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#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●もっこ❤️もっこ
 ここはアルダワ魔法学園。
 ありとあらゆる災魔が跋扈する究極の地下迷宮……の、ちょっと深い階層。巨大な書庫エリアから、這う這うの体で逃げ出した学生達が居たのは数日前の事。

「ふぅん。だいすきは、"苦い"と"甘い"を重ねてつくるの――かあ」

 ぺらり、と大書庫の一角で茶色と赤とピンク色が紙面の殆どを占めるリーフレットを捲る女の子の姿があった。学生の落とし物を物色してはしゃいでいるが、一応はオブリビオンである。
 クッション代わりに寄りかかるヤギさんは、返事もなく寝そべって、教本の頁をのっそり食んでいた。
「好きな相手と甘い物を食べると幸せになれる、らしいよやぎさん!しかも見て見て、チョコレートパフェを自分で作れる期間限定のスイーツビュッフェだって。……あっ」
 ぺらぺらり、ヤギさんの顔の前に突き出したカフェのリーフレットも容赦なく食まれて大慌てで取り戻したけど既に遅し。
 破れて半分ぐらいのサイズになってしまったけれど、美味しそうな写真は無事だった。むむむ、と口をへの字にして女の子は考える。

 ヤギさんと違って紙を齧っても満足できないもの。
 パフェ、食べたい。
 けど、お店って学園施設内にあるんだろうな。
 一人と一匹だと、食べに行くにはちょっと心細いな。

「……あ、なら沢山の子と行けばいいんだ」
 きっとみんなで行けば怖くない。
 思い立ったが吉日と、女の子は一冊の魔導書を本棚から取り出した。古より伝わる災魔を召喚せしめる強大などうのこうのって内容。
 これを使えば味方が一杯呼べるに違いない!多分。
 早速床に魔方陣を書き、召喚の呪文を謳い上げる。そして仕上げに。
「甘いもの!食べたい子はこの指とーまれー!」
 ぐいっと上空に突き付けた人さし指。魔力の循環を始めた魔方陣が眩く輝き。そして。

 モフッ。

 指を立てた方の腕に何かがしがみついた。丸いフォルムの黄色いモフモフボディ。ご立派なネメス帽子。召喚成功と喜ぶ女の子の頭の上にもまた。

 モフフッ。

 同じものが降ってきた。次は肩に、そして床に。どのくらい喚べたのだろうと降ってくる中空を見上げた彼女の目に映ったのは──。

 モフモフモフモフモフモモモモモモモッ!

 視界全てを覆い尽くすなんか黄色いもの。

●メガ❤️盛り
「地下迷宮でフロアボスが埋まってるらしい。掘ってきてくれ」
 グリモアベースで猟兵達へと仕事の依頼をかけるエン・ギフター(f06076)は、己に集中する胡乱な視線を手で払う素振りを見せた。
「詳細は行きゃわかる。大量にモフィンクスが発生してるから、まずはそっちの処理から頼むわ」
 曰く、みっちり部屋に詰まっている、と。質より量重視で召喚されたモフィンクスなので、個々の体力能力は驚くほど低いのだと。
 それでも反撃はしてくるだろうから、それだけ気を付けろとエンは続ける。
「全く根性は無ェ筈だぞ。ちょっと強めに撫でる程度で死ぬ。無論ユーベルコードぶち込んでも良い。なんなら精神的ストレス与えても死ぬ」
 根気よく片付けていけば、埋もれたボスも出てくるだろうから倒してくれと、相も変わらず雑な頼み方をする。

「そういや襲撃される筈だった店が、謝礼に今日一日は猟兵の貸し切りにするらしい。一品サービスで甘いもんも付けてくれるとさ」
 仕事帰りに寄るのも悪かないぞ、とは食べに行く気満々の顔で。
 ケーキやお茶を楽しむもよし、贈り物にチョコを買って帰るもよし。
 けれど今のイチオシは、自分でパフェを作れるチョコレートビュッフェ。一人一杯、食べきれる量というルールを守ればあとは自由。
 ――気に入ったパフェグラスに、お好みのチョコスイーツを望むまま。大好きな人へ、とびきりの一杯を作って食べて貰ったり、仲良しな友達同士、相手をイメージする一杯を作りあってもきっと楽しい。
「……って事だそうだ。ま、災魔ともどもよろしく頼む」
 バレンタインの空気に全力で乗った営業文を棒読みに朗読し、カフェのリーフレットをひらひらと振ってお見送りのご挨拶代わりにしたのだった。


白日
 お目通し頂き有難うございます。白日(しらくさ)と申します。
 今回はアルダワ学園よりゆるくシナリオをお送りいたします。

 一章・もふもふを倒す。
 二章・もふもふも倒す。
 三章・パフェ作って食べる。
 という構成となっております。

 戦闘に関しましては、苦戦覚悟でモフってもよし、普通に戦ってもよしのフリースタイルです。どんな戦い方でプレイングを書いて頂いても、だいたいコミカル寄りのリプレイになると思われます。

 三章ではお土産を買うプレイング、リプレイとなった場合でも、アイテム発行はありませんのでご注意ください。
 なおプレイングの最後に「○」と記載して頂いた場合はお任せとして判断し、パフェの内容は白日が考えます。甘い物が好きか嫌いかの記入がありましたら併せて参考にします。
 エンは一人で金魚鉢パフェを作って食べる予定です。おひとり様での参加でもだいじょうぶこわくない。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『モフィンクス』

POW   :    モフ~ン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【気の抜けた鳴き声 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD   :    モフ~zzz
【眠気を誘うアクビ 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
WIZ   :    モフッ、モフッ(実は今欲しい物)
質問と共に【質問の解答が具現化する靄 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●もりもり♥️モフィンクス
 グリモアベースを抜けると、青碧と金の縞々頭巾の海が猟兵たちを出迎えた。

 部屋の構造は天井の高い巨大な立方体。入り口から数歩ずつ低い段差が内側へと向かって続くすり鉢状の室内……であるが、そこが完全にモフィンクスで埋まっていた。
 底が見えない。
 壁際は書棚で埋まっている筈だが、それも見えない。

 モフッ(……我らは、この迷宮の番人なり……)
 モフッモッフッ(ここに足を運んだ愚行を、すぐに後悔……こう……Zzz)

 猟兵の気配を感じて、何匹かが耳をぴょっと立てたが、暖かい場所が好きな彼らは、モフ団子状態から抜け出る気はさらさら無いようで。
 すぐに顔を手近な仲間の胴体へと埋めて、寝息を立てはじめる始末である。
 緊張感はまるでない。ないけれど、頑張って戦ってほしい。学園の平和は猟兵達の双肩にかかっているのだから!
青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

もふもふ、ね
この前のモフィンクスを思い出す
……うん、少しだけよ
あの感触は他にはないわ

道案内はルーナに任せてその後をついていく
あの子なら絶対に、迷わないでモフィンクスのところに行くもの

モフィンクス地帯に着いたらそっとモフィンクスを撫でる
様子を見ながら撫でて、頬ずりして、昼寝……はしたら駄目ね
眠り込まないように注意しながら優しくもふもふ

ある程度堪能したら強めに叩いてモフィンクスの数を減らす
自分が通れる分を確保したらルーナを捕まえて先へ進む


ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

颯夏、もふもふ!
またモフィンクスに会えるんだよ!
待っててね、モフィンクス
すぐに行くから

勘のままモフィンクスの方へ進む
見つけたらその背中にダイブ
やっぱりふかふかもふもふ、しあわせだなぁ
颯夏に引っ張られるまでは全身全霊、この感触を楽しむよ

どうしても必要だったら、ソルとイエロにお願いして道を作る
できれば手荒なこと、したくないんだけどね



「颯夏、もふもふ!またモフィンクスに会えるんだよ!」
 グリモアベースから転移してきた迷宮の廊下で開口一番、ルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)が喜色に満ちた声をあげた。
「もふもふ、ね」
 ルーナに応える青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)は、彼女よりは幾分冷静そうに声を受け止めているものの、その胸中に過ぎるのは以前にモフィンクスと相対した時の柔らかな感触。だから。
「……うん、少しだけよ」
 モフ毛一筋の迷いも無く、一路モフィンクス溜まりを目指す軽やかな足取りを追わない理由など無い。
「待っててね、モフィンクス。すぐに行くから!」

 巨大書庫への道はすぐに終わり、開けた扉の向こうにはみっしりとモフィンクスで埋まっていた。足の踏み場も無いぐらいの数で満たされ、更に山盛りになっている光景に、モフィンクス愛好家と言っていいだろう二人が小山を見上げる。
「思った以上に居るね……。あ、私あの子がいいかも!」
 モフンモフンと悠長に寝息を立てている、身体が大きめの個体を見つけたルーナは早速駆け寄るとその背中目掛けてダイブをした。

 モッ、とルーナの小柄な身体はその虹色の羽根しか見えない位に埋まり。
 フゥゥゥゥン!と柔らかボディに押し返されて跳ねた。驚きの弾力。
 「やっぱりふかふかもふもふ、しあわせだなぁ」
 久し振りの手触りを両手で撫でて、ふかふかと毛皮に顔も埋めて堪能する。颯夏は簡易ベッドになっているモフィンクスの隣に腰を下ろした。その真下も当然彼らは居るので足元から温かい。……時折うごうごと寝返りは打たれるけども。

 モフッモッ(娘達よ……我らは……家具では……ウッ)

 はしゃぐフェアリーを乗せた一匹がなんぞ鳴いてはいるが、通じなければただのモフ。ぽよんぽよんと背中で弾まれる度に、黄色いボディがふるふると波打って全身が揺れていた。
 それを見ながら颯夏も手近な一匹を引き寄せると、膝に乗せて撫で始める。最初こそ短い足をばたつかせていたモフィンクスだったが、様子を窺いながらそっと毛皮を梳く颯夏のモフ技術にあっさりと陥落して、たるん、と身体から力を抜いた。頬ずりをする頃にはモフ~と眠気を誘うアクビがポンポンを付けたような口から漏れる。
 連鎖的に周囲からも、モフ~モフ~と聞こえ始めれば、眼鏡の奥の菫色がとろりと瞼を下ろしそうになるけれど。
「昼寝……はしたら駄目ね」
 当初の目的を自分が見失ったら、誰がルーナをあの状況から引き剥がすのか。名残惜しそうに指が埋まりそうな毛皮をもう少しの間もふもふと撫でてから、颯夏は立ち上がる。

「ほら、ルーナ。行くわよ」
「……どうしても倒さなくちゃ駄目?」
 残念そうにモフィンクスから起き上がるルーナ。倒すのよ、と抱えていたモフィンクスの頭部を少し強めに叩く颯夏。モッ!と鳴いたモフィンクスは、しゅわしゅわと颯夏の腕から姿を消した。たいへん弱い。
 手荒な事したくないんだけどな、と困ったように呟いてはみたがこのままではボスを倒せないのも確かだ。ソル、イエロ、お願いねと従えていた燃える身体を持つ竜と、己が身に呼び出した凍竜に攻撃を頼めば――。

 モ゛ッ??(……それで……我らを噛む気か……)
 モフッ モフモフッ(非常に痛そうでは……ないか……)

 開かれた竜の顎を目撃したモフィンクスたちが、毛皮を青くしてぶるぶると震え始め、そしてシュワっと次々姿を消して行く。噛まれる怖さだけで倒れていくモフィンクスに、これならルート確保も簡単だろうと一安心。ルーナを捕まえて、ボスまでのルートを探そうとルーナが歩を進め始めれば。ソルとイエロの威嚇だけでどんどん道が開けて行くのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

深海・旭
守人さんが応援してくれる!
がんばるぞー! 見ててね!

うわー、ゆるくて可愛い…!
まずはモフィンクスのお団子に飛び込んで、思いっきりもふるよ。どりゃー!(飛び込む)

強めに撫でるだけでも死んでしまうなら、もふっても死んでしまうのかな。 なんてか弱いんだろ……。 できれば、全部をもふり倒したいけど、 自分の命が危険なときはグランドクラッシャーで一掃するよ。 建物が壊れないか心配だなあ。

実は今欲しいもの? 部屋いっぱいにしきつめられるほどの モフィンクスのぬいぐるみ。


江戸川・律
深海・旭とチームで参加

今回は依頼人(守人)から
新人研修の一環として
彼女をサポートするように依頼されています。

基本は
討伐には手を出さず
(まぁ、【飛べない鳥の王様】で呼び出した3mのペンギンは、舐めたことしたら分かってんな?あっ?とガラ悪く円らな瞳で威圧してるけど)
本当に危なくなった時以外は助けない予定。

しかしまぁ…いっぱい湧いてんな、可愛いけどなんか…圧がすげー
モフィンクスならイレギュラーが無い限り大丈夫だろうと、入り口に陣取り、王様のお腹にもたれながら
(ワレも遊びたいダメか?)と言いたげな王様を押さえつつ、あくびをかみ殺しながら1匹も逃さないように見張ります。

アドリブ大歓迎です。



 
 守人の応援を背に受けて、迷宮での新人研修に挑む深海・旭(蛮族エルフ・f14125)は、がんばるぞー!と意気込みを見てもらうべく声を上げてモフィンクスの前に立つ。
「うわー、ゆるくて可愛い…!」
 モフィンクスで作られた山と海。すいよすいよと殆どの個体が寝息を立てて、丸い身体を揺らしている光景に嘆息を零す旭を少し離れた場所から眺めるのは、依頼人たる守人から彼女のサポートを仰せ付かっているエドガーこと江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)だ。
「イレギュラーが無い限りは大丈夫だろうけど、まあ油断はしないようにな」
 彼女が余程の危険に晒されない限りは討伐に加わらないと決めていた律は、旭へと簡単な注意をだけを向けて壁際に寄る。
 はいー!と元気な返事をして団子状に固まったモフィンクスの山に飛び込んで行く旭を見送り、傍らに呼び出すのは3mもある皇帝ペンギン。頭部には輝く王の冠。出入り口付近を陣取って、一人と一匹は睨みを利かせ始めた。
「しかしまぁ…いっぱい湧いてんな、可愛いけどなんか…圧がすげー」
 右を見ても左を見ても、上下もだいたい黄色っぽい塊。癒し系の災魔として名高い(?)モフィンクスであれども、こうまで密度が高いと和む前に若干引く。過ぎたるは及ばざるが如しという言葉を目の前にしながら、律は王様のお腹に寄りかかった。
 ワレも遊びたいダメか?と嘴でつんつん律の肩をつついて訴えてくる王様を背中で押さえつけ、新人の奮闘(??)を欠伸噛み殺しつつ見守るのだった。

「どりゃー!」
 一方その頃、旭は助走をつけて思いっきり、山のようになっているモフィンクスの塊に飛び込んでした。モッ!と着地された衝撃に柔らかボディを反らした一部分が変な鳴き声と共にしゅわっと消える。できあがった隙間に旭が嵌り込めば、その上にころんころんとバランスを崩したモフィンクスが何匹も雪崩れて転がり、元気な娘さんの足元を埋めていく。地下の肌寒さとは無縁のもこもこぬくぬくワールドのできあがり。
「な、なんてか弱いんだろ……」
 ダイブしただけでも死んでしまった。強めに撫でても死んでしまうし、もしかしてもふっても死んでしまうのかな?と心配だけど、眼前で動いているのを見ればもふりたくなるのが人情というもの。捕まえた一匹のお腹を、もふもふ、モフモフ。意外と長い毛足に指が埋まり、滑らかな毛皮の下に感じる胴体は、中身がぎゅうぎゅうに詰まった大福みたいな感触を伝えてくる。
「気持ちいいなあ。できれば、全部をもふり倒したいけど……」
 百じゃ数え終わりそうにない数のモフィンクスではそうもいかない。でも命の危険を感じる手前ぐらいまでは。もふっても許されるのでは?

 モフッ、モフッ(……娘……そなたが実は今欲しい物は……何ぞ……)

 とても偉そうな物言い(通じない)で、捏ね回されていたモフィンクスが反撃を仕掛けてきた。フスゥとモフィンクスのぽわぽわした口元から噴出した靄を浴びて目を瞠りつつも、何となくフィーリングで問われた内容を理解した旭の答えは即答に近い。
「実は今欲しいもの? 部屋いっぱいにしきつめられるほどの モフィンクスのぬいぐるみ……わあ!」
 応えるや否や、具現化されたのは小型犬サイズのモフィンクスぐるみ。が、沢山。どどどど、と頭に降ってくる大量のぬいぐるみに声を上げた旭を見て、モフィンクスはちょっと勝ち誇ったように胸を反らしたが。その身体に思い切り突き刺さる視線を感じて視線の出所の方を向けば――皇帝ペンギンが、円らな瞳なのに凄くガラ悪そうに威圧している!
(これ以上舐めたことしたら分かってんな?あっ?)
 恫喝の眼差しに、ぶるぶると震えたモフィンクス。しゅわっとそのまま消えていく程度の弱さなので、命の危険が二人に及ぶことはなかったけれど。
「律さん、これどうやって持って帰ろう?」
「どうするかなぁ……」
 大量のモフィンクスのぬいぐるみの運搬、そして本物と寸分違わぬフォルムのぬいぐるみと本物の選別。
 二つの課題に頭を悩ませたかも、しれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユキ・スノーバー
何か凄いおっきい沢山ぽっふもふ!モフィンクスってこんなに群れるんだね!
こういうのって、おしくらまんじゅう?混ぜてまぜてー!(とととっ、と近寄って埋もれに行くスタイル)
(つんつん触れてみたり)ふかふか~(良いないいな、と回るようにぽふぽふ巡り)
寝るのに凄い心地良さそう!一緒におやすみする?
あ、でも登ってぴょんぴょんしてみたいな!(うんしょ、うんしょと登って一息)
(ぽっふんぽっふんを堪能)そろそろ退治しないとなのかな……
増えすぎたら迷宮埋まっちゃうから仕方ないのだ。消耗してなかったら武器でちまちま削るんだけど
瀕死になってたら戦場の亡霊を使って頑張るよー。

アドリブや他の猟兵さんとの絡み歓迎


エトワール・フィラントゥ
まあ!今度はモフィンクスさま方でございますか
今日もアルダワは大忙しでございますね
蜜ぷにさまはぷよぽよでございましたが、はて

一番下のお方は苦しくないのでしょうか
…こんなにもふ積もって…
ええ、こんなにもふもふで……にゃあぁ、もう我慢できませんっ
とつげきでございます、おかくごくださいませ!

狙うはモフさま方の…すき間!
行儀悪いかもしれませんが、いまは、今だけはお許しくださいっ
だって、ふあふあぎゅうぎゅうたまりませんのっ、ネコだから

お、お仕事も忘れておりませんよ
めがもりぱふぇの為に。いえ、皆さまの笑顔の為に!
…心苦しくはありますが、
はたきちゃんでえいえいしてお帰りいただきますの

*アドリブ・共闘も歓迎です



「わあ!何か凄いおっきい沢山ぽっふもふ!」
「まあ!今度はモフィンクスさま方でございますか。今日もアルダワは大忙しでございますね」
 肉球を口元に添えながら、エトワール・フィラントゥ(小さな星・f06523)が感嘆の声を漏らし、ユキ・スノーバー(しろくま・f06201)は面白そうに周囲を見回す。
 地下迷宮で災魔が大量発生。エトワールが覚えた既視感は、ついこの間まみえたばかりの蜜ぷにをが頭を過ぎったからかもしれない。蜜ぷにの感触はぷよぽよだったけれど、はてモフィンクスはどんな感触だろう。爪でちょんとやっても弾けそうにはないモフィンクスをつんつん。
 つんつんするエトワールに倣って、おんなじモフィンクスをユキもつんつん。つついた指先を深く飲み込む毛皮の厚さと、その下のお肉の弾力は、クッションか抱き枕にしたらさぞ気持ちよさそうな高反発。

 モフゥ(……五分……あと五分覚醒に必要であるぞ……)

 ごろりと寝返りを打ったつつかれモフィンクスは、別のモフィンクスに埋まって二度寝を決め始めた。
「モフィンクスってこんなに群れるんだね!」
「一番下のお方は苦しくないのでしょうか……」
 床の方へと視線を落としても、むっちり詰まったモフィンクスで全く見えない。最下層のモフィンクスが重量で圧死しない不思議は、まあ、その、モフィンクス同士だとダメージにならないとかきっとそういう事。
「ふかふか~」
 ヘソ天で眠っているのをぽふぽふ。この感触、いいないいなとモフ巡りをするユキを見て、エトワールのくるんとカールした耳が堪えきれずにふるりと揺れた。ええ、こんなにふかふかで、もふ積もって。その魅惑の重なり具合、暖かそうな狭い場所。
「……にゃあぁ、もう我慢できませんっ」
 我慢の限界とモフィンクスの山へと突撃をかけたエトワールが狙うのは、その、ちょうど仔ケットシーが一人納まりそうな、すき間!
 ボッフーンと頭から飛び込んで、けりけりとモフィンクスを足場にして方向転換。きゅぽっと隙間から出したお顔。メイドキャップはナナメだし、メイド服は黄色の毛にまみれてしまうけれど、お行儀の悪さは許して欲しいなんて申し開きを自分自身に。
 だって、働き者のメイドである前に、ネコだから!

「わあ、こういうのって、おしくらまんじゅう?混ぜてまぜてー!」
 ふあふあぎゅうぎゅうを全力で満喫するエトワールに混ざり、ユキも同じ山にズボーン!と埋まってゆく。二人分の体積を増やしたモフ山は、今や乗車率300%ぐらいのぎゅうぎゅうぶりだけれど、雪が溶けちゃいそうなぐらいに柔らかくて暖かくて気持ちが良いから気にならない。
「寝るのに凄い心地良さそう!一緒におやすみする?」
 近くのモフィンクスへ枕のように頭を置いて、エトワールを誘うユキの手に握られたアイスピックは、ご機嫌ぶりを表すようにぶんぶん振られていた。刺さりそうになったモフィンクスがストレスでスンッと消えていたりするのはきっと瑣末事。
「魅力的なお誘いでございますね……はっ。お、お仕事も忘れておりませんよ!」
 あちこちから聞こえてくる欠伸も相俟って、思わず頷きそうになったけれども自制自制。
「あ、でも登ってぴょんぴょんもしてみたいな!」
 まずはユキが元気よく隙間から抜け出す。けれどお仕事の前に、登頂も果たしたい。
 だってそこに山があるから!
 長靴の跡を毛皮に刻みながらうんしょうんしょとモフィンクスの塊を登り、たまに落石(モフィンクス)が転がってくるアクシデントも乗り越えて高い場所に。どこまで見ても黄色い景色と達成感に浸れば、そう、次はあんまり気が乗らない退治のお時間。
「そろそろ退治しないとなのかな……」
 ユキの呟きに、エトワールは同意を示した。
 猟兵として、成さねばならぬことがあるのだ。めがもりぱふぇの為に。
「いえ、いえ、皆さまの笑顔の為に!」
 一瞬漏れそうになった本音をささっと心のほうきちゃんで掃いて隠し、エトワールも隙間からすぽんと抜け出す。

「増えすぎたら迷宮埋まっちゃうから仕方ないのだ」
「ええ、心苦しくはありますが、お帰りいただきますの」
 かたやはたきちゃんを手に。かたやアイスピックを手に。戦いの火蓋が切って落とされた――。

 えいえいえいえいえいえいえいえい。(二人分)
 モフっ(ぐわー)モフッ(うわー)モフフッ(しぬー)

 子供たちと侮ることなかれ。かなり大量のモフィンクスが骸の海にご帰還あそばしたようです。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴェルベット・ガーディアナ
えーっと…ずいぶんと可愛いオブリビオン?ですね。こう言うタイプと戦うのは初めてです。
攻撃は【見切り】で避けます。はい。あとは【フェイント】を交えつつシャルローザの攻撃(ダンス)…あんまりフェイントかける意味はないような…次々倒せちゃうんですけど可愛いからなんだか罪悪感をかんじちゃうなぁ…しかもちょっとうさぎさんの可愛いさにもにて…はっ!いけない!これでは敵の思うツボ!よしシャルローザと一緒にがんばるよ!



 ずもーん、とまだまだ堆く積みあがっているモフィンクス。
 それを見上げるヴェルベット・ガーディアナ(人間の人形遣い・f02386)は、この手の敵は初めてが多過ぎて勝手が分からない。
「えーっと…ずいぶんと可愛いオブリビオン?ですね」
 思わず漏れたヴェルベットの呟きに、モフ?と数匹のモフィンクスが反応して頭を上げた。

 モフッ(我はモフィンクス……地下迷宮の番人なり……)
 モフッモッモ(そして地下迷宮の……"あいどる"なり……)

 可愛いと自覚があるタイプのモフィンクスだ。
 短い足でヴェルベットの前まで歩き、揃って香箱座りをすると、彼女に視線を注いでくる。可愛かろう。倒せまい。そんな慢心が分厚い毛皮を通して透けて見えたかもしれない。更には口元から靄を吹き付けて当ててこようとするが。戦う気で訪れた彼女がそんな攻撃を食らうはずもなく。ひょいっと軽く見切って避けた。
「さ、さぁ、踊ってシャルローザ?」
 拍子抜けする攻撃に戸惑いながらも、やることはきっちりと。糸で操る雪白の少女人形が、ふわりとモフィンクスの前に舞い降り。すいと手を上げて叩こうとするフェイントを経て、ドレスの裾を翻しながらつま先でモフィンクスの顎らしき部位を蹴り上げる。

 モルッフ!(ふつうに痛い)

 吹っ飛んで消えるモフィンクス。フェイントを掛けても全く意味は無さそうだ。普通にぺちんとシャルローザに頭を叩かせてみたら、水に放り込んだ綿菓子より儚く消えていく。
「……次々倒せちゃうんですけど。可愛いからなんだか罪悪感をかんじちゃうなぁ」
 しかも、ぱっと見のフォルムはヴェルベットの好きな兎にも似ていて非常に倒し難い。そんな空気を感じ取ったモフィンクスから、ひこひこと耳を揺らす精神攻撃。
「戦うより愛でた方が……はっ!いけない!これでは敵の思うツボ!」
 そうこれは敵。オブリビオン。気を取り直して糸を手繰る。
「よしシャルローザと一緒にがんばるよ!」
 気合を入れ直したヴェルベットによって、大量のモフィンクスがぺちんぺちんされては散っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

五条・巴
えっ(一面のもふもふに困惑)
えっ(一面のもふもふに興奮)

そっと身近のモフィンクスを撫でるよ。多分無意識に手がモフィンクスから離れない。

はあ・・・かわいい
顔を保つとか出来ないよ。
こんなにかわ・・・かわいい・・・。

自己紹介にちゃんと手触りのいいものが好きって書いてるのに中々タイミングに恵まれなかった・・・モフィンクス・・・運命の出会いだよ・・・恋かな・・・?

一緒に帰らない?だめ?
今欲しいものなんて、決まっているだろう?
君だよ、モフィンクス(愛の告白)

ずっとモフィンクス達を撫でる手は止めない。
ダメだ・・・なんて強いオブリビオンなんだ。
僕にはただ撫でることしか・・・
あっ強く撫ですぎてモフィンクスがっ



「えっ」
 どこを向いてもモフィンクス。そんな光景にまず困惑するのはよくある反応。
「えっ」
 けれど次の瞬間には、山盛りモフィンクスという状況に気持ちが高まってしまう五条・巴(見果てぬ夜の夢・f02927)は、相当のモフモフ好きと言っていいのではないだろうか。自己紹介の際に手触りが良い物が好きだと主張するぐらいである。

「これは触ってもいいのかな……いいよね……?」
 抱き上げてそっと撫でた黄色みの強い毛皮は指が埋まるほどもふもふで、細く柔らかな密度の高い毛並みが擽ったい。弾力のある柔らかな身体と相俟っていつまでも、撫でていたい心地を醸し出す。
「はあ……かわいい」
 普段から秀麗な顔に笑みを絶やした事はないが、今は更に笑み蕩けている。こんな生き物を前にして、どうして顔を保っていられようか。だって、
「こんなにかわ……かわいい……」
 人は感極まると語彙を失うという。言葉にならない思い。これは恋?種族の壁などもふもふの前には瑣末事?
 ひたすら毛皮を撫でられて、ふるふると頭を震わせて目を覚ましたモフィンクスし、巴に顔を覗き込まれていたと知って耳がぴんと立つ。

 モフッ(……青年よ……今欲しい物を示すがいい……)

 フスゥゥ、と巴の顔に靄を吹き付けて、モフィンクスは攻撃を仕掛けた。その霧を巴は少しだけ手で払う。そうしないと、姿が見えなくなるから。
「今欲しいものなんて、決まっているだろう?……君だよ、モフィンクス」
 ガチなやつだ。
 モヒャ、と至近距離で美青年から愛を囁かれたモフィンクスが変な鳴き方をした。何も具現化させられないまま靄は散り、ほんのり毛皮が桜色に染まっている。一緒に帰らない?だめ?なんて聞かれながら、情熱的に藍の瞳で見詰められて冷静で居られるものがいるだろうか。
 桜色に染まったモフィンクスが、照れからもじもじ動くのを見下ろしながら、ゆるりと柔らかい背を撫でる。妙にいい雰囲気。
 こんな可愛い生き物を倒せるはずがない、なんてなんて強いオブリビオンなんだ、矢張り連れて帰りたい。
 強い想いについ撫でる手へ力が篭り、ぐりっと強めに背中を撫でてしまったら。

 モ゛ッ(うっ)

 秒で死んだ。
「あっ、モフィンクスがっ」
 しゅわしゅわと消えていく身体をただ見送るばかりの、儚い、愛のひと時だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久東・柚葉
ほわー もふもふがいっぱーい!
とキラキラした目でまわりを見渡すよ。今後の仲間(ぬいぐるみ)を増やすときのデザインの参考にもなるしラッキーな依頼だなぁ …といいつつもただ触りたいだけだったり(わきわき)
でもこの数では触るのに私だけじゃ手が回らないし仲間(ぬいぐるみ)に手伝ってもらっちゃお!
みんな出ておいで〜とUCを起動するよ。そしてリス達に「よーし、みんな!この目の前のもふもふした子達を好きなだけ触っておいで。ちょっとならいたずらしてもいいよ」と言って指示するよ
はっ!モフィンクスが居るうちに私も抱きつかなきゃ!とぅ!
と躊躇い無くダイブするよ!
ひたすら幸せな顔でもふもふするよ〜
…幸せ~(うっとり)



「ほわー。もふもふがいっぱーい!」
 大書庫に足を踏み入れた久東・柚葉(小動物ぬいぐるみ遣い・f09545)の第一声は、目を輝かせながらのとても弾んだもの。
 今後のぬいぐるみ作りのデザイン参考に、という名目もあれば今回の依頼は渡りに船。あの帽子も丸々とした身体も、ぬいぐるみにしたらとても映えそうな形だと思う。けれども触りたい気持ちの方が割合の殆どを占めているのは、寝そべるモフィンクスに向けてわきわきさせた手に現われていた。

 まずはこの大量湧きに対応するべく【スクァーレル・クラスタ】で沢山のリスのぬいぐるみを召喚する。みんな出ておいで〜、の声に応えて、ひょこひょこと姿を現した可愛いリスのからくり人形達が、柚葉の前でちょこんと整列をして指示を待つ。
「よーし、みんな!この目の前のもふもふした子達を好きなだけ触っておいで。ちょっとならいたずらしてもいいよ」
 ちょっぴり不穏な指示が聞こえたモフィンクスの何匹かが、モフッ?!とまるで焦っているように見えない焦り顔で柚葉たちの方を見た頃には、もうリスがモフィンクスの方に駆け寄ってくる所だった。
 機敏なリスと、肢の短いモフィンクスでは追いかけっこにもならないようで。

 モフッフ!(頭巾に潜り込まれている)
 モフゥゥウ(耳にぶら下がられている)
 フモッ!(口元のポンポンを引っ張られている)

 モフィンクス目線から見るとわりと阿鼻叫喚の凄惨な光景。いたずらを食らって過度のストレスに晒されたモフインクスが、スンッと蒸発するように消えると、リスは次の標的を探して走り出す。漣が引くように、どんどんと数が減り続ける黄色い塊。
「はっ!モフィンクスが居るうちに私も抱きつかなきゃ!」
 リスたちの戦果を満足そうに眺めていたが、我に返る。今日はもふもふを堪能しに来たんだった!
 とぅ!とまだ残っていたモフィンクスの山に柚葉は思い切りダイブする。小柄な身体を受け止めて、もふむちの塊がばいんと弾んだ。上等のスプリングを備えたベッドの更に上を行く寝心地に、とろとろふわりと柚葉の表情が緩む。
 モフィンクスの上に寝転んだまま、ふかふかの毛皮に顔を埋めたり撫でたりできるフルモッフコース。
「……幸せ~」
 うっとりした声で呟く声に被さる、リスに襲われるモフィンクスの悲鳴。
 これが天国と地獄、というやつかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

わーぁ、なんか埋まってるねぇ
なんてちょっと遠く見て現実から目を逸らしてる内に
一緒に居た筈のたぬちゃんがモフィンクスの海に消え……
あらぁ、ダメだありゃ

とは言えこのもふもふ、手強いのは確かよねぇ
一匹ずつ窓からぽーい出来ないのかしら(地下です)
一匹ずつ……(もふ)(もふもふもふ、)(ぐー……)
……は。いやいやココは心を鬼にして立ち向かわないと!

意を決するも、焼いたり凍らせたりはたぬちゃんの気持ちが折れそうだし
ぎゅっと抱きしめたら倒されてくれる?
反撃は『オーラ防御』と『激痛耐性』で耐え凌いどくネ

見上げてくる視線と合えば
うん、首謀者にはお仕置きが必要ネ
なんてとぼけておこう


火狸・さつま
コノf03130と参加

狸っぽい色合いの狐姿にて
モフィンクスの群れへ突っ込む
人語会話不可


モフィンクス達のもふもふ愛らしさに
戦いたくない!という態度
………こいつら、無害だと、思う
こんなに弱々しいし
守るべき存在では……?
モフィは悪くないはず……はず…………と戯れに勤しむ
………可愛い正義………む、無害……
とは言い切れぬ団体さんっぷりに
暫しもふもふすりすりしていたが
名残惜しくもお別れを決意する
痛く無きよう、そっと
最低限の力で撫ぜて
ゆるり、お眠りよ…


モフィ達を無闇に集めたヤツ赦すまじ。

(………コノちゃん、もふもふ)
(コノちゃんの尻尾出して、触らしてってしょんぼり寂しげな顔で見つめる)



「わーぁ、なんか埋まってるねぇ」
 積み上がるモフィンクス、床を埋めるモフィンクス。だいたいどこにもモフィンクス。遠くを見遣って焦点を暈し、現実逃避をしてみても、コノハ・ライゼ(空々・f03130)の視界を染める色が黄色い事に変わりはない。と、思ったけれど。
 びゃっと足元を過ぎてモフィンクスに向かう茶色っぽいものは見えた。迷いのない直線コースでモフィンクスの群れに頭を突っ込んだのは、コノハと共に迷宮へ訪れたタヌキ……ではなく、ただの狐……でもなく、狐に変身中の火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)だ。茶色と焦茶で彩られた毛皮がモフィンクスの海に沈む様は、カラメルの足りなさ過ぎるプリンのように。
 
 モフ?と突っ込んできた色違いの四つ足に、眠っていなかったモフィンクス達が興味を惹かれてわらわらと集まってくる。さつまの周りを取り囲んで暖を取るもの、匂いを嗅いで確かめるもの。

 モフッ(……同胞よ……どうしたのだその姿は……)
 フモッフ(……人の子に……焼かれて焦げたのか……)

 色違いの仲間だと思われている。ぎゅうぎゅうに身を寄せてくるモフィンクスの愛らしさに、埋まるさつまは戦いたくないと訴える眼差しをコノハへと注いだ。こいつらは無害、との声なき思い思いよ届け悪友へ。
「あらぁ、ダメだありゃ」
 しかし視線受けた方は、ぬるい目で見守るばかりだが。
(こんなに弱々しいし守るべき存在では……?)
 たふたふと目の前の柔らかい胴体を前肢で軽く押して主張。その所作だけでぷるぷる震えが耳まで走るモフィンクス。たふたふが止まればモフゥと鳴いて再び眠り出す。
 見目も可愛いく敵意も向けられない、となるとある意味倒しづらい強敵であると、コノハは嘆息しながら一匹を小脇に抱えた。
「一匹ずつ窓からぽーい出来ないのかしら」
 窓は無くとも通気口だとか。ううんと思案している間に、無意識に抱えたモフィンクスへと伸びるコノハの手。
「一匹ずつ……」
 もふもふ。もふもふもふもふ。ぐにぃ。無駄に柔らかく保温性が高い毛並みを撫で回し、ついでにぷよぷよの腹も押してみる。ぽーいされたくないモフィンクスは、じたじたと空中で短い足を掻いていた。
(可愛いは正義……コノ、こいつらはむ、無害……)
 モフィンクスをつつき回そうとした鼻先をすっぽり黄色い毛皮に埋めながら、さつまはまだ不殺を主張している。うっかり頷きそうになったコノハが、首を横に振り。
「……は。いやいやココは心を鬼にして立ち向かわないと!」
 何せこの団体ぶり。それでなくとも忘れがちだがオブリビオン。そしてフロアボスは埋もれて未だに行方不明。そんな状況はさつまも分かっている事なので、コノハの声にしょんぼり頭を垂らすもそれ以上に保護の意思は見せなかった。

 つまり、お別れの時間である。周囲に集まったモフィンクスとたっぷり名残を惜しんでから、さつまはモフィンクスの頭に前肢を置き。ゆるり、お眠りよと願いを込め、痛くないよう倒せる最低限の力でずずいと尻尾までを押し撫でる。
 コノハもぎゅっと強めに抱き締めて、腕の中のモフィンクスを倒さんとする。流石にさつまの前で焼いたり凍らせたりを見せるのは酷だろうと、最大限の気遣いをもって。

 モフゥゥゥ モモッフゥ (うわー) (ひえー)

 しゅわしゅわと消えていくモフィンクスが上げた鳴き声は、最後まで緊張感の欠片も無かったようで。けれども倒される同胞を目撃したモフィンクス達がそのストレスで更にしゅわっと消える連鎖反応。
「……ナンか、倒す側の方がダメージ大きいカンジ」
 とても悪い事をした気分と、がくり肩が落ちる。とてとてとコノハの元に戻ったさつまは、
(モフィ達を無闇に集めたヤツ赦すまじ)
 と復讐の炎を青いおめめにに燃やし。それからモフり足りないと言いたげに、再び視線で語りかける。
(………コノちゃん、もふもふ)
 普段しまいっぱなしの、妖狐たるコノハの尻尾を出して触らせて欲しいと、殊更寂しげなしょんぼり顔を向けてみたが。
「うん、首謀者にはお仕置きが必要ネ」
 視線が合ったコノハは、尻尾に関してはとぼけた返事でスルーを決め込むのだった。

 しょぼんと再び頭を垂らしたさつまの背中を、まだまだ沢山居るモフィンクスの短い肢がぽむと叩いたとか、なんとか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ネーヤ・ティオモ
【SPD】
なんかとても和やかな雰囲気で…戦うのはかわいそうな気がするのですが
学園のため…ここは心を鬼にして、お仕事します!するっていったらするんです。

……
…あ、あの、お仕事の前に、一匹ぐらいもふもふしても許されるでしょうか…?
ちょっとだけ、ちょっとだけならいいですよね…
そこのあくびをしてる子とか…いいなあ…
一匹ぐらい、一匹ぐらいなら…

…………ああ!やっぱり無理!思いっきり抱きしめたりもふもふの山に飛び込みたいです!いえ実行しますごめんなさい!
全力の助走をつけて飛び込みます!てやーっ!



あっ衝撃で…し、死んでる…
ち、違うんですわたしそんなつもりじゃ…



 立ち尽くすネーヤ・ティオモ(ライフセーフティ・f13967)の足元を、短い足を動かしてモフィンクスが通過する。戦場とは思えない和やかさに、どうしても戦うのが可哀想になってしまいはするのだけど。
 けれども猟兵は学園の為に戦うものなので。
「……ここは心を鬼にして、お仕事します!するっていったらするんです!」
 声に出して自分に言い聞かせないと、気持ちが折れる気がして殊更に声を張って宣言するネーヤ。その足元を再び通り過ぎる別のモフィンクス。

「……(モフィンクスをじっと見ている)」
 いやいや、お仕事するんですってば!
「…………(モフィンクスを穴が空くほど見ている)」
 でもお仕事しちゃったら、このもふもふは触れなくなるんですよね……。
「…あ、あの、お仕事の前に、一匹ぐらいもふもふしても許されるでしょうか…?」
 ネーヤは折れた。触ってみたい好奇心を満たしてからでも、きっと戦うのは遅くない!
 ちょっとだけ、ちょっとだけ。一匹ぐらい、一匹ぐらい。と自制の言葉を呟きながら、もふ団子の中で暢気に欠伸をしている一匹に手を伸ばす。
 クレーンゲームの景品のように持ち上げられたモフィンクスがネーヤの腕の中に納まった。
 モフッフ?と、鳴き声を上げるモフィンクスをそっと撫でれば、ふわふわの毛皮がネーヤの手の平を受け止める。ぷりぷり柔らかな身体も腕を心地よく温めて、抱き枕にしたらさぞ気持ち良く眠れる事だろうと思わせるのだった。
 暫くは無心でふかふかと撫でていたメーヤだったが、一匹でこれ程なら、ぎゅっと抱き締めたりあの団体に飛び込んでみたりしたらもっと気持ちいいのでは?という魔の囁きがするりと忍び込んでくる。自制しようと、思いはしたけれど。
「…………ああ!やっぱり無理!実行しますごめんなさい!」
 ネーヤは再び折れた。近くのもふ山に向けて全力の助走からのダイブ。
 モッフゥゥゥゥン!と毛皮に埋まり、飛び込んだのと同じ力で跳ね返されてぽよぽよ弾む。そして、スンっ……。と衝撃を受けたひとかたまりのモフィンクスが消えていった。
「あっ衝撃で……し、死んでる……」
 ネーヤの声で仲間が倒されたのだと知ったモフィンクス達がわらわらとネーヤの周りに寄ってきた。
 モフ。モフモフ。モフモフモフモフ。
「ち、違うんですわたしそんなつもりじゃ……!」
 何かを訴えて鳴くモフィンクスに、必死で弁明をする少女の姿。

 けれども、モフィンクスを倒すという本来の目的は達成できているので、これが結果オーライと呼ぶべきものだったのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

カーニンヒェン・ボーゲン
いやはや、ここがアルダワ魔法学園の地下である事を忘れますな。
このジジイめも普段、耳や尾を意識しておりませんし、それを日常とするなら平和でよいのかもしれません。
然らば暫しの時、過去の残照と偽りの平穏を共有しましょうか。
他の猟兵殿らの邪魔にならぬようにしつつ、正座するので膝の上に…膝に乗って頂きたかったのですが…。
(盛大に膝から溢れて全身埋もれそうですが、ジジイは満足の模様。)

気持ちが良いと耳や尾が自然に揺れてしまうのですよ…。
何やら自制が出来ずにいるようでお恥ずかしいのですが、たまには肩の力を抜くのも良いものですね。
さぁ、貴方がたはそろそろお帰りなさい。
【UC:人狼咆哮】で驚かせて退散させます。



「いやはや、ここがアルダワ魔法学園の地下である事を忘れますな」
 カーニンヒェン・ボーゲン(或いは一介のジジイ・f05393)は感嘆の声を漏らす。ここは災魔が罠が、侵入する無作法者を噛み砕く機を待って牙を研ぐ場所。学園地下迷宮。
 その深部である筈の大書庫にひしめくふわもふの群れは、いっそ夢の中の光景だ。
 けれども長きを生きた人狼が耳や尾を普段意識しないように、これを日常と偽る一時もきっと悪いものではないのだろう。どのような形であれ、平和は平和。失われる前に味わうのも乙なものと、戦闘を試みる他の猟兵からは距離を取って部屋の奥へ。それなりに数が減ってきてはいるものの、足元はまだ底が見えないほどのモフィンクス溜まり。あまり踏まない場所を探して腰を下ろすと、カーニンヒェンは正座の姿勢で膝をぽんと叩いた。

 モフッ(歴史を知る人の子よ……何用か……)

 カーニンヒェンに気付いたモフィンクスが、もこもこと口元を揺らして物問いたげに鳴けば、更にぽんぽんと膝を叩いて示す。
「さ、正座をしておりますので膝の上に……」
 促す声に反応したのが、一匹だけではなかったのは幸か不幸か。のっそりとカーニンヒェンの周囲に集まり始めたモフィンクスの数は、一、二……沢山。
 ずいっと一匹が膝に乗れば、その上に別のモフィンクスが登って寛ぐ。またまたその上に、膝と身体の間に、肩に、とどんどん高密度で乗り込んでくるもふもふ達。
「膝に乗って頂きたかったのですが……」
 集合すると暖かいのだろう、次々と身を寄せるモフィンクスで終いには全身埋もれてしまったカーニンヒェンだが、案外当人は満足そうだ。
 手袋に包まれた手の上へ頭を置いて昼寝を始めたモフィンクスの顎をたふたふ撫でながら、身を包む毛皮の気持ち良さに、思わずシルバーグレイの耳と尻尾が揺れに揺れる。
 頭の上にまで乗ってきたモフィンクスが、揺れる耳を小さな肢で叩こうとするこそばゆさに目を細め、獣の様相を残したままの部分に自制が出来ないと恥じる様子を見せながらも、モフィンクスが耳へ触ってくるのを止めはしない。
 偶には、こういった肩の力を抜く時間は必要で。けれども永久の友誼が結べないのもまた事実。乗り上げていたモフィンクスを一匹ずつ丁寧に降ろしてカーニンヒェンは静かに告げた。
「さぁ、貴方がたはそろそろお帰りなさい」
 返ってきた鳴き声が受容か拒絶かは知れずとも、ヒトとして猟兵として、成すべきことにぶれは無く。

 す、と息を吸い込んだ老紳士が放つ、獣たる力の片鱗。オォン、と残響で部屋全体を震わせる咆哮に包まれて、沢山のモフィンクスが過去へと還される。
 驚かせて追い払う、それは狼なりの優しさだろうか。

 モフゥ、と鳴いて消え行く姿を見送るように、老紳士は洗練された所作で一礼を向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユニ・エクスマキナ
きゃー!もふもふがいっぱい!!
あれ?寝息が聞こえる……?寝てる、の?
とりあえず、こそって触ってみよう……わわ、モフってなったのね!
よしよし起きないな……じゃぁ、もっともふってしよー!
わーい、わーい!もふもふー!!
モフィンクスで埋め尽くされた床にダーイブ!!
もふもふ!
もう一回!もう一回!!もう一回!!!
はわー、もふもふ最高!何回やっても飽きない!すごい!!
ていうか本当に起きないのかな……?
ツンツンしてみちゃおうっと。
もしも、起きちゃったらごめんなさいっ!!って平謝り
怒られて攻撃されちゃったら一応反撃するのね
黙ってやられる義理はない!
もふもふのお礼?それとこれとは話が別なのねー!

※アドリブOK



「きゃー!もふもふがいっぱい!!」
 モフィンクスの黄色い毛皮で埋め尽くされた部屋に響く黄色い歓声。ユニ・エクスマキナ(ハローワールド・f04544)の声を聞いても、当のモフィンクス達は耳をぴぴっと揺らしただけで目を開こうともしない。もっとも、開眼した姿を見たという話は聞かないが。
 モフゥモフゥと安らかな寝息を立てているモフィンクスを覗き込んで、ユニはこっそり触ってみようと手を伸ばした。毛皮が指を半分ぐらいまで飲み込んだ頃合で胴体の柔らかい感触に到達する。ぷよんぷよんと触られるままに体を揺らすモフィンクスは、まだまだ夢の中のご様子。
「よしよし起きないな……じゃぁ、もっともふってしよー!」
 熟睡していると分かればこっちのものと、両手でまろいボディを存分にもふりにかかる。赤い手袋越しにでも伝わるもっちりした弾力に、薔薇色の瞳がきらきらと輝いた。毛皮を梳けば、気持ち良さげな溜息をプスゥと吐いたモフィンクスが、夢見心地に顎をユニの手に載せてくる。
「わーい、わーい!もふもふー!!」
 触れば触るだけ高まるもふもふ欲に身を任せて、今度はモフィンクスまみれの床へとジャンプ&ダイブ。
 モフゥゥゥン!と埋まり、ぽよーん!と跳ね返る様はさながら柔らかトランポリン。
 ついつい、もう一回!を繰り返して何度もダイブを繰り返すけれど、全く飽きない。飛び込む反動で周囲のモフィンクスもぴょっと浮かんでは落下するエンドレス。
 これでも起きないのかな、と乗り上げているモフィンクスの様子を窺ってみれば、顔の眉間に当たる部分にめっちゃ皺が寄っている。流石に衝撃で起きたようだった。

 モフッ!モフ!(娘よ……何ゆえ我等の眠りを……妨げる……)

 鳴き声を通訳するツールはないけれど、責められているのは流石にわかる。
「はわー、起こしちゃったのね。ごめんなさいっ!!」
 ユニは平謝りをしてみたが、モフィンクスはたしたしと短い足で床(モフィンクス)を叩いて許すまじの意思表示を見せた後に、ぶわりと靄を発射してくる。
 それが攻撃と察したユニは謝っていた姿勢から一転、【Record(◙) & Play(▶)】で応戦に入った。だって黙ってやられる義理なんてないし!
 靄を吐き出すモフィンクスの踏ん張った姿勢をディスプレイに映し出すと、そのまま攻撃してきた一匹へとお返しする。靄が直撃したモフィンクスは、実は今欲しい物という問いに答えられず、ビシィ!と平手打ちされた程度のダメージを受けてしゅわわと煙のように消えていった。
 モフッ、モフモフっ?!と辺りのモフィンクスは抗議の鳴き声を上げたけれど。
「もふもふのお礼?それとこれとは話が別なのねー!」
 戦いとは非情なものなのだと、金の髪を揺らして反撃を続ける少女に現実の厳しさを教え込まれるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴァーリャ・スネシュコヴァ
ふわああああ……!! こ、これが噂に聞くモフィンクス…! な、なんと愛くるしいフォルムなのだ……!

