ただ静かに。靴下にプレゼントを入れるように。
「新しい世界……えっと、ポストアポカリプスとかいうのだっけ」
あまり詳しくはないのだけど、と語る日ヶ丘・美奈(リトルマスター・f15758)。あくまでフィクションとしての一つのジャンル。荒廃した世界を舞台にした創作であったはずであった。
だが新世界、アポカリプスヘルにおいてはそれは単なる日常の世界。死に瀕した人々が倫理や人道を超越した技術によって何とか生き延びている世界がそこにはあった。例えそれが、他なる世界においての禁忌であろうと彼らには生きる権利があるはずだ。それを咎めるのも妨げるのも筋が違うだろう。
「……こんな世界になっても皆生きようとしてる。だったら、助けてあげないと……だよね?」
狼耳の少女はそう語ると、事件の説明へと移るのであった。
「えっと……この世界は人が集まって暮らしている場所を拠点(ベース)って呼んでいるみたいなのだけど、その拠点の内の一つのとある病院がオブリビオンの大群に包囲されちゃったみたいなの」
無論、拠点の守りは完璧である。このまま撃退する事は問題ない……そのはずだった。
「人に化けるオブリビオンが拠点に一人侵入しちゃったみたいなの。そのオブリビオンが夜の内にこっそりドアの鍵を外したりして、外にいるオブリビオンを中に入れちゃおうって考えているみたいで……このままだと拠点にいる皆がやられちゃうの」
故に、まずは拠点の中に潜入したオブリビオンを倒す。その後、オブリビオンの手引きによって潜入しようと集まっているオブリビオンを倒し、そのままこの大軍を指揮するオブリビオンを倒してしまおうというのが今回の作戦の流れになるらしい。
「それでなのだけど……なるべく静かにオブリビオンを倒してほしいの」
猟兵達の行動はテレポートした時点ではオブリビオンにも、そして拠点の人々にも気づかれていない状態だ。下手に騒ぎを大きくすればオブリビオンに作戦がばれたことが知れ、おそらく迎撃態勢を取られる事だろうし、敵の増援が送られることもあるかもしれない。
「だから皆、なるべく静かに……ね?えっと、サンタクロースさんみたいな感じ……なのかな?」
拠点の中では子供達もいて、彼らは恐怖におびえながらも明日を夢見て布団の中にいるはずだ。そんな彼らにとびっきりのプレゼントを用意してもいいのではないだろうか?
風狼フー太
せっかくの聖夜に鉛玉のプレゼントとか……いりませんよね?閲覧ありがとうございます風狼フー太でございます。
オープニングで言及されております通り、音を出すなどしてばれない限りは相手に発見されていないという状態で始まります。一応、多少なりならばれないとは思いますがあまりドンパチしすぎると次の章等の判定が厳しくなる場合がございますのでご注意ください。
なお、攻撃手段による音の出方としましては銃器などは対策をしていない限り発射音が響きますし、魔法や魔術は特に言及がない限り詠唱を行う物と考えます。なお、魔法や銃器に限らず爆発なんてしたら即ばれますし、広範囲に影響を及ぼす攻撃方法も拠点の一部の崩落等を起こす可能性がありますのでご注意を。弓やクロスボウなどによる射撃や駆動音等を響かせない近接攻撃などが一番隠密性が高いと思われます。
記述されていない攻撃方法については、アイテムやユーベルコードの設定から考えさせてもらいます。なお、音が出るとされた攻撃方法につきましても何かしらの工夫によって音が出ないようにされているなら、ペナルティなく使用できます。記述がない攻撃方法につきましても有効な処置を行えばペナルティの軽減やプレイングにボーナスが掛かるので色々試してみるのが良いかと思われます。
それでは拠点の住人達が静かな夜を過ごせるような、そんなプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ゾンビジャイアント』
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POW : ライトアーム・チェーンソー
【右腕から生えたチェーンソー】が命中した対象を切断する。
SPD : ジャイアントファング
【無数の牙が生えた口による捕食攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : レフトアーム・キャノン
【左腕の砲口】を向けた対象に、【生体レーザー】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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暗闇の病院へとテレポートを完了した猟兵達は拠点の住人達にもばれない様に移動を開始する。どの世界にも言える事だが、冬の夜というのはとても肌寒く凍える物。だが、文明が崩壊した所以か、空気は澄んでおり窓から外を見れば輝く星々がその姿をありありと映し出す。
そして、そんな廊下を一人の男がふらふらとした歩みで歩いている。拠点の住人からすれば不自然な程度にしか思わないその男も、猟兵達から見ればはっきりと彼がオブリビオンである事が見抜けた。
オブリビオンとしてかなりの実力であろうが、こちらには気が付いていない様だ。この状況を生かせば速やかに排除することも可能であろう。
芦谷・いろは
音を立てない様に静かにですね~
何だか時間もあいまって、探検ごっこしてるみたいでワクワクしちゃいます
ただ、ワクワクだけじゃなくハラハラドキドキのホラー要素も入っちゃってるみたいですが
『第六感』を使用しつつ
静かに【傀儡の宴】を使用しちゃいますね
出来るだけ柔らか素材で音を立てない様なヌイグルミさん達を召喚
さぁさぁ、静かに楽しいパーティーの始まりですよ~
ヌイグルミさん達には敵さん包囲し纏わりついて貰って、攻撃の妨害や『フェイント』をかけて貰い
隙を作って貰いますね
出来た隙や『第六感』を駆使して、敵の死角に回り込んで操作用糸で『暗殺』を狙っていきますよ
『暗殺』はか弱い女性のたしなみです!いろは頑張りますね
ブイバル・ブランドー
記念すべき一人目のオペはお前だぜ、ゾンビ
防音対策
スラスター部にサイレンサーを取り付けることで機体駆動音を軽減する
この手のバイオ的なゾンビってやつは大抵心臓を抉っても頭部を破壊しない限りは動く。つまりそりゃ普通の動物と同じように神経で動いてるからだ。
だから、静かに仕留めることが必要なこの局面においては頭を派手に吹っ飛ばすより神経を破壊する方針で行く。
というわけで、選択したUCでゾンビの身体構造を分析する。元は人間だろうがここまで変異したなら中枢神経の位置も大幅に変わってそうなんでな。
分析があらかた終わったらスナイパー、学習力、串刺しの技能を生かしてVTアシッドスティンガーを射出する
かつん、かつんと、オブリビオンが歩く度に義体した男性の革靴が音を鳴らす。それはこの拠点の破滅のラッパ。最後まで鳴らせば死者の軍勢が文字通り訪れる終末の告げる音。最後まで響かせてはならないそれは、必ず止めなければならない物。
ふと、何かがおかしいと感じたのかもしれない。警戒する様にオブリビオンの本来の姿へと戻り辺りを確かめ始める。白くおぞましいその姿に目はないが、キョロキョロと辺りを見渡し……それを見つけた。腹部に数字が刻印された妙なぬいぐるみが幾つも一人でに動いているのだ。
無論怪しい。だが、彼に下された命令は静かに他のオブリビオン達をこの拠点に入れる事。邪魔になるならば排除する、それだけの事――。
(探検ごっこしてるみたいでワクワクしますけど……ハラハラドキドキのホラー要素も入ってますわね~)
突然後ろから何かの気配が近づいたかと思えば、人で言う所の首の辺りを何か細い物で締められ口を開けなくなったオブリビオン。体に巻き付くそれは芦谷・いろは(傀儡使い・f04958)が操るぬいぐるみ用の細く丈夫な糸。首に巻き付け、そのまま足を浮かせ全体重を乗せて締めあげるいろはの糸はオブリビオンの体の構造上なのか呼吸を止める事は出来なさそうだが、声を上げさせない効果は十分あるようであった。
ともかく糸を払わなければならないとばかりに体を揺らし始めたオブリビオンを、いろはのぬいぐるみがまとわりつき全身に糸を絡め動きを封じる。そして、その戦いを柱の陰から見続ける黒鉄の人型がいた。
(記念すべき一人目のオペだ。光栄に思えよ)
動けなくなったオブリビオンに照準を合わせ観察し続けるブイバル・ブランドー(Venom Tyrant(闇研修医)・f05082)。彼の持つユーベルコードは例えどのような化け物であっても、体の構造さえ分かればどのような相手であろうと有効打を与える事ができるという物。そして、その解析は時間かければかけるほど正確さを増していく。
(……解析終了)
