アルダワ魔王戦争2-C~ふよふよ、わらわら
●わらわらいます
ふよふよ。わらわら。
ファーストダンジョンの一室、小部屋の中に据え付けられた、巨大な培養槽。
何かの液体が内部を満たす中で、小さな物体がふよふよ。
電光がばちりと走れば、その物体がむくむくと大きくなって。
少し経てばあら不思議、大きくて可愛らしいくらげさんが、液体の中をふよふよ。わらわら。
大きくなったくらげさんたちは、培養槽の下部に沈んでは、出口から次々吐き出され。
そうして出てきたくらげさん、施設の中でふよふよ。わらわら。
見上げれば半透明の身体の中にある短い脚が、何本もふよふよ。
もう、部屋の中はくらげさんでいっぱいだ。
●頭を抱えています
「迷宮内に災魔を供給していると思しき、培養施設を発見した」
イミ・ラーティカイネン(夢知らせのユーモレスク・f20847)は開口一番、いつも以上に眉間に皺を寄せて猟兵たちにそう告げた。
聞けばファーストダンジョンのある小部屋。同様の小部屋が大量にあるそこには、一つの巨大な培養槽が設置され、その中で災魔が際限なく培養されている。そんな夢を見たのだそうだ。
ガジェットから投影される映像を見れば、本当に、文字通り、際限なく。イミが夢に見た時には、小部屋の中に浮かぶふよふよくらげは、数えるのを途中で諦めるほどにいたらしい。
「数は本当に、うんざりするほどたくさんだ。小部屋の中にある培養槽を停止させようにも、数が多すぎてそれどころじゃない。
だから先輩たちにはまず、小部屋の中で犇めく災魔の数を減らしてほしい。幸い、生まれた手で一体一体は凄く弱いからな」
そう話すイミの表情は、心底からうんざりとした様子だった。
今回出現している災魔は、先の映像にもある通りふよふよくらげ。迷宮内をふよふよ漂う、人懐っこいくらげの災魔だ。
くらげの一体にズームアップしながら、イミが嘆息する。
「普段からしてそこまで驚異的ではない災魔だ。生まれたてとあれば、それこそ武器でちょっと突いた程度でも倒せてしまうだろう。
ただし、一体ずつ倒しているのではとてもじゃないが間に合わない。培養槽の災魔供給スピードの方が、格段に速い」
イミの話す通り、各個撃破ではとても事態を収められそうにない。一度に多くのくらげを倒す工夫が必要になるだろう。
そこまで話すと、イミがガジェットから投影する映像を消した。グリモアをくるりと回転させれば、開いたポータルの向こうからしっとりした空気が流れてくる。
「さあ、準備が出来たらすぐに行くんだ、先輩たち。俺をがっかりさせないでくれよ」
屋守保英
こんにちは、屋守保英です。
アルダワの戦争、どんどん展開していっていますね。
くらげさんがわらわら出てきます。わらわら。
●目標
・ふよふよくらげ×概ね50体以上の撃破。
●特記事項
このシナリオは「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結する、特殊なシナリオとなります。
このシナリオで登場する災魔は、一体一体の戦闘力が低い代わりに、数が非常に多いです。百体とか余裕でいます。
数多くの敵を一気に撃退する工夫をすれば、プレイングボーナスが入ります。
●戦場・場面
(第1章)
大魔王が迷宮を満たすためのオブリビオンを産み出すために作り出した培養施設です。
施設内に設置された培養槽の中から、ふよふよくらげが大量に溢れ出しています。
培養槽を停止させるためにも、どんどん培養されては吐き出されている災魔を倒さねばなりません。
それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
第1章 集団戦
『ふよふよくらげ』
|
POW : ふよふよ、とうめいになる
全身を【うっすら透明っぽい姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : ふよふよ、ぴゅーっとする
【空中をふよふよすること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【口から噴き出した水】で攻撃する。
WIZ : ふよふよ、しびしびする
【ふよふよした全身】から【高圧電流】を放ち、【感電】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
バロン・ゴウト
ここがふよふよくらげさんの培養槽……って、ちょっと眺めてる間にもどんどん増えていくのにゃ!急いで退治しなきゃ押しつぶされちゃうのにゃ!
「くらげさん達、ケットシーの剣士、バロンが相手なのにゃ。かかってくるのにゃ!」と叫んで【パフォーマンス】をし、出来るだけ多くのくらげさんを【おびき寄せ】るのにゃ。
敵が集まったところに【アイリスの嵐】を【全力魔法】で使用し、一気にくらげさんの数を減らすのにゃ。
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
ヴィゼア・パズル
――― 何時迄も見つめていられる…圧倒的癒し…癒しのオーラ…いや、倒さなければいけない事は理解しているぞ?…しているが…、……可愛いな……
さて、癒された所で、倒させて貰おうか
風に漂い一塊にさせて貰おう
フロゥラ、出番だ
【空中戦】の感覚を応用してくらげ達の範囲を把握
あー、可愛い…語彙力が消える…
【範囲攻撃・属性攻撃】で風の網を使いくらげ達を一箇所に固め、範囲属性攻撃に加えて【2回攻撃・串刺し】で一網打尽にしてしまおう
少し気の毒だが……赦せ。コレも仕事だ。
可能なら【鎧砕き】で培養槽の破壊も狙う
●癒やされています
「――何時迄も見つめていられる……圧倒的癒し……癒しのオーラ……」
のっけから、ヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)がのほほんとした表情でふよふよと宙を漂うふよふよくらげを眺めていた。
培養槽の出口から次々に漏れ出しては、空中に漂い始めるくらげさん。柔らかくてぷにぷにした身体を揺らし、空中をふーよふーよ。
その幻想的な光景に一瞬目を奪われながらも、バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)はぶるると頭を振った。
「って、ちょっと眺めてる間にもどんどん増えていくのにゃ! 急いで退治しなきゃ押しつぶされちゃうのにゃ!」
「いや、倒さなければいけない事は理解しているぞ? しているが……可愛いな……」
「ヴィゼアさんしっかりするにゃー!」
何とか気を取り直そうとするも、ヴィゼアは未だほんわかタイム。戻ってきてほしい。
と、不意にヴィゼアが顔を伏せた。口元に微笑を浮かべて、きりりと目を見開く。
「……うん、よし。さて、癒された所で、倒させて貰おうか」
「切り替えが早いにゃ!?」
何という切り替えの早さ。仕事モードへの突入が早くて素晴らしい。
しかして、バロンも黄金のレイピアを抜き放った。その輝かしい切っ先をびしりと、宙を漂うくらげさん達に向ける。
「くらげさん達、ケットシーの剣士、バロンが相手なのにゃ。かかってくるのにゃ!」
バロンの声に反応したか、周囲のくらげさんの瞳がこちらを向いた。そのままゆったり、緩やかな動きでふよふよと近づいてくる。
その動きに、ヴィゼアの瞳がまたも細められた。
「よしバロン、そのまま集めてくれ……あー、可愛い……語彙力が消える……」
実際、こうしてくらげさんが近寄ってくる様子は、とても可愛い。戦意を削がれるのも仕方がないものがある。
しかし、相手は生まれたてで弱いとはいえ本気である。身体からばちりと電流を走らせ、バロンの足元に飛ばしてきた。
「にゃっ!」
「なるほど、高圧電流……だが、これだけ集まれば問題はない」
飛び退いて電流を避けるバロン。その様子にヴィゼアも目尻を持ち上げるが、その口元には明らかに笑みが浮かんでいる。
見れば、二十匹かそこらはこの周辺に集まっているようだ。好都合だ。
ヴィゼアが傍らに浮かぶ風の精霊フロゥラに目配せすると、彼の小さな身体がふわりと浮かび上がった。そのままくらげさんの周囲を取り囲むように宙を駆ける。
「少し気の毒だが……赦せ。コレも仕事だ」
彼の走った軌跡が網となって、くらげさんの周りを取り囲み、その身体をぎゅっと縛り上げる。ぎっちりと集められて、小さな触手がちたちた動いていた。
「凄いにゃ! これなら攻撃もしやすいにゃ! アイリスの花びらよ、敵を討つにゃ!」
そこに掲げられるバロンの黄金のレイピア。レイピアが解けて無数のアイリスの花びらに変わるや、縛られたくらげさん目掛けて殺到していく。
花びらが収まり、再びバロンの手に収まった時、そこにはくらげの群れの中に、ぽっかりと空白が出来ていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
薄荷・千夜子
可愛らしいですが和んでいる場合ではありませんね
後手に回ると厄介です
彗、星一気に仕留めますよ!!
