「うにゃーあにゃーうひぃぃー」
ゴロンゴロンとのたうち回っているユキメ・サーメッティアの姿がありました。
のたうち回るのを突如やめて、ガバリと起き上がったかと思えば、目をカッと見開いてからの頼み事。
「害虫退治してくれないですかね?」
……一応聞くけど、その害虫って…?
「えー、あの、そのぅ、台所に潜む黒い奴ら…。」
それを聞いた瞬間、聞かなかったことにしてようとした者もいることだろう。駄菓子菓子。ただの害虫退治ならそも予知される必要もないわけで。
「回れ右をしたいですかい? でも、奥にゾンビが沢山ひしめいているのです~…」
ただ、ゾンビのオブリビオンを退治すればいいと思った予知に思わぬ落とし穴があったせでさめざめと涙するユキノでした。
死んで理性とか知性はもう無いから、黒い奴らを怖がることもない、そんな集団が蠢いており、早めに対処しておかないとどんなことが起きてしまうのやら? とそう言ったわけで、そのゾンビをどうにかして欲しいとのことだった。害虫退治は…後方の安全確保? 放置してたら飛び去られてどっかの拠点に行かれても事だし。
「後ろにそんな黒い蠢く奴らが居たまま戦いたくはないでしょ?」
てか、ゾンビに辿り着く前にその虫をどうにかしなきゃ進みようもないのだけど…。
「あぁ、そうだ、ゾンビ達よりも奥に、なにか頑丈そうな倉庫みたいのあったようだから、もしかしたらそこの中身はまだ無事かも?」
とりあえず、モチベーションを上げられそうな何かがないかなと、ユキノは他に見えた物を伝えるだった。
にゃんさん。
黒い奴らは殲滅です!!
ただーし、大量の殺虫剤はオブリビオン・ストームを呼びこんでしまうので、沢山の持ち込みは不可なのですよ。ええ、大量や沢山は、ですが。
前進できるようになったら奥にいるゾンビを土に還してやってくださいね。
完全に安全を確保できたのなら、倉庫の中身を物色してみましょう。手に入れた物はどこかの拠点に持ち込んでみるなりしてみたらどうでしょうか?
第1章 冒険
『暗黒の竜巻orカサカサ音の恐ろしい奴ら』
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POW : 肉体や気合を駆使して駆除する
SPD : 素早さや技量を駆使して駆除する
WIZ : 魔力や知識を駆使して駆除する
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アリス・ラーヴァ
◎アドリブ・連携歓迎
POW肉体や気合を駆使して駆除する
初のお仕事がんばるのー。
まずはこの害虫達を退治したらいいのね?
ちょっと可哀想だけど、この世界の人達が困っているからやっつけちゃおう。
でも、私一人だと大変かも…そこで妹達も呼んでお手伝いしてもらいます!
まずは妹達をオブリビオン・ストームを呼び込まない程度の人数(攻撃回数重視)呼び込みます。
後は【団体行動】で害虫を追い込んで麻痺毒を吹き付けた【マヒ攻撃】で動けなくして【捕食】するの。
みんなー、この辺り一体を【お掃除】するのよー。
あ、でも全部食べたら駄目よ。半分くらいは幼虫達がお家に運ぶのよ。
お家で待っている妹達にも食べさせてあげるなくちゃ。
「ギチ、ギチチィィィィー!(初のお仕事がんばるのー)」
件の施設を前に、蜘蛛に近いような姿のアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)が元気よく前脚を振り上げていた。今回が猟兵として初であるからか、やる気も十分である。
アリスがやる気を滾らせながら施設の内部に入ってみれば…。
カサカサ、カサカサ…。
ガザッ、ザザザザーーッ。
一面…というのはいささか誇張だが、そう思いたくなるほどの黒の群が、引き潮のごとく一斉に暗がりへと退いていく光景が目の前でおきたのだった。
「ギチギチ…ギチィ?(まずはこの害虫達を退治したらいいのね?)」
普通の人が見たら、卒倒するか悲鳴を上げるか、それか脱兎と逃げるような光景を見ても、アリスは動じるようなこともなく、どうやって駆除しようかな? って思う程度でしかなかった。まぁ、アリスからしてみれば、この黒い奴らは被捕食の対象でしかないし。
駆除をするにしても向こうの数がやたらに多いしで、アリスが一人で対処するのは大変であることは判り切ったことである。
「ギチ!ギチギチ!(私一人じゃ大変だし、妹達に手伝ってもらおー!)」
手をポンッっと叩く様にアリスが前脚をそのように動かしながら『妹達』に呼びかければ、アリスと同種の『妹達』がわらわらと集まってくるのだった。
「ギチィギチッ!ギチッ!(みんなー、この辺り一体を【お掃除】するのよー)」
集まった『妹達』にアリスが号令をかけると、その『妹達』は黒い奴らのお掃除(というか捕食)を開始した。
『妹達』は自分達がそれぞれに何をすればいいのか判っているらしく、声を掛け合うこともなく蠢いては、人海戦術のように黒い奴らを片隅にへと追い立てていく。中には自分の身体を周囲に溶けこませて奇襲する者もいた。
なんというか、黒い奴らを追い詰めていくその姿は、某軍曹みたいな絵面みたいかも?
