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難攻不落の山賊砦

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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「んじゃ、行ってくる」
「へい!」
「お気を付けて!」
 山賊の頭領が出立を告げると、見送りに出た子分たちは揃って頭を下げた。
「すぐに戻る。……が、気は抜くなよ?」
「分かってます。なあに、こいつがあれば平気です」
 子分の一人が誇らしげに巨大な門を見上げ、鉄扉をこんこんと叩いてみせる。鉄扉門と高い石垣に囲まれた山賊たちの砦は頑強で、先月ものこのこやって来た侍たちを撃退していた。
「あいつらが来たとしても、また追い返してやりますよ」
「まあな。こいつには全財力の5分の3を注ぎ込んだんだ。役に立ってもらわなきゃ困る」
「まったく、その通りで」
「あんな連中、たとえ千人来たって無駄でさあ」
 子分たちが下卑た笑い声をあげる中、頭領だけは無言で砦の門を一瞥する。
「くどいようだが、くれぐれも油断はするな。俺が帰るまで気を張っとけ」
 頭領は子分たちに鋭い視線を向けると、部下の半数以上を引き連れて砦を後にした。


「まあ、そんな感じで手薄になった山賊のアジトを襲撃しようっていう話なんだけどさ」
 そう言って上崎・真鶴は集まった猟兵たちに説明を始めた。
「場所は紀伊国の田ノ岡藩ってところ。山ん中の湖にある島が丸ごと山賊たちのアジトになっているから、そこを叩くのが今回の仕事だよ」
 湖はそれなりに大きく、山賊たちは天然の堀として活用しているらしい。小島には橋が架けられているため船は必要ないが、その橋を渡った先には大きな鉄の門が控えている。さらに高い石壁がぐるりと島を囲んでいるため、船を使うなどして正面の門を避けたとしても侵入は容易ではない。そして近隣を荒らし回った山賊たちは、奪った財貨を要塞と化したその島に貯め込んでいるという。
「実はさ、山賊如きに堂々と拠点を構えられちゃ敵わないってんで、一度藩主の左向様自ら部下を引き連れて攻めたんだよね」
 山賊の拠点はグリモア猟兵の予知によって突き止めたものではない。藩主である左向兼治は盗賊たちの出没する地域をくまなく調べ、領内の山中にある湖の小島が山賊の根城となっていることを突き止めた。場所が場所だけに船を運び込むのも難儀であり、島に橋が架かっていたこともあって、兼治は兵を率いて正面から攻め込んだのだが──。
「結果は散々。敵を舐めて掛かったせいもあったんだろうけど、守りは堅いし山賊の頭領はオブリビオンだしで見事に追い返されちゃったってわけ」
 山賊たちは槍刀や弓だけでなく鉄砲も十分に揃えており、その武力は侮れないものがある。そこで猟兵たちには藩主の雪辱を果たす手助けを頼みたいのだと真鶴は言った。
「今回あたしが予知したのは、そのアジトから山賊の頭領が部下の大半を引き連れて一週間ほど姿を消すってところなんだ。皆にはその間にアジトを攻め落として、頭領の帰りを待ち伏せしてほしい」
 その際問題になるのは砦の正面を守る大門だ。堅固な石垣と分厚い鉄扉の門は大抵の攻撃を受け付けず、下手に近付けば上部の櫓から弓矢と鉄砲が襲ってくる。
「山賊のアジトには不釣り合いなくらいの頑丈さで山賊たちにとっても自慢の大門らしいけど、頭領はいないし残っている子分も少ないし、付け入る隙はそれなりにあると思う」
 単純な力攻めで門を破るもよし、抜け道を探して忍び込むもよし。今回は藩主が小舟を何艘か用意しているので、それを借りることも出来る。必要なら配下の武士を手勢として率いることも可能だろう。他にも色々な策を講じることが出来るはずだ、と真鶴は請け負った。
「攻め落とせとは言ったけど、別に猟兵の皆だけでアジトに残っている山賊たちを全滅させる必要はないよ。門を破りさえすれば、あとは左向様と家来の武士たちがどうにかするからね」
 説明を終えた真鶴は、ひらひらと手を振って猟兵たちに笑顔を向けた。
「それじゃ後は任せるから、よろしく頼むよ」


若林貴生
 こんにちは。若林貴生です。

 第一章では砦の門を突破し、第二章で迎撃の準備を整え、第三章で帰還した山賊の頭領たちを相手に戦う構成となっています。
 藩主の左向兼治は100人ほどの部下を率いていますが、特に要請されない限りは猟兵の皆さんに任せて待機しています。山賊たちはそれほど強くありませんが、それはあくまで猟兵たちにとっての話なので藩主と武士のご利用は計画的に。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『開け!開かずの門』

POW   :    開けばいいのさ開けば!あえて真正面から門を破る。

SPD   :    急がば回れってね。迂回路を探したり忍び込んだり。

WIZ   :    頭を使ったらいいのさ。陽動?偽装?搦め手ですり抜る。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コモフォ・グリード
【コモフォ】
私は他の猟兵達の支援に回るとしよう…陽動だ。
陽動には分かりやすく目が付く方が良い。
藩主の兵を出来るだけ多く借りて威圧することにする。
敵は一兵たりとも外には出させるつもりはない…
伝令が落ち延びるが一番厄介だ。
それと私が率いる部隊はあくまでも陽動だ…
味方部隊が突入するまで遠距離戦を仕掛け続ける…敵兵の士気の低下と足止めを目的として動く。
借り物の兵員を消費する訳にはいかんからな。
【グリード】
コモフォが頑張ってる間にぃ~わしの方はねぇ~
水路を経由して『欲喰らいの行群』を流し込むねぇ~
内側から侵攻するという訳だねぇ~。
ある程度侵食が進んだらスライム達に指示を出して開城するという寸法だよぉ~。


モリ・ダニー
アドリブ、連携歓迎

【SPD】
男らしく正面突破、と言いたいところだがこの後の事を考えれば
出来るだけ無傷で城を確保したいからな、ここは忍び働きと行こうかダニー。

技能:動物と話すを使い、近隣の鳥類と話をつけ城内の山賊の位置を空から常に実況してもらい警備の薄いところから侵入する。
どこからでも侵入できるように橋は使わず湖を泳いで城に接近する
警備が薄い所の壁が高いようならサイコキネシスで自分の体を浮かして入る。

城内に入った場所が正門に近いようならそのまま正門に向かい
離れているようなら逆側に向かいながら出来るだけ派手に暴れて正門側の
敵を引き剥がせるように陽動する。


エウトティア・ナトゥア
WIZ適用

羽振りのよい賊じゃのう。大層悪さをしていると見える。…お仕置きじゃな!

まあ、わしが門を破る必要もないじゃろう
門を破るのは他に任せて、わしはわしで出来る事をやるかのう

《風精霊のベール》「騎乗」「ダッシュ」「迷彩」「地形の利用」「忍び足」使用

可能なら他の猟兵の行動に紛れて侵入
透明になって正面から忍び込むかのう。他に中に侵入する者がいるようなら一人は連れて行ってもよいじゃろう
マニトゥ、手早く駆けるのじゃ。ただ足音を立ててはいかんよ
中に入ったら適当に引っかき回して城内奥へ退き、物陰で透明になり姿を隠す一撃離脱を繰り返すのじゃ
力攻めする者への援護になるじゃろう



●潜入
「いい天気だなぁ」
 澄んだ青空を見上げながら山賊の一人がのんびりと呟いた。空気は冷たいが日差しは暖かく、空の上では鳶がゆったりと旋回している。
「お頭がいねぇと気楽でいいや」
「まったくだ」
 頭領の不在で完全に気が緩んでいるらしく、山賊たちは酒を片手に笑い合っていた。そんな彼らを上空からじっと見詰めていた鳶は、ひとしきり旋回すると獲物を狙うでもなく森の中に急降下していく。

『そうか……のんきな連中だな』
 鳶から報告を受けたモリ・ダニーは呆れたようにかぶりを振った。
『その中でも手薄なのは北、か』
 門は砦の南側だ。正反対の方向ならば敵を攪乱するにはちょうどいいだろう。
『ありがとう、助かったよ。……では行くとしようか、ダニー』
『オン!』
 鳶に礼を言うと、モリとダニーは真っ直ぐに湖へと向かう。

「なんだ、ありゃ」
「犬、か? こんな所に珍しいな」
 北側の見張りをしていた山賊たちは、犬かきで泳いでいるダニーをのんびりと眺めていた。
「真っ直ぐこっちに来るぞ」
「もう水も冷てえだろうになぁ」
「あの犬、頭になんか乗せてんぞ」
「犬にしちゃ泳ぐの速くねえか?」
 モリとダニーをただの犬だと思っているのだろう。山賊たちは敵に接近されているという自覚もなく、だらけた空気のままだ。
『ダニー、そろそろ連中の目を覚まさせてやるとしようか』
『オン!』
 砦まであと2、3メートルといった辺りまで接近すると、モリはサイコキネシスでダニーの身体を空中へと持ち上げた。それを見て山賊たちが色めき立つ。
「お、おい! あの犬おかしいぞ!」
「物の怪か!?」
「撃て! 撃っちまえ!」
 山賊たちは手近にあった弓矢を引っ掴み、血相を変えて矢を射掛け始めた。
『慌て過ぎだ。それでは当たるものも当たらんよ』
 余裕たっぷりにそう言うと、モリはサイコキネシスでダニーを操作しつつ敵の矢を避けていく。そして石垣の上に着地した時、遠くから敵襲を告げる山賊たちの怒声と銃声が聞こえて来た。
『向こうも始まったか』
 南の門へ駆けていく山賊たちを横目に見つつ、モリは斬り掛かってきた山賊の足を払って湖に叩き落とす。
『こちらも始めるぞダニー。お前の……いや、俺たちの力を見せてやろう!』
『ワォン!』

●陽動
 コモフォ・グリードが藩主から借り受けた兵は40人。橋の上という狭い場所に展開することを考えれば、この程度が妥当だろう。
「構え! ……撃て!」
 最前列の者たちは竹束を盾にし、他の者はコモフォの号令に従い射撃を繰り返す。山賊たちもこちらに負けじと盛んに鉄砲を撃ち返していた。
「コモフォ殿」
 名前を呼ばれて振り返ると、侍の一人がコモフォに神妙な顔を向けている。
「このまま撃ち合うだけでよろしいのですか?」
「そうだ」
 コモフォが頷く。
「無理に当てる必要はない。奴らを引き付けて外に出さなければそれでいい」
 それを聞いた侍は怪訝な表情を浮かべた。
「外に、ですか? ですが砦を盾に撃ち合う方が有利なはず。連中がわざわざ出てくるとは思えませぬが」
「そうだな。だが伝令に走ろうとする者がいないとも限らんだろう?」
 万が一山賊たちが『頭領を呼び戻す』という選択をした場合、彼の留守を狙って砦を制圧するという作戦の前提が崩れてしまう。念のために備えるのは当然のことだった。
「確かに……そうですな」
「敵に『自分たちが有利だ』と思い込ませ、調子に乗せてやるくらいでちょうどいいんだ。そうすれば奴らは勝手に引きこもるだろうからな」
 敵の注意と戦力を門の前に集め、他を手薄にするのがコモフォの狙いだ。そしてその陽動作戦が順調に進み始めた頃、『コモフォ』の意識が『グリード』へ移り変わる。
「コモフォも頑張ってるみたいだしぃ~、そろそろわしも動かないとねぇ~」
 そう言ってグリードは僅かに笑みを浮かべた。その足元からスライムが染み出すと橋桁を伝って湖に流れ込み、橋の下を通って砦に向かい広がっていく。
「砦の中とは繋がってないのかなぁ? それとも反対側にあるのかもしれないねぇ~」
 グリードは湖から砦内部に繋がっている水路があるはずだと睨んでいた。その水路を探り当て、そこから砦内にスライムを侵入させるつもりだったのだが、少なくとも砦の南側には無いようだ。
「コモフォ殿!」
「わしの名前はグリードだよぉ~。コモフォじゃないねぇ~」
「は? ……はぁ」
 侍は訝しげにグリードの顔を覗き込んだが、深くは追求しないことにしたようだ。
「グリード殿、これ以上は少々危険です。一旦下がるべきかと」
 グリードたちが門に近付こうとしないため、山賊たちはこちらが攻めあぐねていると判断したのだろう。調子付いた彼らの攻撃は勢いを増し、こちらは竹束の盾も幾つか使い潰していた。
「そうだねぇ……」
 状況が苦しくなってきたということは、それだけ砦内の戦力がこちらに集中し始めたという証拠だ。陽動という目的は十分に果たしていると言えるだろう。
「じゃあ、あの位置まで後退だねぇ~」
 グリードは橋の袂からやや離れた湖岸を指し示す。
「それですとこちらの矢弾も当たり難くなりますが……」
「コモフォも言ってたけどねぇ、当たらなくていいんだよぉ~」
 グリードはちらりと背後の木立ちに目をやった。
「さあ、早く移動しようねぇ~。のんびりしてると踏み潰されちゃうかもしれないからねぇ~」

●攪乱
「さて、わしらの出番かのう」
 マニトゥの背に跨ったエウトティア・ナトゥアは、そう囁きながら巨狼の首を撫でる。二人の姿が景色の中に溶け始め、完全に同化すると、マニトゥは弾かれたように木立ちを飛び出した。山賊たちは陽動部隊との撃ち合いに気を取られて、こちらに気付いていない。
「このまま真っ直ぐじゃ」
 目指すのは砦を囲んでいる石垣だ。人間にとってはよじ登るのも一苦労だが、マニトゥの脚力と跳躍力ならばとエウトティアは思う。
「行けるな?」
 マニトゥの耳元に口を寄せ、短く問う。巨狼は答える代わりに速度を上げ、一息で石垣を斜めに駆け上がった。
「では一つ、暴れてみようかの」
 石垣の上から盗賊たちを見下ろして、エウトティアは透明化を解いた。
「おい、あれ見ろ!」
「なんだ!? どこから入ってきやがった!」
 唐突に現れたエウトティアたちを見て山賊たちが慌てふためく。
「こ、この化け物め!」
 山賊の一人が刀を抜いて斬り掛かる。しかしマニトゥの爪は、それを容易く叩き折った。
「ひぃっ!」
 山賊は柄だけになった刀を放り捨て、怯えた声を上げて逃げ出していく。他の山賊たちも次々に矢を射掛けてくるが、マニトゥはふわりと跳んでそれをかわした。
「頃合いじゃな」
 山賊たちの目が集まってきたところを見計らい、エウトティアたちは山賊たちに背を向けて走り出す。そして手近な小屋の陰に入ると、再び姿を消して息を潜めた。
「いねぇぞ!」
「ここに隠れたはず……だよな?」
「北の連中が言ってた犬ってのは今の奴か?」
「分かんねぇ。とにかく他を探すぞ」
 追い掛けてきた山賊たちは辺りをきょろきょろと見回していたが、すぐに諦めて去っていく。
「ふむ、わしらも行ってみるかのう」
 エウトティアがそう言うと、マニトゥは姿を消したまま砦の北へ走り出した。
「……あれじゃな」
 山賊たちの言っていた犬は、すぐに見付かった。エウトティアは数人の山賊を相手に立ち回るダニーと、同時に彼を狙っている狙撃手の姿を視界に捉える。
「こっちじゃ」
 エウトティアは狙撃手の腕を短弓で射抜くと、姿を現してダニーに駆け寄った。
「乗るか? 一人分なら空いておるぞ」
 エウトティアはマニトゥの背中をぽんぽんと叩いてみせる。
『ではお言葉に甘えるとするか』
『オン!』
 マニトゥの背にダニーが飛び乗った途端、彼らの姿が掻き消えた。
「き、消えた!?」
「どこだ? どっちへ行った!?」
 叫ぶ山賊たちの背後を取ると、その背に向かってダニーが飛び掛かる。そして襟首に牙を引っ掛け身を捻り、そのまま大きく放り投げた。
『こりゃいいな』
『オン! オン!』
 透明化は決して無敵の能力ではないのだろうが、混乱している山賊たちには効果的のようだ。エウトティアたちは突然現れては消え、消えては現れを繰り返し山賊を翻弄する。
「畜生! こんなのと戦っていられるか!」
 山賊の一人がくるりと背を向けた。彼は井戸に向かって逃げ始め、その中に飛び込もうとする。
「……抜け穴か?」
 エウトティアが眉根を寄せる。ここが山賊の根城であることを考えれば、そういうものがあってもおかしくはない。だが山賊が飛び込む寸前、何故か井戸の中から大量のスライムが湧き出て彼の身体を押し出した。外にいるグリードが水路を探り当て、侵入させたのだろう。
「な、なんじゃこりゃあああ!」
 山賊は悲鳴を上げて井戸から離れていく。それを見た他の山賊たちも騒ぎ始め、その混乱は砦中に伝播していく。
「あと一押しじゃな」
 山賊たちが右往左往する様子を眺め、エウトティアはニヤリと笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最上・空
砦攻めに美幼女が参戦ですよ!

既に中は大混乱みたいですし、折角なので空は門破りに挑戦してみようかと思います。

【ウィザード・ミサイル】を「高速詠唱2」し、出来るだけ扉の同じ部分に集中攻撃して、手数で強引に破れないか連射連打してみます!

ちなみに破れそうで、藩主と武士の方々に破城槌や丸太的な扉を破る装備の用意があるなら、今後に備え士気向上の為に最後の一突きはお任せします、援護はお任せ下さい。

砦からの弓や鉄砲は「属性攻撃5」&「衝撃波4」で風を起こして防いでみようかと思います。厳しい場合は美幼女オ-ラ(「封印を解く5」&「オ-ラ防御3」)を全開にして防御ですよ!

※アドリブ&まとめご自由に


御剣・刀也
POW行動

正面突破か。いいね。そういうのは嫌いじゃない
部の悪い賭けほど燃えるもんだ。俺も一口のらせてもらおうか

真正面から門をこじ開けて入ろうとする
開かないなら門を斬り捨てて入り口を作って入る
入り口を作れないほど門が分厚いなら拳で殴って強引に入り口を作って押し入る
敵の妨害が予想できるが対して気にしない
「俺が倒れるのが先か、門が壊れるのが先か、俺は当然門が壊れるほうに賭けるけどな!!」
灰燼拳を打ち込み、打ち込み、門を壊すことしか考えず打ち込み続ける
門が壊れたら
「俺の勝ちだな」
と堂々とその壊れた門から中に入る


ユリ・アップルヤード
「そんな型落ち時代遅れの鉄砲でリアンの装甲が抜けるとでも? 大筒でも足りないよ! 大口径のビームキャノンでも持ってきな!!!」

さぁ、思いっきり正面からぶち破りにいこうか!
Code:Genocideで機械巨人リアンと偵察ロボットコロマル、万能型ドローンルーのリミッターを解除。
リアンは大楯と鉄柱で真正面に立って、城門破りと巨体を生かして盾になってもらうよ。派手に薙ぎ払って叩き潰して、全力で暴れ回らせよう。
コロマルとルーは櫓の上の敵に対して、ガトリングで斉射。リアンを盾にしながら、銃弾の雨霰を降らせよう。

「ヒューズは私の直掩、よろしく!」
三機とは別に戦闘用機械兵ヒューズは私の直掩につきつつ、狙撃。


文樫・坩堝
◯SPD
正面から侵入する忍者なんていないのですよぅ。というわけで迂回路を探しましょうかぁ。多少疲れるかもしれないですけど、道が一つしかないってことは無いはずですからねぇ。

《摩利支天の法》で見つかりにくくして「第六感」を頼りに潜入しますよぉ。

山賊だか何だか知りませんが、オブリビオンを倒せばおまんまが食えるってんですから、こんなに簡単な話はないですよぉ。



●侵入
 文樫・坩堝は森の中から砦の様子を窺った。陽動部隊のおかげで橋はがら空きになっていたが、それだけに渡ろうとすればかなり目立つ状態だ。当然、山賊たちの集中攻撃を受けることになるだろう。
「これ、少し疲れるんですけどねぇ」
 坩堝は小声でぼやくと、静かに息を吐いて目を閉じた。
「オンアニチヤマ、リシエイソワカ……」
 隠形の呪文を唱えた坩堝の姿が、すうっと薄らぎ陽炎のように揺らいで消えていく。そして透明になった坩堝は森を抜け、無人の橋を渡って門の前に立った。
(「正面……は忍者らしくないですかねぇ」)
 石壁を登れないこともないだろうが、坩堝は石垣に沿って島をぐるりと回っていく。
「……!」
 不意にガタンと物音がして、坩堝は反射的に身を伏せた。しかし見付かったというわけではなさそうだ。
(「ま、姿は消してますしねぇ」)
 もちろん足音も立ててはいない。そのまま耳を澄ましていると、小さな水音と共に藪の陰から小舟が滑り出てきた。
(「あれは……」)
 舟に乗っていたのは二人の山賊だった。二人ともひどく焦っている様子で、ちらちらと砦に目をやっている。
(「脱走、ですかねぇ」)
 放置しても構わないかと思ったが、敵の伝令という可能性もある。念のために坩堝は小舟に飛び乗った。
「な、なんだ?」
「おい、揺らすな!」
 坩堝はあたふたしている山賊たちを湖に蹴落とし、小舟の船底に穴を穿つと、舟を蹴って再び島に飛び移る。落水した山賊たちも当然戻ると思ったのだが、彼らは必死に泳いで対岸を目指していた。
(「追う必要は……なさそうですねぇ」)
 坩堝は激しく水音を立てて進む山賊たちの後頭部を見やる。あの泳ぎ方では一際目を引くし、湖岸に辿り着いた頃には疲労困憊のはずだ。待機している藩主の部下たちが見付けて捕らえるだろう。彼らのことはあちらに任せ、坩堝は探索を再開する。
(「見付けましたよぅ」)
 小舟が出てきた辺りを捜していると、藪の中に隠された木製の扉があった。そっと近付き気配を探る。扉の向こうに人の気配がないことを確認し、坩堝は静かに扉を押し開いた。先に潜入した猟兵たちが暴れているのだろう、山賊たちの悲鳴や怒声に混じって発砲音がそこかしこから鳴り響いている。砦の南側からは門を破ろうとする大きな音が断続的に響いてきた。
(「あたしも、ぼちぼちやっていくとしますかねぇ」)
 坩堝は手近な山賊に背後から忍び寄り、彼の首に腕を絡めて絞め落とす。そしてぐったりとした山賊の身体を素早く物陰に移した。
(「こんなことでおまんまが食えるってんですから、こんなに簡単な話はないですよぉ」)
 疲労で僅かに乱れた呼吸を整え、坩堝は再び己の姿と気配を消し去っていく。

●突破
 山賊の砦に続く橋の上を、機械の巨人がゆっくりと歩いていた。櫓や石垣の上に陣取った山賊たちは、近付いてくる巨人に向かって盛んに発砲する。
「そんな型落ち時代遅れの鉄砲でリアンの装甲が抜けるとでも?」
 山賊たちの奮闘を、ユリ・アップルヤードは鼻で笑う。その言葉通り彼らの銃弾は、ことごとくリアンの装甲に弾かれていた。
「何だありゃ畜生!」
「もっとだ! もっと撃ち続けろ!」
 逆上した山賊たちは躍起になって撃ち続けるが、結果は変わらない。
「大筒でも足りないよ! 大口径のビームキャノンでも持ってきな!!」
 そう言い返しながら、ユリはリアンの後ろを悠々と歩いていた。最上・空と御剣・刀也もその後に続いていく。
「こんなに簡単でいいんでしょうか」
「いいんじゃないか?」
 もちろん二人もただ歩いているわけではなかった。真正面からの矢弾はリアンの巨体が受け止めているが、すり抜けてくる弾もあれば横から矢が飛んでくることもある。そういった矢を刀也が切り払い、射掛けてきた山賊たちには空が炎の矢を撃ち込んでいた。
「それにしても、この橋が結構頑丈で助かったよ」
 ユリは感心したように言いながら足元を軽く踏み鳴らす。リアンが歩けば多少揺れるものの、足が抜けるようなことはなさそうだ。
「でもリアンが走ったらちょっと危ないかなぁ」
「問題はこっちだな」
 門の前に立った刀也は鉄扉に手を掛けて力を込めてみたが、予想通り押しても引いても開く気配はない。
「それなら……」
 刀也は静かに抜刀し、気合と共に斬り付けた。煌く刃が弧を描き、鉄扉に一文字が刻まれる。だがそれも扉を両断するとまではいかなかった。
「ちっ、駄目か」
「空も試してみます」
 空は鉄扉に刻まれたばかりの傷を狙い、魔法の矢を十数本続けざまに叩き込む。しかしその炎も鉄扉を貫通するには至らず、傷口を多少広げる程度に留まった。
「時間を掛ければ何とかなりそうですけど……」
 そう言って空は眉根を寄せたが、そこに頭上から山賊たちの揶揄する言葉が降り掛かる。
「てめえらなんぞに破れるわけねえだろ!」
「とっとと帰りな!」
「そいつは厚みが五寸、いや六寸はあるんだぜ? 破れるもんなら──」
「静かにして下さい」
 空は石垣の上に並んだ山賊たちを目掛け、片っ端から炎の矢を撃ち込んで黙らせる。
「ところで破城槌は必要ないんでしたよね?」
「もちろん」
「ああ」
 空が訊ねると、ユリと刀也は自信満々に頷いた。
「俺が倒れるのが先か、門が壊れるのが先か……」
 刀也は鉄扉に密着するほど身体を寄せ、固く拳を握り込んだ。そこから真っ直ぐに突き出した拳は、重い鉄の扉を震わせ凹みを作る。
「俺は当然、門が壊れるほうに賭けるけどな!!」
「リアン、思いっきりやっていいよ」
 ユリの声に応えたリアンが鉄柱を構え、勢いよく鉄扉を衝いた。耳を塞ぎたくなるような轟音と共に扉が歪む。
「俺は右の扉、そっちは左でいいか?」
「いいよ、どっちが早く壊せるか競争しようか」
 刀也とリアンは交互に鉄扉を殴り始めた。それを見た山賊たちが一気に焦り始める。
「あいつら正気か?」
「と、とにかく撃て! ぶっ殺せ!」
 山賊たちは怒鳴り声をあげながら射撃を再開した。さすがにもうリアンを狙っても仕方ないと思ったのだろう。猟兵たちを直接狙う方針に切り替えたようだ。
「おっと、危ない危ない」
 ユリの足元に敵の銃弾が命中し、橋板が弾け飛ぶ。しかしユリは慌てず騒がず、ロボットのリミッター解除コードを各機に転送した。
「さあリアン、コロマル、ルー。何も気にせず暴れておいで。……私が見たいのは貴方達の躍動だけ」
 ユリはリアンたちに笑みを向け、背後にいたヒューズを振り返る。
「ヒューズは私の直掩、よろしく!」
 リミッターが外れたコロマルとルーは山賊たちの矢弾を掻い潜って動き回り、それぞれガトリングガンと機関砲で櫓を掃射した。だが櫓にも鉄板が仕込んであるらしく簡単には壊れない。ユリの隣に張り付いていたヒューズは、櫓の銃眼から銃口が覗く度に素早く察知して狙い撃っていく。
「なんなんだ、あの妙なからくり共は!」
「俺が知るかよ!」
 櫓の内部に身を隠していた山賊たちは、歯ぎしりをして喚き散らした。
「大体なんだってこんなに人が足りないんだ!」
「騒ぐなよ。さっきからずっと他所の奴らを呼びに走らせちゃいるんだが……」
 山賊は苦虫を噛み潰したような顔で溜息をつく。
「他にも敵が来てるのか!?」
「らしいな。空飛ぶ犬だの狼の幽霊だのヘドロの化け物だの、変な知らせばっかり届きやがる」
「二本足の狐がどうとかって話も聞いたぞ」
「ああ畜生! どうなってんだ一体!」
 山賊は頭を抱えて下を向いたが、すぐにハッとなって顔を上げた。
「そうだ、焙烙玉があったじゃねぇか!」
「いや、ありゃ下手すると色々吹っ飛ぶぞ。お頭がいねえ時に使うのは……」
「構わねえ! ここをぶち破られるよりはマシだろうが!」
 そう怒鳴った山賊は、隅に置いてあった木箱から焙烙玉を取り出すと導火線に火を点けた。
「これでも食らえ!」
 山賊は櫓から身を乗り出して、焙烙玉をリアンに投げ付ける。焙烙玉は狙い通りに命中し爆発するが、ショルダーアーマーで身を守っていたリアンはびくともしない。
「無傷だとぉ!?」
「その程度じゃ効かないって言ったはずだよ」
 驚愕の表情を浮かべた山賊を眺め、ユリは満足げに笑う。
「なら、あっちだ。あっちの男を狙え!」
 山賊はリアンの破壊を諦めて、刀也に視線を移した。刀也は山賊の敵意など歯牙にもかけず、一心に鉄扉を殴り続けている。
「死ね!」
 頭に血が上った山賊は、刀也を狙って焙烙玉を投げ付けた。しかし空の起こした衝撃波で狙いを逸らされ、焙烙玉は命中することなく湖に落下する。当然、それは導火線の火が消えて不発に終わった。
「くっ! この……! まだだ!」
 虎の子として出したつもりの焙烙玉で倒せなかったことがよほど悔しかったのだろう。山賊は真っ赤になった顔を歪めて引っ込んだ。
「次は何を持ってくるんでしょう」
 まるで次の出し物を待つかのような気安さで、空は山賊の反応を窺う。ややあって山賊は大きな瓶を引き摺るように運んできた。
「焼き殺してやる!」
 その口ぶりからして、瓶の中身は油だろう。それを櫓の上から流して火を放つ──つもりだったのだろうが、寸前に空の放った炎の矢が瓶を叩き割った。
「……あ」
「やりやがったな畜生ぉ!」
 ぶちまけられた油に炎の矢が突き刺さり、櫓の上であっという間に燃え広がる。そこにルーとコロマルが銃撃を浴びせると、山賊たちは慌てて逃げ出し、しばらくして続けざまに爆発が起きた。
「残っていた焙烙玉に引火したんでしょうか」
 破壊された櫓の破片が幾つか飛び散り、猟兵たちに降り注ぐ。それを再び衝撃波で薙ぎ払いながら、空は石壁を見上げた。するとその陰から坩堝がひょっこりと顔を出す。
「大丈夫ですかぁ?」
 空たちに呼びかけながら、坩堝は半壊した櫓に目をやった。
「これはまた随分と派手にやりましたねぇ」
「空はほとんど何もしていないのですが……」
 そう言って空は苦笑する。
「ところで、そちらから門を開けられますか?」
「無理ですねぇ」
 空の問いに坩堝は即答した。
「鉄棒の閂が三本も通してありますけどぉ、どれも歪んじゃって抜けそうにないですねぇ」
「構わん、このままぶち破る」
 刀也は鉄扉を見据えたまま口を開く。その間も彼の拳は止まらずに鉄扉を打ち続けていた。
「そうですねぇ、ここまで来たらその方が早いと思いますよぅ」
「了解」
 刀也の拳とリアンの鉄柱は休むことなく鉄扉を打ち据える。そして扉の歪みは更に大きくなり、至る所にひび割れが走り、遂に左右の扉はものすごい音を立てて倒れ込んだ。
「俺たちの勝ちだな」
 息を整えた刀也はニヤリと笑い、先頭に立って倒れた鉄扉を踏み越えていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『籠城戦の準備』

POW   :    落石用の石や弓矢などの武器になりそうな物を体力が尽きるまで城に運び込む。

SPD   :    煮え湯や煮え油の罠を作ったり、馬防柵などを作成する。

WIZ   :    籠城人数や籠城日数を計算し食料や飲み水の調達を指示する。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●状況
「皆様には感謝しております」
 そう言って田ノ岡藩主左向兼治は猟兵たちに頭を下げた。
「おかげで我が方に一兵の損害も無く、この砦を落とすことが出来ました。砦に残っていた山賊たちも残らず捕らえ、部下に見張らせております。ですが本番はここから……」
 兼治は神妙な面持ちで話を続ける。
「まず砦の門ですが、これは全壊です。山賊の頭領たちが帰ってくるのは5日後ですが、それまでに修復するのは無理でしょう」
 門の上に設置されていた櫓も全壊といっていい。ただし砦を囲む石垣は、ほぼそのままで問題なし。島に渡るための橋も、多少がたつきはするが普通に渡る分には何の問題もない。
「山賊たちも一目で異変を察知するでしょうが、ここには民から奪われた財が数多く残されております。それらを再び奪い取ろうと、占拠されていることを承知の上で襲い掛かってくるでしょう。我らはそれに備えなければなりませぬ」
 砦の中にある物といえば、木材、食料、酒、油、武器弾薬、その他日用品など。ちなみに残されている財とは金塊や銀塊、小判、反物、装身具、茶器、美術品などだ。
「何か必要な物があれば我らが都合致します。一度我が城に戻り、ここに帰ってくる程度の時間は残っております故」
 兼治は再び猟兵たちに向かって丁寧に頭を下げた。
「どうか今一度、お力添えのほどを」
御剣・刀也
POW行動

さて、こっからが本番か。此処で力尽きるわけにはいかねぇが、体力の限り岩とか運んだりしますかね

落石用の岩、弓矢などを運びつつ
「いざとなったら俺たちが壁になってやる。だから気にせず運べ!!」
と味方を鼓舞しつつ様子を見る
「戦は兵の士気と質、最後に数が物を言うんだが………どこから来るのか分ってれば兵を伏せておくこともできるな………」
と、伏兵を置いておくことを考え、進言しつつ、出てくるタイミングは領主に任せる。出来れば、敵がこっちに食いついて此方しか見ていないときにしてもらいたいが………それは都合がよすぎか。と思う


ユリ・アップルヤード
「よし、それじゃ荷物運びといこうか。リアン、よろしくね。コロマルとルーはその間に付近の偵察。ヒューズは念のため私の護衛」

Do it Myself.でリアン用の大型運搬用カーゴを出そう。
それにとにかく入れられるだけの武器とかその他諸々収納して、どんどん運んでいこう。
コロマルとルーをそのままにするのももったいないし、二機には周りを偵察してもらおう。何にもないとは思うけど、念のためね。ついでに薬草とか、何かあったら拾ってきてもらおう。
ヒューズは念のため私の護衛。
私自身はリアンに指示を出しながら、リアンのカーゴから荷下ろしでもしようか。
といっても量ありそうだし、藩兵さんとかにもそこは手伝ってもらおう。


文樫・坩堝
◯SPD
皆さま派手にやりましたからねぇ、馬防柵を作りましょうかぁ。とはいえ文樫は戦闘部門の忍者ですしぃ……細かいことは不慣れですのでちょーっと時間がかかってしまうかもですねぇ?

ここを越えればネギ背負ったカモ……げふん、オブリビオンとの戦いですからねぇ。丁寧に行こうじゃありませんかぁ。


エウトティア・ナトゥア
SPD行動

これからが本番じゃ
砦も大分壊れたようじゃし、防備を固めないといかんのう
ここまできたのじゃ、最後まで損害が出ないようもう一踏ん張りじゃな

《精霊の唄》「全力魔法」「歌唱」使用。 【地属性】の【隆起】
門の修復は無理なようじゃ、ちと地形を変えて防衛施設を作るかのう
城門内側付近の道を狭める形で地面を隆起させ、即席の狭間付き城壁を作るのじゃ
櫓のあった場所も隆起させてはしごを掛けて置いたら一戦くらいの使用には耐えるじゃろう
精霊よ謳え!大地を意のままに隆起させるのじゃ!【石塊の断層】!

(拳大の石の雨を降らせて)
ついでじゃ、投石用の矢玉も用意しておくかの



●準備
「リアン、そのまま持ち上げて」
 ユリ・アップルヤードの言葉に応じたリアンは壊れた鉄扉をぐいと持ち上げた。大きく歪んで凸凹になっているそれをゆっくりとカーゴに載せる。
「それもあっちだね、よろしく」
 そう言ってユリは離れた場所にある瓦礫の山を指し示した。カーゴを押していくリアンの背中を見送って、ユリはがら空きになった門と隣にいたエウトティア・ナトゥアを振り返る。
「さて、こっちは任せるね」
「うむ」
 エウトティアが頷いた。門の前に進み出た彼女は身を屈め、地面にそっと手を触れると精神を集中させる。
「精霊よ謳え! 大地を意のままに隆起させるのじゃ! 【石塊の断層】!」
 凛としたエウトティアの声が響くと同時、地面が急激に膨れあがった。隆起した地面は砦を囲んでいる石垣よりも高く伸び上がり、土と石の分厚い壁を作り上げる。投石用の岩を運んでいた御剣・刀也が、それを見て思わず足を止めた。
「大したもんだ」
「もう一枚作れば、狭間付きの城壁になるじゃろう。櫓も同じように壁を作り木材で足場を組めば、簡易的ではあるが櫓として使えるはずじゃ」
 そう言いながらエウトティアは立ち上がった。侍たちは砦に残されていた木材で板壁を作るつもりだったようだが、この方がずっと頑丈なはずだ。
「この力で投石用の岩を作ることは出来るか? 手頃なやつを集めるのも結構手間なんでな」
「元よりそのつもりじゃ」
 刀也の問いにエウトティアは頷いてみせる。
「石の雨を降らせることも出来るからの。それを使えばよい。ただ……」
 エウトティアは作ったばかりの土壁に手を触れた。すると今度は隆起した地面がみるみるうちに潰れ、地面に吸い込まれていく。だが地面は完全に元通りにはならず、平らだったはずの地面には不格好な凹凸が残ってしまった。
「見ての通り、これは制御が難しい。念のため他の場所でやる方がいいじゃろう」
「人や建物の傍では被害の出る恐れがある、か。なるほどな」
「じゃあ砦の外で作ろうか。それをリアンに運んでもらおう」
 ユリはリアンと護衛のヒューズを呼び寄せる。そこに今度は文樫・坩堝がやってきた。
「お出掛けですかぁ?」
「うむ、ここでは少々都合が悪いのでな」
 エウトティアが答える。
「それならついでに木を切ってきてほしいんですよぉ。お願い出来ますかぁ?」
「木材ならばまだ残っておるはずじゃが」
 残されていた木材とは、山賊たちが砦を築いた時の余りらしい。余りといっても小屋を二つ三つ建てられるだけの余裕はあるはずだった。
「もちろんそれも使いますよぅ。ただそれとは別に、枝を払ってないやつが欲しいんですよねぇ」
 それを聞いた刀也は納得した顔で頷いた。
「ああ、馬防柵か」
「せっかくですしねぇ、丁寧に作ってみようかなぁと」
 馬防柵や逆茂木といった防衛用の障害物は、枝を残したままの方が有効だと言われている。枝の先を尖らせておけば、有刺鉄線とまではいかないが更に効果的だろう。
「分かった。俺が適当に見繕ってこよう」
「お願いしますねぇ」
 坩堝が刀也たちを見送ると、入れ替わるようにして兵士が一人やってくる。
「文樫殿、少々よろしいですか?」
「どうかしましたかぁ?」
「言われた通りに組んでみましたが、これは幾つ作ればよろしいので?」
 十分な数の馬防柵を揃えようと思えば坩堝一人では手が足りない。そのため数人の兵士が手伝いとして付けられていた。
「そうですねぇ……」
 坩堝は顎に手を当てて思案した。まず橋に幾つも並べて固定する分は必要だろう。逆茂木も石垣の周囲を囲むように設置したいところだが、そこまでは無理だろうし無駄になる可能性も高い。
「とりあえずもっと沢山、ですかねぇ。あって困るものでもないですしぃ」
 必要な数と作成に掛かる時間を計算しながら、坩堝は疲れたように嘆息した。
「正直あんまり得意でもないんですけどねぇ」

●前夜
 砦の奥まった位置にある小さな屋敷。山賊の頭領が住まいとしていた場所に猟兵たちは集まっていた。藩主である兼治を加え、行灯の光を囲むように車座になっている。
「昼間少し確かめたが、兵の士気は特に問題なさそうだ」
 目の前に広げられた図面や地図に目を落としながら刀也が言った。
「質も悪くない。装備も練度も山賊に劣るようなことはないだろう」
「恐縮です」
 刀也の評を聞いて兼治が頭を下げる。
「あとは数の問題だな。最後にはこれが物を言う」
「捕縛した山賊たちの複数に尋問しましたが、残っている人数は150人ほどのようです」
 兼治が言った。
「こちらは100人だったな」
「十分じゃな」
 エウトティアが頷いた。今回は砦という地の利がこちらにある。その上で兵の質も勝っているのであれば多少の人数差はどうということもない。余程のことがない限り山賊たちの相手は彼らに任せても良さそうだ。
「問題は山賊の頭領じゃが…」
 こればかりは兼治や兵士たちに任せるわけにはいかない。彼らにオブリビオンの相手をさせるのは荷が重すぎる。頭領がどう動くにせよ、猟兵たちが対応することになるだろう。
「それと敵がどこから来るかだな。それが分かっていれば兵を伏せておくことも出来るはずだ」
 刀也の言葉を聞いて、兼治は少し考え込む素振りを見せた。
「構いませんが……伏兵に割けるのは多くて40名ほどになりましょう」
「一応この近辺はコロマルとルーに調べさせたけど、道があったのはここから……こんな感じかな」
 そう言いながらユリは地図の上を指でなぞる。
「ここに続いてる道はこれ一本だけだと思うよ」
「そうですね、我々もその道を通ってここに辿り着きました」
 兼治が賛同した。それを見て刀也は再び地図に目を落とす。
「道は一本、橋も一本。普通に考えれば橋を渡ってくるしかないんだが……どう思う?」
 顔を上げた刀也が坩堝に視線を向ける。
「そうですねぇ」
 話を振られた坩堝は小首を傾げて口を開いた。
「井戸の抜け道も小舟が出入りできる隠し戸も、一度に大勢は入れませんからねぇ」
 そう言って坩堝はお茶を一口啜る。
「舟の用意も無いとなるとぉ、やっぱり真正面から橋を渡ってくるんじゃないですかぁ?」
「ああ、俺も同感だ。だとすれば……ここだな」
 刀也は指先で地図の一点、橋の袂に近い森の中をとんとんと叩いた。
「橋の上で山賊たちを挟み込む形になるのが理想だろう。上手く敵を砦に食い付かせたいところだな」
 全てが都合良く回るかは分からない。そう思いながら刀也は兼治に視線を向けた。
「合図は任せてもいいか?」
「ええ、分かりました」
 兼治が頷く。そして猟兵たちに深々と頭を下げた。
「皆様方のお力に頼むばかりで心苦しいのですが、我らのみではあの頭領に敵いませぬ。その力、もう一戦だけお貸し下さい」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『美形な山賊頭領』

POW   :    行けっ!
【従わせた部下の山賊達】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    死ねっ!
【両手の鉄爪】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    皆殺しだっ!
【我を忘れる程の怒りに満ちた状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●攻撃
「嫌な予感はしてたんだがな」
 占拠された砦を遠目に眺め、山賊の頭領は軽く舌打ちした。手下の一人が頭領の顔色を窺いながら声を掛ける。
「……お頭、どうします?」
「別に何もねえよ。全員で突っ込みゃいいだけだ」
 頭領は至極当然といった口調でそう言った。
「敵は殺せ。邪魔なもんは壊せ。ああ、一応抜け道が使えるかどうか確認しとけ。使えるようなら何人か連れて行って暴れてこい」
 手持ちの弓や鉄砲を確認し、頭領はてきぱきと指示を与えていく。
「とりあえずお前らだけでやってみろ。苦しいようなら俺が助けてやるさ」
御剣・刀也
取り合えず、こいつらをぶちのめせば頭領は出てきそうだな
じゃ、頭領が動くようにこいつらを派手にぶちのめしますか

頭領が動かずには要られない様に山賊の手下を叩きのめす
「お前ら雑魚に用はねぇ。ボス連れてきな。頭領を」
と、山賊の手下を叩きのめし頭領を連れてくるよう言う
「なんだ、お前らの頭領は腰抜けか?俺の相手が怖くてビビってるのか?」
と、さんざ挑発してようやく来たら
「おっと、お出ましか」
待ちくたびれたぜ。と楽しそうに笑う
頭領とやる時は爪の一撃に気を付ける
「そう簡単には食らってやれねぇな」
爪の一撃に気を付けつつ、怒り狂ったら
「おっと、お怒りらしい」
と、山賊の頭領の見えない位置から隙をついて攻撃を試ろ見る


ユリ・アップルヤード
「さて、そいじゃボッコボコにしますかぁ」

機械巨人リアンは鉄柱と大楯で、薙ぎ払い、叩き潰していこう。巨体を生かして徹底的に面で制圧しつつ、盾役にも回ってもらうよ。
偵察ロボットコロマルと万能型ドローンルーは敵の動きを妨害するように、斉射。小型の機動力を生かして、ガンガン動き回りながら、手数重視で弾をばら撒いて、行動を妨害してやろう。
ヒューズは私の直掩につきつつ、狙撃態勢を維持。
敵が大技に入ろうとした瞬間が勝負所さ。
リアンにカウンターでショルダータックルをぶつけさせて、敵の態勢を崩させるよ。
そしてその瞬間、狙いを澄ませてたヒューズの狙撃でShoot&Bomb発動。
でかいのを叩き込んでやろう。


エウトティア・ナトゥア
WIZ使用。

味方兵士を回復しつつ、部下の山賊達相手に城壁の上から弓矢で防戦。

おお、来おったのう。
ふむ、威勢はよいがあれは烏合の衆じゃのう。
賊の首領は後方に控えておるな、今のうちに賊の数を減らせるだけ減らすのじゃ。

(狼に騎乗して駆け回りながら騎射で遊撃)
各々方、逸るでないぞ、彼奴らは勢いだけじゃ。壁や馬防柵を頼りに堅実に戦うのじゃ。

(水の精霊を呼び出して負傷者を治療)
負傷者は一度下がって体勢を立て直すのじゃ。家族の事を思え、そなたらの命は彼奴等にくれてやる程安くはないのじゃ。

皆よく頑張ってくれておる。一先ずは順調かのう?
じゃが、そろそろ首領が動き出しそうじゃのう。


文樫・坩堝
◯SPD
ようやくオブリビオンとの戦いですねぇ。食い扶持のために頑張りますよぅ!

《降魔化身法》で幽世のものを宿して身体を強化しますねぇ。呪縛とか、足や腕の一本で済めばいいのですが。
「変装」で山賊の一味に化けてやりましょ。「だまし討ち」は忍者の十八番ですよぉ!
鉤爪は手裏剣じゃ厳しいですが、刀をメインに戦えば何とかなりますかねぇ。

ってあれれ、何だか敵がイケメンじゃないですかぁ!?敵とはいえ少し心が躍るのですが……!いえ敵なのですけど……!


コモフォ・グリード
【コモフォ】
この砦の価値を誰よりも重視しているのは奴らの方だ
此処を取り戻せなくては所詮は溺れる鼠…
藁をも縋る想いで此処へ乗り込もうとするだろう
…入りたければ入り込ませてやるさ…二度と出る事も許さんがな
暗躍し…狙い撃つ…各個撃破だ…確実に一人ずつ消していく…恐怖しろ
【グリード】
ふふっそろそろわしのスライムがこの砦中を侵食し終わる頃かなぁ~?
水路から抜け道まで全部わしの領域だよぉ~封鎖も構築も自由自在
この砦は既にわしと一体化してるんだねぇ…もう君達の帰る場所なんてないんだよぉ?
擬態させたスライムがあちこちに潜んでる中でコモフォが狙撃するけど
浮き足だって連携が崩れれば…消えてくよぉ?一人二人とね~♪



●防衛
 森に囲まれた湖の砦。高い石垣に囲まれたその島は、まるで湖面に浮かぶ岩山のようだ。その突端に立ったエウトティア・ナトゥアは、今まさに押し寄せんとする山賊たちを見据えていた。
「おお、来おったのう」
 山賊たちは刀や斧、弓に鉄砲と様々な武器を手に気を吐いている。その様子を見てエウトティアは小さく息を漏らした。
「ふむ、威勢はよいがあれは烏合の衆じゃのう」
「そうだな」
 コモフォ・グリードの目は大挙する山賊の中にいる頭領の姿を捉えていた。彼は直接指揮を執るわけでもなく、後方から手下たちの奮戦を眺め、悠然と佇んでいる。そのせいか山賊たちの戦いぶりは力任せの数任せであり、御世辞にも統率が取れているとは言い難い。
「撃て!」
 山賊たちが射程内に入ると同時、コモフォが射撃の指示を下した。兵士たちは即席の櫓や石垣の上に陣取って射撃を始め、山賊たちも負けまいと対岸から矢を射掛けてくる。距離があるためにお互い命中率は高くないが、射手の数には明確な差があった。雨のように降ってくる山賊の矢を避けて、兵士たちは盾の陰に身を隠す。
「それでよい」
 兵たちの様子を見てエウトティアが頷いた。
「各々方、逸るでないぞ、彼奴らは勢いだけじゃ。壁や馬防柵を頼りに堅実に戦うのじゃ」
 マニトゥに跨ったエウトティアは城壁の上を走り抜けながら短弓に矢を番える。そして一人また一人と山賊を射抜いていった。
「さて、そいじゃボッコボコにしますかぁ」
 ユリ・アップルヤードの言葉に応じてコロマルは石壁の上から、飛行したルーは橋の横合いから、馬防柵に手間取っている山賊たちを掃射する。
「く、くそがっ!」
「あれを撃ち落とせ!」
 山賊も必死になって撃ち返すが、ルーは湖面を滑るように飛び回り彼らの矢弾をいとも容易く避けていく。そして再び山賊たちに銃撃を浴びせると、彼らは逃げるように湖へ飛び込み、あるいは文字通り逃げ散っていった。しかし湖に落ちた山賊の一部は、橋の下を泳ぎ橋桁を盾にして島を目指していく。
「……やはり奴らは相当此処を重視しているようだ」
 コモフォはアサルトライフルを構え、壁に近付く山賊たちを狙い撃つ。その銃撃と壁際に仕掛けられた逆茂木が彼らの足を止めるが、山賊たちも簡単には諦めない。だが石垣を登ろうとした彼らの手が、硬いはずの石壁にずぶりと沈み込む。
「な、何だこりゃ!」
「抜けねえぞ、くそっ!」
 山賊たちは慌てて腕を引き抜こうとするが、どれだけ力を込めても引き抜けなかった。身動きが取れなくなった山賊たちに、兵士たちは壁の上から岩を投げ落として攻撃する。
「この砦は既にわしと一体化してるんだねぇ……もうキミ達の帰る場所なんてないんだよぉ?」
 グリードは口の端を持ち上げて、にいっと笑う。背を向けて逃げようとした者もいたが、今度は足元が泥沼のように沈み込み、グリードのスライムが足を絡め取った。
「さっきもキミ達の仲間が井戸から入ろうとしたけどねぇ……そっちは……既に撃退した。各個撃破だ……確実に一人ずつ消していく……」
 グリードの声音がコモフォに変わり、AK47の銃火が山賊たちを撃ち倒していく。
「畜生!」
 動きを封じられた山賊は、石垣の上に向かって苦し紛れに刀を投げ付けた。その刃を運悪く受けてしまった兵が後ろに倒れ込み、石壁の上から転げ落ちる。だが、すかさず下に回り込んだマニトゥが彼を背中で受け止めた。
「精霊よ、安寧の歌を……」
 エウトティアの口から緩々とした歌声が流れ始める。揺蕩う水を思わせるようなその歌声が辺りに響くと、倒れた兵士の刀傷がみるみるうちに塞がっていった。そして、それを見届けたエウトティアの声音が一転して力強いものに変わる。
「負傷者は一度下がって体勢を立て直すのじゃ。家族の事を思え、そなたらの命は彼奴等にくれてやる程安くはないのじゃ」

●迎撃
 橋上の戦いも状況が変化していた。山賊たちは犠牲を払いながらも馬防柵を破壊して砦の入り口へと迫る。それを最前線で阻んでいたのは御剣・刀也だった。
「お前ら雑魚に用はねぇ。ボスを連れてきな。頭領を」
 そう言いながら刀也は山賊に斬撃を浴びせ、よろめいたところを湖に蹴り落とす。
「なんだ、お前らの頭領は腰抜けか? 俺の相手が怖くてビビってるのか?」
「なんだと、てめえ!」
 刀也は山賊たちを煽りながら、その挑発に乗って掛かってくる相手を逆に斬り伏せていった。敵の頭領がどこにいるのか、刀也の位置からはまだ見えない。だがそれを繰り返しているうちに、山賊たちを掻き分けるようにして顔立ちの整った年若い男が姿を見せた。
「おっと、お出ましか」
 刀也の前に進み出た頭領は、手下たちの惨状を一瞥して嘆息する。
「随分と暴れてくれたな」
「待ちくたびれたぜ」
 渋面の頭領とは対照的に、刀也は楽しげな笑みを浮かべた。
「あの鉄扉を破ったのは誰だ? お前か? それとも後ろのデカブツか」
 頭領は刀也の後方にいるリアンを見やる。リアンは砦の門前に立ち塞がって鉄柱を振るい、群がる山賊たちを次々に薙ぎ倒していた。
「試してみたらどうだ?」
「……そうしよう」
 刀也の挑発に答えた頭領は素早く踏み込み鉄爪を振るう。横薙ぎの鋭い一撃を、刀也は獅子吼の刀身で受け止めた。対応出来たのは相手の爪を警戒していたおかげだろう。
「そう簡単には食らってやれねぇな」
 刀也が斬り込めば頭領は爪で払いのけ、頭領が爪を振り下ろせば刀也は身を捻ってそれをかわす。二人が一進一退の攻防を続けていると、不意に橋の南側から鬨の声が上がった。
「どうした!?」
 頭領は刀也に視線を向けたまま、背後の手下たちに声を掛ける。
「お頭! 森の中から敵が!」
「あいつら隠れてやがった!」
「……伏兵か」
 頭領は忌々しそうに舌打ちした。挟撃を受けてどう動くべきか、逡巡した彼の動きが止まる。その瞬間、頭領の脇腹に手裏剣が突き刺さった。
「くっ!」
「おおっと、こっちは行き止まりですよぅ」
 そう言って文樫・坩堝は道を塞ぐように立つと素早く変装を解いた。今の今まで山賊に扮し、敵に紛れ込んで不意打ちの機会を窺っていたのだ。彼女は身軽になった途端、瞬く間に周囲の山賊を叩き伏せる。
「……って、あれ?」
 頭領の美貌に気付き、坩堝の身が一瞬硬直した。
(「これは、敵とはいえ少し心が躍るのですが……! いえ敵なのですけど……!」)
 美形の頭領を見据えながら、坩堝は戦うべきか否か僅かながら葛藤してしまう。
「手加減でもするつもりか?」
 坩堝の動揺を見透かしたか、からかうような口調で刀也が言った。
「いえいえ、食い扶持を稼ぐためですからねぇ。そんなことしませんよぉ」
 坩堝は一転して真面目な顔付きに戻ると、その身に悪鬼の力を宿して刀を一閃する。頭領はその斬撃を爪で受け止め、鋭い金属音と共に火花が散った。坩堝は強化された膂力で鉄爪を押し返し、たたらを踏んだ頭領を袈裟懸けに斬り下ろす。
「ぐっ……お前たち!」
 傷付いた頭領は振り返って手下たちに呼び掛けた。しかし彼らはコロマルやルーの援護射撃に薙ぎ払われ、助けに入ることが出来ずにいる。
「チッ、どいつもこいつも……」
 そう呟いて歯噛みした頭領の目が赤く怒りに染まる。
「おっと、お怒りらしい」
 刀也は軽い調子でそう言うと、坩堝と二人で頭領を左右から挟み込む。そうして相手の背後に回り込み、死角から斬り付けた。しかし頭領は背後からの斬撃にも怯まず、両手の鉄爪で刀也に反撃する。更に坩堝へ回し蹴りを放ち、彼女を蹴り倒した。
「さあリアン、行っておいで」
 それまでタイミングを計っていたユリがリアンに命じる。リアンはスパイクの付いたショルダーアーマーを突き出すように構え、頭領に向かって突進した。頭領は両手の鉄爪を構えてリアンを引き裂こうと踏み込んだが、橋板に擬態していたグリードスライムがその足に絡み付く。
「邪魔だッ!」
 頭領は憤怒の形相でスライムを振り払おうとした。しかし足を滑らせた彼は、リアンのショルダータックルをまともに受けて吹き飛ばされる。
「次はヒューズ、頼んだよ」
 ユリの指示が飛び、ヒューズは転がっていた頭領の立ち上がる瞬間を狙い撃つ。彼の足を一条の閃光が貫き、その身体が前屈みに倒れ込んだ。更にその背中を目掛けてリアンのダブルスレッジハンマーが振り下ろされ、同時に橋をも叩き壊す。
「お、お頭……!」
「嘘だろ……」
 轟音と共に巨大な水柱が立ち、雨のように水飛沫が降り注ぐ中、力を失った頭領の背中が水面に浮かび上がる。戦意を失った山賊たちはその場にへたり込み、ぴくりともしない頭領の姿を呆然と見詰めていた。

●終結
 そこから先はあっという間だった。砦から出た兼治の兵たちは、森に伏せていた兵と山賊たちを挟撃して制圧する。頭領という柱と頑強な砦を失った彼らは驚くほどに脆かった。
「まさか一兵も損なわずに成し遂げられるとは……」
 兼治は驚愕の表情で感嘆の声を洩らす。
「これも全て猟兵の皆様に助けていただいたおかげです。本当に……感謝しております」
 兼治は深々と頭を下げ、ゆっくりと顔を上げる。その目には猟兵たちへの信頼が、顔には穏やかな笑みが浮かんでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月27日


挿絵イラスト