相棒の鷹と狼を呼び寄せUC発動【先制攻撃】【吹き飛ばし】
二匹の攻撃に乗せて風の呪術を使用して【属性攻撃】【全力魔法】
討ち漏らしの無いよう広範囲を一気に風と音で攻撃を
それでも残るようであれば二匹に体当たりや噛みつきで攻撃させながら【動物使い】
私も『藤巡華簪』で藤の枝花を伸ばし鞭の代わりに使って攻撃を
培養槽も合わせて壊していけるなら壊していきましょう
くらげから攻撃されるようなら【見切り】での回避を試みます
パルピ・ペルポル
まぁ数で勝負はひとつの手段だものねぇ。
とはいえこちらからしたら迷惑でしかないわね。
増やすならお宝にしてほしいわ。
雨紡ぎの風糸を念動力で巨大な蜘蛛の巣状にめいっぱい展開して。
展開した風糸に氷の魔力を這わせて小さな氷柱を棘のように作って。
その巣をくらげの大群を包み込むか、壁や床に押し付けるような感じでつっこませるわ。
勿論火事場のなんとやらも使って一気に行くわよ。
倒しきれなかったやつには穢れを知らぬ薔薇の蕾を投げつけるかリュンクスで突いてあげるわ。
水をぴゅーっとやられないように動き回って狙いをつけられにくくしましょうか。
まぁ敵を倒すのにも動き回らなきゃだからじっとしている暇はないだろうけどね。
●欲しています
次いで設備の中に立ち入った薄荷・千夜子(羽花灯翠・f17474)は、まだまだたくさん浮かんでいるふよふよくらげの姿に目を見張った。
「可愛らしいですが和んでいる場合ではありませんね。後手に回ると厄介です」
「まぁ数で勝負はひとつの手段だものねぇ」
その傍らで、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)も肩を竦める。
実際、これだけ大量の災魔が一度に襲ってきたとしたら、考えるだに恐ろしい事態だ。それをしないでいるのは、まだこの災魔たちが生まれたてで、戦闘経験がないからなのだろう。
とはいえ、放置していたらどうなるかは目に見えている。
「とはいえこちらからしたら迷惑でしかないわね。増やすならお宝にしてほしいわ」
「あはは……同感です」
パルピの欲望剥き出しの言葉に、千夜子が小さく笑う。彼女の傍でお供の彗と星も尻尾と尾羽をそれぞれふりふり。
そうして、二人は眼前に浮かぶ大量のくらげさんに向き直った。
「じゃ、遠慮なしで行くわよ」
「彗、星、一気に仕留めますよ!!」
「わふ!」
「ピィッ!」
パルピが飛び出して両手に不可視の糸を握り、千夜子が彗と星へ指示を飛ばしながら一歩下がる。
「縛り付けるから、あとはお願い!」
「任されました!」
声を飛ばし合って、互いに役割を確認していく二人だ。
パルピの繰る糸が蜘蛛の巣状に編まれて広げられると、それにまるで水滴がつくように氷の魔力がスパイクのように氷柱を作る。
そうしてそれを、パルピは思いっきり振りかぶった。
「……よし。そぉーれっ!!」
ぶん、と音がするくらいの猛スピードで壁に叩きつけられるネット。
巻き込まれたくらげさんたちがいっぺんに壁に磔となった。巻き込めた数は、だいたい二十に届かないくらいだろうか。
「今です、全てを薙ぎ払え!!」
それを確認した千夜子が、すぐさまに彗と星へ指示を飛ばす。風の呪術と、鋭い羽搏きと、空気を劈く咆哮が一体となって、ネットで動きを封じ込めたくらげさんと、その周囲に浮かんでいたくらげさんを消し飛ばした。
一気に敵を倒すことに成功した二人が、そっと肩の力を抜く。
「どうでしょう?」
「だいぶ数は減らせたと思うけれど……まだ、結構いるわね」
顔を見合わせて、二人はまた天井を見上げた。
まだ、くらげさんはふよふよと、沢山宙に浮かんでいた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
三上・チモシー
アドリブ連携歓迎
やだー、なにあれかわいいー!
おっきいクラゲだらけ!
プルプルな体、つぶらな瞳……倒しちゃうのがちょっと可哀想になっちゃうね
だからってどんどん増えちゃっても困るわけだけど
困る……よね、たぶん、きっと
『猫行進曲』を使用
呼び出したるーさんたち56匹の攻撃で周囲のクラゲを一気に減らしていくよ
ひっかき攻撃とか猫パンチとか
自分は拳でクラゲを攻撃
ごめんねー! ……あっプニプニでひんやり
一匹お持ち帰りしたい……ダメだよね、知ってた
うちにはるーさんいるしね
水を飛ばしてきたら【見切り】回避
るーさんも【野生の勘】的なもので攻撃を避けるよ!
リタ・キャバリエーレ
見た目はとてもかわいいのだけれど…
お仕事ですものね。しっかり頑張らないと!
スピード重視の狼モードの虎狼丸と連携をとりつつなるべく範囲内に相手を誘い込んで、タイミングを合わせて巻き込まないように気を付けつつ、【怪力】を併せたUCでまとめて【衝撃波】で【吹き飛ば】すわ。
囲まれたりしない様にも注意しないとね
でもこれ、培養槽から生まれてくるみたいだけどどんな工程なのかとかちょっと気になっちゃうわね
アドリブ
絡み歓迎
●殴っています
一方、別の場所では。
「やだー、なにあれかわいいー! おっきいクラゲだらけ!」
「見た目はとてもかわいいのだけれど……お仕事ですものね」
三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)とリタ・キャバリエーレ(空を夢見た翼・f22166)がふよふよくらげを見て可愛さに頬を染めていた。
もう、アルダワ魔法学園の地下には可愛らしい災魔がわんさといるけれども、ふよふよくらげさんの可愛さは素晴らしいものがあると言える。
「プルプルな体、つぶらな瞳……倒しちゃうのがちょっと可哀想になっちゃうね」
そう、倒すのを躊躇ってしまうほどには。
でも彼らは災魔なので。あんまりたくさん生まれてしまうと、世界が過去で押し潰されてしまうわけなので。
「だからってどんどん増えちゃっても困るわけだけど。困る……よね、たぶん、きっと」
「困ると思うわ。ねぇ?」
「ばぅっ」
困ります。困りますとも。リタだけじゃない、リタの相棒の虎狼丸もそう言っている。
困る、その言葉を受けてチモシーは拳を握った。
「困るんならしょーがない! るーさんたち、やっちゃうよー!」
「虎狼丸、いきましょう!」
チモシーが戦闘用のるーさんたちを56匹召喚し、リタが虎狼丸の背中を叩き。
「にゃーん☆」
「ばぅぅっ!!」
にゃんことわんこが入り乱れるようにして、ふよふよ浮かぶくらげさんを殴り倒し、喰らい千切っていく。
攻撃されていると判断したくらげさん達がびゅーっと水を飛ばし。それを避けようとチモシーがたたらを踏んだ。
水を躱したチモシーの拳が、くらげさんの胴体に叩き込まれる。
「わっとと……ごめんねー! あっプニプニでひんやり。一匹お持ち帰りしたい……」
「災魔だから、持ち帰るのは駄目じゃないかしら……せーのっ!!」
「ダメだよね、知ってた。うちにはるーさんいるしね」
ちょっとだけ欲望が顔を見せるも、巨大化させたカダルでくらげさんたちを吹き飛ばすリタが冷静にツッコミを入れた。
発生させた衝撃波がくらげさんを吹き飛ばしていく中、リタは未だに稼働を続ける培養槽を見上げる。
「でもこれ、培養槽から生まれてくるみたいだけど……どんな工程なのかとかちょっと気になっちゃうわね」
「災魔の種とか、あるのかなー?」
不思議そうな表情で、くらげさんが培養されていく様子を見つめる二人だった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
メイスン・ドットハック
【SPD】
空中を浮いておるとは厄介なものじゃのー
ならばその数を凌駕する火力で押し通るしかなさそうじゃのー
自身は電脳魔術で、レーザー砲ユニットで砲撃しつつ、電脳魔術で火炎放射器を創造し焼き払う
さらにAI制御の二足歩行戦車KIYOMORIにも焼夷榴弾と火炎放射器の兵器を使て浮いている敵を焼却して貰うと共に、攻撃の盾となってもらう
敵が集団化して多くなってみたのを頃合いに、UC「未踏の領域に踏み込みし権能」を発動し、電脳リソースをつぎ込んで広範囲焼夷ミサイルを創造
【誘導弾・一斉発射】で一気に焼き尽くす
こういうのはなんじゃろーのー。汚物は消毒じゃー?
アドリブ絡みOK
フェルト・ユメノアール
どれだけ数が多くても、ボクたちは絶対に負けないよ!
まずは敵を引き付ける!
走りながら『トリックスターを複数投擲』距離を取りながらくらげを倒し、集団をこちらにおびき寄せる
そして、十分に集団を引き付けた所で反転し、集団の中に突入
敵が攻撃をしにくいように体は低く、移動に邪魔な近くの敵だけを切り倒しながら集団の中心へ
そして、中心に移動が終わるか危なくなった時点でUCを発動!
ボクは手札からスペルカード、【機雷バルーン】を発動!
攻撃に反応して爆発する機雷バルーントークンをバトルエリアに可能な限り召喚する!
各個撃破が無理なら範囲攻撃で纏めて吹き飛ばすよ!
●焼き尽くします
一方その頃。
フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は装置からどんどん吐き出されるふよふよくらげさんに、びしりと指を突きつけていた。
「どれだけ数が多くても、ボクたちは絶対に負けないよ!」
「空中を浮いておるとは厄介なものじゃのー。ならばその数を凌駕する火力で押し通るしかなさそうじゃのー」
傍らに立つメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)が肩を竦めながらレーザー砲ユニットと火炎放射器を周囲に浮かばせながら言った。
しかして、戦闘は始まって。フェルトがダガーを投擲しながらくらげさんたちを引き付け始めた。
「ほらほらー、こっちこっち!」
「あんまり引きつけすぎるんじゃないぞー」
フェルトが動き回り、くらげさんが付いていき。幾らか集団が出来つつある中で、メイスンの繰る火炎放射器が火を噴く。
ある程度状況がかき回されていて集団が出来ている状況。一度に焼き払うのも容易だ。
「ふむー、攪乱されているけー焼却もしやすいのー」
「よしっ、この辺で!」
ふっと息を吐いたメイスン。と、視界内でフェルトが踵を返した。
「なぬっ!?」
狼狽するメイスン。当然だ、フェルトは正に、敵の集団の只中に飛び込んだのだから。
しかし彼女は恐れない。多数のくらげさんに囲まれた場所で、カードを一枚掲げた。
「ボクは手札からスペルカード、【機雷バルーン】を発動! 攻撃に反応して爆発する機雷バルーントークンをバトルエリアに可能な限り召喚する!」
途端に、大量の、随分と大量の機雷バルーンが施設内に設置された。配置はまんべんなく、ここで起爆させれば結構な数のくらげさんを巻き込めるだろう。
意図は察した。メイスンの口角がにぃと持ち上がる。
「……ハッ、なるほど! したらばフェルト、自分の身は自分で守るんじゃよー!」
そう言いつつ、電脳魔術展開。広範囲に拡大した電脳領域から、補助用のプログラムソフトウェアを生成すると。何本もの焼夷ミサイルが、くらげさんに、その中に浮かぶ機雷バルーンに向かって照準を合わせる。
「いくぞっ、焼夷ミサイル!」
メイスンの声に合わせ、一気にミサイルが飛んでいく。大爆発、火炎、閃光。施設内のくらげさんの殆どが、見事に消し飛ばされた。
「はっはっはー。こういうのはなんじゃろーのー。汚物は消毒じゃー?」
「あっぶなー、危うく一緒に消毒されるところだった……」
からからと笑うメイスンの隣で、無事に退避が完了していたフェルトが震えがるのも、無理のない話であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
木常野・都月
培養槽…が壊せれば楽が出来るんだろうけど、それどころじゃない数だな。
生まれたて…野生なら1番獲物を狙いやすい狩り時だな。
クラゲが下手な知恵をつける前に…
そして、こちらがヒトとして情を感じる前に、倒し切らないと。
可能な限り、一気に倒していきたい。
UC【エレメンタル・ファンタジア】で氷の精霊様の助力で、氷の津波を起こしたい。
敵の攻撃は[カウンター、属性攻撃、オーラ防御]で対処を。
[範囲攻撃、属性攻撃、2回攻撃]で追撃も行いたい。
攻撃が培養槽まで届けばいいんだけれど、届くかな…
照崎・舞雪
くらげ……
くらげはたしか、からだの大部分が水でできていたはず
ならば凍らせてしまえるはず
……電気が放たれる前に殲滅しなきゃ……(電気がちょっと怖い)
氷の霊鳥を召喚し、小規模な吹雪を巻き起こします
それによって、かなりの範囲のくらげを氷漬けにすることができると思うのです
凍り付いたくらげは武器【女郎蜘蛛】でひとまとめにからめとり、巨大な氷の塊として凍っていないくらげがいる方へ放り投げてしまいましょう
凍っていたくらげは粉々に砕けて確実に倒せますし、凍ってなかったくらげたちも氷塊におしつぶされてお陀仏なのです
●凍り付かせます
くらげが徐々に猟兵たちによって駆逐されていく中で、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)はこてんと首を傾げた。
「培養槽……が壊せれば楽が出来るんだろうけど。これはどうだろう」
事実、もう培養槽まで手が届きそうではある。くらげと一緒にまとめて攻撃すれば、壊すことも出来そうな、気はする。
そう思案する都月の隣で、照崎・舞雪(未来照らし舞う雪の明かり・f05079)はぶつぶつと独り言を呟いていた。
「くらげはたしか、からだの大部分が水でできていたはず……ならば凍らせてしまえるはず」
元々、学園で勉学に励んでいた身。くらげの生態もある程度は把握できている。
実際、クラゲは身体の95%が水分だ。ほとんど、水がゼラチン質の形をとって浮かんでいるようなものである。それがどうしてこんな生き物になるのか、不思議ではあるが。
だが、それはそれとしてだ。このくらげは電気を放ってくるのであって。
「……電気が放たれる前に殲滅しなきゃ」
「今なら、殲滅できるんじゃないか?」
「そうね、数も減ってきているし」
電気に苦手意識を持つ舞雪が言葉を零すと、都月が小さく目を見開いた。
この数なら、殲滅できる。そう判断した二人は、揃って氷の精霊を呼び出した。
「青き空より降り立て、輝ける冬の霊鳥よ!」
「氷の精霊様、力をお借りします!」
氷の霊鳥が吹雪を巻き起こし、氷の精霊が氷の津波を引き起こし。
そうして上から下から超低温に晒されたくらげたちが、次々に凍り付いては落下していく。
「生まれたて……野生なら一番獲物を狙いやすい狩り時だな」
次々に凍らされて無力化されていくくらげさんたちに、都月の目がすっと細められる。
これが肉のある生き物だったら獲物にしやすかったのだけれど、くらげではどうも、狩猟本能が刺激されない。
尻尾を気持ちしゅんとさせる都月に、舞雪がちらと視線を向けた。
「吹雪に、氷の津波。万全の布陣ね。凍り付いていないくらげはいるかしら?」
「あっち、あの天井付近のやつらは、まだ元気だ」
都月が指さすのは、天井の角のあたり、そこに集まっていたくらげたちだ。冷気から逃れるためにそこに逃げ込んだのだろう。
それを見つけた舞雪が、凍り付いて落下したくらげたちを女郎蜘蛛を用いて一纏めに。氷塊と化したそれを、大きく振りかぶった。
「分かったわ……せぇのっ!」
ぶん投げられる氷の塊。それが設備の天井角に見事に命中し、天井にいたくらげたちが揃って落下してきた。
「これで、くらげは殆ど倒せたかな」
「そうね。あとは培養槽を何とかすればいいけれど……」
都月の言葉に舞雪も頷いて、培養槽を見るが。
培養槽の出口、今まさに外に出ようとしていたくらげが凍り付いて、出口を塞いでいた。
「……出口が凍り付いているわ」
「もう、出てこれなさそうだな」
これで、危機は去った、とは見れるけれど。このままでは出口を塞がれた培養槽が爆発してしまいそうだ。
二人の頬に、冷や汗が垂れた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鈴木・志乃
うん、何の捻りもない攻撃ですみません
どーしても思いつかなかったんですよね、私この手の相手も作戦も得意な技、武器とかありませんし
……爆弾はあるけど
あ、周囲に他の猟兵はいないですよね?
OK、いない、安心
はい突入後即行動
【早業】【高速詠唱】の【全力魔法】で元からの【大声】をさらにデカくしつつ、当然マイクも使用して、と
(すうっ)
UC発動(【衝撃波】【なぎ払い】)
鼓膜とかじゃなくて体の中から爆発四散させる感じで……
あらかた倒せても思ったより倒せなくても
出来れば部屋全体に【念動力】で油ぶちまけて
【破壊工作】用爆弾をぽいぽいして退出します
爆発はパワーだ
はて上手く行かなかったら地獄だなぁ、これ
●爆発四散させます
先に立ち入っていた猟兵たちを押しのけ、退避させるようにして、鈴木・志乃(オレンジ・f12101)は施設内に足を踏み入れた。
「どーしても思いつかなかったんですよね、私この手の相手も作戦も得意な技、武器とかありませんし……爆弾はあるけど」
もう目元に濃い影を落として、自重するような呟きを漏らしながら、ただ培養槽がふよふよくらげを産み出し、しかしそれを吐き出せない中に立つ志乃。
このまま放置していたら、培養槽の許容量を超えて、くらげがみっちみちになった培養槽が爆発するか、蓋が外れて中から漏れ出すかするだろう、きっと。
それはいけない、とてもいけない。
「あ、周囲に他の猟兵は……OK、いない、安心。皆退避した」
周囲に他の猟兵、及び仲間の生物がいないことを改めて確認した志乃がマイクを取り出した。
「よし、じゃー一発いきましょう」
早業で高速詠唱、全力魔法も使用して声のボリュームを最大までアップ。喉が枯れるなんて知ったことか。
大きく、大きく、大きく息を吸い込んで。
一瞬、ぴたりと静寂。
刹那。
「何の捻りもない攻撃ですみませえええええええええええんんんんんあああああああああああああああ
!!!!!」
施設の外まで、壁を突き破らんばかりの大声が炸裂した。
大音量の声が衝撃波となって、培養槽の機器類も、培養槽の中のくらげさんたちも、一切合切を内部から爆散させていく。
その音量は勿論、施設内の蒸気機関にも影響を及ぼして、パイプのジョイントが外れるやら機械が爆発するやら。
蒸気と黒煙がしゅーと音を立てる中で、志乃は顔を上げた。
「……よし」
改めて、部屋の中を確認。
災魔は全滅、機械類も全滅。
「よし!!」
これにて、無事解決。
大成功
🔵🔵🔵