帝竜戦役①〜灯火を胸に
●竜の座へと
その森に棲まうモノは、足を踏み入れた者の魂を啜る。
されど、歩みを止めるわけにはいかない。
牙剥く帝竜ヴァルギリオスは、森を越えた遥か彼方に――。
●猟兵は征く
「それじゃ、向かってもらう戦場について説明するね。皆、準備はいいかな?」
狼耳を一度ぱたりとさせ、グリモア猟兵の影守・吾聞(f00374)は集まった仲間たちへ言葉を続ける。
少年曰く。
此度、猟兵たちの戦場となるのは“魂喰らいの森”、『生物の魂』を喰らう動植物の棲まう森だ。
此処に出現するオブリビオンは『森の番人』と呼ばれ、通常のユーベルコードに『魂を啜る効果』が付加されている。
「前に来たことがある人は、覚えてるかな? 森の番人との戦いには楽しい思い出、幸せな気持ちがとても有効だって」
光を以て闇を祓うように。胸に刻まれた想いこそが、魂啜りの力を跳ね除ける。
ゆえに戦いの際には、楽しい思い出を強く心に念じて欲しいと吾聞は語る。
「けして呑まれないように……きちんと帰って来られるように、ね。現れる敵も、なかなかえげつない奴だから」
敵の名は『呪骨竜アンフェール』
死霊術や呪詛の類を司る竜であり、敗れた者は魂を囚われ、永遠の苦しみを受けながら利用され続けるという。
「アンフェールは、過去に囚えた勇者の霊を使役してくるよ。他にはね――」
魂を呪詛の鎖で縛らんとしてきたり、魂のみを攻撃するブレスを吐いてきたり。
「要は精神攻撃が得意な敵ってわけ。でも、魂啜りの力に対抗できれば、けして勝てない相手じゃない」
帝竜の元へ辿り着くため――前に進んで行くために。
楽しい思い出を、これからも紡いでいくために。
「それじゃ、攻略を始めよう。ミッションスタートだよ!」
藤影有
お世話になっております。藤影有です。
群竜大陸を進むべく、皆様の力をお貸しいただけますと幸いです。。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「帝竜戦役」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●補足
【ボス戦】となります。
プレイングボーナス……楽しい思い出を強く心に念じ、魂すすりに対抗する。
魂啜りへの対応がしっかりと為されていれば、戦闘行動の比率は少なめで問題ありません。
また、思い出の内容や心情面については可能な限り描写させていただきます。
●余談
※この戦場で手に入れられる財宝について。
財宝「魂喰らいの森の核」……最高級の牛肉の味とサボテンの果肉のような食感を持つ球形の核。半径25cm程度で金貨500枚(500万円)の価値。
シナリオ成功に伴い、入手できたものとします(リプレイ中では特に描写しません)。
RPネタにお使いください。
●プレイングについて
OP公開と同時に受付開始します(今回、断章はありません)。
〆切予定等はMSページをご確認いただけますと幸いです。
それでは、皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
第1章 ボス戦
『呪骨竜アンフェール』
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POW : ソウルプリズナー
【魂を囚われた勇者】の霊を召喚する。これは【武器】や【魔法】で攻撃する能力を持つ。
SPD : イーヴィルアイ
【魔眼から放たれる怪光線】が命中した対象を爆破し、更に互いを【魂を縛る呪詛の鎖】で繋ぐ。
WIZ : ミアズマブレス
【呪詛】を籠めた【ブレス】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【魂】のみを攻撃する。
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番野・狛人
・「魂喰らいの森の核」…つまりはドラゴンステーキだな! よし、船の皆も楽しみにしてるから頑張るぞー!
・楽しい思い出かぁ。正直、今は思い出が1秒ごとにできてるような状態なんだよな。グリードオーシャンを旅する船に乗って、楽しい仲間との他愛のないお話とか、同業者さんとの交流、そしてこの依頼も含めての冒険の数々! 啜った先からどんどん溢れてくるから、覚悟しとけー!
・戦闘は【闘犬モード】で力こそドカーン!(同僚の座右の銘)で行くぞ。空を飛んでもこのモードなら追いかけられるし。「勇気」を以って対峙し、「野生の勘」で攻撃を避け、弱点を探って霊魂も竜も関係なく「怪力」で殴る! 待ってろ、ドラゴンステーキ!
●
(「船の皆も楽しみにしてる。頑張るぞー!」)
死の具現の如き竜を前にしようと、番野・狛人(f26134)は臆さない。
思い馳せるは“魂喰らいの森の核”のこと。
果たして、勝ち取った勝利の味は。皆で齧り付くそのひと時は――。
(「……と、まずは」)
存分に味わうためにも敵を討ち果たし、生きて帰らねばならない。
たとえ、かつての勇者と相まみえることになろうとも。
呪骨竜と狛人の間に立ちはだかるは、巨漢の拳士の霊魂。
振り被られる拳。其を迎え撃つは、純粋な力。
「ブルドッグマン、闘犬モード! うらあああ!」
黄金のオーラを身に纏い、狛人は強く地を蹴った。
ヒーローたる青年と囚われし魂、二人の拳がぶつかり合った刹那。
(「……っ!?」)
心の臓をぐっと掴まれるような感覚。
恐怖か、絶望か、空虚か――死か。
ふと途切れかける狛人の意識を繋ぎ止めるは。
潮の香り、波の音。
風を受け走る武装商船。
甲板には今日も、皆がいる。
他愛ない話、冒険の日々。
まだまだ、さらなる思い出を。
「負けて、たまるかあああああ!!!」
青年の咆哮とともに黄金のオーラが輝きを増して、拳士を徐々に押し返し――消し飛ばす。
敗れ消えゆく勇者の魂は、満足げに笑っていた。
「呪骨竜、覚悟しとけー!」
すかさず空へと上がり、狛人は竜へ牙を剥く。
迷いなく、真っ直ぐに。
「霊魂だろうが、竜だろうが――力こそ、ドカーン!!!」
竜の顎を強かに殴りつけた!
大成功
🔵🔵🔵
オーガスト・メルト
楽しい思い出ね…そりゃ、苦労して倒した竜の素材で新しい武器を作った時さ。
強敵がオブリビオンとしての呪縛から解放されて俺たちの力となってくれる。
武器に込められた竜の権能を見てるとそんな気がするんだ。
【POW】連携・アドリブ歓迎
デイズは肩に乗って待機だ。『うきゅー』
ナイツはバイク形態になって飛行して戦うぞ。『うにゃー』
敵と、敵のUCで召喚された霊たちの攻撃を【見切り】つつ回避行動。
出来る限り霊たちをまとめてUC【赤光断雷】で消去したい。
霊たちの守りが失せたらデイズをランス形態にして【ダッシュ】して敵竜へと【ランスチャージ】!
さあ、お前の素材と権能…俺が責任もって貰い受けるぞ。
●
「デイズは待機だ。ナイツ、頼んだぞ」
「うきゅー」
「うにゃー」
オーガスト・メルト(f03147)の指令に応じ、黒竜のナイツはバイクへ姿を変える。
素早く騎乗し、己の肩にちょこんと白饅頭が――もとい、デイズが鎮座したのを確認し。
「さあ、お前の素材と権能……俺が責任もって貰い受けるぞ」
呪骨竜を討つべく、いざ戦場へ。
*****
空よりの襲撃を試みたオーガストを、黒馬を駆る騎士の霊魂が迎え撃つ。
漆黒の刃が向けられると同時、青年の背筋に冷たいものが走る。
胸の奥から湧く絶望感、強大に過ぎる敵を前にしたかのような感覚。
されど。
(「……上等だ!」)
オーガストは、笑う。
彼にとって強敵とは、己の新たな力と成り得るもの。
かつても苦労して竜を討ち、其を素材として武器を作った。
オブリビオンとしての呪縛から解放された竜は、今は権能宿す武器としてオーガストに力を貸してくれている。
この呪骨竜も、きっと。
「デイズ、振り落とされるなよ……ナイツ!」
ハンドルを切り返し、迫る刃から距離を取る。
旋回のち、抜刀。
刀身に宿る色は、赤。
「我が抜刀に……」
一閃。
魔刃が空を裂き、蠢く霊魂たちを浄化していく。
「……滅せぬものなし」
消え行く騎士の魂が小さく頷き――呪骨竜への道は切り開かれた。
「デイズ、出番だ!」
白竜が変じた槍を手に、オーガストは真っ直ぐに駆けていき。
呪骨竜の翼の付け根へ深々と突き刺した。
大成功
🔵🔵🔵
薬師神・悟郎
強敵を相手に少しも恐怖がないわけではないが、恋人との思い出を胸に立ち向かう
アックス&ウィザーズの森で初めて二人で過ごしたこと
俺を見詰める彼女はとても美しかった
今の俺はその時に彼女から贈られた祈りで守られている
だから、貴様如きに負けるわけがないだろう
暗器を複製し破魔や麻痺毒の属性攻撃の雨を図体のでかい奴の体全体に降らせ、先制攻撃
俺はその隙に目立たないよう闇に紛れ、同時に殺気で注意を誘き寄せながら、怪光線の対象を残像へ逸らす
「その魔眼、封じさせてもらう」
上手く残像へ対象を移せれば、怪光線を発射したすぐ後に奴の目を狙い暗殺、部位破壊
最愛の恋人を想い戦う今の俺は絶好調だ
止められるものならやってみろ
●
身体を砕かれ、呪骨竜が呻く。
戦場を睨め付ける妖しき魔眼に、猟兵への殺意が満ち満ちる。
「……っ」
薬師神・悟郎(f19225)の手に、我知らず力が籠もる。
強大な敵を前に、僅かながらも感じる恐怖。
戦う者として、生き物として。それはごく自然なことであるが。
(「畜生……俺は……」)
魂啜りの効力であろうか。
すうっと黒いものが湧き出すように、恐怖の量を増していく。
勝てるのか、果てるのか。
もし果てることになれば、“彼女”にはもう――。
(「そうだ、俺には」)
彼女がいる。
此の世界で彼女と共に、どれだけの輝きに出会っただろう。
あの日、あの森で初めて二人で過ごして。
翠の瞳と祈りが、常に胸の奥にあって。
「……負けるわけがない」
小さく呟いて暗器を手繰る。
悟郎の心に、迷いは無い。
*****
呪骨竜に降り注ぐ雨――否、其は体を蝕む麻痺毒。
じゅうっと何かが焦げるような音がし、骨だけの身体が痙攣する。
付与した破魔の力も手伝って、毒の侵食効果は絶大。
竜がいま動かせるのは視線のみ。
ゆえに、視界に囚われる前に。
「封じさせてもらう!」
巨体を駆け上がり、死角から忍び寄り。悟郎は竜の片眼を抉る。
心に愛を、竜に刃を。
恐れるものは何もない。
大成功
🔵🔵🔵
御狐・稲見之守
神様の看板なんて背負ってると友人なんてモノに恵まれんでナ。そこに初めて出来たヒトの友人。共に冒険したり、バレンタインに騒いだり、温泉行ったりナ。ああ楽しい思い出じゃ。
さ、竜退治の土産話でも持って帰るとするか。
[UC呪繰り][呪詛耐性]ふふっ悪いナ、呪詛の類はワシも少ぅしばかり覚えがあってナ。そら、ブレスのお返しじゃ……[催眠術][精神攻撃][呪詛] 汝我が云いに抗うこと能わず――”動くな”
さ、それでは彼奴の体に触れて[生命力吸収]……その呪詛ごと喰らうとしよう。
●
呪骨竜が、ごうっと吠える。
繰り出される息吹に込められるは、呪詛。
呑まれてしまえばきっと、魂を啜られ、取り込まれる。
されども、御狐・稲見之守(f00307)は動かない。
「我、呪に交わる黒き色也」
己が身を漆黒の呪詛で塗り固め、真正面から受けて立つ――。
一面の黒。
妖狐の小さき身体は今や、深い深い闇の中。
それでも、稲見之守は自我を保っている。
何故なら。
(「ふふ。竜退治の話をしたら、あの子はどんな顔をするか」)
心に浮かべた存在が、彼女の灯たるゆえだ。
神の看板を背負う運命の中、初めて出来たヒトの友人。
共に冒険に出かけて、バレンタインの際には存分にはしゃいで。
温泉に行った時は、初な一面も見せてくれて。
そんな彼女に、土産話を持って帰らんと。
「ふふっ悪いナ、呪詛の類はワシも少ぅしばかり覚えがあってナ」
闇の中、金銀の瞳が妖しく光る。
「そら、お返しじゃ……汝我が云いに抗うこと能わず――”動くな”」
息吹が一点に収束し――ごうっと音を立て跳ね返り。
竜が眼を見開いた刹那、其の骨の身体を蝕んでいく。
返された呪詛は既に竜の権能でなく、稲見之守が操るそれ。
闇より抜け出した現人神は、動けずにいる呪骨竜につかつかと歩み寄り。
「さ、それでは……いただくぞ」
力を奪い取るとともに、己が贄と成す。
大成功
🔵🔵🔵
日野・尚人
あーちゃん(f06524)と参戦【SPD】
なるほど・・・
魂啜りの力を跳ね乗けるには楽しい思い出や幸せな気持ちが必要なのか。
楽しい思い出・・・
あ、俺ん家とあーちゃん家、みんな揃っての旅行はいつも楽しいよな♪
遊園地や動物園、海に山、キャンプとか温泉にも行ったっけ!
あれもこれも楽しい思い出だけど・・・って、待てよっ!ガキの頃の話だろ、それっ!
あ、でも・・・
(改めて隣に立つ幼馴染を見る)
そっか!特別だけど特別じゃないんだな!
(幼馴染たちと過ごす日常こそが自分にとって楽しく幸せなのだと気付いた)
よーし!行くぜあーちゃん!
あーちゃんと一緒なら何処でも大丈夫!
俺たちのとっておき(UC)をぶちかましてやるぞ♪
アイシャ・ソルラフィス
尚くん(f01298)と一緒に【SPD】で参加します
そうだね~尚くん
海で義妹と3人で一緒に泳いだり
山でボクと尚くんが遭難して、おばさまたちに怒られたり
町内のお祭りのときは、寝ちゃった義妹を、尚くんが背負ってくれたり…
ああ、そうそう! 温泉のときは… ボクが入ってる女湯に、尚くんが突撃してきたんだよね
………。
ねぇ尚くん?
他はともかく女湯の一件を「良い思い出」というのは、ボクはどうかと思うな?
でもまぁ、いつも一緒にいてくれて、うれしかったんだよ…(照れ
戦闘になったらユーベルコードを使用して、空を飛んで『見切り』で光線を避けながら『全力魔法』+『属性攻撃』+『高速詠唱』を叩き込むよ!
●
日野・尚人(f01298)とアイシャ・ソルラフィス(f06524)。
幼馴染の少年少女と相対するは、奇しくもよく似た職能の霊魂らであった。
「あーちゃん!」
「任せて、尚くん!」
精霊杖・irminsulを掲げ、アイシャが起こした護りの風に背を押され。
尚人はナイフとハンドガンを手に、剣士の霊魂へと迫る。
きぃんと金属音が響く背後で、術士の霊魂が虚ろな瞳を細め――闇の魔弾を撃ち出した。
「やらせない!」
尚人を狙った一撃を、アイシャの光の魔弾が撃ち落とし。
「くっ……負けるかぁ!」
力で勝る剣士の刃を、尚人は技を以て受け流す。
一進一退、互角の戦い。
尚人と剣士との鍔迫り合いが一度解かれた時、それは起こった。
(「……!? 何? すごく、嫌な気配が」)
アイシャがいち早く気付いたのは、彼女が聖なる者たるゆえであろうか。
霊魂らから殺気とはまた別の圧が放たれる。
静かで、不安で、怖くて、昏い。
少年少女を包むは、純粋な絶望感。
「……あーちゃん」
「尚、くん」
互いの名を呼び、身を寄せる。
このまま二人とも闇に溶け、魂を――。
*****
「なあ、あーちゃん」
「うん?」
「俺ん家とあーちゃん家、みんな揃っての旅行はいつも楽しいよな」
「ふふ、そうだね~尚くん」
互いの温もりを感じ、少年少女は微笑んだ。
「海でシェイと3人で一緒に泳いだり。山でボクと尚くんが遭難して、おばさまたちに怒られたり」
「あったあった! 遊園地や動物園、海に山、キャンプとか温泉にも! いろんなとこ行ったっけ」
二人で紡ぐは、他愛ない日常の話。
命が危ういはずの状況なのに、いつもと同じ穏やかさで。
「町内のお祭りのときは、寝ちゃったシェイを、尚くんが背負ってくれたよね。ああ、そうそう! 温泉のときは……ボクが入ってる女湯に、尚くんが」
「……って、待てよっ! ガキの頃の話だろ、それっ!」
いつもと同じ、それはすごく幸せで。
闇の中でも、明るく温かい。
「あ……そっか」
「どうしたの、尚くん?」
「俺、気付いたよ。あーちゃん」
幼馴染たちと過ごす日常こそが、自分にとっての道標。
特別だけど、特別じゃない――とてもとても大切なもの。
顔を見合わせ、二人は笑う。
「あれもこれも良い思い出だ!」
「……ねぇ、尚くん? 他はともかく、女湯の一件は」
「と・も・か・く! あーちゃんと一緒なら、何処でも大丈夫だろ! 今までも、これからもさ」
「……うん」
闇が、晴れる。
*****
「よーし! あーちゃん! 俺たちのとっておき、見せてやろうぜ!」
「うん♪ ボクと尚くんとなら、誰にも負けないんだから!」
少年少女が地を蹴るはほぼ同時。
互いを想う愛の力は、空を駆ける翼と成る。
「ボクたちの邪魔をしないで!」
空に上ったアイシャは、眩い光の雨を地に降らす。
剣士と術士の霊魂が光に呑まれ――安らかな表情で消えていった。
二人の行く手を阻むモノは、もういない。
「行くぜ! ぶちかます!」
得物を強く握り直し、尚人は呪骨竜へと真っ直ぐに迫りゆく。
その背を守らんと見つめるアイシャの頬が、我知らず紅に染まる。
(「いつも一緒にいてくれて、本当にうれしいんだよ?」)
竜に刃を突き立てる少年の背中は、どうしてかいつもより広く見えた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
天方・菫子
よし、竜退治だねっ
あたしの妖剣の力、とくと見よ!
この妖剣はあたしが猟兵になったときに一緒にいた剣
里の守り神であり疫病神だった剣
でもね、この剣があたしを選んでくれたときに
妖剣があたしに話してくれた気がするんだ
「あなたと一緒に旅がしたいの」って
隠れ里で育ってきたあたしはね、とっても嬉しくって!
一緒に世界を回ろうって里を飛び出した
それから毎日楽しいことだらけでね
妖剣に振り回されたりもするけど恋しい人もできた
だから、お前なんかには負けられないんだ
UC使用 怪光線をくぐり抜け、一気に衝撃波で切り刻むっ
あたしの「楽しい」はまだまだ続く
あたしはお前には負けたくない!
アドリブなど歓迎です
●
愛刀・花散里をすらりと抜いて、天方・菫子(f17838)は呪骨竜へと駆け出す。
その巨体の足元から、一気に駆け上がり、刃を突き立てんとするが。
「……っ!」
殺気を感じて反射的に後ろに跳べば、艶やかな黒髪の先を掠めて怪光線が通り過ぎていった。
すうっと背筋が寒くなる。
もし、ほんの一瞬でも反応が遅れていたら。
(「きっと、やられていた」)
見上げた竜の瞳が、歪む。
まるで、小さき存在を見下しているかのよう。
数多の勇者の魂を囚えた、あまりにも強大な敵。
果たして、勝てるのか。
胸の奥から滲み出す黒い感情を抑えながら、それでも少女は得物を構える。
すると。
主に応えるかのように、妖刀が煌めき――すっと心が軽くなる。
(「ああ、そうだ。そうだったよね」)
ずっと一緒だった。
菫子が猟兵となった、あの日から。
里の守り神であり疫病神でもあった花散里に選ばれた時、確かに声が聴こえた気がした。
『あなたと一緒に旅がしたいの』
隠れ里で育った少女にとって、どんなに嬉しかったことか。
里を飛び出してのち、妖刀を振り回し、時には逆に振り回されながら。
世界を巡る楽しい冒険の日々の中で、恋しい人にも出会えて。
(「だから、負けられない。負けられないんだ!」)
ここで終わることなんてできないから。
自分と花散里の楽しい旅は、まだまだ続くのだから。
「……あたしは」
息を深く吸って、吐く。
「お前なんかに負けない!」
魂の叫びとともに、菫子と花散里とが一体になる。
それは、寿命と引き換えの解放。
「あたしと花散里の力――」
一瞬に全てを込める、命懸けの力。
「――とくと見よ!」
構え、振り下ろし、放つ。
動作は一瞬、唸るは剣圧。
生み出された衝撃波が、竜の翼を激しく薙ぐ。
狙った花を必ず散らす。
妖刀の銘の前に、呪骨竜の命運も定まりつつあった。
大成功
🔵🔵🔵
シャルロッテ・ヴェイロン
ドラゴン退治はRPGのお約束。そして今回の戦争は、最後の地からラストダンジョンに向かうようなものですか。では――
心に浮かぶはゲームにまつわる思い出――
本編クリアや実績コンプした時の達成感――
ゲーム大会において強敵と対決した時の緊張感、そして勝利した時の高揚感と爽快感――
そして何より、プレイしているときの純粋な楽しさ――
それらの思い出を胸に――「さあ、ゲームを始めようか」
〇戦闘
敵のブレスを【見切り】つつ、攻撃プログラムを撃ち込む(【先制攻撃・2回攻撃・戦闘知識・一斉発射・乱れ撃ち・誘導弾】)。相手は呪詛であるならば、こちらは神聖属性でいってみる。
※アドリブ・連携歓迎
●
竜退治と聴いて、さて人は何を思うか。
とある者は神話伝承として語り継がれる浪漫を感じ。
また別の者は御伽噺に過ぎぬと笑うかもしれない。
――では、ゲーマーの場合はどうだろう?
(「RPGのお約束だな。さながら此度の戦いは、ラスボスに挑むべく最後のダンジョンを攻略していく……そんなところか」)
呪骨竜と相対したシャルロッテ・ヴェイロン(f22917)が心に浮かべるは。
ストーリークリア、実績コンプ、困難を乗り越えて成し遂げる達成感。
強敵と対峙する緊張感。
勝利を収めた際の高揚感、爽快感。
そして何よりも、夢中でプレイしている時の純粋な楽しさ。
「……さあ」
電脳世界での強敵(トロフィー)は、今まさに目の前に。
竜が吠え、息吹が迫る中――少女は、笑う。
「ゲームを始めようか」
呪詛の広がりゆく領域を見定め、シャルロッテは範囲外へと身を滑らせる。
もしもまともに食らえば、ひとたまりもないであろう。
リアルに感じる命の危機。
それでも彼女は笑みを崩さない。
(「次はモーションの時点で回避に移り、安置。そこからであればカウンターを撃ち込める。属性は……呪詛が相手なら、神聖!」)
攻略している今この瞬間が“楽しい”から。
ひゅうっと竜の呼吸音。
二発目が来る前に、たっと駆け出すシャルロッテ。
迫りくる呪詛、されど少女が動いた位置には届かない。
今こそ、反撃の好機。
「――攻撃プログラム展開!」
起動、実行、具現。
さながら天使の翼の如く、少女の背後に光槍が出づる。
びしりとターゲットを指差せば、それで十分。
一斉に飛んだ光槍が、呪骨竜の身体を次々と穿つ。
大成功
🔵🔵🔵
アルバ・ファルチェ
【月と狼】
楽しいとか幸せって二人と一緒に居られるだけで十分。
強いて言うならクリスマスを一緒に過ごしてお揃いのスノードームやオルゴールをプレゼントされたり…楽しい時間を分かち合えたのが凄く幸せだったなって。
僕は好きな人達が笑顔だと幸せだよ。
これからも一緒に笑顔咲く思い出を作って行きたい。
そのためにも頑張らなきゃ、ね。
魂を囚われて使役されるなんてきっと無念だよね。
UCで無念の思い…魂を捕らえるモノを斬るよ。
【祈り】を込めた【属性攻撃:破魔】を【全力(魔法)】で…これって【救助活動】の一環になったり…はしないかな。
ユエちゃんのセリフには『仰せのままに』ってウインク付きで返す。
『セラ、やるよ!』
月守・ユエ
【月と狼】
2人と紡いだ楽しい思い出あるよ!
クリスマスを一緒に過ごし
歌を一緒に歌ったり…あとは綺麗な夜空の下で流れ星を探した事もあった!
とても温かで、思い返せば笑顔になれるの
胸に手を当てて幸せを強く想う
うん、もっと思い出作りたい
皆で笑って、また楽しいを積み重ねていきたい
その為にこの世界を絶対守る
また明日、思い出を作るために!
そして…囚われてるその魂達
解放してもらう
死者の魂を武器にするのは赦さない!
高速詠唱/UCを歌う
全力の歌で皆を護り、助ける
スピーカーを仲間の所へ飛ばす
音の波紋オーラを放ちオーラ防御で攻撃から仲間を護る
同時に呪詛を織り交ぜ
この歌を聴く敵の命を削る
あとは任せるね
アルくん、セラくん!
セラータ・ファルチェ
【月と狼】
楽しい思い出…
クリスマスに出かけた時のことだったり
この間仕事帰りにアルと従妹と一緒に市場に行ったことだろうか
もちろん、貰ったプレゼントは部屋に大事に飾ってある
あぁ
俺も色んな思い出を作りたい
大事なやつらが幸せに笑っていればそれで十分幸せだ
それを壊そうっていうなら…俺がお前を壊す
死んだやつの魂を…弄ぶんじゃねえ!
盾の騎士としての信念から低く唸り、敵へ咆える
【気絶・マヒ攻撃】と【制圧射撃】で此方が動きやすいように敵を追い込む
複数いるなら【範囲攻撃】を使用
ユエの台詞には
『姫の仰せのままに』と胸に手を当てて返し
アルにも
『ん、了解』と返そう
●
人狼騎士の兄弟、セラータ・ファルチェ(f03368)とアルバ・ファルチェ(f03401)。
二人と剣を交えるは、同じく騎士の霊魂が二柱。
兜に隠れて顔の判別はできぬが、盾に施された意匠は全く同じ――それだけで、霊魂らが近しい関係にあると分かる。
(「魂を囚われて使役されるなんて」)
命のやりとりの中にあれど、アルバの心はちりりと痛む。
「死んだやつの魂を……弄ぶんじゃねえ!」
セラータも同じ気持ちであろう。
振り絞るかのような咆哮の色は込められた信念のみならず、何処か悲痛な面持ちで。
続く剣戟の音すらも、まるで悲鳴のよう。
繰り広げられるは誇り高き騎士の果し合いでなく、ただただ哀しき殺し合い。
殺るか、殺られるか。
喰うか、喰われるか。
剣を振るう度、荒みゆく兄弟の心に。
「アルくん、セラくん!」
光を灯したのは、月守・ユエ(f05601)の声であった。
*****
「ねえ、思い出して」
一緒に過ごした時を、どうか。
連れ立って聖夜に出かけたり。
声を合わせて歌ったり。
仕事帰りに市場に寄ってみたり。
「お揃いのスノードームやオルゴール……はは、そうだった。あの時はすごく幸せだったなあ」
「俺も。……貰ったプレゼント、部屋に大事に飾ってある」
「ふふ。夜空の下で流れ星を探したりもしたよね!」
思い返すだけで、とてもとても温かい。
「もっと思い出作りたい。皆で笑って、また楽しいを積み重ねていきたい」
胸に手を当て微笑むユエの言葉に、兄弟もまた。
「あぁ、俺も色んな思い出を作りたい」
「僕だって。これからも一緒に、笑顔咲く思い出を作って行きたいな」
剣を取るは、未来を切り開くため。
盾を持つは、大好きな人の笑顔を守るため。
「この世界を絶対守る。また明日、思い出を作るために!」
――姫の仰せのままに。
胸に手を当て生真面目に応える兄、悪戯っぽくウインクする弟。
二人の騎士と姫との誓いは、此処に成された。
*****
戦場に妖しげな光が振る。
竜の視線から放たれた其は、霊魂らごと猟兵を呑み込まんと荒れ狂う。
「――この聲が潰れるまで、この命が尽きるまで」
されど、ユエがそれを許さない。
紡ぐ言の葉を以て、響きを以て、全てを包み護り抜く。
さながら夜闇を照らす月明かりのように。
怪光線が途切れるとともに、呪骨竜が低く唸る。
思い通りにならぬ悔しさであろうか。
それとも、歌にひそりと込められた命を削る呪いによるものか。
いずれにせよ、猟兵たちにとって今こそが好機。
「セラ、やるよ!」
「ん、了解」
星剣を構えるアルバ、矢を番えるセラータ。
二人の間には、短いやりとりのみで十分。
「未来を壊そうっていうなら……」
番えた矢が放たれるは、竜の顎の内側目掛け。
「……俺が、お前を壊す」
風を切る音がした刹那、セラータの矢が敵を射抜く。
苦痛に暴れ回る呪骨竜――今ならば“救う”邪魔も出来はしまい。
「僕が、僕らが全てを守る……だから」
どうか、安心して眠れますように。
アルバの祈り込めた一閃が、霊魂の呪縛を断ち切って。
――どうか、未来を。
――どうか、笑顔を。
声が届いた時には、騎士の魂たちは姿を消していた。
大成功
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フェルト・ユメノアール
道化として『パフォーマンス』をしていた時のお客さんたちの笑顔、煌びやかな舞台
それを脳裏に思い浮かべ魂すすりに対抗する
ボクはボクらしく、いつも通りやるだけさ!
さあ、ボクたちの舞台を始めよう!
近接攻撃を喰らわないようにステップで距離を取りながら『トリックスターを投擲』して相手を牽制
勝負は一瞬、相手がUCを発動したその瞬間……
その攻撃を待っていたよ!現れろ!【SPミラーマジシャン】!
そして、ミラーマジシャンのユニット効果発動!
相手の放った怪光線を鏡で反射する!<魔鏡反射>!
反撃に相手が怯んだ隙に間合いの内側まで一気に接近
相手の体を踏み台に飛び上がり、頭部にトリックスターを突き立てる!
●
追い詰められし竜が、なりふり構わず暴れ回る。
戦場を薙ぐ尾を、大きく羽ばたく翼を。
フェルト・ユメノアール(f04735)は体捌きを駆使して躱しつつ、金色のダガーを投擲して呪骨竜をじわじわと削っていく。
道化師たる彼女にとって、軽業はお手の物。
戦場を飛び回り、伺うは敵の一瞬の隙。
どうにか間合いに入り、重い一撃をお見舞いできれば――。
「……!」
チャンスは、ピンチとともに齎された。
フェルトを捉えた竜の眼が妖しく輝き、怪光線が繰り出される!
*****
竜の視線が語る。
逃げ回っても無駄であると。
全ては無へといずれは還り、何も残らぬのだと。
されど。
(「無駄なんかじゃ、ない……だって」)
迫り来る絶望に、フェルトは決して屈しない。
「お客さんも、ボクらも。みんな、みんな。心から笑ってたから!」
ステージの上で見つけた輝きは、確かに胸の奥に残っているから。
*****
怪光線が少女を呑み込まんとした刹那、道化師の舞台は幕を開けた。
「さあ、楽しいマジックショーの始まりだよ! 現れろ! SPミラーマジシャン!」
弾む声とともに、怪光線が一点で止まり――反射する!
竜が目を眩ませている間に、フェルトはその巨体を駆け上がり。
「短いけど、これにて閉幕。楽しんでくれたかな?」
ぐさりと頭頂部にダガーを――“トリックスター”を突き立てる。
すたっ、と着地し、一礼するフェルト。
幕を下ろすその時まで、彼女はいつもの彼女らしく。
●解呪
ふわり、ふわり。
呪骨竜の斃れし戦場跡に、蛍火の如く霊魂が舞う。
猟兵たちを優しく取り巻いていた光はやがて、空に昇って消えていき――残るは、穏やかな静寂のみ。
未来は、想いは守られて。
一歩、竜の座に近づいた。
大成功
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