるようなものだが、
「けほっ。少し、驚いた……」
「そんな、リアクションが、小さい!?」
 しかもアンナの方は無傷ときたものだ。
 無論、呪詛が大したものではなかった、というワケではない。
 アンナが呪詛に対する耐性を備えていたのだ。
「次、行こうかな……」
 そして彼女はハズレだった宝箱をその辺に投げ捨てて次の箱を開けようとする。
 見ていた羽織はもう少しだけアンナから離れて、自分は別の方法で当たりの宝箱を探すことにした。
「急に、箱から、行かないように……」
 ここに潜む災魔が攻略してもらうことを願っているのならば、それをするためのヒントが必ずどこかにあるはずだ。
 そう考えた羽織は、宝箱以外の壁や床に注目した。
 特に紋様が刻み込まれている壁が妖しい。
 いかにもヒントが隠されていそうではないか。
「……ん~っと?」
 壁に顔を近づけて、羽織はジロジロと紋様を凝視する。
 後からドカンと何やら爆発音が聞こえてきたが、直後にアンナの「びっくりした……」という声が聞こえてきたので、振り向かないことにした。
「――ん?」
 それから少しして、羽織は違和感を感じた。
 文様の一部が明らかに形が違っている。これは一体――
「あっ」
 少し調べてから紋様の意味に気づき、彼女は小さく声をあげた。
 矢印だ。紋様の中に矢印が隠されている!
「わかった。これ。完璧」
 羽織はうなずいて、矢印を目で追っていった。
 矢印は壁から下を向いていて、そのまま床まで続いている。
 これは当たりの宝箱を示しているに違いない。
 確信をもって、羽織は矢印の先を目指した。
 すると、進んでいるうちに体が何かにぶつかってしまった。
 視線を矢印から外して前を見れば、そこには人の背中があった。
 今まさに宝箱を開けようとしているアンナだった。
「あ、待っ……」
「とりゃ」
 バキンと鍵がブチ壊れる音がして、直後に、大・爆・発!
「「わー!」」
 吹き上げた粉で真っ白になった二人の足元に、紙切れがヒラヒラと落ちてくる。
 そこにはこう書いてあった。
『びっくりした? ねぇ、びっくりした?』
「…………」
 羽織はそれを拾い上げて、無言のままに破り捨てた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

テリブル・カトラリー
うむ、力が欲しい。というのは確かだ。
しかしこの文面はなんとも怪しい…というか経験値はもらうものか?…
が、力が欲しいのは確かだ。うむ……うむ…深く考えるのは後にしとく。
別に不憫に思った訳じゃないが、ないが、うむ。
…よし、経験値だ。経験値をよこせ。
罠だろうとなんだろうと、それも経験値にしてやる。

扉を開けると同時にブーストダッシュ。
片っぱしから宝箱を開ける。
鍵のかかったものは怪力でこじ開けたり殴り壊したり撃ち壊したり。
罠は見切りとスクラップフィストによる武器受け併用で乗り切る。か、
ブーストとジャンプで即座にその場を離れて逃げる。

そういえばこの先1mという表記もあったか?
大体その辺りを中心に探そう。



「経験値とは、誰かにもらうものなのか?」
 テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)がいきなり確信を突いた。
 石扉の文章を刻んだ者がいれば、絶句したであろう。
 しかしこの場にはいないので、それは真理でもテリブルの独り言でしかなかった。
「まぁ、力が欲しいのは確かだが。……いや、深くは問うまい。経験値を寄越せ」
 呟き、うなずき、そしてテリブルは走った。
 まずは、入り口に最も近い場所にある宝箱。それを蹴り上げる。
「フッ!」
 軽く力を入れれば、錠前はバキンと鳴って壊れ、蓋が空く。
 するとテリブルの瞳が捉えたのは、矢。
 解除されないままだった罠が、その瞬間、テリブルに牙を剥いた。
「……間に合うな」
 だがウォーマシンとしての計算が、先んじて結論を導いていた。
 矢の射線上にあるのはテリブルの上体。
 それをかすかに引いて、腕を前にかざす。
 矢は腕に当たり、その丸みによって軌道をそらされどこかへと飛んでいった。
「今のは、経験値をもらったことになるのか?」
 空になった宝箱を念のために踏み潰し、彼女が首をかしげる。
 実感はなかった、なので、さらに箱を開けることにした。
 要領は先ほどと同じだ。
 力業で鍵を開け、中に罠があったら頑張ってかわす。実に効率的だ。
 無論、それはテリブルだからこその芸当ではあろうが。
「なかなか当たりが出ないな」
 七つ目の宝箱にしたから抉り込むようなアッパーカットをお見舞いしつつ、テリブルはボヤいた。
 箱は多少なりとも減ってはいるが、それでもまだまだ数が多い。
「どこかで当たりを引けばいいのだが」
 八つ目の宝箱に狙いを定め、彼女は鍵を力任せに開けようとする。
 その耳に、小さな音が届いた。
 Pi……、Pi……、Pi……。
「不味いな」
 その音の正体を察し、テリブルは八つ目の箱を思い切り蹴り上げた。
 空中へと投げ出された宝箱が、直後、大きな爆発を起こす。
「――まぁ、当たりと言えなくもない、か?」
 服に積もったほこりを払って、テリブルは静かにそう呟くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユキノ・サーメッティア
なんだか、切なさを感じる入り口だけど、
黒い歴史になりそうな人は入っていくものじゃ?
あ、逆にはいらないのか…

宝箱がいっぱいですかー
入り口の切望ぶりからして
「メンドクサイから帰るか」とか言えば
宝箱が自己主張しないかな?
え?しない?

なら調べましょうかね
まずは扉とその周りを調べてなにかヒントないか探してみよー
なにか気になる物があったらそれを【学習力】で覚えておいて

宝箱はトラップもあるかもしれないから迂闊には
開けずに調べよう
先に覚えていた物と照らし合わせて
開ける箱を絞ってみよう
ああ、宝箱に鍵がかかってるなら【鍵開け】を試してみるね
トラップも付いてそうなら【鍵開け】で解除できるか
やってみましょー



「入り口が切ない学園迷宮……、そんなのもあるんだぁ~……」
 石扉を超えて、ユキノ・サーメッティア(空白・f00911)はしみじみ零す。
 確かに随分と切羽詰まった文章ではあった。
 しかし、あんな文章にホイホイ釣られる人間って、どうなんだろう?
「黒歴史? あれ、それじゃあ入らないか?
 ブツブツ言いつつ、少し歩いてズラッと並ぶ宝箱の前へ。
「……いっぱいだぁ」
 すでにかなりの数が開かれているが、それでもまだ閉ざされたままの宝箱は多い。
 この中に本当に当たりはあるのだろうか。
「ん~……、メンドくさくなってきたから、帰ろうかな……」
 ユキノは言って、宝箱に背を向けようとした。
 すると後ろから音がした。
 ガチャ。
 ガチャ。
 ガチャ。
 ガチャ。
 ガチャ。
 五つくらい。
「…………」
 ユキノが振り向くと、近くにある宝箱の鍵が外れていた。五つくらい。
「そこまでしてくれるなら、調べましょうかね」
 彼女はため息をつくと向き直ってまず一つ目の宝箱を開けた。
『開けたな?』
 箱の底にそう書かれていた。
 二つ目を開けてみた。
『開けてしまったな?』
 箱の底にそう書かれていた。
 三つ目を開けてみた。
『三つも開けてしまったな?』
 箱の底にそう書かれていた。
 四つ目を開けてみた。
『しかも四つ目も開けてしまったな?』
 箱の底にそう書かれていた。
 ユキノはそこでしばしの間を置き、五つ目は空けずに他の宝箱に手をかけた。
「よーし、頑張って宝さがししましょうかー」
 棒読みで言って、彼女は鍵開けを試みる。
 五つの宝箱のことは、すでにその記憶から完全に抹消されていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

斎藤・斎
いや……だって怪しいじゃないですか……。
うまい話には裏があったりするもんですし、
警戒する側の心理も理解して頂かないと。
それはそれとして、心得のない人間が宝箱を変える時は
鍵穴いじって開けるなんて命知らずもいい所です。
鍵穴から矢や毒液が飛び出したり、蓋を開けたら
毒ガスや刃物が飛び出してきたりなんてザラですからね。
できれば遠距離からひっくり返して罠のないことを確認し、
その上で宝箱の底を壊して蓋を開けずに中身を頂くのが
技術のない冒険者の作法というものです。
幸い、一見超能力っぽいUCがありますから、その練習も兼ね
宝箱を思い通りに操れるか試してみるとしましょう。
あ、宝箱事態に価値があるなら壊すのやめます。



「怪しい……」
 石扉を超えて、斎藤・斎(人間賛歌・f10919)はまずそう言った。
 彼女は周囲に目配せをして、そこに転がっている唸るほどの数の宝箱に軽く眩暈すら覚えた。
「怪しさしかないじゃないですかぁ~……」
 半分、泣き言みたいに言いながら、ブツブツとさらに斎は続ける。
「だってこんな美味い話、絶対裏がありますよ……。普通に考えたら」
 確かにその通りかもしれない。
 しかし迷宮のフロアとして表れている以上、攻略は必要なのだ。
 つまり、どれだけ怪しかろうと、宝箱開けなきゃ!
「うう……、鍵穴いじって開けるなんて命知らずです……」
 鍵のかかった宝箱を前に、斎は頭を抱えた。
 この宝箱に罠が仕掛けてあったらどうしよう。そんな不安が彼女を縛る。
 そう、例えば矢が飛んできたら、毒液が飛んできたら。
 刃物が飛び出すなんて罠だって当たり前のようにあるだろう。
 それどころか、部屋と連動して天井が落ちてくるかも。
 いや、もしかしたら底なしの落とし穴に落ちてしまうかも。
 ワープの罠で次元の狭間に送られたらどうしよう。
 呪いの罠で何を食べても辛いとしか感じられなくなったら最悪だ。
 ああ、なんて恐ろしい!
 抱えた不安はやがて恐怖に変わり、斎は顔を青くして宝箱を裏返した。
 罠が怖いのならば、自分にできることはたった一つ。
 彼女はその場から一歩下がると、目に見えないワイヤーで宝箱を縛った。
「せーの」
 バキャッ!
 ワイヤーの圧力に耐えきれず、宝箱が破砕する。
 中には何も入っていなかった。
「ううう、次行きます……」
 そう、罠が怖いならば、罠ごと箱を壊せばいいじゃない。
 その考えのもと、斎は多くの宝箱を破砕・粉砕・大撃砕せしめたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

久東・柚葉
こんなにウェルカムな扉を目にしたら、みんな恥ずかしがって入らない筈だ。こんな変で面白い扉初めて見たよ(扉をまじまじ見る)
私達がちゃんと攻略してあげるから、ちょっと待っててね(ぐっ)

まずは張り切って宝箱を開けよう〜!扉の主も待ちかねているみたいだし!(ふんす)
まず効率よく素早く解錠しよう。
アイテムが入っていれば音が違うはず。ナイフを構えながら宝箱をコンコンと叩いて音が低い宝箱があれば素早くナイフを使って開けていくよ!あと罠があるかもだし足元も一応警戒しておこう。
あ、そうそう、スピードアップのためにも上着脱いどかなきゃ!(途中で気づいて脱ぎ始める。ちなみに中はビキニ)



