アルダワ魔王戦争8-E〜『歪ん』だ『願い』の『終焉』
『わたしたち』は『自動なる者』。
『自動なる者』にして『宝石の妖精』。
青白く輝く妖精達が、迷宮中を飛び交いながら、口々に言葉を紡ぐ。
『万能宝石』は『完全』なるもの。
さあ、『エリクシル』に、汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう。
●エリクシルの妖精
「皆様、ファーストダンジョンの下層に『エリクシルの妖精』と呼ばれる妖精達が出現しましたわ!」
エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が猟兵達へと告げる。
「積極的に襲ってくる様子は無いようなのですけれど、最下層探索の為にも、皆様には討伐に向かって頂けますかしら」
エリルがエリクシルの妖精について、詳細を語り始めた。
「このエリクシルの妖精……どうやら『願い』をかなえる力を持っているようですわ。……あ、でもだからって良い相手だと思ってはいけませんわよ?」
エリルが慌てて言葉を付け足す。何故ならば、この『願い』には、恐ろしい裏が隠されているのだから。
「妖精達は皆様の願いを聞くと、理不尽な代償を支払わせることで願いを叶えますわ。けれど、その代償は非常に大きく……叶う願いだって本来の願いからは歪められた形になってしまいますの」
とてもではないが叶えられたとは言えないような形で実現してしまう可能性もあるのだという。
「だから、まずはこのエリアに入ったら、まずは『自分の願望』を口にしたり、思い浮かべたりしないことが重要ですわ。エリクシルの妖精は執拗に皆様から願いを聞き出そうとしてきますけれども、絶対に口に出したり、思い浮かべたりしてはいけませんわよ!」
エリルが人差し指を口に当てて、忠告をする。
「妖精たちは数が多いけれど、皆様の力であれば一度に何体も倒せるような相手ですわ。ですから、願いにだけ注意すれば、きっと問題なく戦えるはず……なのだけれど」
そこで、エリルが不安げに猟兵達に語り掛けた。
「このエリクシルの妖精……なんだか他の災魔とは様子が違いますの。理由はわからないけれど……何か、良くない予感がしますわ」
語りきる前に、エリルのグリモアが輝き始めた。
「いいですこと? 私たちは大魔王を追い詰めることが目標ですわよ。ですから、こんなエリアはさっさと制圧して帰っていらっしゃい!」
そうやって激励するエリルをあとにして、猟兵達は戦場へと向かう。
歪んだ願いを叶える存在を終わらせる為に。
G.Y.
こんにちは。G.Y.です。
今回は『エリクシルの妖精』との集団戦になります。
エリア的なギミックはありませんが、エリクシルの妖精はオープニングの通り、人々の願いに反応し、代償を払わせることで歪んだ形で叶えるという非常に理不尽かつ強力な能力を有しています。
この戦いでは『エリクシルの妖精』に「願いを伝えないこと」でプレイングボーナスが発生します。
願いは「自分の願望を口に出したり思い浮かべる」ことで聞き入れられてしまうため、「胸の内ではこのような願いを秘めている」といったプレイングを入れる場合は、同時に精神を律し、エリクシルの妖精に伝えないようにする方法も記載してください。
SPDで戦闘を行う場合は上記のとおり、内に秘めた欲望がどのようなものかがを記載したうえで対処法を記載して頂けますと嬉しいです。
非常に難しいバトルになることが予想されますが……皆様のプレイング、お待ちしております!
第1章 集団戦
『エリクシルの妖精』
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POW : 力翼
【魔力を纏った翼を震わせながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【残っている他の妖精達】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう
対象への質問と共に、【虚空】から【新たなエリクシルの妖精】を召喚する。満足な答えを得るまで、新たなエリクシルの妖精は対象を【秘めたる真の欲望を暴く精神波】で攻撃する。
WIZ : ドッペルゲンガー
戦闘用の、自身と同じ強さの【交戦中の猟兵と同じ姿を持ち、同じ武器】と【同じユーベルコードを使う『鏡像存在』1体】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
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ソラスティベル・グラスラン
願いは自分自身で叶えるもの、それにわたしは『勇者』
冒険も苦難も無く叶えた願いに、価値がありましょうか!
10Mの巨大妖精さんたち!ちょ、ちょっとだけ恐ろしい気もしますね?
ですがわたしは『勇者』!向かってくるなら、迎え撃つのみ…!
考えるのは戦いのことのみ、他に考える余裕はなし
猛烈な勢いで迫りくる巨大な敵に、恐れを掃い【勇気】を振り絞る
こちらも竜の翼で飛翔し【空中戦】
突進してくる妖精を【見切り】、【ダッシュ】回避、【オーラ防御】で衝撃軽減!
そして、すれ違いざまの一瞬に集中!
敵が巨大であろうとも、此処に誓うは不退転の意思
わたしの【勇気】に応え、雷竜は吼える!
【我が名は神鳴るが如く】―――ッ!!!
エリクシルの妖精は人の願いを叶えるという。
だが、その願いは歪み、ねじれ、理不尽な形で叶えられるとも伝えられている。
それでも人は『もしも願いがもしも叶うならば』と夢想してしまう。
願いとは欲望。欲望とは、知性あるもの達が持つことのできる大いなる『力』なのだから。
「けれど、願いは自分自身で叶えるもの」
ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は、エリクシルの妖精の情報を聞きつけて、そんな風に語った。
「冒険も苦難も無く叶えた願いに、価値がありましょうか!」
『勇者』ソラスティベルはその誓いを胸に、エリクシルの妖精達へと立ち向かうのであった。
「汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」
『自動なるもの』とされるエリクシルの妖精達は、無機質な声で口々にソラスティベルへと言葉をかけた。
10メートルもの巨大な姿。そして異様な言動に、つい恐怖心が芽生え、屈しそうになってしまう。
「ちょ、ちょっとだけ恐ろしい気もしますね?」
それでも、ソラスティベルは勇気を振り絞り、竜の翼を大きく広げた。
(考えるのは戦いのことのみ……他に、考える余裕はありません)
「何時の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」
エリクシルの妖精の翼が力強く震えはじめた。それに呼応するように周囲の妖精達も翼を震わせ、周囲に異常な風が舞い上がった。
魔力を纏った突風を伴う突進が、空を舞うソラスティベルを巻き込もうとする。
「敵が巨大であろうとも、此処に誓うは不退転の意志!」
ソラスティベルの翼が風を捉えた。風に乗ったソラスティベルはオーラの障壁で魔力を軽減しながら、妖精の突進に向かってゆく。
「今こそ応えて……蒼雷の竜よ!!」
ソラスティベルの斧から蒼い稲妻が迸る。
これまでソラスティベルは『勇者』になりたいという願いのもと、学園を訪れた。その願いは今、ここにいる自らの血肉となって、自分を支え、強くしてくれた。
まだ道は半ば。それでも妖精の力などなくとも、願いは叶えられるのだとソラスティベルは知っている。
そうやって歩んできた願いによって生まれた力が今、歪んだ願いを生み出す力を――破壊する。
「【我が名は神鳴るが如く】―――ッ!!!」
ソラスティベルの斧が、すれ違いざまの一瞬に振り抜かれた。
エリクシルの妖精の身体が、稲妻に呑まれながら崩れてゆく。
ソラスティベルはそれを見送りながら、次なる戦いへと身を投じるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
願いを叶える妖精。物語ではよく出そうですが、そんな世界からわざわざ?
……知りたいことも一種の欲望で願望。1つの無心が大事なのでしょう。
とはいえ私の願い、夢は遠い事。自分で叶えるべきでしょうし。
マスターを越える事は未熟な私ではまだまだ先。今しばらくはそのままで。
同じ武器での自分相手ならまずは少しずつ回り込むように移動。
挟撃される様な立ち位置に目立たない様に移動を。符雨、準備をしておいて。
相手の流れ弾が妖精に向かえば解除にもなるし、相手から解除するならそれはそれで。
私も基本は戦わない。相手も鏡像なら戦うなら人形同士。…つまり。
私はサポートに集中。符雨、音響閃光弾から崩しに。
「『この世界』は『知りません』」
「『この世界』は『知りません』」
エリクシルの妖精達が機械的な口調で、そんなことを口走る。
その声を聞いた神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)は、頬に手を当てて首を傾げた。
「……願いを叶える妖精。物語ではよく出そうですが、そんな世界からわざわざ?」
妖精達の語る『この世界は知らない』という意味。それでは一体彼女たちはどこからやってきたのだろう、と頭に浮かんだところで眞白は首を振った。
(……知りたいことも一種の欲望で願望。ひとつの無心が大事なのでしょう。それに……)
眞白の本当の願い。それは自らで叶えるべきだ、と自然に考える。
(マスターを越えることは、未熟な私ではまだまだ先。今しばらくはそのままで……)
そこまで考えてから、眞白は精神を集中する。この妖精を前にして、願いは悟らせまい。
「『ドッペルゲンガー』を創造しました。『ドッペルゲンガー』は『汝』を試します」
眞白を標的に定めたエリクシルの妖精の前に、人影が現れた。
それは眞白に瓜二つの『鏡像存在』である。その傍には、眞白が使役する人形『符雨』の姿まであった。
「符雨まで複製するのね」
眞白が感心したように言った。目の前のドッペルゲンガーは『符雨』に何やら指示を出し始める。
「符雨。準備をしておいて」
眞白もまた符雨へと指示を送る。そして、鏡像存在に目を離さないようにしながら、少しずつ距離を詰めてゆく。
鏡の眞白が動いた。正確には、鏡の眞白に指示された鏡の符雨だ。銃撃が眞白へと容赦なく放たれた。
「やはりあちらの私も戦わないのね」
眞白が冷静に分析する。攻撃方法がまったく同じであるならば、人形に指示を出して戦っているはずなのだ。ならば、と眞白は符雨に小さく告げる。
「符雨、音響閃光弾から崩しに」
符雨がこくりと頷き、一発の銃弾を放つ。銃弾は鏡像存在の真上で弾けると、激しい閃光と耳を突き刺すような鋭い音で鏡像存在達の視覚・聴覚を奪う。
「今よ」
眞白の号令に、符雨が鏡像存在へ向けて銃を撃ち放った。鏡像存在は銃撃を受けた方向へと応戦すべく、弾幕を放つ。
「狙い通りね」
それが仇となったことを鏡像存在達が気付いたのは、自らの存在が消失し始めた時であった。
眞白達の背後には、エリクシルの妖精が浮かんでいた。鏡像存在達の放った銃撃は流れ弾となり、エリクシルの妖精を襲ったのだ。音響閃光弾で目をくらませながら、眞白達は同士討ちが発生するような位置取りをしていたのだ。
「『ドッペルゲンガー』そして『私』が『敗れ』ました」
そう淡々と言葉を継げながら、エリクシルの妖精が消えていった。
成功
🔵🔵🔴
メンカル・プルモーサ
…ふむ。願い…他者に叶えて貰うようなのは無いよ…
…だから問いかけはアルダワ式退屈な授業聞き流し術で右から左へとスルー…
…そして…同じような妖精が沢山か…探索するにも邪魔…ならばやることは一つ…
重奏強化術式【エコー】により強化した【連鎖する戒めの雷】によりエリクシルの妖精達を縛り付けるよ……
…雷鎖が次から次へと伝播させて●ドッペルゲンガーで鏡像を作ろうとした妖精にもダメージを与えて解除させる…
…そして、無差別に願いを叶えようとするような輩は…ここで潰す…
雷鎖で動けなくなったエリクシルの妖精達に【精霊の騒乱】による雷の嵐を放ってで一気に掃討するよ…
「汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」
そう問いかけるエリクシルの妖精に、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は眠たげな眼でぽつりと呟いた。
「……ふむ。願い……他者に叶えて貰うようなのは無いよ……」
メンカルは知らないことを知ることを楽しみとする。「知的好奇心を満たすこと」はメンカルにとっては大きな願いの一つでもあるといえるのだろう。だが、それは誰かに叶えてもらうようなものではない、ということなのだろう。
「だから……スルー……」
学園での通常教育課程で培った『退屈な授業聞き流し術』だ。メンカルにとって興味のない言葉は、たとえエリクシルの妖精の言葉といえど右から左へなのだ。
それにしても……と、メンカルは戦場を見やる。
「同じような妖精が沢山か……探索するにも邪魔……ならばやることは一つ……」
突如メンカルの周辺にいくつもの魔法陣が展開された。魔法陣は何重にも重なり合い、その間を雷光が行き交う。
「紡がれし迅雷よ、奔れ、縛れ。汝は電光、汝は縛鎖。魔女が望むは魔狼封じる天の枷」
メンカルが呪文を唱えると、魔法陣から雷の鎖が放たれる。
「『ドッペルゲンガー』を創造します。『ドッペルゲンガー』は『汝』を試します」
それに反応したか、エリクシルの妖精がドッペルゲンガーの創造を開始する。
「……させない」
雷撃が一足早かった。雷の鎖はエリクシルの妖精に絡みつき、ドッペルゲンガーを生み出す力を奪ってゆく。
「『ドッペルゲンガー』は創造できません。『わたし』に『傷』が『与えられ』ました」
エリクシルの妖精が無機質に告げた。それでもメンカルは手を緩めない。
「無差別に願いを叶えようとするような輩は……ここで潰す……」
静かで、眠たげなその言葉に、わずかな怒りが籠められているように感じられた。
メンカルの周囲に、魔力が渦巻く。エリクシルの妖精に絡みついた雷の鎖が反応し、嵐へと姿を変え、エリクシルの妖精達を巻き込んだ。
激しい雷の嵐の中でエリクシルの妖精の身体が崩れ、雷に飲まれてゆく。
「一掃……完了」
嵐が止んだ。巻き込まれたエリクシルの妖精達の姿はもはや跡形もなくなっていた。
成功
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ギージスレーヴ・メーベルナッハ
願い叶える万能宝石、御使いたる巨妖精。
昔、母者が寝物語に語ってくれたものによく似ているな。
気にはなるが、未だ知るべき時ではあるまい。全て殲滅してくれようぞ。
余に願うことなど何も無し。
そこに戦場あるならば戦う。唯それのみよ。猟兵であり、戦士であるが故にな。
『したい』のではない。『する』のだ。戦い、貴様らを殲滅する。それが余の為すことである。
貴様らを求めるものは此処には無し。疾く灰燼と帰するが良い。
機甲武装・殲滅火砲にて攻撃。
威力重視で大口径ビーム砲を召喚、敵の突進攻撃に合わせ発射。
援護の妖精も纏めて消し飛してくれるわ!
無限の願いを叶える万能宝石。エリクシルの妖精は機械的にそう猟兵達へ告げていた。
「願い叶える万能宝石、御使いたる巨妖精……」
ギージスレーヴ・メーベルナッハ(AlleineBataillon・f21866)……通称ギジィにはその言葉に心当たりがあった。
「昔、母者が寝物語に語ってくれたものによく似ているな」
脳裏に浮かんだその様子を思い出しながらも、眼前に浮かぶ無数の妖精を前にしては気にもしていられない。そして、未だ知るべき時ではない、という直感も働いた。
であれば。
「全て殲滅してくれようぞ」
「兵装転送」
簡潔なギジィの言葉と共に、巨大なビーム砲が出現した。
ギジィが手を伸ばしてビーム砲を掴むと、砲身にエネルギーが通い始める。
「接続完了」
身体に見合わぬほどの巨大な砲身を持ち上げ、エリクシルの妖精へと狙いを定めた。
「汝の『願い』を『言う』が『よい』でしょう」
エリクシルの妖精が翼を震わせながら、ギジィに問いかけた。
ギジィはきっぱりと告げる。
「余に願うことなど何もなし」
堂々とした態度で、銃口を向け続ける。
翼が震えたのは突進による攻撃の合図だ。周囲の妖精達も援護をすべく集まり始めている。
「そこに戦場あるならば戦う。唯それのみよ。猟兵であり、戦士であるが故にな」
妖精の翼から放たれる魔力がギジィの長い銀髪をなびかせた。ギジィは怯むことなく、ただその時を狙い続ける。
「『したい』のではない。『する』のだ」
ギジィの言葉に、妖精は無言で身体を傾ける。
突進が来る。まともに受ければただでは済まないだろう。だが、彼女は戦争狂。そのひりついた緊張感の中、ビーム砲を放つトリガーは離さず、彼女は笑っていた。
「戦い、貴様らを殲滅する。それが余の為すことである」
エリクシルの妖精がギジィへ向かって、弾丸のような速度で襲い来る。
……その時を待っていた!
「纏めて消し飛してくれるわ!」
ビーム砲が放たれる! 溜めに溜めたエネルギーの奔流は一直線に妖精達へと向かい、複数の妖精達を巻き込んで押し流してゆく!
突進の威力すらも殺され……否、突進の威力さえも力に変え、ビームが妖精達を消し飛ばす。
「貴様らを求めるものは此処には無し。疾く灰燼と帰するが良い」
塵となり、それすらも消えてゆく妖精達に、ギジィがそう告げた。
彼女の正面に妖精の姿は既になく、抉れた地面が一直線に伸びているのみ。それは彼女の放った砲撃の強大さを物語っていた。
大成功
🔵🔵🔵
レナ・ヴァレンタイン
1つ、事前にユーベルコードの鴉を召喚し、「全て攻撃を私以外の動くもの全てに向けて適当に跳ね返せ」と命じておく
1つ、私の周囲には私以外の味方はおかないよう、単独行動
上の事前準備を行ったあとで接敵
接敵後は敵も見ず、声も出さず、ただ鴉たちは自由気ままに周辺展開させ、鴉たちに向けてありったけの火力で銃火器を乱射する
私の分身の攻撃も鴉に受け止めさせて適当に乱反射だ
何も願うな、ただ引き金を引き絞れ
何も見るな、ただ銃弾を飛ばし続けろ
効果的な攻撃なぞ望めない分、手数を重視
ガトリング、アームドフォート、リボルバーに重機関銃にライフル
弾切れまで撃ち続けていけば、なんとかなるだろうさ、なんてな。
迷宮内に一羽の鴉が羽ばたいた。
鴉は周囲を一回りした後、迷宮を歩く女性の肩に降り立った。
「そうか」
女性が鴉の頭を撫でる。
「いいかい、全ての攻撃を私以外のすべてに向けて、跳ね返すんだ」
そう言われて、鴉は羽根を再び広げる。
それを合図に、女性の背後から60羽以上に及ぶ鴉たちが飛び立った。
鴉を操る彼女の名はレナ・ヴァレンタイン(ブラッドワンダラー・f00996)。探偵を生業とする猟兵である。
(何も願うな)
鴉が戦場中を駆け巡る。エリクシルの妖精は鴉をまったく無視しながら、レナへと目を落とす。
「『ドッペルゲンガー』を創造します。『ドッペルゲンガー』は『汝』を試します」
妖精の足元に人の姿が現れた。黒い中折れ帽を被り、裾の長いコートを羽織ったその姿はまさしくレナそのもの。
(何も見るな)
鏡像存在のレナが、鴉を羽ばたかせる。レナが撃鉄を落とす。
戦場は黒一色で埋め尽くされた瞬間、銃声が響き渡った。
(ただ引き金を引き絞れ、ただ銃弾を飛ばし続けろ――)
レナの銃口は、空中を舞う鴉へと向けられていた。
鴉はレナに言われた通り、銃弾を弾き返す。鴉同士で反射しあい、銃撃は想像もつかない方向へと跳んでゆく。
(何も……!)
銃撃がレナへと飛び込んできた! 敵の鴉がレナと同様に銃撃を反射してきたのだ。
「跳ね返せ!」
その号令と共に、鴉がレナの前で壁を作った。銃撃は再び跳ね返され、まるでテニスのような返し合いへと発展してゆく。
エリクシルの妖精にさえ当たれば、この不毛なラリーを終えることが出来る。レナはリボルバーを撃ち尽くすとアームドフォート、ガトリングガンでの乱射を開始した。
「ありったけ……弾切れまで撃ち続けていれば」
重機関銃までもを取り出し、空を舞う鴉へと撃ち込む。空中を弾丸が嵐のように飛び交い、その一発がエリクシルの妖精へと着弾した。
「ドッペルゲンガーを『維持』できません」
鏡像存在のレナとともに上空の鴉達の半数が消滅した。突如として、撃ち尽くされた銃弾が一気にエリクシルの妖精へと降り注ぐ。
「なんとかなった……なんてな」
成功
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アリウム・ウォーグレイヴ
アドリブ歓迎
もし何でも叶えてくれる存在がいたら何を願うだろう。
最愛なる母にもう一度会いたい、会話したい。
……一瞬でも、一時でもそう思ってしまうのは私が未熟故だろうか。
あの暖かい団欒を思えば、歪な願いに身を委ねる事は自分自身への裏切りに他ならないというのに。
大切に思えばこそ、それに縋る事を他人が精霊が赦しても私が赦す事はない。
絶望の中にあっても前へ進む事を己自身の義務と課したあの頃から。
攻撃力強化した『全力魔法』ホワイトホープを剣に宿し、決意を『覚悟』を固めます。
敵の攻撃は正々堂々真正面から受け止める所存です。私の未熟さや弱さを断ち切るが如く全身全霊でお相手させていただきますよ。
「『わたし』が『死』ねば『望み』は『叶いません』」
猟兵達の活躍もあり、エリクシルの妖精は残り1体まで減少していた。
幸いにも、今までに願いを叶えられてしまった猟兵は存在しない。多くの者は『願いを叶える』といった行為を否定して、妖精を撃ち滅ぼしてきた。
だが、最後の一体に立ち向かうアリウム・ウォーグレイヴ(蒼氷の魔法騎士・f01429)には、ほんのわずかな迷いがあった。
(もし何でも叶えてくれる存在がいたら何を願うだろう)
数刻前、エリクシルの妖精という存在を聞いた時、アリウムの頭の中に、そんな考えが自然と浮かんでいた。
最愛の母にもう一度会いたい。会って話がしたい。記憶の中の団欒の中に今一度、戻りたい。
アリウムの中に秘めた渇望。取り戻すことの出来ない過去。手が届かないと知っているからこそ、心の中で求めてしまう。
そしてもし、それが手に入るのであれば……?
「汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」
迷宮に降り立ったアリウムに、エリクシルの妖精が問いかける。一度願いごとを考えてしまえば、それはエリクシルの妖精へと知られてしまう。
(もし願いが叶うならば)
アリウムの頭に先ほどの想いがフラッシュバックする。
だが、アリウムは首をゆっくりと横に振った。
「そんなもの……他人が許しても、精霊が赦したとしても」
今は亡き者との、もう取り戻せない大切な思い出。大切だからこそ、こんな願いに縋るのは自らへの裏切りに他ならない。
だから、アリウムは告げる。
「私が赦すことはない」
アリウムの剣に精霊の加護と祝福が与えられた。同時に周囲の気温が下がるほどの氷の魔力が籠められる。
エリクシルの妖精が翼を震わせ、アリウムに向かって突進を仕掛けてくる。
「……一瞬でも、一時でもそう思ってしまったのは私が未熟故。教えてくれてありがとう」
決意が、アリウムの内に秘めた力を解放する。それは自らの弱さを断ち切る力だ。
「全身全霊で、お相手いたします!」
エリクシルの妖精に向かって、剣が突き立てられた。
「『わたし』の『死』が『確定』しました。『願い』は『叶えられません』」
「それで構いません。願いとは、誰かに叶えられるものではありませんから」
エリクシルの妖精の身体が崩れてゆく。最後の1体が、静かに消えた。
こうして、歪な願いを叶える者に終焉が与えられた。
成功
🔵🔵🔴