施設の片隅にある程度ほど集めてながら追い詰めれば、後はもう動けなくしちゃえ! と言わんばかりに『妹達』と共に集団で息を吹きかけて、そして、その息を受けた奴らに自由はもうない。
それでも、根性があった個体がいたのか、アリスに向けて飛び掛かるような奴もいたが、アリスのその甲殻を破れるほどでもなく、クチャリとしただけである。(勢いよく硬いとこにぶつかったからそうなった)
「ギイィィィ!ギチギチギチ!(ガブっとしちゃえ~)」
ぶつかってきたのには気にも留めず、もはや死に体としかなってない黒いそれらは、アリスとその『妹達』に蹂躙される未来しか残されていない。
パリパリ、モグモグ。
そこで展開されている光景は、捕食者と被捕食者の風景があるだけである。
あ、動けなくした奴ら全部を捕食はしなかったようで、捕まえた数十匹の黒い奴らをアリスは帰りを待つ妹達へのお土産にしたそーです。
大成功
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アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
POW肉体や気合を駆使して駆除する
おかわりなのー!
お家の妹達にも好評だったからもー少し捕りにきたのー
今度はお留守番していた子達も一緒なのよー
この世界の奪還者さん達の為も残しておこうと思ったけど、まだ建物一杯あるしここの分くらいは貰っちゃってもいーよねー?
床だけでなく天井や壁も埋め尽くす勢いで、【ダッシュ】でだいなみっくお邪魔しまーす!
みんなー、【団体行動】よー、仲良く分け合うのー
【視力】と【夜目】には自信があるからよーく見て探すのー
隙間の物陰に隠れた虫も【聞き耳】を立てて補足して、【トンネル掘り】の要領で障害物ごと【捕食】よー
おいしー!瓦礫のトッピングがいーかんじねー
「ギチチー!(おかわりなのー!)」
元気よくまたやってきたアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)。前回のお土産が好評だったようで、もう一度お土産を捕りに来たのだった。
今度は大所帯のようで、前回お留守番していた妹達も一緒にやってきたようである。
「ギッチ、ギチー!(だいなみっくお邪魔しまーす!)」
カサカサしてる奴らが潜む建物の中へ、飛び込むように勢いよく入っていくアリス。他の妹達も後に続くように飛び込んで入っていく。
その光景はというと…アリスに似た姿の大群が床どころか壁や天井一杯に、侵食するように広がっていく様は、まるで満ち潮のようであった。
何か、パニックホラーのような光景のようであるが、それをそうと捉えられる感性の持ち主はここには居ない。いや、もしかしたらアリス達が捕まえにきた奴らにはそう見えてるかもしれないが、それを知る術などないし、まぁ、意志の疎通とかご遠慮願いたい。
そんな大群に追われていく黒い奴ら。アリスとその妹達は捕まえてはお口へパクリ。
「ギィ、ギチギチー(みんなー、仲良く分け合うのー)」
妹達の誰かがモグモグすることがないようにと注意を促しながらもアリスは、捕まるのを免れて物の影に隠れて身を潜める奴らの気配を探す。
微かな身じろぎの音ですら聞き逃さずに、その音を聞き分けると、その影に隠れている奴らにへと目を光らせる。
見つかった奴らには、もう命運は尽きていたのだろう。アリスは奴らが身を隠している瓦礫ごと咥えると、バキャリムシャリと咀嚼して味わう。
「ギチィー!ギチキチィー(おいしー!瓦礫のトッピングがいーかんじねー)」
何でも斬り裂くような強靭な顎を持つアリスにとっては、瓦礫すらも食事を彩る調味料にすぎなかったようであった。
それは、アリスの妹達も同じことのようで、他の所でも同じ光景が広がっていたようである。
少しは残しておいた方がいいよね? との思いから、前回アリスは全部捕まえずにいたようであるが、今回は残さず貰っちゃおーとしているようである。
もし、この世界の住人…他の世界の住人もだろうが、それを聞いていたら、―いえ、残す必要性はないです。と言ってくれることだろう。
それはともかくとして、アリスと妹達の人海戦術によって目に見える形で数を減らされていく黒い奴ら。それでもどこか遠くからカサリと奴らの動く音を、アリスの優れた感覚は捉えていた。
ここに隠れている黒い奴らは、中々の数が居るのだろうか…?
