アルダワ魔王戦争2-E〜迷宮牢獄からの脱出
●グリモアベースにて
「皆さんの活躍のおかげで、ダンジョンアタックは順調のようです」
ねぎらいの言葉とともに笑顔を浮かべ、ユディト・イェシュア(暁天の月・f05453)はグリモアベースに集まった猟兵たちにありがとうございますと深々と頭を下げる。
「ただ、まだこの広大な迷宮には何が隠れているかわかりません。油断せずいきましょう」
次々と現れる様々な形態をした大魔王。この一つ一つを確実に撃破していかなければならない。
「そう、隠されていたといえば……迷宮探索中に亡くなったと思われた生徒がダンジョン内で見つかったんです」
ユディトは嬉しそうにそう告げるが、すぐに神妙そうな顔になると、ただ……と言葉を続ける。
「無事ではあったのですが、牢獄に閉じ込められていたんです。みなさんにはもちろん助けに行ってほしいのですが、牢獄は蒸気演算装置と連結したパスワードで制御されていて、無理やり開けようとすれば、中の生徒たちは蒸気トラップによって……命を失うのです」
力技ではだめだ。けれど、装置を解除するパスワードを入力すれば安全に生徒たちを助けることができる。
「異世界の謎が鍵となっているようです。学園の生徒では解くことは難しいでしょうが、世界を渡る皆さんなら……きっと正解を導き出してくださいますよね」
頼もしそうに猟兵たちを見渡したユディトは、予知で見た謎を皆に示す。
AaIkDd*Jj = アルダワ
Dd*AbGgAeAc = 大魔王
BbDdCeDhImFh = ?
「この?の部分がパスワードになっているようですね。アース世界で使われるアルファベット、というやつでしょうか。何かの法則に従った暗号といったところのようですが……」
ユディトは首をひねるが、それ以上のことは思い浮かばないようだ。
「きっと皆さんなら正しい答えを見つけ出してくださると信じています。どうか、生徒さんの救出をよろしくお願いしますね」
そう言うと、ユディトは信頼に満ちた眼差しで猟兵たちを送り出すのだった。
湊ゆうき
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「アルダワ魔王戦争」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
こんにちは。湊ゆうきです。
謎解きは好きなのですが、実力が足りず、たいてい悔しい思いをしている感じです。
異世界の謎を解き明かし、行方不明となっていた学園の生徒を救出するシナリオとなっています。オープニングの謎に正答することでプレイングボーナスを得られます。
フラグメントの性質上、少人数の採用となる可能性があります。ある程度プレイングが集まったところで締め切りを決めます。採用は先着順ではありませんので、問題を解く過程や意気込み等々ご自由にお書きください。
それでは、皆様のご参加お待ちしております!
第1章 冒険
『迷宮牢獄の謎』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で、迷宮牢獄の謎を解き明かします。
SPD : 様々な技術などを利用して、迷宮牢獄の謎を解き明かします。
WIZ : 異世界の知識を駆使して、迷宮牢獄の謎を解き明かします。
👑1
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甘甘・ききん
ABCとアカサ行が対応してそうで、abcが123番目の母音?答えはキテソ、あれおかしい。よく見たらf以降の小文字も使われてる~
なんでルがIcじゃなくてIkで、ワがJaじゃなくてJjなんだろ。Ddもテじゃなくてタっぽいなぁ。キタソで始まる言葉も浮かばなくて、答えからの逆算不可。早速諦めの気持ちが湧いてきました
行はカタサタラハで多分合ってるはず。こういう時は母音をウにしてボソボソ読んで、くとぅすとぅるふ……あれなんか知ってる響き。うむ閃いた!小文字は絶対値じゃなくて相対値!AならabcdeだけどDならdefghがタチツテト!
なのでカ1のカ、タ1のタ……で、正解はカタストロフ!……縁起悪くない!?
ルテネス・エストレア
正解は【カタストロフ】ね
判別している暗号を分解しましょう
Aa Ik Dd* Jj = アルダワ
Dd* Ab Gg Ae Ac = 大魔王(ダイマオウ)
五十音の表をに作り、横の列と縦の列にそれぞれアルファベットを当てはめましょう
ア・イ・ウ・オの文字から、ア行はAa~Aeが当てはまる
ダがDd*から分かることは、【*】は濁点、タがDd
つまり横の列はAからアルファベット順に並べるということ
縦の列は隣の行にいくとひとつずつずれるのね
この法則だと【アルダワ】も【大魔王】も解けるわ
Bb Dd Ce Dh Im Fh = カ タ ス ト ロ フ
ご無事で何よりです
痛いところはありませんか?
さあ一緒に帰りましょう
アンネリーゼ・ディンドルフ
POW
暗号解読ですね
解っている文字から暗号の法則を推測しましょう
Aa Ik Dd* Jj
ア ル ダ ワ
Dd* Ab Gg Ae Ac
ダ イ マ オ ウ
英字の大文字+小文字で50音の子音+母音を表していると推測
大文字は子音
小文字は母音、但し母音のアは子音と同じ英字の小文字となる
*は濁音
この法則で暗号を解くと
Bb Dd Ce Dh Im Fh
カ タ ス ト ロ フ
パスワードは【カタストロフ】です
藤崎・美雪
アドリブ連携大歓迎
誤答の場合生徒のケア優先
ここにも生徒さんがいたか
今助けるから待っていてくれ
謎解きの前に指定UCでもふもふさん召喚
飲み物と応急手当の準備を
この文字はアルファベットだな
法則は一応分かった気がする
大文字が示すのは「五十音表の行(ア行:A、カ行:B、サ行:C…ラ行:I、ワ行:J)」
小文字は大文字アルファベットを先頭に5つずつ並べると、それぞれ対応するひらがながあるはず(サ行なら「c=サ、d=シ、e=ス、f=セ、g=ソ」)
これに従って変換すると「?」=「カタストロフ」となるはずだ
生徒さんを救出したら、まずはもふもふさんと怪我の応急手当だな
その後紅茶とクッキーを差し出すよ
よく頑張ったな
水鏡・怜悧
詠唱改変省略可
人格:ロキ
わざわざ食料を確保して生かしていたのでしょうか。用途は人質?それとも実験素体でしょうか?何にせよ、パスワードを解かないといけません。文字数からして2文字で1セットでしょうか。それだけだと*が邪魔ですが、並べてみましょう
Aa=あ
Ik=る
Dd*=だ
Jj=わ
Dd*=だ
Ab=い
Gg=ま
Ae=お
Ac=う
位置的に*は濁点ですね。母音があのものは先頭と次が同じ、つまり子音を示す値からの相対値で50音表に嵌めるのが適切でしょう。子音の方は単純に英字の順ですね。では解読です
Bb(21)=か
Dd(41)=た
Ce(33)=す
Dh(45)=と
Im(95)=ろ
Fh(63)=ふ
カタストロフ、ですね
●世界の終わりを止めるため
暗く深いダンジョンの中、生徒たちの心も暗く沈んでいた。もうここに来て何日経つだろう。ちょっとした好奇心でダンジョンに足を踏み入れ、深く踏み込んでしまったようで帰れなくなった。気がつけばこの牢獄に囚われていたのだ。
「……ねえ、人の声が聞こえない?」
生徒の一人が呟けば、別の生徒が空耳だと呟く。けれど人の声は確かに大きくなっていく。
「ここにも生徒さんがいたか」
牢獄の中、膝に顔を押し付けていた生徒が顔をあげてみると、目の前に強い意志を宿す紫の瞳をした黒髪の女性の姿。
「今助けるから待っていてくれ」
そう言うと女性――藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)は、驚き言葉を失っている生徒の前で、もふもふとした愛らしい小動物を召喚し始める。彼らは甲斐甲斐しい動きを見せ、生徒たちの脱出に備え、応急手当や飲み物の準備を始める。
「あなたたちは……転校生!?」
驚きと喜びが入り混じる生徒の声に、ルテネス・エストレア(Estrellita・f16335)は珊瑚色の大きな瞳を細めると、安心させるように柔和な表情で微笑む。
「ええ、あなたたちを助けに来ました」
「無事でよかった! なにもわるいことしてないのにひどいめにあう気持ちはわかるよ!」
妖狐の耳をぴんと立て、生徒の気持ちを慮り、甘甘・ききん(可哀想な 人の振りをする狐・f17353)はうんうんと頷く。
「わざわざ食料を確保して生かしていたのでしょうか」
多重人格者の水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)が冷静に状況を分析する。怜悧の人格の内の一人であるロキは知的好奇心が旺盛である。このようなダンジョンに生徒を生かして繋ぎとめている理由が気になるのは仕方ないというもの。
「用途は人質? それとも実験素体でしょうか?」
さらりと呟かれた恐ろしい言葉に生徒たちは涙目になる。
「確かに食事は多くはないけど自動的に運ばれてきて……」
「アルダワには食べられるオブリビオンもたくさんいますしね。オブリビオン料理に興味があれば私まで」
オブリビオン料理研究所を設立し、団長を務めているエルフのアンネリーゼ・ディンドルフ(オブリビオン料理研究所の団長・f15093)が真面目な顔で呟いた。
「そこを出られれば手当とお茶の時間を用意している。もう少し待っていてくれ」
美雪の言葉に、生徒たちは疲労した顔に笑顔を浮かべる。
「あれが、暗号ですね」
岩を利用した自然の牢獄にやや不釣り合いな蒸気演算装置が見える。その横、生徒たちにも見えるように置かれた謎は、グリモア猟兵が説明したものと同じ。
「見たこともない文字で書かれていて、僕たちにはなんのことか……」
「異世界の謎、ですからね」
ルテネスはブックマーカーのヤドリガミ。物語へと導き手である少女は、優しく微笑む。
AaIkDd*Jj = アルダワ
Dd*AbGgAeAc = 大魔王
BbDdCeDhImFh = ?