 石扉を前にして、久東・柚葉(うさぎさん人形遣い・f09545)は、
「変な扉~」
 実に、率直だった。
「こんな変な扉初めて見たよ~」
 石扉をペシペシ叩き、彼女は笑ってその中へと入っていった。
「わぁ……」
 するとやはり、宝箱の山が彼女を出迎える。
「変な部屋~」
 ここでも、柚葉は素直で率直だった。
「よーし、はりきってやってみよー!」
 フンスと大きく鼻から息を吐き、柚葉は早速宝箱を開けようとした。
 彼女は愛用のナイフを構え、宝箱の側面を叩いた。
「ん~、空っぽい。次!」
 そして次の宝箱に移って、また側面をナイフで叩いて音を聞いた。
 今度は音が若干鈍い。何か入っていそうだ。
「よぉ~し、必殺……!」
 数歩下がって間合いを空けて、柚葉は上着をスルリと脱いだ。
 ビキニ姿の彼女が放つ、疾走疾閃、最速の一撃。
「シーブズ・ギャンビット!」
 ユーべルコードの一撃が、宝箱を空中へと跳ね上げて破壊した。
 散った破片が降る中で、柚葉は中身と思われるそれを手を伸ばしてキャッチする。
「……何これ?」
 それは、ボタンに見えた。
 手のひらに収まる程度の大きさの白くて四角い台。
 その上に、真っ赤なボタンがある。
『このボタン、押すべからず』
 と、台の部分に彫り込まれていた。
「ポチッと」
 だが柚葉は躊躇なくボタンを押した。
「こういうのは押してナンボだよね!」
 世界の真理である。
 ボタンを押して数秒、部屋が揺れ始めた。
「わ、わ、わ、わ……?」
 柚葉が視線を右往左往させているうちに揺れは収まっていった。
 何が起きたのかと思い、彼女が辺りを確かめてみれば、
「あれ、宝箱が……」
 変化は部屋にではなく、宝箱に起きていた。
 ズラッと並ぶ宝箱のおよそ半分ほどが、白い光に包まれていたのだ。
 どうやら光っている方に、大当たりが含まれているらしい。
「当たりは引けなかったけど、これはこれで満足かな!」
 大きなヒントを引き当てた柚葉は、胸を張ってそう言った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドロシー・ガーネット
「…………………まぁオブリビオンは急いで排除しないといけないからな、うん。とりあえず丁寧にかつ迅速に攻略するか」

【WIZ】使用
宝箱を開ける前に【世界知識】【視力】で周りを散策しながら何か怪しいものが無いかをチェック。箱に罠が無くても周りに罠が張られているかもしれない

箱の周りに何もなければ宝箱を確認、もしも何かしらの力で閉じられているならば【封印を解く】でこじ開ける。なんか敵っぽかったりしたら遠くから【属性攻撃】を撃って様子を見る
問題なさそうなら箱をオープン。ちょっとワクワクしながら開けよう

「さて…オブリビオンが用意したものとはいえ、こういう時間は楽しいものだな!何が入っているのやら」



 石扉を前にして、ドロシー・ガーネット(人の魔女・f06109)は目を細めた。
 その瞳は、ここではないどこか遠くを見つめている。
「まぁ、オブリビオンは排除しないといけないからな、うん」
 長い長い沈黙の末に、彼女はうなずき、扉をくぐる。
 その先には敷き詰められた宝箱。
 だが、その何割かが白い光に包まれている。
 光っている宝箱の中に当たりがある、ということのようだ。
「……そこそこ雰囲気はあるな」
 何だかなぁと思いつつ来てみたドロシーだが、実際に宝箱を目の前にすると自分の中にある探求心が大きくなるのを感じた。
 しかし、それでもここはオブリビオンの庭である。警戒はするべきだ。
 光る宝箱を一つ一つ観察し、罠がないかを確かめていく。
 外から見る限り罠はなく、どの宝箱も手で触れても大丈夫そうだ。
 確認後に、ドロシーは選んだ一つの前に立って、蓋を触った。
 硬い質感。そこまで重々しさはないが、造りは結構しっかりしている。
 鍵はかかっているようだが、ドロシーの持つ技術ならばそれを開くこともさしたる苦でもなく、カチリと音がして錠は外れた。
「よし、オープンだ」
 心臓の高鳴りを自覚しながら、彼女は宝箱の蓋に手をかけた。
 ギィと小さく軋む音がして蓋が開き、中身がドロシーの視界に晒される。
「…………」
 それを凝視して、直後、ドロシーは息を吐いた。
「空箱、か」
 中身は空っぽ。特にメッセージなどもない、完全なハズレだった。
 まぁ、罠がなかっただけラッキーということだろうが、さて、
「次はどれにしようかな」
 ドロシーは早くも次の宝箱の物色を始めていた。
 実のところ、彼女はこの探索を割と楽しんでいたのだ。
「オブリビオンが用意したものとはいえ、こういう時間は楽しいものだな! 次は何が入っているのやら!」
 浮かぶ笑みを抑えきれずに、ドロシーは二つ目の宝箱に手を伸ばすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ディー・ジェイ
「恥ずかしさで強さなんか手に入るかよぉ!おらぁ経験値寄越しなぁ!!」(力強いPOWの叫び

どうもDJです。
私は今、がっぽり経験値が頂けると噂の迷宮にやって来ております。
ご覧ください、あのイェーガー諸君のぎらついた顔を!今にも経験値を寄越せと言わんばかりによだれを垂らしております!
かくいう私も経験値欲しさにニヤケが止まりません。さっそく迷宮に入ってみましょう。

ユーベルコード起動。
扉?はは、俺には何も見えないな。
奥に行けりゃ道なんでどこだっていいのさ。
さぁガンガンいこう、難しい動きなんて考える必要はない。経験値が俺を待っている!



「どうも、ディー・ジェイです。私は今、がっぽり経験値がいただけるという噂の迷宮にやって来ております!」
 一体誰に向かって解説しているのか、ディー・ジェイ(Mr.Silence・f01341)は高らかに声を張り上げて石扉の前に立った。
 高くそびえる扉に触れて、早速中へと入った彼はそこにある光景を目にして浮かべていた笑みを深めた。
「ご覧ください、あの開け放たれた数々の宝箱を! 経験値を寄越せとばかりに暴れまくったイェーガー達の探索が目に浮かぶようです!」
 割と言いたい放題言っているが、しかし間違ってはいない。
 確かにここまで随分と、多くのイェーガーが暴れ回っていたワケで。
「かくいう私も経験値を前にニヤケが止まりません!」
 そしてディーも他のイェーガー同様、迷宮へと踏み込んでいく。
「オラァ、経験値寄越しなァ!」
 訂正。
 踏み込むのではなく、突っ込んでいった。
「行くぜ、ユーベルコード起動!」
 そして勢いのまま、何か全身に展開される銃とか火器とか武装がいっぱい。
「宝箱? HAHAHAHA! 俺には何も見えないな!」
 そして全速力で部屋の真ん中まで駆け込んで、かーらーの!
「作戦名! 『GUNGUN行こうぜ』ッ!」
 そしてディーはその顔に獰猛な笑みを向けて、全武装を一斉発射した。
 銃声。
 銃声。
 発射音。
 爆発音。
 爆発音。
 ディーのトチ狂った笑い声。
 いやー、爆発って素晴らしいですね。
 それはまさに迷宮に対する冒涜的行為であった。
 立ちのぼった煙が晴れてみれば、そこには、粉々に砕け散った宝箱の残骸。
 罠に気を付けて鍵を開けるという道筋を、彼は爆発で消し飛ばしたのだ。
「経験値は、どこだァ――ッ!」
 巻き起こる爆発を背に、ディーは力の限り叫ぶのだった。
「以上! 現場よりディー・ジェイがお送りしました!」

成功 🔵​🔵​🔴​

胡・翠蘭
「……なんていうか、可哀想」
文章を読んで頭痛を感じることってあるのね
……そもそもこんな文句書かれた扉自体、初めて見たのだけど

【SPD】
そうねぇ、鍵開けには心得あるし、罠の対策・警戒をしながらさっさと宝箱を開けていきましょう
開ける前に、少し外から観察して、軽く触ったりして…
中に何か禍々しそうなものがあったら……注意して解錠、かしら

何か危ない感じなら、ガジェットショータイムで対応しましょう
破壊が安全よね

数が膨大で面倒になったら、宇宙バイクで強制解錠(破壊)で一気に開けられないかしら?
数にもよるけど、効率的じゃないかしら……なんて。
結構私、物ぐさな性格だから…あまり多いと飽きちゃいそうなんだもの



「可哀想」
 開口一番、扉に対する感想は辛辣の一語に尽きた。
 いや、だが仕方がない。オブリビオン撃滅のために来てみれば、あの石扉だ。
 様々な角度で、あれはまさに『可哀想』なのだ。
「……部8ん相を呼んで頭痛を感じることもあるのね」
 ハァ、と、胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)は呆れ混じりのため息を一つ。
 それ以上は何も言うことなく、翠蘭は扉を開けた。
 その向こうに現れる、だいぶ宝箱の減った広い空間。
 白く光っている宝箱の中に当たりがあるようだが――
「ちょっと、めんどくさいわね」
 翠蘭はそう感じた。
 部屋はかなりだだっ広く、宝箱と宝箱の間に相当な距離があったりするのだ。
 どこに罠があるとも限らない。
 翠蘭は一歩一歩、周囲に警戒しながら一番近くにある宝箱に接近する。
 淡く光る宝箱。見る限りは、罠などはなさそうだ。
「上手く行けばいいわね」
 他人事のように呟きながら、彼女はツールを用いて鍵開けに挑む。
 時間にすれば十秒ほど、小さな金属音が響き、最後にカシャンと手応え。
 鍵は無事に開いたようだ。
「フフ、こういう瞬間は、期待が膨らむわ」
 その唇に小さく笑みを作って、翠蘭は宝箱を開けた。
『本日の業務は終了しました』
 箱の底にそう書かれていた。
「…………」
 翠嵐は箱を閉じ、次の箱へと歩いていく。
 鍵を開けてみると、
『土日祝日平日は営業しておりません』
 と、箱の底に書かれていた。
 三つ目の宝箱も同じように鍵を開けてみる。
『当たりたくないでござる! 絶対に当たりたくないでござる!』
 箱の底にはそう書かれていた。
「…………ふぅ」
 翠蘭は蓋を閉じて、小さく息をついた。
「本当、可哀想」
 ここに潜むオブリビオンへ向けたその感想は、やっぱり辛辣だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
経験値?そりゃ欲しいに決まってる。
スキルツリーを進めるためのスキルポイントを得るためにはレベリングが必要だからな!
理想のキャラビルドのためには経験値が必要だから寄越せ。…というゲームの話はさておいて。

宝箱多すぎるだろ?これ実はその大半がミミックだとかそういうオチは―――あったとしてもいい経験値になりそうだなミミック!
じゃあ、片っ端から調べていくか。箱は開けず、トラップやミミックのチェックに専念って奴だ。
トラップつきだったら某地雷除去ゲーみたいにフラッグでも立てておくか。
ミミックなら…シャークペイントの落書きでもしてやるか…



 ――経験値。
 経験値は重要だ。
 何せレベリングに必要だ。
 レベルを上げて、スキルポイントを得てスキルツリーを埋めていく。
 その大いなる目的のため、経験値はとにかく必要なのだ。
 だから経験値を寄越せ。
 理想のキャラメイクのため、理想のキャラレベリングのために。
 経験値を。
 経験値を!
「……と、ゲームの話はさておき」
 ブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)は迷宮にやって来た。
 経験値ときいて、ついついゲーム好きの血が騒いだが、現実はゲームのように何もかも計算通り進められるわけではない。
 こうして迷宮に来たブリッツが、すでにそれを実感していた。
「かなり少ないな」
 聞いた話だと、かなりの数の宝箱があるはずだが、開いてない宝箱の数が思っていたよりも少なかった。
 これまでのイェーガーの頑張りによるものだろうが、しかしこの状況、ブリッツはふと疑問を覚えた。
「当たりなんて本当にあるのか?」
 これだけ開けられてなお先に進めていない。つまりは当たりが出ていないのだ。
「調べるか」
 宝箱に当たりがあるのかどうか。
 と、同時に、まだ起動していない罠があるのかどうか。
 それらを調べるために、ブリッツは動き出した。
 彼が想定している最悪は、宝箱に擬態しているミミックの存在である。
 ミミックは害悪だ。
 ダンジョン探索の楽しみともいえる宝箱に擬態してこちらを襲ってくる上、大体のゲームに於いてかなり強く設定されている。
 今まで何度ミミックに殺されてきたことか。
 思い返すたびにブリッツの体は怒りの熱を帯びてしまう。
 だが、悪いことばかりではない。
 大抵の場合、ミミックはその強さに応じた経験値をくれるし、ドロップアイテムもかなり美味しい。
 そう、害悪ではあるが同時にボーナスでもある、それがミミックなのだ。
「……と、ゲームの話はさておき!」
 ブリッツは我に返って調査を再開する。
 結果、この部屋にはもう罠のたぐいはないことが判明したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メリー・ユメノコウジ
「わ、宝箱っ!なんかこういうのって無性に開けちゃいたくなりますめぇ。」
わくわくとしつつも悪いことが起きたらと想定し【覚悟】
注意深く【聞き耳】で変な物音など聞こえないのか確認。
開けていくにも【第六感】【野生の勘】で可能な限り悪いものを引かないようにもう神に【祈り】神頼みしつつ良いものを引き当てたい。
なにか変なものでも引き当てたらがっかりしながら閉めてみなかったことにする。
他者と協力し、連携重視。
いいものを引き当てられたのなら皆に報告。

協力・アドリブ歓迎



 実のところ、内心はワクワクしていた。
 石扉に書いてある文章は変だったけど、冒険はやはり心が躍る。
 そう思って、メリー・ユメノコウジ(夢渡る羊・f00748)は期待と共に部屋に入った。
 しかし、待っていたのはすでに開けられた宝箱の山であった。
「めぇ……、来るのが遅すぎましたか……?」
 だが部屋の中にはまだ幾つか、光を帯びた宝箱があった。
 開いていない宝箱だ。
「……一応、注意していきましょう。めぇ」
 メリーがソロリソロリと足音を立てないようにして歩きつつ、宝箱を探し始める。
 その途中、何となくだが、メリーは後ろを向いた。
 そこには二つ並ぶ、光を帯びた宝箱。
「何でしょう、気になります」
 メリーの中の第六感が、その二つの宝箱を捉えた。
 理由は定かではないがやけに気になる。だが、どちらから開けるべきか。
「む~……」
 半ば以上神頼みで、メリーは右側の宝箱を開けてみた。
 すると――

 パァン! パパァン!

 宝箱の中から昇った光が、空中で花火のように大きく弾ける。
 そして部屋全体が大きく鳴動を始めた。
「わ、わ、えぇ?」
 いきなりの事態に、メリーは目を丸くした。
 だが驚きの中で、何となくだが彼女は察していた。
 自分は当たりを引いたのだ。
 部屋の揺れが大きくなっていく。直後に、壁が開き始めた。
 石扉の向かい側にある石壁が、重苦しい音と共に左右に開いていった。
 その向こう側に、フロアボスへと続く道があるのだろう。
「すごいです……」
 予想以上に大掛かりなギミックに、メリーはそんな感想を漏らした。
 と、メリーの耳に何かが聞こえてくる。
 音は、今開きつつある壁の向こうからのものだった。
「何でしょう……? 何かが羽ばたくような音……」
 鳥の羽ばたきか。いや、ここはダンジョンなのだから、コウモリか。
 疑問に思いながらメリーが壁を見ていると、やがてその音の正体が判明した。
『読ンデ! 読ンデ!』
『読ンデ! ワタシタチヲ読ンデ!』
 壁の向こうから羽ばたいてきたそれは――
「……本?」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『書物の魔物』

POW   :    魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ   :    ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 第二の扉は開かれた。
 宝箱の山に潜む、次の道へと至る鍵。
 イェーガーによってそれは発見され、奥へと続く道ができた。
 巨大な壁は左右に割れて、そこに新たな空間が姿を現す。
 だがそこにあるのは宝の山ではなく――本棚の森。
 高く積み上げられた本棚が、そこかしこに無秩序に並んでいる。
 そして、本棚の森に生息するモノこそが次なる敵だ。
『読ンデ!』
 それは本だった。
『読ンデ読ンデ!』
 それは羽ばたいていた。
『読ンデチョウダイ! ワタシタチヲ読ンデ!』
 それは群れをなしていた。
 本棚の森に巣食う、生きた魔導書。
 誰にも読まれることなくこの空間に閉じ込められていた、空飛ぶ本達。
『通サナイワ! 通サナイワ!』
『読ンデクレルマデ通サナイワ!』
『読ンデ! ダカラ読ンデ!』
 本としての存在意義か、空飛ぶ本達はイェーガーに突っ込んでくる。
 見て欲しい。
 呼んで欲しい。
 本が本であるがゆえに抱えるレゾンデートル。
 それを真っ向から訴えながら、空飛ぶ魔導書はイェーガーの行く手を阻んだ。
 先に進みたければ、この魔導書達をどうにかするしかないだろう。
 だが忘れてはならない。
 読んでと訴える本達もまた過去より溢れしモノ――オブリビオンなのだ。
鏡島・嵐
判定:【WIZ】
大量の宝箱の次は大量の本かよ。
こんなんで本当に経験値をくれてやるつもりあったのかよ……あ痛てッ!?(おでこに本がぶつかった)

そりゃあ本は読まれるためにあるモンだけどよ、どれどれ……(拾い上げて目を通す。中身はロクでもない方向でお任せ)
ぶはッ!?(今度はインク弾が顔面直撃)

……というわけで《二十五番目の錫の兵隊》を呼び出して雷撃で片っ端から本を焼く。読者にひでぇコトするような悪書は追放だー!
あ、二回目からはもうインク弾は喰らわないように〈見切り〉で躱すようにするぞ。


メリー・ユメノコウジ
「すごいしかけなのです…あ!本がいっぱい…!すごいですめぇ。」
感心し驚嘆すれどもどうにかしなければならないことに【覚悟】

基本は味方との連携・援護。【援護射撃】
攻撃は【高速詠唱】召喚のめぇめぇさん。
「もっふもふのめぇめぇさん、お願いするのですよ~♪」
なるべく本が傷まないように気をつけながら。
回避は【第六感】【野生の勘】で最後は神頼みで【祈り】
相手の行動に【聞き耳】し注意深くは観察する。
【毒耐性】あれども当たらぬように。

「インクって当たったらお洗濯で落ちるのでしょか…はぅ。シミは困るです。」

大事な洋服なのでシミなどつくと困るのでとても気にする。

アドリブ・協力歓迎



 開いた壁の向こう側、そこにあるのは本棚の森。
 上を見ても天井は見当たらず、一体ここはどれだけの高さがあるのか。
 飛び回る魔導書が、魔法の光を灯してキラキラと光っている。
「ふわぁ~、すごいしかけで、すごいけしきなのです。めぇ」
 まさしく異界の風景に、メリー・ユメノコウジはしばし見惚れた。
 しかし、読み手を求める魔導書が、そんな彼女を見逃すはずがない。
『読ミ手! 私達ノ読ミ手ヨ!』
『読ンデ、読ンデ、読ンデ!』
 鳥とは全く違うクセに、ページを羽ばたかせて飛ぶ様はまさに鳥のようだ。 そんな魔導書の群れがメリーめがけて突撃してくる。
 射出するのは骨をも断つ刃と化した己自身のページである。
 猟兵といえどまともに喰らえば大きなダメージは免れ得ない攻撃だ。
「めぇ」
 だが、もこもこふわふわの羊毛がページの刃を受け止めた。
「もっふもふのめぇめぇさん、お願いするのですよ~♪」
 いつの間にか、メリーの隣には大きな丸っこい羊が現れていた。
 彼女の高速詠唱によって呼び出された羊である。
「めぇ~」
 羊がジャンプして魔導書の群れに体当たりをする。
 羽ばたく魔導書は、数こそ多いが本は本。一冊あたりの大きさはさほどではない。
 体当たりに吹き飛ばされて、一冊の魔導書がきりもみ回転しながら地表に落ちていき、
「ぶぎゃあ!」
 そして、鏡島・嵐のおでこに見事に命中した。
「あ、ご、ごめんさいなのです……」
 嵐の存在に気づいたメリーが、羊を伴って駆け寄った。
 おでこを押さえてうずくまっていた嵐が、ヨロリと立ち上がってサムズアップ。
「ヘッ、こ、これくらい大したことねぇ――おぶばっ!?」
 カッコつけようとしたその矢先、今度は魔導書の放った毒インクが顔に命中。
「おあああああああ沁みるううううううう! スゲー沁みるううううう!」
 嵐はのたうち回った。
「め、めぇ~……」
 メリーの目が点になってしまうレベルののたうちっぷりである。
 だからこそ、嵐は怒りを爆発させた。
「胸に燃ゆるは熱き想い! 腕に宿るは猛き力! その想いを盾に! その力を刃に! ……燃やしちまえェェェェェェェェェ!」
 咆哮と共に、嵐のユーベルコードが発動する。
 現れいでし兵士の霊が、魔導書の群れに向かって雷光を迸らせる。
 雷光に撃たれた魔導書の群れは炎に包まれ、しかもそれは瞬く間に燃え広がった。
 そして魔導書の群れは一つの巨大な火球となって空中を飛び回り、やがて、そのまま地面に墜落していった。
 読ンデ、と声を出す書はもはやなく、モノが燃える音だけがそこにあった。
「す、すごいのです……」
「あ~、まだ顔がヒリヒリする。……あ、やっと目が見えてきた」
「めぇ、大丈夫なのです?」
「ん? ああ、とりあえずは何とか……」
 言いかけた嵐の耳に、遠くから羽ばたきの音が聞こえてきた。
『読ンデ! 読ンデ!』
『読ンデ、私達ヲ読ンデ!』
「魔導書の皆さんが元気そうで、スゲェめんどくさいです」
「めぇ……」
 真顔で言う嵐に、メリーもコクリと同意の首肯。
 しかし敵はオブリビオン。ここで退くわけにもいかず――
「それじゃ、協力プレイってことで!」
「わかりました!」
 嵐は兵士の霊を率いて、メリーはふわふわ羊さんを引き連れて、新たに迫る魔導書の群れへと立ち向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

久東・柚葉
扉が左右に開かれる様子を驚きながら興味津々に眺めるよ! 開かれた扉の中にきょろきょろと警戒しながら入ろう。
おおー!すごーい(キラキラ)
沢山の本を眺めてると空飛ぶ本に気づくよ。

読んで欲しいんだ?
分かった読もう!(どや)
ただし!私が持ち帰れるのは2、3冊。どの本が読まれるに値するのか…それは君達が決めたまえ(どーん)

【作戦&考え】
内部抗争(?)を起こす。
もし誰かと協力した時に妨害する必要があればUC(リス召喚)を発動し妨害する。
本音を言うと出来れば倒さずに学園に本達を持っていきたいかな。もし倒す感じになったらビキニになってシーブズギャンビットでざくざく切り刻むよ。
共闘、アドリブ歓迎だよ!


仇死原・アンナ
信じられない…本が空を舞っている…
読みたいのは山々だけど今は読んでる暇はないんだ…

[怪力][なぎ払い][2回攻撃]で鉄塊剣を振るって攻撃
さらに【ブレイズフレイム】を使用、地獄の炎で魔導書たちを燃やし尽くす

「あなた達に書かれている内容は読みたいし、焚書にするつもりはないんだけど…ごめんね…」

敵からの攻撃は[見切り][武器受け][オーラ防御]で防ぐつもり
隙あれば[カウンター]を狙ってみるよ

燃やされてゆく魔導書たちを見ながらぼんやりと
(どんな事が書かれていたのかなぁ…)
そう思いながらも
心の奥に芽生える罪悪感に耐えながら武器を振るって戦う

アドリブ、絡みOKです



「おー! すごーい!」
 開かれた壁の向こう、そそり立つ本棚の森を見て久東・柚葉が声を上げた。
 だがその声に反応して、羽ばたく魔導書が彼女に気づく。
『読ンデ! 読ンデチョウダイ!』
「わ、わわ!」
 警戒はしていたが、やたら数が多い。気圧された柚葉は数歩あとずさった。
『逃ガサナイワ! 逃ガサナイワ!』
 迫る魔導書が、麻痺毒混じりの毒インクを飛ばしてくる。
 このままでは当たる。柚葉は反射的に目を閉じてしまった。が――
「見ていられない……」
 声と共に、炎が、空中のインクを焼き尽くした。
「あ、え……?」
 うずくまっていた柚葉がまぶたを開けて見上げると、そこには鉄塊の如き分厚い剣を肩に担いだ仇死原・アンナの背中があった。
「立てる?」
 肩越しに振り返り、アンナが柚葉に問う。
「あ、うん!」
 慌て調子でうなずくと、柚葉は立ち上がってアンナの隣に立った。
「あの、助けてくれてありがとう……!」
「もののついで。ここから先は、手助けはしない」
「うん、大丈夫!」
 もう一度うなずく柚葉を見て、アンナも軽く「ん」と返すと愛用の鉄塊剣を両手で強く握りしめ、視線を宙へと移した。
『読ンデ! 私達ヲ読ンデ!』
『読ンデ読ンデ、読ンデヨォ!』
 魔導書の群れが押し寄せてくる。
 それを確認し、アンナは右へ、柚葉は左へとそれぞれ跳躍した。
「読めるなら読みたい。でも、ごめんね」
 言葉の終わりと共に鉄塊剣が一閃。
 刃は魔導書数冊を巻き込んで、重々しく空を裂いた。
『読ンデ、読ンデヨ!』
 切り裂かれる仲間などお構いなしに、後続の魔導書が続けてアンナを狙うが、
「大きな武器は、盾にもなる」
 発射される紙片の刃を剣で受け止めて、彼女は切り返しの一撃をお見舞いした。
 武器が振るわれるたび、魔導書は砕け散って地に落ちる。
 それを見て、アンナは少しだけ罪悪感を感じていた。
「本って、読まれるためにあるのにね」
「そうだよ、本は読むためにあるんだよー!」
 その独り言に、なんと柚葉が応答した。
 アンナとは反対側に跳んだ彼女は、自ら前に出て魔導書に堂々と身を晒す。
『読ンデ、読ンデ、読ンデ!』
『読ンデ、私達ヲ読ンデ!』
「分かった、読もう!」
 口々に叫ぶ魔導書の群れに対して、柚葉は腰に手を当てそう叫んだ。
 その大声に、彼女を狙う魔導書の群れが、一瞬動きを止める。
 格好の隙であった。柚葉はそこにさらに叫びを重ねた。
「でも一冊だけだよ! 全部は無理! だからそっちで決めてね!」
「うわぁ……」
 聞いてたアンナの口から、そんな声が漏れた。
『私ヨ! 読ンデモラウノハ私ヨ!』
『違ウワ! 私ヨ! 邪魔ハサセナイワ!』
『読ンデモラウノハ私ヨ! 私ナノヨ!』
 途端に仲間割れを始める魔導書達。
「そーれ、今のうちだ、みんなやっちゃえー!」
 そして柚葉はユーベルコードによって自分が持つリスのからくり人形を多数複製して魔導書へと解き放った。
 リスの人形が、一斉に魔導書を齧り始めた。
 同士討ちをしている魔導書達は、そのまま徐々に紙クズとなっていき、やがて最後の一片が柚葉の足元にハラリと落ちる。
「逆転しょーり!」
 得意げにVサインをする柚葉を見て、アンナは一言呟いた。
「こいつはひどいや」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドロシー・ガーネット
「大量の魔導書か!くっ…!オブリビオンじゃなければ本当に宝の山だったんだがな…」

いやでも全部が魔本じゃないかもしれないし終わったら軽く本棚漁ってみるか……?

【WIZ】使用
思考を切り替えて……
勿体ないが容赦は無し、オブリビオンは全て焼き付くす

杖に魔力を込めながら後方から【高速詠唱】 ユーベルコード【ウィザード・ミサイル】を【全力魔法】で威力を強く【範囲攻撃】で範囲を広く【二回攻撃】を使いオブリビオンへの攻撃と前衛の味方への援護を同時にしながら狙い撃つ

相手からの遠距離攻撃は魔法の矢で弾き飛ばしたり回避をする。味方の猟兵さんが守ってくれるなら守って貰いながら全力で後衛に勤める


ディー・ジェイ
「本が多いなら燃やせばいいじゃない」(POW的思考

そうか、きっとあの本達は俺達に読まれることを願い倉庫に仕舞われた悲しいやつらなんだな…まぁどうでもいいんだけど。
てか古い本って重なると邪魔だから処分したくなるよね。

ほら読まれたいやつは俺のとこに集まってきなー。
オッサンは本大好きだからいっぱい読んじゃうぞー。

・腰撃ちに空を飛ぶ魔導書達に制圧射撃を行い、敵の軌道を制御しながら何食わぬ顔でユーべルコードを起動。火喰蛇を舞わせて空飛ぶ松明代わり共をたっぷり燃やし尽くしてやろう。古書は消毒だ。



『読ンデ読ンデ!』
『読ンデ! 私達ヲ読ンデ!』
 自分の頭上を飛び回る魔導書を睨むように見上げながら、ドロシー・ガーネットは強く強く歯噛みした。
「くっ、これだけの数の魔導書……、オブリビオンじゃなけりゃ本当に宝の山だったんだがなァ! ああ、もったいないなぁ、もったいない!」
 ギリギリと握った拳を震わせている辺り、彼女は心底から悔しがっていた。
「そうか……、あの本達は俺達に読まれることを願い続けながら、この暗い本棚の森に仕舞われていた悲しいヤツらなんだな……」
 ドロシーの嘆きを聞きつけてか、ガスマスク姿のディー・ジェイが現れる。
 彼に気づいたドロシーは、「そうなんだ」と応じて肩を落とした。
「私だって読みたい。読めるなら、読んでやりたいよ」
 彼女の視線は飛び回る魔導書に固定されたままだ。
『読ンデ読ンデ!』
『読ンデチョウダイ! 私達ヲ読ンデ!』
「見ろ、あの必死さを。羽ばたく本なんて見た目はアレだが、読んで欲しいという渇望がヒシヒシと伝わってくるだろ。私だって、叶うことなら……」
 ドロシーはその顔を苦々しく歪めてうつむいた。
 その傍らで、ディーが深くうなずく。
「ああ、分かる。分かるぜ」
「分かってくれるか……」
 己の苦しみを理解してくれる相手がいる。
 それだけでもドロシーの心は幾分なりとも軽くなった。
 まぁ――
「分かるは分かるが、どうでもいいな!」
「……え?」
 それはドロシーの錯覚でしかなかったが。
「そーら、ここに本好きのオッサンがいるぜ、魔導書共!」
 ディーが手にしていた小機関銃を撃って、魔導書の矛先を己へと向けさせる。
『読ンデ、読ンデ! 読ンデ!』
 空高くから彼めがけて殺到する魔導書の群れ。
 ディーは後ろ走りで間合いを調整しつつ、引き付けて、引き付けて――
「至近距離から、イグニッショーン!」
 擦ったライターから噴き出した炎が、蛇のように伸びて魔導書に食いついた。
「ハーッハッハッハッハ! 乾いた古本だけあって景気よく燃えやがるぜ!」
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!?」
 悪役の如きセリフを吐き捨てるディーに、ドロシーは頭を抱えた。
「本が! 古書が! 貴重な魔導書が――――ッ!?」
「でもオブリビオンだぜ?」
 その指摘を受けて、ドロシーはハッとなった。
 そう、あれは全てオブリビオン。倒すべき敵。倒すべき敵!
『読ンデ、読ンデ!』
『私達ヲ読ンデヨ、読ンデ!』
「黙れオブリビオン、私の魔導で燃え尽きろ!」
 そしてドロシーが放った炎の矢が、魔導書の群れを派手に燃え上がらせた。
「お~、こりゃまた盛大にもえちゃってまぁ」
 楽しげに笑うディーの後方で、ドロシーはブツブツと呟き続けた。
「あれはオブリビオン。あれはオブリビオン。あれはオブリビオン……」
「おーい、戻ってこーい」
 必死に自己暗示を重ねるドロシーを見て、ディーはやや遠巻きに呼びかけた。
「大丈夫。大丈夫だ。これしきの事で私は揺るがない。ああ、でも魔導書、もったいなかったなー。惜しかったなー。あああああああああ……」
「揺るぎまくりにしか見えないのは言わない方がいいか?」
 だがドロシーは答えなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
本、か…紙の本、所謂物理書籍も今じゃ減りつつあるな。
電子書籍という便利なのが存在してるからな。
とはいえ、物理書籍の方はページを捲り易いから、参照したいページをすぐに捲れるのがメリットだよな。
TRPGのルールブックとか―――

と、それはさておいて。
悪いがお前らは片付けさせてもらうぞ。…他の奴らがな!
デジ・スピーカー展開、楽曲ローディング…ミュージックスタート!
DJ.Blitzのプレイタイムだ!テンション上げていこうぜ!


胡・翠蘭
「読んで、って……これはまた主張の激しい書物ですこと。」
……読ませたいなら、私好みの内容になってから出直して頂きたいものね

【SPD】
というか攻撃してくる辺り読ませる気もないわよね、……全く、もう。
さぁて、以前読んだ素敵な本の内容でも思い出しながらユーベルコードを使って攻撃しましょう
そうすれば少しはマシな内容になるのではないかしら?……まぁ、そうなったとしても読みたくはならないのだけど……

その場にいても危なそうだし、宇宙バイクに騎乗して移動しながら攻撃を回避しつつ、移動しながら此方も攻撃しましょう

「そうそう……読み聞かせてくれるなら、読むのも吝かじゃなかったのに」
魔導書とか、難しそうなんだもの。



『読ンデ、読ンデ!』
『読ンデ、読ンデ!』
 けたたましく騒ぎつつ、魔導書は空を羽ばたく。
「はぁ……」
 周りをすっかり魔導書に囲まれて、胡・翠蘭は小さくため息をついた。
「これはまた、主張の激しい書物ですこと」
 悠然とその場に立ってゆるり腕を組みつつ、彼女はさてどうしようかと考えた。
 どうやら、この辺りの書物はすっかり自分に狙いを定めているようだ。
 一歩でも動こうとすれば、
『逃ガサナイ、逃ガサナイワ!』
 地面に、刃となったページが突き刺さる。
「まぁ、めんどうくさいわね。どうしようかしら」
 頬に手を当てて、翠蘭はフゥともう一度ため息。そこに、
「お困りですか、お嬢さん」
 魔導書の攻撃をかいくぐって、ブリッツ・エレクトロダンスが現れた。
 羽織っているジャケットにページの刃が幾つも刺さっている。
「あら、どなた?」
「俺の名はDJ.Blitz、COOLでHOTなイェーガーさ」
 親指で自分を示しつつ、ブリッツは大きく笑って見せた。
「そのDJさんは、私のことを助けに来てくださったのかしら?」
 翠蘭は余裕を崩すことなく嫣然と微笑むが、しかし、ブリッツはかぶりを振った。
「逆です。助けてください」
「あら……?」
 真面目な顔でそんなことを言うブリッツに、さすがの翠蘭も意外そうな顔をする。
「ちょっと一人じゃ捌き切れないです。支援するから一緒にお願いします」
「あらあら、そうなのね。……よろしくてよ」
 翠蘭はうなずくと、ブリッツに一歩近づきささやいた。
「その代わり、最高の一曲をお願いするわ。できるでしょう?」
「任せな、超絶COOLなヤツをキメてやるぜ!」
 ブリッツがパチンと指を鳴らし、展開したスピーカーから曲が流れ始める。
「DJ.Blitzのプレイタイムだ! テンション上げていこうぜ!」
「とても素敵な曲ね」
「だろ? 俺のセンスに惚れてもいいぜ?」
 ブリッツの軽口に、翠蘭もまた微笑みを返してスッと右腕を高く伸ばす。
『読ンデ! 読ンデ読ンデ!』
『私達ヲ読ンデ!』
 魔導書の群れが翠蘭を狙って押し寄せてくる。
 それに対し、ブリッツの曲に寄って魂に熱を帯びた翠蘭はただ一言、
「おいでなさいな」
 彼女の立つ床が、水面のように揺らいだ。
 そして、現れるのはぬらりと濡れた大きな触手。
 何本も何本も、それは翠蘭の足元から伸びて飛ぶ魔導書を絡めとった。
「堕ちていくといいわ、どこまでも。私が連れて行ってあげる」
 触手に捕まった魔導書は、そのほとんどがビクンと一度だけ震えて動きを止めた。
 そして触手は魔導書を地面の底へと引きずり込んで、そのまま消える。
「ワ~オ」
 見ていたブリッツが思わず言葉を失う、そんな異様な光景であった。
「……ふぅ」
 全てが終わり、翠蘭は切なげな吐息を漏らした。
 体の芯まで冷えている。彼女のユーベルコードは強力だが、その身に帯びた全ての快楽を対価として捧げなければならなかった。
 要するに、賢者タイムである。
「いや~、一気に行ったな。凄いなお前……」
「フフ、何でしたかしら?」
「ん?」
「俺のセンスに惚れてもいいぜ、でしたわね。確か」
「あ、あ~……」
 自分の発言を思い返し、ブリッツがその目を思い切り泳がせる。
「本当に、よろしくて?」
「……いや! また今度の機会にな! いや~、残念無念!」
 目を泳がせたまま声を張り上げるブリッツに、翠蘭は「あらあら」と言うのみであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テリブル・カトラリー
本は読まれる為にある。己の存在理由を果たそうとするその姿勢には、
尊敬と共感に値する。なにより、
彼らがオブリビオンであるという事は、
読まれたにせよ読まれなかったにせよ、
本来はもう失われてしまったのだろうな。

…読めば通すと言っていたな。なら、まずは読もう。
いままでからしてまともな内容かどうかは疑わしいのはあるが、
私には彼らを無視して進むのは少し難しい。

とりあえず内容の検閲だけでも済まそう。
ただまぁ、もしただの時間稼ぎの内容ならば、
私もあまり長く時間を掛けたくはない。

即座にブーストダッシュで距離を取り、
ガトリング砲へ換装。アームドフォートと共に一斉発射で範囲攻撃。
本の群れをなぎ払いながら前進

すまない


ユキノ・サーメッティア
人がめったに入ってこなかったから
読まれることを渇望しちゃってる本、と
さっきの宝箱といい、
入り口からして切羽詰まってる感じが…

読ンデって言われてもね~
マトモそうじゃないし
そもそも飛び交ってる時点で読ませる気なんてないよね

飛び交ってるし、数が多いしで
一つ一つだと時間かかっちゃいそー
「読んでほしかったら、ここまでおいでー」
【誘惑・おびき寄せ】で
ある程度の数を集めさせるようにして
【属性攻撃・2回攻撃・なぎ払い・全力魔法】の
高熱を持たせた風圧を広範囲に叩き付けてみようか
(熱を伴ったダウンバースト)
飛んでくる物も打ち落として
ついでに収まっていた本棚も燃やしちゃおうとするぐらいにっ



「切羽詰まりすぎじゃない?」
 本棚の森に足を踏み入れて、ユキノ・サーメッティアはまずそう呟いた。
 あの石扉からして、まず切羽詰まっていた。
 そして、この本棚の持ちを飛び回る、
『読ンデ! 読ンデ読ンデ!』
『読ンデ! 読ンデチョウダイ!』
 この、魔導書の群れ。
「う~ん、読んでって言われてもねぇ……」
「読めばいいんじゃないか?」
 悩むユキノに、あとからやって来たテリブル・カトラリーが提案する。
「読めば、通してくれるかもしれないのだろう」
「……そうかもだけどぉ」
 テリブルの言葉に、ユキノは渋い調子で唇を尖らせた。
 魔導書は、放っておいても近づいてきてくれる。
 その中の一冊を読んでようか、と、テリブルが提案したのはそんな話だった。
「じゃあ、落としやすいようにこっちで誘うから、落とすのは任せていい?」
「分かった。とにかく一冊落とせるようにはする」
 そんな感じで、作戦スタート!
「ほらほら、読んでほしかったらここまでおいでー!」
 ユキノがジャンプしながら手を振ると、魔導書の群れがすぐに反応してきた。
『読ンデ! 読ンデ読ンデ! 読ンデ!』
 一匹の大きな鳥のようになりながら、群れる魔導書が襲いかかる。
 その側面を、テリブルが突いた。
「精密さは期待できないが、一冊くらいはこれで落ちるだろう!」
 ジャコン、と、重い音を鳴らしたのはテリブルのガトリング砲だった。
 マズルフラッシュが瞬いて、弾幕が魔導書の群れを直撃した。
 ズタズタに引き裂かれて落ちる魔導書が多い中、形を保ったまま落ちる魔導書も幾つかあった。
「うわ、落ちてもまだバタバタしてる……」
 近寄ろうとしたユキノだったが、微妙に動いている魔導書を見て頬を引きつらせた。
「よいしょ」
 テリブルが上からグリグリ踏みつけた。魔導書は動かなくなった。
「……豪快」
「手っ取り早いだろう?」
 何の気もなしに言うテリブルに、ユキノはどう返せばいいか分からなかった。
「と、とにかく、中身を見てみましょッ!」
 何かをごまかすようにユキノが魔導書を掴み上げる。
 表紙が背になっていたそれをひっくり返してみると――
「「…………」」
 二人は揃って閉口した。
 書かれている文字が、一切読めなかったからである。
 いや、時々読めるようになったりはするがそれも一瞬のことで、魔導書の中身は刻一刻と別の文字に変わっていくのだ。これでは、誰も読めないだろう。
 その場に座っていたユキノがおもむろに立ち上がった。
「手伝って」
「む、どうしたんだ」
「何か腹立ったから、焼き払う」
 そう、ユキノは怒っていた。
 読んで読んでと散々騒ぎながら、しかし実際に読んでみたらこっちに理解させる気まるでなし。本としての体裁も整っていないときたものだ。
 ユキノは怒った。とても怒った。
 古風な言い方をすれば激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームである。
『読ンデ読ンデ!』
『私達ヲ読ンデチョウダイ!』
「や・か・ま・しィィィィィィィィ――――ッ!!!!」
 ユキノ、怒りの全力属性魔法による熱風攻撃が炸裂。しかも隙を作らぬ二回攻撃!
「おー、すごい迫力だな。ではこっちも全開で行かせてもらおう」
 テリブルのアーム度フォートが残る魔導書をドッカンドッカン撃っていく。かくして、一分も経たずして読んで読んでの声は消えてなくなった。
「ハァ! ハァ! ……はぁ~、やれやれ」
 戦いが終わり、ユキノが一気に脱力する。と、その直後だった。
 本棚の森が揺れ始めて、最奥にある壁がまたしても左右に開き始めた。
「おお、これは……」
 テリブルが驚きつつ見る先で、やがて声は聞こえてきた。
『イラッシャーイマーセー!』

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『トレジャリーガード』

POW   :    ロケットパンチ
【剛腕】を向けた対象に、【飛翔する剛拳】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    コアブラスター
【胸部からの放つ熱線】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    マジックバーレッジ
【自動追尾する多量の魔力の弾丸】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【絶え間ない弾幕】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 魔導書の群れは駆逐された。
 読んで読んでと言いつつ、結局読めるもんじゃなかった詐欺魔導書は全滅した。
 すると、最初にそうであったように本棚の森が揺れ始める。
 それは最奥の壁が開いていくがために起きた鳴動であった。
 最初の宝箱の間の先には、この本棚の森があった。
 ならばその先には何があるのか。
 無論、待ち構えているのはオブリビオンに違いない。
 そしてそれはおそらく、今回の一件の元凶たるフロアボス。
 つまりは最大の敵だった。
 壁が開き切って、ついに、最後の空間が姿を見せた。
 そこにあったのは、宝物庫。
 やたらとドデカイ金庫であった。
 それだけではない。
『こちら、経験値!』
『この先、経験値!』
『もうすぐ経験値!』
『もうちょっとでお待ちかねの経験値です!』
『やったね、ついに経験値だ!』
『人生に大切なもの、分かりますか? by経験値』
『ここまで来たら開けていくしかないよなぁ、経験値!』
『いつでもあなたの隣に――経験値』
『経験値 from この先!』
『男ならいっちょやったれ経験値!』
『女でもいっちょ開けたれ経験値!』
 とか、とか、とか。
 そんな標語か何か分からない言葉が描かれた色とりどりの矢印型の看板がそこかしこに立っていて、奥の金庫を指示していたのだ。
 さらに――
『イラッシャーイマーセ――――!』
 ガシャコンガシャコンと大きな音を立てながら、それは現れた。
 宝物庫には付き物の、宝物庫の番人。つまりはフロアボス!
 首のない鎧のようなそれは両腕を振り上げて咆哮する。
『イィィィィィラッシャイマァァァァセェェェェェェェ――――!』
 咆哮しつつ、それはやってきたイェーガーを歓迎していた。
 そして、その番人の背中にも一言、
『私を倒すと大金庫が開きます。そーれガンバレ♪ ガンバレ♪』
 ――最後の戦いが始まった!
鏡島・嵐
判定:【WIZ】

気のせいかもだけど……この迷宮でかなり理不尽な目に遭ってるよなぁ、おれ(当初冒険を求めて来たことは棚に上げている)
こうなったらそれなりの経験値を貰って帰らねぇと割に合わねぇ気がしてきたし、最後まで頑張るぞ。
……相手強そうだし、戦うのはやっぱり怖ぇけど。

《笛吹き男の凱歌》と〈援護射撃〉で他の皆を支援するのを主体に行動。
追尾弾の弾幕は……す、凄ぇ怖ぇけど、気合で避ける! 〈見切り〉もあるし、なんとかなると信じてぇ!

※アドリブ、他PCとの共闘はご自由に。


佐之上・権左衛門
【POW】つまり倒せば経験値なんだな? というか案の定こうなるのね。
では相手の言葉に反応するかのように「いらっしゃいましたぁーっ」と愛用のグレートアクスで解錠(物理)を仕掛ける(ちなみに技能は鎧砕き・怪力・そして申し訳程度の鍵開け)。
ロケットパンチなどが飛んで来たら多分避けられる筈(第六感)。出来たら(カウンター)を使ってUC『超重なる連撃(要は釘パ〇チだ)』で力づくでこじ開ける。 
「こんな力任せでぶん殴って中身割れ物だったらどうしよう・・・まぁいっか」



 ゴゴゴゴゴ。ギギギギ。ギゴゴゴゴ。
 首のない巨大な番人が動こうとすると、それだけで大きな軋みの音が響いた。
『イラッシャーイマーセー!』
 ゴギギギギ。ギゴゴ。グゴゴゴゴゴゴゴ。
 鈍い金色の装甲を重々しく動かして、番人が猟兵に狙いを定める。
 その先にいるのは、佐之上・権左衛門であった。
 彼へと向かって、番人が右のパンチでロケットする。
 つまりロケットパァァァァンチ!
「うおおお、いらっしゃいましたァァァァ――ッ!」
 迫りくるドデケェ金属塊を、権左衛門は絶叫と共に横にはねて回避した。
「隙だらけだってんだよ、このデカブツが!」
 得物の両手持ちグレートアクスが大きく唸りを上げる。
 それこそまさに権左衛門渾身の一撃。
 真横に振り回した分厚い刃が、番人のわき腹部分に直撃する。
「それだけじゃ、ねぇ!」
 彼が気合を入れると同時、再びの衝撃が番人を見舞った。
 低く濁った金属音が、辺り一面に轟き渡る。
 一撃によって連撃を成すという無茶。
 グレートアックスという巨大な武器をもってそれをやってのけるのが、佐之上・権左衛門という男であった。
「クッハ、どうだよ!」
 両手をしっかり痺れさせ、だが確かな手応えを感じながら権左衛門は番人を見上げる。
 ゴゴゴゴゴ。ギギギギ。ギゴゴゴゴ。
 軋みの音。動く左腕。パンチが権左衛門に向けられる。
 ロケットパンチ、発射寸前!
「うおおおおお、効いてねェェェェェェェェェェ!」
 くるりとその場で踵を返し、権左衛門は一転、逃げに走った。
 後方からジェット噴射の音がした。
 来る。来ちゃう。ロケットパンチが来ちゃうのぉぉぉぉほおおおおお!
「――今だ、演奏開始ィ!」
 聞こえてきたのは男の声。
 続いて軽快なメロディが流れてきて、権左衛門の体がフッと軽くなる。
「おお、うおお! これなら!」
 走る速度を一気に上げて、彼は何とかロケットパンチをかわしきった。
「何とか間に合ってよかったぜ」
 回避のために地面を転がった権左衛門へ、鏡島・嵐が声をかけた。
「助かったぜ、ありがとよ」
 安全圏へと逃れて、権左衛門が息をついた。
「いや、何となく他人に思えなくてな」
 番人を見据えつつ、嵐は権左衛門をどこか慈しむような目で見ていた。
 彼の脳裏には、ここで自分が受けた様々な仕打ちが浮かんでいた。
「それにしても、何ともまぁ……」
 嵐も身を低くして看板の陰に隠れて番人の方に視線を移す。
「頑丈過ぎんだろ、あれ……。あんなの超えなきゃ経験値もらえねぇって?」
「ここまで来たんだ、経験値はもらいたいわなぁ」
 自分のアックスの具合を確かめつつ言う権左衛門に、嵐も同意する。
「だな。こうなったら、何としてもあのデカブツ叩いて――」
 ギシュン。ガコンガコンガコンガコン。
 何か音がした。
「「あ、ヤなよか~ん」」
 嵐と権左衛門が顔色を青くする。
 見ると、番人の巨体からぶっとい銃口らしきものが幾つも伸びていた。
 らしきものっていうか、銃口だ。
「うおおおおおおお、やられる前にやったらァァァァァァ!」
「ブッコミじゃああああああああああああ!」
 覚悟を決めた男二人がその場から走り出す。
 再び演奏道化を呼び出し、嵐が自分と権左衛門の強化を図った。
 そして権左衛門はバトルアックスを振りかぶり、番人めがけて躍りかかる。
 別にオチというワケでもないが、直後の爆発音は盛大だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
(言葉の羅列を見た)………あのなぁ?
いくらなんでも経験値推ししすぎだぞ!?
こんなの流石に恥ずかしくなるわバカ野郎が!?

…はぁ。とりあえず気を取り直して…
さて、銀行強盗ゲーに定番の金庫破りと行くか!
攻性プログラム・展開!
ロケットパンチやコアブラスターへの盾として使うぜ!
いかに命中率や切断能力があっても!攻撃を別の手段で防御させればいい!

あっ待てその弾幕はちょっとマズい


メリー・ユメノコウジ
「一杯の矢印…、ぴゃっ!?何か大きいのがいるのです!」
標語と矢印見ながら【聞き耳】し進んでボスの巨体が見えたらあわあわ。
ただ、背後の一言に思わずくすっとなって【勇気】をだす。

基本は味方との連携や援護で【援護射撃】【全力魔法】
【高速詠唱】で召喚しためぇめぇさんに弾丸を防御してもらうよう指示。
「もっふもふのめぇめぇさんですよ~♪お願いするのですっ」
回避は【第六感】【野生の勘】、最終的には神頼みで【祈り】
「めぇめぇさん、大丈夫です…ありがとうですよっ。」

そういえば、経験値ってもらったらわかるものなのでしょうか…?
倒し終わったら皆の無事を確認するようにあたりを見回しながらそんなことを

アドリブ・協力歓迎



 番人が全身から放つ銃弾は、追尾式だった。
「アホ――――ッ!!?」
 ブリッツ・エレクトロダンスが逃げながら発した罵倒は完全に語彙力が死んでいた。
 追ってくる弾丸を防ぎ避けつつ何とか凌ぎ、ブリッツは看板の裏に逃げ込んだ。
「クッソ、こんな恥ずかしい空間のボスのクセに強さはガチかよ!」
 乱れた呼吸を整えながら彼は何度も毒づいた。
 矢印型の看板を見上げて、ブリッツは大きく舌を打った。
 経験値推しもいいかげんにしろ。もらえるならもらうけど、もらうけど!
「……さぁ~て、どうすっかな~?」
 看板の陰より彼は番人の様子をうかがう。
 さっき、何やら爆音がしたのは別の猟兵が攻撃を仕掛けたからだろう。
 見たところ、番人はやたら頑丈ではあるが無敵ではない。
 その表面には傷や凹みが認められる。猟兵の攻撃によるものだ。
「とはいえ、まともには相手したくねぇな……」
「ですねぇ。めぇ」
「だよなぁ。……んん?」
 自分の独り言に応じる声。ブリッツはそれに気づいた。
 すぐ近くに、同じく看板の陰に隠れていたメリー・ユメノコウジの姿があった。
「何だ、そっちも逃げてきたクチか」
「そのとおりです。矢印が面白くて見ていたら、大きな影に驚いて……」
「まぁ、アレは驚くわな。アレは」
 メリーの説明に、さもありなんとブリッツはうなずく。
「とはいえ、ここも安全かどうかは分からねぇし、どうするかな」
「経験値は、あの金庫の向こうなのですよね。めぇ」
「……だとは思うが。ふ~む」
 物陰より、ブリッツは番人の向こうにある大金庫を見つめる。
「あのデカいのさえどっかに引きつけられれば、金庫破りもできるかもだが」
「あ、だったらお手伝いしましょうか?」
「お?」
 メリーが、その場にふわふわもこもこの羊を召喚する。
「この子をあの巨人さんのところに突っ込ませます。めぇ」
「……いいのかよ」
「羊さんは無敵なのです」
 エヘンと腕組みをして自慢げにいうメリー。
 隣では羊も一緒にふんぞり返っていた。
「――OK、Sheepなお嬢さん。ついでもこいつも持ってきな」
 ブリッツが指を鳴らすと、彼の周囲に五つ、ノイズ混じりの人影が浮かび上がった。
「こいつは俺の攻性プログラム。根性はないが馬力はあるぜ」
「分かりました。じゃあ、羊さんと一緒にGOです!」
 羊と攻性プログラムが、揃って時間稼ぎに出る。
 一方で、ブリッツは看板の陰から陰へと移って番人の脇をすり抜け、金庫を目指す。
「できる限り時間を稼いでくれよ……?」
 内心、相当ヒヤヒヤしつつも、ブリッツは何とか大きっこの前に到着。
「さてさて、手短に終わらせるとしようか?」
 指をコキコキ鳴らして、ブリッツは早速金庫のバラしにかかった。
 ――数分後。
「ただいま、っと」
 爆音が轟く中、仏頂面のブリッツが看板の陰に戻ってきた。
「めぇ、おかえりなさいです。……どうでした?」
「ありゃダメだ。金庫じゃねぇ。仕掛けらしい仕掛けなんて何もなかったわ」
 金庫の形をしてはいるが、仕掛けがないのでは壁と何も変わりがない。
「あ、やっぱり」
「……んん?」
 知っていたかのような口ぶりのメリーに、ブリッツは眉を寄せた。
「あれ、見てください」
 と、メリーが指さした先には番人の背中があった。
『私を倒すと大金庫が開きます。そーれガンバレ♪ ガンバレ♪』
「…………」
 ブリッツは押し黙った。
 ――私を倒すと? 私 を 倒 す と !?
 条件は、最初から提示されていたのだ。
「あ、羊さんが~」
 番人のロケットパンチによって、最後の攻勢プログラムが砕け散り、羊さんがぽよよ~んと吹き飛ばされる。
 それを目の当たりにして、ブリッツが意を決した。
「よし」
「はい?」
「あのデカイのは他の連中に任せた! 一旦すたこらさっさだぜ~!」
「一旦すたこらさっさですめぇ~」
 そしてブリッツとメリーは、戦略的一時撤退を選択したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ディー・ジェイ
「お前これで大金も経験値も手に入らんかったらぶっ壊すぞ。現在進行形でぶっ壊してるけどな!!」

こいつの身体、よく見たら金で出来てそうじゃね?
パーツ分解して売っぱらったら儲けられるんでは…
いやそんなうまい話は…だが試してみる価値ありますぜ!

・さっきからハイテンションだったところ悪いが、今回は気配を消してチャンスを窺う。そして敵がロケットパンチを他の猟兵に向けて射出した瞬間、拳が離れて結合部分が丸出しになってる腕に不意打ちのフルバーストを叩き込むぜ。
・初撃叩き込んだ後は隠れる必要はねぇ!さっき攻撃を与えた部分含めて露出している箇所に絶え間なく銃弾を浴びせるぞ!

経験値割り増しでお願いしますよ迷宮さん


久東・柚葉
ワクワク!中はどうなってるかな
すごく賑やか!経験値がゲシュタルト崩壊しそうなくらいだね。よーし私も張り切っちゃうよ

攻撃はSPDで避ける
範囲攻撃とか面倒だから転がして拘束できればいいな
UC【スクァーレル・クラスタ】発動
リス達に「青鈍色の鋼糸」を持たせるよ
素早く移動して敵の手前に関節に当たる様少し高めに張る。高さは数匹組にさせる。成功したらリス達全員で鋼糸使って簀巻きに!
リス達が動いている間に腕の部分を狙って【シーブズド・ギャンビット】でダガーを投げ突き立てる。隙を見て人形を操り一気に間を詰めてダガーを握って解体するように抉る。腕以外にも危険な部位があるから範囲攻撃1も付けるよ。共闘、アドリブOK



 観察を続けていたディー・ジェイはふと思った。
「こいつ、金色してるよな」
 いかにも重々しい、金色の巨人。
 もしかしたらその巨体は、本当に黄金でできているのではないだろうか。
「分解して売っぱらったら……、いや、しかし、う~ん……」
 ギギギギギギ。
 番人の巨体が向きを変えようとする。
「おっと、ヤバイヤバイ」
 気づいたディーは慌てて番人の死角に回り込んでいった。
 あんなモノ、まともに相手にしていられるワケがない。
 番人の打倒が金庫を開ける条件というならば、狙うべきは一撃必殺だ。
 敵が絶対に反撃も回避もできない状況において、その弱点に最大の一撃を叩き込む。
 それしかない。
 だが、当然このまま隠れていても、そんな状況は訪れない。
「さて、どうしたもんか」
 死角から番人を睨み、ディーはこれからの動き方を考えた。そこに、
「行け行けー! 私のリスさん達!」
 声が聞こえた。
 それは、久東・柚葉の声であった。
 ユーベルコードによって複製された幾つものリスの人形が番人へと向かっていく。
 ディーは、リスの人形がそれぞれ持つ鋼糸に気づいた。
 まさか、あれで番人の動きを縛るつもりか。
「……無茶なことを考えなさる」
 だが、この流れはディーにとっても都合がいい。
 柚葉がこのまま番人の相手をしてくれれば、或いは自分が手を出すに足る『一撃必殺のチャンス』も出てくるかもしれない。
 自然、ディーの動きは柚葉を追う感じに変わっていった。
『イィィィィラッシャイマァァァァセェェェェェェェェ!』
 番人が咆哮する。
 その周りを、リスの人形がチョコマカ動いて鋼糸を巻き付けていった。
 リスの人形は小さく、持つ鋼糸もか細く頼りない。しかし、糸が番人を一周するたび、わずかに、ごくごくわずかにではあるがその動きは鈍っていった。
『イラッシャァァァァァイマァァァァァァセェェェェェェェェェェ!』
 だが番人は止まらない。
 近づきつつある柚葉を捕捉すると、胸部が展開し真っ白い光が溢れた。
「うわ! わ!?」
「あっ――」
 驚きに身を固める柚葉と、見ていたディーが声を上げた瞬間に、発射!
「っぶねぇなァ――――ッ!」
 飛び出したディーが、白光の射線上にいた柚葉を突き飛ばす。
 それは、まさに間一髪のタイミングであった。
 白光が床を焼き、その直線状に濃密な焦げ臭さを残して消えた。
 だが、柚葉は健在だった。近くにはディーもいる。
「危なかったけど……、デカブツさんは攻撃直後! 隙ありだよ!」
 一瞬で体勢を直した柚葉が、ナイフ片手に番人へと真っ直ぐ走った。
「オイオイ、元気だねぇ!? ……だが隙ありってのは全面的に同意さ!」
 ディーもまた走る。
 敵が無防備を晒している今こそ、『一撃必殺のチャンス』だ。
 自分を縛る鋼糸を何本かブチ切って、番人がロケットパンチを放つ。
 だが鈍い。その動きは目に見えて遅かった。
 見え見えのパンチを軽くよけ、ディーが口笛を吹く。
「この期に及んでさらに隙を晒してくれるって? 大盤振る舞いだな、オイ!」
「いっせーの、シーブズ・ギャンビット――!」
 ロケットパンチの発射口に向かって、柚葉がナイフを突き立てた。
 硬い手応え。
 だが、装甲に覆われていないそこは、抉れる。壊せる。突き立てられる。
「どきな嬢ちゃん、こいつでダメ押しだ!」
 そしてディーが手持ちの火器を総動員、発射口を集中攻撃。
 圧に耐えきれなくなったそこが、ついに火を噴いて派手な爆発を起こした。
『イイイイイ、イ、イ、イラッシャイ、マ、マーセー……!』
 片腕を失った番人の咆哮が、そのとき初めて揺れて歪んだ。
「「イエーイ!」」
 柚葉とディー。
 思いがけず協力し合った二人のハイタッチが、場に高らかに鳴り響いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドロシー・ガーネット
「魔導書………ハッ、いつの間にフロアボスが…!」
「コホン……さぁて、こいつを倒せば依頼は終わりだ! もう経験値うんぬんよりも全力でぶちのめす」
これまでのパターンからして金庫に何もなさそうだし魔導書リアリティショックとでドロシーは静かにキレていた。

【WIZ】使用
出し惜しみなし、【目立たない】所で【真の姿】を開放して精霊を纏いながら【高速詠唱】と【全力魔法】で【精霊覚醒】を行い姿を氷の精霊に変化させる

味方を巻き込まないように気を付けながら敵の攻撃をはじき返しつつ接敵。狙いは空いてる首の中。精霊体のまま潜り込んで【属性攻撃】を纏った氷の嵐で鎧を中から炎ごと凍結させるのを狙う

アドリブ・絡み歓迎です


ユキノ・サーメッティア
一連で貰える経験値だと…正直、LVが上がらないのよねぇ(メタァ!)
まぁ、どうでもいいね!

殺意高いウェルカム!だね~
通路の全力推しももう、必死さが前面に出すぎでしょー

あの銃口、どうにかなればそれだけでも動きやすくはなるんだけど…
ヴァシュトラルの浮遊盾で攻撃を【盾受け】しつつ自分を隠し
UC『シャドウネーベル』で【誘惑】【存在感】を付与した影を囮にしつつ
私自身は【ダッシュ】で一気に近づいて
UC『ナーデゲヴァル』をルプシュテルの剣で【串刺し】したまま
【衝撃波】込みの【零距離射撃】
で【武器落とし】(というか破壊)を試みてみようかな

動作不能まで出来なくても、他の人が動けるぐらいの隙は
作れるだろうしっ



「ドロシー・ガーネットは静かにキレていた」
 ドロシー・ガーネットは静かにキレていることを自分で口に出した。
「魔導書が読みたかった。未知の魔導書。読んだことのない未知の魔導書。知らない世界の知識。新たな魔導への道しるべ。その他の、財宝の如き輝きを放つ最高のお宝――魔導書。ああ、魔導書……!」
 だがそれは叶わなかった。
 どころか、そもそもあの魔導書、読めないシロモノであった。
「読んで読んでとうるさかったから読もうとしたのに、それが最初から読めなかった? そもそも読むだけ時間の無駄だった? そしていつの間にかフロアボス? 何? それ何? その怒涛の如き展開、何?」
 周囲に銃声やら爆音が響く中で、うつむいたドロシーは独白を続ける。
「何が、何が、何が――!」
『イラッシャァァァァイマァァァァセ――――!』
「うるッさい! 何が経験値だァァァァァァァァァァァァァァ!」
 ドロシー・ガーネットは静かにどころじゃなくキレていた。
「……全面的に同意だけど、凄い叫びだなぁ」
 そしてユキノ・サーメッティアが、そんな彼女を見て呟く。
 ジャコン、という音がした。
 番人が全身から銃口を展開した音である。
 ユキノはその一つが吠え猛るドロシーに向けられていることに気づいた。
「――ッ! 間に合って!」
 彼女はそのまま駆け出して、ドロシーの前に身を晒した。
「え?」
 ドロシーの声。直後に、銃口から弾丸が発射される。
 しかし、ユキノが装う浮遊する盾が、その弾丸をしっかりと受け止めて防いだ。
「はぁ、……大丈夫だった?」
 防御に成功し、一息ついたユキノがドロシーへと向き直ろうとした。
 向き直ったら目と鼻の先にドロシーがいた。
「わわわわ!?」
「助けてくれてありがとう」
 驚くユキノの手を、ドロシーは強く握った。
 握手、というよりは捕縛、と呼ぶ方が似つかわしいレベルの握力で。
「ところで私はもう少しあのデカイのに近づきたいんだが残念なことに防御手段に不安が残ってね。だから防御が強い猟兵がいたら是非とも、是非とも、是非とも協力を仰ぎたいんだが、丁度いいことにおまえさんは防御に長けてそうで、ああ、何て運がいいんだ私は。どうだろうか一緒にあのデカイのを叩こうじゃないか。何、攻撃は任せてくれ。役割分担だ。攻めは私、防ぐのはお前さん。分かりやすい。実に分かりやすいな。どうだろうか。いいかな? いいよな!」
「え? あ、うん、あ、はい。はい」
 ユキノ、まくし立てられて考える前にうなずく。
「ありがとう同志! ではレッツゴーだ!」
「れ、れっつごー?」
 猟兵二人が、番人に向かって接近を試みる。
 すでに片腕を失っている番人だが、それでも攻撃の圧力は未だ高い。
 全身の銃口から発射される自動追尾の弾丸を、しかし、ユキノが何とか盾で受け止めつつ間合いを詰めていく。
 だがダメだ、盾のみでは防ぎきれない。
 そう判断したユキノが霧の人影を召喚し、番人の注意をそちらへと向けさせる。
「ナイス!」
 ドロシーはユキノのファインプレーを称賛し、そして番人の懐へと飛び込む。
 この距離ならば、ヤれる。
「……ひっ」
 ユキノは見た。
 ドロシーの顔に浮かぶ、殺意のみで構成された、あまりにも純粋なその笑みを。
「出し惜しみなしだ」
 魔力が集う。
 ピシピシと、空気が凍る音がした。
「全身全霊、全力全開、全敵標的、全滅必至! 我が怒りの極寒を、髄の髄まで思い知れェェェェェェェェ――――ッ!」
 真の姿をさらしたドロシーの、言葉通りの全力の一撃。
 ミシィッ!
 という音がして、番人の巨体の金色が、一瞬で死の純白に覆われた。
『イ、イ、イ、イラ、シャ……』
「まだ動くか。さすがに頑丈だが、まあいい。ザマァ見ろというものだ」
 ほぼ内部まで凍てついた番人を見上げながら、ドロシーは快活に笑った。
「……怒らせたら怖い人だぁ」
 全て見ていたユキノが、若干の畏怖と共にそう零した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テリブル・カトラリー
…私もいいかげん、此処が真面目に何かを与えてくれるような場所とは
思わんが……まさか私を倒した経験こそが経験値だ。
とかそんなオチじゃないよなぁ……?

気持ちを戦闘に切り替えよう。

胸部、及び腕が脅威と判断。
弾幕をスクラップフィストで武器受けしつつブーストダッシュで接近。

ロケットパンチは発射タイミングを見切りアームドフォートの援護射撃で
勢いを削ぎ、ダッシュからジャンプで勢いを付け、
怪力も使ってスクラップフィストで拳を武器受けというか殴り返す。

腕は最悪壊れてもすぐ戦争腕に換装するので問題無し。
後で修理すれば良い。

拳を殴り返しながら即座に本体向けて戦争腕で鎧無視攻撃を叩きつける。


仇死原・アンナ
…派手な歓迎だね、こうなったらとことん付き合うしかないかな…!
鉄塊剣をゆっくり構えて、他の同行者と共闘して戦闘態勢に入る

「アンタの手厚い歓迎は御免蒙る…!」
[見切り]に[オーラ防御]を重ねつつ【絶望の福音】を使用して敵の攻撃を回避予定

「その無駄に頑丈そうな鎧を砕かせてもらうよ…!」
[力溜め][怪力][鎧砕き]を使用し鉄塊剣を振るって敵を攻撃
敵の鎧を叩き砕いて体力と防御力を削ってゆくよ

無事敵を倒せたら経験値というモノを拝ませてもらおうか

「…これが…経験値?」
きょとんとしながら経験値というモノをまじまじと見つめる

アドリブ、絡みOKです


ブリッツ・エレクトロダンス
さてさて、一旦撤退して…と。
どうしたものか。攻性プログラムは…全機の再構成まで時間がかかるな。
なら、俺の『埒外』を使う時か。

(真の姿を解放。風と雷を纏う)
…ちっ。服の全損は前提でやらなきゃいけねえか。
加速力最大、俺の『本質』がこれだ!疾風神雷(しっぷうじんらい)、シュトルムブリッツ!
高速突撃、そして至近距離から奴に《ハッキング》!
蒸気機械っぽそうな見た目だ、制御を乗っ取るとまでは欲張らないが、各部に不調ぐらいは与えてやる!
…で、事が成功したしないに関わらず、すぐに疾風神雷(シュトルムブリッツ)で離脱だ。
ヒット&アウェイは基本だぜ?



「さて――」
 凍てついた床を、仇死原・アンナが踏みしめる。
「随分と叩き込まれたようだけど、それでも倒れていない。大したものだよ」
 まだ倒れずにいる番人を見上げ、アンナは素直に称賛を口にした。
 無論、その言葉は諦めによるものではなく、これから挑むがゆえの口上である。
「ここまで来たらとことん付き合ってやるさ。――いざ、参る!」
 鉄塊剣を横に構え、彼女は強く地面を蹴った。
 敵が大きいだけに身は低く、そしてできる限り速度は上げて。
 駆け抜けて間合いを潰す。
 速度に乗った鉄塊剣の切っ先が、地面を擦って火花を散らした。
 番人が、自動追尾の弾丸で迎撃に出る。
 しかしアンナはそれらをことごとくかわし、敵の足元へと入り込んだ。
「その無駄に頑丈そうな鎧を砕かせてもらうよ……!」
 踏み込んだ爪先を軽くひねって、直線的だった運動に回転を加える。
 番人の胴体めがけて、重い刃が弧を描き出した。
 直後に、場全体に響くほどの衝突音。大気は震え、地面も揺れた。
「…………くっ!」
 アンナの顔が苦く歪む。手応えが、分厚すぎる。
 ダメージは与えただろう。だが、壊すには至らない。イヤになる堅固さだ。
 ギギギと番人が身を軋ませた。
 大きな拳がアンナへと向けられる。
「本当に、イヤになる」
 だが言葉と共に番人の背中に爆光が瞬き、巨体がかすかに傾いだ。
 テリブル・カトラリーによるアームドフォートの一撃だった。
「手伝おう。一人じゃキツいだろ?」
「助かる。虚勢も張れない程度には厄介な相手だよ」
 アンナとテリブル、今度は二人の女戦士が番人へと挑みかかった。
 前からはアンナ、後ろからはテリブル。
 即席のコンビネーションではあるが敵の表面積が広い分、仲間の攻撃を邪魔する危険性は低い。それを考えれば、そこそこ有効な戦術のはずだ。
「叩いてやるさ。壊れるまで、何度でもな!」
 敵の装甲が分厚いなら、それごと叩いて壊せばいい。
 そんな戦い方を選んだのが、アンナ。
 その一方で――
「叩いてやろう、外も中も関係なくな!」
 重金属のガントレットで敵の硬さに関わらずブチ壊しにかかる。
 そんな戦い方をするのが、テリブルであった。
 アンナが一度叩けば、テリブルが一度待つ。
 そしてテリブルが攻めに回れば、その瞬間はアンナが待つ。
 単調だが、しかし止まらない。
 単純だが、ゆえに合わせやすい。
 二人の女戦士のコンビネーションに、番人はその持ち味を殺されつつあった。
 だが、それで倒せるほどこの敵は簡単ではない。
『イ、ラ、ッシャイマ……、ガ、ガガ……、セー……!』
 ノイズ混じりの声を響かせ、番人はテリブルへとパンチを打とうとした。
 同時に、前面では胸部発射口を展開。白の熱線が放たれようとする。
「「両方、同時に!?」」
 想定外の番人の動きに、アンナもテリブルも愕然となった。が――
「そこで颯爽と俺、参上!」
 何と、側面よりブリッツ・エレクトロダンスが駆け込んできた。
「うおおおおおお、この一撃こそ俺の真骨頂!」
 疾風と稲妻をその身に纏って、繰り出されるはまさしく『埒外』の一撃。
「疾風神雷、シュトルムブリ――――ッツ!」
 巻き起こったのは、爆音だった。
 そのとてつもないほどの衝撃に、番人の装甲がベッコリと凹む。
 直後、棒立ちになった番人の関節部から黒い煙が激しく吹き上がった。
「今だぜ、やっちまえぇぇぇぇ!」
「言われないでも――!」
「――分かっている!」
 動く。
 アンナが動く。
 テリブルが動く。
 共に、今放てる最大最強、全霊にして渾身の一撃をブッぱなす!
 前後から挟むようにして放たれる攻撃だ。逃げ場などあるはずがない。
 ブリッツの特攻に優るとも劣らない撃音が轟き渡る。
「うわっ」
 起きた反動をこらえ切れず、アンナは後ろに跳ね飛ばされた。
 だがすぐ起き上がり、彼女は鉄塊剣を構えようとした。
 感じた手応えはこれ以上なく、されど、やたらタフな相手でもある。
 安堵を感じるのはまだ早い。そう思っていた。
「多分大丈夫だ」
 だが、いつの間にか近くに来ていたブリッツがそんなことを言う。
「見てみろ、終わるぜ」
 促されてアンナとテリブルが敵の様子を確認する。
 番人はその形状を派手に歪ませて、ガクガクと小刻みに震えていた。
『イ、イラ、ラ……、ッシャ、イ、マ…………』
 だが動きが止まると同時、声も最後まで言い切ることなく止まり、半ば凍てついた金色の巨体はほどなくして倒れ伏した。
 音は思ったよりも小さかった。
「…………」
 機能を停止した番人へと軽く一礼し、アンナは言う。
「強敵だった」
「こんなふざけた場所のボスにしては、な」
 そこにテリブルが付け加えて、アンナは「違いない」と苦笑する。
「よーし、お二人さん! お宝見に行こうぜ、お宝!」
「はしゃいでるなぁ」
 見れば、番人が倒れたことで、奥の大金庫も開いていた。
「見に行こうぜ、経験値! いや、期待はしてねぇよ? してねぇけど!」
「明らかに期待してるよね」
「うむ。完全に期待しているな」
 女性二人は実直だった。
「うるせぇな! 俺は先に行ってるからな! 待ってろよ、経験値ー!」
「あ」
 アンナが止める間もなく、ブリッツは開いた金庫の向こうへと走っていった。
「行ってしまった……」
「しかし、経験値か。……まさかとは思うが」
 テリブルが眉根を寄せて小さく唸る。
「何か心当たりが?」
「いや、まさか『このフロアの攻略実績こそが何よりの経験値だよ』なんてことは――」
 その頃、大金庫の中。
「…………」
 ブリッツが無言で震えていた。
 彼の手には、一枚の紙きれがあった。そこにはこう書かれていた。
『このフロアの攻略実績こそが何よりの経験値だよ。おめでとう!』
 テリブル、大正解。
 その後、ブリッツが紙切れを破いて破いて破いて破いて踏んで踏んで踏んで踏みしめてのどが破れんばかりの大絶叫したのは、まぁ、当然の話ではあった。
 ちなみに、他の猟兵達の感想は大体揃って『ですよねー』であったという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月25日


挿絵イラスト