(抱きしめてもふもふ頬擦り)
はわあ〜……!! なんともふもふで柔らかくて素晴らしい肌触りなんだろう!
君、俺のペットにならないか? 専属の抱き枕になってもいいのだぞ!
もふもふが積み重なっている姿もとても可愛いな! ここはもふ団子状態の隙間に挟まって、モフィンクスに包まれて……。

……ハッ!? つい眠ってしまった!
そうだ、俺は猟兵として大事な仕事があるのだ……。
最後にはきちんと『雪娘の靴』でモフィンクスたちを倒しにかかるぞ。
うう……無害なもふもふを倒すのは悲しいのだ……。

(アドリブ、絡み等大歓迎)



「ふわああああ……!! 」
 ヴァーリャ・スネシュコヴァ(一片氷心・f01757)は両手でモフィンクスの前肢の付け根を支えて、高く掲げながら目をきらっきらに輝かせていた。初モフィンクス体験に、氷の色を纏う少女の頬は上気して桜に染まる。
「こ、これが噂に聞くモフィンクス…! な、なんと愛くるしいフォルムなのだ……!」
 全てが曲線で構成されたぷよぽよ体型を腕の中にぎゅうっと閉じ込めて、柔らかそうな顔と胴体の境目辺りに顔を埋めた。もふもふと頬擦りをすれば、密度の高いふわっふわの毛が柔らかく頬を撫でる。これ、持って帰りたい。
「君、俺のペットにならないか? 専属の抱き枕になってもいいのだぞ!」
 いい事を思いついたとぱっと顔を上げて、モフィンクスの顔を覗き込んでみた。モフ?とスカウトされたモフィンクスは短い前肢で自分の顎を触りながら前向きに検討を始めたようだが、その間にヴァーリャの興味は団体様に移っている。

 モモフ モッフ(たっぷり三食と……おやつ……そして昼寝は6時間……)

 ペットとしての人生設計を始めたモフィンクスを抱えたままで、ヴァーリャはモフィンクス同士が重なり合って作られた一塊の団子の隙間に潜り込む。
 暖かい毛皮に包まれて、連れてきた一匹を抱き枕として腕に抱え込み、頭を別のモフィンクスのおなかに預ける至福の時間。
「はわあ〜……!!」
 思わず魂が蕩けたような溜息が零れてしまうと、それを切欠として周りのモフィンクスもぷわっと口元を膨らませた。

 モフ~ モフ~ モフ~ モフ~zzz……

 眠気を誘うアクビの大合唱が響く。暖を取ろうと、数匹のモフィンクスがのそのそ乗っかってくれば掛け布団も完成。この状況に抗えるものなど居るのだろうか。いや、きっといない。
 (五分経過)
 (十分経過)
 (安らかな寝息)
「……ハッ!? つい眠ってしまった!」
 ガバァ!と本来の目的を思い出して跳ね起きた拍子に、布団が数匹吹っ飛んでごろごろ転がった。そう、己は猟兵としての大事な仕事があってここに訪れたのだ。
 名残惜しそうに立ち上がり、履いていた靴へと魔力を流して靴底に氷のブレードを作り出す。ぎらんと輝く刃に縮み上がるモフィンクス。ペットになるつもり満々だったのか、ショックを受けた顔をしているのも一匹混じっていたが、纏めて『雪娘の靴』で蹴って行く。

「うう……無害なもふもふを倒すのは悲しいのだ……」
 モフゥモフゥと鳴きながら数を減らしていく、もふもふ達への罪悪感にちょっぴり胸を痛めつつ。
 即席のスケートリンクでモフィンクスをひんやりさせたりもしつつ。
 ヴァーリャは花丸なお仕事ぶりを見せていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ライブラリーマスター・シャルロット』

POW   :    おしおきディクショナリー
単純で重い【鋼で強化された分厚い辞典の角】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ふたりの夢の王子様
自身が戦闘で瀕死になると【白馬に乗った王子様】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    やぎさんゆうびん
【大量の子ヤギ】の霊を召喚する。これは【噛みつき】や【タックル】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はミモザ・クルセイルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【2月14日午前九時より、二章のプレイングを募集いたします】
●めえめえ❤️もふもふ
 モフィンクス達が徐々に数を減らし、大書庫の全容が見えてきた。ずらりと壁一面、段差ごとに設えられた本棚。壁の四辺に一つずつある大きな樫の扉。
 黄色の毛皮でもふもふと覆われた床の色が見えるまであともう少し、というところで――にょき!っと中央から生えたものがある。

「……ぶはっ!!はーーーーっ!!げほっ。あーもう死ぬかと思った……」
 桃色の髪をした女の子の頭だった。モフィンクスを押し退けながら這い出てくると、続いてヤギもひょっこり同じ場所から生えてくる。ぱんぱんと毛まみれになった服を払ってから、ようやく猟兵に気付いて顔を上げた。
「あ、あなた達が助けてくれたの?ありがと……じゃ、ない!もしかしなくても学生!!」
 ぴょこり、と頭を下げてお礼を言い掛けて、迷宮に降りてくるのは学園の関係者だけと思い出したようで。
「パフェ食べに行く邪魔はさせないんだから。……やぎさーん!おねがい!!」
 握り締めた魔導書が光り、女の子が臨戦態勢に入る。召喚されたのは――今度は、大量の子ヤギの霊だった。霊といってもすり抜けないし、タックルされたら普通に痛い。猟兵達へとけしかけられた子ヤギはめえめえ鳴きながら、モフィンクスを蹴散らして駆け出す。
 その子ヤギの間に紛れて、カフェを目指して扉の方へダッシュを始めた少女と本体のヤギがこの階のフロアボス。ライブラリーマスター・シャルロットだ。

 戦う、というよりはカフェまで逃げるつもりらしいけれど、頑張って退けてほしい。
 飲食店の平和も猟兵達の双肩にかかっているのだから!
ヴェルベット・ガーディアナ
モフィンクス…恐ろしい敵だった…可愛すぎる。お次はあの子とやぎさん達を止めなきゃだね。あの勢いでお店に突入というか突撃してしまったら大変なことになっちゃうから。
普通に行けばいいんじゃないかってつっこみは無しかな。でもあの子とお友達になれたのなら…それも不可能じゃない。よね?

とにかく今は止めないとね【戦乙女の審判】で戦乙女さんを召喚。よろしくね。僕は【援護射撃】したり【鼓舞】で応援だよ!


黒谷・英壱
ある程度片づけられたとはいえ、一体ここの学校はどういう管理をしたらこんな大量に発生するんだよまったく

と、ぶつぶつ言ってるとふと彼女と視線が合った気がしたような
え?あぁいや俺は別に……っておい待てよ!

怪しさしかないので慌てて分身生成を発動させて彼女の後を追わせる
が、召喚された霊ぽい子ヤギがモフィンクスを次々蹴り飛ばしてるあたりまさか実体か?
てことは……ちょ、ちょっとおいおいおい!確実にこっちに突進する気満々じゃねえか!
しょうがない、ここは【逃げ足】で回避して当たりそうになったら壁際まで走り【見切】って【フェイント】をかまして当てさせる

今は下手に相手するよりさっさと合流してあいつに追いつかねえと!



 子ヤギの群れの突撃に怯む猟兵は一人として居なかったけれど、怯むモフィンクスはまだ部屋の隅にちらほらと。ころんころんと転がりながら逃げ惑うもふもふを見て、はあっと聞こえた溜息がふたつ。似たような音でも思うところは別のよう。
「モフィンクス…恐ろしい敵だった…可愛すぎる」
 先程までの戦いに思いを馳せたのはヴェルベット・ガーディアナ(人間の人形遣い・f02386)だ。そしてもう一人の黒谷・英壱(ダンス・オン・ワンライン・f07000)といえば。
「一体ここの学校はどういう管理をしたらこんな大量に発生するんだよ、まったく」
 様々な要因でとっちらかり過ぎている有様に、呆れる気持ちが言葉の端々へと滲んでいた。

 掘り出された礼を述べるフロアボス・シャルロットの声に英壱は手を振って、俺は別に何もと謙遜をしてはみた。が、忙しなく転進を始めた姿を見れば慌てて【Symbolic Alias】を発動させ、己の分身を電脳の海より喚び出す。
「これ、普通にカフェ行けばいいんじゃないかってつっこみは無しかな」
 シャルロットとお友達になってしまえば、平和的にパフェを堪能できるのでは?とは、子ヤギを迎え撃つ体勢を整えながらのヴェルベットの提案。
「いや怪しさしかないだろう。……ちょ、ちょっとおいおいおい!確実にこっちに突進する気満々じゃねえか!」
 あの物量で押し切る姿勢のボスに話し合いはまず無理だろう。モフィンクスを蹴散らす珍妙な光景を、ちょっと視線遠くした黒い目へと映して英壱は応える。
 向かってくる子ヤギとは反対の方向へ逃げるシャルロットの背中に、おい待てよ!と制止の声を向けると共に彼女を追えと分身に命令を下した。
「確かにあの勢いでお店に突入というか突撃してしまったら、大変なことになっちゃうかも」
 英壱に続いてヴェルベットも【戦乙女の審判】にて召喚する。ふわりと虚空より顕現したのは、凛とした面持ちで槍を携えた戦乙女の霊。

 目には目を、数には数を。分身や霊を用いて手数は増えた。準備万端整えた二人のうち、まずは子ヤギを相手取るべく英壱本人が前へ出る。
 メェメェ、大合唱を響かせる黒い顔に白い毛皮を纏った体の子ヤギ。第一目標を英壱と定めた集団がどどっと蹄の音も高らかにこちらへ向かうのを確認してから、くるり転進して壁際へと駆け始める。
「今は下手に相手するよりさっさと合流してあいつに追いつかねえと!」
 ならば、追跡に邪魔なものは頭と逃げ足を駆使してあしらうべし。背後から子ヤギが殺到してくる音を聞きながら、そっちは任せたとヴェルベットと分身にボスを託しての追いかけっこだ。
 部屋の壁ぎりぎりまで駆け抜けた英壱は、そのまま衝突すると見せかけて――ぐん!と九十度の方向転換、そして跳躍しての身軽な離脱。

 メェ!メェェエ! ……メ゛ッッッ?!!!
 どしゃーん!と飛んだ足の下では急停止できなかった子ヤギが壁に激突する痛そうな気配。どす、どすどす、と衝突した子ヤギの尻にまた別の子ヤギが突っ込む玉突き事故の果て、スウッと薄くなっていく。完璧に英壱の作戦勝ちであった。

 英壱の働きによって数が減った子ヤギは容易にかわせた。ヴェルベットと追跡組一向はシャルロット追いつき、更には出入り口の一つを塞ぐ。
「はっ、通せんぼなんてひどい!」
 左右を分身に挟まれ、扉の前には戦乙女とヴェルベットの二段構え。足止めをされて頬を膨らませ、文句を垂れるシャルロットに、せいっと戦乙女が槍を出す。
「お店に迷惑を掛けては駄目だよ?とにかく今は止めちゃうね」
 言い返す様は駄々っ子を諭すお姉さんの如く。槍をかわそうとした瞬間を狙って援護射撃で迎えれば、思いっきりバランスを崩したシャルロットが、すてーん!と転んで後頭部を強打した。その隙に取り押さえようと英壱の分身が跳びかかる。
「いったーい!……うう、絶対上まであがってやるんだから!!」
 しかし腐ってもフロアボス、床を張って起き上がると別の出入り口に向けて再びダッシュを始めた、が。

 物凄くその足元がふらついているのは、ヴェルベットにも、子ヤギをあしらい終えた英壱の目にも明らかだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

モフィの次は子ヤギ……
も、もふりたいとか思ってナイよ……?
可愛いかろうが敵は敵
このアタシに罪悪感というストレスを与えた罪は重い!
(モフィの恨み)(置いとかれる矛盾)

逃げようったって甘いヨ
たぬちゃんの首根っこ掴みシャルロットの前へぶん投げる
ヤギは任せときなさい、焼くのは得意だからねぇ
【月焔】を分散させ撒き散らし、ふとたぬちゃん見れば
破壊力溢れる威嚇に膝から崩れ落ちる
か、可愛ぃ……
じゃなくて真面目にやる!
思わずちょっと手元が狂ったって仕方ないよネ
たぬちゃんの側を炎が掠めてもしれっと黙々ヤギを倒す

美味しいもの食べたい気持ちは分かるケド
やり過ぎてイイ理由にはなんないからネ


火狸・さつま
コノf03130と

狸っぽい色合いの狐姿の儘で
モフィ達を無闇に集め不幸な目に遭わせたヤツ赦すまじ
と、意気込むも

…?!
え?この嬢ちゃん?と、コノちゃんと嬢ちゃんを交互に見る
何ぞ埋もれとったけど大丈夫かと少々心配になりつつ
されど!モフィの仇は取らねばならんと奮起

扉への進路を阻むように着地
ぼふっ!と尻尾ふくらませ身構え
きっ!と前を見据えて
……しゃ…!(威嚇)
先日、見様見真似で習得したものである
エンに習ったやつ。と、いう顔でコノを見て、違う?と首傾げる

怯んだ(?)隙にヤギさんをもふる攻撃!
あ、真面目にやる、大丈夫

【見切り・オーラ防御・激痛耐性】にて攻撃凌ぎつつ【範囲攻撃】
痛いのは可哀想なンで【安息を】



 すたた、と、どどどの二種類の足音はどんどん大きくなり、地響きとして届いていた。

 一人と一匹が待ち構えている扉は手薄と読んだのか、シャルロットとヤギと子ヤギの軍団は一直線に扉を突破しようとぐんぐん距離を詰めてくる。
 避難が遅れたモフィンクスが巻き込まれ、ぽんぽん宙に舞っては消えて行く無体を前に、無闇に集めたヤツ許すまじ、の姿勢でいた火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)の気勢はしかし、目標と対峙した瞬間にちょっと削げそうになった。
(……?!)
 え?この嬢ちゃん?と思ってしまうのも無理はないだろう。どう見ても子供、更にはふはふとと息を切らし気味に疾走する様子。何やら埋もれていた経緯もあるし大丈夫なのかと心配にすらなる。
 フロアボスを迎撃、という緊迫感とはかけ離れた新たな毛玉ご一行様への戸惑いは、シャルロットとコノハ・ライゼ(空々・f03130)を交互に見遣る仕草に如実に現われた。
「も、もふりたいとか思ってナイよ……?」
 モフィンクスが片付いたと思えば子ヤギである。もふもふの波状攻撃にコノハが発した台詞は、説得力が若干行方不明になっているのは自覚済み。
 けれども、可愛いかろうが敵は敵とコノハは切り替え、モフィンクスの仇は取らねばならないとさつまも奮起し直し、扉の前に立ちはだかる。

「え、わ、ぶつかっちゃう!お兄さんたち、そこどいてーっ?!」
「お断りよ、このアタシに罪悪感というストレスを与えた罪は重い!」
 もふもふの恨みをもふもふに返すというのも業深いけれど、ここは通さぬとコノハがまず掴んだのはたぬちゃんの首根っこだった。そのままシャルロットの前目掛けて綺麗なフォームでの、投擲!
 綺麗な放物線を描いて飛んでいったさつまが、シャルロットの足元へ10点満点の回転着地を決めれば、ひゃあと抜けた悲鳴が少女から漏れた。取り巻きともども急停止せざるを得ない。
 野生動物らしきものの出現に困惑するシャルロットをきっ!と見据え、ご自慢のもふもこ尻尾をぼふっ!と大きく膨らませ。さつまは四肢を突っ張って身構えた。びくっと少女の肩が跳ねたところで――
「……しゃ……!」
 カッ!と口を開けての威嚇の姿勢。
 ヤギは任せろとばかり【月焔】の冷たく揺れる焔を次々生み出していたコノハの目にも、確りとそのおくちフルオープンは飛び込んできた。あまりにも破壊力に満ちたその威嚇に、がくんと思わず膝から崩れ落ちる。
「か、可愛ぃ……じゃなくて真面目にやる!」
 どこぞのキマイラ男との威嚇合戦で習得したやつ、と言いたげにコノハを振り返り、違う?と首を傾げる姿も随分破壊力を秘めている。その証拠にシャルロットも膝から崩れていた。
「……た、たぬきちゃん。怒んないで?触っていい?」
 つい、恐る恐るでさつまへと手を伸ばすシャルロット。それを見守るヤギ達。
 隙あり!と伸ばされた腕の脇をすり抜けてジャンプしたさつまは、ヤギの背中に乗って攻撃……と見せかけてもふもふと足踏みで毛並みを堪能する軽い戯れ。たぬちゃん、と呼ばれた気がしてそちらを向けば、釘を指してきたばかりのコノハが体勢整えてヤギへと炎を散らす姿があったので、
(あ、真面目にやる、大丈夫)
 お楽しみは速やかに終了したが。ひょいとヤギから飛び降り、さつまも【安息を】で浄化の炎を呼び熾す。
 妖狐ふたり、焔操るならお手の物。子ヤギが小突いてこようと、打たれ強く痛みにも耐える双璧を崩すには及ばず。暖め焦がす月白と、熱痛苦痛を感じさせない優色が織り成す炎の轍が、子ヤギの霊たちを包めば、まとめて一度に骸の海への道は敷けた。
 ――途中でちょっと、コノハの手元が狂って焔がさつまの毛皮をちりりと掠めていったけれど、多分仕方の無い事なのだ。可愛いは正義であると同時に罪。
「あっ!や、やぎさーん!」
 しゅわしゅわと消えていく眷族に少女零す焦燥の声と、しゃー!と巻き込み事故を起こしたコノハへと向ける抗議の威嚇が綺麗にハモった。
 それを受けた当人といえば、しれっと躱して黙々とヤギを倒すのに勤しんでいたのだが。

「美味しいもの食べたい気持ちは分かるケド、やり過ぎてイイ理由にはなんないからネ」
 悪戯をする玩具を取り上げるように。諭すコノハへ拗ねた顔を見せたシャルロットは、けれどもこの扉からの脱出は渋々諦めて身を翻すのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユキ・スノーバー
モフィンクス、凄いふっかふかだったの楽しかったから、どういたしまして!
え?学生?(表情に?を散らしつつ)……あーっ!君がフロアボスなんだ?!無事掘り出せたー!
……って、カフェ向かっちゃダメなんだよっ?!待ってまって!
わっ、ヤギさん邪魔しないで欲しいなって事で、ユーベルジャックで対抗するよ。
目には目を、歯には歯を。もふもふにはもふもふだねっ。
痛いのもごっつんこで、王子様ってそんなのなんだ!ってなりつつ真似っ子するんだよ。
カフェはぼく達も行きたいの!行きたければ…あっフラグは立てないよ!絶対負ける訳にはいかないからねっ。
またうっかりもふもふで埋め尽くされたら皆が困っちゃうもん!

アドリブと共闘大歓迎


久東・柚葉
フロアから女の子が生えた! そっかぁこの子が最初に言ってたフロアボスだね。(人型は初めてだしやりにくいかも…でもみんなの安全とスイーツのために退治しなくちゃ!)そしてよし!と気合いを入れ…ている所にヤギさんがたくさん出てきたよ!?
ヤギさんを妨害?するね
UCで出してたリス達に時間稼ぎのため妨害するように頼むよ。少しの間いたずらよろしく
それで私はRe:cloneで武器複製!正確に複製する為に実際にダガーを持ちながら作業する!(襲って来たら近くの本棚に隠れて作業)実物大のダガーもいくつか複製出来たらする!
武器出来たらリス達に投げて渡すよ。皆そのナイフで攻撃しちゃえ!。余裕あればノエルに持たせて攻撃!



 モフィンクスの海から生えた女の子は今や、あっちこっちで追い掛け回されていた。
「 そっかぁ、この子が最初に言ってたフロアボスだね」
 その光景を眺めながら久東・柚葉(小動物ぬいぐるみ遣い・f09545)がしみじみと呟いたのを聞いて、え?学生?と顔の画面へ疑問符をたくさん浮かべていたユキ・スノーバー(しろくま・f06201)は、映し出すマークを納得の感嘆符に変えた。
「……あーっ!君がフロアボスなんだ?!無事掘り出せたー!」
 低い位置から上がった声に、走っていたシャルロットが振り返る。
「あ、雪のおちびちゃんも掘ってくれたのね有難う!……でも捕まっては、あげない!」
「モフィンクス、凄いふっかふかだったの楽しかったから、どういたしまして!……って、カフェ向かっちゃダメなんだよっ?!待ってまって!」
 高らかにまだ諦めてません宣言。慌てて追いかけるユキの小さな背中を見て、柚葉も追いかけようとするけれど、どうにも調子が出ないのは初めて人型のオブリビオンとやりあうからかもしれない。
(…でもみんなの安全とスイーツのために退治しなくちゃ!)
 けれども柚葉だって立派な猟兵。気合を入れ直してシャルロットの進行方向を塞ぐべく疾駆を始めたが、少女はやぎさん!と二人の方に子ヤギをけしかけて、どうにか逃げおおせようとする。

「わあ、ヤギさんがたくさんきたよ!?私はこっちの妨害?するね!」
 めえめえ鳴きながら寄って来る子ヤギ集団に、先手を打つのは柚葉の召喚していたリス達だった。
 携帯していた黒い刀身のダガーナイフを手に持って、【Re:clone】で複製を作り出す。作ってはリスに投げ渡し、全員に行き渡るまでリス達の間でバケツリレーのように武器をどんどん回していけば、あっという間に武装した一個団体のできあがり。
 そのナイフで攻撃しちゃえ!と号令を受けて、しゃきーんとダガーナイフ両手で掲げたリス達が、一斉に子ヤギへと挑みかかる!

「ありがとー!よろしくね……わっ、ヤギさん邪魔しないで欲しいな!」
 わあわあと動物大戦争になっている団体から飛び出して、ユキがシャルロットに追い付く寸前で、一匹の子ヤギが頭を低くしてタックルしてきた。ごっつん!とアイスピックのシャフトで受け止めて、顔の画面に映し出すのは子ヤギの姿。
「目には目を、歯には歯を。もふもふにはもふもふだねっ」
【ユーベルジャック】で生み出された子ヤギは、ユキの邪魔をする子ヤギに思い切り真似っこタックルを繰り出した。ごつーん!と良い音がして、あっさりと子ヤギの霊は消えて行く。消えずに残ったユキの子ヤギはまだまだ元気、シャルロットに駆け寄って、障害物のように足元へと纏わり付いた。
「え、あっ きゃーー!?」
 見事にバランスを崩して転んだ少女を追い越し、軽快な足取りでユキは扉の前に辿り着く。くるっと振り向いて、ここは通さないとばかりにアイスピックをぶんぶん振った。
「カフェはぼく達も行きたいの!行きたければ…あっフラグは立てないよ!絶対負ける訳にはいかないからねっ」
 行きたければぼくを倒して行け、は倒されるお約束。きちんと訂正し直しながら出口の扉の前に立ったユキを見て、転んだ体勢を立て直しながらじっとり睨みつけるシャルロット。
「い、いじわる!なんで行っちゃ駄目なの?」
「だってまたうっかりもふもふで埋め尽くされたら皆が困っちゃうもん!」
 抗議に被せられた反論に、う、と言葉に詰まって視線を逸らす辺り、もふもふをダンジョンの外でも出す気だったようだ。
 ならば力尽くで抜けるだけだと立ち上がり、ユキへと攻撃を仕掛けようとしたシャルロットだったけれど、
「ノエル!攻撃しちゃって!」
「いったーーーい??!!!」
 背後からぷっすり背中を刺されて飛び上がる。子ヤギ集団を倒し終た柚葉によって操られる、灰色うさぐるみのお手柄だった。
 ノエルと呼ばれるうさぐるみの手にも、柚葉に手渡されたダガーが一振り。可愛い見た目で得物を振り回すという点では、ユキもノエルも妙な迫力が共通しているかもしれない。

 ちくちくする背中を後ろ手に庇って、じりりと後退するシャルロット。この道も塞がれた。断念せざるを得ないと観念して、再び逃げ出すのだった。
 残りの扉は、あとひとつ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

江戸川・律
深海・旭とチームで参加
マジかよ、すげぇな…
(ふたり?の攻撃でバキバキに破壊されていくフロアを入口に陣取り眺めながら口元が引きつります)
旭の斧は分からないでもないけど、あの本はマジ何で出来てんだ?普通あんな破壊力は出ないだろ?
《はぁ、まぁ流石はフロアボスってところかな?モフィンクスと違って手を抜いていたら危ないか…》
状況を見極めつつ、軽くタップを踏んでユーベルコードを起動
直接的な攻撃は避け、攻撃の起点の邪魔や山羊の足止め程度にはなるだろうと
【罠使い】【早業】【先制攻撃】【戦闘知識】使用【レプリカクラフト】で作った
即席の『仕掛け罠:せり上がる鋼の檻』でフォローを入れます。
アドリブ大歓迎


深海・旭
モフィンクスのぬいぐるみをどうしようかと考えるのは後だね。
(チームを組んだ江戸川)律さんとペンギンさんの手は煩わせないぞ!来るなら来ーい!
つっこんでくるヤギさんに斧でグラウンドクラッシャーを叩きこみながら逃げ道を塞ぐように地面を壊すよ。
これでそう簡単には逃げられないよね!?
って、シャルロットちゃん、痛ーい!何その本!硬い!?
やったなー!?
私からも痛ーいグラウンドクラッシャーお見舞いするよ!
アドリブ歓迎!



 最後に残された出入り口である扉の前でシャルロットを出迎えたのは、江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)と深海・旭(蛮族エルフ・f14125)の新人研修チームだ。
 律はあくまでサポートという姿勢を崩さず、皇帝ペンギンと共に扉の前を陣取ったまま攻撃は旭に一任する。
「モフィンクスのぬいぐるみをどうしようかと考えるのは後だね」
「だな。まずは頑張ってくるといいよ」
 こくんと頷き、送り出してくれる律さんとペンギンさんの手は煩わせないぞ!と意気込んで、旭はバトルアックスを両手で構えた。
「来るなら来ーい!」
 気迫を込めた声に、またもや足を止められたシャルロットはとても苦りきった顔をする。
「もうっ、ここにも居るし!どいて欲しいんだけど?!」
 ぶうと膨れたところで道が開く訳でなく、残りの子ヤギを差し向けて活路を見出そうとするシャルロット。めえめえと鳴きながら旭へと殺到する白いもふもふ達だったけれど。
「どかないよ!えい!」
 思い切り振り上げて、振り下ろす斧。
 ドオォォォォン!と凄まじい破壊音とを響かせながら、【グラウンドクラッシャー】の衝撃が床を砕き、辺りの書棚をも巻き込んでなぎ倒す。当然子ヤギも巻き込まれて、哀れっぽい鳴き声と共に大部分がしゅわっと消えた。
「あー!部屋壊さないでよ!お返しっ」
 逃げ道まで潰されて、少々焦り顔をしたシャルロットが飛びついたのはすぐ傍の無事な書棚。両手でずるりと引きずり出したのは、分厚い辞典だ。
 せえので振り上げて、旭へと向けて辞典の角を振り下ろす様は、直前の旭の攻撃モーションとよく似たもので。
 ダァァァァン!と響く音も被害もそれは同じだった。
「シャルロットちゃん、痛ーい!何その本!硬い!?やったなー!?」
 辞典を食らった旭も、負けじと二度目のグラウンドクラッシャーを放つ。
 響く轟音、舞い散る本の頁や床の破片。

「マジかよ、すげぇな…」
 女子二人によってバッキバキにされつつあるフロアの惨状のシュールさを笑おうとした律の口元が思わず引きつった。
(……旭の斧は分からないでもないけど、あの本はマジ何で出来てんだ?普通あんな破壊力は出ないだろ?)
 訝しんでよくよく観察した律は気付く。どれだけ強打しても崩れないあの辞書の表紙は、鋼で強化されていると。マジかよ、ともう一度呟いた声は破壊音に掻き消されるのだけれども。
「はぁ、まぁ流石はフロアボスってところかな?」
 無理矢理納得するしかなかったのだった。
 さて、これはあくまでも新人研修。律自身が前に出る気は毛頭無いが、さりとて旭をおめおめと危険に晒す気もない。モフィンクスの時とは違い、手を抜いていたら危ないと判断した律の行動は迅速だ。
 力と力でどつきあう少女達の力は拮抗しているけれど、攻撃範囲外からじりじりと旭を包囲する白い影があった。場数を踏んでいる律がそれを見逃すわけもなく。
 タタン、と軽くタップを踏んで起動させた【レプリカクラフト】が生み出すのは即席の仕掛け罠だ。サシでの勝負に水を差そうとするヤギの群れを取り囲むように、せりあがった鋼の棒が見る間に交差して作り上げる頑強な檻。
「フォローに徹するなら、これくらいで充分か?」
 一瞬にして罠に嵌められめえめと狼狽の声を上げる子ヤギだけを足止めして、油断しないようにねと旭に向けて軽く手を挙げた。

「律さーん、ありがとう!」
 サポートに気付いた旭は、素直なお礼の言葉と共にその檻を足場にしようと跳躍して、檻の天辺に着地する。そこから何度目かに繰り出した斧の攻撃は、崩れ切った足場から放つものの比ではない威力でシャルロットに降りかかる。
「もう一度お見舞いするよ!グラウンドクラッシャー!」
「わ、きゃーーーっ!」
 ずどぉぉん!と直撃した旭のユーベルコードに吹っ飛ばされて、シャルロットの体は扉とは逆方向に吹っ飛んで行くのだった。

 無事に一人でボスと渡り合えた勇姿に拍手を送り、律は壁から離れて労うために旭へと歩み寄る。
 新人研修の結果報告が必要になるのならば、旭の戦闘力が優秀であるという結論は、きっと揺らがないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユニ・エクスマキナ
ダメダメダメー!カフェに行ったらダメなのねー!
(少女とヤギを追いかけて)
待て待て待てー!逃げるの禁止ー!!
むむむ、子ヤギさんが邪魔するのね!ダメダメダメー!
あ、でももふってすると気持ちいいかも……
子ヤギさんをもふもふして英気を養うのね
いたたっ、噛みつきやタックルは怖いからやらないで欲しいんだけど……
もう!大人しくしててくれないんだったら、ユニも反撃しちゃうのね!
Record&Playで子ヤギの霊をコピー!そしてまねっこ!!
行っちゃえ、子ヤギさん!!
ふふん、カフェで美味しいパフェをいただくのはユニたち!
一緒に食べれないのが残念だけど、美味しい時間を譲るわけにはいかないのねー!


カーニンヒェン・ボーゲン
おやおや。
お通しできませんので、このジジイめが通せんぼですな。

ヤギどのを相手取れば良いのか、お嬢様を妨害するべきか…。
迷い所ですがここはひとつ、お嬢様の行動を「追跡」して引き留めましょう。

チョコチップクッキーをポケットに忍ばせていた。
ということにはできますかな、甘いものに興味がおありなら差し上げます。という事で気を引けると良いのですが。

哀しいですな。幾ら交流を深めようと、帰る場所が異なるというのは。
今回ばかりは戦わぬわけにはいきますまい。
恨まれようと睨まれようと、背後に背負うものの事を思えば、引けぬのが我々です。
【UC:剣刃一閃】を使用。
次はきっと、真に同じ未来を望む者としてお会いしましょう。



「ダメダメダメー!カフェに行ったらダメなのねー!」
 地上へと繋がる全ての扉を塞がれても、まだ往生際悪く逃げ回るシャルロットとヤギを追い詰めんとするのは、ユニ・エクスマキナ(ハローワールド・f04544)とカーニンヒェン・ボーゲン(或いは一介のジジイ・f05393)の二人。
 天使然とした美少女と、きちんとした身なりの老紳士が結構なスピードで走っている光景は、わりとレアなのではないだろうか。
「待て待て待てー!逃げるの禁止ー!!」
「やーだー!来ないでよ追いかけるの禁止ー!!」
 忙しない足音を立てて、部屋の中央をぐるぐると終わらない鬼ごっこ。ヤギと少女のどちらを相手取ろうかとカーニンヒェンは思慮をめぐらせ、その間にユニが一歩二歩と先んじる。
「もう!ほんとしつこいっ!」
 くるり振り返って文句を付けたシャルロットが、残り少ない子ヤギに応戦を頼んで走る速度を上げた。ンメエェェェ!としんがり気取りの子ヤギ達が、蹄を鳴らして飛び込むのは自然と距離の近いユニの方。
「むむむ、子ヤギさんが邪魔するのね!ダメダメダメー!」
 勢いで蹴っ飛ばしそうになっての急停止。その勢いで赤いドレスがふわりと翻っている間に、今度はカーニンヒェンが追跡能力を活かして足を止めずにヤギの隙間を走り抜けた。
「ではここはひとつ、ジジイがあのお嬢様の行動を"追跡"して引き留めましょう」
 連携の意図だけをユニの傍へと残して、シャルロットの方へと遠ざかる背中に、任せるのねー!と一声返したユニは、まずは子ヤギの対処にかかる。
 
 ……と、決めてはみたものの。子ヤギというだけあって体高はユニの膝ぐらいまでしかなく、毛並みはふわっふわでモフィンクスにも引けを取らない。ついつい撫で回してしまうのは、これから始まるそうぜつなたたかいの為に英気を養っているのであって決して愛玩してる訳ではないのだ。きっと。
「あ、もふってすると気持ちいいかも……」
 手を置いてみると暖かくて、見た目以上にむくむくとして柔らかい。暫くそうしていたかったのは山々だけど、子ヤギの口がかぱりと開いて頑丈そうな歯列を披露すれば最早戦いの火蓋は切って落とされたも同然。
「いたたっ、噛みつきやタックルは怖いからやらないで欲しいんだけど……!あっ、手袋食べるのもダメー!」
 かぷぅ!と噛み付き攻撃を食らってしまえば、反撃はして然るべきなのだ。
 空中に呼び出したのは一枚の大きなディスプレイ。今まさに手先を咀嚼しようとしている子ヤギを【Record(◙) & Play(▶)】で録画、再生した映像を映し出す。
「行っちゃえ、子ヤギさん!!」
 ユニの発破に、メェー!と画面の中の子ヤギは一声鳴いて、電脳世界より躍り出た。数を増やして攻撃力の低い霊たちと、ユニが呼んだただ一体きりに集約されたそれと。力比べをしてどちらが勝つのかなど、誰の眼にも一目瞭然。
「ふふん、カフェで美味しいパフェをいただくのはユニたち!」
 蹴散らされてしゅわっと次々消え行くシャルロットの配下を前に、高らかな勝利宣言が成されるのだった。

 一方その頃のシャルロットは、流石にスタミナ切れで走力が落ちた所でカーニンヒェンに追いつかれていたようで。
「さてお嬢様。お通しできませんので、このジジイめが通せんぼですな」
 たとえ老いたとて、その性は狼。獲物と定めたものを逃がしはしないと、牙に代えて伸ばした指が前を走る姿の襟に届く。軽い体はその一点を捕獲されただけでも足が宙を掻いて、すってんと膝を付いて転がった。
 急いで身を起こしてカーニンヒェンから距離を取ろうとする少女の顔は、見事なまでのぶんむくれ。
「おや、そう睨まれますな。パフェのご用意はございませんが、甘い物でしたら」
 こちらに。ぽん、とポケットを叩いて取り出したのは、丁寧に焼き上げられたチョコチップクッキー。それがシャルロットの興味を惹いているのは目論見通り。じいっと焼き菓子を注視している少女の足を、嗜めるように相方のヤギが角で小突いていた。
「えっ くれる、とか?」
 敵から送られる塩は受け取る側にも度量はいるようで、手が出るまでに散々まごついた様子を見せたシャルロットだったが。頷く老紳士の柔らかい物腰に後押しされて、ぱっとクッキーを奪うとポケットに突っ込んでまた距離を置いた。けれども、どこを向いても猟兵がいる中で、もう逃げる気力はないようで。

「一緒に食べれないのが残念だけど、美味しい時間を譲るわけにはいかないのねー!」
 子ヤギ達を倒し終えたユニがカーニンヒェンと並ぶ。仕込み杖を抜きながら、老狼はユニの声に浅く頷いた。
「哀しいですな。幾ら交流を深めようと、帰る場所が異なるというのは」
「け、けちんぼー!私だって譲る気、ないんだから!」
 全てを背負って退かない猟兵を前に、シャルロットは相変わらずの子供っぽい罵声を吐いて――最後まで自分の我を押し通す。
 相方のヤギと一緒に飛び掛かってくるコンビネーションを迎える、抜刀からの【剣刃一閃】と。そして鏡の様に同じ力で押し返す電脳魔術。

 数多の猟兵に力を削がれていた大書庫の主との決着は、あまりにも一瞬で着いた。
『あっ。……あーあ』
 骸の海へと帰る間際に零れた一言は、甘い物を食べ損ねた残念さだけを含んで、ふんわりと軽い。
「次はきっと、真に同じ未来を望む者としてお会いしましょう」
「パフェは、ユニがちゃんと美味しく食べておくのねー!」
 それを受けた猟兵二人も、重さを感じさせない言葉で送る。
 
 シャルロットと一緒に掻き消えたクッキーが、地上を目指した災魔の食い意地を最後まで示しているようだった。かも、しれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『お茶のひと時』

POW   :    ケーキと紅茶を楽しむ。

SPD   :    ケーキ以外のお菓子と飲み物を。

WIZ   :    お持ち帰りのお菓子をお買い求め。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【2月21日午前9時より、三章のプレイングを募集いたします】
●Melty ❤️ my mind
 大好きも有難うも愛してるも、沢山グラスに盛り込んで。
 そんな謳い文句で飾られたカフェの店内は、カーテンからテーブルクロスまでチョコレート色で統一されていた。部屋の中央にずらりと並べられたテーブルの上も、甘い色と味に満たされている。
 いらっしゃいませ、と仕事を終えた猟兵――もとい転校生を迎えたスタッフが、まず最初にご案内するのはずらりとグラスが並ぶテーブルの一角。

 この季節のお勧めは、自分でパフェを作れるチョコビュッフェなのだそう。
 普通のパフェグラスや細身のシャンパングラス。沢山食べたい人用に、ジョッキやバケツや金魚鉢型の硝子容器まで。何故だかネコ足のバスタブ(未使用)まで置かれているが、これはまだ挑戦者が出ていないのだとか。

 グラスを選んだら、それをあなたの好みで満たすだけ。
 ベースに注ぐふんわり柔らかいチョコのソースやムース。ガナッシュやプラリネの甘いクリーム。ハートに模られたトリュフ、マカロン、それからフルーツ各種は飾り付けに向くかもしれない。甘すぎないのがよかったら、ふるふる崩れるミントや果実酒のジュレをメインするのもアリ。他にもまだまだ色々、選びきれないスイーツの山。

 思いつくまま、望むまま。
 とびきりの一杯を作れたら、あとは今日という日を思い切り楽しむだけ!
ヴェルベット・ガーディアナ
ふわぁ、すごいねシャルローザ!パフェのビュッフェ!好きなパフェを作れちゃうなんて幸せだね!これは…シャルロットが来たかったのもわかる気がするな。でも、そのせいで他のお客さんが来れないのはよくないことだから、ね。とりあえず満喫するぞ〜。パフェグラスにチョコレートムース。いちごやマカロン!好きなものをたくさん!
ふふ、幸せだなぁ。



「ふわぁ、すごいねシャルローザ!」
 スタッフにグラスを置いた一角に案内されながら、ヴェルベット・ガーディアナ(人間の人形遣い・f02386)は腕の中のシャルローザへと期待を隠せない色をした声を掛けていた。
「パフェのビュッフェ!好きなパフェを作れちゃうなんて幸せだね!」
 ふんわりとした笑顔のお人形を抱き締めながら、小さく上げる歓声。どれにしようかと少しだけ迷ったあとで、ヴェルベットが選んだのはスタンダードな縁の広い縦長のパフェグラス。入れるものがチョコなだけに、シャルローザにはひとまず先に席で待ってもらうことにして。

 グラスに最初に満たすのは、甘さの違うチョコムース各種。ホワイトチョコからビターチョコまで、いっそ全部味わってしまおう!なんて欲張りも許されるのがセルフの良いところ。少しずつ匙で掬って蕩けるストライプを作り上げながら、ふと思い出すのはここに来たがっていた迷宮の主の顔だった。
「これは…シャルロットが来たかったのもわかる気がするな」
 パフェの為に地上を目指したオブリビオン。甘い物を愛する心に過去も今も隔たりはない、かも、しれないけれど。
「でも、そのせいで他のお客さんが来れないのはよくないことだから、ね」
 カフェスペースにオブリビオンが隙間なく大挙してきたら目も当てられないし、そこはそれ。
 せめて私とシャルローザで満喫しなくちゃ、とムースの上へと更に好きなものを積み上げる。
 飾りのフルーツはいちごをたっぷり。さくさくふんわり焼き上げられたハート形したマカロンは、ビターチョコとフランボワーズの二色を選んで、好きなものをたくさん!なパフェの完成。

「おまたせシャルローザ。それじゃ、いただきます」
 真白のお人形が確保していたテーブルの向かいの席に座って、早速ぱくり。ベリー系の甘酸っぱさと、チョコレートの風味はいつだって最強の組み合わせだ。
 
 シャルローザの澄んだ青い瞳は、口の中へ広がる幸せにふわんと更に表情を緩めるヴェルベットを柔らかく映し出していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

颯夏、パフェだって
なんでも好きなように作れるんだよ
うー……選びきれないなぁ
お店の人をつかまえて頼むのは
お酒入ってるの以外全部乗せ!
もちろんわたしひとりで食べられるから小さくしないでね

どんなのが来るのか楽しみだなぁ
もちろんちゃんと食べきるよ
「○」


青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

パフェね
あたしはシャンパングラスにチョコムースにプラリネ
マカロンを飾ってみるわ
友人のオーダーに店員さんが不思議がっていたら
あたしよりもよっぽど食べるからふつうでというか
大きいもので大丈夫と念押し

運ばれてきたものはどう見ても取り違えてるようでしかないけど
あの大きいパフェ、食べきれちゃうのよね
本当に不思議



「颯夏、パフェだって」
「パフェね」
 ずらりと並んだグラスを前に、ルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)と青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)は頷き合う。
「なんでも好きなように作れるんだよ。うー……選びきれないなぁ」
 幸せな悩みで表情を緩ませたフェアリーの少女がテーブルの上に降り立てば、彼女とサイズの変わらない幾つもの器に歓迎される。間に入り込んでしまえばそこは、硝子の森のように見えたかもしれない。
 迷いに迷うルーナの横で、颯夏はすいと白い手を伸ばし細身のシャンパングラスを手に取った。
「あたしはこれにするわ。ルーナはどうす……」
 どうするの、と言い掛けて振り向いた先に、最早小さな姿はなく。どこに行ったのかと辺りを見回せば、カフェのスタッフの方へと飛んで行くのが目に入った。追えば聞こえてくる、
「お酒入ってるの以外全部乗せで作ってください!」
 という迷いのない声。
 え?全種召し上がるんですか?一口ずつではなく?と声を掛けられたスタッフが戸惑っているのを見かねて細く溜息を吐いた後に、颯夏はそっと口添えをする。
「その子、あたしよりもよっぽど食べるからふつうで……というか大きいもので大丈夫です」
「大丈夫!」
 ルーナの方を見遣りながら、完食できると太鼓判。押された方も言葉を重ねて乗せてしまえば、スタッフは未だに不思議そうにしながらも注文を受け取って、厨房へと一旦消えた。
 待ち時間で作り上げた颯夏のパフェはシンプルでシック。プラリネクリームが甘いから、チョコムースはビターな風味のものを。交互に重ね、ちょっとしたアクセントにとムースに散らしたカカオニブ。その上に乗せた小さなマカロンは、 ピスターシュとショコラの二種類をチョイスして。
 どんなのが来るのか楽しみだなぁ、なんてお喋りを交わしながら席へと着いて待機した二人のテーブルへ、やがてエプロン姿で給仕の為にやってきたスタッフの手の中にあったのは――
「……パフェグラスじゃないね」
「アフタヌーンティで使うものね」
 三段重ねの大きなケーキスタンド。
 颯夏の前に置かれそうになったスタンドを手で制して、ルーナへと渡ったそれをパフェと呼んでもいいものか。
 
 一番下の皿には、ムースやジュレ、アイスやソルベなどが小さな器に一つずつ盛られて敷き詰められ、カットフルーツが彩を添え。
 真ん中の皿には、マカロンやクッキー、そして小さなチョコケーキがずらりと並び、合間をクリームで埋められて。
 一番上の皿に、トリュフを始めとした一口サイズのチョコレートが堆く盛られて花の砂糖漬けやハーブで飾られていた。
 一つの器に盛ってしまうと、味がカオスになりそうだと懸念したスタッフの大作だった。
 
 颯夏のシャンパングラスと比べれば何倍の大きさになるだろうか。どう見ても食べる相手を取り違えていそうな光景だけれど、ルーナは何の躊躇いもなくスプーンを手に取った。その匙すら、この世界に住まうケットシー用に小さく作られているとはいえ少々大きなものだったけれど。
「颯夏のも美味しそうだなぁ、一口頂戴?」
「全部乗せなら、同じ味があるんじゃない?……ほらここ」
「あ、ほんとだ!」
 カカオの香りで満たされた口は、お喋りも弾む。
 お互いのパフェの品評をしつつも、お残しをしないのがルールなのは承知済み。きちんと二人とも残さず……そう、残さず。食べ切ってしまったのだ。
 ルーナの小さな体の、どこにあれだけの量が入ったのか。
 本当に不思議と連れを眺める颯夏の目の前には、すっかり綺麗に空になったケーキスタンドが静かに佇んでいたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

江戸川・律
旭と一緒に参加

う、うぁっ、コレは見ただけで口の中が甘くなりそうだ…
珈琲はブラック派ビター好きの俺にとっては少し辛いかな?
別に苦手なだけで食べられない訳じゃないよ?
今回はがんばった旭のお祝いも兼ねてるし
場の雰囲気を崩さないように…努力努力と…
う~~ん…
(グラスを手に取ってしげしげと眺め)
いろんな器があるけどなんかピンと来ないな
あっそうだ折角だし自分で準備してみるか?
テーブルの上に手をかざして
【高速詠唱】【早業】を使い「レプリカクラフト」を使用
鎮座するネコ足のバスタブを参考にモフィンクス型の小さなグラスを作ります
多少は雑になるだろうけど
実物見た所だけど上手く再現できるかな?

アドリブ大歓迎です


深海・旭
わーい!パフェ!チョコビュッフェ!
あれ?(江戸川)律さん、甘いもの苦手なのかな?
あんまり嬉しそうじゃないのは気のせい?
まぁ、いいや!いっぱい食べちゃうぞ!
ワイングラスにチョコ大盛。
がとーしょこら、とりゅふちょこ、いちご、おれんじ…
わ!律さんの容器、モフィンクス!可愛い!!
チョコ盛らせてもらいたくなるけど
律さんの表情見てるとなんとなく
甘いの苦手なんじゃないかと思うし
私が盛ると甘くなっちゃうからやめとこう!
そのかわり、スマートフォンで写真とらせて!?



 ふわん、とカフェの入り口を開いただけでカカオの甘く香ばしい匂いが二人を包んだ。
 その先に広がるこれでもかとチョコ一色に染め上げられた空間に、ついつい渋面になりそうな顔を撫でたのは、味の好みがビター寄りの江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)だ。
「う、うぁっ、コレは見ただけで口の中が甘くなりそうだ……」
 ちょっと辛い光景が目の前にあるが、それでもここに足を運んだのは、深海・旭(蛮族エルフ・f14125)が仕事を頑張ったお祝いも兼ねているのだからと雰囲気を崩さないように心を砕く。なにせ、隣では。
「わーい!パフェ!チョコビュッフェ!」
 そんな嬉しそうにしている声も上がっているのだから尚の事。
 喜びを分かち合おうと、己よりもずっと背の高い律を見上げた旭は、ほんの一瞬だけ相手の顔が苦っていたようにも見えてあれ?と首を傾げてしまったけれど。
(律さん、甘いもの苦手なのかな?)
 少しの間胸中を占めていた懸念は、行って来るといいよ、と律に手でチョコの山を示されればすうっと溶けた。折角連れてきて貰ったのだから、そう、思い切り満喫するべきなのだ。
 楽しむと決めてしまえば、いっぱい食べちゃうぞ!の勢いで旭はグラスを選んでいく。大きさも色も形もさまざまで、少し迷ったけれど。これと決めて手に取ったのは沢山盛れる大きなワイングラスで、早速中を満たそうと、意気揚々テーブルを回り始めた。目に入るチョコレートのどれもが美味しそうで、時折足を止めながらの心浮き立つ一周旅行だ。

「う~~ん……」
 律はといえば、グラス選びから難航しているようで。一つ取っては照明に透かし、また別の一つを取っては形を確かめて戻し。どうにもピンとくる器が無いのだけれど、ただでさえ苦手なチョコを詰めるのだから、せめて器ぐらいはしっくり来るものを。
「あっ、そうだ。折角だし自分で準備してみるか?」
 悩み抜いた末に、浮かんだ案はネコ足のバスタブから思いついたもの。思い立ったがなんとやら、テーブルの上に手を翳して、持ちうる技術と猟兵たる力を駆使して作り出したのは――ついさっきまで戦っていたモフィンクスを模るグラス。仕掛け罠以外のものを作れば雑になってしまうけれど、そもそも造形が丸々として単純な、かのオブリビオンのもっふりした姿は案外忠実に完成したようだ。
「わ!律さんの容器、モフィンクス!可愛い!!」
「うん、実物見てきたばかりだから上手く再現できたみたいだ」
 戻ってきた旭の手の中のグラスは溢れんばかりのチョコづくし。一口サイズのガトーショコラを敷き詰めて、苺やオレンジで飾り付け。更には指で触れただけで蕩けてしまいそうなトリュフのチョコを気が済むまで積み上げて。零れないように両手で持ってバランスを取りながら、律へと出来上がりを披露する。
 甘い物が大好きな女の子らしいチョイスに笑って、律はモフィンクスグラスが彼女からよく見える位置に置き直した。
「……チョコ盛らせてもらいたくなるけど、私が盛ると甘くなっちゃうからやめとこう!」
「いや、食べられない訳じゃないよ?」
 訂正はしてみるけれど、旭の気遣いは有難く受け取って。あっちに甘くないココアソルベがあったよ、なんてアドバイスに頷いて自作のグラスを抱えて歩き出す。
「あ、そのかわり、スマートフォンで写真とらせて!?」
 横に並んだ旭からのおねだりの言葉は二つ返事で頷いて、ガラスのモフィンクスをチョコ色に染めてみようとチャレンジするのだった。

 写真に収められた一枚は、初仕事の良い思い出として残る美味しくも可愛い一枚になった筈で。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユキ・スノーバー
爺(f05393)と

パフェー♪
爺にあげるの美味しいの作るぞー!
細かい所も入れられるよう、長めのスプーンも使うよー!
パフェグラスに、足場にチョコムース、フレークも入れて
地面にお花風に蜜柑とオレンジを散らして足元完成!
足はマシュマロ、チョコのスティックを芯に、パイ生地でサクッとボディ!
顔は大きめのマシュマロに、チョコペンきゅっ
耳はオランジェット2つ添え(パイ生地に差し補強)
できたー!山登りしてるぼく!
じぃじ、喜んでくれると良いなぁ

(振り返り)わー!爺の大作凄いなすごいな(モニターきらきら)
もしかして、雪のお山?
こんな色の有ったんだ…何で出来てるのー?どんな味かな?
うんっ、食べよう!いただきまーす!


カーニンヒェン・ボーゲン
ユキ(f06201)どのに声をかけてご一緒します。
先日、お世話になりましたから。

丸い、15㎝程の器はございますかな?
ちいさな方への贈り物なので。(でも大きめの器)

雪と氷をイメージ
ソーダジュレの中にホワイトチョコの粒を入れ、
その上にミルク寒天、更にライチの甘いフロマージュでふんわりと層を重ねて果肉を添えたら、
バニラアイスとソーダソルベを雪山に見立てて器の上層へ。
ホワイトチョコの雪の結晶を飾り付け、彩りに細かなドライベリーを散らして完成。
ユキどのこちらへ。ええ雪山です。いかがでしょうか…?

こちらは今にも動き出しそうですな。
(柔らかく表情を緩ませ)
とても可愛らしいです。それでは共に、頂きましょうか。


久東・柚葉
やっと会場に着いた!
うわぁ…一面チョコの色だ。それに可愛い飾りがいっぱい!くんくん 甘い香りを胸いっぱいに吸い込んだら更にわくわくしてきた
パフェ作るだけじゃ弱いなぁ…むむむ。そうだ!パフェに付ける飾りを作ろう。
早速丸いクッキーを取ってマシュマロやフルーツを指すピックを取って筆代わりにするよ。絵の具はチョコファウンテンのチョコだよ!そしてピックを筆のように使って、クッキーにモフィンクスやデフォルメしたヤギさんを描くよ
∑はっ!夢中になってたくさん作っちゃった。もしよかったら猟兵のみんなもどうぞ!(そして今回世話になったユキちゃんの顔を描いたクッキーも1枚作ってみたんだよね。気づいてくれるかな…?)



 パフェグラスとまあるい硝子のボウル、満たしたい器を手にしてビュッフェのテーブルを回る二人の姿にタイトルが付くとしたら、『孫と過ごす休日』なんてものが似合いそう。

「パフェー♪爺にあげるの美味しいの作るぞー!」
 両手でパフェグラスを掲げて気合充分。テレビウムには少々高いテーブルも、山登りに比べたらなんのその。ユキ・スノーバー(しろくま・f06201)は所々に用意されている足場を器用に使って、中身をどんどん作り上げていく。
 カーニンヒェン・ボーゲン(或いは一介のジジイ・f05393)の手の中に納まるまん丸ガラスに満たすものも、同じように相手の為に。小さな雪ん子への贈り物は、ユキによく似合いそうな真っ白ベースのお菓子たちだ。万年氷のようなホワイトチョコとソーダジュレを土台に、降り積もるのは口当たりの柔らかいミルクの寒天、そしてライチの果肉で風味付けされたふんわりフロマージュ。バニラアイスで作られた雪山に、きらきらと光るソーダジュレはさながらダイアモンドダストだ。
「仕上げはこちらにいたしましょうか」
 雪山に飾るホワイトチョコは、雪の結晶をモチーフにしたものを。ぱらりと散らしたドライベリーは、きっと良い味のアクセントになるだろう。
 
 雪山完成と丁度同じ頃合に、ユキも嬉しそうな声を上げる。
「できたー!山登りしてるぼく!」
 カーニンヒェンに喜んで貰いたいと作り上げた超大作は、山登りをしているユキ自身がモチーフになったもの。
 長いスプーンをえいやと器用に使い、パフェグラスをまずはフレークとチョコムースで埋めて足場を完成させる。オレンジや蜜柑の柑橘を散らしたお花畑に堂々と佇む真っ白ボディのベースは真っ白柔らかなマシュマロで!暖かそうなコートの色はさっくりとしたパイ、ふわっふわのファーはホイップで、お耳は甘酸っぱいオランジェットを差し込んだ。
 さて仕上げは、つぶらな瞳と楽しげな口元、そしてチャームポイントの麻呂眉毛。チョコペンがあれば容易に再現できるけど、なかなかどうして繊細な作業が要求される。
「わわわ、思ってたより大変だよ……!」
 ふるふると手先を緊張させながらも、可愛く仕上がったお顔に大満足。食べて貰いたい人の方へとくるり振り向けば、カーニンヒェンの手にした作品と呼んでいいだろう一品も目に入った。
「わー!爺の大作凄いなすごいな!もしかして、雪のお山?」
 大好きな雪山だとは一目で分かる。瞳どころかモニター全体をきらきらさせて、自分を模ったパフェを傍へと運んでいけば、カーニンヒェンが眦に笑み皺を寄せながらユキを迎えた。
「ユキどのこちらへ。ええ雪山です。いかがでしょうか…?」
 近くの席を確保して丸い器を置くと、ユキのために椅子を引くカーニンヒェン。
 二つのパフェは、それぞれ贈る相手の目の前へ。並べてみれば、雪山にこれから登る元気な雪ん子の絵がテーブルの上に描き出されて活き活きと物語を生み出すようで、しばし食べることも忘れての鑑賞会に。
「こちらは今にも動き出しそうですな。とても可愛らしいです」
「こんな色の有ったんだ…何で出来てるのー?どんな味かな?」
 椅子に座り、パフェを眺めて一層きらきらを強めるユキを見てカーニンヒェンも柔らかく表情を緩ませいた。
 目で楽しんだら、次は味わって楽しむ番とスプーンを取れば、あとは美味しいおやつタイム!
「それでは共に、頂きましょうか」
「うんっ、食べよう!いただきまーす!」


「あの、たくさん作ったから、もしよかったら猟兵のみんなもどうぞ!」
 
 そんな声がカフェで上がったのは、同じ日のこと。
 ちょっと遅れてカフェに着いた久東・柚葉(小動物ぬいぐるみ遣い・f09545)は、くんくんと甘い匂いを吸い込んで胸の中を一杯にする。
「うわぁ…一面チョコの色だ。それに可愛い飾りがいっぱい!」
 チョコレートに染まる店内は、胸を躍らせるには充分すぎるほど。パフェを作るだけじゃ物足りない、なんて思ってしまうのは手先の器用さ故かもしれない。
 バターやチョコや、色んな味のまあるいクッキーが並んだトレイを持って移動するのはチョコファウンテンの傍。たぷたぷと流れ落ちるチョコソースはミルクチョコとホワイトチョコの二色。絵の具はこれで、絵筆はフルーツを刺し留めているピックを一本拝借して。
「何を書こうかなぁ……やっぱり、今日出会ったものがいいかな?」
 ピックの先をファウンテンに漬して、ちょいちょいとクッキーのキャンバスに描いていくのは迷宮で出会ったモフィンクスと、シャルロットと呼ばれていた女の子が召喚していたもふもふ仔山羊のデフォルメバージョン。それからそれから。同じく迷宮で戦った、とても元気な雪んこテレビウムの絵も。
 チョコレートが固まるまでに、ドライフルーツで彩りも添えてと沢山の工夫を凝らしていれば、時間が経つのはあっという間。そしてふわもこクッキーがいつの間にか山盛りになるまでも、あっという間。
「はっ!夢中になってたくさん作っちゃった」
 顔を上げたのは、トレイのクッキーを使いきったタイミング。
 パフェに乗せるにしても一人じゃ全部食べきれないだろうしと、柚葉は思い切ってお裾分けに回っていくのだった。
(今回世話になったユキちゃんの顔を描いたクッキー、気づいてくれるかな…?)
 ちらりとユキの方を向いてみたら、ちょっと目が合ったので手を振って。気付いてくれるといいなあ、なんて願いを胸に。柚葉はパフェも楽しもうと、グラスを確保しに歩き出す。
 
 作るのももうすこしだけ楽しんで、味わう時間はきっとたっぷりと。甘いひとときはまだまだ、終わりそうにない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
【空】でチョコビュッフェ

鼻唄混じりにエンちゃん(f06076)探し
一口ちょーだい、とするりパフェを横取り
ゴメンゴメン、と悪びれず差し出すは「イチオシ」パフェ
コレで許してなんて、最初からそのつもりだった顔で

カカオとスパイスの組合せにハマっててね
シャンパングラスへ螺旋状に重ねるのは
シンプルにビターなチョコアイス×チョコソース×黒胡椒仕込んだラズベリージャム
天辺に柑橘の果実酒ジュレを飾って大人仕様
どう?と食べる時より余程目を輝かせ差し出す

ティラミス盛るなんてやるわねジンノ……見目も可愛いし
たぬちゃんのは超豪華
ドコ貰おうか悩むわぁと言いつつざっくり遠慮なく
ふふ、こんな楽しみ方
普段じゃ中々できないよねぇ


神埜・常盤
【空】
コノハ君とさつま君はお疲れ様
チョコレェトブッフェ良いねェ
甘いものは大好物だ
沢山食べようじゃァないか

エン君(f06076)も是非一緒に、
ッて金魚鉢パフェだと……
僕のもあげるから
一口味見させてくれ給え

僕はパフェ用のグラスを選んだよ
土台はチョコフレェク+チョコムース
合間にカシスジュレをサンドし
ティラミスで蓋を

最後にチョコアイスを丸く盛り
チョコソースを垂らし
ハァト型ウエハァスを飾れば
さァ、完成だ!

チョコ尽くしでも構わないなら
皆自由に召し上がれ
君達のも遠慮なく頂こう

流石コノハ君、素晴らしく洒落ている
果実酒が効いた大人の味わいだねェ
さつま君のは、ジョッキで豪快
盛り付けも豪奢で食い甲斐がありそうだ


火狸・さつま
【空】


さて、エンは何処に…と、狐姿で様子伺い
そろりそろりと近寄って
コノと会話しとる隙にひと匙頂く
ぴゃっ!とビュッフェへ逃走

…背が、届かぬ
仕方なし人姿へ
ジョッキへキャラメリゼクルミ
ブランデー香るジェノワーズ
ミルクとダークのショコラムース重ね
ビターチョコソフトクリーム
キャラメルソース掛けバニラアイス
ナッツ類にマカロン
オランジェットとボンボンショコラ
苺とブルーベリーで飾りつけ

己のは独り占め
と、考えていたものの
…喰う?
やはり皆で食べた方が旨い

皆の御洒落…!
ひと匙ずつパクッ
果実酒ジュレ、おいひ…!
常盤のフレェク、ザクザク旨い



ああ…カタヌキ。よしなに
などと、人姿では話した事無かったかとエンに今更挨拶したり



 一仕事終えたコノハ・ライゼ(空々・f03130)と火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)、そしてそんな二人をお疲れ様と労う神埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)。二人と一匹で訪れたカフェは、カカオ尽くしの甘い世界が広がっていた。
「チョコレェトブッフェ良いねェ。甘いものは大好物だ」
 沢山食べようじゃないかと意気込みを見せる常盤に、コノハはくすくすと笑い声を上げる。ホントに好きなのねえ、なんて感想を零す彼も実はチョコ狂いと呼ぶに相応しいらしいのだが。その事実を知っているさつまは現在、焦げ茶色の絨毯と半ば同化するようなタヌキ柄のキツネ姿でとすとす四肢を進めている。

 一先ずは、パフェを作ってしまおうとチョコレートで溢れるテーブルに向かった二人と、探し人を優先した一匹。再会はそれから少し経ってからの事で、それぞれのセンスで彩られたシャンパングラスとパフェグラス、そして探し当てたグリモア猟兵という戦果を携えて合流を果たす。
(エン、見付けた……。あっちの席)
 尻尾をふりふり奥の席を示すさつまの肢の先を見遣ってみれば、なるほど件の男が茶色いもので満たされた金魚鉢を抱えて座っていた。食べる方に集中しているのか、二人と一匹に気付く様子を見せないならば今が好機。
 鼻唄混じりで最初に忍び寄ったコノハは、横からするりと金魚鉢へとスプーンを差し込んだ。
「エンちゃん、一口ちょーだい」
「おーコノハお疲れ……って手前!」
 あっさり横取りできたパフェのお味といえば、がっつりたっぷりチョコホイップ。よく見なくても、金魚鉢の中身はチョコアイスとチョコクリーム二層だけの雑な出来栄えだ。
 しゃー、とエンがコノハを威嚇している内に、そろりそろりと今度は逆方向から仕掛けたさつまが、器用に持ったスプーンで金魚鉢からたっぷりひと匙。おくち一杯のチョコクリームをもぐもぐと味わってから、ぴゃっとビュッフェの方へと逃走した。おい待て!なんて声が後から聞こえるが振り返らないのがお狐様。
 まったく油断も隙もとぶちぶち言う姿に、まあまあと穏やかに声を掛ける常盤は、流石年長者の落ち着きと言うべきか。
「エン君も是非一緒に、ッて金魚鉢パフェだと……。僕のもあげるから一口味見させてくれ給え」
 けれども甘味の前ではその限りではないようで。同じ席へと座ってずいとテーブルにパフェグラスを置いての交換提案。
「ゴメンゴメン、コレで許して?」
 コノハも自作の"イチオシ"を差し出して、横取りはこうする為の布石だったとばかりの顔。椅子の一つを確保して腰を下ろせば、四人席のうちの二つを大柄な男が占めたその圧迫感たるや。

 一方その頃のさつまはといえば。
(…背が、届かぬ)
 狐のままではグラスすら選べないと気付き、渋々省エネモードを解除して人型への変身を果たしていたりした。
 ジョッキを手に戻ってきたさつまの妖狐姿に、誰だこいつという顔をしていたのはエン一人。待たせたと、告げる男が自然に残りの一つの席を埋めれば、大柄な男がまた増えて圧迫感が以下略。
 全員分のパフェが揃えば、あとは試食交換会が開催されるのみである!

 チョコ尽くしでも構わないなら、という前置きのもと、提供するのも他の皆の相伴に預かるのも楽しんでいそうな常盤のパフェは、普通のサイズのパフェグラス。
 底に敷いたのはさくさくのチョコフレェクと口当たり滑らかなチョコムース。その上には味のアクセントも兼ねたカシスジュレが彩を添えて、真白のティラミスが蓋をする。スプーンで削ったチョコアイスを一番上に、流したチョコソースはアイスに冷やされた部分とそこ以外で食感の違う優れもの。ハァト型ウエハァスを飾れば、常盤謹製バレンタインパフェの完成!
「ティラミス盛るなんてやるわねジンノ……見目も可愛いし」
「常盤のフレェク、ザクザク旨い」
「すげーな、チョコとティラミスって合うんだなあ」

 どう?と食べている時よりも余程目を輝かせて提供されるコノハのパフェは、細身のシャンパングラス。
 ベースとなるグラスの中で、チョコソースとチョコアイス、そしてラズベリージャムが螺旋を描く。ラズベリーの暗紅色に見える粒は黒胡椒だとか。盛り付けにも拘った一品の天辺を飾るのは、柑橘の果実酒ジュレの鮮やかなオレンジ色。チョコの甘みとフルーツ系の酸味、そして黒胡椒のぴりっとしたアクセント。カカオとスパイスの組合せにハマっててね、とは本人曰く。バルを経営しているだけはある、納得の大人仕様パフェ。
「流石コノハ君、素晴らしく洒落ている。果実酒が効いた大人の味わいだねェ」
「果実酒ジュレ、おいひ…!」
「ジャムに胡椒?プロかよ。プロだったわ」

 最初は独り占めしようと思っていた、ので。
「……喰う?」
 と皆に差し出すまでに僅かなタイムラグ。やっぱり皆で食べた方が旨いだろうと思い直したさつまのパフェは大きなジョッキで。
 底に敷くのはフレークの代わりに艶々と甘くキャラメリゼされた胡桃。ブランデーのよく利いた、ダイスカットのジェノワーズを更にしっとりと包むミルクとダークのショコラムース。その上にはカカオの苦味が利いたソフトクリームと、好対照な甘味のキャラメルソースを掛けたバニラアイスを。そしてここからが本番とばかり、飾り付けにどんどん盛られるナッツ類にマカロン、オランジェット、ボンボンショコラ、ありとあらゆるベリー類に……。両手の指では数え切れないスイーツが織り成すよくばりパフェ!
「さつま君のは豪快だねェ。盛り付けも豪奢で食い甲斐がありそうだ」
「たぬちゃんのは超豪華ね、ドコ貰おうか悩むわぁ」
「つうかアンタ誰だ」

 因みにエンの金魚鉢は、ほぼ同じ味が続く為に総評は普通の一言で済まされたのではなかろうか。
 ともあれ、これはお洒落、それは味が良い、なんて言い合いながら遠慮なく匙を進めていけるのは、同じ見せに集う面々だからこその気安さ故か。
「ふふ、こんな楽しみ方、普段じゃ中々できないよねぇ」
「甘い物だけを存分に、という機会はそうそうないからねェ」
 専ら食べさせる側でいる事の多いコノハがしみじみと。多種多様の甘味を満喫した常盤が大いに同意して、グラスを綺麗に空けていく。
「で、そっちのアンタは」
 一人だけ分かっていないキマイラ男がさつまに胡乱な目を向け続ければ。
「ああ…カタヌキ。よしなに」
 と、今更ながらの自己紹介がさつまより。それで疑問が氷解したのかどうかはまた別の話として。

 いつもとは違う空気、違う味。偶にはこういう時間も良い、なんて言ったのは誰だったのか。
 ごちそうさま、とチョコ尽くしの一日が終われば、次に皆が顔を合わせるのはきっとまたいつもの店で。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

境・花世
バケツパフェが食べられると聞いて、
颯爽と扉を開いてカフェに踏み込む

でも、自由って言われると
実は悩んでしまうのが人間だね
この広大な空白を、
わたしは何で埋めるべきか――

えっと、おいしいものかな!

自己解決してスイーツをぱかぱか掬う
濃厚に甘やかな上層から、
徐々にほろ苦くやがてさっぱりと
緻密に計算し尽くされたバケツを
意気揚々と食べ進めて

……ひとりでいるのは慣れてるし
ぜんぜん平気、なんだけど

賑やかな店内にふと過る想いは
エンを見ればかすかに和らいで
スプーンをちゃっと掲げて戦友の合図

すごくおいしいってこと、それだけを、
きみに伝えられたら不思議とうれしい
だってこのパフェ、力作なんだもの!

※アドリブ・絡み大歓迎




 扉から颯爽と現われた、玲瓏、風雅、そんな言葉で修飾されそうな女の口から、よもやバケツパフェという言葉が飛び出すと誰が予測しようか。案内のスタッフが戸惑いを見せたりもしたけれど、ともあれ、境・花世(*葬・f11024)の腕の中には今、大きなバケツ型グラスが納められていた。
 テーブルの上には目移りするほどのチョコレート。どこから手を付けるのも自由、と言われてしまえば逆に悩んでしまうのが人間と言うもので。
 この胸に抱える広大な空白(バケツ)を、わたしは何で埋めるべきか――。
 未だ満たされぬガラスに目を落としての自問は、
「えっと、おいしいものかな!」
 一瞬で自己解決したが。甘い物を前にして、やることは一つ。

 上の方を甘く濃厚にしたいから、さっぱり目のものから重ねていこう。そんな緻密な計算の元に、ぱかぱかと勢いよく掬われては器に詰められ織り上げられる甘味の層。さっぱりしたカカオティゼリーの上に、ころころと転がす葡萄の粒は洋酒香るコンポート。カカオ風味の濃厚な、甘さ控えめのソルベを乗せて、甘さの違う層を重ねるショコラのムースをその上に。天辺へ彩り鮮やかなフルーツを乗せたら、その周りにはハートの形に整えられ焼き菓子を!
 すっかり埋めた空白を、しっかり味わおうと意気揚々席へ運び、スプーンへと乗せて口の中へ。物足りない、なんて思う筈のない確かな甘味。
 
 ――ひとりでいるのは慣れてるし、ぜんぜん平気。
 
 その気持ちは全部ほんとう。嘘偽りなどありはしないのに、けど、と次いでしまいそうになるのはきっと周りがあんまり賑やかだからかもしれない。
「……お、花世じゃねえか。アンタも来てたのか」
 過ぎる想いを台無しにするかのような不躾な声は、空になった金魚鉢を小脇に抱えて通りかかったエンのもの。
 ふ、と纏う空気を和ませて、すちゃっと花世が掲げたスプーンは戦友への合図と挨拶。それを見て可笑しげにスプーンを掲げ返してくる相手へと、爛漫に笑ってみせる。
「あは、カフェの噂を聞きつけたからね。力作だからすごくおいしい!」
 伝えてみれば、不思議とうれしい気持ちになる。美味しいものはきっと、美味しいと言えて初めて完成するのかもしれない、なんて。
 そりゃよかったと目を細めた男が、二杯目を作りに行くと告げたのを呆れつつも見送れば、まだまだ残るパフェがテーブルの上でお待ちかね。

「……うん、おいしい」
 もう一度零した感想は、きちんと馴染んでふんわりと、舌の上で溶けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴァーリャ・スネシュコヴァ
綾華(f01194)と!

俺の腹はもう準備万端だ、綾華も準備できてるか?
ではゆくぞ! パフェ天国へ!

バスタブも気になるが、ここは抑えめでバケツサイズのパフェを作ろう!
俺は……チョコ盛りだくさん、あまあまなパフェにするのだ。
もちろんチョコに合う果物だったり、クッキーだったり、キャラメルだったり……どんどん盛り重ねていくぞ。
多少見栄えが悪くても、食べて満足になれるなら無問題というやつだ!

綾華はチョコミントかー……うむ、そっちも美味そうなのだ。よければ一口もらえるだろうか?
……おぉお! 綾華のもめちゃくちゃ美味いな!

やっぱり、甘いものは人を幸せにしてくれる。綾華も幸せを感じたのなら、とても嬉しいな!


浮世・綾華
ヴァーリャ(f01757)ちゃんと

出来てマース

バスタブすごすぎだよな…
でもバケツも十分でけーと笑って
自分は少しだけ大きいグラスを

ふーん、そうやって重ねんのな
んじゃ俺も見様見真似で、と

ショコラ、ミントジュレに星型ナタデココを泳がせ
ショコラムース、チョコとミントアイス
キウイとチョコウエハース
最後にミントの葉を几帳面に
こんな感じでどー?

いや、ヴァーリャちゃんのすっげーな
好きと無邪気がいっぱい詰まったパフェは可愛いく思え

一口と言わず
いくらでもドーゾ
俺もいーの?
じゃ、お言葉に甘えて
こっちも美味いよ

こんなおいしそうに食べる子と一緒に食べたら
美味しいし自然と温かな気持ちにもなって
誘ってくれてさんきゅ



 いつも明るく天真爛漫、ヴァーリャ・スネシュコヴァ(一片氷心・f01757)と呼ばれる少女の顔は、チョコレート色で占められるカフェに踏み入った途端いつも以上にきらっきら。
 大好きな甘味を好きなだけ食べられる機会とあっては、気合も入るというもので。意気揚々とパフェグラスの置かれたテーブルに向かいながら、一緒に訪れた浮世・綾華(❂美しき晴天❂・f01194)の心構えを確かめるように顔を上げた。

「俺の腹はもう準備万端だ、綾華も準備できてるか?」
「出来てマース」
「ではゆくぞ! パフェ天国へ!」
 
 おう、と調子を合わせる綾華と連れ立って、まずはグラスの選定から。
 花を模したグラスからシンプルな広口、果てはくるりと猫のように足を丸めたバスタブまで。各種揃った器を前に、矢張り一番気になってしまうのは最大サイズのその白磁器か。
「バスタブすごすぎだよな……」
 とは、縁を触って思わず実体を確かめながら。
「バスタブも気になるが、ここは抑えめでバケツサイズのパフェを作ろう!」
 とは、ちゃんとそれも食べ物の容器として認められると言わんばかりの。
 バケツも十分でけー、と笑う綾華が手に取ったのは少し大きめのパフェグラス。けれどもパフェを作る手順となれば少々心許ないと、倣う心算でヴァーリャの手元を覗き込む。
「俺は……チョコ盛りだくさん、あまあまなパフェにするのだ」
 もうそうすると最初から決めていたような、迷いのない少女の言葉。バケツサイズのガラス容器を抱え込んで、まず底から重ねていくのはムースやクリームなどの柔らかめのチョコスイーツを。ベリー、シトラス、チェリーにナッツ、チョコに合いそうなものも沢山飾って、クッキーにサブレにマカロンと焼き菓子もたっぷり!
 どんどん盛り重ねていく自由なパフェ作りは、見ている側の目にもきっと楽しい。
「ふーん、そうやって重ねんのな」
 じっくりと少女の手際を眺めて要領を得た綾華も、パフェ作りに取り掛かる。
 ショコラとミントのジュレの中で泳ぐ星はナタデココ。上に敷き詰めたショコラムースは夜空を閉じ込める蓋のよう。一口サイズに掬える小さなディッシャーで、チョコとミントのアイスをころんころんと乗せて行き、仕上げに飾るのはスライスされたキウイとチョコウエハース。
 ちょこんと几帳面にミントの葉を乗せれば、とても見様見真似とは思えない出来栄えの一品が完成した。

「こんな感じでどー?」
 バケツの縁ギリギリまでボンボンショコラを乗せている少女にグラスを持ち上げてお披露目すれば、ヴァーリャも綾華へ見えるように重そうなバケツを持ち上げる。
「綾華はチョコミントかー……うむ、そっちも美味そうなのだ」
 チョコブラウンとミントグリーンで統一された綾華のパフェは見目涼やかで綺麗な一杯。そしてヴァーリャのパフェは、好きと無邪気を一杯に詰め込んだ可愛らしくも微笑ましいもの。
「いや、ヴァーリャちゃんのすっげーな」
「多少見栄えが悪くても、食べて満足になれるなら無問題というやつだ!」
 綾華の賞賛に、ヴァーリャが胸を張って、見せあいっこ完了。
 となれば、あとは舌で楽しむ時間!

 席について、グラスとバケツをテーブルの上へ。圧倒的なサイズ差を一頻り堪能したら、思い思いにスプーンを取ってひと掬い。
「綾華のも、よければ一口もらえるだろうか?」
 チョコたっぷりのバケツパフェも、しっかり口の中は幸せになるけれど。矢張り人のものも気になる乙女心。
「一口と言わず、いくらでもドーゾ」
 申し出に笑って、すいと少女の方へとグラスを滑らせれば、お返しにでっかいバケツが綾華の手元へ。
「……おぉお! 綾華のもめちゃくちゃ美味いな!じゃあ俺のも」
「俺もいーの?」
 交換会まで始まれば、大きなパフェもあっという間に平らげられてしまうのだろう。

 やっぱり、甘いものは人を幸せにしてくれるという実感をチョコの風味と共に噛み締める少女と。
 おいしそうに食べる子と一緒に食べるからこそ美味しくて、自然と胸に暖かな温度が燈る宿神。
 お互いに、相手もそうであればいいと思う楽しいひととき。

 一番美味しいのは、きっとこうやって仲良しと過ごす時間そのもので。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒谷・英壱
あいつ、単純に甘いものが食べたかったんだろうか
そう考えると別に悪い奴では……
いや、あれだけ大量の毛玉を出すわ大騒ぎしてたし
仮にここまで来てたらやばい事になってたな

……あぁそっか、今はセルフでパフェが作れるんだっけか
にしてもジョッキやバケツに並んでなんだあのでっかい奴は
とりあえず普通サイズ選んで、甘い物は大好物だからまずチョコムースを敷き詰めてっと
うーん、てっぺんはミントとホイップにして間をどうしようか

とか考えつつ見るからに甘いパフェが完成
席に座り紅茶と共に一口
そういえばと持参している猫顔パンと合わせて更に一口
うん、とてもんまい

へえ、エンのやつあの見た目で金魚鉢パフェとか可愛いじゃん


絡み歓迎




 黒谷・英壱(ダンス・オン・ワンライン・f07000)は考える。あの書庫に居たオブリビオンの少女は、本当に甘い物を食べたいだけだったのではと。
 カフェスタッフに案内された店内は、パフェを始めとした甘い物に夢中になってる人達の、楽しそうなお喋りがチョコの香りと共に満ちている。こんな場所があると知ってしまえば、赴きたくなるのは詮方ないことのようにも想われたのだ。
「そう考えると別に悪い奴では……」
 そう呟いてはみたのだけれど。あれだけ大量の毛玉を出して騒ぐような奴が、カフェへのダイナミック入店を果たした場合を頭の中に描き出すと目も当てられない絵面となったので、ぶるぶると頭を振ってシュールな想像を追い払うのだった。
 お店の平和はやっぱりちゃんと、猟兵に守られたのである。

 普通に軽食を頼んだりも可能な店ではあったけれど、今はセルフでパフェが作れるのだし、折角ならと挑戦しようと普通サイズのパフェグラスを取った。なんでか浴槽みたいなものまで鎮座しているが、それは見なかったとこにする。
 甘い物はが好物な英壱が、グラスの底へ真っ先に敷き詰めたのはふわっふわのチョコムース。食感が単調にならないように、ぱらぱらちビスキュイやローストナッツを散らしたら、そろそろっとスプーンで削り取った色んな味のアイスを詰めていこう。基本のチョコにピスタチオとコーヒー、酸味目当てでラズベリー。どこがどう混ざっても組み合わせとして相性が良さそうなものをチョイスして、天辺にホイップを盛ってミントの葉を飾れば、冷たく甘いチョコパフェの出来上がり。

 確保した席について、紅茶が届けば準備万端!
 見るからに甘そうに仕上がったパフェを掬って一口食べれば、想像通り甘いけれど、口の中でほわっと蕩ける舌触りは悪くない。
 そういえば、と思い出して取り出したのは猫の顔をしたパンで、コミカルな表情を見せるこんがりしたにゃんこを耳から一口。パフェと合わせても相性は抜群だ。
「うん、とてもんまい」
 パンと一緒ならおやつというよりは普通にランチぐらいにはなりそうだ。
 舌鼓を打ちながらもぐもぐと動かしていた英壱の口は、席の前を通り過ぎた見覚えのある男の姿に一瞬止まる。愛想に乏しいグリモア猟兵が、小脇にチョコ色で満たされた金魚鉢を抱えているのは悪目立ちが過ぎたのだ。
「へえ?」
「お?」
 視線がかち合った男は、足は止めないもののお疲れと片手を挙げて英壱へと挨拶を向ける。
(エンのやつあの見た目で金魚鉢パフェとか可愛いじゃん)
(英壱が猫パン食ってる。共食いか?)
 お互いに、抱いた印象は当人が聞いたら否定したくなりそうな"可愛い"というものだったようで。払拭する日はいつか来るのか来ないのか、それはまだ、語られぬお話のひとつ。


 "だいすき"を、仲良しに。甘い物に。しばしば訪れる魔法学園での心浮きたつひとときに。
 想いや言葉をチョコレートに託して、いただきますを。
 ごちそうさまは、たくさん喋ってたくさん食べて、それからにしよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月27日


挿絵イラスト