文字を見て、UDCアース出身の美雪は頷く。
「この文字はアルファベットだな」
「それが右の言葉と対応してるのかな?」
ききんが文字を見比べて呟く。
「文字数からして2文字で1セットでしょうか」
アルファベットの大文字と小文字が1セットで、それぞれ右の文字数と対応していると怜悧は分析する。
「それだけだと*が邪魔ですが、並べてみましょう」
Aa Ik Dd* Jj
ア ル ダ ワ
Dd* Ab Gg Ae Ac
ダ イ マ オ ウ
「ん~ABCとアカサ行が対応してそうで、abcが123番目の母音?」
ア行の言葉がたくさん出てきたことで、皆がその推測に行きつく。ききんはすぐさま答えを導き出そうとして息詰まる。
「答えはキテソ……あれおかしい。よく見たらf以降の小文字も使われてる~」
その推測でいけば、小文字はaからeまでしか使用しないはずだ。
「英字の大文字+小文字で50音の子音+母音を表しているのは確定でしょう。*は濁音ですね」
アンネリーゼの言葉に、ルテネスも頷き、表にしてみればわかりやすいと持参した用紙に文字を綴る。
五十音の表を作り、横の列と縦の列にそれぞれアルファベットを当てはめていく。
わかっているア・イ・ウ・オの文字から、ア行はAa~Aeが当てはまることがはっきりしている。
「二つの言葉に共通しているダがDd*から分かることは、*は濁点、タがDd」
「母音があのものは先頭と次が同じ、つまり子音を示す値からの相対値で50音表に嵌めるのが適切でしょう」
「そっか、AならabcdeだけどDならdefghがタチツテト!」
怜悧の説明にききんの狐耳がぴょんと跳ねる。その言葉には全員が大いに同意する。
「ええ、これなら【アルダワ】も【大魔王】も解けるわ」
「では、この方法で暗号を解くと……」
Bb Dd Ce Dh Im Fh = カ タ ス ト ロ フ
「ひっ! カタストロフ? ……縁起悪くない!?」
「いえ、私たちは隠れていたこの暗号を暴き出したのです。そんなもの起こさせませんよ」
怯えたようなききんに対し、ロキの人格を宿した怜悧の緑の瞳には、この戦争の勝利が見えているかのよう。
「その答えで間違いないでしょう。では、パスワードをいれましょう」
アンネリーゼの言葉で、蒸気演算装置に慎重にパスワードを入れていく。一字一字間違えがないか確かめ、最後にスイッチを押すと――。
蒸気で制御されていた牢獄の扉がゆっくりと開いていく。
「ご無事で何よりです。痛いところはありませんか?」
ルテネスが優しく微笑めば、生徒たちは泣き笑いのような顔を浮かべ大きく頷く。
「さあ、可愛いもふもふさん達、手伝いをお願いする」
美雪の言葉に応え、小動物たちは、怪我の手当てをする班と紅茶やお菓子をふるまう班に分かれ、甲斐甲斐しく動き出す。
生徒たちには大きな怪我はなさそうだが、精神的に疲弊しているようだ。美雪の淹れてくれた香り高い紅茶がそんな心をも癒していく。
「紅茶には蜜ぷにを入れても美味しいんですよ。……おなかが減ってきました」
オブリビオン料理研究所団長のアンネリーゼはそう言うと、自分のおなかに手を当てた。オブリビオンを食べなければすぐにおなかが減ってしまうのだ。
「この牢獄の目的も気になりますが……」
「この他にもね、別の牢獄があったよ。それぞれ別の謎が用意されてたんだ」
怜悧の呟きに、ききんは今まで見て開放してきた牢獄を思い出す。
皆の話に耳を傾けながら、美雪は生徒たちにクッキーを勧める。そしてこの状況の中、諦めずに堪えぬいた生徒たちに穏やかな笑みを向ける。
「よく頑張ったな」
生きている――そのことを痛感しながら、そうしてようやく解放されたのだと生徒たちは実感し、頼りになる転校生たちに向け、最大級の感謝と賛辞を述べるのだった。
大成功
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