アルダワ魔王戦争1-E~嫌悪の森の金剛石
●嫌悪は防衛反応とも言いますが
「どーも今度はアルダワが大変なことになってるみてぇだな……。
皆、無事にダンジョン探索は進められてるか?」
そんな調子で猟兵達を出迎えた霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)は、
早速とばかりにダンジョンマップを広げながら説明を始めた。
「今回行って貰う場所は此処。まぁ、もう何人か行ったこともあるだろうが――
このエリアには特定の感情を増幅させ、下手すりゃ爆発させる迷宮キノコの群生地だ」
そんなエリアの中に、今回倒すべき人形が佇んでいるのだと言う。
「ただ、こう。なァ……其処で揺さぶられる感情ってのが問題でさ」
苦虫を噛み潰したような顔のまま、クロトが告げたのは――
その一帯のキノコが、『嫌悪』を増幅させる迷宮キノコだというのだ。
「嫌悪ってのは中々に強烈な感情だ。どんなに好きな相手でも『嫌』なとこはある。
それが一ミリでもあれば、大爆発だ。下手すりゃ黙ってた事も吹き出ちまうかもな」
お前の此処が嫌だとか、こんな湿っぽい場所にいるのは嫌だとか。
お互いの為に黙っていた『嫌悪』すら吹き出てしまうかもしれない、とクロトは言う。
「けど抑え込むことは考えるなよ――
このキノコの作用のせいで、感情を抑え込むだけで疲れちまうからな」
じゃあ、どうすればいいのか。そんな疑問に答えるようにクロトは説明を続ける。
「簡単なこった。その強い『嫌悪』を乗せて戦ってくればいいのさ。
八つ当たりでもこの際問題はねぇ……思う存分『嫌悪』をぶつけてこい」
どうも、感情を抑え込まないことで、エネルギーが戦闘に転化できるとか、
そういった辺りの理由な気がするらしいのだが、クロトにも良く分からないと言う。
「まま、色々思うことはあるだろうが――友情とか壊さない程度に戦ってこいよ?
そんじゃ、フロアの攻略頼んだぜ?」
そう言ってグリモアの転送を開始した後、猟兵達は妙な感覚に襲われるだろう。
――心の内から俄に沸き立つ、その感覚に。
逢坂灰斗
すごく出遅れた気配しかしませんが、がんばります……。
逢坂灰斗です。
今回は迷宮キノコの森の中にいる、宝石人形の撃破に向かって頂きます。
【MSより】
・このシナリオは『アルダワ魔王戦争』に影響を与える戦争シナリオです。
・なるべく多くの方に🔵をお渡し出来るようにはしますが、
逢坂側の都合で全採用は確約できない可能性があります。ご了承下さい。
・このシナリオには以下のプレイングボーナスが設定されています。
ボーナスに準じたプレイングをすると有利になりますので、ご検討下さい。
プレイングボーナス……オープニングで指定した感情(『嫌悪』)を爆発させる
・なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為、
【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を
必ずご記述ください。
では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。
第1章 ボス戦
『『宝石人形』勝利のダイヤモンド』
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POW : アーティフィシャルダイヤモンズ
無敵の【自身の分身体(レベル×5体)】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : ヴィクトリードール
全身を【あらゆる攻撃にほぼ無敵の勝利のオーラ】で覆い、自身の【背中に光の翼を展開し、勝利の意識】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ : 金剛石は砕けない
全身を【レベル×1倍の威力に増幅して反撃する状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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●宝石人形の揺るぎない嫌悪
「――嫌だわ、どうして負ける人間が此処に来るの?」
何故だろう。今はその言葉にすら嫌気を感じる。
そして、その声の主自身も――『嫌悪』に支配されていた。
「どうして私が、無様な負け犬達の相手をしてあげなければいけないの?
私のダイヤの輝きに傷でもついたらどうしてくれるのかしら」
お高く留まったようにも聞こえるその人形の声は――
明確に此方に対する嫌悪感に塗れていて。
「ああ、嫌よ。だからといって通すのももっと嫌――」
回りきった嫌悪に振り回されるようにして、ダイヤの宝石人形は剣を構える。
「とっとと、死んで貰えるかしら」
大豪傑・麗刃
これは早い者勝ちのネタをやれとの誰かさんからのメッセージに違いないのだ!
わたしはきみ(今回の敵)の安易さを嫌悪しているのだ。
嫌悪感を増幅させる場にダイヤ。
なるほどきみの言わんとする意味がだいたい見当がつきました。
きみはこう言いたいのでしょう。
だぁぁぁぁぁあ!
いやぁぁぁぁぁぁ!
なんと安易な発想!
わたし以外になら通じたかもしれないが相手が悪かったのだ!
そしてダイヤは固いし、きみは分身も出すから負けるはずはないと思っているかもしれないが、それは大きなまちがいなのだ。
なぜなら戦いを決めるのは互いの技量!すなわち!
腕しだいや!
嫌悪感の増幅でギャグの切れ味が増し(?)相手を精神的に圧倒できた、はず。
●そんな意図はなかったと供述しており
大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は珍しく憤怒の形相をしていた。
彼の性格を考えれば、この状況になるのは一重に環境がそうさせるのだが――
「――わたしはきみの安易さを嫌悪しているのだ」
……彼の嫌悪は、妙な方向に、向いていた。
「嫌悪感を増幅させる場にダイヤ――つまりきみはこう言いたいのでしょう」
だぁぁぁぁぁあ!
いやぁぁぁぁぁぁ!
一瞬、奇妙な沈黙が森の中を支配する。
だが、互いの嫌悪は収まることはなく、麗刃の剣幕にも拍車がかかる。
「なんと安易な発想!
わたし以外になら通じたかもしれないが相手が悪かったのだ!」
もちろん、宝石人形も偶然この場所に居る訳で、そんな他意は無いわけだし、
何より、その困惑は――『嫌悪』に増幅されて殺意へと変じる。
「なんでいきなり金剛石(わたし)にこじつけたギャグを押し込んでくるの?
訳が分からないわ、それともアレなの――」
その人形の眼差しが、気づけば『複数』から刺さるように注げば。
「……ただの酔狂? 反吐が出るわ」
麗刃に向けて、宝石人形の包囲網が敷かれていた。
だが、戦闘の既にペースは彼が掌握していた。
「ダイヤは固いし、きみは分身も出すから負けるはずはない……
と思っているかもしれないが、それは大きなまちがいなのだ」
じわりじわりと、彼の空気が、彼女の嫌悪すらも蝕むように侵食する。
金剛石の携えし刃の群れは、無傷で捌き切るには至らないが、
確実に、彼の『真面目』にやるという空気が、僅かな綻びを産み出す。
致命的な程に揺るがされた根幹は、分身達の『精度』を弱めてゆく。
その隙すら、この奇人は見逃す道理などありはしないのだ。
……なにせ、隙あらばネタを突っ込む精神である(かもしれない)し。
「何故なら戦いを決めるのは互いの技量! すなわち!」
分身達をふたつの刃にて硬度すら無視するように鮮やかに斬り裂き、
その嫌悪混じりの白刃は人形少女の身体を致命とは行かぬが斬り刻む――
「――腕しだいや!」
「い、いい加減に、しなさいよ!?」
成功
🔵🔵🔴
桐府田・丈華
【心情】
「魔王復活はみんなで絶対阻止してみせるよ!」
と気合を入れて臨みます
【行動】
キノコの迷宮をトラップ等に用心しながら進みます
胞子の影響でだんだんと嫌悪の気持ちが現れて
敵に対する嫌悪感がどんどんと増していきます
この気持ちに戸惑いつつも特に抵抗はなしで
敵が出現したら戦闘開始
【戦闘】
使用するユーベルコードはバトルキャラクターズを召喚し戦います
敵のきらびやかさも綺麗さも嫌悪の対象となり敵に向けられます
「こんなに綺麗だけどなんだかすごく嫌だ…」
敵を撃破できたら
止められない嫌悪感を振り払うように、さらに奥に進みます
●それは怯えにも似た毒で
桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)の足取りは奇妙に重い。
キノコの胞子はぞわり、ぞわりと彼女の心象に忍び寄る。
通過点である筈の森の中の景色すら、普段抱くべき感情を押しのけて――
『嫌悪感』が、全てを上書きするように、溢れ出す。
「と、通らせて貰うよ――ボクらの目的は君じゃないからね」
「私が『通過点』? 腹立たしいわね。やってみるならやってみなさい――!」
荘厳とも取れる光の翼を背負った宝石人形は、
平時の丈華ならば多少の感嘆を抱えたかも知れぬが。
今の彼女の顔色ははっきりと見えずとも……
――声は、嫌悪に震えていた。
口許から思わず漏れ出す声は、彼女の内心を回りだす毒を知ら示すようで。
ああ、どうしてこんなにも綺麗なのに。
彼女の誇りある金剛石の煌めきも、美しく仕立てられたその手足も。
「――こんなに綺麗だけどなんだか凄く……嫌だ……!」
彼女の繰る札捌きすらも、焦燥に駆られるようで。
早くこの存在から目を背けたい。視界から消し去りたい。
半ば暴力的とも言えるそのプレイングは平時の彼女とは遠くかけ離れている。
「私の輝きを拒むなんて、嫌な人間も居たものね――
ああ、腹立たしい! 物量に飽かせて私を落とそうだなんてね!!」
「嫌、来ないでよ! 皆、押し返して!!」
成功
🔵🔵🔴
有栖川・夏介
宝石人形が発する嫌悪の感情にあてられて、こちらも嫌悪感を募らせる
ああ、嫌だ嫌だ嫌だ
嫌いだ、みんな嫌いだ
命じられたから、生きるために殺した
なのに、俺を悪魔のようだと恐怖して、可哀そうだと憐れんで
役立たずだなんだと言いたい放題…!!
…うるさいっ!!
処刑人の剣を構えて敵と対峙
「残念ですが、死ぬのは貴女のほうですよ」
敵への嫌悪をそのまま刀にのせ、【ダッシュ】で間合いに入り、急所を狙って剣を振るう。攻撃を受けても【激痛耐性】で耐える
血が流れるのも構わずにひたすら攻撃
敵がたじろげは恐怖したも同然
【黄泉へと誘う紅の乙女】で追撃
結局こうやって殺そうとすることでしか、私は道を選べない
……俺は、俺が嫌いだ
●抑圧された処刑人
有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)は、『処刑人』の家系だ。
その成り立ちは、自らを抑圧させるだに相応しく。
表に出る筈の無かったものだが――
この森は、そんな彼の心も、土足で踏み荒らすように。
『嫌悪』を喚起する。
「……みんな、嫌いだ」
命じられたから。生きる為に殺しただけなのに。
それは恐怖を喚起させ、自身への同情を生み出し。
吐き出されるのは『なにもしらない』言葉達。
それでも付いて回ったのは『やくたたず』という、言葉。
皆好き勝手言ってくる。 なにも、 しらない くせに――
「――うるさい!!」
閉じ込めていた筈の奔流が、内側から溢れ出てくる。
眼前に見据える敵はその抑圧を破壊するかのように、更なる『嫌悪』を齎す。
「――ああ、その眼が気に入らないわ。
押し潰して、仕舞っていた癖に、『映るもの全て』を拒絶するような、ね」
近寄ってくる。その姿は郷里の人々と何ら変わりない。
自分を、勝手にそう決めつけて、勝手な事を言って――
「死になさい」
その言葉が聞こえたと同時に飛んだのは、宝石人形だけではない。
互いが互いの距離を詰め、交錯した一撃は甲高い金属音をかき鳴らす。
平時の彼からは明らかに異様と言えるその斬撃は、
感情任せの荒々しい物であって。
「残念ですが、死ぬのは貴女のほうですよ」
眼前の物を『処刑』するための『嫌悪』に塗れていた。
交錯し続ける剣戟の最中、まるで夏介は狂戦士にも見える程に、
護りなどかなぐり捨てて、宝石人形の不動の護りすら貫かんと刃を振るう。
「ああ、気味が悪い――身を捨ててまで殺しにくるだなんて
やっぱり負け犬共は理解ができないわ……!」
流れる血は、嫌悪を止める理由にはならない。だが、
「そう、ですか……」
一部でも抱いた感情を、『処刑人』は見逃してやることはなく。
「では、『死んで』ください」
赤きドレスの乙女は嫌悪に塗れた悲鳴ごと、人形を斬り裂いてゆく。
宝石人形は、吹き飛んで、まだ、立ち上がることは無い。
けれども、嫌悪は、まだ終わらない。
こうして、『殺す』ことでしか道を選べない私(じぶん)が――
『嫌い』なのだから。
「……俺は、俺が嫌いだ」
嫌悪の呟きは、森の中に、掻き消えてゆく。
大成功
🔵🔵🔵
死之宮・謡
アドリブ歓迎…
嗚呼、イライラするな…塵め…どいつも此奴も一から十まで…
嗚呼、何故私の邪魔をする?私の道を阻む?
嗚呼、何故貴様の様な石ころの相手をこの私がしてやらねばならぬのだ?
嗚呼、もう良いぞ…構わないから、死骸を晒せ!
来い…【尊き緋槍】…
UCも、貴様の身体も…何もかも無視して貴様に不条理を教えてやろう!
崩壊の「呪詛」を展開し自身の身体を強化(全力魔法)
相手の動きを「見切り」ながら【尊き緋槍】を「怪力」で「薙ぎ払い」の「2回攻撃」
周囲の分身ごと狩り尽くしながら回復(生命力吸収・属性攻撃:闇)
●嫌悪に塗れた覇道
「嗚呼、イライラするな……塵め……どいつも此奴も一から十まで……」
森の中の風景を踏み荒らすように、彼女は進んでゆく。
「嗚呼、何故私の邪魔をする? 私の道を阻む?」
その女の足取りは、普段よりも暴力的で、乱雑であった。
死之宮・謡(狂魔王・f13193)はこの森の『嫌悪』の影響を強く受けていた。
眼前に有るのは強者とも思えぬし、言葉ばかりがささくれだった心に刺さる。
この状況下が不快とも言えるし、何より相手が気に食わない。
「私を石ころと断じるその気概――気に食わないわ」
「事実だろう? 私の道を阻むに貴様は『相応しくない』と言っているんだ」
最早対立など目に見えている。
その身に呪詛を纏いし女を斬り裂かんと、宝石人形は自身を数多へと変え、
狙いと反する真白きその身を踊らせて、数多の刃を振り翳す。
刻まれ続けるその身から沸き立つのは、純然なる紅。
その紅色が収束し、一振りの槍へと変じる。
「嗚呼、何故貴様の様な石ころの相手をこの私がしてやらねばならぬのだ?」
振りかざされたその槍は、分身の堅牢さすらも、意図も簡単に打ち砕いた。
数多かたどられた人形たちの分身は、真紅で彩られた血槍で薙ぎ払われてゆく。
――高慢を語り続ける石ころ共めが。
――何故、私の眼前に立つ。
不条理にも似た『暴力』は、謡自身の持ち味とも言えなくはないが。
……彼女の平時と比べれば明確な『八つ当たり』にも見える。
分身が砕ける度に。快楽に彩られていた筈の彼女の表情は『嫌悪』に満ちて。
「数だけで押せると思っているならば、非常に『不愉快』だ――」
代償とした生命力を十全と補い切った果て、血槍が本体へと向く。
「嗚呼、もう良いぞ……構わないから、死骸を晒せ!」
過たずに穿たれた槍を見ても――女の嫌悪が晴れることなど、無かった。
成功
🔵🔵🔴
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「全くこんな不良品が大手を振るうとは嘆かわしい」
【POW】
●戦闘・UC対抗
完璧主義者のエンジニアである私は被造物の欠陥や欠如を「嫌悪」します。
「GEAR:WOLFPACK。狼よ、轢き潰せ」
UCで行軍速度を上げた『ホバー戦車』を【操縦】し、敵に突貫します。
「無敵」といっても死なないだけ。分身体である以上、「重量」は本体準拠。自己改造(【メカニック】【武器改造】)した戦車の重量と速度でもって轢きます。
本体を狙える距離まで近づければ、後はUCで強化した主砲を狙い撃つ(【スナイパー】)だけ。
「用があるのはそこの欠陥品だけです」
「吹き飛べ……」
「無敵」ではない本体を直接狙い撃ちます。
●無敵の『欠陥』
森の中を踏み荒らすように、鋼鉄で出来た『狼』は疾走する。
その戦車を駆りしクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は、
ただひとつを見据え。精緻ささえ感じられるハンドル捌きの中に――
明確に、『嫌悪』を滲ませたままに、突き進む。
「――全く、こんな不良品が大手を振るうとは嘆かわしい」
宝石人形は、見てくれだけならば『完全』と言えるだろう。
だが技師である彼は、それ故に『不完全さ』も見えてしまっている。
数多見えた宝石人形達は、どれもこれも『質量』は同じである。
それ故か、鋼鉄の狼は真っ直ぐに――邪魔者達を弾き飛ばしてゆく。
そんな荒々しい走破に、宝石人形達の嫌悪は収まらぬ。
張り付かんとする刃は次々に襲い、装甲を破壊しようとするも、
それよりも前に戦車は『分身』達を跳ね飛ばしていくばかりなのだ。
「ああ、嫌な戦車乗りだこと。
そうやって私達を吹き飛ばせば解決すると思っているのでしょう?」
「いいえ、違いますよ」
だが、技師は『欠陥品』の問いを否定する。
用がないからこそ、轢き回っているのだと。そして――
「用があるのはそこの」
――無敵ではない、『本体』。
「『欠陥品』だけです」
……主砲から、本命は飛び立った。
無慈悲な宣告の如く、弾道は真っ直ぐに『本体』へと向かう。
いくら無敵であろうと、跳ね飛ばされ続けていれば道は拓けてしまうのだから。
その隙間を穿つように――『本体』のみを狙う砲撃は着弾する。
「吹き飛べ……」
クネウスの呟きと共に、宝石人形は近場の樹木にまで叩き付けれた。
大成功
🔵🔵🔵
織部・樒
アドリブ・連携OK
参加していたらザフェルさん(f10233)と行動
未参加ならソロで
何やら妙な気分になりますね
これが迷宮キノコとやらの影響ですか
何となくアンニュイな気分になりつつも周りと連携を取ります
誰かの攻撃に紛れ、【高速詠唱】併用し七星七縛符使用
可能なら【呪詛】【毒使い】も付与
これは符が回避されたり剥がれる度に使用していきます
敵攻撃に対しては【オーラ防御】し錫杖にて【見切り】【武器受け】
ザフェルさんと一緒なら、決して嫌悪しているわけではありませんが
有り得ないくらいの甘味の食べ過ぎは勘弁して欲しいと
或いは私の本体に茶以外のものを盛ることへのがっかり感を
自分にしては珍しく表に出してみます
ザフェル・エジェデルハ
【樒(f10234)】と共闘
アドリブ・連携等OK
嫌悪感を増幅か……
………俺が砂糖を入れた時に
樒が「うわ…」って顔すんだよな…
別に俺の好みなんだからいいじゃねぇかよ。なあ?
増幅された嫌悪感は敵への攻撃の力に変換する
まあ、ある意味八つ当たりだけどな。
こんな所にいるてめぇが悪い。
敵や複製全体へユーベルコード(UC)を放ち、
【範囲攻撃】する
敵との距離が縮まった場合は戦斧でも攻撃
【鎧砕き】や関節部分の【部位破壊】を試み、
敵の動きを阻害する
なお、樒が敵の攻撃を封じ、敵に隙が生まれた瞬間は
絶対に逃さずUCを撃ち込む
高慢なその態度も気に入らねえな
とっとと骸の海に沈んで貰うぜ!!
●別に嫌な訳ではないけれど
思わずに、織部・樒(九鼎大呂・f10234)の口許から溜息が溢れる。
この森のキノコが励起していく感情は、人によって様々な変化を齎すが――
「何やら妙な気分になりますね。これが迷宮キノコとやらの影響ですか……」
彼はどちらかと言えば、刺々しいと言うより――
うんざりとした感覚を覚えつつある。
心なしか溜息の増える樒を傍らで見遣っていた者も、そんな風で。
ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)はこんな時に彼の様相を思い出す。
それは茶飲みの時の話でも有るような気がしたが――
自分が砂糖を入れると、決まって樒が絶句するような表情をするのだ。
(……別に俺の好みなんだからいいじゃねぇかよ。なあ?)
だが、まぁ……好みにしては恐らく『過剰』すぎるのは事実なのだろうが。
それでも――だ。こんな些事でも、今は苛立ちへと変わっていく。
こんな折でも無ければ、思い出すことは無さそうなのに。
どうしてか、内に秘めていた嫌悪の『元』は、ぶくぶくと膨れ上がっていく。
そんな最中にも、突き刺さるような『嫌悪』が飛来する。
二人を出迎えるのは山程増えた宝石人形達だが――
苛立ちが燻るのは彼女らだけではない。
中空に手を翳したザフェルが齎すのは、より激しく渦を巻く、嵐槍の雨。
「……まあ、ある意味八つ当たりだけどな。
こんな所にいるてめぇが悪い!!」
相方への苛立ちであるせいか、その豪快さは例を見ない程で、
奇妙なまでに静謐だった森の中は、再び滅茶苦茶に荒れてゆく。
そんな嵐の中を縫う様に、しかめ面のようなままの樒は呪符を回し、
人形達に縛呪を掛けて『無敵』も、『反射』も否定してゆく。
そうして二人の八つ当たりで完膚なきまでに動きを止められた人形は、
やはりその眼差しの全てが睨みつけたままだったように思えて。
『分身』が片端から戦斧の餌食となって消えても、その嫌悪は晴れなかった。
「――ところで、ですけど」
「ん?」
そのまま圧倒的な勢いのままに攻め立てている中、樒はぽろりと口を零す。
「……ありえないぐらいの甘味の食べ過ぎは勘弁して欲しいのですけれど」
「やっぱりそう思ってたんじゃねぇか……!
良いじゃねぇか俺の好みなんだからよ……」
まるで喧嘩の発端が始まったかのような状況であったが。
……そんな最中に襲ってきた宝石人形は、やはり八つ当たりで吹き飛ばされ。
何事も無かったように二人の会話だけが続いてゆく。
「あと、私の本体に茶以外を入れられるのは、正直茶器として――」
……長い長い、説教のような愚痴は、暫く続いたとか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神楽火・皇士朗
嫌悪ね。なにかを憎み嫌うこと……。
なら、問題はねえな。
おれがこの世で一番嫌いなのは、貴様らオブリビオンだからだ!
「おれは貴様らを決して赦さねぇ!それがおれの宿命で、使命で、意志だからだ!」
無敵の分身だと?それがどうした!
限界突破するまで高まった刻印の魔力がおれを支えてくれる。分身の攻撃くらいで倒れるものかよ!
「どうした?おれ一人殺せないで、何が無敵だ。笑わせるぜ」
分身を捩じ伏せ、刻印の魔力をこめた捨て身の一撃を叩きこむ!
「この世界に、貴様の居場所なんてねえ!骸の海へ帰れ!」
●使命か私情か
歩みの音すら、靜寂の森の中では際立って聞こえるようだった。
(嫌悪ね。なにかを憎み嫌うこと……なら、問題はねえな)
神楽火・皇士朗(アームズ・オブ・スティール・f03876)は、ニヤリと笑ったが。
視界に入った人形に対し、『誰よりも早く』動いたのはその証左だったろうか。
急接近の間に纏われた鋼の鎧も、脅威的な疾さと言えるのだが……。
問題はそれではない。
彼の嫌悪は最初からその一点にしか向いておらず。
ともすれば――
「おれは貴様らを決して赦さねぇ!それがおれの宿命で、使命で――
……意志だからだ!」
……全ての『過去(オブリビオン)』に向いていた。
オブリビオンを討たんとする事を使命として刻まれた身には、
それ同様の強烈な『嫌悪』を、生来的に植え付けられるのも同義で。
『無敵』たる分身達が現れれば現れる程に、その感情は加速していく。
「――どうした? おれ一人殺せないで、何が無敵だ。笑わせるぜ!」
「ああ、嫌に成る程『私』と『私以外』への嫌悪で立ち続けているわね!?
使命だとか言っているけど、本当は『私情』なんじゃないのかしら――!?」
言葉さえ、マトモに交わすつもりもないような、『嫌悪』の応酬は果て無く続く。
無敵を無理矢理潜り抜ける程の強烈な『嫌悪』は、
最早天井を知らぬ程に、膨れ上がっていくのであろうか。
身を捨てて尚、凄絶な程の鋭い眼差しを宿し。
振り抜かれたその一撃は――
「――この世界に、貴様の居場所なんてねえ! 骸の海へ帰れ!」
本当に、いつもと『同じ』と言えたかは、皇士朗だけが知る。
成功
🔵🔵🔴
ヴィクティム・ウィンターミュート
…高慢なクソガキ
言動は勿論だが容姿も嫌いだな
その服もその剣も瞳も手も足も関節も何もかもが
嫌いで嫌いで気が狂いそうになる
この嫌悪…晴らしてくれるよなァ!!??
無敵の最強だの、そんな言葉も嫌いで仕方がない
抗いようがないようで反吐が出る
そんな予定調和なんざぶっ壊して終わらせてやるってんだよ
『ひっくり返る』んだ。何もかもが
最強や無敵なんてくだらねえ脚本を、丸ごとひっくりかえせ
あぁ、畜生め…『ひっくり返った』テメェも嫌いだな
嫌悪を刃に乗せて、ボルトに乗せて、穿て、切り裂け
あぁ苛々する。早く死んで道を開けやがれ
あらゆる武装を総動員して、徹底的にやってやる
──あぁ、でもよ
一番嫌いなのは、自分自身だな
●『冬』が最も嫌うモノ
ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)は、
まるでストリートの片隅に居た『何もなかった』頃のような眼差しをしていた。
「……高慢なクソガキ。言動は勿論だが容姿も嫌いだな」
ああ、気に入らない。
華美な服装や、その核に湛えし『金剛石』。全ては嘗ての自分に無かったものだ。
その振る舞いが、服の合間からも覗く関節が、なにより『全て』が。
彼の感情をかき乱して、狂気の淵に叩き込むような『嫌悪』に導いてゆく。
今の彼に、冷静さの欠片はどこにも見当たらぬ。
ただただ、怒り狂うように。捌け口を見失いかけるように。
「――この嫌悪……晴らしてくれるよなァ
!!??」
その矛先が、宝石人形へと向いた。
目に映る人形の総てが気に入らない。
最強やら無敵を自称する『金剛石』のあまりに眩しい輝きが。
『どうしようもない』理不尽を思い出して、彼の心に突き刺さる。
「そんな予定調和なんざ、ぶっ壊して終わらせてやるってんだよ」
だから――『ひっくり返して』やった。
「最強や無敵なんてくだらねえ脚本、まとめて『ひっくり返して』やる」
ウイルスが、全てをぶち壊す。
あの日にしてしまったことみたいに。
『ひっくり返って』。そうして見えたのは、余りにも弱い存在で。
「あぁ、畜生め……」
――そんな『弱い』人形も、気に入らなかった。
最早そうなれば、ただの八つ当たりだ。
眼前の『モノ』にちらつく幻影を振り払うかのように、
執拗にボルトを、刃を。だが――嫌悪が収まる事がない。
収まってくれやしない。
仮に徹底的に壊したとて、これは『収まってくれる』のだろうか?
宝石人形を半壊させんかとの勢いで殴り切った果て。
「──あぁ、でもよ」
脳裏に過るのは、いつだかの『失望』。
それだけでは無かったように思うが――やはり、思ってしまうのは。
「……一番嫌いなのは、自分自身だな」
呟かれた言葉は、森の靜寂に溶けて、誰にも聞こえずに埋もれてゆく。
大成功
🔵🔵🔵
バルディート・ラーガ
アー。嫌だなア、自信満々な瞳が。
自分が負けるなんざ微塵も考えてねえよな、大変良いお育ちの目。
平時なら小さな嫉妬心でしょうが、今ばかりは抑えられそにねエやね。
大量の分身に炎の鞭で応じやすが、無敵のウチは効きゃしねエ。
次第に追い詰められてあちこち傷だらけです。
しかし。その無敵なる性質、ダイヤモンドが由来と見えやす。
かの宝石、確かに稀なる硬さの象徴ではございやすが
炎で炙っちまえば所詮は炭素の塊、メラメラと燃えるのみ。
全身の傷口から広範囲へ炎を撒き、石を燃やして
敵サンの揺らいだトコへ反撃しちまいやしょう!
……本音言うと、ダイヤを燃やしちまう事自体も嫌ですが。
くり抜いて売れりゃ良いモンを、勿体無エ……
●『無敵』は焼け綻ぶ
バルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)は、
視界に入った人形から、未だに喪われぬ物に、隠せぬ『嫌悪』を芽吹かせた。
「アー。嫌だなア、自信満々な瞳が」
この窮地にあっても尚、自分が負けると、一片たりとも疑っていない。
そんな――『大変お育ちの良い目』。
普段なら、小さな嫉妬心を呑み込んで、呑み下して終われる程度なのに。
「……今ばかりは抑えられそにねエやね」
嫌悪と嫌悪が交わり合う。
宝石人形が異様なほどの物量に膨れ上がるのは、最早何度目か。
『蛇』もまた、その大群を薙ぎ払わんとするように、焔の鞭を振るい続ける。
けれども、純然と手数の差が、彼を押し切らんとばかりに迫りくる。
最初は、宝石人形の物量に流されるままに終わってしまうように見えた。
だが――
膨れた嫉妬と『嫌悪』が、その高慢を叩き落とそうと鎌首をもたげていた。
「……その無敵なる性質、ダイヤモンドが由来と見えやす」
彼は、知っている。無闇矢鱈に防戦を続けた訳でない理由はそこにある。
傷から漏れ出した地獄の焔は、たしかに、返り血のように人形を『焼いた』。
「かの宝石、確かに稀なる硬さの象徴ではございやすが――」
所詮は、『炭素』の塊に過ぎず、組合わさり方が変われば鉛筆とも変わらない。
明確な弱点が――焦げ付き始めた身体が、根幹を揺るがしてゆく。
そうなれば灼熱の紅蓮は、陰鬱なる森の中を煌々と広がっていくばかりだ。
どれ程願おうと、自身はその摂理の埒外にあるとは到底言えぬのだから――
信じた『無敵』は灰の中へ潰えて。
煉獄の焔に塗れたままに、宝石人形が嫌悪と憎悪を絶叫を上げた。
そんな光景を見遣りながら、彼が漏らしたのは愚痴のようなもので。
「……本音言うと、ダイヤを燃やしちまう事自体も嫌ですが」
ああ、売ればどれほど高くなるだろうか。
流石に自分自身の一部をくり抜いて、気前よく与えてくれるような人形ではない。
そんな『燃すしか無い』人形に、また少し『嫌悪』が募った。
大成功
🔵🔵🔵
メルティア・クレンセルト
はぁ、やだやだ
お高くとまっちゃって
犬に噛まれて無様に泣くのはどっちなのかしらね
粉にならないうちに失せておいたら?
無駄に造形が良いのが嫌だわ
これ壊さないといけないのよね?
かわいくてきれいでかっこいいのにもったいない
億劫だわ
仕方ないけれど新兵装【虚増】の実験台になってもらうわ
力を増幅させる大筒砲とは聞いているけれど、どんな物かしら?
ひとまず、ありったけの炎の魔力込めて撃ってみましょうか
って、暴走しかけてないかしらっ?!
帰ったらアイツ絶対これで花火にしてやるんだから
……手筒、花火……人間大砲?
面白そうね
その分身体利用させてもらうわ
貴方の硬度、私の炎、アイツのインチキ兵器
重ねた力を受け止めてみなさい
●『無敵』の弾丸
「はぁ、やだやだ。お高くとまっちゃって――
犬に噛まれて無様に泣くのはどっちなのかしらね」
メルティア・クレンセルト(籠から飛ぶ鳥は何を見るか・f02509)は、
同じ人形であるからなのか、嫌悪の回りは異様に早く。
「……粉にならないうちに失せておいたら?」
見据える眼差しには、嫉妬すら混ざり得ていた。
――無駄に造形がいいのが嫌だわ。
――修繕すればまた調度品みたいに輝きを取り戻すんでしょう?
――かわいくてきれいでかっこいいのに、『もったいない』
そんな相手を『破壊しなければならない』という事実は、
億劫さすらも孕んでいたが、これも仕事なのだから仕方ない。
そんな嫌悪のままに、意気揚々……とは言えないが『虚増』を振り回すと。
……過剰火力で熱暴走でもしているような火が吹いた。
「……って、これ。暴走しかけてるんじゃないかしら?」
その人曰く。『力を増幅』させる大砲とのことだったが。
あまりにもその増幅具合は目に見えて『おかしいもの』で。
ただ、今の彼女には原因を兵器そのもの以外に向ける事は出来ず。
テストを兼ねている故に仕方ないが、如何せん自分が作り上げたものでなく、
託されたものである以上、脳裏に浮かぶのはその人の顔ばかりで。
今すぐに装填して『人間大砲』のように射出でもしてやりたい――
……そんな思考の最中に、『無敵』の分身体が見えてしまったのだから。
こうなるのも無理はなかったのだろうか。
刹那、分身体の一人がメルティアによって手早く拘束され。
「ちょっと、何を考えてるの――
砲身の中に私を装填するだなんて、離しなさい……!」
「嫌よ? 良いことを思いついたもの。
気に入らない相手への予行演習には丁度いいわ」
そう言いながら分身体の一人を拘束したままに、
その大砲筒の砲身へと『装填』したのならば――狙いは『同じ顔』をした彼女。
「貴方の硬度、私の炎、アイツのインチキ兵器――
……そうね、『無敵』なんでしょう? 重ねた力を受け止めてみなさい」
狼狽は、たしかに表情から伝わってくる。
なにせ、自分の強さには揺るぎない自身があるが……
普通そんな想定、するものだろうか。
自分を、自分に、ぶつけてくるだなんて。
自分と自分が、無敵と無敵が激突したらどうなるかなんて――!
……宝石人形は、甲高い粉砕音を立てた後に燃え尽きてゆく。
無敵の分身に、金剛石の弱点とも言える『炎』を纏わされてぶつけられたのだ。
無敵『ではない』本体が砕け散るのも、無理はなく。
「……はぁ、実験にはなったけど。この兵器、後で追求モノね?」
静謐を取り戻した森の中に、メルティアの嫌悪だけが、広がっていった。
成功
🔵🔵🔴