大成功
🔵🔵🔵
枯井戸・マックス
●信条
飲食店を営む者としては、こりゃ地獄絵図以外の何物でもないな。
俺の店ならまだしも、ここは放棄された施設なんだろ?
だったら近隣の眼を気にする必要もない。景気よく駆除してやろうか。
●WIZ
話は簡単だ。大量の殺虫剤に頼らずとも、やつら(敢えて名前は言わない)にとって劇物となる物をばら撒けばいい。
「召喚! 宝瓶宮グレイスポッド」
こいつから湧き出る水にUDCアースのホームセンターで買ってきた濃縮洗剤のボトルを濃い目に混ぜて、一気に床面にザバーっと!
そのまま踝が浸るほどの水位になるまで水を放出し、奴らを溺死させよう。
運よく水から這い上がれても、洗剤の有毒効果で長くは持たないだろう。
連携アドリブ歓迎
わさわさと、沢山のアレが蠢いてる施設の前で。
「こりゃ、地獄絵図以外の何物でもないな」
喫茶店のマスターという飲食店を営む者である枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)にとっては、アレが占拠してるかのように蠢めいている状態の施設は、自分の店ではないが許容できるものでもないようだ。
幸いといっていいのか、ここは既に放棄されて久しい施設であるために、近隣の眼を気にする必要もないなと、マックスは景気よく駆除してやろうと意気込んだ。
「話は簡単だ。大量の殺虫剤に頼らずとも、やつらにとって劇物となる物をばら撒けばいい」
アレの呼称を避けたマックスは、こちらの世界にやって来る前にホームセンターで買ってきた濃縮洗剤を手していた。確かに、それもアレには効くだろうがそれだけでは全てに行き渡らせるの難しいだろう。それはマックスは判ってることでもあるけれど。
「召喚! 宝瓶宮グレイスポッド」
濃縮洗剤とは別に、マックスは止めどなく水があふれ出る魔導遺物を呼び寄せる。
「これをこいつに混ぜて一気にザバーッとな!」
止まることもない水の中に先の洗剤を混ぜ合わせれば、広範囲に行き渡らせることができるだろう。そうでなくても水攻めのようなものでもあるが。
バシャリバシャリと洗剤の混じり合った水が施設の浸していく。人にとっては踝が浸かる程度の水位であるが、アレにとってはすべて流していってしまうかのような洪水だ。
あふれる水によって押し流されたものは、水に飲まれたまま逝くことになり、それでもしぶといと言われるだけはあるからか、その水から這いあがる数体もいたのだった、が…その身が洗剤混じりの水に浸かった時点でもはや命運は決まってるようなものである。
水から逃れていた数体は、ごく短時間の間にその動きを鈍らせていき、そして、動かなくなった。
文明の崩壊した世界では水も貴重なものだろう、そこに水による攻めるのはアレらにとっても驚愕だろう。……アレの考えなんてどうでもいいことだろうし、考える気にもならないだろうけど。
水攻めで溺れさせ、それでもしぶとく残っているものはトドメとしての洗剤で息を止める。逝くのならば、どちらがまだマシと言えるのだろう? だからといって貴重な物資を食い荒らすような存在は排除されてしかるべきであるが。
たとえ文明が崩壊していようがいまいが、駆除される対象であるというのには変わりなかったようである。
大成功
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グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)
かなりの数を駆除したとはいえ、いまだに蠢いてるものがいる。
「放っておいたら、何処に迷惑が行くか分からないしね。ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?」
そんな施設を前にして、これも恩返しの一環とグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)が最後の仕上げにかかろうとしていた。
グレナディンが施設に足を踏み入れれば、人の気配を察したかのように黒いアレの群がゾゾリと瓦礫などの物陰に隠れていく。
「何処に隠れていても無駄だね」
先程、自らを年寄りと称したグレナディンだが、そう言えるほどには齢を重ねて3桁。しかし、その背はしっかりと伸びており、年による衰えを感じさせない。そしてその年齢分に積んだ経験で、出身の宇宙では目にすることもなさそうなアレの群を前にしてもいささかも引くようなことはない。
「なにか酒もあるかもしれないからねー。その為にもしっかり排除させて貰おうか」
隠れたものを引きずり出すかのように瓦礫に向けた指先を弄るように動かせば、その動きに添うようにして瓦礫が独りでに動いて、その下に隠れた存在を白日の下に晒す。
そこで殺虫剤なりを噴きかければいいのだろうけど、それも面倒というように、操っていた瓦礫を上から叩きつけるかのように落としてその下にいたものを潰した。
「こいつなら一気にいけるかもね」
途中、コンテナな何かの残骸なのか、大きく細い板のような瓦礫を見つけると、それに指先を向ける。
その指先を向けられた瓦礫は、その指先一つで操られたかのように動く。そしてそのまま床に散らばっている瓦礫も何もかもを拭きとるかのように滑らせていった。
大雑把にしてるようで、その実、操ってる物が吹き飛んだりしないように細かく調整。そこには、長い年月によって熟達した技の冴えが光るものであった。
「これぐらいしたのなら、綺麗になったと言えるだろうよ」
更地にしてやったかのように平らげたそこには、擂り潰されてその身を咲かせたかのような跡が残っているだけだった。
成功
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第2章 集団戦
『ゾンビの群れ』
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POW : ゾンビの行進
【掴みかかる無数の手】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛みつき】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 突然のゾンビ襲来
【敵の背後から新たなゾンビ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 這い寄るゾンビ
【小柄な地を這うゾンビ】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
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黒く蠢く奴らを駆除し終えて。
足を止めるかのようにいたアレらを文字通り蹴散らして奥の方に行けば、その奥から呻くような声が聞こえてきた。その声がした方に顔を向ければ、そこには人の群れ、群れ、群れ…。
だが、その顔には生気といったものは一切見えない。どころか、どう見ても生きてるようには見えないだろう。
死者達の群れは近くにいる生者―猟兵の存在を見つけると、ただただ愚直にそちらに足を向けて歩いてくる。
この死者の群れは元々、この施設に残されて屍人と化した存在なのだろうか? どうであれ、人に仇名す存在である以上は、放っておくわけにもいかない。死者は死者らしく、過去に還してあげるげきだろう。
火土金水・明
「この世界を少しでも平和にするために、あなた達を倒します。」「流石に、施設の中で炎属性の攻撃はしない方がよさそうですね。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けた【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『ゾンビの群れ』達を纏めて巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
ふー、前菜おいしかったー!
あ、ゾンビさん(メインディッシュ)なのーあれが発酵食品というものなのねー?
パパがお肉は腐りかけが美味しいって言っていたからたのしみなのー
妹達を呼んでお持ち帰りしちゃおー!
まずは他の猟兵さんが戦い易いよーに、ゾンビさんの群れを押しとどめるのよー
『掴みかかる無数の手』や『噛みつき』は結構強い力だけど、甲殻(【継戦能】【激痛耐性】)で防げるし【怪力】ではアリスも負けないのー
それに数も多いのねー、じゃあーこちらはもっと数を揃えて(【団体行動】)数の暴力で【蹂躙】するのー
みんなー、前肢や鋏角で【傷口をえぐり】切り裂いて、アリス達の巣に【運搬】するのよー
人、もとい生きている命を感知しているのか、既にその生を止めているはずの肉体が群れを成して迫ってきている。
「この世界を少しでも平和にするために、あなた達を倒します」
そんなゾンビ達の群れに向かって、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)はあるべき場所に還すと宣言していた。
元はただの一般人であったのだろうが、命が失われてもなおも動いて人を襲う。そうして人に害を為す前にと意気込んでいる明であったが、その横ではアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)がなにやらお腹を擦るようにして満足げ。
「(ふー、前菜おいしかったー!)」
……アリスとその妹達にとっては先のは駆除というよりご飯であり、しかもそれを前菜と言っていた。じゃあ、メインディッシュはなんなのか?
「(あ、ゾンビさんなのー、あれが醗酵食品というものなのねー?)」
ゾンビを前にして食品と言ってのけるアリス。どうみてもメインディッシュとしてしか見てないようである。
「(お肉は腐りかけが美味しいってパパが言ってたから楽しみなのー)」
でもこのゾンビは腐りかけというより、完全に腐ってるんじゃないのだろうか…?
なんだか2人には温度差と言うか…変なズレがありそうであった。
横で言ってるなにか奇妙な内容の事は考えないようにして、明はゾンビだし火で焼き尽してしまえば簡単かな? とは思うものの。
「流石に、施設の中で炎属性の攻撃をしない方がよさそうですね」
もし、それをしてしまった場合、点いた火がどのようになってしまうのか予測も付かないし、最悪施設全体が火に包まれる可能性もあるかと、それは避けることにしたようである。
「ここは…動きを止めてやったほうがいいわね」
火を使わないなら違う手段を取るかと、七色の杖を掲げれば、数百の氷の矢が精製されて、次いでそれらがゾンビの群れに解き放たれれば、ゾンビの体に刺さりその場に縫い付けたり、その冷気で氷漬けにもされていった。
「(これって、冷凍保存ってやつかなー? でもこれならお持ち帰りしやすそう…妹達を呼んでお持ち帰りしちゃおー!)」
氷漬けにされていくゾンビを眺めていたアリスはそんなことを思い、じゃあ、お土産にしちゃおうとするのであった。
それで人手を増やすかのように呼ばれるアリスの妹達。その数はゾンビの群れに対するには十分というか、大群対大群といった絵面になりえそうでもある。
『ギチギチギチギチ~♪(みんな~全速前進よ~♪)』
アリスを前面にした大行進。その進行も氷の矢の影響を受けなかったゾンビが迎えうつ、というかただ本能のままに襲いかかり噛みついていくのだが、アリスと妹達の甲殻は人の歯で砕けるようなものではない。結果としては、ゾンビ達をそこに押しとどめることになっていた。
「(それにしても数も多いのねー、じゃあー、こちらはもっと数を揃えて数の暴力でいくのー)」
そうして更に増えるアリスの妹達。ゾンビの群れという数に対して数で上回るというのをやってのけるアリスだった。
「これはなんというか、すごい光景ね…」
床しか歩けないゾンビに対して、アリス達は床どころか壁や天井を這いまり、もはや壁とも言えるその光景に、明はポツリと呟いていた。
そんな壁の如きアリス達のおかげで、ゾンビ達は明の所まで来ることが出来ない。明は氷の矢を飛ばすのに専念しつつも、やっぱり火は使わなくて正解だったかなと思う明。いや、アリス達なら例え火に包まれようともケロリとしてるだろうが、味方を巻きこむのは倫理的にどうなのかといったところである。
倫理といえば、ゾンビを押しとどめてるアリス達がゾンビをその強靭な顎でポキリとしてたり、モグモグしてたりするが…。オブリビオンだし、過去からの存在だし、このゾンビ達の元はちゃんと土に還ってるのではないのだろうか? だから人の形をした何かを食料にしてると言えるのでは? ……多分、きっと…。
「えっと…まぁとにかく、オブリビオンは『躯の海』に帰りなさい」
ゾンビの破片を何処かへと持っていく子を横目に、明はゾンビを躯の海へと戻していくのだった。……一部は躯の海じゃなくお腹の中に行きそうだけれど。
大成功
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メグレス・ラットマリッジ(サポート)
アドリブ歓迎
ごく普通の人間であろうとする猟兵
大衆の一人であることを心掛けている為に環境で振る舞いを変えますが、基本的にノリの良い善人です
目立つことを避け、主役であるより脇役であることを好みます
柔和な態度と、イエスマン的な思考から場に溶け込む事が上手です
戦闘ではスタンロッドや拘束ロープ等の道具と素早い身のこなしで相手を翻弄し、着実に追い詰めていく戦法を得手としています
敵対者は必ず葬り、禍根は残しません。
どこからでも、いつまでも、諦める事なく執拗に迫る彼女に恐怖を抱く者もいるでしょう
窒息にトラウマを持ち水場や雪山など埋まる恐れのある場所では一層慎重になります
フィロメーラ・アステール
「まったくしつこいゾンビだな!」
ゾンビと戦うみんなを応援だ!
がんばれー! ゾンビをやっつけろー!
【生まれいずる光へ】を発動!
応援の【ダンス】で、光の粒子を散らしながら声援を送るぞ!
ゾンビと戦う仲間たちの戦闘力アップ!
詳しく言うと魔法の【武器改造】で【破魔】の聖なる力が宿り、ゾンビに有効な【属性攻撃】ができるように!
【防具改造】もして【空中浮遊】の力を付与!
浮かんでれば這い寄るゾンビは怖くない?
ゾンビは徒歩だし、大体の攻撃に対応できるかな?
いちおう【聞き耳】で、足音とか呻き声とかに注意しとこう!
忍び寄るゾンビが居ても【第六感】で察知!
何かの気配を感じて振り返るのはお約束だし?
それを強くする感じ!
レイ・キャスケット(サポート)
アルダワ魔法学園の生徒であり謎解きや冒険となると首を突っ込まずには居られない
性格は明るくポジティブ
性善説的な考え方が強く非オビリビオン相手であれば甘すぎる慈悲を与えることも
楽しければ悪ノリする部分もあり、またその場のノリに流されやすいことも
一人称はボク
二人称はキミ
三人称は年上は~さん、年下は~くん、~ちゃん
戦闘では『ブランクソード』と高速詠唱を軸にした七色の属性攻撃で敵を翻弄するオールレンジラウンダー
得意な戦法は挑発やフェイントを多用したイヤガラセからの主導権奪取
状況に応じ回復も使い分ける万能型だが、体力は並程度を魔力ブーストで補う
明確な弱点は水中、水上行動を極端に嫌うことである
「あー…これは慈悲とか言ってられないかな?」
あー、うー、と呻き声を上げるゾンビ達を見て、レイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)はむしろ還してあげるのが救いになるのではないかと思う。
そう思われたゾンビ達は本能のままに、あー、うー、と呻き声をあげながらゆっくりと近づいてくるだけであるが。
「まったくしつこいゾンビだな!」
ゆっくりとだが近づいてくるゾンビ達のある意味で決して止まることのない歩みにフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)はなんかしつこそうとも思えていたり。
「ええ、そうですね。死者は死者のままにさせないとですね」
レイのその考えに同意するように、メグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)は雷杖を構える、その姿は敵であるならば容赦せずに葬り去るという気概を感じ取れるかもしれない。というか人を襲うだけの存在であるゾンビを残すなんて考えはそもそもとしてありえないのが。
「とにかくも、このゾンビ達は眠らせてやっちゃって奥に残されてってゆーの拝見させてもらおっかな」
レイのその声が、開始の合図となった。
「まずはっと…制限受けてもらおうか。はい、ガーター厳禁。ガイドに従って真っ直ぐお進みくださーい」
なにか通路の案内みたいな掛け声をレイがかければ、その内側に囚われた者を惑わすような壁がそそり立った。しかし、ゾンビ達はそんな壁が出来たこともお構いなしに3人を見つけていた方向に足を進めて、その壁に触れれば…まるでピンボールのように壁から弾き飛ばされるたのだった。
「それ、なんか面白そうだな! これに合わせちゃばっ、明日に繋ぐ物語のはじまりはじまり、ってなー!」
壁に触れれば弾け飛ぶゾンビ達の様に、フィロメーラが面白い物を見たような反応をして、そして思いついたのかその壁にむかって光の粒子を振りかけた。
光の粒子を浴びせた後の壁の見た目の変化はないものの、その壁に触れたゾンビを弾くは弾くのだけれど、先程までのようにただ弾くのではなく、まるでその身を消し飛ばすかのように弾き飛ばしてしまっていた。
「がんばれー! ゾンビをやっつけろー!」
「いや、あれどういうこと!?」
進行方向への制限のために生みだした壁が、光の粒子を浴びたことでどうしてかゾンビをそのままの意味で消したばすような代物になったことに、それをした人物に問い詰めようとした。その人物は元気よく声援を送っていたけれど。
「うん? 簡単に言えばゾンビに有効な物を付与したのだ!」
声援を送っていたフィロメーラだったけれど、レイの疑問の声が届いたらしく、その答えを簡素ではあるけれど勢いよくしっかりと答える。
「えーっと、うーん? まぁ、いいのか、なぁ?」
フィロメーラの勢いに押されるようにして納得しちゃうレイ。単にフィロメーラのノリに釣られただけともいうけども。
このまま迷路の中に閉じ込めておけばその内居なくなるかなとも思われるが、それだけじゃ時間がかかりそう。それに頭の中身が腐っていても邪魔な壁があると理解するだけの知能は残っていたのか、壁を迂回する者も出たりする。
「さぁ、残ったのも片付けてしまいましょう」
「あ、ちょっと待ってーっ」
壁に当たらることなく進むゾンビはその手で倒してしまおうとメグレスは迎えうとうするが、そうしようとする前にそこへフィロメーラが待ったをかけた。
フィロメーラがメグレスの服にふれるようにして周囲を飛び回り、ややして離れていく。
「これでおっけーだよ!」
フィロメーラが触れたメグレスの服は、普段のいつも着ている衣服であるはずなのに、まるで羽が生えたかのように軽く感じとれた。
「ありがとうございます。それは行ってまいりますよ?」
フィロメーラの祝福ともいえるソレを受けたメグレスは、今度こそゾンビを討つべく動きだしたのだった。
ゾンビの前にメグレスが現れれば、すぐ側にいる生者へと対象にするようにメグレスへと襲いかかるゾンビ達。
メグレスは一歩ほどずれるようにして進めば、いつの間にかメグレスの後ろにいたゾンビの腕が虚しく空を切った。他に抑えつけようしたのか、それともただ噛み付こうとしたのか、覆い被さろうとした個体もいたが、ゾンビがその体勢に入るころには既にメグレスそこにはおらず、その行動も無駄に終わっただけだった。
ゾンビ達はメグレスに掴みかかってはくるが、メグレスはそれが来ると知っているかのように動き回り、ゾンビ達のその行動を無駄にしていく。その動きはまるで未来を見ているかのようだ。
「がんばってー!」
後ろからはフィロメーラの声援を受けて、ただの声援のはずなのに、不思議と地らかが湧いてくるかのようで、いつも以上に軽い足取りでゾンビ達を翻弄しては、雷杖で打ち据えてはその動きを止める。打ち据えられたゾンビは痙攣することもなく完全にその動きを止められて行き、確実に数を減らしてくのだった。
さて、声援を送っていたフィロメーラだが、ここで一番騒がしくすることになっているのも彼女である。
どこに潜んでいたのか、応援の声を上げていたフィロメーラに忍び寄っていくゾンビの姿があった。それはさながらホラー映画のようで。
「!?」
忍び寄ってきたゾンビに気づいたフィロメーラは振り返ったのだが、振り返ってすぐ目の前にゾンビの姿があった。ホラー物ではここで犠牲になるようなものだが…。そしてその身は引き裂かれた……フィロメーラではなくゾンビが、だけれど。
「ゾンビとは言え、油断は大敵、だね」
そこには属性の刃を生成した剣を振り抜いていたレイがいたのであった。
「ありがとー! 助かったよ!」
そうこうしている内に、メグレスもゾンビの群れを倒し切ったのか、2人の所に戻ってきた。
「これで全部かな?」
「ええ、目に見えたゾンビは全て倒せたようですね」
目に見えたゾンビ達はことごとく討ちはしたものの、まだ他に残っているかもと警戒をするが、辺りに蠢く気配を感じることはなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 日常
『元富豪の物資倉庫』
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POW : 食料や水などを中心に探し、運び出す
SPD : 補強材料や工材などを中心に探し、運び出す
WIZ : 情報や端末などを中心に探し、運び出す
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どうやら、潜んでいたゾンビは全て討ち果たせたようである。
安全が確保されたのならば、放棄された施設の奥に行けば、そこには重厚な扉によって閉じられた倉庫が。
重厚な扉といっても猟兵達にとっては阻むほどのものではなく、その扉はすぐに開けることが出来たが、その頑丈な扉はこの地に蠢いていた者達の侵入を拒んでいたらしく、開いた扉のその先には色々な物が無事のまま残されていた。
それらを見つけたというのなら、この世界に住む人達に還元してもいいだろうし、なにがあるのかを調べてお宝といえそうな物を探してみるのもいいかもしれないよ?
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
わー、物資がいっぱいあるのー
さっき黒いのはアリス達が沢山食べちゃったから近くの人達はご飯が減って困っている筈なのー
独り占めはだめよねー?お詫びにこの物資を近くの人達に【運搬】してあげよー!
まずは妹達を沢山呼び出して、他の猟兵さん達と協力して物資を分別しちゃうのー
ご飯とお水は必要よねー、それにお薬や日用品も大切なのー
この辺りは放置する訳にはいかないから、妹達に配達してもらおー
機械や建材も必要なのかなー?
これも鋏角で剥ぎ取って1ヶ所に纏めておこーっと!
後から来る人達の為に、ここまでの直通通路を【トンネル掘り】の要領で作っておくねー
みんな喜んでくれるといーなー
フィロメーラ・アステール
「ずいぶん色々な物があるっぽいなー」
これだけ多くの物を持ち出すのは大変そう!
あたし達だけで運び出すには限度があるな!
何に使うのかわからないモノも、見る人が見たら大切なヤツかもしれないしなー、判断が難しいぞ!
安全確保できたなら、また後で人を呼んで来てもいいんじゃない?
でも放置しておくとゾンビや虫が再発生するかもな!
そこで【星の遊び場】の出番だ!
【破魔】属性の植物を【全力魔法】で繁茂させる!
ハーブ等には虫除け効果があるものもあるけど、魔よけや浄めに使われるものもある!
荒廃した場所への【環境耐性】を付与して、緑化を維持!
聖なる【オーラ防御】の場を作り出して安全地帯を確保!
人を導いて、後日また来よう!
倉庫の中身はを持ちだす暇はなかったのだろう、中身は手付かずのままであった。
「(わー、物資がいっぱいあるのー)」
「ずいぶん色々な物があるっぽいなー」
そこに残されている食べ物から建材といった、数々の資材をアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)とフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は目にしていた。
これらの資材をお持ち帰りするのもいいかもしれないが…。
「でも、独り占めはだめだよねー? さっきの黒いを皆でいっぱい食べちゃったし…」
さっき色々と食べちゃったから、近くの人達のご飯が減ってる筈だしと、そちらに持っていくことにするアリスなのだった。
「……あの黒いの食べた所で誰も困ったりしないと思うぞ…」
その瞬間を見たわけでもないけど、でも好き好んで見たいわけでもないよな思うフィロメーラだが、見た所で捕食してるシーンにしかならないだろうけど。
まぁ、それはともかくとして、フィロメーラは運び出すにしてもまずはどんな資材があるのかを確認しなくちゃなっと倉庫の中に入って行き、それにアリスも物資の分別しなくちゃねーと続いた。
「これだけ多くの物を持ちだすのは大変そう! あたし達だけで運び出すには限度があるな!」
「(それならまかせてー。皆ー、こっち来てー!)」
倉庫の中身を運び出す前に資材を仕分けて運び出そうとした人だが、アリスが妹達を呼びだして手を増やしてくれたおかげでそこまで苦労はすることはなかった。
「(そうそう、ご飯や水やお薬に日用品は大切だし、すぐに持っていくから別にしててねー)」
置いておくことが出来なさそうな物や生活で必要になりそうな物を、後で持っていきやすいようにと仕分けた資材とは別にしておいてとアリスは指示を出す。
「(あとで妹達に配達してもらおー)」
それらは、付近にあるベースに運んで行ってもらおーと考えてたりするアリスなのだった。
アリスとアリスの妹達によって資材が分けられていく中、フィロメーラは他にどんな物があるのだろうと倉庫の中を一通り見て回っていた。
「うーん…何に使うのわからないモノ、見る人がみたら大切なヤツかもしれないしなー、判断が難しいぞ!」
見て回りながら仕分けていく中で、そこに置かれている物が、もしかしたら誰かの宝物なのかもしれないと、判断に困るような代物もあったようである。
「安全確保できたなら、また後で人を呼んで来てもいいんじゃない?」
そんな判断に困るものは、いっそ他の人に判断してもらえばいいじゃないかとフィロメーラはそう結論を出した。
そう結論を出したのはいいが、他の人を連れてくるまでにここを放置すれば、またゾンビやら虫やらに占拠されるようなことにならないようにしようとする。
「こんな時はあたしにまかせろー! バリバリ!」
フィロメーラが施設全体に発した力を行き渡らせるようにすれば、途端、そこかしこで緑が芽吹いていく。
その芽吹いていく緑からは、神々しいような、力強く生命に溢れてるかのような命の芽吹きでだった。
「ハーブとか虫が嫌いそうな物だけじゃなく、魔除けや浄めに使われるのもあるからな! 一気に繁殖させるぞ!」
虫とゾンビ、そのどちらも近寄りがたくさせる緑をフィロメーラは施設を覆うように生い茂らせていった。
「(すごいすごーい! じゃあアリスもー)」
殺風景な景観が、緑に覆われていく様を見て、感嘆したアリスは、なら自分もちょっとここに来るまでに思たことを解消しよと動く。
資材を運び出しやすくするのと…ここの倉庫に辿り着くまでに、少なくとも数個の部屋を経由しなければいけなかったことを踏まえて、いっそのこと直通の通路を作ってしまおうとの考えである。
「(みんなー、いくよー)」
資材を仕分けおいて手が空いた妹達に向けて、もう一仕事だよー、アリスは号令をかける。
アリスのその号令に従って、アリスと妹達は壁に向かて行った。
アリスとアリスの妹達の、その鋭利な鋏角によって、壁はまるで紙のように容易く引き裂かれて行った。しばらくガリガリと何かを噛み砕く音が施設の響いていれば、外から倉庫までの一本道が出来上がった。
噛み砕いて引き剥がした壁もまた、建材として使えるかもしれないので、それは資材と同じようにしておいてと…。
「(これで後から来る人もすぐに倉庫にまで来れるね)」
出来上がった外に直通の通路を眺めて、いい仕事したっ! な感じになるアリスだった。
「そうだな! 他にも…これで安全に出来ないか?」
アリス達が作った通路のおかげで、フィロメーラは資材を持ち出ししやすくなったと思うが、一度ここから離れている間に、何かしらがここを荒らす可能性もあるかとの危惧から、薄い膜を倉庫を中心にして貼り出した。
これでここの護りはいいだろうと、いい仕事したっ! な感じになるフィロメーラだった。
「じゃあ、人を導いて、後日また来よう!」
「(みんな喜んでくれるといーなー)」
外への直通通路を使って出ていくフィロメーラとアリス、そして妹達。
フィロメーラは人を呼び為、アリス達はすぐに必要な資材を配達するため、最後の一仕事だねと、一旦はこの地から離れていくのだった。
大成功
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