#ダークセイヴァー
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ねぇ……貴方は、隣のその人のことを刺す?
それとも、向けられた刃や牙で刺される?
折角の宴ですもの、目一杯ドレスアップしていらして。
そして宴にご参加頂けるのならばまず、赤か青――どちらかを選んで頂戴ね。
だって、お嫁に行く日には、一等素敵な血の香水を身に纏いたいもの。
驚きの青や絶望の赤に彩られたそれはきっと、とっても綺麗だと思うから。
●赤か青か
「刺すか、刺されるか……皆には今回、オブリビオンの洗脳に敢えてかかって貰うことになる」
筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は集まった猟兵達に礼を言った後、視えた予知の内容を語り始める。
「ダークセイヴァーのオブリビオンの多くは支配者として君臨しているが、中には、己の正体を隠して潜伏しつつ、好き勝手に振る舞う者もいる。そして今回はそんな潜伏したオブリビオンの正体を突き止める機会が巡ってきた」
その機会とは、ある奇妙な参加条件がある宴が開かれることが予知されたのだ。
そして、その参加条件とは。
「ドレスアップし、二人組、もしくは使役している相棒と共に宴が催されるオブリビオンの屋敷へと赴き……赤か青、振舞われるウェルカムドリンクをひとつずつ、必ずどちらか口にすること、なのだという」
宴へは、二人組、もしくは人でなくとも使役していたり共に在る相棒とともに、でなくてはならないという。
そしてそれぞれ、赤と青の色をした、2種類のウェルカムドリンクが振舞われるので。
ふたりでひとつずつ、必ず口にしないと宴には参加できない。
赤と青、どちらとも分け合って口にしようとしたり、共に参加する者同士が同じ色のドリンクを飲んだりしようとすれば、宴への参加すら叶わないだろう。
「この飲物は、青は普通の飲み物だが。赤は、洗脳効果があるものなのだという。まずは宴が行われ、そして宴の後、各組ごとに客室へと案内されるというが。屋敷に鐘の音が鳴った瞬間、それを合図に、赤のドリンクを飲んだ者は、目の前にいる者を敵と見做し襲うよう洗脳がかけられているのだという。参加は二人組か、もしくは精霊や動物などの使役しているものと一緒でも可能のようだ。宴は立食パーティー形式で、主催者であるオブリビオンはこの時点ではまだ姿を現さない。だが警備も厳しく、主催者も何処かから見ているだろうので。指定されたウェルカムドリンクを口にした後は、気取られぬよう周囲を窺い情報収集などしつつも、用意された食事や甘味、歓談を楽しむような振る舞いをまずはして欲しい。あとは着飾ってきて欲しいともあるので正装して臨んでもらうことになるが、衣装は皆の指定したものを用意するので、自前のものがなくても心配はない」
だが、何故このような宴が催されるのか。
「黒幕のオブリビオンは花嫁のような風貌で、人の血で香水を作ろうとしているようだが。どうせ血を採取するのならば……共に宴に参加したはずの者から襲われるという驚き、そして共に参加した者を襲ってしまったという絶望……または、使役している存在に牙を剥けられ殺されるという驚愕、そんな驚きや絶望に染まる姿を眺め見たいと、そういう理由のようだ。さらに、参加者が互いに傷を負ったところに黒幕は現れ、どちらも殺して血を採取しようとする魂胆だという」
洗脳は一般人ならばなかなか解けないだろうが、猟兵は一定時間が経てば解けるだろう。
しかしながら、赤のドリンクを飲んだ者は、洗脳されている時間は本気で相手へと襲い掛かってしまうし。青のドリンクを飲んだ方は、それを洗脳が解けるまで迎え撃ち、持ち堪えなければならない。声掛け等すれば多少は洗脳が解けるのが早まるかもしれないが、洗脳には決して抗えず、必ず合図があれば赤のドリンクを飲んだ者は相手に襲い掛かってしまうという。
ドリンクを指定通り飲まなければ宴の参加すら不可能であるし、飲んだ振りなども通用せず、そうなれば黒幕が姿を現さないだろう。
なのでまずは敢えてオブリビオンの思惑に乗り、姿をまんまと現したところを倒して欲しいというわけだ。
「猟兵同士が刃を交えることになるのは心苦しいが……これも敵を誘き出すため。皆ならば気取られぬよう敵を誘き出し撃破してくれると信頼している」
清史郎は、よろしくお願いする、と改めて頭を下げてから。
掌に満開咲かせ、赤と青の宴が催される世界へと猟兵達を送り出すのだった。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いします!
※ご連絡※ 第1章のプレイングは、4/17(金)朝8:31より受付開始します。
それ以前に送信のものは流れる可能性があります。
今回のシナリオの内容は以下となっております。
第1章:ドレスアップ・ビフォー・アフター(冒険)
第2章:ひとつの試練(冒険)
第3章:純血の胡蝶(ボス戦)
1章2章は、POW/SPD/WIZは参考程度に行動いただいてOKです!
次章で真の姿ご希望の方は、プレイング冒頭に「☆」と記していただければ。
その際、ご同行の方も仕様上、同じ判定となりますことご了承ください。
第1章では、着飾って立食パーティーに参加していただきます。
まずは【どちらが赤を、どちらが青を飲むのか】必ずご指定下さい。
使役する精霊や動物との参加の場合は、基本襲われる青の方を飲んでいただくことになり、相棒に赤を飲ませることになりますが。
やりたいことがあれば、ご自身の方が赤をご指定いただくことも可能です。
ウェルカムドリンクはノンアルコールで、味は美味しいようです。
赤の洗脳効果以外の副作用や身体に害はありません。
気取られぬよう宴の食事や歓談を楽しんだりしてお過ごしください。
衣装もお好みのものをご指定できます。
第2章は、宴後、各組ごとに客室へと移されます。
そして合図後、赤を飲んだ方が洗脳にかかり、青を飲んだ方を殺さんとします。
洗脳はじきに解けますが、それまでは同行者や使役との戦闘に必ずなります。
公序良俗に反する事、他の人への迷惑行為、未成年の飲酒は厳禁です。
第2章第3章の詳細は、前章の結果を受け、追加OPを記載します。
締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。
●お願い
今回は、お二人もしくはお一人+使役などの相棒、での参加推奨です。
同行者の【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】のご記入をお願いします。
おひとり参加の場合は、一緒に宴に参加する使役などの詳細記入をお願いします。
ご記入ない場合、今回は内容上、返金とさせていただく可能性もあるで、お忘れなく。
またお二人参加の場合は失効日の関係上、同行者と送信タイミングが離れすぎていたり、ご指定の同行者が参加していない場合も返金となる可能性もあります。
可能な限り皆様書かせていただきたく思っています。
どうぞお気軽にご参加ください!
第1章 冒険
『ドレスアップ・ビフォー・アフター』
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POW : 肉体や強靭な精神を引き立てて美しくなってみる
SPD : 凝った装飾や軽やかな仕草で美しくなってみる
WIZ : ミステリアスさや神秘さを引き立てて美しくなってみる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
灰神楽・綾
【梓(f25851)と】
黒スーツに赤ワイシャツ
サングラスしたままだと何だか
お客というより警備員みたいだよねぇ
ドリンク:赤
見てみて、血みたいな綺麗な赤色
どっちが洗脳されるとか関係無く
俺なら好きな色の赤を選ぶだろうね
もし梓が俺を殺しにかかってきたら
きっと俺だと本気で殺し合いに興じて
収拾つかなくなっちゃうだろうからね
それに君なら何とかしてくれるでしょ?
…ん、美味しいねコレ
もう一杯飲みたいかも、なんてね
焔って何でも食べるよねぇ
ドラゴンって雑食なのかな?
と焔にはいあーんと食事を分けてあげつつ
自分も好物(激辛料理)を取って食べる
焔、しっかり食べて力付けて
いざという時はちゃんとご主人様を守ってあげるんだよ
乱獅子・梓
【綾(f02235)と】
白スーツに黒ワイシャツ
可能ならグラサンはそのまま
これが無いとどうも落ち着かない
ドリンク:青
綾が洗脳されるのが分かっていて
赤を飲ませるのは複雑な気持ちだが…
しかしこいつのお守りをする立場の自分が
洗脳されて襲いかかるというのはプライドが許さん
まぁ綾本人に殺されかけるようでは
この先とても守りきれないだろうからな
俺に任せてお前は今のうちに楽しんでおけ
(…本音を言うと地力は綾の方が上だから骨が折れそうだが)
ん、こっちもなかなかいける
そっちのも一口…が出来ないのが惜しいな
時間が来るまで折角だから何か食うか
豪華な食事を前に目を輝かせるドラゴンの焔に
適当に皿に何か取っては食べさせる
これまで予知に引っかからなかったのも頷けるほどに。
道なき道を行き漸く辿り着いたのは、宴の会場となる豪華な館。
その重厚な館の入口で、宴の参加条件を満たしているか、訪れた者へのチェックが入念に行われるが。
どうやら、サングラスは着用したままでも何ら問題はないらしい。
これが無いとどうも落ち着かない……そう思っていた乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)にとっては一安心といったところか。
そんな白のスーツに黒いワイシャツを纏う梓と共に、難なく入館を許可された灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は、赤の糸目をさらに細めて。
隣の連れを微かに見上げ笑む。
「サングラスしたままだと何だか、お客というより警備員みたいだよねぇ」
そう言った綾は、梓の白とは対照的な黒のスーツ。中に纏うワイシャツは瞳とお揃いの赤だ。
いや……赤なのは、その双眸や纏うシャツの色だけではない。
入館と共に振舞われたのは、ウェルカムドリンクと称されたふたつのいろ。
「見てみて、血みたいな綺麗な赤色」
赤と青、ふたつの色のうち、綾がその手に取ったのは赤のドリンク。
そしてその赤は――洗脳のいろ。
けれど、どちらが洗脳されるのかなんて、些細なこと。
――俺なら好きな色の赤を選ぶだろうね。
そう笑って。くいっと躊躇う事もなく、そのいろに口をつける綾。
その一方で、青の液体が注がれたグラスを手にしながらも。
(「綾が洗脳されるのが分かっていて、赤を飲ませるのは複雑な気持ちだが……」)
梓はそうは思えど……けれどその考えを覆すのは、心に抱くこんな矜持。
(「しかしこいつのお守りをする立場の自分が、洗脳されて襲いかかるというのはプライドが許さん」)
だから、自分が口にするそのいろは青でいい。
綾は、複雑な表情を宿しながらも青を飲む梓へと、再び視線を向け続ける。
「もし梓が俺を殺しにかかってきたら、きっと俺だと本気で殺し合いに興じて収拾つかなくなっちゃうだろうからね」
きっと相手が梓であれば、心躍ってしまう血腥い殺し合いができるだろうし。
歯止めがきかなくなるだろうこともよく分かっているし。
「それに君なら何とかしてくれるでしょ?」
そう、赤レンズの奥の瞳をより細める綾へと、梓は視線と共にこう返す。
「俺に任せてお前は今のうちに楽しんでおけ」
本音を言えば、地力は綾の方が上だと思っているから。
骨が折れそうだが、とは密かに思うのだけれども。
(「まぁ綾本人に殺されかけるようでは、この先とても守りきれないだろうからな」)
とはいえ、グラスに揺れる赤と青は、身体には害はないとは言われているもの、得体の知れぬものではあるのだが。
「……ん、美味しいねコレ。もう一杯飲みたいかも、なんてね」
「ん、こっちもなかなかいける。そっちのも一口……が出来ないのが惜しいな」
幸い、宴のはじまりの一杯には上々の味。
さらに眼前に並べられているのは、豪勢な食事。
今はまだ姿見せぬ館の主は存分に持て成してくれるようだ。驚愕と絶望に彩られた極上の血を提供してくれる来客を。
「時間が来るまで折角だから何か食うか」
梓がそう言えば、キューとくるり嬉し気に鳴くのは人懐こい炎竜。
梓が適当に皿に取っては差し出す美味しい食事を、焔ははむりと口にして。
「焔って何でも食べるよねぇ。ドラゴンって雑食なのかな?」
そんな様子を見て綾は首を傾けながらも、自分が取ってきたものもお裾分け。
そして、いかにも辛そうな色をした好みのものも、いくつか選んで口に運びながらも。
綾は赤の瞳に映した炎竜へと、紡ぐ。
――焔、しっかり食べて力付けて、いざという時はちゃんとご主人様を守ってあげるんだよ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リカルド・アヴリール
ライナス(f10398)と
アドリブ歓迎
シンプルなスーツで参加……と思ったんだが
首輪が外せなかった為、着けた状態で行く事に
おい、ライナス?
褒めているのか、揶揄っているのかどちらだ?
まあ、お前も似合っていると思うが
……上手く言えないが、男前に磨きがかかった気がする
迷わず、青色の飲み物を手にした様子には驚かない
その理由は予想外で、思わず目を瞬かせたが
俺も赤色の飲み物を手にして
一口含む度に、隣の男に悟られぬように覚悟を決めつつ
ライナス、お前は何を言っているんだ
刃傷沙汰は御免だが?
……この後、嫌でも戦う事になる
好きなだけ壊すなり、啜るなりすればいいだろう
(共に帰ろう、などと虫のいい事は言えないから)
ライナス・ブレイスフォード
リカルドf15138と
黒のスーツ姿で参加
リカルド、お前さんも似合うじゃねーのと軽口を投げつつ首元の首輪を見ればお前精神攻撃弱えだろ
首輪に鎖、つけといてやろうかと軽口を投げつつ迷わず青の方へ手を伸ばす
赤っつったら血以外ねえだろ。酒でも血でも無え飲みもん口にしねえよと笑いながら青のドリンクを手にとり口へ
リカルド、お前は赤でいいだろと口に運びながらも、赤の飲み物を飲むリカルドへ視線を向けてみる
やっぱり美味えけど血のあの香が足りねえんだよな
なあ、リカルド
お前さん少し手首、切って飲みもんに垂らしてみる気ねえ?って
冗談だっつの。冗談
…まあ、お前の血は其の侭が美味えしな
帰るまで壊れんなよ?
ドレスコードは正装でと。
そう聞いたから、シンプルなスーツで臨もうかと思ったのだが。
外せなかった首輪はそのまま着けていくことにする、リカルド・アヴリール(遂行機構・f15138)。
そして彼と共に、宴の会場となっている豪華な館へと赴いて。
「リカルド、お前さんも似合うじゃねーの」
黒のスーツ纏うライナス・ブレイスフォード(ダンピールのグールドライバー・f10398)は、ちらりとそんな彼の首元の首輪へと目を遣って軽口を。
「お前精神攻撃弱えだろ。首輪に鎖、つけといてやろうか」
「おい、ライナス? 褒めているのか、揶揄っているのかどちらだ?」
リカルドはそうライナスへと微かに首を傾けつつも、視線と共にそう返した後。
「まあ、お前も似合っていると思うが」
……上手く言えないが、男前に磨きがかかった気がする、と。
黒のスーツを難なく着こなしている連れを見遣ってから。
刹那、伸ばされた彼のその手が迷わず取ったいろに、リカルドは驚かない。
軽口を投げつつもライナスが何の躊躇もなく選んだのは、青のドリンク。
それは、特に驚くことではなかったのだが。
「赤っつったら血以外ねえだろ。酒でも血でも無え飲みもん口にしねえよ」
そう笑って紡がれたその理由は、予想外で。
思わず漆黒の瞳をぱちりと瞬かせたリカルドだけれども。
――リカルド、お前は赤でいいだろ、って。
そうグラスを満たした青へと口をつけるライナスに頷いてみせてから、赤が注がれたグラスを手にする。
そして、自分が赤を飲む姿へと向けられる緑色の視線を感じながらも。
一口含む度に、リカルドは覚悟を決める。隣の男には悟られぬように。
その味は、赤も青も、客人を持て成すに相応しい美味しい味ではあるものの。
……やっぱり美味えけど血のあの香が足りねえんだよな。
ライナスはそう呟いた後、隣の連れへと視線を戻し、言ってみる。
「なあ、リカルド。お前さん少し手首、切って飲みもんに垂らしてみる気ねえ?」
そんな言葉に、リカルドは再び瞳を瞬かせつつも返す。
「ライナス、お前は何を言っているんだ。刃傷沙汰は御免だが?」
「冗談だっつの。冗談」
それから、ふっとひとつ息を落とした後。
冗談だと瞳細めるライナスへと、こう告げるのだった。
「……この後、嫌でも戦う事になる。好きなだけ壊すなり、啜るなりすればいいだろう」
――共に帰ろう、なんて。
そんな虫のいい事は、言えないから。
ライナスは、そうぐいっと赤を飲み干したリカルドを目にしながらも紡ぐ。
「……まあ、お前の血は其の侭が美味えしな」
――帰るまで壊れんなよ? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
倫太郎殿(f07291)と参加
各世界やその社交場にて装いを合わせるのは当然の事
普段よりも多少動き難くはありますが今は我慢しましょうね
話を伺った中で、飲むものは赤か青
……赤が青を傷付ける
倫太郎殿は私が悪人しか斬らない事を知っている
きっと彼の事ですから赤を選ぶのでしょう
そして私ならば、貴方の動きについて来れると信じて
だからこそ、私が赤を取ります
貴方に守られるだけではいかないのだと
彼が取る前に赤を取って一気に飲み下す
そして彼には青を
返された言葉には笑って
えぇ、覚えていてください
飲み終われば後はいつも通りに
どれが好みか、家で作れないか
そんな他愛ない話をしながら過ごす
……倫太郎殿、貴方を信じておりますよ
篝・倫太郎
夜彦(f01521)と
正装は肩凝るんだけど
場ってモンは弁えてっから、ハイ
さて、件のウェルカムドリンク
悪人以外斬らないって決めてる夜彦に
赤を選ばせるなんて選択肢はねぇし
なんて考えてたら横から伸びた手に赤のグラスを持ってかれた!
あ!俺が取ろうとしてたのにっ!
そんなしたり顔で俺に青寄越すなよ
しかも、しっかり口付けてるじゃん
青取るしかねぇだろ?
オボエテロヨ?
ま、先手打たれた以上四の五の言ってもしゃーねぇや
ご馳走もたっぷり並んでるし、楽しもうぜ?
あ、これ美味い
ほら、これこれ
甘めのソースが良い感じで美味いよな?
そんなこんなで普段通りに
美味しいものは分け合って
味付けを覚えて帰って再現したい、なんて笑い合って
――着飾っていらして、と。
招待主からそうドレスコードが指定されたのならば、仕方がないけれど。
でもやはり、正装は肩凝る、なんて。
篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)はそう思いつつも。
「場ってモンは弁えてっから、ハイ」
「各世界やその社交場にて装いを合わせるのは当然の事。普段よりも多少動き難くはありますが今は我慢しましょうね」
確りと抜かりなく、相手のご所望通りに正装して臨む彼に、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は翡翠の双眸を柔く細めてから。
館内に通され差し出された、ふたつのいろに視線を映す。
そのいろは、赤と青。
(「話を伺った中で、飲むものは赤か青」)
夜彦はそのふたつのいろを交互に見遣りながら、聞いた予知を思い返す。
……赤が青を傷付ける。
それから隣の倫太郎をそっと見つめ、思う。
彼は知っている。自分が悪人しか斬らないという事を。
だから、夜彦には分かるのだ。
(「きっと彼の事ですから赤を選ぶのでしょう。そして私ならば、貴方の動きについて来れると信じて」)
そして夜彦は倫太郎よりも先に、その手を伸ばす。
――だからこそ、私が赤を取ります、と。
選んだその色は……そう、赤。
貴方に守られるだけではいかないのだと。彼よりも先に赤が揺れるグラスを取り、一気に飲み下す夜彦。
そんな夜彦の選択に、思わず倫太郎は声を上げる。
「あ! 俺が取ろうとしてたのにっ!」
悪人以外斬らないって決めてる夜彦に、赤を選ばせるなんて選択肢はねぇし……なんて。
考えを見透かされ、横から伸びた手に持っていかれた赤のいろ。
「倫太郎殿は、此方を」
「そんなしたり顔で俺に青寄越すなよ。しかも、しっかり口付けてるじゃん」
……青取るしかねぇだろ?
そう溜め息と共に紡ぎつつ、夜彦が差し出す青のグラスを手に倫太郎は続ける。
――オボエテロヨ? と。
そして、選択の余地なき青のいろを口に運んだ彼の言葉に、夜彦は笑う。
えぇ、覚えていてください……って。
「ま、先手打たれた以上四の五の言ってもしゃーねぇや」
倫太郎はグラスに注がれた青を飲み干し、そう言った後。
ぐるりと、並ぶ豪勢な食事や甘味に琥珀の色を巡らせて。
「ご馳走もたっぷり並んでるし、楽しもうぜ?」
いつも通りの、ふたりの時間を過ごす。
「あ、これ美味い」
「どれですか?」
……ほら、これこれ、と。
夜彦は、倫太郎からお裾分けされたものをひとくち、ぱくりと食べてみれば。
「甘めのソースが良い感じで美味いよな?」
「確かに美味しいですね。この甘いソースなら子供達も食べられそうですし、家で作れないでしょうか」
「味付けを覚えて帰って再現したいよな。あ、こっちの味は大人向け?」
そんな他愛ない話をしながら、美味しいものは分け合って。
いつもと何ら変わらない、普段通りのひとときを過ごしながらも。
夜彦は、一緒に笑い合う彼を映した瞳を細め、心に紡ぐ。
……倫太郎殿、貴方を信じておりますよ、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
牧杜・詞
【恋華荘】
血の香水……わたしが言えたことではないけれど、歪んでいるわね。
血は嫌いではないけれど、浴びるのはちょっとね。
あれは吹き出す様がいちばん綺麗だと思うのだけれど。
会場についたらアンナさんと乾杯して。
青のウェルカムドリンクをいただくわね。
せっかくだからドレスも青系。
和洋の指定はなかったから振袖でいくわね。
地色は藍で落ち着きを、柄は辻が花で華やかさを出したいかな。
あまり着飾ったりはしないけれど、
和服なら慣れているから動きに支障も出ないしね。
アンナさんは黒系のパーティードレスか。
赤のアクセントがとても綺麗ね、似合ってる。
所作も優雅だし、こういう場では映えるわね。
わたしも教えてもらおうかしら。
アンナ・オルデンドルフ
【恋華荘】
血の香水……なんとも悪趣味なものでしょう。
いくら何でも命の源ともいえるものを無駄に使うなんて……
ともあれ、私は赤のアクセントが入った
黒のパーティードレスを着て参加します。
母親の形見で、落ち着いたデザインがとてもお気に入りの一着です。
会場に着いたら詞さんと乾杯します。
私は、赤のウェルカムドリンクをいただきますね。
ちょっと、変わった味ですけど……
何だか嫌な予感がしますね。
詞さんの振り袖もなかなか華やかな感じでうらやましいです。
私も、あのようなきれいな服を着こなせる大人になりたいものです。
楽しい時間が、このまま過ぎてくれればよいのですが……
人里離れた大きな館で催されるのは、豪華で賑やかな宴。
けれど、その参加条件は少々特殊で……宴の裏には、ある思惑があった。
過去の化身である、オブリビオンの思惑が。
それは――。
「血の香水……なんとも悪趣味なものでしょう」
いくら何でも命の源ともいえるものを無駄に使うなんて……と。
アンナ・オルデンドルフ(真っ直ぐな瞳・f17536)は、予知に聞いた話を思い返しながら。
銀の髪を揺らし、そっと小さく横に首を振る。
宴の主が欲しているのは、驚愕と絶望に彩られた血の香水。
「血の香水……わたしが言えたことではないけれど、歪んでいるわね。血は嫌いではないけれど、浴びるのはちょっとね」
牧杜・詞(身魂乖離・f25693)はそう言ってから、漆黒の瞳を細め、続ける。
――あれは吹き出す様がいちばん綺麗だと思うのだけれど、って。
そんな詞と共に赴くアンナの服装は、赤のアクセントが入った黒のパーティードレス。
落ち着いたデザインがとてもお気に入りのその一着は、母親の形見だ。
そしてアンナが手にするのは、ウェルカムドリンク……纏う黒を彩るそのいろと同じ、赤の飲物。
詞の手には、青が揺らめくグラスが。
そんなふたつのいろで満ちたグラスを、乾杯、とカチリ合わせてから。
そっと、口にしてみれば。
「ちょっと、変わった味ですけど……」
味は美味しいのだが、やはり何か胡散臭い。
アンナはそう手元のドリンクへと視線を向け、改めて黒の瞳に赤のいろを映す。
一方、飲むそのドリンクだけでなく、せっかくだからと青のいろで着飾ってきた詞。
(「あまり着飾ったりはしないけれど、和服なら慣れているから動きに支障も出ないしね」)
和洋の指定はなかったからと、纏う藍の地色の振袖に咲くのは、華やかさを醸し出す辻が花の柄。
詞は青を飲み干した後、同じく赤を飲み終えた彼女へと視線を向けて。
「アンナさんは黒系のパーティードレスか。赤のアクセントがとても綺麗ね、似合ってる」
そう言った後、もう一度、黒の双眸を細める。
「所作も優雅だし、こういう場では映えるわね」
……わたしも教えてもらおうかしら、って。
「詞さんの振り袖もなかなか華やかな感じでうらやましいです」
アンナも、上品さと華やかさを兼ね備えた振袖を着こなす詞に、そう返しながらも思う。
……私も、あのようなきれいな服を着こなせる大人になりたいものです、と。
そしてそれと同時に、アンナはこうも呟きを落とす。
――楽しい時間が、このまま過ぎてくれればよいのですが……って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
火狸・さつま
コノf03130と!
3ピーススーツで参加
コノ、その装い…
思わず目を奪われた其の姿は
以前自分が選んだスーツ
嬉しさいっぱい顔を綻ばせ
凄く、かっくいい!
尻尾が忙しなく揺れ、止まらない
コノが受取る前に
俺、こっちにする!
シュバッ!と『早業』青を取って
(だて、大好きなコノに敵意向けるなんて…)
えっ?!なっ、ちg…あ、ほら、コノ、乾杯!
口滑らす前に誤魔化し
くぃっと
わわ、お料理も、美味しそ!!
礼儀作法は守りつつ色々もぐもぐ
これ、美味し、よ
あーん、とオススメしたり
普通に満喫
プレゼント?
!(ハッ)
コノの好きなやつ、良い…の?じゃ、後で、また一緒に
こくり頷き大事に仕舞い込む
コノ…うん、大丈夫。ちゃんと面倒みる、よ?
コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と
このコに貰った濃灰シャドーストライプのスーツで行くヨ
どう似合う?イケてるのは当然ダケド!
うきうきと何食わぬ顔で赤か青かを選ぼうとすれば、さっと伸びた手
はぁん、ソッチがお好み?と意味深に笑み
グラスを鳴らし赤を呷る
ま、楽しまなくちゃネ
華やかな料理には素で興味津々楽しげに
ああ、そういえばプレゼントがあるンだ、と渡すのは綺麗にラッピングされた箱
オレの大好きなザクロよ、と添えれば愛用の得物と伝わる筈
飲み過ぎたら正気に戻れる自信がねぇの、と気取られないよう遠回しに理由告げ
少しの後小声で
信用してない訳じゃ、ナイと付け足す
だってホラ――好きなモノ程美味しくて、止まらないでしょう?
招待主からの指定のドレスコードは、正装。
着飾っていらして、という言葉通りに、3ピースのスーツで臨む火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)であるが。
――どう似合う?
そう柔く細められた薄氷のいろを見つめ返し、狸っぽい色合いの狐耳をぴこり。
「コノ、その装い……」
眼前のコノハ・ライゼ(空々・f03130)の姿に、さつまは思わず目を奪われる。
コノハが纏うのは、濃灰シャドーストライプのスーツ。
それは、美人な彼に良く似合っているからということも、勿論なのだけれど。
「凄く、かっくいい!」
ぱあっとさつまの顔に咲き綻ぶのは、いっぱいの嬉しさ。
だって、コノハの着ているそれは、以前自分が選んだスーツだから。
そして、もふもふもこもこなさつまの尻尾が忙しなく嬉し気に揺れ、止まらないのを見ながら。
……イケてるのは当然ダケド!
コノハもそう、ふっと笑みを返す。
それから、振舞われたふたつのいろへと視線を映して。
赤か青か――うきうきと、何食わぬ顔で選ぼうとすれば。
「俺、こっちにする!」
コノハがどちらか選ぶ、その前に。
シュバッ! と早業を駆使し、伸ばしたさつまの手が取ったそのいろは――青。
(「だて、大好きなコノに敵意向けるなんて……」)
そしてそんな、さっと攫われた青のいろに、コノハは一瞬瞳を瞬かせるけれど。
「はぁん、ソッチがお好み?」
そう意味深に笑んでから手にするのは、もうひとつの赤のいろ。
今度はさつまが、グラスに揺れるいろと同じ青の瞳をぱちくりとさせて。
「えっ!? なっ、ちが……あ、ほら、コノ、乾杯!」
口滑らす前に誤魔化しつつ、くぃっと、選んだいろへと口をつければ。
コノハも、カチリと鳴らしたグラスに揺れる赤を呷る。
それから、宴への参加条件を満たして。
ふたりが興味津々、楽し気に視線を巡らせるのは、豪勢な食事。
「わわ、お料理も、美味しそ!!」
「ま、楽しまなくちゃネ」
格好もきっちりとした正装であるし。礼儀作法はきちんと守りつつ、さつまは色々と美味しそうな料理を皿に取っては、もぐもぐ。
「これ、美味し、よ」
あーん、と気に入った一品をコノハにもオススメすれば。
「ん、美味しいネ」
「ふふ、でしょ?」
美味しいを、ふたりでもぐもぐ、分け合いっこ。
そんな普通に豪勢で美味な食事を満喫していたふたりだけれども。
「ああ、そういえばプレゼントがあるンだ」
そうコノハがさつまへと渡すのは、綺麗にラッピングされた箱。
「プレゼント?」
きょとりと、さつまは首を傾げつつも眼前の彼へと見るも。
贈り物に添えられたのは、こんな言の葉――オレの大好きなザクロよ、って。
それだけで、十分に伝わる筈だから。
「!」
その声に、ハッとさつまは大きく瞳を見開いてから。
「コノの好きなやつ、良い……の?」
「飲み過ぎたら正気に戻れる自信がねぇの」
人差し指をそっと己の口に当てつつも、そう気取られぬよう、コノハが遠回しに理由を紡げば。
「じゃ、後で、また一緒に」
こくりと頷いたさつまはそれを受け取り、大事に仕舞い込んでから。
――信用してない訳じゃ、ナイ。
そっと小声で付け足された言葉に、もう一度頷いた後。
「だってホラ――好きなモノ程美味しくて、止まらないでしょう?」
そう笑う彼をちらりと見つめ、ゆらり尻尾を揺らしながらも、さつまは続ける。
彼が好きな大切なモノを、ぎゅっと確り抱えながら。
「コノ……うん、大丈夫」
――ちゃんと面倒みる、よ? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
新山・陽
『小さな野生』ウォルさんと。
参加不定の立食パーティー形式なら、このスーツでも問題なしと【礼儀作法】に適う態度で、【威厳】を持って堂々とミニ狼を連れて宴に向かいます。
青いウェルカムドリンクに、ウォルさんはドン引きの模様。
血っぽい赤がウォルさんのものです。いつもお肉を骨ごと食べる野生狼には馴染みの……え? 美味しくなさそう?
「お互い様ですよ、お隣さん」
声掛け空しく、耳をぺたんとして不機嫌に唸るミニ狼。
『暗号の帷』を用い、周囲の喧騒からウォルさんを遠ざけストレス緩和に努めます。
「鹿肉のジビエでも、食べますか」
パーティから肉料理をチョイスして与え、私は青いドリンクを煽ります。
綺麗な姿勢に、流麗な所作。
仕立ての良い高価なスーツは、普段から着慣れたもの。
参加不定の立食パーティー形式ならば、スーツでも問題なしと、礼儀作法に適う態度で。
黒い髪を夜の空に靡かせ、宴が催される館を訪れたのは、新山・陽(悪と波瀾のお気に入り・f17541)。
そんな彼女が堂々と連れた相方は、ミニウサギサイズの銀毛の狼――『小さな野生』ウォルさん。
そしてふたりの前に並べられたそのいろは――赤と青。
けれど、青のウェルカムドリンクを見れば、ドン引きの様子のウォルさん。
陽はウォルさんに、血っぽい赤がウォルさんのものです、とそう言うのだけれど。
「いつもお肉を骨ごと食べる野生狼には馴染みの……え? 美味しくなさそう?」
そう声掛けも空しく、耳をぺたん。
不機嫌に、うーっと唸るミニ狼に。
陽は、手にしたたれ布らしき何か――暗号の帷を、ふわりと掛けてあげる。
「お互い様ですよ、お隣さん」
周囲の喧騒から、野生狼であるウォルさんを遠ざけて。
少しでもストレスを緩和できればと。
けれど振舞われるのは、ウォルさん曰く美味しくなさそうな赤と青のドリンクだけではない。
陽は、青の液体が揺れるグラスに口を付け、ドリンクを呷ってから。
「鹿肉のジビエでも、食べますか」
赤の液体を渋々ぺろり、ちびちびと舐めるウォルさんへと。
選んで取ってきた肉料理を差し出して、ご機嫌取りを試みるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
浮世・綾華
オズ(f01136)と
ワインレッドの燕尾服にタイ
黒シャツ
手袋
悲劇を止める為には誰かが挑まなきゃいけない
でも俺達が此処に来る必要はあったのか
こうして訪れた今も
予め相談し決めた赤杯を手に
心配させぬよう迷う素振りはもう見せない
へえ、これが
…味はまぁまぁ?
うん、へーきへーき
繋がれた手に何と笑い
でも解くことはしない
彼に勝手な信頼を向けている癖
不安に圧し潰されそうになるのは己の弱さのせいでしかなく
お前を守りたいと思う手が刃を向けるなら
切り落としても構わないのに
そんなの望まれないとも分かってる
オズ――みて、あれ
うまそうだよ
それもこっちを選んだ理由
後はそう
洗脳され傷つけるのが怖いから
そんな想いをさせたくなくて
オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と
濃紺の燕尾服とタイ
クリーム色のシャツ
アヤカが持ってから青を手に
やっぱり、なんてアヤカは言わないってわかってたけど
先に口をつけることはしなかった
いつでも交換できるように
アヤカを見てたら
味なんてよくわからなくて
うんうん、まあまあだねっ
笑って手をつなぐ
(アヤカはときどきほんとうのことを言わないもの
ううん、ウソとはちがうよ
アヤカはへいきって言ったらへいきにしちゃう
ただ、アヤカがさむくないといい
ふるえてもあっためられたらいい
わたしがアヤカの手を、あったかいって思ったみたいに)
わあ、ほんとだ
いってみよっ
いちご、あるかな
やさしいアヤカがつらいほうをえらんだこと
ほんとうはわかってるんだ
予知された近い未来は、確実に悲劇を彩るものにしかならない。
だからそれを止める為には、誰かが挑まなきゃいけないことなのは分かっている。
けれども、目的の館へと着いた今でも。
ワインレッドの燕尾服纏った浮世・綾華(千日紅・f01194)の心に、どうしても宿ってしまう思い。
――でも俺達が此処に来る必要はあったのか、と。
こうして訪れた今もそう思ってしまうのはきっと、共に在るのが、彼であるから。
そして綾華は、予め相談し決めた通りのいろを手に取る。
その瞳と同じ、赤で満たされたグラスを。
「へえ、これが」
そうゆらりと小さく赤を揺らしてみたりして。
心配させぬよう……迷う素振りは、もう見せない。
そんな、綾華が赤のいろを手にした後。
濃紺の燕尾服を着たオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)が取るのは、青が注がれたグラス。
けれどオズはまだ、そのいろに口は付けない。
……よく知っている。分かっているのだ。
やっぱり、なんて綾華は言わないって。
けれどそれでも、オズは先に、青のいろに口をつけることはしなかった。
いつでも、交換できるように。
でもオズの思った通り、綾華は満ちた赤のいろに口付ける。
「……味はまぁまぁ?」
うん、へーきへーき、って、笑ってさえ見せて。
だからオズも、一緒に隣で笑ってみせるのだ。
「うんうん、まあまあだねっ」
綾華を見ていたら、味なんてよくわからなかったけれど。
そしてオズが、そっとその手を伸ばせば。
何、と綾華は笑う。
繋がれた手は解かずに、そのままで。
……信頼はしているのだ。
むしろ、彼に勝手な信頼を向けている癖に。
それでも、不安に圧し潰されそうになるのは……己の弱さのせいでしかなくて。
後戻りする気はないけれど、綾華の心はいまだ密かに揺れる。与えられるぬくもりが、優しいから。
そんな綾華を見つめ、オズは思う。
綾華は時々本当のことを言わない。いや、それは嘘とは違う。それは、彼が優しいから。
それにオズは知っている。綾華は、平気って言ったら平気にしちゃうということも。
でも、だからこそオズは思うのだ。
――ただ、アヤカがさむくないといい。
――ふるえてもあっためられたらいい。
(「わたしがアヤカの手を、あったかいって思ったみたいに」)
そして綾華はオズに握られたその手を、ふっと一瞬だけ見遣るけれど。
(「お前を守りたいと思う手が刃を向けるなら、切り落としても構わないのに」)
……そんなの望まれないとも分かってる。
刃を向けられ、傷付けられることよりもずっと、それは彼が望まないこと。
だから、いつも通り。
「オズ――みて、あれ。うまそうだよ」
「わあ、ほんとだ。いってみよっ。いちご、あるかな」
ふたりでこうやって、笑ってみせるのだ。
そしてオズは、ぎゅっと。
繋いだ手を、そっと握り締める。
やさしいアヤカがつらいほうをえらんだこと――ほんとうはわかってるんだ、って。
それも、綾華が赤を選んだ理由だけど。
(「後はそう、洗脳され傷つけるのが怖いから」)
今の自分が抱いている、こんな想いを……させたくは、なかったから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんを肩に乗せて。
なるほどなーですわね。
では、私が赤を飲みましょう。
私では風花さんの攻撃を凌ぎ切るのは難しいですが、
風花さんでしたら私の愚鈍な攻撃なんて簡単に避けてくださるでしょう。
それに、風花さんは私の攻撃方法を熟知しておられますしね。
となると、ドレスは・・・そうですね。
「肩を大胆に出した、スカートの長い藍色のナイトドレス」です。
これだけスカートが長ければ、きっと動き難いですから。ふふ。
ともあれ、今はパーティーを楽しみましょう。
風花さんの衣装も可愛くて綺麗で素敵ですわね。良くお似合いです。
美味しい食べ物と美味しい飲み物。
この後のことがなければ本当に楽しめるのですが・・・。
七霞・風花
ティーシャ(f02332)と
そういう事、ですか
え、ええと、では私が青を飲みますけど……あまり過度の期待をされますと!?
ティーシャさんが愚鈍なわけではなく、ただサイズ的に私の方が回避に適してる、けど
ええ、間近で見てきたのですから、怪我は最低限にやってみせましょう
ドレス、うーん
「スカートは短め、首から胴までは腕を出した状態で体にフィットしたホワイトのドレス」
というイメージで
可能な限り動きやすく、妨げにならないように……です
多少、ええ、スカート短いのは気になりますが!
楽しむところは楽しみましょう
英気を養い、無事に乗り切る為に
…………ところで美味しくありませんか、これ
赤と青――どちらが、どちらのいろを飲むか。
「そういう事、ですか」
「なるほどなーですわね」
ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)は、七霞・風花(小さきモノ・f13801)に続いて頷きながらも。
紫の瞳で、グラスに注がれた赤と青を順に見つめてから。
「では、私が赤を飲みましょう」
手を伸ばし取ったその色は――赤。
赤は、洗脳のいろだけれど。
「私では風花さんの攻撃を凌ぎ切るのは難しいですが、風花さんでしたら私の愚鈍な攻撃なんて簡単に避けてくださるでしょう」
それに、風花さんは私の攻撃方法を熟知しておられますしね、と続ければ。
「え、ええと、では私が青を飲みますけど……あまり過度の期待をされますと!?」
ティーシャのそんな言葉に、風花はそう、青の瞳を見開くけれど。
「ティーシャさんが愚鈍なわけではなく、ただサイズ的に私の方が回避に適してる、けど」
――ええ、間近で見てきたのですから、怪我は最低限にやってみせましょう。
そう、こくりと白い髪を揺らし頷いた後。
青のいろで満ちているグラスの方をその手に取る風花。
けれども、事前に予知されている情報はきちんと踏まえて。
――となると、ドレスは……そうですね、と。
ティーシャは選んだ装いは、肩を大胆に出した、スカートの長い藍色のナイトドレス。
「これだけスカートが長ければ、きっと動き難いですから。ふふ」
襲う側となってしまう自分の動きを、少しでも抑制できればと。
激しく動けば足に纏わりつくようなロングスカートを揺らし、笑んで。
「ドレス、うーん」
同じように、風花も纏う衣装を選ぶ。
スカートは短め。首から胴までは腕を出した状態で体にフィットした、ホワイトのドレスを。
「可能な限り動きやすく、妨げにならないように……です」
来たるその時を見越して、そう選んだドレスを纏う風花だけれど。
「風花さんの衣装も可愛くて綺麗で素敵ですわね。良くお似合いです」
そうティーシャにも褒められたものの……ひとつ、気にかかることはといえば。
――多少、ええ、スカート短いのは気になりますが! って。
そしてふたりはそれぞれ、赤と青、手にしたそのいろを飲み干してから。
「ともあれ、今はパーティーを楽しみましょう」
豪勢な料理が所狭しと並ぶ光景へと視線を映し、言ったティーシャに。
風花も、大きくこくりと頷く。
「楽しむところは楽しみましょう」
英気を養い、無事に乗り切る為にも!
楽しむところは楽しまなければ、勿体ない。
けれど、ティーシャはいつものように野菜を中心に口へと運びながら。
風花へと、肉を取り分けつつも思う。
(「この後のことがなければ本当に楽しめるのですが」)
そして、そう微かに首を傾けるティーシャの隣で。
風花は短めなスカートの裾を微かに気にしながらも、いつもの様に首を傾け、口にする。
……ところで美味しくありませんか、これ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サフィリア・ラズワルド
☆
WIZを選択、一人で参加
使役:精霊竜様
赤(洗脳)を私が飲み、青を精霊竜様が飲む
精霊竜様とお揃いの色のドレスを借りて、精霊竜様に少し小さくなってもらって超大型犬位の大きさで一緒に屋敷へ
『これ美味しいですよ!精霊竜様もどうですか?』
食べてばかりいないで少しは気を配りなさいって?勿論情報収集もしますよ!でもこの後の為に体力温存もしないと
大丈夫です。絶対に耐え抜いてみせます。だから精霊竜様も安心して今は楽しみましょう?
精霊竜様が幻覚で私と精霊竜様が飲んだドリンクの色を逆にしていたと、私が精霊竜様を襲う様になっていると告げられるのはもっと後のことでした。
アドリブ協力、歓迎です。
主催者から指定されたドレスコードは、正装だと聞いたから。
サフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)が纏うのは、共に訪れた精霊竜様とお揃いのいろ。
瑠璃色のドレスを借りて、精霊竜様には少しだけ小さくなって貰って。
超大型犬位の大きさになったラピスラズリの竜と一緒に、宴の会場となっている屋敷へ。
そしてサフィリアは、まず最初に差し出されたウェルカムドリンクを見遣る。
そのいろは、赤と青。
サフィリアが手を伸ばしたのは確かに、青の液体で満ちたグラスで。
精霊竜様がもうひとつの赤を飲んだのだと、今度は美味しそうな料理が並ぶ会場へと歩み進んで。
「これ美味しいですよ! 精霊竜様もどうですか?」
はむりと美味しい食事を存分に堪能するサフィリアは、自分に視線を向けている精霊竜様に、紫の瞳をぱちくり。
「食べてばかりいないで少しは気を配りなさいって? 勿論情報収集もしますよ! でもこの後の為に体力温存もしないと」
何せ、自分が飲んだのは青。
赤を飲んで洗脳される精霊竜様の攻撃を受ける立場……なのだと、この時のサフィリアは思っていたから。
「大丈夫です。絶対に耐え抜いてみせます」
来たる時に備え腹拵えをしつつ、サフィリアはそう、ぐっと気合いを入れる。
――だから精霊竜様も安心して今は楽しみましょう? って。
そんなサフィリアの周囲を、瑠璃色の精霊竜はくるりと舞って一鳴き。
……この時の彼女は、まだ知らない。
実は、精霊竜様が幻覚で、飲んだドリンクのいろを逆にしていたということを。
自分が精霊竜様に襲い掛かる方であるなんて――そうサフィリアが告げられるのは、もっと後であった。
成功
🔵🔵🔴
彩波・いちご
双子の妹のさくら(f25299)と
※さくら相手だと敬語なし。普通に妹扱い
さくらよりは大人びた赤いドレス姿で参加
ウェルカムドリンクは打ち合わせ通り私が赤…
「本当に私が赤でいいの…?」
洗脳効果あるものを妹に飲ませるのも嫌ですけど、私が妹を襲うのもどうかとは…特に戦闘力だと私がかなり上ですしね
でもさくらはそれでいいというので【私が赤を飲みます】
怪しまれないように宴はせいぜい楽しみましょう
「ドレス姿良く似合ってて可愛いよ?」
自慢の妹があまりにも可愛いのでなんとなく頭撫でたくなったり
食事はよさそうですから、さくらと味見しつつ作り方探ったり
作り方聞くついでに、使用人からさりげなく情報収集とかしてみますか
彩波・さくら
兄のいちごと参加
【青のドリンク】
背中が大胆にあいた青いドレスを着用
「ねえ、いちご。このドレス、変じゃ……ないかな……?」
血の繋がった双子の兄のいちごの前で、真っ赤になってドレスを披露するね。
……密かに想いを寄せる相手であるいちごと一緒にパーティーなんて緊張するけど、私の想いに気付かれないようにしなきゃ。
「ん、私が青でいいから、いちごが赤飲んで」
私がいちごを襲う時、理性を失って万が一にも気持ちを口走ったらまずいから、私は青を飲むね。
「もう、頭なでて子供扱いしないでよ」
ほんとはもっと撫でててほしいけど……
「あ、ほんとだ。この料理、どう作るんだろうね」
いちごとの共通の趣味である料理で盛り上がるね。
グラスに注がれたいろも、ふたりが纏うドレスのいろも――赤と青。
いや、それは予知で聞いた情報を踏まえ、事前に打ち合わせした通りなのだけれど。
「本当に私が赤でいいの……?」
もう一度そう訊ねてみる、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。
「ん、私が青でいいから、いちごが赤飲んで」
けれどやはりすぐに、こくりと頷く、彩波・さくら(龍神の聖女・f25299)。
そんな双子の妹のものよりも大人びた赤いドレスを纏ういちごだけれど。
(「洗脳効果あるものを妹に飲ませるのも嫌ですけど、私が妹を襲うのもどうかとは……特に戦闘力だと私がかなり上ですしね」)
やはり、何かと妹のことは心配だけれど。
でも決めた通り、いちごは赤のグラスを手に取る。
さくらが、それでいいというから。
そして、そんな兄の心配を後目に。
背中が大胆にあいた青いドレスを着たさくらは、ちらりといちごを見上げ、綺麗に着飾ったその姿を披露する。
「ねえ、いちご。このドレス、変じゃ……ないかな……?」
血の繋がった双子の兄のいちごの前で、真っ赤になりながら。
それから、そっとナイショでさくらは思う。
(「……密かに想いを寄せる相手であるいちごと一緒にパーティーなんて緊張するけど、私の想いに気付かれないようにしなきゃ」)
そもそも何故、彼女が青のいろを選んだのかといえば。
(「私がいちごを襲う時、理性を失って万が一にも気持ちを口走ったらまずいから」)
だから平静を保つため、普通のドリンクである青をさくらは選択したのだ。
この想いを知られるわけにはいかないから。
それからふたりは、決めた通りのいろのドリンクをそれぞれ飲んだ後。
怪しまれないように、まずはふたり一緒に宴を楽しむ。
「ドレス姿良く似合ってて可愛いよ?」
青のドレス姿なさくらは、やはりいちごの自慢の妹で。
あまりにも可愛いからと、ついその手を伸ばしてみれば。
「もう、頭なでて子供扱いしないでよ」
そう返ってきて、ふいっとそっぽを向いたさくらだけれど。
でも、口から出た言葉とは裏腹に。
(「ほんとはもっと撫でててほしいけど……」)
そして顔をそむけたのは、きっと撫でられて顔が赤くなってしまっているだろうから。
けれどいちごは、そんなさくらの様子には気付かずに。
「食事はよさそうですね、味見して作り方を探ってみましょうか」
「あ、ほんとだ。この料理、どう作るんだろうね」
並べられた豪勢な料理を、興味深そうにぐるりと見回して。
さくらと、料理談議に花を咲かせ盛り上がりつつも。
いちごはふと、配膳をする使用人らしき人に声を掛ける。
「できれば、これの作り方を教えていただけませんか? それにしても、このお料理はご招待いただいた方の好みなんでしょうか?」
そして情報収集するべくさり気なく投げられた問いに。
使用人らしき存在は、ただ一言だけ答える。
――花嫁様はもっと濃い赤のいろがお好みですよ、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
グラナト・ラガルティハ
マクベス(f15930)と
赤を飲む
(真の姿に近い赤と白と金の装束)
この姿をするのは久しぶりだな…マクベスも私の姿に合わせてくれているからまるで私の伴侶だと言外に見せつけているようだな。
それにどこか心地良さを感じるのは私の独占欲のせいだろうか。
さて、ウェルカムドリンクだが…私は青を…と思うのだが…いや、お前を傷つけてしまうのは心苦しいしましてや殺意など…かまわないな?
(そうして青を飲もうとするがマクベスに交換され)
…!?マクベス…お前の気持ちも分からなくはないから強くは言えんが…俺が殺意を向けたら全力で抗え。いいな?
(キスを受けて言葉にはしてない意も汲み取って)
マクベス・メインクーン
グラナトさん(f16720)と
青を飲む
(グラナトさんの衣装の色違いで青と白と銀の装束)
ふふっ、せっかくパーティだし
やっぱりグラナトさんのパートナーとして相応しい格好しないとね
どう?似合ってるでしょ♪
ウェルカムドリンクは普通なら赤を選びたいところだけど…
今回はオレが青飲みたいっ
(グラナトさんの手にある青いドリンクと交換して)
ふふっ、オレはグラナトさんに殺意向けられるのは構わないよ
むしろ普段絶対ないことだから経験してみたいなぁ…って♪
(まぁオレがグラナトさんに殺意向けたくないんだけど)
流石にオレも死ぬ気はないからね
全力で迎え撃ってあげる(グラナトの頬にキスして笑い)
この世界には似つかわしくないほど、豪華なつくりの館。
そんな大きな屋敷で今宵、ある宴が催されるのだという。
そして、客人へと要求されたドレスコードは、正装。
「この姿をするのは久しぶりだな……」
グラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)が纏うのは、真の姿に近い、赤と白と金で彩られた装束。
そんなグラナトの装いに合わせて。
「ふふっ、せっかくパーティだし、やっぱりグラナトさんのパートナーとして相応しい格好しないとね」
マクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)が着ているのは、色違いの、青と白と銀の装束。
そして、どう? 似合ってるでしょ♪ と笑むマクベスに頷きながらも。
グラナトは思うのだった。
(「マクベスも私の姿に合わせてくれているからまるで私の伴侶だと言外に見せつけているようだな」)
――それにどこか心地良さを感じるのは私の独占欲のせいだろうか、と。
それから、差し出されたふたつのいろを金の瞳で見つめて。
「さて、ウェルカムドリンクだが……私は青を……と思うのだが……いや、お前を傷つけてしまうのは心苦しいしましてや殺意など……かまわないな?」
そう言って、赤と青のうち、青の方へと手を伸ばしたグラナトだが。
「普通なら赤を選びたいところだけど……今回はオレが青飲みたいっ」
そんな言葉と同時に、マクベスに交換された赤と青。
「……!? マクベス……」
グラナトはマクベスの行動に、驚いたように瞳を瞬かせるけれど。
青を飲むと、そう選んだ彼の気持ちを尊重する。
「お前の気持ちも分からなくはないから強くは言えんが……俺が殺意を向けたら全力で抗え。いいな?」
「ふふっ、オレはグラナトさんに殺意向けられるのは構わないよ」
マクベスはどこか複雑な表情を宿しているようなグラナトに、そう笑って返して。
――むしろ普段絶対ないことだから経験してみたいなぁ……って♪ なんて。
彼を映した金の瞳を、ふっと細めてみせる。
(「まぁオレがグラナトさんに殺意向けたくないんだけど」)
そう、心の中だけで呟きながら。
それからマクベスは、すぐ傍にあるグラナトの顔を見つめて。
「流石にオレも死ぬ気はないからね」
その頬にふっと与えたのは、柔らかなキス。
言葉にはしていない意も、きっと汲み取ってくれるパートナーに。
――全力で迎え撃ってあげる、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロカジ・ミナイ
有/f00133
目一杯のドレスアップしてこいってさ
僕はスーツ着たっていつも通りの色男でしょ
君は、うん、苦手と似合うは別ものみたいだね、綺麗だよ
僕は青のグラスを取った
赤は有ちゃんへ渡る
赤の効果、知ってる?そう、洗脳
ふふ、年中洗脳状態みたいに言うね
年中酔っ払ってるから?ん?違うの?
しかし
こういう場のルールは未だによく分かってないんだけど
ウェルカムドリンクって駆けつけ一杯の意味で合ってる?
…酒じゃねーなこれ 不味かないけどさ
本番の前にタダ酒で景気付けしようじゃないの
ルールは知らねぇが酒が上等なのは知ってる
目的はそれかって聞かれたら、そうねと答えとくよ
タダなら高い方がいって?
いい事言うねその貧乏人さん
芥辺・有
ロカジ/f04128
ドレスアップったってね……
適当にそれらしいのは着るけど
どうもこういうのは苦手だ
……そっちはそうだね、似合ってるんじゃないか
赤い方を手に取って
こっちを飲むと洗脳されるんだっけ
いいよ、別に
どっちだって一緒だ
……おや、そう聞こえた?
まあ、常々酔っ払いでも違いないさ
意味なんか聞かれたって知るわけ無いだろ
ましてやルールなんか
とりあえず飲めってことじゃないの
……なんだ、酒じゃないのか
それじゃ、後は好きに飲ませてもらおう
結局私らの目的なんてそんなもんでしょ
いい酒が飲める機会もそうないし
……違いだ何だがわかる訳じゃないけどさ
高いモンは貰える時に貰っておけってね
何せ貧乏な奴から教えられてんだ
――着飾っていらして、と。
招待する花嫁が、そう言っていたようだから。
「目一杯のドレスアップしてこいってさ」
「ドレスアップったってね……適当にそれらしいのは着るけど」
……どうもこういうのは苦手だ、と。
ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)の声に小さく面倒そうに息を吐くのは、芥辺・有(ストレイキャット・f00133)。
そして――僕はスーツ着たっていつも通りの色男でしょ、と。
得意げに胸を張ってみせるロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)に、ちらりと視線を向けてみて。
「……そっちはそうだね、似合ってるんじゃないか」
言った有をロカジは改めてまじまじと見つめた後、口を開く。
「君は、うん、苦手と似合うは別ものみたいだね、綺麗だよ」
当の本人は、気乗りはしないようだが。
華の如きそのドレス姿は美しく、とてもよく似合っている。
そんな見た目、色男と美女へと差し出されたのは、ふたつのいろ。
赤と青。それぞれが注がれたグラスのうち、ロカジが手に取ったいろは――青。
そうなれば、必然的に赤が有へと渡るが。
「赤の効果、知ってる?」
「こっちを飲むと洗脳されるんだっけ」
……そう、洗脳、と。
頷くロカジに、いいよ、別に、と返してから。
「どっちだって一緒だ」
「ふふ、年中洗脳状態みたいに言うね。年中酔っ払ってるから?」
……ん? 違うの? って。
愉快気に首を傾けてみせる彼へと、有はやはりけだるげに答える。
「まあ、常々酔っ払いでも違いないさ」
それからロカジは、広い会場内をぐるりと見回してみて。
「しかし、こういう場のルールは未だによく分かってないんだけど」
――ウェルカムドリンクって、駆けつけ一杯の意味で合ってる?
そう疑問を口にしてみるけれど。
「意味なんか聞かれたって知るわけ無いだろ。ましてやルールなんか」
――とりあえず飲めってことじゃないの。
そんな有の言葉を聞いて、それ僕らの得意なやつじゃないか、と。
ロカジはグラスに揺れる青へと、口を付けてみれば。
「……酒じゃねーなこれ。不味かないけどさ」
「……なんだ、酒じゃないのか」
残念、酒ではありませんでした……!
けれど、ロカジは知っているから。
「本番の前にタダ酒で景気付けしようじゃないの」
――ルールは知らねぇが酒が上等なのは知ってる、と。
「それじゃ、後は好きに飲ませてもらおう」
……結局私らの目的なんてそんなもんでしょ。
「いい酒が飲める機会もそうないし」
そう言った有にロカジは、そうねと答えておいて。
早速、高そうな酒をいくつか見繕いながらも。
ちらりとそんな彼へと金の瞳を向けた有は、こう口にする。
「……違いだ何だがわかる訳じゃないけどさ。高いモンは貰える時に貰っておけってね」
――何せ貧乏な奴から教えられてんだ、って。
そんな彼女の言葉に、ロカジは一層愉快気に笑う。
「タダなら高い方がいって?」
――いい事言うねその貧乏人さん、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
尾守・夜野
☆
アリス(f05202)と参加するわ
赤のウェルカムドリンクを頂くの
「え?あ…ドレス?」
普段の人格時に言われてちょっとおろっとするけどすぐに私(女性人格)に代わるわ
「えぇわかったわ。そうね舞踏会だもの。華やかな方がいいわよね!
まぁ鮮やかな緑!綺麗ね!あら?これとかもいいんじゃない?」
アリスに選んでもらったの
似合うかしら?
着替える時に怪我とかそういうのは見えないように選択UCと黒纏で隠しておくわ
疲れやすくはなるけれど…
この後の事を考えたらその方がいいもの
後はアリスとは私が襲い掛かっても反応できそうな距離をとりつつ料理に舌鼓を打ちましょう
アリス・セカンドカラー
同行【尾守・夜野(墓守・f05352)】さん
飲む【アリスが青のカクテル】【夜野さんが赤のカクテル】
ドレス【緑系統のアフタヌーンドレス】血の香水を作るのが目的なら、赤の補色の緑が目を引くかなって。後、夜野さんに冗談で女性用ドレスを勧めるわ。ふぁっ!ああ、多重人格者なのね。ふふ、ノリノリで嬉しいわ☆
立食パーティーを楽しみつつ、赤い糸で強化したシャーマンとして召喚したUDCの霊(目立たない存在感/迷彩/物を隠す/集団戦術)の感応力(第六感/情報収集/読心術/視力/聞き耳/ハッキング/盗み攻撃)で青のカクテルを飲んだ方でサポートの必要そうな人、主に一般人に目星をつけて迷彩した赤い糸でこっそりリンクよ。
今回赴くのは、何やら宴が催されるという大きな館のようであるが。
ただ足を運ぶだけでは、参加資格はないのだという。
そしてアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)にふと芽生えたのは、こんな悪戯心。
「夜野さん、こんな正装はどう? 血の香水を作るのが目的なら、赤の補色の緑が目を引くかなって」
そう尾守・夜野(墓守・f05352)へと勧めるのは……女性用のドレス!?
「え? あ……ドレス?」
夜野はアリスの声に、最初こそちょっぴりおろっとしたけれど。
すぐに、がらりとその表情を変えて。
「えぇわかったわ。そうね舞踏会だもの。華やかな方がいいわよね!」
そんな予想外な声が返ってくれば、今度はアリスが瞳を見開く番。
「まぁ鮮やかな緑! 綺麗ね! あら? これとかもいいんじゃない?」
「ふぁっ! ああ、多重人格者なのね」
今の夜野は、先程の普段の彼と交代した、女性人格の夜野である。
そしてアリスは、赤い血を欲するという敵の目を惹く様な、緑系統のアフタヌーンドレスを選んで。
「似合うかしら?」
選んでくれてありがとう、アリス! って。
ひらりふわり、満足気にドレスの裾を躍らせ、きゃっきゃはしゃぐような夜野の姿に笑む。
「ふふ、ノリノリで嬉しいわ☆」
けれど、楽しむのは勿論なのだけど。
着替える際に、怪我などそういうものが見えないように、と。
「疲れやすくはなるけれど……この後の事を考えたらその方がいいもの」
夜野が展開するのは、嘘、虚言、虚実、健康体を模した偽装外殻――『虚影』。
さらに着用者の意思により形状を変える黒纏で、念入りに隠して。
念の為、自分が万が一襲い掛かってもアリスが反応できそうな距離を取りながら。
夜野は赤のドリンクを飲み干した後、同じ様に青のグラスへと口を付けたアリスと、暫し立食パーティーを楽しむ。
そしてアリスも、宴を楽しむ客として振舞いながら。
赤い糸で強化した、シャーマンとして召喚したUDCの霊をそっと解き放って。
目立たず存在感を消したその感応力をもって、自分と同じ青のカクテルを飲んだ人で支援が必要な人、主に一般人に目星をつけんと。
決して気取られぬよう、風景に溶け込む様に迷彩した赤い糸でこっそりリンクするべく。
美味しい料理を堪能しつつも、赤の視線を密かに周囲へと巡らせるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ブーツ・ライル
燕(f19377)と共に
アドリブ、マスタリング歓迎
_
髪を後ろへ撫でつけ、滲む隈を隠し
燕と揃いの正装へ袖を通す
硬い革靴の音を響かせ、フロアへ
_
此度の敵は良い趣味をしているとは、皮肉だとしても口にしたくない
飲むと洗脳されるものなど、燕の口に入れさせたくない
だが
燕は赤を選んだ
曰く、"ブーツは堕ちるべきではない"と
…奥歯を強く噛む。燕の自己犠牲に。
堕ちるべきではないなど、俺の台詞だ
燕は堕ちるべきではない
だからこそ、絶対に
すくいあげてみせる
「…任せろ」
そう不敵に笑う
…燕こそもっと自覚しろ、もっと自分を大切にしろ
そう言って彼の隣を歩く
_
(燕)
(お前を堕とさせはしない)
(お前を独りにはしない。──燕)
金白・燕
【ブーツ(f19511と同行】
アドリブ・アレンジ等大歓迎です
外部でのお仕事にブーツと2人で取り組むのは初めてですね
今日は目元のクマも隠して、紅を入れて
タキシードに身を包めば
少しくらい華やかでしょうか?
ブーツがグラスに悩むうちに
迷わず「赤」を口にしましょう
…きっと、彼の本質は白い存在だ
鮮烈で美しい赤のレディとも、
汚れた赤に塗れた自分とは違う
貴方は此方に堕ちるべきで無いんです
でもね、貴方なら
俺がどうなったとしても、何とかしてくれますでしょう?
……ブーツ、後は頼みましたよ
さあて、何か摘みますか?
いつも人のことばかり気遣っていますが、
貴方もしっかり召し上がるべきですよ
カツン、とエントランスに響くのは硬い靴音。
漆黒の髪を後ろへと撫でつけ、滲む隈を隠し臨むブーツ・ライル(時間エゴイスト・f19511)が纏うのは、すぐ傍らに並ぶ彼と揃いの正装。
「外部でのお仕事にブーツと2人で取り組むのは初めてですね」
そう紡いだ金白・燕(時間ユーフォリア・f19377)も、今日は目元のクマを隠し紅を入れ、タキシードにその身を包めば。
――少しくらい華やかでしょうか?
揃いの装いをしたブーツへと、赤の瞳を細める。
そしてふたりの前に差し出されたいろは、ふたつ。
グラスに注がれ揺れる、赤と青。
(「此度の敵は良い趣味をしているとは、皮肉だとしても口にしたくない」)
……飲むと洗脳されるものなど、燕の口に入れさせたくない。
ブーツがそう、思っているうちに。
燕は迷わず、片方のいろをその手に取って口にする。
それは、ブーツが口に入れさせたくないと。そう思っていた――赤のいろ。
そして燕はブーツを見つつも思う。
(「……きっと、彼の本質は白い存在だ。鮮烈で美しい赤のレディとも、汚れた赤に塗れた自分とは違う」)
だからこそ、燕は赤を手にしたのだ。
「貴方は此方に堕ちるべきでは無いんです」
グラスに満ちたこの赤に塗れるのも、自分が相応しいのだと。
そんな彼の言葉に、ブーツは奥歯をぐっと強く噛む。燕の自己犠牲に。
いや、それは確かに、燕の自己犠牲からくる選択かもしれない。
けれど……ただ犠牲になる気などもない。
「でもね、貴方なら。俺がどうなったとしても、何とかしてくれますでしょう?」
彼が赤を選んだ際、迷わなかった理由。それは、相手が彼であるから。
そんな燕は自分に、堕ちるべきではないと言ったけれど。
「堕ちるべきではないなど、俺の台詞だ。燕は堕ちるべきではない」
――だからこそ、絶対にすくいあげてみせる。
そうはっきりと告げた彼に、燕はこう返す。
……ブーツ、後は頼みましたよ、って。
「……任せろ」
ブーツはそう不敵に笑ってから。
「……燕こそもっと自覚しろ、もっと自分を大切にしろ」
――燕。
――お前を堕とさせはしない。
(「お前を独りにはしない。――燕」)
ブーツは、硬質な靴音を再び鳴らしながら。
宴の席へと向けて、燕と共に、歩み進める。
それから、ずらりと並ぶ豪勢な料理に、燕はぐるりと視線を巡らせて。
隣の彼の分も、皿を取ってあげながら。
「いつも人のことばかり気遣っていますが、貴方もしっかり召し上がるべきですよ」
来たるその時がくるまで……暫しの時間、宴を楽しむことにする。
――さあて、何か摘みますか? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エンジ・カラカ
トキワ(f04783)
キレイな服、真っ黒い服
アァ……落ち着かないなァ……。
賢い君、賢い君、似合う?似合う?
トキワはバッチリ似合う。
パーティー。
何でも食べてイイやつ。
うんうん、たーっくさん食べようそうしよう。
コレは青いソレを掲げて乾杯ー。
トキワのは赤いー。
アァ……そうだ血の色。血の色だねェ
コレはジャーキー。
あ?ジャーキーは無い?
じゃあ、ちょっと高そうなジャーキー。
アレ、薄っぺらいヤツ。
野菜以外ならなーんでもイイヤ。
仔牛。コレが牛。
食べる食べる。
……コレが、溶ける肉。知ってる。
ハジメテ食べたなァ。
トキワは色んなモノを知っているなァ
あ。アッチに豚の丸焼きダー
アレも食べに行こう
神埜・常盤
エンジ君/f06959
白い衣装に身を包み饗宴に臨もう
エンジ君も其の衣装、似合うじゃないか
赤いグラスを手に取って
青いグラスの君と乾杯
ふふ、君のは海みたいな色だねェ
立食パァティという事は
すなわち食べ放題ということだ
腹拵えに丁度良いし目一杯楽しもう
色鮮やかなケェキにくるくる目移り
ブルスケッタに指伸ばす傍らで、赤ワインに口吻を
血が滴るようなレアのステェキも欠かせない
――さて、君は何食べたい?
高そうなジャーキー……
あのロォストビィフとか?
僕も野菜は苦手だから避けておこう
エンジ君は肉食だよねェ
あァ、そうだ
とろり蕩ける仔牛のポワレなんて如何?
美味しかったよと、君に一皿献げて
豚の丸焼き豪勢だなァ
食べに行こう
互いに纏うキレイな服のいろは、対称的な白と黒。
エンジ・カラカ(六月・f06959)は指先で微かに摘まんだ黒に視線を落としつつ、何処かそわそわ。
アァ……落ち着かないなァ……、って。
けれど、ちょっと着慣れぬ衣装ではあるけれど。
「賢い君、賢い君、似合う? 似合う?」
そう訊ねてみた後、映した眼前のいろに金の瞳を細める。
「トキワはバッチリ似合う」
「エンジ君も其の衣装、似合うじゃないか」
白い衣装に身を包む神埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)はそうエンジに返して。
重厚な屋敷の門を潜り、彼と共に、招かれた饗宴へと臨む。
今宵の妖しくも華やかな宴は、立食スタイルだと聞いている。
「立食パァティという事は、すなわち食べ放題ということだ。腹拵えに丁度良いし目一杯楽しもう」
「パーティー。何でも食べてイイやつ」
エンジは常盤の声に、こくこくと頷く。
……うんうん、たーっくさん食べようそうしよう、って。
けれど、豪勢な御馳走を頂くその前に。
ふたりの前に差し出されたそのいろは、グラスに注がれた赤と青。
伸びたその手が、それぞれのいろを取って。
掲げた赤と青のいろをカチリと重ね合わせ――君と、乾杯。
「トキワのは赤いー。アァ……そうだ血の色。血の色だねェ」
常盤は手にしたグラスを満たすのは、深く鮮烈な血の如き蠱惑的な赤。
「ふふ、君のは海みたいな色だねェ」
エンジのグラスでゆうらり波立つのは、静かに沈む底知れぬ青。
それを招待主のご所望通りに、互いに口を付け飲み干した後。
巡らせる視線が嬉々と映すのは、ずらりと並ぶ御馳走。
くるくると目映りしてしまう、色鮮やかなケェキ。
パーティーのオードブルには欠かせないブルスケッタに指伸ばす傍らで、常盤が口吻を落とすのは深い味わいの赤ワイン。
そんな赤ワインに良く合う、血が滴るようなレアのステェキも欠かせない。
――さて、君は何食べたい?
常盤はそう、きょろりと御馳走を見回しているエンジへと向けた三白眼を細めてみせれば。
「コレはジャーキー。あ? ジャーキーは無い? じゃあ、ちょっと高そうなジャーキー」
「高そうなジャーキー……」
聞こえた声に首を傾けつつも、アレ、薄っぺらいヤツ……と、向けている彼の視線を追ってみれば。
「あのロォストビィフとか?」
エンジの言う、高そうなジャーキーを名推理。
「野菜以外ならなーんでもイイヤ」
「僕も野菜は苦手だから避けておこう」
意見も一致したところで、タァゲットは明確に。
「エンジ君は肉食だよねェ」
……あァ、そうだ、と。
常盤は、美味しかったよと、彼へと一皿献げれば。
「とろり蕩ける仔牛のポワレなんて如何?」
「仔牛。コレが牛。食べる食べる」
……コレが、溶ける肉。知ってる、って。
そろりと口にしてみれば、常盤の言った通り、口の中で蕩けてほろり。
「ハジメテ食べたなァ。トキワは色んなモノを知っているなァ」
そう感心したように言った後、次にエンジの興味を惹いたのは。
「あ。アッチに豚の丸焼きダー。アレも食べに行こう」
こんがりいい具合に焼けた、豚の丸焼き。
「豚の丸焼き豪勢だなァ」
そして勿論、常盤はエンジへとすぐに頷く……食べに行こう、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黄葉・契次
【フラン(f25843)と】
「フランの護衛」というテイで
(黙っているとイカツイが話すと割と陽気)
一応きちんと礼服姿、首に傷跡があるのでスカーフか何か首に巻いて隠す
「そっちは様になってるな。…黙ってさえいれば」とフランの礼服姿を弄る
どうにもこうにも、この格好は窮屈だなあ
昔も今も、パーティーなんぞ縁がない
ま、折角だから堪能するさ。…酒がうまいな
(酒は好きだがデッドマン化してから酔えない
酔えるフランが少し羨ましい)
■ドリンク
選びにかかる前にフランに赤い方を取られる
俺にもちょっとは考えさせろよ、と軽く抗議はするが
強くは拒まず青い方を飲み干す
(フランの意図は大体察しており「まあ妥当だろうな」と判断)
兼石・風藍
【黄葉(f25437)と】
(黄葉に対しては基本的に横柄)
一見、「護衛(黄葉)をつけたどこかの良家の若者」という感じ。黙ってさえいれば。
礼服姿は不慣れだが苦痛ではない
「似合わないだろうとは思ってたけど、似合わないな!」と黄葉を弄る
まあ、きちんと楽しんでおくのが正解だろうな
料理や調度品を観察・分析しながら食事を楽しむ
(酒は好きだが強くはない。いくらでも飲める黄葉がちょっと羨ましいので酔うと絡む)
■ドリンク
黄葉が判断するより先に、赤い方を取り上げてさっさと飲み干す
(「黄葉が壊れても僕が治してやれるが、逆はそうはいかない」という判断だが具体的に口には出さず
「いいから僕に従っておけ」という態度をとる)
豪勢な宴には、相応しい格好をと。
礼服姿で館へと訪れたのは、厳つい護衛をつけたどこぞの良家の青年。
いや……黙っていたら、完全にそう見えるだろう。黙ってさえいれば。
不慣れだが礼服姿は苦痛ではない、と。
そっと襟元を正しつつ、兼石・風藍(炎色反応・f25843)がちらりと視線を向けるのは。
彼の護衛……という体の、黄葉・契次(牙折りクロムイエロー・f25437)の姿。
一応きちんと礼服を纏う彼の首に巻かれているのは、傷跡をそっと隠すためのスカーフ。
「似合わないだろうとは思ってたけど、似合わないな!」
そう横柄な態度で、風藍が契次の格好を弄れば。
「そっちは様になってるな。……黙ってさえいれば」
契次も、風藍にお返しを。
それから、ぼそりと呟きを落とす。
「どうにもこうにも、この格好は窮屈だなあ」
……昔も今も、パーティーなんぞ縁がない、と。
「まあ、きちんと楽しんでおくのが正解だろうな」
そうさり気なく、並ぶ料理や調度品を観察し分析せんと周囲を見回しつつも、勿論宴も楽しむつもりの風藍であったが。
まず、口にするのは……赤と青。差し出されたウェルカムドリンク。
そして、契次がそのどちらを選ぼうかと、ふたつのいろを見比べている間に。
伸ばされた風藍の手が取り上げたそのいろは――赤。
それから手にしたそれを、さっさと飲み干した彼に。
「俺にもちょっとは考えさせろよ」
そう、軽く抗議はするものの。
「いいから僕に従っておけ」
言葉通りの態度を取る風藍の選択を、契次は強くは拒まずに。
青のグラスを手にし、同じ様に飲み干す。
いや……黄葉が壊れても僕が治してやれるが、逆はそうはいかない、と。
そう判断した具体的な理由は、口には出さない風藍。
それから、赤と青を共に呷った後のお楽しみは、豪勢な食事や飲み物。
沢山の種類が並ぶ酒も、どれも上等そうなものばかりで。
「……酒がうまいな」
契次はひとくち飲んで呟きを落とした後、改めて思う。
(「酒は好きだがデッドマン化してから酔えない」)
……酔えるフランが少し羨ましい、と。
一方、風藍も同じく、酒は好きなのだが。
強くはない彼はそっと思う……いくらでも飲める黄葉がちょっと羨ましい、と。
なので、羨ましいので。
「やはり改めて見ても、正装は似合わないな!」
ちょっぴりほろ酔いになれば、契次に絡む風藍であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルーチェ・ムート
イフ(f25344)と
ありすもちーふの色違いのどれす
イフは純白
ボクは薄桃
ありがとう
イフの方がずっとかわいいよ
守りたいと思わせてくれる大好きな子
感謝を込めて頭を撫でちゃおう
えへへ、ごめんね
かわいくてつい
キミならそっちを取ると思った
傷付ける事で守る皮肉
ボクをいくらでも傷付けていいから自分を守って
お願い
これはボクのわがままだよ
出来たら、たくさん名前を呼んでほしいな
イフの声を導にすぐ帰ってくる
こそりと耳打ち
あかを飲み干そう
効くまで時間があるだろうし
楽しまなきゃ損!
あ、けーきだ
苺をキミの唇に
美味しい?
どりんくの血みたいなあまさが舌に残って消えない
うん、甘くておいしいよ
ボクの中の半分の鬼が優艶に笑い返す
イフ・プリューシュ
ルーチェ(f10134)と
ルーチェ、まるでおひめさまみたいなの!
となりがイフで、なんだか申し訳ないくらい綺麗
だって、おひめさまにふさわしいのは王子様だもの
でも、せっかくだから頑張って「えすこーと」するの
ご本でだけれど、たくさん勉強してきたわ
もう、どうして撫でるの?
いえ、嫌なわけじゃないのだけれど!
差し出された飲み物
迷わず先に青を取るわ
イフの怪我はすぐ治せるけれど
ルーチェのことを傷つけるのは、いや
これはイフのわがままよ
だからどうか、ルーチェは何も悩まないで
ありがとう
ふふ、いっぱい呼ぶわね
不安もあるけれど
いまは楽しみましょ!
ありがとう、あまくておいしいの!
お返しに、とっておきの一口をルーチェに!
まるで、不思議の国に迷い込んだかのように。
お茶会ならぬ宴へとやってきた少女たち。
そして少女たちがそれぞれ纏うそのいろは、純白と薄桃。
お揃い色違いのアリスモチーフの衣装で、ルーチェ・ムート(无色透鳴のラフォリア・f10134)とイフ・プリューシュ(Myosotis Serenade・f25344)は重厚な館の扉を潜りつつも、楽し気に言の葉を交わし合う。
「ルーチェ、まるでおひめさまみたいなの! となりがイフで、なんだか申し訳ないくらい綺麗」
……だって、おひめさまにふさわしいのは王子様だもの、って。
イフは、そう思うのだけれど。
「でも、せっかくだから頑張って「えすこーと」するの」
ご本でだけれど、たくさん勉強してきたわ、と。
……そう笑み咲かせ、イフはルーチェへとその手を差し出す。
「ありがとう、イフの方がずっとかわいいよ」
ルーチェはそう、守りたいと思わせてくれる大好きな子を映した赤を細めて。
そっと伸ばしたその手で、彼女の頭をなでなでしてあげる――感謝を込めて。
「もう、どうして撫でるの?」
そんなルーチェから撫でられたイフは、こてんと首を傾げて言うけれど。
「えへへ、ごめんね。かわいくてつい」
「いえ、嫌なわけじゃないのだけれど!」
どうしてかなって、分からなかったから。
そんな少女ふたりの前にも例外なく差し出されたそのいろは、赤と青。
迷わず先に手を伸ばしたのは、イフ。
そして取ったそのいろは――青。
「イフの怪我はすぐ治せるけれど。ルーチェのことを傷つけるのは、いや」
――だからどうか、ルーチェは何も悩まないで。
これはイフのわがままよ、って。
薄桃と橙の瞳に映る彼女に、そう付け加えて。
「キミならそっちを取ると思った」
そして……傷付ける事で守る皮肉。
「ボクをいくらでも傷付けていいから自分を守って」
――お願い。
そう、これはルーチェのわがまま。
そしてそうっとこっそり歌う様に、ナイショの耳打ちを。
……出来たら、たくさん名前を呼んでほしいな、って。
いつもは歌うその声を人々の心に響かせているルーチェだけど。
だから今度は、呼ばれるその声を導きに。
イフの声を辿ってすぐに帰ってくると……そう、約束を。
そんなルーチェに、ありがとう、とイフは笑んで。
「ふふ、いっぱい呼ぶわね」
そしてふたりで笑い合い、頷き合ってから。
一緒に――あかとあおを、飲み干す。
「不安もあるけれど、いまは楽しみましょ!」
「効くまで時間があるだろうし、楽しまなきゃ損!」
目の前には、たくさん並ぶ豪華な食事やスイーツ。
そして、きょろりと視線を巡らせたルーチェの瞳に飛び込んできたのは。
「あ、けーきだ」
ルーチェは甘いあかの果実をひとつ、イフの唇に。
それから、美味しい? と訊ねてみれば。
「ありがとう、あまくておいしいの!」
苺のお返しにと戻って来るのは、咲いた笑顔ととっておきの一口。
それをぱくりと口にして、ルーチェはイフへと微笑んでみせる。
「うん、甘くておいしいよ」
まるで血のような――纏わりつくあかの甘さが、舌に残って消えないまま。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ニルズヘッグ・ニヴルヘイム
嵯泉/f05845と
【青】
任せとけよ
私は頑丈だし
おまえの「殺す気」もいなしてみせるよ
き、気をつけるって!
燕尾服で乗り込む
結構似合ってるだろ
「顔だけは高貴」って言われるからな!
だ、だって本当だし……
取り敢えず、今は楽しんどけば良いんだな
よっしゃ、じゃあ乾杯!
あ、これ旨いな
この後のこと考えると、あんま食べるのもなあ
軽くサラダとか取って来て食ってよう
しかし、こんだけ盛大にやっといて、悪趣味だよな
妹たちの花嫁姿になら何でもあげちまえるけどさ
あいつらは……どっちなんだろ……?
部屋に行く前にこっそり刀預かっとこう
刀持ってる嵯泉が相手じゃ、流石に加減しての防衛戦は分が悪い
任せろ
後でちゃんと、生きて返すから!
鷲生・嵯泉
ニルズヘッグ(f01811)同道
【赤】
頑丈なのは認めるが……
自分で云うのも何だが、私は“殺す”となったら何をするか解らん
自身の命を疎かにはするなよ
暗色のフロックコートで参加
端麗であるのは確かにと認める処だが
其れは自分で云っていて哀しくならんのか
……話し始めると残念なのは否定出来ん、か
羽目は外し過ぎない程度にな
――乾杯
ふむ、味は悪くない
私は後の行動を鈍らせる為、酒を入れておく
余り強い方ではないから多少はお前に有利に出来る筈だ
“連中”が悪趣味なのは今に始まった事ではないだろう
気になったのだが……お前の弟妹達は何方を着るんだ?
では此の命、確と預けた……頼むぞ
ああ、生きて此の手へ渡してくれ
信じているよ
赤と青は、共に在る者達に密かに選択を迫る。
殺さんとする者と、殺されぬよう抗う者……どちらが、どちらとなるのかと。
それを知らぬままであれば、主催者の思惑通り、青を選んだ者は驚愕を、赤を飲んだ者は絶望を感じるかもしれない。
けれど、向かう猟兵達はそれを承知の上で、赤か青かを選ぶのだ。
隣を行く鷲生・嵯泉(烈志・f05845)に、任せとけよ、と。
そう紡ぐのは、ニルズヘッグ・ニヴルヘイム(竜吼・f01811)。
「私は頑丈だし、おまえの「殺す気」もいなしてみせるよ」
そんなニルズヘッグに柘榴の如き赤の隻眼を向け、頑丈なのは認めるが……と嵯泉も口を開く。
「自分で云うのも何だが、私は“殺す”となったら何をするか解らん」
――自身の命を疎かにはするなよ。
向けられたそんな言葉に、ニルズヘッグは金の瞳を瞬かせつつも頷く。
「き、気をつけるって!」
そんな彼が纏うのは、宴のドレスコードに従った、ビシッときまっている燕尾服。
「結構似合ってるだろ。「顔だけは高貴」って言われるからな!」
そう得意げに笑むニルズヘッグの姿を、暗色のフロックコート纏う嵯泉はふと見遣って。
「端麗であるのは確かにと認める処だが」
えっへん胸を張る彼の言葉は、勿論肯定するのだけれど。
首を微かに傾けつつ、こう続ける嵯泉。
「其れは自分で云っていて哀しくならんのか」
顔だけは高貴。果たしてそれは、誉め言葉なのかどうなのか。
そう言われ、ニルズヘッグは再び瞳を瞬かせる。
「だ、だって本当だし……」
そんな姿を見て、嵯泉は改めて思うのだった。
……話し始めると残念なのは否定出来ん、か、って。
まぁ、色々残念なところはあるとはいえ、彼が燕尾服が似合う高貴な顔立ちというのは確か。
「取り敢えず、今は楽しんどけば良いんだな」
「羽目は外し過ぎない程度にな」
宴の会場である館にふたり共に入れば、差し出される赤と青の色。
それをそれぞれ、選んだ自分のいろを手に取ってから。
「よっしゃ、じゃあ乾杯!」
「――乾杯」
ふたつのいろを掲げ、カチリと重ね合って……くいっと、一緒に飲み干せば。
「あ、これ旨いな」
「ふむ、味は悪くない」
客人を持て成す赤と青は、意外にもいける味。
それから、ニルズヘッグは贅沢な食事が並ぶのを見遣って。
「この後のこと考えると、あんま食べるのもなあ」
サラダなどの軽めのものを選んで、はむりと口にする。
その隣で、嵯泉が口にするのは、高そうな酒。
正直余り酒は強い方ではないが、むしろそれが、今回は好都合。
嵯泉が酒を入れておくのは、やはりこの後のことを考え、自身の行動を鈍らせるため。
「しかし、こんだけ盛大にやっといて、悪趣味だよな」
美味しい食事や酒で存分に持て成し、楽しませてから。
絶望と驚愕に陥れんとし、血を欲している、良い趣味とは決して言えない花嫁。
「“連中”が悪趣味なのは今に始まった事ではないだろう」
「妹たちの花嫁姿になら何でもあげちまえるけどさ」
そして、そう言ったニルズヘッグに、嵯泉は訊ねてみるけれど。
「気になったのだが……お前の弟妹達は何方を着るんだ?」
その問いに、ニルズヘッグも首を傾ける。
あいつらは……どっちなんだろ……? って。
そして宴も終盤に差し掛かった頃。
こっそりと嵯泉からニルズヘッグが預かるのは――彼の愛刀。
刀を握る嵯泉相手では、流石に加減しての防衛戦は分が悪いと考えるから。
「では此の命、確と預けた……頼むぞ」
そう託された得物を受け取り、こくりとニルズヘッグが頷けば。
「任せろ。後でちゃんと、生きて返すから!」
頼もしい声に、嵯泉は柘榴の隻眼を微かに細める。
「ああ、生きて此の手へ渡してくれ」
――信じているよ、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふ、ふえええぇ。
アヒルさん、約束が違うじゃないですか。
私が青でアヒルさんが赤い方を飲む約束だったじゃないですか。
なのに、アヒルさんが青を飲んでしまったら、私が赤い方を飲まないといけないじゃないですか。
ユーベルコードの使えないアヒルさんじゃ、私のユーベルコードを防げないでしょ。
どうするんですか?
ふぇ?私なんかのユーベルコードじゃ、勇敢なアヒルさんにはかすりもしないって、
もうどうなっても知りませんからね。
ほら、もう赤い方を飲んでしまいましたよ。
やって来た豪華な宴の雰囲気の中、やはりいつものようにおどおどした様子ながらも。
大きな帽子を押さえつつ、共に宴に参加するアヒルさんへと抗議の声を上げるのは、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)。
「ふ、ふえええぇ。アヒルさん、約束が違うじゃないですか」
ふたりが決めておいたはずの約束では、フリルが青で、アヒルさんが赤のドリンクを飲む予定であったのに。
アヒルさんが早々に飲んだいろは、青のドリンクであったのだ。
アヒルさんが青を飲んでしまった。ということは、必然的に。
「アヒルさんが青を飲んでしまったら、私が赤い方を飲まないといけないじゃないですか」
そう、残った赤をフリルが飲む羽目に。
フリルは青を飲んでも平然としているアヒルさんに、心配気な視線を向ける。
「ユーベルコードの使えないアヒルさんじゃ、私のユーベルコードを防げないでしょ」
――どうするんですか? って。
けれどそれでも、余裕なアヒルさん。
「ふぇ? 私なんかのユーベルコードじゃ、勇敢なアヒルさんにはかすりもしないって」
フリルは何だか自信満々なアヒルさんに、思わず瞳をぱちくりとさせるけれども。
――もうどうなっても知りませんからね。
青をアヒルさんが飲んでしまった今、もうどうしようもないから。
ぐいっと、残っている赤のドリンクを飲み干して、溜息をつく。
――ほら、もう赤い方を飲んでしまいましたよ、って。
大成功
🔵🔵🔵
カーディナル・レッド
恋人のセレスタ(f01381)と
スーツに、ロングコートを羽織って着飾ろうかな
肩に何か羽織らないと落ち着かなくてね
ドリンク、僕は【赤】をいただこう
ふふ、名の通りの色だ、似合いだろう?
それに、彼女ならなんとかしてくれるだろうしね
普段どおりの笑みで飲み干そう
なかなか悪趣味だが、乗ってやらないとね
動機はともかく折角のパーティーだ
彼女の可愛らしいドレス姿も堪能できるし悪くないね
君もそう硬くならずに、一緒に美味しい食事を楽しもう、と手を引こう
ほら、このローストビーフなんて美味しそうだよ
それともこっちのチキンにしようか
だからいつもの可愛い君を見せて。そう笑いかけよう
美味しそうに食べる君が好きなんだから、ね?
セレスタイト・ヴェニット
カディ(f01636)と
彼に合わせたドレスを着て
ボクは青のドリンクを
普段なら赤を選ぶけど今回は
ちょっと、ううん、すごく緊張してて
なんとか彼に頷く
顔に言葉に出さないように…
ガチガチの所カディの手が包んでくれる
は、そうですねっ
おいしいもの食べたら元気になりますよね
あの、でもボク本当にいつも食べ物のことばかりで
そろそろ自重した方が…
ステキなドレスも着てるし
でも前回もドレス着ながらお腹が元気だったな…
いえ今回こそガマン、ここはガマ……
目の前に差し出されたお肉料理
いい匂いすぎて
チキンからいただきます…
うぅおいしい…
カディの笑顔が眩しくて
カディで満たされて胸がぎゅっとするから
だから
ボクも自然に笑顔が溢れて
赴く宴のドレスコードは正装、ということだから。
「肩に何か羽織らないと落ち着かなくてね」
カーディナル・レッド(優しい嘘・f01636)はスーツの上からロングコートを羽織った装い。
そんな着飾った彼も、やっぱり似合っていて格好良くて。
セレスタイト・ヴェニット(優翼・f01381)も彼に合わせたドレス姿で、気合いを入れて宴に臨む。
そして、ふたりの前に並べられたのは――赤と青のいろ。
普段ならば、セレスタイトが赤を選ぶところなのだけれど。
「ふふ、名の通りの色だ、似合いだろう?」
普段通りの柔い笑みを宿し、カーディナルが手にしたのは、赤が注がれたグラス。
青を手にしたセレスタイトは逆に、何とか彼に頷くので精一杯。
(「ちょっと、ううん、すごく緊張してて……」)
けれど、それを顔や言葉に出さないようにと、懸命につとめる。
そんな彼女を見つめる赤の瞳を、そっと細めるカーディナル。
普通通りの微笑みを向けられるのも、彼女ならなんとかしてくれるだろうと、そう思っているから。
(「なかなか悪趣味だが、乗ってやらないとね」)
主催者のご所望通り、敢えて乗るのもまた一興というもの。
そしてカーディナルは、眼前の華の様なドレス姿の恋人を見つめる。
(「動機はともかく折角のパーティーだ。彼女の可愛らしいドレス姿も堪能できるし悪くないね」)
それから、細くしなやかなその手を引きながら紡ぐ。
「君もそう硬くならずに、一緒に美味しい食事を楽しもう」
そんな言葉に、セレスタイトはその顔をぱっとあげて。
「は、そうですねっ。おいしいもの食べたら元気になりますよね」
そう、こくこくと最初こそ頷いたのだけれど。
ちらりと彼を見上げながらも、遠慮気味に続ける。
「あの、でもボク本当にいつも食べ物のことばかりで。そろそろ自重した方が……ステキなドレスも着てるし」
ひらり、華の様にドレスを揺らすけれど。
(「でも前回もドレス着ながらお腹が元気だったな……」)
けれども、ふるふると誘惑に負けぬよう、首を懸命に横に振って。
必死に自分に言い聞かせるセレスタイトだけど。
「いえ今回こそガマン、ここはガマ……」
「ほら、このローストビーフなんて美味しそうだよ。それともこっちのチキンにしようか」
――だからいつもの可愛い君を見せて。
そう綺麗な顔で笑いかけるカーディナル。
そんな彼の微笑みと、目の前に差し出されたいい匂いすぎる肉料理に。
「チキンからいただきます……」
抗うことなんて、セレスタイトには到底できそうにない。
そんな眼前の彼女のことはよく分かっているし。
それに、何よりも――。
「うぅおいしい……」
そう、ぱくりとチキンを食べながらも思わず呟きを落とす彼女に、カーディナルはくすりと笑んで。
そして、耳元で囁くようにこう続けるのだった。
――美味しそうに食べる君が好きなんだから、ね? って。
そんな、向けられる彼の笑顔が眩しくて。
(「カディで満たされて胸がぎゅっとするから」)
だから、さっきまで緊張していたセレスタイトの顔にも溢れるのだ。
彼へと咲かせる、自然に零れる笑顔が。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラスカス・フォティア
ルアン(f05687)と参加する
あれこれ着させられたと思ったら妙なパーティーだ
こんな場なのにルアンは楽しそうだし、溜息も出る
とにかく【青】のドリンクは迷いなく飲み干す
まぁルアンに何かあってもなんとかしてやるから安心しろ
…しかし、お前ドレス似合うな、と隣のルアンを見て
此処は敵の屋敷だが、美人が隣にいるなら悪くない気分だ
柄じゃないがしっかりエスコートさせていただこう
と、甘味ばかり集まったテーブルへ手を引く
お前、超の付く甘党だからな
妹の方も甘党だし、よく似ているなどと思い返しつつ…
食べきれなかったら貰ってやるぞ、と声をかけておく
正直俺は肉とかの方が食いたい
どうせなら腹一杯楽しんでやろう
*服装お任せ*
ルアン・ヒスイ
ラス/f00157と参加
僕は動きにくくなるようドレスを着るよ
女性らしく名演技するからエスコートよろしくね
【赤】のドリンクをいただいて
おいしいね、無邪気に味わい
溜め息吐く彼を見上げれば
…うん、格好良い
ラスを着付けたのは自分だけど
素材が良くて見惚れ
隣が自分で申し訳なくなる
彼の言葉に不意を突かれ吃驚したけど
褒められるのは嬉しい
ありがとう
手を引かれ移動した先に菓子類コーナー
うん、考えてる事がバレバレで恥ずかしいな…
でもドレスだから控えめにしないと
僕の呟きへ返された彼の優しさに
つい妹の時もそうなのだろうと浮かんで微笑ましくなる
それじゃラスも料理を楽しめるよう
肉料理も一緒に、ね
今は楽しい時間をキミと共に
――目一杯ドレスアップしていらして、と。
宴の主催者がそう所望しているのだと聞いたし。
宴の後のことを考えて、ルアン・ヒスイ(深碧・f05687)が選び纏うのは、動きにくくなるようなドレス。
「女性らしく名演技するからエスコートよろしくね」
そしてそう言った彼女に、あれこれ着せられた理由が、ラスカス・フォティア(黒・f00157)には漸くわかったのである。
連れてこられたのは、妙なパーティー。
こんな場なのにルアンは楽しそうだし、と。またひとつ溜息が出てしまうラスカスだけど。
並べられたふたつのいろのうち、片方のいろで満ちたグラスに手を伸ばして。
迷いなく選んだ色――青のドリンクを飲み干して。
「おいしいね」
赤のドリンクに口付け、無邪気に笑む彼女へと紡ぐ。
「まぁルアンに何かあってもなんとかしてやるから安心しろ」
そんな時折溜め息吐く彼を見上げれば。
(「……うん、格好良い」)
思わず見惚れてしまう、着飾ったラスカスの姿。
ルアンが彼にと選んだのは、正統派な黒の燕尾服。
アクセントにと胸に挿したチーフの色は、彼の瞳と同じ夕焼けの様な橙色をチョイス。
あれこれと着せてみたけれど……結局は素材が良いから、下手にあれこれしなくても十分だったのだ。
そしてそんな格好良い彼の隣が自分で、ルアンは申し訳なくなるけれど。
「……しかし、お前ドレス似合うな」
その声に顔を上げれば、自分を見つめる橙色の彼の瞳。
不意を突かれたそんな言葉に、ルアンは思わず吃驚したけれど。
「此処は敵の屋敷だが、美人が隣にいるなら悪くない気分だ」
褒められるのは、やっぱり嬉しいから。
――柄じゃないがしっかりエスコートさせていただこう。
そう差し出された手を取って、ルアンは彼へと礼を告げる……ありがとう、って。
そして、手を引かれた先にあったのは――甘いものがいっぱいの、スイーツコーナー。
「お前、超の付く甘党だからな」
「うん、考えてる事がバレバレで恥ずかしいな……」
……でもドレスだから控えめにしないと、と。
そう思わず落とした呟きに、ラスカスはふと思い返しつつも口を開く。
「妹の方も甘党だし、よく似ている」
食べきれなかったら貰ってやるぞ、って。
呟きへと返されたのは彼の優しさ。
そしてつい、妹の時もそうなのだろうと。そう浮かんで微笑ましくなる。
「正直俺は肉とかの方が食いたい」
……どうせなら腹一杯楽しんでやろう。
そう言ったラスカスに、ルアンは笑んで。
「それじゃラスも料理を楽しめるよう、肉料理も一緒に、ね」
甘い物だけでなく、肉料理も皿に乗せていきながら思う。
――今は楽しい時間をキミと共に、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
森宮・陽太
☆
【敬輔(f14505)と】
俺は【赤】、敬輔が青
アドリブ大歓迎
※過去の記憶なし
ったく、この世界のヴァンパイアとやらは趣味が悪い
知人に頼まれて手は貸すが
正直ムカムカするぜ
衣装はタキシードとやらを借りるぜ
初めて着るはずなんだが、妙に肌に馴染む
…動き辛くはないが、なぜだ?
ウェルカムドリンクを受け取ったら2人で乾杯
同時にあおって一息
…全く、趣味が悪い
(小声で敬輔に謝られて)
気にすんじゃねえ
仲間を斬ったら、あんたの心は壊れる
だから俺が代わりにやるだけの話だ
…全力で防いでくれよ
歓談中も身を固くする敬輔をさりげなく注意
もっとリラックスして肩の力抜けや
慣れてねえのはわかるからよ
ほら、これうまいぜ(料理差し出す
館野・敬輔
【陽太さん(f23693)と】
僕は【青】、陽太さんが赤
アドリブ大歓迎
オブリビオン主催の宴か
正直嫌悪感しかしないが
悪趣味なヴァンパイアを倒す為なら
僕にとっては今の黒鎧姿が正装なんだけど
今回はタキシードを調達して来よう
着慣れないし動きづらいがそこは我慢だ
ウェルカムドリンクを受け取ったら乾杯
2人同時に一気にあおる
…確かに美味しいんだが
(小声で)陽太さん、ごめん
今回、嫌な役回りを引き受けてもらって
どうしても、仲間に剣は向けたくないからさ
歓談中もヴァンパイアの気配を探ろうを身を固くし
さりげなく陽太さんに注意され
…え? もっとリラックスしろ?
ああごめん、どうにも慣れないから
(料理差し出され)あ、ありがとう
豪華な館で催されると予知されたのは、一風変わった参加条件付きの宴。
(「オブリビオン主催の宴か。正直嫌悪感しかしないが、悪趣味なヴァンパイアを倒す為なら」)
館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)は重厚な門を潜りながらも、猟兵としてなすべきことをやるべく宴へと臨む。
そしてそんな敬輔の隣で。
(「ったく、この世界のヴァンパイアとやらは趣味が悪い。知人に頼まれて手は貸すが、正直ムカムカするぜ」)
そう溜息をつくのは、森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)。
そんなふたりが纏うのは、いつもとは違った正装。
(「僕にとっては今の黒鎧姿が正装なんだけど、今回はタキシードを調達して来よう」)
――着慣れないし動きづらいがそこは我慢だ、と。
何故動きにくいがこの装いかといえば、今回の宴のドレスコードが正装であるからだが。
敬輔と同じく陽太もタキシードを借りて纏っているけれども。
(「初めて着るはずなんだが、妙に肌に馴染む……動き辛くはないが、なぜだ?」)
そう首を傾げながらも、豪華な屋敷の中へ。
そしてまずは、差し出された赤と青のグラス。
手にしたそのいろは――陽太が赤、敬輔が青を。
それから乾杯をして、同時に一気に呷るふたり。
「……確かに美味しいんだが」
「……全く、趣味が悪い」
敬輔はふと、グラスに注がれた色の様な、赤と青の瞳を陽太へと向けつつ小声でこう紡ぐ。
「陽太さん、ごめん。今回、嫌な役回りを引き受けてもらって」
――どうしても、仲間に剣は向けたくないからさ、って。
そんな謝罪の言の葉に、陽太は返す。
「気にすんじゃねえ。仲間を斬ったら、あんたの心は壊れる。だから俺が代わりにやるだけの話だ」
……全力で防いでくれよ、って。
敬輔は彼の声に頷いた後、賑やかな宴の中、ヴァンパイアの気配を探ろうを身を固くするけれど。
「もっとリラックスして肩の力抜けや」
そうさり気なく注意の声を掛ける陽太。
「……え? ああごめん、どうにも慣れないから」
「慣れてねえのはわかるからよ」
そして陽太は、美味しそうなものをいくつか盛った皿を差し出して。
敬輔は瞳をぱちくりさせながらも、それを受け取ってから。彼に、再び礼を言うのだった。
――あ、ありがとう、って。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
誘名・櫻宵
🌸宵戯
赤
男の格好をするのも良きものね
どう?
ロキに合わせて異国の民族衣装を纏ってみたの
真っ赤な衣はお気に入り
エスコートをさせて頂こうか
お手をどうぞ、私のかみさま
なかなか様になっているね
気取ったように微笑んで手をとり歩む
いつもと違う変な感じね
仮面?
見えぬものは常日頃
洒落たものならば是非とも
血のような赫ね
蒼もつロキと乾杯を
一息に飲み干せば美味しとため息零す
ロキの血のが美味しいよ
それは楽しみと密やかに笑む
宝石のようなケーキをひとつ
甲斐甲斐しく食べさせてあげる
まるで雛鳥のよう
笑みが溢れてたまらない
私でない私に
どうか殺されないで頂戴ね
殺意でなく愛をもってころしたい
うふふ
贈り物待つ子どものように
待っていて
ロキ・バロックヒート
🌸宵戯
青
エスニック風の中性的な礼装
わぁ宵ちゃんすごい似合うーかっこいい
普段とはまた違う色気があるよね
エスコートしてくれるの?
じゃあお願いしようかな
笑い合って手を取って
変?仮面でも付けたらもっと楽しいかな
なんて
青を持って乾杯
一気に飲み干して
あぁおいしいね
こっちにも何か入ってたら面白いのに
私を楽しませてくれたらまた齧らせてあげる
ふふ
わぁきれいなケーキ
ぜひ食べさせてよ
あーんって口開けて
気分は主人のよう
おやおや誰に言ってるの?
ちゃぁんと約束は守るよ
殺されちゃう気はないし
ちょっとそれも良いけど、とは胸の中
宵ちゃんの分も愉しんであげるから
気にしないでおいで
あぁ、どんな風に殺しに来るんだろう?
とても楽しみ
――着飾っていらして、と。
今宵開かれる宴のドレスコードは、正装。
そして誘名・櫻宵(貪婪屠櫻・f02768)の姿は、いつもの麗しく咲く女物の和装ではなく。
「男の格好をするのも良きものね」
目を惹くように鮮やかな、異国の真っ赤な衣。
「どう? ロキに合わせて異国の民族衣装を纏ってみたの」
「わぁ宵ちゃんすごい似合うーかっこいい。普段とはまた違う色気があるよね」
エスニック風の中性的な礼装を纏ったロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)は、新鮮な装いの櫻宵へとそう笑って。
宵ちゃん、ともう一度、彼しかしらないその名を呼んで。
エスコートをさせて頂こうか、と紡いだ櫻宵はひらり、その手をロキへと差し出す。
――お手をどうぞ、私のかみさま、って。
「エスコートしてくれるの? じゃあお願いしようかな」
「なかなか様になっているね」
気取ったように微笑んで、そう手を取って。
「いつもと違う変な感じね」
「こんなのもたまにはいいんじゃない?」
一緒に歩み出すふたりは手を取り合いながら、そう顔を見合わせては思わず笑い合う。
そしてふと、櫻宵へとこう訊ねるロキ。
「変? 仮面でも付けたらもっと楽しいかな、なんて」
「仮面? 洒落たものならば是非とも」
見えぬものは常日頃……そう、櫻宵は春宵に咲く瞳を細めて返す。
そんなふたりは、重厚な館の門を潜り、宴が催される屋敷内へと足を踏み入れて。
赤と青――差し出されたそのいろを、躊躇うことなくそれぞれ手にする。
「血のような赫ね」
櫻宵の桜霞に重なるそのいろは、まるで血のような、あか。
そして、ロキのグラスに揺蕩うあおのいろと――乾杯、と。
カチリとふたつ重ね合わせた後、共に一息に飲み干せば、漏れるため息と零れる声。
「……美味し」
「あぁおいしいね。こっちにも何か入ってたら面白いのに」
けれど、ロキが口にした青は、赤とは違って、ただ美味しいだけの飲み物で。
確かに櫻宵が口にしたあかも、美味しかったのだけれど。
「ロキの血のが美味しいよ」
「私を楽しませてくれたらまた齧らせてあげる」
そう、ふふ、と楽し気に笑うロキに、櫻宵も密やかに笑む――それは楽しみ、って。
それから、ずらりと並ぶ豪勢な料理や甘味も、勿論一緒に楽しむ。
櫻宵がひとつ選んで掬ったのは、まるで宝石のようなケーキ。
それを甲斐甲斐しくロキの口元へと持っていけば。
「わぁきれいなケーキ。ぜひ食べさせてよ」
……ぜひ食べさせてよ、って。
あーんと口を開ければ、与えられるのはあまい味。
そんな至れり尽くせりな様子に、気分は主人のよう、と愉快に笑むロキだけど。
櫻宵はくすりと笑んで紡ぐ。まるで雛鳥のよう、なんて。
……甘えるのも、甘やかすのも、得意。
そんなふたりが過ごすのは、笑みが溢れてたまらないひととき。
そしてあまいひとさじを、再び差し出しながら。
櫻宵はロキに、一等綺麗に咲かせた微笑みを向ける。
「私でない私に、どうか殺されないで頂戴ね」
――殺意でなく愛をもってころしたい、って。
ロキはその言葉に、やっぱり楽しそうに笑って返す。
「おやおや誰に言ってるの? ちゃぁんと約束は守るよ。殺されちゃう気はないし」
……いや、向けられるのが殺意であっても、桜龍に喰い殺されちゃったりしても……それはそれで面白そうだし。
ちょっとそれも良いけど――なんて、それは胸の中だけにしておいて。
「宵ちゃんの分も愉しんであげるから。気にしないでおいで」
そう言ったかみさまに、櫻宵は、うふふと笑み零す。
――贈り物待つ子どものように、待っていて、って。
そしてロキも笑みを返しながら、無邪気にその心を躍らせる。
――あぁ、どんな風に殺しに来るんだろう?
蜂蜜のようにあまいいろを細めて……とても楽しみ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
閖神・宵帝
甥(f02927)
パーティーは慣れているが、甥と来るのは初めてだな
俺は残った青のドリンクを手に取ろう
おいおい俺任せか?
今から決闘のマナーでも叩き込んでおこうか
美味そうな料理を取って立食を楽しむ、あとなにかドリンクを。
そういえば巴はもう成人していたね。
随分大きくなったなあ。
それならワインを飲もうか。
最近の調子はどうだ?
雑誌で見るお前は相変わらずな様子だが、
さてプライベートではどうだろうな
以前会った時より大人になったこの子は、顔つきもだが何かを乗り越えた、先を見た瞳をしている
それでもまだ幼い所もあるが。
これから先が楽しみだ
変わらぬ夢を持ち続けるこの子の道程を酒のつまみに美味い酒を楽しませてもらおう
五条・巴
伯父(f19556)と
おじさんは華やかなパーティー慣れてるよね
ふふ、勉強させていただきますよ
僕が選ぶのは赤いドリンク
僕はおじさん御しきれないだろうし
そうだった、成人してからは初めてだったね
ありがとう。僕も大人の仲間入り
背筋がピンと伸びた、落ち着いた佇まい
優しい笑みがより余裕そうに見せてる
包容力のある、大人の男
小さな頃から見てた瞳は相も変わらずずっと何か探してる
これはおじさん本人にも言っちゃいけないことなんだろうな
久しぶりの身内との会話
僕のこと、おじさんのこと、おじさんから譲ってもらった家での話、今のおじさんの生活する場所の話
時折触れるマナー以外、小声で紡ぐプライベートを楽しませて
今宵催されるのは、ドレスコード付きの豪華で華やかな宴。
けれど特に臆することなく、スマートに場へと足を運ぶのは、閖神・宵帝(硝子の檻はもういらない・f19556)。
「パーティーは慣れているが、甥と来るのは初めてだな」
「おじさんは華やかなパーティー慣れてるよね」
……ふふ、勉強させていただきますよ、と。
頼もしい伯父へと綺麗な笑みを向けるのは、五条・巴(見果てぬ夜の夢・f02927)。
けれど、賑やかなパーティーを楽しむその前に。
ふたりの前にも差し出されるのは――赤と青、ふたつのグラス。
そして手を伸ばした巴が選んだそのいろは……赤。
「僕はおじさん御しきれないだろうし」
巴のそんな声に、宵帝は残った青で満ちたグラスを取りながら、甥へと紫の視線を向ける。
「おいおい俺任せか?」
……今から決闘のマナーでも叩き込んでおこうか、と。
そして、難なく赤と青をそれぞれ飲み干せば。
あとは来たる時がくるまで、豪勢な料理や飲み物が並ぶ立食パーティーを折角だからと楽しむ。
宵帝は料理は勿論、あとなにかドリンクを、と。そうぐるりと見回してみながらも。
ふと巴を見て、感慨深げに紡げば。
「そういえば巴はもう成人していたね。随分大きくなったなあ」
「そうだった、成人してからは初めてだったね」
――ありがとう。僕も大人の仲間入り。
そう、巴は微笑んで返す。
そして成人した甥と共に飲まんと、宵帝が選んだのは――深い大人の味わいの、赤ワイン。
ゆらりと濃い赤のいろを揺らし、口にしながらも。
久し振りに交わす会話は、身内らしいもの。
「最近の調子はどうだ?」
いや、巴の姿は見かけるのだ。雑誌で表紙を飾る、その姿は。
けれども、やはりこうやって顔を合わせれば。
「雑誌で見るお前は相変わらずな様子だが、さてプライベートではどうだろうな」
それは、伯父と甥のもの。
時折、マナーのことに触れたりもするけれど。
……自分のこと、彼のこと、譲ってもらった家での話や、今の伯父の生活する場所の話。
巴は、そんな伯父とのプライベートを小声で紡ぎながらも楽しんで。
それからふと、眼前の彼を見つめる。
背筋がピンと伸びた、落ち着いた佇まい。宿る優しい笑みが、より余裕そうに見せていて。
――包容力のある、大人の男。
そしてやはり、久し振りに会った今も、こう感じるのだ。
(「小さな頃から見てた瞳は相も変わらずずっと何か探してる」)
でも、それを巴は口にはしない。
……これはおじさん本人にも言っちゃいけないことなんだろうな、って。
そう思っていることだから。
そして宵帝も、大きくなった甥をその瞳に映していた。
いや、年齢的にも大きくなったと言えるのだけれど。
(「以前会った時より大人になったこの子は、顔つきもだが何かを乗り越えた、先を見た瞳をしている」)
それでもまだ、幼い所もあるのだけれど。
でもだからこそ、宵帝は思うのだ――これから先が楽しみだ、と。
甥と共に、熟成された深いいろを湛える、赤ワインを酌み交わしながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シン・クレスケンス
アドリブ歓迎
【SPD】
従えている闇色狼の姿のUDC「ツキ」を連れて参加します。
ブラックのフォーマルスーツで、普段は下ろしている前髪もセットして。
ツキも予めブラッシングしておきましょう。
ウェルカムドリンクは僕が「青」でツキが「赤」。
オブリビオンに気取られないようにか、念話で伝えてくるツキ。
(俺が赤で良いのか?「今度は」瀕死じゃ済まないかもしれないぜ?)と、愉快そうに目を細めてます。
乾杯後彼に差し出したグラスからドリンクを舐める仕草はただの犬…じゃなくて狼です。UDCには見えませんねと苦笑。
【コミュ力】で周りに溶け込んで、怪しまれない程度にさり気なく辺りに注意を払い【情報収集】しながら歓談します。
招待された宴に指定されているドレスコード。
それに従い、シン・クレスケンス(真実を探求する眼・f09866)はブラックのフォーマルスーツを纏って。
普段は下ろしている前髪も抜かりなくセットしてから。
共に宴へと参加する闇色狼の姿のツキの毛並みも、予めブラッシングして艶々に。
そして、重々しい大きな門を共に潜って。
妙な参加条件がついた宴が開催されるという屋敷へと足を運べば。
眼前に出されるのは、ウェルカムドリンク――グラスに入ったふたつのいろの液体。
それは予知通り、ひとつが赤、ひとつが青。
そして、青を取ったシンに。
屋敷に潜むというオブリビオンに気取られないようにか、念話で語りかけてくるツキ。
――俺が赤で良いのか? 今度は瀕死じゃ済まないかもしれないぜ? って。
その様を見れば、愉快そうに目を細めているけれど。
乾杯後、彼にドリンクの入ったグラスを差し出せば。
ぺろぺろとグラスの中を舐めるその様子をみれば、どの仕草は、どこからどうみてもただの犬……いや、ただの狼で。
「UDCには見えませんね」
眼鏡の奥の瞳で彼を見遣るシンはそう、思わず苦笑してしまうけれど。
気を取り直し、怪しまれない程度にさり気なく辺りに注意を払うように、そっと周囲へと視線を巡らせてみる。
そして謎の多いこの宴や、今はまだ姿をみせない主催者のことを探るべく、歓談しながらも情報収集を。
大成功
🔵🔵🔵
有栖川・夏介
【藤彦君(f14531)と】
赤を飲むか青を飲むか逡巡するも、赤を藤彦君が迷いなく口にしたのをみて覚悟を決める。
青のドリンクをいただきますね。
「…赤が私の色なら、青は藤彦君の色かな」
ドリンクを飲みながら、この後について思考する。
俺は藤彦君には殺されるつもりはないし、彼を殺さないように気をつけながら抑えなければ……。
黒基調の燕尾服、差し色に赤
正装、久しぶりにした気がします。
「……こんな姿、絵に残しても仕方ないでしょう」
それよりも
「君のほうが似合ってますよ」
思ったことをそのまま伝える。
エスコート、この場ではそうしたほうが自然ですね。
それでは…
「お手をどうぞ……my dear」
一礼し、手を差し伸べる。
飛鳥井・藤彦
【有栖川の兄さん(f06470)と】
飲み物、僕は【赤い方】頂きますわ。
「ほら、兄さんの色やし?」
嫣然と微笑み、迷う素振りなくグラスに口をつけ。
兄さんは僕相手に殺されるわけないし、僕も簡単に殺されへんよ。
それにしても正装姿の兄さんもええなぁ。
「はぁ、絵に残したい……」
兄さんを愛でつつ話してれば違和感なく宴に溶け込めるやろ。
ちなみに僕は今髪も長いし、化粧もして青いドレス姿。
耳飾りは兄さんの瞳色。
礼儀作法と女性らしい立ち居振る舞いは昔取った杵柄で、男っぽいラインはストールと手袋でカバー。
兄さんに褒められたら嬉しいわぁ。
「あとはエスコートして貰たら完璧とちゃう?」
兄さんの顔を悪戯っぽい顔で覗き込む。
やたら豪華な屋敷に足を踏み入れれば、まず迫られるのは。
催される宴への参加資格を得るために必要な選択。
目の前に差し出されたいろは、赤と青。
そのふたつのいろを前に、有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)は逡巡する。
赤を飲むか、それとも、青を飲むか。
けれど、そんな夏介の様子を後目に。
ひょいっと伸びたのは、片方のいろを攫う手。
飛鳥井・藤彦(春を描く・f14531)は嫣然と微笑み、迷う素振りもなく揺らめくいろを湛えたグラスへと口をつける。
そんな藤彦が、手にし呷ったそのいろは。
「ほら、兄さんの色やし?」
見つめる先の瞳と同じ色の――赤。
そんな赤のドリンクを迷いなく口にした藤彦を見て、夏介も覚悟を決める。
――青のドリンクをいただきますね、と。
それから赤の瞳を細め、夏介は見つめ返した藤彦へと紡ぐ。
「……赤が私の色なら、青は藤彦君の色かな」
そして手にした青を口に運び、艶やかに笑む彼と共に飲み干しながらも。
思考を巡らせるは、この後について。
ふたりで飲み下した赤と青……そのうち、赤を選んだ方が青を殺さんと襲い掛かる、と。
夏介が飲んだのは、普通のドリンクである青だけれども。
(「俺は藤彦君には殺されるつもりはないし、彼を殺さないように気をつけながら抑えなければ……」)
そして勿論、赤を選び飲んだ藤彦も同じ。
(「兄さんは僕相手に殺されるわけないし、僕も簡単に殺されへんよ」)
けれど……それはともかく。
藤彦は、差し色の赤が映える黒基調の燕尾服纏った夏介を見つめて。
それにしても正装姿の兄さんもええなぁ、と感嘆の溜息まじりに口にしてから。
「はぁ、絵に残したい……」
眼前の彼を、余すことなく愛でれば。
正装、久しぶりにした気がします、と言った後。
夏介は、自分を上から下まで眺めている藤彦へと首を傾けて。
「……こんな姿、絵に残しても仕方ないでしょう」
そして、思ったことをそのまま続けて伝える。
「君のほうが似合ってますよ」
そんな夏介の目の前の彼は、魔力の影響か、今は流れる様に長い髪で。
化粧も施した、ひらりと揺れる青いドレス姿。そして耳を飾るそのいろは、共に在る彼の瞳色。
男っぽいラインをふわり巻いたストールや着けた手袋でカバーすれば、昔取った杵柄。
礼儀作法に則ったその立ち振る舞いは、どう見ても女性らしいもの。
藤彦は艶のある唇に笑みを宿し、兄さんに褒められたら嬉しいわぁ、と藤色の瞳を細めた後。
夏介の顔を悪戯っぽく覗き込んで、こんなお強請りを。
「あとはエスコートして貰たら完璧とちゃう?」
そんな彼の声に、夏介はこくりと頷いてから。
「エスコート、この場ではそうしたほうが自然ですね」
それでは……そう言った後、一礼し、手を差し伸べる。
――お手をどうぞ……my dear、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・嵐吾
f05366/ユルグ君と
【青】
ツーピーススーツにネクタイを締め
かっちりとすべきではと思ったんじゃけどしんどい
わしもユルグ君倣って緩めてしーまお
そういうユルグ君こそ、ええ男じゃよ
この青の寒々しさよ
これ、あれ思い出すわぁ
かき氷のシロップ…舌、青くなったりせんじゃろか
ふふ、そじゃね。この夜にかーんぱい
構えて飲んだが美味い
高そうな味? 確かに
舌、どうじゃろか?
折角飲むなら美味い酒よな
グラスが空とは早い
次は何飲むかの
ワインにしよかな…赤か白か
白にしよ、またあとで別の飲めばええし
お、どこじゃ?
酒と甘いもんの相性ええもんね
しかし、色々振舞い楽しくさせて、叩き落とすんよなぁ
準備がええのか、それとも性が悪いんか
ユルグ・オルド
f05366/嵐吾と
【赤】
借りたスリーピースに赤いタイ
あ、だめだわ行儀よくしてんの3秒持たない
ちょっとタイ緩めよ、平気平気
嵐吾はばっちりきまってンじゃん
んふふ、知ってる
受け取るウェルカムドリンクは赤で
きれーな色した杯揺らしたら
なるほど、飲んだら舌見してみ
そんじゃア華やかな夜に乾杯
…高そうな味する
あ、舌赤い?青くなった?
乾したら次はシャンパングラス
いやア折角だから普段呑まねェようなのにしとこうかなァ、ッて
嵐吾はなんかお目当て有るかい
くるりと会場見回して、ほら、菓子類もあるよ
なんてどれも選り取り見取り
やァね、どうせ飛び降りるんなら
高いとっからのが楽しいだろ
趣味が悪ィには違いないケド
豪華絢爛な宴に参加するべく屋敷を訪れたのは、見目麗しい殿方がふたり。
ツーピーススーツにネクタイを締めて。普段とは分け目を変えた前髪に、ゆらり揺らすのは、毛並みの良い尻尾だけでなく。高い位置できゅっとひとつに纏めた灰青の髪。
そんな終夜・嵐吾(灰青・f05366)と並ぶユルグ・オルド(シャシュカ・f09129)が纏うのは、クラシカルで上品な雰囲気の三つ揃えのスーツ。きっちりと締められた赤いタイが良いアクセントとなって目を惹く。
……の、だけれど。
(「かっちりとすべきではと思ったんじゃけどしんどい」)
(「あ、だめだわ行儀よくしてんの3秒持たない」)
そして先に根を上げたのは、ユルグ。
「ちょっとタイ緩めよ、平気平気」
屋敷に足を踏み入れてまさに3秒、ぐっと手を掛け、速攻で赤のタイを緩めながら。
「嵐吾はばっちりきまってンじゃん」
そう紡いで、タイと同じ色をした瞳で連れを眺めれば。
……わしもユルグ君倣って緩めてしーまお。
そう同じくゆるりと堅苦しいネクタイを緩めた嵐吾はへらりと、いつもの様に柔らかに笑んで返す。
「そういうユルグ君こそ、ええ男じゃよ」
そんな嵐吾の言葉に、んふふ、知ってる、と。ユルグは紡ぎ笑ってから。
目の前に並べられたグラスをひとつずつ、それぞれその手に取る。
そのいろは、赤と青――ふたり、異なるいろ。
この青の寒々しさよ、と。見つめる琥珀に青を重ね、呟きを零してから。
「これ、あれ思い出すわぁ」
ぴこりと耳を揺らし、嵐吾はこう続ける。
「かき氷のシロップ……舌、青くなったりせんじゃろか」
そしてゆうらりと杯に注がれた赤を揺らしながら。
ユルグは、妖しいほどに鮮やかな赤と青へと視線を巡らせて。
「なるほど、飲んだら舌見してみ」
――そんじゃア華やかな夜に乾杯。
そう漆黒の空に赤を掲げれば。
ふふ、そじゃね、と笑んだ嵐吾も、この夜にかーんぱい、と。
掲げられた赤に、己の手の中の青をカチリと重ねた後。
そろりと、口へと運んでみれば。
「……高そうな味する」
「高そうな味? 確かに」
構えて飲んでみたが、赤も青も、思いのほか美味しくて。
そしてふたりは確認し合う。
「舌、どうじゃろか?」
「あ、舌赤い? 青くなった? 見せてみ……って、嵐吾の舌、真っ青になってンじゃん」
「えっ、わしの舌、青くなっとる?」
そうぱちくりと瞳を瞬かせる嵐吾に、ユルグは楽し気に笑う。ふふ、冗談、って。
そして主催者のご所望通り、赤と青を飲み干せば。
後は、どの飲物でも食べ物でも、お好きな物をどうぞと。
そう言わんばかりに並ぶ、贅沢な料理や酒。
「折角飲むなら美味い酒よな」
きょろり目移りする嵐吾は、早速手にしたシャンパングラスを空けた連れに、グラスが空とは早い、と呟きを向けて。
「いやア折角だから普段呑まねェようなのにしとこうかなァ、ッて」
次は何飲むかの、と言った嵐吾にユルグは訊ねる。
「嵐吾はなんかお目当て有るかい」
「ワインにしよかな……赤か白か」
そして嵐吾が選んだのは、白ワイン。また後で別のものも飲めばいいのだから。
それから、赤の視線をくるり巡らせたユルグが見つけたのは。
「ほら、菓子類もあるよ」
「お、どこじゃ? 酒と甘いもんの相性ええもんね」
酒と共に摘まめる甘味。料理も酒も甘味も、どれも選り取り見取りである。
そんな贅沢で楽しいひとときを満喫しながらも。
嵐吾はゆるりと灰青の尻尾を揺らし、華やかな宴の光景を映す琥珀を細め紡ぐ。
「しかし、色々振舞い楽しくさせて、叩き落とすんよなぁ」
……準備がええのか、それとも性が悪いんか。
ユルグはそんな嵐吾の言葉に、ちょっぴりだけ酔ったかの様に笑って返す。
「やァね、どうせ飛び降りるんなら、高いとっからのが楽しいだろ」
――趣味が悪ィには違いないケド、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リオン・リエーブル
パラスさん/f10709と
赤
一人称おにーさん
シルバーグレーのタキシード
髪はきっちり整えて男ぶり5割増
パラスさんより早く取って
さくっと飲み干そう
ふむふむこういう調合ね
興味深く分析
怒るパラスさんに肩を竦め
だってーおにーさん殺されたくないもん
こんな洗脳されたらさ容赦なく殺しにくるよね
無言で眉間に一発ジエンドとかヤダヤダ
避けられる気がしないね
(髪を掻き上げ)
分かってると思うけど
このピアスだけは壊しちゃダメだからね
どうなるか保証はしない
それだけは言っとく
さて踊りませんかお嬢様
パラスさんの手をニヤニヤしながら取ってワルツをリード
意外と踊れるじゃん
おおっと逆襲されちゃった
おにーさんは皆のおにーさんだからね!
パラス・アテナ
リオン/f21392と
渋々青
鈍い光沢のあるドレスにボレロ
両脇ホルスターを目立たないように
ローヒールで髪を結上げ化粧
シンプル大振りアクセ
赤を取ろうとしたら横取られ
リオンを睨みつけるよ
アンタ自分が何飲んだのか分かってるのかい?
他人の仕事を取るんじゃないよ
(艶やかに口元歪ませ)
もちろん殺しに行くさ
アンタにゃ様々あるんでね
アタシも足止めされた挙句試験管の餌食なんて
真っ平御免だね
搦手で来るアンタを侮るほど自分を過信しちゃいないよ
…ソイツを外して殺しに来るアンタとやり合うほど
命知らずでもないさ
アンタの年上を探すほうが難しいね
リオンの手を取りダンス
昔取った杵柄って奴だよ胸糞悪い
腹いせに足を思い切り踏んでやる
着飾っていらしてと、そう宴の主催者がご所望であればと。
シルバーグレーのタキシードを纏い、豪華な屋敷を訪れたのは、リオン・リエーブル(おとぼけ錬金術師・f21392)。
普段は流れるようなポニーテールの髪型も、今日はきっちり整えて。男ぶりも5割増し。
そしてそんな彼の隣には、成熟した魅力的な女性。
普段纏う白装束ではなく、今日のパラス・アテナ(都市防衛の死神・f10709)が纏うのは、鈍い光沢のあるドレスにボレロ。
そんな女性らしい洒落た羽織りは、両脇ホルスターをそっと隠して。
足元はさり気なく動きやすいローヒール、髪は綺麗に纏めて結い上げ、化粧も勿論施して。飾る装飾は、シンプルだけど大振りのもの。
当然、ふたりは指定されたドレスコードのチェックを難なくクリアしてから。
眼前に差し出されたグラスを満たすそのいろは――赤と青。
パラスはその手を伸ばし、赤のグラスを取ろうとしたけれど。
それよりも早く、掻っ攫われた赤のいろ。
そしてリオンは、その赤をさくっと飲み干して、こくこくと数度頷く。
「ふむふむこういう調合ね」
そう興味深く分析する彼に、パラスはより黒の眼光を鋭くして。
「アンタ自分が何飲んだのか分かってるのかい?」
他人の仕事を取るんじゃないよ、とそうリオンを睨みつけるけれども。
「だってーおにーさん殺されたくないもん」
そう怒る彼女に肩を竦めながら、琥珀のいろを細め続ける。
……こんな洗脳されたらさ容赦なく殺しにくるよね、って。
その言葉に、パラスは艶やかに口元歪ませて。
「もちろん殺しに行くさ。アンタにゃ様々あるんでね」
「無言で眉間に一発ジエンドとかヤダヤダ。避けられる気がしないね」
ふるふると大袈裟に首を横に振ってみせるリオンへとこう返す。
「アタシも足止めされた挙句試験管の餌食なんて真っ平御免だね」
……搦手で来るアンタを侮るほど自分を過信しちゃいないよ、って。
けれど――だからこそ、よく分かっている。
リオンはざっと髪を掻き上げ、彼女にこれだけ、言っておく。
「分かってると思うけど。このピアスだけは壊しちゃダメだからね」
……どうなるか保証はしない、って。
そんなリオンの言の葉を聞き、浮かぶ表情を見遣りながら。
「……ソイツを外して殺しに来るアンタとやり合うほど、命知らずでもないさ」
言ったパラスに、リオンはスッとその手を差し出す。
「さて踊りませんかお嬢様」
「アンタの年上を探すほうが難しいね」
パラスはそう眼前の、実は500歳を超えている自称永遠の22歳な彼へと目をやって。
ニヤニヤしながらも取ったその手を引き、ワルツをリードするリオンだが。
「意外と踊れるじゃん」
「昔取った杵柄って奴だよ胸糞悪い」
そして難なく優雅にくるりと、満ちる音楽の中を踊りながらも。
パラスは彼の足にも、腹いせのステップを思い切り踏んでやれば。
おおっと逆襲されちゃった、と笑った後、リオンは続ける。
――おにーさんは皆のおにーさんだからね! って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クラウン・メリー
長閑(f01437)と
自分が纏うのは黒い燕尾服に赤いタイを身に付けて
長閑カッコいい!俺も似合ってるかな?
赤のドリンクを取る時に
長閑が言ってくれた言葉を思い出す
クラウンを止めるよ――
躊躇わずに言ってくれた
長閑は優しくて強いな
俺はそれに甘えてしまった
……もっと俺が強ければなんて思う
でも、今俺に出来ることは
長閑を信じること
乾杯と小さく呟き
赤のドリンクを一口飲んでにこりと笑顔を向ける
長閑と一緒なら乗り越えれる気がするんだ
もし長閑が俺のせいで怪我させちゃったら
看病だってなんだってするよ
彼の優しい笑みを見て此方も微笑む
今はご飯を楽しもっか
甘いものも豪華な料理もいつもより
なんだか美味しく感じないや
なんでだろ
憂世・長閑
クラウン(f03642)と
黒いタキシード
空色のシャツ
瑠璃のタイ
ありがとう
クラウンも似合ってる
きっとまだ引っかかる部分があるんだな
オレには想像しかできないけど
約束したから
出来ることをするだけ
青の杯を手に乾杯と笑う
オレは性質上本体さえ守れればと思うけれど
君はオレを傷つけたくないと言う
それはオレも同じ
でもきっと何かが違ってる
だからこっちを選んだ
オレは必要があれば君を傷つけられる
自分が死なない為ならば
それが最善ならば躊躇うことはないし
此処に立っている以上
仕方のないことだと意図も容易く割り切れるから
うん、クラウンの好きな甘いもの、探そうっ
それに、回復技もちゃんとあるんだ
怪我しても、ちゃんと治すからね
豪華な屋敷で催される宴に参加する、ふたつの条件。
ひとつは、目一杯着飾ってくること。
黒のタキシードから覗くシャツは空色、締めたタイは瑠璃の彩。
そんな装いの憂世・長閑(愛し秉燭・f01437)に金の瞳を向けて。
「長閑カッコいい! 俺も似合ってるかな?」
黒い燕尾服を纏うクラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)は、締めた赤いタイを軽く摘まんでみせて。
「ありがとう、クラウンも似合ってる」
長閑は褒めてくれた彼に礼を言い、笑みと共にそう返す。
そして、もうひとつの宴への参加条件。
目の前に用意されたそのいろは、赤と青。
クラウンは赤揺れるグラスに手を伸ばしながら思い出す。
長閑は言ってくれた、躊躇わずに。
クラウンを止めるよ――って。
(「長閑は優しくて強いな」)
そして、それに甘えてしまった自分。
クラウンは思ってしまう……もっと俺が強ければ、なんて。
そう俯きそうになるけれど、でも、と小さく紡いで顔を上げる。
今、自分が出来ること。それは――長閑を、信じること。
そんな複雑な表情を宿しているクラウンをちらりと見ながら、長閑は思う。
(「きっとまだ引っかかる部分があるんだな」)
クラウンが今、心に描く思い。それは、長閑には想像しかできないけれど。
――約束したから。
(「出来ることをするだけ」)
長閑は漆黒の空に、揺れる青を掲げ笑う――乾杯、って。
クラウンも、乾杯、と小さく呟いてかた。
グラスを傾け、赤をひとくち含めば。向けるのは、にこりと宿す笑顔。
だって、長閑と一緒ならば。
――乗り越えれる気がするんだ。
そう思えるから。
そしてこう、彼に紡ぐ。
「もし長閑が俺のせいで怪我させちゃったら、看病だってなんだってするよ」
クラウンのその言葉に、今度は長閑が、彼が言っていたことを思い出す。
(「君はオレを傷つけたくないと言う」)
それは、長閑だって同じ気持ち。
……でも。
(「きっと何かが違ってる」)
だから長閑は青を選んだ。クラウンを止めると、そう約束して。
自分を傷付けたくないというクラウン。けれども、長閑はそこは彼とは違う。
(「オレは必要があれば君を傷つけられる。自分が死なない為ならば」)
それが最善ならば躊躇うことはないし。
(「此処に立っている以上、仕方のないことだと意図も容易く割り切れるから」)
彼は優しい。だから自分が青を選ぶべきだと、長閑は思ったのだ。
例え傷付けることになったとしても――彼の事を、本当に守りたいと思うし。
自分には、きっとその判断が躊躇うことなく出来るから。
――でも、今は。
「今はご飯を楽しもっか」
「うん、クラウンの好きな甘いもの、探そうっ」
ずらりと並ぶ美味しそうな料理やスイーツを、ふたり一緒に楽しもう。
それから長閑は、ふと見つめる横顔にこう告げる。
「それに、回復技もちゃんとあるんだ。怪我しても、ちゃんと治すからね」
クラウンはその言葉に頷きながらも、いつもの様に笑ってみせて。
ぱくりと、甘いスイーツを口にする。
それは極上の材料を贅沢に使った、一等美味しいもののはずなのに。
クラウンはふと小さく首を傾け、ぽつりと呟きを落とす。
(「なんだか美味しく感じないや」)
――なんでだろ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
輝夜・星灯
【紅霓】
いつか纏った真紅の燕尾に身を包む
思えば、“私”として初めての仕事もきみとだった
“ひと”になって初めての仕事で、人でないと知れた方が良いだなんて
醜い牙を曝す口がわらう
あの時と違うわたし
あの時とは違うきみ
あの時のように手を差し出す
――ゆこうか
いとしい掌へ、大切に触れて
歩みの先にはあかとあお
中身を識ろうが知れたこと
迷わずあかへと指伸ばす
きみの彩、けれどきみに遠く及ばぬ色を
ぐいと飲み干す
ナユ、――七結
私の大切なひと
もう誰かを傷付けて、罪を背負う必要はない
きみは、人に成れるから
人を傷付けるのは、いつだって人に及ばぬモノだ
ならばこの身を以て
きみは人だと、言ってみせよう
……嗚呼
何で、喉が乾くんだろう
蘭・七結
【紅霓】
黒地に牡丹一華咲く中華衣装を纏わう
あかに満ち溢れたあかい宴
嗚呼。つめたい温度が巻き戻るよう
ひとに堕ちた鬼のわたし
ひとに成った神のあなた
おんなじ姿のたがうふたり
けれどなに一つとて変わらない
――ええ、往きましょう
眸に宿る彩はこんなにもうつくしい
あかとあお。中身は毒?
罠であろうと構わない
そう感じるのは何故かしら
指さき伸ばすのは、あお
あなたの眸と、ソラの彩
けれど、本物のほうがずうときれい
一気に煽りましょう
星灯、かわいい迷い星
いとおしいソラ
ナユが殺めた、かつての神さま
嗚呼。可笑しい
人を、人ならざるものを傷つけるのだって
“ひと”よ
おいで
もう、隠さなくていいの
あなたが抱えるもの
なゆに分けてちょうだい
この身に纏わうものは、今宵開かれる宴の主のご所望通り。
それは、いつかの……あの時と同じもの。
――思えば、“私”として初めての仕事もきみとだった。
(「“ひと”になって初めての仕事で、人でないと知れた方が良いだなんて」)
深い真紅のいろの燕尾に身を包む輝夜・星灯(ひとなりの錫・f07903)はわらう。
醜い牙を曝す口に笑み宿して。
そしていつかの。それは蘭・七結(まなくれなゐ・f00421)にとっても同じ。
これから共に身を投じるのは、あかに満ち溢れたあかい宴。
……嗚呼。つめたい温度が巻き戻るよう。
七結は纏う牡丹一華咲く中華衣装を飾る、花弁の如きあかのフリルを躍らせて。
――あの時と違うわたし。
――あの時とは違うきみ。
そして星灯は、手を差し出す。あの時と同じ様に。
「……ゆこうか」
そっと指を伸ばし大切に触れるのは、いとしい掌。
――ひとに堕ちた鬼のわたし。
――ひとに成った神のあなた。
ひと。そんな、おんなじ姿のもののはずなのだけれども。
でも、おんなじ姿のたがうふたり。
七結は触れた指先から伝わる、あの時と同じ熱に微笑んで。
(「けれどなに一つとて変わらない」)
そして耳に届いたソラの響きに返す。
「……ええ、往きましょう」
眸に宿る彩はこんなにもうつくしいのだから。
そんなひとを象る少女たちの、歩みの先。
注がれ揺れるそのいろは――あかとあお。
「中身は毒?」
言の葉とは裏腹に、響く声に滲む愉快げないろ。
だって、罠であろうと構わない。
そして七結は紫の双眸を細め、こてんと首を傾げてみせる。
――そう感じるのは何故かしら、って。
「中身を識ろうが知れたこと」
そう紡ぐと同時に迷わず伸ばされる、星灯の指先の行方。
それは――あかのいろ。
そして七結の手には、揺蕩うあおのいろ。
ふたりはそれぞれのいろを、同時に呷る。
……きみの彩、けれどきみに遠く及ばぬ色を。
……あなたの眸と、ソラの彩。けれど、本物のほうがずうときれいなその色を。
星灯はあかを飲み干し、そして紡ぐ。
「ナユ、――七結。私の大切なひと。もう誰かを傷付けて、罪を背負う必要はない」
きみは、人に成れるから、って。
人を傷付けるのは、いつだって人に及ばぬモノ。
だから、星灯は言ってみせよう、と。そう彼女に誓う。
きみは人だと――ならばこの身を以て、と。
そんな彼女を、七結は慈しむ。
「星灯、かわいい迷い星。いとおしいソラ」
――ナユが殺めた、かつての神さま。
そして、嗚呼。可笑しい、と。そう笑って、紡ぐ。
「人を、人ならざるものを傷つけるのだって」
……“ひと”よ、って。
星灯はそんな七結と己の熱が混ざり合う感覚を掌から感じながらも。
生じるのは、こんな衝動。
(「……嗚呼。何で、喉が乾くんだろう」)
そんな星灯を受け止める様に手を広げ、七結は一輪の微笑みを咲かせる。
「おいで。もう、隠さなくていいの」
――あなたが抱えるもの。なゆに分けてちょうだい、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
佐那・千之助
クロト(f00472)と
髪は紺のリボンで緩く結い、丈長の黒衣に銀糸の刺繍
この世界の貴族の装い
立つだけで風格を漂わす衣装力よ…
黒くないクロトは新鮮で、つい見てた
そなた綺麗なのだから普段からいろんな色を纏えばよいのに
あ、はい。今日ちゃんと武器仕込めたかな…とか心配しつつ
逸らした顔の可愛さに微笑
ドリンクは私が赤
毒耐性の強いクロトが赤を飲むべきでは?恨むからな?
彼は世々の誰より護りたい人なのにと若干拗ねた視線
でも弱い方が赤は順当か
む…クロトの好きな味、知りたい
あれは?これは?食べてみて
この格好?クロトが気に入るなら嬉しい
気に入りはお互い様
って。そなたいつのまにか私の機嫌を直してしまうのずるい。楽しい。
クロト・ラトキエ
千之助(f00454)と
正装ねぇ…
淡いシルバースーツに薄青のシャツ、
タイは瞳に合わせ濃い蒼、絹のチーフも同色。髪は結い足元迄怠らず…
って。何か変?
普段が黒は否定しませんが…
あれ、特製。何種も用意は大変です。
彼は…似合い過ぎ。つい直視を避け。
ドリンクは、青。
色は似合いでしょ?
なんて拗ね顔に笑う。
…侮ってる訳じゃ無いよ。
お詫びは後でと、片目で返し。
“その時”迄は。
警備の厚さ…
見渡せる場…
高所、又は屋敷の中核?
居所を目算しつつ…
あ。これ美味しい…
とか言えば、餌付けされてたり。
そういう格好、モテそうですねっ
…て、僕の気?
入ってますよ。この色男っ。
と、何だかんだ宴を楽しんでいて。
…ま。疲れる話は後回しっ
宴に指定されたのは、正装のドレスコード。
橙の髪を軽く結い上げるは紺のリボン。纏う丈長の黒衣に施されるは、銀糸の刺繍。
「この世界の貴族の装い。立つだけで風格を漂わす衣装力よ……」
佐那・千之助(火輪・f00454)はそう己の格好を見遣った後。
「正装ねぇ……」
呟かれた声の主に、思わず視線が釘付けに。
クロト・ラトキエ(TTX・f00472)が纏うのは、淡いシルバースーツに薄青のシャツ。
湛える瞳とお揃いの濃い蒼のタイに、絹のチーフも同色で。
そして髪は結い、足元まで怠らず……。
「って。何か変?」
じっと物珍し気に見ている千之助へと、そう首を傾ければ。
「黒くないクロトは新鮮で、つい見てた」
返ってきたのは、そんな言の葉。
「普段が黒は否定しませんが……」
「そなた綺麗なのだから普段からいろんな色を纏えばよいのに」
クロトは、千之助にふるりと首を横に振って続ける。
「あれ、特製。何種も用意は大変です」
そんな声に、あ、はい、と。そう紡いでから。
千之助は心配に――今日ちゃんと武器仕込めたかな……って。
そして今度は、クロトが彼の纏う装いへと一瞬目を向けて。
……似合い過ぎ。
つい、直視を避け、顔を逸らしてしまえば。
千之助は微笑んでしまう。顔逸らした彼の可愛さに。
それから眼前にふたつのいろ――赤と青のドリンクが並べられれば。
ふと伸ばされた千之助の手の行く先にあるのは……赤。
「毒耐性の強いクロトが赤を飲むべきでは? 恨むからな?」
……彼は世々の誰より護りたい人なのに、と。
向けるその視線は、若干拗ねた様子。
「色は似合いでしょ?」
クロトは青のドリンクを手にしながら、拗ね顔に笑って。
「でも弱い方が赤は順当か」
「……侮ってる訳じゃ無いよ」
片目で彼へと返す――お詫びは後で、って。
そして赤と青を飲み干せば、その時までは。
(「警備の厚さ……見渡せる場……高所、又は屋敷の中核?」)
クロトはそう、敵の居所を目算しつつ……。
「あ。これ美味しい……」
ふと、口にしてみれば。
「む……クロトの好きな味、知りたい。あれは? これは?」
――食べてみて、と。
そう、餌付けをされたり。
そして改めて、クロトは千之助へと青の視線を向けて紡ぐ。
「そういう格好、モテそうですねっ」
「この格好? クロトが気に入るなら嬉しい」
「……て、僕の気? 入ってますよ。この色男っ」
そんな言葉を交わし合えば、千之助は笑って彼へと返す。
――気に入りはお互い様、って。
それから、はっと気づく。
「って。そなたいつのまにか私の機嫌を直してしまうのずるい」
――楽しい。
そう付け加えられた声に、クロトも何だかんだ宴を楽しみつつも紡ぐ。
……ま。疲れる話は後回しっ、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
華都・早紗
【カビパンはん(f24111)】と参加。
和装人間と思わせつつ、意外と何でも着る。
タイトな赤のイブニングドレスきていきますー。
うわっ、にあわな~。
カビパンはん~、ドレスアップゆーたやん。
なんであんたいつもの格好してんのよ。
って、いやめっちゃハリセン持ってきてるやん、
って私に握らせんのかーい(すぱこーん)
ウェルカムドリンクは青の方を飲みます。
あっ、おいしーー♪
いやでもカビパンに襲われるとか 何されるんやろ~?(きゃっきゃ)
思いっきりどついたるから安心してな♪
ん?? 漫才師???はて。。
にしてもカビパンはん、めっちゃ目が血ばしっとるな・・
私の事はもうええからご馳走食べてき。。
折角やし私もたのしも♪
カビパン・カピパン
【早紗はん(f22938)】と参加。
私はドリンク赤を飲みます。
事前に早紗さんに【女神のハリセン】を渡して。
この立食パーティのため、二日前から最低限の水で生きたわ。
お金もないのでいつもの和風教皇服で行ったら、警備にドレスコード突っ込まれた。
「カバチたれんな、教皇の祭服に関わらず身分も判断できぬド素人が、片腹いたいんじゃいワレ!あ、早紗はんナウいドレスでんがなまんがな」
早紗さんなら飄々として世間知らずの私のボケに即座にツッコミをいれてくれるはず。きっと的確よ、打てば響くとはこのことでしょうね。
女教皇?オブリビオン?
知らないわ、私は早紗さんと漫才師になるって決めたのよ!
めでたしめでたし(スパーン!)
赴いた屋敷で催される宴は、ドレスコードが指定されているようだから。
それに従い、珍しいドレス姿でやって来たのは、華都・早紗(幻朧桜を見送る者・f22938)。
和装人間と思わせつつ、実は意外と何でも着るのです。
ということで、タイトな赤のイブニングドレスを着用してみたものの。
「うわっ、にあわな~」
そう思わず己にツッこむ早紗だけど、黙っていればきっと、そんなことありません……!
けれど、早紗がいざ館の中へと入ろうとすれば。
ふと隣に並んでいたはずの連れ、カビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)の姿がないことに気付き、振り返ってみれば。
「カバチたれんな、教皇の祭服に関わらず身分も判断できぬド素人が、片腹いたいんじゃいワレ!」
ドレスコード突っ込まれて、警備にそうキレているところでした。
そんなカビパンの格好は、いつもの和風教皇服。お金もなかったから。
それからキレ散らかしていたカビパンは、ふと早紗の姿を見つけて。
「あ、早紗はんナウいドレスでんがなまんがな」
「カビパンはん~、ドレスアップゆーたやん。なんであんたいつもの格好してんのよ」
それからカビパンは、そうツッコミを入れる早紗が、よりツッコミらしく在れるようにと。
手渡したのは、あらゆる奇跡を霧散霧消し癒す力を持つという、女神のハリセン。
(「早紗さんなら飄々として世間知らずの私のボケに即座にツッコミをいれてくれるはず」)
――きっと的確よ、打てば響くとはこのことでしょうね。
そうカビパンが、ある意味、信用信頼を寄せれば……早速!
「って、いやめっちゃハリセン持ってきてるやん、って私に握らせんのかーい」
――すぱこーん!
握って振り抜けば、さすがの、えー音!
まさに、打てば響くとはこのこと……!?
そんな入り口から早速、ボケとツッコミを繰り広げているふたりであるが。
差し出されたウェルカムドリンクは、赤と青のふたつのいろ。
カビパンが手にしたグラスは赤、早紗は青……それぞれの色を飲んでみれば。
「あっ、おいしーー♪」
意外にも、なかなかイケる味!
それから早紗は赤を飲み干すカビパンに、きゃっきゃと口を開いて。
「いやでもカビパンに襲われるとか 何されるんやろ~?」
胸を張って女神のハリセンで素振りしながら続ければ。
「思いっきりどついたるから安心してな♪」
カビパンは心に描く決意を口にするのだった。
「女教皇? オブリビオン? 知らないわ、私は早紗さんと漫才師になるって決めたのよ!」
そんな、ビシイッと宣言された言葉に、早紗は大きく首を傾ける、
……ん?? 漫才師??? はて――と。
それからふと、彼女を改めて見つめる早紗。
「にしてもカビパンはん、めっちゃ目が血ばしっとるな……」
「この立食パーティのため、二日前から最低限の水で生きたわ」
そうどや顔で言うハリセン女教皇に、早紗は心からこう紡ぐ。
「私の事はもうええからご馳走食べてき……」
折角やし私もたのしも♪ と、色々と早紗も美味しそうな料理を皿に乗せていって。
二日間水だけで過ごしてきたカビパンもはむり、食料にありつけましたとさ。
めでたしめでたし……って、まだ全然終わっていません!(スパーン!)
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎
なんつーか……
手が込み過ぎて逆にドン引くわー
あ、ゆず……ネクタイちょっと曲がってるかも(手直しつつ
(灰掛かった白のシングルツーピースのスーツ
黒のシャツ、ネクタイは白色に銀糸をあしらった物
タイピンは金に蒼玉
さーて、宴って言うなら映える料理……へ?
いいケド、後でゆずも撮らせてよー?
(大人しく撮られている間は黙る
キメる時はキメる、ひづやんだからね(ウインク☆
飲み物、まだ飲まないでね?
一応言っておくケド、飲んでるよな……何色選んだんだろ
御飯を持って戻ったら
ゆずが赤色を飲んだと解って、不謹慎だけど笑っちゃう
青色を一気に飲み干して
任せとけよ、Honey?って格好付ける
月待・楪
氷月(f16824)と
随分と手の込んだことしたがる奴もいたもんだな
正装っつーか
こういうかっちりした格好得意じゃねーんだけど
息苦しいし
ん…ネクタイとかやらねーから助かる
(ダークレッドのシングルツーピーススーツ、シャツは淡いミルキーイエロー、ネクタイは白に近い色でタイピンは金に紅玉)
…望、動くなよ、あと口閉じてろ
じっとさせてる間に写真撮っておく
お前ほんとこういう格好似合うよな…チャラいけど
ひづ、飯取ってこい
選ぶのめんどくせーし、美味そうなの任せた
氷月が飯選んでる間に飲み物を二人分もらって
飲むなって言われたら飲みたくなるだろ
戻って来る前に赤を俺が飲む
遅ェよ、もう赤は飲んだ
後は任せたぜ?darling
豪華な館で催される、一見華やかな宴。
けれど聞いた予知によれば、その主催者は悪趣味極まりない。
「なんつーか……手が込み過ぎて逆にドン引くわー」
氷月・望(Villain Carminus・f16824)は、絶望や驚愕に彩られた血の香水を欲するという敵と胡散臭い宴に、眉を顰めながらも。
「随分と手の込んだことしたがる奴もいたもんだな」
ふと、頷いた月待・楪(Villan・Twilight・f16731)の首元へと手を伸ばす。
「あ、ゆず……ネクタイちょっと曲がってるかも」
白に近い色のネクタイに付けられたタイピンは、金に紅玉。
そんな楪のちょっぴり歪んでいたネクタイを、望は手直ししてあげて。
「ん……ネクタイとかやらねーから助かる」
楪は肩を竦め、溜息を落とす。
「正装っつーか、こういうかっちりした格好得意じゃねーんだけど」
……息苦しいし、って。
そう言いつつも、淡いミルキーイエローのシャツに、ダークレッドのシングルツーピーススーツ、そんな格好は良く似合っていて。
黒のシャツに灰掛かった白のシングルツーピースのスーツに、白色に銀糸をあしらったネクタイ、それに付けられた金に蒼玉のタイピン。
そんな装いで臨む望に、楪はこう声を掛ける。
「……望、動くなよ、あと口閉じてろ」
「さーて、宴って言うなら映える料理……へ?」
きょとりと動きを止め口を閉じ、望が目線を向ければ――ぱしゃりと、まずは1枚。
そんな自分を激写する楪に、今度はばっちりキメ顔をしつつも。
「いいケド、後でゆずも撮らせてよー?」
「お前ほんとこういう格好似合うよな……チャラいけど」
「キメる時はキメる、ひづやんだからね」
キランとそう、ウインク☆
そして――赤と青。
ふたつのドリンクが訪れた順に参加者へ配られるのを、ちらり横目に見ながら。
「ひづ、飯取ってこい。選ぶのめんどくせーし、美味そうなの任せた」
楪が、そう言えば。
「飲み物、まだ飲まないでね?」
そう念を押して、言われた通りに美味しそうなものを皿へと盛りに行く望。
そんな背中に、楪は呟く。
「飲むなって言われたら飲みたくなるだろ」
そして望が戻ってくる前に。
受け取った赤と青のうち、楪は片方をぐいっと飲み干す。
……いや、一応言ってはおいたけれど。
(「飲んでるよな……何色選んだんだろ」)
望がそう、彼の好きそうなものを皿に見繕い戻ってくれば。
「遅ェよ、もう赤は飲んだ」
楪が既に飲んでいたそのいろは――赤。
不謹慎だけど、楪がそのいろを選んだと分かれば、望は思わず笑っちゃって。
――後は任せたぜ? darling
残った青色を一気に飲み干した後、向けられたそんな言葉に、一等格好付けて。
とっておきのキメ顔で望は楪に返す。
――任せとけよ、Honey? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
橙樹・千織
千鶴(f00683)さんと
落ち着いた紫のパーティードレスに身を包み
髪も結い上げ編み込んで
慣れない雰囲気にそわり
周りを見つつ、千鶴さんの傍へ
赤と青
自分が怪我するのは構わない
けれど
彼を“襲う側”にさせていいものか
悩んでいれば視界から消える青
千鶴さんを見つめ瞬きひとつ
…わかりました
千鶴さんを信じます
眼差しに負け、苦笑しつつ【赤】を
ただ…オヒメサマは勘弁してくださいな
そんな歳ではないから、と告げ
ほんの少しドキリとしたのは内緒に
…遠慮はいりませんからね?
グラスを掲げ彼の無事を祈り飲み干す
あら、意外と美味しいのですねぇ
そういえば甘味もあるのだとか
情報収集しつついかがですか?
時が来るまでお話ししましょう?と
宵鍔・千鶴
千織(f02428)と
上品めな黒基調のタキシードを纏い
場馴れ雰囲気とは裏腹
血腥い宴の始まりに嫌悪感は胸の内
赤か、青、ふたつにひとつ
きみが迷うならば俺は迷わず【青】を
手に掛ける恐怖や辛さも勿論理解ってはいるけれど
…それでも、
千織を傷つけたくないって俺の我儘。ごめんね。
大丈夫、目を醒ますときを信じて待っていて
必ず、俺は斃れることなく笑って迎えよう
…ね、オヒメサマ。
ドレスを纏う綺麗な千織へ
冗談めかして笑うも眼差しは真摯に
グラスの彩は透けて揺らめき
掲げて重ねれば小気味いい乾杯のおと
互いに、健闘を
一気に呷れば、後は身を委ねるだけ
甘味?其れは惹かれてしまう
折角だし千織の好きなもの教えてよ、と他愛無い噺から
随分と立派な屋敷で催されるという、贅沢で華やかな宴。
そんな慣れない雰囲気に、尻尾や耳もそろりそわり。
流れるような金へと移ろう黒髪は、今宵は結い上げられ編み込んで。
落ち着いた紫のパーティードレス纏った橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)は、橙色の視線をそっと周囲に巡らせた後、宵鍔・千鶴(nyx・f00683)の傍らへ。
そんな千鶴も、ドレスコードに従った、上品な雰囲気の黒基調のタキシード姿。
けれど、場馴れ雰囲気とは裏腹に……その胸の内に宿すのは、嫌悪感。
宴のはじまりを彩る血腥いいろ――それは、赤か青、ふたつにひとつ。
千織は眼前に並べられたグラスに満ちる、ふたつの彩へと交互に視線を向ける。
赤と青……自分が怪我するのは構わない。
(「けれど、彼を“襲う側”にさせていいものか」)
そう悩んでいれば、迷わず伸びた手が、片方のいろを攫ってゆく。
千鶴が迷わず選んだいろ――それは、青。
(「手に掛ける恐怖や辛さも勿論理解ってはいるけれど……それでも、」)
彼女へと向けられる、真っ直ぐな眼差し。
千鶴は、自分が攫ったいろを追いかける橙の瞳を見つめ返し、思いを紡ぐ。
「千織を傷つけたくないって俺の我儘。ごめんね」
そしてふっと紫湛える双眸を細め、続ける。
「大丈夫、目を醒ますときを信じて待っていて。必ず、俺は斃れることなく笑って迎えよう」
……ね、オヒメサマ、って。
ドレスを纏う綺麗な千織へと、そう冗談めかして笑うけれど。
向けた眼差しには確りと、真摯のいろ宿して。
そんな千鶴を見つめ、千織はぱちりと瞬きひとつ。
けれど、自分を見つめる真っ直ぐな眼差しに負けて。
「……わかりました。千鶴さんを信じます」
苦笑つつも手にしたのは、赤のいろ。
でも彼へと、千織はこう続ける。
「ただ……オヒメサマは勘弁してくださいな」
そんな歳ではないから、とそう告げるけれど。
揺れる尻尾は、先程と違った風にゆうらりと。
――ほんの少しドキリとしたのは、内緒に。
そして掲げられた赤と青は、グラスの中を揺蕩い静かに波立って。
「互いに、健闘を」
「……遠慮はいりませんからね?」
乾杯――カチリと小気味良いおとを鳴らし、一瞬だけ重なる。
そして一気に青のいろを呷った彼の無事を祈り、千織は赤を飲み干して。
「あら、意外と美味しいのですねぇ」
ふわふわと、いつもの様に柔い微笑みを。
後はもう――身を委ねるのみ。
千織は今度は、美味しそうな御馳走並ぶテーブルへと視線を向け、見回しつつ。
「そういえば甘味もあるのだとか。情報収集しつついかがですか?」
「甘味? 其れは惹かれてしまう」
千鶴は甘味という心惹かれる響きに、ちょっぴりだけ、そわりとしながらも。
「時が来るまでお話ししましょう?」
そうほわりと笑む千織に頷く。
贅沢な甘味を存分に堪能しながらも――折角だし千織の好きなもの教えてよ、と。
まずは、他愛無い噺から。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セフィリカ・ランブレイ
アルトリウス君(f01410)と参加
【赤を飲む】
赤いパーティドレスに身を包み、着飾って夜会へ
柔らかな微笑みを浮かべる姿は別人のよう
「今夜のエスコート、貴方にお願いしてもよろしいでしょうか?」
口調もお淑やかで丁寧
「このような状況でなければ、良かったのですが。会場も料理も、素敵なものですのに」
《セリカの声が遠いの、結構慣れないわね。……ま、少しの間よろしく》
「それは、私もですよ」
何時もなら傍らに聞こえる筈の相棒の魔剣の声は、アルトリウス君から聞こえる
来る以前に、自身の魔剣とゴーレムを呼び出す次元格納庫のキーは彼に預けた
「後はよろしく。死なないでね?」
最後は何時ものように微笑み、赤いドリンクを一息に
アルトリウス・セレスタイト
セフィリカ(f00633)と
【青を飲む】
事が起きるまでは素直に参加
慣れないがタキシードなど着込む
預かったキーと魔剣は『無現』で大きさという概念を否定しポケットにでも収納
彼女の方は場慣れている様子。さすがということか
淑やかな言葉や所作も違和感がない
では僭越ながら。今宵の伴をさせて頂こう
「仕事」でなければと言われれば否定もしない
せっかく場を拵えて起きながら無粋な趣向だとは思う
最後は飲み干すのを見届けて自分も
応じる言葉はいつも通りの調子で
猟兵基準でも突出して死ににくい方の筈だ。安心しろ
今宵の夜会は随分と華やかで、着飾った者たちが案内されるまま館の中へと消えてゆく。
主催者が所望するドレスコードは正装。
アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)もタキシードを着込んで。
来たるべき時が来るまでは、素直に招待主の意向に従って行動する。
そんなアルトリウスにとって、今の格好は少々慣れぬものであるが。
「今夜のエスコート、貴方にお願いしてもよろしいでしょうか?」
そう柔からな微笑みを浮かべ声を掛けてきたのは、目を惹く赤のドレスを難なく着こなしている淑やかな女性。
そんな彼女――セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)は普段と比べ、まるで別人のようであるが。
(「彼女の方は場慣れている様子。さすがということか」)
彼女の出自を考えれば納得ではあるが、その淑やかな言葉や所作も違和感がない。
そう眼前の連れを見つつも、スマートにその手を差し出すアルトリウス。
「では僭越ながら。今宵の伴をさせて頂こう」
そして広いエントランスを抜け、会場となっている広間へと通されれば。
「このような状況でなければ、良かったのですが。会場も料理も、素敵なものですのに」
金の髪とそれを結わえた桃色のリボンを躍らせながら、周囲を見回し言ったセフィリカ。
参加者も着飾って華やかであるが、煌びやかな会場や並ぶ料理や飲み物も豪勢である。
アルトリウスも、「仕事」でなければという彼女の言葉を否定もしない。
せっかく場を拵えて起きながら無粋な趣向だとは思うから。
――そして。
『セリカの声が遠いの、結構慣れないわね。……ま、少しの間よろしく』
アルトリウスからふと聞こえたのは、彼のものではない声。
それは、いつもならばセフィリカの傍らに聞こえる筈の、相棒の魔剣のもの。
「それは、私もですよ」
セフィリカも、そう魔剣シェルファに言葉を返す。
事前にセフィリカは彼に預けておいたのだ。自身の魔剣とゴーレムを呼び出す次元格納庫のキーを。
そして預かったそれらを、存在を覆う繭となる否定の原理、顕理輝光『無現』を以って。
大きさという概念を否定し、ポケットに預かっているアルトリウス。
それからふたりの前に運ばれてきたいろは――赤と青。
「後はよろしく。死なないでね?」
何時ものように微笑み、セフィリカが手に取って一息に飲み干すのは、赤。
アルトリウスは彼女がそのいろを飲み干すのを見届けてから。
「猟兵基準でも突出して死ににくい方の筈だ。安心しろ」
応じる言葉はいつも通りの調子で。
グラスの中でゆうらり揺れる青を呷った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
久澄・真
【五万円】
ドレスコードはタキシード
黒のジャケットにパンツ、グレーのベスト
白シャツのボタンを開け
ワインレッドのストールを差し込むダンディスタイル
はいはい、乾杯
こんなのはただの余興
『赤』のドリンクを受け取り躊躇なく煽れば
うっかり殺しても文句言うなよ、なんて軽口返し
んな香水俺は願い下げだな
血に飢えたのが寄りついてきそうで面倒
お前の血をくれコールも増えそうだしなぁ、ククッ
お前としては血の匂いさせた嫁貰えんのはイイ事じゃねぇの?
…ああ、飲めなきゃ意味ないわけな
まあ確かに匂いで腹は満たせねーわ
クハッ、大分気に入って貰えてるみたいで光栄だ
んで、効果の程はどうよ
匂いにつられた美人な食料にはありつけたか?
ジェイ・バグショット
【五万円】
ドレスコードはタキシード
グレーのジャケットに黒のベスト
ワックスで前髪を上げた正装
配られるドリンクは『青』を受け取る
…暫しの平穏に乾杯。
この後起こる出来事を揶揄うようにグラスを傾ける
ひゅー、お前が言うとおっかねぇー。
殺される気は更々ないが、苦労はしそうだな。
血の香水なんてよく考えたもんだ。
お前そういうの絶対無理だろう?
はは、分かってるねぇ。
そんな『イイ匂い』させてたらコールじゃ済まんが?
匂いで渇きは満たせないだろうに
俺は飲む一択だな。
これはダンピ的意見
それに香水ならもうイイの貰ったしよ。
お陰様で。渇きを癒してくれるくらいには、な。
真にもらった香水を身に纏えば
餌に困らないらしく機嫌がいい
豪華な屋敷を訪れたふたりも、纏う衣装は着飾ったタキシード。
久澄・真(○●○・f13102)は黒のジャケットとパンツに、グレーのベスト。
その着こなしはかっちりではなく、白シャツのボタンを開け、ワインレッドのストールを差し込むダンディスタイル。
そんな真の隣にならぶジェイ・バグショット(幕引き・f01070)は、彼と同じタキシードでも色違いの、グレーのジャケットに黒のベスト。前髪もワックスで上げた正装を。
そんなふたりの前に並べられたグラスに注がれたいろは、赤と青。
特に躊躇うことなくそれぞれ受け取り、揺らめくいろを掲げて。
「……暫しの平穏に乾杯」
「はいはい、乾杯」
カチリの音を鳴らし、赤と青が一瞬だけ重なり合う。
――こんなのはただの余興。
そう口にしながらも真が呷るそのいろは、赤。
「ひゅー、お前が言うとおっかねぇー」
ジェイがこの後起こる事を揶揄うように、そう青揺れるグラスをゆうらり傾ければ。
返すのは、こんな軽口。
「うっかり殺しても文句言うなよ」
「殺される気は更々ないが、苦労はしそうだな」
それからジェイは、姿見せぬ主催者の趣向に小さく首を傾けつつも、真を見遣る。
「血の香水なんてよく考えたもんだ。お前そういうの絶対無理だろう?」
「んな香水俺は願い下げだな。血に飢えたのが寄りついてきそうで面倒」
そう微かに眉を顰めつつも言った真に、ジェイは笑って。
「はは、分かってるねぇ」
「お前の血をくれコールも増えそうだしなぁ、ククッ」
そう瞳細め言った彼の言葉に、密かに恍惚のいろを孕ませる。
――そんな『イイ匂い』させてたらコールじゃ済まんが? って。
そしてジェイにとっても血の香水というものは一見、うってつけのように思えるけれど。
「お前としては血の匂いさせた嫁貰えんのはイイ事じゃねぇの?」
「俺は飲む一択だな」
……匂いで渇きは満たせないだろうに、と。ダンピール的意見を。
そんな言葉に、真も納得した様に頷いて。
「…ああ、飲めなきゃ意味ないわけな。まあ確かに匂いで腹は満たせねーわ」
けれど、匂い自体には空腹を満たす効果はないのだけれど。
「それに香水ならもうイイの貰ったしよ」
「クハッ、大分気に入って貰えてるみたいで光栄だ。んで、効果の程はどうよ」
――匂いにつられた美人な食料にはありつけたか?
そう尋ねられたジェイは、何処か満足げに返す。
――お陰様で。渇きを癒してくれるくらいには、な、って。
真にもらった香水を身に纏えば、彼はいつも機嫌がいい。
だって……ほど良く香る甘さに誘われてくる餌には、困らないから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
冴島・類
⭐︎
黒羽君(10471)と
絶望の前に宴、血で香水とは
呆れた子だと隠れ覗く誰かさんに嘆息
気が重いのは主との戦い、ではなくて
二択なら…刺される方がいくらもましだ
正装した黒羽君と並び入り口を潜る
ね、こうして重ねていくと着慣れるだろ?
差し出された二色を手に……
決めてきたのに、躊躇い、君を見つめる
傷つけるなんて身が裂かれるより嫌だ
けど、止めると強く言ってくれた様
踏み出した一歩に
わかったよと笑みが溢れる
諦めではない
変わりゆく「華折黒羽」の
眼にうつる決意を、信じるだけだ
青を君に差し出し
赤を、己の手に
喉を潤せば
効き始める前に腹満たしに行こうか
全力戦闘には必須だろう?
なんて冗談交じりに
僕も、いい加減進まないとな
華折・黒羽
類さん(f10471)と
身に纏う正装姿も数度目か
回を重ねれば慣れても来る
頷いて返してあなたの表情を見てみれば
まだ納得していないんだろうな、とすぐに分かった
守る為に強くなりたい
それはずっと持っていた思いだった
でも、最近はその形が少し変わってきた
この身を投げうつのではなく
守りたいと思う人達と共に生きていく為に
強くなりたい
それが今の俺の思いであり、決意だ
だから
類さん
大丈夫です、俺を信じてください
──必ず止めてみせます
受け取った青を己の裡へと流し込む
そうですね、とあなたの隣へ並んで
動けなくならない程度に沢山食べないと
類さんの本気を受け止められるように
そう笑んで
一歩を、進むんだ
本当の強さを、手にする為に
広い屋敷で催される今宵の宴は、煌びやかで華やか。
けれど……それは、血腥さを秘めていることを、猟兵たちは知っている。
勿論、何度目か分からない溜息をそっとつく、冴島・類(公孫樹・f13398)も例外ではなく。
(「絶望の前に宴、血で香水とは。呆れた子だ」)
招待しておきながら姿を現さぬ、隠れ覗く誰かさんに、微かに首を横に振る。
そんな類の表情は、何処か浮かない。
それもそのはず。これからこの館で交わされる刃。
いや……気が重いのは、隠れている宴の主との戦い、ではなくて。
類はふと、隣の華折・黒羽(掬折・f10471)へと視線を向けて。
正装した黒羽と並び入り口を潜りながらも、こう紡ぐ。
「ね、こうして重ねていくと着慣れるだろ?」
そう耳に届いた声に、身に纏う正装姿も数度目か、と。
言われた通り、回を重ねれば慣れても来ると黒羽は頷いて返してから。
自分を見つめる彼の表情をみれば、すぐに分かったのだった。
――まだ納得していないんだろうな、と。
(「二択なら……刺される方がいくらもましだ」)
そう、類は眼前に並べられたふたつの色を見遣る。
それは――赤と青。
決めてきたはずなのに……躊躇い、類は彼を見つめる。
(「傷つけるなんて身が裂かれるより嫌だ」)
……けれど。
――守る為に強くなりたい。
それはずっと黒羽が持っていた思いで。今だって、持ち続けているもの。
けれど、黒羽は感じていた。最近はその形が少し変わってきたと。
(「この身を投げうつのではなく、守りたいと思う人達と共に生きていく為に」)
そのために――強くなりたい。
(「それが今の俺の思いであり、決意だ」)
だから黒羽は、真っ直ぐに彼を見つめ紡む。
「類さん。大丈夫です、俺を信じてください」
――必ず止めてみせます、と。
そしてそれは彼がまた一歩踏み出したのだと、類も分かっているから。
笑みが溢れる……わかったよ、と。
それは、諦めではなくて。
(「変わりゆく「華折黒羽」の眼にうつる決意を、信じるだけだ」)
だから類は、黒羽へと差し出す。青のいろを。
そして己の手にある赤のいろをぐっと呷り、喉を潤した。
黒羽も、受け取った青を己の裡へと流し込んで。
「効き始める前に腹満たしに行こうか」
……全力戦闘には必須だろう?
そう、冗談交じりに笑めば。
そうですね、と隣に並んだ黒羽も返す。
「動けなくならない程度に沢山食べないと。類さんの本気を受け止められるように」
そんな言の葉を、笑みと共に。
青を湛える双眸で前を見据え、改めてその心に紡ぐ。
(「一歩を、進むんだ」)
――本当の強さを、手にする為に。
そして、そうがむしゃらに走る目の前の黒羽に視線を向けつつも類は思うのだった。
……僕も、いい加減進まないとな、って。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
呉羽・伊織
連れは清宵f14015
選ぶは赤
身形は小綺麗な正装で
ふん、好きで声掛けるワケねーだろ
楽しい饗宴なら女子を誘ってたっての!
単にこの場に一番適したヤツを引っ張ってきただけ――胡散臭くて血生臭い、こんな宴にゃアンタがお似合いだろ
…ホント、負けず劣らず良い趣味なこって(げんなり)
しっかし、可愛く着飾った花のない宴なんて…折角の正装も食事も虚しくてなんねーわ!
とか何とか愚痴も程々に
館に近付けばきりりと取り繕い――最初の一杯は迷いなく赤を
どう転ぼうとも後腐れない、心配も後悔も無い
その一点だけに於いてはコイツが最適解
後はせいぜい贅沢に耽るとも
せめて遠目にご婦人やお嬢様方を――おい邪魔すんな!(自棄気味に酌み)
佳月・清宵
連れは伊織f03578
呷るは青
化皮は相応に揃えた正装で
どういう風の吹き回しかと思えば――また哀れなこって(笑いに笑い)
まぁそうも褒められちゃあ、構ってやるしかあるまい?(キナ臭さすら笑い飛ばし)
悪趣味に付き合ってやるからにゃ、せいぜい愉しませろよ
虚しい?そりゃどんだけ着飾っても、地がそれじゃあ世話ねぇわな
俺はその方が満ち足りて(面白可笑しく遊び倒せて)良いが
戯れもそこそこに
敵の目が届く場では悠然と、心身共に化皮纏い――特に何を思うでもなく、青を手に
どちらがどうなろうとも上等
さぞ愉快な余興になるだろう
さて、その刻までは暫し酒宴
肴は無論――おい余所見してんなよ(グラス片手に、視界遮る様に笑いかけ)
豪華な宴に相応しい、正装を纏う麗しい男がふたり。
化皮を被るのは十八番だとそう笑う狐――佳月・清宵(霞・f14015)は、楽し気な笑みを隣へと向ける。
「どういう風の吹き回しかと思えば――また哀れなこって」
愉快な遊郭ごっこや殺人鬼ごっこの次は何だ? なんて笑う清宵に、呉羽・伊織(翳・f03578)はちらりと視線を返して。
「ふん、好きで声掛けるワケねーだろ。楽しい饗宴なら女子を誘ってたっての!」
盛大に溜息をついてみせてから、続ける。
「単にこの場に一番適したヤツを引っ張ってきただけ――胡散臭くて血生臭い、こんな宴にゃアンタがお似合いだろ」
「まぁそうも褒められちゃあ、構ってやるしかあるまい?」
きな臭い空気も何のその、相変わらず面白い玩具を眺めるようなその視線に。
「……ホント、負けず劣らず良い趣味なこって」
「悪趣味に付き合ってやるからにゃ、せいぜい愉しませろよ」
伊織はげんなりし肩を竦めながらも、締めたネクタイを今一度整えてから。
いつもの如き己の周囲の白さ加減を嘆く。
「しっかし、可愛く着飾った花のない宴なんて……折角の正装も食事も虚しくてなんねーわ!」
「虚しい? そりゃどんだけ着飾っても、地がそれじゃあ世話ねぇわな」
見目だけは凄く整っているのに。黙っていれば、超美形であるはずなのに。
動いて喋れば、何故か途端に滲む残念さ。
けれど清宵にとっては、その方が満ち足りていて良いのである。
主に、面白可笑しく遊び倒せるという玩具的な面で。
だが、そう愚痴や溜息を零しながらも――伊織が清宵を連れ立ち、此処に赴いた理由。
それは眼前に並べられた、赤と青のいろ。
きりりと気を取り直し、取り繕いつつも……伊織が迷わず伸ばした手の行き先は、赤のグラス。
(「どう転ぼうとも後腐れない、心配も後悔も無い。その一点だけに於いてはコイツが最適解」)
敵の目が届く場では悠然と、心身共に化皮纏う狐に、そう伊織は視線を向けて。
特に何を思うでもなく、難なく青揺れるグラスを手にし呷る清宵。
――どちらがどうなろうとも上等。さぞ愉快な余興になるだろう、って。
後は……来たる時がくるまで、せいぜい贅沢に耽るとも、と。
伊織はせめて愛でるだけでもと、美しいドレス纏う華々を眺めるべく視線を巡らせんとするけれど。
早速手にした酒と共に、清宵が楽しむ肴は勿論。
「――おい余所見してんなよ」
「せめて遠目にご婦人やお嬢様方を――おい邪魔すんな!」
視界遮る様に笑いかける自分に抗議しつつも、自棄気味に酒を酌む愉快なその姿。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水標・悠里
ヴォルフさん/f09192
赤
どれすあっぷをと聞いておりますが一体どうすれば
飾り立てた姿は姉しか知らず真似るとなると……
花をあしらった着物に蝶を忍ばせた帯と羽織り
まとめ上げた髪に花簪に寄り添うのは死霊の蝶
似合うと言われても、どちらかと言えば複雑ですね
でも存外楽しいものですね
こういう場に来れば大抵は美味しい料理に舌鼓を打つのですが
これからのことを思うとあまり喉を通りませんね
今は宴を楽しまなければ
緊張で渇いた喉を潤すため赤いドリンクを頂きます
軽食か甘いものを摘まみましょうか
ヴォルフさんは如何ですか?
楽しんでいますか
ほんの少し、散った花の気持ちを知りたくなったのです
時が来たら私を止めてくださいね
ヴォルフガング・ディーツェ
悠里(f18274)と
【青】
相変わらずこの世界の支配者気取り共は胸が悪くなる事だ
とは言え折角付き合ってくれる悠里に恥を掻かせるのは本意じゃない、俺も彼に合わせる
花をあしらった着流しに牙剥く獣の羽織を合わせて異界情緒と参ろうか
嗚呼、然し君の装いは良く似合っているね。お姉さんを参考に?そうか、だからお男物より華やかなのか
折角の機会だ、毒も入っていないなら料理にも舌鼓を打とうか
甘い物はないかなっと…気持ちは分かるけれど、本番はこれからだよ
腹が減っては戦は出来ぬってやつさ、デザートの類なら未だ食べやすいんじゃないか?
自分の趣味がてら2人分確保しよう
有難う、俺は青い方を貰うね
原材料は何だろ、飲み易いけど
華やかな宴の根底に潜む血の匂い。
それはこの世界では、趣向はそれぞれ違っても、常なこと。
(「相変わらずこの世界の支配者気取り共は胸が悪くなる事だ」)
ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)はそう煌びやかな空気に纏わりつく血腥さを嗅ぎ取って、そっと赤の瞳を細めるけれど。
隣に在る水標・悠里(魂喰らいの鬼・f18274)へと視線を移して。
(「とは言え折角付き合ってくれる悠里に恥を掻かせるのは本意じゃない。俺も彼に合わせる」)
今はまだ、悪趣味な主催者に気取られぬよう、措定されたドレスコードに合わせ着飾って臨む。
服装は、ドレスアップした正装で。そう、主催者はご所望のようであるが。
(「どれすあっぷをと聞いておりますが一体どうすれば」)
きょろりとそう悠里は青の瞳を巡らせつつ、首を傾けるけれども。
どれすあっぷ……それは恐らく、衣装で己を飾り立てる事。
そして飾り立てた姿は姉のものしか知らず、それを真似て着飾ってみる悠里。
着物に楚々として咲く花にとまらんとするは、帯と羽織りに忍ばせた蝶。
くるり纏め上げた髪を飾る花簪にも、死霊の蝶が寄り添う。
そんな悠里の装いに合わせ、異界情緒と参ろうか、と。
花をあしらった着流しに合わせ、纏う羽織には牙剥く獣が。ヴォルフガングも和の華を纏い咲かせて。
悠里の、艶やかながらも華やかな装いを見つめる。
「嗚呼、然し君の装いは良く似合っているね」
「どれすあっぷは姉の姿しか知りませんので、真似てみたのですが」
「お姉さんを参考に? そうか、だからお男物より華やかなのか」
そう笑むヴォルフガングに、悠里は再び小さく首を傾けるけれども。
「似合うと言われても、どちらかと言えば複雑ですね」
けれど、ひらり蝶の様に袖を揺らしてみながら、こうも続ける。
「でも存外楽しいものですね」
そんな確りと着飾り、宴の会場へと足を踏み入れれば。
ずらりと並ぶのは、豪勢な料理や飲み物。甘味も豊富に用意されている。
美味しそうなものが目の前にあれば、大抵は存分に堪能し舌鼓を打つのだけれど。
(「これからのことを思うとあまり喉を通りませんね」)
でも今は、宴を楽しまなければ。
そう悠里が思っていれば……運ばれてきたのは、ふたつのいろをしたドリンク。
緊張で乾いた喉を潤すのにうってつけだと、悠里は片方のいろに手を伸ばし、グラスに口付ける。
そのいろは――鮮やかな、あかのいろ。
ヴォルフガングも、揺れる青で満ちるグラスを手にし、口へと運べば。
「原材料は何だろ、飲み易いけど」
訪れた客人をもてなす最初の一杯は、思っていたよりも美味な味。
そのいろを飲み干した後、ヴォルフガングの視線は並ぶ豪勢な料理へ。
毒などは入っていないようであるし、折角の機会。
甘い物はないかなっと……と品定めしながらも。
「気持ちは分かるけれど、本番はこれからだよ」
腹が減っては戦は出来ぬってやつさ、と悠里にパチリと目配せすれば。
「デザートの類なら未だ食べやすいんじゃないか?」
「軽食か甘いものを摘まみましょうか」
甘味に目がない己の趣味がてら、美味しそうなスイーツを2人分確保するヴォルフガング。
そしてはむりと口にし、広がる甘さにほわりと小さく笑んでから。
悠里は隣の彼を見上げ、ふと訊いてみる。
「ヴォルフさんは如何ですか? 楽しんでいますか」
そして己が呷った赤のいろを思い返しながら、鬼が孕むその青をそっと細める。
「ほんの少し、散った花の気持ちを知りたくなったのです」
――時が来たら私を止めてくださいね、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『ひとつの試練』
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POW : タフな精神でこなす
SPD : 躊躇わず素早くこなす
WIZ : 頭を使い慎重にこなす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●洗脳の鐘
――主催者が挨拶に回りますので、それまでは此方でお寛ぎ下さい。
そう、各組ごとに案内されたのは、二人で使用するにはやたら広い部屋。
豪華な内装なのは屋敷の印象と変わらないが、それにしても、物が少ない。
部屋が広くみえるのは、その所為もあるのかもしれない。
なのに……不自然に並べてあるのは、刀や剣や拳銃などの各種武器。
そして部屋に入るやいなや、そうっと、外側から鍵が掛けられた音に、気付かない猟兵達ではない。
内側からは、勿論鍵を開ける術などなさそうである。
これから何が起こるのか……それを猟兵達は知っている。
赤を飲んだ者は、目の前の者を敵と見做し、殺さなければという感情に駆られる。
青を飲んだ者は、相手の洗脳が解けるまでそれに耐えなければならない。
いや、黒幕の彼女にとっては、どちらでも良いのだ。
赤が青を殺そうが、青が赤を返り討ちにしようが。
むしろ相討ちの共倒れなど、願ったり叶ったり。
傷つき傷つけ合う赤も青も、結局はどちらの血も頂くつもりなのだから。
そして、同行者に襲われる青の驚愕と、同行者を襲ってしまったという赤の絶望。
それも、血の香水をもっとより深い色や香りにするフレーバー。
そんな素敵な香水を纏うのは勿論、特別な日だけ……それは、いつまで経っても来ない『明日』の挙式。
だから、私を綺麗に香らせるために、存分に殺し合えばいい――そう花嫁は嗤う。
そして全組が部屋へと案内され、それぞれの部屋の施錠が完了した刹那。
響くのは――驚愕と絶望のはじまりを告げる鐘の音。
鐘の音は、赤を飲んだ者の脳裏に囁くように響き続ける。
――目の前のそいつは敵だ。今すぐに殺さねばならない、と。
<マスターより>
第2章は、第1章にて赤を飲んだ方が青を飲んだ方を殺さんと襲い掛かることになります。
よって、同行者の方との戦闘に必ずなります。
必ずしもこうでないとという落としどころのようなものもありませんので。
決着の仕方などもご自由にご指定下さい。
決着つかずやり合っているまま3章へ、というもの等でも勿論構いません。
勝敗お任せよりは、お二人だからこその戦い方をみせていただければかなと。
ただ、第3章では第2章の流れのまま、ボスとの連戦となります。
第3章では、赤の方の洗脳は解けた状態での戦闘になります。
洗脳の掛かり具合や解けるタイミングも個人差なので、そのあたりもご自由にしていただいて大丈夫です。
第2章からご参加の方々は、ドリンクを飲んだ前提でのご参加になりますので。
赤か青かのご指定お願い致します。
第1章ご参加の方は赤青の表記は不要です。
プレイング受付は、MSページとTwitterでお知らせしていたように。
4/25(土)朝8:31から開始致します。
次の章で真の姿をご希望の場合は、プレイング冒頭に☆を記載をお願い致します。
その際、ご同行の方も仕様上、同じ判定となりますことご了承ください。
アリス・セカンドカラー
【尾守・夜野(墓守・f05352)】さんと。
束ねた絆の糸は何よりも強固。そうやすやすと千切れたりはしない。
故に耐えよう、血にまみれても命は繋ごう、それが私の力だ。
黒幕及び本人にさえ気づけないように迷彩した赤い糸を通じて技能をリンク。オーラ防御による各種耐性を高め、限界突破した継戦能力による耐久性と自然治癒力の向上で耐えさせて時間稼ぎよ。誰一人死なせはしない。(集団戦術/多重詠唱/かばう)
私自身は夜野さんの毒を捕食略奪で吸引し超能力(念動力/毒使い/医術)でドーピング薬へと変換してリミッター解除、黒幕との戦いに備えて力溜め/魔力溜めをしておくわ。気取られないように弱った演技をしておきましょ。
尾守・夜野
アリス(f05202)と
遠くで鐘の音が聞こえた気がするけれど…今はそんな事どうでもいいわ
だって…少し離れたそこには愛しい貴女(敵)がいるもの
何か声が聞こえる気がするの
でも遠くなのよ
別の【私】がやめろと叫ぶわ
…何故?
敵がいるなら愛(壊)さなければ
愛するモノはいずれ壊されるわ
だから私が壊(愛)さないと
でも人は愛しては駄目だから
敵を愛さないと
皆(剣)を構える手が震えるわ
別の私が暴れるの
はらり、構えた皆を鉄扇に変え
ふらり、ゆるりと駆け出すわ
扇ぎ毒を広め切りつけましょう
緑のドレスが朱にそまるわ
でもドレス着ていたかしら
だっていまのわたしのすがたは
あのひみたなれはて
※
接近戦不得意
体力アイテムに常時吸われ
――遠くで、鐘の音が聞こえた気がする。
それは静かに、けれど確実に、じわじわと赤の脳内を侵して。
赤を選んだ者を支配し、洗脳が解けるまでずっと囁き続ける……今、共に在る者を殺せと。
尾守・夜野(墓守・f05352)の耳にも鐘の音が聞こえた気がして、ふと一瞬首を傾けるけれど。
……今はそんな事どうでもいいわ。
そう呟くと共に、聞こえた気がする鐘への興味はすぐに失せて。
かわりに、夜の彩に密かに落ちた赤の瞳で、眼前にいる少女を見つめ続ける。
「だって……少し離れたそこには愛しい貴女がいるもの」
事前に少し距離は取っているとはいえ、今この部屋に在るのは、ふたりだけ。
女性人格のままの自分と、そして愛しい貴女――愛しい敵。
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)へと向けられたその視線には、愛しさという名の殺意が滲んでいるけれども。
もう一度、夜野は首を傾ける。
(「何か声が聞こえる気がするの。でも遠くなのよ」)
叫んでいる。やめろと……そう、別の『私』が。
そんな、小首を傾げている様子の夜野の出方を窺いながら。
洗脳された夜野を前にしても、その胸に宿る思いは決して揺るがない。
(「束ねた絆の糸は何よりも強固。そうやすやすと千切れたりはしない」)
――故に耐えよう、血にまみれても命は繋ごう、それが私の力だ、と。
刹那、アリスの意思に呼応し変化するのは、赤い糸の精霊。
細い一本の糸も束になれば、切ることは容易ではないし。
その細い1本だけでいい、繋がっていればそれで。
そんなアリスを前に、夜野はいまだ不思議そうな顔をしている。
「……何故? 敵がいるなら愛さなければ。愛するモノはいずれ壊されるわ」
それは、やめろと叫び続ける己に対して。
けれど夜野はその手に黒剣を握りしめ、愛すべきべき対象……アリスへと、改めて視線を向ける。
愛するモノはいずれ壊される――だから私が壊さないと。
「でも人は愛しては駄目だから、敵を愛さないと」
夜野は敵であるアリスを愛し壊すために、皆が生きその呪詛滲む刃を構えるけれど。
……別の私が暴れるの、と。
黒剣構えるその手は、震えている。
けれど、はらりと。構えた皆が鉄扇へと姿を変え、開かれれば。
緑色のドレスの裾を靡かせ、ふらり、ゆるりと地を蹴る夜野。
「……!」
そんな夜野が振りまくのは、死のいろを孕んだ毒煙。
アリスは、黒幕や本人にさえ気取られぬ様、魔術刻印から喚んだ赤い糸に感覚をリンクさせて。
固い絆、重ねた想い、何者にも負ける気がしないという気持ち――それを己の能力の糧とし、迎え撃つ。
その立ち回り方は襲ってくる彼を倒すためでなく、時間を稼ぐためのもの。
停滞する毒煙その粒子一粒でも命中すれば、容赦なく毒がその身を蝕んで。
薄く浮かぶ笑みと共に振るわれる黒き数多の呪詛滲む刃が、緑のドレスを飛沫く朱で彩る。
けれども、守りの気を纏い各種耐性を高めて。限界突破した継戦能力による耐久性と自然治癒力の向上を以って、アリスは持ち堪えんと地を踏みしめる。
「誰一人死なせはしない」
決して誰も……勿論、夜野も自分も、死には死なせはしない。
そして縲絏の苦を与える毒煙さえもアリスは捕食し略奪せんと試みて。
毒を扱う医術を駆使した超能力で薬へと変換し、リミッター解除を行なう。
「! う、くっ」
黒幕との戦いに備え力や魔力を溜めながら、気取られぬよう弱った演技も抜かりなく。
とはいえ、宴の際に施した黒纏の影響やアイテムによって体力を吸われ、疲れやすくなっていて、得手ではない接近戦であるとはいえ。
夜野が皆で成した鉄扇でふわり煽ぐ毒煙は濃く、振るわれる黒剣は鋭く。
飛沫く赤も、時間と共にそのいろを重ねるけれど。
でも、敵と見做したアリスは、愛そうとしても壊れないし。
夜野は毒を揺蕩わせ黒剣振るいつつも、ふと再び首を傾け、こう呟きを零す。
「でもドレス着ていたかしら」
……だっていまのわたしのすがたは――あのひみたなれはて、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クロト・ラトキエ
千之助(f00454)の強さを信頼してる
…けど
絶対生還の傭兵
即ち、夥しい人の死を糧とした生
近しい者程死なせ方が判ってしまう
故に赤は選べずに
…自惚れかな?
鐘に
来るは承知、即距離取り
本気?殺意?上等
呼ぶ名は
…あぁ
そうだったね
視線、踏込み、腕…
見切り予測し避け受け流し
傷は耐え
反撃はせず共に被害最小、に…
――寿命
自分が人質?
狡いだろ…それ
震えかける、声
…置いていく?
幸せに、って
そばにいる、って…
あれ、ナシか?
なら
望みなんてきいてやらない
逆に踏込み剣振る間合いを潰し
至近より腕の包帯を彼の腕へ…UC
覚醒解除狙い
手を掴み抑え、笑む
灼ける命
生殺は君に預けるよ
代わりに痛みは貰ってく
本気か、なんて
判るだろ
…千之助
佐那・千之助
クロト(f00472)は結構な自信家で
でも…もしもの時は私を殺して生き残れ
これが私の望み
鐘に、彼の存在が遠ざかる
意図なく魔へ堕ちる(銀髪紅眼の吸血鬼化
凶化した爪で素っ首狙い
懐刀(黒剣)振るえば焔罅ぜる長剣に変え
それは誰の名か、と他人事の冷笑
命燃やし速く重く熱く
肉薄と同時
振らずとも剣の変形を利用し刺突
穿ったのは壁
震える声が全身に響く
甦る、耳の奥で谺する、弱い声
私が幸せにしたいと願った声
ゆれて、彼の首筋に溺れ込む
立てる牙が無いと気付けば元の体で
声、体温、掌…どれも
痛いほど胸底の想い呼び覚ます
…おいて、いか…ない
おまえがなくから…
掴む手に指を絡め、肌へ沈め
灼けた命の痛み堪え
…ああ
名を呼ぶ声に微笑みを
通された部屋に在るのは、ふたりだけ。
クロト・ラトキエ(TTX・f00472)の青の瞳に今映るのは、常闇の世においても特に目を惹く陽光に似たいろ。
その彩を瞳に焼き付けながらも、クロトはふと思い巡らせる。
己は絶対生還の傭兵。それは即ち、夥しい人の死を糧とした生だということ。
戦場で糧としてきた数多の人の大半は、顔も名も知らぬ他人であることが圧倒的に多い。
今、共に在る、佐那・千之助(火輪・f00454)の強さを勿論クロトは信頼している。
……けれども。
これまで、そのような全く知らぬ者達を相手取り、如何なる手を使ってでも生き延び、今此処に在る己だからこそ。
(「近しい者程死なせ方が判ってしまう」)
それが、クロトが赤のいろを選べなかった理由。
そこまで思考し、ふとクロトは眼前の陽光を映す空の双眸を細める。
……自惚れかな? なんて。
そして千之助はよく知っている。クロトが結構な自信家だということは。
けれども、千之助が彼に望むことはひとつ。
……もしもの時は私を殺して生き残れ、と。
そして耳に聞こえるのは、何処かで鳴り響く鐘の音――はじまりの響き。
すぐ近くに在るはずのクロトの存在が遠ざかった刹那。
流れる様に靡く陽光のいろは、凍えつく白銀へと染まりゆき。藍と紅の二藍であった瞳を支配するのは、ただ真紅のいろだけ。
クロトの眼前に今在るのは、意図なく魔へ堕ちた連れ……己への殺意を隠さない吸血鬼。
けれど、来るは承知。
――本気? 殺意? 上等。
そう即座に距離を取るクロトを追い、閃くは凶化した爪。
鋭利な爪が空を裂き、堕ちた吸血鬼が躊躇なく狙うは、殺すべき敵の素っ首。
己の首を狙い、弧を描き振るわれた鋭撃を、咄嗟に身を翻し躱したクロトであったが。完全には躱せず、頬に鮮血がはしる。
けれども、それでいい。素っ首を叩き落とされなければ、生き残れば、勝ちなのだから。
だがそう易々と、血のいろに刺激された吸血鬼が獲物を逃したりはしない。
振るう懐刀は、生命を糧とし鮮烈に燃えて罅ぜる焔の長剣へと形を変えて。
「……千之助」
呼びかけてみたクロトへと炎の斬撃を繰り出しながら、吸血鬼は冷たく嗤う。
「それは誰の名か」
まるで、他人事のように。
今の彼は、千之助という、ある少女に貰った名を名乗る存在ではないのだから。
「……あぁ、そうだったね」
クロトはそう呟きを落としながら、彼の一挙一動を瞳に宿す。
その赤の視線の行先、冷えた銀を靡かせ踏み込んでくる動き、鋭利な爪を振るうその腕――全てに神経を向けて。
速く重く熱く……命燃やし放たれる一撃一撃を、致命傷にならぬよう見切り躱し、受けた傷に耐えながらも。
クロトは反撃はせず、共に被害最小に……そう心掛け、立ち回るも。
一瞬にして距離を詰め、肉薄すると同時に変形する黒剣。クロトの身を貫かんと刺突するに適した形へと。
そんな、己の命を躊躇いなく激しく燃やし、爆ぜる炎を黒剣に纏わせ振るうその姿に、クロトは思わず呟きを落とす。
「――寿命、自分が人質?」
……狡いだろ……それ。
そう――震えかける、声を。
瞬間、鮮やかな焔が鋭利な一撃と共に燃え盛って。
振るわずとも突き出され、クロトの身を貫くべく放たれるけれど。
「……!」
穿ったのは彼の身ではなく、壁。
そして耳に聞こえた震える声が、千之助の全身に響く。
遠ざかっていた存在がすぐ近くにある感覚。そして甦る、耳の奥で谺する、弱い声。
それは――。
(「私が幸せにしたいと願った声」)
壁を穿った黒剣を握ったまま、真紅の瞳を見開く彼に、クロトは続ける。
「……置いていく? 幸せに、って。そばにいる、って……あれ、ナシか?」
――なら、望みなんてきいてやらない。
そう言うやいなや、クロトは逆にぐっと大きく踏み込んで。
焔燃ゆる黒剣振るうその間合いを潰し、しゅるりと腕の包帯を、至近から彼の腕へと放って。
繋ぎ留め、命の焔でそれすら燃やさんとするその手を掴んで抑え――そして、笑みを。
「灼ける命、生殺は君に預けるよ」
――代わりに痛みは貰ってく、と。
向けられた笑みと言の葉に、大きくゆれる銀と真紅のいろ。
そして眼前の色白の首筋に溺れ、己の牙を立てんと吸血鬼は口を開くも……立てる牙が無いことに気付いて。
耳に響く声、じわりと伝わる体温、触れた掌――そのどれも、千之助の胸底の想いを呼び覚ます。痛いほどに。
「……おいて、いか……ない。おまえがなくから……」
そう言の葉を絞り出すように零れ落ちる、千之助の声。
そして掴む手に指を絡め、肌へと沈める彼の耳元で、クロトはその名を再び呼ぶ。
「本気か、なんて。判るだろ……千之助」
その響きに、灼けた命の痛みを堪えながらも。
常闇の世に降らせる陽光のいろを揺らし、二藍の瞳で彼を見つめながら。
……ああ、と――そう、千之助はクロトに笑み返す。
自分の名を呼ぶ、その声に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
新山・陽
SPD
ウォルさんが頭を低く下げた瞬間【ダッシュ】で距離をとります。ちらりと壁の武器各種を見てUC『しれっと』拝借。野生動物を相手取るときは行動が全て。迫力満点の低い唸り声には【覇気】をもって応じます。
(これで怯む様では、野生のお隣さんなぞ務まりはしません)
手にはショートメイスとブラックジャック。ヒット&アウェイを許せばおしまいです。噛みつきを【見切り】メイスの柄で【武器受け】し、ブラックジャックを振って、ウォルさんの脳天に【気絶攻撃】を叩き込みます。
「こんな体たらくでも、ひとつ会社の群ボスですよ。群ボスとしてのウォルさんなら、あるいは」
私は、気絶したウォルさんを見下ろし呟きます。
響く鐘の音が脳内を侵すのは、何もヒトだけではない。
赤を飲み干した小さな野生にも鐘の音は囁く……目の前の存在は敵だ、殺せと。
いや、野生だからこそ、油断すればすぐに噛み殺され引き裂かれてしまうだろう。
新山・陽(悪と波瀾のお気に入り・f17541)は鐘の音が響く中、ウォルさんが頭を低く下げた瞬間を見逃さずに。
すかさず地を蹴って駆け、距離を取ってから。
ちらりと視線を向けるのは、壁に飾られた武器各種。
そして発動させたユーベルコードを以って、『しれっと』それらを拝借し握りしめる。
陽はよく知っているから。野生動物を相手取るときは行動が全て、だと。
――ぐるるるぅぅっ。
刹那、小さな野生から発せられるは、迫力満点の低い唸り声。
けれどその気迫に負けず押されぬよう、陽も覇気をもって応じる。
(「これで怯む様では、野生のお隣さんなぞ務まりはしません」)
そんな陽の手には、ショートメイスとブラックジャック。
(「ヒット&アウェイを許せばおしまいです」)
瞬間、大きく地を蹴った銀毛の狼の剥き出しの牙を見切り、メイスの柄で確りと受け止めて。
陽が思い切り振るのは、逆手に持ったブラックジャック。
『……ッ!』
ウォルさんの脳天へと叩き込まれたのは、気絶するほど大きな衝撃。
そしてそれをモロに受け、どさりと倒れ意識を手放した、小さな野生を見下ろして。
「こんな体たらくでも、ひとつ会社の群ボスですよ。群ボスとしてのウォルさんなら、あるいは」
陽はそうふと、呟きを落とすのだった。
大成功
🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】
へぇ、このナイフ良く斬れそうだね
お土産に1本くらい貰ってもいいかなぁ
そういえば、洗脳されてる時の記憶って残るのかな?
もし俺が忘れてたらあとでちゃんと教えてね
鐘の音と共に
眺めていたナイフを
何の迷いも無く梓に投げつける
…俺の言い付け通り、
ちゃんとご主人様を守って偉いね焔
俺を守ると言って保護者みたいについてくる梓
お節介な梓 優しい梓
ねぇ、今の君は誰から俺を守るの?
どうせ死ぬんなら最後に愉しく殺し合おうよ
そう言ってナイフで迫れど
君は俺からするりと逃げていく
こんなのつまらない、虚しい、寂しい
その瞬間視界は黒一色に
梓、どこ…?
真っ黒な世界にふわりと舞う紅い蝶
ああ、そうか。この蝶は俺が贈った――
乱獅子・梓
【不死蝶】
どうぞ戦ってくださいと言わんばかりの内装だな
もしかしたら何処かに監視カメラでもあって
殺し合いを愉しく観戦しているのかもな
…全く、お前は何処までも呑気か
鐘の音が響いた瞬間
焔に思いっきりタックル喰らう
綾が予備動作も無しに投擲したナイフが掠める
チッ、焔が居なければ
即ゲームオーバーだったとは情けない…!
ハッ、悪いがお前のお楽しみに付き合う気は無い
綾はいつも血腥い殺し合いを求め
一方的に相手を嬲る事は求めない
暫く一切反撃せずに防戦に努め
興醒めとばかりに綾の勢いが衰えた瞬間
UC使用
氷竜零のブレスで地面と綾の足ごと凍らせ動き封じ
背後から接近し後頭部をぶん殴り気絶させる
手荒な止め方して悪い、と謝り
通された部屋をふと、ぐるり一通り見回してみれば。
ふたりで過ごすにしては広すぎる上に、物が極端に少ないのにやたら充実した武器の数々。
「どうぞ戦ってくださいと言わんばかりの内装だな」
乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は、サングラス越しにそう周囲を見遣りながらも苦笑しつつ、続ける。
「もしかしたら何処かに監視カメラでもあって、殺し合いを愉しく観戦しているのかもな」
恐らく、何らかの手段で客人の動向は把握されているだろう。
梓の言う様に、監視カメラが仕掛けられていてもおかしくはない。
相手は、こんな手の込んだ舞台を用意するくらいの悪趣味なのだから。
そしてそう思考や視線を巡らせる梓を後目に。
「へぇ、このナイフ良く斬れそうだね。お土産に1本くらい貰ってもいいかなぁ」
灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は、そう手にしたナイフをくるり回し眺めた後。
ふと小さく首を傾けながらも、梓へと目を向けつつ続ける。
「そういえば、洗脳されてる時の記憶って残るのかな? もし俺が忘れてたらあとでちゃんと教えてね」
「……全く、お前は何処までも呑気か」
そして梓がそう溜息交じりに落とした刹那――鳴り始めるのは、鐘の音。
それと、同時であった。
「!」
綾が眺めていたナイフを何の迷いも無く梓へと投げつけたのと、焔が思いっきりタックルして主を突き飛ばしたのは。
「……俺の言い付け通り、ちゃんとご主人様を守って偉いね焔」
予備動作も無しに投擲されたナイフは、梓を捉えることこそ叶わなかったけれど。
(「チッ、焔が居なければ、即ゲームオーバーだったとは情けない……!」)
ヒュッと風を鳴らした鋭撃は、掠めただけで浅い鮮血を梓へと走らせる。
キューと鳴き舞う炎竜の機転がなければ、あっさりとその刃に心臓を射抜かれていたことだろう。
そんな梓に、綾は改めて視線を向ける。操られた赤のいろを。
――俺を守ると言って保護者みたいについてくる梓。お節介な梓、優しい梓。
「ねぇ、今の君は誰から俺を守るの?」
けれど、その答えを聞かぬままに。
楽しそうに笑いながら、綾は続ける。
「どうせ死ぬんなら最後に愉しく殺し合おうよ」
綾が愛し求めているのは、一方的な殺しではなく血腥い「殺し合い」。
それが梓となら、きっと叶うから。
でもそれを、梓は良く知っているからこそ。
「ハッ、悪いがお前のお楽しみに付き合う気は無い」
一方的に相手を嬲る事は求めない。そう、分かっているから。
「……!」
踏み込み振るわれたナイフの軌道を見切り、身を逸らし躱して。
さらに放たれた鋭撃を咄嗟に身を引くし避け、追従する刃から逃れる様に後ろに飛ぶ。
綾が殺し合いに心躍らせる事を知っているから、暫く一切反撃せずに防戦に努める梓。
振るう刃が掠め、時折赤の鮮血を梓へと走らせるけれど……それは手応えもないほどに浅く。
ナイフで迫れど、自分からするりと逃げていく彼。
それは期待した血腥さや殺し合いとは、程遠くて。
――こんなのつまらない、虚しい、寂しい。
空を切り続ける刃を振るう綾が、興醒めとばかりにふと首を傾けた、その一瞬。
「!」
戦場を覆い尽くすのは、ナイフの閃きさえ飲み込む、紅い蝶が舞う闇夜。
「梓、どこ……?」
標的の姿を見失い、綾は瞳をぱちくりと見開き、周囲に視線を巡らせるけれど。
――美しいだろう? 闇に輝くこの紅は。
綾の瞳に映るそのいろは、真っ黒な世界にふわりと舞う蝶の紅。
そして、ガウ、と鳴き声がしたと同時に、地面と綾の足ごと凍らせるブレスが氷竜・零から放たれて。
動きを封じられながらも、綾はひらり舞い踊る紅をその瞳で追う。
「ああ、そうか。この蝶は俺が贈った――」
瞬間、ガッと鈍い音がして視界が回り、沈む綾の意識。
後頭部へと見舞われたのは強い衝撃。
背後から接近し一撃、綾を気絶させた梓は、崩れ落ちる彼へとこう謝罪を。
――手荒な止め方して悪い、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
金白・燕
【ブーツ(f19511と同行】
アドリブ・アレンジ等大歓迎です
あら?楽しいお仕事の時間のようです
私の、大切な、おしごと
雨のように、花びらが散る
まっかなあめ
目の前に立つのは誰だったか
まあ、いいか
貴方も染まればいい
貴方に【GIFT】をあげましょう
私と同じ呪いに落ちろ
耳元で骨兎が悲哀を叫んだ
胸の奥がざくりと刺されたような、気がした
目の前の誰かさんの音が耳に入る
花びらをぐしゃりと握れば
自分の手を焼く臭いが、
目の前に居るのが誰か教えてくれた
…ブーツ、そこにいるんじゃないですか
はは、何て顔してるんですか
俺は職務上の不慮の事故は大歓迎なんですよ
貴方のGIFTが、貴方の寿命を削る事にならなくて、良かった
ブーツ・ライル
(NG:詠唱台詞
他アドリブ・マスタリング歓迎)
燕(f19377)と
_
不敵に笑み
姿勢を整え片手を差し出す
「一曲お相手願えますか?」
▼戦闘
相手の力量はよく知っている
力の加減等出来ない相手だ
対する俺も"GIFT"にて応戦
奴の赤薔薇に触れた先から身を灼かれ、それでも尚脚を振う
その殆どが相討ちだ。
然し最後の一撃にて、骨兎は燕を庇い、
──砕いて、しまう。
しくじったと思った。骨兎は、奴の、バロックレギオン。
剥き出しの──心。
「──燕!」
ぷつりと糸が切れた様に崩れ落ちる燕に手を伸ばし抱きとめる
でも奴は笑って、挙げ句の果てには俺の心配なんぞして
…馬鹿野郎、と彼の肩口に顔を埋める様に抱きしめたことしか出来なかった
広い部屋に響き渡る鐘の音、それは始まりの合図。
ブーツ・ライル(時間エゴイスト・f19511)は不敵な笑みを宿し、姿勢を整えてから。
すっと片手を差し出し、金白・燕(時間ユーフォリア・f19377)へと紡ぐ。
「一曲お相手願えますか?」
そんなブーツを赤の瞳で見つめ、ぱちくりと瞬かせて。そして燕は認識する。
「あら? 楽しいお仕事の時間のようです」
……私の、大切な、おしごと。
眼前にいる敵を前に、いつもの様に薄ら笑みを浮かべる。
だって燕は、仕事熱心な時計ウサギなのだから。
(「相手の力量はよく知っている。力の加減等出来ない相手だ」)
けれど、迷わず赤を選んだ燕を、絶対にすくいあげてみせると。
任せろと、そう約束したから。
ブーツは、舞い散り降り注ぐまっかなあめにも決して怯まない。
そんな敵と見做した存在を見遣りつつ、ふと首を傾ける燕。
……目の前に立つのは誰だったか、と。
けれど。
「まあ、いいか。貴方も染まればいい」
――貴方に『GIFT』をあげましょう。
それは、多幸感という名のまっかな花弁の雨、毒に浸された薔薇の花冠。
「私と同じ呪いに落ちろ」
じりじりと、あかに触れた先から灼かれていくような感覚。
けれども、ブーツも応戦する――利己主義者という名の『GIFT』を以って。
舞い降る花弁に灼かれながらも尚、時を刻む懐中時計の赤が煌めきを放つ間に。
前へと踏み出し燕へと贈るは、異次元の威力を誇る神速の脚撃。
唸りを上げ振るわれる脚力誇る連撃は、薔薇の雨を大きく巻き上げ、打ち消さんとするけれど。
その殆どが相討ちとなり、互いが贈り合うあかのいろが戦場を満たすけれど。
「……!」
同時にその瞳を見開くふたり。
ブーツが放った最後の一撃。
それによって砕かれたのは、燕を庇った骨兎。
――砕いて、しまった。
そうブーツが燕へと視線向ければ。
その耳元で発せられた悲哀の叫びを聞き、ざくりと。
燕は、胸の奥を刺されたような、気がして。耳に入るのは、目の前の誰かさんの音。
……しくじった、と。
思わずそう小さく首を横に振り、思うブーツ。
(「骨兎は、奴の、バロックレギオン」)
そう、剥き出しの――心。
刹那、燕はその掌で掴まえたあかを、ぐしゃりと握りしめる。
そして鼻につくのは、握り締めた花弁が己の手を焼く臭い。
けれど、それが教えてくれた。目の前に居るのが、誰なのかを。
「――燕!」
ブーツはそう叫び、そしてぐんとその手を伸ばす。
まるで、ぷつりと糸が切れた様に崩れ落ちる燕を、抱きとめるために。
「……ブーツ、そこにいるんじゃないですか」
腕の中の彼は、そう笑って。
「はは、何て顔してるんですか。俺は職務上の不慮の事故は大歓迎なんですよ」
思い出させてくれた焼かれたその手で、そっとブーツの頬へと触れる。
――貴方のGIFTが、貴方の寿命を削る事にならなくて、良かった、って。
そう、笑ってみせるだけではなく。
挙げ句の果てには、己よりも自分の心配さえもする燕に……馬鹿野郎、と。
ブーツはそれだけ返して、ただ、これだけしか出来ないでいた。
彼の肩口に顔を埋める様に、抱きしめることしか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
倫太郎殿(f07291)と引き続き
☆
鐘の音が終わる前に二刀構える
長く戦い続けて染み付いた動き
相手を見据え、夜叉へと姿を変える
本能で判る
その敵は全力で仕留めるべきと
素早く接近、二刀による早業の2回攻撃
薙刀は武器受けにて軌道を逸らす
刃を交わす内に疑問が浮かぶ
何故、私の名を知っている
私の間合いも……そして、何故お前の動きが判る
蓄積された穢れも祓われている
そもそも、この刀はいつ手に入れた
――誰に?
酷く頭が痛む
それを振り払い、向けた刃が彼を貫いて
痛むはずなのに、いつも何とも無いような顔をして
貴方は――
薙刀が身を貫く
それを合図に手に持った刀を手放して
深く刺さるのも気にせず、彼を抱き締める
――今、戻りました
篝・倫太郎
引き続き夜彦(f01521)と
鐘の音は始まりの合図
夜彦の気配がするりと変わるのが判る
あぁ、戦鬼が……いや、夜叉がいる
防御力強化に篝火使用
互いに癖は知り尽くしてる
夜禱と華焔刀
互いの動きを認識する前に
躱して、いなす
身体を突き動かすのは経験と本能
今、理性は邪魔なだけ
悪ぃな、夜彦
神速であっても止めるぜ?
それが赤を選んだあんたへの俺の応え
敢えて自身を貫かせて
貫いた刃を筋肉を絞めて『抜かせない』
距離を取らせてフリーになんざさせるかよ
激痛耐性で凌いで笑ってみせる
そろそろ、帰って来い
俺の花簪――
そう、小さく声を掛けたら
華焔刀で夜彦の身体を貫いて
おかえり
俺の唯一無二、愛しき花簪
抱き締め返し
血の吐息を重ねて笑う
それは、残酷に響くはじまりの合図。
おもむろに鐘の音が鳴る中、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)には手に取る様に判った。
月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)の纏う気配が、するりと変わったことを。
――あぁ、戦鬼が……いや、夜叉がいる、と。
篝火を以って、カミの力で防御力を強化しつつも、倫太郎は彼を見つめる。
その動きは、長く戦い続けて染み付いたもの。
そして鐘の音が終わる前に銀月と清流のいろを宿す二刀を構え、夜叉と化した夜彦は眼前の相手を見据える。
刀握る鬼神は本能で判るのだ。
――その敵は全力で仕留めるべき、と。
刹那、夜叉は一気に地を蹴り接敵し、繰り出すは早業を駆使した刀の連撃。
その空に舞う小さな花弁さえも斬り裂く夜禱の閃きは、容赦なく倫太郎を叩き斬らんと振るわれるけれど。
(「互いに癖は知り尽くしてる」)
重なり交わるは、夜禱と華焔刀。
頭で考えるその前に、自然と動く身体。
互いの動きを認識する前に、ひらり躱して、軌道を逸らしいなす。
そんな倫太郎の身体を突き動かすのは、経験と本能――今、理性は邪魔なだけ。
眼前の相手は、刀振るう鬼神・夜叉なのだから。
けれどその夜叉は、間違いなく夜彦でもある。
だから倫太郎は、彼と真っ直ぐに向き合う。
「悪ぃな、夜彦。神速であっても止めるぜ?」
……それが赤を選んだあんたへの俺の応え、って。
そんな倫太郎と刃を交わしながら、夜彦の心に浮かぶ疑問。
「何故、私の名を知っている」
いや、それだけではない。
「私の間合いも……そして、何故お前の動きが判る」
知っている。この敵の間合いも動きも、太刀筋の癖すらも。
それに、ふと気付く……蓄積された穢れも祓われていることに。
(「そもそも、この刀はいつ手に入れた」)
――誰に?
考える度に、酷く頭が鳴り痛むけれど。
藍色の髪を靡かせ、ふるりと振り払う様に小さく首を横に振った後。
夜彦は再び、夜禱の刃を倫太郎へと向ければ。
「……!」
繰り出した刃が、倫太郎のその身を貫く。
けれども……それを倫太郎は『抜かせない』。
筋肉を絞め、己の身を貫いた刃を、決して夜彦の元には返さぬままに。
「距離を取らせてフリーになんざさせるかよ」
激痛耐性で凌ぎつつも、笑ってさえみせる。
そんな向けられた笑みに、夜彦は緑色の瞳を見開いて。
「痛むはずなのに、いつも何とも無いような顔をして。貴方は――」
自然とそう言の葉が紡がれた、瞬間。
「そろそろ、帰って来い。俺の花簪――」
「! ……ッ」
小さくそう掛けた声と共に倫太郎が振るった華焔刀が、夜彦の身体を貫く。
そして、それが合図。握る刀を手放して。
――今、戻りました。
夜彦は、すぐ傍に在る彼を抱き締める。貫かれた刃が深く刺さるのも気にせずに。
倫太郎も夜彦を抱き締め返しながら。血の吐息を重ね、笑う。
――おかえり。俺の唯一無二、愛しき花簪、って。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
誘名・櫻宵
🌸宵戯
赤
開幕のベルがなれば
噫、待ちに待った狩りの時間
ロキ……敵なの?敵ね!
ありがとう、嬉しいわ!
だって敵なら殺していいの
きっと褒めてもらえるわ
ええ
鬼ごっこのはじまりね
吹雪く桜花に紛れ
赫華―あかの女王の号令が
始まりを告げる
あらあら
逃げ足が速いこと
そうこなくちゃ!
じゃあ脚から頂くわ
高鳴る鼓動は殺意(あい)の証
零れる笑顔
愉しくて堪らない
駆けて駆けて追いかけて
殺戮衝動のままに斬撃這わす
睦みあうみたいで素敵でしょ?
刀に纏う衝撃波、地を抉って咲かせて斬り裂いて
戯れるみたいになぎ払う
首を頂戴
甘い赫を頂戴
はやくはやく
ねぇまだ足りないの!
首をはねる、その瞬間
カチリと正気が目を覚ます
――あら、ロキ
まだ生きてる?
ロキ・バロックヒート
🌸宵戯
さぁてそろそろかな?
ほらおいで宵ちゃん
殺しに来なよ
ふふ
これじゃ洗脳されてるのか素面なのかわかんないや
いいよ
あいしてみせて
鬼さんこちらと部屋を逃げ回り
武器も持たない手足の代わり影を使って凌ぐ
殺意にも笑っておちょくる
斬撃は刃物のようにした影で受け切ったり
あっでもそれ(衝撃波)は防げないかも
脚がついにやられて転がる
息吐く間もなく胴にも一太刀
赫が散る
あぁほんとに熱烈だね
次は首?
でも首はあげなぁい
君のために私は死なないでいてあげてるんだから
死のぎりぎりの淵を頂戴
首を狙い刀を振るうその姿は
私にとっては少し既視感
とおい昔にもこうして殺し合って―
首へ至る寸前
狂演は終わる
あぁ生きてるよ
残念でした、なんて
響く鐘の音は、開幕の合図。
愉快で鮮烈な、あかいお遊戯びの始まり。
「さぁてそろそろかな?」
ロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)はそう首を傾けた後。
「ほらおいで宵ちゃん。殺しに来なよ」
瞳を満たす蜜彩よりももっと甘い声で、誘名・櫻宵(貪婪屠櫻・f02768)へと紡げば。
櫻宵は蕩ける様に、春宵に咲く瞳をあかいあかい桜のいろに、ぱっと染め上げる。
「ロキ……敵なの? 敵ね! ありがとう、嬉しいわ!」
――だって敵なら殺していいの。きっと褒めてもらえるわ、って。
そんなはしゃぐ姿に、ロキはつい可笑しくなって。
「ふふ、これじゃ洗脳されてるのか素面なのかわかんないや」
――いいよ、あいしてみせて。
さらに甘やかな声と視線を櫻宵に与えてあげる。
櫻宵は一等、甘いものが好きだから。
「ええ、鬼ごっこのはじまりね」
櫻宵がそう笑めば、吹雪く桜花に紛れ高らかに響くのは、赫華――あかの女王の号令。
――さぁ! 首をはねておしまい!!
それは、楽しい鬼ごっこの始まりを告げる声。
そして刃の閃きを増した血桜の太刀は、早く頂戴と、普段以上にお強請りをする。
わたしのかみさまの血を……その首を頂戴、って。
けれど、簡単にそのお強請りを聞いちゃうのも、面白くないから。
……鬼さんこちら、って。
ロキは広い部屋を逃げ回る。自分を嬉々と追いかけて来る鬼から。
けれど屠桜握る櫻宵とは違い、武器を持たないロキ。
そんな彼を捕まえんと、躊躇いどころか弾む気持ちのまま、殺意を隠そうともせずに。
屠桜をぶん回し、ロキの首を狙い振るう櫻宵。
そしてその刃がロキの姿を捉え、捕まえたかと思えば。
「宵ちゃん、はずれー。ほらもっと楽しく遊んでよ」
向けられた斬撃を受け切ったのは、刃物のように成した影。
そして、向けられる殺気にも笑って。
おちょくりながらも、再び放たれた斬撃をひょいっと躱し、操る影で凌いでいくロキ。
そんな彼に、櫻宵はくすくすと笑んで。
「あらあら、逃げ足が速いこと。そうこなくちゃ!」
高鳴る鼓動は、殺意の……あいの、証。
零れる笑顔は、愉しくて堪らないから。
――じゃあ脚から頂くわ。
だって私は鬼だから、首を刎ねる前にまずは捕まえなくちゃ。
追いかけるのも楽しいけれど。でもそろそろ、逃げ回ることができなくなるように。
駆けて駆けて追いかけて……殺戮衝動のままに斬撃這わせ、影が象る刃と交わり合えば。
「睦みあうみたいで素敵でしょ?」
今までで一等、美しく咲き誇る微笑み。
瞬間、櫻宵が屠桜に纏わせるのは、地を抉って咲かせ斬り裂く衝撃波。
「あっそれは防げないかも」
ロキがそう声を上げた刹那――飛沫くあかのいろと、転がるロキの身体。
さらに、息を吐く間もなく。
「! ……っ」
衝撃波で薙ぎ払われ、ついに脚をやられ転がったロキの胴を突き刺し貫くのは、戯れる様に振り下ろされた一太刀。
そして己から咲き散る赫と、あいを惜しげもなく振るう櫻宵を蜂蜜色の瞳に映しながら、ロキは紡ぐ。
――あぁほんとに熱烈だね、って。
「首を頂戴。甘い赫を頂戴。はやくはやく」
……ねぇまだ足りないの!
咲き乱れ染め上げるあかのいろに興奮するように逸り、さらに強請る櫻宵に。
ロキはくすりと笑んで返す。
「次は首? でも首はあげなぁい。君のために私は死なないでいてあげてるんだから」
だから――死のぎりぎりの淵を頂戴、って。
けれどやはり衝動を押さえきれず、その首を狙い、刀を振るわんとする櫻宵。
そしてその姿は、ロキにとっては何だか少し、既視感を覚えるものでもあった。
とおい昔にもこうして殺し合って――。
刹那、貴方を頂戴、って。握られた血桜の太刀が、いざ首を落とさんと振り上げられるけれど。
その刃が首へと至る寸前。
「――あら、ロキ。まだ生きてる?」
狂演が、終わりを告げる。
そしてカチリと正気が目を覚まし、直前で屠桜を止めた櫻宵に、ロキは甘やかな瞳を再び細める。
「あぁ生きてるよ」
――残念でした、なんて、笑って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふぇー、あの、アヒルさん、ほっぺたがすごく痛いんですけど。
まさか、本当に私の攻撃がひとつも当たらないなんて。
しかも、お返しとばかりに翼で叩かれたり、嘴でつつかれたり、ちょっとヒドイです。
洗脳されていた私がお菓子の魔法を使おうと作ってきていたお菓子を取りだそうとしたら、お菓子が全部食べられていたなんて、アヒルさんズルいですよ。
そういえば、もし、作戦通りに私が青い方を飲んでいたら・・・。
響く鐘の音を耳にして、おどおどしながらも、殺さなきゃと。
赤のドリンクを飲むことになってしまったフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)も例外なく洗脳されて。
青のドリンクを飲んだアヒルさんへと襲い掛かった……のだけれど。
「ふぇー、あの、アヒルさん、ほっぺたがすごく痛いんですけど」
ツンツンと突かれるほっぺたの痛みにそう訴えながらも、アヒルさんをそっと見遣るフリル。
自信満々に青のドリンクを飲んだアヒルさんに、どうなることかと思ったのだけど。
「まさか、本当に私の攻撃がひとつも当たらないなんて」
フリルが放った攻撃は、なんとアヒルさんにはちっとも当たらなくて。
逆にお返しとばかりに、バシバシと翼で叩かれたり、ツンツン嘴でつつかれたりと……むしろ、ちょっとヒドイ仕打ち!?
それからフリルは、やっぱりアヒルさんに抗議を。
洗脳されていたフリルがお菓子の魔法を使おうと、作ってきていたものを取りだそうとしたら。
「お菓子が全部食べられていたなんて、アヒルさんズルいですよ」
ある意味、アヒルさんの作戦勝ち!?
フリルはバシバシツンツンされながらも、ちらりとアヒルさんを見遣って。
そして大きな帽子を押さえながらも、ふと思うのだった。
――そういえば、もし、作戦通りに私が青い方を飲んでいたら……なんて。
大成功
🔵🔵🔵
ルーチェ・ムート
イフ(f25344)と
歪む意識
あかに沈んでゆく
ああ、傷付けたくないなぁ
敵、だ
倒して帰らなきゃ
大切な仲間のもとへ
破魔纏う白百合の花弁でオーラ防御
赫縁で自身を守りつつ軽やかに踊って
血鎖を降らせ、華蝶風月を誘惑込め歌う
現象すら虜にしてみせる
風の竜巻と鎖で滅多刺しに
早く倒れてよ
帰りたいの、ボクは
大切な子のところへ
―――イフ
ボクを呼ぶ、声
わするるなかれと歌っておいて
忘れたのは
ごめんなさい
ごめんね
白いドレスがボクの飲んだあかに
キミの存在を確かめたくて
でも傷付けたボクが触れていいのか
痛い、よね
伸ばした手を掬われる
生きて、る
呼んでくれて、救ってくれて、ありがとう
根源を絶ったら
必ず治すから
ただいま、イフ
イフ・プリューシュ
ルーチェ(f10134)と
ねえ、ルーチェ
そのうたを、いつまでだって聴いていたいけれど
戻ったとき、イフが壊れてしまっていたら
ルーチェは悲しむかもって、ちょっと思うの
それは少しだけ嬉しい、けれど
あなたの悲しむ顔はみたくないのもほんとう
だから
床に放った光から咲く花々
絡めとる蔦で妨害するわ
ルーチェを傷つけないよう、拘束だけに力をこめて
直接イフに放たれた攻撃はそのまま受けるわ
へいきよ
ルーチェがくれる傷なら、苦しくない
だから、どうか思い出して
呼び続けるわ、あなたの名前を
だいじょうぶ
それよりルーチェが戻ってきてくれたことが嬉しい
抱きしめたいけれど、汚しちゃうから
その手をぎゅっと握るわ
おかえりなさい、ルーチェ
鳴り響く鐘の音と共に、あかに溺れ歪む意識。
ルーチェ・ムート(无色透鳴のラフォリア・f10134)は、あかに沈んでゆく己を感じながらも呟く。
……ああ、傷付けたくないなぁ、って。
けれど、舌に絡みついたあかの甘さには、抗えなくて。
「敵、だ。倒して帰らなきゃ」
……何処へ?
そう、大切な仲間のもとへ。
ルーチェは破魔の加護宿す白百合の花弁をその身に纏わせながらも、敵と認識した彼女――イフ・プリューシュ(Myosotis Serenade・f25344)を見据える。
帰るためには、目の前の敵を殺さなければ。脳内に響き続ける声に誘われて。
己の中に半分孕む鬼が、笑ったような気がした。脳内を侵すそのいろに、優艶に。
そして響かせるのは、天啓の歌声。いつも傍に在る『血』の紅が歌姫を守るべく、ゆるりと巻き付いては靡き。
その響きを聞きながら、イフはルーチェへと言の葉を紡ぐ。
「ねえ、ルーチェ。そのうたを、いつまでだって聴いていたいけれど。戻ったとき、イフが壊れてしまっていたら、ルーチェは悲しむかもって、ちょっと思うの」
彼女が壊れた自分を見て悲しんでくれる、それは少しだけ嬉しくも思うのだけれど。
「あなたの悲しむ顔はみたくないのもほんとう」
――だから。
イフはルーチェにではなく、握る金の杖から迸る光を床へと解き放って。
作り上げた金色の箱庭に咲き誇らせるのは、四季の花々。
「……!」
そしてルーチェを拘束せんと伸びるのは、イフが生み出した絡めとる蔦。
ルーチェを傷つけないよう、拘束だけに力をこめて。
その蔦に動きを妨害され、軽やかに赫を靡かせ踊っていたルーチェのその足が止まるけれど。
刹那、ルーチェが降らせるのは、自在に動く真紅の鎖。
さらに洗脳されし歌姫は、誘惑のいろを宿しうたう――ひらり 舞ひをどり 願わくは きよらひとひら 忘るるなかれ、と。
「現象すら虜にしてみせる」
「!」
瞬間、イフの小さな身体を滅多刺しにするのは、激しく巻き起こる風の竜巻と降り注ぐあかの鎖。
己へと放たれた攻撃は敢えてそのままその身に受けるイフ。
そしてあかに塗れながらも、倒れずにその手を差し伸べる。
「へいきよ。ルーチェがくれる傷なら、苦しくない。だから、どうか思い出して」
……ルーチェ、ルーチェ。
イフは呼び続ける。彼女のその名をずっと。
その姿に、表情を微かに変えながらも、ルーチェは振り払う様に首を横に振って・
「早く倒れてよ。帰りたいの、ボクは……大切な子のところへ」
さらに風の竜巻で眼前の敵を引き裂き、四方八方から鎖で貫く。
けれども……それでも尚。
ルーチェ、と耳に響くその声は止まなくて。
殺せとあれだけ脳内に響いていた声を完全に覆い尽くせば。
「――イフ」
口からぽろりと零れ落ちたのは、自分の名を呼び続ける少女の名。
わするるなかれと、そう歌っておいて……忘れたのは。
「ごめんなさい、ごめんね」
……白いドレスがボクの飲んだあかに、と。
ルーチェはイフに駆け寄るも、伸ばしかけた手で彼女に触れることができない。
(「キミの存在を確かめたくて。でも傷付けたボクが触れていいのか」)
だから、こう言うのが精一杯だけれど。
「痛い、よね」
「だいじょうぶ。それよりルーチェが戻ってきてくれたことが嬉しい」
……抱きしめたいけれど、汚しちゃうから、と。
自分へと伸ばされ掛けたその手を、イフはギュッと握りしめる。
刹那ルーチェの手に伝わるのは、ふわりあたたかな彼女の体温。
――生きて、る。
そう落とした呟きに滲むのは、安堵のいろ。
そしてルーチェは、改めて紡ぐ。
「呼んでくれて、救ってくれて、ありがとう」
向けられたその声に、嬉しそうに笑んで返すイフ。
――おかえりなさい、ルーチェ、って。
「根源を絶ったら、必ず治すから」
ルーチェはそう約束してから。
小さくて、でもあったかいその手をそっと優しく握りしめ、改めて紡ぐのだった。
――ただいま、イフ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アンナ・オルデンドルフ
【恋華荘】
目の前にいる詞さんが、敵だったなんて……。
もう、そうと決めたら徹底的にやるしかありません。
私の中に眠る忌まわしき力を【血統覚醒】で呼び起こし、
一気にけりを付けようとたたみかけます。
それにしても、本気で向かってこないのは
詞さんらしくないですね。
いつもだったら敵を潰そうと全力を出してくるはず。
……って、私を攻撃してきましたね?
なら、私も本気でぶつかります。
ドレスが破れてしまうのも気にせず斬り合います。
でも、何か違和感が。ユーベルコードは使ってこないですし。
違和感からか、攻撃の手が緩んでしまうこともあります。
本当に詞さんが敵なら、もっと本気を出すのでは……?
まさか、ってことは……
牧杜・詞
【恋華荘】
戦うのはいいのだけど、
わたしとしては『殺さず』っていうのが難しいわね。
できるかしら?
って、じつはそんなに余裕でもないのよね。
アンナさんの戦いは前も見ているけど、
手を抜いてなんとかなるほど腕の差はないのよね。
基本は【新月小鴨】で【武器受け】しながら、
【見切り】と、【残像】も回避に使っていくわ。
全力で受けに回って、っていうのもわたしらしくないか。
さすがにユーベルコードを使うわけにはいかないけど、
寸止めでいいから攻撃できるかどうかは試してみたいかな
満足するまで斬り合ったら、洗脳も解けるかしら?
「納得した? 前に進むのでしょう?」
殺し方を知っているなら、生かし方も知っている、なんてね。
耳に響く鐘の音は、赤を口にした者に囁く。
眼前にいる者は、殺すべき敵だ――と。
(「目の前にいる詞さんが、敵だったなんて……」)
アンナ・オルデンドルフ(真っ直ぐな瞳・f17536)はそう、漆黒の瞳に映した牧杜・詞(身魂乖離・f25693)の姿を見遣るけれど。
でも、自分の前に今いる存在は敵、殺さなくてはならないから。
――もう、そうと決めたら徹底的にやるしかありません。
脳内で囁かれ続ける洗脳の言の葉には、抗えない。
そんな自分に敵意を向けているアンナの動きを計りながらも。
詞はふと小さく黒髪を揺らしつつ首を傾ける。
(「戦うのはいいのだけど、わたしとしては『殺さず』っていうのが難しいわね」)
――できるかしら? って。
戦って殺す、それは詞にとってごく普通のことなのだけれど。
戦うけれど殺さず、ということは容易ではない気がするし。
(「って、じつはそんなに余裕でもないのよね。アンナさんの戦いは前も見ているけど、手を抜いてなんとかなるほど腕の差はないのよね」)
何よりも相手であるアンナが、手を抜けるような腕ではない手練れである。
そんな詞を敵と見做したアンナは、眠る忌まわしき力を呼び起こして。
黒であった瞳を血の如き真紅へと変化させた刹那、一気にけりを付けようと駆け出し、たたみかける。
そして銀の髪靡かせ振るわれた剣の斬撃を、詞は抜いた白鞘の短刀で迎え打つ。
容赦なく斬りかかってくるその刃の軌道を見切り、残像を駆使しながらも、握る新月小鴨で受け流す。
そんな詞の動きに、ふと小さく首を傾げるアンナ。
(「それにしても、本気で向かってこないのは、詞さんらしくないですね」)
――いつもだったら敵を潰そうと全力を出してくるはず、と。
それは自分の知る彼女の戦いとは違うから。
その様子を察し、詞はふっと新月小鴨を構え、試してみる。
(「全力で受けに回って、っていうのもわたしらしくないか」)
さすがにユーベルコードを使うわけにはいかないけれど……でも、寸止めでいいから攻撃できるかどうかを。
「……!」
瞬間、振るわれ閃いた短剣の刃をアンナは咄嗟に受け止めて。
「……って、私を攻撃してきましたね?」
――なら、私も本気でぶつかります、と。
改めて再認識する。やはり彼女は敵だと。
そして大きく踏み込み、足に纏わりつくドレスが破れてもむしろ好都合、気にせずに刃を交え斬り合って。
放たれる鋭い斬撃を短剣で受けつつ、隙があれば斬り込んでみたりしながらも、詞は眼前のアンナを見遣る。
(「満足するまで斬り合ったら、洗脳も解けるかしら?」)
自分に刃を向けてくる詞は敵。
アンナは、そうは思うも……やはり、何か違和感が拭えない。
敵であるはずの彼女は何故ユーベルコードを使ってこないのか。
そうふと手が一瞬緩めば、すかさず繰り出されてくる詞の一太刀。
けれどもそれでも、アンナは腑に落ちない。
そして、ふと辿り着く思考。
(「本当に詞さんが敵なら、もっと本気を出すのでは……?」)
眼前の彼女は握る刀を振るってきてはいるものの、それは本気とは思えなくて。
そう思えば、アンナは思わず動きを止めてしまう。
「まさか、ってことは……」
ふとそんな呟きを落としたアンナに、言の葉を向ける詞。
「納得した? 前に進むのでしょう?」
そして剣振るうその手を止めた彼女を映した黒の瞳をそっと細める。
――殺し方を知っているなら、生かし方も知っている、なんてね、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と
アヤカの笑みが消えたら
だいじょうぶだよと呟く
ガジェットショータイム
上から降るもの
正体に気づいて走る
地面に突き刺さる杭の正体
わたしはしってる
アヤカが閉じ込められていたこと
だから有効なガジェットとして現れた
檻
アヤカを封じるはずだった檻に閉じ込められる
中で暴れても出られないように
外からの攻撃も防いでくれるけど
一点集中で砕ける
転がり出て構える
受け止めるなら斧の方がいい
違和
周囲の鍵刀の向き
防ぎきれなくても
うしろから刺されるかもしれなくても
考える前に動いた
少しでもアヤカに当たらないように
斧回し武器受け
すこしくらいいたくてもへいき
血も出ない
だから赤が落ちればそれは
…アヤカ、いたいの?
浮世・綾華
オズ(f01136)と
扉閉まる音に
嗚呼、始まるのか…と
どんな言葉を掛けるにも
感情を溶かすのは難しい
繕うことしか出来ない
からりと笑み、よろしくな
そう紡ぎかけて意識が遠退いた
――オズ
呼んだはずの名は音にならない
視界が、赤く歪む
…っ、
…殺さなければ
――オズを、殺さなければ
片腕をあげ数多の鍵刀をゆらり隙なく浮かばせ
檻には一瞬怯むも
そんなもの
寧ろ破壊衝動は増す
守りに強度があるなら一点を狙い
操るだけではと鍵刀手に
自ら駆け隙を――
受け止められれば笑う
周囲に残した複数の鍵刀で
己も、彼も貫く
全部
弾ければ
誰かが望んだ赤が
俺を、彼を、香らせるだろう
……
抉る手の刃が
数多の切っ先が彼をも砕くなら
密む感情僅か
落ちる一雫
潜った扉が重々しく閉まり、そっと掛けられる鍵。
嗚呼、始まるのか……と、その音を耳にしながらも、浮世・綾華(千日紅・f01194)は思うけれども。
共に在るオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)へと視線を向ける。
……どんな言葉を掛けるにも、感情を溶かすのは難しい。
だから今はどう足掻いても繕うことしか出来ないけれど。
からりと笑み、よろしくな――なんて、オズへと紡ごうとした矢先であった。
脳内に響き渡る様に聞こえ始めたのは、鐘の音。
途端に遠退く綾華の意識。
――オズ。
そう呼んだはずの名は音にならず、視界が赤に歪んで沈んでゆく。
そんな綾華の笑みが消えたことに気付いたオズは、こう彼へと声を掛ける。
――だいじょうぶだよ、と。
目の前にいる存在は敵。殺さねばならない敵なのだ。
頭の中を侵す言の葉と赤のいろ。それには、決して抗えないから。
「……っ、……殺さなければ」
――オズを、殺さなければ。
刹那、ふっと天へと片腕をあげれば、ゆらりと。
隙なく浮かばせるのは、数多の鍵刀。
オズを貫き、殺す為に。
そして雨の様にそれを降らせれば、その正体に気付いたオズが戦場を駆けて。
発動するのは、ガジェットショータイム――刹那、地面に突き刺さる複数の杭。
それが何なのか、オズには分かったのだった。
だって、しっているから。
(「わたしはしってる。アヤカが閉じ込められていたこと」)
だから有効なガジェットとして現れたのだ。
彼を閉じ込めていた――檻が。
容赦なく降り注ぐ、鋭き鍵刀の雨。
綾華を封じるはずだった檻に閉じ込められるオズ。
でもそれは中で暴れても出られないようにと成されたものだから、外からの攻撃も防いでくれるけれど。
「そんなもの」
成された檻には一瞬怯むも、寧ろ増す綾華の破壊衝動。
守りに強度があるならと、狙うはひたすらただ一点集中。
抑えきれぬ衝動のまま、衝撃を何度も重ねれば。
「……!」
砕かれた檻から転がり出て、すかさずオズは構える。
(「受け止めるなら斧の方がいい」)
身の丈ほどもある、ガジェットの斧を。
刹那――操るだけでは、と。
黒鍵刀を握り、地を蹴って駆けた綾華は、眼前の敵に生じた隙目掛け刃を振るう。
けれども黒き刀の波動は確りと斧に受け止められて。
ふっと手に伝わる刃交わる感触に笑い、綾華は周囲に残した複数の鍵刀で貫かんとする。
――己も、彼も貫く。
全部、と。
オズはハッと映る鍵刀へと向けたキトンブルーの瞳を見開く。
覚えたのは、違和感。
それは――浮かぶ周囲の鍵刀の向き。
敵であると今認識されている自分だけに向けられたものではないと……そう気付いたから。
防ぎきれないかもしれない。後ろから刺されるかもしれない。
けれども、オズは考える前にすでに動いていた。
(「少しでもアヤカに当たらないように」)
大きな斧をぶん回して、彼を守る様に。
刹那、弾ければ――誰かが望んだ赤。
そのいろは、オズを、そして綾華を、香らせて。
ぽたりと伝い、零れるいろ。
……すこしくらいいたくてもへいき、血も出ない。
オズは背中に、足に、腕に、突き刺さった刃にも倒れずそう踏ん張るけれど。
でも、だから――ふいに落ちた赤、それは。
「…………」
……抉る手の刃が、数多の切っ先が彼をも砕くなら、と。
密む感情は僅か、落ちる一雫。
そしてオズは優しさを湛える青を向け、彼へと問う。
……アヤカ、いたいの? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シン・クレスケンス
☆
アドリブ歓迎
真の姿
・ツキの狼の姿は扱い易いようにした仮の姿で、本来の姿は闇色で数多の眼を持つ不定形の異界の存在。形状、硬度は自在。
今は巨狼の形状を保っている。
・ツキの力の一部を宿す僕の右腕も同じ闇色に変化し形状、硬度も自在。右眼は金色に。
ツキ相手に遠慮は無用。
【指定UC】、詠唱銃、魔術、備え付けの武器、室内の物全て駆使して迎え撃ちます。
洗脳の影響かやや直線的な動きが多い。
「本当のあなたはもっと強いでしょう?ツキ」
「いい加減正気に戻りなさい!このバカ犬!」
一喝し、巨大な剣に変化させた右腕をツキの頭部に叩き付けます。
「痛でで、だから犬扱いするなって」
舌打ちしてまた(僕を)喰いそびれたと残念そう。
広い部屋に在るのは、自分と巨狼。。
いや、今は巨狼の形状を保っている、と言うのが正しいか。
鐘の根が鳴り響く中、シン・クレスケンス(真実を探求する眼・f09866)の眼前に在るのは。
闇色をした狼姿のUDC、ツキ。
普段は魔術で従えているのだけれども。
今……眼前にいるツキから感じるのは、自分へと明らかに向けられている殺気。
あかの洗脳は、UDCであるツキにも例外なく囁く。
目の前にいるのは敵、殺さなければならない、と。
刹那、大きく地を蹴り、襲い掛かってくるツキ。
そんな闇色の狼を象り剥かれた牙をすかさず躱して。
シンはふと思う……洗脳の影響かやや直線的な動きが多い、と。
そして自分を殺さんとするツキへと言い放つ。
「本当のあなたはもっと強いでしょう? ツキ」
その言葉に、今度こそその身を喰らわんと、シン目掛け再び鋭き爪や牙を振るうツキ。
……ツキ相手に遠慮は無用。
詠唱銃、魔術、備え付けの武器――室内の物全てを駆使して迎え撃って。
そしてシンはツキに対抗するべく戦場に生み出す。
――神を捕らえし鎖よ、我が名において今一度顕現し彼の者を捕らえよ。
ツキの死角から放った、魔力でつくった白銀の枷と鎖を。
そして動きを一時的に封じた巨狼へと一喝。
「いい加減正気に戻りなさい! このバカ犬!」
刹那、ガツンッと。
巨大な剣に変化させた右腕をツキの頭部に叩き付けるシン。
その強烈な一撃で、漲っていた殺気が一瞬にして消え失せ。
正気に戻ったツキは、シンに訴える。
――痛でで、だから犬扱いするなって、って。
それからちらりとシンを見上げるツキは、耳をぺたんとさせながらも、どこか残念そうに舌打ちをする。
……またシンを喰いそびれた、って。
成功
🔵🔵🔴
マクベス・メインクーン
グラナトさん(f16720)と
選択を誤ったかもしれない
これなら自分が赤を飲めば良かった…でもそれも嫌だ
けど…自分に一切愛のない殺意を向けるグラナトさんが怖い
いつもは暖かい眼差しを向けてくれる目が
冷たさを感じるほど怖い
内心怯えているけど、此処で死ぬわけにも行かない…
小刀2本を両手に構えて
炎のUCは、水の精霊の全力魔法で張ったオーラ防御と火炎耐性で
防ぎつつUCで封じる
「何度も見てるからな、炎対策は万全だぜっ」
直接攻撃にはフェイント混ぜて水を纏わせた小刀で受け流す
攻撃に出られずに押し切られそうになった辺りで
洗脳が解け、それが分かると身体の力が抜けてへたり込む
「……グラナトさん…?」
グラナト・ラガルティハ
マクベス(f15930)と
⭐︎
自分の中の殺意が目覚める。
戦神の本能とも言えるそれ。
その殺意は鋭く普段は敵に向けるはずのもの
「さぁ、人の子よ抗って見せろ」
UC【業火の槍】で攻撃
【戦闘知識】で攻撃を読みつつ室内でも優位に戦闘が出来るように炎の神鞭で距離を取りつつ攻撃。
神鞭には【属性攻撃】炎と【呪詛】を付与。
「人とは争うのが好きな生き物だろう?」
俺は戦いの神。人にそう望まれてそうある者。
…??今私を怯えた目で見ているのは…??
愛しいはずの…マクベスっ!
鐘の音が、何処かからか聞こえる。
マクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)は鳴り響く音を聞きながら、思わずにいられなかった。
――選択を誤ったかもしれない、と。
己が選んだいろは、青。
そして、彼……グラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)が口にしたいろは、赤。
赤を飲んだ眼前の彼から感じるのは、まさに戦神の本能――ぞくりとするほどの鋭さを帯びた殺気。
(「これなら自分が赤を飲めば良かった……でもそれも嫌だ」)
マクベスはそうふるりと小さく横に首を振りつつも、普段とは全く違う視線を向ける彼を見遣る。
いつもは暖かい眼差しを向けてくれる金の瞳。
けれど今自分に向けられているそれは……冷たさを感じるほどで。
(「一切愛のない殺意を向けるグラナトさんが怖い」)
いつもならば敵へと向けられるはずの一切愛のない鋭い殺気が、今は自分へと向けられているのだ。
そして本能に目覚めた戦神は、目の前のマクベスへと殺意を燃やしながらも言い放つ。
「さぁ、人の子よ抗って見せろ」
圧倒されてしまいそうな、威圧的な声。
けれど、内心は怯えているけど。
(「此処で死ぬわけにも行かない……」)
ぐっと覚悟を決めたマクベスは、金には赤、銀には青の煌めき埋められた小刀2本を両手に構えて。
刹那繰り出された、火炎の属性宿す炎の槍の衝撃を耐えるべく、水の加護を纏う。
水の精霊の全力魔法で張った守りの気と火炎耐性で、降り注ぐ鋭利な炎の槍の雨を凌がんと耐えつつも。
「何度も見てるからな、炎対策は万全だぜっ」
刹那マクベスが展開し戦場へと喚ぶのは、術封じのドラゴン。
けれど、戦神が繰り出すのは、何も炎の槍だけではない。
「……!」
戦闘知識を以って彼の攻撃を読みつつ、室内でも優位に戦闘が出来るようにと。
距離を取ったグラナトが容赦なく放つは、神の加護を受けし炎纏う鞭。
燃え盛りしなる鞭は呪詛を伴い、敵を打たんと唸りを上げて。
フェイントを織り交ぜつつ、水を纏わせた二刀の小刀で、それらを何とか受け流すマクベス。
けれども相手は、人間にはあまり良い印象はない模様の戦神。
「人とは争うのが好きな生き物だろう?」
――俺は戦いの神。人にそう望まれてそうある者。
象徴されると言われている蠍の尾の如く、編んだ燃ゆるような赤髪を揺らしながら。
「く……っ!」
「人の子よ、もっと抗って見せろ」
炎の神鞭を激しく振るい、マクベスに攻撃をさせる隙を与えぬグラナト。
そんな猛攻を何とか水纏う金と銀で耐えていたマクベスであったが、じわじわと押されて。
「!」
握る小刀が弾き飛ばされ、押し切られそうになった――その時だった。
ぴたりと、急に炎の神鞭がその動きを止めて。
「……?? 今私を怯えた目で見ているのは……??」
ふと眼前に在る彼を、グラナトがじっと首を傾けながら見つめてみれば。
刹那、大きく見開かれた赤の瞳が、ぱちくりと数度瞬く。
そして自分を見つめる、何処か怯えたいろを宿す視線の主に気付く。
――愛しいはずの……マクベスっ! って。
「……グラナトさん……?」
マクベスは、何処かショックを受けている様子の彼に、そっと声を掛けつつも。
ぺたんと、その場にへたり込む。
洗脳が解けたと分かった彼の姿に、身体の力が一気に抜けてしまって。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロカジ・ミナイ
有/f00133
カーッ!こんな部屋でゆっくりしてぇなぁ!
なのに後で挨拶が来るってよ…つまらないねぇ…
武器に妖刀を並べりゃ僕のが一番立派だし
ベッドなんざ柔すぎて眠れねえ
鐘が鳴ると君の目の色が変わる、この部屋での楽しみなんてそれだけだ
相手が望むなら何度だって笑って殺されてやれるのがこの僕
当然その度にすんげぇ痛いんだけど
いい男は黙って歯喰いしばるのさ
酒で自前の丸薬を呑み下せば頑丈さ30割増
さぁ掛かって来い、いつもと違う有ちゃん
逃げるなって言われると逃げたくなるのが性でさ
追い込む君の腕や杭を躱せるだけ躱す
乱れるドレスを愉しむ暇もねぇ
心臓取ったら君の勝ちよ
今生で最期に見るのは君のおっかない顔、悪くないね
芥辺・有
ロカジ/f04128
豪華すぎるのは落ち着かないがね
挨拶が来ようがゆっくりしてりゃいいんじゃない
そこのベッドとか……なんだ、寝れないかい
はあ、しかし準備がいいな
適当にナイフなんか手に取って矯めつ眇めつ
歯食いしばってまで殺されてやるの?やっぱり物好きだね
鐘の音が響くのを尻目にナイフを腕に突き立てる
まあどうでもいいんだけどさ
そのよく回る口黙らせてやる
流れる血を代償に杭を創り出す
ひとつを手に取ると残りは眺めた男目掛けて
この服どうも動きにくいからね
蜂の巣なら御の字だけど
まあ、足止めにくらいなれば上等だ
逃げるなよ 逃さないけど
杭の合間から近寄って、狙う位置なんぞ決まってる
言われなくても取ってやるさ
くたばれ
宴の後、案内されたのは、ふたりしかいない割には広すぎる豪華な部屋。
「カーッ! こんな部屋でゆっくりしてぇなぁ!」
座り心地の良さそうな椅子やふかふかのベッドなど。
物は少ないが、置いてあるものはどれも高そうで。
どうせならこんな豪勢な部屋でゆっくり洒落込みたいところだけれど。
ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)は肩を竦め、はあっと溜息をつく。
「なのに後で挨拶が来るってよ……つまらないねぇ……」
「豪華すぎるのは落ち着かないがね。挨拶が来ようがゆっくりしてりゃいいんじゃない」
……そこのベッドとか、と。
芥辺・有(ストレイキャット・f00133)が視線向けたベッドに、ロカジはまずは腰を下ろしてみるけれど。
「ベッドなんざ柔すぎて眠れねえ」
「……なんだ、寝れないかい」
慣れない沈むようなふわふわベッドは、柔すぎてどうも眠れそうにないし。
豪華な部屋には不似合いな、ずらり並ぶ武器たち。
「はあ、しかし準備がいいな」
適当に取ったナイフを眺め呟いた有の隣で、ロカジもそれらを見遣るけれど。
飾られた刀を見回した後、もう一度つまらなそうに嘆息する……僕のが一番立派だし、と。
そんなこの部屋で、唯一楽しみな事と言えば。
――おもむろに鳴り始めたのは、鐘の音。
刹那、ロカジは目の色が変わった有へと視線を向けて。
この部屋での楽しみなんてそれだけだ、そう笑い、続ける。
「相手が望むなら何度だって笑って殺されてやれるのがこの僕」
「歯食いしばってまで殺されてやるの? やっぱり物好きだね」
「当然その度にすんげぇ痛いんだけど、いい男は黙って歯喰いしばるのさ」
有はそんなロカジを後目に、鐘の音が響く中……手の中に在るナイフを、己の腕へと突き立てる。
そして流れる赤を纏いながら、殺意といういろを宿す瞳を彼へと向けて言い放つ。
「まあどうでもいいんだけどさ」
――そのよく回る口黙らせてやる、って。
そんな有の攻撃を耐えるべく、ロカジが酒で呑み下すは、自前の丸薬――ガンコナー600。
これを呑めば、頑丈さ30割増! なのだけれど。
「ワッ、にがい……」
いわゆる、良薬口に苦し、というものだろうか。
その味はまぁ、ともかく。
「さぁ掛かって来い、いつもと違う有ちゃん」
守りを強化したロカジは、数多生み出されたあかの杭を見遣りつつ、そうもう一度笑う。
有は成した無数の杭をひとつ、その手に取った後。
「……!」
「この服どうも動きにくいからね。蜂の巣なら御の字だけど」
残りを、相変わらず気だるげな瞳で眺めた男へと目掛け容赦なく降らせて。
ひょいとそれらを懸命に躱していく彼を見遣り、続ける。
……まあ、足止めにくらいなれば上等だ、って。
けれど、放つ杭を避けていくロカジへと、有はさらにあかの杭を降らせると同時に言い放つ。
「逃げるなよ――逃さないけど」
「逃げるなって言われると逃げたくなるのが性でさ」
列列と咲き誇る椿の如きあか躱せるだけ躱しながら、そう返すロカジだけれど。
「乱れるドレスを愉しむ暇もねぇ」
飛ばすだけでなく、有はひとつ手にした杭を握り直し、杭の合間から一気に間合いを詰めて。
勢い良く振り下ろされた夜が滴り落ちてきたような黒を、背後へと飛んでやり過ごすロカジ。
そんな、杭を打ち込むべく狙う場所は、決まっている。
「心臓取ったら君の勝ちよ」
「言われなくても取ってやるさ」
――くたばれ。
そう吐き出された言の葉に、ロカジは一等楽し気に笑む。
……今生で最期に見るのは君のおっかない顔、悪くないね、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アルトリウス・セレスタイト
セフィリカ(f00633)と
まずは止めねばなるまい
助言を受けつつ対峙
機を見て魔眼で戻すつもりだが、さて
なかなかでは済まない程度に鋭そうだ
『励起』で能力を底上げ
『天光』も併用し最大限見切って回避。少なくとも致命は避ける
手の内を見せると二度目は拙いと言うので、一手で決めるために機を待つ
正面から来るときが好機か
魔眼・円環で洗脳を解除しそのまま抱きとめる形に
狙いが狙いだけに食らうかもしれんが、まあ死ななければ良かろう
後で治せば良い
館の主の趣向的に、深い関係の者が殺し合うほうが好みと見る
利用して一泡吹かせようと囁いて提案
以後は主来訪まで受け手側で演技継続
時折呼びかけるなどし、それらしさを演出しておく
セフィリカ・ランブレイ
アルトリウス君(f01410)と
今はアルトリウスの元にある魔剣シェルファは語る
札は削ってる上に実力差は明白。十中八九アンタが勝つ
けどあの子は、必要があれば1をこじ開ける子
手加減は考えないで、同じ技を二度使うのも危険
見切られたらその力や隙を利用したカウンターを取るわ
速度を生かし、アンタの攻撃を誘いに来る
乗らず、自分の必中の機を見計らいなさい
でも、いい選択よ
あの子がアンタを止めるなら殺すしかないけど、
アンタならあの子を止められる
(あら予想よりお早い目覚め。成程、こういう事もできるんだ
……じゃ、精一杯演技しよっか。迫真の説得、期待してる)
意識が戻れば抱かれた姿勢から荒々しく身を離し、再び打ち合う
不意に鳴り始めた鐘の音が響く広い部屋に在るのは、自分と連れのふたりだけ。
いや、正確にはふたりだけではないのだが。
――まずは止めねばなるまい、と。
アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は、自分を敵と見做す視線を向けて来るセフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)を見遣りながらも。
そんな彼へと語り掛けるのは、今はアルトリウスの元に在る魔剣シェルファ。
『札は削ってる上に実力差は明白。十中八九アンタが勝つ』
自分が此処に在ること、それがセフィリカの札を削る有効な一手だと魔剣は言うけれど。
『けどあの子は、必要があれば1をこじ開ける子。手加減は考えないで、同じ技を二度使うのも危険。見切られたらその力や隙を利用したカウンターを取るわ』
彼女の傍にいつも在るから、シェルファはよく分かっているのだ。セフィリカの底力の強さを。
そんな助言を受けながら、アルトリウスはセフィリカを見遣り思う。
(「機を見て魔眼で戻すつもりだが、さて」)
――なかなかでは済まない程度に鋭そうだ、と。
『速度を生かし、アンタの攻撃を誘いに来る。乗らず、自分の必中の機を見計らいなさい』
そこまで助言した後、シェルファはこうも続ける……でも、いい選択よ、って。
『あの子がアンタを止めるなら殺すしかないけど、アンタならあの子を止められる』
だから、これはきっと最良の選択。
セフィリカが赤、アルトリウスが青のいろを選んだ事は。
魔剣の助言によれば、一度見せた手は二度使うのは危険だという。
なので、アルトリウスは機を待つ。一手で決めるためのその瞬間を。
刹那、漂う淡青は、覚醒を促す光と全てを照らす光。
覚醒を促す光『励起』で能力の底上げをはかり、全てを照らす光『天光』によって最大限見切って回避を試みるアルトリウス。
積極的に踏み込んでくるセフィリカは確かに、隙を少しでもみせればすかさずそこに攻め入ってくる。
そんな彼女の衝撃を躱しつつ、アルトリウスは見極める。
(「正面から来るときが好機か」)
最初で最後の一手を打つタイミングを。
そして――金の髪を靡かせ、ふっと接近してきたセフィリカが一瞬、眼前へと踏み込んできた瞬間。
「……!」
狙いが狙いだけに、彼女が放つ衝撃を食らってしまうが。
まあ死ななければ良かろう、後で治せば良い、と。
漂う淡青のいろで底上げした能力を駆使し持ち堪えた後。
アルトリウスが解き放つは、対象を完全に復元する原理の魔眼の力。
発動した魔眼・円環が、支配された彼女をあかの洗脳から解き放って。そのままその身を抱きとめる形に。
そしてぱちくりと正気に戻って瞳瞬かせた後。
(「あら予想よりお早い目覚め。成程、こういう事もできるんだ」)
そう向けられたセフィリカの視線に気付き、アルトリウスはその耳元で囁く。
「……館の主の趣向的に、深い関係の者が殺し合うほうが好みと見る」
――利用して一泡吹かせよう、と。
そんな彼に……じゃ、精一杯演技しよっか、とセフィリカも気取られぬ程度に頷いて。
――迫真の説得、期待してる。
瞬間、抱かれた姿勢から荒々しく身を離し、セフィリカは再び彼と打ち合うべく構えれば。
「セフィリカ、目を覚ませ。俺が分からないのか?」
受け手側として立ち回りながらも、アルトリウスはそれらしいことを口にしつつ、館の主の趣向に暫し付き合ってあげる。
けれど、それらしさを演出するのも――勿論、今だけ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リカルド・アヴリール
ライナス(f10398)と
アドリブ歓迎
機械が強い感情を持つなど
エラー以外の何物でもないのに
嗚呼、嗚呼、守らなければ、今度こそ奪われてたまるか
UC:歪
歪め、壊せ、殺せ殺せ殺せ殺せ
どろりとした呪詛が全身を蝕もうと構わない
飛んでくる鎖が首を絞めても
『鏖』を振るい続けて、肉を抉ろうと
あの日を繰り返さない為に殺してしまわなければ
何故、どうして
この吸血鬼が許せないと強く思うのに
唇は勝手に言葉を紡いだ
……壊して
殺して、くれ
殺さなければ、守らなければ
意識が遠のく中で浮かんだのは
幼馴染……シリルとレティへの謝罪の言葉
俺だけ生き延びたから、きっと怨んでいるだろうと
でも、俺にはライナスを殺せないんだ
殺したく、ない
ライナス・ブレイスフォード
リカルドf15138と
存分に中でお楽しみ下さいってか?んとに趣味悪いな…って
ちっ…早速洗脳されてんじゃねえか
だから首輪つけてやるっつっただろが…!
リカルドの襲撃には舌打ちと共に【這い寄る毒虫】を放ち鎖に変えたそれを巻き付け動きを止めんと試みんぜ
殺せと紡ぐ言の葉には首に巻きつける様に更に生じさせた鎖を重ね応えつつリカルドに浮かぶ呪詛を手で引きちぎらんとしながらその鎖を引いて己の方に寄せんと試みる
…お前は俺の食糧だろが
壊すも殺すも俺が決めんだよ!
怪我は後でこいつの血肉で治せばいいからな
避けずに其の儘鎖で首を絞め失神させんと試みる
…クソッ肉弾戦とか柄じゃねえのによ
んとに世話が焼けんな…お前はよ…!
通された部屋は確かに豪華ではあったものの。
ふたりで使うにしては広すぎて、あからさまに並べられているのは様々な武器。
そんな部屋の中、リカルド・アヴリール(遂行機構・f15138)の胸に巡る思い。
(「機械が強い感情を持つなど、エラー以外の何物でもないのに」)
――嗚呼、嗚呼、守らなければ、今度こそ奪われてたまるか。
そして赤を飲んだ者の脳内を易々と支配するのは、おもむろに鳴り始める鐘の音。
……歪め、壊せ、殺せ殺せ殺せ殺せ。
全身を蝕むのは、どろりとした呪詛。けれどそれに抗わず、あかの囁きに意識を沈めるリカルド。
「存分に中でお楽しみ下さいってか? んとに趣味悪いな……って、ちっ……早速洗脳されてんじゃねえか」
そんな連れの様子に気付き、ライナス・ブレイスフォード(ダンピールのグールドライバー・f10398)はひとつ舌打ちしてから。
「だから首輪つけてやるっつっただろが……!」
先程まで振り回していた彼に、今度はライナスが暫し振り回される番。
眼前の存在は敵、殺すべきだと。
――鉄屑と化して、果てるまで。
自己崩壊を招きかねない程の歪な力の強化をその身に施して。
赤き脳内の囁きに従い、リカルドは障害となる敵を穿ち、貫き、破砕せんと鏖を振るう。
そんなリカルドへと、まさに首輪を嵌めるかのように。
ライナスは再び舌打ちしてから、展開するは『這い寄る毒虫』――影から生じさせ放ち、鎖に変えたそれを巻き付けて。
動きを止めんと試み、攻撃や動きを封じんと試みるけれども。
――あの日を繰り返さない為に殺してしまわなければ。
リカルドは鎖を力技で破砕しつつ、『鏖』を振るい続けて。
ライナスの……いや、今のリカルドにとっては敵にしか見えぬ彼の肉を抉らんと襲い掛かる。
けれど、その心に錯綜するは、様々な思い。
――何故、どうして。
この吸血鬼が許せないと、そう強くリカルドは思うのに。
「……壊して。殺して、くれ」
勝手に言の葉を紡ぐ唇。
そしてそれに応える様に、ライナスは首に巻きつける様に生じさせた鎖をさらに重ねて。
リカルドに囁き続けるあかの呪詛を手で引きちぎらんとしながらも、その鎖をぐっと引いて己の方に彼を寄せんと試みる。
「! ……っ、」
――殺さなければ、守らなければ。
じゃらりと首を絞めつける鎖が鳴り、意識が遠のく中で。
リカルドの脳裏に浮かんだのは、幼馴染……シリルとレティへの謝罪の言葉。
(「俺だけ生き延びたから、きっと怨んでいるだろう」)
けれど、それでも。
「……でも、俺にはライナスを殺せないんだ……殺したく、ない」
そう絞り出すように出た声に、ライナスはすかさず返す。
「……お前は俺の食糧だろが。壊すも殺すも俺が決めんだよ!」
殺したく、ない。けれど、殺さねば。
そんな葛藤に苛まれつつも再び振るわれた『鏖』を、ライナスは避けずにその身に受ける。
此処で鎖を緩めるわけにはいかないし。
(「怪我は後でこいつの血肉で治せばいいからな」)
ライナスはそうは思いつつも、再び舌打ちをして。
ぐっと首輪の如き鎖を引き、リカルドの首を絞め失神させんと力を込めつつも言い放つ。
「……クソッ肉弾戦とか柄じゃねえのによ」
――んとに世話が焼けんな……お前はよ……! って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サフィリア・ラズワルド
POWを選択
☆
真の姿で、人の姿のままで襲いかかる、爪と歯で精霊竜様を食い千切ろうとする。
何故かこいつは動かない、流血する程食い込んでいて痛くないはずがないのにただ微笑んで私を見ているだけ、その理由はわからないけど、こいつは敵だから、こいつが何をしようと関係ない、反撃しないならそれでいい、千切れてもまた食らいつく、お前が死ぬまで離さない。
暫くして洗脳が解ける、血だらけの精霊竜様と自分の姿を見て狼狽える。
『嘘、だって、私は青色を……なんで?!』
洗脳されている間の記憶はない「愛する我が子を殺そうと一瞬でも思いたい母親がいるものですか」と精霊竜様が私に言った言葉も覚えていない。
アドリブ歓迎です。
広い部屋に、おもむろに響き始める鐘の音。
そんな響きを耳にしたサフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)は変化する。
長く伸びら鋭き爪を振るい、鋭利な歯で敵を食いちぎる、人型のままでの真の姿に。
――殺せ、目の前の存在を殺せ。
サフィリアの脳内で囁かれ続ける、あかの洗脳。
そして今、彼女の前に在るのは、精霊竜様。
サフィリアは脳内に響く言葉通り、精霊竜様を殺さんと、その爪や牙を振るい食い千切らんとする。
けれども、ラピスラズリの鱗を持つ四つ足の飛竜はじっとそれを避けることさえしない。
そんな眼前の敵と見做した存在に、サフィリアは首を傾ける。
(「何故かこいつは動かない、流血する程食い込んでいて痛くないはずがないのに」)
しかも、ただ微笑んで自分を見ているだけ。
その理由はわからないけれど。
……こいつは敵だから、こいつが何をしようと関係ない。
……反撃しないならそれでいい、千切れてもまた食らいつく。
美しい瑠璃の鱗が、あかに染まってもなお、動きをみせない精霊竜様。
そんな敵を殺気に満ちた瞳で見遣り、サフィリアは思う。
……お前が死ぬまで離さない、って。
そしてふと血塗れの精霊竜様が紡ぐのは、思いの言の葉。
――愛する我が子を殺そうと一瞬でも思いたい母親がいるものですか、って。
そんな慈しむように言った精霊竜様に、尚もサフィリアは攻撃を続けるけれども。
「……!?」
刹那、ハッと上げたその顔から、殺気のいろが一瞬に消え失せて。
正気に戻ったサフィリアは紫の瞳を思わず大きく見開き、狼狽える。
「嘘、だって、私は青色を……なんで!?」
サフィリアの中では、自分が飲んだドリンクのいろは青だと思っていたから。
実はすり替えられていただなんて……しかも、精霊竜様を血塗れにしてしまうほど襲い掛かってしまったなんて。
そして、そう慌てつつ驚愕するサフィリアは覚えていないのだった。
洗脳されている時に自分に向けられた、精霊竜様の思いの言の葉は。
成功
🔵🔵🔴
兼石・風藍
【黄葉(f25437)と】(アドリブ歓迎)
(洗脳状態でも、口調や態度は変わらない)
随分色々揃えたな。黄葉、どれが好みだ?
愛用のナイフ、と答えた黄葉からナイフを奪う
成程、自分の武器で死にたいか。存外感傷的だな
黄葉を蹴り倒し、仰向けに転がして上に乗り
黄葉の首を隠すスカーフを外して傷跡を軽く撫でてから
体重をかけて彼の喉にナイフを突き立てにかかる
「死ぬって?そのつもりでやってるんだろうが
お前は僕の実験体だからな、いつ壊すかも僕次第だ」
「無事死んだか?死んだなら死んだって言えよ」
黄葉が動かなくなったら、その身体から血を採取しておこう
香水にするんだったか?興味深いね
…いや、呪術だの魔術だのなら、専門外だが
黄葉・契次
【フラン(f25843)と】(アドリブ歓迎)
ここまで露骨とは思わなかったな、と置かれた武器を興味深く眺める
上着は窮屈なので脱いでおく
どの武器が好みか、という問いには(自分が使う、と解釈して)
「やっぱりいつものナイフがいい」と返す
フランがあまりにも普段通りなので少し動揺し、そのまま武器を奪われ蹴倒される
その気になれば返り討ちにはできるだろうが、それでは意味がない
首に突き付けられたナイフを手で押さえて一応抵抗するが、上から体重をかけられては限界がある
「待て待て、ホントに死んじまうだろうが――」
ナイフが喉に突き刺さるのを感じながら、意識を手放す
ここで死んでみせるのがこっちの役割なら、キッチリ果たすさ
通された広い豪華な部屋の中で、異彩を放つもの。
「ここまで露骨とは思わなかったな」
窮屈な上着を脱いでから、黄葉・契次(牙折りクロムイエロー・f25437)が興味深そうに眺めるのは、置かれてある様々な武器。
そして、ふと鐘の音が鳴り響く最中、兼石・風藍(炎色反応・f25843)は契次に訊ねる。
「随分色々揃えたな。黄葉、どれが好みだ?」
そんな問いに、自分が使うなら……そう心に思いながらも。
「やっぱりいつものナイフがいい」
契次はふとひとつ、口にした得物を手にしつつ返せば。
刹那、風藍は彼の手に在るナイフを奪って。
「成程、自分の武器で死にたいか。存外感傷的だな」
「! ……っ!?」
あまりにも見た目、風藍が普段通りだったから――少し動揺してしまって。
得物を奪われ、そして床へと蹴倒される契次。
その気になれば返り討ちにはできるだろうが、それでは意味がないから。
抵抗せず地に倒れれば、仰向けに転がされて。
「ぐ……!」
そんな契次の上に乗り、風藍はしゅるりと彼の首を隠すスカーフを外してから。
現れた傷跡を指で辿るように、軽く撫でた後。
「!」
奪ったナイフをその喉に突き立てんと、ぐぐっと力の限り体重をかける風藍。
契次は咄嗟に突き立てにかかるナイフを手で押さえ、一応抵抗を試みるものの……上から体重をかけられては限界がある。
「待て待て、ホントに死んじまうだろうが――」
そう思わず発せられた声に、風藍はあかの洗脳に彩られた藍の瞳を細める。
「死ぬって? そのつもりでやってるんだろうが。お前は僕の実験体だからな、いつ壊すかも僕次第だ」
そして――ナイフが喉に突き刺さるのを感じながら、ふっとあかに染まり意識を手放す契次。
そんな組み敷いた彼の様子を見下ろし、風藍は紡ぐ。
「死ぬって? そのつもりでやってるんだろうが。お前は僕の実験体だからな、いつ壊すかも僕次第だ」
それから……ここで死んでみせるのがこっちの役割なら、キッチリ果たすさ、と。
動かなくなった契次へと、続ける。
「無事死んだか? 死んだなら死んだって言えよ」
その身体から血を採取しておきながらも、風藍はふと首を傾けて。
「香水にするんだったか? 興味深いね」
……いや、呪術だの魔術だのなら、専門外だが、と。
赤に塗れつつもう一度、藍色の瞳を細めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ニルズヘッグ・ニヴルヘイム
嵯泉/f05845と
本気で来い
今のおまえに殺されてやる気はない!
他の得物を選ばれる前に槍を投げ渡す
私は蛇竜を黒槍へ
こっちは槍使いでな
敗けるわけにはいかないんだ
起動術式、【死者の毒泉】
選ぶのは防御力
呪詛を竜鱗として纏う
私の得意は専守防衛、嵯泉がカウンター得意なのも知ってる
攻撃は身を守るための最低限に留めよう
多少の傷でヘバるほどヤワじゃない
あんまり傷付けたくもないしな!
私が何か言う前に、おまえなら自分の意志で戻って来る
そいつを信じて凌ぐだけだ
でも出来れば早い方が良いな
笑って刀返せるくらいの怪我で、済んでるうちにさ!
――お帰り、嵯泉
本気のおまえって怖えなあ
はは、何で謝るんだよ
大丈夫だって言っただろ
鷲生・嵯泉
ニルズヘッグ(f01811)同道
悪いが覚悟してくれ
しかし用意周到な…っ、鐘、が――
……敵か
周囲に目を走らせるも、投げられた槍を受け止め
此れで死にたいと……良いだろう
慣れた武器程ではないが、お前を殺すには十分だ
些か身体の動きが鈍いが一気に踏み込み
円の軌道で首を刎ねんと槍を振るう
専守に徹している所為か思いの外粘る……ならば――妖威現界、益を示せ
幾度も打ち合わせる槍の向こう
色の違う瞳が視界に揺れる……還って来いと、呼ん、で――
裡を掻き乱す声……お前なぞに何時迄も従って堪るか
心を塗り潰し手脚を縛る呪縛を意志で斬り払い
…――お前、は
ただいま――ニルズヘッグ
……悪かった
お前を傷付けて平静で居るのは無理だ
通された部屋に静かに響いたのは、そっと外から掛けられた鍵の回る音と。
――悪いが覚悟してくれ。
そう紡いだ、鷲生・嵯泉(烈志・f05845)の声。
そしてぐるりと赤の視線を巡らせれば、豪華な部屋には違和感満載の武器の数々。
それらを品定めする様に見遣り、嵯泉は再び口を開くけれど。
「しかし用意周到な……っ、鐘、が――」
不意に鳴り響く鐘が、はじまりの合図。
その響きは赤を飲んだ者の脳内に囁き続けるのだ。目の前の存在は、殺すべき敵だと。
「……敵か」
嵯泉がそう見遣るのは、ニルズヘッグ・ニヴルヘイム(竜吼・f01811)。
その物静かさは普段と一見変わらないが。向けられる視線に孕むのは、戦となれば熱し易い苛烈さ。
「本気で来い。今のおまえに殺されてやる気はない!」
ニルズヘッグは真っ向からそう言い放った後、周囲に目を走らせる彼へと投げ渡す。
他の得物を選ばれる前にと……選んだ槍を。
「此れで死にたいと……良いだろう」
――慣れた武器程ではないが、お前を殺すには十分だ。
嵯泉は投げられた槍を受け止め構え、そう紡ぐも。
「こっちは槍使いでな。敗けるわけにはいかないんだ」
ニルズヘッグも蛇竜が姿を変えた黒槍を握り、迎え撃つ。
――呪わば呪え。
この地に宿る死霊の憎悪や怨嗟、絶望を竜鱗として。
その身に纏い、守りを固めるニルズヘッグ。
彼はよく知っている。己の、そして眼前の彼がそれぞれ得手とすることを。
自分は専守防衛が、嵯泉はカウンターが得意なことを鑑みて。
(「攻撃は身を守るための最低限に留めよう」)
刹那、一気に踏み込み、円の軌道を描く鋭撃を放ってくる嵯泉の槍を弾いて防ぐ。
その狙いは、首。首を刎ねんと振るってくる刃を確りと見据え、ニルズヘッグも身を守るべく黒槍を振るって。
研ぎ澄まされた鋭撃に赤を走らせるも、それは倒れるには至らぬ傷。
「多少の傷でヘバるほどヤワじゃない」
――あんまり傷付けたくもないしな!
そう次の一撃に備え、ニルズヘッグが改めて黒き長槍を構えれば。
「専守に徹している所為か思いの外粘る……ならば」
――妖威現界、益を示せ。
己の血と精神力を代償に、嵯泉は握る獲物を天魔鬼神へと変化させて。
殺傷力を増した切っ先を、眼前の敵と見做した男に再び振るう。
些か先程の宴の影響で、身体の動きが鈍いとはいえ。
「……!」
威力を増した槍が、先程よりも鮮烈に赤を飛沫かせる。
けれど、ニルズヘッグは信じて凌ぐだけ。
(「私が何か言う前に、おまえなら自分の意志で戻って来る」)
「でも出来れば早い方が良いな」
そして迫る槍の一撃を受け流しながらも続ける。
……笑って刀返せるくらいの怪我で、済んでるうちにさ! って。
そんな、幾度も打ち合わせる槍の向こうの、違うふたつのいろ。それは嵯泉の視界に揺れて。
(「……還って来いと、呼ん、で――」)
けれど脳内を侵さんと、あかは嵯泉に囁き続ける。
――殺せ、殺せ殺せ、と。
けれども、裡を掻き乱す声の思い通りになど。
「……お前なぞに何時迄も従って堪るか」
嵯泉は刹那、その心を塗り潰して。
意志で斬り払うは、手脚を縛るあかの呪縛。
「……――お前、は」
そして嵯泉は、眼前の彼の姿を改めてその瞳に映す。
敵ではない、盟友のその姿を。
ニルズヘッグはそんな彼に、笑って紡ぐ。
――お帰り、嵯泉、って。
そして傷だらけの身体を改めて見遣り、続ける。
「本気のおまえって怖えなあ」
「……悪かった」
「はは、何で謝るんだよ」
そう笑うニルズヘッグに、嵯泉は答える。
「お前を傷付けて平静で居るのは無理だ」
そんな彼に、ニルズヘッグはもう一度、改めて笑んで見せる。
――大丈夫だって言っただろ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
華都・早紗
【カビパンはん(f24111)】と参加。
いやん、めっちゃ殺気。でもシリアス気無さ過ぎでは・・・。
安心してカビパンはん、あんたから譲り受けたこのハリセンで
思う存分ぶちのめしたるからな(ぶぉんぶぉん)
カビパンはんのユベコに対して私もとっておきのを出したる。
いざ出でよ十笑衆!
この凄惨な血の舞台を笑いの色で染め上げよ!
ちなみにこんな格好いい台詞は必要無いねんけどなー!!
「ほな♪なんかおもろい事言って♪」
カビパンはん、やりきったその渾身のギャグが
ただただ眩しいで…。
(でも)
あうと~~。
はい、おもんない~~。
ハリセンでどつき回します。
まぁ相方の滑りは私の滑り。
私も一発殴られておあいこにしとこか。
カビパン・カピパン
【早紗はん(f22938)】と参加。
鐘の音と同時に、早紗をギャグで殺らなくてはという感情に駆られる。UCを発動しようとしたが、肝心のハリセンを渡していたことに気づいた。
(おのれ早紗はんめ!)
ちょっと待ってと、部屋の中で即席ハリセンを作成しUC発動。
「ようこそ、私の(ギャグ)世界へ。
な、十笑衆ですって!?まさか私の世界に適応するとは…」
そして相手の質問で勝手に追い込まれる。
「華都だけに―」
その場で華麗にくるりと一回転。
右手の親指と人差し指を突き立てて、鉄砲の形を作って指さす。
「花と話せ!」
最後にウインクをかます。
一瞬世界が止まった後、早紗と笑いの神様から金タライとハリセンの嵐。
洗脳が解けた。
響く鐘の音は、赤を飲んだ者に囁く。
目の前にいる者は敵、殺せと。
勿論、カビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)も例外ではなく。
鐘の音と同時に湧き上がり駆られるのは、こんな感情。
――早紗はんをギャグで殺らなくては、と。
そして華都・早紗(幻朧桜を見送る者・f22938)をギャグで殺るために。すかさず、必殺のユーベルコードを発動せんとするカビパンだけれど。
ハッと瞳を見開き、ある致命的な事に気付くのだった。
そう――肝心のハリセンを早紗へと渡していたことに……!
(「おのれ早紗はんめ!」)
めらめらとさらに湧き上がる殺気。
これはギャグで殺しまくらなければ気が済まない!
……だから。
「ちょっと待って」
そそくさとカビパンが作り始めたのは、即席ハリセン。
そんな姿を見遣りながら、早紗は早速ツッコむ。
「いやん、めっちゃ殺気。でもシリアス気無さ過ぎでは……」
でも殺る気満々です、ギャグで!
けれどそれを早紗も真っ向から受けて立つ。
「安心してカビパンはん、あんたから譲り受けたこのハリセンで思う存分ぶちのめしたるからな」
ぶぉんぶぉんと、渡された女神のハリセンを旋回させて。
そしてようやく即席ハリセンを作り終わり、カビパンは満を持してユーベルコードを発動させる。
「ようこそ、私の世界へ」
そう――私のギャグの世界へ!
けれども、そう簡単にギャグの世界を展開させはしない。
「カビパンはんのユベコに対して私もとっておきのを出したる」
早紗はそして、声高らかに紡ぐ。
――いざ出でよ十笑衆! この凄惨な血の舞台を笑いの色で染め上げよ!
いや……別にこんな格好良い台詞は、実は必要無いんですけれど。
刹那、戦場という名のギャグの世界に召喚されたのは。
「な、十笑衆ですって!? まさか私の世界に適応するとは……」
帝都中を席巻する笑道を追求した十笑神!
いや、その中でも、その日最も輝いていた笑いの神様約1名である……!
そして早紗はカビパンへと言い放つ。
「ほな♪ なんかおもろい事言って♪」
その言葉には決して抗えない。
満足な答えを得るまで、その日最も輝いていた笑いの神様約1名は、金タライやハリセン等の定番な方法で攻撃してくるのだから!
ここは何としても、おもろい事を言わなければならない。
そう、早紗の質問で勝手に追い込まれるカビパンであるが。
こくりとひとつ頷き、即席ハリセンを手に。
芸人魂を見せつけんといざ、渾身のギャグを放つ!
「華都だけに―」
刹那、華麗にくるりと一回転、右手の親指と人差し指を突き立てて。
鉄砲の形を作って指さし、カビパンは言い放つ。
「花と話せ!」
最後にパチンとかますは、とどめのウインク!
早紗はそんな勇姿をしかと見届けて。
「カビパンはん、やりきったその渾身のギャグがただただ眩しいで……」
そう紡ぎはしたけれど……でも。
それはそれ、これはこれ!
一瞬世界が止まった後
「あうと~~。はい、おもんない~~」
「な、なんですって……いた、痛っ!?」
早紗と笑いの神様から見舞われるは、ガコンッと落ちて来る金タライとすぱーんっと振り抜かれたハリセンの嵐。
早紗はツッコミという名のハリセンで、カビパンをどつき回して。
洗脳が解けたのにまだツッこまれなくりなカビパンも、即席ハリセンで応戦!
「それ、どつきすぎでんがなまんがな!」
……まぁ相方の滑りは私の滑り、と。
早紗もぱこーんと一発殴られて、笑いの神様が生温かく見守る中、互いにボケてツッコミあって。
これで仲良く、おあいこに!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
音海・心結
【桜舞う】*アドリブ歓迎
赤を飲んだ設定
なんだか体が疼くような
気のせいでしょうか
なんなのですか、この気分……
ふらっと体が傾く
抱き留められる感覚に甘い香り
ありがとなのです
えと、あなたは……?
視線が絡み合う瞬間、本能で感じた
『こいつを殺れ』と
身を翻し、短剣を手に取り
あはっ!
よいのですか?
そんな短剣で
みゆに敵うとでも?
目指すは彼の心臓
体の内側を積極的に狙う
ザクリ
手ごたえを感じはしても、
本当の狙いは僅かなところで逸らされる
うるさい
みゆはただの子供じゃ――
身動きを封じられると、ドタバタと暴れ
~~~~ッ!
ま、負けない
負けないもんっ!
桜夢・瑠璃
【桜舞う】*アドリブ歓迎
青を飲んだ設定
鍵を掛けられた、か
まあ、そんなことだとは思っていたよ
揺れる少女の肩を抱きすくめ、顔を覗き込んだ
どういたしまして
それより、大丈夫?
少女の瞳が奥底で燃えた気がした
この子は――危ない
とっさに手にしたのは彼女と同じ短剣
相手は少女
下手に傷をつけるにもいけない
……ふふっ
別に殺したいわけではないさ
君は子供
僕が本気になれるわけがない
それにしても、
僕の心臓を取りたくって仕方ないみたいだね?
でも、残念
お遊びはこれまでにしようか
少女の短剣を弾く
そのまま壁あるいは床に押し倒し
考えなよ
大の男に子供が勝てるわけないだろ?
――さて、悪い子にはお仕置きが必要だ
広い部屋に通された瞬間、静かにドアで微かに鳴ったのは鍵を回す音。
「鍵を掛けられた、か」
けれども――まあ、そんなことだとは思っていたよ、と。
桜夢・瑠璃(桜瑠璃・f24928)には特に驚く様子もない。
そんな彼が先の宴で飲んだドリンクのいろは、青であった。
そして一方、赤のいろを口にしたのは。
(「なんだか体が疼くような」)
……気のせいでしょうか。
そう首を傾けている、音海・心結(ゆるりふわふわ・f04636)。
けれど鐘の音が響く中、それは気のせいなんかではなくて。
「なんなのですか、この気分……」
ふらっと体が傾けば、即座に伸びたのは瑠璃の腕。
――抱き留められる感覚に甘い香り。
揺れる肩を抱きすくめ、顔を覗き込む彼に、心結はふらつきながらも礼を告げて。
「ありがとなのです」
「どういたしまして。それより、大丈夫?」
問われた言の葉に、こてんと首を傾げて相手を見上げる心結。
「えと、あなたは……?」
そして……視線が絡み合う瞬間、心結は本能でこう感じる。
――『こいつを殺れ』と。
刹那、素早く身を翻し、手に取ったのは閃く短剣。
瑠璃も、腕の中の少女の瞳が奥底で燃えた気がして。
(「この子は――危ない」)
咄嗟に手にした得物は、彼女と同じ短剣。
けれども、相手は少女。
(「下手に傷をつけるにもいけない」)
そう相手の出方を窺う瑠璃に、心結は笑う。
「あはっ! よいのですか?」
――そんな短剣で、みゆに敵うとでも? って。
でも瑠璃も決して怯むことなく、少女に笑み返す。
「……ふふっ、別に殺したいわけではないさ」
――君は子供、僕が本気になれるわけがない、と。
瞬間、一気に踏み込んだ心結が目指すは、彼の心臓。
体の内側を積極的に狙い、短剣を振るうけれど。
ザクリと手ごたえを感じはしても、本当の狙いは僅かなところで逸らされてしまう。
それでも、執拗に心臓を狙い飛び込んでくる少女に、瑠璃はいろの違う双眸を細めて。
「それにしても、僕の心臓を取りたくって仕方ないみたいだね?」
……でも、残念。お遊びはこれまでにしようか。
そう彼が続けた瞬間。
「うるさい。みゆはただの子供じゃ――」
弾かれ宙を舞うのは、心結が再度振るった短剣。
そのまま瑠璃は、彼女を床に押し倒して。
身動きを封じられ、ドタバタと暴れる少女に笑んで。
桜と瑠璃の瞳に映した彼女に、小首を傾げてみせる。
「考えなよ。大の男に子供が勝てるわけないだろ?」
――さて、悪い子にはお仕置きが必要だ、って。
「~~~~ッ!」
心結は何とかその拘束から逃れようと、身を捩りながらも。
自分を見下ろす彼へと屈せずに、じたばた抵抗を続ける。
――ま、負けない、負けないもんっ! って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エンジ・カラカ
トキワ(f04783)
アァ……トキワ?トキワがおかしいなァ……。
まあ、いいや。
賢い君、賢い君、できる?やる?
うんうん、そうだそうだ。
賢くなければ生き延びれない。
先にも進めない。そうだよなァ……。
手加減はいらないいらない
細い糸を張り巡らせて蜘蛛の巣
アァ……手。手を狙おう。
武器を持たれたら困るもンなァ……。
ちょきん、ちょきん凄いなァ
狼の足はとーっても速いヨ
狼じゃないトキワはどうやって賢い君を退けるンだろうねェ。
それにそれにタイセツなコト
賢い君はレディだ!
レディを傷付ける?できる?
賢い君の毒の味はもう知っているだろう?
トキワなら出来る出来る
さあさあ早く先に進もう
神埜・常盤
エンジ君/f06959
この胸にじわりと湧き上がる殺意
嗚呼、どうしたことだろう
じっとしては居られない
影縫に己の血を啜らせ
凶暴化した其の切っ先をエンジ君へ
僕の得物は血に飢えている、そして僕も……
ゆえに衝動の侭、影縫を振り回そう
蜘蛛の巣みたいに張り巡らされた絲
はは、蝶にでも成った気分だ
絲を切る、斬る、伐る
狼の脚は速いんだろう
僕は逃げられ無いかもなあ
腕が絡めとられる前に影縫を投げマヒ攻撃
果たして、君の影を上手く縫い留められるかな
ちいさなレディ……
賢い君が何時か注いで呉れた血の味を思い出す
嗚呼、そうだ――彼女には毒が在った
想い出す程に、世界がぐるりと回転する
傷つけられそうにないな
一応、僕も紳士だからね
広い部屋におもむろ響き始めたのは、鐘の音。
その音色は、あかを飲み干した者の衝動を掻き立て、脳内に囁き続ける。
眼前の存在は敵、殺さなければならない、と。
そして響く鐘の音は、神埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)の心にもあかの衝動を呼び起こす。
――嗚呼、どうしたことだろう。
常盤はそうふるりと首を小さく振るけれど。
でも……じっとしては居られなくて。己の胸の中にじわりと湧き上がるこの感情を、抑えきれそうにない。
鮮烈な赤のいろに染まった殺意を。
そんな常盤に生じた変化に気付いて、エンジ・カラカ(六月・f06959)はこてんと首を傾けながらも。
どこか落ち着かない様子の彼に声を掛けてみるけれど。
「アァ……トキワ? トキワがおかしいなァ……」
自分の声も届いてはなさそうなその姿に、まあ、いいや、と口にした後。
鮮烈に咲かせ滴り落とす赤を影縫へと啜らせる常盤から、手にした相棒へと金の瞳を向けるエンジ。
「賢い君、賢い君、できる? やる? うんうん、そうだそうだ。賢くなければ生き延びれない」
――先にも進めない。そうだよなァ……、って。
刹那、常盤の黒き鉄のクロックハンドが赤を得て、殺傷力を増し凶暴化すれば。
その切っ先が向くのは、眼前の敵……エンジへと。
「僕の得物は血に飢えている、そして僕も……」
だから常盤はあかの洗脳に抗わない。
衝動の侭、血を啜った得物を振り回す。渇きを潤すほどの赤を求めて。
けれど赤は赤でも、戦場に張り巡らされるのは、赤い糸。
――手加減はいらないいらない。
細い赤が折り重なっては編むのは、蜘蛛の巣。
そしてエンジは狙い定める。
「アァ……手。手を狙おう。武器を持たれたら困るもンなァ……」
張り巡らせた蜘蛛の巣に掛ける獲物の、その手を。
けれど、ひらりと飴色のインバネスを翻して。
「はは、蝶にでも成った気分だ」
常盤はそう容易くは捕まらないと。握る黒で絲を切る、斬る、伐る――。
「ちょきん、ちょきん凄いなァ」
はらり刻まれゆく赤が無残に舞う様を見て、エンジは感心したように呟くけれど。
「狼の足はとーっても速いヨ」
……狼じゃないトキワはどうやって賢い君を退けるンだろうねェ。
そう金の瞳を細め、小首を傾けつつも紡いで。
「狼の脚は速いんだろう。僕は逃げられ無いかもなあ」
常盤はそう返すけれど……でも、逃げられ無くたって構わない。
腕が絡めとられるその前に、君の影を縫い留めればいいのだから。
……果たして、上手く縫い留められるかな、と。
そう常盤は、痺れを伴う効力を乗せた影縫を、眼前の敵と見做した彼へと目掛け投擲すれば。
エンジはもうひとつ、こう付け加える。
「それにそれにタイセツなコト」
――賢い君はレディだ! と。
エンジは知っている。常盤はシンシだから。
「レディを傷付ける? できる?」
――賢い君の毒の味はもう知っているだろう? って。
「トキワなら出来る出来る」
「ちいさなレディ……」
そうふと呟きを落とした常盤は、ふと思い出す。
「嗚呼、そうだ――彼女には毒が在った」
賢い君が何時か注いで呉れた、血の味を。
「……ッ」
瞬間、ぐるりと回転する世界。想い出す程に、酷い眩暈がして。
常盤は問われた先程の声に、小さく首を振って答える。
「傷つけられそうにないな。一応、僕も紳士だからね」
漸く定まった視線の先に在る彼とちいさなレディに、瞳を細めて。
そしてエンジは返ってきた言葉に、こくりと頷く。
――さあさあ早く先に進もう、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
飛鳥井・藤彦
【有栖川の兄さん(f06470)と】
いつもの笑顔が消え、無表情のままドレスの裾を翻し大筆を振って【なぎ払い】【衝撃波】で兄さんを【吹き飛ばし】。
完全な洗脳状態だが、顔だけは狙わない。
「屑は屑同士、仲良ぉしとき」
感情の籠らない声で呼び出すのは【未完のまま打ち捨てられた絵画の亡霊】の群れ。
接近される前に数で圧し潰そうという試み。
近づかれたら再度大筆を振い、応戦。
しかし剣は止められても、小さな針は止められず。
強い眠気に筆を落とし、兄さんにもたれかかる。
「……兄さんは屑ちゃうもん、そんなん思うてへん、思うてへんもん」
洗脳は解けるも、記憶はあって己の暴言に凹む。兄さんに抱きつき、ぐずりながら何度も謝る。
有栖川・夏介
【藤彦君(f14531)と】
藤彦君の纏う気配が変わったことを察知。
咄嗟に防御するも間に合わず、距離をとられてしまう。
彼から発せられる「屑」の単語にピクリと反応。
…クズ、カス、出来損ない。
散々言われてきたことだ。今更気にすることじゃない。
…が、彼の口からその言葉がでてきたことに無意識に動揺。
なんとか亡霊の群れを押しとどめるが、肝心の彼に近づけない。
…本気で殺すつもりでいかねば。
【覚悟】を決め一気に【ダッシュ】で距離を詰める。
首をはねるつもりで剣を振りかぶり【フェイント】
【微睡みはティーポットの中で】を発動し、睡眠針で藤彦君を眠らせる。
眠りにつく藤彦君の頭を撫でる。
「大丈夫。…だいじょうぶだから」
響く鐘の音がまだ鳴り止まぬ、その前に。
有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)は、ふとその顔を上げる。
眼前の飛鳥井・藤彦(春を描く・f14531)の纏う気配が変わったことに気付いて。
そして向けた視線の先、いつもの笑顔が消え無表情のままに、藤彦が青のドレスをひらり躍らせた刹那。
「……ッ、!」
突如握られ大きく振るわれたのは、身の丈ほどもある青い大筆の衝撃。
咄嗟に夏介は防御するも間に合わず、繰り出された衝撃波に薙ぎ払われ、吹き飛ばされて。
距離をとられることを、藤彦に許してしまう。
瞬間、あかの洗脳の声に従い、藤彦は感情の籠らない声で紡ぎ喚び出す。
「屑は屑同士、仲良ぉしとき」
接近される前に、その数で圧し潰そうと……夥しい数の、未完のまま打ち捨てられた絵画の亡霊の群れを。
――屑。
そう耳に響いた単語に、一瞬ピクリと反応する夏介。
(「……クズ、カス、出来損ない。散々言われてきたことだ。今更気にすることじゃない」)
でも――その言葉自体というよりも。
それが彼の口から出て来たということ、そのことに無意識に動揺してしまう。
そして握る刃で切断していき、何とか圧し潰さんと迫る亡霊の群れは押しとどめるけれど。
肝心の藤彦になかなか近づけない夏介。
眼前の彼は、手を抜けるような相手でもないし、洗脳によって今、自分を殺さんとしているのだから。
(「……本気で殺すつもりでいかねば」)
夏介はそう覚悟を決め、一気に地を蹴り駆けだして。
距離を詰めれば、振りかぶった刃を容赦なく閃かせる。相手の首を刎ねるつもりで。
そんな夏介が繰り出してきた、首を狙った処刑人の剣の一撃を、藤彦は再度青き大筆を振るい受け止めるも。
その斬撃は、フェイント。
「……!」
刹那、間隙を縫う様に夏介から放たれたのは――睡眠針。
『微睡みはティーポットの中で』発動させ、小さな針が藤彦を眠りの世界へと誘って。
振るわれた剣は止められても、小さな針は止められずに。
思わず、襲われた強い眠気に、握っていた輝紅篠画を地へと落とし、上体をふらり大きく揺らしながらも。
もたれかかった夏介へと、こうぐずる藤彦。
「……兄さんは屑ちゃうもん、そんなん思うてへん、思うてへんもん」
あかの洗脳からは解き放たれたようであるが、その間の記憶もちゃんと残っているから。
己の吐いた暴言に凹みつつも夏介に抱きつき、藤彦はぐずりながら何度も謝罪を。
そして夏介は、こてんと夢の世界へと意識を落とす彼へと紡ぐ。
「大丈夫。……だいじょうぶだから」
そっと、その頭を撫でてあげながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
輝夜・星灯
【紅霓】
五月蝿い鐘の音
脳髄に響くそれが云う
『殺さなければならない』なんて
馬鹿馬鹿しい
私がすることなど
このひとを護ることに他ならないのに
ぎゅうと眉間に皺寄せ耐えれば
囁く呪詩は変わり果てて
毒のようにこの身を侵す
『殺していいよ』と鐘が謳う
――なんて、甘美な聲
きみの手取った掌返し
指向けるのは亡骸黒曜
返す応えも知らぬまま
ナユ、なゆ、七結
きみが乞うのは私の何?
どうして、何で、
私を乞うてはくれないの
こわれなければ
私はきみを恋うことすら、
零した言葉へ気も留めず
哀を浮かべた空を駆ける
私だけのものにして
匸してしまいたいと
ひとに成れないばけものの儘
愛を騙る
鉄錆の味で目を醒ませば
――汚かったろう
嗤って
漸う其の眸をみた
蘭・七結
【紅霓】
鐘が告ぐのははじまり
あなたの貌が歪んでゆく
あなたの眸が曇ってゆく
星灯
わたしの声がきこえる?
わたしの姿は――、
嗚呼。視えていない
なゆを見ていて、みていない
黒い切っ先が此方を向く
避けるつもりなぞない
七結を、殺せる?
乞わずとも
あなたの愛を得ている
今までも、今だって
そうでしょう?
なゆがすることは乞いではない
くだる一閃を見切り躱し
茨姫の梏桎で足下をすくって
大きく傾いたその身へと飛び込む
黒曜刀で右の掌を切り裂いて
倒したあなたの口許へとあかく降らそう
めざめて
わたしのそら
愛を乞う、いとしあなた
あなたの帰る場所は此処に
カラの器を満たす愛は傍に
見下ろすあなたの頬を撫ぜる
――いいえ
笑って
かさなる眸を見映した
――嗚呼、五月蝿い。
鳴り響く鐘の音に、輝夜・星灯(ひとなりの錫・f07903)は首を横に振って。
脳髄に響く云うそれを、馬鹿馬鹿しいと一蹴する。
……『殺さなければならない』なんて。
(「私がすることなど、このひとを護ることに他ならないのに」)
けれど、脳内を侵すあかの囁きは、思考をじわりと覆い奪ってゆく。
目の前の存在は敵。殺さなければならない、って。
蘭・七結(まなくれなゐ・f00421)は鐘の音が響く中、星灯の顔を見つめる。
鐘の音が告ぐのは、はじまり。
……あなたの貌が歪んでゆく、あなたの眸が曇ってゆく、って。
眼前の囁きに抗わんと、ぎゅうと眉間に皺寄せ耐えていた星灯であったけれど。
でも……囁かれ満ちる呪詩は、いつの間にか変わり果てて。
毒のようにあまく残酷にその身を侵していく。
そして――『殺していいよ』、って。
そう謳う鐘の囁きに蕩けてしまう……なんて、甘美な聲、って。
「星灯、わたしの声がきこえる?」
七結は自分をじっと見つめる彼女に、そう声を投げるけれども。
わたしの姿は――、
(「嗚呼。視えていない」)
――なゆを見ていて、みていない。
七結はそう、ふるりと首を横に振る。
向けられている空色には、何も咲いてはいない。あかい一輪の華の姿さえも。
刹那、ひらりと星灯は掌を返し、亡骸黒曜を指向ける。彼女の手を取った掌を。
いや、その黒い切っ先が己に向いても、避けるつもりなぞなく。
――七結を、殺せる?
紫の瞳に迷えるその空のいろを映し、七結は星灯へと問うけれど。
返す応えも知らぬまま、むしろ逆に星灯は問う。
……ナユ、なゆ、七結、って、その名を幾度も呼びながら。
「きみが乞うのは私の何?」
その声に、七結はこたえを紡ぐ。
「乞わずとも、あなたの愛を得ている。今までも、今だって。そうでしょう?」
――なゆがすることは乞いではない、って。
けれども、星灯は返されたこたえに、ふるふると首を横に振る。
「どうして、何で、私を乞うてはくれないの」
……こわれなければ、私はきみを恋うことすら、
だが、そう零れた言の葉へ気も留めず。
星灯は刹那、哀を浮かべた空を駆けて。
――私だけのものにして、匸してしまいたい。
そう、愛を騙る。ひとに成れないばけものの儘に。
そして黒の切っ先が彼女へと振り下ろされれば。
「……!」
牡丹一華に飾られた髪が踊り、黒の閃きを躱した瞬間。
星灯の足元をすくうは、放たれた茨の絲。
そして、ぐらり揺らいだその身へと飛び込んだ七結は、黒曜刀を以って右の掌を切り裂いて。
倒れた彼女の口許へと滴らせ、あかく降らせる。己の“あか”を代償に、そら紅の羽花を咲かせるべく。
「めざめて、わたしのそら。愛を乞う、いとしあなた」
――あなたの帰る場所は此処に。カラの器を満たす愛は傍に。
そして瞳の空に咲くは、一輪のあかい牡丹。
注がれた鉄錆の味で目を醒まし嗤って、漸う其の眸をみる星灯。
――汚かったろう、って。
そんな彼女へと、七結は手を伸ばして。
触れた頬をそっと撫ぜてあげながらも笑って返す。
――いいえ、って。
自分の姿を咲かせる空のいろと眸重ねて、見映しながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クラウン・メリー
長閑(f01437)と
まるで誰かに身体を乗っ取られている気分
不安だけど大丈夫な気がするんだ
だから、俺は少しでも早く覚めるように……
――長閑を倒さないと
いつも敵と戦う時のような笑顔で彼を見る
さあ、愉快なショーの始まりだ
閉じ込められたのなら黒剣で無理矢理こじ開けるよ
ぱちんと指を鳴らせばお花が沢山
彼の目を遮った隙に火の輪で拘束しちゃうよ
腕と足を抵抗させないように押さえつければ
錠が狙いやすくなるもんね
彼の元に向かおうとしたら盾の衝撃を受け
その場に倒れ込む
のど、か
彼の姿を見て心臓がぎゅっとなる
腕が動かなくても足に激痛が走ろうとも気にせず彼に近づく
長閑、長閑ごめんね
でも長閑のことずっと信じてたよ
ありがとう
憂世・長閑
クラウン(f03642)と
分かってる
これは彼が望んでいるショーじゃないってこと
迷いがあったことも
傷つけたくないってことも
ちゃんと言葉にして教えてくれた
だから精一杯の誠意を持って応える
複製する巨大な盾で全てを覆い隠そう
彼を囲う、まるで鐘のような檻
閉じ込めてしまえば望まない戦いをしなくて済む
そう思ったんだ
破られれば
…熱さに、腕が焼けそうだ
でも錠だけは守る
もうダメだと思ったら
オレは迷いなく彼を攻撃する
先程吸収した盾から衝撃を放ち
彼の手が止まるまで急所を外し手を足を狙って
大丈夫だよ、クラウン
だってほら、お互い様だもの
手をどうにか動かし背伸び
彼の頭をそっと撫で笑む
みて、元気!
(後でしっかり、治すからね)
響き渡る鐘の音が、はじまりを告げる。
それは飲み干した赤のいろが、脳内をじわりと侵しにかかる合図。
(「まるで誰かに身体を乗っ取られている気分」)
クラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)の胸に生じる感情は、不安。
けれど、不安ではあるけれど……大丈夫な気もしていて。
クラウンはふとその金の瞳に、憂世・長閑(愛し秉燭・f01437)の姿を映して。
そして、続ける。
(「だから、俺は少しでも早く覚めるように……」)
――長閑を倒さないと、って。
刹那、彼を見るクラウンに宿るのは笑顔。
いつも敵と戦う時のように。
……さあ、愉快なショーの始まりだ、って。そう、わらうのだ。
けれど、長閑には分かっている。
(「これは彼が望んでいるショーじゃないってこと」)
それに、クラウンは教えてくれたから。ちゃんと言葉にして。
(「迷いがあったことも、傷つけたくないってことも」)
だから長閑も決めたのだ。精一杯の誠意を持って応える、って。
瞬間、長閑がクラウンの周囲に成すのは、彼を囲う、まるで鐘のような檻。
複製した巨大な盾で全てを覆い隠せば、彼をその中に閉じ込めてしまえば、望まない戦いをしなくて済む。
長閑はそう思ったのだけれど。
「……!」
ガッガッと握る黒剣を力任せに振るう音が幾度となく響けば。
己を閉じ込めていた巨大な盾の檻を、無理矢理こじ開けるクラウン。
そして道化師の手品で皆を驚かせたいから。
ぱちんと指を鳴らせば、はらり舞い踊るはフリチラリアの花弁。
舞い散る釣り鐘状に咲いた花たちが、長閑の視界を一瞬遮れば。
その隙にとクラウンが放つのは、長閑の身を拘束せんと燃え盛る『こわぁい火の輪』。
「……ッ」
それががっちりと腕に嵌められれば。
(「……熱さに、腕が焼けそうだ」)
逃がさないといわんばかりに、自分の腕を焦がしつつも拘束する炎の熱さを感じながらも
そう笑うクラウンを見据え、長閑は改めてやるべきことを心に思う。
(「でも錠だけは守る」)
クラウンも知っているから。この錠を壊されたら、長閑がどうなっちゃうのかを。
「腕と足を抵抗させないように押さえつければ、錠が狙いやすくなるもんね」
けれど、もうダメだと思ったその時は。
(「オレは迷いなく彼を攻撃する」)
そしてそれが――長閑が青を選んだ理由のひとつ。
自分ならば、必要であれば彼の事を傷付けることもいざとなればできるから。
瞬間、吸収した盾から長閑が放つのは、衝撃。
長閑の元へと向かおうとしたクラウンはそんな盾の衝撃をモロに受け、その場に倒れ込む。
そして急所は外しながらも、その手足を狙って。
彼の手が止まるまで、長閑は攻撃を向けるその手を止めない。
その衝撃に、クラウンは一瞬、大きく瞳を見開いた後。
「のど、か」
ハッと赤の洗脳から解き放たれた金の双眸に映った彼の姿に、心臓がぎゅっとなって。
腕が動かなくても、足に激痛が走ろうとも……気にせず彼に近づき、そして紡ぐ。
「長閑、長閑ごめんね」
そう謝るクラウンに、長閑は笑ってみせる。
「大丈夫だよ、クラウン。だってほら、お互い様だもの」
その声に、クラウンも先程とは違う笑みを彼へと向ける。
「でも長閑のことずっと信じてたよ」
それから長閑は、焼け爛れたその手をどうにか動かして。
うんっと背伸びすると、そっとその頭を撫で、そして笑む。
――みて、元気! って。
お互い様の怪我も後でしっかり、治すから。
そんな長閑へと、クラウンも。
笑みと共に、改めてこう言の葉を返す――ありがとう、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
氷月・望
☆
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎
そうだね
殺されてもいいとは思ってるよ
でも、俺が欲しいのはソレじゃないんだよなァ……不思議だね
楪の銃撃の弾道を『Invader』で【情報収集】
銃弾で撃ち抜かれても
肉弾戦を仕掛けて、逆にカウンターをされても
俺の頭は寧ろ、冷え切っているのが解る
あァ、そうか
楪の殺意、楪の思考、楪のすべて
ドコの馬の骨かも判らないヤツに手ェ出されたコトが
――クッソ腸が煮えくり返ってるのか、俺
墜ちて、灼けてしまえ
UC:紅雨を発動、コピーされても知ったコトか
墜ちろ、灼き尽して崩れ墜ちろ!
俺が撃ち抜かれて、殺されたいと思うのは
愛情と殺意がドロドロに混ざった
純粋な楪の意思
だから――今は、ダーメ
月待・楪
☆
氷月(f16824)と
アドリブ等歓迎
っハハ…!
ああ、なるほど、こーいう感じかァ
焼けて焦げつきそうな殺意
殺したい、殺したい!
なァ、氷月、ひづ、望
俺だけの夕焼け
死んでくれよ、My darling?
血反吐吐いてぐちゃぐちゃになって
真っ赤な瞳に俺だけ映して死ね
カルタとガランサスで【先制攻撃・制圧射撃・乱れ撃ち】して足止め
近寄んじゃねーよ、バァカ
【念動力】で氷月の物理的な攻撃は【カウンター】
くははッ…!
その瞳が、その視線が
何よりも厄介で、愛おしい
【Sanvitalia】で受け止めて【クイックドロウ】
踊れ、踊れ…俺のために踊れ!!
ふ、くふ、はハッ
愛しい殺して愛したい殺して愛されたい殺す
…望、俺と死んで?
そっと施錠された二人きりの部屋に響くのは、何処かで鳴るはじまりの鐘の音と。
「っハハ……! ああ、なるほど、こーいう感じかァ」
月待・楪(Villan・Twilight・f16731)の、歪さを孕む笑い声。
飲み干したあかが今、彼の心を唆して。
――殺したい、殺したい!
楪の胸に湧き上がらせるのは、焼けて焦げつきそうな殺意。
「なァ、氷月、ひづ、望」
――俺だけの夕焼け。
楪は灰色の瞳に、何度も名を呼んだそのいろを映して。
「死んでくれよ、My darling?」
……血反吐吐いてぐちゃぐちゃになって、真っ赤な瞳に俺だけ映して死ね。
握る二丁の銃口を躊躇いもなく望へと向ける。
そんな楪の言葉を、氷月・望(Villain Carminus・f16824)は否定しない。
「そうだね。殺されてもいいとは思ってるよ」
けれど、違うのだ。
楪になら殺されてもいい、撃ち抜かれる其の日まで――でも。
「俺が欲しいのはソレじゃないんだよなァ……不思議だね」
望は赤の瞳を楪に向けながら、首を微かに傾ける。
そして刹那、向けられたカルタとガランサスの引き金が引かれれば。
望はすかさず、乱れ撃たれる先制の制圧射撃の弾道を『Invader』で情報収集して。
「……ッ」
全てを避ける事はできないが、可能な限り受ける銃弾が少ない方向から大きく地を蹴って。
楪へと接近し、肉弾戦を仕掛けんと踏み込むも。
「近寄んじゃねーよ、バァカ」
「!」
振るった衝撃を念動力で返され、一旦距離を取る望。
いや、銃弾で撃ち抜かれても、肉弾戦を仕掛けて逆にカウンターを返されても。
(「俺の頭は寧ろ、冷え切っているのが解る」)
「なァ、殺されろよ、死ねよ。俺のことだけ見て、俺のことだけを考えながらなァ!」
そして望は眼前の楪を見つめながら――あァ、そうか、と呟きを落とす。
違うと、そう感じた理由が分かったから。
(「楪の殺意、楪の思考、楪のすべて。ドコの馬の骨かも判らないヤツに手ェ出されたコトが」)
――クッソ腸が煮えくり返ってるのか、俺、って。
そして望は赤の瞳に、その感情をあらわにする。
違う。だからそんな楪は――墜ちて、灼けてしまえ。
楪の手の内はよく知っている。知っているのだけれども。
「コピーされても知ったコトか」
――墜ちろ、灼き尽して崩れ墜ちろ!
刹那、赤の視線の先から放たれ墜とされるは、感電を伴う紅雷の槍。
そんな自分に向けられた激しい赤のいろに、楪は尚昂る気持ちのまま笑う。
「くははッ……! その瞳が、その視線が。何よりも厄介で、愛おしい」
そして『Sanvitalia』を発動させて。
――踊れ、踊れ……俺のために踊れ!!
握るカルタとガランサスで紅雷の槍を受け止め、すかさず衝撃を返す楪。
雷撃や銃声が耳を劈く様に鳴り、轟きぶつかり合う衝撃。
「ふ、くふ、はハッ。愛しい殺して愛したい殺して愛されたい殺す」
楪は再び二丁の愛銃を構え、確りと狙いを定めつつも紡ぐ。
……望、俺と死んで? って。
けれどその言葉に変える望のこたえは、Yesではない。
まだ、殺されてやらない。
「俺が撃ち抜かれて、殺されたいと思うのは、愛情と殺意がドロドロに混ざった純粋な楪の意思」
だから――今は、ダーメ、って。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
水標・悠里
ヴォルフさん/f09192
赤
鐘が鳴り終わると、目の前に誰かがいる
あれが今回の敵ですか
楽も謡いも居りませんが、私と一差し舞っていただけますか
勿論、舞台の上で手加減なさらぬよう、真剣にお願いしますね
『楽土の静寂』で強化
死霊の蝶に呪詛を纏わせたら
行きましょう、と傍らの蝶に呼びかけて差し向ける
でも慣れておいででしょう
視界を奪っての奇襲が目当てですから
帯に刺した【朔】を抜き相手へ斬りかかる
止めるのならもう一度
受け止めて動きを封じられれば上々です
最後の力を振り絞り相手へ斬りかかる
私が戻ってくる頃には終わっているでしょうから
時間が来るか決着が先か
ああ、私が溶けていく
花が散る
眠る前に戻れたなら
ありがとう、と
ヴォルフガング・ディーツェ
悠里(f18274)と
【青】
悠里、しっかりするんだ!
ち、個室に呼んだ理由は罠か、忌々しい蝙蝠めが…!
…加減をして制圧出来る程君は弱くない、それなりに痛い想いはして貰うよ、悠里
【指定UC】【メカニック】で機能強化した魔導ゴーグルで悠里の力が及ぶ中でも視界確保出来るように留意
ガジェットを魔銃形態に変更
【多重詠唱】【高速詠唱】【全力魔法】で氷のルーンを高速で描き多重展開
悠里の足を狙い魔氷で凍てつかせ、動きを止める
【医術】【メカニック】【ハッキング】【精神攻撃】で精製した対精神運動を抑制する極小ナノマシンを弾丸にし【零距離射撃】で打ち込んで沈静化を狙おう
花実を易々と散らさせるものか、必ず助けてみせるさ
鐘の音が、聞こえる。
そう気付いた途端に意識がスウッと遠くなって。
再び視界が開けたその時、水標・悠里(魂喰らいの鬼・f18274)は青い瞳にひとりの男の姿を映す。
目の前にいる誰か。それは――。
(「あれが今回の敵ですか」)
悠里が見つめるのは、敵。殺さねばならない敵。
そう脳内を満たし侵すあかのいろが、教えてくれているから。
「悠里、しっかりするんだ!」
静かに殺意を向ける悠里に、ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)は声を掛けるけれど。
その声は、彼には届いてはいないことは明白。
宴が終わって、各組ごとに個室に呼ばれたその理由。
「ち、罠か、忌々しい蝙蝠めが……!」
ヴォルフガングは吐き捨てる様にそう言うけれど。
「楽も謡いも居りませんが、私と一差し舞っていただけますか」
着飾った着物の袖を羽のように、ひらり揺らめかせながら言った悠里の洗脳を解くことが先決。
ヴォルフガングが悠里に向き合い、そして紡げば。
「……加減をして制圧出来る程君は弱くない、それなりに痛い想いはして貰うよ、悠里」
「勿論、舞台の上で手加減なさらぬよう、真剣にお願いしますね」
ゆるりと冷えた笑みを宿しながらも、悠里は内に響く声に従う。
刹那、ひらり舞う死霊の蝶に呪詛を纏わせて。
――行きましょう。
そう呼び掛けて、差し向ける。
けれど、それで倒せるとは悠里は思ってはいない。
「でも慣れておいででしょう」
だから死霊の蝶たちの役割は、相手の視界を奪うこと。
十分に蝶々を戦場へと舞い遊戯ばせれば、スッと抜くは帯にさしてある短刀。
そしてひらり着物の袖を羽ばたかせ、一気にヴォルフガングとの距離を詰めて。
鬼の血を含ませ打たれたという鋭い切れ味を以って、躊躇いなく斬りかかる悠里。
けれど、その刃は彼には届かない。
発動した『調律・機神の偏祝』により機能強化した魔導ゴーグルで、悠里の力が及ぶ中でも、ヴォルフガングの視界は確保されていたのだから。
止められても、さらにもう一度放たれる悠里の刃を、ヴォルフガングは成した魔銃形態のガジェットで受け止める。
けれどもそれも、悠里の狙い。
「受け止めて動きを封じられれば上々です」
死霊の蝶を操る力を一時的に増強した悠里の身に降りかかる代償。
だから、昏睡状態に陥るその前に。
……私が戻ってくる頃には終わっているでしょうから、と。
最後の力を振り絞り、悠里は相手へと斬りかからんと、ぐっと踏み込むけれど。
刹那、高速で描き編み出されたのは、幾重にも展開された凍てつく氷のルーン。
「……!」
そして懐に飛び込まんとした悠里の足を狙い、打ち出されるは魔氷の衝撃。
それは瞬時に踏み込まんとした足を凍てつかせ、その動きを止めて。
「花実を易々と散らさせるものか、必ず助けてみせるさ」
ヴォルフガングが零距離射撃で打ち込むは、対精神運動を抑制する極小ナノマシンの弾丸。
瞬間――ああ、私が溶けていく、花が散る、と。
時がきて崩れ落ちる悠里の身体。
そして意識を手放し眠る前に、洗脳から解き放たれた悠里はヴォルフガングに紡ぐ。
ありがとう、と――礼を告げる言の葉を。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんと。
そろそろですわね。鐘が鳴る前に大鰐霊様を召喚しておきましょう。
大鰐霊様、「よろしく」お願いします。
・・・私はどうしてこんなところに?
ああ、そうでした。私は悪い妖精を退治しに来たのですわね。
どうして忘れていたのかしら。
さあ、大鰐霊様。あの妖精を食べてしまいましょう。
・・・どうしました?
妙ですわね。
今まで敵に対してそのような戸惑いを見せられませんでしたのに。
ともあれ、大鰐霊様の調子が悪いのでしたら、この杖を以て打倒しましょう。
小さな体です。一撃でも当たれば十分に効果があるはず。
流石に素早いですわね。
ですが、いつまでも逃げ切れるわけでは・・・!
大鰐霊様、何故私の足元に!?
七霞・風花
ティーシャ(f02332)と
おや、悪い妖精とは……普段の貴女ならおそらく口にしないであろう事を
間合いの数歩外
少なくとも私がこれまで隣で見てきて把握している、一撃では死なない距離
それを保ちながら、羽を広げ、思案する
さて、どう戦ったものでしょう
……大鰐霊は言う事を聞いてない? であるなら、杖さえ警戒しておけば。
杖を掻い潜り、至近へ迫る
ここまで無傷なのはティーシャのスカートが長い事と、足元に大鰐霊がまとわりつき動きを阻害している為だ
弓に先を潰した矢を番え、壁を蹴り
振るわれる杖に、羽が叩かれ血を流すも
――ッ、痛い、けど!
でも、この位置なら外さない
これでおあいこ、ですッ!
意識を刈り取る、矢を放った
案内された広すぎる部屋のドアの鍵が、そっと掛けられたことに気付いて。
「そろそろですわね。鐘が鳴る前に大鰐霊様を召喚しておきましょう」
――お出でなさい、獰猛にして気高き大鰐霊。
ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)が予め喚んでおくのは、古代の大鰐の霊・大鰐霊様。
そして大鰐霊様へとティーシャはお願いを。
……大鰐霊様、「よろしく」お願いします、と。
それと、同時に――おもむろに鳴り響きはじめた鐘の音。
飲み干した赤の洗脳が、一瞬ティーシャの意識を遠ざけて。
「……私はどうしてこんなところに?」
そう首をこてんと傾げるけれど。
眼前にいる七霞・風花(小さきモノ・f13801)の姿を紫の瞳で捉えると、こうティーシャは紡ぐ。
「ああ、そうでした。私は悪い妖精を退治しに来たのですわね」
目の前の存在は、殺すべき敵だと。そう、脳内に響く声が教えてくれたから。
それから、ふと……どうして忘れていたのかしら、と。もう一度ティーシャは首を傾ける。
おっとりお淑やかな印象こそ変わらないが。
自分を敵だと認識しているそんな彼女を、風花は見遣り呟く。
「おや、悪い妖精とは……普段の貴女ならおそらく口にしないであろう事を」
そして風花を退治するべく、ティーシャは大鰐霊様に声を掛ける。
――さあ、大鰐霊様。あの妖精を食べてしまいましょう、って。
けれど、風花はよく把握している。
間合いの数歩外、一撃では死なない距離を。
少なくともこれまで隣で見てきたから。
その距離を確りと保ちながら、風花は羽を広げ、思案する。
(「さて、どう戦ったものでしょう」)
そんな様子を窺うように戦場を飛ぶ風花を目で追いながらも。
ティーシャは先程よりも、より大きく首を傾ける。
「……どうしました? 妙ですわね。今まで敵に対してそのような戸惑いを見せられませんでしたのに」
悪い妖精は食べてしまいましょう、とそう言ったのに。
何故か大鰐霊様がみせるのは、戸惑い。
その様子を、風花は注意深く見つめて。
「……大鰐霊は言う事を聞いてない? であるなら、杖さえ警戒しておけば」
呟きが落とされた瞬間、ティーシャの手に握られるは、先にルビーが嵌め込まれた、丈夫な樫を削って作られた長杖。
何故かやる気を起こそうとしない大鰐霊様の調子が悪いのならばと。
「この杖を以て打倒しましょう。小さな体です。一撃でも当たれば十分に効果があるはず」
「!」
風花を打ち倒さんと、大きく振るわれる長杖。
その間を掻い潜り、懸命に躱して。
風花は機会を窺いつつも思う。
(「ここまで無傷なのはティーシャのスカートが長い事と、足元に大鰐霊がまとわりつき動きを阻害している為だ」)
動きにくいようにと選んだ長いドレスの裾と、何気にティーシャの足元で動きを抑制している大鰐霊のおかげ。
風花は、弓に先を潰した矢を番え、壁を蹴り、一定の距離を保つべく立ち回るけれど。
「流石に素早いですわね」
そうティーシャが笑んだ刹那。
「……ッ、!」
振るわれた長杖が風花の羽を捉えて。羽に見舞われた打撃に、流れ落ちる赤。
そして仕留めたかと思いつつ、まだ倒れぬ妖精にもう一撃と、杖を振りかざしたティーシャだけど。
「ですが、いつまでも逃げ切れるわけでは……! 大鰐霊様、何故私の足元に!?」
ティーシャの動きを封じる様に、すかさず足元に纏わりついて邪魔をはかる大鰐霊様。
そしてそれは、ティーシャに生じた大きな隙。
「――ッ、痛い、けど!」
……でも、この位置なら外さない。
傷ついた羽で、あともうひと踏ん張り。
「これでおあいこ、ですッ!」
「!」
刹那、風花の番えた矢が戦場へと解き放たれて。
大鰐霊様との連携もばっちり、その一矢が洗脳されたティーシャの意識を刈り取ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
彩波・いちご
さくら(f25299)と
さくらへの殺意が抑えられない…
「さくら…私の大切な妹…なのに私の敵だなんて…」
「大切な妹だから、せめて…私の手で…殺してあげる」
手にはいつのまにか【異界の邪剣】が握られていて
さくらに斬りつけます
「さくら、どうして逃げるの?」
「たとえ殺し合う関係でも、貴方は私の大切な妹…だから、殺して、永遠に私の中に留めてあげる」
攻撃回数重視で、無茶苦茶に斬りつけて
さくらが私による死を受け入れるまで、嬲って、逝かせてあげる…!
「ふふ、逃がさないよ、さくら」
と、追い詰めていくけれど
さくらに捕まり口付けを受けて
「?!」
それで一瞬正気に…戻ったところでフライパンで頭殴られて意識を手放しました
彩波・さくら
いちごと
「いちご……
やっぱり操られちゃうか……」
けど、私が絶対に元に戻してあげるからね……
「いちごっ!
私はどんなときでも、いちごを傷つけたりしないよ!
敵なんかじゃないよっ!」
いちごが振るう邪剣を何とか避けるけど……
攻撃回数重視で振るわれる剣にドレスがどんどん破られていって……
けど、そんなことは気にせず、いちごに抱きつくね!
「いちご!
私のお兄ちゃんでしょ!
シャキっとしなさいよね!」
剣で傷つけられるのも構わずに、いちごに抱きついて唇を重ねてキスをして……
「お兄ちゃん、これで目覚めて……!」
いちごが目を白黒させてるところをフライパンで一撃!
「もう、妹を半裸にするなんてサイテー」
冷たい視線を向けるね。
広すぎる部屋に今、共に在るのは、大切で可愛い妹なのだけれど。
鐘の音が鳴り響く中、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は己の中で大きく疼く感情に気付く。
――さくらへの殺意が抑えられない……と。
目の前の存在は敵、殺すべきだと、そう脳内に響く声。
「さくら……私の大切な妹……なのに私の敵だなんて…」
そう呟きを落としたいちごを、彩波・さくら(龍神の聖女・f25299)は見つめて。
「いちご……やっぱり操られちゃうか……」
自分のことを敵だと言う言葉に、小さく嘆息するけれど。
真っ直ぐに兄へと視線を向け、続ける。
――けど、私が絶対に元に戻してあげるからね……って。
そしてさくらは、懸命に声を掛ける。
「いちごっ! 私はどんなときでも、いちごを傷つけたりしないよ! 敵なんかじゃないよっ!」
けれど、耳に届いている様子はなく。
「大切な妹だから、せめて……私の手で……殺してあげる」
――ふんぐるいふんぐるい……、我が眷属よ、来りてその身を我が敵を滅ぼす邪剣と化せ。
いつの間にか手に握られている異界の邪剣で、さくらを斬りつけるいちご。
その斬撃を、何とかさくらは避けていきながらも。
「さくら、どうして逃げるの?」
「……!」
振り下ろされた斬撃に、はらりとまた斬り落とされるドレスの一部。
いちごはさらに攻撃回数重視の斬撃で、無茶苦茶にさくらへ向けて斬りつけていく。
「たとえ殺し合う関係でも、貴方は私の大切な妹……だから、殺して、永遠に私の中に留めてあげる」
――さくらが私による死を受け入れるまで、嬲って、逝かせてあげる……!
そして致命傷こそさくらは避けてはいるものの、纏うドレスはどんどんと破られていって。
「ふふ、逃がさないよ、さくら」
じわじわと妹を追い込み、いちごはそう笑みを宿すけれど。
向けられる斬撃も気にせずに、さくらは思い切って前へと踏み込んで。
「いちご! 私のお兄ちゃんでしょ! シャキっとしなさいよね!」
剣で傷つけられるのも構わずに、いちごへとすかさず抱きつけば。
「!?」
「お兄ちゃん、これで目覚めて……!」
刹那、重なり合う柔らかな唇。
さくらが、抱きついて唇を重ねキスをすれば……目を白黒させるいちご。
それで一瞬、正気が戻った彼であったのだけれど。
ガツンッと見舞われ、兄の意識を刈り取ったのは、さくらが思い切り振り下ろしたフライパンの一撃と。
「もう、妹を半裸にするなんてサイテー」
呆れの感情を籠めた、妹の凍えるように冷たい視線。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ユルグ・オルド
f05366/嵐吾と
あら、俺が居んのにお誂え向きだコト
腰に提げたシャシュカの柄に手掛けて
錠の音と嵌ったかのような思考にふと笑う
さて、遊ぼうか、嵐吾
呼びかけるが早いか振り抜いて
誘うような小手先調べは掠めるだけ
倒すべきだろうとそうでなかろうと
愉快なことには違いねェわ?
燃してくれても熱烈だったのに、なんて
笑んで返して踏み込んで
――いなされてる気ィするわ
じゃれつくように重ねて
くれるんならもっと、じゃないと飽きんでしょ
躱すだけなんてあんまりつれない
ひとつ重ねたらふたつ、まだ手はあるかい
次が欲しくて終りが惜しくて
ああ、その真ん中が貫けない
終夜・嵐吾
f09129/ユルグ君と
こんな武器飾って、自慢したいんかのー
…なんて、暢気に言っておると錠の音と共にわずかに変わる気配
ええよ、遊ぼか
相当派手な遊びになりそじゃな
振りぬかれたそれが掠めていく
ひやり、とするものの楽しいという気持ちは隠す気なく笑ってしまう
ユルグ君が赤で正解じゃったんじゃろな
わしじゃったらすぐ燃やそうとするじゃろし
ええ剣筋――踊っとるね、そんな楽しい?
わしも楽しいが
素手でやりあったら痛い、扇もちと長さ足りんか
虚、その爪貸しておくれ
時折やり返すがまぁ愛嬌
こんなん我慢して受け続けるん無理じゃし、飽きさせるわけにはいかんからの
次はこの手と接して足を出す
ふふ、こゆときは何でもありじゃもんね
通された広い部屋はやはり、豪華な内装であったけれど。
終夜・嵐吾(灰青・f05366)が琥珀の視線をぐるりと巡らせるのは、並べられた様々な武器。
「こんな武器飾って、自慢したいんかのー」
そう、灰青の尻尾をゆらりと、暢気に言っていれば。
潜ったドアから微かに鳴る、錠の音。
同時に、はじまりを告げる鐘が、ふたりで過ごすには広すぎる部屋に響き渡れば。
「あら、俺が居んのにお誂え向きだコト」
ユルグ・オルド(シャシュカ・f09129)が手掛けるは、腰に提げたシャシュカの柄。
そしてふと笑う――錠の音と嵌ったかのような思考に。
そんな連れの気配が、僅かに変わったことに嵐吾も気が付いて。
「さて、遊ぼうか、嵐吾」
紡ぐ声と同時に振り抜かれるは、はじまりの閃き。
けれどそれは誘うような、掠めるだけの小手先調べ。
鳴った風と掠めたそれに嵐吾は一瞬、ひやり、とするものの。
「ええよ、遊ぼか。相当派手な遊びになりそじゃな」
楽しい――心に生じるその気持ちは隠す気なく、笑ってしまう。
目の前の敵を殺せと、そう赤を飲んだ者へと囁き続ける声。
けれど、ユルグにはそんなことよりも。
「倒すべきだろうとそうでなかろうと、愉快なことには違いねェわ?」
今度はその首を躊躇うことなく狙わんと深く踏み込み、鋭撃を放つも。
嵐吾は繰り出された剣筋を読み、ひとつに結われた灰青の髪を躍らせ躱して。
「ユルグ君が赤で正解じゃったんじゃろな。わしじゃったらすぐ燃やそうとするじゃろし」
再び踏み込んでくるユルグから視線を外さぬまま、言うけれど。
――燃してくれても熱烈だったのに、なんて。
笑んで返して、踏み込んで。
弧を描くように閃く鮮烈な斬撃を、嵐吾目掛け振り抜くユルグ。
けれど、避ける事に今は徹している嵐吾をその刃が捉えることは叶わずに。
「ええ剣筋――踊っとるね、そんな楽しい?」
わしも楽しいが、とへらり笑み返すその様子に、ユルグは呟きをひとつ。
――いなされてる気ィするわ、って。
でも相手の腕を思えば、いつ捉えられるか。いつまでも上手く躱し続けられるとも思わないし。
ユルグの握る、緩やかな弧を描く薄く先細の刃の行く先を見据えながら、嵐吾は思考する。
(「素手でやりあったら痛い、扇もちと長さ足りんか」)
……ならば、と。
「虚、その爪貸しておくれ」
楽しい遊びに呼ぶのは、右目の洞にて眠る虚の主。
刹那、嵐吾の身を的確に捉えたユルグの鋭い一撃が、鋭く伸びた爪に紙一重で受け止められて。
「……!」
それを振り払った瞬間、振りかぶった爪を振るい、嵐吾はやり返す。
「こんなん我慢して受け続けるん無理じゃし、飽きさせるわけにはいかんからの」
まぁこれも愛嬌、と笑って。
ユルグは向けられたその爪撃を、すかさず振るった刃で受け流してから。
「くれるんならもっと、じゃないと飽きんでしょ」
……躱すだけなんてあんまりつれない。
そう踏み込み振るい、受けては弾く。じゃれつくように鋭撃を交わせ、遊んで。
「ひとつ重ねたらふたつ、まだ手はあるかい」
次はどんな手でくるのかと、ユルグが誘う様に、握る刃を再び振るえば。
それを避け、鋭利な爪で再び引き裂いてくるかと思えば――次はこの手と。
その懐に入らんと一気に踏み込み、嵐吾が放つのは蹴撃。
「ふふ、こゆときは何でもありじゃもんね」
ユルグは咄嗟に身を翻しそれを躱しながらも……次が欲しくて、終りが惜しくて。
嵐吾の姿を捉えた赤の瞳を細め、呟きを落とす。
――ああ、その真ん中が貫けない、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
館野・敬輔
【陽太さん(f23693)と】
アドリブ大歓迎
鐘の音と共に陽太さんの雰囲気が変わるのを見届け
以前も見たが…暗殺者っぽく見えるな
陽太さんは僕が仲間を斬れないと知って
あえて洗脳にかかる道を選んでくれた
なら、僕は…全力で耐えるだけだ
この姿の時の陽太さんは常に一撃必殺を狙ってくる
「第六感、武器受け、オーラ防御」を駆使し防御専念
突剣状になったアリスランスの急所への突きを黒剣で受け流し
ナイフ状になったアリスグレイヴの二刀流は青のオーラで絡め取るように受け止め
僕は傷だらけになってもいい
今、この場を全力で凌ぐのが僕の役目!
隙が生じたら「グラップル」で陽太さんの鳩尾に拳を叩き込み
これで洗脳が解ければ…!
森宮・陽太
☆
【敬輔(f14505)と】
アドリブ大歓迎
…頭の中に声が響く
目の前の敵を殺せと
声の主は分からない
だが、それは聞き覚えがある懐かしい声
…任務了解
「敵」を排除する
真の姿解放
顔面全体が目の部分のみ開いた白いマスケラで覆われ
感情は完全に喪失し「理想の暗殺者」そのものに
愛用の二槍を呼び出し
柄を極限まで縮めて突剣やナイフとして扱う
時に足で蹴飛ばし撹乱するが
常に一撃必殺狙い
攻撃しつつ脳裏に浮かぶのは
失っていた過去の記憶
今の世界に流れ着く前
俺は…別の世界で暗殺者だった
声の主は暗殺組織のボス
…だからタキシードが馴染んだのか
敬輔から拳の一撃を喰らって洗脳が解ける
…すまんな
だが、あんたなら耐えてくれると信じていたぜ
鍵が掛けられたその部屋に響くのは、洗脳の鐘の音。
その声が聞こえるのは、赤を選んだ者だけ。
(「……頭の中に声が響く。目の前の敵を殺せと」)
森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)には、その声の主は分からない。
けれども、それは聞き覚えがある懐かしい声で。
「……任務了解。「敵」を排除する」
刹那、陽太が開放するは、真の姿。
顔面全体が目の部分のみ開いた白いマスケラで覆われ、完全に喪失する感情。
その姿は、「理想の暗殺者」そのもの。
館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)は共に在る陽太の雰囲気が変わるのを見届けながらも思う。
「以前も見たが……暗殺者っぽく見えるな」
いや、陽太は知っているから。
自分が、仲間を斬れないことを。
だから――あえて洗脳にかかる道を選んでくれた。
そして、陽太がそう選択したのならば。
「なら、僕は……全力で耐えるだけだ」
そう握る黒剣を構え、迫りくる彼を見据える敬輔。
刹那、陽太が呼び出すは、濃紺と淡紅の愛用の二槍。
それを柄を極限まで縮め、突剣やナイフとして扱う陽太。
時に足で蹴飛ばし撹乱したりもするが――狙うは、常に一撃必殺。
(「この姿の時の陽太さんは常に一撃必殺を狙ってくる」)
そしてそのことを、敬輔は知っているから。
第六感を駆使し、ナイフ状の二刀流は青き守りの気を纏い受け止め、急所への突きを黒剣で受け流して、防御専念する。
その鋭き衝撃は、全て躱せず受けられず、敬輔の身に幾度も赤が走るけれども。
「僕は傷だらけになってもいい」
――今、この場を全力で凌ぐのが僕の役目!
そう再び地を蹴った陽太を、敬輔は真っ向から迎え撃つ。
そんな眼前の彼に攻撃しつつも、陽太の脳裏に浮かぶのは――失っていた過去の記憶。
……それは、今の世界に流れ着く前。
(「俺は……別の世界で暗殺者だった」)
聞こえた声の主は、暗殺組織のボスのもので。
陽太はそれで納得する。
……だからタキシードが馴染んだのか、と。
そんな過去の記憶を辿り、僅か生じた隙を見逃さずに。
「これで洗脳が解ければ……!」
一気に踏み込んだ敬輔が突き上げるのは、しっかりと固めた拳。
「! ぐ……っ」
与えられた鈍く鋭い拳の衝撃をモロに貰い、陽太は一瞬、瞳を見開くも。
倒れず踏みとどまり、そして敬輔へと紡ぐ……すまんな、と。
そして洗脳が解いてくれた彼に、陽太は続ける。
――だが、あんたなら耐えてくれると信じていたぜ、って。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ジェイ・バグショット
【五万円】
狂気に満ちた目が鮮やかに映る
いつもの理性的な姿とは対照的で
…まるで獣だな。
スピードもパワーも相手が上
ナイフによる鋭い攻撃はギリで躱すも、時に赤を散らす
…なんだが本当のお前を見た気がするわ。
向けられる熱と殺意が不思議と心地好い
BGM?
なら嫌というほど啼かせてくれよ。
血飛沫が顔を彩るまま歯を見せ笑う
意思の強い男だというのが俺の評価
…お前が洗脳で性格変わるタマかよ。
このまま防戦では削られる一方
…さて、狂犬じみた獣には首輪が必要だな。
愉悦を滲ませUC『従属の枷』による拘束具を放つ
拷問具を操る俺は生き生きとしているだろう
これでちょっとは大人しくしてろよ。わんわん?
憎たらしいほどの口調でニヤリ
久澄・真
【五万円】
脳内がクリアになった感覚
獲物を見つけた悦びで狂気に染まる笑み浮かべ
懐のナイフを手に駆け出す
容赦も躊躇も皆無
猟兵の力使わず体捌きのみで襲い掛かるのは
未だ猟兵で無かった頃の狂気を思い出していたから
懐かしい廃都
蔓延る塵屑の人間
殺し合いの日々
悲鳴をBGMに血で絵を描く
全てが遊びの延長だった
壊れた人形の様にジェイを襲う
狂気も絶望も玩具の一つ
刺され零れる血を掬って
イイ色だ
なあ、もっと啼いてくれねぇか?
BGMが足りないんだよ
洗脳?
ああ、そういやそういう話だったか
…さて
今の俺はどっちだと思う?
恍惚とした表情浮かべ問う
拘束具が喰い込む事もお構い無しに
襲い掛かろうとする目は爛々と
戯れにワン、と覗く牙
おもむろに鳴り始めた鐘の音は、赤を選んだ者の脳内を一瞬にして侵して。
飲み干したそのいろを欲する殺意を剥き出しにさせる。
……目の前の存在を殺せ、と。
同時に覚えるのは、脳内がクリアになった感覚。
そして久澄・真(○●○・f13102)が浮かべるのは、狂気に染まった笑み。
それは、獲物を見つけた悦びのいろ。
瞬間、真は懐のナイフを手に、一気に地を蹴り駆け出す。
握る閃きで、眼前の獲物を仕留めるために。
刹那、ジェイ・バグショット(幕引き・f01070)の瞳に飛び込んでくるのは、自分を映す狂気に満ちた目。
それは冴えるように鮮やかで、けれども、いつもの理性的な姿とは対照的で。
衝動のまま、嬉々として踏み込んでくるその姿は。
「……まるで獣だな」
刃を振り翳し突っ込んでくる真は、猟兵の力を使う気配はみられない。
体捌きのみで、獲物と見做したジェイへと襲い掛かる。
それは、未だ猟兵で無かった頃の狂気を思い出していたから。
掻き立てられ湧き上がる狂気に抗うことなく、真はその感情に身を委ね溺れる。
そうなれば、容赦も躊躇も皆無。
「!」
低い姿勢で一瞬にして懐に入られ、ギラつくその瞳がすぐ傍に在るとジェイが気付いた瞬間。
風が裂ける様に鳴り、鋭い閃きがはしる。
そんな、開幕初っ端から急所目掛け繰り出された斬撃を、ジェイは紙一重で躱すけれど。
掠めた刃が、色白の肌に飛沫く赤を散らせる。
スピードもパワーも相手が上。そして向けられるは、鮮烈な殺意。
けれども。
「……なんだが本当のお前を見た気がするわ」
不思議と心地好いと、ジェイはそう感じる。真から向けられる、その熱と殺意が。
そして真はくるりとナイフを握り直し、再び地を蹴りながらも脳裏に蘇らせる。
――懐かしい廃都、蔓延る塵屑の人間、殺し合いの日々。悲鳴をBGMに血で絵を描く……全てが遊びの延長だった。
そう、遊び。狂気も絶望も玩具の一つ。
ジェイへと襲い掛かる今の真もまるで、壊れた人形。
そんな殺戮人形は欲する。刺され零れる血を掬って……イイ色だ、って。
「なあ、もっと啼いてくれねぇか?」
……BGMが足りないんだよ、と。
あかのいろに相応しい啼き声を。
「BGM? なら嫌というほど啼かせてくれよ」
そう返したジェイの綺麗な顔を彩るのは、上がる血飛沫と歯を見せた笑み。
衝動のまま、けれど的確に刃を振るってくる真を見据え、ぶっ刺されぬよう立ち回りながらも。
ジェイはふとこう言葉を零す。
眼前の彼への評価は、意思の強い男。
「……お前が洗脳で性格変わるタマかよ」
「洗脳? ああ、そういやそういう話だったか」
放った斬撃を避けたジェイを、逃がしはしないといわんばかりに追従しながらも。
ふと一瞬首を傾けるものの、真が浮かべるのは恍惚とした表情。
そしてお綺麗な彼の顔に再び赤散らせる鋭撃を放ちながら、真は問う。
……さて、今の俺はどっちだと思う? って。
ジェイは振り下ろされたナイフから逃れる様に背後へと飛び、距離を取る。
このまま防戦一方の追いかけっこをしていれば、削られる一方だと。
「……さて、狂犬じみた獣には首輪が必要だな」
愉悦を滲ませ、ジェイは戦場に解き放つ。拘束する事に特化した『従属のウュズミガ』を。
そして狂気に尻尾を振り牙を剥く、狂犬の如き彼へと問い返す――気分はどうだ? って。
「……!」
刹那、真の動きを抑制するのは、ジェイが放った手枷足枷と鉄の首輪。
「これでちょっとは大人しくしてろよ。わんわん?」
憎たらしいほどの口調でそう、ニヤリと笑んでみせれば。
捕まって拘束されても尚、拘束具が喰い込む事もお構い無しに、真のその目は爛々と。
ジェイへと襲い掛かるべく、閃く刃を握りつつも。
鋭い牙を覗かせ剥く狂犬は、ワン、と――戯れに、ひと鳴き。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
華折・黒羽
類さん(f10471)と
──はい
呟かれた望みに確りと返そう
いつかの日にこの手を取り
迷う俺を陽の当たる場所へと連れ戻してくれた
今度は俺の番だ
選んだ道は「盾」
己の身を投げだすので無い
あなたを刺し貫き止めるのでも無い
受け止め、心ごと守る
大切なものを奪わせない為の力
影が成す盾、隠で攻撃を受け
退かず、歯向かわず
火炎耐性で炎を防ぎながら
──出ておいで、紬
友となった水精霊の仔
哀しみの炎と彼を、俺と共に水泡で包んでくれ
類さんを起こしてあげよう
命奪うのでは無い
濡れない、息も出来る
そんな優しい水籠の中で
あなたを蝕む炎だけが今は鎮まるようにと
類さん、類さん
さあ起きてください
俺におはようとおかえりを、言わせて下さい
冴島・類
黒羽君(f10471)と
黒羽君
思い出させてね
呟きは鳴り響く鐘にかき消され
飲み干したものと同じ色に視界が染まる
やっと、見つけた
紅蓮の中で笑う声
君を見失い、姿が怨敵に見えれば
罅だらけの真の姿へと変化
掴みかかり、引き倒し
身体中の罅から噴き出る火で縛る
刀、銃
そんなもの要らぬ
お前をこの炎で焼いてこそ
逃さない
嘆きや命を、無力を嗤う者を
決して
地獄を産み全て喰らったものを許さぬと
彼らの無念の数、願った数だけ
身の内で声が叫ぶ、身体を動かす
そうとも
僕の身は、この声を果たす器
本当に?
水に包まれ染み行くにつれ
遠くで声がする
いやだ
違う
彼は、違う
目を開けろ
名を呼び守る声を意識の呼び水に
はらす為だけじゃ…ない
黒羽に、応えを
……向けられた決意のいろを、信じるだけだと。
冴島・類(公孫樹・f13398)は赤が己を侵すその前に、紡ぐ。
「黒羽君、思い出させてね」
そして――それが、最後だった。
おもむろに鳴り響くのは、その声をも掻き消さんとする鐘の音。
瞬間、類の視界も脳内も、飲み干したものと同じ色に染まる。
燃え上がるように鮮烈な、殺意のあかに。
けれど鐘の音に阻まれず届いた類の言の葉に、黒羽はこくりと頷いて返す。
――はい、と。
呟かれた望みに確りと。そしてその心に、改めて決意を。
(「いつかの日にこの手を取り、迷う俺を陽の当たる場所へと連れ戻してくれた」)
……今度は俺の番だ、って。
そして耳に響くのは、声。
「やっと、見つけた」
柔い先程のものとは全く印象の違う、紅蓮の中で笑う声。
……目の前にいる者は敵、殺さねばならない。
共に在った黒羽を見失い、類の瞳に今映るのは怨敵。
刹那、罅だらけの真の姿へと姿を変えた類の腕が乱暴に伸びて。
「……ッ!」
ぐっと掴みかかり、転がす様に引き倒し――身体に刻まれた罅から噴出する呪炎を以って、敵と見做した者を縛る。
そんな類の炎を、黒羽は影が成す盾、隠で受ける。退かず、歯向かわずに。
黒羽が選んだ道は、携える影と同じ「盾」。
(「己の身を投げだすので無い。あなたを刺し貫き止めるのでも無い」)
――受け止め、心ごと守る。
強くなりたいと、今まで強く思ってきたけれども。
敵を打ち倒すことだけが強さではないと、黒羽は身をもって知ったから。
此処からさらに一歩、前へと進むために。
黒羽は戦場で強さを示す……大切なものを奪わせない為の力を。
瞬間、黒羽へと向けられる呪炎が、さらに燃え盛る。
「刀、銃。そんなもの要らぬ。お前をこの炎で焼いてこそ」
――逃さない。
類は眼前の敵を押さえつけ、炎を滾らせる。
「嘆きや命を、無力を嗤う者を――決して。地獄を産み全て喰らったものを許さぬ」
彼らの無念の数、願った数だけ。身の内で叫ぶ声が、類を突き動かす。
……そうとも。僕の身は、この声を果たす器、と。
そんな禍々しき炎を、耐性にて懸命に防ぎながらも。
黒羽は、さらさらと流れる細水を以って戦場に喚ぶ。
――出ておいで、紬。
友となった、水精霊の仔を。
そしてひらりと舞う紬にお願いを。
「哀しみの炎と彼を、俺と共に水泡で包んでくれ」
類さんを起こしてあげよう、って。
瞬間、類の身体ごと包まれたのは、紬が成した水。
この身は、この声を果たす器。けれども。
……本当に?
類の頭の中に浮かぶ疑問。
包まれた水に揺蕩うは、遠くでする声。
そして自然と類の口から零れ落ちる言の葉。
「いやだ、違う。彼は、違う」
――目を開けろ、と。
そう己の中で戦っている彼に、呪炎燃やすその姿に。
命奪うのでは無く、濡れず、息も出来る……そんな優しい水籠の中で黒羽は願う。
――あなたを蝕む炎だけが今は鎮まるように、と。
そして揺蕩う水の中、これ以上もう、迷わないでいいように。
黒羽は彼の名を何度でも呼ぶ。
「類さん、類さん。さあ起きてください」
そして、名を呼び守る声を意識の呼び水に。
「はらす為だけじゃ……ない」
鮮烈であった赤がゆらりと消え失せ、今度は青のいろに溺れて。
「俺におはようとおかえりを、言わせて下さい」
類は、そう真っ直ぐに自分を見つめ紡いだ黒羽に、応えを。
――ただいま、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
コノハ・ライゼ
たぬちゃん・f03797と
鐘の音にはぼんやり
しかし呼ぶ声に、ああ、と笑みを浮かべ
こぉんな美味そうなのが、アイツのワケねぇじゃん
なあに、いつ過去に堕ちたの?
言うなり踏み込んで蹴撃
攻撃誘い反応、速度を読み見切り
反撃は致命傷避けオーラ防御併せ受け流しカウンター狙う
好み?喰わなきゃ分かんねぇデショ
言う割防戦なのは好機とばかり
この手で触れる血肉の熱求め
右目の「氷泪」に【紅牙】発動させ紫電の牙で一噛み
2回攻撃でその傷口をえぐるよう捕食
喰らいつき生命力吸収――したトコで気付く
ヒトのイノチの味
沸き上がる懐かしさ、そして拒絶
降る言葉に少なからず揺れる心がまた、無性に腹立たしく
悪態と共にぶつける拳は、酷く柔らか
火狸・さつま
コノf03130と
ぺそりおみみ垂れ
こ、コノ…?
恐る恐る声掛け
美味そ?
おみみぴくっ
コノの敵に対するコレは…強そな程、美味しそ、の、はず!
そう考えれば尻尾ふっさり上がり
第六感で危険察知
動き思惑見切り
自らも踏み込み蹴撃で応える
攻撃に備えつつ
俺、敵じゃ、ない、けど!
今までの、どんな相手より、美味しそ?
コノの好み?
コノは強い
でも愛用の得物は預かってる
戦法も知ってる
だから
良く見て動き見切り躱すかオーラ防御
彩霞は抜かず炎も牽制に
声掛けつつ
するどいめつきも綺麗…なぁんて見惚れてたら
捕まっちゃた…
後で怒られそ…なんて思いつつ
ぎゅ、と抱き締めて
ね、俺の味…、コノの好みに合った?
当たる拳にすりっと頬寄せて
おかえり!
選んだ赤のいろは、鐘の音と共に思考を全て覆い尽くす。
殺意という名の赤き靄で、何もかも。
コノハ・ライゼ(空々・f03130)は耳に響き始めた音に、一瞬意識がぼんやりとするも。
「こ、コノ……?」
聞こえた声に、ああ、と。
顔を上げれば、浮かぶ笑み。
ぺそりおみみを垂らして、恐る恐るコノハへと声を掛けた火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)であったけれど。
「こぉんな美味そうなのが、アイツのワケねぇじゃん」
――なあに、いつ過去に堕ちたの?
「……美味そ?」
そう返ってきた言の葉に、おみみをぴくっ。
だって、さつまは知っているから。
(「コノの敵に対するコレは……強そな程、美味しそ、の、はず!」)
そう考えれば、尻尾だってふっさりと上がって。
言うやいなや踏み込んできた、コノハの動きや思惑を見切れば。
「!」
繰り出される蹴撃に、自らも踏み込み蹴撃で応えるさつま。
そしてコノハは攻撃誘う脚を放ちながらも、その反応や速度を読んで。
反撃の蹴りを纏う守りの気を以って受け流して。
さらにカウンターを狙い、踏み込んだ低い姿勢から衝撃を返す。
そんなコノハの攻撃に備え、一旦背後へと飛んで距離を取りつつも。
「俺、敵じゃ、ない、けど!」
尻尾をそわり揺らしながら、さつまは訊ねてみる。
「今までの、どんな相手より、美味しそ? コノの好み?」
そんな問いに、コノハは薄氷の瞳を細め笑う。
「好み? 喰わなきゃ分かんねぇデショ」
そう自分を見つめるギラついた視線に、さつまは身構えながらも。
(「コノは強い。でも愛用の得物は預かってる。戦法も知ってる」)
……だから、と。
再び踏み込んできた、紫雲靡かせるその動きを確りとよく見て。
彩霞は抜かぬまま、放つ炎は打ち倒すためではなく牽制に。
コノハが繰り出してくる猛攻を、躱すか防御するかに徹するさつま。
「コノ……!」
射抜く様にすぐ傍まで迫ったその瞳を見て、声掛けをしつつも。
(「するどいめつきも綺麗……」)
思わずそう、見惚れてしまっていたら。
「!」
触れる血肉の熱求め伸ばされた彼の手に、捕まって。
刹那、右目のうすいうすいアオが、雷纏う氷牙と成れば。
――イタダキマス。
「……ッ、!」
紫電の牙で、一噛み。
連なる様にその牙を立て、傷口をえぐるように捕食して。
(「後で怒られそ……」)
そう思いつつも、ぎゅ、とコノハを抱き締めるさつま。
そして喰らいつき生命力吸収――したところで、コノハは気付く。
――ヒトのイノチの味。
沸き上がる懐かしさ……そして拒絶。
刹那聞こえる声は、包み込む温もりが降らすもの。
「ね、俺の味……、コノの好みに合った?」
その言葉に、ふいに揺れる心。
それがまた、無性に腹立たしくて。
「……たぬちゃん、ナニコレ。喰われてンじゃナイよまったく」
悪態と共にぶつける拳。
けれどもそれは酷く柔らかで。
さつまは当たるそれに、すりっと頬寄せて笑う。
――おかえり! って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カーディナル・レッド
セレスタ(f01381)と
目の前の存在は、…何だった?
鐘の音が頭に響いてよく思い出せない
まぁいい、今はとにかくこの娘を…殺さなければ
血統覚醒で強化し並べられた剣を手に取る
こんなか弱そうな娘など、串刺しにしてしまえば簡単に終わる
そう思うのに心の何処かで誰かが駄目だと叫ぶ
剣を振っても当たらないのは何故だ?
敵に切先が触れそうになる度、心の中の誰かが邪魔をする
息が切れて、胸が痛んで苦しいのは
寿命が削れている所為か、それとも…
殺戮衝動をかき消すような、優しい声が聴こえる
大切な人の声
謝るのは僕の方なのに
…泣かないで、って
彼女の髪を撫でて微笑んだら君は笑ってくれる?
ずっと温かい声が聴こえていたよ、ありがとう
セレスタイト・ヴェニット
カディ(f01636)と
カディの冷たい瞳にびくりとする
ううん、キミを必ず戻す
決意と共にドレスを破いて
絶対彼を傷つけないように回避や防御に徹して声をかけ続けるよ
でも彼の攻撃はボクが避けられるように荒いから
…操られてもボクを守ろうとしてくれてるんだ
彼の表情に泣きたくなる
ごめんなさい、つらい事を背負わせて
苦しい方をお願いして
心で何度も謝罪ばかり
カディの心も守るためにも早く止めなきゃ
攻撃を避けながら隙をついて彼の武器を蹴り飛ばそう
抱きしめるように押し倒したら
薬の効果が切れるまで
ボクがキミを止める
キミを呼び続ける
カディ、戻ってきて…!
優しい眼差しに安堵する
よかった…、カディ
堪えてたのに
…涙が止まらないよ
――酷く、頭に響く。
部屋に鳴り響く鐘の音に、カーディナル・レッド(優しい嘘・f01636)はそっと銀の髪を揺らしながらも。
ふと濃さが増した血の如き赤の瞳に映る彼女を見遣る。
――目の前の存在は、……何だった? と。
けれども、鐘の音が頭に響いてよく思い出せないから。
「まぁいい、今はとにかくこの娘を……殺さなければ」
眼前の敵を殺せと、そう脳内に響く囁きに抗わず、殺意を孕む視線をセレスタイト・ヴェニット(優翼・f01381)へと向ける。
いつも自分に向けられるのは、柔らかくて優しいいろなのに。
投げられたカーディナルの冷たい瞳に、セレスタイトは思わずびくりとするけれど。
「ううん、キミを必ず戻す」
華の様なドレスを引き裂き、破く。彼を連れ戻すと言う、強い決意と共に。
刹那、カーディナルの瞳がより深く濃い真紅に閃いて。
誂えられた剣を手にし、その切っ先をセレスタイトへと向ける。
(「こんなか弱そうな娘など、串刺しにしてしまえば簡単に終わる」)
娘のひとりくらい、殺すのは造作のないものだろう。
そう思うのに――誰かが、叫ぶのだ。
心の何処かで、駄目だと。
「カディ、ボクだよ!」
その一生懸命な声が聞こえるたびに、ぴくりと身体が何故か反応してしまって。
(「剣を振っても当たらないのは何故だ?」)
完全に敵を捉えた切先が触れそうになる度に、邪魔をするのだ。心の中の、誰かが。
振るわれるカーディナルの剣はセレスタイトを捉えることができず、空を切るばかり。
本気で殺しにくれば、彼が思っているように簡単に終わるかもしれない。
けれども、避けることが可能なほどにその剣筋が荒いのは。
(「……操られてもボクを守ろうとしてくれてるんだ」)
そして、薄紅の瞳に映るその表情に、セレスタイトは泣きたくなる。
――息が切れて、胸が痛んで苦しい。
カーディナルは息を大きく吐きながらも、首を傾ける。
……こんなにも苦しい理由は、寿命が削れている所為か、それとも……。
彼が赤を飲んでくれたのは、此方を選んだ方が辛いことを分かっていたから。
(「ごめんなさい、つらい事を背負わせて。苦しい方をお願いして」)
セレスタイトは大振りの斬撃を躱しながらも、そう何度も何度も、心の中で謝ってばかりだったけれども。
顔を上げ、真っ直ぐに彼を見つめる。
――カディの心も守るためにも早く止めなきゃ。
彼自身も今、戦っているのだから。
セレスタイトは自分に再び振り下ろされた刃を素早く躱して。
「……!」
破ったドレスの裾を躍らせ、鋭い蹴りを放つ。
その狙いは、彼が剣握る手元。
弧を描く様に繰り出した蹴撃で剣を弾き、蹴り飛ばして。
「な……!?」
一気に踏み込み、抱きしめるようにカーディナルを押し倒すセレスタイト。
そして彼へと、言葉を降らせ続ける。薬の効果が切れるまで、幾度でも。
(「ボクがキミを止める。キミを呼び続ける」)
「カディ、戻ってきて……!」
そして……名を呼ぶその声が響いたのは、耳だけではない。
殺戮衝動をかき消すような優しい声は、心にまで染み渡って。
その響きを、カーディナルは思い出す。
――大切な人の声、って。
セレスタイトは自分を見上げるその眼差しに、優しさが戻って来たことに気付いて。
ずっと、堪えていたのに――。
「よかった……、カディ」
ぽろぽろと、瞳から溢れる雫が止まらない。
(「謝るのは僕の方なのに」)
カーディナルは、そんなセレスタイトに……泣かないで、って。
大きな掌でそっと青の髪を撫でてあげて、微笑んでみせれば。
泣きながらも、笑んでくれるセレスタイト。
そんな彼女をその胸に引き寄せて。
――ずっと温かい声が聴こえていたよ、ありがとう。
今度は、カーディナルが彼女に、温もりを与える番。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラスカス・フォティア
ルアン(f05687)と共に
眼を見て確り頷く
お前が心配するような事態にはさせないから安心しろ
…鐘の音に紛れて、聴こえたかは分からないが
黒剣を大鎌に変形させ戦闘態勢に
これもさっきの悪趣味な宴と同じだ
どうせなら、そう…全力だ
自然に浮かぶ笑みは、戦いへの高揚だろうか
手加減なんてしていられないからな
氷嵐はルアンの得意技だったな
いつもはこうして後方から支援してくれている
…早く止めてやらないとな
ドラゴニアン・チェインでルアンの腕を鎖で繋いで止めたら
飛び込んで腹部に一撃
目を覚ますまで傍にいよう
怪我が無いか、は此方の台詞だ
人のこと言えないが、本気だったろう
信頼してくれるのは有り難いが…敵に回したくないと思った
ルアン・ヒスイ
ラス/f00157と参加
掻き乱される感覚に頭を押さえ
これは、うん、抗い難い…な
ラス…お願いね
言葉で伝えられないけど彼なら察してくれるかな
ラスの方がずっとずっと強いから、信頼を向け衝動に身を任せる
壁から剣を取り彼に向けて斬り込み
立て続けにエレメンタル・ファンタジアで氷の暴風を
鋭い夕陽の瞳に
ごめんと、心で謝って
殺さなきゃ、と体が動いて
ラスの重い一撃は流石前衛だ
痺れる腕に気を取られれば
あっという間に意識が遠のく
目を覚ませばラスの顔が目に入る
怪我ない?
宴でも見た呆れ顔に
うんん、ちょっと楽しんでたのバレた?
でもたまには、ねぇ
甘えてもいいでしょ
それに信頼してるラスだからこそこうしたんだ
ありがとう
戻ったよ
広すぎる部屋に響く鐘の音は、静かに告げる。
女性らしい名演技の終わりと、殺意に溺れる時の始まりを。
「これは、うん、抗い難い……な」
掻き乱される感覚に、そう思わず頭を押さえるのは、ルアン・ヒスイ(深碧・f05687)。
女性として美しい笑顔を宿していた彼の表情は、微かに辛そうないろを宿すけれど。
――ラス……お願いね。
ふとラスカス・フォティア(黒・f00157)の瞳へと、そう視線で告げるルアン。
……言葉で伝えられないけど、彼なら察してくれるかな、って。
それに、彼の方がずっとずっと強いからと、そう信頼を向けているから。
ルアンは身を委ねる――眼前のものを殺せと囁き続ける、殺意というあかの衝動に。
そんな自分へと向けられる眼を見て、ラスカスは確りと頷く。
「お前が心配するような事態にはさせないから安心しろ」
その声は、彼に届いているのか。
(「……鐘の音に紛れて、聴こえたかは分からないが」)
けれどもきっと、伝わっているだろうと。ラスカスもそう、思うから。
ゆらりと流石に少し動き辛そうなドレスを揺らしながら、ルアンが伸ばした手が握ったのは剣。
そして地を蹴り、ラスカスへと躊躇うことなく振り下ろし、斬りつける。
ラスカスは襲い来る斬撃を、黒剣を変形させた大鎌で迎え撃ちながらも思う。
(「これもさっきの悪趣味な宴と同じだ」)
ルアンが、何処からどう見ても美しい女性を演じきったように。
――どうせなら、そう……全力だ。
そう思えば、自然に浮かぶのは、笑み。
戦いへの高揚だろうか、なんて思いながらも。
(「手加減なんてしていられないからな」)
鋭く振るわれる刃を、確りと大鎌で受け止めるラスカス。
けれど、立て続けにルアンが繰り出すのは、凍てつくような氷の暴風。
ルアンは戦場に氷の嵐を巻き起こしながらも、鋭い夕陽の瞳を見つめて。
ごめんと、謝る心とは裏腹に……殺さなきゃ、と動く体。
「氷嵐はルアンの得意技だったな」
いつもはこの氷嵐を以って、後方から支援してくれているルアン。
だからこそ、ラスカスは思うのだ。
「……早く止めてやらないとな」
刹那向けるは、爆ぜる様なドラゴンオーラの衝撃。
その重い一撃に、流石前衛だ、と。
ルアンが気を取られた――その一瞬。
「! ぐ……っ」
腕を鎖で繋ぎ留められ、ラスカスが懐に飛び込んできたと思った刹那。
腹部目掛け弧を描き、鋭く突き上げられたのは、握りしめられた固い拳。
その一撃で、ルアンの意識は遠のいて。
ずるりと崩れ落ちたその身を受け止め膝を貸し、目を覚ますまでラスカスは彼の傍に。
そして程なくして目を覚ましたルアンは、瞳に映ったラスカスを見つめ、訊ねる。
「怪我ない?」
「怪我が無いか、は此方の台詞だ」
それからひとつ、溜息をついてから。
「人のこと言えないが、本気だったろう」
向けられた彼の表情に、思わずくすりと笑むルアン。
それは宴でも見た、呆れ顔。
「うんん、ちょっと楽しんでたのバレた? でもたまには、ねぇ」
――甘えてもいいでしょ、って。
ラスカスによく似合っている燕尾服のタイを直してあげながらも、ルアンは緑色の瞳を細める。
「それに信頼してるラスだからこそこうしたんだ」
そしてそう言ったルアンに、ラスカスは思うのだった。
――信頼してくれるのは有り難いが……敵に回したくない、と。
それからルアンは、自分を見つめている彼に笑み返す。
……ありがとう、戻ったよ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リオン・リエーブル
パラスさんf10709
脳裏によぎる殺戮衝動
目の前の女は敵だ殺せと囁く声
楽しいねパラスさん
遊ぼうよ!
解毒し残った理性で奥歯の麻酔薬を噛み砕く寸前
ピアス破壊
マキャベリストが目覚める
あの女を殺せばいいんだよね
いいね素敵だ
高致死薬を放つが殺せず現れた霊と戦闘
あの女を殺せるなら自分へのダメージは無視して攻撃
どいてよ殺せないじゃないか
女の声に洗脳が解けて理性が戻って
薬の凶悪さに血の気が引く
応急解毒薬を速攻調合
静かになったパラスさんの髪を掴んで喉を反らし
口に薬品を流し込む
頼む間に合って
激しく咳込む姿に安堵
処方箋と紹介状を書き叫ぶ
パージだ!
一刻も早くアルダワの病院へ!
自分のパージは拒否
やるべきことがあるからね
パラス・アテナ
リオンf21392
あんの馬鹿が!
案の定洗脳されるリオンに毒づく
試験管を回避
強粘スライムが広がる
あれでアタシの動きを止めたら洗脳切れまで待つ手筈
今あれを食らったらと思うと
怖気が走るね
接近されたら詰みだ
速攻眠らせるしかないね
続く攻撃を第六感で回避
クイックドロウと先制攻撃で脳震盪を狙い
こめかみ近くに一発
慣れない靴とドレスの裾に足取られ
手元が狂いピアスを破壊
動きを阻害するよう選んだのが仇に
しまったと思った瞬間背筋が凍る笑み
試験管を回避失敗
薬品を受けた瞬間走る激痛と呼吸困難
俯せに倒れて苦痛と戦う
UC発動
意識が暗転する寸前現れた霊に声を
やめな
そいつを殺したら解毒剤が手に入らないよ
アタシもヤキが回ったもんだ
眼前で掻っ攫われた赤のいろ。
それを飲み干したリオン・リエーブル(おとぼけ錬金術師・f21392)は、響く鐘の音を聞きながら。
パラス・アテナ(都市防衛の死神・f10709)へと、恍惚の視線を向けて言い放つ。
「楽しいねパラスさん。遊ぼうよ!」
脳内をあっという間に侵す殺戮衝動には抗わずに。
目の前の女は敵だ、殺せ――そう囁く声に、笑うリオン。
そんな赤の洗脳に完全に沈むリオンへと、パラスは言い放つ。
「あんの馬鹿が!」
案の定洗脳されるリオンに毒づいて。
パラスが身を翻し、ばら撒かれた魔法の試験管を回避すれば。
瞬間、広がるのは強粘スライム。
(「あれでアタシの動きを止めたら洗脳切れまで待つ手筈」)
けれどそれは、彼が赤を飲んだ時点で叶わぬものに。
(「今あれを食らったらと思うと、怖気が走るね」)
そうそっとパラスは思った後、何度も共に死線を抜けた相棒を構える。
……接近されたら詰みだ。速攻眠らせるしかないね、と。
素早く引き金を引き、先制を取って。
狙うは、こめかみ近くに一発。脳震盪を狙い、そう照準を合わせるけれど。
「!」
今纏っているのは、いつもの動き慣れた白装束ではない。
慣れない靴とドレスの裾に足を取られ、微かにバランスを崩してしまって。
手元が狂い、パラスのピアスを破壊してしまう。
それは――壊したらどうなるか保証はしない、と。釘までさされていたもの。
己の動きを阻害するようにと選んだ正装が仇となってしまう。
そしてそれは、解毒し残った理性で奥歯の麻酔薬を噛み砕く寸前であった。
ピアスが破壊され――目覚めるマキャベリスト。
「あの女を殺せばいいんだよね」
――いいね素敵だ。
そう歪に浮かぶリオンの笑み。
そして……しまった、と思った瞬間。
パラスの背筋が凍るような笑みと同時に投擲されるは無数の試験官。
今度はパラスは、それ躱せず、その身に受けてしまえば。
刹那、体中を蝕み駆けまわる激痛と、襲い来る呼吸困難。
遂にはどさりと地に崩れ落ち、俯せに倒れて苦痛と戦うパラス。
リオンが放ったのは、高致死薬。けれどそれでも、彼女を殺せなくて。
それを成さんと動けば、彼女の意識が暗転する寸前、現れた霊が立ち塞がる。
「どいてよ殺せないじゃないか」
……あの女を殺せるなら、と。
リオンは自分へのダメージは無視し、霊を退けんと攻撃を向けて。
反撃せんとする霊へと、完全に意識を失う前にパラスはこう声を。
――やめな。そいつを殺したら解毒剤が手に入らないよ、って。
そして完全に意識を手放したパラスであったが。
「……!」
耳に響いたそんな声に、ぴくりとリオンは反応を示した後。
洗脳が解けて理性が戻れば、一瞬にして血の気が引く。
ばら撒いた薬の凶悪さに。
刹那、リオンは応急解毒薬を速攻調合して。
動かなくなっているパラスの髪を掴み、喉を反らすと、口に薬品を流し込む。
――頼む間に合って、と。
瞬間、ごほごほっと激しく咽て咳込むパラス。
その様子に、リオンはホッと安堵するけれど。
「パージだ! 一刻も早くアルダワの病院へ!」
処方箋と紹介状を書き叫ぶその声に、薄っすら意識が戻ったパラスは声にならぬ呟きを零す。
――アタシもヤキが回ったもんだ、と。
そしてリオンは、自らのパージは拒否する。
……やるべきことがあるからね、って。
そう、琥珀色の瞳を細めて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
呉羽・伊織
清宵f14015と
まーた戯言を
すかしてられんのも今の内だぞ
泣きみてもしらねーからな!
(応酬が途切れた直後に不意の鐘――冷えた目と刃向け)
…“お前”が悪趣味な輩の手下か
見切り見切られ、決定打が通らない
互いに下手に踏み込めば、確実に泥沼に縺れ込む
――酷く厄介な敵
…は?ふざけんなよ
こんな悪趣味な遊び、誰が――
(咄嗟に斬り込んだ直後にはっとして)
――最悪に決まってんだろ、相性も気分も!
(減らず口に再びげんなり)
(傷はあれど予想通り痛手はない様で、若干悔しい――勝てなかったからではなく、無事で若干安堵してしまったのが、コイツでまぁ正解だったのが――敵の思惑壊した変わりにこの遊敵の思う壺なのが、悔しい!)
佳月・清宵
伊織f03578と
まぁ安心しろよ
何もかも笑い話で終わらせてやる
(後は笑うのみで返し――不意の刃には刃で返し)
――全く世話の焼けるこったな
小手調べにフェイント
目眩ましや武器落としに飛ぶ暗器
本命はその隙を狙う一太刀
手口は似た様なもの
故に相殺も易い
戯れに受け止め受け流し
いつも通り遊んでやるだけ
そう、遊び相手なら俺が一番だろう
ったく、相性が良くて敵わねぇな?
――さて、気分は如何だ?
(刺し違える寸前の刃に愉快げに笑い――分かり易い反応に、更に満足したとばかりに笑み深め)
(どうせ俺以外とやりあえば、大なり小なり沈むんだろう――そんな暇は与えてやらぬ
敵の思惑通りの絶望だの、面白くもねぇ面になどさせてやらぬ)
通された広すぎる部屋に在るのは、ふたりだけ。
その絵面に盛大に溜息をつきつつも、ちらりと視線を向けた呉羽・伊織(翳・f03578)に。
佳月・清宵(霞・f14015)はやはり楽し気に笑んで返す。
「まぁ安心しろよ。何もかも笑い話で終わらせてやる」
「まーた戯言を。すかしてられんのも今の内だぞ」
――泣きみてもしらねーからな!
そう伊織が言った……刹那。
部屋の中に響き始めるのは、鐘の音。
そしてそれは、赤を選んだ者の脳内を侵す。
眼前に入るそいつは敵だ、殺さなければならない、と。
「……“お前”が悪趣味な輩の手下か」
先程までじゃれ合ってた時とは印象を変えた、剣呑な気配が見え隠れする視線。
そう自分を見遣る伊織に、清宵は肩を竦めてみせるけれど。
「――全く世話の焼けるこったな」
不意に振るわれた鋭い刃を、素早く抜いた刃で返して。
小手調べにと反撃の一撃を繰り出せば、目眩ましや武器落としにと飛ぶは暗器。
そして本命は、生じた一瞬のその隙を狙う一太刀だけど。
(「――酷く厄介な敵」)
互いによく知った、似た様な戦い方。
幾度となく刃を振るい交わらせるも……見切り見切られ、決定打が通らない。
それに、伊織にも分かっている。互いに下手に踏み込めば、確実に泥沼に縺れ込むことを。
(「手口は似た様なもの」)
故に相殺も易い、と。振るわれる刃を、戯れに受け止め受け流しつつも。
清宵はふっと笑み、踏み込んできた伊織へと紡ぐ。
――いつも通り遊んでやるだけ、と。
その言葉に、伊織は眉を顰めて。
「……は? ふざけんなよ。こんな悪趣味な遊び、誰が――」
咄嗟に斬り込んだ直後、はっとする。
そんな様子に、清宵は楽し気に笑って。
同じ様に踏み込んで、鋭き刃の一撃を振るう。
「そう、遊び相手なら俺が一番だろう。ったく、相性が良くて敵わねぇな?」
そして……刺し違える寸前。
ピタリと互いの眼前で止まった刃に、清宵は愉快げに笑いながらも問う。
――さて、気分は如何だ? って。
そんな減らず口に、再びげんなりしながらも。
「――最悪に決まってんだろ、相性も気分も!」
そう言い放つ伊織だが……この心に宿るのは、若干の悔しさ。
斬り結んだ際に生じた傷はあれど、予想通り痛手はない。
けれど生じた感情は、勝てなかったからではなくて。
(「無事で若干安堵してしまったのが、コイツでまぁ正解だったのが――敵の思惑壊した変わりにこの遊敵の思う壺なのが、悔しい!」)
そしてそんな伊織に向けた瞳を細め、清宵は刀を収めつつも、心の内に思うのだった。
(「どうせ俺以外とやりあえば、大なり小なり沈むんだろう――そんな暇は与えてやらぬ」)
――敵の思惑通りの絶望だの、面白くもねぇ面になどさせてやらぬ、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
宵鍔・千鶴
千織(f02428)と
施錠の音、絶望の始まり
鐘の音の囁きに犯される千織に胸が軋む
彼女の願いの声はしかと受け止め
ああ、必ず、きみを止めよう
いつもの華やいだ微笑みは既に消え
眸は虚ろに此方を見遣る彼女に自身も
覚悟を決めるよう抜かぬままの刀を取る
洗練された彼女の動きに
傷つけることなくいなすのが精一杯
きっと、彼女にとって俺は今憎きものに
映るのだろう
…おいで、千織。
約束しただろう、俺は大丈夫だと
刃がこの身を貫こうと赫に塗れても
決して斃れはしない
痛むは俺ではなく、きみの方だと理解っているから
泣かせたく、ない
揺らぐ彼女が一寸でも視えたなら
聲が届くまで名を呼ぼう
おかえりを傍で
微笑って云うために
橙樹・千織
千鶴(f00683)さんと
無駄に広くて…趣味の悪い部屋
部屋を見渡し顔をしかめ、尻尾をひゅんっと揺らす
っ、耳障りな…!
響く鐘の音に目眩がする
音と囁きに思考を犯されつつ、彼に告げる願い
力尽くで止め、て…ね
私の大切な子達に…仇なすモノは斬捨てる
虚ろな橙は使い慣れた刀を選び取る
年下と言えど男性相手
力押しではなく舞うように刃を振るう
声には出ずとも洗脳された思考の片隅で叫ぶ
彼も私の大切だと
この手で傷付けてはいけないのだと
暗闇の中、彼の聲を頼りに手を伸ばす
呼ばれても覚めぬなら、刃で自らを刺してでも
名前、ありがとう
遠慮はいらないと言ったのに
彼の傷を見れば悲しげに眉を下げつつも
…ん、ただいま
ちゃんと言えたかしら
通された部屋は、確かに見た目は華やかであったけれど。
(「無駄に広くて……趣味の悪い部屋」)
橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)はそう橙のいろを巡らせ、顔をしかめて。ひゅんっと揺らす尻尾。
ふたりで使うにしては広すぎる部屋に、並べられた武器の数々。
そして宵鍔・千鶴(nyx・f00683)の耳に微かに届くのは、密かに施錠された音。
それは――絶望の始まり。
刹那、おもむろになり始めるのは鐘の音。
赤を選んだ者は、その音色の囁きに沈み溺れるという。
眼前の敵を殺せ、そう唆し続ける声に。
「っ、耳障りな……!」
響く鐘の音を聞けば、くらりと回る世界。
目眩がする視線で千鶴を探して、千織は完全に思考が犯されるその前に、彼に願いを告げる。
「力尽くで止め、て……ね」
「ああ、必ず、きみを止めよう」
その声を千鶴はしかと受け止め、頷いて。
覚悟を決めるように手にするのは、抜かぬままの刀。
瞬間、ハッとその瞳を見開く。
「私の大切な子達に……仇なすモノは斬捨てる」
映るのは、がらりと纏う雰囲気を変えた千織の姿。
そして虚ろな橙が選び取るのは、使い慣れた刀。
すらりと抜かれる、黒鉄の刀身に藍の装飾施されし日本刀。
(「年下と言えど男性相手」)
敵わぬかもしれぬ力押しの剣技ではなく、千織はふわりと靡く髪を躍らせて。
舞う様に踏み込み、藍き焔の如き華を振るい閃かせる。
そんな美しく立ち回る千織であるが、いつものふわり柔らかな華やいだ微笑みは既に消えていて。
虚ろな眸が自分を見据えている。
「……っ、」
彼女を、傷つけたくはないから。
けれども、躊躇うことなく振るわれる、洗練された動きから繰り出される斬撃を、千鶴はいなすのが精一杯だけれども。
――きっと、彼女にとって俺は今憎きものに映るのだろう。
向けられる鋭い視線から逃げず、真っ直ぐに見つめ返す千鶴。
いや、声には出ずとも……洗脳された思考の片隅で、千織は叫んでいるのだ。
――彼も私の大切だと。この手で傷付けてはいけないのだと。
でも彼女の思いは、千鶴も分かっているから。
……おいで、千織。
そう両手を広げ、千鶴は彼女を受け入れんとする。
「約束しただろう、俺は大丈夫だと」
――刃がこの身を貫こうと赫に塗れても、決して斃れはしないって。
だって、一番痛むのは、刀で斬りつけられたこんな傷などではなく。
(「泣かせたく、ない」)
――痛むは俺ではなく、きみの方だと理解っているから、と。
そして暗闇の中、千織も懸命にあかの囁きに抗わんと、その手を伸ばす。
聞こえる、彼の聲を頼りに。
振るわれる刃の最中、千鶴はそんな揺らぐ彼女のいろを見つけて。
……千織、千織。おいで、千織。
聲が届くまで、導く様に、その名を呼び続ける。
傍で微笑って、こう云うために――おかえり、って。
――そして。
「……遠慮はいらないと言ったのに」
千鶴へと向けられている橙に、囁くあかのいろの気配はもうなくて。
傷ついたその姿に悲しげに眉を下げつつも、千織はちゃんと彼に告げる。
……ん、ただいま、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『純血の胡蝶』
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POW : よひら
【棘を持つ結婚指輪だったもの】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : おたきさん
【同情】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【紫陽花】から、高命中力の【強酸性の液体】を飛ばす。
WIZ : うつりぎ
対象への質問と共に、【手にしたてまりてまりのブーケ】から【殺傷力を備えた花弁】を召喚する。満足な答えを得るまで、殺傷力を備えた花弁は対象を【風の渦に閉じ込め、無尽蔵に襲い来る花弁】で攻撃する。
イラスト:きゃら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「メルヒェン・クンスト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
※お知らせ※
第3章プレイング送信の受付は、【5/3(日)朝8:31】より開始いたします。
それ以前に送信された分は流れてしまう可能性が高いのでご注意ください。
追加情報を記載したOPを受付前日までに掲載いたします。
送信締切等のお知らせは、MS個別ページ等でご確認ください。
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●永遠に来ぬ明日
花嫁は、小さなころからの私の夢。
それが明日、叶うのだから――その前日の宴は、豪華に催してみたの。
気に入って頂けていたらいいのだけれど。
そしてきっと、喜んで提供してくれるはず。
挙式の主役である花嫁を飾り香らせるべく、その血を御祝儀に。
赤と青――どちらのいろが殺そうとも殺されようとも、そんなことには興味はないわ。
ただ欲しいのは、絶望や驚愕や裏切りが、とろり溶け込んだ血の赤だけ。
どちらのいろを選んだところで、結局染まるのはみんな同じいろ。
この扉の向こうも、きっと綺麗に飛び散っているのでしょうね。
用意したとっておきのドリンクと同じ、あかのいろに。
じゃらりと花嫁が鳴らすのは、館の客間を開く鍵の束。
そろそろ頃合いかと、宴の主催者は来客へと挨拶回りを始めんとする。
その手には、てまりのブーケ。
花嫁は明日、幼い頃からの夢である花嫁となるのだ。
ただし――それは最早、過去の夢。
ジューンブライドを夢見るも挙式前日に命を落とした少女は、未だあかの夢に囚われている。
花嫁となれる明日が来ると、ただひたすら信じながらも。
己を飾り香らせる赤を欲し集めんと。
そして花嫁は来客者へと問う――赤と青、お味はいかがだったかしら? と。
けれど、選んだいろが赤でも青でも、どちらにしても。
花嫁は、来客――猟兵達を赤のいろに染め上げんとする。
絶望や驚愕に、より彩られているだろうその赤に、心躍らせながら。
そして今……鍵が掛けられていた扉が、花嫁の手によって。
再びそっと、開かれる。
セフィリカ・ランブレイ
アルトリウス君(f01410)と
(説得の熱量不足は何時もの事、実際アルトリウス君が言葉や想いの力を頼る事あるのかな……?らしいんだけどね)
扉が開く時まで打ち合いを続け
「お帰り、シェル姉」
《ただいまセリカ。けど大根演技ね》
受け取った相棒の魔剣にて
【蒼剣姫】を発動
揃った私達の空間を蹴り移動する縦横無尽の動きを見せたげる
「しかし今回の君、結構相手を煽るし、封殺を念頭に置いてるけど……もしかして、結構怒ってたりする?
この美少女と切りあう運命が嫌だった?単純に悪趣味が許せない?どっちだろね?」
と、アルトリウスに
「赤は結構罪の味がして悪くなかったよ。二度目はいらないけどね!」
相手の問いには勢いよく!
アルトリウス・セレスタイト
やっと来訪か
では退場してくれ
室内へ踏み込んできたら行動開始
魔眼・封絶で拘束
行動と能力発露を封じる魔眼故、捕らえればユーベルコードも霧散する
仮に先手を取られてもこれで止まる
拘束したらセフィリカに魔剣とゴーレムの起動キーを返却
精々悔しがってくれ
あとは拘束維持に専念しセフィリカのお膳立て
魔眼行使の瞬間を『再帰』で無限循環
常時新たに拘束を掛け続けて封殺
念の為セフィリカに一歩で届く位置に追随
何らかの手段で自身や彼女に攻撃が及ぶなら手を取り『刻真』で異なる時間へ置いて影響を回避
全行程通じ必要魔力は『超克』で”外”から汲み上げる
俺はこれくらいが平常だぞ
美少女を自称する自信は見事だと言っておこう
――そろそろ、主催者がお出ましの頃か。
微かな気配を扉の向こうから感じながらも、引き続き洗脳されたままのフリをしつつ。
セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)は、戯れの様に演じ打ち合うアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)を見て思う。
(「説得の熱量不足は何時もの事、実際アルトリウス君が言葉や想いの力を頼る事あるのかな……?」)
けれども、……らしいんだけどね、と。
彼を映す赤の瞳を細めつつ、避けられる程度にもう一撃、打ち込むセフィリカ。
そんな中、小さな開錠の音と同時に、そっと扉が開いて。
『あら、まだお取込み中? ふふ、赤と青のお味はいかがだったかしら?』
そう入室するやいなや、主催者である花嫁は問いかけの言葉と共に。
手に握るてまりブーケの花弁をはらりと数多舞わせ、巻き起こる風がふたりへと襲い掛かる。
けれど、アルトリウスは全く動じることも、向けられた問いに答えることもなく。
「やっと来訪か。では退場してくれ」
――淀め。
心眼で捉え展開し放つは、直に存在を捉える原理の魔眼の力。
『……!』
刹那、戦場に満ちるのは淡青のいろ。
青き光粒子に具象化した封絶の原理は、向けた相手の一切の行為を禁じ、能力発露を封じる。
……仮に先手を取られてもこれで止まる。
問いと共に舞い襲ってきた花弁が、彼が飲み干したものと同じ青のいろの前に無力化して。
セフィリカへとアルトリウスが手渡すは、預かっていた魔剣とゴーレムの起動キー。
『く、私は青よりも赤の方が好きなのに……!』
そう淡青の封絶から逃れんとする花嫁を、アルトリウスは一瞥。
「精々悔しがってくれ」
魔眼行使の瞬間を礎となる循環の原理『再帰』にて、幾度となく巡らせ無限を為して。
敵への拘束状態を維持し、セフィリカのお膳立てせんと、淡青のいろを揺蕩わせれば。
「お帰り、シェル姉」
手に握る相棒の魔剣シェルファに、そうセフィリカが紡げば。
いつもの如く物憂げながらも返ってくるのは、こんな言の葉。
『ただいまセリカ。けど大根演技ね』
けれどもそんな演技も、もうする必要はないから。
――抜いたからにはね。終わらせようか。
金の髪を躍らせ踏み込む姫君がドレスの如き纏うは、蒼きオーラ。
けれど姫が踊る舞台は、床に敷かれた豪華な絨毯の上だけではない。
「揃った私達の空間を蹴り移動する縦横無尽の動きを見せたげる」
『……!』
相棒の魔剣を手に、セフィリカが蹴り渡るは、展開した無数の魔力壁。
縦横無尽な動きで敵を攪乱し、威力を増したシェルファを振り下ろせば。
『く……!』
赤を飛沫かせる花嫁の先程の問いに、勢いよくこう答えるセフィリカ。
「赤は結構罪の味がして悪くなかったよ。二度目はいらないけどね!」
それからふと、ちらりとアルトリウスへと視線を向けて。
「しかし今回の君、結構相手を煽るし、封殺を念頭に置いてるけど……もしかして、結構怒ってたりする?」
……この美少女と切りあう運命が嫌だった? 単純に悪趣味が許せない?
どっちだろね? って――そう首を傾げつつも、改めて彼を見上げてみれば。
「俺はこれくらいが平常だぞ」
相変わらずセフィリカからみて、漂わせるいろと同じ様なその熱量の低さながらも。
アルトリウスは自分を見つめる彼女へと、続けてこうも返すのだった。
――美少女を自称する自信は見事だと言っておこう、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リオン・リエーブル
パラスさんがパージされた後に残っていた弾薬箱
これをゴーレムの素体として利用
主の仇を討つといいよ
UCを予め詠唱・待機
ドアが開くと同時に問答無用で発射
全力魔法、戦闘知識、高速詠唱、2回攻撃、先制攻撃、鎧無視攻撃で
現れた敵に全弾斉射
花嫁衣装をお前の血で染め上げてやるよ
お前に同情?する訳がないね
生憎だけどお前の大好きな絶望も感じてないんだ
パラスさんは生きている
なら『L』の称号において必ず救う
だから絶望には値しないんだ
残念だったね
退けたらさっさと移動しようとするけれど
失血と激痛に思わず膝をつく
パラスさんと同じ手段で攻撃してきたんだ
守護者は本当に容赦ないね
さすがは旦那さん
今も守る姿を思い浮かべてアルダワへ
――主の仇を討つといいよ。
「……さあ、出ておいで!」
そう、リオン・リエーブル(おとぼけ錬金術師・f21392)が作り上げるのは、仮初の命。
成したゴーレム達は、連れがパージされた後に残っていた弾薬箱を素体に利用したもの。
そしてリオンは微かに耳に響いた開錠の音を聞きながら、その時を待って。
『……!』
扉が開くと同時に、問答無用でぶっ放す。
「花嫁衣装をお前の血で染め上げてやるよ」
全力で高速詠唱した魔法を戦闘知識をもって構築し、相手の守りをも貫く先制の全弾斉射を。
眼前の花嫁は、夢叶わぬ悲劇の存在だというが。
花嫁に対し、リオンの心は微塵も揺れない。
「お前に同情? する訳がないね。生憎だけどお前の大好きな絶望も感じてないんだ」
同情は勿論、絶望だって感じるわけはないのだ。
だって、青を飲んだパラスはちゃんと生きているのだから。
――なら『L』の称号において必ず救う、と。
リオンは花嫁へと琥珀色の視線を投げ、はっきりと紡ぐ。
「だから絶望には値しないんだ。残念だったね」
『私が欲しいのは、絶望の赤よ……!』
そう懲りずに言い放つ花嫁であったが。
撃ち抜かれ赤を滴らせながらも、まだ夢を諦めきれぬよう逃走をはかる。
それを深追いせず、リオンはさっさと移動しようとするけれど。
「……っ」
くらり、一瞬視界が回って。
失血と激痛に思わず膝をつきながらも、呟きを落とす。
「パラスさんと同じ手段で攻撃してきたんだ。守護者は本当に容赦ないね」
――さすがは旦那さん、と。
今も守る姿を思い浮かべながら、何とか立ち上がると今度こそ向かうのだった。
彼女がパージされた、アルダワへと。
大成功
🔵🔵🔵
マクベス・メインクーン
グラナトさん(f16720)と
ああ、もう……
グラナトさんに心配かけるつもりなかったのに…
怯えたのは確かだけど
それは洗脳されてるグラナトさんであって
今のグラナトさんは全然怖くねぇからっ!
だからオレだってちゃんと戦うからね!
魔装銃に【全力魔法】を込めてUC使用
炎【属性攻撃】【限界突破】でグラナトさんの攻撃に合わせて
一気にダメージ与えてやるぜっ
敵のUCには【オーラ防御】で炎を纏って花弁を燃やしてやるよ
正直、どっちも最悪な味だったよ
けどそんなんちょっと驚いただけだし
絶望なんかしないっての!
ん…帰ろうか、グラナトさん
(元の暖かな眼差しに心地よさを感じながら)
グラナト・ラガルティハ
マクベス(f15930)と
マクベスにあんな顔をさせるのなら無理やりにでも赤を飲ませればよかったと後悔する。
それは今回のパーティーの主催者への怒りとなり
(真の姿)へ。
この姿ではさらに怯えさせてしまうかもしれないがそれでもこの姿でいっきに方を付ける。
赤の味か?最悪だったな…どうせどんな答えでも納得するまい?風の渦も花弁もただ押し切るのみ。
【封印を解く】で神の力を限定解放。
【高速詠唱】【全力魔法】でUC【柘榴焔】発動
【属性攻撃】炎【焼却】【呪詛】でUCを強化。
マクベス…帰ろう。
――無理やりにでも赤を飲ませればよかった。
あんな顔をさせるのなら、と。
そうそっと頭を抱えるグラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)の瞳からいまだ離れないいろは、火炎の戦神と化した己へと向けられた、怯えたような青。
そんな後悔の表情がありありと見て取れる隣のグラナトの姿に、マクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)は小さく嘆息する。
(「ああ、もう……グラナトさんに心配かけるつもりなかったのに……」)
激しく燃え盛る圧倒的な赤き炎を眼前に、確かに怯えたのは事実。
――けれども。
刹那、カチャリと扉が開錠される音が聞こえると同時に、再び力解放し神の姿と成るグラナト。
(「この姿ではさらに怯えさせてしまうかもしれないが」)
……それでもこの姿でいっきに方を付ける。
ばさりと燃ゆる炎の翼をその背に宿し、挨拶に来た今回のパーティーの主催者へと金の視線を投げる。怒りという色を燃やした瞳で。
そんなグラナトの思いを察し、マクベスはぶんぶん大きく首を振りつつも声を上げて。
「怯えたのは確かだけど、それは洗脳されてるグラナトさんであって、今のグラナトさんは全然怖くねぇからっ!」
――だからオレだってちゃんと戦うからね!
そう握り構えるは、伝説の竜の名を冠する魔装銃。
そしてひらりと現れた花嫁は、ふたりへと笑み咲かせながらも問う。
『赤と青のお味はいかがだった?』
瞬間巻き起こるは、うつりぎの花弁を巻き上がらせる風の渦。
そんな襲い来る、殺傷力誇る無尽蔵の花弁の刃にも怯むことなどなく。
封印を解き、神の力を限定解放しながらも、グラナトは投げられた問いに答えるけれども。
「赤の味か? 最悪だったな……どうせどんな答えでも納得するまい?」
――風の渦も花弁もただ押し切るのみ。
端から、満足させる言の葉で答えてやる気もない。
高速詠唱し全力魔法をもって燃え盛るは、柘榴が如く燃え上がる神の炎。
愛しの青にあんないろを宿させてしまった怒りが、その勢いをさらに煽り滾らせて。
『……!』
戦神の逆鱗に触れた敵を焼却するべく、呪詛宿す数多の炎が操り放されれば。
「正直、どっちも最悪な味だったよ」
マクベスも握る魔装銃に全力魔法を込め、狙いを定めながらも続ける。
「けどそんなんちょっと驚いただけだし。絶望なんかしないっての!」
――てめぇにゃ、コイツをお見舞いするぜっ!
猛る神の炎に合わせ、今度は水ではなく彼が燃え上がらせるものと同じ赤き属性。
炎の精霊の力を込めた銃弾を打ち出すべく、マクベスがぐっと引き金を引けば。
一気にダメージを与えんと、炎の衝撃を生み出し重ね合わせる。
そしててまりブーケから吹雪く襲い来る花弁を、纏う守りの炎の気をもって燃やし尽くす。
うつりぎのいろから、燃える赤の彩へと……互いの片耳ずつに着けた赤水晶の薔薇の如きそのいろへと、燃やし咲かせ塗り替えていく。
『く、私が好きなのは、赤は赤でも血の赤なのにっ』
そう炎の色に染まりゆく花嫁を後目に。
グラナトは愛しの青を映した瞳を細め、そして紡ぐ。
「マクベス……帰ろう」
向けられるその瞳は、先程のような冷たさは一切消え失せていて。
むしろ、元のその暖かな眼差しは心地よさを感じる程だから。
マクベスは心から安心した眼差しで彼を見上げ、こくりと頷いて返す。
――ん……帰ろうか、グラナトさん、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
新山・陽
SPD ふざけた格好で入ってきた敵に、不愉快な面持ちの私は『蔑みの眼差し』で一瞥し、両手の武器を捨てて歩み寄ります。
敵のUC『おたきさん』には『鍵をかける力』をもって、相手の言い分等に感情が揺れないよう対処します。
「問答は無用。実行犯はさておき、貴女は今や野生動物虐待の主犯です。やりますか」
私はUC『ラッシュ』を発動し、相手の動きをフェイントで誘導し、カウンターで軸足を蹴り、ヒールの一撃をもって踏みつけ攻撃を試みます。
貴女を骸の海に帰さなければ、渋々赤を飲んだ挙句気絶までしたウォルさんは、その時こそ怒り狂う。つまり私の身が危うい。
相手を考慮する余地も退路も私には存在しないのです。
閉ざされていた扉を開き現れた、このパーティーの主催者。
それは――花嫁姿をしたオブリビオンであった。
そんなふざけた格好で入ってきた敵に、新山・陽(悪と波瀾のお気に入り・f17541)は不愉快な面持ちで。
向けるのは、言葉無き一瞥――蔑みの眼差し。
そして両手の武器を捨てて歩み寄る。
『赤と青のお味はどうだったかしら?』
そう笑む花嫁の手には、てまりのような紫陽花の花のブーケ。
花嫁になり損ねたという少女。
けれども陽は、鍵をかける力をもって、自らの記憶を暗号化し、花嫁の言い分等に感情が揺れぬよう対処して。
発動するは、敵を倒すべき能力を強化する『ラッシュ』。
『……なっ!』
紫陽花から強酸性の液体を飛ばさんとする敵の動きをフェイントで誘導した陽は、すかさず軸足を蹴り、強烈なカウンターを返して。
間髪入れず放つは、ヒールで踏みつける鋭い一撃。
そしてラッシュをその身に受け、よろめく敵へと陽は言い放つ。
「貴女を骸の海に帰さなければ、渋々赤を飲んだ挙句気絶までしたウォルさんは、その時こそ怒り狂う」
それはすなわち、陽の身も危ないと言う事。
野生のお隣さんである彼女には、それがよく分かっているから。
そうなる前にと、再び地を蹴りながらも、陽は眼前の花嫁へとはっきりと告げる。
――相手を考慮する余地も退路も私には存在しないのです、と。
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・アヴリール
ライナス(f10398)と
アドリブ歓迎
目が覚めて直ぐに聞こえてきた、ライナスの声
無意識に安堵の息を吐き出しながら
大人しく首輪を引っ張られて、されるが儘に
奴の言葉に思う所がない訳じゃないが……
其れよりも罪悪感が強く、何も言えない
洗脳されていた時の事は、所々朧げで
右腕を中心に、全身の骨や部品が軋む音が聞こえてくるも
眉を顰めるだけに留めようと
敵の姿を見遣れば、前へ出ようとして――は、銃?
おい、ライナス!?
お前、前衛は……ああっ、クソッ!
やるしかないと腹を括って『Moirai』を手に
【リミッター解除】【継戦能力】
普通に動ける程度まで持ち直して、拳銃を確りと構える
ライナスが作った隙を逃さず
UC:光を発動
ライナス・ブレイスフォード
リカルドf15138と
リカルドの傍で己の止血をしながら目を覚ますのを待つ
目を覚ませばおはよーさんと、常の薄い笑みと共に声を
目覚めのキスがねえと起きれねえとか言うなよ?と以前も投げた揶揄うかの様な軽口を続ければリカルドの首輪に指を入れ引き寄せ肩の肉へ【偉大なる糧】
細胞を活性化させ回復を試みる…も。途中違和感を相手の身と表情の中見つければ舌打ちと共に腰のリボルバーの一つをリカルドへ投げ開いた扉の方へ
片腕でも引き金位えは引けんだろ?
敵が現れれば間合いを詰め至近距離から手にしたリボルバーにて『クイックドロウ』にて『暗殺』を試みんぜ
肉弾戦は苦手でも、出来ねえとは言ってねえからな
回復の分位えは働いてやるよ
まだ少し回る視界の中、薄っすらと瞳を開けば。
「おはよーさん」
耳に聞こえて来たライナス・ブレイスフォード(ダンピールのグールドライバー・f10398)の声と、向けられるいつも通りの薄い笑み。
リカルド・アヴリール(遂行機構・f15138)はその声や姿に、無意識に安堵の息を吐き出すけれど。
「目覚めのキスがねえと起きれねえとか言うなよ?」
次に聞こえた、以前も投げられた揶揄うかの様な軽口と同時に。
「……っ」
ぐっと首輪に挿し入れられたライナスの指に、引き寄せられたかと思った刹那。
肩の肉に立てられた牙の痛みがはしるも、大人しくされるがままのリカルド。
(「奴の言葉に思う所がない訳じゃないが……」)
けれど、それ以上に――胸を刺すような強い罪悪感に、何も言えないでいた。
そんなリカルドの傍で目を覚ますのを待ちつつも、己の止血を済ませていたライナスであったが。
やはりそれだけでは足りないから……偉大なる糧をもって、細胞を活性化させ回復を試みるけれど。
その最中、思わず鳴らすのは舌打ち。
すぐ傍に在る彼の身と表情の中に、違和感を見つけたから。
洗脳されていた時のリカルドの記憶は所々朧げで。
ギシギシと右腕を中心に、全身の骨や部品が軋む音が聞こえてくる。
でもそれには、微かに眉を顰めるだけに留めておいたリカルドだけれど。
刹那――鍵の回る音が聞こえ、扉が開くのが見えて。
「……!?」
咄嗟に前へと出ようとしたリカルドへと、舌打ちと共にライナスが投げ渡したのは、腰のリボルバーの一つ。
「――は、銃?」
「片腕でも引き金位えは引けんだろ?」
「おい、ライナス!?」
瞬間、リカルドは大きくその瞳を見開く。
現れた敵へと一気に間合いを詰める、ライナスの姿に。
「お前、前衛は……ああっ、クソッ!」
リカルドがそう声を上げる間にも。
ライナスは、シリンダーに運命の女神が優しく微笑むリボルバーの引き金を敵の至近距離から素早く引いて。
『……! 随分な挨拶ね』
暗殺を試み、挨拶に来た花嫁へとぶっ放す。
そんなライナスを見て、やるしかないと。
リミッター解除し継戦能力を駆使して、普通に動ける程度まで持ち直してから。
リカルドが腹を括り構えるは『Moirai』――人の運命を司る三女神のリボルバー。
そしてリカルドは迷わず選択する。
ライナスを助け、そしてこの赤と青の茶番の幕を下ろすべく、渡された回転式拳銃の引き金を引くことを。
ライナスは、そんな背中で上がったリカルドの声を聞きながらも。
「肉弾戦は苦手でも、出来ねえとは言ってねえからな」
――回復の分位えは働いてやるよ。
そう、棘を持つ結婚指輪だったものを放つ花嫁へと、美しい装飾が施されたリボルバーの引き金を再び引いて。
――借り物だが、撃つくらいならば。
運命の糸を切る不可避の女神の加護宿す光を『Moirai』へと込めて。
リカルドは、ライナスの作った敵の隙を決して見逃さずに。
『……う、ぐっ!』
刹那、光の銃弾を撃ち出し、握る紫陽花を怪しく咲かせんとした花嫁へと容赦なくお見舞いする。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】
目が覚めたらベッドの上
ちょっとズキズキする後頭部
所々血が滲むスーツの梓を見て
ああ、いつの間に終わったのかぁ
なんてぼんやり考える
頭を撫でられた安心感で何となく笑みが溢れる
ねぇ、俺が洗脳されてた時のこと教えてよ
…え、もうそんな時間?
いらっしゃい、綺麗な花嫁さん
残念だけど、君にあげる為の
血は用意出来てないよ
永遠に来ない挙式を待ち続けるのも
もう疲れただろう?
自身の手を斬りつけUC発動
紫陽花の対処は梓に任せて
高速で一気に接近
なるべく一撃で逝けるようにと
力溜めてEmperorを振り下ろす
女の子を斬り刻む趣味は無いけど
純白のドレスにかかる紅い血飛沫の
コントラストは綺麗だなと思わず見とれてしまう
乱獅子・梓
【不死蝶】
よう、さっきまで人を殺そうとしてた奴とは
思えないくらい能天気な顔で寝てたぞ
目覚めた綾の頭をわしゃわしゃっと撫でてやる
そしたら同じような脳天気な顔して笑うもんだから
俺までつられて微笑み返してみたり
…ああ、詳しい話はまた後でな
ちょうどお客さんが来たようだしな
さぁ、最後の一仕事だ
挨拶回りご苦労さん、主催者様
味か、まぁ悪くは無かった
変な副作用さえ無ければな
…そうだな、夢を見る時間はもう終わりだ
敵本体は綾に任せて俺はサポート
焔!零!あの花を狙え!
UC発動し、焔のブレスで
召喚された紫陽花を燃やしていく
間に合わず強酸性の液体が飛んできたら
零の氷のブレスで凍らせて無効化
という二段構えで対処していく
まず気付いたのは、開いた瞳に映った見覚えのない天井。
そしてちょっぴりズキズキする後頭部を押さえ、身体を起こしてみれば。
灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)の眼前には、所々血が滲むスーツ姿の乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)が。
それを見て、綾は現状を理解する。
……ああ、いつの間に終わったのかぁ、って。
そうぼんやりと考えていれば。
「よう、さっきまで人を殺そうとしてた奴とは思えないくらい能天気な顔で寝てたぞ」
くしゃりと頭に乗せられるのは、大きな掌。
目覚めた綾の頭を、梓がわしゃわしゃっと撫でてやれば。
溢れるのは、安心感から零れる微笑み。
そしてそう、同じような脳天気な顔して綾が笑うもんだから。
つられて、思わず微笑み返す梓。
そんな梓に強請るように、綾はこう訊ねるけれど。
「ねぇ、俺が洗脳されてた時のこと教えてよ」
「……ああ、詳しい話はまた後でな」
梓はふと微かに聞こえた開錠の音に気付き、扉へと視線を投げて続ける。
――ちょうどお客さんが来たようだしな、と。
「……え、もうそんな時間?」
きょとりとしつつも、己の視線を追って扉へと目を向ける綾へと梓は頷く。
「さぁ、最後の一仕事だ」
『あら、どちらも生きているの?』
現れたのは、てまりブーケを抱える花嫁の様。
いや、花嫁になり損ねたオブリビオン。
そしてこうふたりへと口を開く。
『赤と青のお味はどうだった? 私はね、彼方たちの血の赤が欲しいの』
ねぇ頂戴、と。そう言った花嫁へと、各々言の葉を返すふたり
「挨拶回りご苦労さん、主催者様。味か、まぁ悪くは無かった。変な副作用さえ無ければな」
「いらっしゃい、綺麗な花嫁さん。残念だけど、君にあげる為の血は用意出来てないよ」
そして綾が、永遠に明日など来ぬ花嫁へとこう続ければ。
「永遠に来ない挙式を待ち続けるのも、もう疲れただろう?」
その言葉に、梓も頷く。
「……そうだな、夢を見る時間はもう終わりだ」
刹那、サングラスの奥の瞳に咲くのは、戦場に召喚されし紫陽花。
そのうつりぎのいろを咲かせる花から、強酸性の液体が放たれんとするけれど。
「焔! 零! あの花を狙え!」
戦場に響くは、すかさずドラゴンたちへと指示する梓の声。
それに応えるように、キュー、ガウ、とふたつの鳴き声がして。
――紅き竜よ、世界を喰らえ!
炎竜・焔の繰り出す炎が勢いを増し、戦場に咲いた紫陽花をひとつずつ燃やしにかかる。
けれどもその炎から逃れた紫陽花から強酸性の液体が放たれれば。零の氷のブレスがすかさずそれを凍らせる。
そんな敵の紫陽花は、万全な二段構えで対処してくれる梓やドラゴンたちに任せて。
綾が瞬間、赤を走らせるのは自身の手。
そして己の血を滴らせた愛用のハルバードを、ひょいっと重量気にせず片手で握り締め構えれば。
一気に大きく地を蹴り、高速で接敵して。
『う、く……!』
力を溜めたEmperorを勢いよく振り下ろす――なるべく花嫁が、一撃で逝けるようにと。
(「女の子を斬り刻む趣味は無いけど」)
それから綾は鮮やかに映る眼前のいろに、思わず見惚れてしまう。
飛沫き咲き誇る、小さな数多の血の華。
――純白のドレスにかかる紅い血飛沫のコントラストは綺麗だな、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
誘名・櫻宵
🌸宵戯
花嫁の入場ね
綺麗なあかのヴァージンロードを用意しなきゃね
あかはあなたの血
素敵でしょ
本気?
洗脳されていたからだよ
はじめてのはずだけれど―まぁいいわ
あら
お互い見えないのではない?
その時はきっと私もいないわ
約束結んだ小指をみせ笑う
フラワーシャワーの代わりに呪殺の桜花吹雪かせ呪ってあげる
私にとって結婚なんて
家の為の道具
繁栄の為の手段でしかない
龍の子を産ませろ、結婚しろって五月蝿いの
…叶えたかったものは叶わない
一瞬だけ寂しそうに微笑んで
ロキが結婚の真似事なんて意外かも
一族を?それはダメ
そんな指輪捨ててしまいましょ?
棘なぎ払い踏み込んで
綺麗な首に「絶華」を放つ
ケーキ入刀というのやってみたかったのよ
ロキ・バロックヒート
🌸宵戯
やぁ花嫁ちゃん
このあかは気に入ってもらえた?
とても愉しかったよ
次は君の番だね
それにしても宵ちゃん
本当に私の首を撥ねようとしたね
あの太刀筋はすっごく懐かし―
ううんなんでもなーい
あぁ私を殺しちゃった君を見てみたかったよ
あ、死んでたら見れないか
ふふ
そうだね
お互いいないね
結婚ってそんなにいいものかな
真似事は大昔したことあるものの
散々だったよ
面白かったけど
宵ちゃんも大変だよね
やっぱり一族皆殺しの方がいいんじゃない?なんて
冗談冗談
…そーだね
叶えたかったものほど叶わないよね
怪我であんまり動けないけど
【UC】の鳥でブーケごと花嫁を啄んであげる
結ばれぬ花嫁ちゃん
君にそのブーケは要らないでしょ
あぁ可哀想に
そっと鍵を開けた扉の向こうを染めているいろ。
それは、今回の宴の主催者が欲して止まないあかであるはずなのに。
一瞬、飛び散り咲いた血の華に興奮した様に頬を紅潮させた花嫁は、ふと首を傾ける。
「やぁ花嫁ちゃん、このあかは気に入ってもらえた?」
赤に塗れながらも、ロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)は笑っていたから。
……とても愉しかったよ、って。
おっかないけれど愛しい鬼さんとの追いかけっこは事実、とても愉快だったし。
そんな鬼ごっこも、もう終わっちゃったから。
ロキは蜜色の瞳を向け、甘い声色で花嫁へと続ける。
――次は君の番だね、と。
けれど、花嫁はふるりと首を振る。自分の番だと言われたからではなくて。
『折角の赤なのに……愉しかっただなんて、違う』
求める感情は、それではない。絶望や驚愕なのに。
いや、ロキだけではない。
赤を飲んで彼のことを容赦なくぶっ刺したはずの誘名・櫻宵(貪婪屠櫻・f02768)にも、驚愕や絶望のいろは一切見られない。
「花嫁の入場ね。綺麗なあかのヴァージンロードを用意しなきゃね」
そして櫻宵は、麗しくも端整なその顔に笑みを宿し紡ぐ。
――あかはあなたの血、素敵でしょ、って。
そんな彼に、ロキはふと視線を向けて笑う。
「それにしても宵ちゃん、本当に私の首を撥ねようとしたね。あの太刀筋はすっごく懐かし―」
「本気? 洗脳されていたからだよ」
首を撥ねんとしたのは、飲み干した赤のドリンクのせい、きっと。
けれど、櫻宵はふと首を傾けて呟く。
「はじめてのはずだけれど――まぁいいわ」
懐かしい、確かにそう聞こえた言の葉に。
でもそれはまぁ、今の櫻宵にとって特に追及するようなことでもない。ロキも、ううんなんでもなーい、なんて返してくるから。
そしてそんなロキは、ちょっぴり残念そうに、でもやはり愉しそうに口を開く。
「あぁ私を殺しちゃった君を見てみたかったよ」
……あ、死んでたら見れないか、なんて付け加えながら。
けれどそれは、ちょんっと首を撥ねられたロキに限った事ではなくて。
ふと、小指をみせ笑う櫻宵も同じ。
「その時はきっと私もいないわ」
それは神との契り――指に結んだ約束。
ロキは蜂蜜色の瞳を細め、結んで開いたそれに頷いて笑う。
「ふふ、そうだね。お互いいないね」
でもふたりいなくなるのは、今ではないから。
「フラワーシャワーの代わりに呪殺の桜花吹雪かせ呪ってあげる」
呪いを込めたありったけ鋭い餞のフラワーシャワーを、花嫁に。
花嫁はてまりブーケをぎゅっと握りしめ、首を横に振り続ける。
『酷いわ、折角の結婚式に、素敵な絶望の赤を纏いたかったのに……』
結婚を夢見ていたという少女の成れ果て。
けれど、櫻宵にとっては、それは呪縛でしかなかったもの。
「私にとって結婚なんて、家の為の道具。繁栄の為の手段でしかない」
……龍の子を産ませろ、結婚しろって五月蝿いの、って。
はあっと大きく溜息をついてみせれば。
「結婚ってそんなにいいものかな。真似事は大昔したことあるものの、散々だったよ」
面白かったけど、と続けつつも、ロキも少々懲りた様子でそう紡いでから。
宵ちゃんも大変だよね、と視線向けた櫻宵へと、悪戯っぽくこう言ってみる。
「やっぱり一族皆殺しの方がいいんじゃない? なんて」
面倒で面白くないことなんて、いらないから。
「ロキが結婚の真似事なんて意外かも」
櫻宵はそう一瞬、花霞の瞳をぱちくりとさせるけれど。
「一族を? それはダメ」
ふるりと肩の上の桜鼠を揺らし、流石にそれは首を横に。
そんな様子に、冗談冗談、ってロキはまた楽し気に言ってから。
……叶えたかったものは叶わない。
一瞬だけ寂しそうな微笑みと共に落とされた言の葉に、そっと桜の彩りを映した瞳を細める。
「……そーだね。叶えたかったものほど叶わないよね」
叶えたかったものほど、叶わない。
それはある意味、眼前にいる夢見る花嫁も同じかもしれなくて。
各々が抱く叶わなかったそれは、いつまでも消えることのない――本当の呪縛なのかもしれない。
そして、夢から覚めぬ花嫁は再び口を開くけれど。
『赤と青、お味はいかがだったかしら? 今宵は私の結婚前夜のパーティーなの。ほらブーケも素敵でしょ?』
「結ばれぬ花嫁ちゃん。君にそのブーケは要らないでしょ」
……あぁ可哀想に。
紡いだ憐憫の言葉とは裏腹に。
『! なっ……』
負傷し動けぬロキのかわりにと、影から現れた歪な黒い鳥がご自慢のブーケごと花嫁を啄んで。
放たれた棘を持つ結婚指輪だったものを叩き斬ったのは、血桜の刀身の太刀。
「そんな指輪捨ててしまいましょ?」
――さぁ、桜のように潔く……散りなさい!
櫻宵が踏み出し繰り出すは、空間ごと断ち斬る不可視の剣戟。
神の黒き鳥が舞い啄む中、撥ねんと狙うはやはり、花嫁の綺麗なその首。
『……ぐ、っ!』
愛も戀もない結婚なんて、真っ平御免だけれど。
刹那、飛沫いた鮮やかな赤の華で頬を染めながら櫻宵は微笑む。
――ケーキ入刀というのやってみたかったのよ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
倫太郎殿(f07291)と
傷の痛みより彼を傷付けてしまったという事実
それでも私が選んだもの
ただ今は為すべき事を
二刀を構え直し、見据えるは花嫁になれなかった者
同情しても過去を変える術は無いが
終わらぬ悲しい夢を終わらせられる
当人が悲しいと思っていなくとも
誰かが苦しむのならば止める
……動けますね、倫太郎殿
では、いつも通りに
倫太郎殿と動きを併せ二刀による2回攻撃
刀がなぎ払いで届く距離を維持
攻撃は残像にて躱してカウンター
指輪による攻撃は見切りにて此方に来る棘を確認
武器落とし・衝撃波にて弾いて凌ぐ
その指輪も、元はそのように使わない
歪められ生きるのは苦しいのではありませんか
指環?
……それが繋ぐ証と成るならば
篝・倫太郎
引き続き夜彦(f01521)と
真の姿解放
夜彦、んな顔すんなよ
覚悟して赤選んだのなら、堂々としてな
凛としてろ、俺の唯一無二だってンのならさ
生憎と、生きてるんでね
来ない明日を待つ花嫁に安寧をくれてやろうぜ
それしか手段がねぇんなら
つーか、それは俺の台詞だってば
いつも通り、で
いつでもどうぞ、だ
拘束術使用
棘を持つ指環を放つ前に鎖で先制攻撃と拘束
指環を放つようなら
鎖で妨害して射線をズラす事で『当てさせない』
それでも念の為に見切りと残像で対応
夜彦の攻撃が通り易いよう
拘束術での束縛を敵に邪魔だと思わせる事で
俺へと意識を向けさせる
骸の海に還るといい
指環かぁ……
夜彦、あんたはどう?
欲しい?
俺?俺は帰ったら教えるよ
鍵を回す微かな音を耳にしながらも。
月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)はその痛みに、小さくふるりと首を振る。
それは、傷の痛みなのではない。彼を傷付けてしまったという事実。
そんなすぐ傍にある横顔を見つめ、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は紡ぐ。
「夜彦、んな顔すんなよ。覚悟して赤選んだのなら、堂々としてな」
彼が何を思っているのかなんて、手に取る様に分かるから。
それに、倫太郎は知っている。
(「それでも私が選んだもの。ただ今は為すべき事を」)
再び、刀握る鬼神――夜叉と化した夜彦が、ただ心を痛めるだけの男ではないことも。
そんな彼の様子に、倫太郎は頷き笑って。
「凛としてろ、俺の唯一無二だってンのならさ」
己も、緑色の長い髪を躍らせ、漆黒に焔の如きいろを灯す瞳の鬼と化す。
刹那、開いた扉から姿を見せたのは、宴の主催者でもある花嫁。
『まぁ、素敵な赤! けれどまだ、絶望が足りないわ』
赤と青、どっちも死んでいないのね、と首を傾ける敵を……花嫁になれなかった者を夜彦は見据え、思う。
(「同情しても過去を変える術は無いが、終わらぬ悲しい夢を終わらせられる」)
花嫁となる明日を心待ちに、血の香水を欲する者。
眼前の彼女自体、そんな今を悲しくなど思ってはいなさそうだけれど。
でも、彼女の明日は永遠に来ないし。
――誰かが苦しむのならば止める。
銀月と蒼銀の二刀を改めて夜彦が構えれば。
「生憎と、生きてるんでね」
倫太郎はそう花嫁に言った後、隣に並ぶ彼へと視線を映し続ける。
「来ない明日を待つ花嫁に安寧をくれてやろうぜ」
……それしか手段がねぇんなら、って。
その声に、藍色の髪靡かせ頷いて。
「……動けますね、倫太郎殿」
――では、いつも通りに。
そう言った夜彦に、倫太郎は笑んで返す。
「つーか、それは俺の台詞だってば」
そう……いつも通り、で。
「いつでもどうぞ、だ」
刹那、花嫁への御祝儀代わりにと、黒曜石の角生やした鬼がくれてやるのは縛め。
成された見えない鎖が、災いを縛らんと敵目掛け放たれれば。
『……!』
閃くは、曇り無き刃と美しき刃から繰り出される斬撃。
敵を薙ぎ払わんと、確りと距離をはかり保つよう立ち回りつつも。
『束縛する男は嫌いよ!』
成された鎖を解かんと、忌々しそうに言い放ちながら。
花嫁の意識が、己の身を拘束する倫太郎へと向いた刹那。
――骸の海に還るといい。
ふっとそう紡ぎ、鬼が嗤う。
夜叉の放つ素早き二つの閃きが、その身を捉えることが分かっているから。
『ぐ、……!』
倫太郎が作った隙を突き放たれた夜彦の刃によろめく花嫁。
けれど漸く鎖を振り払い、棘を持つ結婚指輪だったものを戦場へと放つが。
「その指輪も、元はそのように使わない。歪められ生きるのは苦しいのではありませんか」
それは、二人に躱され叩き落され、届かない。
倫太郎は結婚指輪であったものから、ちらり夜彦へと視線を移し、こう訊ねてみる。
「指環かぁ……夜彦、あんたはどう?」
――欲しい? って。
夜彦はその言葉に、ふと小さく首を傾けてから。
「指環? ……それが繋ぐ証と成るならば」
投げられた問いに答えた後、緑色の瞳を彼に向けて。
自分を映すそのいろが訊ねる問いに、倫太郎はこう返すのだった。
――俺? 俺は帰ったら教えるよ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フリル・インレアン
あ、この度はお招きいただきありがとうございます。
部屋が散らかってしまったので、勝手ではありますがお掃除させていただきました。
ね、アヒルさん。
残念ですが、真っ赤に染まったのは、私のほっぺただけです。
ふえぇ、まだ痛いんですよ、アヒルさん。
ふえ?それは結婚指輪ですよね。
えっとそれは私には早すぎるので、サイコキネシスでお返しします。
どちらかと言ったら、そちらの花束のブーケがいただきたかったです。
ふええ、花束のブーケだったらアヒルさんが先にキャッチしてたって、それはひどいですよ。
鍵を開き、扉から入って来て姿を現したのは、宴の主催者。
「あ、この度はお招きいただきありがとうございます」
花嫁の格好をしている主催者に、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)はおどおどしながらも、ぺこりと頭を下げて挨拶をしてから。
「部屋が散らかってしまったので、勝手ではありますがお掃除させていただきました」
――ね、アヒルさん。
そう同意を求めれば、こくこくと頷くアヒルさん。
そんなフリルとアヒルさんを花嫁は交互に見て、微笑む。
『此方こそ、いらしていただいて嬉しいわ。あとは……貴女達の赤をいただければ』
花嫁が欲しがっている赤、それは香水を作る材料である血。
赤を飲んだ者を洗脳し、そのいろを集めんと目論んでいる敵であるのだけれど。
フリルは花嫁の言葉に、満を持してこう返す。
「残念ですが、真っ赤に染まったのは、私のほっぺただけです」
血ではなく、そう! ツンツンされたほっぺたです。
しかも。
「ふえぇ、まだ痛いんですよ、アヒルさん」
容赦なく見舞われたそれは、いまだジンジンと痛いのです。
そんなほっぺを押さえつつもアヒルさんに抗議するフリルに、花嫁は再び笑って。
『あら、じゃあ、私が貴女から血を採ってあげる!』
瞬間、放つのは、棘を持つ結婚指輪だったもの。
それは当たると、とても痛そうであるが。
「えっとそれは私には早すぎるので、お返しします」
『……!』
フリルには、まだ不要のものだから――サイコキネシスで返品です!
いや、指輪よりももっとフリルの気を惹いたのは。
「どちらかと言ったら、そちらの花束のブーケがいただきたかったです」
花嫁が手に持っている、まんまるてまりブーケ。
けれど、仮にブーケトスがあったとしても。
「ふええ、花束のブーケだったらアヒルさんが先にキャッチしてたって、それはひどいですよ」
フリルではなく、どのみちそれはアヒルさんの手に……!?
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
【尾守・夜野(墓守・f05352)】さんと
正気に戻っ……人格を切り替えたのね。
まぁ、いいわ、黒幕の登場ね。赤い糸で繋がり技能を共有化することで強化し、夜野さんを癒しの魔術(多重詠唱/医術/元気/魔力溜め)で治癒。
封印を解くで風の渦を霧散させ、腐敗属性攻撃で花弁を風化させて無害化を狙いましょ。
もういいわ、もういいの。限界突破してリミッター解除した夢属性攻撃による催眠術で夢の国に誘いましょう。せめて、夢の中でしあわせに、生前にあり得たかもしれない、オブリビオンとして歪むことのなかったifのストーリー。
眠れ、深く深く二度と目覚めぬ程にしあわせな夢の国へと。
その魂の行く末に幸いあれ、なんて(祈り)
尾守・夜野
アリス(f05202)と
「くそっ…悪かったな」
別人格の俺をどうにか引っ込め俺に変わる事で正気に
薬の成分抜けただけかもだが
変わるときに爪立てて首から溢れた血を剣(皆)に
体力切れてふらふらになりつつ敵の元へ
アリスから強化受け取りつつも決定的瞬間まではふらふらなままのように傷ついたように演技し、騙し討つ機会を狙う
実際は相手にわからんように切りつけつつ、黒纏を細く長く伸ばし突き刺し少しずつ生命力吸収、吸血し回復
ダメージは気にしない
それより回復力のが多いなら
防御も致命傷に対して以外はしない
アリスが仕掛けるに合わせ
演技を中断し、痛みなきよう目にもとまらぬ早業で首を狙う
ひらり揺れるのは、緑のドレス。
けれどそれを躍らせていた人格は疾うに無く。
「くそっ……悪かったな」
尾守・夜野(墓守・f05352)は先程までの女性人格をどうにか引っ込めて。
所謂『俺』へと変わる事で、飲み干した赤の呪縛から正気に戻る。
そんな彼の様子に、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)も状況を察して。
「正気に戻っ……人格を切り替えたのね」
「薬の成分抜けただけかもだが」
声を掛けた彼から返る声を耳にしながらも、ふと視線を扉の方へと移す。
カチリと音がした瞬間、開く扉から現れた主催者。
「まぁ、いいわ、黒幕の登場ね」
『赤と青、お味はいかがだったかしら?』
そう問う、今回の宴を催した花嫁へと視線を映しつつも。
首に爪を立て怨剣村斬丸へと血を与える夜野へと、アリスが繋ぐのは赤い糸。
技能を共有化することで強化し、彼に癒しの魔術で治癒を施せば。
体力切れてふらつく足取りながらも、敵の元へと駆ける夜野。
いや……アリスの赤い糸で繋がれた彼のその振舞いは、演技。
強化受け取りつつも、決定的瞬間までは傷ついたように振舞い、騙し討つ機を狙う夜野。
そんな姿に惑わされ、花嫁は嗤って。
『赤の効果はどう? 疲れちゃった?』
刹那、問いと共に、手にしたてまりてまりのブーケから殺傷力を備えた花弁と風の渦を巻き起こすけれど。
アリスがすかさず封印を解き、風の渦を霧散させて。
花弁を風化させ無害化を狙うべく、腐敗属性を宿す攻撃を放てば。
夜野もふらつく演技をしながらも相手に悟られぬよう斬りつけ、細く伸ばした黒纏をもって。
敵の生命力と血を少しずつ啜り、回復をはからんとする。
そんな彼へと花嫁が放つのは、棘を持つ結婚指輪だったもの。
けれど夜野は受ける傷をも厭わず踏み込み、致命傷を負わぬ程度なら防御をする気配もない。
回復力が受ける衝撃を上回れば、何の問題もないから。
『……くっ』
ふらついているはずなのに倒れぬその姿に、花嫁は焦れたように表情を変えるも。
――もういいわ、もういいの。
そんな花嫁へと向けられるのは、限界突破しリミッター解除した、アリスの夢属性攻撃による催眠術。
その祈るような声色で、夢の国へと花嫁を誘う。
彼女にもう、明日は来ないけれど。でもせめて、夢の中でしあわせに――生前にあり得たかもしれない、オブリビオンとして歪むことのなかったifのストーリーを。
「眠れ、深く深く二度と目覚めぬ程にしあわせな夢の国へと」
――その魂の行く末に幸いあれ、なんて。
アリスがそう祈る様に、夢属性を宿した攻撃を敵へと向けるのと同時に。
『……え!?』
夢へと誘われかけた花嫁は、ハッと顔を上げ、驚いたような声を思わず上げる。
刹那、ふらつく演技を止めた夜野が握る、血を啜った呪詛滲む刃が。
痛みなきようにと――目にもとまらぬ早業で繰り出され、首を狙い放たれる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ブーツ・ライル
【燕(f19377)と共に】
アドリブ、マスタリング歓迎
NG:詠唱台詞
_
燕を背に庇うよう立つ
──彼には指一本、触れさせない
▼戦闘
燕を最優先に庇う
意識して息を合わせずとも、燕の攻撃のタイミングは判る
…この少女は、夢見た花嫁になれなかった
その事実に心が痛まないわけがない
然し此処で見過ごすわけにはいかない
ましてや燕の血を、命をくれてやるなど以ての外
「──少々お転婆が過ぎたな、お嬢さん」
この振るう脚に迷いはなく
繰り出すは【"GIFT"】
彼女に一撃与えるためでもあるが…真の目的は燕へ攻撃を繋げる為に『奴の態勢を崩す』事
──呼吸する隙も入れず畳み込む
_
くれてやるものか。
燕は、
──俺のものだ。
金白・燕
【ブーツ(f19511と同行】
アドリブ・アレンジ等大歓迎です
新婦の入場…という事は
あら?ブーツ
私、邪魔をしましたか?
冗談はさておき、お仕事ですね
*戦闘
【GIFT】を重ねれば力を高められるでしょう
…ブーツには少し辛いかもしれませんが
こんな舞台に私の『あか』しかご用意できず、申し訳ありません
それに…貴方がブーツを求めるというのは何だか。
……あら、骨兎が喚いていて煩いですね
ブーツが彼女の体勢を崩せば
確実に彼女に花冠が届くように飛んで
送ってさしあげますよ
生の先にいる、お相手のところへ
ーーーー
ブーツは優しい男ですからね
……俺などにも、自分のものだと言ってくれるのですから。
先程まで閉ざされていた扉の鍵が、再びカチリと音を立てて。
赤と青の惨劇を楽しみに現れたのは、ひとりの花嫁。
そんなドレス躍らせ、ブーケ握りやって来た敵の姿を見て。
「新婦の入場……という事は。あら? ブーツ、私、邪魔をしましたか?」
金白・燕(時間ユーフォリア・f19377)はそう赤の瞳を、傍に在るブーツ・ライル(時間エゴイスト・f19511)へと向けるけれど。
己を庇うように立つその背に、瞳を細め続ける。
「冗談はさておき、お仕事ですね」
「――彼には指一本、触れさせない」
ブーツは花嫁へとはっきりと紡いで。
背に燕の気配と熱を感じるながらも、最優先に庇うべく改めて位置取って。
燕の動きに、自然と動く身体……意識して息を合わせずとも、彼の攻撃のタイミングは判るから。
『飲み干した赤と青は、いかがだったかしら?』
花嫁がそう問えば、手にしたてまりブーケの花弁が、風の渦と共に無尽蔵に巻き起こるけれど。
その花弁を塗り替えるかの如く咲いたのは、奇しくも眼前の花嫁が欲しているいろ。
刹那、戦場を埋め尽くすのは――薔薇が彩る赤のいろ。
(「GIFTを重ねれば力を高められるでしょう」)
燕はそう思いつつも、自分を護るべく立つ彼へと視線を向ける。
……ブーツには少し辛いかもしれませんが、と。
『明日は私の晴れ舞台なの……だから、絶望や驚愕の赤を頂戴?』
そう嗤う花嫁をブーツは見つめ、そして思う。
(「……この少女は、夢見た花嫁になれなかった」)
あと一歩で夢が叶うところだったのに。
それは少女にとって、ただの永遠の夢となってしまったのだ。
その事実に心が痛まないわけがない、と……ブーツはそうは思うけれど。
(「然し此処で見過ごすわけにはいかない」)
それに、何よりも。
ましてや……燕の血を、命をくれてやるなど以ての外だから。
「――少々お転婆が過ぎたな、お嬢さん」
敵へと御振るう脚に、迷いなどない。
『一等、素敵な香水を作りたいの。だから早く頂戴』
「こんな舞台に私の『あか』しかご用意できず、申し訳ありません」
強請る花嫁に燕はそう、彼女が求めるものとは違う『あか』を咲かせつつ言うけれど。
ふと孕む感情滲む瞳を花嫁を投げ、続ける。
「それに……貴方がブーツを求めるというのは何だか」
……あら、骨兎が喚いていて煩いですね、って。
けれど、彼女に存分に、あかをあげるために。
『!』
懐中時計に埋め込まれた赤き宝石が輝いた瞬間、ブーツは大きく地を蹴って放つ。
異次元の威力を誇る神速の脚撃を。
それはお転婆が過ぎた花嫁へと一撃を入れるためでもあるけれど――真の狙いは、敵の態勢を崩す事。
燕へと、攻撃を繋げる為に。
――呼吸する隙も入れず畳み込む。
そうぐっと踏み込み、唸りを上げる強烈な蹴りをブーツが叩き込めば。
『私は、赤が欲しいの……!』
不満気に言いつつも、ぐらりとその体勢が崩れた隙を見逃さずに。
「送ってさしあげますよ。生の先にいる、お相手のところへ」
燕は確実に彼女に届くように飛んで、花嫁へと手向ける――毒に浸された薔薇の花冠を。
さらに追い打ちを駆け放たれたブーツの脚撃が、燕の成した薔薇のあかを纏う様に舞い上がらせる。
「くれてやるものか。燕は、」
――俺のものだ。
そう、己が咲き散らせるあかの中を駆ける姿を見つめ、そして燕は紡ぐ。
「ブーツは優しい男ですからね」
……俺などにも、自分のものだと言ってくれるのですから、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鷲生・嵯泉
ニルズヘッグ(f01811)同道
此れ以上は無い程不味い代物を飲ませてくれたものだ
如何な理由があろうと赦し難い行為はある
承知の上とは云え、私に傷付けさせるとはな
ああ……下がっていろ
縛を解く――烈戒怒涛、約を成せ
あの男の操る冷気は特製だ、避け続ける事なぞ叶うまい
凍り付いた処へ怪力乗せた斬撃を叩き込み砕いてくれる
攻撃は戦闘知識に拠る先読みにて軌道を見切り
武器受けにて叩き落して決して後ろへは通さん
此れ以上の傷なぞ付けさせて堪るか
如何な言葉を繰ろうと、蘇った時点でお前自身が其れ等を汚した
既に花嫁の白なぞ似合わん、自身の赤で染まるがいい
来ない明日へとしがみ付いた処で何も齎されはせん
在るべき場所へ還るがいい
ニルズヘッグ・ニヴルヘイム
嵯泉/f05845と
傷口は呪詛焔で焼き止めとくとして
このくらいなら充分戦えるけど
嵯泉、これ前出ない方が良い?
分かった……大人しく後ろにいよう
現世失楽、【外黒静】
私からの質問は一つ
「貴様はどんな花嫁になりたい?」
抽象的な台詞で許されると思うな
嵯泉を納得させたら合格点としてやろう
……あいつがあの調子じゃ、一生無理だと思うがな
敵対者の全てを滅ぼす冷気だ
嵯泉に向かう攻撃も対象には含まれよう
出来る限り凍らせて――炸裂弾にしてやっても良い
目の前で突然爆ぜる自分の武器、避け切るのは難しいであろう
悪いが結婚式は迎えさせてやらないよ
骸の海の底でゆっくり結婚すりゃあ良いさ
相手だって、どうせそっちにいるのであろう?
耳に微かに聞こえるは、赤と青を二人きりにした鍵が静かに回る音。
そして扉が開けば、歌う様に投げかけられる花嫁の問い。
『赤と青のお味はいかがだったかしら?』
「此れ以上は無い程不味い代物を飲ませてくれたものだ」
そう答えた鷲生・嵯泉(烈志・f05845)の言の葉に静かに滲むのは、苛烈のいろ。
「如何な理由があろうと赦し難い行為はある。承知の上とは云え、私に傷付けさせるとはな」
護るどころか、その手で傷付けた。
承知の上でもやはり、それは嵯泉にとっては赦し難いものであるのだ。
差し向けた相手に対しても、そして刃を向けた己にも。
声高く宣言した通り、殺されはしなかったが。
首を刎ねんと本気で繰り出された鋭撃で受けた傷は、決して浅くもなく。
呪詛焔をもって傷は焼き止めたけれど、ニルズヘッグ・ニヴルヘイム(竜吼・f01811)は嵯泉へと訊ねてみる。
「嵯泉、これ前出ない方が良い?」
……このくらいなら充分戦えるけど、と。
そんな彼の問いに、迷うことなく答える嵯泉。
「ああ……下がっていろ」
「分かった……大人しく後ろにいよう」
それにニルズヘッグは素直に従う。
何と返ってくるか……粗方、予想はついていたから。
けれど後ろにいるからと言って、護られるだけの気は毛頭ない。
「貴様はどんな花嫁になりたい?」
ふとおもむろにニルズヘッグが投げる、問いかけの声。
同時に自身の影から喚び起こす。敵と見做した全てを滅ぼす、凍てつかせる冷気を。
満足得る答えでなければ、彼女へと襲い来るは凝結と氷刃。
そしてその判定を、ニルズヘッグは託してみる。
「抽象的な台詞で許されると思うな。嵯泉を納得させたら合格点としてやろう」
生きて此の手へ渡してくれと……その約束を無事果たし、手渡した刀を手に構える彼へと。
けれど、ニルズヘッグにはやはり分かっていた。
「……あいつがあの調子じゃ、一生無理だと思うがな」
その姿や表情を見れば……どういう結果になるのかなんて、明確に。
勿論、握る紫陽花から強酸性の液体を飛ばす為に敵が欲する同情の感情も、微塵もなく。
いくら高命中力を誇る攻撃も無力、例え飛ばされようとも全てを滅ぼす冷気が凍てつかせるだろう。
そんな中、花嫁は投げられた問いに答える。
『どんな花嫁にって……挙式は世界で一番花嫁が輝く日よ? だから、素敵に香るあかを纏って、より美しく在りたいわ』
ふふっと笑んで返される言葉は、呆れるほど自己中心的で。
「縛を解く――烈戒怒涛、約を成せ」
嵯泉は即座に判定を下す――落第点も良いところだと。
勿論、同時に落第点の花嫁を襲うは凝結と氷刃。
それに加えてニルズヘッグは、握る紫陽花を変えてあげる。
『……え、っ!?』
刹那、激しい音を上げて爆ぜ、花弁を散らすてまりブーケ。
……目の前で突然爆ぜる自分の武器、避け切るのは難しいであろう、って――ご祝儀代わりの炸裂弾に。
「あの男の操る冷気は特製だ、避け続ける事なぞ叶うまい」
そして生じた敵の隙を決して見逃さず、一気に地を蹴って。
踏み込み嵯泉が叩き込むは、敵を砕かんと怪力乗せた唸り猛る斬撃。
『く、結婚式を挙げるのは、私の夢なのに……!』
そう大きく上体を揺らし言い放ちながらも、掲げる紫陽花から性懲りもなく液体を飛ばす花嫁。
けれどそれは、ニルズヘッグの元まで届かない。
「決して後ろへは通さん」
――此れ以上の傷なぞ付けさせて堪るか、と。
嵯泉が護るべく振るった刃に叩き落されたから。
「如何な言葉を繰ろうと、蘇った時点でお前自身が其れ等を汚した。既に花嫁の白なぞ似合わん、自身の赤で染まるがいい」
刹那、金に光弾く琥珀を躍らせ、そう花嫁になり損ねた過去の化身へと嵯泉が再び斬撃を見舞い重ねれば。
ニルズヘッグも花嫁へと瞳を向け、そして紡ぐ。
「悪いが結婚式は迎えさせてやらないよ。骸の海の底でゆっくり結婚すりゃあ良いさ」
……相手だって、どうせそっちにいるのであろう? って。
そんな現実を叩きつけられても、ふるふると首を横に振る花嫁。
『何を言ってるの、挙式は明日よ!』
けれど、ふたりは知っている。
彼女が夢を叶えることなんて、もうできないことを。
……だから。
「来ない明日へとしがみ付いた処で何も齎されはせん」
――在るべき場所へ還るがいい。
もう傍迷惑な夢を見るのは、終わりの時間。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黄葉・契次
【フラン(f25843)と】
俺の方はただの死体で、生きてるのはフラン一人
…敵がそう思ってくれるならやりやすい
倒れたままタイミングを窺い
フランが本格的に襲われる直前に起き上がり、自分の喉に刺さっていたナイフを敵に投げつけて戦闘に割り込む
よう、どこまで演技かわからんぐらいの名演技だったぜ、フラン
刺されて何とも思ってないのかって?元々そういう計画だったからな
頑丈なだけが取り柄の「一度死んだ怪物」に、出来る事をしただけだ
フランを庇う様に立ち、【デッドマンズ・スパーク】使用
腕だのなんだの多少ぶっ壊れても、フランが治してくれるんだろ?
だったら出し惜しみは無しだ
兼石・風藍
【黄葉(f25437)と】
洗脳されたままのふりをして、採取しておいた黄葉の血を恭しく差し出し
会話で時間を稼ぐ
僕の血も欲しいって?随分欲張りな事を仰る
――やあ、やっとお目覚めかい?僕の怪物。
少しばかり危ない所だったぞ
死体だと思ったかい?
種も仕掛けもないよ、間違いなく僕はあれの喉を刺した
それぐらいでは死なない、ってだけだ
…彼は、僕が蘇らせた怪物なのさ
黄葉は僕の実験体、僕がどう扱おうが勝手だ
それは演技でもなんでもない、僕の本心だとも
だがそれを「言わされた」「やらされた」のは気にいらない
黄葉に【ギタギタ血まみれ外科手術】使用し、治療・強化を重ねる
ああ、いくらでも治してやる。好きなだけ暴れろ!
挨拶に現れた花嫁は、上機嫌であった。
これまで散々、香水にするための来客の血を採取できなかったのに。
「この、花嫁に相応しい赤を貴女に」
『まぁっ、素敵な赤!』
兼石・風藍(炎色反応・f25843)が差し出すのは、採取した血。
そこに倒れたまま動かない、黄葉・契次(牙折りクロムイエロー・f25437)の赤。
洗脳された赤から献上された血のいろに、花嫁は嬉しそうにはしゃぐけれど。
でも――欲しいのは、赤の血だけではない。
『私はね……青の血も欲しいの。だから、自分で自分の血を採って、私に頂戴』
花嫁はそう笑んで、まだ洗脳状態から解けていない様子の風藍へと、そうお強請りを。
そんな言葉に、風藍は藍色の瞳を細めて。
「僕の血も欲しいって? 随分欲張りな事を仰る」
『自分でやれないなら……じゃあ、私がやってあげる。ねぇ、どうかしら?』
花嫁が問うと同時に、手にしたブーケから風藍へと放たれんとするは、風の渦と殺傷力を備えた花弁。
けれど――ブーケの花弁よりも早く。
『……!?』
花嫁目掛け投擲されるは、1本の鋭利なナイフ。
そしてすかさず割り込んできたその姿を見て、花嫁は驚いたように声を上げる。
『どうして、喉を刺されて死んだんじゃ……』
風藍が襲われる直前に起き上がり、自分の喉に刺さっていたナイフを投げつけたのは、契次であった。
驚く花嫁を後目に、契次は風藍へと視線を移して。
「よう、どこまで演技かわからんぐらいの名演技だったぜ、フラン」
「――やあ、やっとお目覚めかい? 僕の怪物」
……少しばかり危ない所だったぞ、と。
視線と言葉を返しつつ、契次へと肩を竦めてみせる風藍。
そして、ふっと笑んで、驚く花嫁へと続ける。
「死体だと思ったかい? 種も仕掛けもないよ、間違いなく僕はあれの喉を刺した。それぐらいでは死なない、ってだけだ」
……彼は、僕が蘇らせた怪物なのさ、って。
喉はぶっ刺したけれど、死なない。
種や仕掛けや魔法などではない、それは至極単純なこと。
そして自分を見る花嫁に、契次も口を開く。
「刺されて何とも思ってないのかって? 元々そういう計画だったからな」
それは――頑丈なだけが取り柄の「一度死んだ怪物」に、出来る事。
(「黄葉は僕の実験体、僕がどう扱おうが勝手だ」)
それは演技でもなんでもない、風藍の本心。
けれども、何が気に入らないのかと言えば――それを「言わされた」「やらされた」ということ。
だから、風藍は医療ノコギリをもって、契次に外科手術を施す。
己の前へと立つ自分だけの実験体へと、治療と強化を重ねるために。
刹那、契次がぶっ放すのは、膨大な電流を帯びた強烈な一撃。
その威力の大きな衝撃の代償は、片腕。
けれども片手を代償にすることに、契次に躊躇いは一切ない。
だって、契次は知っているから。
「腕だのなんだの多少ぶっ壊れても、フランが治してくれるんだろ?」
そして、返ってくる答えも。
「――ああ、いくらでも治してやる。好きなだけ暴れろ!」
その予想通りの言葉に――だったら出し惜しみは無しだ、と。
『……!』
契次は花嫁へと容赦なく叩きつける。ご祝儀代わりの、膨大な電流の一撃を。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シン・クレスケンス
☆
アドリブ歓迎
ツキは正気に戻りましたが、ツキも僕もまだ真の姿を保ったままのようです。
「...招待主がお出ましのようだぜ、シン」
と低く唸る巨狼の姿のツキ。
「僕は先程のような状況になり得る【覚悟】を持って、彼を従えています。絶望や驚愕の無いあかいろはあなたには物足りないかも知れませんね」
鋭い牙や爪、刃に変化させた尾で攻撃するツキと連携。
【破魔】の力を込めた詠唱銃で銃撃しつつ、『強酸性の液体』は家具の陰に身を隠す、落ちているものを盾にする、銃弾で紫陽花を弾き飛ばす等してオブリビオンに近付きます。
近付いたら、剣に変化させた右腕で急所を狙って攻撃。敵の攻撃は左手のビームシールドで防いで弾きます。
ピクリと、いち早く耳を揺らし反応を示したのはツキ。
そんなツキは先程までと同じく、闇色を纏う巨狼の形状を保っていて。
それに呼応するかのように、シン・クレスケンス(真実を探求する眼・f09866)の右腕も同じ闇色に変化し、瞳も金色のまま。
ただ、つい今までと違うのは――洗脳されていたツキが、正気を取り戻しているということ。
そして鍵が回る音に続き、扉が開かれれば。
――……招待主がお出ましのようだぜ、シン。
そう低く唸る巨狼。
宴の主催者――花嫁の格好をしたオブリビオンは、ふたりへと訊ねる。
『赤と青はいかがでした?』
シンはその問いに、はっきりとこう答えを返す。
「僕は先程のような状況になり得る覚悟を持って、彼を従えています。絶望や驚愕の無いあかいろはあなたには物足りないかも知れませんね」
刹那、花嫁へと見舞うのは、ご祝儀や祝いの言葉では決してなく。
ツキが振るう、鋭い牙や爪、刃に変化させた尾。
そんなツキと連携し、呼吸を合わせて。
『……くっ!』
シンが構えるのは、破魔の力を込めた詠唱銃。
その引き金を引き、ツキの鋭撃と同時に銃弾を浴びせながらも。
紫陽花から放たれた強酸性の液体を、部屋に飾られた豪華な家具の陰にすかさず身を隠し躱して。
床に転がっている飾られていた盾で防いだ後、シンはツキと共に地を蹴り接敵する。
『……!』
花嫁が手に握る紫陽花を、銃弾と刃の尾で弾き飛ばしながら。
そして――ツキと同時に、反撃の一撃を。
左手のビームシールドで放たれた液体を防いで。
剣へと変化させた右腕で、容赦なく狙い穿つは、敵の急所。
大成功
🔵🔵🔵
森宮・陽太
【敬輔(f14505)と】
アドリブ大歓迎
一度真の姿解除
突剣とナイフにした得物(二槍)を手にし待ち構え
花嫁が口を開く前に先制口撃
よぉ、趣味悪い花嫁さんよ
目いっぱいあかに染まる状況を楽しんだか?
なら、今度はてめえをあかに染めてやるよ
真に排除すべき「敵」はてめえだ!
再度真の姿解放
白のマスケラを被り無表情無感情に
同時に指定UC発動、無敵の漆黒鎧を纏う
最初は俺が防御役だ
精一杯口で挑発して無敵鎧を信じて受けるしかできんが
敬輔が背後に回る時間が稼ぐのが狙い
敬輔に花嫁の気が向いたら暗殺者たる俺の本領発揮
「闇に紛れる」で気配を消し
「ランスチャージ、暗殺」で背後から首筋を一突き
てめえの願いは叶えさせねえよ
館野・敬輔
【陽太さん(f23693)と】
アドリブ大歓迎
2章の戦闘で傷だらけ
黒剣抜刀状態で待ち構え
…待っていたぜ、花嫁
飲み物の味か?
ああ、飲む人のことを全く考えていない味だ(挑発)
生憎だが、オブリビオンを祝福するような優しさは持ち合わせてなくてな
過去に囚われ蘇った時点で幸福に包まれる明日は絶対来ない
だから黙って骸の海へ還れ
ご祝儀は貴様自身のあかの色だ
僕が攻撃、陽太さんが防御に役割変更
陽太さんが花嫁の攻撃に耐えている間に「忍び足、闇に紛れる」で背後に回り
「先制攻撃、早業、2回攻撃」+指定UCで徹底的に全身を斬り刻む!
花嫁が僕に攻撃するなら「武器受け、オーラ防御」で全力防御
甘いな、攻撃も防御もお手の物だ
先の戦闘で、容赦なく向けられた激しい攻撃をその身に受けて。
致命傷ではないが、沢山の傷を負った館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)。
けれど、抜刀状態の黒剣を握り、森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)と共に待ち構える。
「……待っていたぜ、花嫁」
扉を開きやってきた、花嫁のことを。
そして、問いかけんとする花嫁よりも先に。
一度真の姿を解除し、突剣とナイフにした二槍を手にし待ち構えていた陽太が、すかさず言い放つ。
「よぉ、趣味悪い花嫁さんよ。目いっぱいあかに染まる状況を楽しんだか? なら、今度はてめえをあかに染めてやるよ」
――真に排除すべき「敵」はてめえだ! と。
それから陽太が再び白のマスケラを被り、無表情無感情な真の姿を再度解放すれば。
その身に纏うは、想像から創造した無敵の漆黒鎧。
そして花嫁は、ふたりにこう問う。
『赤と青のお味はいかがだったかしら?』
敬輔は楽しそうに笑む花嫁に、真っ直ぐに視線を向けて。
はっきりと、挑発する様に返す。
「飲み物の味か? ああ、飲む人のことを全く考えていない味だ」
それに生憎、オブリビオンを祝福するような優しさは持ち合わせてなどいない。
あげられるとすれば、それは。
「過去に囚われ蘇った時点で幸福に包まれる明日は絶対来ない。だから黙って骸の海へ還れ」
――ご祝儀は貴様自身のあかの色だ、と。
『まぁ、ご祝儀をくれるの? じゃあ私もお返しするわ』
そうふっと不敵に花嫁が笑んだ瞬間、陽太目掛けて放たれるのは、棘を持つ結婚指輪だったもの。
陽太は口で挑発しつつも、無敵鎧を信じて敵の攻撃をその身に引き受ける。
けれど、それはただ闇雲に受けているわけではない。
その隙に、足音も立てず闇に紛れ、素早く敵の背後へと敬輔が回り込んだ瞬間。
『……くっ!』
先手を取る様な素早い早業から繰り出す連撃を、敵へと叩き込まんと立ち回る敬輔。
刹那、右の青の瞳が輝けば、握る刃で徹底的に花嫁の全身を斬り刻まんと斬撃を放つ。
そんな敬輔の攻撃を受けつつ、咄嗟に振り返った花嫁が紫陽花から液体を放ってくるも。
「甘いな、攻撃も防御もお手の物だ」
握る刃でそれを受け払い、敬輔は守りの気を纏って凌ぐ。
そして敬輔が背後に回る時間稼ぎをしていた陽太が、今度は暗殺者たる本領を発揮。
『な……っ!』
敬輔と入れ替わりで攻勢に転じて。
その白い首筋を狙い、鋭利な一突きを繰り出す。
――てめえの願いは叶えさせねえよ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
佐那・千之助
クロト(f00472)の頰の血を指で浚う
…謝ってくれるな
護るものを傷付けた痛みと共に、血を飲み下す
(消費した魔力を血で補填
長く、人に言えぬ願いをよすがとした身
いっそ狂れた方が…という思いも知らぬでは…
夢に囚われた花嫁を不憫と思う
願いの明日は果てた
できることは、もう赤しか映せぬ瞳を
静かに下ろして頂くことだけ
彼の餞が咲くと同時、踏み込み
宝石の追尾に剣閃重ね、逃げ難い角へ追いやる
酸は上着を投げて粗方防ぐ
飛沫はオーラ防御を固めて弾き
黒剣に炎滾らせ、UC
…きっと、幸せな花嫁でいっぱいの平和な世界にするよ
よくない
私の大事なものなので
っ…そんな意味じゃない…と
そんな顔を見たら言えぬではないか
やっぱりずるい
クロト・ラトキエ
千之助(f00454)へ、ごめんと零すのは、
己よりも傷付いて見えたから。
明けぬ夜の下、夢叶える事は、
想うひとと添い遂げる事は、
いたく難いのかもしれない。
…けれど僕は、独善故。
笑って迎え、申しましょう。
Good to see you, the bride.
楽しき宴に感謝を。
青も中々のお味でしたが…失礼。
オブリビオンに捧ぐ持ち合わせは無くて。
僕はきっと、君の『問い』への答えも持たない。
幸せの、途上だから。
だから君が『質す』間、
花弁が赤のいろを散らす間。
餞のUC…
失くした者の業、奪う者の果を
――君へ。
シルバーに血の紅。
…ま、いいか。
って服の話でしたが…
『君の』大事な『もの』
笑み綻ぶ。
いいな、その響き
いくら刃を向けられても、この身に鮮血の跡が走っていようとも。
それよりも、もっと痛いことがある。
――ごめん、と。
そうクロト・ラトキエ(TTX・f00472)が零したのは……眼前の彼が、自分よりも傷付いて見えたから。
そんなクロトへと、佐那・千之助(火輪・f00454)はその手を伸ばす。
「……謝ってくれるな」
己の手でつけてしまった彼の頬の赤を、指で浚うべく。
そして千之助は消耗した魔力の補填するべく、赤き血を飲み下す。
護るものを傷付けた痛みと共に。
もうすぐ、この宴の招待主である花嫁がやって来るだろうから。
長く、人に言えぬ願いをよすがとした身。だから、分かるところもあるのだ。
「いっそ狂れた方が……という思いも知らぬでは……」
だから千之助は不憫と思う。夢に囚われた花嫁を。
(「明けぬ夜の下、夢叶える事は、想うひとと添い遂げる事は、いたく難いのかもしれない」)
クロトもそう心の内で思うのだけれど。
……けれど僕は、独善故。
笑って迎え、申しましょう、そう紡げば。
不憫には千之助も思うのだけれども。
(「願いの明日は果てた。できることは、もう赤しか映せぬ瞳を、静かに下ろして頂くことだけ」)
でも、自分達がやるべきことは違えない。
そして――不意に耳に響くのは、鍵が静かに回る音。
開いた扉からひらりドレス躍らせ現れた花嫁は、客人である二人へと問う。
『赤と青のお味はいかがだったかしら?』
そんな宴の主催者に、クロトは青の瞳を細め紡ぐ。
「Good to see you, the bride. 楽しき宴に感謝を」
それから、投げられた問いへと答えんとするけれど。
「青も中々のお味でしたが……失礼。オブリビオンに捧ぐ持ち合わせは無くて」
それに、思うから。
(「僕はきっと、君の『問い』への答えも持たない」)
――幸せの、途上だから、って。
だから君が『質す』間、花弁が赤のいろを散らす間……業果の餞を。
失くした者の業、奪う者の果を――君へ。
『……!』
刹那、質すという不可視の外的要因を感じたクロトが喚ぶのは、身代わりの水晶群。
それは干渉してきた花嫁を追従し、攻撃を向けて。
クロトが餞咲かせると同時に、千之助は踏み込んで。
逃げ難い角へ追いやるべく、宝石の追尾に剣閃重ねる。
そして咲き誇る紫陽花から強酸性の液体が放たれるも、投げた上着でそれを遮り、上がる飛沫も護るべく纏う気を漲らせ弾いてから。
「……きっと、幸せな花嫁でいっぱいの平和な世界にするよ」
――闇にこそ咲きまされ。
バージンロードではないけれど……正しい道行きを照らすかのように、千之助は炎華を灯す。
敵の動きを敵自身の生命力をもって半減させ、速さが格段に増した炎滾る黒剣の連撃を見舞う。
『く……!』
そんな、追従する水晶群と燃え盛る猛攻を受けて。
思わず声を上げた花嫁を後目に、クロトはぽつりと呟きを。
「シルバーに血の紅。……ま、いいか」
けれど長い陽光のいろ纏う髪を揺らし微かに首を横に振って、千之助は紡ぐ。
「よくない。私の大事なものなので」
「って服の話でしたが……」
クロトは数度瞬かせたその青の瞳をふっと細め、口にする。
「――『君の』大事な『もの』」
そして笑み綻ばせ、咲かせるのだった。
――いいな、その響き、って。
そして。
「……っ」
そんな意味じゃない……と、口にしようとした千之助だけれど。
(「そんな顔を見たら言えぬではないか」)
咲き誇る眼前の笑みを見つめ、漏れるのは小さな溜息ひとつ。
それから代わりに、こう紡ぐ。
――やっぱりずるい、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神埜・常盤
エンジ君/f06959
あァ、目は覚めたケド
未だ世界が回ってる……
はは、妬く必要なんてないさ
賢い君の一番の理解者は君なのだから
はあ、成る程……
賢い君は六月の花嫁なのか
幸せの中で散れたことを願うばかり
はは、遍くご婦人の夢を穢すのはいけないよねェ
持成しとご招待に感謝を、花嫁殿
赤を戴いたけれど、なかなか美味だったとも
エンジ君は青、美味しかった?
あァ、けれど――
もっと鮮烈な赤がいいなァ
形代に生命力を吸収させよう
ふらつきながらも花嫁に形代を嗾ける
エンジ君に合わせつつ
マヒの凝視で敵の動きを封じた隙に
肉薄して影縫で串刺しを
さァ、君の時間を今度こそ
此処で縫い留めてあげよう
躯の海に抱かれて眠り給えよ
エンジ・カラカ
トキワ(f04783)
アァ……目は覚めたカ?
レディを傷つけないのは流石シンシ
でも賢い君にも気に入られたみたいで妬けるなァ……。
妬ける妬ける
薬指の傷を噛み切って
お腹を空かせた君に食事を与えよう
ちりちりと指輪が痛むのは、アァそうだそうだ
トキワ、イイコトを教えてあげよう
賢い君は六月に花嫁になって
十七日に散ったのサ
だから今はご立腹ー、怖いネェ
青い味もイイケド、コレも赤が欲しい
頑張ったら賢い君が赤い食事を分けてくれる
トキワにもあげようそうしよう
情熱的な鱗と毒の宝石と糸で縛り付けて
花嫁の動きを止める
動きを止めたらトキワに合図
アァ、生き物は美味いからなァ……。
真っ赤なジュースは飲めるカナー
薄らと改めて瞳を凝らせば、見慣れぬ豪華な部屋の風景と。
「アァ……目は覚めたカ?」
……レディを傷つけないのは流石シンシ、って。
ひょこり覗き込むように自分を見つめるエンジ・カラカ(六月・f06959)の姿。
そんなエンジの声に、神埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)は頷きつつも、一瞬小さく頭を抱えて。
「あァ、目は覚めたケド。未だ世界が回ってる……」
「でも賢い君にも気に入られたみたいで妬けるなァ……」
妬ける妬ける、そう紡ぐ彼に笑って返す。
「はは、妬く必要なんてないさ」
――賢い君の一番の理解者は君なのだから、って。
そしてエンジは、お腹を空かせた君に与えてあげる。
薬指の傷を噛み切れば滴る、赤のいろに。
それからふと気づく……ちりちりと指輪が痛むことを。
エンジはその理由を思い当たり、常盤にも教えてあげる。
「アァそうだそうだ。トキワ、イイコトを教えてあげよう」
――賢い君は六月に花嫁になって、十七日に散ったのサ、って。
その言の葉に、常盤は何処か納得した様に零す。
「はあ、成る程……賢い君は六月の花嫁なのか」
――幸せの中で散れたことを願うばかり、と。
そしてそう、賢い君は六月の花嫁なのだから。
「だから今はご立腹ー、怖いネェ」
「はは、遍くご婦人の夢を穢すのはいけないよねェ」
そっと肩を竦めてみせるエンジに、常盤は琥珀色の瞳を細める。
幸せを知る前に散った花嫁の訪れを、待ちながら。
そんな花嫁も、微か響く開錠の音と共に入場を。
常盤は紳士的に、まずは主催者に礼を。
「持成しとご招待に感謝を、花嫁殿」
この酷い宴と持て成しに。
そして花嫁は、ふふっと笑みながら問いを投げる。
『赤と青を飲んでみて、いかがだったかしら?』
「赤を戴いたけれど、なかなか美味だったとも」
その声に、常盤は笑んで返した後。
隣へと視線を映し、微かに首を傾け訊ねてみれば。
「エンジ君は青、美味しかった?」
「青い味もイイケド、コレも赤が欲しい」
そう返るエンジの言葉に同意する様に頷いた後、続ける。
「あァ、けれど――もっと鮮烈な赤がいいなァ」
形代に生命力を吸収させよう、と。さらに生やすは、紅の目玉ひとつ。
そして瞳を一瞬だけ爛々と、欲する赤を思い紡いだ常盤の声に。
エンジは思いついたようにこくこく頷く。
「頑張ったら賢い君が赤い食事を分けてくれる」
その赤を……トキワにもあげようそうしよう、って。
だからその為には、頑張らないといけないから。
エンジは賢い君へと紡ぐ。
――賢い君、できるよなァ……。
『……ッ!』
花嫁を縛らんと飛び交うは、情熱的な鱗と毒の宝石と赤い糸。
そして花嫁の動きを封じれば、常盤へと合図を投げて。
エンジに合わせつつ、串刺しにせんと常盤は花嫁に形代を嗾ける。
ふらつきながらも、痺れる様な凝視で敵の動きを封じた隙に、肉薄して……黒き鉄のクロックハンドを以って。
「さァ、君の時間を今度こそ、此処で縫い留めてあげよう」
待ち侘びる明日が来ぬ花嫁に手向けの言の葉を――躯の海に抱かれて眠り給えよ、と。
『く……っ!』
そしてエンジは、飛沫く花嫁の赤を金の瞳にも舞わせながらも。
小さく舌なめづりをするように紡ぐ。
「アァ、生き物は美味いからなァ……」
――真っ赤なジュースは飲めるカナーって。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
浮世・綾華
オズ(f01136)と
綺麗な白、素顔隠す花
揺れる感情隠し穏やかに
――そっか。お前が
オズ
そっと手取り、慈鍵
動けるよーにだから。倒す為だ
己は止血程度
心配させないように
(傷つけた
しなくてもいい、怪我をさせた
心配をさせた――させている)
どうにもならない感情が次々に
分からなくて
分からなくなって
(俺は聖人じゃないから
どうだっていいんだ、本当は
誰かを助けるとか、そんなの)
いつも通りに笑って鍵刀を握る
(嗚呼、許せねえ
どんな想いを抱えてたとか
どう残酷に死んだとか、知るか
大切なのは、お前だ
…これ以上、傷ついてほしくないから
冷静、に――)
己の負傷も計算にいれよろけても鍵刀でバランス保ち
花弁なら炎で燃やせばいいと
オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と
取られた手を柔く握り返す
力が入れづらいのもあるけど
だいじょうぶだよって伝えたくて
ありがとうっ
(アヤカの癒しを断らないって
前からきめてる
だから、いいんだ
理由を説明しなくても
アヤカはやさしいから
わたしがケガしてるほうが、つかれるよりも――)
アヤカも、と伝えれば
自分にも使ってくれたことがわかってほっとする
およめさん?
血がほしいなら
狙われるのはアヤカのほうだ
魔鍵を持って飛び込み攻撃
攻撃はUCで相殺
できる限りアヤカに向けられたものも
守りを固めるより
はやく倒した方がいい
そうしたらアヤカの手当てができる
おめでとうも笑顔もないなんて
結婚式はもっとしあわせなものでしょう
今度こそ、いい夢を
再び開いた扉から現れた花嫁が躍らせるのは、綺麗な純白。
咲かせる花は花嫁を飾ると同時に、その素顔を隠す。
そして花嫁は問うけれど。
『赤と青、お味はいかがだったかしら?』
「――そっか。お前が」
浮世・綾華(千日紅・f01194)が落とすのは、穏やかな響き。
揺れる感情を隠した声。
それから、オズ、とその名を呼んで。
「動けるよーにだから。倒す為だ」
そっと手を取ったオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)へと慈鍵の癒しを施しながらも、綾華はそう告げておく。
オズが誰よりも優しい事を知っているから。癒しの代わりに疲労する自分に、彼が思うことを見越して。
そんな綾華の手を、オズは柔く握り返す。
力が入れづらいのもあるけど……それよりも、伝えたくて。
だいじょうぶだよって。
それに、オズは前から決めているから。
綾華から与えられる癒しを断らない、って。
(「だから、いいんだ。理由を説明しなくても」)
オズもやっぱり知っているから。
綾華は優しいから。
(「わたしがケガしてるほうが、つかれるよりも――」)
――つらくないほうがいい。
オズはそう思うから、だから綾華の癒しに笑ってこう返すのだ。
「ありがとうっ」
けれど、やはり心配だから……アヤカも、と伝えれば。
止血程度に自らにも癒しを施す彼に、オズはほっとする。
己の傷を綾華が治すのは、そんな彼を心配させないように。
けれど、彼が自分にいつも通り優しいからこそ。
(「傷つけた。しなくてもいい、怪我をさせた。心配をさせた――させている」)
ふつふつと止めどなく次々と湧き上がるのは、どうにもならない感情。
……分からなくて。
……分からなくなって。
けれど無理矢理にでも、自分に言い聞かせる。
(「俺は聖人じゃないから。どうだっていいんだ、本当は。誰かを助けるとか、そんなの」)
だから、綾華は鍵刀を握る。いつも通りに笑って。
――嗚呼、許せねえ。
「どんな想いを抱えてたとか。どう残酷に死んだとか、知るか」
思わず零れ落ちるのは、本当のこと。
そしてふと顔を上げ、自分を見守る様に見つめる青へと思い巡らせる。
――大切なのは、お前だ、と……これ以上、傷ついてほしくないから。
それからオズは、綾華から花嫁へと視線を向けて。
魔鍵を持って飛び込み、衝撃を放つ。
(「血がほしいなら、狙われるのはアヤカのほうだ」)
だから、できる限り彼に向けられたブーケの花弁や風の渦も、見つめるそのままをぶつけて相殺して。
『ねぇ頂戴、私を飾る赤を』
ご祝儀を強請るかの様な花嫁の声に一瞬、微かに眉を顰めるも。
……冷静、に――。
己の負傷も計算済、よろける足取りも握る鍵刀で支えて。
バランス保ちながらも綾華は、舞う紫陽花の花弁を全て、激しい赤へと塗り替えんとする。
――花弁なら炎で燃やせばいい、と。
そんな熾烈な赤の花弁が燃え盛り灰となる中、オズは襲い来る花弁の只中に再び踏み込む。
(「守りを固めるより、はやく倒した方がいい」)
――そうしたらアヤカの手当てができる、と。
そして眼前の花嫁へと、お祝いではないけれど。
贈り送る言の葉を、オズは紡ぐ。
「おめでとうも笑顔もないなんて、結婚式はもっとしあわせなものでしょう」
――今度こそ、いい夢を、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
憂世・長閑
クラウン(f03642)と
その手を握れば癒しの光
自分へも施すのは、次へと向かう為
(オレは知ってる
彼がオレに刃を向けたのも
オレが彼を傷つけなければならなかったのも
オレたちのせいじゃなくって
でも、オレたちが選んだこと
こんなことで苦しまないで
君が立ち向かってくれたおかげで救われるものはあっても
失ったものなんてないから――)
盾を構えて、クラウンを、自分を護る
その代わり、攻撃はよろしくな
うん、だってね。オレたち万全じゃないから
一緒に戦おう
クラウンがいてくれて良かった
あの子を倒そう
そうしたら、ぜんぶ終わるよ
(明日は何して遊ぼうって手を繋いで
前と同じように――
前よりもっと凛とした君と
心から笑い合えるように)
クラウン・メリー
長閑(f01437)と
ありがとう
光に包まれて傷が癒えていくのがわかる
温かい。思わず零れた言葉
もしかしたらもっと良い方法があったのかもしれない
でも俺達が決めて選んだ道
後悔はない、そう思う
黒剣を構えて今度こそ長閑を守る
わかった、俺が攻撃するから援護よろしくね
うん、一緒に
俺も。なんていつもの笑顔を彼に向ける
長閑を信じてたからここまで来れた
それは俺にとってとても大事なことで
前の俺だったらもっと悲しんでたかもしれない
一度だけ大切な人に刃を向けることをしてしまったから
ずっと後悔していたから
あの子ももしかしたら……
でも、悲しいことはもうおしまいにしよう
過去に囚われないで
手をきゅっと繋ぎ返して
なにして遊ぼっか
――温かい。
自分をぎゅっと握って包んでくれる、憂世・長閑(愛し秉燭・f01437)の癒しの光。
その優しくてあたたかい光のおかげで、傷が癒えていくのが分かるから。
「ありがとう」
クラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)の口から、思わず自然と零れたそんな言の葉。
そして彼の次に、長閑は己にも癒しを施す。
それは、次へと向かう為に。
そんな長閑を見つめながら、クラウンはやはり、ふと考えてしまう。
(「もしかしたらもっと良い方法があったのかもしれない」)
けれど――後悔はない、そう思う。
自分が、いや、自分達が決めて選んだ道なのだから。
長閑もクラウンへと視線を返し、心にその思いを描く。
(「オレは知ってる。彼がオレに刃を向けたのも、オレが彼を傷つけなければならなかったのも」)
……オレたちのせいじゃなくって、でも、オレたちが選んだこと。
だから、長閑は彼に願うのだ――こんなことで苦しまないで、って。
(「君が立ち向かってくれたおかげで救われるものはあっても、失ったものなんてないから――」)
だってこうやって今、ふたり手を握れていて。
優しいあたたかさは、少したりとも失われてなんていない。
そして今度は、今度こそ、守るために。
ふたりはその手に、剣と盾を取る。
盾を構え、クラウンを、自分を護るから。
「その代わり、攻撃はよろしくな」
長閑がそう言えば、すぐにこくりと頷き返すクラウン。
「わかった、俺が攻撃するから援護よろしくね」
そんな彼に、長閑は薄紅の瞳を細める。
「うん、だってね。オレたち万全じゃないから」
一緒に戦おう、って。
「うん、一緒に」
そして、クラウンがいてくれて良かった、と告げられれば、俺も、なんて。
彼に向けるのは、いつもの笑顔。
(「長閑を信じてたからここまで来れた」)
それはクラウンにとっては、とても大事なことで。
……前の俺だったらもっと悲しんでたかもしれない、そう思う。
(「一度だけ大切な人に刃を向けることをしてしまったから。ずっと後悔していたから」)
けれど、大切な人に再び刃を向けたけれど……でも、あの時とは、違う。
そして刃を向けるのは。
『赤と青、お味はどうだった? 明日は私の晴れの日なの』
「あの子を倒そう。そうしたら、ぜんぶ終わるよ」
長閑の声に頷きながらも、クラウンは眼前の花嫁を見遣り呟く。
あの子ももしかしたら……って。
――でも。
「悲しいことはもうおしまいにしよう」
クラウンは長閑の盾に護られながらも、握る刃を花嫁へと迷わず振るう。
……過去に囚われないで、って。
そんな彼へと、長閑は再び手を伸ばして、繋いで。
そして、笑って紡ぐ。
「明日は何して遊ぼう」
前と同じように――いや、前よりもっと。
(「凛とした君と、心から笑い合えるように」)
そう心に思いながら。
クラウンもその手をきゅっと繋ぎ返して。
「なにして遊ぼっか」
やっぱり温かい長閑へとそう、笑って返す。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎
真の姿を解放
ようやくお出ましかよ、悪趣味女
まっ、ああなるって承知の上で来たケドな
……予想以上に腸煮えくり返って仕方がねェんで
今からテメェをブチ殺すわ
あァ、お目覚めか?honey?
ちょーっと無理、つかガチで無理
あの女を黒焦げにして、ブッ壊しても足りねェくらい
【地形の利用】をして
柱や内装の影を見つけ次第、弾丸の雨と【闇に紛れる】
【だまし討ち】の勢いで、UC:紅宴を発動
首を刈り取れ、刎ねちまえ
そのまま灼き尽くされて、とっとと還れってんだよ!!!
はー……
悪ィ、マジで頭に血が上ってた……ん、ゴメンね
ゆずのコトになると沸点低くなっちゃうね、あはは
月待・楪
氷月(f16824)と
アドリブ等歓迎
ア゛ー…よーやく治まった
予想以上に効くもんだな
つーか頭いてェ…いつもより反動酷いか…?
え、おーい、望…?
お前何ガチギレしてんだよ
え、なに、真の姿解放するくらいなワケ?
仕方ねェな、付き合ってやるか
真の姿で、な?
今夜はアイツの為の【Villains party】だ
【乱れ撃ち・制圧射撃】による【援護射撃】
攻撃は【念動力】で【カウンター】
【2回攻撃】でもう一度乱れ撃ち
俺の雨を潜り抜けられんのは望だけだからなァ?
伸びた髪を手にすくって髪に口付けを
OK.darling
頭は冷えたか?
あんまりアバズレばっか見つめんなよ、妬けるだろ?
…く、はは
それだけ愛されてると思っとく
再び開いた扉から現れた花嫁こそ、ことの元凶。
そして氷月・望(Villain Carminus・f16824)をブチ切れさせた張本人。
『赤と青、お味はいかがだった?』
そうくすりと笑む花嫁に、望は問いの答えではない言の葉を返す。
「ようやくお出ましかよ、悪趣味女」
刹那、ふわり宙に靡くのは、真の姿と成って伸びた長い髪。
望は改めて花嫁へと視線を投げ、そして言い放つ。
「まっ、ああなるって承知の上で来たケドな……予想以上に腸煮えくり返って仕方がねェんで」
――今からテメェをブチ殺すわ、って。
そんな完全にキレている望の隣で。
「ア゛ー……よーやく治まった。予想以上に効くもんだな。つーか頭いてェ……いつもより反動酷いか……?」
月待・楪(Villan・Twilight・f16731)は、くらり回る視界と痛みの響く頭に、そう零しつつも。
「あァ、お目覚めか? honey?」
そう声を掛ける望の様子を見て、思わず瞳を瞬かせる。
「ちょーっと無理、つかガチで無理」
「え、おーい、望……? お前何ガチギレしてんだよ」
「あの女を黒焦げにして、ブッ壊しても足りねェくらい」
「え、なに、真の姿解放するくらいなワケ?」
眼前の怒り心頭ガチギレしている望は、真の姿。
けれど、望がそれを解放するのならば。
「仕方ねェな、付き合ってやるか」
瞬間、楪の艶やかな黒髪も流れるように伸びて靡く。
……真の姿で、な? って。
そして再び構えたカルタとガランサスの引き金を引く。
それは今度は、愛しいhoneyを殺す為ではなく。
「さァ楽しいパーティーの時間だ」
――今夜はアイツの為のVillains partyだ、と。
念動力で操る紫電と蒼炎の弾丸を乱れ撃ち、制圧射撃による援護に徹する楪。
花嫁も、握る紫陽花から強酸性の液体を放つべく的確にふたりに狙いを定め、放ってくるけれど。
『……!』
楪はそれを、念動力による反撃の一撃で返してから。
「俺の雨を潜り抜けられんのは望だけだからなァ?」
再び構えた銃から、紫に奔る雷と燃ゆる蒼炎の弾丸を雨嵐の如く繰り出す。
そして楪の成す弾丸の雨と闇に紛れ、室内の柱や内装の影を利用して。
闇の中で、狙い見据える紅の瞳が輝く。
――首を刈り取れ、刎ねちまえ。
『……ッ、!』
「そのまま灼き尽くされて、とっとと還れってんだよ!!!」
縦横無尽に飛ぶ赤雷を纏う刃で、悪しき花嫁を斬首刑にするかの如く、感情のまま叩きつければ。
楪はそんな望に笑って。伸びたその髪をスッと手にすくい、落とす口付け。
「OK.darling 頭は冷えたか?」
――あんまりアバズレばっか見つめんなよ、妬けるだろ? って。
「はー……悪ィ、マジで頭に血が上ってた……ん、ゴメンね」
愛し気にくるりと髪に指を絡ませながら言った楪に、望はそう視線を返してから。
美しい黒髪靡かせる彼を見つめ、笑ってみせる。
「ゆずのコトになると沸点低くなっちゃうね、あはは」
そんな望の言の葉に、……く、はは、って。
楪も笑みを返しながら、もう一度愛しきその髪に口付けを落とす。
――それだけ愛されてると思っとく、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんと。
まだ頭がぼーっとします。
なんとなくですが、記憶はありますわね。
理由も思惑もあったとは言え、やはり気分は良くありません。
大鰐霊様もありがとうございます。
ここからは遠慮はいりませんよ。
風花さんの傷は機動力を奪っています。
対して、私の傷は大したことはありません。
攻撃をこちらに誘導しましょう。
こちらからの攻撃は全て大鰐霊様と風花さんに任せる形で。
大袈裟にメイスで殴り掛かれば無視は出来ないでしょう。
オーラでの防御で少しでも時間を稼ぎます。
「質問に答えなければ」相手の攻撃は私に集中し続けるはず。
平気です。こう見えて痛みには強いのですから!
折角のドレスはぼろぼろになりますけどね。
七霞・風花
ティーシャ(f02332)と
さて、事実上の連戦
こちらの羽は使い物にならず、ティーシャさんもまだふらふら
分が悪い事、極まりありませんが……
この血と。何より死んでも撃ちたくない一矢を撃たせた報い――受けてもらわねばなりません
本来なら飛んで躱せる強酸を、ドレスの生地で受けつつ切り離す
いずれ皮膚に触れそうだが……その前に倒せるか
むしろ厄介なのは風の渦
ただでさえ羽に傷を負っているのに、そこに相手が満足するまでの攻撃
羽が根元から引きちぎられかねない――つまりまず喰らってはいけない
そして次に
思考を回し、矢継ぎ早にあらゆる回答を重ねていくしか……!
狙うは必死の一矢
今度は先の潰れていない、正真正銘の矢
――中る!
くらりと、微かに揺れる視界。
「まだ頭がぼーっとします」
洗脳が解けたティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)は、そうふるりと頭を微かに振りつつも。
先程までのことを思い返してみる。
「なんとなくですが、記憶はありますわね」
……理由も思惑もあったとは言え、やはり気分は良くありません、と。
それから、洗脳されていた自分の足止めをしてくれた大鰐霊様に、ありがとうございます、と告げた後。
「ここからは遠慮はいりませんよ」
挨拶まわりに……いや、来客の血を欲する花嫁が姿を現す中、そう付け加えるティーシャ。
そんな花嫁を見遣りながら、七霞・風花(小さきモノ・f13801)は思考を巡らせる。
(「さて、事実上の連戦。こちらの羽は使い物にならず、ティーシャさんもまだふらふら。分が悪い事、極まりありませんが……」)
けれども風花は、敵へと真っ直ぐに向けた視線を外しはしない。
……この血と。何より死んでも撃ちたくない一矢を撃たせた報い――受けてもらわねばなりません、って。
そんな風花へと、ティーシャも目を向けて。
(「風花さんの傷は機動力を奪っています。対して、私の傷は大したことはありません」)
そうなれば、どう立ち回ればいいかはは明確。
『ねぇ、赤と青のお味はどうだったかしら?』
そう訊ねると同時に、巻き起こるは花弁と風の渦。
花嫁への攻撃は、全て風花と大鰐霊様に任せて。
ティーシャは敵の攻撃を、己へと誘導するべく動く。
ルビーで飾られた丈夫な樫のメイスを、大きく振りかぶって。
敵が己を無視できぬくらい大袈裟に殴りかかり、気をひきつける役を担って。
風花は攻撃を仕掛ける機会を窺いながらも、注意深く周囲を見回す。
(「むしろ厄介なのは風の渦。ただでさえ羽に傷を負っているのに、そこに相手が満足するまでの攻撃」)
それはすなわち、風花にとっては、羽が根元から引きちぎられかねない――つまりまず喰らってはいけない攻撃。
そして、投げられた問いに花嫁が満足いくまでそれは続くというが。
「思考を回し、矢継ぎ早にあらゆる回答を重ねていくしか……!」
敵に攻撃を撃たせる隙間を与えぬようにと、風花は気力を以って問いに答えんとするけれど。
守りの気を纏いながら、ティーシャは果敢に前に出る。
投げかけられた質問には、答えずに。
だって――「質問に答えなければ」きっと、相手の攻撃は私に集中し続けるはずだと踏んで。
連戦は少しだけふらついてしまうし、折角のドレスはボロボロになってしまうけれど。
「平気です。こう見えて痛みには強いのですから!」
紫陽花の花弁が襲いくる中でも怯まずに、ティーシャが再び握るメイスを花嫁へと叩きつければ。
『くっ!』
微かに状態が揺れた敵の隙をつき、風花は番えた矢を解き放つ。
狙うは、必死の一矢。
満を持して放たれたそれは、先程ティーシャに放ったものとは違って。
――中る!
今度は、先の潰れていない正真正銘の一矢。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルーチェ・ムート
イフ(f25344)と
おいたをし過ぎたね
同情の余地はないよ
あかとあおが好きみたいだから
たくさんあげる
紡ぐは呪いじみた奇跡
苦痛を与えるあおい雨を降らせよう
そう簡単に終わらせてあげない
ボクの大切な子が味わった痛みを倍返ししてやる
白百合の花弁はイフに纏わせ
少しでも傷付かないよう
赫縁の防御を外す
護りより攻撃力が欲しい
ボクの命を露わに
覚悟なんて有り余ってる
血鎖と赫縁で遠慮なく滅多刺し
四方八方、貫くよ
キミの好きなあか
たくさんどうぞ
あおの苦痛とあかの苦痛
どっちがお気に召したかな?
助けてくれてありがとう、イフ
謝るのはボクの方
怪我は…治すから
軽く抱き締め
ごめんね、今だけこうさせて
キミが生きてるって確かめたいんだ
イフ・プリューシュ
ルーチェ(f10134)と
きれいな白百合
まもってくれてありがとう
大丈夫
イフも一緒に戦うわ
ルーチェを苦しませたおかえしよ
カメリアにムスカリ、アマリリス、出ておいで
あなたに同情なんてしないし
彼女を傷つけたりもさせないんだから
さあみんな、あのこをつかまえて!
みんなを操って
逃げ道をふさぐように誘導するわ
ルーチェへの攻撃は、杖からの魔法の金糸で妨害を
イフは絶望なんてしない
だからあなたの望みは叶わないわ
糸を鋼線のように手繰って、敵を切り裂く
ごめんなさい、ルーチェ
傷つけたくなかった、はずなのに
苦しませてしまって
でもルーチェは叶えてくれた
だから、ありがとう
そっと抱きしめ返して
だいじょうぶ、ちゃんとここにいるわ
閉ざされていた扉が再び開き、白のドレスを躍らせながら。
花嫁はやはり、こう問いを投げかける。
『赤と青、お味はどうだったかしら?』
そうくすりと笑む花嫁に、ルーチェ・ムート(无色透鳴のラフォリア・f10134)はふるりと首を振る。
「おいたをし過ぎたね。同情の余地はないよ」
――あかとあおが好きみたいだから、たくさんあげる、って。
そんな咲き誇る白百合に、イフ・プリューシュ(Myosotis Serenade・f25344)はお礼を紡ぐ。
……きれいな白百合、まもってくれてありがとう、と。
そしてこくりとひとつ頷き、確りと紡ぐ。
「大丈夫。イフも一緒に戦うわ」
だって、ルーチェを苦しませたおかえしをしなきゃだから。
刹那紡がれるは、呪い………いや、それは呪い染みた奇跡。
ルーチェが降らせるのは、苦痛を与えるあおい雨。
『……!』
「そう簡単に終わらせてあげない」
ルーチェはそう紡ぎ、存分にあおを注いであげる。
――ボクの大切な子が味わった痛みを倍返ししてやる、って。
そしてもう、少しでもイフが傷つかぬ様にと。
白百合の花弁はイフに纏わせれば。
「カメリアにムスカリ、アマリリス、出ておいで」
イフは戦場におともだち達を喚んで。
「あなたに同情なんてしないし、彼女を傷つけたりもさせないんだから」
――さあみんな、あのこをつかまえて!
そう声を響かせ、おともだち達を解き放つ。
はらりと戦場を舞うのは、様々な花の花弁。
花嫁も掲げた紫陽花から強酸性の液体を飛ばしてくるけれど。
ルーチェはおもむろに緩く巻き付く『血』の紅の守りを外す。
……護りより攻撃力が欲しい。
ボクの命を露わに、と――覚悟なんて、有り余ってるから。
だから自分も、それ以上に相手も、あかのいろに。
『ぐ、う……!』
四方八方から花嫁を貫くは、真紅の鎖と靡く血の赤。
「キミの好きなあか。たくさんどうぞ」
放たれたあかで、遠慮なく滅多刺し。
ルーチェはあおだけでなく、あかもたくさんあげる。
そして揺らぐ花嫁に微かに口角を上げて。逆に、こう問う。
「あおの苦痛とあかの苦痛。どっちがお気に召したかな?」
それでも花嫁は、握る紫陽花から液体を飛ばさんとしてくるけれど。
『……!』
ルーチェへと飛ばされんとしたそれを妨害したのは、イフが掲げる金の杖から成された魔法の金糸。
その煌めきで彼女の事を守りながら、イフははっきりと花嫁へと紡ぐ。
「イフは絶望なんてしない。だからあなたの望みは叶わないわ」
そしてその金の糸を今度は、鋼線のように手繰って。
『……ぐ、っ!』
鋭利な煌めきが、花嫁の白のドレスをあかに染め上げる。
「助けてくれてありがとう、イフ」
そう礼を告げるルーチェに、イフはふるふると首を横に振って。
「ごめんなさい、ルーチェ。傷つけたくなかった、はずなのに。苦しませてしまって」
そう、謝りの言葉を紡ぐけれど。
それ以上に、伝えたい言の葉。
「でもルーチェは叶えてくれた。だから、ありがとう」
ルーチェはそんなイフに微笑んでから。
「謝るのはボクの方。怪我は……治すから」
そっと優しく、彼女の小さな身体を抱きしめる。
「ごめんね、今だけこうさせて」
――キミが生きてるって確かめたいんだ。
じわり感じる温もりに、ほっと安堵する様に瞳を細めて。
イフもルーチェを抱きしめ返し、そして笑み返す。
――だいじょうぶ、ちゃんとここにいるわ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロカジ・ミナイ
有/f00133
心臓の場所を撫でる
どうせ真似っこだ
鼓動の数は変わっちゃいねぇ
ひとつくらい持ってって良かったのに
邪魔だって?同感
花嫁ってのはそりゃもう綺麗で
これ以上の幸せはないってな頬っぺをして
過去も未来も、目の前に咲く花が全て肯定しちまう
「花嫁」っていう生き物がいりゃあ
ずーっと眺めてたいもんだけど
あれは一日だけの魔法、呪い
前と後はただの女
有ちゃんは着るなら何色の花嫁衣装だい?
僕は黒のタキシードか紋付袴かな
君も黒?美形に似合う色だね、同感
けども
僕は花を手折れなくってね
ヨロシクたのむよ有ちゃん
代わりに可愛い蛇を向かわせるから
白無垢より真っ白な鱗を見せつけておいで
カカカ!黒無垢着てりゃ良かったのにね
芥辺・有
ロカジ/f04128
おや、お出ましか
動けるかいロカジ 動けるね、大したことなさそうだし
たとえ心臓取ってたってピンピンしてそうだけどさ
何にせよ良かったよ、死ななくて
余計なモンは持ちたくないんだ
花嫁なんてもん、まともに見たことも大して無いんだけどね
ふうん、そんなもんか
それじゃこいつはずっと呪われてんのかね
幸せなこった……
……はあ?着ないけど
あそう、そうだね、いいんじゃないかい
なんて気のない返事をしつつ、紋付袴って何だっけなんて考えつつ
……まあ、何か着るなら黒でいい
汚れが目立たなくていいからね
血の垂れる杭を握り直す
それじゃせいぜい蛇には働いてもらうさ
うねる白色の合間を縫って花嫁の懐へ
悪いね、汚すよ
カチリと開錠の音が鳴り、開く扉。
そして宴の主催者でもある花嫁は問う。
『赤と青、お味はどうだったかしら?』
けれどそんな花嫁を、おや、お出ましか、と。
そうただ一瞥してから。
「動けるかいロカジ」
「どうせ真似っこだ。鼓動の数は変わっちゃいねぇ」
言った芥辺・有(ストレイキャット・f00133)に、ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)は心臓の場所を撫でてみせてから。
「動けるね、大したことなさそうだし。たとえ心臓取ってたってピンピンしてそうだけどさ」
……何にせよ良かったよ、死ななくて、と。
そう続けた有に、笑って返す。
ひとつくらい持ってって良かったのに、なんて。
けれど相変わらず気だるげに、有はこうお断り。
「余計なモンは持ちたくないんだ」
「邪魔だって? 同感」
肩を竦め、言ったロカジ自身も思わず同感。
そんな元気そうなロカジから、現れた花嫁へと有は視線を向けて。
「花嫁なんてもん、まともに見たことも大して無いんだけどね」
そう紡ぎながら、とりあえずその姿を瞳に宿してみる。
そんな彼女に、ロカジは教えてあげる。
「花嫁ってのはそりゃもう綺麗で、これ以上の幸せはないってな頬っぺをして。過去も未来も、目の前に咲く花が全て肯定しちまう。「花嫁」っていう生き物がいりゃあ、ずーっと眺めてたいもんだけど」
――あれは一日だけの魔法、呪い。
前と後はただの女、って。
眼前の花嫁は、花嫁の格好はしているけれど。
その幸せな生き物になれなかった、過去の化身。
「ふうん、そんなもんか。それじゃこいつはずっと呪われてんのかね」
幸せなこった……そう口にした有にふと、ロカジは訊ねてみる。
「有ちゃんは着るなら何色の花嫁衣装だい?」
「……はあ? 着ないけど」
即答でそう返ってきたけれど。
ロカジは構わず、ご機嫌に続ける。
「僕は黒のタキシードか紋付袴かな」
「あそう、そうだね、いいんじゃないかい」
そう気のない返事をしながら、有は考える。
……付袴って何だっけ、なんて。
そして花嫁衣装かはともかく。
「……まあ、何か着るなら黒でいい。汚れが目立たなくていいからね」
とりあえず先程の問いにそう答えてみた有に、ロカジは満足気に笑う。
「君も黒? 美形に似合う色だね、同感」
そして眼前には、過去に囚われた花。
それを手折ることは、ロカジにはできないから。
「ヨロシクたのむよ有ちゃん。代わりに可愛い蛇を向かわせるから」
白無垢より真っ白な鱗を見せつけておいで、って。
解き放つのは、八本の首に頭が七つの可愛い蛇。
そして有が握りなおすは、赤の垂れる杭。
「それじゃせいぜい蛇には働いてもらうさ」
刹那、戦場に遊ぶ白の間隙を縫い、有は花嫁の懐へと飛び込んで。
『……!』
花嫁が棘を持つ結婚指輪だったものを放つ、それよりも速く。
「悪いね、汚すよ」
ご自慢の純白のドレスが、鮮やかな赤のいろに染まる。
そんな台無しの白を眺め、ロカジは愉快気にカカカ! と笑う。
――黒無垢着てりゃ良かったのにね、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サフィリア・ラズワルド
WIZを選択
扉が開いたのと同時に叫びながら飛び出します。【竜の怨念】を召喚して一緒に突撃します。血に濡れたままの牙と爪、なんで精霊竜様が幻覚を使ってまで襲われる側になったのか理由はわからない、わからないけど、仲間だということを忘れて襲ってしまう、一時的なものだったとはいえ私が最も恐れていることをしてしまった、しかも精霊竜様に!
『精霊竜様の血は一滴たりとも渡さない!』
本来の武器である槍を使うことなんて頭になかった、周りの怨霊達と同じ、がむしゃらに攻撃を続けます。
アドリブ協力歓迎です。
扉が開いて、挨拶にきたのは花嫁。
宴の主催者であり、今回の一連の事件の黒幕でもある彼女は、サフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)にも問う。
『赤と青のお味はいかがだったかしら?』
けれど扉が開くと同時に、叫びながらも既に地を蹴っていたサフィリアは、花嫁の問いなどに答えることなく。
すかさず展開するは、竜の怨念――召喚した怨霊と共に敵へと向かい、突撃する。
その爪や牙は、血に濡れたまま。
何故、精霊竜様が幻覚を使ってまで襲われる側になったのか。
その理由は、サフィリアにはわからない。
(「わからないけど、仲間だということを忘れて襲ってしまう、一時的なものだったとはいえ私が最も恐れていることをしてしまった」)
――しかも精霊竜様に!
サフィリアには、正確に言えば、花嫁の問いには答えられないのだ。
何せ、自分は青を飲んだつもりだったのに……彼女の知らないうちに、精霊竜様に赤の方を飲まされていたのだから。
色々と分からないことは多いけれど。
でも、これは分かる……眼前の花嫁が、自分や精霊竜様の血を欲していることを。
けれど勿論、そんな御祝儀などあげる義理はないから。
「精霊竜様の血は一滴たりとも渡さない!」
それに何よりも、精霊竜様を襲ってしまった出来事の元凶は、この花嫁なのだ。
『……!』
サフィリアは大きく地を蹴り、周りの怨霊達と同じように、がむしゃらに攻撃を花嫁へと仕掛ける。
襲う側になってしまった、困惑や焦りや怒り……様々な思いを込めて。
本来の武器である槍を使うことすら、頭にないまま。
大成功
🔵🔵🔵
コノハ・ライゼ
たぬちゃん・f03797と
うるせぇコッチ来んな
口許の血を拭いつ懐く相方足蹴に
渡した箱を勝手に開ければ黒髭海賊人形とご対面
……。
敵の気配に目視さえせず
胸張る相方の首根っこを*だまし討ちの如く掴み有無を言わさず*怪力で敵へ投擲
は、大きくても投狸出来るモンだねぇ
すぐ様追い「柘榴」受け取る勢いで肌切り【紅牙】発動
ソンなに欲しけりゃアゲル
と反撃も*見切り最小限に躱すだけ
獣牙の如き刃へ与える血をたっぷり滴らせ
相方の刻んだ*傷口をえぐるよう刃で喰らいつき*捕食
*2回攻撃でさらに深く喰らいついてはしっかり*生命力吸収しておくヨ
口直ししなきゃやってられねぇっての
アンタも満足だろ?コレだけ美味いの楽しんだならさあ
火狸・さつま
コノf03130と
ふりちぎれんばかりに尻尾振りたくり大喜びハグ!コノにべったり
ねぇ、俺、ど?おいし??
ね、ね、誰よりも、おいしかた???
どうせなら一番美味し、が、良い!!
え、え、なに、だめ?
なんか冷た……あっ!まだ、とけて、ない??
あっ!その箱…
中身は樽入黒髭海賊さん
もしも用に!入れ替えといた!
思い出のお空大好き黒髭さん!
えっへん
だぁれ?今、忙…きゅヤー?!
思わず狐鳴き
けれど慣れっこ即座に切替
早業、彩霞に炎纏わせ属性攻撃
2回攻撃で雷火の雷撃!!
コノ!
柘榴投げ返し
人姿で投げられたのはじめて!!
大興奮!
えっ?!口直…?!
がぁあん!
…お前、赦さない!
燐火けしかけて八つ当たり
攻撃見切り躱すかオーラ防御
ふりふり、ぴこぴこと。
大きく振りたくられるのは、狸のいろのようなもっふり狐尻尾。
「ねぇ、俺、ど? おいし?? ね、ね、誰よりも、おいしかた???」
そうぶんぶんと尻尾を振り、火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)は大喜びのハグ!
コノハ・ライゼ(空々・f03130)にぎゅぎゅっと抱きつき、べったり。
「どうせなら一番美味し、が、良い!!」
けれど、そんな喜び全開に懐く相方へと冷ややかな視線を投げて。
「うるせぇコッチ来んな」
口許の血を拭いつつ、げしいっと足蹴にするコノハ。
そして蹴られ転がりながらも、さつまは瞳をぱちくり。
「え、え、なに、だめ? なんか冷た……あっ! まだ、とけて、ない??」
もしかして、まだ洗脳状態!?
そう瞬きするさつまを後目に。
コノハは己が渡した箱を手にし、勝手にぱかりと開ければ。
「あっ! その箱……」
「…………」
樽に入った、黒髭海賊人形とご対面!
「もしも用に! 入れ替えといた!」
――思い出のお空大好き黒髭さん!
さつまはそう、じっと黒髭海賊さんと見つめ合うコノハに、えっへん得意顔!
そして同時に、開錠された扉が開く気配がするも。
コノハは敵の気配に目視さえせずに、ぐいっと伸ばした手で胸張る相方の首根っこを掴むやいなや、
「だぁれ? 今、忙……きゅヤー!?」
『赤と青、お味は……っ!?』
有無を言わさず、現れた敵へとその怪力で思い切りぶん投げる。
そして聞こえた狐鳴きをする相方と、予想斜め上なだまし討ちの如き投擲に驚く花嫁を見遣る。
「は、大きくても投狸出来るモンだねぇ」
けれど、それも慣れっこ。さつまは即座に切替えて。
炎纏わせた彩霞を握り、素早い動きで敵へと振り下ろせば。
先程まで大きく振られていた尻尾全体に文様が浮かび上がり、拡がった刹那。
眩き輝きを放つ雷火の雷撃がはしり、眼前の花嫁へ追撃する。
『……!』
そして敵が微かに揺らいだ、その隙に。
「コノ!」
投げ返すは正真正銘、彼の得物。
預かっていた柘榴をコノハへと投げ返しながらも、さつまは大興奮!
「人姿で投げられたのはじめて!!」
そんな相変わらず大喜びな相方をすぐさま追い、柘榴を受け取るその勢いのまま。
肌に鮮やかなあかを走らせ、展開した紅牙を以って、握るあかをより鋭く閃かせて。
『……くっ!』
放たれる棘を持つ結婚指輪だったものを見切り躱すも、それは最小限。
「ソンなに欲しけりゃアゲル」
たっぷりと滴らせるは、獣牙の如き刃へ与えるあか。
そして、鋭く剥いたその牙で喰らいつく。
相方の彩霞の炎と雷火の雷撃が刻んだその傷を、抉るように。
けれどそれではまだ足りないと、コノハはさらに深く喰らいつき、確りと相手の生命力を吸収しながらも言い放つ。
「アンタも満足だろ? コレだけ美味いの楽しんだならさあ」
――口直ししなきゃやってられねぇっての、って。
その声に、さつまは大きく瞳を見開いて。
「えっ!? 口直……?!」
自分が一番美味し、ではない……!?
がぁあん! と一瞬だけ、耳をへちょりとさせるけれど。
「……お前、赦さない!」
キッと花嫁へと視線を投げ、青き仔狐の形を成した燐火をけしかけて。
『! ぐ……っ』
棘を持つ結婚指輪だったものを躱しながら、燃やして八つ当たり!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
冴島・類
黒羽君(f10471)と
君の声で気が付いたなら
ありがとうと囁き、直ぐに姿を収め
並び向かうのは
白のままではいられなかった花嫁
祝儀に血なんて…
呪縛が濃くなるだけではないかい
彼の赤は、やれないよ
紅白並べば寿ぎの色でもあるんだが
…そう言うのは望んでないようだ
叶わぬ夢と歪んだ望み
荒れる花弁、なぎ払いの風圧で斬り
彼女の影を探し
氷桜が止めてくれた隙に躊躇わず飛び込む
童のような言葉に瞬き
勿論さと笑い返し
奮発だ、種類多目に用意しようとも
黒羽君に応えれる、自身でいたいね
踏み込んだ先で、問いに答えよう
味、か
絶望だけでは、口に合わない
拭う手があった方が、良いもんだよ
赤い火を刀に纏い
囲う赤の夢ごと浄化試みる
海に、お還り
華折・黒羽
類さん(f13398)と
いつもの類さんに戻った様子に安堵の笑み浮かべ
立ち上がったなら肩を並べて
現れたであろう花嫁へと向かい立とう
ご期待には沿えないようですね
俺の血も類さんの血も
あなたに捧げる為流すつもりはありません
それに…
俺はやはり、花嫁には白が似合うと…そう思いますよ
氷で形作る桜の花弁伴い生み出す桜吹雪で
襲い来る花弁を相殺しようと
少しでも数を減らし残りは隠と屠でなぎ払い対処
風に乱れが生じた箇所を一閃し渦からの脱出試みる
…類さん
帰ったら、類さんが淹れてくれたお茶が飲みたいです
あ、勿論茶菓子付きで
悪戯をする子の様に笑んで
駆け征くその背に言葉託す
絶望になど染まりはしない
俺は類さんを、信じているから
自分の姿を映す瞳が取り戻したのは、いつもの柔い優しさ。
そして冴島・類(公孫樹・f13398)は囁く――ありがとう、と。
思い出させてね、と。そう言った言の葉通り、導いてくれた声に感謝を告げながら、直ぐに姿を収めて。
華折・黒羽(掬折・f10471)はそんないつもの彼に戻った様子に、安堵の笑み浮かべて。
『赤と青、お味はいかがだったしら? 楽しんでいただけた?』
ふたりは共に並び向かう。白のままではいられなかった花嫁に。
そして、頂戴、って。現れた彼女が強請るのは、あかのいろ。
「祝儀に血なんて……呪縛が濃くなるだけではないかい」
確かに紅白並べば寿ぎの色でもあるのだけれど。
……そう言うのは望んでないようだ。
類は、纏う白に赤を飛び散らせた花嫁を見遣る。
望むのは寿ぎではなく、絶望のいろ。
そして抱くはてまりのブーケと、叶わぬ夢と歪んだ望み。
花嫁は欲するあかに、絶望と驚愕の彩りを期待したのだけれども。
「ご期待には沿えないようですね。俺の血も類さんの血も」
――あなたに捧げる為流すつもりはありません。
絶望も驚愕も、微塵も滲んでいない自分達の血は、花嫁の望むものではないし。
何よりも、あげる義理もない。
黒羽はそして花嫁へと改めて目を向け、紡ぐ。
「それに……俺はやはり、花嫁には白が似合うと……そう思いますよ」
そして花嫁がブーケの紫陽花の花弁を舞わせ、風の渦を生み出せば。
黒羽が咲かせるは、桜の夢――今でも鮮明に覚えている、白い桜、あなたの桜。
桜の夢が、襲い来るうつりぎの花弁を相殺せんと舞って。隠と屠を以って薙ぎ払えば。
周囲で渦巻く風の動きを見切り、乱れが生じた箇所を一閃。
動きを封じんとする風の渦から抜け出し、振り払う黒羽。
類も荒れる花弁を薙ぎ払いの風圧で斬り開きながら、彼女の影を探して。
黒羽が咲かせた氷桜が止めてくれた隙に、躊躇わず踏み込んで飛び込まんとすれば。
「……類さん。帰ったら、類さんが淹れてくれたお茶が飲みたいです」
あ、勿論茶菓子付きで、と。
そう付け加え、悪戯をする子の様に笑む黒羽に、思わず瞬く類だけれど。
すぐに、笑みと共に返す――勿論さ、と。
「奮発だ、種類多目に用意しようとも」
そして黒羽は、駆け征く彼の背に言葉を託す。
「絶望になど染まりはしない」
――俺は類さんを、信じているから、って。
そんな黒羽に応えられる自身でいたい。
類はそう紡いだ後、踏み込んだ先で、先程の花嫁の問いに答える。
「味、か。絶望だけでは、口に合わない」
……拭う手があった方が、良いもんだよ、って。
『!』
刹那、銀杏色の組紐飾りが大きく揺れて。
類は赤き火纏う刀を振るう。囲う赤の夢ごと、浄化するように。
――海に、お還り、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
飛鳥井・藤彦
【有栖川の兄さん(f06470)と】
お味は如何と問われれば
「……飲み口はともかく、後味は酷いもんやったな」
花嫁が来る頃には眠気は消え失せ、残っているのは腹立たしさのみ。
兄さんに手当して貰って幾分か機嫌は治って笑顔は作れているが、目は笑っておらず。
「そのドレス、笑える程似合うてへんなぁ」
飲み物の御礼に僕と兄さんでお似合いの色に染めたるわ。
香水が欲しかったんやろ?
まずはとっておきの香りを嗅いで貰おか。
「名花十友より一輪……蘭花」
お喋りの間にこっそり描いた花から漂う香気で相手の技が発動する前に動きを鈍らせ、兄さんを支援。
僕の口から大切な兄さんにあないな言葉吐かせた落とし前、きっちりつけて貰うで?
有栖川・夏介
【藤彦君(f14531)と】
睡眠針を刺してしまった箇所を中心に、藤彦君を応急処置。
現れた花嫁に味を問われたら、
「……随分と悪趣味ですね」と返答。
先の戦闘を思い出し、処刑人の剣を強く握りしめる。
敵の攻撃を防ぎつつ、剣を振るい攻撃。
藤彦君の技で相手の動きが鈍くなったらすかさず追撃。
「貴女が赤をお望みなら…赤く、紅く染め上げてあげましょう」
ただし貴女の血の色で、とは声には出さず。【血を欲す白薔薇の花】を発動。
紅く染まる白薔薇をじっと見る。
可哀そうな花嫁、なんて同情はできない。
……お前は俺の大切な友人を傷つけた。
故に。
「刑を執行します」
罪人の首は刎ねなければならない。
閉ざされていた扉が再び開けば……現れたのは、宴の招待主である花嫁。
そして彼女は微笑みながらも問う。
『赤と青、飲んだお味はいかがだったかしら?』
有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)は睡眠針を刺してしまった箇所を中心に、飛鳥井・藤彦(春を描く・f14531)の応急処置を済ませた後。
花嫁へと返答する。
「……随分と悪趣味ですね」
そして、ぐっと強く握るは処刑人の剣。先の戦闘を思い出しながら。
「……飲み口はともかく、後味は酷いもんやったな」
藤彦も飲み干した赤の感想をそう告げる。
そんな彼から眠気は消え失せ……残っているのは、腹立たしさのみ。
夏介に手当して貰い、幾分か機嫌は治って笑顔は作れているけれど。
「そのドレス、笑える程似合うてへんなぁ」
花嫁を映すその目は、笑っておらず。
――飲み物の御礼に僕と兄さんでお似合いの色に染めたるわ。
刹那漂わせるは、多幸感を与える芳香。
「名花十友より一輪……蘭花」
……ええ匂いやろ?
そう、藤彦はお喋りの間にこっそり宙に描いていた蘭の花から、香気揺蕩わせて。
『……!』
花嫁が動くよりも早く、夏介を支援するべく敵の動きを封じんと動けば。
紫陽花の花弁を防いだ後、夏介は藤彦が作った隙を見逃さず、剣を手に大きく踏み込む。
「貴女が赤をお望みなら……赤く、紅く染め上げてあげましょう」
ただし貴女の血の色で――それは敢えて紡がずに。
『ぐ……っ!』
放った無数の白薔薇が紅に染まりゆくのをじっと見る。
そんな、白のドレスを紅へと変える敵を……可哀そうな花嫁、なんて。
夏介には同情はできない。
だって。
「……お前は俺の大切な友人を傷つけた」
故に、そう呟き落とし夏介は閃きを放つ。
「刑を執行します」
罪人の首は刎ねなければならないから。
そしてそんな、紅に染まりゆく白薔薇の花弁の中。
藤彦も、蘭の芳香でその動きを封じながらも、花嫁へと告げる。
――僕の口から大切な兄さんにあないな言葉吐かせた落とし前、きっちりつけて貰うで? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・嵐吾
ユルグ君(f09129)と
楽しすぎてやり過ぎてしもた?
ユルグ君はまだ――はは、もちろんいけるようじゃの
わしはあと何手かでへばっておったかも
容赦しとったらこっちがやられとったじゃろ
と冗談交じりに笑い
んん、絶望も驚愕も無くて悪いの
え、そうは見えんよ?
そういったもんとは無縁の赤しか、纏っておらんから
ざーんねん、じゃな
では詰めてしまお
そのお綺麗なドレスを汚してしまうことになるじゃろが
放たれたものは払い落とす
虚の爪にあうもんでもないしの
もっとええの用意せんとわしがひねられるわ…
ふふ、おるよ、ここに
ユルグ君もさっきやりあったじゃろ
攻撃合わせて、こちらも爪を振り下ろす
血の香りなんぞ纏っても、幸せにはなれんよ
ユルグ・オルド
f05366/嵐吾と
んふふ、なかなか良い目覚ましで
お陰で良い準備運動になったんじゃアない
嘘つけなんて横目に笑いつつ
ッてか全然容赦なかったよネ
いや俺吃驚したケドさ
つってひらひら手振る様は
確かにお気に召さないかもしれないケドも
いやいやほんとと嘘か真か
お詫びに贈んのは何がイイ?
先に流した赤をブラッド・ガイストで食わせたら
シャシュカ振り抜いて次の曲といこうじゃない
まァ確かにドレス汚すのは惜しいかなァ
……あれ、贈る相手がいんの
尋ねて返る答えにえっ、て思わず遅れそうに
追求してる場合でもない
さっき散々遊んでもらったんだから
息合わせんのも慣れたもの
悪い夢なんて捨てるよ良いさ
やっぱり花嫁姿は真っ白が良い
打ち合う度に走る傷も、飛沫く鮮やかないろも、楽しい戯れの賜物。
「楽しすぎてやり過ぎてしもた?」
尻尾をゆらり揺らしながら、へらりと笑む終夜・嵐吾(灰青・f05366)に。
ユルグ・オルド(シャシュカ・f09129)も、殺気ではなく楽しさを宿す笑みを返す。
「んふふ、なかなか良い目覚ましで」
お陰で良い準備運動になったんじゃアない、って。
「ユルグ君はまだ――はは、もちろんいけるようじゃの」
嵐吾はそうちらりと向けた琥珀色の瞳を細め、続ける。
「わしはあと何手かでへばっておったかも」
容赦しとったらこっちがやられとったじゃろ、と冗談交じりに笑んで。
そんな嵐吾に、嘘つけなんてユルグは横目に笑いながらも。
「ッてか全然容赦なかったよネ」
傷だらけの己を改めて見遣り、けれど楽し気に瞳細める。
そう言の葉を交わし合っている中――耳に響くは、開錠された扉の音と。
『赤と青のお味はいかが? 絶望や驚愕の味がしたかしら』
あかを欲し現れた、花嫁の声。
「んん、絶望も驚愕も無くて悪いの」
そんな花嫁に、嵐吾がそう返せば。
ユルグはくすりと笑みながら口にする。
「いや俺吃驚したケドさ」
ひらひらと手を振りながら。
でもその姿は、言葉とは裏腹に。
「え、そうは見えんよ?」
嵐吾が思わずそう言う様に、驚愕というよりは明らかに楽し気で。
そんな姿は、絶望を期待していた花嫁にはお気に召さないものかもしれないけれど。
「いやいやほんとと嘘か真か」
ユルグは赤の瞳を細め、紡ぐ。
――お詫びに贈んのは何がイイ? って。
互いに刃や爪を振るいやりあっても、感じるのはじゃれ合った楽しさ。
それは、花嫁が望む絶望とは程遠いから。
「そういったもんとは無縁の赤しか、纏っておらんから」
……ざーんねん、じゃな、って。
嵐吾はユルグと視線交わし合い、そして続ける。
「では詰めてしまお」
「次の曲といこうじゃない」
刹那ユルグが食わせるは、先に流した赤。
シャシュカ振り抜き、今度は花嫁との戯れを。
けれど――そのあかを頂戴、って。
花嫁が白のドレス靡かせ放つは、棘を持つ結婚指輪だったもの。
その揺れる純白を瞳に映しながら、ふたりは地を蹴って。
「そのお綺麗なドレスを汚してしまうことになるじゃろが」
「まァ確かにドレス汚すのは惜しいかなァ」
襲い来る円環を弾き、振り払う。
そして嵐吾はふと肩を竦める。
「虚の爪にあうもんでもないしの」
もっとええの用意せんとわしがひねられるわ……って。
その言葉に、ユルグは瞳を瞬かせるけれど。
「ふふ、おるよ、ここに。ユルグ君もさっきやりあったじゃろ」
とんっと右目の眼帯に触れつつ笑う嵐吾に、えっ、て。
ユルグは首を傾けつつも、思わず遅れそうになるけれど……今は追求してる場合でもないから。
さっき散々遊んでもらったんだから、息合わせんのも慣れたもの、と。
再び這い出し宿る虚の爪振るう嵐吾と動きを合わせて。
赤を与え閃きを増した刃で、抱くその夢ごと敵を叩き斬らんと斬撃を放つ。
悪い夢なんて捨てるほうがきっと良いだろうし。
「血の香りなんぞ纏っても、幸せにはなれんよ」
嵐吾の言う通り、彼女の欲する赤は相応しくない。
ユルグは、引き裂かんと振るわれる黒き茨の獣爪と共に、花嫁になれなかったモノに刃の一撃を手向ける。
――やっぱり花嫁姿は真っ白が良い、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カビパン・カピパン
【早紗はん(f22938)】と参加。
今の状況はと言うと、私は早紗はんとイチャイチャしてるところです。前回はそんな終わり方じゃなかった?私の記憶が確かなら、前回のラストは…
『カ、カビパンはん。漫才コンビの相方はあんたしか考えられへん。アイウォンチュー!』
『まったく困った文豪さんね…今夜は(ボケで)寝かさないわよベイビー』
『カビパンはん…嬉しい』
だった気がするんだけど。
「( ゚д゚ ) 」
部屋を間違えたのか、と目をまんまるに見開いている花嫁。
こっち見んな、じゃなかった。
コホン、と咳払い。女教皇モードに戻る。
胡蝶の花嫁よ、過去に囚われ夢を追う日々。
――今が目覚めの時なのだ。
花嫁に【ツッコミ】!
華都・早紗
【カビパンはん(f24111)】と参加 いや、イチャイチャはしとりません。 そもそもコンビ組んでません。 今夜は家かえってちゃんと寝ます。 カビパンはんあれか、変なもん飲んでちょっと 脳の記憶の部分やられてもたんやな。 可哀そうに(なでなで) よう見て、ぽかーんとしてるの花嫁だけちゃうで。 私もやで。 まぁなんや、今日は色々あって疲れたので 花嫁はん、あんた許さんで。 ペンを上に放り投げて幻朧桜曼荼羅を発動 桜の花びらを花嫁に射出。 ・・・ああ、あの子またツッコミしてる。 ボケやのに。
そういえばWボケツッコミってあったな、そこ目指してるんやろか。
向上心はんぱないな、見習うわ。
赤と青のドリンクを飲まされ、繰り広げたのは壮絶なボケとツッコミ。
そして今、カビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)はというと。
「私は早紗はんとイチャイチャしてるところです」
……前回はそんな終わり方じゃなかった?
そう首を傾けながらも、カビパンは改めて思い返す。
「私の記憶が確かなら、前回のラストは……」
『カ、カビパンはん。漫才コンビの相方はあんたしか考えられへん。アイウォンチュー!』
『まったく困った文豪さんね……今夜は(ボケで)寝かさないわよベイビー』
『カビパンはん……嬉しい』
「……だった気がするんだけど」
そうボケたカビパンに、すかさずツッコミを入れる華都・早紗(幻朧桜を見送る者・f22938)。
「いや、イチャイチャはしとりません。そもそもコンビ組んでません。今夜は家かえってちゃんと寝ます」
それから、はっと早紗は気が付く。
これは先程彼女が飲んだ、赤のドリンクのせいに違いないと。
「カビパンはんあれか、変なもん飲んでちょっと 脳の記憶の部分やられてもたんやな。可哀そうに」
きっと記憶障害みたいな効果もあの赤のドリンクにはあったのだろう、きっと多分恐らく。
早紗は、そんなカビパンをなでなでしてあげながらも。
ふと彼女と同時に、何だか自分たちをみている視線にようやく気が付いて。
顔を上げてみれば――そこには、目をまんまるに開いている花嫁の姿が。
いや、ぽかーんとしているのは何も、部屋を間違えたかもなんて思っていそうな、花嫁だけではない。
「よう見て、ぽかーんとしてるの花嫁だけちゃうで。私もやで」
漫才コンビの相方だとカビパンが勝手に妄想した、早紗もです!
花嫁は、どうしようかな、と一瞬迷ったような仕草をしたけれど。
『……赤と青、お味はどうだった?』
形式的に、他の猟兵にも聞いた質問を一応、口にするけれど。
「まぁなんや、今日は色々あって疲れたので 花嫁はん、あんた許さんで」
早紗はボケまくるカビパンのお守に疲れたような溜息をつきつつも、ペンを上に放り投げて。
『……!』
発動させるは、オーラ化した桜舞わせる幻朧桜曼荼羅。
そんな桜舞う中、カビパンは花嫁へと言い放つ。
「こっち見んな、じゃなかった」
コホン、とひとつ咳払い。
気を取り直し、カビパンは漫才師から女教皇モードに戻ると、仕切り直して言の葉を紡ぐ。
「胡蝶の花嫁よ、過去に囚われ夢を追う日々――今が目覚めの時なのだ」
そして、スパーン! と振るうは――先程即席で作った、ちょっと心許ないハリセンのツッコミ!?
そんなカビパンの様子に、ふと首を傾ける早紗。
「……ああ、あの子またツッコミしてる。ボケやのに。そういえばWボケツッコミってあったな、そこ目指してるんやろか」
もしかしたら、漫才師としての新境地を切り拓いているのかもしれない。
そうボケにツッコミに忙しないカビパンを、早紗は桜吹雪かせながらも生温かい目で見守る。
――向上心はんぱないな、見習うわ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジェイ・バグショット
【五万円】
…おい、そろそろ人間に戻ったかよ。
ん?とその顔を覗き見る
いつも通りの様子と分かると
おはようさん。の声掛けと同時に
ガチャガチャと音を立て自動で拘束が外れる
いや?面白いもんが見れて良かったぜ。
花嫁の登場には緩慢な拍手でお出迎え
ご招待頂き光栄です花嫁。
どうぞ、俺からの御祝儀をお受け取り下さい。
恭しくお辞儀をして、作った笑み
言葉とは裏腹に召喚したのは荊棘の拷問器具
宙で回転する『荊棘王ワポゼ』は全部で7つ
風切り音を響かせながらドレスを赤く染めるべく強襲
お色直しを手伝ってやる。
真っ赤なドレスだ。素敵だろう?
盛大に祝ってやるよ。
文字通りの出血大サービス。
ニコリと笑ってUC『キリングナイト』を使用
久澄・真
【五万円】
残念ながら元から人間だわ
軽口言い返す
覗き見る相手の顔ににやり返して
拘束具の首輪が外れた首をさする
ぼんやり懐かしい感じがした事は覚えている
けれど身体はぎしりと鳴るから
まあガキみてーに無茶苦茶に暴れたんだろうな、とは
手間かけたな。さて、と
繕ったマナーを披露する連れ見ながら
余興は楽しめたか、花嫁さん
欲しい?これ
と傲慢な態度でべったりと服に纏わりついた赤に手を這わせ
福音聞きながら剣持つ人形操り攻撃いなしてジェイにあたらぬ様サポート
人形は液体で融けたとて元から使い捨ての傀儡
気には留めず
こいつが言うには俺の血は5万らしいんだが
あんたは幾ら出してくれんのかね
くつり笑って
高く、買ってくれんの?
熱と殺意に滾る唐紅の双眼を爛々とぎらつかせて。
牙を剥き吼えていた、狂犬じみた獣であったけれど。
「……おい、そろそろ人間に戻ったかよ」
ん? と、ジェイ・バグショット(幕引き・f01070)がその顔を覗き見れば。
「残念ながら元から人間だわ」
返ってくるのは、いつも通りの軽口。
ジェイはそんな、元に戻った様子の久澄・真(○●○・f13102)に声を掛ける……おはようさん、と。
同時に、ガチャガチャと音を鳴らし、自動で外れる拘束具。
そんな自分を覗き込むジェイに、真はにやりと返してから。
嵌められていた首輪が外れた首をさすりつつ、思い返してみる。
(「ぼんやり懐かしい感じがした事は覚えている」)
けれど、ぎしりと鳴るこの身体から、想像は易い。
……まあガキみてーに無茶苦茶に暴れたんだろうな、とは。
「手間かけたな」
そう言った真に、ジェイは金の視線を返し紡ぐ。
「いや? 面白いもんが見れて良かったぜ」
刹那、カチリと微かに鳴る鍵の音。
そして扉が開けば、さて、と……と。
真はようやくお出ましの花嫁、純血の胡蝶を見遣るけれど。
パチパチと、突如部屋に響くのは拍手。
ジェイは登場した花嫁を、緩慢な拍手でお出迎えして。
「ご招待頂き光栄です花嫁」
――どうぞ、俺からの御祝儀をお受け取り下さい。
恭しくお辞儀をして作るは、笑み。
そんな繕ったマナーを披露する連れを見ながら、真も花嫁へと問う。
「余興は楽しめたか、花嫁さん」
――欲しい? これ。
そう傲慢な態度で、べったりと。服に纏わりついた赤に手を這わせる。
そして、紡いだ言葉とは裏腹に。
『……!』
ジェイが喚んだのは、全部で7つの拷問器具『荊棘王ワポゼ』。
そして、ご祝儀代わりにくれてやる。
宙で回転し、風切り音を響かせながら、ドレスを赤く染めるべく強襲する荊棘を。
「お色直しを手伝ってやる」
――真っ赤なドレスだ。素敵だろう? って。
『私が欲しいのは、自分のあかではないの』
刹那、花嫁が掲げる紫陽花から放たれるのは強酸性の液体。
絶望の福音を聞きつつ、数秒後の未来を唐紅に映しながらも。
真が操るは剣持つ人形。飛び散る液体をジェイにあたらぬ様にいなし、支援する。
その強力な酸の前に人形も融るけれど……真は気には留めない。
それは、元から使い捨ての傀儡なのだから。
そんな真の支援を受けながら、ジェイは荊棘王を花嫁へと差し向ける。
『……う、ぐっ!』
「盛大に祝ってやるよ」
――文字通りの出血大サービス、って。
そして、あかはあかでも、真はくつりと笑って。
「こいつが言うには俺の血は5万らしいんだが、あんたは幾ら出してくれんのかね」
5万の赤をべっとり纏わせた掌を、ひらりとさせながら訊ねてみる。
――高く、買ってくれんの? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
牧杜・詞
【恋華荘】
美味しいドリンクをありがとう。花嫁さん。
と、アンナさんと2人で出迎えるわ。
うんそうね。わたしの興味もいろにはないわ。
わたしの興味は2つ。
1つはわたしはアンナさんと戦うこと
これはやらせてもらったわ。感謝してる。
素敵な腕前でつい本気になりそうになったもの。
それともうひとつは、あなたをしっかり殺すこと。
こっちはこれからさせてもらうわ。
残念だけど、あなたが花嫁になれる可能性はないしね。
そうね、どちらを選んでも染まる色は同じ赤。
染めるのはあなただけどね。
【鉄和泉】を抜いて【識の境界】を発動。
【部位破壊】で首を狙って、しっかり赤に染めてあげる。
「わたしからのご祝儀は、気に入ってもらえたかしら?」
アンナ・オルデンドルフ
【恋華荘】
赤のドリンクはいかにも変わった味でしたが、
私を洗脳して詞さんと戦わせるとは……。
おかげで母の形見が台無しになってしまいました。
この代償は花嫁さんのドレスを血に濡らすことで払わせてもらいましょうか!
【血統覚醒】で真紅の瞳を輝かせてヴァンパイアに変身します。
もはや、ドレスが破けてしまった以上は猫を被っていても仕方がありませんし。
ルーンソードを激しく振り回しながら派手に立ち回って本気で戦います。
時折二回攻撃も交えつつ、剣の捌きは花嫁を翻弄しつつ。
詞さんが一撃を叩き込む隙をあたえるために、
私は攻撃の手を休めませんよ。
さあ、純白のドレスを真っ赤に染めてあげましょう。
鍵が回され、開いた扉から現れた花嫁は、赤と青を飲んだふたりへと問いかける。
『ふたつの色の、お味はいかがだったかしら?』
そんな花嫁を、アンナ・オルデンドルフ(真っ直ぐな瞳・f17536)とふたりで迎えて。
「美味しいドリンクをありがとう。花嫁さん」
牧杜・詞(身魂乖離・f25693)がそう紡げば、アンナも花嫁へと言葉を返す。
「赤のドリンクはいかにも変わった味でしたが、私を洗脳して詞さんと戦わせるとは……」
おかげで、母の形見のである、赤が入った黒のお気に入りのパーティードレスが台無し。
だから、代償を払って貰わないといけない。
――花嫁さんのドレスを血に濡らすことで払わせてもらいましょうか! って。
飲み干したいろは赤と青。そして花嫁は、あかい血を欲しているというけれど。
「うんそうね。わたしの興味もいろにはないわ」
詞はそれから、己の興味をふたつ、口にする。
「1つはわたしはアンナさんと戦うこと。これはやらせてもらったわ。感謝してる」
そしてふっと黒の瞳を細め、思い返す様に続ける。
……素敵な腕前でつい本気になりそうになったもの、って。
それから――もうひとつ。
「それは、あなたをしっかり殺すこと。こっちはこれからさせてもらうわ」
『……私を殺す? 私は明日、結婚式を挙げるのよ?』
詞はそう返してきた花嫁の言葉に微かに首を横に振り、続ける。
「残念だけど、あなたが花嫁になれる可能性はないしね」
『そんなことないわ、私は、私を飾るあかが欲しいの』
そしてそう強請る花嫁に、詞は望みの色を与えてあげんと、アンナと共に刃を抜く。
「そうね、どちらを選んでも染まる色は同じ赤」
――染めるのはあなただけどね、って。
刹那、詞は解放する。殺人鬼モードへと変わるべく、内なる衝動を。
そして濡れた様な深い緑に輝く刃を、花嫁へと目にもとまらぬ速さで繰り出す。
その首を刎ねんと、狙いを定めて。確りと、赤に染めてあげるために。
赤は赤でも、アンナが輝かせる赤は真紅の瞳。
「もはや、ドレスが破けてしまった以上は猫を被っていても仕方がありませんし」
ヴァンパイアと化したアンナは、ところどころ破けた黒のドレスを揺らしながら。
握るルーンソードをを激しく振り回し、派手に立ち回って本気で戦う。
時折連撃も叩き込みながら、花嫁を翻弄する剣の捌き。
アンナは攻め込むその手を休めない。
一撃を叩き込む隙を、詞にあたえるために。
そして機が訪れれば、一気に踏み込んで。
『ぐぅ……っ!』
詞の鉄和泉の閃きが、花嫁へと振るわれた瞬間。
「わたしからのご祝儀は、気に入ってもらえたかしら?」
飛沫くそのいろに、詞は瞳を細めて。
アンナも大きく地を蹴り、再び巧みな刃を花嫁へと振り下ろす。
――さあ、純白のドレスを真っ赤に染めてあげましょうって。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
彩波・いちご
さくらと
「ごめん、大丈夫だった…?」
心配して見たら、こっち見るなと言われました
解せぬ
…服がボロボロなのは私のせいでしょうけど
「これ以上さくらを傷つけるわけにはいきませんからね」
だから、守ります
さくらを守るためにも積極的に前に
【異界の邪剣】を召喚し接近戦です
邪剣だからって、妹を傷つけるだけではないこと見せてあげます
ダンスを応用した華麗なステップで翻弄し、舞うように剣を振るい
多少のダメージはさくらが癒すと信じて被害を厭わず
よひらの棘を乗り越えて邪剣で斬りつけましょう
「さくら!大丈夫ですね?」
妹の言葉を信じ、私は戦闘専念
戦後はさくらの衣装何とかしないととさくらを見て考えてたら
また怒られました
解せぬ
彩波・さくら
いちごと
「いちご、こっち見ないでよね」
切り裂かれたドレスの裾を動きやすいように破いてミニスカートにして、上半身にはストールを巻いて身体を隠すね。
まったく、いちごってば、大切な妹とか連呼するんだから……(赤面
「さあ、いちご、私が大切なら、しっかり守ってね」(くすっ
私もフライパンを構えて、いちごのサポートをするからね。
いちごが傷ついたら【生まれながらの光】で回復させるよっ!
「いちごっ、私の命、わけてあげるからっ!」
花嫁が生み出した風の渦に閉じ込められて花弁で服や身体が切り裂かれていくけど……
「いちごっ、気にせず今のうちに敵を倒して!」
戦闘後にはボロボロになった服を見つめてくるいちごに文句を言うよ。
「ごめん、大丈夫だった……?」
彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)はそう声を掛けながらも。
心配気に、妹の彩波・さくら(龍神の聖女・f25299)を見るけれど。
「いちご、こっち見ないでよね」
こっち見るなと言われました。解せぬ。
いちごはそんな思いを抱えながらも、言われた通りそっと視線を逸らす。
……いえ、まぁ確かに。
(「……服がボロボロなのは私のせいでしょうけど」)
さくらは、洗脳されたいちごに切り裂かれたドレスの裾を動きやすいように破いて、ミニスカートにして。
上半身にはストールを巻き、身体を隠しながらも。
「まったく、いちごってば、大切な妹とか連呼するんだから……」
ぼそりと兄に聞こえないくらいの声で、赤面しながら呟く。
そんなさくらの想いには気付かないけれど。
「これ以上さくらを傷つけるわけにはいきませんからね」
――だから、守ります。
いちごはその手に、召喚した魔物が形を変えた禍々しき黒剣を握る。
今度は、大切な妹を守るために。
「さあ、いちご、私が大切なら、しっかり守ってね」
さくらはいちごの言葉に、嬉しそうにくすっと笑んで。
フライパンを構え、確りと兄のサポートをするべく立ち回る。
開錠され、扉の向こうから現れた花嫁を見遣って。
そして花嫁は微笑みと共に問う。
『赤と青、飲んでみたお味はいかがだったかしら?』
けれど、返答の代わりに。
さくらを守るために、いちごは大きく地を蹴り、積極的に前へと出て。
『……!』
敵へと接近し、異界の邪剣を振るう。
「邪剣だからって、妹を傷つけるだけではないこと見せてあげます」
まるで、戦場を舞うかのように。
ダンスを応用した華麗なステップで花嫁を翻弄し、剣を振るっていくいちご。
花嫁が飛ばしてくるよひらの棘の衝撃も厭わずに。
生まれながらの光をもって回復してくれるというさくらを信じ、果敢に邪剣で斬りつける。
だが刹那、さくらへと向けられるのは、てまりブーケから放たれる花弁と風の渦。
「いちごっ、私の命、わけてあげるからっ!」
その風の檻にさくらは囚われ、襲い来る花弁で服や身体が切り裂かれていくけれど。
「いちごっ、気にせず今のうちに敵を倒して!」
「さくら! 大丈夫ですね?」
『……くっ!』
いちごは彼女の言葉を信じ、花嫁へと尚も斬りかかるその手を止めない。
その激しい邪剣の斬撃に堪らずに、逃げるように退く花嫁。
そして、風の渦から解放されたさくらへと心配そうに見つめて。
さくらの衣装何とかしないと……そう考えていたら。
「もう! いちご、見ないでって言ったでしょ!」
また怒られてしまういちご。
それから慌ててまた視線を逸らしながらも再び呟くのだった――解せぬ、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴォルフガング・ディーツェ
悠里/(f18274)
はい、お早う眠り姫…なんて男の子に言うのも難だけれどね?
そうだね、すこうしだけ爪が立ってしまった位で問題なかったよ。怪我もこの通り、全くしてないさ
…そちらこそ後遺症はないかい?時間を掛ければ解毒剤も調合出来るからね、無理は禁物だよ
君が血を捧げるのなら、オレは彼女の心臓を捧げるとしようか
「医術」で調合した持参の霊薬で「限界突破」を試みる
「フェイント」を織り交ぜ、懐に飛び込んで【指定UC】
最早届かぬ純白よ、行き先無き純潔よ
御前に同情はしない、速やかに冥府へと誘ってやろう
風の属性も共に喚起し、傷跡をより凄惨に彩るのも一興
花に寄るのが胡蝶の定めならば、いざや花開かせよう血の華を
水標・悠里
ヴォルフさん/f09192
体は止まってくれたけれど
私を止める事は出来なかった
目が覚めれば目論見が上手くいった事が分かる
よかった、私はちゃんと眠れましたか
悪さをしていませんでしたか
なら、良いのですが…
それよりも怪我はありませんか
問うたところで私に傷を癒やす術などないのですが
花嫁が来ればもう一度【朔】を構え死霊を喚ぶ
ええとても、胸が痛くなるくらい美味しかったですよ
こんな血で良ければどうぞ差し上げます
切った指先から滴る赤で
目尻と唇に朱を引く
めかし込んだら化けた姿で踊りましょうか
『下り火車』
演者は此処に来たれり
花に寄るは蝶の性なれば
相見えるも必定なり
さあ、魂の随まで溶かし鬼を喰ろうてやりましょう
微睡みの中を、水標・悠里(魂喰らいの鬼・f18274)はゆらり揺蕩いながら。
――体は止まってくれたけれど、私を止める事は出来なかった。
そっと青の瞳を再び開けば。
「はい、お早う眠り姫……なんて男の子に言うのも難だけれどね?」
飛び込んできたのは、そう笑みかけてくるヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)の姿。
そんな彼を見て、悠里には分かったのだった。目論見が上手くいった事が。
「よかった、私はちゃんと眠れましたか。悪さをしていませんでしたか」
「そうだね、すこうしだけ爪が立ってしまった位で問題なかったよ」
なら、良いのですが……返って来た言の葉に、悠里はそう言ってから。
そうっとヴォルフガングを見上げ、さらに問う。
「それよりも怪我はありませんか」
……問うたところで私に傷を癒やす術などないのですが、と続けつつも。
ヴォルフガングの身を心配気に見つめるも。
「怪我もこの通り、全くしてないさ。……そちらこそ後遺症はないかい? 時間を掛ければ解毒剤も調合出来るからね、無理は禁物だよ」
逆に、あかを飲んで洗脳されたこの身を心配するような声が。
けれど、あともう一仕事残っている。
鍵が回す音が微かに聞こえ、再び扉が開けば……そこには、花嫁の姿が。
彼女は、自分達の血を欲する、この宴の招待主。
そして倒さねばならない存在。
悠里は再び、鬼の血を含ませて打ったと言われている朔を構え、死霊を喚んで。
『ね、赤と青のお味はどうだった?』
そうくすりと笑む花嫁に、こう返答する。
「ええとても、胸が痛くなるくらい美味しかったですよ」
それから悠里は、彼女のご所望する赤を迸しらせる。
――こんな血で良ければどうぞ差し上げます。
切った指先から滴る赤で、スッと引く。目尻と唇に、めかし込んだ朱を。
そして朱引いてめかしこみ化けた姿で、悠里は戦場を舞う。
……我が憤怒、悔恨を誰ぞ知らんや、推し量れど安んぞ知らんと欲す――この身この命を侵し焼く、恩情の熱に身を捧げん。
そう、その演目は『下り火車』。
頭部を花で覆われた死霊に、身を焼く獄炎と体に伸びる根を纏わせて。
「演者は此処に来たれり。花に寄るは蝶の性なれば、相見えるも必定なり」
――さあ、魂の随まで溶かし鬼を喰ろうてやりましょう。
『……!』
刹那、死霊が花嫁へと襲い掛かり、朔の刃が純白のドレスを、彼女ご所望の赤に染める。花嫁自身の血を以って。
「君が血を捧げるのなら、オレは彼女の心臓を捧げるとしようか」
ヴォルフガングは、医術で調合した持参の霊薬で限界突破を試みて。
舞う朔の刃に合わせ、よひらの円環の棘が飛び交う中、フェイントを織り交ぜつつも。
『な……!? ぐっ!』
悠里と共に一気に懐に飛び込み、腐敗の呪詛を帯びた魔爪を振り翳し、残像を伴う神速の連撃を花嫁へと見舞う。
「最早届かぬ純白よ、行き先無き純潔よ。御前に同情はしない、速やかに冥府へと誘ってやろう」
――花に寄るのが胡蝶の定めならば、いざや花開かせよう血の華を。
鬼の血宿す刃と神速の魔爪を共に躍らせながら、花嫁を飾るように、鮮烈なあかのいろを咲かせる。
純白に滲む傷跡をより凄惨に彩るのも一興、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
佳月・清宵
伊織f03578と
さぁて、待望の花――主役のお出座しだ
紳士らしく一等良い笑顔で出迎えてやれよ
扉が開くと同時に先制で暗器の雨で歓待を
洋式はこういう風習なんだろ、景気付けにたんと浴びてやろう
生憎と俺は今愉悦一色の気分でな――代わりに自ら驚愕に染まるが良い
如何なる過去があれど、仕事に私情も同情も挟まぬ
例え紫陽花咲けど即散らし、早業で花嫁にも2回攻撃
フェイントや残像で仲良く余興挟み、毒の刃で麻痺を贈答
俺は血の花だの香だのを愉しむ趣味はねぇが、どうしてもと望むなら――その身で以て咲かせてけ
華々しく送ってやろう
行先はバージンロードでなく黄泉路だがな
んでてめぇはやっぱその顔が最高に香り立つな
(良い肴に笑い)
呉羽・伊織
清宵f14015と
花は花でも厄を咲かす、摘み取らなきゃならない奴だがな
…誰のせいでこんな面になってると!
其でも鍵と扉の音に聞き耳
開く瞬間に暗器の雨でサプライズ
本来は式後だが、今日はもてなしの返礼に特別サービス
――絶望?期待に添えなくて悪いな
この狐は前々からとっちめる必要があったんだ
お誂え向き、寧ろ願ったり叶ったり!
嘯きつつUC使い続け様に早業で2回攻撃
狂える姿を終わらせる事こそ、せめてもの――そう覚悟し同情は封じ込め、紫陽花は根刮ぎ切り払い、
フェイントに残像――ホント嫌になる程似通った手口で目眩ましの余興
刃の毒で重ねて刻み、導く先は安らかな夢の淵――骸の海
…意趣返しも戯言も大概にしろよ悪趣味!
閉ざされていた扉が開かれれば、部屋に舞い踊るは揺れる純白。
「さぁて、待望の花――主役のお出座しだ」
佳月・清宵(霞・f14015)はそれからふと、隣へと視線を移して。
「花は花でも厄を咲かす、摘み取らなきゃならない奴だがな」
「紳士らしく一等良い笑顔で出迎えてやれよ」
同じく花嫁を迎え入れる呉羽・伊織(翳・f03578)へと楽し気に声を投げれば。
「……誰のせいでこんな面になってると!」
向いた視線と返る言葉は、相変わらず清宵を愉快にするもの。
伊織はそんな連れの様子に溜息をつきながらも。
微かに響く鍵の音を聞き、扉が開いた瞬間。
清宵と共に、訪れた花嫁へと見舞うは、暗器の雨のサプライズ。
本来花嫁に雨降らせるは式後だけれど。
今日は赤と青のもてなしの返礼に特別サービス。
「洋式はこういう風習なんだろ、景気付けにたんと浴びてやろう」
『! 私は、あかがほしいの……! 絶望に彩られたあかが』
そう降り注がれる歓待の雨に不服そうに言った花嫁に、ふたりは瞳細める。
勿論、絶望の欠片もないそのいろで。
「生憎と俺は今愉悦一色の気分でな――代わりに自ら驚愕に染まるが良い」
「――絶望? 期待に添えなくて悪いな。この狐は前々からとっちめる必要があったんだ」
……お誂え向き、寧ろ願ったり叶ったり! と。
伊織はそう嘯きつつ――何処までも飄々と。
(「狂える姿を終わらせる事こそ、せめてもの――」)
素早い連撃を見舞い、花嫁が掲げるてまりの紫陽花を根刮ぎ切り払わんと刃を振るう。
その心に覚悟を決め、同情は封じ込めて。
そして……如何なる過去があれど、仕事に私情も同情も挟まぬ、と。
清宵が伊織と共に仲良く同時に挟む目眩ましの余興は、フェイントや残像、毒の刃。
(「ホント嫌になる程似通った手口」)
伊織はそう思いつつも、手に取る様に分かる相手の動きに合わせ、刃の毒で重ねて刻む。
導く先は安らかな夢の淵――骸の海へと。
「俺は血の花だの香だのを愉しむ趣味はねぇが、どうしてもと望むなら――その身で以て咲かせてけ」
――華々しく送ってやろう。
けれど、その行先は。
「バージンロードでなく黄泉路だがな」
『……ぐっ!』
そして清宵は揺らぐ花嫁を後目に、ちらりと再び隣を見遣って。
「んでてめぇはやっぱその顔が最高に香り立つな」
「……意趣返しも戯言も大概にしろよ悪趣味!」
そう言い返してくる良い肴に、やはり愉し気に笑む。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
蘭・七結
【紅霓】
重たく鎖された扉が開く
白き花嫁――あなたが、この宴の主催者
無垢で純白な声が問う
嗚呼、そうね。ステキなお味だったわ
ひとに成ったあなたの声を
か細くも愛を乞うその声を
わたしは、聴けたのだもの
独りでに歩みを進める白指を引く
護られるだけはイヤよ
護り、高め、進みたい
往きましょう、共に
病める時も健やかなる時も、と
言の葉と共に紡がれて、結わうもの
婚約指輪、は大切なものでしょう?
その契りの証を薙ぎ払うことも
地へと落とすこともしたくないの
極力見切って“茨姫の梏桎”で絡めて制す
白を染めるあかが欲しいと云うのなら
哀しき花嫁に色を添えましょう
まっかな花化粧
切に願う憧憬が叶う日を祈りましょう
どうか――おしあわせに
輝夜・星灯
【紅霓】
鐘の音止んで鍵が鳴く
純潔の花嫁、うつくしい白
歪な夢に囚われた華
美味しいあかだった
……後味だけは好くないけれど
微笑むきみの隣、苦く哂って言葉を返す
身動ぎひとつも見逃さない
向いた意識を遮るように
半歩、きみの前に出ようとすれば
窘め声が耳到る
そうだったね
瞬きひとつ、隣へ並び
ふた度刃向けるは白
中身を失くした契りを、空っぽの誓いを
軽々斬り捨てられるほど、人心亡くした訳じゃない
きみの絡めたその円環、地に堕つ前に頂こう
希い喰らうは黒曜刃、捧げたのは私の祈り
還る君には酷な望みかもしれないけれど――
変じさせるは水宝玉
黄泉路に幸を願って、其の腕を夢諸共断つ
――左様なら
いつか、その憧憬がただしく叶いますように
あかを唆す鐘の音の次は、重たく鎖された扉の鍵が回る音。
そして、再び扉が開かれれば。
『赤と青……お味は、いかがだったかしら?』
耳に響くは、無垢で純白な声。
「白き花嫁――あなたが、この宴の主催者」
純潔の花嫁、うつくしい白……そして、歪な夢に囚われた華。
いや、それは花嫁として咲けなかった、永遠に蕾のままの過去の化身。
あかを求め、来客の血ではなく己のいろで纏う白を汚すそれの問いかけに。
蘭・七結(まなくれなゐ・f00421)は微笑みを咲かせ、答えてあげる。
「嗚呼、そうね。ステキなお味だったわ」
その柔く細められた瞳に映るのは、隣に在るいとしそら。
七結が飲み干したあおは、その彩りの通りに。
「ひとに成ったあなたの声を。か細くも愛を乞うその声を。わたしは、聴けたのだもの」
素敵ないろを七結に響かせたから。
そして笑み咲かせるその隣で、輝夜・星灯(ひとなりの錫・f07903)も言葉を返す。
「美味しいあかだった。……後味だけは好くないけれど」
まだ仄かに残るそれに苦く哂って。
それから星灯は、身動ぎひとつも見逃さぬよう花嫁をその青に映す。
あかを欲したものの、彼女はそのあかをいまだ得られてはおらず。
逆に来客の手により、赤に染められてきた様子で。
明日を夢見るその花は、きっと……もうすぐ散ろうとしている。
けれど、散らせてやらねばならないもの。
向いた意識を遮るように。星灯が半歩、前へと出ようとすれば。
独りでに進まんとしたその歩みを窘めるのは、白指を引く手と耳に到る声。
「護られるだけはイヤよ」
だって――護り、高め、進みたい。
だから、七結はこう続ける。
「往きましょう、共に」
その響きに、瞬きひとつ。けれど頷き、星灯は隣へと並ぶ。
「そうだったね」
そして閃きをその手に……ふた度刃向けるは白。
『そう。満足していただけたなら、よかったわ』
赤に塗れた白き花嫁は、ふたりのこたえにそう笑って。
じゃあ――ご祝儀のあかを頂戴?
そう飛ばすは、棘を持つ誓いの円環の成れ果て。
それは、病める時も健やかなる時も、と……言の葉と共に紡がれて、結わうもの。
「婚約指輪、は大切なものでしょう?」
それが今、自分達へと向けられた鋭利な棘を持つものであったとしても。
「その契りの証を薙ぎ払うことも、地へと落とすこともしたくないの」
「中身を失くした契りを、空っぽの誓いを。軽々斬り捨てられるほど、人心亡くした訳じゃない」
七結と星灯は、その結わいを断ち切ることはしない。
飛び交うその軌道を見切り、七結がその円環へと絡めるは茨の絲。
そして地へと堕つるその前に、星灯はそれを黒き刃の封印を解く糧とする。
刹那、黒曜の大太刀は希い喰らう。捧げた彼女の祈りを乗せて。
『……! 私は欲しいの、美しく香るあかを……っ』
染まるそのいろは、花嫁の欲したもの。
「白を染めるあかが欲しいと云うのなら、哀しき花嫁に色を添えましょう」
そして施すは、まっかな花化粧。
ただしそれは、彼女が望んだ来客達の絶望滲むものではなく、己から飛沫くもの。
花嫁へと贈られるのは、そんなあかだけではない。
「還る君には酷な望みかもしれないけれど――」
星灯が変じさせるは淡きあおのいろ――幸福を象徴する水宝玉の煌めき。
赤と青、そのいろを餞に。
『私の夢は、叶うの……明日……、ッ!』
星灯が振るう一太刀が、其の腕を夢諸共断つ。黄泉路に幸を願って。
――左様なら。
そして崩れ落ちる花嫁を見送りながらも願う。
……いつか、その憧憬がただしく叶いますようにと。
その隣で、七結も消えゆく花嫁へと紡ぐ。
「切に願う憧憬が叶う日を祈りましょう」
どうか――おしあわせに、って。
大成功
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