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其処等に生えている罪重ね

#UDCアース


●夜道
 へびがはう。

 ただ、歩いていた。
 ただただ、歩いている。
 その内に、私は私を忘れていた。
 人に酔ってしまったのか。
 それは罪。何もかもが罪。

 腹が減ったから外食するし。
 火照ったのだから誰かと遊ぶ。
 アイツが嫌いだから踏み付ける。いまいましい。
 ほら、とっても欲しかったから。買ったでしょう。
 眠いから寝ます。
 ああ。ああ。邪魔だ。このクズ!!!
 そうしたら俺は独裁者だ。

 わらわらがやがや沸き立つ人、ひと、ひと。
 足裏を覗き込めば、其処は悪徳。

●グリモアベース
「貴様等、唐突だが『大罪』の話題だ。順序は如何でも好い。重要なのは『UDCアース』にて時々発生する噂話だ。此れは『とある』街の――夜。人工の灯りの内側で、人々はただ『歩んでいる』。歩んでいると如何だ。自分が何者か解せなく成り果てる。そうして死体が山ほど詰まれ、足だけが動き始めるのだ。クカカッ――人間が人間以外と同化するのは非日常の『ありきたり』だろうよ。兎角。そういう『予知』だ」
 ロバート・ブレイズは哄笑し、集まった猟兵の面を視る。深淵じみた虹彩は何れ『普通』だと慣れてしまうのだろうか。
「悪徳の美しさ。此れに惹かれる人類は一定数存在する。此度は夜の街を歩みながら『それ』と接触するのだ。何。貴様等は個性の塊。何者にも染まらないと信じて送る。クカカッ――重なった埃は誇りに纏わり憑くのか、確かめに行き給え。問題なく否定出来る筈よ。宜しく頼む」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 呑み込まれそうな、人の波。
 たまった泥水は罪重ね。

 宜しくお願い致します。
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第1章 冒険 『夜道にお気をつけて』

POW   :    夜の中、目当てのものを探す。聞き込みをする。

SPD   :    音や言葉に耳をすます。

WIZ   :    横目に通り過ぎてしまう。

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 夜闇に対しての冒涜とは、正しく人間の造り出した光に在る。混乱する事もなく、悪徳の美しさに酩酊しながら『人々』は地獄を行進する。ああ。向こう側では金寄越せだの。向こう側では今夜ドウだの。ドロドロと幻想のように真実(ごみ)が溢れている。ただ、歩けば好いのだ。誘惑に乗っても問題ない。此処は貴様等の知る非日常では在らず、つまらない重なった『普通』なのだ。
虻須・志郎
悪徳だぁ?
今更何だ、地獄じみた戦争の真っ最中に
平穏な悪徳をどうしろって言うのさ

『平穏故に染まるものよ、なあ』
女学生風邪神が闇から漏れる様に出ずる
こんな所だ、多少のあれこれなど誰も構うものか
蜘蛛は獲物を捉える巣を張る
俺は背後でいつも通りの覗き役
冒涜の光をハッキングして催眠光波を誘蛾灯の様に
有象無象から異なるモノを炙り出すさ

悪さしようって奴ぁ縄張り意識が高いだろう、多分
こんな蜘蛛が公然で堂々と挑発していりゃあ
恐らく黙ってはいられない筈だ……それを狙う
ウロウロと足だけで彷徨うってんなら話は早い
蜘蛛の巣という罠に捕らえたら逃がしゃしねえぞ

まとめて全部掃除してやるよ
そしたら見つかるだろう――真実って奴が



 珈琲の香りが歪んでいた。暗黒に染まった世界が秩序の仮面へと屈して在る。悪徳。ああ。美しく在ればその蜜はあまい――今更何だ、地獄じみた戦争の真っ最中に――虻須・志郎(第四の蜘蛛・f00103)の外側にはおぞましいほどの平穏が笑っていた。其処等のお嬢さんは路地裏で、隅っこには酔っ払い。おや。彼方の愉快なお人は何者だい。『故に染まるものよ、なあ』――何物は女学生に視える邪神(くも)。闇から漏れるように……こんな所だ。多少のあれこれに構っている暇はない。ほら。あっちで人々がわぁわぁ奈落に突っ込んでいる――現実と記された堕落――兎角。蜘蛛は獲物を捉える『巣』を作るのだ。どうせ世の中は弱肉強食のピラミッド。型(カタチ)だけは自然と同じ。いつも通りの覗き役だ……冒涜(その)光を乗っ取ってしまえば、催眠渦の発生を成せる。蛾(ひと)よ。ひとよ。誘われ。
 炙り出すのだ。今日の夕飯は炙ったサーモンの寿司がいいなぁ。どこぞの誰かの呟き。悪さしようって奴ぁ縄張り意識も高いだろう。いやいあ。高い寿司ってのは困る。それこそ寿司ではなく目が回るってか――挑発しているのか。挑発するのだ。蜘蛛が公然で堂々と……黙ってはいられない筈だ。黙っれられないなぁ。やっぱイクラにしよう……足だけで彷徨うってんなら話は……早い。牛丼も好いかも。
 まとめて掃除してやるよ――掃除。そうだ。掃除機変えないと――真実って奴が見つかった。ああ。見つけたぜ。

 明日の朝ごはんは再度ハヤシ来スだ。
 ……なあ。邪神の気配がしない。

成功 🔵​🔵​🔴​

斑鳩・椿
私は人間が好き。妖狐としての性に抗わず、溺れ、沈んで揺蕩いたい。
…人間が行き交う中でのお仕事なんてご褒美なの。

相棒の三味線を手に雑踏に立ち、べん、と乾いた音色を打つ。ゆっくりとして寂しげだが、欲を抱かせるような甘さを込めた音遣い。興味なさげに向けられる一瞥、好奇を含んだ視線、一芸を披露する若い女への嫉妬の目、理解できない者を貶めるのかという侮蔑の睨み。
奏でる音に心など籠もっておらず、集める視線や周囲の音や声にゆるりと微笑みただ集中する。
雑踏の中に「影狐」を走らせ、情報収集を忘れずに。



 人間。罪が服を着て融けている。それが好き。妖狐としての性に抗わず、溺れ、沈んで揺蕩う――斑鳩・椿(徒花の鮮やかさ・f21417)には許された。赦される事の無い重なりをご褒美と笑みながら、お仕事に取り掛かるのだ。人間。行き交う渦は跡を残す……歌いましょう。謳いましょう。置いて去られるように、うたう魔性。『べん』……乾いた音色が闇にはじける。くらくらとしているのは自分か街か。ゆっくりと寂し気に欲を甘く煮詰めて……興味なさげに一瞥。好奇を含んだ視線。ひっくり返るようなあざけり。一芸を披露する『それ』への嫉妬(みどり)。そうだ。理解出来ない。こんな泥船に如何なる妖艶が――べん。心の籠っていない奏で。ゆるりゆるり――何処かで静かに絶叫(あいする)響き。罰が靴を履いている。それも好きだろうか。後で撫でてあげましょうね……狐がひょろりと影に隠れる。あつめた『もの』に異物はない。ただ、なまぬるい其処等が降っているだけ。べん。べん。べん。
 人の花(うそ)をさしましょう。水瓶に。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナギツ・イツマイ
 お金をつかっても、おいしいごはんじゃないのは、虚無だね。
 今は昔、そんな価値観も、トロールかな。


 バース刻み言葉重ね
 家なしの迷子のロールするトロール
 公園のベンチに手摺がついてねれもしね
 べンチ刻み面子保つ
 白けた月に黒いスーツと黒い靴
 傍目に見切りのメンチ貪り夜をつなわたり

 バーガーオーバー重ね
 見た目重なってるけど中身スカスカだな
 スパイシーな魂に体揺らしてふるえ
 豚バラと玉ねぎ重ね
 頭の中でぐるぐるクッキング ローリング
 うずまく混沌と無限の星空ァ!

 Yo!貫け!
 ライムをしぼる! 格安ミート!
 レッツシシケバブ! バーニングファイア!


 激安短歌で啖呵切って作れ手前の〝オリジナル〟!



 人をはかるなんて。しかし。お金を払って食べるご飯がおいしくないとは。ナギツ・イツマイ(オンミョー・シャーマン・ヒーロー・ウィズ・ラッパー・f19292)は虚無だと呟いた。軋んでいる。壊れたラジオカセットとやらも味を出せる罪だろう。今は昔。そんな価値観も、トロールかな――道行く雑草のように。毒とも薬とも成り得ぬ在り来たり……ふと、人を擽るかのように。言葉が爛れ出た。
 バース刻み言葉重ね。家無し迷子のロールするトロール――刻む音が地獄を沸かすか。涌き始めたのは世に飽きた若人か――公園のベンチに手摺がついてねれもしね。べンチ刻み面子保つ――ずるると引き摺った空き瓶の袋。それが銭になるのか――白けた月に黒いスーツと黒い靴。傍目に見切りのメンチ貪り夜をつなわたり――揚げたて熱々ほっかほか。面を合わせた連中の喧騒――バーガーオーバー重ね。見た目重なってるけど中身スカスカだな――おや。むしゃむしゃしているハンバーガーかい。そりゃ肉も薄っぺらだ――スパイシーな魂に体揺らしてふるえ。豚バラと玉ねぎ重ね――切ったネギも涙にならない。誰かの悲鳴も届かない。

 頭の中でぐるぐるクッキング ローリング。
 うずまく混沌と無限の星空ァ!
 ……けむり。

 Yo! 貫け! ライムをしぼる! 格安ミート!
 レッツシシケバブ! バーニングファイア!

 花火は季節外れだろう。片方が重くて片方が軽い。
 激安短歌に啖呵切って作れ手前の〝オリジナル〟!
 ……いつのまにか、人の団子。

成功 🔵​🔵​🔴​

臥待・夏報
夜の街での情報収集。ま、定常業務の範囲内かな。
無個性がウリの夏報さんとしては、翁の忠告がひっかかるけど――スタイルは急には変えらんないや。

三原色のネオンの下を、
闇に紛れてぼんやり歩く。

そうやってるとぼったくりのキャッチだの、宗教勧誘だのから自ずと声がかかるから、その中から『アタリ』を探すわけだね。
あー、男……?
たぶんこりゃアレだ。そーゆー宗旨の邪神教団だ。上に報告あげとこ。

……ところできみ、中学生?
ダメだよこんなとこ居ちゃ。
いや、わざわざ夜遊びしてるからには訳ありなんだろうけど……今夜のこの街はダメだ。
ってか怪我してるじゃんか、なに、喧嘩でもしたの――

――しくじった。
こいつが『アタリ』か……!



 定常業務の範囲内だ。何処からか『べん』だとか『Yo!』だとか、混沌とした音が聞こえてくる。くるりと臥待・夏報(終われない夏休み・f15753)が夜を視る。翁の忠告が奥歯に引っ掛かって、気持ち悪さが拭えない。無個性がウリの『夏報さん』としては――それでも自分(スタイル)は変えられない。三原色のネオンが藍に飛び込んで、見つかりっこない、闇に紛れてぼんやりと。【なんで、そんな顔で】――歩いているんだい。ほら。宗教勧誘か何かだ。今夜易くしとくよ。今日はタダであげるよ。飲み放題……食べ放題。その中から『アタリ』を探すわけだね。あー……男? かおのいい。優しそうな。たぶんこりゃ。よくあるタイプの邪神教団だ。上に報告あげとこ――おかしい。先程までの『かお』は何処に行った。
 ……ところできみ、中学生? ダメだよ。ダメだってば。こんなところ……いや、わざわざね。夜遊びしてる……今夜の『この』※はダメ――何。怪我してるの。【喧嘩】でもしたの――わるいこはどっちだい。
 しくじった――こいつが『アタリ』か……心電図で正気だと判るのかい。解るのかい。今日の『夏報さん』だって? 何処に今日が在るのだろうか。

 足踏みしている、お前。

成功 🔵​🔵​🔴​

九重・灯
フードを目深に被って夜の街を歩き、周りを観察してみます。
人の向かう先、その表情、街におかしな様子は?

……夜の街なんて馴染みがないから、よく分からないかも知れませんけど。
(『ま、いっしょに夜遊びするような友達なんていねぇもんな』)
もう一人の自分の声が刺さりますね……。

それはともかく。
UC【血晶の振り子】。血色の振り子が揺れ導く。
『第六感』で周囲一帯に超常の力が働いてないか、働いているならその源を探ってみましょうか。

それにしても冷えますね。今何時でしょうか。
手近なコンビニに寄って、あたたかい飲み物でも買いましょう。
ああそうだ、警察や補導員に目を付けられると厄介かも。わたし一応学生ですからね。



 闇ではない。濃紺(フード)を目深に被りながら、ぶらぶらと九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)。つまり『わたし』が歩んでいる。街の煌めきが如何にも焦がしのようで、普通を求めるように『観察』する――人々の向かう先に異常は無いのか。おかしな様子は如何だ。ざわめく視界の中は人の欲望で酔っ払いそうな――よくわからないかも知れませんけど。知った口の『オレ』は謂う。夜遊びする友達もいないですって。自分の声が心臓に刺さるようだ。それはともかく――過信は禁物だが血晶を垂らす。揺れる。振れる。周囲一帯に円を描いて、超常の力が働いていないか。わからない。源を想像させる人々のど真ん中は探ったのか。それを視ても動きが重ならない――それにしても冷えますね。冬の夜だ。チョコレートの甘ったるさも近いだろう。その前は鬼を外にやった……手近なコンビニで『あたたかい』飲み物でも買いましょう。自分(オレ)に囁きながら――いらっしゃいませ、の、雑なあいさつ。
 ああそうだ。酔っ払うなんて表現、学生が使うものではない。警察や補導員に目を付けられると厄介だ。また、つみかさねた。

成功 🔵​🔵​🔴​

風見・ケイ
昔取ったなんとやら……いや、こういった繁華街の担当になったことはなかったな。
どちらかといえば今の仕事に就いてからの方が、夜の町に繰り出すことが多い。
……勿論、お仕事ですよ。

情報収集、追跡、失せ物探し。猫探しならお任せを。子どもの頃から、よく猫を追いかけていたものです。
しかしまあ、今日の探し物は猫でも浮気の証拠でもなく、深淵で。
参ったな、猫より神出鬼没だ。

ならば。
こういった街には、喫煙所云々に限らず、皆が集って空気を汚す角がある。濁った空気の社交場が。
一本。
二本。
三本。
ああ、薬は結構。私にはこいつがちょうど良いんです。
繁盛しているようですね……こんな街なら、深淵に呑まれてもおかしくないな。



 夜に留まった汚物こそが猟奇と記せば『そう』なのだろう。成立した事件は小粒でも酷い痛みで、昔取ったなんとやら――風見・ケイ(消えゆく星・f14457)は二色で現をさまよって、一点を見つめるように足を運ぶ。繁華街の担当になったことは如何だった。何方かと言えば『今』の方がお似合いだろう。繰り出す三重(のう)は思考するのか。ほら、脳髄が『おもう』物質だと誰が決め付けた。ええ……勿論、お仕事ですよ。子供の頃から追い掛けていた。其処等の罪とは猫のような気紛れだ。収集した餌は給食の欠片か、おやつの出来損ない。しかしまあ、今日の探し物は猫でも浮気の証拠でも殺戮でもなく。ただの、深淵。参ったな、猫より神出鬼没だ。
 汚れている。窓の端が。いいや。人間が空気を。自らの首を絞めている。濁った空の社交場は規則の枠に当て嵌まらず、残酷なまでに自然を嘲笑して――一本。二本。三本――戻る事の無い、真っ黒の垂れ流し。ああ、薬は結構。私には『こいつ』が。罪(こいつ)がちょうど良いんです。ぽっかりとぷっかりって真似ているのか。
 繁盛しているようですね。こんな街なら、呑まれてもおかしくは――神出鬼没だって。君等が謂うのかい、猟兵。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『雑踏』

POW   :    雑踏
【四方八方から行き交う雑踏の踏み付け】が命中した対象に対し、高威力高命中の【無限に続く雑踏の踏み付け】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    行進
【物理法則を無視した隊列行進】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    環境統一
防具を0.05秒で着替える事ができる。また、着用中の防具の初期技能を「100レベル」で使用できる。
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 不規則に罪は重なった。貌が無い。首が無い。臓腑が無い。腕が無い。胴が無い。心が無い。のうがない――ないない祭りの夜闇の下に、在るのは唯一『雑踏』だけだ。歩く。歩いている。歩いていた。何重にも何重にも積もり積もって、罪の隊列行進(パレヱド)――ざっざっざっ……わいわい、がやがや、くすくすくす。
九重・灯
人格が「オレ」に替わる。
ぬるい缶コーヒーの残りを飲み干して、近くのゴミ箱に投げ捨てる。

奇っ怪だな。何なんだ、ありゃ?
(『……人の放つ欲求、欲望が膿のように溜まりにたまってこの世界に染み出たもの、でしょうか』)
考え込むように、もう一人の自分が応える。
さっきまで気配が掴めなかったのは、当たり前のようにこの街に「在った」からかもな。

UC【偽神符・天狗】。顔を隠した魔人「天狗」を呼び出す。
5体を相応の数字で呼び出し、3体を高所に配置して弓矢で援護。2体はオレと一緒に前衛だ。
剣、アザレアで『なぎ払い5』。
影から形成した黒刃、カゲツムギで『串刺し5』にしてやる。

そこら辺歩いていたヤツらはどこいった……?



 蝋燭の火が儚いように、切り替えは一瞬にして終を得る。ぬるい珈琲を流し込んで押し寄せる雑踏を認識する。からころと塵箱に落ちていった、空缶。奇怪だな……自ずと声が空気に触れた。色数多の靴音が不規則にへらへらと歩いている。何なんだ――『人の放つ欲求。欲望が膿のように溜まりにたまって、世界に染み出た煉獄(もの)』――だろうか。其処等に生えた罪が重なって、七色に輝く絶望と希望の坩堝。考え込むような自分(わたし)の言葉。オレは咀嚼するが如く『あし』を視た。気配が掴めなかった所以は『当たり前』だったからだ。この街に『在った』泥だからか。ならば感染型のように『世界』を包み込む可能性は――ふぅ。息を吹きかける。顔を隠した魔人(天狗)が現れ、人の世に妖の類を報せる。五体は相応の数として。三体を高所、二体を『オレ』の隣に。後衛と前衛で『良き』陣だ。ああ。しかし。嘘だろう。雑踏が宙を歩くとは想像出来ない――驚きは数秒で冷静に変わる。剣(アザレア)で地の奴等を薙ぎ、黒刃(カゲツムギ)で天を貫く。
 それで『そこら』辺歩いていたヤツらはどこいった――【雑踏】だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

虻須・志郎
試練って奴は唐突に――来るもんかね
返事をしない邪神。まあいい、やる事は変わらねえ

奴がいなくても備え付けのこれがあれば何とでもなる
脚の群れにワイヤーを放って転ばせる
何度も、何度も、何度も
何処にも行かしゃしねえよ。ここがどん詰まりだ
無限に踏み付けるなら無限にワイヤーを出して
永遠に絡め続けてやるだけだ
四方八方? 蜘蛛の目はその位お見通しだ
インセインとマッドネスを起動し状況を解析
こいつらの大元は何処にある――そいつを見つけて
ぶん殴ってやらなきゃ気が済まねえ

それとアイツも起こさにゃならん
居るんだろ、出て来いよ。食事の時間だ
文字通りの踊り食い
正面から全部殴り飛ばして喰らい尽くす
これでも出てこねえのか……?



 罪は連なって傷を舐り遭う。あいらしくも恐ろしい、人々だった足音が、ただの奈落(現実)をダン、ダン進む――試練って奴は唐突に来るもんかね。繰られた気分で雑踏を往く。返事が無いのは不可解だが、その罪重ねは融け込み易い。まあいい、やることは変わらねえ。【大体邪神の仕業だ】。怠惰に似た憤慨を蜘蛛の糸で絡めてしまえ――脚に引っかけて転ばせる。此処は地獄への第四峠。何度も何度も何度も何度も、何処にも行かせやしない。此処が『どん詰まり』だ。はちきれんばかりの雑踏を、文字通り『足を引っ張った』と記すべきか。無限に無限を向けて晒せば、呆気ない無間の幕開けだ。とんとん拍子で事柄は往く――制御されたとして、罰は受けるべきだろう。四方八方、空にも壁にも壁にも地中にも……総ては佛の如く、掌の上だと理解させるのだ。状況とキョウカせよ。解析した根源は何処だ。こいつらの元凶は何処にある――見つけて。ぶん殴ってやらなきゃ気が済まねえ。妙なほどに脳天から爆発しそうな、感情――それとアイツも起こさにゃならん。
 橋でも呑気に造っているのか。居るんだろ。出て来いよ。食事の時間だ。久々に『人』に近い盛り合わせだ。踊り食い。据え膳喰らうならば毒まで――正面から巨大(ちいさな)靴音を殴り飛ばす。喰らう。喰らう。喰らう。
 この味は。『血液パック』か……?

成功 🔵​🔵​🔴​

風見・ケイ
……聴こえますね、足音が。
これがロバートさんの言っていた『ありきたり』か。
(ゴミ箱、すいがら入れを蹴り倒し、空に銃声ひとつ、人を追いやって目を瞑る)
(目を開けば、四方八方に揺らぐ青)

……いつもホラーやん!
くそぅ……テケテケの方が首も腕もあってマシやわ。

【荊棘荊棘】
[グラップル、怪力]
うえぇ気持ちわる……関節が虫みたい。
全方位っちゅーのは脅威的やけど、脚以外を警戒する必要ないってことや。
ゴミと汚水で足滑らせとる隙も使って、
受け流し。足払い。踏み付け。足首掴んで引っこ抜く。膝を蹴り折る。
よし第一陣は凌いだ……なんなんそない地団駄踏んで。

なんやわからんが今の内、みんな纏めてぶち折って、ぶち抜いたる。



 聞こえる。聴こえる。つみかさねの足音が、脳髄に浸透して治まりが悪い。ありきたりの行進が地獄へと一直線に歩まない。歩んでいる所以は無に等しいのだ。何せ悉くが『普通』だろう。これがロバートさんの言っていた――ゴミ箱。吸い殻入れが蹴飛ばされた。本当に【そんなこと】やっても好いのかい――銃声が天を響き裂いた。其処等に生えている罪(こいつ)が目を瞑った私を追い掛けて……開いた。跳び込む雑踏。背中に冷たいものが走る……揺らいでいる青色。勝手に泳いでいると如何にも錯乱してしまいそうで――いつもホラーやん!!! 額の汗を拭う余裕すらも無い。くそう。くそぅ。テケテケの方が首も腕もあってマシ……ああ。てけりりよりは足の方がマシ……気持ち悪い人間の『一側面』が、うぞうぞと猟兵に向かっていく。
 全方位からの永久は確かに脅威的だろう。驚異的の方が『らしい』が、対処方法は恐怖の内に解ける筈だ。ゴミと汚物で滑った足どもを受け流して払って『処理』するのだ。足首掴んで引っこ抜き、膝を蹴りつけて無音の悲鳴(ぼきり)。第一陣は完璧に『な』せた。どん。どどどん。どん。どどどん。地団駄踏んで。
 首を傾げても意味は知れない。其処等に生えた雑草感覚で纏めて間引け。ぶち折って、ぶち抜いたる――だん。だん。どん。どどどん。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナギツ・イツマイ
──今の海、酸過剰らしいね‥‥‥酸か浄か?

 てけらてけらとダンス
 シタバラひびくタップビート
 狂気に凶器なんでもありのデスマッチ
 さながらヒールのショウケース

 セルフ入場曲に合わせBoma ye
 こっちゃボッチや多対個で囲てタッグビート
 ‥‥‥でもそんなん慣れてる
 ベビーなんてガラでもねぇがヘビーに合わせてやるぜ

 雑踏重ねて姦し傘も形無し降りしきる喧噪
 まさに反響する潮騒のおと
 潮汐調整する小生と笑声の昂まり
 闇間の空に塊り真ん丸お月様タンゴがうめぇ

 今宵は大潮夜闇の狭間に波間の重なり
 アガレアガレ月夜の下の情熱trip
 アカイアカイ燃える水の灼熱trap
 アガクアガクヒール浄化するtrack



 だん♪
 だだ♪
 どん。どどどん♪
 ずんちゃ、ずんちゃ、ずんちゃっちゃ♪

 今の海、酸過剰らしいね……酸か浄か。不浄が浮上してそれが足場ならば足音はとんとん。総ては問題なく罪のように詰みあげない。てけらてけらとてけりりダンス。箪笥の中身が饅頭ならば万集う。シタバラひびくタップビート。だんだだどんどどずんちゃ♪……狂気に凶器なんでもありのデスマッチ。マッチをこするにゃ足だけじゃ無理。夢の理屈ニャアずんちゃちゃどんどん。さながらヒールのショウケース――悪役(ヒール)にビールは要らないと。缶蹴りしたらそれもつみ。セルフ入場曲に合わせBoma ye――正義のヒーローに問い掛ける意識。石は硬くてもいしは脆弱――こっちゃボッチや多対個で囲てタッグビート‥‥‥でもそんなん慣れてる。なれなれしいよりは生れと叫んだ方が酒に遭う。避けた酔っ払いは残らすつみか。ベビーなんてガラでもねぇがヘビーに合わせてやるぜ。蛇のテールにコールするブラックタール雑踏重ねて姦し傘も形無し降りしきる喧噪どがどがちゃっちゃ♪まさに反響する潮騒のおと。等々父ちゃんが半か丁かと大笑い。藁にも縋る思いで重い……潮汐調整する小生と笑声の昂まり闇間の空に塊り真ん丸お月様タンゴがうめぇ。うめぇうめぇ(ごいっしょに)――今宵は大潮夜闇の狭間に波間の重なり。【調和は天秤の上に】。足を洗う音揚がる音充ちる自然の死全……ごぅごぅ。
 アガレアガレ月夜の下の情熱trip……旅行先は大津波(こりごり)。
 アカイアカイ燃える水の灼熱trap……罠に掛かったな絶叫(スクリーム)。
 アガクアガクヒール浄化するtrack……幸運に見せ掛けた真っ黒。

 ずどどん(行進止め)!

成功 🔵​🔵​🔴​

臥待・夏報
ああもう今日は厄日!
仕事のある日はぜーんぶ厄日!
痛い痛い痛い、こんな物理的に足蹴にされたのなんて久しぶりだよ……

……こうやって、群衆に踏み潰されないための一番の方法。
そんなの決まってる。誰だって知ってる。――踏み潰す側に回ることだ。
でもそれじゃ、
腹立つんだよな、
雑踏に紛れてばっかの夏報さんが言ってもまあ説得力ないけどさ、
(顔のない女が踏み潰されて、交差点のアスファルトの染みになり)
お前らみたいなのは『僕』の敵だ。
(セーラー服の少女が不格好に笑った)

『内臓を抜かれた牛の真実』、描けるのは臥待夏報ひとりぶん。
『瞼の裏で、』『きみ、』『と呼ぶにも値しないお前ら全部、』『地を這いながら呪ってやる――』



 確実に人生を終わらせる為に、冷静に傷をつけてやれ。それが自分の瑕なのか何者かの瑕かなんて、如何でも好いのだ。ああ。ああ。今日は厄日。仕事のある日はぜーんぶ厄日。なんなら今日の夏報さんはずーっと厄……痛い。痛い。痛い。何が痛い。無個性の足踏みに揃えて『戯れる』こんな痛いは久しぶりだ。オマエが無個性だって。アンタが無個性だって。はっは……かわいた嘲笑が囲んでいる。こんなにも個性的なヤツは、他に居ないさ。なあ、偽善者(猟兵)――くっそたれのおまえ。こんな時は如何するのか。こんな最悪は如何切り抜けるのか。一番の方法は知っているのだろう。踏み潰す側(雑踏)に回ることだ。そうだ。気分が好いぞ。こんなにも人間的だ。こんなにも、は、は、はぁ!!!

 ……。
 ――腹立つ。

 紛れて融けて潰れて逃れて説得力がないのは理解している。夏報さんとはそういうヤツだ。知っているとも――顔のない女が踏み潰されて死んだ。誰も助けない。貌の無い女が轢かれた。誰も救けに入らない。そんなものになんの価値が有る――アスファルトの染みがくさい。臭い物には蓋をしよう。それで……お前らみたいなのは『僕』の敵だ。今更何を吐いている、生えたのは誰の所為だ。トンチキが――不格好に笑うセーラー服。『内臓を抜かれた牛の真実』。描けた、描けたよ。臥待夏報ひとりぶん……おいオマエ、この切っ先は鋭いぞ。
 瞼の裏できみ――きみとも呼ぶに値しない……お前ら。お前ら。お前ら……全部。ぜーんぶ――泥を啜りながら。地を這いながら。呪ってやる――おいおい。泥が喋っちゃダメだろうが!!!

 ……。
 ――ずかずかと土足で入ってやる。
 あの日の『僕』のように。ちとぞうもつ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大罪の聖母バビロン』

POW   :    大罪の七つの蛇
自身の【依り代の生命と魂】を代償に、【それぞれが七つの大罪を司る邪悪な蛇達】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【噛みつき、司る大罪の毒を流し込むこと】で戦う。
SPD   :    大罪に穢れた聖杯
【穢れた黄金の杯】から【大罪の具現たる悪徳の泥】を放ち、【罪と欲望に満ちた泥に沈めること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    大罪の聖母
【自身が産み落とした眷属や邪神達】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
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 蛇が這う。
 足音は消えてうねりが触れる。
 泥を啜った心地は如何だい。
 最高に最低で、最悪に最愛だろう。
 おや。どうしてそんなにも理性を望むんだい。
 ――獣の貌には似合わないじゃないか。
 全部が全部罪重なって、七なる大罪が舌を出す。
 ――願いを叶えよう。

 こっちの毒は甘いんだ。
 どろ、どろ、生える。
ナギツ・イツマイ
 こりゃえらく別嬪さんじゃねぇかヨ

 ってなもんでぇ甘いの一献おくんなせェ
 アテに一本鮭の干物吊るしてヨ
 蛇の開なんかいらねぇヨ

 先ずはZEROから一本
 オイオイ苦ぇぞこれじゃ客の一人もヨリャしねぇ
 ‥‥‥般若みてぇな顔をチロチロさせんのはやめてくれ

 さてぁこの苦さ般若湯かい
 タダでクスリ飲めるなんざありがてぇ
 ただもすこしばかりSAN味が欲しいねぇ

 最後の善が下がる頃にはあぁ
 ゆらゆら泥船に乗った心地だ
 ところで人の器って何で出来てんのかなぁ

 元は泥だと思うね俺ぁ
 とびっきりの泥塊さぁ

 いけねぇ文無しなのにおあいそだ
 時空の流砂に落ちてトンズラ放かせてもらうぜ
 巻き添えで干物になったらすまねぇ



 母のような赤い視線が、足踏み忘れた眷属を落とす。うねりの内側に肉が有って、咀嚼しようと踵をキビキビと――こりゃえらく別嬪さんじゃねぇかヨ。テキトウに敵対してくれる程度ならばてぇてぇと鳴くだけなのだが。にょろりと生えた大罪は大概の音を許してくれる――ってなもんでぇ甘いの一献おくんなせェ。遅れて贈られた泥水はスイートな罠。水筒の中に酒(アルコール)を注いだら蛇っぽい神様もご満悦だ。アテに一本鮭の干物吊るしてヨ。蛇の開なんかいらねぇヨ――妖艶なバビロンのバイバイに従うなんて売買(いろこい)のようだ。先ずはZEROから一本……この毒は甘いなんて言うけれど、オイオイ苦ぇぞこれじゃ客の一人もヨリャしねぇ。追い掛け一杯もいっぱいいっぱいだ。渋顔作れリャア飛沫も不愉快‥‥‥般若みてぇな顔をチロチロさせんのはやめてくれ――あら。誰が仏様ですって? あたしは明後日までほっといて。
 さてぁこの苦さ般若湯かい。タダでクスリ飲めるなんざありがてぇ。うんにゃ、多々漂う罪さんにはクスリともキませんよ。邪神は心まで信じられないの。ただもすこしばかりSAN味が欲しいねぇ――さんはい手を叩いてつられましょうか。最後の善が下がる頃にはあぁ……ひっく。あら? おかしいわねぇ。あたし強い筈なのに。全然だったねぇ。ゆらゆら泥船に乗った心地だ。ところで人の器って何で出来てんのかなぁ。そりゃああたしの綺麗な色よ。きれいな……うっぷす。
 元は泥だと思うね俺ぁ。とびっきりの泥塊さぁ――泥に塗れた嵐がふいて、てめぇのノーも塊(かたち)崩れる。いけねぇやっちまった(ウップス)文無しなのにおあいそだ!!! ちょっと待ちなさいよぉ……時空の流砂に落ちてトンズラ放かせてもらうぜ。

 巻き添えで干物になったらすまねぇ。
 ――あなたのせいで、どろどろよ。ひっく。

成功 🔵​🔵​🔴​

九重・灯
生け贄を使って蛇を召喚したな?
オマエを八つ裂きにして、一片残らず焼き尽くしてやる。

UC【朱の王】。血を代償に朱の契約印から魔炎を喚び、四肢と武器に纏う。
自分自身を贄にしているヤツが何キレてんだって嗤えよ? ■■してやる!

銃、ジャック・ランタンに無理矢理に炎の魔力を込めて撃つ、撃つ。用済みの銃を放り投げる。
朱に彩られたカゲツムギの黒刃の剣と、アザレアの二刀を両翼のように振るう。
『属性攻撃10』『呪詛4』『部位破壊5』『なぎ払い5』『串刺し5』『範囲攻撃3』『2回攻撃2』

繁華街で夜遊とは大淫婦の格も落ちたもんだよなァ。
七ツの大罪ダと? ハハハッ、そんなモノより戦場には暴力と狂気ガお似合イだろウ?



 生贄を使って蛇を召喚したな? 果たして『雑踏』は贄なのだろうか。殺したのは貴様等で、目の前の彼女は唯々『微笑んで』いる。先程の酩酊は治っているようだ。ああ。罪の味わいが活き帰る心地――オマエを八つ裂きにして、一片残らず焼き尽くしてやる。あら、あら。随分と血気盛んな猟兵さんね……紫色の毒が舌を垂らし、くすくすとオマエを……捧げるべきだ。与えるべきだ。目には目を歯には歯を。罪には罪を罰には罰を……左の刻印は朱の証明。血液が流れる感覚……まあまあ。大丈夫かしら。貧血にならない――自分自身を贄にしているヤツが何キレてんだって嗤えよ?
 あはは……■■してやる! 迫る蛇に煉獄の魂が貌を遭わせる。その化け南瓜が視認したのは燃やすべき過去(たましい)。無理矢理詰め込んだ『魔の炎』が眼窩と口から溢れ始めた。ごぅ、ごぅ、放出された鉛の熱が、蛇をぐじゅぐじゅと蒸発させる。まだ。殺し尽くすにはもう一歩。罰を叩き付けるにはもう一歩。足りない。ふふ。楽しそうな猟兵さん。その罪もアタシよ。あ・た・し。
 黒い影は朱に染まり、大振りの赤も其方側へ。二刀を構えて両翼が如く揮い、微笑むだけの『オブリビオン』に――殴り掛かる。殺意は呪に変質し、魂を焼き切る『属性』と化す。薙ぎ払った神の髪が宙で融け、怒りを誘う胴体を串刺しに……繁華街で夜遊とは大淫婦の格も落ちたもんだよなァ。あら? そう思う。可哀想なひとね。あたしは何処にだって『生える』べきよ。

 七ツの大罪ダと? ハハハッ。
 そんなモノより戦場には暴力と狂気ガお似合イだろウ?

 悪くないわ。ええ。素敵よ、あなた。とっても熱い。

成功 🔵​🔵​🔴​

虻須・志郎
赤眼漆黒の真の姿に
制御系をAIに全振りして正面の怪物と対峙する

人間の次は蛇――この世界の言い伝えに倣えば
大体お前の所為だ。覚悟はいいな
さあ――いい加減出てこい、第四の蜘蛛!

好きな様に語り貪り喰らい尽くせ
幸い敵は敵が生んでくれる。そっちの相手は任せるぜ

俺は本体の蛇女に近付いて
ああ――正面から捨て身でブン殴ってやる
理性なんざ取っ払った原初の一撃だ
毒だぁ? こっちにもあるさ
麻痺、恐怖、狂気――蠢く蛇を一匹ずつ縛り上げて
焼ける様な毒を喰らわせてやる

さあどうすんだい姉ちゃんよ
成りはご立派だがお頭は空っぽか?
だったら俺みたいに電脳を詰め込むかい?
ハッキングして恐怖を植え付けて
そのまま生命ごと喰らって終いだ



 盲目なんてのは詰まらない。罪を重ねる度に愉しいだろうよ。蛇に移るのは漆黒の皮。赤色の覗き込みは如何にも『妖艶』を悦ばせている――何もかもが機械だ。機会を逃さないのは『そう』在れと刻み尽くされたが故だ。人間の次は蛇。誑かしの獣性。魅力的な果実……この世界の言い伝えに倣えば。邪神の所業か。違う。大体お前の所為だ。性や生が存在するのもお前の所為だ。全部お前に押し付けて終えば好い。罰は蛇だけが受け止めるべきだ。覚悟はいいな。蛇に睨まれた蛙は絶望するが、蜘蛛に睨め憑けられた蛇は如何に。訪れるのは絶望ではない。此処には当たり前だけが存在する――さあ。いい加減出てこい、第四の蜘蛛。
 充ちる。しかし満たされる事は二度と無い。羅列する人間(餌)を。血液パックを舐りながら蜘蛛(かみ)が嗤う。笑う蛇に近付いた猟兵が『成すべき』所業は運命よ。正面から捨て身でブン殴る――理性なんか取っ払った、原初からの一撃だ。男女の意味も失くして落とし、今が暴力だと知らしめる。顎の骨も脳髄もぶち壊してしまえ――毒だぁ? こっちにもあるさ。蜘蛛の糸から垂れるのは痺れるものや狂いの生じ。神の如き『力』が揮われ、最早蛇の這入る『隙間』はない。
 あなたはどうして、罪深い――さあ。どうすんだい。どうしようかなぁ。頭空っぽにしゅうしゅう吐こうか。成りは立派で贄は脆弱かい。電脳でも詰め込むか……ひとの脳髄に打ち混んで、無意識の『恐ろしさ』を引き摺り出す――これで終いだ。縛り上げたならば剥いでやれ。肉は美味い筈だ。いあ。うまかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

風見・ケイ
(雑草投げ捨てゆっくり瞬けば青赤)
この身体にへばりつく乾いた泥みたいな罪が
すべて貴女だと?

ふざけるな。
これは私の物だ。
あの女は『わたし』が殺した。
あの人は『私』が殺した。

(眷属に拳銃は効くだろうか。まあ別に効かなくても、喰らいついてくれるのなら後で焼くのにちょうどいい)

(伸ばした異形の腕の罅割れが身体まで広がり、殻が剥がれ落ち、真の姿が顕になる)

罪(わたし)を肯定して
罪(きみ)を否定してやる
『明日もわたしが罪でありますように』
こんな街の中で、あまり綺麗な星空じゃないけど
わたしたちには相応しいよ
星の光を浴びた『星屑』を劫火[属性攻撃]に変えて
罪には罰を
燃え残ったほうが大罪さ[火炎耐性]



 投げ棄てる。その行為が蛇に対する冒涜だと理解するのに『数秒』を要した。雑草が。雑多が。雑踏が宙を舞い、ゆっくりと自分自身に着地する。瞬いた其処には青と赤の一直線(にらみ)――この身体にへばりつく乾いた泥みたいな罪が、すべて貴女だと。もしくはこの世界にこびりつく滑った愛みたいな罪、かしら。妖艶の化身がふんわりと髪を整えて、くすくすと猟兵を覗き込んでいる――ふざけるな。これは私の物だ。アルコールの海に沈んでいるのは、何故かしら。煙に呑まれた脳味噌は、何処までも曖昧だ。あまいあまいあの時を……あの女は『わたし』が殺した。あの人は『私』が殺した――そうしてあなたは殺し続けるのかしら、おや、これはあたしが生じるわけね――鉛が蛇を撃っていく。効く必要はない。喰らいついて。衝いて嗤うならば構わない。何せ焼ければ問題ないのだ。何事も、立つ鳥跡を濁さず。
 伸びたのは何だ。形容し難い伸縮が、罅割れ、真実を曝け出すだろう。嘆き捨てる……こんばんは。皮が。殻が崩れ落ちた其処には屑――罪(わたし)を肯定して罪(きみ)を否定してやる。『明日もわたしが罪でありますように』あら、あたしを過去だと謂うのかい……希望が溢れて光がほうける。ねぇ、あなたって人でしょう……わたしたちには相応しい、汚泥のような星空。劫火が堕ちる――罪には罰を。
 燃え残ったほうが大罪さ。

 荒唐無稽。いいや。違うね。ご都合よろしい、さ、かなしいほどに。

成功 🔵​🔵​🔴​

臥待・夏報
こんな三原色の街で自分だけ透明な心算なんだから、あのアル中女は本当に馬鹿だ。
はあ。
相変わらず未来はロクでもないが、今夜は『僕』が始末をつけてやる。

(ネオン街を、セーラー服の少女が駆けて)

知ってるか?
二十一世紀になって、人間の対義語は『獣』じゃなくて『機械』になった。
最近じゃ動物はあなたのごはんじゃないらしい。
――獣扱いで人間を煽れる時代は終わったんだよ。お前だってどうせ、敵国の人間の比喩だろう?
ま、臥待家は代々浄土真宗だ。一神教に興味はないね。

憤怒が、傲慢が、僕のいのちだ。
その毒で思い起こすのは暴力だけだ。
僕が映すのは写真じゃなくて、作りの荒い錆びた脚立。
――ああ?
殴り殺すのに決まってるだろ!



 鼻の中途にアルコールがはりついて、脳髄に臭いだけが届いている。こんな三原色の街で自分だけ透明な心算なんだから――はあ。息が暗黒(よる)に融け込んだ、しかし解けるにも明るすぎて仕方がない。あのアル中女は本当に馬鹿だ。莫迦々々しいネオンを駆けながら、セーラー服の少女はとう。尊い命だとかどうでもよくて、知っているか。二十一世紀になって人間の対義語は『獣』じゃなくて『機械』になった。あら。確かにそうよねぇ。だって罪(わたし)にお似合いなのは機械仕掛けの神に決まって――最近じゃ動物はあなたのご飯じゃないらしい。最初から食事じゃないわよぉ。なんたって施す側……獣扱いで人間を煽れる時代は終わったんだよ。
 あらまあ。そうね。確かにそうね。施していたら食べてしまうもの――十字架を背負った。背負ったからどうした。復活するなんて思うなよ、お前だってどうせ、敵国の人間の比喩だろう――人間が造ったから人間が滅ぼそうとするなんて、随分つみぶかい事――ま、臥待家は代々浄土真宗だ。一神教に興味はないね。
 興味がないだなんて、嘘を吐くんじゃないよ。こんなにも見つめてくれる――憤怒が、傲慢が、君(あなた)の命だとひたっている。その毒で思い起こすのは暴力だ。移る。映る。感染(うつ)る……写真なんてくだけている、荒い錆びた脚立。
 ふ、ふふ。ふふ……いい貌よ。顔よ、それ💔

 ――ああ?
 めきょ。ぼきゃ。ごしゃ。めきゃ……。

 殴り殺すのに決まっているだろ! 死ね。

成功 🔵​🔵​🔴​

クリュウ・リヴィエ(サポート)
記憶喪失のダンピールだよ。
名前も年齢も本当かどうか、僕にも判らない。
ま、気にしてないけどね。

自分の過去は判らなくても、色々考えるのは好きだよ。
他人の行動とか状況とかに違和感があると、それに何か意味がないのか考えちゃうよね。
まあ、それで僕が有利になるかどうかは別問題だけど。

あとは食べることも好き。
食わず嫌いはしないし、残さないよ。

戦うときは、突っ込んで力任せに殴り掛かることが多いかな。
一応、剣も魔法も使えるんだけど、結局シンプルなのが性に合うね。



 蠅の玉座には何が成る。其処に生じたのは底の知れない原初の罪(かじつ)――クリュウ・リヴィエ(よろず呑み・f03518)は脳漿をブチ撒けて横たわる『蛇』を視た。斃したら皆に悦ばれる。殺したら誰かに称えられる。潰したら実に心地良い……なんて莫迦らしい欲望だろうか。雑踏の渦に囚われた存在の思考や嗜好は複雑が過ぎて仕方がない。だから。食べよう。こぼれた臓物を残さず食べよう。あふれた果汁を残さず啜ろう。何も判らないが気にしない。解っていても胃袋に収めるだけだ――肉の塊は頬張り難い。故に掲げる自らの血液……餓えて渇いた鈍器(カミ砕き)が揮われる。ぐちゃ。お皿は無いけど心配しないで。地面が融かす前に「いただきます」だ。
 あら、あら――罪だとか罰だとか、難しい事を考えても。答えは現れない。されど猟兵の思考回路は余す事なく巡っている。食わず嫌いは不徳で食べて嫌うは未熟――故にその禁断は二個目も齧って構わないだろう。結論としては『よし』だ。総ては食卓(シンプル)に終を得る。其処等に生えている罪重ね、そんなハンバーガーは丸ごとだ。「ごちそうさまでした」。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年02月16日


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は加賀・依です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト