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進め! 猟兵的拠点への道の舗装

#アポカリプスヘル #【Q】 #ストレイト・ロード


●グリモアベースにて
「お集まり頂きありがとうございます。皆様にこれからご説明するのは、アポカリプスヘルでの活動内容の伝達となります」
 シグルド・ヴォルフガング(人狼の聖騎士・f06428)は、グリモアベースの作戦会議室内に集まった猟兵達に一礼をする。
 猟兵は、またオブリビオンによる襲撃なのかとシグルドに質問するが、彼はいえいえと首を横に振って説明を始める。

「いえ、今回はそのような自体を予知して皆様をお呼びしたのではありません。グリモアベースの会議にて、拠点と拠点を結ぶ交易路の修繕を行う案が採択されましたので、皆様にその活動を行って欲しいとお願いしたい次第なのです」
 ですが、とシグルドは言葉を続ける。

「ただし、色々と制約や懸念材料もございます。ひとつはオブリビオンの襲撃。交易ルート上には様々なオブリビオンが徘徊しています。現地の住民らの手による復興ではなく、我々が介入する最大の理由がこれで、蔓延るオブリビオンを撃退しながら徐々に版図を広げる形となります」
 荒事ならお安いことだ、と血気盛んな猟兵が意気込んだのを、シグルドはそれは頼もしい限りですと答える。

「次に使える資材が限られる。一部の世界ではコンクリートやアスファルトで舗装するのが通常でしょうが、残念ながらこの世界では確保する術はまだありません。現地調達出来る材料として、砕いた砕石や石を敷き並べて押し固める石畳。アックス&ウィザーズやダークセイヴァー等で見かける石を敷き並べた街道に近いものとなります」
 それはもしかして…、猟兵が言葉を出そうとした時にシグルドは頷く。

「ええ、オブリビオンによる襲撃やオブリビオン・ストームで破壊されることを前提に、です。これらの理由により、作るには膨大な資材に労力と時間の掛かるハイウェイやトンネルはオブリビオンの目に止まりやすく優先的に破壊されると予測されています。確かこんな諺がございましたね…ローマの道は1日にしてならず、と」
 作った道が壊されるかも知れない…今まで勢い付いていた猟兵達を奮い立たせるようにシグルドは鼓舞する。

「そうですね…我々が作った道をオブリビオンは100回破壊するでしょう。ですが、それなら101回作ればいいだけ。諦めずに前へ進むことが肝心です。我々も、この世界の住民達も…です」
 シグルドの言葉に猟兵達の目に再び光が宿るの確認すると、彼はグリモアを使いゲートを展開する準備に取り掛かった。

「そう言えば、何処に行くかはまだお伝えしていませんでした。私が担当する拠点の名は『ドゥームストーン』。以前に大量にある砂ダイコンの食べ方を皆様に伝授してもらった場所です。もしかしたら、以前のお礼に住民達が炊き出しをしてくれるかも知れませんね?」


ノーマッド
 ドーモ、ニュービーMSのノーマッドです。
 新世界です、ヒャッハーな世界です、クルマと人間と犬とドラム缶な世界です(何)

●シナリオ解説
 第一章は冒険フラグメントとなります。
 拠点間の交通路を作る為、荒野を少しずつ切り開いていきます。
 早い話が、昔とある番組でやっていた未舗装の道を直していく企画と同じと思って頂ければ分かりやすいと思います。
 ボロボロになった道を修繕しつつ、時には深い地割れや底なしの流砂などを避けながら進んでいきましょう。

 第二章、第三章に付いては現時点でお知らせ出来る情報はありません。
 状況が進展した際に、逐次情報の開示を行いますので、こちらもご了承ください。
 また、このシナリオで得られた成功点は累積した総数に応じて交通網の復活度が決まり、いつかより高度で強固な道路を敷設できるようになります。

 基本的にプレイングは随時募集となりますが、所用で執筆が取れない日にちが発生して募集期間を設ける際にはMSページにてお伝えします。
 それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『荒野を切り開け』

POW   :    道路を敷く為、荒れた地面の整地を行う

SPD   :    鋭い調査や直感によって、周囲の危険を避ける

WIZ   :    知恵や知識によって、最適な交通ルートを割り出す

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 昔はここは主要道路であったことを示す標識の残骸が、吹き荒ぶ砂嵐と荒野の日に晒されて赤錆させながらその名残を哀愁漂わせながら物語っていた。
 道はあらゆる所に砲撃痕や迫撃砲痕等のクレーターがあちこちに出来ており、赤錆びた鉄筋が剥き出しとなって風化しつつある建物から崩れた残骸が至る所に転がっている。
 そして、いつオブリビオンに襲撃されるか分からない緊張感に晒されながらも、この地に平和維持活動として再び訪れた猟兵達を出迎えたのは、起点となる拠点であるドゥームストーンの住民達であった。

「よぉ、あの時は世話になったな!」
「シグルドって奴から話は聞いたぜ。何でも、いつバケモノが襲ってくるか分からねぇ交易路を直すだなんて、無茶するなお前ら」
「でもよぉ、俺達もただ指を咥えて黙って見ている訳じゃねぇぞ。俺達も出来る範囲で手伝うぜ。なぁ?」
「おうよ、大船に乗ったつもりで居てくれよ! あ、でも、バケモノが出た時は先生方…頼んみましたぜ?」
 人々の賑わいを見ながら、猟兵達はシグルドの言葉を思い出す。
 ――諦めずに前へ進むことが肝心です。
 明日を信じて今日を生きる。
 この気概を持ったこの世界の住民だからこそ、こんな過酷な環境でも生き抜いて来れたのだろう。

 さぁ、始めよう。
 復興への第1歩を…ローマの道は1日にしてならず。

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●プレイング受付についてのご連絡
 MSページにも記載しておりますが、スケジュールの都合により【1/23(木)8:31】よりプレイング受付を開始します。
ナナシ・シロナ
【POW】
「先頭と戦闘はワシに任せるのじゃ。」
先頭に立ち、技能【追跡・野生の勘】を活かして進路を模索しながら、
鉄塊剣にユーベルコード【ブレイズフレイム】の炎を纏わせ、岩や瓦礫を砕いたり溶かしたりして地面を整える。
穴やクレーターがあったら、砕いた瓦礫を入れ込んだ後、炎で瓦礫を溶かし隙間を塞ぐ。

オブリビオンに襲撃されたら炎で応戦して、オブリビオンを溶かしたり鉄塊剣で叩き潰し、道の建材として利用する。

心情
道作りは炎で燃やしたり溶かしてくっ付けたりすれば何とかなると本人は思っている。「炎は万能。」
戦闘が好きなので先頭で派手に暴れたい。
砂ダイコンについては「食べたいのじゃ!」の一言
※アドリブ、絡み歓迎



 長年のオブリビオンによる破壊活動やオブリビオン・ストームを始めとする自然災害の影響でボロボロになった道の補修。
 慣れない土木工事に、猟兵たちはそれぞれの持ち味を生かした役割分担の作業を取ることにした。

「先頭と戦闘はワシに任せるのじゃ! 道の始まりは…ここじゃな」
 ここはナナシ・シロナ(焼却炉の魔術師・f15608)が持ち前の野生の勘を働かせて作業の出発点を決めた。
 自身の頭の上でゆらゆらと燃えている炎を手に移すと、それを鉄塊剣の刀身に纏わせて赤々と赤熱化させていく。

「炎は文明の象徴、つまり万能なのじゃー!」
 そう叫ぶと、道端に転がる岩や瓦礫を自分の炎で熱した鉄塊剣を振るい、まるでバターを切るかのように溶断して細かくしていく。
 このパフォーマンスとも言える材料作りには住民達も大いに賑わう。

「皆の衆。これよりここの大穴、クレーターを埋める作業に取り掛かるのじゃ。わしが切り刻んだ材料を次々に放り込むのじゃー!」
 おおー! と住民達はまだほんのり熱を帯びている砕石を次から次へと投げ入れる。
 その都度、ナナシは砕石に地獄の炎を降り注ぎ、砕石の表面積を僅かに溶かしながら互いに密着させ合わせて強度を増させていく。
 クレーターが埋まる分の砕石が入れば、最後は表面を溶かし均して仕上げれば完成である。

「いっちょ上がりなのじゃ! しかし、働けば腹が減るしもう昼餉の時じゃのぅ…そうじゃ! 砂ダイコン、わしは砂ダイコンを昼餉に所望するぞ!」
 よし来たと、住民達が昼食の準備に取り掛かり、ナナシも一緒に準備を手伝う。
 今日のメニューは『鉄板焼き砂ダイコンステーキ』。
 以前教わった内容で砂ダイコンを調理し、ナナシの炎が鉄板をジュウジュウと熱する。
 そして、醤油の代わりになる物をと、住民達が考案した刻んだ砂ダイコンの葉と摩り下ろした砂ニンニクを混ぜ合わせた特製ガーリックグリーンソースをかければ完成である。

「おお、美味そうな匂いがするのぅ♪ それじゃ、頂きます…なのじゃ!」
 熱々の砂ダイコンステーキをほふほふと口の中で転がしながら噛み締めると砂ダイコンの甘みが染み出し、また砂ニンニクおろしの辛味と葉っぱのシャキシャキな爽やかさがナナシの口全体に広がる。
 次から次へと口に運ばれ、あっという間に砂ダイコンステーキを平らげてしまったのだった。

「大変美味なのじゃ! …おかわりはあるのかえ?」
 まだまだあるぜ、と住民は砂ダイコンを再び鉄板で焼き始める。
 ナナシと住民達の砂ダイコン交流はまだ始まったばかりなのであった…。

成功 🔵​🔵​🔴​

グスタフ・ビェルカ
【WIZ判定】
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

◆心情
整地は非力な自分は向いてないから、偵察か交通ルートの割り出しだけど…
どんくさい自覚はあるからなぁー
ここは最適な道づくりのためにも交通ルートの割り出しに専念しますか。

◆行動
以前の主人だった吟遊詩人との旅を思い出しながら、
最適な交通ルートの割り出しを行う。
ただしオブリビオンの警戒は忘れず
発見できた場合は本部に報告。
時間の短縮のために、風の精霊を必要な時に召喚し
【言運び】で本営に報告する。
その際倒せそうなら【エレメンタル・ファンタジア】で攻撃と撃退を行う。



「整地は非力な自分は向いてないから、偵察か交通ルートの割り出しだけど…」
 300年以上辺境の森で神木として崇められている白檀の木から作られた横笛のヤドリガミ、グスタフ・ビェルカ(沈黙の詩人・f25164)は自分に合った作業は整地作業ではなくその下調べと判断した。

「どんくさい自覚はあるからなぁー。ここは最適な道づくりのためにも交通ルートの割り出しに専念しますか」
 ともあれ、自分が得意としている作業はこれである。
 先のように道を補修するのが第一ではあるが、それ以前にこの先待ち受けている危険や偵察も重要な仕事でもあるので、グスタフは道を修繕している作業班よりも先行して最適なルート策定作業に勤しんでいた。
 具体的には道の修繕作業をラクにする為比較的損傷が少ない道跡、オブリビオンが潜みそうな場所や襲撃を受けやすい場所を避ける…最短コースの迂回路を彼は紙に地図として書き表した。

「こうして歩いていると、以前の主人だった吟遊詩人との旅を思い出しだすなぁ…あの人も旅先で見聞きしたものをこうやって書いてネタを作ってたもんな」
 以前の主人との旅を懐かしみながら、紙に書いた簡素な地図には具体的に描かれた危険な箇所、ひとつの案のみでなく複数の案を書き表すと彼は風の精霊を召喚する。

「じゃ、頼みましたよっと」
 偵察内容が書かれた紙を折りたたむと、風の精霊が起こした風に乗って後方の修繕班の元へ流されていった。
 紙には自身の声も宿しており、折り畳まれた紙を開けば音声解説もなるという仕掛け付きだ。
 瓦礫で出来た丁度いい日陰に隠れてのひと休憩を終えると、オブリビオンの襲撃に警戒しながら彼は先へとまた進んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木常野・都月
壊される前提で…道を作る…?
本気なのか……?

ヒトというのは…何を考えて…
いや…逆か。
だからこそ、ヒトは生態系の頂点にいるんだろうな…。
正直、ヒトは頭がいいのに、なんで頭がおかしい事を思い付くんだと思うけれど…

でも、俺も一応ヒト…妖狐の仲間入りをしているんだ。
めげたらダメだ。
この土地のヒト達もやる気なんだ。
微力ながら頑張りたい。

大地の精霊様に頼んで、石畳がきれいに並ぶよう、土を平すよう、お願いしていきたい。

石を砕くのも、精霊様に頼んで、崩れやすくして貰いたい。

この世界の普通のヒトより、猟兵の俺の方が体力あるだろうし、率先して動きたい。


ネージュ・ローラン
交易路の確保は大事ですね。
例え全体から見れば小さくても、一歩ずつ積み重ねていくことが復興へと繋がるでしょう。

それではわたしは資材の運搬に当たります。
とはいえただ一人で運ぶだけでは遅いので【精霊獣召喚の舞】で氷の大狼さんを呼び出し、資材を積んだ荷車を引いてもらいましょう。
オブリビオンへの警戒も忘れず、スカートの下に隠したダガーを確認。
万が一の時は大狼さんも荷物もわたしが守ります。

重くて大変ですがよろしくお願いしますね。
お礼は砂ダイコンで如何でしょう。



「壊される前提で…道を作る…? 本気なのか……?」
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は地平線の彼方まで続く、破壊され尽くされた道だった道を見ての感想を率直に零した。

「本気よ、私達も住民達も。全体から見れば小さくても、一歩ずつ積み重ねていくことが復興へと繋がるでしょう」
 途方も無いと尻込みをする木常野とは対象的に、同じ精霊術士のネージュ・ローラン(氷雪の綺羅星・f01285)は意気揚々と地平線を見据えながら舞っている。
 精霊獣召喚の舞が終えると、熱く乾燥した空気に冷ややかな風が吹き抜けて氷の大狼が呼び寄せられ、彼女は氷の大狼の頭をひと撫でするとその背に跨った。

「ヒトというのは…何を考えて…いや…逆か。だからこそ、ヒトは生態系の頂点にいるんだろうな…」
「確かにそうであるかもしれませんね。では、わたしは大狼さんと一緒に向こうで作られている資材の運搬に当たってきます。木常野さんはどうなされますか?」
 宜しくと言わんばかりにクンクンと鼻先を近づけて挨拶をする氷の大狼に少し緊張しながらも、木常野は恐る恐る大きな頭を撫でて挨拶を返した。

「俺は…大地の精霊様にお願いをして、石畳がきれいに並ぶよう平しておくよ。一緒に俺も一応ヒト…妖狐の仲間入りをしているんだ。この土地のヒト達もやる気なんだし、めげたらダメだよな」
「分かりました。それではお願いします…大狼さんも重くて大変ですがよろしくお願いしますね?」
 任せたと氷の大狼がひと吠えすると、通った場所に涼やかな風を吹かせながらネージュを乗せて駆けていった。
 それを木常野は見届けると、杖をかざして目を瞑りながら意識を研ぎ澄まし、この地に住まう大地の精霊と精神を同調させる。
 それに応えるように地面が競り上がり、そこから土塊のゴーレムがのそのそと動き出して巨石や朽ち果てた残骸などの障害物を道が出来る予定の場所より端に持っていく。
 木常野も自分にできる範囲の事は自分でやると決め、ゴーレムの野太い指では摘めないような物を集めたのだった。

「…ふぅ、こんなものかな」
 だいぶ綺麗になった道を眺めながら額の汗を拭うと、いつしか日は高くなっている事に気づく。
 水筒の水を飲みながら作業に夢中になっていたから時が経つのも早いのだと思っていると、石材を目一杯積んだ荷車を軋ませつつ氷の大狼とネージュが戻ってくる。

「ご苦労さま。だいぶ綺麗になったわね。大狼さんもお疲れ様。戻る頃にはお昼だと思って、向こうで働いている現地の人から砂ダイコンを貰ってきたわ」
 はい、と渡されたカゴの中にはオブリビオン・ストームが発生しない範疇でと、グリモアベースで支給されたおにぎりに今朝採れたての砂ダイコンが氷の大狼の冷気で冷やされ、乾燥した空気と降り注ぐ陽の光で火照った体にはひんやりとした心地よさが伝わる。

「それでは、大地の精霊様もそろそろ休憩に…え、作業をまだ続けるのですか? では、お言葉に甘えさせて貰います」
 木常野は分担作業で荷車から石材を下ろす、石材を道まで運ぶ、石材を並べて押し平すゴーレム達に一礼をして、日陰となっている瓦礫の傍でお昼の準備をしているネージュの元へ向かった。

「はい、砂ダイコン。ゴツゴツした皮は剥いておいたから、このまま食べれるわよ」
「ありがとう…へぇ、皮は茶色いのに中はこんなに白いんだ」
 興味津々に眺め、様々な感謝を込めて頂きます、と呟いて口にすると、シャクッと音を立てさせて中の水分と共に口の中にほのかな甘味が広がる。

「…美味しい」
「ね、そうでしょ?」
 真剣な表情でシャクシャクと夢中に食べる木常野を微笑ましく思いながら、ネージュもシャクッと口にする。
 お昼を食べ終えて、いつの間にか肌が日で焼けていた、先行している猟兵から届いた手紙にはここから先からはこの通りに道を作るなど雑談と午後からの作業確認を行っていると、お昼寝中だった氷の大狼がむくっと起き上がった。
 そして、徐々に風が強まる方角へ額にシワを作りながら睨んで唸り声を上げる。

「この臭いは…」
 妖狐である木常野も風に乗ってくる異臭に気づき、氷の大狼と同じ方角を向く。
 地平線の彼方の上空に何かが浮かんで…こちらに向ってくる。
 2人は望遠鏡でそれが何であるかを確認すると、異常事態が起きたことを携帯無線機を使って猟兵達に伝え始める。
 そう…オブリビオンの襲撃が始まろうとしていたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ゾンビバルーン』

POW   :    腐れた風船
【腐った肉の塊】が命中した対象を爆破し、更に互いを【腐敗しつつも、高い強度を持つ糸状の繊維】で繋ぐ。
SPD   :    ゾンビ一番搾り
【腐敗した体液】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    クローンデザイアン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【自分自身として増殖し、身体】から排出する。失敗すると被害は2倍。
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異臭の正体…それは宙に浮かぶ奇妙な『肉塊』…『ゾンビバルーン』によるものであった。
 このオブリビオンは風と共に運ばれ、その道中に居るもの、または拠点などを爆撃しながら汚染する災害のような物だと、現地住民が猟兵達に告げる。
 自らの意思では動けず、風に身を任せながら汚染物質を撒き散らす、まさに天災に近いものだろう。
 ともあれ、道を横断するだけならまだしも、拠点に向かって風が吹いているのであれば、無視できる相手ではない。
 猟兵達はお互い風上から漂う異臭に眉をひそめながら、その迎撃に当たり始めるのであった。
木常野・都月
臭い…これは臭い…

雑食である狐は何でも食べるけど、この手の臭いがしてきたら、流石に手はつけない。

こういう悪臭の相手だと、臭いに敏感というのは、だいぶきつい。
だってこんなに臭いんだぞ?訳がわからない。臭すぎるんだ。

吹っ飛ばしたいけど、下手な技使うと道が壊れかねない…臭い。

まずは風の精霊様に頼んで新鮮な空気を顔周りに集めて貰いたい。

…そしてだな。
こっちに来るな!臭いから!
道も壊されたくないし、臭いから!
UC【雷の足止め】で[範囲攻撃]したい。

あとは[属性攻撃]で敵を攻撃していきたい。
足止めが効いているうちに速やかに。
速やかにだ。

敵の攻撃は[カウンター、オーラ防御]で対処したい。



「臭い…これは臭い…」
 風上から流れるゾンビバルーンからの腐臭に木常野は思わず鼻を摘んでしまう
 それもその筈、妖狐である彼の嗅覚は狐…つまり犬並みに嗅覚が鋭い。
 ただの人間でさえ参る臭いを、人間より1000倍~1億倍も嗅覚が優れている者にとっては先程のお昼も台無しになってしまう。

「こっちに来るな! 臭いから!」
 あまりの腐臭に耐えかねて、エレメンタルロッドを上空から迫りつつあるゾンビバルーンに向けて詠唱し始める…が、途中で止めてしまう。
 ――あのゾンビバルーンを殲滅仕切るほどの火力を出してしまえば、今まで作った道路が無事で済まないのではないのか。
 コンマ数秒の冷静さが彼を押し留め、一体どうすれば良いのか。
 臭いに耐えかねるようにざんばら頭をワシワシと掻き回していると、ある考えが思い浮かんだ。
 ゾンビバルーンの進路をこちらに来ないようにすればいいのでは? と。

「そうか、簡単な事だった…。風の精霊様、風下より新鮮な空気をお恵みください!」
 風の精霊に願うと彼の背中から風が吹き抜け、腐臭が混じる風を押し戻される。
 しかし、ゾンビバルーン達は押し戻されずに上空に留まっている。
 そしてだが、互いにぶつかり合う風の刺激を受け…ゾンビバルーンが分裂する。

「え…なんだよ、それ!? 何で増えてるんだよ!! か、風の精霊様、ご苦労さまでした! お帰りください!」
 ぽんぽこ分裂するゾンビバルーンの様子を見た木常野は、風で押し戻す作戦を諦めるを得ざるなかった。
 ――下手に刺激すれば増える…それなら。

「雷の精霊様、足止めを!」
 杖を投げ捨て、今度は掌をゾンビバルーンへと向けると、高圧電流がジグザグに空中放電をしながらバリバリと音を立てて進む。
 そして、前列のゾンビバルーンらに届くと次々に感電させていく。
 それに合わせて風に乗ってくる臭いが、肉が腐ったような臭いから食欲が湧かないナニかの肉が焼けたかのような臭いになったが、どちらも臭いことには変わりはしない。
 感電することで肉塊を焦がしたゾンビバルーンが宙から落ち始め、空気の入っていないゴム毬のように地面へをひと弾みしたら塵に変わり、風に乗って上空へ舞い上がって行った。

「やっぱり…倒さなきゃいけないか」
 こちらに向かっていたゾンビバルーンの群れを迎撃した木常野は、次なる群れが風に流されながらこちらに向かって来るのを確認したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

トレイシー・ライト(サポート)
「……また事件、か。さて、どうしたものかな」
 あまり積極的に解決に意気込みを見せず、「なんとなく気になった」という理由で首を突っ込みに現れます。
 冷めた性格ですが、比較的真面目で正攻法を好みます。他の猟兵に迷惑をかけること、飲酒喫煙・公序良俗に反することはしません。
 戦闘においては、基本的には魔法を用いて遠隔攻撃を行います。前衛がおらず距離を詰められるなど、やむを得ない場合は、ドラゴンランス【ポレドラ】等を用いて接近戦も行います。
「たとえ事情があったとしても、あんたがオブリビオンである以上、倒さなきゃいけないんだよね」
「さて、俺の仕事は終わりだな」


グスタフ・ビェルカ
本当にこの臭いの中こいつを蹴散らさないといけないのか……?しかも不意打ち対策もしてるとか。正面から叩かないといけないのは面倒なんだけど…

普段は精神が削れるからやりたがらないが、【風流至處】で回避盾をやります。ついでに臭いは自分に降りかからないように風を操作。
基本は回避を中心にして、積極的にカウンターを狙う。敵の攻撃はできるだけ建設した道路からは逸れたところで着弾させる。
本当はせっかく作った道が壊れる可能性があるから攻撃させたくないけど、自分が一番かわいいんだ。これくらい我慢してくれ。

ついでに神力の宿った笛で演奏して浄化も試みる。



「本当にこの臭いの中、こいつを蹴散らさないといけないのか……?」
 先程の猟兵が倒したゾンビバルーンの群れに続き、第二波となる一団の姿をグスタフは腐臭混じりの風に戸惑う中、1人の気怠げな人狼の青年が隣に立ちながら空を見上げていたのであった。

「……また事件、か。さて、どうしたものかな」
 トレイシー・ライト(スターシーカー・f05807)は『なんとなく』という理由でこの道路復旧事業に参加したが、彼が持つグリモアで『なんとなく胸騒ぎがした』からでもあり、まさかこのような事態に遭遇するとは彼も思いもよらなかった。
 とは言え、一見冷めた性格の彼もオブリビオンをみすみす見逃すほど冷淡ではない。
 寧ろ、その瞳の奥にはこの事態を解決するという強い意志の炎が宿っていた。

『グゲ、ググゲ、グゲゲゲゲ』
 先程倒された同族の顛末を知ってか、ゾンビバルーンが鳴くと、肉塊を捏ね併せたような無数の目と口が一斉に蠢きあう。
 そして、放射線状を描きながら腐敗した体液が放出されると、地面に落ちた体液は煙を上げ始める。
 どうやら、この腐った体液は強酸性らしく、上空から爆撃するように無差別に地面に降らせ落とすようだ。

「マズイな、これは。アレが降り落とされると、せっかく作った道が穴だらけになってしまうじゃないか…おいで、シルフィ。共に踊ろう」
 何かいい考えはないものか。
 普段は精神が削れるからという理由で使わない【風流至處】を、グスタフは横笛でこの空気を清浄するような澄んだ音色を奏でながら風の精霊と会話をしながら、この解決策を模索する。

「…いや、俺にいい考えがある。その風の精霊…いや、シルフィだったな。風を吹かせてあいつらを道から逸れた場所まで誘導できるか?」
「あ、ああ…出来るよ。ちょっと待ってくれ」
 今まで口に手を当てながら考え込んでいたトレイシーからの突然の提案に戸惑いながら、グスタフは横笛を演奏して音色を奏でると風が吹き始める。
 それに乗ってゾンビバルーンの群れが道から逸れていくのを確認すると、トレイシーがゾンビバルーンの群れのすぐ下まで駆け出した。

「お、おい! どうするつもりだ!?」
 トレイシーの思わぬ行動にグスタフが驚くが、彼は静止を振り切ってゾンビバルーンの影で立ち止まる。
 ゾンビバルーンらの無数の目はトレイシーを捉え、一斉に強酸性の体液を放出し、彼に降り注がせようとした。
 トレイシーは上空を見上げながら息を吸い込み…腐臭で淀んだ空気を吐き出したい気持ちを堪えながら胸いっぱいまで溜めると、大音量の咆哮…【人狼咆哮】を上空のゾンビバルーン目掛けて唸り上げた。
 重力に従い落ちてくる強酸性の腐った体液が【人狼咆哮】による衝撃破で押し戻させ、それらが逆にゾンビバルーンに戻される。
 自らが出した強酸性の体液に見舞われたゾンビバルーンから白い煙が立ち上り、断末魔の叫びを上げると共に塵となって、グスタフが作り出した風に流されていくのであった。

「さて、俺の仕事は終わりだな」
 相手の攻撃を逆に利用してオブリビオンの群れを殲滅できたトレイシーは満足そうな顔で、体に付いた塵を払いながらグスタフの元に戻ってくる。

「まったく…無茶するな、お前」
 そんな彼を出迎えるようにグスタフが再び音色を奏でると、ゾンビバルーンが残した汚染された空気が浄化されていくのであった…。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ファンゴ・ネラロッサ(サポート)
●基本行動
本体は人形の中や外で人形を操っているブラックタール
明るく社交的で日常会話や噂話を装った情報収集も得意
NPCと接する時は大体「人形ムーブ」
敵しかいない時は「本体ムーブ」もあり
情報収集を【ベリッシモ/ベリッシマ】で、戦闘を【コンパーニョ】でと場面に応じて人形と本体を使い分ける
人形は戦闘時に中に入る事で盾にしたり、遠隔操作で囮にして不定形の本体は隙間や物陰を利用して潜入・奇襲したりと「本体」と「人形」が別々に動ける事を最大限に活かす

●口調
人形ムーブは僕、君、呼び捨て
本体ムーブはオレ、キミ、年上は~さん、年下は~くん


桑原・こがね(サポート)
あたしを見ろォ!
登場は雷鳴と共に、派手に演出していきたいわね!
名乗りを上げて注目されたいわね!
囮役とかも嫌いじゃないわ。

こそこそしたり駆け引きするのは苦手だし、何事も正面突破の力技で解決したい!

戦うときは大体斬りかかるか、武器を投げつけるか、雷出すかのどれかね。徒手空拳も心得が無くもないわ!

さーて、雷鳴を轟かせるわよ!



 そんな中、遠く地平線の彼方からやってきているということは、『こちらに流れ着く前に対処すれば良いのでは?』と考え出し、行動する者たちが居た。

「随分飛び回ったけど、これでいいのかい?」
「いいわよ! だけど、もうちょっと集めて来て貰っても良い?」
 上空ではファンゴ・ネラロッサ(『正体不明』のヒーロー・f17584)…本体であるブラックタールが人形の中に隠れたまま、その足をUC【ジェットミューテーション】でジェットエネルギーに変異させながら飛んでおり、地上では剣客少女の桑原・こがね(銀雷・f03679)が空を飛ぶファンゴ(人形)に指示を送っていた。

『ぐげげぇ、ぎげげげげ!』
 ゾンビバルーンは叫ぶだけで何も出来ない。
 それもそうで、こがねの提案により、ファンゴが持った万能十得ワイヤーでゾンビバルーンを縛り集めて一箇所に集めているのだ。
 ゾンビバルーンも無抵抗とは行かず、腐敗した体液を辺り一帯に振り撒いているが、強酸性の体液が自身に付けば無事ではないので食い込んだワイヤーへは届いてはいない。
 寧ろ…その腐敗した体液の臭いの方が、精神衛生的によろしくない物であるのであったが。

(…帰ったら『人形』を洗ってやらねぇとな)
 と、ブラックタールであるファンゴもそう思わざるを得ないのであった。

「これぐらい集めれば良いわ! 最後は、あたしの雷鳴で一気にビリビリするわよォ!」
 風上に居るこがねがファンゴに伝えると、彼はワイヤーから手を離すと集めたゾンビバルーンから離れていく。
 そして、あかねが上空に掌をかざせば、急に晴天だった空に雷雲が出来ていく。

「痺れさせてあげる! 全力放電(エレクトリカルカーニバル)!!」
 銀色に輝く稲妻がワイヤーを避雷針に落ち、集められてぎゅうぎゅう詰めの塊となったゾンビバルーンに高圧電流が走る。
 そして、ワイヤーだけを残し、ゾンビバルーンは塵となって消えたのであった。

「やっりぃ! あたしってば最高じゃん!」
 作戦通りゾンビバルーンを纏めて倒したこがねの傍らで、ファンゴは落ちてきたワイヤーを回収するとまじまじと見つめる。

(これも…洗った方がいいな)

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナナシ・シロナ
「出遅れてしまったのぅ。」
砂大根を頰張りながら、ユーベルコード【ブレイズフレイム】自身の足を切り裂きながら地獄の炎を噴出させて、ミサイルの要領で空を飛び。
空中に漂う『ゾンビバルーン』に接近し、近距離で高温の炎をたたき込みこみ、死体の破片が地面に落ちることなく念入りに火葬する。

敵の攻撃は甘んじて受け、他に被害が出ないように空中で立ちまわり、一匹づつ確実に灰にして雪を降らそう。

敵の臓物が体に絡みついたら、その場で自分の体ごと炎で焼いて対処する。【火炎耐性4】【激痛耐性15】

心情
腐敗臭については、
「昔から嗅いでたから慣れたのじゃ。」の一言。
自身に臭いがうつることは気にしない。
※アドリブ、絡み歓迎


火土金水・明
「この世界を少しでも平和にするために、あなた達を倒します。」「ゾンビ系だと、燃やした方がいいでしょうか?。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けた【全力魔法】の【フレイムランス】を【範囲攻撃】にして、『ゾンビバルーン』達を纏めて巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



 こうして猟兵たちの活躍によって風に乗って流されてくるゾンビバルーンは最後の一団となり、それを遠目で眺めている者が、シャクリと乾燥した風と共に湿った腐臭が混じり吹きすさぶ大地に瑞々しい音を鳴らした。

「出遅れてしまったのぅ」
「ですが、まだ残ってはいます。ゾンビ系だと、燃やした方がいいでしょうか?」
 そう言っているのは、食べかけの砂ダイコンを頬張っているシロナと、増援に駆けつけた火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)の両名であった。

「…この臭いの中で、よく食べていられますね?」
「なに、昔から嗅いでたから慣れたのじゃ」
 明の率直な問いに、シロナは『慣れている』と答えながら残り僅かとなった砂ダイコンを一口で食べきって手についた野菜汁をぺろぺろ舐める姿に、明は大物を見るかのように鼻からため息を漏らしたのだった。

「さて、腹ごしらえは終えたのじゃ。食後の運動と行こうかのぅ!」
 頭の炎が燃え上がると同時に、【ブレイズフレイム】の地獄の炎がシロナの両足を切り裂きながら噴出させ、彼はロケットのように空へと飛んでいった。

「それでは、この世界を少しでも平和にするために、私も助力致しましょうか」
 明が七色の杖を、シロナが炎を噴出させながら向かうゾンビバルーンの一団へとに向けると、圧縮させた文言による高速詠唱でゆうに300は越える火槍を、まるで地対空ミサイルさながら撃ち上げるのだった。

「おーおー、わしが飛んでいるというのに、凄まじい歓迎じゃのぅ。じゃが、わしを当てないように誘導しているのは流石じゃ」
 要撃機さながらに上空へ急上昇するシロナを掠めながら、地上から放たれた【ファイアランス】はゾンビバルーンを次々に射抜き、その風船のような身体を炎上させいく。
 分裂させる暇を与えさせぬ数に勝る圧倒的な瞬間火力の一斉射撃であったが、燃えながらも未だに健在なゾンビバルーンが残っていた。
 それは燃えながら膨れ上がり、風船のような身体を爆発して肉塊を撒き散らさんと反撃に出ようとしていたが、それを防ぎ掃討していくのがシロナの役目であった。

「残念じゃ。わしが丹念に、じっくり、しっかりと灰にしてやるからのぉ」
 燃える炎と立ち上る人間の死体が焼け上がるような忌避する厭な臭いに介さず、シロナは両手に地獄の炎を集め、膨れ上がるゾンビバルーンに叩き込む。
 反撃としてハラワタを糸の様に噴出させて絡め取ろうとしたゾンビバルーンが居たが、シロナは気にすること無く全身を燃え上がらせ、それらも灰にせんとばかりに火葬を行った。
 こうしてゾンビバルーンは上空で焼却され、焦げた臭いと共に真っ白く燃え尽きた灰が大地へ舞い落ちて来たのを明は手で受け止めたが、それらは儚げに雪のように虚へ消え去っていった。

「これで一段落じゃな……何じゃ、あの砂煙は?」
 上空でゾンビバルーンが残っていないか確認をしていたシロナは、遥か先…作ってい道路の正面から何者かが砂煙を舞い上げさせながら迫ってくるのを発見したのであった…。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『暴走戦車』

POW   :    オーバーキャノン
自身の【戦車砲のうち1本】を代償に、【ビルを消し飛ばす程の爆発力】を籠めた一撃を放つ。自分にとって戦車砲のうち1本を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    全門発射
【何本もの戦車砲から砲弾の連射】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    セメント弾
【主砲】から【速乾性セメントを詰めた特殊砲弾】を放ち、【空中で炸裂した砲弾から降り注ぐセメント】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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 それは地上からも確認でき、レンズにヒビが走った双眼鏡を覗いた現地住民が叫んだ。
「暴走戦車のイカレタンクだ…イカレタンクが来たぞ!」
 イカレタンク…?
 猟兵が怪訝な顔で聞き返すと、住民は興奮した口調でまくし立てる。

「ああ、言葉通りにイカれた暴走戦車だ! ここから先の場所を縄張りにしていて、侵入した奴らは人間だろうがバケモノだろうが、見境なく殺しちまうイカれた野郎さ! きっとさっきの騒ぎに感づいて、縄張りから出てきて…」
 なるほど。イカれた戦車、だからイカレタンクだと。
 猟兵が感心していると、先方からの挨拶とばかりに砲撃が撃たれ、建設している道路の脇にそびえていた廃墟に命中して、炸薬が爆ぜた爆音と共に砂埃が舞い上がる。

「あとアレだ。あいつは浴びると人間を石像にしちまうような弾も撃ってくる。確か…セ…メント、セメント! 集落の長老様がそう言ってた!」
 なるほど。
 セメント、セメントを撃ってくる…うん、セメント?
 その言葉を聞いた猟兵たちは、互いの顔を見合った…。
ナナシ・シロナ
セメントを放つ戦車、上手く使えば道作りに利用できそうじゃな。

戦闘
矢の如く、後方に炎を放ち爆音を轟かしながら戦車に近づき、ユーベルコード【閻魔之拳】地獄の炎を籠めた拳を打ち込み、敵の邪心(内部の電子回路など)を焼き切ます。

砲撃による攻撃の対応
敵の砲弾を正面から螺旋状に炎を放出した拳で殴ることで、砲撃を打ち抜き進みます。敵の攻撃にはさらに強力な攻撃でねじ伏せる考えです。

敵の攻撃に耐えられなかったら大人しく倒れて、後で淡々と道作りの手伝いに励みます。

心情
セメントは固まるよりも速く動き振りほどけば大丈夫じゃろう。
戦車はゾンビと違って、倒した後に部品や素材やら剥いで利用できるのぅ。

※アドリブ、絡み歓迎



「なるほどのぅ…セメントを放つ戦車、か」
 上空から舞い戻ったシロナは、砂煙と共に迫ってくる暴走戦車の襲撃に住民らが慌ただしくなる中、手を口元に当てながら暫し考え込む。
 セメント…すぐ固まる…ぶつぶつと呟きながら、右に左にと動く。
 そして、何往復かしたところで止まり、悪戯っぽく口角を吊り上げながらポンっと手を打った。

「上手く使えば道作りに利用できそうじゃな」
 そうと決まれば、足元に炎を集めるとシロナは再び浮き上がる。
 そして、矢の如く、ロケット花火のように爆音を轟かせながら暴走戦車に向かう。
 暴走戦車はそれを察知するや否や、車体上部に備え付けられた機銃で応戦するが、シロナは発砲炎と弾着位地を見切りながら回避する。
 それでは埒が明かないと暴走戦車が判断したのか、主砲をシロナへと向ける。

「そう来たか…じゃが、わしが避けてしまえば道に大穴が出来てしまう…はてさて、どうした物かのぅ…」
 悩む暇を与えないようとばかりに主砲から火が噴き出し、同時に戦車砲弾が空気を切り裂きながら彼へと撃たれる。

「…それなら、こうじゃ!」
 拳をグーにして握り締めれば、そこから螺旋状の炎が吹き出して拳を覆う。
 それを砲弾の信管めがけて打ち込むように衝突すると、爆音と共に爆煙が両者を包み込む。
 そしてシロナは…爆煙を突き抜けて暴走戦車へと肉薄した。
 炎を自らの炎で制し、力にはより強い力でねじ伏せるように、爆発による被害を抑えたのだ。

「戦車はゾンビと違うて、倒した後に部品や素材を剥いで利用できるのぅ…ぬしの邪心を焼かせて貰うぞえ?」
 シロナは暴走戦車に囁くように地獄の炎を籠めた【閻魔之拳】を打ち込み、暴走戦車の内部に炎を走らせる。
 暴走戦車が悲鳴をあげるように、内部の電装品が熱でショートした火花と共にハッチや装甲の隙間から炎を噴き出させたのであった…。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メグレス・ラットマリッジ(サポート)
アドリブ歓迎
ごく普通の人間であろうとする猟兵
大衆の一人であることを心掛けている為に環境で振る舞いを変えますが、基本的にノリの良い善人です
目立つことを避け、主役であるより脇役であることを好みます
柔和な態度と、イエスマン的な思考から場に溶け込む事が上手です

戦闘ではスタンロッドや拘束ロープ等の道具と素早い身のこなしで相手を翻弄し、着実に追い詰めていく戦法を得手としています
敵対者は必ず葬り、禍根は残しません。
どこからでも、いつまでも、諦める事なく執拗に迫る彼女に恐怖を抱く者もいるでしょう

窒息にトラウマを持ち水場や雪山など埋まる恐れのある場所では一層慎重になります


水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目暗まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



「水心子真峰、推参…さて、真剣勝負といこうか」
 火が吹き出す暴走戦車を相手に、水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)は錬成カミヤドリで作り上げた一振りの太刀『水心子真峰』を音もなく静かに抜いた。
 錬成ヤドリガミで複製したとは言え、これから戦車相手に太刀での白兵戦を仕掛けようとする彼女へ、暴走戦車は主砲である連装砲を向けると轟音と共に全門発射を行った。
 だが、暴走戦車が狙ったのは彼女の残像。
 既にそこに居ない真峰の影法師は着弾した対人榴弾の炸裂と共に、舞い上がった土砂と共に乾いた大地から消え去る。

「ぺっぺっ! これじゃ、簡単に近づけませんね…」
 地面に伏せながら、空から舞い散る土砂をメグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)はつぎはぎだらけの紺色の帽子を爆風で飛ばされないようにと押さえながら、口の中に入った砂利を吐き出していた。

「…左様。ましぃんがんなる物も備わっている故、大筒に弾込めをしている隙を突けぬのも痛いところである」
 真峰が放った錬成ヤドリガミで作り出した太刀は砲火をくぐり抜けたが、暴走戦車の機関銃により迎撃された。
 2人は先程の砲撃で空いたクレーターを塹壕にし、中から頭を出して確認すると同時に銃弾が大地を走る。
 どうやらここに隠れていると先方は認識しており、うかつに出れば機関銃で蜂の巣になるか砲撃で木っ端微塵になるかのどちらかという状況であった。

「相手は機械ですし、我慢比べは得意そうですよね…そうだ。先程の攻撃、もう一度やってくれません? それで注意を引きつけて貰えれば、私が何とかできるかもしれません」
「ふぅむ…このままではかたぴらとかいう物で踏み潰しに来るのも時間の問題であろう。その話、乗った」
 メグレスの提案を受けた真峰が再び錬成ヤドリガミを放つ。
 ただし、今回は暴走戦車へと一直線ではない。
 砲塔を回すように迂回させたのだ。
 暴走戦車のセンサーは太刀を感知すると、砲塔を旋回させながら迎撃に取り掛かる。
 勿論、こちらへの監視の目は健在であろうが、その僅かに出来た隙、『死角』がメグレスのUCを発動させたのだ。
 黄泉渡り…死角から死角へ瞬間移動するUCで一気に距離を詰め、戦車の『死角』である背後へ回った彼女はトマホークを振り上げる。

「よっと…ちょっと暴れすぎですから、大人しくなってくださいね?」
 振り下ろされたトマホークは給気口であるエンジングリルの金網を破壊し、そこに雷杖を突き入れる。
 その瞬間、電撃が走り、電気系がショートしたのか暴走戦車のエンジンが炎上しだす。
 雷杖を回収したメグレスは、後方へ旋回する砲塔のセンサーに捉えられる前に再び『死角』へと逃れたのであった…。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

富井・亮平(サポート)
【解説】
オブリビオンと戦うという設定のヒーローマスク。
マスクを被るとボディの人格が変わるような感じ。

謎のオブリビオン文明の話とか、地球侵略を狙うオブリビオン星人の話とか、適当な事を言いながらも頑張る。
関係なくてもオブリビオンのせいにして行動する。

行動そのものはマトモ。

【行動】
ヒーローっぽい行動であれば何でもします。
戦闘は主に魔法剣士スタイルですが、機械も扱えます。
ガジェット形状は固定していません、必要に応じ自由に変なメカを使わせて下さい。

UCを使うと「黒幕が出てきて敵を改造する」「謎のお助けキャラが登場する」などのヒーローっぽいイベントも発生させられます。

「このイェガーレッドに任せておけッ!」


木常野・都月
セメント…そんなものを撒き散らされたら、道は…

ん?悪くない…のかな。

このセメントをうまく慣らしたら、道にならないか?

出来るかどうかわからないけど、ダメ元でやってみたい。
失敗したら、俺が地道に道を作り直せばいいだけだ。

飛んできたセメント団に対して[カウンター、属性攻撃、範囲攻撃]を。
極力、道になるあたりにセメントを落としていきたい。

とはいえ、ずっと攻撃されるのも辛い。
砲弾が飛んでくるのも困る。

イカレタンクは倒さないとダメだな。

UC【精霊の矢】を雷の精霊様の助力で使用したい。

落ちてきたセメントは、後で精霊様達に頼んで、再度泥状にした上で、平らに伸ばせば…道っぽい!



 猟兵の猛攻により、暴走戦車は戦闘室とパワーパック両方より炎上し、パーツ類にダメージを与えて動きが緩慢になりつつある。
 だが、人類を殲滅、もしくは絶滅させるべく狂ってしまった…現地住民からの呼び名である『イカレタンク』の名に相応しいは電子頭脳は健在である。グリスや油脂、内装が燃えているのか、黒煙を登らせる炎はその執念を物語っているようであった。
 しかし電子回路は不調をきたしたのか、榴弾を発射したつもりが装填ミスを起こしてセメント弾が次々と発射される。着弾地点に爆ぜた速乾性のセメントが太陽の熱に晒されて徐々に硬化していっているのを、都月は口に手を当てながら考え込んでいた。

「セメント…そんなものを撒き散らされたら、道は…ん?悪くない…のかな。このセメントをうまく慣らしたら、道にならないか?」
 都月はグリモアベースからアポカリプス・ヘルに転送される前の説明を思い出した。
 ――コンクリートやアスファルトはこの世界では確保する術はまだない。
 だが、現に目の前に、コンクリートの原料となるセメントがあるではないか。

「でも確か、セメントとコンクリートは別物だったよな…人はどうやってコンクリートを作り出しているんだ…?」
「説明しよう! セメントと砂と砂利を『1:3:6』に割合で混ぜたのがコンクリート。ちなみに骨材となる砂利を抜いて、セメントと砂を『1:3』で混ぜればモルタルになるのだ!」
 悩んでいる都月の背後でそのような解説を行った富井・亮平(イェーガーレッド・f12712)は、彼が振り向くと同時にビシッとポーズを決めた。

「すると…今のはモルタルという奴で、それに砂利と水を足して混ぜ直せばコンクリートになるというのか?」
「その通り! 悪しきオブリビオンの手先とは言え、この世界では貴重な資源ッ!! 背に変えられないが、この世界を救うため…ヒーローとして為さねばならない! こいッ! エェレメンタルッ!! レェギオンッッ!!!」
 納得している都月を他所に、亮平…いや、イェーガーレッドが高らかに手を太陽にかざして叫べば、小型の戦闘用精霊たちが召喚される。
 彼らはイェーガーレッドのガジェットが変形した弁当箱のような形のロケットに次々と乗り込んでいく。

「俺が召喚したエレメンタルレギオンをガジェットミサイルで暴走戦車に突入させ、セメント弾をありったけ回収する。君はそれが終わった後に、オブリビオンの殺戮マシーンに止めを打ってくれ!」
「わ…わかった! 頑張ってみる」
 イェーガーレッドの気迫に押されつつ、思わず都月は背筋をピンと伸ばして答えた。

「ではいくぞ…ダイダロォォォス! アタァァァックッ!!」
 イェーガーレッドの決めポーズと叫び声と同時に、ロケット型ガジェットが発射して暴走戦車の側面に突き刺さる。
 暫く待てば、暴走戦車内部に侵入したエレメンタルレギオンがハッチを開け、セメント団と思われる戦車砲弾を手渡ししながら外へと運び出した。

「よし、これで全て頂戴した。さぁ、君もヒーロー風に叫んでオブリビオンの手先を倒すのだ!」
「…叫ぶ必要がないと思うけど…分かった。精霊様、ご助力下さい…精霊の、矢ッ!!」 止まらない願いを目指したかのように放たれた、炎の矢が…いや、精霊の矢がガジェットに命中すると残っていた燃料を爆発させた。それがまだ残っていた砲弾に誘爆したのか、暴走戦車はまるで特撮のような爆発と共に塵へと消えた…。

 こうして、ハプニングこそはあったが、猟兵たちの道路作りは夕陽が沈むと同時に一旦終了した。
 暴走戦車による戦闘により先は穴だらけとなったが、怪我の功名によりコンクリートの原料となるであろうセメント弾を回収したのであった。
 これらを集めれば、きっと近い内にコンクリートの道を敷くのも夢ではないはずだ。
 だが、既に日が暮れて夜となったので、今日の所は寝て疲れを癒そう。
 そして、明日もまた道作りとなる。
 道とは人が歩み続けて道となる。
 その積み重ねを重ねるように、猟兵たちは道を延ばして、いずれは拠点を結び、今は石を敷いただけの道もいずれはコンクリートやアスファルトと言った物になるはずだ。
 頑張れ、イェーガー! 労働した後の砂ダイコンは、今日も美味しいぞ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年02月27日


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🔒
#アポカリプスヘル
🔒
#【Q】
🔒
#ストレイト・ロード


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト