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アルダワ魔王戦争1-C〜水中変形型クローン・ドール

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争


●聖水の中に潜む輝き
 アルダワのファーストダンジョンの一角、聖水貯蔵池には清らかな水が満たされている。特に清浄な一角、底が見えるほど透明度の高いそこがゆらりゆらりと波を立てた。
 ぎらり。
 穏やかな聖水の中から似つかわしくない光が反射した。銀の光を放つその不純物は、水の中に混ざりきってしまうことなく、しかしなにか固定の形を取るわけでもなく。ぐにゃぐにゃとその形を変え続けながら、じっと水中で獲物を待っている。この先に誰も進ませないという命令だけをその体に刻まれて―――。
 ぴちゃり。
 水中を自在に泳ぐ変形型クローン・ドールは、静かに液体金属の体を波立たせた。

●ゲーム開始の宣誓だ
「よーっしゃいよいよ来たなァ、ファーストダンジョン! 大魔王って響きがいいよなァ」
 ウキウキとした様子で話す一門・楔はそのデバイスを忙しなく弄りまわしている。アルダワのファーストダンジョン、その一区画が宙に映し出され、楔は猟兵たちにそれを凝視するよう促した。良く見てみれば、映し出された水面には銀の線のようなものが無数に走っている。
「今回の敵はコイツ。……なにかわかんねェって? まァだよなァ。コイツはクローン・ドール。姿かたちを持たねェ液体金属の殺人人形だ。学習能力と高いコピー性能が厄介なやつだな」
 しかも、と楔は言葉を続ける。今回の戦場は、もうひとつ特徴がある。
「面倒なことにコイツらは今回、水中適応改造を受けていやがる。水中でもなんら問題なく身動きできる上、数も多い。なんの準備もせずに入ったら沈められてお陀仏だろうなァ」
 さらに、水に極限まで適応することでこのクローン・ドールたちは『水の外からの攻撃を無効化』することに成功している。つまるところ、相手のホームグラウンドとなっている水中に入らなければ、猟兵たちの攻撃は届かないのだ。
「攻略しがいのあるステージだろォ? いやァテレポート役だからいけねェのが残念だわ。ま、オレ濡れるの嫌だから行けても行かねェケド」
 そんなことをのたまいながら、改めてデバイスに触れる楔。ゲーム参加の準備はできたか? とでも言いたげだ。彼の誘いに頷けば、猟兵たちは一瞬の暗闇の内に、聖水の満ちるダンジョンの一区画に飛ばされていることだろう。


夜団子
●今回の概要
 このシナリオは「戦争シナリオ」です。
 来ましたね戦争! さあダンジョンアタックのお時間です!!

●プレイングボーナス
 このシナリオには特別な「プレイングボーナス」があります。これに基づく行動をすると有利になります。
 今回の条件は「水中で戦う為の工夫をする」ことです。

 また、今回のシナリオは「水の外からの攻撃は受け付けない」という条件があります。絶対に水中へ入らないと攻撃は通りませんので、その辺りにご留意ください。

●判定について
 夜団子の基準になりますが、上記「プレイングボーナス」を満たしたものを大成功判定とし、そうでないものを苦戦といたします。そしてその合間(悩んだもの)が成功になります。
 基本的に「大成功」判定になるものだけをリプレイ化し、シナリオのクリアが難しいようであれば他のものもリプレイ化します。シナリオクリア地点で成功以下のプレイングは素早く流しますので、他のシナリオでその☆を活かしていただけたらと思います。

 それでは、皆さまのプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『クローン・ドール』

POW   :    ミスリル・ウェポン
【液体金属の体を変形させて作った武器・兵器】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【苦手な間合いや防御・回避・反撃の癖】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    マインド・コピー
【戦術思考と戦闘経験をコピーすることで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ミレナリオ・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【正確に全く同じユーベルコード】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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エル・クーゴー
●POW



目的地、聖水貯蔵池へ到達
当機は水中戦にもそこそこの適性を発揮します

躯体番号L-95、潜水_及び_交戦を開始します

コール、攻城級マネギ


・マニピュレーターをガンガン稼働させ【メカニック】
・巨大猫型メカ内部に搭乗スペースや計器類を設けて小型潜水艦っぽく仕立て上げる
・外観には水中戦用の【迷彩】も仕込む)


攻城級マネギ
改め――『サブマリンマネギ』、ライドオン

電脳経由でマネギの操縦及び射撃兵装の発射管制を実施
なおマネギの武装は、当機のアームドフォートを水中銃や魚雷等に【武器改造】することで水中戦仕様として反映済です


・水中を縦横に機動し対抗
・水抵抗を鑑み、搭載武装運用時は強めの初速で発射(吹き飛ばし)



「目的地、聖水貯蔵池へ到達……当機は水中戦にもそこそこの適性を発揮します」
 聖水と金属の瞬きを眼下に、エル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)は戦場到達のシステムメッセージを発する。その存在に気が付いたか、液体金属のクローン・ドールは貯蔵池の中でぐねりと形を変えた。
 現すのは明らかな敵意。ぐにゃぐにゃと歪み大きな刃や棘に姿を変え続けるクローン・ドールは、それでも水中から出てくる様子はない。水の中を通せんぼしてしまえば次の階層に進むことはできないことを、よく知っているようだった。
 敵が水中というホームグラウンドから出て来ないのであれば、己もその戦場に適応してしまえばいい。そしてエルには、その手段があった。
「コール、攻城級マネギ」
 呼び出されたのは機械兵器『マネギ』―――見た目はどう見てもただの羽が生えたデブ猫であるが。こう見えてとても優秀な兵器なのである。なにせ、戦場に合わせたカスタマイズが可能なのであるから!
 その大きく目立つはずの外見は水中用迷彩が施され、その背中が大きく開かれる。新たに生まれたその搭乗口にエルは迷いなく飛び乗り機器へとアクセスした。
 マネギ内部には各種計器やコックピットが設置されているが、操縦桿だけは生成されていない。それは不具合でもなんでもなく、ただ必要がないからだ。なにせ、エルは電脳経由でマネギのすべてを掌握し、タイムラグを一切起こさずに操縦することができるのだから。
「攻城級マネギ改め――『サブマリンマネギ』、ライドオン。これで戦場によるハンディキャップは、ほとんど解消されました」
 搭乗口が閉じ、その巨大猫型メカは無事『小型潜水艦』に改造された。その体を貯水池にゆっくりと沈めながら、エルは機体と同期した視界の中で敵対分子……クローン・ドールを注視する。変わらず体を攻撃的に変化させているクローン・ドールたちは、潜水艦へ乗り込んだエルを迎え撃とうとその体を魚雷に変えた。
「敵対の意思を再確認。躯体番号L-95、潜水_及び_交戦を開始します」
 エルの乗り込む潜水艦に向けられた魚雷型の金属が、一斉に発射される。それぞれ別の生き物のように迫りくるそれらを縦横に素早く旋回し回避。小型潜水艦ならではの機動力によって魚雷を回避すれば、その動きを学んだクローン・ドールはまた形を変える。巨大な網を模し、潜水艦を捕らえようとその周囲を囲い込んだ。
「迅速な対応力を確認。アームドフォードを展開―――水中戦仕様へ反映」
 水中戦へ適合したのはオブリビオンだけではない。武器改造を経て水中戦仕様に変更された銃口が、網状のクローン・ドールに向けられる。向けられた水中銃や魚雷が、仕返しとばかりに一斉発射された。
 初速を強めた弾丸たちは水抵抗をものともせずクローン・ドールを追尾する。潜水艦を捕らえようと囲い込んでいた網の姿では大きな回避行動をとることはできず、あっけなく直撃した。
 千々に散らされる液体金属たち。どうやら致命的なダメージを受けると散ったまま元に戻れなくなるらしい。
 しかしまだまだ、聖水に混ざる金属たちの輝きは消えない。次の弾を装填すべく、エルはその機体を大きく旋回させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリシア・マクリントック
水中に適応、果ては外からの攻撃を受け付けず……ならばこちらも同じフィールドに立てばよいだけです。水中なのに立つ、というのも少々不思議な感じですが。ともあれ……変身!セイレーンアーマー!
この姿になると陸では戦えませんが……今回はまるで気にする必要はありませんね!
こちらは水の外も活かして戦いましょう。水面から飛び出して攻撃を回避したり、飛び込む際の落下速度を利用してスピードを上げたり。
セイレーンスピアでヒットアンドアウェイを基本戦術としますが……そうですね、水中で液体金属であるなら思いっきりかき混ぜてみましょうか!



 同刻、聖水貯水池にて。
 豊かな金髪をなびかせた少女が水面を見つめ、そして覚悟を決めた表情でその手の小さな鍵を腰のベルトへと差し込んだ。セイバーギアと呼ばれる変身道具……それにA.キーをセットすることでアリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)は様々なフォームに変身することができる。その種類はキーヘッドカバーによって変わり、能力や得意分野も変わってくるため、使い分けが重要だ。
「響いて、私の魂の歌!」
 アリシアの鈴を転がすような歌声が、貯水池に響き渡る。同時に、セットを完了したセイバーギアから漏れ出した優しい光がアリシアを包み込んだ。
 セットされたキーヘッドカバーは美しい人魚を模したセイレーンチャーム。彼女の白い脚が美しき尾びれとなり、金糸の髪は緩やかに結わえられていく―――。
「水中に適応、果ては外からの攻撃を受け付けず……ならばこちらも同じフィールドに立てばよいだけです。……水中なのに立つ、というのも少々不思議な感じですが」
 水の中の液体金属が、キラキラと光を反射して瞬いた。歌声が止み、光が収まっていくにつれてアリシアのセイレーンフォームが露わになっていく。
「ともあれ……変身! セイレーンアーマー! この姿ならば、遅れをとりませんよ!」
 完全に人魚へと変身したアリシアにとって、水中というフィールドはなんの枷にもならない。むしろ、強化される分有利とも言えよう。
 槍を手に取り、身体を翻して池へ飛び込んだアリシアに、クローン・ドールたちが迎撃態勢を整える。その液体金属の体を寄せ集め、太く鋭い三叉槍となった彼らは、その切っ先をまっすぐにアリシアへ向けた。
 突き出された三叉槍を受け止め弾き、大きく旋回させてその棘へ槍を振り下ろす。もろにアリシアの一撃を喰らった三叉槍はその昆部分を砕かれ、破片となって散る。しかし、その砕かれた破片たちがぐるりとアリシアの方を向き、一斉に襲い掛かった。
 一転攻勢、回避のため尾びれを向けたアリシアを、逃がすまいとクローン・ドールたちは追いすがる。しかし、当のアリシアに焦りの色はない。
「あなたがたは決して水中から出る気はないようですが……頭が無いのに、頭が固いとしか言いようがありませんね!」
 水上に飛び出したアリシアを、追って外に飛び出す金属片はひとつもなかった。宙に体を投げ出し、アリシアは優雅に舞う。その手の槍を、力強く握りしめ直して。
「はあああああッ!!!」
 飛び出し、落下するそのスピードを力に変え、水中でまごつく金属の輝きに向かって槍を突き刺した。キィンッと金属が触れ合う音が響き、銀の輝きはまたその形を失って散る。彼らがまた何かの形をとる前に、アリシアは追撃を開始した。
「水中で液体金属、でしたわね。ならば、思いっきりかき混ぜてみましょうか!」
 全力で円に泳ぎ始めたアリシアの体が、水流を、渦を生み出す。形を失い揺蕩っていた液体金属に、その渦へ抗う術はない。かき混ぜられるまま振り回され、集うこともできずに散らされていく。
 定型を持たないクローン・ドールにとって、この状況は致命傷に近い。彼らは、集うことができなければ敵に刃を向ける手段を持たないのだ。ぐるぐるとかき混ぜられバラバラにされた彼らは、小さな破片から黒ずみ死んでいく。比較的集まれていた者たちも散らされるのは時間の問題だろう。
 貯水池の一角、この場所のクローン・ドールたちはアリシアによって殲滅された。あとは、この水流の及ばない場所を片づけるまでだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎

【POW】【水着JC'19衣装】

「相手が学習とコピーが得意とするならば、その前に倒せばいいだけの話だよね!!」

液体金属の攻撃を【気合い】で避けて、【水泳】技術で接近
苦手な間合いとかを覚える前に水中でも小回りがきく「黒焔竜剣 参式」の【フェイント】込み【二回攻撃】で少しでもダメージ与えて、『黒焔呪縛鎖』で拘束するよ

そしたら、そのまま振り回すことで周辺の敵をなぎ倒してから水上へ放り出して、ホムラの【槍投げ】で【串刺し】にするよ



「相手が学習とコピーが得意とするならば、その前に倒せばいいだけの話だよね!!」
 黒い水着を纏い、禍々しい双剣を手に龍ヶ崎・紅音(天真爛漫竜娘・f08944)は貯水池へと飛び込んだ。
 肌を多く露出したその姿は一見すると隙だらけのように思えるが、水泳に対して大きな適性を持つ。紅音は、空を舞うように自在に水中の戦場を泳ぎ、その瞳に銀の敵をしっかりと捉えた。
 新たな侵入者にクローン・ドールたちが一斉に刃を剥く。相手が水着姿と見るやその肌を斬り裂くナイフにその体を変えた。次々に殺到するそれらを泳ぎ避け、顔の真正面へ向かう刃を禍々しき刃でもって弾く。
 黒焔竜剣、参式―――魔焔双爪。攻撃に特化したその刃は水の抵抗をものともせず受け流し、使い手である紅音の望むまま振るわれる。地上で空気を斬るようにとまでは行かずとも、水に取られて攻撃がおろそかになることはないだろう。
「悪いけど、長期戦にはさせないよ!」
 軽いナイフが駄目なら、とクローン・ドールはひとつに集い、重い斧へと姿を変える。しかし紅音がそれに臆することはなく、むしろ水を蹴って斧へと急行した。構えられた対の刃が斧へギラリと輝きを向け、最も脆い接続部へと寸分の狂いなく襲い掛かった。
 ガキィンッ!
 金属音が水越しに響く。くぐもったその音は紅音の刃がクローン・ドールに打ち勝ったことを意味していた。斧の刃と柄をつなぐ接続部……最も細く不安定な場所を砕かれてしまったクローン・ドールは、一瞬その動きを止めてしまった。
「さて、少し動きを封じさせてもらうね」
 その隙を見逃す紅音ではない。黒焔竜剣の柄から伸びる鎖が水を斬り裂き、素早く銀の斧だったものを絡み取った。黒焔の鎖はクローン・ドールを決して離さず、ギチギチと音を立てながら抑え込んでいる。これが『呪縛』でなければ液体化して逃れる術もあったかもしれないが……。
「よし、このまま一掃するよ!」
 むんずとその鎖を掴み、紅音は容赦なくそれを振り回す。ぐるんぐるんと振り回される鎖は水流を生み、捕えられた斧は自らの同胞へぶつかり粉々に砕けさせた。砕けたクローン・ドールはそのまま水流に飲まれ、集うこともできなくなり黒ずんでいく。最後に紅音は散々振り回した斧のクローン・ドールを、一度思いっきり引き沈めた。
「頼んだよ、ホムラ!」
 勢いをつけて紅音の頭上に放られたクローン・ドールと鎖は、水面を飛び出して水上へと跳ねあがった。決して水上に出ようとしなかったクローン・ドール。それは一概に、水上では満足な戦闘を行うことができないからだ。
 ホムラと呼ばれた白銀の竜が、燃え盛る焔を纏い槍へと転じる。『竜騎士の槍』へと変化したホムラはその勢いを殺すことなく飛来し、真っすぐにその穂先を向けた。狙いは無論、鎖に捕えられたクローン・ドール。
 ジュウジュウと音を立てて蒸発する水滴。串刺しにされたクローン・ドールはみるみるうちに黒ずんでぼろぼろと崩れていった。そこにもはや銀の輝きはない。
 そして紅音の周囲にももう、銀色の反射光は見当たらなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルネ・プロスト
水中に紛れ込んだ液体金属、それも水中適応済みとか面倒な
でも人形は人形。お仲間ならルネがやることは変わらず
――君達を壊し(弔い)に来たよ

水中での移動はクイーンの魔法で水流操作して高速化、攻撃回避もこれで
水流操作で高速移動しつつ通りすがり様に『悪意』で切りつけて攻撃、これを複数体に仕掛けてルネに注意を向けさせてルネの周りにおびき寄せるよ
ある程度引きつけられたらクイーンの高速詠唱&全力魔法でルネの周囲、ついてきた敵のいる場所の水流をかき乱して敵の動きを阻害
そうした上でUCを発動、一網打尽にするよ
仮にルネの思考・経験を読めたとして、本命の攻撃が来る前に避けられないようにされちゃどうしようもないものね



 クローン・ドール。その名の通り、いくらでも複製できるお人形。作成者の命令を忠実に守る意思も形も持たない人形をルネ・プロスト(人形王国・f21741)は静かに見下ろしていた。
 水中適応済みの液体金属。水に紛れてしまっているので倒すのに手間がかかる。面倒な、と思う反面、人形は人形、お仲間なのだからやることは変わらない、とルネは思い直した。そんな彼女の背後にはドレスを纏う女帝人形がただ静かに控えている。
「――君達を壊し(弔い)に来たよ」
 ふらり、と貯水池に飛び込んだルネを、水が受け入れるようにうねり始める。その不自然な水流はルネを飲み込んだあとも変わらず、彼女の体を後押しするように流れ続けた。その絡繰りは、地上に残る女帝人形にあった。
 ドールズナイト・クイーン―――ルネが「ママ」と呼ぶその麗しい人形は、宝杖を大きく掲げ魔法を唱え続けていた。彼女はルネが従える人形たちのひとり、魔法戦闘特化型の人形だ。
 彼女は水に入らないためクローン・ドールを直接攻撃することはできない。だが、“水自体”に干渉することは可能だ。クイーンが水魔法を唱え間接的にルネの支援をすることで、ルネは水中での高速移動を実現させている。
「いくらルネの思考を読んだって、ママの水魔法までは想像することはできないみたいだね」
 クローン・ドールはただの人形。同じ人形のルネたちとも違い、思考力すら持たない。戦術思考と戦闘経験をコピーしたところで、それは所詮模倣でしかないのだ。
 悪意を持つ霊を形にしたルネの大鎌。単に『悪意』と呼ばれるそれを、ルネは縦横無尽に振るう。水流に身を任せた彼女の攻撃は広範囲かつ不規則であり、クローン・ドールたちに致命傷を与えることはなかったが少しずつ多くの敵に傷を与えた。
 ルネの敵対行動を認識するクローン・ドールは増えていき、どんどんとその銀の輝きが集ってくる。ついにはルネ、およびクイーンの回避パターンを学習し始めたのか、銀色の液体金属たちはルネを取り囲むようにその形を変えた。
「……かかった」
 それが罠だとは、思いもせずに。
 突如、ルネを動かしていた水流の動きが変わる。ルネの周囲ではなく、もっと広範囲を囲うように流れ始めたそれは、クローン・ドールたちを封じ込めるように流れ始めた。まるで、大きな水流の檻のように。突如として変わった戦場にクローン・ドールたちは戸惑ったようにうねる。
「……仮にルネの思考・経験を読めたとして、本命の攻撃が来る前に避けられないようにされちゃどうしようもないものね」
 その言葉は果たしてクローン・ドールたちに届いたのか。間髪入れずにルネが解き放ったのは細く細やかな糸たちだった。
 十糸からなる糸の結界はルネを中心にクローン・ドールたちを押し上げるように展開する。内は全てを切り刻む糸、外はかき乱す水流。もはや、クローン・ドールたちに逃げ場はなかった。
 ある銀色は糸に、ある銀色は水流に、刻まれ飲まれ千々に散った。徹底的なまでに粉々にされたクローン・ドールたちにもう一度集う力はない。それぞれが黒ずんで飛び散るだけだ。
「……あっけないものね」
 銀の代わりに沈んでいく黒ずんだ破片たちを見下ろして、ルネはまたぽつりとつぶやいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノル・イース
水中戦か。
そうだな……自身のオーラ、サイキックエナジーで自分の周囲に繭を作って、空気ごと閉じ込めるか。そのまま潜水艦の如く水中へ。【サイコキネシス】でエナジーを操ることで移動可能だ。
オーラの繭はそのまま防御にもなるし一石二鳥だな。
水中で、相手が接近してくる前に、練ったエナジーを一気に液体金属達にねじ込んで爆発させよう。
接近された場合は、エナジーを纏わせたオーブメイスで強打。水槽の壁に打ち付けられて霧消してくれ。
同行の猟兵がいれば効率よく戦いを進めるためにも協力しよう。
まだ先は長いんでな、悪いがあまりのんびり相手をしてやるつもりはない。



「水中戦か、面倒な……」
 “0”の名を持つ銀髪の男―――ノル・イース(I'm "0"・f24304)はその手のオーブメイスを一度肩に担いだ。
 アイスブルーオーブが特徴のこのメイスはノルの魔力増幅器であり鈍器だ。しかしその重量ゆえ、水中で振り回すには少々勝手が悪い。泳ぐにも枷となってしまうし、その中で多対一の戦闘をするには確実に不向きだろう。
「そうだな……ああ、エナジーを活用すれば、いけるか?」
 だがノルにはもうひとつの武器がある。いつの間にか授かっていたオーラ、サイキックエナジー。全身から発される不可視のそれを自在に練り、形を整えていく。自身とその周囲を覆ったそれは空気ごとノルを閉じ込め、即席の潜水艦となった。
「これでよし。泳ぐ必要もないし防御にもなる。一石二鳥だな」
 サイキックエナジーそのものに干渉しざぶざぶと水の中へ沈んでいく。しかしノルの服が濡れることはない。地上にいるときと何ら変わらない状態のまま、ノルはクローン・ドールたちと対峙した。
「よし……まあ、向こうがこちらの技を覚えるのを待ってやる義理はないな」
 視界にとらえた銀色の液体金属。それらが敵対行動をとる前に、ノルは容赦なくサイキックエナジーを放った。己を水から護るオーラの繭から飛び出したその力は、金属であるクローン・ドールの体を捕え、抑えこむ。物理的な干渉でもなければ視覚にもよらないその攻撃をクローン・ドールが防ぐ術はない。
 入り込んだサイキックエナジーはそのエネルギーを存分に解放し、内側からピカリと一瞬、鋭い光を放った。
「まだ先は長いんでな、悪いがあまりのんびり相手をしてやるつもりはない」
 大きな爆音と共に貯水池に水柱が立つ。サイキックエナジーの暴走ともとれる大爆発は、周囲のクローン・ドールを巻き込み、その銀の体を飛び散らせた。
 動かぬ破片となって沈んでいく同胞に気が付いてか、新たなクローン・ドールたちがノルへと迫りくる。水中を自在に泳ぐ銀の塊たちは、その身を大きなハンマーへと変えて繭ごとノルを叩き潰そうと振りかぶった。
「おお、力比べか? 悪くない―――」
 対するノルも、己のオーブメイスを構えなおした。そのアイスブルーオーブに魔力を、周囲にサイキックエナジーを、纏わせ始める。二重に強化されたオーブメイス。その重量と硬度は、見た目からは決して計り知れない―――
 ―――バキィンッッ!!
 もはや金属のぶつかり合う音ですらなく。圧倒的に小さな姿でありながらオーブメイスは簡単にクローン・ドールのハンマーを弾き飛ばした。予想外の重量にすっぽ抜けた銀のハンマーは勢いを殺すこともできず、水槽の壁へと叩きつけられる。
「とっとと霧消してくれ。こう数も多いと、構いきれん」
 文字通り霧のような破片となってハンマーだったクローン・ドールたちは形を崩していった。その細かすぎる破片はもはや目につくこともなく、水流に飲まれてどこかへ消えてしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワン・シャウレン
液体金属の人形とはのう。
面白い。わしも一つ拝みに行かせて貰おう。

同じく人形のわしも呼吸は無用な身。
水中で戦うのにも支障はない。

戦闘については水霊駆動を使用。
精霊の力を帯びた水を推進力代わりに放ち高速移動と、
その水を武器として戦う。

実際、水中移動も自身の変形も自在というのは厄介じゃが
真似も好きなようじゃな。
一体ずつ確実に、速攻を狙っていくべきかの。
撃破にあたっては胴体を砕き、動かなくなるまで破壊すればいけるじゃろうか。
その為、放つ水も牽制や迎撃にあたっては水刃や水の膜等を用い、
ここぞで槌やドリルのようにして一気に仕掛ける。
水の技をその身で真似たとて、その身ごと砕き貫くのみじゃ。



「液体金属の人形とはのう。面白い。わしも一つ拝みに行かせて貰おう」
 ざぶん、と音を立ててワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)の体が沈む。クローン・ドールと同じく、人形であるワンには呼吸の必要がない。水中での移動手段さえ確保できれば、実際のところ地上で戦うのと大した差はないのだ。そしてもちろん、移動手段もしっかりと用意してある。
 貯水池に新たに現れた侵入者、ワンにクローン・ドールたちが殺気立つ。ぎらりと光る銀の輝きは、当初の戦場に比べてその数を大きく減らしていた。
「さて、では―――舞うとしよう」
 纏うは宿りし精霊の加護。その力を得た水流を自在に操り、推進力代わりに撃ち放つ。予備動作のない高速移動を行うワンに、クローン・ドールたちの攻撃は届かない。次々と飛来する銀色の刃は、むなしく水中をすり抜けるばかりだ。
 攻撃を回避され隙を見せたクローン・ドールへワンは容赦なく水刃を放つ。細かく切り刻み、それでもなお集おうとする欠片たちには、容赦のない鉄槌を下した。高速移動で接敵され、水流でかたどられた槌で打ち込まれれば、クローン・ドールたちはたまらず四方に霧散する。砕けば倒せるようじゃのう、と確信した、そのとき。
「―――!」
 ワンの後方から銀の刃が高速飛来する。とっさに生み出した水の膜でそれを受け止めるも、それは槌へと形を変え膜ごとワンをつぶそうと振りかぶった。ワンはすぐさま精霊の水をドリルの形へと変えて、銀の槌を刺し貫く―――幸運なことに、クローン・ドールの生み出した槌は大した強度を持っていなかった。
「……実際、水中移動も自身の変形も自在というのは厄介じゃが……どうやら、真似も好きなようじゃな」
 先ほどのクローン・ドールが模したのは確実に『ワンが操った水』の形だ。ワンの高速移動を真似て肉迫し、受け止められたら潰しにかかる。よくできたコピー能力だ、対応策まで真似るとは……。
「水の技をその身で真似たとて、その身ごと砕き貫くのみじゃ。少々物見遊山な思いがあったわけじゃが……切り替えるとするかの」
 一体一体確実に、きっちりと仕留める。戦えば戦うほど真似されるのであれば、最適解は“速攻”だ。この戦いを長引かせてはいけない。
 再度集まってきた新たな銀の輝きに、ワンは高速移動でもって対応する。推進力で回避するまでは先ほどまでと同じ。そこから連続で水を放ち素早くクローン・ドールたちの周囲へ回り込み、一気に仕留める。幸運なことにここは水中だ。上にも下にも、不意打ちをする場所はある。
 クローン・ドールたちに目はないため死角がどこにあるかはわからないが、相手が対応しきれなければそれでいい。銀の体の最も分厚い場所を水刃で切り離し、槌で潰し、ドリルで貫く。時折ワン自身の拳でもって彼らを打ち砕き、次々とその銀の輝きは失われていった。
 ワンの動きをクローン・ドールたちは真似するが、それを承知で立ち回られてしまえばどうしようもない。所詮はコピー、オリジナルの機動力には早々追いつけないのだ。
「…………ふぅ、ひとまずはこんなところじゃの」
 最後の一片を打ち砕き、ワンはやっとその動きを止めた。そのときには彼女の周囲に既に銀色は存在せず、ただ炭のようになって沈んでいく欠片たちだけが水中に揺蕩っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アノルルイ・ブラエニオン
水の外からの攻撃は通じない

だが攻撃以外のことはできるのだろう?

竪琴を響かせこう歌うのだ──水に!

「水よ 清き水よ 請い願う
暴虐を是とする災魔を倒すため
私に力を貸して欲しい
願わくば
私が水に入るときに顔の周りから遠ざかるように
私が放つ矢を流れに乗せ勢いをつけるように
私が泳ぐときに補助するように流れるように
敵を抑えつける枷となるように
どうかどうか請い願う」

視界・声が出せる環境の確保、攻撃・移動の補助、敵への行動阻害を請う
歌ったら水中に入り、弓矢で戦うぞ

水乙女(ウンディーネ)とともに敵に立ち向かう!
(※水乙女なのかどうかは知らないが)



「ふむふむ、水の外からの攻撃は通じない……か」
 神妙に腕を組み、陸地から貯水池を見下ろすエルフの男。その容貌はどこか浮世離れしていて美しく、それでいてどこか気難しさを感じさせる―――黙っていれば、だが。
 アノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)はひとしきり唸ったあと、戦場を見渡した。正直顔に水がかかるのは嫌だし、そもそも水中では矢のスピードは活かしきれない。声が出せなくなれば歌うこともできなくなるし、他の猟兵のように泳ぎに自信があるわけでもない。ならばどうするか―――。
「……だが、攻撃以外のことはできるのだろう?」
 その手に弓ではなく竪琴を持ち、アノルルイは微笑む。厄介なものは味方につけてしまえばいい。自分にはその手段があるのだから!
「天空に住まう神々よ、生きとし生ける全ての者よ、万物に宿りし精霊よ、我が願いを聞き届け給え……」
 ―――水よ 清き水よ 請い願う
 ―――暴虐を是とする災魔を倒すため
 ―――私に力を貸して欲しい
 アノルルイの歌声が貯水池に深々と響き渡る。竪琴が織りなす美しき調べは無生物にすら感動を引き起こし、その手を差し伸べさせた。
「―――願わくば」
 ―――私が水に入るときに顔の周りから遠ざかるように
 ―――私が放つ矢を流れに乗せ勢いをつけるように
 ―――私が泳ぐときに補助するように流れるように
 ―――敵を抑えつける枷となるように
「どうかどうか請い願う―――」
 ザァ、と水が自ら波立ち、まるでアノルルイを迎え入れるかのように分かたれていく。願いを歌いあげたアノルルイは迷いなくその場所へ足を踏み入れ、弓を手にした。水に沈めど視界と声を上げる場所は確保されている。あとは射抜いてやるのみだ!
「さあ、水乙女とともに敵へ立ち向かおうじゃないか!」
 空を切り打ち放たれる数十の矢。それが水の中に入り込んだ瞬間、まるで生き物であるかのように加速した。
 一方で狙われたクローン・ドールたちは、自在に動けたはずの水中に体をとられ戸惑っていた。水流が起きたわけでもなんでもないはずなのに、水が自分たちの邪魔をしてくる。ありえないはずの現象に彼らがまごついているその隙は、あまりにも無防備だった。
 矢に刺し貫かれ砕かれるクローン・ドール。すでに数を減らされていた残りのクローン・ドールたちは焦ったように一か所に集まり始めた。それは巨大な竪琴の形を作りだし、アノルルイの真似をして音楽を奏で始める。
 ―――しかし、状況はたいして変わることもなく。
「ハハハ、二番煎じというやつだな。同じ曲ばかりでは客も楽しめんだろう!」
 アノルルイの歌に感動したものすべてが協力してくれるという『音楽の奇跡』。なれば、そもそも二番煎じのコピーの歌声に、すでにオリジナルを知っているものたちが感動するはずがない。
「集まってくれて助かったぞ。これで終わりにしよう」
 音楽を奏でる竪琴に弓を引くのは少々心が痛むが。アノルルイは容赦なく残りの矢をクローン・ドールたちに叩き込んだ。突き刺さりヒビ割れて欠け、最後には無惨に崩れていく銀の竪琴。集まってしまったことが仇となり、クローン・ドールのわずかな生き残りたちはまとめてその命を散らせることになった。

 光を反射し、キラキラ輝く貯水池。その透明な水中に、銀色の輝きを見ることはもうないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月06日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト