●憧れの勇姿
さあ、みんな! チェンジタップを手に取って!
そして力の限り叫ぼう。
――変身!
言葉と共に光り輝く星が周囲に散り、赤く熱い炎が燃えていった。
綺羅びやかなエフェクトが広がっていくステージが一瞬だけ暗転したかと思うと、舞台にはふたつの人影が現れる。
ヒーローだ。
「この世に悪がある限り、燃やし尽くすのがオレの正義!」
片方はぴったりとしたヒーロースーツに赤いマフラーを巻いた少年。サンバイザーを模したマスクが光を受けてきらりと光る。彼のチェンジタップはベルトに収まり、刻まれた炎の紋章が印象的に明滅していた。
「抱く願いは一番星☆ キラキラの未来を守るため!」
もう片方は星柄のフリルスカートに身を包んだ少女。その背には可愛らしい翼が生えており、髪飾りにも星の装飾が施されている。チェンジタップは変形して魔法杖になり、きゅわーんと可愛い音を響かせていた。
背中合わせに立った二人はそれぞれにポーズを決め、名乗り口上を述べていく。
「今日も燃えるぜ熱血魂! 轟撃勇者、フレアエインガー参上!」
「女神と流星の加護に想いを刻んで――降臨、プリティ・トゥインクール!」
爆風が轟き、色とりどりの星が舞う。
そうしてステージには観客の大喝采が鳴り響いていく。
●フェスのお邪魔虫
キマイラフューチャーのとある街。
今、其処では流行っているものがある。それは――ヒーローとヒロイン!
未曾有の大流行を迎えた街では、一番大きくて派手なステージを有する会場でヒーローフェスティバルが開かれていた。
其処では誰もがヒーローやヒロイン、魔法少女や少年になれる。
様々な形の変身用アイテム、『チェンジタップ』を貰い、ヒーロー名を申請する。そして、着たい衣装を申請すればすぐに仕立ててくれる。
準備が整えば、後はステージに立って変身を披露していくだけ。
フューチャー的なプロジェクションマッピングで様々なエフェクトが投影できるので演出も思いのままだ。
そして今日も、キマイラ達の自由なフェスが開催されるはずだったのだが――。
「なーんか楽しそうなことしてるねえ?」
その様子を眺める怪人、天竺牡丹はくすくすと笑っていた。
従えたアニマルズと共にヒーローフェスティバルを覗き見していた彼女は翼を羽ばたかせて口許を歪める。
「いくよ、君たち! ああいうのは全部ぶっ壊しちゃえばもっと楽しくなるからね!」
●変身タップに思いを込めて
「頼む! ヒーローかヒロイン、もしくは魔法少女になってくれ!」
開口一番、ディイ・ディー(Six Sides・f21861)は不可解なことを願った。しかし彼は別に巫山戯ているわけではない。
キマイラフューチャーのフェス会場に怪人が現れることが分かったのだ。
「これは『君もヒーローだ! チェンジタップで変身!』という催し物だ。キマイラ達が楽しんでいるところに怪人達が現れる。だが、猟兵がステージに出て待ち伏せすればキマイラ達も楽しめて怪人も倒せて一石二鳥ってわけだ」
分かっただろ、と告げたディイは申請用の電子ページを展開していく。
ヒーロー名。
希望するチェンジタップの形状。
着たいコスチュームの種類や色。
それらを申請して行けば当日には用意されているという塩梅だ。
「ああ、チェンジタップっていうのは変身アイテムな。ケータイ型やベルト型、ブローチ型が基本だが、魔法ステッキや武器、コスメ型まであるらしい」
どれを選ぶかは参加する人それぞれ。
ブローチだったものが武器に変形するという物もあるのでかなり自由だ。
項目を選んだら次はステージ出演。
「変身を披露する舞台だからな。まずは普段着で登場からはじめる。それからチェンジタップをあれやこれやして、ステージエフェクトがかかった後にコスチュームに変身だ。フューチャー的な技術で着替えは一瞬で済むから問題ないぜ。そうしたら決めポーズと口上、名乗りでフィニッシュ!」
簡単だろ、とディイは軽く笑ってみせた。
出身世界の関係で元からヒーローである者は普段の変身を見せてもいいだろう。
順番に変身ステージを披露していくと、その途中で怪人達が現れる。観客であるキマイラの皆さんは逃げ慣れているので避難指示は不要だ。しかし元の服に着替えている猶予はないのでそのままのコスチュームで戦うのが最適だろう。
「戦いに関してはまったく心配してねえ。だから変身の方を全力で頼むぜ!」
俺も見に行くから、と告げたディイは面白がっている。そして乗り気ではなさそうな猟兵にも遠慮なく声を掛けていった。
どんなヒーローやヒロインになるかは向かう者次第。
「それじゃよろしく頼んだ。お前達の勇姿はきっと未来を救う。頑張って来いよ!」
犬塚ひなこ
今回の世界は『キマイラフューチャー』
ヒーローステージに現れる怪人達を倒すのが目的です。
第一章受付は🌸【3月3日の朝8時30分】🌸からとなります。
●第一章
日常『フューチャーステージ!』
ヒーロー・ヒロインになって変身シーンを決めましょう。
概要や雰囲気はOPの通りです。
ヒーローでないあなたも、元からヒーローなあなたも、元気よく格好良く可愛らしくステージオン! そんなキャラじゃない、という人も無理やり連れ出された設定でどうぞ。お連れ様同士で戦隊やバディを組むなどの複数人でのご参加も歓迎します。
プレイングには『ヒーロー名』『チェンジタップでどんな変身をするか』『名乗り口上』などをご記載ください。ない場合は採用が難しくなります。
また、プレイング冒頭か末尾に、
『📢』:決め台詞や口上などお任せ。
『🔥』:ヒーロー名やチェンジタップ形状、変身シーンのエフェクト演出お任せ。
『👗』:衣装お任せ(格好良い系、魔法少女系などの洋服スタイル)
『👔』:衣装お任せ(戦隊や仮面系の変身スーツスタイル)
以上の記号を入れてくださった場合、皆様に合うものを見繕います。
もうどうにでもして! という全部お任せは『🎥』の絵文字ひとつで大丈夫です。
※雰囲気は日曜朝のイメージですが、あまりにも版権作品に類似した台詞や格好の描写は出来ず、不採用とさせていただくこともあります。そういった作品を全て網羅しているわけではないのでギリギリを攻めるのもご遠慮ください。
●第二章
集団戦『つよくてクールなアニマルズ』
ステージ演目が終わった直後にたくさん現れます。
着替えている時間は与えられないので、ヒーローやヒロインの姿のままで戦って倒してください。武器などは普通に持っているものとして判定しますので、細かいことは気にせずにどうぞ!
●第三章
ボス戦『天竺牡丹』
アニマルズ登場時からその場にいますが、戦えるのは三章からです。
配下の数がある程度に減ると自ら戦いに出てきます。残ったアニマルズを従え、集団戦を仕掛けてきます。
二章と三章はさくさく締め切り予定です。
プレイングの受け付け期間等はマスターページに記載しておりますので、お手数とは存じますがご確認頂けると幸いです。
第1章 日常
『フューチャーステージ!』
|
POW : 情熱的に楽しむ
SPD : クールに楽しむ
WIZ : 知的に楽しむ
|
ジャック・スペード
📢 👗
俺もヒーローの端くれなので
ヒトを助ける事に見返りなど求めていないが
一度位はこう……歓声を受けて登場してみたい
名は常の通り、スペードのジャックで行くとして
変身とかは余り考えたこと無かったな
此の軍服でいつも活動しているので……
バージョンアップをイメージして変身してみようか
コミックヒーロー達も中盤には衣装が変わると聞く
ああ、外套のチェネルは引き続き羽織れるとウレシイ
俺の良き友なので……勿論、無理は言わないが
エフェクトはステージ上に降り注ぐトランプ
♠️Jのトランプ模したチェンジタップで変身した後
片腕をライフルに変形させて戦闘モードを演出
最後はクールにポーズを決めようか
……拍手、貰えると良いが
●スートは輝く
ヒーロー。
それは人知れず世界を救い、或る意味で孤独に生きる者。
ヒトを助けることに見返りは求めない。それは自分のためではなく、常に誰かのために生きるということ。それでも、少しばかり思うこともある。
「歓声と喝采か」
ジャック・スペード(J♠️・f16475)はフューチャーステージに響く賑やかな声を聞き、舞台上でポーズを決めるヒーロー達を見つめていた。
戦いの際の真剣な場面ならばこんな声は聞けない。
本当のヒーローとして戦うジャックは理想と現実が違うことも知っていた。しかし折角のこの機会だ。一度位は歓声を受けて登場するのも悪くはないだろう。
そして今、ジャックは出番を待っていた。
賑わっていた舞台から前のヒーローが引けば、次はいよいよジャックの出番。
軍帽めいた帽子を深く被り直し、ジャックは舞台中央に立つ。
暗く整えられたステージの中では漆黒のボディがよく馴染む。双眼の光も消し、ジャックはスポットライトが光るその瞬間を待った。
そして――。
舞台に光が満ちたとき、ジャックはチェンジタップを大きく掲げた。
カード型の変身器の中央にはスペード。そして、Jのマークが刻まれている。
「……変身」
お決まりの台詞と共にひらいた双眼が煌めく。
同時に降り注ぐトランプが彼の身を覆い、黒の色彩を隠していく。ひらひらと舞うカードのスートがクローバー、クラブ、ハートと代わり、最後にスペードが現れた。
四つの印が重なり、周囲に赤と黒の色彩が明滅する。
其処に現れたジャックの様相は先程とは一変していた。黒き外套、チェネルを肩に羽織った彼が纏うのは鮮やかなブルーとブラックが美しい機械鎧。
しかしそれはしなやかなシルエットであり、無骨さよりも洗練された雰囲気に満ちている。チェンジタップは腰元に馴染むように収まり、胸元にはアウイナイトの宝石を思わせるコアが宿っていた。
そして彼の頭上には翼を思わせる記章が添えられた帽子があり、自由かつ鋭いイメージを与えている。
「闇夜に紛れて悪を屠る。誓う志はこの躰に――」
述べていく口上は強く、しっかりと。
ジャックは金の双眼を観客に向け、凛とした音声で語ってゆく。
「訪れる死も破滅も、この腕と弾丸で貫こう」
掲げた片腕はライフルに変わっており、硬質な音と同時に銃身が鈍く光った。そうしてジャックは最後の仕上げに己の名を言葉に乗せる。
「――見参、スペードのジャック」
銃を胸のコアの前で掲げた彼は落ち着いた声で己を示す。
真っ直ぐに立つポーズはクールで勇ましい。ジャックの周囲に待っていたトランプはいつしか光の輪になり、彼の背を彩っていた。
しんと静まり返る舞台。
しかし、それもたった一瞬。ジャックに向けられたのは大きな歓声と拍手。まさに喝采と呼べるほどのあたたかくて賑やかな人々の声だった。
大成功
🔵🔵🔵
月居・蒼汰
🎥
ヒーローのおまえが行かなくてどうするんだ?
みたいな感じでうさた(頭上のうさぎ)に引っ張られつつ
…え、うさたも変身したいの?(申込書には一応うさたの名前も記入済)
ヒロアの俺は黒ずくめのこれが実質ヒーロー衣装みたいなものだけど
折角だからこの世界に合わせたヒーローになりたくて
とは言えどんな感じがいいのかな?
格好いいのは勿論、戦隊物的な衣装もちょっぴり憧れる(そわ)
渡されたチェンジタップを握り深呼吸ひとつ
慣れない環境と衣装はやっぱり少し照れるけど
でも、俺はヒーローだから
――変身!
ついでにうさたもそれっぽく変身?
ビシッとポーズを決めてパフォーマンス
皆の声が何よりも力になるのは
どこの世界でも変わらない
●兎と花と色彩と
最初に感じたのは強い圧。
ヒーローのおまえが行かなくてどうする。
言葉にはされないが、そのような雰囲気で月居・蒼汰(泡沫メランコリー・f16730)をこの場に引っ張ってきたのは金の眼をした翼兎――うさただ。
「……え、うさたも変身したいの?」
蒼汰は翼兎から訴えられる視線から意志を感じ取り、二人分のヒーロー衣装やチェンジタップを申請していた。
そして、催しの当日が訪れる。
舞台の袖には花冠型のチェンジタップを装着したうさたと、ブレスレット型の変身アイテムを装着した蒼汰が居た。
元より世界のために戦うヒーローとして活動している蒼汰の衣装は黒だ。
それが今、この場ではまったく違うものになる。蒼汰はチェンジタップをそっと撫でた。そうして深呼吸をひとつ。
慣れない環境。それに違う衣装となるとやっぱり少し照れる。
――でも、俺はヒーローだから。
この後に訪れる戦いにも思いを馳せ、蒼汰は舞台に踏み出した。
暗転するステージ。
その中央に頭にうさたを乗せた蒼汰が立つ。そして、目映いほどのスポットライトが彼らを明るく照らした。
蒼汰は真っ直ぐに前を見つめ、片腕を高く掲げる。
「――変身!」
凛と響いた声と共にうさたも高く跳躍した。
くるりと宙で回転した翼兎の周囲に星が散る。その光の中で桜の花が舞った。薄い彩を宿した花弁が蒼汰達の身を瞬く間に隠していった。
するとその中から真白な外套に身を包んだ蒼汰が現れる。
蒼汰が金縁に彩られたマントを広げれば、紅のジャケットが顕になった。胸元には桜の花を模った記章が飾られており、すらりとしたシルエットの足元では純白のブーツに飾られた星が輝いている。
そして、うさたはなんと――。
灰うさた、白うさた、桜うさた、蒼うさたとなって分身した。その胸元には其々の色の花のブローチと苺が飾られていた。無論、灰うさた以外は投影されたものなのだが、これで五人分のヒーローが勢揃い。
紅色を纏う蒼汰を中心に並んだヒーローズ。
腕のチェンジタップを魅せるように胸の前で拳を作った蒼汰はビシッとポーズを決めていく。同時にうさた達も両翼を広げ、各自で愛らしく身構えた。
「花の咲く世界に永久の幸せを齎すため、ここに集ったのは五彩の力――」
翼兎達の羽がぱたぱたと揺れる中で蒼汰は口上を述べてゆく。赤に灰と蒼、白に桜。自分達らしい彩だと感じながら、蒼汰はぐっと拳を握る。
「兎苺戦隊、フルールフレーズ!」
見事な名乗りの声が舞台に響き、周囲に花と泡沫めいたエフェクトが散った。
その途端、喝采が満ちる。
キマイラ達の声を受けながらうさた達と一緒に手を振った蒼汰は思う。
そうだ、きっと――皆の声が何よりも力になるのは、どこの世界でも変わらない。
大成功
🔵🔵🔵
真幌・縫
マクベス(f15930)くんと♪
📢🔥👗
決め台詞口上変身シーン衣装などはマクベスくんとお揃い風で。
マクベスくん!キマフュでねチェンジタップって言うのが流行っててね。ヒーローやヒロインに変身できるんだって!
ぬいね、マクベスくんと一緒に行きたいんだけどどうかな…?だってマクベスくんはぬいのヒーローだから変身した所も見てみたいなぁって…。
あのね!マクベスくんと行くならねマクベスくんとお揃いのヒーロー…縫はヒロインだねになりたいなって♪
マクベスくんのヒーロー姿楽しみだなぁ…。
もちろん邪魔するオブリビオンも倒さないとね!
マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
📢🔥👗
縫とコンビヒーローな感じで
いやオレはヒーローとか全然興味ないけど
まぁ憧れはしてるけど…
うん、全然興味はねぇけど縫がどうしてもっていうしな!
縫のヒーロー…
それなら期待に応えないわけにはいかねぇなっ
そうだな、せっかくならオレも縫とコンビでやりたい
せっかくだし衣装も口上とかも合わせようぜっ
縫がヒーロー…いや、ヒロインか
癒やし系ヒロインになりそうだな♪
人前でやるのは照れるけど…まぁうん、悪くねぇんじゃね?
●花星と紅炎
色鮮やかなステージに向けられる歓声。
その声に胸を高鳴らせ、真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)はマクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)を呼ぶ。
「マクベスくん! もう少しでぬいたちの出番だよ」
「そうだな、準備はいいか?」
「ぬいもサジ太も大丈夫だよ」
縫の呼びかけにマクベスが頷き、舞台袖から見える景色に目を細める。
「本当はヒーローなんて興味ないんだけどさ、けど縫がどうしてもっていうしな!」
少年は何とか自分の思いを誤魔化しながらこほんと咳払いをする。縫は実はマクベスがヒーローに憧れる年頃だということも分かっていた。
しかしそれ以上に、縫も彼の格好いいところが見たいと思っている。
「うん、マクベスくんはぬいのヒーローだから変身した所も見てみたいなぁって」
「縫のヒーロー……それなら期待に応えないわけにはいかねぇなっ」
それじゃ行くぜ、と覚悟を決めたマクベス。
その姿を楽しげに見つめる縫。そして――二人の変身の時が訪れる。
「花に祈りを、翼に星を……♪」
「火炎に歌を、翼に風を――!」
背中合わせで立った縫とマクベスの声が重なる。
同時に掲げたチェンジタップがきらきらと光りはじめた。縫が両手で頭上に掲げたのはぬいぐるみのサジ太。その胸元には星型のブローチが飾られており、ふわりとした半透明のリボンがサジ太から縫に広がっていく。
マクベスが掲げていたのは蠍の紋章が刻まれた腕時計型チェンジタップ。
炎のエフェクトが手首から巻き起こり、マクベスを守るように包み込んでいった。
縫の翼には星飾りが煌めき、光を放っていく。その目映さに誘われるように縫が瞼を閉じれば、衣装が見る間に変わっていく。
シュミゼットの胸元にリボンが結ばれ、星のブローチが中央に添えられる。
其処からリボンが腕や足に巻き付き、瞬く間に花のようなドレスになってふんわりと広がった。足元はすらりとしたブーツで、その踵を飾っているヒールにもまた小さな花を模したリボンが結わえられる。
そして、マクベスの衣装もまた変化していく。
揺らめく炎が肩から腕に伝い、シックな黒茶の外套が現れる。其処に紅い組紐が不思議な力で結ばれ、鮮やかな炎が散った。
外套の下は軍服めいたかっちりした衣装に代わり、竜翼が一時的に赤く染まる。
チェンジタップは蠍の尾を思わせる蛇腹剣に変化してマクベスの手に収まった。
隣同士に立ち、視線を交わした縫とマクベスは頷きあう。
「花は咲き、星はきらめく……」
「炎は躍り、勇気が宿る!」
互いの声が舞台に響いていく様を感じながら、二人は構えた。縫は花が飾られたサジ太をしっかりと抱き、マクベスは蠍剣を大きく振るう。
二人の周囲に巡った刃の軌跡が光輝くと当時に、マクベス達は名乗っていく。
「花と翼の加護を胸に――シーニャ・エイル!」
「竜と炎の導きを手に――スコルピ・エイル!」
白き鳥の翼と蠍の翼。
そのような意味を持つ名を口にした彼らはしっかりとポーズを決めた。
花の魔法少女と炎の魔法少年。そう表すに相応しい二人は観客達の声援を受け、ステージの上で鳴り止まぬ拍手を受けていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラフィ・シザー
📢🔥👗
なんていうかおもちゃ箱をひっくり返したみたいな街だな。こんな街アリスラビリンスにもあんまりないぜ?でもこう言うのすごくワクワクする♪
へぇ、チェンジタップってやつを使うと変身ができるのか。ヒーロー…てのはあの人助けをしたりするヒーローだよな…別の世界にはたくさんいるらしいってのは聞いたことはあるけどちゃんとみたことはないな。
みんな、目をキラキラさせて楽しそうだ…
ここはオウガに怯えずにたくさん遊べる世界なんだな。
よし!俺もヒーローってやつになってやるぜ!
ふふっ、俺はどんなヒーローになれるかな?
それで、こんな楽しい催しを邪魔するやつには…お仕置きが必要だよな。
●お菓子と刃
賑わう声、行き交うキマイラ達。
風船が飾られた通路や様々な色に満ちたカラフルなステージ。それらはまるでおもちゃ箱をひっくり返したかのように楽しげなごちゃまぜの世界だ。
「こういうの、すごくワクワクする♪」
ラフィ・シザー(【鋏ウサギ】・f19461)はステージの袖から出番を待っていた。様々な人が出演していく中、いよいよ次が自分の番だ。
今の服装は普段通りの執事めいた黒のスーツ。
手の中には懐中時計型のチェンジタップが握られている。そして、ラフィはステージにあがった。
猟兵さんだ、という声が観客席から聞こえたことでラフィは手を振る。
(みんな、目をキラキラさせて楽しそうだな)
きっと皆が猟兵に期待しているはずだ。ならばその気持ちに答えなければと考えたラフィは舞台の中央で身構える。
ラフィはゆっくりと眼を閉じ、手にしている懐中時計を掲げた。
「オウガの魔の手から世界を守るため。今こそ、この力を使うとき!」
チェンジタップが淡く煌めき、時計の針がぐるぐると回りはじめる。その背後に投影された長針と短針が交差した時、彼は瞼をひらいた。
「――変身!」
声と共に暗転する舞台。
暗くなったステージに色とりどりのマカロンやキャンディがふわふわと浮かんだかと思うと、きらきらとした光になってラフィの周囲に廻っていく。
執事服めいた衣装は色を変え、黒だったそれが真白な様相に変わっていった。背から伸びるのは燕尾服の裾。尾には純白のリボンが結ばれ、裾がひらりと揺れる。
兎耳には白い薔薇飾り。
首元にはフリルのジャボ。其処には懐中時計のチェンジタップが飾られ、カチコチと時を刻み続けていく。
そして、ラフィは名乗りをあげた。
「悪いオウガは俺が絶対に許さない。時を司るヒーロー、ドルセ・フィロ!」
お菓子と刃の意味を持つ名を彼が名乗れば、客席からわあっと歓声が聞こえる。キマイラ達に笑みを向けたラフィはそのまま決め台詞を紡いだ。
「楽しい日々を邪魔するやつは……この鋏でちょん切って、お仕置きするぜ!」
手にしていた大きな鋏をくるりと回して身構える。
そうしてスポットライトがラフィを照らし、彼の変身は見事に終わった。
白の燕尾服を翻した彼は片目を瞑り、キマイラ達にふたたび手を振っていった。
大成功
🔵🔵🔵
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
🎥
キマイラ達を守る、怪人を倒す、そんでフェスも楽しむ
一石三鳥に乗らない手はないぜ!
ビキニアーマーはヒーロー・ヒロインまんまだから
変身前はアックス&ウィザーズの村娘の恰好でいるぜ
キマイラフューチャーからしたらこれでもコスプレと思われそうだけど
まだヒーロー・ヒロインらしくはないからセーフ!のはず
逆にビキニアーマー以外の戦闘・冒険服は馴染み無いから
チェンジタップ・変身のエフェクト・衣装はスタッフのお任せで選んで貰い、
ヒーロー名・変身シーン・口上は上記スタッフお任せ設定から短時間で思い付きと勢いで作り上げ演じるぜ!
オレなら出来るはずだ、頑張れオレ!
何よりこんなお任せかつその場の勢いは絶対に楽しいぞ!
●炎のJK騎士
キマイラ達を守り、怪人を倒す。
そしてフェスも全力楽しむ。それは一石三鳥の素晴らしい流れだ。
「この手に乗らない手はないぜ!」
グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)は強く意気込んでいた。自分のやりたいことや信条が全て叶うこの素晴らしい状況。彼女にとって、挑まない理由はひとつもなかった。
そんな彼女の装いは村娘風。
普段のビキニアーマー姿ではヒーローやヒロインそのままになってしまうので、落ち着いた服装でいることで変身のギャップを魅せる心算だ。
(オレなら出来るはずだ、頑張れオレ!)
そうしていよいよグァーネッツォの番。スカートをふわりと翻してステージに上がった彼女は今、ただの少女のように見えるだろう。
だが、何事も見た目だけで判断してはいけない。
「行くぜ、変身!」
力強い声と共にグァーネッツォが片腕を掲げる。
その手にはハート型のチェンジタップコンパクトが握られており、眩い光が溢れ出した。ステージに光るエフェクトは燃えるような赤。
ぐっと握った変身器が割れたかと思うと、炎がグァーネッツォの身を包んでいく。
そして、村娘の衣装が瞬く間に変化する。
わあ、という声が上がったのはグァーネッツォの服が女子高生めいたセーラー服に変わっていったからだ。
襟元のカラーはエフェクトよりも更に深い紅。
結ばれたリボンがふわりと揺れ、広がったスカートもまた炎を思わせる色だ。豊満な胸元のせいか、セーラー服の上着の裾からは腹部がちらりと見える。
そして頭には珊瑚の髪飾りが現れた。
その様もまた愛らしく、キマイラ達はきらきらとした瞳で彼女を見つめる。
「炎の意志がオレの心を滾らせる! 女だからって甘く見てると、痛い目見るぜ!」
今は男女など関係なしに戦う時代。
紅い宝石が埋め込まれたブーツを高く鳴らし、グァーネッツォはぐっと拳を握る。其処に浮かびあがったのは幽冥の竜槍。
ステージのエフェクトによって綺羅びやかに飾られたファントムドラゴンランスを構えたグァーネッツォはびしっと身構えた。
「そう――オレこそが紅の竜騎士、サン・コライユ!」
ヒーローとしての名前を名乗ったグァーネッツォは竜槍を軽々と回し、とびきりの笑顔を観客席に向ける。
赤いセーラー服の褐色竜騎士。
キマイラ達にとってその姿は刺激的かつ印象深かったらしく――暫し、サン・コライユへの熱いコールが鳴り止まなかった。
大成功
🔵🔵🔵
ビリー・ライジング
ミリィ(f05963)と共に参加
ヒーロー名:太陽の騎士フィニクス
チェンジタップ:鳥(鷹)型、変身後は剣に変形。
変身:呼応と共に飛んでくるチェンジタップを掴んで変身。
名乗り口上:
全てを照らす太陽の如く、暗闇を斬り裂く翼! 俺は太陽の騎士、フィニクス!
衣装・演出:
闇夜の中で赤い炎が湧きあがり、炎の色が徐々に黄金色に変化していく。
金色の炎に包まれて炎が消えると、金色の鎧と真紅のマントを纏った姿に変身する。
ミリィ・ライジング
ビリー(f05930)と共に参加
ヒーロー名:月光の忍者サマノス
チェンジタップ:鳥(鷲)型、変身後は鷲の羽根が護符の代わりになる。
変身:呼応と共に飛んでくるチェンジタップを掴んで変身。
名乗り口上:
闇夜に煌めく満月の様に、邪悪を消し去る翼! 私は月光の忍者、サマノス!
衣装・演出:
闇夜の中でミリィの背後に新月が三日月、満月へと変わる。
ミリィのシルエットの周囲に白と銀色の羽毛が舞い上がり、
羽吹雪の中から、白の忍装束と銀色のマフラーを巻いた姿に変身する。
●太陽と月光
自慢の兄と大切な妹。
互いをそう称しあう二人はいま、ヒーローステージの上にいた。
「行こう、ビリーお兄ちゃん」
「ああ、ミリィ!」
ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)を呼んだミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)には明るい笑顔で片手を掲げる。彼らが視線を向けたのは遥かな空。
すると、舞台上にふたつの影が現れた。
片方は鷹。もう片方は鷲。交差する形で飛んだ鳥達――チェンジタップでもあるそれを見つめ、ふたりはそれぞれに高らかに宣言していく。
「見ていてね、みんな。これが……」
「そうだ、これこそが俺達の――」
「「変身!」」
二人の声が重なり、呼応したチェンジタップの鳥達が彼らの手におさまる。
それと同時に光が周囲に満ち、変身が始まっていく。
ビリーの鷹は見る間に剣に変形し、ミリィの鷲はその羽根が護符の代わりになっていった。舞台は暗転し、辺りが闇夜めいた昏さに包まれる。
その中で炎が揺らめいてビリーを照らした。湧きあがる炎は最初は赤だったが、徐々にその色が明るくなり、鮮やかな黄金色になっていく。
同様にミリィの背後には月が現れていた。
新月が三日月へ、そして満月へと変わっていく度に光が増す。月光の傍には星の耀きが現れ、ミリィの身をキラキラと煌めかせていく。
やがてビリーは金色の炎に包まれ、更に大きく炎が燃え上がっていった。舞台上を包み込むほどの炎が消えたかと思うと、其処から金色の鎧と真紅のマントを纏った姿のビリーが現れた。
そして、ミリィのシルエットの周囲に白と銀色の羽毛が舞い上がる。その羽吹雪の中から、白の忍装束と銀色のマフラーを巻いたミリィが姿を現す。
炎と月。
燃え盛り、光を放つふたつの輝きはステージを見事に彩る。
「すごい、かっこいい!」
「綺麗……とても素敵!」
「あのヒーロー達の名前は何!?」
観客席からキマイラ達が興奮する声が響いてきていた。ビリーとミリィは視線を交わし、ちいさく微笑みあう。
そして、待ちわびている観客に向けて名乗り口上を述べていく。
「全てを照らす太陽の如く、暗闇を斬り裂く翼!」
「闇夜に煌めく満月の様に、邪悪を消し去る翼!」
双子であるがゆえにタイミングなど図らずとも良い。ビリーが語ればミリィが続き、凛と響く声がステージへと更なる熱気を運んでくる。
そして――。
「俺は太陽の騎士、フィニクス」
「私は月光の忍者、サマノス!」
二人の名乗りが完璧に決まった。フィニクスとサマノスという名を聞き、キマイラ達が口々にその名前を呼ぶ。
拍手と歓声、そして喝采の視線。
大いに賑わうヒーローステージはこうして大成功を収めてゆく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シャルロッテ・ヴェイロン
〇SPD
ほほう、ヒーローに変身ときましたか。一度やってみたかったのですよ、こういうの。
てなわけで、今回の私は「電脳魔法少女(サイバーマジシャンガール)」とでもいきましょうか。
〇変身シーン
スマートフォン型のチェンジタップで「C・H・A・N・G・E」と入力→データウィンドウを思わせるエフェクト(複数)が本人の周囲に現れたところで「変身!」→エフェクトが本人のボディに集まり衣装に変化
〇衣装
一応、魔法少女ではあるが、ガンメタル×蛍光グリーンを基調としたサイバーパンク風
※📢あと、アドリブ・連携も歓迎します
●電脳少女は夢を撒く
変身といえばやはりヒーローの王道。
賑わうステージの様子を舞台袖から眺め、シャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)は双眸を細めた。
「ほほう、ヒーローに変身ときましたか」
フューチャー的な技術での変身となると何だって出来る。
あんな変身の仕方やこんなポーズ、更にはチェンジタップやエフェクト、衣装だって思いのまま。シャルロッテは彼女なりに意気込み、変身アイテムを握った。
「一度やってみたかったのですよ、こういうの。てなわけで、今回の私は電脳の力を駆使する魔法少女なのです」
次にステージが暗転すれば演出の始まりだ。
そして――舞台が闇に包まれ、しんとした静けさが満ちる。
暫しの間。
其処に小さなスポットライトが照らされたかと思うと、少女がスマートフォン型のチェンジタップを掲げる姿が見えた。
スライドからのタップ。すると画面がきらきらと明滅する。
『C・H・A・N・G・E』
シャルロッテが入力した通りの文字が舞台の背景に浮かび上がり、データウィンドウを思わせる複数のエフェクトが彼女のの周囲に現れた。
「サイバーエネルギーの巡りは良好。魔導エンゲージ、最大解放」
薄く笑む少女は渦巻く電脳データの文字列を眺め、軽く片目を瞑ってみせる。きゅるりん、という電子音がその動きに合わせて鳴り、背景が光りはじめた。
そして、シャルロッテは高らかに叫ぶ。
「――変身!」
データのエフェクトが少女のボディに集まり、見る間に衣装に変化していく。
その服装はふわりと広がるパニエ入りのスカートにサイバーパンクなパーカーを羽織った未来スタイル。ガンメタルと蛍光グリーンを基調としたフューチャーマジカルガールとなったシャルロッテはびしりとポーズを決める。
「未来に見参! 電脳魔法少女――サイバーマジシャンガール!」
名乗りと共に片手で作ったピースを瞳の横で構え、もう片目はウインク。それと同時に背景に星が散り、0と1の数字列が並んでいった。
電脳の名に相応しい魔法少女。
その愛らしさに沸き立つ観客席では主に大きなお友達が歓喜していたとか――。
大成功
🔵🔵🔵
アニカ・エドフェルト
📢(ヒーロー名お任せ)
せっかくの、楽しそうな、イベント、ぶっ壊しに来る、怪人さんたちは、逆にこちらが、ぶっ壊して、しまいましょうっ
チェンジタップは、1対の羽が付いたステッキ、です。
空に投げ上げると、ちょっと特殊な、空間が出来て、
そこに、回りながら、飛び込んで行って……
空間エフェクトが、弾けたら、動きやすさ重視で、それでいて、可愛さもあるような、短めスカートの、魔法少女風衣装に、変身、ですっ
衣装が、魔法少女風なだけで、闘い方は、格闘、ですが……。
ふんわりと、着地したら、回し蹴りを2回、お見せしてからの、ピースサインでの、決めポーズ、ですっ
●魔法少女は桜色
ヒーローやヒロインが目白押しの舞台。
これほどまでに賑わっている平和な場所だというのに、この後には怪人が現れて催し物を滅茶苦茶にしてしまう。
アニカ・エドフェルト(小さな小さな拳闘士見習い・f04762)はぐっと拳を握り、そんなことは許せないと意気込む。
「せっかくの、楽しそうな、イベント、ぶっ壊しに来る、怪人さんたちは、逆にこちらが、ぶっ壊して、しまいましょうっ」
そのためには先ず、このイベントに参加することからはじまる。
相手が怪人ならば相手はヒーローがいい。それにキマイラ達もこのステージを楽しみにしているというのだから期待にも応えたい。
そう考えたアニカはぐっと掌を握り締めて自分の出番を待つ。
「ということで、いきますっ」
そして、拳闘士たる彼女のステージが始まっていった。
きらめく星が投影された舞台の上。
その中央に立ったアニカは今、一対の羽が飾られたステッキを握っていた。
閉じていた瞼をひらき、翼のチェンジタップを頭上に掲げる。
「闇の世界に、光を――」
祈りを込めた詠唱めいた言の葉を紡ぐと同時にステッキを空に投げれば、その軌跡がくるくると円を描いてゆく。
其処に現れたのは淡青と桜色が入り交じる特殊な空間。
アニカ自身もその彩の中に入るべく地面を蹴り、華麗に回りながら空間に飛び込んでいった。澄んだ空の色に花が咲き乱れていくかのように色彩が揺れ、アニカが触れた瞬間に空間のエフェクトが弾けた。
アニカの服が星に包まれ、様相が変化していく。
ショートポイントの襟にオープンショルダーの袖口。裾にはレースがふんだんに使われたふんわりしたスカートが現れ、アニカの身を包んでいく。
ピンクを基調にした魔法少女めいた衣装に変化したアニカがぱちぱちと瞬きを幾つかすると、その動きに呼応するように髪にリボンが結ばれ、腰元に花飾りが生まれ、足元には星をあしらったブーツが装着される。
「えいっ」
可愛らしい掛け声と共に空間から飛び出したアニカは羽のステッキを手に取り、客席に視線を向ける。にこりと笑った彼女はすぐに身構え――空中への回し蹴りを二回、見せてからピースサインを形作る。
「花と星に願いを、空に祈りを。魔法少女、ピュアリィアニカ!」
ふんわりと着地した少女は満面の笑みを湛え、可愛く凛と名乗った。
其処に響くのは応援の声と拍手。
両手をぱたぱたと振ったアニカは明るく応え、暫しキマイラ達の声援を受けていた。
大成功
🔵🔵🔵
花咲・まい
🎥ハンバーガーセット、お届けでーす!
ある時はフードアルバイター、またある時は羅刹猟兵。
しかしてその正体は!
賄い目当てのアルバイト戦士ーーじゃなかった、天下無敵・悪鬼羅刹のヒーロー、レッドベリー!
🌸🌸🌸
……こんな感じで大丈夫です?
はい。ではでは、推して参りますですよ!
そこにいるウリ坊は何だ、ですか?
こちらの非常食は牡丹くん。
マスコットみたいなものと思ってくださいですよ!(🐗ぷぎー!?)
●🍓🌸🐗
足元のローラースケートがくるくる回る。
地面を大きく蹴り、ステージを駆け抜ければ其処はもう彼女の舞台。
「ハンバーガーセット、お届けでーす!」
片手のトレイを高く掲げ、花咲・まい(紅いちご・f00465)は明るい笑顔を観客席に振りまく。掲げられた腕にはウリ坊の非常食、もとい牡丹くんが必死に掴まっていた。
その様子を気にすることなく、まいは華麗にステージ上を駆ける。
右から左へ。
次は左から中央へ。
きゅっとブレーキを掛けて止まれば、ぷぎー、という驚いた声が響く。
まいは片目を瞑り、きらきらと輝きはじめたステージで高らかな声をあげていった。
「ある時はフードアルバイター!」
ローラースケートを利用してくるりと回るまい。振り落とされそうになった牡丹が短い尻尾をぴるぴると振る。
「そしてまたある時は羅刹猟兵――しかして、その正体は!」
謎かけのように紡がれていく声とともにまいは胸のブローチに触れた。苺と星を組み合わせたような意匠の飾りは彼女のチェンジタップだ。
中央の紅い宝石に指先が重なった瞬間、其処から半透明のリボンが広がる。
「賄い目当てのアルバイト戦士……じゃなかったです」
こほん、と咳払いをしたまいの身体がふわりと浮いた。同時に舞台の背景に白い花が咲いていき、淡い緑色の魔方陣が頭上に現れる。
まいを包み込んでいくように魔力が巡り、衣装が見る間に変わっていく。
上半身はエンジェルスリーブのふんわりとしたボレロ。その下は大きく広がったスイングスカート。裾には苺のマーク入り。
更に魔方陣が光ったかと思うと、まいのツインテールに小さな花が咲いていく。
角にも緑の葉が絡まり、苺の妖精めいた雰囲気に包まれていった。
「天下無敵・悪鬼羅刹のヒーロー、レッドベリー!」
「ぷぎー!」
まいが名乗りを上げると、苺ドレスに身を包んだ牡丹も得意気に声をあげる。
そして、ひとりと一匹はびしりとポーズを決めた。
わあわあと盛り上がるキマイラ達。するとその中から「その子の名前はなあに?」という幼女キマイラの声があがった。
まいはそちらに手を振ってから、どどーんと胸を張る。
「このウリ坊は牡丹くんです! マスコット兼、おなかが空いた時の非常食みたいなものと思ってくださいですよ!」
「ぷぎー!?」
まいがあまりにも堂々と宣言するものだから、ウリ坊が抗議の悲鳴をあげる。
だが、牡丹は非常食。その事実は変わらない。
会場から笑いが沸き起こり、まいはぴーすぴーすと更にポーズを決める。
「ではでは、推して参りますですよ!」
そして彼女は戦いへの思いを抱き、舞台に響く歓声を暫し聞いていた。
大成功
🔵🔵🔵
朧・紅
《紅》人格で
アドリブ大歓迎
ぅや~!へぇんしんっですー♪
チェンジタップは僕の猫ぐるみロウくん
ぎゅむと抱きしめてほっぺキス
にゃんにゃん効果で、元気にくるくる花咲くように彩るは
フリルたくさん和風ゴシック調コスチューム
長い袖をひらり、彼岸花を模したリボンも動きに合わせてふわり
他詳細や髪型は衣装に合わせてお任せさんっ
最後にぴょこんと生える猫耳尻尾ー!
次いでロウくんもかわいくお揃いリボンメイクアップ
なんかよくわからんパワーで動き出す
が、その動きは凶悪めいてるです
『ちィ面倒くせェ』
しゃべった
(別人格《朧》モチーフ)
ネーミングセンスないですから📢と🔥はグリモアお兄さんに相談、決めて貰うのです
はっちゃけOK
●かわゆき魔法少女
「ぅや~! へぇんしんっですー♪」
元気な声と共に朧・紅(朧と紅・f01176)はくるくる、くるりと回る。
華麗なターンからのウインク。
掲げたチェンジタップ――もとい、猫ぐるみのロウくんをぎゅむっと抱き締めた紅は両目を閉じる。そして、ロウくんの頬にキスを落とした。
にゃー!
にゃにゃーん!
其処から愛らしいにゃんにゃん音声が響き渡り、紅の周囲に色とりどりの花が次々と浮かんでいく。蕾が花ひらく度に弾け、目映い光となって紅を包み込んだ。
手首にはレース飾り。
肩からふわりと現れたのは振り袖めいた衣装。そして、腰元から広がったのはフリルたっぷりのゴシックドレス。
黒に朱が入り交じる衣装。その色合いの中で光る金蔦の刺繍が煌めいた。
長い袖を揺らせば、彼岸花を模したリボンが腰元や髪に飾られていく。ゆらりと解けた髪は魔法の力によってなびき、ふんわりとしたボリュームのあるポニーテールに変化する。その毛先はウェーブしており、まあるいシルエットになっていった。
「にゃーん!」
瞼をひらいた紅が可愛く猫ポーズを決めれば、ぴょこんと生える猫耳と尻尾。
更には腕に抱かれていたロウくんが空中に浮き、胸元に飾られていたにゃんこ型チェンジタップが起動する。
不思議な力により、リボンが大きく広がってロウくんを包んでゆく。
リボンは漆黒の衣装に変わる。そして出現するマント。その留め具として黄金の色彩を宿す宝石が胸元できらきらと光る。
『ちィ面倒くせェ』
凶悪な雰囲気の声が響き、ごしごしと頬を拭う仕草をしたロウくんが紅の肩に着地した。これも何だかよくわからないパワーのおかげだ。
「ロウくんがしゃべっ……ではなくて、僕が参上! なのですよー!」
思わず瞼をぱちぱちと瞬いた紅だが、すぐにはっとして名乗りに移る。
見つめる観客席には『ここで口上!』と書かれたカンペを掲げるお兄さんがいた。その下には台詞が書かれている。
「悪いことはぜったいに許しませんです! 悲しい思い出はゴミ箱にぽいぽーい! 天獄に咲く、いちしの花――にゃんとすリリィ!」
両手を丸めて胸の前で構える猫ポーズを更にびしっと決めた紅。魔法少女めいた変身を遂げた彼女のマジカルネームは平仮名と片仮名が入り混じった新スタイルだ。
観客席からわあっと歓声があがり、紅はスカートを翻しながらその場でふわふわと回ってみせた。
「ぅや! ひーろーいぐにっしょーん、です!」
歓迎の雰囲気を感じ取った紅改めにゃんとすリリィはピースサインを作り、かわゆきポーズを決め続ける。
その様子はとても愛らしい。本当に最っ高に可愛かった。
大成功
🔵🔵🔵
オズ・ケストナー
🎥
嵐吾(f05366)と
わあ、すごいすごいっ
たくさんヒーローがいるっ
わたしもヒーローになれるんだね
シュネーもへんしんできるっ
どんなおようふくなのかなあ、たのしみっ
チェンジタップを両手で握りしめ
ランゴのしっぽににこにこ
それじゃあ、へんしー…
あれ、ランゴどうしたの?
はずかしい?
いっしょにへんしんしたらだいじょうぶだよ
ランゴはかっこういいヒーローになるんだもの
ぜったいかっこうよくなるよっ
うんうん、みんなやってるっ
一緒、に嬉しそうに笑って
せーのっ
変身したら
ランゴといっしょに決めポーズ!
わあ、ランゴにあってるっ
シュネーもっ
どんな悪い子がやってきたって
ランゴとシュネーと、わたしにおまかせだよっ
ごーごーっ
終夜・嵐吾
🎥
オズ君(f01136)と
おお、すごいの!
ヒーローがいっぱいじゃ
シュネーの嬢ちゃんも変身できるんか?
きっとかわいいヒーローさんじゃ
そわそわ尻尾
ちょっと恥ずかしさもあり
わしは……ヒーロー…この年でなんというかこう…や、やるのはずかし…!
じゃが気にしててもどうにもじゃよね、うん
かっこよくなるじゃろか
わしもオズくんとシュネーの嬢ちゃんと一緒にへんし…でもやっぱ恥ずかし…!(と、変身アイテム握りしめつつ)
しかし…みんなやっとるし…オズ君も一緒じゃ!
思い切って!へーんしーん!あーんど!一緒に決めポーズ!
――たのしい
オズ君もシュネーの嬢ちゃんも似合っとるよ
では、張り切って参ろう!(尻尾しゅばしゅば)
●開花のヒーロー
「わあ、すごいすごいっ」
「おお、すごいの!」
賑わうヒーローイベント会場の中、オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)と終夜・嵐吾(灰青・f05366)の声が重なる。
はたとして顔を見合わせた二人はくすりと笑み、もう一度会場を見渡した。
「たくさんヒーローがいるっ」
「ヒーローがいっぱいじゃ」
「ふふ、ランゴも楽しそう」
「オズも同じことを思っておったか」
思いが似ていたことを確かめた彼らの間に更なる笑みが咲く。浮き立つ気持ちは抑えきれず、オズと嵐吾はチェンジタップに視線を落とした。
「わたしもヒーローになれるんだね。シュネーもへんしんできるっ」
「シュネーの嬢ちゃんも変身できるんか。きっとかわいいヒーローさん……いや、ヒロインさんになれそうじゃ」
嵐吾が目を細めるとオズも明るい笑顔を浮かべる。
そんな二人が手にしているのは機械的な雰囲気の腕時計型変身器。オズは白地にブルー、嵐吾は灰地にイエローのラインが入ったチェンジタップだ。シュネーには桜色とレッドをあしらった変身器が巻かれている。
嵐吾の尻尾がそわそわと動く様に気付き、オズは微笑ましい気持ちを覚えた。
「それじゃあ、へんしー……あれ?」
「いや、わしは……」
早速チェンジタップを使おうと意気込むオズは身構える。しかしどうやら嵐吾は戸惑っている様子。首を傾げたオズは少しだけ俯いている嵐吾を覗き込んだ。
「ランゴどうしたの?」
「ヒーロー……この年でなんというかこう……や、やるのはずかし……!」
嵐吾は両手で顔を覆ってしまう。
きょとんとしたオズは平気だと告げ、にこにこと笑った。
「はずかしくても、いっしょにへんしんしたらだいじょうぶだよ。ランゴはかっこういいヒーローになるんだもの」
「かっこよくなるじゃろか。みんなも楽しそうじゃし……オズくんとシュネーの嬢ちゃんと一緒にへんし……でもやっぱ恥ずかし……!」
暫し押し問答めいた遣り取りが交わされたが、オズはぐっと拳を握る。
「ぜったいかっこうよくなるし、みんなやってるっ」
「気にしててもどうにもじゃよね、うん。オズ君も一緒じゃ!」
「そう、いっしょっ」
ね、と笑ったオズは手首のチェンジタップに触れた。お揃いデザインの変身器はきっと勇気の証でもある。
今日の二人とシュネーはヒーローグループ『邂花隊』の仲間だ。
視線を重ね、頷きを交わした彼らはいよいよ変身に移る。
「せーのっ」
「へーんしーん!」
オズと嵐吾は同時にチェンジタップに手を重ねる。其処から『CHANGE!』の文字が空中に浮かびあがり、眩く明滅しはじめた。
嵐吾は琥珀を思わせる金、オズは空の色めいた青、シュネーは苺色の赤。其々の彩が彼らを包み、きらきらと光る雨のようなエフェクトが降り注いでいく。
オズと嵐吾はダブルカラーのヒーロージャケット。インナーは淡青と黄色。シュネーはペタルカラーのふわりとしたワンピースめいた衣装が装着されていった。
嵐吾の足元は黄色と黒のブーツにすらりとしたテザードパンツ。オズは膝丈のズボンに青の宝石が飾られた白のショートブーツ。シュネーには花飾りのついたハイヒールと一緒に大きなリボンが腰元に結ばれていく。
きりっとした表情で凛と立った二人の首元には各自のイメージカラーに染められた細身のマフラーが巻かれていた。
「空をつかさどるヒーローっ、ブルームブルーっ」
「大地を司るヒーロー、ブルームイエローじゃ!」
「それから、お花をつかさどるブルームシュネーっ」
オズと嵐吾は其々に右腕と左腕を高く天に突き上げ、対になる形でポーズを決める。
そんな二人の間にフューチャー的な技術によってふわふわと浮いているシュネーもカーテシーのポーズを取っていた。
そして、彼らは最後の仕上げに出る。
「この世界をみだす悪い子たちはっ」
「わしらが邂花隊が絶対に許さぬ! 覚悟するのじゃ、悪者め!」
口上をしっかりと告げ、余すことなく格好良さをアピールした彼らはこうして無事にヒーローとしての名乗りを終えた。
――たのしい。
最初の恥ずかしさも何処へやら、嵐吾の尻尾はしゅばしゅばと元気いっぱいだ。
「わあ、ランゴにあってるっ シュネーもっ」
「オズ君もシュネーの嬢ちゃんも似合っとるよ」
二人はお互いのヒーロージャケットの着こなしを称賛しあい、まるで本当に戦隊の一員のようだと感じていた。それにきっと、これから実際に起こる怪人襲撃を撃退するヒーローになれる。
「どんな悪い子がやってきたって、ランゴとシュネーと、わたしにおまかせだよっ」
「では、張り切って参ろう!」
「ごーごーっ」
もう一度ポーズ、と拳を大きく掲げたオズに合わせて嵐吾も腕を高く上げた。
きっと、みんな一緒なら怖いものなんてない。
雄々しくぱたぱたと揺れる嵐吾の尻尾がそのことをしっかりと示していた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ユヴェン・ポシェット
🎥
少し。抵抗があるのは、慣れない事だからなのだろうか…
だが、ここまできたのだからやる事は決まっている。
※(正統派ヒーローでも 癖のあるヒーローでも ギャグでも 例え魔法少じy…魔法おっさんでも、何でも真面目に頑張ります。至って真面目に。ユヴェンが持つ仲間や武器等、もし使えるものがあればですが、好きに使ってください)
●魔法騎士と竜
キマイラや猟兵達が扮するヒーロー達で溢れ、賑わうステージ。
魔法少女や正統派なスーツ衣装、少し風変わりなポップでキッチュな未来的な服装に身を包む者。会場には様々なヒロインやヒーローが行き交っていた。
「なるほど……」
ユヴェン・ポシェット(Boulder・f01669)は両腕を組み、暫し人々を眺めた。
後ほど襲いくると予知されている怪人達に対抗する為にヒーローになる。
これが此度の任務の一環だ。
ユヴェンも他の仲間と同じく既に申し込みを終えているのだが、少し抵抗があるのは慣れないことだからなのだろう。
「ミヌレ、どう思う?」
「きゅ?」
ユヴェンは支給されたハートと星があしらわれたキラキラコンパクトを槍竜のミヌレに見せた。それが彼の変身アイテム、チェンジタップハートだ。問われたミヌレは何もわからないというように小首を傾げる。
「そうか。だが、ここまできたのだからやる事は決まっている」
全てをお任せにしたユヴェンは自分がどんな衣装になるか知らない。やってみればわかる、と言われて訪れた結果が今だ。
いよいよユヴェンの変身シーンが訪れる。
変身から決め台詞までは舞台の前にカンペを出してくれるらしいが正直を言えば不安しかない。本当に変身する必要があるのか、という疑問が浮かばなかったわけではないが、此処で引き下がるようでは平和など守れない。
「行くぞ、ミヌレ。タイヴァス、テュット!」
覚悟を決めたユヴェンはステージへと駆け出した。風の如く颯爽と舞台の中央に現れた彼に、観客席から注目が集まる。
そして――。
「ミラクルキュート💗エボリューション!」
変身の掛け声が響き渡り、ユヴェンとミヌレの周囲に光が生まれていく。
ハートマークが舞台上に乱舞して彼らを彩る。更に影からふわりとダークネスクロークのテュットが現れ、ユヴェンを包み込んだ。
鷲のタイヴァスが舞台を華麗に横切るように飛べば、羽根が舞い散る。
ミヌレの身体に羽根が触れたかと思うとその首元に翼が生えたハートのブローチが装着された。同時にユヴェンが腕を広げ、テュットの中があらわになる。
あの掛け声からするとあわや魔法少女かと思われたが、其処にいたのは騎士を思わせるかっちりとしたジャケットとマントに身を包んだユヴェンだった。
ただし、色合いはピンクと白。
胸元にはミヌレとお揃いのチェンジハートコンパクトが飾られている。
ユヴェンの掲げた大きな魔鍵にテュットが巻き付き、肩にタイヴァスが止まった。そうして彼は口上を述べていく。
「――沈む想いを救いあげ、お前の心をアンロック。とびきりキュートな魔法を胸、に……『マジカル🌟ポシェット』と『ドラゴン💞ハート』参上だ、ぜ……?」
ユヴェンの名乗りの声が徐々に途切れていった。
だが、全て言い切った後はもうポーズを取るしかない。きゅぴーんと魔鍵から可愛らしい音が鳴ると同時にユヴェンとミヌレは自分が思う一番可愛いポーズを取った。
戦う前に負けた気がする。
寧ろ勝ったのだろうか。複雑な気持ちを抱き、ユヴェンは胸元のハートコンパクトブローチに触れる。これさえ拒否していればこんなことにはならなかったのか。
そんなことを考えながら、ユヴェンはステージが終わる時を只管に待った。
大成功
🔵🔵🔵
朝日奈・祈里
🎥
煮ても焼いても揚げても美味しく食べます
見知った顔に大爆笑
事案にしか見えねぇし胡散臭い
へいへい、しっかり見て推してくれよな
受け取るチェンジタップは真ん中に星型の水晶が飾られた大きなリボン
普段つけている細いリボンタイの代わりにつけるぜ
謎の光と共に変身すると、チェンジタップのリボン部分はコスチュームの胸元に
水晶部分は身の丈以上の長杖に変化
くるくる回したり、自分も回ったり、明るく元気に大変身!
さりげなーく、自身に肉体強化魔法を流しておく
ぼくさまの運動能力は平均以下だからな
ステージで転んだりしたらほら、な?
元気に楽しく、ジャンプして決めポーズ☆
あー。
やっぱりぼくさまが世界で一番かわいい。
●星を司る翼
――てーってれって、きゅいーん!
ポップでマジカルな効果音が響き、ピコピコサウンドが流れはじめる。
七色のひかりが周囲に満ちたかと思えば魔方陣が空中に現れ、其処から舞台の中央に幼女が降り立った。
靴先が地面に触れた瞬間にも、ぴこっと可愛らしい音が鳴る。
帽子を両手で押さえながら着地した彼女の名は朝日奈・祈里(天才魔法使い・f21545)、九歳。ステージから周囲を見渡した彼女は片手で口許を押さえ、芝居がかった声で頭上に呼びかけた。
「大きなおともだちがたいへん! アストライオス、変身しよう!」
片手を掲げる祈里。
其処へ金琥珀の眸を持つシロフクロウが現れ、チェンジタップをその手に向けて落とした。祈里が受け取った変身アイテムは中心に星型の水晶が飾られた大きなリボン。
そして、祈里は胸元にリボンを添えた。
「星の護りよ、お願い!」
その瞬間、水晶からきらきらした星の欠片が溢れてゆく。
――てれてれれーてれてってっててー♪
謎の可愛い音楽が変調していった。その音に合わせて光り輝く星。両手を広げた祈里を風で包むが如く、アストライオスが翔けていく。
同時に数多の純白の翼が舞い散り、祈里の身体が星と羽根で覆われた。
淡い色彩を身に纏った祈里の髪が魔法の力でくるくると巻かれていき、毛先がふわりと丸まり、髪型がツインテールへと変わっていく。
浮かんでいたメッシュが織り重なるように美しく結わえられ、その結び目には色鮮やな花の髪飾りが咲いていった。
同時に指先が光り、レースがあしらわれた白手袋が装着される。更に祈里の服装がエンジェルスリーブのふんわりと広がったティアードスカートに変化していった。
チェンジタップのリボンはその胸元に飾られ、水晶は身の丈以上の長杖に変じる。その杖を高く掲げた祈里はそれを頭上でくるくると回す。
「銀絲の檻に囚われし箒星よ!」
杖の名を示す詠唱めいた言の葉を紡ぎながらも、動きは可愛くポップに。星飾りで彩られたブーツをしゃらりと鳴らした祈里は明るく元気な笑顔を浮かべる。
「銀の星を動かすための螺子は、いまここに!」
きらきらしゅわーん。
更なる音が鳴っていく中で祈里は自分に魔力を巡らせていた。とん、と地を蹴れば其処に星が散り、祈里は杖を構えて最高に可愛いポーズを取る。
これで変身は完了。後は更なる動きを添え、魔法少女としての名を宣言するだけ。
「夜空にうたう、星のひかり――」
その声と共に水晶の杖から広がった風が祈里を包み込み、空中に押し上げていく。
「螺子巻く為に未来を切り拓く! 明けの明星、アステリアスター!」
宙で高らかに名乗った祈里はウインクを決める。
其処に響くのは歓声と喝采。
可愛らしい笑顔を浮かべながら魔法少女祈里は手を振っていく。そうして、天才幼女は敢えて言葉にしない思いを胸中に抱いた。
――やっぱり、ぼくさまが世界で一番かわいい!
大成功
🔵🔵🔵
氷室・雪
📢👗
ヒーロー名
ルミキッサ
(芬蘭語で雪・猫)
衣装
色は青と白
変身
スマホ型チェンジタップの画面に指で特定の形を描いて変身
雪が体に降ってきて、体を覆ったら溶けて変身完了
変身するヒーローやヒロインには幼少のころ憧れていたな
いや、この場に来たのは今も憧れはあるということなのだろう
魔法少女のカラフルな衣装は可愛らしくて羨ましくもある
問題は私は笑顔が苦手ということと戦う手段が刀しかないことか
魔法少女というよりは武士少女と言った方がいいかも知れない
変身ヒロインということにしておけばいいか
ステージで披露することと場違いな気がして恥ずかしくもあるな……
表情が隠れる特撮系を選択しておくべきだったか
●白と青の雪猫
舞台の上に静かな音楽が響いていく。
それは冬の冷たさと星の囁きを表すかのような静謐な音色だ。
ひゅう、と風が吹き抜けていく音が其処に加わったかと思うとステージが暗転する。暗くなった舞台には雪の結晶のエフェクトが広がり、しんしんと降りゆく雪の様相が映し出されていく。
その中央にひとりの少女の姿が現れた。
セーラー服を身に纏った彼女の名は氷室・雪(静寂の氷刃・f05740)。
眼を閉じている雪の周囲に結晶の光が集っていく。そして――少女は瞼をひらき、片手に携えていたスマートフォン型のチェンジタップを胸の前に掲げる。
「――変身」
静かな声を落とすと同時に、雪の指先が変身器の上で六芒星を描いた。
其処から広がる光は白く眩い。
魔方陣のように明滅した星は瞬く間に画面から飛び出して雪の身体を包み込んでいく。雪の欠片が集い、更なる白で彼女を染めあげていった。
セーラー服は勿論、髪や肌まで覆い尽くす程の魔力の雪が覆い隠す。
きらきらと光る星の魔方陣が足元に収まったとき、彼女を包んでいた雪が溶けはじめた。淡い軌跡を描きながら雫となったそれは形を変え、雪に力を与えた。
そして、一瞬後。
舞台を見えなくするほどの光が満ち、雪の服装が一変する。
飾緒が飾られた軍服めいた白い装い。足元はかっちりとしたロングブーツ。インバーテッドスカートとの間の絶対領域もばっちり。更にその背に纏う外套は透き通った印象を与える青。
白と青の騎士然とした装いに身を包んだ雪は残雪の刀を抜き放った。
「……ルミキッサ、参上」
名乗ったのは自らの変身ヒロイン名。
雪は自分が台詞を噛んでしまうことを考えて口上を述べることはしなかった。しかしその結果、雪という名に相応しいクールな印象を際立たせることが出来た。
騎士、もとい武士少女。
そのようなイメージがキマイラ達にも伝わっていったらしく「かっこいいー!」「お姉さま素敵!」という声があがっていた。
キマイラ達に注目されているという現状に照れてしまいそうなる。
気を引き締めた雪は凛とした眼差しを向け、軽く手を振るだけに留めた。本当はもっとポップでカラフルな魔法少女にも憧れている。されどそんなものはきっと自分には似合わないだろう。ある種の諦観を抱いた少女は敢えてきっちりとした服装を選んだのだ。
だが、雪は気付いていない。
ルミキッサ。自分が雪と猫を表すヒロイン名に違わぬ衣装を纏っていることに。
即ち、そう――雪の頭とマントの下には虹色の花飾りが付いた猫耳と猫尻尾がしっかりと装着されているのだ。
頭上で何かがぴこっと動いたことに遅れて気が付いた雪は思わず頬に手を当てる。
「なっ、ええと……そんな、これは……」
動揺する様は今までとは違ってとても可愛い。本気で可愛らしい。
そんな様子もまたキマイラ達に大いに受けたらしく、雪に更なる歓声が向けられる。表情が隠れる仮面系を選択しておくべきだったか、なんて思うも後の祭り。
恥ずかしい思いを押し込めながら、雪はルミキッサとしてステージに立ち続けるしかなかった。だが、可愛いは正義である。
少女の姿もまた、立派なヒロインとしての姿でもあった。
大成功
🔵🔵🔵
ラニィ・ユン
📢
舞夜(f16466)と参加!
そっちは本職のヒーローなんだし、普通に参加しても面白くないよね
というわけで、舞夜のコスチュームは私が考えてあげよう!
代わりに私のはお願い!
ブローチ型のチェンジタップで流れ星がきらめくエフェクトと共に変身
コスチュームはフリルのついた可愛い丈が短めのミニスカ衣装にマントと三角帽子
最後に星型のブローチが胸について変身完了
魔法少女というよりは魔女っ子といった姿に変身
……ミニスカで脚出したりするのは別にいいんだけど、
大学生にもなってこう、変身するのは……
な、なんか思ったより恥ずかしい、かも
ええい、女は度胸!
不死鳥の魔女、マジカル☆フェニックス行くよ!
望月・舞夜
📢
幼馴染のラニィ姉(f19063)と参加!
うーん、変身も出来るケド、子供には怖がられちゃいそう……え、ラニィ姉? お互いの衣装?
むむむ、オッケー!
それじゃあラニィ姉には――
……で、ボクはー。中華な短剣みたいなチェンジタップをかざせば――
え、わ、チャイナ風!? お、おお、けどちゃんと袖にふりふりついて魔法少女風だ、かわいいー!
……かわ、かわい……待っ、スリット深くない!? これ動いても大丈夫!?
あわわわ……か、角度とか、頑張る! 日曜朝のコンプラ守るのもヒーローの仕事ぉ!
――あ、ただ、名前だけは、嘘つかないでいこうかな
魔導英雄ソウルウィッチ・チャイナバージョン! いっくよー!
●魔女が飾る花と華
彼女達がステージにあがる少しばかり前。
それは此度のヒーローとしての登録を始める直前のことだ。
ラニィ・ユン(ゴッドフェニックス・f19063)と望月・舞夜(魔導英雄ソウルウィッチ・f16466)は或る遣り取りを交わしていた。
「そっちは本職のヒーローなんだし、普通に参加しても面白くないよね」
「うーん、自前で変身も出来るケド、子供には怖がられちゃいそう」
「だよね。というわけで、舞夜のコスチュームは私が考えてあげよう!」
普段から魔導英雄として活動する幼馴染の舞夜のことを考え、ラニィはそういった提案を投げ掛けていたのだ。
「……え、ラニィ姉? それって……」
「代わりに私のはお願い!」
「むむむ、オッケー! それじゃあラニィ姉には――」
「わ、それいいね!」
仲良く話しあう二人は実に楽しげだった。きっとキマイラ達もこんな風に衣装や台詞を考えていくことにハマったのだろう。
元からヒーローであってもそうでなくとも、人間やキマイラ、神であっても楽しむことができる。そう思うとこれから参加する催しがとても素敵なものに思えた。
そして、二人のヒーローステージが始まってゆく。
舞台の中央。
ラニィが手にしているのはブローチ型のチェンジタップ。その隣に立つ舞夜が握っているのは中華風の短剣めいた形をした変身器だ。
「いくよ、舞夜!」
「うん、ラニィ姉!」
互いに声を掛けあったふたりは頷きを交わし、チェンジタップを掲げた。
「「――変身!」」
ふたりの声が重なり、ブローチと短剣から目映い光が溢れ始めた。
流れ星がきらめいてラニィを包み込み、舞夜の周囲には龍のような影が現れる。光が散り、影が揺らめき、舞台上にそれぞれのエフェクトが広がってゆく。
「魔導の星は未来を拓く鍵!」
「龍の導きは過去を救いあげる標!」
ラニィの口上に続き、舞夜も声をあげていった。
凛と響いた言葉と同時にふたりの身体が光と影に包まれ、衣装が瞬く間に変わる。ラニィのコスチュームはフリル付きのミニスカート。其処にマントと三角帽子が宿り、星型のブローチが胸に装着される。
(な、なんか思ったより恥ずかしい、かも)
ラニィは自分がどんな様相になるか知っていたが、実際に丈の短い衣装を着るとなると照れてしまう。それも自分が大学生になったからだろうか。
大人の感想が持てるようになったのが少し複雑ではあったが、ラニィはびしっとポーズを決めてみせた。
魔女っ子めいた姿になったラニィの隣では、舞夜の衣装が華を纏う龍が刺繍されたチャイナドレス風のコスチュームになっていく。
(え、わ、チャイナ風!? お、おお、けどちゃんと袖にふりふりついて魔法少女風だ、かわいいー!)
中華風だとは知っていたが衣装に袖を通すのは初めて。
可愛い、と感じた舞夜だがはっとする。スリットが深い。これ動いても大丈夫!? と視線でラニィに助けを求める舞夜は少し慌てていた。
(魔法とか未来的な力が何とかしてくれるはず!)
(あわわわ……か、角度とか、頑張る! 健全さを守るのもヒーローの仕事ぉ!)
視線だけで遣り取りを躱したふたりはぐっと掌を握った。此処まで来たらもう引き下がれはしない。後は堂々と名前を叫ぶだけだ。
女は度胸だと考えたラニィは、とびきりの笑顔を浮かべて高らかに宣言する。
「不死鳥の魔女、マジカル☆フェニックス!」
「魔導英雄ソウルウィッチ・チャイナバージョン!」
舞夜も自分のヒーロー名を名乗り、チェンジタップを鋭く掲げた。ラニィは魔女帽子を押さえるポーズでぴたりと止まって可愛くウインクする。
「私達はマジカルウィッチ! 悪い奴らを倒すために、今日も行くよ!」
「平和を守るのが私達、ヒーロー! いっくよー!」
そして、ふたりの声が明るく強く響き渡り――キマイラ達の喝采がマジカルウィッチ達を包み込んでいった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルナ・ステラ
🎥(お任せします!)
キマイラさんたちを楽しませながら、怪人さんを倒せばよいのですね!
えーっと...変身しないといけないのですね?
UCを使って変身もできるのですが、魔力を消費してしまうし、折角なので『チェンジタップ』というものを使ってみましょうか?
(どうなるのでしょうか?あまり変なことにならないとよいですが...)
●月の騎士姫
賑わう会場とステージ。
様々なヒーローやヒロインが見られる催しの場は楽しい雰囲気に満ちている。
ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)は近い未来に危機が迫っているという会場を見渡し、自分の使命を確かめた。
「キマイラさんたちを楽しませながら、怪人さんを倒せばよいのですね!」
自分達がヒーローになっていれば怪人が現れても大丈夫。何故なら必要以上にキマイラの住人を怯えさせることなく、スムーズに戦闘に移れるからだ。
「えーっと……変身しないといけないのですね?」
分かりました、と意気込んだルナはヒーローの登録に向かう。
普段から魔女っ子である彼女はどういうものが良いのかわからず、ひとまず全てをお任せにしてみたようだ。
そして、彼女に支給されたチェンジタップは――。
所変わってステージの上。
ルナは今、柄にアクアマリンの宝石があしらわれた細身の剣を掲げていた。
「シュヴァリエ・チェンジアップ!」
この呪文を唱えて、と告げられた変身台詞を声に出したルナは剣型の変身アイテムを横薙ぎに振るう。それと同時に風が巻き起こり、空間が切り裂かれたようなエフェクトが舞台上に広がった。
其処から水が溢れ出たかと思うとルナの身体が渦に巻き込まれていく。
しかしすぐに中心から星が散り、きらきらと光り始めた。
ふたたび振るわれた剣が水をふたつに割った時、それまで魔女っ子のような衣装だったルナの格好が騎士のようなジャケットとパンツ、ロングブーツに変わる。
白を基調にした騎士服の背には海のような蒼を映すマントが広がった。髪には泡を模した髪飾りが飾られ、両耳では月と星のイヤリングが光っている。
「海に燐く月の光を受け、星の輝きを力に変えて――」
静かな声で紡がれる口上はヒーローとしての名乗りだ。それからルナは剣を構え直し、続きを声にしていく。
「月の騎士、ルナリア・シュヴァリエーラ! みんなの笑顔と平和を守るために、一生懸命がんばります!」
宝石剣を強く握ったルナはしっかりとポーズを決めて名乗り終えた。
とても緊張したが、ばっちり出来たのではないだろうか。変身を見守っていたキマイラ達からあがる歓声を聞きながら、ルナは明るい笑顔を浮かべた。
大成功
🔵🔵🔵
ノア・コーウェン
【団地レンジャー】
🎥
イメージカラーお任せ
ヒーロー!ヒーローですって!僕こういうの初めてです!
アレですよね!なんかこう…変身!ってしたりするんですよね!
団地レンジャー!いいですね!団地レンジャー参上!っていうことですよね!
かっこいいです!
決めポーズとかどうします!?しゃきーん!って!つよそう!です!
この…チェンジタップ…?っていうんですか?変身するときに使うやつ…。これ持って帰りたいですね…面白そうですし…。欲しいですよねやっぱり…。
三岐・未夜
【団地レンジャー】🎥
カラーは黒
人間不信の対人恐怖症なので出来るだけ目立ちたくない
影から仲間を援護していたい人間不信+対人恐怖症のお子さま
儚火と共に遊撃囮撹乱担当
NG:目元を見せる、過度の露出
……ぇっ、せ、戦隊もの……的な……?
見るけど、っていうか日曜日の朝はとりあえず見てから寝るけど……
零時とノアは、うん、……戦隊もの、似合うんじゃないかな……?恋詠は、……意外とアグレッシブ……?普段着物のイメージだから、ちょっと新鮮かも
……名前、……えっと、何か、こう、団地レンジャー的な……?
……良いなぁ、チェンジタップ持って帰って団地のみんなと遊びたい
これ持って帰ったら喜ぶひと多そうじゃない?
兎乃・零時
【団地レンジャー】🎥
イメージカラーお任せ
実はヒーローズアースの戦争では49に一度は入れてた兎乃
当然快諾した
個人的に好きなのは仮面の変身ヒーロー
あのごっちゃっとしたエフェクトは気分も上がる
紙兎?浮いてるよ
ヒーローに変身できるって凄いよな…!
俺様も日曜の奴は見てたりするんだぜ!
ド派手なアクションとかぎゅいーんって凄いエフェクトと共に変身するところとか凄く良いよな!
戦隊もの似合うか?そうか?(嬉し気
団地レンジャー!良いなそれ!
決めポーズは絶対いるよな!
当然口上も!カッコいいのが良いよな…!
チェンジタップ……これすっげぇよな…持ち帰りたいぜ……
俺様以外にも、絶対喜ぶ奴いるよな……ろまんを感じるし…!
未魚月・恋詠
【団地レンジャー】
🎥
イメージカラーお任せ
まあ、ヒーロー……団地レンジャー……!
それはまた楽しそうにございますね。
うふふ、恋読めも実はこういったものが好きなのです。ええ、是非とも御一緒させていただきますますわ。
このチェンジタップというもので変身するのでございますか。
では折角ですし、ヒナゲシ、ナデシコも一緒におめかししましょうね。
ヒーローであれば、その武器、相棒も相応に飾られるものでございましょう?
※見た目も性格も和風で古風な大和撫子だが趣味が洋楽だったりする割と西洋かぶれ
ヒナゲシ(傘装備)とナデシコ(弓装備)はフェアリーサイズの姉妹人形
●🔥Jaeger Sixth🔥
――団地レンジャー、イェーガーシックス!
団地グリーン、ノア・コーウェン(がんばるもふもふ尻尾・f02485)。
団地ブラック、三岐・未夜(迷い仔・f00134)&黒狐の儚火。
団地アクアブルー、兎乃・零時(そして少年は断崖を駆けあがる・f00283)。
そして団地パープル、未魚月・恋詠(詠み人知らず・f10959)と団地オレンジのヒナゲシと団地ピンクのナデシコ。
四人の猟兵と姉妹人形で構成される彼らは団地を守るヒーロー隊である!
「ヒーロー! ヒーローですって! 僕こういうの初めてです!」
会場内、登録した自分達のコンセプト概要が書かれている画面を見つめ、ノアは大いにはしゃいでいた。その隣には気配を隠した未夜が儚火に乗っており、なんで名前が公開されてしまっているのかと俯いている。
「……ぇっ、せ、戦隊もの……的な……?」
「ヒーローに変身できるって凄いよな! ド派手なアクションとかぎゅいーんって凄いエフェクトと共に変身するところとか凄く良いよな!」
零時もノアと一緒でテンションが上がっているらしく、笑顔を浮かべていた。
ちなみに未夜も零時も日曜の朝はやや早起きだ。その後に遊びに行くか寝るかの違いはあるが、或る意味で同志でもある。
彼らの様子を見守る恋詠の傍にはヒナゲシとナデシコが控えていた。
「うふふ、恋読めも実はこういったものが好きなのです」
変身アイテムを使ってのヒーローチェンジ。
それが今、間もなく現実のものとなって体験できる。そう思うと自然に心も浮き立つというものだ。
「団地レンジャー参上! っていうことですよね! かっこいいです! 決めポーズとかどうします!? しゃきーんって! つよそう! です!」
ノアはずっと楽しげだ。
それを見守る未夜は少しばかり戸惑いながらも皆を見渡す。
「零時とノアは、うん、……戦隊もの、似合うんじゃないかな……? 恋詠は、……意外とアグレッシブ……?」
「俺様に似合うか? そうか?」
嬉しそうな声を返した零時はそわそわしていた。それもそのはず、もうすぐ自分達の出番が近付いているのだ。
「では折角ですし、遅れないようにステージに向かいましょうか」
「いきましょう!」
「行こうぜ!」
「……えっと、がんばる」
恋詠が皆を誘えば、それぞれの意気込みや緊張の混じった声が響いた。
そして、彼らの変身タイムがいよいよ訪れる。
てってれ、てれれれ、てててー♪
舞台上に流れるのは団地レンジャーのテーマ。ららら、とコーラスが入っただけの曲ではあるが楽しいコミカルさが混じった勇ましく響く音色だ。
てれれ、てってってー、てれれー♪
鳴り続ける音楽の中、迫り上がった舞台下から四人と二体が現れる。
右からナデシコ、ヒナゲシ、恋詠、零時、ノア、未夜の順番に並んだ彼らは一斉に片腕を掲げる。その手首には色違いで同じデザインの機械的な腕時計型チェンジタップが装着されていた。
電子文字が並ぶ画面に指先を添えれば、各カラーの光が明滅する。
更に四人は変身台詞を述べていく。
「紫彩は美しき花の色、イェーガーパープル・チェンジ!」
「蒼の煌めきは海の色、イェーガーアクアブルー・チェンジ!」
「大地の恵みは緑の色、イェーガーグリーン・チェンジ!」
「目立ちたくない黒色……イェーガーブラック……ちぇ、チェンジ……」
その声と共に背後に0と1の文字が浮かび上がり、スタイリッシュなラインのエフェクトがステージに乱舞した。光と線に包み込まれるようにして四人と二体の身体が大きな奔流に飲まれていく。そして、一瞬後。
てれれっててー!
賑やかな音声と共に揃いの軍服と軍帽、腰までの外套に身を包んだ団地レンジャーズが現れた。黒を貴重とした衣装にはそれぞれのイメージカラーのラインがあしらわれており、一目で誰がどの色を司っているか分かる。
変身の間にチェンジタップは彼らの武器に変化していた。
ノアは大きなハンマー。儚火の尻尾に隠れた未夜は黒い鎌。零時は青い剣、恋詠は透き通った水晶。ヒナゲシは傘でナデシコは弓だ。
各自の武器を構えた団地レンジャーはポーズを決める。
「俺様達がいる限り!」
「この世界の! 平和はみださせない! です!」
「……ぇっ、ちゃんと……みんな、守るよ」
「我らこそ、団地レンジャー……」
零時からノア、未夜から恋詠と台詞を次いでいき、そして――彼らは声を揃えた。
「「「イェーガーシックス
!!!」」」
その瞬間、彼らの背後にカラフルな爆風が巻き起こる。同時に彼らの変身を見守っていたキマイラ達から歓声が沸き起こり、惜しみない拍手が響いていった。
完璧に決まった、と自分の格好良さに打ち震える零時。
照れながらもはしゃぎ、キマイラ達に明るく手を振るノア。
儚火と一緒に隅っこに隠れようとする未夜。
ナデシコとヒナゲシを伴って嫋やかに微笑む恋詠。
皆、個性が光る反応だ。こうして無事に変身を終えられたことで団地レンジャーとしての結束力が強まった気がする。
色鮮やかなステージの上に立つ彼らは暫し喝采を受けていた。
そうして暫し後。
チェンジタップを持って帰って良いという話を聞いた団地レンジャー達がそれぞれに喜びを示すのは、また少しだけ別のお話。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クイスリング・ブルーメ
【花紅】
ボクはおともの妖精役
変身はしないけどこういう役回りって大事だろ?
りんねちゃんと桜夜ちゃんへと
魔法少女になるようお願いするよ
『キミ達!どうか魔法少女になってくれないか!』
『説明すると長くなるから省略するけど』
『かつて大魔女を倒した時にボクは変身できなくなる呪いをかけられてしまったんだ』
『だから、ボクの力を受け取って魔法少女になってほしい』
『年齢なんて関係ない。魔法少女は……ピュアな想いの強さが力になる!』
『だから、さあ!』
『ボクの力を継承し、新たな魔法少女として世界を守ってほしいんだ!』
二人にチェンジタップを渡したらボクの出番は終わり
ふふ、ほんとに導いたみたいで楽しいや!
薬袋・桜夜
【花紅】🎥
我が…魔法少女と、な?
これはアレかあの薄型の四角い奴でやっておった
アレに我もなるのか…?
いや、まて…待て、待つのだ
彼の子等と比べ…些か幼過ぎぬだろうか?
な、に…年齢など関係ないだ…と…
我はそういった事に詳しくないのだが…
りんねよ、そうゆうものなのか?
うむ、理解はした
されど度し難い。承知せねばならん状況が憎い…
此処に来て世間への無知さが仇になるとは思わなんだ…
受け取り手にした道具を見下ろす
ホォー、力を継承とは…
存外特殊な事では無いのだな…
して、此れをどうすれば良いのだ?
うむ…呪文を唱え操作とな…
視線をりんねへとやり道具と交互に見やると
決心したように頷く
先に変身して見せてくれぬか?
九琉・りんね
【花紅】🎥
わ、私たちが魔法少女~~~っ!!??
(毎週朝欠かさず見ていたあの憧れの魔法少女に…!?
いやいやでも私はもう今年で14歳……もうそんなものになんか……)
っ……年齢は、関係ない………ごくり
ここまで来たら……やるしかない!!
そ、そう!そういうものです!
女の子はいつだって、魔法少女になれるんです!
まずはそのアイテムを握りしめるとか掲げるとか……
とにかく、思うように念じてみてください!
あとは、きっと胸の中から湧き上がって来ますよ!
いいですよ……!お手本を見せるのもお姉ちゃんとしての務め…っ!
……行くよっ!『変☆身』!!!
『弾けて瞬けスパークル!燃えろ私のピュアハート!』
●魔女の手先と魔法少女
それは幾つもの星が降る夜のこと。
そのようなナレーションが相応しい舞台の上にはきらきらと光る数多の星が投影されていた。其処に立っているのは薬袋・桜夜(花明かり・f24338)と九琉・りんね(おてんばまりおねっと・f00448)のふたり。
そして、翅を羽ばたかせてひらひらと舞う妖精、クイスリング・ブルーメ(エデンの蛇・f00388)だ。
「キミ達は星に選ばれたんだ! どうか魔法少女になってくれないか!」
手を差し伸べたクイスリングの声を聞き、ふたりの少女は驚きを見せる。星の導きに誘われて集った、という設定の彼女達は顔を見合わせ、口許に手を当てた。
「わ、我が……魔法少女と、な?」
「わ、私たちが魔法少女~~~っ
!!??」
「驚くのも無理はないよね。でも――説明すると長くなるから省略するけど」
クイスリングは少女達の周囲をくるりと回るように飛び、両手を広げる。しかし桜夜とりんねは首を傾げた。
「む、省略されるのか?」
「毎週朝にあるような、あの回想シーンはないのですか?」
「長くなり過ぎるからダメだって……じゃなくって!」
現実に引き戻されそうになりながら、クイスリングは首を横に振る。仕方ないんだよと小声で告げた彼女は自分の境遇を語っていく。
「かつて大魔女を倒した時にボクは変身できなくなる呪いをかけられてしまったんだ。けれど今、この世界に悪が蔓延ろうとしている。(中略)……だから、ボクの力を受け取って魔法少女になってほしい」
壮大な設定を語ったクイスリングは二人を見つめる。
「魔法少女……我もなれるのか。いや、まて。待て、待つのだ。彼の子等と比べ、我は些か幼過ぎぬだろうか?」
「私も今年で十四歳です。もうそんなものになんか……」
戸惑う桜夜とりんね。
だが、クイスリングは大きく胸を張った。
「年齢なんて関係ない。魔法少女は……ピュアな想いの強さが力になる! キミ達の心には綺麗な光があるよ。だから、さあ!」
「な、に……年齢など関係ないだと? りんねよ、そうゆうものなのか?」
首を傾げる桜夜は隣のりんねに問う。
するとハッとしたりんねが大きく頷いた。
「そ、そう! そういうものです! 女の子はいつだって、魔法少女になれるんです!」
「ならば……」
顔を上げた桜夜とりんねはクイスリングを見上げた。もうその心は決まっている。
にっこりと笑った妖精は両手を差し出す。
其処に光が集いはじめ、煌めくチェンジタップが現れた。
「決まりだね。ボクの力を継承し、新たな魔法少女として世界を守って!」
――星と花の導よ、いま此処に!
クイスリングが強く願い、言の葉を紡いだ次の瞬間。
りんねの前には星を模したリボン付きコンパクトが浮かび、桜夜の前にはさくらの花を模ったブレスレットが出現した。
「その手でチェンジタップに触れて唱えて。『変身!』ってね」
クイスリングは変身器をふたりに託す。
とびきりの笑顔で告げられた言葉を聞き、視線を交わしたりんねと桜夜は頷きあった。きっと二人同時に変身すれば強い力が満ちる。そう感じた少女達はそれぞれのチェンジタップを握り、装着する。
りんねは胸に。桜夜は腕に。思いを乗せて変身アイテムに触れる。
「うむ、呪文を唱え操作とな。ゆくぞ、りんね」
「はいっ! 行くよっ!『変☆身』!!」
「……『変身』!」
――チェンジハート・ピュアリンク!
変身と書いてそう読む詠唱を紡いだふたりの身体が目映い光に包まれていった。翅を広げたクイスリングは彼女達の変身を見守っていく。
揃いの衣装は赤と淡紅色。
咲き誇る花のように広がるドレスめいたスカートがふたりのコスチュームとなり、腰や足元に花と星の飾りが結ばれていく。りんねのルビーの髪はきらめく星で飾られ、桜夜には淡い桜の花簪が結わえられる。
「弾けて瞬けスパークル! 燃えろ私のピュアハート!」
「游ぎ歌え、桜の詩よ。響かせ浮かべ、我のぴゅあ……はーと?」
りんねに合わせて言葉を乗せた桜夜。
少しばかりぎこちなくもあったが、彼女達はピースサインを顔の横で形作った。変身は成功だと喜ぶクイスリングがふたりの間に飛んできて、ハイタッチを交わす。
「やったね! これでキミたちはピュアフィオーレとピュアリュミエだよ!」
「我がフィオーレで……」
「私がリュミエ?」
魔法少女としての名前を告げたクイスリングの声を聞き、少女達はちいさく微笑んだ。花と光。そんな意味を持つ名前はお互いに相応しく思えたからだ。
舞台の上では星の煌めきが光り、花のエフェクトが咲き続けている。
愛らしい二人組とフェアリー。三人は笑みを浮かべ、観客席で見守ってくれていたキマイラに向け、改めて可愛いポーズを決めてみせた。
だが、不意に空気が一変する。
不穏な気配を感じたクイスリングが会場内を見渡した。どうやら予知されていた怪人達がこのイベント会場に訪れたようだ。
「魔女の手先が来たみたいだね」
「この場が危ういな」
「大変です! 皆さんを守らなければいけませんね!」
桜夜もりんねも気配に気付いたらしく、真剣な視線をクイスリングに向けていた。
そして、妖精は高らかに宣言する。
「――さあ、悪いやつらをやっつけよう!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『つよくてクールなアニマルズ』
|
POW : モグラさんドリル怪人・ウェポン
【モグラさんドリル兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : カエルさん殺法怪人・ジェノサイド
【カエルさん殺法攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ネコちゃん拳法怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ネコちゃん拳法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
|
●天竺牡丹とアニマルズ
「なーんか楽しそうなことしてるねえ?」
賑わう会場を見下ろすことの出来る建物の上。
天使やキューピッドを思わせるオブリビオンの少女――天竺牡丹は笑っていた。
従えたアニマルズと共にヒーローフェスティバルを覗き見していた彼女は、翼を羽ばたかせて口許を歪める。
「ああいうのは全部ぶっ壊しちゃえばもっと楽しくなるんだけど……」
ううん、と天竺牡丹は首を傾げる。
何だか本当のヒーローも居るかも、と呟いた彼女は従えていた配下達に命じた。
「まずは君たちだけで向かって! あたしは飛びながら見てるからっ」
その声を受けたアニマルズは三種類。
にゃーんと鳴いたネコちゃん拳法怪人。ケロケロと鳴くカエルさん殺法怪人。そして、ギュイイインと怖い音を響かせるモグラさんドリル怪人だ。
それぞれにたくさんいる彼らは、えいえいおー! というように腕を掲げてからフェス会場に突撃してきた。
「どんどんやっちゃえ! いけーっ!」
天竺牡丹が響かせた応援の声を背にして迫る数多のアニマル怪人。
見た目こそ愛らしい彼らだが、放っておけば街中が破壊し尽くされてしまうだろう。
さあ、今こそ此処に集った君達の出番だ。
戦え猟兵! 頑張れヒーロー! 世界の平和は君達にかかっている!
ヴィヴィ・ジーヴ(サポート)
サポートってお手伝いね。
ビビ手伝うよ。何すればいい?
キマイラの力持ち×精霊術士、15歳の女。
名前はヴィヴィ、一人称は自分の名前でビビ。表記はどちらでも。
服の下はフクロウ。
腕はハーピー(鳥の羽)、器用な作業は少しだけ苦手。
「あまりお手手は見ないでね、女の子の秘密よ。」
《力持ち》
素早いの、苦手。お目目くらくらする。一撃ドーン、が得意よ。
《精霊術士》
困った時は精霊さんに聞く!
《好き》
美味しいもの、食べる事、大好き!
あとね、ビビ、空中浮遊でふよふよするの好きよ。
悪い事(公序良俗に反する行動)はしちゃダメってお母さん言ってたよ。
いつかお母さんに話すんだから、言えないような事はしないわ。怒られちゃう。
カイ・オー(サポート)
『ここが今回の事件現場か。』
『どんな謎だろうと解き明かし、どんな事件だろうと解決する。それが探偵だ』
半ば趣味で探偵を営んでいる。現実的な事件よりは、フィクションじみた怪事件を好むタイプ。趣味とは言え、依頼解決には全力を尽くすし、関係者の身は案じる。
調査時は【千里眼】や【過去再現】や【精神感応】辺りの、知覚系のUCで調べます。まず聞き込みや自分の目での調査を行い、裏付けの為にUCを使うタイプです。
戦闘時は「火の手」で制御した【属性攻撃】の炎を刀に纏わせて切りつけるスタイルです。
戦い易い能力に合わせてUC【ブレイズフレイム】【瞬間移動能力】【火焔魔人】を主体に使用します。
襲撃されるヒーローイベント。
逃げ惑うキマイラ。迫り来るのはつよくてクールなアニマルズ。
ヴィヴィ・ジーヴ(キマイラの力持ち・f22502)は宙にふわりと浮かびながら、襲ってくる怪人の手先を見つめる。
「あれが敵?」
「ここが今回の事件現場か」
可愛い、と口にしたヴィヴィが首を傾げると、応援に現れたカイ・オー(ハードレッド・f13806)も敵を見据えた。
カイの掌には炎が宿っており、戦闘準備も万端。
この戦場に謎はなさそうだ。探偵としての役目よりも猟兵としての力が求められているのだと察したカイは顕現した炎を無銘の刀に宿らせた。同時にヴィヴィが紫彩の瞳に敵を映し、自分達に向かってくるアニマルズに狙いを定める。
「ビビも手伝うよ」
「それじゃ派手にやるか。俺は向こうの奴らを担当する」
「じゃあ、ビビはこっちかな」
一瞬だけ視線を交わしあった二人はそれぞれに違う方向へと向かっていく。カイはステージから見て右側へ。ヴィヴィは左側へ。
そして、アニマルズに立ち向かう彼らの戦いが始まってゆく。
向かって右、其処に迫っていたのはネコちゃん拳法怪人だ。
「にゃー!」
可愛い猫ポーズを決めた怪人はカイの出方を窺っている。どうやら相手は迎撃タイプの敵らしい。しかし、そうであっても打ち込むだけだとしてカイは周囲の電磁気を操っていった。刹那、高圧電流の奔流が怪人を貫く。
「にゃっ!?」
「跳ね返せるものならやってみるといい。でも、その前に封じてやろう」
カイは鋭く双眸を細め、電撃に痺れる怪人を見据えた。相手は何とか動いて電流を返そうとしたがカイ後からの方が強い。
「――今だ」
地を蹴ったカイは刃を振り上げ、一気に敵を薙いだ。
揺らめく炎が刃越しにネコちゃん拳法怪人に伝わり、激しい熱が相手の身を焼き焦がしていく。にゃああ、という悲鳴があがったかと思うと戦いは決していた。
カイは伏した怪人に静かな視線を送った後、更なる敵を相手取るため駆け出していく。
そしてもう片方。
ヴィヴィが向かった側に襲撃してきたのはカエルさん殺法怪人だった。
カエルらしいケロケロという鳴き声は何だか可愛らしい。しかし目に映ったものを破壊し尽くさんとして暴れる怪人は実に厄介だ。
「ケロケロ!」
「ビビも負けないよ」
ヴィヴィは高速で繰り出される拳法を避けるべく、獣めいた脚で地を蹴る。そのまま空中に飛びあがったヴィヴィはくるりと回った。
跳躍からの浮遊で敵の目を天に向けさせ、視線を誘導する。そうすれば相手からは光を遮った自分が影に見えるはずだ。
逆光でヴィヴィがよく見えずに狙いが定まらなかったらしく、カエルさんは丸い目を細めながら虚空に向かって攻撃を振るい続けた。其処には大きな隙が出来ている。そうなれば後はひといきに落下して勝負をつけるだけ。
「一気に決めちゃうね」
いくよ、と口にしたヴィヴィは浮遊の力を弱める。
振るわれるのは急降下からの一撃必殺。相手に接触する瞬間、それまで隠していた翼腕を獅子の形に変えたヴィヴィはカエルさん殺法怪人を見事に貫いた。
そして彼女達は怪人を次々と蹴散らしていく。
逃げ惑っていたキマイラ達は椅子やテーブルの影に隠れている。彼らその活躍に瞳を輝かせており――いつしか徐々に応援の声が会場にあがっていくようになった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ラフィ・シザー
引き続き『ドルセ・フィロ』で。
白い衣装って何だか新鮮だな♪
今の俺は『ドロセ・フィロ』ヒーローとしてかっこよく戦うぜ!
さぁ、こんな楽しい時間を邪魔する怪人さんはオウガと一緒。
つまりはお仕置きってことだ。
【戦闘知識】でしっかり戦場を把握。
UC【Dancing Scissors】発動し一斉攻撃したのち。
戦場を【ダッシュ】で駆け回りながら【ダンス】するように攻撃。
時には【盾受け】を用いながら防御。
アドリブ歓迎。
●お仕置きタイム
白き衣装を身に纏い、戦場となった会場を見渡す。
敵だ、と怪人の到来を察した、ラフィことドルセ・フィロは純白のリボンを揺らしながら駆けていく。その際に自分の視界に入った衣装は普段とは違う色だが、何だかよく映えて見えた。
「白い衣装って何だか新鮮だな♪」
浮き立つような気持ちを覚えながらラフィは敵を見据える。
彼の前に現れたのはカエルさん殺法怪人だ。しゅしゅっと拳を前に振って威嚇してきたカエルさんとラフィの視線が交錯する。
「今の俺は『ドロセ・フィロ』ヒーローとしてかっこよく戦うぜ!」
強く宣言したラフィは手にしていた鋏をくるくると回した。敵は奇妙で可愛い不思議な怪人だが、ラフィにとってはオウガと一緒。
「さぁ、こんな楽しい時間を邪魔する怪人さんは片付けちまおう」
つまりはお仕置きだ。
――踊れ! 踊れ! 踊れ!
ラフィが詠唱を紡ぐと同時に鋏が複製され、見る間に戦場に散っていく。カエルさん殺法怪人は自慢の拳で鋏を落とそうと動いた。
その間にラフィは持ち前の戦闘知識でしっかり戦場を把握する。
一斉に周囲に放った鋏で怪人達を牽制しながら、戦場をダッシュで駆け回っていくラフィ。彼が鋏と共に敵を翻弄する様はまるで踊っているかのようだ。
だが、カエルさん怪人も恐ろしいスピードで以てラフィを穿とうとしてくる。
「そっちがそう来るならこうだ!」
鋭い拳をウサギ時計による盾受けで防御したラフィは薄く笑む。相手の拳は鋭いが受けられないものではない。
「それじゃ次はこっちの番だな。覚悟しておくといいぜ♪」
楽しげに告げたラフィは一気に鋏を操っていった。鋭い刃は四方八方からカエルさん殺法怪人を貫き、突き刺し、そして――。
暫し後、ラフィの足元には何体ものカエル怪人が転がっていた。
こんなものかな、と衣装の汚れを払ったラフィは頷く。こうして次々と怪人は撃退され、会場の危機は退けられてゆく。
大成功
🔵🔵🔵
マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
引き続きスコルピ・エイルで
この衣装にこの武器……思いっきりあの人イメージだよな…
(照れつつも嬉しい様子で)
縫もどっからどうみても可愛いヒロインだぜっ♪
ちょっと1回写メっとこうぜ、せっかくだしさ
さぁて、撮影終わったら怪人たちを一掃しようぜ
なんつーか…うん、敵ちょっとファンシー過ぎねぇ?
まぁそれでも怪人は怪人だしな
敵の攻撃は【フェイント】【空中戦】で飛びつつ距離をとって回避
せっかくだし蠍剣使っていくぜっ
「赤き星アンタレスの加護よ、オレに力をっ!」
まぁそれっぽい感じで必殺技ぽく言ってUCで身体能力を上げ
剣に炎【属性攻撃】【鎧無視攻撃】を付与してぶった斬るっ!
真幌・縫
マクベス(f15930)くんと♪
引き続き『シーニャ・エイル』で
わー…変身したマクベスくんカッコイイねぇ♪
ぬいのもとっても可愛いよ♪
ぬい達本当にヒーローとヒロインに変身したんだね!
怪人さん達も来たみたいだしこの格好でカッコよく戦っちゃおう!
怪人さんの攻撃は【野生の感】で【敵を盾に】しながら踊るように(【ダンス】)回避!
一緒に戦うマクベスくんは応援(【鼓舞】)!
猫ちゃん怪人さんは攻撃を相殺しちゃうらしいけど。
これはどうかな?
UC【ぬいぐるみさん行進曲】だよ!
ふふ♪ぬいぐるみさん一人一人の動きが違うんだからね。
●正義の宣言
スコルピ・エイルとシーニャ・エイル。
見事に変身を決めた縫とマクベスは今、襲撃される会場内で写真を撮っていた。
「わー……変身したマクベスくんカッコイイねぇ♪」
「そうか? この衣装にこの武器、思いっきりあの人イメージだからな」
褒められて照れつつも嬉しい様子でマクベスは衣装を改めて見下ろす。普段は身に纏わない色だが確かに馴染みのある色彩だ。
縫は上機嫌な様子でくるくるとその場で回ってみせる。
「見てみて、ぬいのもとっても可愛いよ♪ ぬい達、本当にヒーローとヒロインに変身したんだね!」
ふんわりと揺れたスカートが愛らしい。
サジ太と一緒にもう一度ポーズを取る縫を見たマクベスも笑顔を浮かべた。
「縫もどっからどうみても可愛いヒロインだぜっ♪」
「えへへ」
「もうちょっと写真撮っておこうぜ、せっかくだしさ」
「うんっ、はいポーズ♪」
微笑みあう二人。
其処に携帯カメラのシャッター音が響く。しかし次の瞬間、其処に彼らのものではない声が響いた。
「こーらー! あたしたちの襲撃を無視して楽しむんじゃなーい!!」
それは怪人達を嗾けた天竺牡丹の声だ。
「えっ」
「え?」
はっとしたマクベスと縫はやっと周囲の事態に気が付いた。暫し戦わぬ代わりにいっぱいになった写真フォルダを閉じ、マクベス達は身構える。
「怪人さん達も来たみたいだしこの格好でカッコよく戦っちゃおう!」
「そうだな、一掃しようぜ。なんつーか……敵、ちょっとファンシー過ぎねぇ?」
「もう、何その反応!」
何事もなかったように気を取り直す二人は順応性が高い。
その様子に天竺牡丹は苛立ちを覚えたらしく、遥か頭上から配下達に命じていく。
「ええーい、あの子達を倒しちゃえ!」
こてんぱんにしちゃえ、と少女怪人が配下に告げた瞬間。
スコルピ・エイルとシーニャ・エイルの元にカエルさん殺法怪人とネコちゃん拳法怪人が大挙して襲いかかってきた。
「まぁそれでも怪人は怪人だしな。縫、気をつけろ!」
「大丈夫だよ、マクベスくん」
迫ってくる怪人達は二人に容赦のない攻撃を打ち込んできた。
素早い拳法と殺法を野生の感で見切った縫は一体の敵を転ばせ、その身を盾にしながら踊るように回避していく。
マクベスもカエルさん殺法怪人を相手取り、突っ込むと見せかけてすぐに後方に下がる。それによって体勢を崩したカエルを尻目にマクベスは飛翔した。エフェクトによって赤く染まった翼が華麗に揺れる。
「せっかくだし、この蠍剣を使っていくぜっ」
「マクベスくん、がんばれ♪」
刃を振るった彼を応援する縫もサジ太をぎゅっと抱き締めて反撃にはいっていく。対するネコちゃん拳法怪人は迎撃の姿勢を取っていた。
「怪人さん、これはどうかな?」
縫が解き放っていくのはぬいぐるみさん行進曲。彼女の周囲に次々と現れたぬいぐるみは怪人達に一斉に突撃していく。
「おお、すごいな縫!」
「ふふ♪ ぬいぐるみさん一人一人の動きが違うんだよ」
「それならオレだって! 赤き星アンタレスの加護よ、オレに力をっ!」
敵を翻弄していく縫に感心したマクベスは剣を構え直す。ヒーローめいた格好良い言葉と共に彼が剣を振るえば、炎が巻き起こった。
「な、なんでそんなに強いの!?」
配下達が倒されていく様を上空から見つめていた天竺牡丹が慌てはじめる。
写真を撮ってただけのお子様なのに、と呟いた敵の声を聞いたマクベスと縫は頭上を振り仰ぎ、得意げな笑みを向けた。
「それはだな」
「ぬい達が――」
頷きあった二人は声を揃え、高らかに宣言していく。
「ヒーローと!」
「ヒロインだからだよ♪」
そして、其処からスコルピ・エイルとシーニャ・エイル戦いは更に巡っていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ユヴェン・ポシェット
早く…着替えたい。
から、さっさと倒すぞ。
ミヌレ、こっちへ…!
って……なんで、お前達そんなに楽しそうなんだ。
確かにテュットが好きそうだとは思ったが…変身とかハートとか、そんなの。そしてミヌレは俺を見て面白がっているだろ…誤魔化してもバレバレだ。それからタイヴァス…どんな俺でも受け入れてくれるのは嬉しくもあるがそうじゃない。
多分単体で見ると愛らしい顔付きをしているのだろうが…こう大量にいると、あの顔ぞっとするな…
ロワ、お前には見られたくなかったが…早く終わらせるにはお前の力を借りたい。何も…言わないでくれ。
さあ、皆やるぞ。
早く、とっとと終わらせる。
●愛と正義と羞恥とピンク
早く着替えたい。
白とピンクの衣装に身を包んだユヴェンの裡に巡るのは、ただそれだけ。
ミヌレは可愛い。しかし自分はどうだろうか。
騎士風の格好とはいえピンク。会場を襲っているアニマルズ達もユヴェンを見て微妙な顔をしている気がする。
『あれピンクじゃない?』『めっちゃピンク』『ヤバい白とピンク』
そんな会話がアニマルズ達の中で交わされているに違いない。全部が想像だが。そんな思いを振り払うように頭を横に振ったユヴェンはミヌレを呼ぶ。
「……さっさと倒すぞ。ミヌレ、こっちへ!」
「――♪」
対するミヌレと、頭上を飛んでいるタイヴァスは何だか楽しげだ。
テュットまでもがひらひらと上機嫌そうにはためいている。胸元に光るチェンジハートコンパクトも陽の光を受けて煌めいていた。
乙女なテュットは変身もハートも好きだろう。ミヌレもユヴェンを見て面白がっているのは明白で、此方を見つめては目を逸らすということを繰り返している。
「誤魔化してもバレバレだぞ、ミヌレ」
今は敵を倒すだけだと告げ、ユヴェンはミヌレを竜槍へと変じさせた。
その間、タイヴァスは敵を威嚇しながら上空を飛んでいる。タイヴァスだけがありのままのユヴェンを受け入れてくれている気がした。
嬉しくもあるが、そうじゃない。
「タイヴァス、ロワ!」
無理矢理に気を引き締めたユヴェンは鷲と獅子を呼ぶ。滑空してきたタイヴァスに掴まったユヴェンはわらわらと集まってくるアニマルズへと一気に近付いた。
その下では召喚された金の獅子が駆けてきている。
着地と同時にロワの背に乗ったユヴェンは竜槍を構えた。対するカエルさん殺法怪人は身構え、ケロケロと鳴いている。
「単体で見ると愛らしい顔付きをしているのだろうが……こう大量にいると、あの顔も鳴き声もぞっとするな」
集合すると怖いというあれだろうか。
ロワ、とユヴェンが呼べば獅子は高く跳躍した。勢いに乗せて槍を振るった彼は敵を強く見据える。しかし、相手からの衣装に向けられる視線が痛かった。
「お前には見られたくなかったが……早く終わらせるにはお前の力を借りたい、ロワ。何も言わないでくれ」
何をするにもピンクがついてまわる。正直とても恥ずかしい。
しかしこの場は危機に瀕しているのだ。手を抜くわけにもいかないと己を律したユヴェンは相棒達と共に戦場を駆け抜けていく。
「さあ、皆やるぞ。早く、本当に早く……とっとと終わらせる!」
「ケロケロー!?」
瞬く間に蹴散らされる怪人達。
その間もピンクのマントは可愛らしくひらひらと揺れていた。
大成功
🔵🔵🔵
シャルロッテ・ヴェイロン
(突如出現した怪人どもと妙に逃げ慣れてるキマイラたちを見て)
まぁ、この世界に来るたび、思うことがあるんですよ。
「ここのキマイラたちって、実はオブリビオンとうまく共存できてるのではないか」と。
――それはさておき。
輝く未来を守るため、いざゲームスタートですよ!(と、【パフォーマンス】を決めてる)
で、レギオンを最大量召喚して、まずは【一斉発射】による【先制攻撃】を決めていきましょう。
で、敵にUCを発動させないくらいの【制圧射撃】【乱れ撃ち】【2回攻撃】で一気に片付けちゃいましょうか(その間本人はしっかりファンサービスとかやってたり(ぇ))。
※アドリブ・連携大歓迎です。
●応援と戦い
突如出現した怪人達。
そして、蜘蛛の子を散らしたように逃げていくキマイラ。彼らを見つめたシャルロッテは首を軽く傾げる。
「まぁ、この世界に来るたび、思うことがあるんですよ」
キマイラが逃げていく様子は妙に手慣れていた。皆一様に慌ててはいるが、もはや日常茶飯事だというように実に効率的に隠れている。
それゆえに思うのだ。
キマイラ達も実はオブリビオンとうまく共存できてるのではないか、と。
だが、彼らは戦う術を持っていないものが多い。いくら逃げ慣れていても怪人を倒す存在が居なければ蹂躙されて終わりになってしまう。
「――それはさておき」
つまりは猟兵こそがヒーローとしての役割を果たすのだとして、シャルロッテは迫りくるネコちゃん拳法怪人を見遣った。
まずは自分に近付いてくるあの敵を倒せばいいだろう。そう察した彼女はステージに立っていたときのようにポーズを決める。
「輝く未来を守るため、いざゲームスタートですよ!」
これでパフォーマンスもばっちり。
物陰などに隠れているキマイラ達から密かな歓声が上がった。彼らを必要以上に怯えさせぬよう、シャルロッテは不利なところは見せまいと決める。
そして、大量に召喚されていくのはエレクトロレギオンだ。
「行きますよ!」
容赦はしません、と宣言したシャルロッテは機械兵達をネコちゃん拳法怪人に向けて突撃させていく。一斉発射からの先制攻撃が怪人を穿つ。
幾つかのレギオンは防がれてしまったが、次々と放たれる射撃が敵を圧倒した。
「反撃する隙も与えてやりませんよ」
敵が攻撃を弾き返す暇も作らせぬほどに解き放たれていくレギオン。
乱れ撃たれる攻撃。防ぎきれずに倒れる怪人。その様子を表すならばまさに制圧という言葉が相応しい。
「このまま一気に片付けちゃいましょうか」
あらたなレギオンを召喚したシャルロッテは可愛いポーズをきらっと決めた。これもまたヒロインとしてのファンサービスである。
「がんばれー!」
「わー、すごーい! 可愛い!」
狙い通り、キマイラ達はシャルロッテに向けて応援の声をあげていた。
その声があれば勇気が湧いてくる。何となくそんな気がした。そうして、くるりと回って衣装をなびかせたシャルロッテは更なる力を振るっていった。
大成功
🔵🔵🔵
ルナ・ステラ
※アドリブ&ピンチ(からの逆転)描写歓迎です!
えへへ...緊張したけど喜んでもらえてよかったです!
か、かわいい?
でも、やってることはかわいくないです!?
街を壊すのをやめてください!
―わわっ!?こっちきました!?
どうしましょうか?
(そうだ!宝石剣!)
うまく扱えました!
...あれは?
〈ドリルの音に怖がっている子がいたら〉
もう大丈夫だよ!
わたしが守るから安心して!
(とは言ったものの、囲まれてピンチです!)
―きゃっ!?ドリルで攻撃してきました!
(うぅ...嫌な音です...でも!)
みんなの笑顔と平和は守ります!
〈応援を受けたら〉
ありがとうございます!力が湧いてきました!
UC発動!
これでどうですか!
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
かわいいモグラのキマイラ……じゃなくてドリル怪人か
人の為になる道具を悪用する怪人はこのサン・コライユが成敗してやるぜ!
『商竜印の竜騎士装備』を召喚するが、
せっかくスタッフが用意してくれたセーラー服とブーツが
見え辛くなったり履かないのは勿体ないから
今回に関してはマフラーと履物は装備されてもすぐ脱いだり履き直すぜ
その代わり!炎の竜騎士らしく炎竜の手袋は限界突破で超攻撃力アップ!
モグラさん怪人達のドリル群がどんな方角から来ようとも
竜の炎を纏わせたドラゴンランスで
全てのドリルに対して先端を真っ向から貫き破壊するぞ!
熱く燃え滾った竜の炎もオレの心も
悪に染まった冷たい鉄を溶かし尽くしてやるぜ!
●守りたいもの
「えへへ……緊張したけど喜んでもらえてよかったです!」
ステージを終えた後、ルナはガッツポーズを取っていた。こんな風に大きなリアクションになるのも、ああして舞台上で変身ポーズを決めたからだろうか。自分が浮き立つ気持ちを覚えていることに気が付き、ルナは少し恥ずかしそうに笑った。
だが、すぐに会場が騒がしくなる。
その様子を察したルナは逃げ惑うキマイラ達の先にいるアニマルズを見つめた。
其処にいるのはモグラさんドリル怪人だ。
「か、かわいい?」
思わずルナがそんな言葉を落とすと、モグラはドリルを構えた。
ギュイイン。
恐ろしい音が鳴り響いたかと思うと怪人が迫ってくる。しかも大量にだ。
「でも、やってることはかわいくないです!?」
ギュイイイイン。
更にかなりの勢いで煩い音が鳴り響き、会場の椅子や台が破壊されていく。
「壊すのはいけませ……わわっ!? こっちきました!?」
どうしようかと慌ててしまうルナだが、はっとする。そうだ、宝石剣がある。
そう気付いたルナは刃を差し向け、ドリルを鳴らしながら突撃してくる相手に刃を古い返した。キン、と響く鋭い音。
ドリルを弾けたと感じたルナはこのまま押し切ろうと決めた。
「うまく扱えました! ……あれは?」
何か嫌な予感がする。
考える前に身体が動いていた。その理由は、逃げ遅れたキマイラの少女がドリルに襲われそうになっていたからだ。
「危ないっ!」
少女を庇ったルナの背にモグラ怪人の一撃が突き刺さる。激痛が走ったが、そうすることによってキマイラの娘は守ることが出来た。
「だ、だいじょうぶ……?」
「平気です……。わたしが守るから安心して!」
少女からの問いに痛みを堪えながら答え、ルナは体勢を立て直す。崩れた机の影に少女を隠したルナは身構え直し、周囲を見渡した。
(とは言ったものの、囲まれてピンチです!)
危機であることを少女に悟られてはいけない。きっと更に不安になってしまうだろうから今は痛みも我慢だ。しかし、モグラ怪人達はルナを串刺しにしようと迫る。そして、煩いドリルの音が近付いてきた。
(うぅ……嫌な音です……!)
最大のピンチが訪れている。このままでは怪人達に負けてしまうかもしれない。
しかし、そのとき――危機的状況が一変した。
●太陽と月とヒロイン達
遡ること数分前。
紅の竜騎士、サン・コライユことグァーネッツォもまた、会場を襲うモグラさんドリル怪人と対峙していた。
「かわいいモグラのキマイラ……じゃなくてドリル怪人か」
遥か頭上には怪人達を従える天竺牡丹が見える。
まだ彼女は戦う気はないのだと感じたグァーネッツォは頭を振った。今はドリルを持つ怪人を倒すだけだとして強く身構える。
「人の為になる道具を悪用する怪人はこのサン・コライユが成敗してやるぜ!」
商竜印の竜騎士装備を召喚したグァーネッツォはセーラー服の上に炎竜の手袋と氷竜のマフラー、雷竜の履物を装着する。
さながら変身ヒロインの最終フォームのように見事に衣装と調和する竜装備。
よし、と明るく笑ったグァーネッツォはドリル怪人へと突撃していく。炎の竜騎士らしく、炎竜の手袋に力を込めた彼女は気合を入れた。
モグラさん怪人達のドリルが鈍い音を立てながら迫ってきたが、グァーネッツォは炎を纏わせたドラゴンランスで以て受け止める。
衝撃は重い。しかし限界を突破した今、どんな攻撃でも受け止める覚悟がある。
「これでどうだ!」
竜の炎がドリルを捉え、一点を狙って振るわれた。
グァーネッツォは無軌道に戦っているわけではない。まともに受けてしまえば厳しい敵の攻撃だが、それならば武器を破壊してやればいいのだ。ドリルの先端を真っ向から貫き、破壊していくグァーネッツォは的確かつヒロインらしい華麗な動きで相手を蹴散らしていく。
そして、或る瞬間。
「あれは……?」
グァーネッツォは少し離れた所にキマイラの子を庇っている誰かがいることに気が付いた。彼女が見る間にモグラ怪人達に囲まれているのだと察したグァーネッツォは急いで其方に駆けていく。
ドリルが少女に迫る。
だが、その間に素早く割り込んだグァーネッツォは竜槍で攻撃を受け止めた。
「させるか!」
「助かりました……!」
横薙ぎに槍を振るった彼女の声を聞き、キマイラを庇っていた少女――ルナが礼を告げる。彼女も自分と同じ猟兵だと分かったグァーネッツォは双眸を細め、礼には及ばないと笑いかけた。
「大丈夫か? そっちの子は今のうちに逃げろ!」
グァーネッツォは敵を散らし、物陰に隠れていたキマイラの少女の逃げ道をつくる。体勢を立て直したルナも頷き、逃げていく少女を背にして身構えた。
この先には絶対に行かせない。
そんな意志を示すグァーネッツォとルナはドリル怪人を倒す決意を抱く。
「熱く燃え滾った竜の炎もオレの心も――」
グァーネッツォは更なる炎を巻き起こし、竜槍の切っ先を敵に差し向ける。勇猛果敢な言葉と同時に地を蹴った彼女は決め台詞と共にドラゴンランスを突き放った。
「悪に染まった冷たい鉄を溶かし尽くしてやるぜ!」
宣言は高らかに。
グァーネッツォが次々と敵を倒していく様を見つめ、ルナは決意していた。今は自分も正義のヒロインだ。これ以上は怖気付いても弱気になってもいけない。だから――。
「みんなの笑顔と平和は守ります!」
ルナもまた、高らかに宣言する。
そのとき、安全な場所に逃げたらしいキマイラの少女の声がルナとグァーネッツォの耳に届いた。
「お姉さんたち、ううん……ルナリア・シュヴァリエーラ! サン・コライユ! 絶対に負けないで……頑張って!」
偶然にも揃った月と太陽を司る騎士達。
二人が一緒ならどんな敵だって倒せる気がした。
応援の言葉に勇気を貰った気がしたルナとグァーネッツォは更に身構えた。すると其処に星々と炎の力が集い、ルナ達の身体が光と火に包まれる。
「あんなドリルなんかに負けません!」
「ああ、やってしまおうぜ!」
「はい! これでどうですか――!」
刹那、宝石剣から広がった眩しい輝きと竜槍から迸る炎が周囲全体に広がっていく。その光と炎がおさまった時、ドリル怪人達はすべて倒れていた。
輝く光と燃える炎。
それはまさに、月と太陽のヒロインが織り成す目映い色彩だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
朝日奈・祈里
カエルさんよ
アステリアスターがお相手だぜ
ぴょいっと長杖を放り投げ、くうに描いた魔法陣からルーンソードを引っ張り出そう
子供に肉弾戦は無理だと思った?――残念。ぼくは魔法少女なんだ!
脚部にブースト
大きく跳んで、スターゲイザーヒールどろーっぷ
さっき投げて空中に固定した長杖を蹴って軌道を変えて、ルーンソードを一閃
また脚部と、それから腹筋にブースト
振り抜く為に腕の力は要らん
腰から剣を動かせ
ぼくは天才だからな
何処を使えば効率良く動かせるか知ってるんだ
高いところから見下ろすオブリビオンをビシッと指差し
よう、降りてこいよ
ビビってんの?
じゃあ引き摺り下ろしてやるよ
あははっ、アストライオスも頑張ったな
いいこいいこ
●星の魔法幼女
わあわあと声をあげて逃げ惑うキマイラ。
それを追っていく愛らしくもクールな、つよいアニマルズ。
祈里は星彩の衣装を翻し、怪人達の前に立ち塞がる形で布陣する。その頭にはシロフクロウのアストライオスが乗っていた。
「カエルさんよ、アステリアスターがお相手だぜ」
祈里は宣言と同時にぴょいっと長杖を放り投げる。其処から空中に魔法陣が描かれ、普段彼女が扱っているルーンソードが現れた。
手を伸ばした祈里は柄を握り、ケロケロと鳴く敵を見据える。
怪人は余裕を浮かべていた。
どうやら祈里が幼女だということで相手はこちらを甘く見ているようだ。唸るドリルで一撃だ、とでも言うように怪人は腕を掲げる。
しかし、次の瞬間。
振るわれたドリルが空を切り、祈里の姿が消えた。そう感じられたのは祈里がブーストさせた脚で地を蹴って跳躍したからだ。
はっとした様子のカエル怪人が頭上を見たときには全てが遅かった。
「スターゲイザーヒールどろーっぷ!」
「!?」
ものすごい勢いで振るわれる一撃。エフェクトとして星が散る。
「子供に肉弾戦は無理だと思った? ――残念。ぼくは魔法少女なんだ!」
穿たれて倒れた怪人を見下ろした祈里は不敵に笑む。
そして、新たな標的に目を向けた彼女は迫るドリルの一閃を避けた。空中に固定していた長杖まで跳躍し、それを足場にして軌道を変えた祈里は刃を振り下ろす。
スカートがふわりと揺れた。
だが、絶対にその中は見えない倫理ブーストが働いている。
脚部へと更に魔力を込めた祈里は揺らめく衣装の装飾リボンを翻しながら、刃を振るって次々と怪人を蹴散らしていく。
何処を使えば効率良く身体を動かせるかは熟知していた。振り抜く為に腕の力は要らないと知っているがゆえに、力を腹筋に込める。
「ぼくは天才だからな」
ふふん、と胸を張った祈里。しかし彼女の力は命を削るものだ。されどそのことをおくびにも出さぬまま祈里は戦う。
そうして、自分の周囲の敵をすべて散らした祈里は上空を振り仰ぐ。高みの見物をしているオブリビオン、天竺牡丹を指差した祈里は挑発混じりの声を向けた。
「よう、降りてこいよ。ビビってんの?」
「やーだねっ! まだあたしの出番じゃないもん!」
「じゃあ引き摺り下ろしてやるよ」
対する天竺牡丹は祈里に反発する。其処にアストライオスが翔け、ひゃあ! という驚きの声と共にオブリビオンが後方に下がった。
ただ威嚇しただけだが、相手を怯ませることは出来たはずだ。
「あははっ、よくやったアストライオス」
いいこいいこ、と自分の頭に戻ってきた相棒を褒めた祈里は身構え直す。敵を地上に招くには配下達をもっと倒さなければならないのだろう。
「仕方ない、やってやるか」
剣を構えた祈里は周囲で暴れている怪人達を見渡し、続く戦いへ思いを巡らせた。
そして、星を散らす魔法少女は戦場を駆けてゆく。
大成功
🔵🔵🔵
オズ・ケストナー
嵐吾(f05366)と
呼ばれたらきりっとした顔で頷く
ブルームイエロー、いこう
ブルームシュネーもがんばろうねっ
シュネーが回し蹴りをしている間に
蒲公英の歌を
みんなを元気づけたかったのに
そ、そんな
ネコちゃんキャンセルされちゃった
ううん、歌がとどかなくても
みんなのきもちはとどいてる
それだけで、ちからがわいてくるんだよっ
イエローの大地っぽい攻撃に
すごいすごいとはしゃいで
よーしわたしも空っぽいこうげきするっ
どうしようかなと見まわして
そうだっ
ステージによじ登って声かけ
イエローっ
声にジャンプ
からの
飛び蹴り
スカイブルー・フライングキーックっ
それから
フラワー・ヒールドロップだーっ
シュネーも踵落とし
最後は決めポーズ
終夜・嵐吾
オズ君(f01136)と
オズく……いや、この呼び方の方がふさわしかろう
ブルームブルー、ブルームシュネー、いざ参ろう!
しゅたっとネコちゃんの前へと飛び出し
怪人よ、わしら邂花隊が相手じゃよ!
しゅばばっとポーズを決めて構え
ブルーの歌に尻尾をゆらし、けれどネコちゃん手強いの!
わしは動きを止めるように動こう
尻尾のふさふさ具合もネコちゃんには負けん!(尻尾ふりふりしつつ)
わし自身は大地的な攻撃はできんのじゃが――虚ならできる!
虚、虚、大地っぽい感じでお願いするんじゃよ!(こそこそとお願い)
攻撃かわされても諦めず
ブルーとシュネーと協力を
茨となった虚で敵を捕まえ、いまじゃ! と声を
トドメは任せたなんじゃよ!
●声援を力に
エマージェンシー、邂花隊。
キマイラのみんながピンチだ。出動せよ!
そんなナレーションが聞こえてきそうな状況の中、嵐吾はぐっと拳を握った。
「いくぞ、オズく……いや、」
オズを呼ぼうとした嵐吾は軽く首を振り、今は名前よりも此方の呼び方が相応しいと感じて言い直す。
「ブルームブルー、ブルームシュネー、いざ参ろう!」
「うん! ブルームイエロー、いこう」
シュネーもがんばろうね、と口にしたオズはきりりとした顔で頷いた。
彼らが相手取るのは何体ものネコちゃん拳法怪人だ。逃げていくキマイラ達を背にしたふたりは敵を迎え討つべく、それぞれに身構える。
「にゃあー!」
「にゃにゃー!」
鳴いて両手を胸の前に掲げたネコちゃんはとても可愛い。しかし負けじと嵐吾がしゅたっとネコちゃんの前へと飛び出し、しゅばばっとポーズを決めた。
「怪人よ、わしら邂花隊が相手じゃよ!」
にゃんこVS妖狐。
そんな状況の中でオズは嵐吾とネコちゃんの揺れる尻尾を見比べる。
「ふわふわさならランゴの勝ちっ」
そして戦いでも自分達の方が勝利をおさめるのだと決め、オズはシュネーに攻勢に入るよう願った。ネコちゃんに近付いたシュネーが回し蹴りをしている間にオズは蒲公英の歌をうたっていく。
――てくてく 君と歩く てくてく 君と歌う。
紡がれる歌は春の陽だまりのようにあたたかく、鼓舞の力に変わっていくはずだった。だが、その音は謎めいた拳法の力で掻き消されてしまう。
「なんじゃと?」
「そ、そんな。ネコちゃんキャンセルされちゃった」
嵐吾はオズの歌に合わせて尻尾を揺らしていたが、急に音が止んだことで尾を下ろしてしまう。あの拳法がいけないのだと察した嵐吾は地を蹴り、虚の主を招いた。
「ネコちゃん手強いの! じゃが、オズが言ってくれたとおりに尻尾では負けん!」
強く宣言した嵐吾は力を解き放った。
交差するネコと狐の視線。そして、至近距離から迸った地を這う影の黒茨が敵を絡め取った。その瞬間、嵐吾の背後からシュネーが飛び出す。
「やっちゃえ、シュネーっ」
「今じゃ、ブルームシュネー!」
オズが呼び掛け、嵐吾が身を引く。敵の動きを止めたのもシュネーに止めを刺してもらうためだ。刹那、鋭い蹴りが敵を穿った。
其処に聴こえてきたのはオズ達に逃してもらったキマイラ達の声。
「頑張れ、邂花隊!」
「怪人なんかに負けるなー!」
「ブルーの歌、ちゃんと聞こえてたよ!」
響くのは応援の声。
変身の舞台に居た時にも歓声は聞いたが、これはまた少し違う声援だ。
「みんな……?」
「わしらへの応援、しかと応えなくてはな」
「うん、たとえ歌がとどかなくても、みんなのきもちはとどいてる」
「うむ!」
「それだけで、ちからがわいてくるんだよっ」
「では、改めて参ろうか」
ふたりとシュネーは心の奥底から湧いてくる気持ちを胸に、更なる攻撃に出る。
(虚、虚、もっと大地っぽい感じでお願いするんじゃよ)
こそこそと虚に呼び掛けた嵐吾はネコちゃん怪人に向けて力を放つ。オズもシュネーに蹴撃で立ち向かうよう願い、攻防を繰り広げていった。
ブルームイエローは大地から黒茨の力を。
ブルームブルーは消される前に少しでも歌を届けようと決め、そっと謳ってゆく。
「これでどうじゃ!」
「すごいすごいっ」
敵を絡め取る嵐吾の攻撃の凄さにオズがはしゃぎ、自分も空めいた何かをしたいと考える。どうしようかな、と周りを見渡した彼は不意にはっとした。
「そうだっ」
「おや、何か思いついたのか」
オズの動きに気付いた嵐吾は協力の意思を示す。その間にオズはステージによじ登り、おおきな声で嵐吾を読んだ。
「イエローっ」
「うむ、ブルー! いまじゃ!」
応えた声に合わせての全力ジャンプ。其処からの飛び蹴りが怪人達に向けられてゆく。嵐吾は茨となった虚で敵を捕まえ、身動きが取れぬように絡め取った。
「スカイブルー・フライングキーックっ」
それから、と続くシュネーにちらりと視線を向けたオズは更に叫ぶ。
「フラワー・ヒールドロップだーっ」
空からの落下蹴りと踵落としが重なる。そして、ネコちゃん拳法が繰り出される前にふたつの力が炸裂した。どどーん、という効果音が付きそうな勢いで穿たれた怪人は一気に倒れされていく。
「にゃあー!?」
可愛くも悲痛な断末魔が響いたかと思うと怪人は地に伏した。
とん、と軽く地面に着地したオズは嵐吾の隣に立つ。同時に身構えた嵐吾が格好良い決めポーズを取り、オズもシュネーと一緒にびしっと決め顔をつくる。
「やったねっ」
「やったの。わしらの勝ちじゃ!」
笑いあったふたりは周囲の配下怪人をすべて倒した。
そして、空を見上げた彼らは気を引き締める。ふたりの視線の先には此度の首魁である天竺牡丹が羽ばたいており、此方を嘲るようにくすくすと笑っていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
花咲・まい
【POW】
むむ、さっそくヒーローの出番ですか!
でも、それにしては何だかヘンテコなひとたちですね?
それって着ぐるみなんですか? ちょっと背中を見せてもらえますです?
ーーと、遊んでる場合じゃありませんですね!
いざやいざや、モグラ叩き! 天下無敵・悪鬼羅刹のヒーロー、レッドベリーが推して参りますです!
ドリル兵器は矛先を見切り、なるべく回避する気持ちです。
攻撃回数が多ければ、二回攻撃に入られる前に打ち消せるよう此方も怪力で押して行きますですよ。
何とこんな所にハンバーガーが!
ダメージを受けてもへっちゃらです。
この際なので、近くにヒーローがいたら連携するのも良いかと思いますです!
*アドリブ、連携はお任せ
●レッドベリーと秘密のファスナー
「むむ、さっそくヒーローの出番ですか!」
会場を襲撃した怪人達の気配に気付き、まいは身構える。
此方に迫ってきたモグラさんドリル怪人。彼らを見つめた彼女はスイングスカートを翻し、キマイラを襲おうとしていた敵の前に立ち塞がった。
「でも、それにしては何だかヘンテコなひとたちですね?」
彼らはつよくてクールなアニマルズ。
もこもこした可愛い見た目だが、最高に冷静な動物怪人だ。
「それって着ぐるみなんですか? ちょっと背中を見せてもらえますです?」
まいが背後に回り込もうとするとモグラさんはドリルを振りかざして抵抗する。ファスナーがあればきぐるみ確定だが、どうやらその確認はさせてくれないようだ。
――ギュイイン!
威嚇めいたドリルの音が響き、まいがぴょこぴょこと駆けて後ろに回ろうとする。
暫しぐるぐると回る攻防が繰り広げられたが、まいは途中ではっとした。
肩に掴まっていた牡丹くんが、あぶない、というようにまいの耳元で鳴いたからだ。刹那、別のアニマルがドリルを掲げて駆けてくる姿が見えた。
「……と、遊んでる場合じゃありませんですね!」
振るわれたドリル攻撃をとっさに避けたまいは加々知丸を振り抜き、いつもとは少し違う構え方でびしっと宣言する。
「いざやいざや、モグラ叩き! 天下無敵・悪鬼羅刹のヒーロー、レッドベリーが推して参りますです!」
その間にも迫るドリル怪人。
双眸を鋭く細めたまいはその矛先を見切り、跳躍することで回避した。
まいには突撃だけでは当たらないと察した怪人は攻撃方法を変えてくる。その動きが素早くなっていくことを感じ、まいは加々知丸を大きく振るった。
だが、連続攻撃を仕掛けてくる怪人のドリルがまいを貫く。痛いです、と思わず零したまいはこれ以上の追撃を避けるために後方に跳んだ。
ステージの上に立った彼女は先程の痛みを何とかするべく、肩にいた牡丹に目配せを送る。舞台裏に引っ込んだ牡丹はすぐにトレイと一緒に滑りながら登場した。
「何とこんな所にハンバーガーが!」
「ぷぎー!」
トレイで運ばれてきた食べ物をひょいと持ち上げたまいは、敵が迫ってくる前にそれをぱくりと頬張った。
そのハンバーガーは変身前に掲げていたものだ。冷めても美味しい。食べ物は粗末にしないというヒロインらしい姿を見せたまいは明るく笑む。
「これで痛いのもへっちゃらなのです!」
それは悪鬼饗宴――ガストロノーム・ブランチ。
超回復の力で痛みを退けたまいは敵を見据え、一気に反撃に出た。ドリルの攻撃がいくら素早かろうとも怪力で以て薙ぎ払えば問題ない。
「攻撃は最大の防御です! 押して押して、更に押して行きますですよ!」
まいは次々と敵を薙ぎ払っていく。
ドリルの音は徐々に少なくなっていき、辺りには倒れたモグラさんが積み重なる。その中でまいは見てしまった。
「ファスナーがひらいて……わわわわ、確認する前に消えてしまいましたです!」
或るモグラ怪人の背中が開いていた。
しかし近付く前にオブリビオンは骸の海に還ってしまい、中身を確かめることは叶わなかった。好奇心は満たされぬまま。
だが、まいは負けない。
こうなったら徹底抗戦だと決めたまいは強く刃を構え直した。
着ぐるみの中身が何だったのか。それは、彼女だけが知ることだ。
大成功
🔵🔵🔵
氷室・雪
ヒーローショーにつきものの怪人との戦いといったところか
戦いとなれば多少の恥ずかしいは気にならないと信じる
私の相手だが……
猫好きとして猫と戦うのには抵抗がある
蛙は出来れば視界に入れたくないくらいには苦手
となると消去法で土竜を相手にしよう
動物は皆可愛いのだがな
折角だから盛り上がる戦いをしたいところだが、
生憎とそのような術は持ち合わせていないのでな
戦い方が猫科の狩りに近いと考えれば猫耳・猫尻尾も違和感が少ない言えるかもしれない
集団戦は得意ではないので攻撃よりは回避を優先して戦おう
一対一ならば相打ち上等の攻撃も出来るが今はそうもいくまい
ドリルは防御が難しそうだしな
●ルミキッサと正義の証
襲い来る怪人と迎え撃つヒーローとヒロイン達。
ヒーローショーにつきものの構図だが、此度の戦いは本当に被害が出るかもしれない状況だ。ルミキッサこと雪は身構え、モグラさんドリル怪人に向かって駆けていく。
その際に猫耳と尻尾が可愛く揺れた。
「…………」
ちらりと尻尾を見遣った雪はすぐに気を取り直す。
ステージ上では恥ずかしかったが、戦いとなれば気にならなくなるだろう。そうに違いない。自分に言い聞かせた雪はモグラさんだけを見据えた。
他の怪人はネコちゃんとカエルさんがいる。猫好きとしては拳法怪人に対して抵抗がある。そして蛙に関しては視界に入れたくないくらいには苦手だ。
いくらファンシーな姿をしているとはいっても難しい。ということで、雪は消去法でモグラさんを相手取ることにしたのだ。
「動物は皆可愛いのだがな。平和を乱すならば容赦はしない」
何だかクールなヒロインらしい台詞だと自分で感じながら、雪は身構える。
しかし、きっと自分らしさを偽って戦うことはしなくていいはずだ。あの舞台でそうだったように言葉で飾らなくとも伝わるものがある。
ギュイイン、と鳴らされるドリルの音を聞きながら雪は身構えた。残雪の刃を差し向けた雪は一気に地を蹴る。
装着された猫耳が風を受けて平たく伏せられた。
それはまるで狩りをするときの獣のようだ。まさしく猫科の如く、尻尾をなびかせて駆ける雪。ドリルと刃が交差した次の瞬間、モグラさんがその場に伏した。
しかしまだ怪人は多い。
そして、違うモグラ怪人がキマイラの少年を襲おうとしている場面が目に入った。
「あれは――」
雪は身を翻し、少年と怪人の間に立ち塞がる。
ドリルの先端を刃で受け止めると重い衝撃が雪の全身に伝わってきた。だが、雪は渾身の力を振るって敵の武器を弾き返す。
「今のうちに逃げてくれ。ここは私が引き受けよう」
「う、うん……!」
ありがとう、と告げたキマイラの少年は雪を心配しながらも駆けていった。どうやら彼に怪我はないらしいと確かめた雪は改めて怪人を見据える。
刃から伝わった衝撃は重く、身体に響いたがまだ戦うことができる。此処からは回避すべきだと感じた雪は敵を鋭く見つめた。
「さあ、勝負と行こうか」
雪は敵に刃を差し向け直し、凛と身構える。
そして――正義の変身ヒロイン、ルミキッサは更なる戦いに挑んでゆく。
大成功
🔵🔵🔵
望月・舞夜
ラニィ姉(f19063)と
あはは、可愛い怪人さんだ。
これは、うん! 皆の夢、壊せないよね。
行こう、ラ――マジカル☆フェニックス!
ってわけでぇ……
「限定解放、ダーク・チェンジ――!」
黒い鎧で覆うのは、右腕だけ。〈夜魂鎧装〉限定展開・悪魔の腕――これくらいなら、うん、衣装の雰囲気も壊さないよネ。ギリギリ。うん。
「怪力」の特性を上手く使って……さぁ、拳法対決だよ、ネコちゃん! あちょー!
トドメはやっぱりヒーローらしく、きっ……きっく……じゃないっ! あぶなっ、見える、見えっ……
えっ!? えーっ……ふぇ、フェニックスかかと落としぃー!
※天才肌なので中国拳法っぽく戦うこと自体はなんか普通にこなせる
ラニィ・ユン
舞夜(f16466)と一緒に
まー、可愛いっちゃ可愛いけど……
私のマスコットになるには、ちょーっと物足りないかな!
と、いうわけで倒しちゃおう
いくよ、ソウルウィッチ!!
ソウルウィッチが拳法対決をするなら、私は後衛でサポート
【勇気】の炎、マジカルフレイム(ただのブレイズフレイム。傷はちびっこのために見せない)でどんどん攻撃しちゃおう!!
トドメは合わせていくよ!!
必殺の―――マジカル☆かかと落とし!!
※変身した時は照れもあったけど、何だかんだでノリノリ
●力を合わせて
ネコさんにカエルさん、モグラさん。
怪人を見渡した舞夜とラニィはそれぞれの反応を示す。
「あはは、可愛い怪人さんだ」
「まー、可愛いっちゃ可愛いけど……私のマスコットになるには、ちょーっと物足りないかな! ちょっと雰囲気がよくない!」
確かに愛らしくはあるがどれも目が笑っていない。そう感じたラニィは舞夜に視線を向け、身構えた。
「と、いうわけで倒しちゃおう」
「これは、うん! 皆の夢、壊せないよね」
「いくよ、ソウルウィッチ!!」
「行こう、ラ――マジカル☆フェニックス!」
ラニィからの呼びかけに応えた舞夜は地を蹴り、一気に敵の距離を詰める。ってわけでぇ、と掛け声めいた言葉を落とした彼女は片手を掲げた。
「限定解放、ダーク・チェンジ――!」
黒い鎧で覆うのは右腕だけ。
限定展開・悪魔の腕。きっとこれくらいなら衣装の雰囲気も壊さないはず。多分ギリギリだと判断した舞夜は怪人へと立ち向かっていく。
拳対決を挑む舞夜に対し、ラニィは後衛からのサポートを選んだ。
「――勇気の炎、マジカルフレイム!」
自身の体を切り裂き噴出する地獄の炎もこうやって演出すれば問題ない。ちびっこキマイラのためにも傷は見せないよう気をつけながら、ラニィは敵を攻撃していく。
ラニィはモグラさんドリル怪人を、そして舞夜はカエルさん殺法怪人を相手取り、次々と地に伏せさせていく。
その連携は見事であり隙がない。しかし怪人達も負けじと迫ってくる。
「さぁ、拳法対決だよ、ネコちゃん! あちょー!」
「にゃあー!」
勢いをつけた舞夜はネコ怪人と熾烈な攻防を繰り広げていった。ラニィも炎を散らしていき、それによって怪人の数がぐっと減る。
「トドメは合わせていくよ!!」
「トドメはやっぱりヒーローらしく、きっ……きっく……じゃないっ!」
「どうしたの?」
「あぶなっ、見える、見えっ……」
倫理コードに引っ掛かってしまうことを恐れた舞夜は慌ててしまった。しかし、大丈夫だと告げたラニィは舞夜に笑いかけ、ひといきに怪人に向けて駆けてゆく。
「必殺の――マジカル☆かかと落とし!!」
「えっ!? えーっ……ふぇ、フェニックスかかと落としぃー!」
変身したばかりのときは照れもあったが、今やラニィは何だかんだでノリノリだ。舞夜も覚悟を決め、全力の蹴撃を叩き込んだ。
そして、彼女達の周囲に集っていた怪人達はすべて蹴散らされた。
ハイタッチを交わしたマジカル☆フェニックスとソウルウィッチは笑みを浮かべ、次なる敵がいる上空を振り仰いだ。
配下を倒そうとも未だ戦いは終わっていない。
最終決戦が近付いているのだとして、彼女達は気を引き締めた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジャック・スペード
ここからが本番か
楽しいヒーローショーを邪魔する悪者たちには
たっぷりと仕置きが必要だろう
さあ、ダークヒーローの戦い方を見せてやろう
先ずはライフルに転じた片腕から
広範囲にマヒの弾丸をばら蒔こうか
足止めが叶えばリボルバーから氷の弾丸を広範囲へ飛ばし
ある程度の数を減らせたら幸いだ
撃ち漏らしは怪力で捕まえて零距離射撃
覚悟は良いな、お前たち
ヒトを――キマイラたちを傷つける者には、容赦などしない
何度過去の残滓が訪れようと、全てこの腕と弾丸で貫こう
カエルの反撃は、カワイイ見た目と裏腹に苛烈らしいな
学習力を活かして動きを観察したうえで
攻撃を見切って躱せたらと思う
避け損なった場合はシールドを展開して防ごうか
月居・蒼汰
一人でも戦隊ヒーローとして振る舞えるのはうさたのおかげ
相棒の勇ましい姿が何だか誇らしい
帰ったらおやつを奮発してあげよう、と心に誓ったのは別の話で
現れた怪人も、俺達や皆がいれば何も怖くない
観客の皆の目を意識しながら、ヒーローらしく振る舞えるように
兎苺戦隊、フルールフレーズのリーダーとして、うさたと一緒に戦おう
率先的に敵に飛び掛かっていくうさたと一緒に蹴り込んだり
うさたを援護するつもりでスピリットヒーローの力で雷のビームを撃ったり
臨機応変に戦いながら蹴散らしていく
共闘できる誰かがいれば力添えは惜しみなく
天竺牡丹の声が聞こえたならびしっと指差して
いつまでも高みの見物をしていられると思うなよ!と挑発
●スペードとフレーズ
会場中に集まってくる怪人達。
それらを見渡したジャックは構えを取り、ここからが本番だと口にする。
キマイラ達は逃げ惑う。その光景を上空から眺める怪人の首魁。破壊することが楽しいと宣う天竺牡丹は笑っている。
見た目は愛らしくとも、まさに悪者といった様相だ。ヒーローショーを邪魔するならばたっぷりと仕置きが必要だろう。
「さあ、ダークヒーローの戦い方を見せてやろう」
宣言と同時に舞台に映されていた黒のスペードが明滅する。
その光景を背にして駆け出したジャックはライフルに転じさせていた片腕を掲げた。其処から解き放たれるのは鋭い弾丸の雨。
――我が身総てが引鉄也。
麻痺の力を宿した銃弾が此方に迫ってきていたカエルさん殺法怪人を貫く。ばら撒かれた弾丸は各所で戦うヒーロー達の援護にもなり、敵の動きを封じていった。
更にジャックは銀の歯車が噛み合うリボルバーを構える。
「喰らうといい」
静かな一言が落とされた刹那、引き金が引かれた。正面から訪れていたカエルさんが撃ち貫かれ、為す術もなくその場に伏していく。
だが、そのとき。
弾丸の雨を擦り抜けた怪人がジャックを穿とうと近付いてきていた。
「――しまった」
気配は察知できたが、相手の動きは予想以上に素早い。このままではまともに一撃を受けてしまうだろう。衝撃を覚悟したジャックが夜色の盾を展開しようとした、次の瞬間。
「危ない!」
違う誰かの声が響いたかと思うと影が差す。
そのまま上空から落とされた蹴撃が怪人を貫いた。その攻撃の主は兎苺戦隊、フルールフレーズのリーダーたる蒼汰だ。その後に彼が連れている翼兎のうさたが続き、べしべしと怪人をキックした。
「すまない、助かった」
「誰かを助けるのがヒーローだよ。だから、こういう共闘も悪くないよね?」
「ああ、では共に戦おう」
ジャックからの礼を聞き、蒼汰は新たに現れたネコちゃん拳法怪人を見据える。
一人でも戦隊ヒーローとして振る舞えるのはうさたのおかげ。自分に続いてくれる相棒の勇ましい姿はとても誇らしかった。
(帰ったらうさたのおやつを奮発してあげよう)
ジャックの手前、言葉にせず心に誓ったのは別の話。彼やうさたが一緒に戦ってくれるならば何も怖くない。
此処に手助けに来る前、安全な場所に逃したキマイラも応援してくれるはずだ。
ジャックが敵の気を引き、蒼汰が観客を避難させた。彼らは出会う前から見事な連携を取っていた形となる。
「ネコとカエルが混ざり始めたな。俺は右から行こう」
「わかったよ。それじゃあ俺はうさたと一緒に左の方に!」
頷きあったジャックと蒼汰はそれぞれに駆け出した。うさたが率先して敵に飛び掛かっていく様を見遣ったジャックは頼もしさを覚える。其処に続いて雷の一閃を叩き込んだ蒼汰もまた、的確に敵を穿っていった。
どちらのヒーローに対抗しようか迷うカエル怪人は慌てていた。その隙を利用したジャックは一瞬で距離を詰め、片手で怪人を捕縛しながら零距離射撃を撃ち込んだ。それによって一体のカエルが崩れ落ち、周囲の怪人が慄いた。
「覚悟は良いな、お前たち」
ヒトを――キマイラたちを傷つける者には、容赦などしない。
ジャックが果敢に立ち向かっていく最中、いつしか蒼汰も彼に信頼を抱いていた。何度、過去の残滓が訪れようとも全てこの腕と弾丸で貫くだけ。
「一気に片付けようか。うさた、それにジャックも」
「そうだな。フルールフレーズ……だったか?」
声を掛けあった二人。蒼汰は自分達の名を告げ、合ってるよと笑う。
赤と灰、桜と白と蒼の五色だった戦隊に黒のジャックが加わる。この様はまるで六人目のメンバーが仲間に入ったかのようだ。そう思うと微笑ましく、嬉しくもあった。
その間にもネコちゃんが蒼汰の雷撃を弾き返し、カエルさんが苛烈な殺法で以てジャックへの反撃に入ってきた。
しかし、彼らは決して揺らがない。
攻撃を受け止め、時には避けることで立ち回り、次々と配下を蹴散らしていった。
すると上空にいた天竺牡丹が声をあげる。
「もう、何でうまく行かないの? アニマルズくんたちってばよわーい!」
「……アンタは仲間をそのように評するのか」
ジャックは目の前の敵を倒した後、天竺牡丹を見上げた。配下とはいえど共に戦う仲間を蔑ろにするのもまた、悪役らしい言動だ。
蒼汰も眉をひそめ、聞き捨てならないとしてびしっと天竺牡丹を指差す。
「いつまでも高みの見物をしていられると思うなよ!」
「ふーんだ、もう少ししたらあたしがお前達を消し去ってやるから!」
べ、と舌を出した天竺牡丹は蒼汰を睨みつけた。その間にもまだまだつよくてクールなアニマルズが襲いかかってくる。
ジャックはチェネルの黒外套を翻し、真白なマントをなびかせた蒼汰もうさたと共に敵に対応していく。
雷のビームと射撃が重なり、戦場が目映く彩られる。このアニマルズを倒せば首魁も降りて来るしかないだろう。
ジャックと蒼汰、そしてうさたは気を引き締める。
「併せて行こうか」
「俺達の力、キマイラの皆に見せてあげよう」
リボルバーを敵に差し向けたジャックからの声を受け、蒼汰は自分達が守る人々を思う。耳を澄ませば応援の声が聞こえた。
――頑張れ。負けるな!
――スペードのジャックにフルールフレーズ!
自分達を呼ぶ声を胸に抱き、彼らは戦い続ける。やはりその声こそが何よりも力になるのだと感じながら、ヒーロー達は敵を強く見据えた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アニカ・エドフェルト
招かれざる、お客さんの、お出まし、ですね。
魔法少女、ピュアリィアニカが、返り討ちに、しちゃいますっ
さて、それじゃ、魔法少女らしく、
ステッキを回しながら、それっぽい口上で、魔法を……
使うことは、出来ません、から(※なぜか飛ばない)、そうすると、思わせておいて、
《飛翔天使》で、近づいてからの、《舞踏天使》を、叩き込んで、いきます。
三次元的に、くるくる飛び回りながら、戦えると、いいかも、しれません、ね。
一通り、倒せたら、ふんわり着地して……
それじゃあ、あなたたちの、ボスに、出てきて、もらいませんと、ね。
(各種怪人さんを逃げられないように〈ロープワーク〉でぐるぐる巻きにしつつ)
(アドリブ連携歓迎)
●ピュアな翼
わあわあと会場に響くのは悲鳴と鳴き声とドリルの音。
怪人の襲撃に逃げ惑うキマイラ達を庇い、アニカは強く敵を見つめた。
「招かれざる、お客さんの、お出まし、ですね」
迫りくる怪人がキマイラを襲わぬよう、さっと間に割り入ったアニカは身構える。既に何体もの怪人が猟兵ヒーローによって倒されていた。
自分も何とか対抗するべきだとしてアニカは近くに居たカエルさん殺法怪人にびしりと指先を突き付ける。
「魔法少女、ピュアリィアニカが、返り討ちに、しちゃいますっ」
宣言と同時に一対の羽が飾られたステッキを回すアニカ。対するカエルさんは、あちょーとでも叫びそうな勢いで構えを取る。
代わりにケロケロと鳴き声が響く中、アニカはくるりと身を翻した。
「さて、それじゃ、魔法少女らしく……輝け、翼の力! ホーリー、ピュアリィ、シャイニング、フラワー!」
適当なそれっぽい口上と共に魔法を――使うことは出来なかった。
ぱたぱたとステッキの翼が羽ばたいているが飛べない。なんて、そうすると思わせておいてアニカは高く跳躍する。
「ケロ!?」
驚いたカエルさん怪人が慄く中、一気に距離を詰めたアニカは舞踏を踊るように蹴り撃を見舞った。叩き込まれた一撃は鋭く重い。
それによって一体目の怪人が地に伏した。敵が目を回して消えていく様を確かめたアニカは素早さを活かして更にジャンプした。
そうしてアニカは次の標的に向かう。くるくる飛び回りながら敵を翻弄し元気よく戦っていく少女は容赦がない。
「いきます、ねっ」
ぴょんぴょんと飛び回ったアニカはステッキを可愛く構えることは忘れず、未来の魔法少女的な蹴撃中心の攻撃で立ち回っていった。
やがて周囲の敵が一掃され、アニカはふんわりと着地した。
「それじゃあ、あなたたちの、ボスに、出てきて、もらいませんと、ね」
まだ怪人達は残っているが随分と数も減っている。
アニカは高みの見物をしている敵の首魁、天竺牡丹を見上げた。きっと彼女もこの状況ならばいよいよ戦いに加わらざるを得ないだろう。
「そろそろ、降りて、きてください!」
「もう、仕方ないなぁ!」
ピュアリィアニカの視線と天竺牡丹の眼差しが交錯する。
そして、戦いは佳境に入っていく。
🔜🔜 To Be Continued! 🔜🔜
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『天竺牡丹』
|
POW : わたしのモノになっちゃえ!
【天竺牡丹に恋する矢】が命中した対象に対し、高威力高命中の【恋慕の情】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 大活躍の予感!
予め【使い魔の時計版がぐるぐる回る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ : 一緒にがんばろ?
【異性を魅了する声と仕草】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
|
●ヒーローなんて大嫌い!
「もう、どうしてこうなっちゃうのかなあ」
会場を襲っていた怪人の半数がヒーローやヒロイン、魔法少女によって倒されていく。我慢ならずに空から降りてきた天竺牡丹は頬を膨らませていた。
「このイベントをめちゃくちゃにしてやりたいだけなのに!」
ぷんすかと怒る少女。
彼女は根っからの怪人らしく思考が悪者そのものだ。きっと会場を襲うなと説得しても聞く耳を持たないだろう。
そして、天竺牡丹は会場に残った怪人達に呼び掛けていく。
「それじゃみんな、一緒にがんばろ?」
片目を瞑った天竺牡丹の目元から愛らしいハートが飛ぶ。ネコちゃんにカエルさん、モグラさん怪人達はみな男性だったらしく、天竺牡丹の異性を魅了する声と仕草に沸き立った。
それによって怪人達の力が大幅に強化されていく。
「いっくよー!」
天竺牡丹はしめしめというように笑い、びしりと指先を猟兵達に突きつける。再び怪人を嗾けた彼女は自らも弓を構え、臨戦態勢を取った。
君たちヒーローは果たして、本当に平和を守ることができるのか。
さあさあ、此処からが大勝負。いよいよ決着のときだ!
シャルロッテ・ヴェイロン
(現れたボスの様子を見て)
――まぁ、いかにもオブリビオンらしい理由ですね。
ていうか、それにあおられてる怪人たちも似たようなものですが。
――それはさておき。
こちらもクライマックスモードといきましょう!
てなわけで、(SFアクションものの)戦闘ロボ、カモーン!
(なんだか魔法少女というより、スーパー戦隊のロボ戦みたいなノリになってるがそれはそれ)
で、UC使わせる前に時計版を破壊しちゃいましょう。それから内蔵兵器の【一斉発射】を食らわせ、最後は派手な必殺技でとどめといきましょう。
――え、雑魚の怪人?テキトーにプチっと潰しちゃいましょう(ぇ)。
※アドリブ・連携大歓迎です。
●魔法少女VS時計盤
地上に降り立った天竺牡丹。
その姿を見たシャルロッテは自分達が相容れない者同士なのだと悟っていた。
「――まぁ、いかにもオブリビオンらしい理由ですね」
相手は破壊を楽しむ者。
仲間にもそういった者がいないわけではないし、バトルゲームだって一種の破壊を楽しむ行為だ。しかし、理不尽で無慈悲なことを無邪気に行うような輩は少ない。
それに両者には猟兵とオブリビオン。またはヒーローと怪人という、相反する大きな立場の違いもある。
「ていうか、それにあおられてる怪人たちも似たようなものですが」
パワーアップした配下達を見遣り、シャルロッテは身構え直した。此処から大勝負ならば此方にだって考えがある。
「それはさておき」
サイバーパンクな魔法少女姿だったシャルロッテの身体が蛍光色の目映い光に包まれはじめた。怪人達が迫ってくる中、少女は強く言い放つ。
「こちらもクライマックスモードといきましょう! てなわけで!」
――戦闘ロボ、カモーン!
チェンジタップを掲げればシャルロッテの背後にゲームキャラクターが召喚されていく。更に彼女の姿も煌めきを纏った姿になった。ステージエフェクトの効果だ。
戦場に降り立ったのはSFアクションばりの見た目をした巨大でマックスなロボだ。
魔法少女というより戦隊ロボットバトルめいた勢いになってしまっているが、それはそれでこれはこれだ。
「ロボットでくるならこっちだって!」
「使わせませんよ」
天竺牡丹が使い魔の時計をぐるぐる回そうとした刹那、シャルロッテの操るロボットキャラが一気に弾丸を打ち込む。
時計盤を破壊することまでは出来なかったが、回転は止められた。
こうやって攻撃を続けていれば動きを阻止し続けることは可能だろう。シャルロッテは次々と襲ってくる怪人を蹴散らしながら、必殺技を決める瞬間を狙っていく。
「雑魚の怪人なんてテキトーにプチっと潰しちゃいましょう」
「にゃー!」
「ケロー!?」
シャルロッテの言葉通り、哀れに潰されていく怪人達。
しかしまだ戦闘は始まったばかり。此処から巡っていく攻防に思いを馳せ、電脳魔法少女とマックスロボットは戦い続けていく。
大成功
🔵🔵🔵
ビリー・ライジング
ミリィ(f05963)と共に行動
「怪人達は任せろ、大将を叩け!」
強化された怪人達は数の暴力で叩く。
【先制攻撃】の【高速詠唱】でUCを発動して、全軍突撃。
「俺の騎士団は【勇気】と【覚悟】が違う、抑えてみろ!」
天竺牡丹と戦く時には召喚した騎士団を一つに合体。
攻撃を【見切り】、反撃と見せ掛けた【フェイント】や、
【武器受け】の防御から、騎士団の【武器落とし】攻撃。
ミリィとのコンビネーションも合わせて、ボスを叩く!
ミリィ・ライジング
ビリー(f05930)と共に行動
「OK! お兄…フィニクス!」
強化された怪人はビリーに任せて、天竺牡丹を狙う。
護符や手裏剣に五行の【属性攻撃】【破魔】を込めて【投擲】。
「あなたの相手は私だよ!」
天竺牡丹の攻撃には【高速詠唱】でUCを発動。
一太刀目の居合で放たれた矢を切り落として、二太刀目の居合は天竺牡丹をを直接攻撃する。
攻撃が直接こちらに来た時は護符の【オーラ防御】で防御。
「斬り裂け! 武!」
●フィニクスとサマノス
激しく巡りゆく戦い。
それまで怪人を相手取っていた太陽の騎士フィニクスと月光の忍者サマノスこと、ビリーとミリィは空気が変わったことを感じていた。
これまでの怪人達とは違うパワーが満ちており、一筋縄ではいかないことが分かる。それもあの天竺牡丹が齎した力なのだろう。
ビリーはミリィを庇う位置取りに立ち、カエル怪人からの一撃を受け止める。
「サマノス! 怪人達は任せろ、大将を叩け!」
「OK! お兄……フィニクス!」
お兄ちゃん、と思わず呼びそうになったミリィは首を振り、大きく頷いた。怪人はパワーアップしているが、兄ならば何とかなるだろう。視線を交わしてからそれぞれに違う方向に駆け出したフィニクスとサマノスは互いの武運を願った。
「こっちだ! 怪人共!」
配下を引き付けて駆けるビリーは敢えて目立つ形で立ち回っている。
強化されたならば数の暴力で叩いていくだけだ。追ってくるカエル怪人を見遣ったビリーは誇りの烈風の力を発動させる。
其処に召喚されたのは白金の甲冑を纏う騎士団だ。
「俺の騎士団は勇気と覚悟が違う、抑えてみろ! ――全軍突撃!」
ビリーの掛け声と共に騎士達が怪人に立ち向かっていく。白金の鎧が光を反射して煌めき、鋭い刃と敵の殺法攻撃が交錯しながら巡っていった。
その戦いは激しく、怪人が次々と倒れていく。
だが、騎士達も敵によって倒されてもいた。首魁である天竺牡丹が与えた力を受けてかなりの攻撃力増強がされたのだろう。
(お兄ちゃん……負けないで! ううん、絶対に負けないよね)
信じてるから、と胸中に思いを抱いたミリィは今、首魁のもとへ駆けていた。
「ひとりでこっちに来るなんて、わざわざ死ににきたの?」
天竺牡丹はくすくすと笑い、揶揄うような視線を向けてくる。しかしミリィは怯まず、護符や手裏剣に五行の属性と破魔を込めて投擲していく。
「あなたの相手は私だよ!」
「ふふっ、返り討ちにされたいのかな?」
手裏剣を避けた天竺牡丹が弓を引いた。其処から放たれた恋する矢はミリィの身を貫き、鋭い痛みと共に不可思議な恋慕の情を与えていく。
「これくらい、何ともない……!」
ミリィは齎された感覚に抗いながら高速で詠唱を紡いでいった。
――色即是空、空即是色、立ち合え、武!
化身の剣豪の霊を召喚したミリィは彼に願う。すると一太刀目の居合が更に放たれた矢を切り落とし、二太刀目の居合が天竺牡丹に向けられた。
対する天竺牡丹は次々と矢を放ってくる。
次こそは攻撃を受けまいと決めたミリィは護符を掲げ、防御の陣を展開した。
「斬り裂け! 武!」
同時に剣豪に願った彼女はその太刀筋が敵を切り裂いていく様を見据える。其処へ、配下を蹴散らしたビリーが到着した。
「サマノス、大丈夫か?」
「平気だよ、フィニクス」
ミリィの身体には矢による傷痕があったが何とか大丈夫そうだ。ビリーは召喚した騎士団を一つに合体させ、首魁との戦いに意識を向ける。
「まだまだここからだね」
「ああ、俺達の力を見せてやろう!」
頷きあった兄妹ヒーローは此処から巡る戦いへの決意を強く抱いた。見れば新たな配下怪人が此方に迫ってきている。
危機ではあるが、ビリーもミリィも乗り越えられないとは微塵も思っていない。
そうして、騎士団と剣豪を共にした二人は戦場を駆け巡っていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラフィ・シザー
引き続き『ドルセ・フィロ』で。
いや、イベントをめちゃくちゃにするほうが間違ってるからな。
それにヒーローやヒロインが沢山いるイベントなんだ怪人の思い通りになるはずがないと思うんだけど。
って事でお前もお仕置きな。
UC【Dancing Scissors】
馬鹿の一つ覚えと思うなかれ。
馬鹿と鋏は使いようってな♪
ん?ちょっと違うか?まぁ、いいや!
【戦闘知識】で戦場の把握はバッチリ♪
【ダンス】しながら回避できちゃう!
軽やかに近付いて【暗殺】
アドリブ連携歓迎。
●ヒーローとして
ついに会場に降り立った天竺牡丹。
彼女が語る滅茶苦茶な理論を聞き、ラフィはびしっと指先を突き付け返す。
「いや、イベントをめちゃくちゃにするほうが間違ってるからな!」
「ふふーんだ、これがこっちの正義なんだよ」
「なんだよそれ。それにヒーローやヒロインが沢山いるイベントなんだぜ。怪人の思い通りになるはずがないと思うんだけど」
「あのねえ、正義ってのは勝った方が名乗れるの。つまり――」
怪人達が勝利すれば、ヒーローは天竺牡丹側が名乗ることができる。そんな風に語った天竺牡丹は使い魔の時計をぐるぐる回しはじめた。
対するラフィは片刃の鋏を取り出し、己の力を発動させていく。
「ってことでお前も怪人と一緒でお仕置きな」
踊れ、と謳った少年は薄く笑む。
其処から軽快なステップを踏んだラフィは鋏を複製して戦場に躍らせていった。
「馬鹿の一つ覚えと思うなかれ。馬鹿と鋏は使いようってな♪」
「はあ? 何言ってんの?」
「ん? ちょっと違うか? まぁ、いいや!」
ラフィの言葉に対し、天竺牡丹は怪訝な顔を見せる。それでも彼は特に動じずに鋏を使って時計盤を攻撃していった。
既に戦場の把握はバッチリだ。踊りながら敵の攻撃を回避したラフィは更に踏み込む。そのまま軽やかに近付いて――暗殺、とはいかない。
何故なら、天竺牡丹の力を受けて突撃してきた怪人がいるからだ。
「おっと、まずはこっちの相手かな」
すっかり怪人の事を忘れていたが未だ敵は多いのだ。
気を取り直したラフィは身構え直し、更なる鋏を操っていく。戦場を飛び交う刃は鋭く軽快に飛翔していった。
此処から巡っていくのはドルセ・フィロとしての更なる戦い。
絶対に負けられないと心に決め、ラフィは持てる限りの力を振るってゆく。
大成功
🔵🔵🔵
マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
引き続きスコルピ・エイル
いやいや、イベントをめちゃくちゃにするから邪魔すんだって
怪人はヒーローに負けるのがお決まりなんだから
さっさと降参した方が身のためだぜっ!
それじゃオレは地上から縫と連携していくぜ
オレも【挑発】しながら小刀に炎を纏わせて
【先制攻撃】炎【属性攻撃】【2回攻撃】で斬りつける
おっと、上ばっかみてると危ないぜ?
敵の攻撃は【フェイント】で避けて
隙が出来たら銃に持ち替えてUC使用
炎の【全力魔法】でぶっ飛ばしてやるぜっ!
縫、勝ったら勝利のハイタッチしようぜっ♪
真幌・縫
マクベス(f15930)くんと♪
引き続き『シーニャ・エイル』で
ヒーローはみんな強いけど…ぬいのヒーローはとっても強いんだよ♪
マクベスくんマクベスくんぬいは空から援護するよ!
高いとこから見てるだけじゃ勝てないよ〜!
こないならこっちから行っちゃうね♪【挑発】
【空中浮遊】でふわりと浮いて【空中戦】だよ!
【高速詠唱】【全力魔法】でUC【虹色の魔法】発動!【属性攻撃】虹で威力を強化!
【視力】でしっかり標的確認!いっけー!
(ふふ、スコルピ・エイルの写真は…あの人にこっそり見せてあげよう)
うん♪ハイタッチ!
●二人の絆
首魁が登場して更に激しくなる戦闘。
戦場に降り立った敵を見据え、マクベスは更に身構える。
「いやいや、イベントをめちゃくちゃにするから邪魔すんだって!」
天竺牡丹に向けて突っ込んだマクベスは縫と共に周囲を見渡す。彼らのまわりにはパワーアップした怪人達が揃っていた。
「ヒーローはみんな強いけど……ぬいのヒーローはとっても強いんだよ♪」
だから負けない、と掌を握った縫は攻撃の準備を整える。その言葉を嬉しく感じながら、マクベスは強く言い放った。
「いつだって怪人はヒーローに負けるのがお決まりなんだから、さっさと降参した方が身のためだぜっ!」
「もう、またそういう台詞? 他の誰かからも聞いた気がするけどなぁ」
対する天竺牡丹は肩を竦める。
そして、二人の周囲にいる配下達に攻撃を命じてから何処かに飛び去ってしまった。おそらくは別の猟兵と戦いに向かうのだろう。
ばいばーい、と手を振る敵に思わず手を振り返してしまった縫だが、はっとして周囲の怪人達を見遣った。
まずは彼らを倒さなければ始まらない。
「マクベスくんマクベスくん、ぬいは空から援護するよ!」
「それじゃオレは地上から縫と連携していくぜ!」
声を掛け合った二人は邪魔な怪人達を蹴散らすべく、互いにタイミングを合わせて立ち向かっていく。マクベスは敵を挑発しながら小刀に炎を纏わせ、一気に斬りかかる。そこに合わせて縫が空から攻撃する。
「こないならこっちから行っちゃうね♪」
マクベスは地上から炎を。縫は空から全力魔法を解き放った。怪人を二連続で斬りつけたマクベスは敵が縫に引き付けられていると察し、そちらに声をかける。
「おっと、上ばっかみてると危ないぜ?」
「高いとこを見てるだけじゃ勝てないよ~!」
空中にふわりと浮く縫も敵を翻弄し、虹色の魔法を発動させた。
更にマクベスが怪人達の攻撃をフェイントで避け、隙ができたところで銃に持ち帰ることでガトリングショットを解き放ってゆく。
「いっけー!」
「この炎でぶっ飛ばしてやるぜっ!」
縫とマクベスと一気に力を振るい、先程と同様に息を合わせて怪人を倒していった。
そんな中で縫はくすりと笑う。
(ふふ、スコルピ・エイルの写真は……あの人にこっそり見せてあげよう)
そして、周囲の敵が居なくなったところで二人は視線を交差させた。どうやら自分達に向かってくる怪人はもう居ないようだ。
それならば後は天竺牡丹を追いかけて決戦に持ち込むだけ。
「縫、勝ったら勝利のハイタッチしようぜっ♪」
「うん♪ ハイタッチ!」
「ってまだ勝ってないだろ!」
「わあ、そうだったね。行こうマクベスくん」
そんな二人らしい遣り取りを交わし、縫とマクベスは天竺牡丹の方へ向かう。
決着の時はもうすぐ。
ヒーローとヒロイン達の大勝負の時が迫っている。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
動物さん怪人達が強くなってやがる
その声援をキマイラ達や世界の為に使ってくれたらいいのに、惜しい限りだ
牡丹に魅了されて強くなっているのなら
オレの闘争心を込めた槍で攻撃して感情を上書きさせて弱体化させるぞ
数は多いが無限じゃないからいずれ倒しきれると思うが、
万が一乱戦中に牡丹から放たれた矢に当たって洗脳されたら大変だ
心の中で牡丹と戦いたい、競い合いたい、好敵手(とも)になりたいと
精神の力を溜めて狂気耐性を高めておくぞ
もし矢が当たってしまっても、恋をしているからこそ
オレらしく、そしてヒーローらしく彼女を改心させたいと
心の致命傷を耐えて、同じく闘争心を込めた攻撃で反撃しつつ
オレ自身の闘争心の復活を狙うぜ
●闘争と情熱
ネコとカエル、そしてモグラ。
それぞれの怪人がグァーネッツォを取り囲み、攻撃を放つ。
「うわ、っと!」
拳法に殺法、ドリルの一撃。それらは先程とは比べられない程に強くなっており、グァーネッツォは思わず声をあげた。
しかしまともにくらったわけではない。ドリルを避けたグァーネッツォは身を翻しながら敵との距離を図り、幽冥竜槍を構え直した。
「怪人達が強くなってやがる……!」
その力の根源は天竺牡丹からの応援と魅了だ。
声援をキマイラや世界の為に使ってくれたならばより良い未来が訪れるかもしれないのに。そのように惜しむグァーネッツォは地を蹴り上げ、槍を怪人に差し向けた。
「お返しだ!」
グァーネッツォは鋭い一閃を叩き込む。
其処には大きな狙いが合った。相手が天竺牡丹に魅了されて強くなっているのなら、その感情を己の闘争心を込めた一撃で塗り潰してやればいい。
ひとまずは自分の周囲の敵へと闘争心を齎していくべきだろう。そう考えたグァーネッツォは次々と怪人を穿っていく。
小柄さを活かして立ち回る彼女の槍が振るわれる度、怪人の感情が上書きされていく。相手は闘争心で猛っているが、それこそグァーネッツォの思い通りだ。
「やっぱり弱体化したな!」
突撃してきた怪人の一撃が弱まっていることを察したグァーネッツォは笑みを浮かべた。これならば先程までの怪人と同じですぐに倒せる。
相手の数は多いが、無限ではない。それに他の猟兵達も善戦しているのできっと倒しきれるだろう。だが――。
「今だ、隙ありっ!」
「来たか!」
天竺牡丹の声が響き、恋する矢が放たれた。
されどグァーネッツォはそれも予想していた。乱戦中に敵が此方を狙ってくるのは必然だ。洗脳の力を齎す矢を槍で弾き返した彼女はすぐに後方に下がる。
しかし、其処には怪人が待ち受けていた。
「しまった!」
「よくやったね、ネコちゃん。後でご褒美あげる!」
グァーネッツォが怪人を振り払わざるを得ない状況の中、天竺牡丹が更に矢を放つ。腕に突き刺さった矢はグァーネッツォに恋慕の感状を与えていった。
「オレが、この程度でやられるなんて思うなよ!」
矢を即座に抜いた彼女は恋慕に支配される気などなかった。心の中で敵と戦いたい、競い合いたい、好敵手になりたいと強く願い、戦いを継続させてゆく。
ネコ怪人を薙ぎ払ったグァーネッツォは、恋をしているからこそ動けることもあるのだとして己を解放する。
「悪事に手を染めるなら、オレが改心させてやる」
自分らしく、ヒーローらしく立ち向かうグァーネッツォの瞳はまっすぐだ。
そして、彼女は闘争心を燃やす。
強い思いが重なりあう。それは即ち更なる力の現れでもある。
巡る攻防に熱が宿り、そして――戦いはクライマックスに向かってゆく。
大成功
🔵🔵🔵
月居・蒼汰
人々の夢と希望を抱いたヒーローたちの晴れ舞台を
滅茶苦茶にするなんて
…まさか、ここにいるヒーロー達が許すと本気で思ってた?
残念、この世界の平穏は怪人なんかに乱させやしない
お前達の悪事は、ここで終わりだ
うさた、最後まで油断せずに行こう
(うさたはわかってるとばかりに鼻を鳴らしてやる気いっぱい)
最後まで、今はこの世界のヒーローとして舞台に
飛び跳ね回るうさたが怪我しないよう気をつけつつ
うさたが蹴りを入れたらすかさず天竺牡丹へ狙いを定め
手下も巻き込み全力で放つは煌天の標
無数の光が流れ星のように、希望のように皆の目に映ったらいいなって
少しだけ思うんだ
敵が倒れたらちゃんともう一回ポーズを決めて、舞台を降りるよ
●戦いの先に
此処は夢と希望に満ちた場所だ。
平和を守り、皆に希望をもたらす。ヒーローは勿論、その姿を見つめる人々も輝く晴れ舞台だったはず。
「それを、滅茶苦茶にするなんて……」
蒼汰は裡に宿った憤りで震えそうになる拳を握り締めた。この騒ぎを起こした天竺牡丹は壊されていく会場を見つめて笑っていた。玩具で遊んでいるかのような軽い笑みは一見は無邪気に見えて、とても邪悪だ。
「あははっ! もっと暴れて、ヒーローなんて倒しちゃえ!」
天竺牡丹は強化した怪人達に命じる。
しかし蒼汰がそうはさせない。他の猟兵達と手分けをして怪人の前に回り込み、会場やキマイラへの被害を防いでいった。
確かに敵は強化されているが、蒼汰達に敵うほどの力は持っていない。
飛び跳ね回るうさたの援護を受けた彼は月と星の矢を解き放ち、怪人の足を貫くことで動きを止めていく。此方の立ち回りに気付いた天竺牡丹は不機嫌そうな表情を見せ、蒼汰の前に飛んできた。
「だからぁ、邪魔しないでくれる?」
「まさか、ここにいるヒーロー達が許すと本気で思ってた?」
「許されなくてもやっちゃうもん!」
「残念、この世界の平穏は怪人なんかに乱させやしない」
天竺牡丹と蒼汰の鋭い視線が交わり、敵意と決意が交錯する。それなら、と弓を構えた敵は蒼汰を狙い打った。
しかし蒼汰とてその動きを読んでいないわけがない。
即座に地を蹴った彼は数歩に分け、一気に後方に下がった。地面に突き刺さった矢は全て外れてしまう。
「もーっ、ちょこまかと!」
「お前達の悪事は、ここで終わりだ。やろう、うさた」
矢を当てられなかったことで空中で地団駄を踏む天竺牡丹。その隙に、とうさたに呼び掛けた蒼汰は力を紡ぐ。
最後まで油断せずに行こうと呼びかければ、うさたはわかっているとばかりに鼻を鳴らしてみせた。やる気いっぱいだと語るような仕草に薄く笑み、蒼汰は誓う。
今はこの世界のヒーローとして。
この舞台を飾り、勝利を手に入れよう。蒼汰と似た気持ちをきっとうさたも抱いている。怪人を擦り抜け、天竺牡丹に向かったうさたの後に続いた蒼汰は更なる矢を放つために身構える。
そして、うさたが敵に蹴りを入れた瞬間。
「来たれ、宙の導きよ」
「なに!? わわ、ちょっと……!」
詠唱と共に、手下も巻き込みながら全力で解放されたのは煌天の標。うさたキックに気を取られていた天竺牡丹は対処できず、慌ててしまう。
加護を宿した無数の光は宛ら、流れ星のように戦場を翔けていく。
この光が皆の目に希望として映りますように。願いを掛けるように真剣な眼差しを向けた蒼汰は続く戦いを見据える。
「うう、一時退散! 逃げるが勝ちー!」
「逃がすはずなんてない。うさた、まだいける?」
相棒に向け、俺は勿論いけると伝えた蒼汰は逃げていく天竺牡丹を追うために駆け出した。その最中に蒼汰は思う。
この戦いが終わったら、ヒーローを信じて応援してくれた皆の前に行こう。
そうして、ちゃんともう一度ポーズを決めて希望を示したい、と――。
大成功
🔵🔵🔵
オズ・ケストナー
嵐吾(f05366)と
イベントをめちゃくちゃになんてさせないっ
だいじょうぶ
パワーアップしたってわたしたちの敵じゃないよ
いこうっ
わあ、かわい…じゃ、なかったっ
天竺牡丹の声と仕草に
顔を手で隠しながら後退り
ランゴ、しっかりっ
びっと腕を伸ばしてポーズを決めて
ミレナリオ・リフレクションっ
そんなゆうわくにはのらないよっ
だって、邂花隊にはブルームシュネーがいるからっ
シュネーっ
宙に浮いてたって、シュネーならとどく
空から雪をふらせるのはわたしのやくめだよっ
ランゴの咲かせた花の中を駆けるように
天竺牡丹の元までシュネーを送りこんで
上から蹴りっ
あーんど、シュネーの糸でつかまえるよ
イエロー、おねがいっ
やった、イエローっ
終夜・嵐吾
オズ君(f01136)と
怪人がパワーアップを!?
それらをちぎっては投げして、天竺牡丹のもとに向かおう
天竺牡丹、邂花隊が相手じゃ!
ブルームブルー、ブルームシュネー、共に力をあわ……
あっ、天竺牡丹ちゃ~ん!か~わ…い……
……な、などと! 魅了されたりはせんのじゃよ…!
わしは、負けぬ!(ふるふると首をふり)
そうじゃ!シュネーのほうがキュートじゃ!
大地から得た力で花を咲かそう
虚、綺麗に舞って遊んでおいで、と花弁として送り出そう
ブルーの声に「任された!」と頷いて、チャンスと見ればしゅたっと走り込み
「スライディングアタックー! ついでにくらえもふしっぽ!」
ブルーも褒めたわしの尻尾をくらえなんじゃよ!
●巡り邂う花
無邪気でありながらも悪意に満ちた声が戦場に響く。
天竺牡丹が嗾けた怪人達は更なる気合いを入れ、ヒーロー達に襲いかかってきた。
「イベントをめちゃくちゃになんてさせないっ」
オズは敵を迎え撃ち、放たれる拳法を跳ね返していく。嵐吾も己の力で花を巡らせ、怪人を穿とうと試みた。
しかし相手は先程とは比べものにならないほどの力を得ているようだ。
「怪人がパワーアップを!?」
「だいじょうぶ、力をあわせればわたしたちの敵じゃないよ」
「そうじゃの。多少強くとも散らしてやろう」
「うん、いこうっ」
一度は驚いた嵐吾だが、オズの心強い言葉を聞いて気を取り直す。今はひとりではなく、彼とシュネーがついてくれているのだ。
迫ってきた怪人を嵐吾が花で目を晦ませ、駆けたオズがその相手を踏んで跳躍する。良いぞ、と笑った嵐吾は更なる花で怪人を包み込んだ。
そうやって敵をちぎっては投げ、踏んでは飛び越えた彼らは天竺牡丹のもとに向かっていく。見れば彼女は他の猟兵と交戦していたようだ。
どうやら不利を悟って逃げてきたところらしく慌てている。嵐吾とオズはその前に回り込むことで行く手を阻んだ。
「わあっ!? もう、驚かさないでよね!」
「天竺牡丹、邂花隊が相手じゃ!」
「邪魔するつもりならこうだよ。えーいっ!」
嵐吾がびしりと宣言すると、天竺牡丹は異性を魅了する声で可愛いポーズを取る。それによってオズと嵐吾の胸がきゅんとした。
「ランゴ、たいへんっ」
「ブルームブルー、ブルームシュネー、共に力を……あっ、天竺牡丹ちゃ~ん!」
「わあ、かわいいっ」
途端に彼女の可愛さにめろめろになる二人。少しばかりガードが緩々だったが愛らしいのだから致し方ない。しかしすぐに彼らははっとする。
「か~わい、い……?」
「じゃ、なかった……ランゴ、しっかりっ」
オズは顔を手で隠しながら後退りをして、嵐吾を呼ぶ。彼もふるふると尻尾と首を振って正気を取り戻す。
「な、などと! 魅了されたりはせんのじゃよ!」
「あれ、ちょっときゅんきゅんしてたのに?」
天竺牡丹は此方を揶揄うようにくすくすと笑った。されどオズは気を強く持ち、びっと腕を伸ばしてポーズを決めてみせる。
「ゆうわくにはのらないよっ」
「そうじゃ! わしらは、負けぬ!」
「だって、邂花隊にはブルームシュネーがいるからっ」
「シュネーのほうがキュートじゃ!」
嵐吾もオズに合わせて腕をぐっと伸ばすことでポーズを合わせた。二人はシュネーを真ん中にして凛と立ち、反撃に入る。
「シュネーっ」
「虚、綺麗に舞って遊んでおいで」
オズはシュネーを、嵐吾は虚に力を託して敵を穿ちにかかった。
大地から得た力で以て花を咲かせていく嵐吾が花弁を散らす。シュネーを伴ったオズがその花の路を駆け抜け、天竺牡丹へと迫っていった。
「空から雪をふらせるのはわたしのやくめだよっ」
「わしの役目は二人を送り出すことじゃ」
天竺牡丹の元までシュネーを送り込んだオズは敵に鋭い蹴りを叩き込む。更にシュネーの糸が敵を絡め取り、一時的に動きを阻んだ。
「イエロー、おねがいっ」
「任された!」
ブルームブルーからの呼び掛けに応えたブルームイエローはしかと頷く。絡められた天竺牡丹はじたばたと暴れていた。
其処に大きな隙が生まれたと感じ取り、嵐吾は素早く距離を詰める。
そして、其処から放たれるのは――。
「スライディングアタックー! ついでにくらえもふしっぽ!」
ブルーも褒めたわしの尻尾をくらえ。
得意げな声と仕草と同時に叩き込まれた連撃は天竺牡丹を見事に穿った。うわわ、と声をあげた敵はかなりの力を削られたようだ。
「やった、イエローっ」
「ブルーとシュネーのお陰じゃよ」
「こらーっ、喜ぶのはまだはやいよ! でもでもやっぱり逃げるが勝ちっ!」
喜びあう二人を尻目に天竺牡丹は翼をはためかせて飛び立とうとする。まだ戦場から離脱するわけではなさそうだが、オズ達の前からは撤退するようだ。
「あっ、待って」
「逃さぬ! 勝ち逃げにはさせんのじゃ!」
追いかけようと決めた邂花隊は天竺牡丹の背を見失わぬよう駆けてゆく。
嵐吾達が後にした戦場には美しく散った花の跡が残っていた。邂花という名に相応しく、彼らが芽吹かせたものは勇気と希望。
この戦いも徐々に終わりが近付き、幕が下ろされようとしている。
きっと此処からもまた、花のように鮮やかな戦いが巡っていくのだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ユヴェン・ポシェット
あのケロケロ共を倒しながら気づいた事がある。それは…俺以外は見た目だけでなく心も、初めに変身したヒーローのままだという事。
…俺がおかしいのか。そういえば何だかこのピンクにも次第に慣れてきた様な気が………やはりしない。
しかし、俺も乗るべきなのだろうか(但し目が死にかけている)
…
あまり調子に乗るなよ。この『マジカル🌟ポシェット』、そして『ドラゴン💞ハート』がこのイベントをめちゃくちゃになんてさせやしないさ。(但し目が死んでいる)
少しのってみるものの、やはり早く着替えたい事には変わりないので、巻きで!敵が強くなろうと関係ないと言わんばかりの物凄い勢いで倒していく。
ただ、終わらせたい…その一心で。
●マジカルハートの意志
地上に降り立った天竺牡丹。
彼女の指揮によって怪人達の力が増幅されていく。その最中にカエル怪人が迫ってくる様を見据え、ユヴェンは竜槍で一撃を受け止めた。
だが、敵の攻撃は妙に重い。成程と呟いたユヴェンは金獅子のロワに願い、数歩下がって身構え直す。
「先程までとは一味違うというわけか」
ユヴェンは強化された敵の様子を窺い、距離を計ってゆく。
一瞬の油断が敗北に繋がるかもしれない。そう察した彼はふと気付いた。
怪人達を倒しながら思ったのは、自分以外は見た目だけでなく心も変身したヒーローのままだということ。
(……俺がおかしいのか?)
素早く動き、距離を詰めてきた怪人に対応しつつユヴェンは考える。
此方が踏み込んだり避けたりする度にピンクの外套が揺れた。まだ恥ずかしい気持ちは消えていないが、少し変わったこともある。
(そういえば何だかこのピンクにも次第に慣れてきたような気が……)
――しない。
胸中で独り言ちたユヴェンは首を振り、やはり何も変わっていないと断じた。
そして彼はぽつりと疑問を落とす。
「しかし、俺もこの流れに乗るべきなのだろうか」
死んだような瞳で戦い続ける自分も今はヒーローのひとり。微妙な気持ちになりながらもユヴェンは槍を振るい、怪人を穿った。
いくら敵が強くなろうともユヴェンの相手ではない。
ロワと共に敵の配下を蹴散らしていったユヴェンは首魁に近付いていく。駆けてきた獅子とユヴェンに気が付いた天竺牡丹がはっとした。
「それ以上、近付くの禁止ーっ!」
使い魔の時計盤を回して力を溜めていた天竺牡丹はユヴェンを睨みつける。
されど彼らはそんなことで怯みはしない。寧ろ、あの時計を回され続けたならば敵の力が増幅されてしまう。
「あまり調子に乗るなよ。この『マジカル🌟ポシェット』、そして『ドラゴン💞ハート』が、このイベントをめちゃくちゃになんてさせやしないさ」
「むむ、かっこいいこと言っちゃって!」
決死の思いで名乗ったユヴェンの目は死んでいる。
対する天竺牡丹は格好いいと言っていたが、やはり早くこのコスチュームを着替えたいことには変わりがなかった。それゆえに戦闘シーンは巻きでお願いしたい。それがユヴェンの切なる思いだった。
幸いにも他のヒーロー達の力によって天竺牡丹は弱りはじめている。
ならば自分もこの一手によって次に展開を繋いでいくだけだ。
「ミラクルキュート💗スピアハートアタック――!」
そして必殺技名を叫ぶ。
自棄ではあるが、ただただ終わらせたい。
その一心で敵へと槍撃を見舞っていったユヴェンの表情は真剣だ。そして、更に振り下ろされた一閃は終わりの始まりを飾ってゆく。
大成功
🔵🔵🔵
ジャック・スペード
やっと前線に出て来たか
楽しいイベントを悲しい想い出にはさせない
お前には速やかに退場して貰おう
強化させる訳にはいかないな
先ずはぐるぐる回る時計版を銃で撃ち抜こう
スナイパーの心得を活かして確実に当てて行きたい
さあ、ショータイムだ
召喚するのは歯車が噛み合う蒸気仕掛けの大剣
炎を纏わせ敵本体へと攻撃しよう
大きく剣を振い炎の衝撃波を飛ばしたり
雷の弾丸を撃ち込み動きを止めた隙に
捨身の一撃で肉薄して切り伏せたい所だ
弓矢の攻撃はシールドで防ぐか
リボルバーから放つ銃弾で撃ち落として防御を
折角得た此のこころ、怪人にくれてやる訳にはいかないからな
お前たち怪人が何度悪巧みをしようと
キマイラたちの平和は必ず守って見せる
●決着と喝采
高みの見物をしていた天竺牡丹が戦場に降り立って暫く。
仲間と手分けをして配下達を相手取っていたジャック。彼は自分の周囲を取り囲んでいた怪人達を散らし、その全てを地に伏せさせていた。
そうして、天竺牡丹が近くに移動してきたことを悟って振り返る。
「やっと前線に出て来たか」
「ひっ、まだヒーローがいるの?」
双眼を向けてくるジャックに気付いた天竺牡丹は恐れ慄く。その理由は他の猟兵によって彼女が追い詰められていたからだ。
既に怪人達も殆どが倒されており、天竺牡丹は逃げの姿勢だ。
だが、逃走などさせはしない。それに楽しいイベントを悲しい想い出にはさせないのだと強く思い、ジャックは天竺牡丹の前に立ち塞がった。
「お前には速やかに退場して貰おう」
「ふーんだ! そうくるならこっちもこうなんだから!!」
対する天竺牡丹は時計をぐるぐる回して力を溜めようとする。しかしその瞬間、ジャックが片腕の銃から撃ち放った弾丸が時計版を撃ち抜いた。ひゃっ、という情けない声をあげた天竺牡丹が後退る。
代わりに弓矢の攻撃が放たれたが、ジャックはリボルバーから放つ銃弾で矢を撃ち落としていく。其処に生まれた隙を狙った彼は片手を掲げた。
「さあ、ショータイムだ」
其処から召喚されたのは歯車が噛み合う蒸気仕掛けの大剣。その刃に炎を纏わせたジャックはひといきに地を蹴った。
大きく剣を振るい、炎の衝撃波を舞い飛ばした彼は天竺牡丹を一閃する。
更に至近距離から雷の弾丸を撃ち込んだジャックは敵の動きを一瞬だけ縛った。天竺牡丹も必死に弓を打つが、身体に力が入っていない。
「このっ! このぉっ!」
それでも飛ばされた矢はジャックの身体を貫こうとする。だが、彼は矢の衝撃など無視して更に肉薄した。
こんなところでやられるつもりなどない。
ヒーローとして戦う姿を皆が見てくれている。隠れていようともキマイラ達の声援はまだ遠くから聞こえており、それらが自分に力を与えてくれている気がした。
「折角得た此のこころ、怪人にくれてやる訳にはいかないからな」
ジャックは大剣を構え直し、敵を見据える。
そして、すべての怪人を倒し終わった仲間達も駆け付けてきた。
巨大ロボットで応戦していた魔法少女シャルロッテ。兄妹で力を合わせて戦い続けたビリーとミリィ。鋏で敵を蹴散らしたラフィ。
常に協力しあっていたマクベスと縫。闘争心を燃やし続けたグァーネッツォ。
うさたと一緒に希望を見つめ続けた蒼汰。花の軌跡を描き、共に駆け抜けてきたオズとシュネーと嵐吾。必殺技で敵を追い詰めたユヴェン。それ以外にもたくさんのヒーロー達が現れ、敵を囲んでいく。
彼らは次々と集い、天竺牡丹に最期を与えるべく動いていた。
心強いヒーロー達を見渡したジャックは強く宣言した。
「お前たち怪人が何度悪巧みをしようと、キマイラたちの平和は必ず守って見せる」
「……もう逃げられない、かな」
対する天竺牡丹は敗北を覚悟していた。
彼女は逃げることを止め、潔さすら感じられる言葉を放つ。
「じゃあ最期に見せてよ! キミたちヒーローの正義の力ってやつを!」
そして――。
其処から解き放たれたヒーローとヒロイン、魔法少女達の攻撃が天竺牡丹を貫いた。
眩い光が辺りを包み込む。その輝きが晴れた後、戦いは見事に集結した。
戦いを見守っていたキマイラ達から歓声があがる。
拍手と一緒に喜びと感動に満ちた声が響き、此処に平和が取り戻された。少しばかり壊された会場もまるで名誉の傷であるかのようだ。
こうしてヒーロー達は本当の英雄となり、会場に鳴り止まぬ喝采が巡った。
――これにて、一件落着!
●エンドロール・ヒーローズ
~出演者~
♠️『スペードのジャック』:ジャック・スペード
🐇『フルールフレーズ』:月居・蒼汰&うさた
🐾『シーニャ・エイル』:真幌・縫
🐈『スコルピ・エイル』:マクベス・メインクーン
☀『サン・コライユ』:グァーネッツォ・リトゥルスムィス
🌙『ルナリア・シュヴァリエーラ』:ルナ・ステラ
🌄『太陽の騎士フィニクス』:ビリー・ライジング
🌃『月光の忍者サマノス』:ミリィ・ライジング
💻『サイバーマジシャンガール』:シャルロッテ・ヴェイロン
💗『ピュアリィアニカ』:アニカ・エドフェルト
🍓『レッドベリー』:花咲・まい
🐱『にゃんとすリリィ』:朧・紅
💐邂花隊🌻
🦊『ブルームイエロー』終夜・嵐吾
🎩『ブルームブルー』『ブルームシュネー』:オズ・ケストナー&シュネー
✂『ドルセ・フィロ』:ラフィ・シザー
🌟『マジカルポシェット』『ドラゴンハート』:ユヴェン・ポシェット&ミヌレ
🦉『アステリアスター』:朝日奈・祈里&アストライオス
❄『ルミキッサ』:氷室・雪
🦚『マジカル☆フェニックス』:ラニィ・ユン
🐉『魔導英雄ソウルウィッチ・チャイナバージョン』:望月・舞夜
🔥団地レンジャー🔥
🌿『団地グリーン』:ノア・コーウェン
🖤『団地ブラック』:三岐・未夜
💎『団地アクアブルー』:兎乃・零時
💜『団地パープル・オレンジ・ピンク』:未魚月・恋詠&ヒナゲシ&ナデシコ
🧚『魔法妖精』:クイスリング・ブルーメ
🌸『ピュアフィオーレ』:薬袋・桜夜
✨『ピュアリュミエ』:九琉・りんね
Special thanks:
猟兵各位、会場撮影スタッフ、キマイラの皆さん。
And You!
~The End~
大成功
🔵🔵🔵