迷宮奥の陸上戦艦を攻略せよ!
●
暗黒の竜巻「オブリビオン・ストーム」によって、人類の大半が死滅した世界「アポカリプスヘル」。
オブリビオン・ストームを浴びたものは人だけでなく、ロボット、死体、兵器に至るまで全てオブリビオンに変貌させられてしまう。
オブリビオンと化し、レイダーとなった集団は各地で生き残った人々が身を寄せ合う拠点を襲撃し、人や食料、生活物資、を奪ってしまう。
今回は、そうしたレイダーの拠点を襲撃して人々を助け出し、物資を取り返して襲撃された拠点へと返してほしいという依頼だ。
グリモアベース。
アルダワ魔法学園での戦争も一段落し、猟兵達は改めて個々のペースでの活動へと戻っている。
そんな中、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)はなお意欲的にグリモア猟兵としての活動を行っていて。
「レイダーの要塞の襲撃をお願いしたいの」
野盗というイメージが大きいレイダーだが、全てがヒャッハーといった態度のオブリビオンばかりではない。
中には、無機質な人型ロボットや人工生命体なども存在する。
今回はそうした言葉少なに、レイダーとしての活動をオブリビオンの本能のままに行っている連中が詰めている拠点だ。
「とある迷宮工場を根城とする『キー軍』というレイダーの集団ね。普段は軍団員に活動を任せているみたいよ」
ボスは一切姿をさらさないという不気味な軍団だ。
猟兵達の強襲を知れば、軍団員は皆工場へと戻って内部の護りに当たるはずだ。
「道中は、人型のロボットや実験体などが配備されているわ」
いずれも、ボスの命じるままに襲ってくる連中だが、オブリビオンとしての力量はそこまで高くはない。
それでも数で攻め来る厄介な相手なので、ある程度考えて攻略し、先に進む必要があるだろう。
「奥に進めば、一ランク強いオブリビオンの集団が現れることが分かっているわ」
それらは、実験体ナンバー093・『へんあい』と呼ばれる女性型のオブリビオンで、長い手錠で捕まえた相手の精気を死ぬまで絞りつくすのだという。
さながら、人工のサキュバスとでも言うべきこの集団を蹴散らした後は、ボスとの対面となる。
格納庫らしき場所で戦うことになるが、現状はまだ詳しく分かっていない。詳細が分かり次第、情報を更新する予定だとセレインは告げた。
そこで一呼吸置き、セレインはさらにこう告げる。
「こうした集団を1つ1つ壊滅させていくことが、アポカリプスヘルの復興に繋がっていくはずよ」
まだ先は長いと思われるが、こうした活動を堅実に行ってオブリビオンの活動を食い止めていきたい。
セレインはそう希望を伝え、説明を締めくくったのだった。
●
『キー軍』と呼ばれるレイダー集団が拠点。
それは一辺が数百mもある非常に巨大な敷地に建てられた迷宮工場だ。
内部はまるでダンジョンのように多数の機械が入り組んで設置されており、入る者を惑わせる。
元々は、侵入者除けの罠などセキュリティが働いていたと思われるが、現状、電源は十分に行き届いていないのか、それらのセキュリティは働いておらず、見張りは軍団員が行っている状況だ。
所属員のほとんどは、金属質でメカニカルな見た目をした人型ロボットや腕や足を硬質化した刃やハンマ状に変化できる実験体。
それらは『キー軍』のボスの命で、付近の拠点から人や物資を奪い取り、奥の格納庫へと運び込んでいるらしい。
ただ、猟兵達の強襲を受け、軍団員はこの迷宮工場へと集結している状況だ。
まずはボスがいるらしい奥の格納庫を目指し、邪魔をしてくる軍団員を蹴散らしながら先へと進んでいきたい。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
アポカリプスヘルにて、レイダーの要塞を攻略して囚われた人々を救い、物資を取り戻していただきますよう願います。
第1章:冒険シナリオ、レイダーの拠点である迷宮工場の攻略を願います。
第2章:奥への行く手を遮る「実験体ナンバー093・『へんあい』」の集団の討伐を願います。
第3章:工場奥の巨大な格納庫にて、レイダーのボスの討伐を願います。
第1章は29日の執筆を予定しています。
29日朝8時半までにプレイングを頂けますと幸いです。その後はできる範囲で採用させていただきます。
章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
その最後に、次の締め切りに関して記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
なお、第1章に断章執筆の予定はありません。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 冒険
『迷宮工場を攻略せよ!』
|
POW : 物理的に破壊し、攻略する
SPD : 技術や身体能力で攪乱し、攻略する
WIZ : 魔術やハッキングで干渉し、攻略する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
(現状、プレイング受付は29日朝分まででいったん区切り、追加して1日朝までで受付中です)
ローズ・ベルシュタイン
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との協力歓迎
■心情
キー軍ですか、何とも不気味な連中ですわね。
ともあれ、先ずは拠点に潜入するのが先決ですわね。
■行動
迷宮は、簡易的な地図を作製しながら進んでいきますわね。
【学習力】で今までに通った道のりや外観は記憶しておきますわ。
【ハッキング】でコンピューターを干渉し
見取り図などが無いか【情報収集】しておきますわね。
潜入している間は【忍び足】で進んでいき
【暗視】等で暗い場所もカバーし
曲がり角では【聞き耳】を駆使して、敵が居ないかを確認しながら進みますわ。
戦闘は出来るだけ避けますが、どうしても戦わざるを得ない時は
【暗殺】で仕留め、騒ぎが大きくならない様に注意。
アルナスル・アミューレンス
あー、大分使い込んだ工場だねぇこれは。
目新しい物は探せなさそうかなぁ……。
さて。
それじゃあ奪還(うば)わせてもらいましょうかねぇ。
闇に紛れるように迷彩を纏い抜き足差し足忍び足、ささっとダッシュで踏破していきましょうか。
電源が行き届いてないなら照明も不十分だろうし、暗視も活用できるかなぁ。
敵性存在を発見したら、G.R.V5をクイックドロウしてからの、突撃しながら弾幕を張って制圧射撃。
第六感を発揮して標的の動きを見切り一気に距離を詰め、怪力を生かした格闘戦で粉砕しましょうかねぇ。
危ない時は、手近な敵を掴んで盾にしますよー。
纏まってたり数が多くなってきたら、纏めて「侵食(キエテ)」貰いましょうか。
●
アポカリプスヘル某所。
とあるレイダーの拠点攻略の為、猟兵達が訪れる。
「キー軍ですか、何とも不気味な連中ですわね」
夕焼け空の様な橙色の髪をしたローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)がその工場を外から見回す。
迷宮となった工場内には多数のロボットや実験体といったレイダーの姿があり、侵入者排除の為に巡回を行っている。
「ともあれ、先ずは拠点に潜入するのが先決ですわね」
意を決したローズは、レイダーに見つからないよう侵入をと考えていると。
「あー、大分使い込んだ工場だねぇ、これは。目新しい物は探せなさそうかなぁ……」
後続としてやってきたのは、ガスマスクにゴーグルで顔を隠した「奪還者」のアルナスル・アミューレンス(ナイトシーカー・f24596)だ。
「さて、それじゃあ、奪還(うば)わせてもらいましょうかねぇ」
「よろしければ、ご一緒願いませんか?」
そんなアルナスルへと声をかけたローズは彼に同伴する形で、内部へと突入することにしたのである。
●
様々な機械が設置された工場内部はもはや電源が来ておらず、多数の巨大な物体が散乱して障害となっている迷宮と化していた。
「電源が行き届いてないって言ってたけど、やっぱり照明も不十分だなぁ」
所々がかなり暗くなってきていたこともあり、アルナスルは【暗視】の技能を活用しながら進む。
また、闇に紛れるように【迷彩】を纏ったアルナスル。
抜き足差し足忍び足と進みながらも、彼は【ダッシュ】で拠点内を走り抜けていく。
ただ、アルナスルは行き当たりばったりで進むことも多く、行き止まりから引き返してくることも多々あった。
そこで、ローズが作成する簡易的な地図が役立つこととなる。
彼女もまた【暗視】で暗いところをカバーしながら、【忍び足】で拠点内部を進む。
一度、入り口付近でかろうじて動いていた機械に【ハッキング】で干渉したローズは基地の見取り図もゲット。
機械の場所などに変化があれば、そこにチェックを入れて地図の精度を高めていく。
その上で、ローズは【学習力】を活かして今までに通った道のり、外観を記憶していた彼女は効率よく迷宮の踏破を目指す。
「……敵がいますわね」
途中、【聞き耳】を立てていたローズは、ほぼ同じ通路を行き来するレイダー数体の存在を察知する。
しかも、地図の構成上、奥へと進むにはその通路を突っ切る必要がありそうだ。
「なら、僕が突破口を開くとしますかねぇ」
ローズの言葉を受け、アルナスルが大口径機関銃『G.R.V5』を【クイックドロウ】し、突撃しながら弾幕を張るように【制圧射撃】を行う。
「シンニュウシャ、ハッケン……!」
弾丸で撃ち抜かれたロボットもまた機銃を発し、実験体が直接叩くべく肉薄しようとする。
接近戦はアルナスルも望むところ。
彼は【第六感】を発揮してレイダーたちの動きを【見切り】、近づいてきた実験体に対して【怪力】を叩き込み、粉砕していく。
そこでロボットが射撃してきたのにすぐ気づいたアルナスルは、殴り倒した敵を掴んで盾とする。
弾丸を浴びて動かなくなった敵を投げ捨てたアルナスルへ、今度は3体のレイダーが飛び掛かる。
「「「ハイジョ、スル
……!」」」
「纏めて」
アルナスルは黒く不定形な肉体の一部……自身に埋め込まれた偽神細胞を使い、周囲の敵を纏めて食らっていく。
「シンニュウシャ、シンニュ……シャ……」
仲間を呼ぼうとしていた人型ロボットの背後から、夕焼け色の刃が振るわれる。
前のめりに崩れ落ちたロボットの陰から、長剣『夕の憩い』を握っていたローズが現れた。
彼女は見事な【暗殺】術で、そのロボットの回路を完全に断ち切ったのだ。
「さあ、先を急ぎませんと」
これ以上、敵が集まる前に。
2人はその場を駆け抜け、迷宮工場の奥を目指すのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
(※クリアーには達しない状況の為、追加のプレイングを3月3日8時30分までの予定で受付を行っております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
ベルベナ・ラウンドディー
得意分野です
出来るところまでは付き合いますよ
●情報収集・聞き耳・ハッキング
ユーベルコードでの索敵活動と地形把握から
…生きているセキュリティがあれば敵の足止め用に改竄したいのですが
大体で結構
●罠使い・破壊活動・ハッキング・おびきよせ
一か所に誘き寄せてから手持ちの爆弾を活用
通路を破壊して敵の行動範囲を封鎖・分断
あるいは壁に穴でも空けて効率よく進んでいきます
派手で結構、ドサマギに乗じます
●地形の利用・ジャンプ・ダッシュ・逃げ足
壊れた通路は壁や天井などをササっと蹴りだして通過しましょう
まともな戦闘など御免です
私は戦闘専門ではありませんが
代わりに体得した多岐に渡る技能は様々に応用が利くのです
メルフローレ・カノン
レイダーの要塞となっている迷宮工場を攻略ですね。
敵の本拠地に正面突破は不利でしょうから
勝手口とか裏口などの入口からこっそり潜入して
[見切り][第六感]を生かして、
可能な限り敵を避けつつ奥に進みます。
まずは中枢部を制圧するのが目的ですね。
開かない扉や障害物は[怪力]で排除しましょう。
敵を見つけて、まずは即行でメイスによって殴り倒し、
[マヒ攻撃][気絶攻撃]での無力化を図りましょう。
高いところにいる邪魔な敵は【神の見えざる手】で
突き飛ばして落とします。
「神よ、その奇跡の御手を、暫しお貸しください……」
迷宮攻略が目的なので、敵に囲まれる前に[逃げ足]で
戦闘を逃れて奥に進むことも選択しましょう。
フローライト・ルチレイテッド
よーし、どっかんといきましょー!
悪い人達をなんとかしなきゃ!
POW分野、アドリブ連携歓迎でー
暗かったら【暗視】で道を見つつ、【追跡】で人の動きを調べましょう。
並行して【聞き耳】で周囲の情報収集をしながら探索です。
一応【Dress】で【迷彩】っぽいのもかけておきましょう。
【地形の利用】で壊しやすそうな場所を探して、【野生の勘】でアタリをつけ、
【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、範囲攻撃】を駆使して指定UCを使用。どーんとぶっ放して、
物理的に道をあけます。
ロボットとかは気にせずどんどん巻き込んでいきましょう。
足場は多少悪くなるかもしれませんが、一応羽根もあるし、【空中浮遊】して何とかしましょう。
愛久山・清綱
工場自体が迷宮になっているとは、何か重要な兵器を
作る重要な場所だったのだろうか?
ふむむ……どこかにデータが残っていないだろうか。
■行
【SPD】
先ずは迷宮突破か……
【念動力】でふわっと浮いて足音を立てずに行動しよう。
探索時は敵の存在を【聞き耳】や【暗視】能力を用いて探しだし、
足音や警備員らしき存在を見つけたら物陰を利用しつつ逃れる。
何もない場所でも、【野生の勘】を巡らせて気配を探るぞ。
■闘
万一警戒されたり、倒さないと先に進めなさそうな敵が
いた場合は【獣路】を用いて見つかる前に撃破を試みる。
迷宮の構造と敵の動きを計算しつつこっそり接近し、
【早業】の居合で真っ二つにするのだ。
※アドリブ・連携歓迎
●
続き、『キー軍』を名乗るレイダーの拠点へと突入を試みる数人の猟兵達の姿が。
「レイダーの要塞となっている迷宮工場を攻略ですね」
やや童顔な14歳の黒髪修道女、メルフローレ・カノン(世界とみんなを守る……かもしれないお助けシスター・f03056)が気合を入れる。
傍では、そのメルフローレとは同い年には見えない厳つい顔をしたキマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)が敵の拠点となる工場を外から眺めつつ思う。
「工場自体が迷宮になっているとは、何か重要な兵器を作る重要な場所だったのだろうか?」
それを突き止める為にも、清綱はどこかに何かデータが残っていないか探してみることにしていた。
「よーし、どっかんといきましょー!」
こちらも同い年のキマイラ、1本の渦巻き角を頭に生やすフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)もまた童顔な少年だ。
「悪い人達をなんとかしなきゃ!」
同行しているメンバーよりも少しお兄さんな2色の髪の色を持つ竜派ドラゴニアンの青年、ベルベナ・ラウンドディー(berbenah・∂・f07708)は大きく頷いて。
「得意分野です。出来るところまでは付き合いますよ」
この場の猟兵達のバックアップに当たろうと考えつつ、ベルベナもまた迷宮工場へと挑むのである。
●
さて、潜入に当たって、メルフローレが仲間達へとこんな話を持ち掛ける。
「敵の本拠地に正面突破は不利でしょうから」
その為、後続メンバー4人は裏手側にある勝手口、裏口を探す。
発見した裏口の扉をメルフローレが【怪力】で強引にこじ開け、一行は中へとこっそりと侵入していく。
先程のメンバーはどうやら正面から突入したらしく、レイダー達の注意はそちらへと向いている。
「先ずは迷宮突破か……」
清綱は自らを【念動力】で浮き上がらせ、足音を立てぬよう移動する。
「……生きているセキュリティがあれば、敵の足止め用に改竄したいのですが」
ベルベナは移動しながらも、通路の壁を構成する機械の中に使えるコンピュータがないかと見回す。
だが、ただでさえ、施設内に電源はほとんど来ていない。
フローライトや清綱は【暗視】を使い、周囲の道を確認していた。
そんな状況の中でも、ベルベナはなんとか動いている機械を見つけ、【ハッキング】してからユーベルコード【音源探知】を使う。
ベルベナは電源の来ている機械を即席のソナーや盗聴装置に変換し、【聞き耳】を立てて迷宮工場内部の【情報収集】に当たる。
そうして、彼は工場内部の索敵と地形把握を大雑把に行いながら先へと進むことにする。
「ふむ、陸上戦艦……?」
なおその最中、機械のモニターを眺めていた清綱は、気になる用語を発見していたようだった。
できるだけ、無駄な敵との交戦は避けたいところ。
ベルベナだけでなく清綱も【聞き耳】を立て、自分達以外の足音には細心の注意を払い、【野生の勘】を働かせてレイダーの気配を探る。
「まずは中枢部を制圧したいですね」
メルフローレもまた【直感】を使って警備に当たるレイダーの動きを【見切り】、遭遇しないよう避けながら奥を目指す。
全員が神経を尖らせている状況もあり、程なく、全員が近場にレイダーがいることを察知する。
「ん……」
フローライトはそのレイダーの動きを【追跡】し、【聞き耳】を立てながら人の動きを確認していた。
「この先の道はループしていて、周回できるようになっているみたいだね」
とはいえ、先に進むにはループする通路の一辺を通り抜ける必要がある。
一応と、フローライトはバーチャルレイヤー『Dress』を使い、【迷彩】を使って進む。
敵の巡回のタイミングを読むことは難しくなく、猟兵一行はそれを避けて通り抜けていくのだが……。
どのみち、先へと進む通路を塞ぐよう陣取っていた無機質な造りをしたロボットの姿が。
「シンニュウシャ、ハッケン!」
「ハイジョ、ハイジョ……!」
戦闘態勢に入るレイダー達の為、猟兵達もまた策を講じ始めるのである。
●
最初に通路を塞いでいたロボットだけでなく、実験体と思われる人型も数体集まってくる。その総数は7,8体といったところだろうか。
内蔵武装を展開したロボットや、手足を武器へと変形させた実験体。
それらが攻撃するよりも早く、メルフローレは速攻で『メイス』を振るって殴り倒しにかかる。
「ピッ、ガガッ……!」
ただ殴るだけではなく、メルフローレはその一撃に【マヒ】や【気絶】の効果ものせており、頭を殴打されたロボットは回路がショートして卒倒していたようだ。
(「あそこからなら行けるか……」)
清綱はユーベルコード【獣路】によって、想像から奇襲に適した経路を迷宮の壁を穿つ形で造り、行く手を遮る敵の真後ろに回り込む。
レイダーの虚を突いた清綱は【早業】の居合で、敵を真っ二つにしていった。
「まともな戦闘など御免です」
一方で、多岐に渡って体得した技能を習得しているベルベナ。
戦闘専門ではないという彼はそれらを応用し、この場を乗り切ることにしていて。
「少し離れてもらえますか?」
ベルベナは敵へと攻撃していたメルフローレや清綱に避難を促してから、手持ちの『爆弾』を通路で炸裂させていく。
敵複数体をおびき寄せから爆破することで直接レイダーの体を破壊するが、ベルベナの狙いはそれだけではない。
周囲の壁や機械も巻き込んで破壊することで、落盤などが【罠】として機能する。
巡回用の通路が塞がれ、レイダーの行動範囲の封鎖、分断も行っていたのだ。
フローライトもまた周囲の【地形を利用】しようと壊しやすそうな通路を探し、【野生の勘】で当たりをつける。
後は、自身と同じ名を持つダブルネックギター『蛍灯』を【演奏】し、フローライトは自らの【歌唱力】を活かして【パフォーマンス】をしてみせる。
「準備オッケー、どーーん!!」
弾き語りを行うフローライトは、通路を含む【広範囲】の空間へと指向性のある波をぶっ放していく。
レイダーが立ち塞がっていようが関係なく、フローライトは周囲の壁や床までも破壊しながら物理的に道を開けていく。
さすがに、その場の床が抜けてしまうが、そこはフローライトも白い翼を羽ばたかせ、【空中浮遊】して先に進む。
なお、高所から襲い来る敵をメルフローレが発見して。
「神よ、その奇跡の御手を、暫しお貸しください……」
「あ、あああああぁぁぁぁぁぁ……」
【神の見えざる手】で突き落とされた実験体がその床下へと、真っ逆さまに転落してしまっていた。底は相当深いようである。
通路が通れなくなったと察したベルベナは壁に『爆弾』で穴を開け、先へと進む。
「この際、派手で結構」
どさくさに紛れ、彼は【ジャンプ】と【ダッシュ】で崩れた【地形を飛び越え】、【逃げ足】を使ってこの場を通過していく。
清綱もまた念動力で自らの体を包み、ホバリングするような形で抜けた床部分を越えていった。
「迷宮攻略が目的ですからね」
そして、メルフローレもまた、迂回してくる敵がこの場に到達して囲まれてしまう前に、仲間と共に【逃げ足】を活かして奥へと進んでいくのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『実験体ナンバー093・『へんあい』』
|
POW : 生涯の伴侶とする為の支度行為(仮称)
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【捕獲用麻酔針を内臓した手錠】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
SPD : 生涯の伴侶との遺伝子リンク(仮称)
【捕獲した対象との繁殖活動】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【精気から得た遺伝子データ】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 逃走した伴侶を追跡する偏愛衝動(仮称)
【逃げた伴侶を追跡する暴走モード】に変形し、自身の【捕獲対象以外に対する戦闘力・索敵能力】を代償に、自身の【捕獲対象の追跡能力・捕獲能力・戦闘力】を強化する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
●
アポカリプスヘル、「キー軍」を名乗るレイダーの要塞。
そこは広大な敷地を持つ工場だった場所で、元の構造と様々な機械が設置されたことが合わさって迷宮のような造りをしている。
ただ、オブリビオンストームによる影響なのか、内部にはほとんど電源が行き渡っていないようだ。
機器はほとんどがシャットダウンしており、セキュリティもほぼ働いてはいない。
警備すらも末端の軍団員であるレイダー頼りという状況の中、猟兵達はかろうじて生きているコンピュータを利用し、この迷宮工場の構造を把握しつつ先へと進む。
一時はレイダーと交戦し、迷宮の壁を破壊しながらも先へと進む猟兵達。
レイダー軍団を壊滅させる為、工場奥を目指すメンバー達の前にずらりと立ち塞がったのは、団員であるレイダー、実験体ナンバー093・『へんあい』の集団だ。
「うふふ……」
それらは、スタイルが良いところから女性らしいが、布袋のようなものを頭に被り、手には長い鎖の付いた手錠が握られている。
時折、彼女達は外へと出て、拠点に集まる一般人を連れ去り、しっかりと拘束してから精気を奪うというサキュバスやヴァンパイアまがいの行いを繰り返しているらしい。
なんでも、この実験体女性達が行う『偏愛活動』から、『へんあい』というコードネームがつけられたのだとか。
「ボスの指令だからね」
「ここは通さないよ」
へんあい達は軍団のボスらしき存在に、この要塞の警護を任されているらしい。
こちらを見つめてくる視線はそれだけではなく、わざわざ向こうからやってきた猟兵達を捕まえようという個人的な思惑があるのだろう。
「とっても美味しそう」
「大人しく捕まってね♪」
じゃらりと鎖を鳴らすへんあい達は、侵入してきた猟兵をどうしてやろうかと良からぬ妄想を抱くのである。
(※今回は、3月7日8時30分までの予定で受付を行っております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
椙野・霧亜
「生涯の伴侶を捕獲しようとするタイプの相手か、初めて対峙する事になるな」
サイバーアイで手錠を振り抜く際の速度と、敵自身の反射神経がどれほどの物か計測する。計測後ヴァリアブル・ウェポンを発動させ、脚部狙いで命中重視を『2回攻撃』並列発動にて手数を増やして放つ。
「足を潰されてもなお迫れるか? 大した偏愛だよ」
敵の攻撃を『見切り』つつ接近し、腹部を狙って鉄塊剣をフルスイングで叩きつける。それでも元気そうに動くなら肩部を狙って殴る。
フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎でーす。
うーん。そういう愛の押し売りはノーサンキューなんですよ、おねーさん。
さあ、嵐を超えて走り出せ!ワールウィンド・ワイルドウルフ!!
バーチャルレイヤー【Dress】でそっと【迷彩】をかけて自分の位置をずらしつつ、
【パフォーマンス】で培った身軽さと【野生の勘】に【早業】と、うまく【地形の利用】もして逃げましょー。
同時に【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、鼓舞、範囲攻撃、援護射撃】を駆使して指定UCを使用。
子狼の群れを召喚して攻撃です。
ぼく自身ではないので行けるはず。
数が多いので逐次投入でしょうか。
数を頼んで、他の人と一緒に包囲して攻撃させましょー。
兎に角どんどん行きましょう。
メルフローレ・カノン
なんか気味悪い敵が出てきましたね……
捕まったら何をされるかわかりません。
ここを突破しないと要塞を攻略できませんし、
敵は撃破して進みましょうか。
それでは、全力で行きますよ!
私の得物はメインがメイス、サブが剣です。
[怪力][力溜め]の上で[2回攻撃][なぎ払い]で
多くの敵を相対します。
敵が長い鎖を使っているので、
[属性攻撃]で武器に雷をまとわせ、
鎖から敵への感電も狙います。
捕まりそうになったら【神の見えざる手】で
吹き飛ばすなり引きはがすなりしましょう。
「神よ、その奇跡の御手を、暫しお貸しください……」
敵の攻撃は
[武器受け][盾受け][オーラ防御]で受け止め押し返します。
アルナスル・アミューレンス
なんかこう、変なモノ作ったよねぇ……。
もうちょっとマシなモノ作ればよかったのに。
とりあえず警告するけどさぁ。
悪い事は言わないから、道を空けてどっかに消えてくれないかなぁ?
邪魔しなきゃ殺さないからさぁ。
消えないなら、もう一度警告。
今度は、最後通告だよ。
――拘束制御、限定解除。
道を、空けて。
偽神兵器の封印を解くよ。
ヒトの形を残したまま、自身の躰を「影/水」の様な、黒い不定形の異形に変化。
オブリビオンの本能にすら恐怖を与える、無盡の虚無を広げる。
その中から、ナニかわからぬ目や顎・牙を覗かせて。
どかないなら、それまで。
仕方ないけど、これでお『怒涛(ワカレ)』だ。
一片残さず襲い飲み込み、捕食し尽くすよ。
愛久山・清綱
なんだあれは。人の気配を感じぬな。
一から造られた存在なのだろうか?
……ふーむ、この世界の科学は物凄いな。
■闘
だが、もし本当に人工生命体なら遠慮は要らん。
思い切り行かせて貰おう。
先ずは、物陰を利用しつつ敵が密集している
場所へ接近するぞ。移動の際は【野生の勘】を
巡らせ【聞き耳】を立て、鎖の音を探る。
敵が仕掛けてきたら【残像】を見せつつ死角へ
潜り込み、【カウンター】の太刀で返り討ちだ。
たどり着いたら刀に【破魔】の力を込め、
【早業】の居合から放たれる【空薙】で
敵の集団を【範囲攻撃】の太刀で斬り伏せてみせる。
其方達がへんあいなら、俺はいあいだ。
うむ、我ながら全く面白くない。
※アドリブ・連携歓迎
●
レイダー集団『キー軍』の壊滅の為、工場へと突入した猟兵達。
迷宮となった内部で遭遇するレイダー軍団員をやり過ごしつつ、それらと対面することになる。
「ボスの指令だからね」
布袋のようなものを被った頭、豊満な女性のボディ、そして、長い鎖が付いた手錠を手にした集団と出くわす。
「なんだあれは」
蛇の鱗で覆われた手を顎に当てつつ、キマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は唸る。
一から作られたわけではなく、人間ベースの相手だとは思われるのだが、どこか異質なものを感じる相手だ。
「ここは通さないよ」
実際の表情を窺い知ることはできないが、対象に対する異常なまでの愛情を示す実験体ナンバー093・『へんあい』。
それらに対し、清楚系猫かぶり少女、メルフローレ・カノン(世界とみんなを守る……かもしれないお助けシスター・f03056)は驚いた様子を見せて。
「なんか気味悪い敵が出てきましたね……」
「なんかこう、変なモノ作ったよねぇ……」
捕まると何をされるかわからないと、メルフローレは警戒を強める。
ガスマスクを装着した白髪オールバックの男性、アルナスル・アミューレンス(ナイトシーカー・f24596)はもう少しマシなモノを造ればよかったのにと、ダメ出しすらしていた。
「……ふーむ、この世界の科学は物凄いな」
一方で、清綱は創造されたこの実験体に感嘆していたのだが、それはさておき。
「とっても美味しそう」
「大人しく捕まってね♪」
ボスとやらの指令にしてでも、捕まえることに執着している感もあるへんあい達。
捕まえた相手を自身の部屋へと連れ込み、まるでサキュバスのごとく、相手の精気を死ぬまで吸い尽くすのだ。
「生涯の伴侶を捕獲しようとするタイプの相手か。初めて対峙する事になるな」
この地点からの参戦、顔に目を通る傷を持つ黒衣の椙野・霧亜(黒鋼の傭兵・f05486)が冷静に相手を観察する。
「あなたはどうかしら?」
へんあいの1人の問いに、巻き角と獣耳、白い翼を生やしたフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)は難色を示して。
「うーん。そういう愛の押し売りはノーサンキューなんですよ、おねーさん」
あっさりと断られたところで、諦める相手ではなく。
「拒絶は求めていないの」
へんあい達に猟兵達を通す気などさらさらなく、横に広がって通路を塞ぎ、行く手を塞ぐ。
「とりあえず、警告するけどさぁ」
そんな相手に、アルナスルは問いかける。
「悪い事は言わないから、道を空けてどっかに消えてくれないかなぁ? 邪魔しなきゃ、殺さないからさぁ」
武装せぬままのアルナスルの問いに、へんあい達はくすくすと笑い声を上げた。
「質問に質問で返しちゃ、だ・め♡」
「はいかYESで答えてね♡」
話にならないと、メルフローレは首を小さく横に振る。
「ここを突破しないと要塞を攻略できませんし、敵は撃破して進みましょうか」
『メイス』を取り出して戦闘態勢を取る彼女に合わせ、清綱も刀に手をかけて。
「実験体であれ、オブリビオンなら遠慮はいらん。思い切りいかせて貰おう」
彼はその場から物陰へと姿を消していく。
前面衝突の前にと、アルナスルがそこで改めて、へんあい達へと問いかける。
「今度は、最後通告だよ」
――拘束制御、限定解除。
偽神兵器の封印を解きながら、彼は自分の体を変質させていく。
「道を、空けて」
「だーめ♡」
「「くすくす、くすくす……」」
だが、目の前の実験体となった女性達は笑い声を上げ、立ち回り始める。
もはや、問答無用とメルフローレも察して。
「それでは、全力で行きますよ!」
彼の一言を皮切りに、猟兵達は立ち塞がる『キー軍』の軍団員へんあい達の討伐へと乗り出すのである。
●
複数で立ち回ってこの場の猟兵達をかく乱しようと動く、実験体ナンバー093・『へんあい』の集団。
前線の敵が手錠を投げつけつつ、猟兵達を捕縛しようとする他、すでに姿を消している清綱を追跡しようとしたり、猟兵達から姿を確認できぬように気配を消したりして。
「生ある限り、愛し続けてあげますわ!」
フローライトが襲い来るへんあい達目がけ、叫びかけながら歌声を響かせて。
「さあ、嵐を超えて走り出せ! ワールウィンド・ワイルドウルフ!!」
伸びてくる手錠に対し、フローライトは身に纏うバーチャルレイヤー『Dress』でそっと【迷彩】をかけて自分の位置をずらす。
その上で、彼は【パフォーマンス】で培った身軽さと【野生の勘】に【早業】を使い、【機械が立ち並ぶ工場という場所を活かし】、機械の合間を移動しながら飛んでくる手錠を避けていく。
その間に物陰を利用して移動する清綱は【野生の勘】を巡らせ、【聞き耳】を立てて鎖の音を探りながらへんあい達が密集する場所へと接近する。
正面からは霧亜が『サイバーアイ』を使い、手錠を振り抜く際の速度と敵自身の反射神経がどれほどの物か計測する。
(「これなら……」)
計測の間、へんあい達は立ち回りつつ、数体が視認しにくい状態として猟兵達の認識を遅らせようとする。
だが、霧亜はその手錠を【見切り】で避け、【ヴァリアブル・ウェポン】を発動させる。
「足を潰されてもなお迫れるか?」
狙うは、敵の脚部。
足を活かして襲ってくるなら、その足を命中重視で撃ち抜いて潰してしまおうと霧亜は考えたのだ。
「きゃああっ」
「なんで、なんで捕まってくれないの……?」
『2回攻撃』でユーベルコードを並列発動させた彼は手数を増やして攻め立てるが、へんあいは足を撃ち抜かれてなお、こちらを求めてくる。
「大した偏愛だよ」
そんな敵の姿に、霧亜は感心すらしてしまっていた。
動きが鈍ったその敵へ、メルフローレは手にする『メイス』に【怪力】を籠め、【力を溜めて】から【連続】して【なぎ払う】。
「あ、あう……」
それで卒倒する敵もいはしたが、なかなかにへんあいの偏愛活動はしぶとい。
立てなくなった彼女達は這ってでも、素手でつかみかかってこようとしてくる。
「神よ、その奇跡の御手を、暫しお貸しください……」
つかみかかってくるその手を、メルフローレはユーベルコード【神の見えざる手】を使い、強引に引きはがしていた。
そんな敵の隙をつき、清綱もまた【残像】を纏いながらも背後から現れる。
すぐさま手錠を投げつけて応戦しようとしてくるへんあいだったが、清綱はすぐさま【カウンター】で『空薙』の刃で切りかかり、返り討ちにしてしまう。
さらに、フローライトがツインネックギター『蛍灯』で【弾き語り】をし、【パフォーマンス】をしながらユーベルコードを使う。
「WウィンドWウルフ 誰も知らない場所に居たって WウィンドWウルフ 行くよ どんな遠くても必ず辿り着く お前の待っている場所へ♪」
フローライトの歌声によって現れるのは、300体余りの子狼の群れ。
距離を取るフローライトはさらに歌によって【鼓舞】したその子狼達を【範囲攻撃】としてけしかけ、へんあいの集団を一気に弱らせていく。
そんなへんあい達へと、忍び寄る黒い影。
人の形こそ残してはいたが、自身の体を影の水のような黒い不定形の異形と化したアルナスルだ。
オブリビオンの本能にすら【恐怖を与える】無盡の虚無を広げ、彼はその中からナニか分からぬ目や顎、牙を覗かせて。
「ひっ……」
「な、なにこれ……!」
その接近に、へんあい達は思わず悲鳴を上げそうになっていたのである。
●
出会い頭は威圧感すら感じさせていた実験体ナンバー093・『へんあい』達だが、攻略のツボを押さえた猟兵達によって、一気に攻略された感すらあって。
「数が多いので、逐次投入でしょうか」
さらにフローライトは召喚した子狼を向かわせ、仲間と共に包囲させていく。
「兎に角、どんどん行きましょう」
包囲の反対側では、武器を『グラディウス』へと持ち替えたメルフローレが敵の攻撃を盾と合わせて【受け流し】つつ、刃に【雷の属性】を纏わせて切りかかる。
金属製の鎖と手錠を使う敵であり、効果は抜群。
「「あ、ああ……」」
感電して痺れ、動けなくなっていくへんあい達。
そいつらがなんとか手錠を投げつけようとしてくるのを霧亜が【見切って】避けながら接近し、『鉄塊剣・撲』をフルスイングで叩きつけ、へんあいを片っ端から昏倒させていく。
「さすがに元気そうではなさそうだけれど」
それでも動く敵の肩部を霧亜はしっかりと殴り、無力化をはかる。
同じく、清綱が【破魔】の力を籠めた『空薙』を【早業】で居合を放つ。
「其方達がへんあいなら、俺はいあいだ。……うむ、我ながら全く面白くない」
【広範囲】に刃を振るう清綱は、セルフツッコミをしながら敵を纏めて切り伏せていく。
「ああ……」
「う、うう……」
もはや、へんあい達にツッコむ気力すらなくなってきていたようで。
「どかないなら、それまで」
何せ、異形と化したアルナスルが迫り、へんあい達に後悔の念すら生まれてきていたのだ。
「仕方ないけど、これでお『怒涛(ワカレ)』だ」
「「ひ、ひいいいっ
……!」」
悲鳴を上げる実験体の群れを、アルナスルは一片も残さず飲み込み、捕食しつくしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『陸上戦艦』紀伊』
|
POW : アポカリプス・ランドフリート
【技能【艦隊(周囲にLv×1隻の主砲や地上】【魚雷で敵を攻撃する護衛艦を配置する)】を】【発動した後、護衛艦で輪形陣を構築する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 鋼鉄の咆哮
【技能【艦隊】を発動した後、主・副砲の砲弾】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【主砲・副砲で連続砲撃を行う、砲戦モード】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ : 弾丸雨注の領域
【技能【艦隊】を発動した後、対空火器の砲身】を向けた対象に、【主砲の榴散弾を含めた、弾幕を展開する事】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
●
レイダーの集団『キー軍』の要塞である工場へと侵入した猟兵達。
彼らは迷宮となった内部を進み、立ち塞がる軍団員であるレイダー達を蹴散らし、進んでいく。
ここまで来る通路は機械が密集しており、狭い通路も少なくなかったが、たどり着いた工場の最奥部は格納庫を思わせる広い場所だった。
『よくここまで来たな……』
スピーカーを通し、侵入者である猟兵達へと呼びかけてきた『キー軍』のボス。
そいつは人の形すらしてはおらず、紀伊と呼ばれる『陸上戦艦』だった。
電源がなくなっていたと思われた工場の奥で、こいつはひっそりと整備が行われていたのだ。
キーが指し示すモノが鍵かと思いきや、まさかレイダーを率いるボスが戦艦とは……。
ボスが姿を見せないわけである。
このまま格納庫で敵の攻略を。そう考えていた猟兵達だったが、そこで陸上戦艦が思わぬ行動に出る。
『大人しくしていろ。さもなくば、民間人の命はないぞ』
これまで、猟兵達は内部の見取り図をデータとして把握もしていたが、奪われた食料や民間人が収納された場所を探し出せずにいた。
それらは、ボスの内部……戦艦内部へと直接収納されているとのことだ。
『いいのか? 資材も民間人も私の内部に格納されているのだぞ?』
威嚇してくる陸上戦艦は工場から発艦し、太陽の下にその姿をさらす。
さらに、ユーベルコードによって、艦隊をも出現させてしまう。
抜けた通路の床がやたら深かったと思ったが、他の戦艦が地下に格納されていたのだろうか。動いていた端末からは情報を引き出すことはできなかったのだが……。
『かくなる上は……』
何を思ったか、陸上戦艦は工場に向けて主砲、副砲を発射する。
なんとか工場から脱出した猟兵達。
まだ、レイダーの軍団員も多数残っていたはずではあったが、戦艦はこの場で何が行われていたかという証拠の隠滅をはかったのだろう。
その姿を公然とさらした敵は新たな拠点、要塞を求めて移動し、その最中で人々の拠点を襲うはずだ。
『もはや、我らを止めることはできぬ……!』
一般人の拠点へと、この地上戦艦と艦隊が到達する前に止める必要がある。
艦隊は地上戦艦『紀伊』がユーベルコードで呼び出したものの為、戦艦を撃沈すれば問題ないだろう。
だが、下手に攻撃できぬ理由が猟兵達にはある。
『いいのか? 私を轟沈させれば、中にいる者達や食料もただではすまぬぞ?』
人質や物資を盾とし、戦艦はこの場から逃げ去ろうとする。
軍団員を一切連れず、自立走行している状態の戦艦の無力化を行うべくその歩みを止め、武装や機関室、操縦室などを破壊していきたい。
ある程度の武装を破壊すれば、オブリビオンとしての力も尽き、地上戦艦『紀伊』は動かぬガラクタと化すはずだ。
うまく無力化できれば、後は人々の保護、食料、資材の回収に加え、戦艦の武装まで奪還者に任せることもできるし、キリのいいところまでその手伝いに当たることも可能だ。
ともあれ、まずは地上戦艦『紀伊』を無力化させるべく、猟兵達は直接戦いを挑んでいくのである。
(※今回は、3月11日8時30分までの予定で受付を行っております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
火土金水・明
魔法の箒に跨って【空中戦】の技能を使用します。
「相手は『陸上戦艦』ですか。ひとまず、囮役として上空から攻撃を仕掛けましょう。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けて【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【サンダーボルト】を【範囲攻撃】にして、『『陸上戦艦』紀伊』全体を巻き込めるようにして【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも相手にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
椙野・霧亜
「まさか陸上戦艦を相手にする日が来ようとはな…」
戦うのでなければ眺めていたいが、今は艦内の人質や食料の奪還が最優先だ。
「まずは敵の足を止めないとな」
だが船足を止めるには艦内へ突入しなければならない、しかし敵は一隻だけではない、迎撃火力も強大だ。
「それでもやらなければならんか」
サイバーアイの『情報収集』能力をフルに稼働し、砲塔旋回速度と船速、弾幕展開エリアの予測と計測をする。
ゴッドスピードライドを起動させ、敵艦隊の対地迎撃弾幕を『見切り』掻い潜って、護衛艦の甲板から甲板へ『ジャンプ』で飛び移りつつ紀伊の甲板へ飛び移る。
紀伊の甲板に到着後は艦内へ突入し機関室と操舵室を探して破壊する。
フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎で。
あの手のは苦手なんですよね…
苦手なので、助けを呼びましょう!
星海を越えて進め!希望の星へ!
『エルドラドより各機へ、標的はデカブツだ!足を潰して一気に叩け!』
UC【Dream】を使用、高度と音量をドーンと上げて。
【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、鼓舞】を駆使して指定UCを使用、
可変戦闘機部隊を召喚、攻撃します。
戦闘機隊は現地の【地形の利用】をしつつ敵を包囲、ミサイルで【範囲攻撃】、
【援護射撃】と敵の【情報収集】をしながら、機関部と砲塔を中心に攻撃を仕掛けます。
艦橋が無人なら、艦橋にも攻撃を仕掛けましょう。
敵の攻撃は【地形の利用】と【早業】、射角を取りづらい位置取り等で回避を。
メルフローレ・カノン
工場の地下に船?
船が陸を走る?
いろいろ理解が追い付いていませんが……
あの中に囚われた人や奪われた物資があるのですよね。
こういう時は、相手の船を制圧する海賊戦法が有効かと。
それでは……全力で行きますよ!
まずは敵艦に取り付きましょう。
[クライミング][ロープワーク][ジャンプ]を活用して
よじ登り、甲板に上がり、内部に潜入しましょう。
まずは砲塔を、続いて機関部を、
[破壊工作]を生かし爆発させないよう一部だけ壊して
無力化していきます。
得物はメイス、足りなければ【神の見えざる手】で年動力を用います。
「神よ、その奇跡の御手を、暫しお貸しください」
人質は解放しますし、危険が及ぶようなら
[かばう]で守ります。
愛久山・清綱
紀伊。建造されなかった戦艦と同じ名だが……
……随分と姑息な事をするものだ。
まあいい。其の躰、元ある場所へ還さて頂く。
■闘
俺は武装の破壊を行うか。
敵を無力化すれば、皆も潜入しやすいだろう。
【空中戦】技能で羽ばたき、紀伊の甲板まで空中【ダッシュ】。
砲弾は二振りの刀を力強く振り回しつつ【衝撃波】を放ち、
当たりかけたら【オーラ防御】を纏い耐える。
辿り着いたら【怪力】を込められ【鎧無視攻撃】となった
【剣刃一閃】で砲台を次々と斬り伏せ、ある程度無効化
したら仲間達に好機を伝え更なる攻撃を仕掛けるのだ。
敵が動かなくなったことを確認したら艦内に潜入、
【野生の勘】を用いて人質の気配を探ろう。
※アドリブ・連携歓迎
アルナスル・アミューレンス
へぇ~、態々走れるような改造してたんだねぇ。
まぁ、そんなでかい水も無いし、当たり前か。
でも、戦艦が人間相手って、大分不利じゃない?
さて、他の人に正面は任せて、と。
あれだけ派手にやれば砂埃も上がるし、それを迷彩にして忍び足で近づいて行きましょうか。
第六感で弾道とか見切り、懐に入っていきますよ。
まぁ、気付かれてもある程度近づければ、こちらの物さ。
――拘束制御、開放
艤装が無くなるのは仕方ないけど、これでお『怒涛(ワカレ)』だよ。
無尽に広がる、黒い不定形の異形を以て、津波の様に襲い掛かり、砲弾も艦隊も悉く捕食するよ。
大丈夫、喰らうのはオブリビオンだけだよぉ。
物資や人質さんは、出るまで少し我慢してねぇ。
●
工場奥の大部屋まで到着したと思った猟兵達。
『よくここまで来たな……』
そこで待ち受けていたレイダー軍団『キー軍』のボスの正体を、メンバー達は知ることとなる。
スピーカーを通し、呼びかけてきたのはまさかの『地上戦艦』紀伊だった。
「まさか、陸上戦艦を相手にする日が来ようとはな……」
ただの傭兵と自称するサイボーグの少年、椙野・霧亜(黒鋼の傭兵・f05486)はその船体を眺める。
「工場の地下に船? 船が陸を走る? 色々理解が追い付いていませんが……」
見た目は清楚な印象を抱かせる修道女、メルフローレ・カノン(世界とみんなを守る……かもしれないお助けシスター・f03056)は思わぬ相手に面食らってしまう。
しかしながら、ほとんどの猟兵達はこの事態を冷静に受け止めていて。
「相手は『陸上戦艦』ですか」
ポニーテールにした黒髪の上から大きなつば付きのとんがり帽子を被る、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)はじっと討伐すべきボスを注視する。
「紀伊。建造されなかった戦艦と同じ名だが
……、……随分と姑息な事をするものだ」
複数種族の特徴を持つキマイラ少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は自身の世界での情報を思い出す。
UDCアースなどの史実では、計画こそあったものの起工されなかった艦の一つ。
どうやら、戦艦の設計図を流用することで、開発された超弩級の陸上戦艦とのことだ。
オブリビオンとなったこの艦はAI知能のようなものが芽生えているらしく、人形や実験体を使ってレイダー軍団を作り上げた上で、自らの改造を進めていたと思われる。
「へぇ~、態々走れるような改造してたんだねぇ」
ガスマスクにゴーグルで顔を隠した白髪の青年、アルナスル・アミューレンス(ナイトシーカー・f24596)は思わず感嘆する。
この辺りは荒野が続き、海も湖も存在しない。だからこそ、自らを地上戦艦として改造したのではとアルナスルは考えるが……。
「あの手のは苦手なんですよね……」
頭に一本角を生やすギタリストのキマイラ少年、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)はその攻略に難色を示す。
「でも、戦艦が人間相手って、大分不利じゃない?」
とはいえ、アルナスルが主張するように、基本的には皆、淡々とした態度で迎撃の構え。
紀伊もそれは最初から想定していたらしく。
『大人しくしていろ。さもなくば、民間人の命はないぞ』
敵は自らの内部に人質だけでなく、食料に物資があることを示す。
威嚇してくる紀伊は外に通じる重厚な扉を開き、ホバリングしながら発進していく。
そして、周囲に艦隊を呼び寄せつつ、拠点だったはずの工場を主砲副砲で爆撃を始める。
激しい音を立て、爆発していく工場。
なんとか外へと脱出した猟兵達は、なおも移動していく『地上戦艦』紀伊とその艦隊を追う。
だが、幸いにも、ホバリングであの巨体を移動させることもあり、紀伊の動きは鈍い。
メンバー達はその捕捉を続けて。
「今は艦内の人質や食料の奪還が最優先だ」
「あの中に囚われた人や奪われた物資があるのですよね」
霧亜の言葉に応じたメルフローレがすぐに、こう提案する。
「こういう時は、相手の船を制圧する海賊戦法が有効かと」
「ひとまず、囮役として上空から攻撃を仕掛けましょう」
明は一足早く自らの魔法の箒に跨って飛び上がり、【空中戦】に臨む。
「それでは……全力で行きますよ!」
「まあいい。其の躰、元ある場所へ還させて頂く」
同じく、メルフローレもこの場の猟兵達に示しつつ移動する紀伊を追うと、清綱も戦艦の無力化へと動き始めるのだった。
●
荒野を進み出した地上戦艦紀伊。
艦隊を呼び出して移動を始めたその艦の狙いは、新たな拠点探しだろうか。
場合によっては、人間達の拠点の強襲も十分に考えられる。その前に何としても無力化しておきたい相手だ。
「まずは敵の足を止めないとな」
『宇宙バイク』に跨って追う霧亜はそう言うものの、船足を止めるには艦内へ突入する必要がある。
また、敵は1隻だけではなく、迎撃火力も強大だと霧亜は見ていた。
「それでも、やらなければならんか」
腹を決めた霧亜は『サイバーアイ』の【情報収集】能力をフル稼働させ、紀伊の砲塔旋回速度と船速、弾幕展開エリアの予測と計測を行う。
「苦手なので、助けを呼びましょう! ……星海を越えて進め! 希望の星へ!」
自らの翼で空を飛ぶフローライトは、ユーベルコード【Dream-ユメノムコウ-】を使う。
フローライトは高度と音量を上げ、盛大にツインネックギターで【弾き語り】をして派手にパフォーマンスする。
「エルドラドより各機へ、標的はデカブツだ! 足を潰して一気に叩け!」
召喚した可変戦闘機部隊へとフローライトは指示を出しつつ【鼓舞】し、一気に敵艦隊の攻撃を開始する。
ただ、敵も猟兵達が追ってきていることに気づき、紀伊は旋回して主砲、副砲から砲弾を飛ばしてきた。まさに、【鋼鉄の咆哮】である。
『弾幕を張れ、敵を近づけさせるな!』
さらに、紀伊は対空火器の砲身を猟兵達へと向け、展開した艦隊の主砲をメインに弾幕を展開させる。
『魔法の箒』に乗って飛ぶ明は【先制攻撃】で【高速詠唱】しながら、それらを躱して。
「残念、それは残像です」
飛んでくる弾丸を【見切り】、言葉通りに【残像】を使って避ける明。
被弾した場合に備え、【オーラ防御】でその身を包む彼女は【フェイント】を織り交ぜながらも、【全力】で術を発動させる。
「受けよ、天からの贈り物!」
明が敵艦隊を指さすと、【破魔】の力が付与された雷光が空から降り注ぎ、紀伊を中心とした艦隊へと浴びせかかっていく。
「少しでも相手にダメージを与えて、次の方に」
明は連続して【サンダーボルト】を使い、紀伊の全身をメインに攻撃を行う。
少なからず、露出した高角砲や機銃に被害が出ているようだが、それでもまだ主力となる兵装は健在だ。
「俺は武装の破壊を行うか」
【空中戦】技能を生かして猛禽の翼を羽ばたかせ、紀伊を追っていた清綱。
彼は空中【ダッシュ】して追いついた地上戦艦上部の空中で、仲間達の攻撃が一段落するのを待つ。
「敵を無力化すれば、皆も潜入しやすいだろう」
周囲の護衛艦が自分を狙っていることに気付いた清綱は『空薙』、『心切』と二振りの刀を力強く振り回して【衝撃波】を放ち、飛んでくる砲弾を切り裂く。
それでも防げぬ弾は、清綱もやむなく【オーラ防御】で凌いでいたようだった。
「さて、他の人に正面は任せて、と」
その間に、アルナスルは立ち上る砂埃を【迷彩】代わりにして、【忍び足】で地上戦艦へと近づいていく。
艦隊上空では仲間達が上手くやってくれていることもあり、アルナスルは周囲の艦隊から飛んでくる砲弾を【第六感】で弾道を【見切り】、懐へと潜り込んでいく。
メルフローレもまた、地上から敵艦へと取りついていて。
甲板にあるロープを【神の見えざる手】で垂れ下げ、それを【ロープワーク】で掴んで【クライミング】の技術でよじ登り、【ジャンプ】を使って甲板へと上がっていった。
「まずはあれからですね!」
彼女が狙うは、紀伊の副砲。
【破壊工作】をと、メルフローレは愛用の『メイス』でしこたま殴りつけて一つずつ砲台を破壊するのである。
●
地上戦艦紀伊は自ら展開した艦隊を、手慣れた様子で攻略する猟兵達に驚きを隠せない。
『一体、何なのだ。この連中は……』
戦車乗りやサバイバルガンナーといった奪還者であっても、そう簡単に戦艦を攻略はできないはず。
だが、猟兵はその身一つで艦隊ですら臆することなく相手にしているのだ。
「まだいきますよ」
弾幕の中でも、明がなおも紀伊の身体に雷を降らせる。
轟音が響き、かすかに内部に捕らわれた人々の叫び声が聞こえたような気がした。
『人質がどうなってもいいのか?』
紀伊は猟兵を脅しながらも主砲を発射し、狙い撃とうとしていた。
フローライトは巻き起こる砂埃に身を隠しつつ、周囲を飛び回る。
そして、射角を取りづらい位置へと【早業】で回り込むことで、フローライトは砲弾を回避していく。
「今だ、一斉掃射!」
フローライトの戦闘機隊が紀伊を包囲して動けなくし、無人の艦橋へとミサイルを叩き込んでいく。
その間に、紀伊の甲板へと降り立った清綱。
彼は両手の刃に【怪力】を籠め、硬い副砲をもやすやすと切り裂いていく。
次々と砲台を切り裂き、紀伊の武装を減らす清綱。
ある程度切り伏せて無効化したところで、彼は仲間達へと呼び掛ける。
「今が好機。更なる攻撃を」
仲間達が暴れれば暴れるほど、アルナスルにとっては好都合。
まして、甲板に乗り移ることができれば、こちらのもの。
――拘束制御、開放。
偽神細胞の移植手術を受けているアルナスルは、不定形の異形と化した肉体を無尽に広げて。
「艤装が無くなるのは仕方ないけど、これでお【怒涛(ワカレ)】だよ」
異形は主砲を丸ごと飲み込むだけでは飽き足らず、紀伊の周囲へと展開する艦隊へと津波の様に襲い掛かる。
「大丈夫、喰らうのはオブリビオンだけだよぉ」
物資や人質は、もうしばらくの辛抱だとアルナスルは告げた。
ほぼ紀伊の武装が無力化する中、メルフローレが攻撃を仕掛けていたのは、艦内の機関部。
先程の副砲と同様に『メイス』で動力となる部分を殴りつけるメルフローレは、ここでも【神の見えざる手】を使って。
「神よ、その奇跡の御手を、暫しお貸しください」
念動力によって殴打し、彼女は動力部に爆発を巻き起こす。
さらに、『宇宙バイク』をゴッドスピードライドで乗りこなす霧亜は甲板から甲板へと【ジャンプ】し、紀伊の甲板へと乗り移る。
霧亜は艦内、操舵室へと突入し、バイクで機器を轢き潰し、破壊してしまった。
『猟兵……恐る……べ、し……』
紀伊に宿っていた意識が完全に消え失せたことで、ユーベルコードによって出現していた艦隊もまたこの場から消えてなくなっていく。
この場に残るは、地上戦艦紀伊の残骸のみ。
「後は艦内だな」
清綱は念の為にと【野生の勘】を働かせながら人質の気配を探る。
「いました! 皆さん、大丈夫ですか?」
牢に捕らわれていた人々を発見し、メルフローレは声をかける。
すでに紀伊が無力化していたことで鍵も解錠され、晴れて自由の身となった人々は歓喜するのだった。
その後、猟兵達は近場の拠点へと出向き、奪還者達へと事情説明。
彼らへと解放した人々と資材、食料を託したことで、レイダー軍団『キー軍』の壊滅依頼を完遂したのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