必要なデータを解析し終えたブイバルはオブリビオンに向けて腕を突き出すと、腕を変形させる。出てきたのは彼に内蔵されいる兵器の一つである巨大な毒針。いろはに対して目で合図を送り、拘束を解き彼女が離れた事を確認するとなるべく音を立てないよう空気圧によって射出された針が深々とゾンビの体へと突き刺さる。
「……!……!!」
針に塗られた毒が、そして解析によって得られた情報から撃たれた針の射撃はオブリビオンの神経を破壊しまず声を奪う。これで仲間を呼ばれる事はないはずだ。
(ふふ、暗殺はか弱い女性のたしなみですよ)
どこか物騒な事を考えているいろはであったが、ともあれ二人の奇襲によってオブリビオンに枷を掛けた事は事実であった。
成功
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鬼桐・相馬
血生臭いサンタクロースだな。
【POW行動】
人気のない場所を移動し、案内図や医師、看護士の会話から敵が潜んでいそうな場所を[情報収集]する。病院の僅かな異変・怪談なんてすぐ噂になる。
敵を発見しても[地形の利用]で物陰に潜む。背を向けたら[ダッシュ]し接敵、チェーンソーの刃と手の隙間に[凍てついた短剣]を突っ込む。一瞬動かないだけでいい、飛び退き直後にUC発動し[怪力][部位破壊]をのせた[冥府の槍]で斬る。
攻撃は[戦闘知識][見切り]で避ける。空振りかリネン等の音のしないものに当たるよう気を付けるよ。
この拠点の子供にも、……大人にも。いいプレゼントになるようにしないとな。
共闘・アドリブ歓迎です!
ニア・スクイード
サンタさんみたいに、か。なら――
ズワルトピートが来たよ。悪い子は連れて行っちゃおうね。
転送後は手早く周囲の状況を確認です。
他の猟兵さんが居るなら敵の動きを封じること、告げておきます。
オブリビオンを射程に捉え次第イカスミバインド発射。
壁に縫い止めてから近接戦闘を挑みます。
なるべく正面を避ける事で捕食攻撃に対処。
あえて右腕にまとわり付くようにチェーンソー部分を回避。
適宜スミを追加しながら殴る殴る。べったべただよもう。
完全に無音とは行かないでしょうし、人が出てきてしまうこともあるかもしれません。
そのときは騒ぎが大きくならないよう落ち着かせに回ります。
敵から離れる際はレーザーに十分警戒です。
クリスマスという習慣にはさまざまな伝承があり、その中には良い子にはプレゼントを与え悪い子には子供が嬉しくないようなプレゼントを与えるという物がある。所詮子供達のしつけの為と言えばそれまでではあるが、そういった存在は様々な名前をもって子供達の前へと現れる。
(悪い子の貴方の元に、ズワルトピートが来たよ)
その伝承の中には、黒い肌をした道化師の様な装いのズワルトピートというサンタクロースの従者という立ち位置の存在もいる。そのようなサンタクロースの従者の役割も数多く、そして大体どこも役割は決まっている。即ち――。
(良い子にはプレゼントを、悪い子には罰を。です)
音を立てずにオブリビオンの背後から忍び寄ったニア・スクイード(水辺の都市伝説製造機・f24343)。彼女に人工的に移植された、頭足類に由来する能力によって口から吐き出された粘着性のある墨は、空中で網目状に変化すると命中したオブリビオンを勢いのまま壁へと貼り付ける。
(べったべた……でも、仕込みは上々です)
墨だらけになった口を手で拭い、あらかじめ伝えていた通りに後ろを振り返り目線で合図を送る。それに答え柱の陰より現れたのは、左手にひとりでに霜が降りる凍てついた短剣。右手に悪意を食らい延々と燃え続ける槍を手に持つ鬼桐・相馬(羅刹の黒騎士・f23529)。
(血生臭いサンタクロースだな)
壁に貼り付けられたオブリビオンの動きを決定的に止める為、頭を目掛けて突き付けられた左手の短剣は石壁を音もなく突き通し、オブリビオンの抵抗をさらに弱めていく。
流石に槍で突くのはまずかろうと両手で槍を構え直し、穂先を使いオブリビオンの体を袈裟切りに切り裂く鬼桐。蘇りし死者の悪意すら食い尽くさんとばかりに槍の炎が体へと燃え移り、その身を焼いていくが今だに抵抗を見せるオブリビオンを見て追撃とばかりに近づくスクイード。
(いいかげん、しぶといです)
墨の拘束もそろそろ限界、ならばとばかりに頭に刺さった凍てつく短剣を抜き、もう一撃とばかりに突き刺そうとする。時間はない、頭の中に幾つかの案が巡り。
(ここだ!)
選んだのはチェーンソーと腕とのつなぎ目。おそらく、何かしらの起動に関わっているはずのそこを一刺し。それを合図とするように拘束が解け、体を蹴って後方に跳んだスクイードは手に持つ短剣を鬼桐へと渡す。
(済みません、勝手に使いました。お返しします)
(気にしなくていい。むしろ回収の手間が省けた)
かなりのダメージを与え、音の発生源となりゆる場所もほぼ潰れただろう。二人のブラックサンタクロースによって、緒戦は猟兵達へと天秤が傾きつつあった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フィロメーラ・アステール
「抜き足、差し足……っと」
自前の【空中浮遊】に【忍び足】ムーブをプラス。
足音しないアンド静音で突入だー。
無音でも光の妖精が光ってたら目立つ?
光には不可視光線って、目に見えないやつがある!
ちょっと【気合い】入れりゃ波長を変えるくらい余裕さ。
これも一種の光学【迷彩】ってやつ?
【物を隠す】効果を発揮して、姿を隠すぜ。
戦いは【星界式光速魔法術】で行う。
魔法の詠唱や魔力を全て光に変換し、照射する技だぞ。
つまり基本的に、音としての詠唱を行わずに魔法を使える。
こいつで【破魔】【属性攻撃】の不可視の光を放つ。
みんなが場を整えてくれたけど派手に暴れたら困るし?
【全力魔法】を込めた【先制攻撃】で勝負を決めたいな。
多数の猟兵達の攻撃を不意に受け、今にも朽ちそうな体のオブリビオン。だがその体はまだ動いている。そして彼には戦えずとも、彼らに一矢報いる方法が一つだけあった。
すなわち、この場を逃げ切りこの状況を他のオブリビオンに知らせる事。それだけでこの状況は一変するはずなのだ。最早攻撃に力を割くことはなくただ耐え、包囲に一瞬の隙が無いかと目を配らせるオブリビオン。そして、わずかに見つけたその隙間に向けて全力で走り抜け――。
(おーっと、実は此処は行き止まりなんだぜ?)
見えない何かから放たれた、見えない何か。おそらくそれに込められた破邪の力はオブリビオンの体だけを貫いて、その魔性の命だけを蝕んでいた。
(抜き足差し足でずっと潜んでた甲斐があるってもんだぜ)
果たして羽根で飛ぶ事に抜き足差し足というのがどのようにかかわるのかはともかく。謎の攻撃の放ったのは、自身の力で姿を隠していたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)であった。光の魔術を使う彼女にとってこの暗闇の中、誰のも気が付かれない様にするという事は不可能の様に思えるかもしれない。
だが、光という物は目に見えない光という物も存在する。自ら発する光の波長を変え見えない物にし、自らの体を光から隠す等というのもまた光を操るという事なのだろう。体を貫かれ、存在を維持するだけの存在となったオブリビオンの上を取り、止めを刺すべくフィロメーラを指を向ける。
(誰かをいたぶる趣味とかないからなー。今楽にしてやるぜ)
詠唱も魔力も。その全てを見えない光に変えた一撃がオブリビオンの体を貫き、その体を塵へと変える。
一つの戦いが終わり、ひとまずこの拠点に迫っていた危機は去った。だが外にいるオブリビオン達がこの拠点に何かの拍子になだれ込めば、その結末は悲惨なものとなるだろう。
脅威の芽は全て積まねばならない。静かにその場を去った猟兵達は、オブリビオンが向かっていたであろう先へと歩みを進めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『フレイムアーミー』
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POW : ファイアスターター
【火炎放射器の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【ゲル状の燃料を燃やすことで生じる】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : トリプルファイア
【火炎放射器】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ : ヘルファイア
【火炎放射器の炎】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を炎で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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密かに潜入していた内通者を倒した猟兵達は、倒したオブリビオンが向かっていた先を音を立てずに歩いてゆく。やがて眼下に見えてきたのは病院の裏手にある非常口、そしてその前で淡く点滅する光の塊であった。
隠れながら様子を伺えば、見えたのは火炎放射器を両手に抱えた二十体前後の兵隊達。洩れだす炎が闇夜を薄く何度も照らし出している彼らをこの中に入れてしまえば、待っているのはまさに地獄絵図であっただろう。
だがその企みは、内通者であったオブリビオンを倒したことで崩れつつある。この突入部隊を倒せば、彼らの作戦の失敗は決定的な物となるだろう。
彼らに気づかれている様子はない。非常口の周りは病院の建物以外隠れられそうな場所はないが、この闇夜を使えばある程度は近づくことができるだろう。窓から飛び降り静かに着地した猟兵達は気取られない様にオブリビオンへと近づいてゆくのであった。
ニア・スクイード
頭上は、意識的な死角でしょうね。
触腕変化を使って腕を変異、吸盤を使って張り付きながら上を取ります。
少しでも気づかれにくいよう、ニードルシューターを敵隊列の後方に打ち込み、その後飛び降りて襲いかかる。ガァオ。
相手の得物は火炎放射器、近距離が危険なのはわかってます。
なので触手で足払いをかけ、転倒させて混乱を誘いましょう。
パニックに陥ってくれればそれに乗じてクチクラブレードでトドメを。
串刺し、です。
相手が立ち直って来たら、無理はせずに一旦引きましょう。
足を触手に変えて壁や敵の身体を足場に使いながら跳ね回ります。
人型。火炎放射器。
まるで、悪意を形にしたみたいですね。ひどく気分が悪い。
(人型、火炎放射器)
ユーベルコードで自らの腕をイカの触腕へと変化させ、気が付かれないよう病院の壁を伝い彼らの上を取ったニア・スクイード(水辺の都市伝説製造機・f24343)は不快感に体を震わせる。
なまじ、彼らが人型であるせいであろうか。そのような敵がこれから、この病院の中で此処に住まう人々を焼き払おうとしていたというその事実が、人の悪意を形にした様にどうしても見えてしまう。
(……気分が悪い)
あまり長く見ていたい物でもないと、触腕の一つに内蔵された小型のクロスボウを取り出したスクイードは最後列にいる敵へと狙いを定める。彼ら自身が作り出す明りを頼りに、クロスボウの照準を頭へと合わせ――引き金を引く。
放たれた矢がマスクを貫き、彼らの一人を打ち倒す。それに気が気が付いたオブリビオン達が後ろを振り返ったと同時に、張り付いていた壁から離れたスクイードは彼らの中へと飛び込んだ。
手ごろにいた敵の足を触腕で取り、転ばせた敵を別の触腕に内蔵された刃で貫き止めを刺す。
(まず二人……三人)
同じやり方でもう一人のフレイムアーミーを串刺しにする。無論、彼らのやられたままというわけにもいかない。一人のフレイムアーミーがスクイードに向けて火炎放射の先を向けるが、足を触腕へと変えたスクイードは近くにいたフレイムアーミーの一人へと足を絡ませて、照準を合わせてくる兵士へと投げ捨てると同時に後方へと飛び、病院の壁へと再び張り付く。
(タコ焼きにはなりたくないので先に喰ってやるです。ガァオ)
再び上空から襲い掛かる恐怖に、徐々に混乱を深めていくフレイムアーミー達。陸上の海の悪魔達の腕がしなやかに、暗闇の中を舞い踊っていく。
成功
🔵🔵🔴
鬼桐・相馬
建物に燃え広がったら終わりだな、気を付けよう。
【WIZ行動】
敵が集団で固まっていることを利用するよ。
[凍てついた短剣]を構え、[闇に紛れる]で集団に気付かれないところまで接近、[ダッシュ][ジャンプ]で集団の真ん中に突っ込む。火炎放射器は避け致命傷となる部分を[怪力]をのせ攻撃。密集した中で火炎放射器は咄嗟に使えないだろう。その場でUCを発動し、すぐに退避。
その噴射口を塞げ、美味いエサが沢山出てくる。
距離を取った後は[ヘヴィクロスボウ]で一体づつ確実に仕留める。
敵の火炎放射は回収した天獄の炎を壁にし、[火炎耐性][激痛耐性]と共に受ける。
炎勝負なら負けるつもりはない。
共闘・アドリブ歓迎です!
芦谷・いろは
あらあら、団体さんで出待ちされちゃってる感じですかね~
これはこれはご丁寧に
仕方ないですね、襲さん(あやつり人形)一緒にファンサーって奴しに行きましょうか
しっかり襲さんと【手をつなぐ】
『古ぼけた童謡』を使用し、味方が大変そうな所へテレポートしていきますね
熱々で熱烈な敵さんからの攻撃は襲さんで【武器受け】をし、【なぎ払い】
時々【敵を盾にする】していきながら
物理的にも熱そうな歓迎していきましょう
操作糸やあやつり人形を使って上手い事攻撃して期待に応えられればいいのですが?
いろはは、こういうの不慣れなんですよね
ちょっと大きくド派手に【範囲攻撃】なんかして、一杯巻き込んでしまったらごめんなさいですよ
戦場には鬼が潜むとは言うが、凍える短剣を片手に文字通り集団へと飛び込んだ闇夜の鬼は、運悪く着地地点にいたオブリビオンの火炎放射器の隙間を縫うように短剣を突き付ける。
(要塞化しているとはいえ、建物に炎はまずいな)
短刀を引き抜き、もう片方の手でマスクの上から頭を殴り倒した鬼桐・相馬(一角鬼の黒騎士・f23529)。一旦病院に炎が燃え移れば少なくともこの病院を再び拠点として使う事は出来なくなるだろう。
それは、此処に住まう者達を危険にさらすことに他ならない。それではここの敵を倒したとしても何も残る物がない。どこかはやる気持ちを抑え、次なる敵を求めた瞳が見た物は自身を囲む兵士の数。
(……少し深く踏み込みすぎたか)
今まさに放たれようとしている炎を防ぐため備える相馬。火炎放射器のトリガーに指がかけられたその刹那。
(かーごのなーかのおーにーさん♪)
上から掛かる声に相馬が視線を移せば、ふわりと宙ではためく紫の着物。片手に紫色のぬいぐるみを、もう片手に火炎放射器を脱がせたフレイムアーミーの一人を連れた芦谷・いろは(傀儡使い・f04958)は、相馬に向かって放たれた火炎の一つの前にフレイムアーミーを放り投げ盾代わりにすると、二人は彼の後ろへと隠れる。
憐れ、味方の火炎に焼かれるフレイムアーミーを使い、四方八方から迫りくる炎を凌ぐと同時に、いろはの操る大型のからくり人形『襲』は敵陣をするりするりと駆け抜けて、自身へと繋がる操り糸を彼らに絡ませる。
そのまま十指をいろはがぐいっと引き寄せれば、フレイムアーミー達はピンと張られた糸に巻き込まれ体を切り裂かれ転げまわり、相馬の包囲に一部の隙を作る。
(助かった)
(いえいえ、さっさと抜けてしまいましょう?)
崩れた一角を抜けて一旦二人は距離を取ると、相馬が取り出したのは黒塗りのヘヴィクロスボウ。威力のみを重視し、最早人が扱えるものではないそれを羅刹の怪力をもって滑車も使わず片手で装填せしめる。
そして、矢に淡く金色に光る白い炎を灯らせると、密集した敵の一人へと狙いをつけた。
(お前達の炎、こいつは喜んで喰らうぞ)
放たれた矢に灯る炎は、矢が命中したフレイムアーミーの火炎放射器の燃料を食らい燃え上がり、相馬の意思に従い更に隣へ、更に隣へと次々に燃え広がってゆく。
やがて炎は鎖が如く巻き付き彼らの自由を奪い、それら全てを地べたへと這いつくばらせる。
(あらあら。お見事!)
(お前達の炎と、俺の炎。どちらが上かは、はっきりしたようだな)
最早彼らに二人の手を逃れる術はない。人外の矢が、そして人外の形が彼らを冥府の底へと連れ戻したのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フィロメーラ・アステール
「派手に燃えそうな敵が出てきたな……」
倒したら爆発炎上しないか?
こいつは苦労しそう。
ちょっと全力を出して疲れたから控えめに。
みんなが気兼ねなく攻撃できるよう、裏方に回ろうかな?
【迷彩】効果を維持したまま【空中浮遊】してこっそり動く。
気の抜けてる分だけ静か~に【暁天さやけし万象の星図】を発動。
真空の宇宙空間を展開し、音を遮断するぜ。
あたしは流れ星だし、真空くらい宇宙【環境耐性】で平気さ。
んで光を透過しないよう性質を変化。
夜空に紛れて戦場を覆い、場にある【物を隠す】ぞ。
戦いの光や音を外に出さないよう支援。
真空状態を利用して、敵を昏倒させたり、炎上を防ぐことも可?
余裕があれば、そういう形でも手伝う。
猟兵とフレイムアーミーとの戦いと同じくして。いくばかのフレイムアーミー達が病院へと近づいていた。
彼らの目的はこの拠点を破壊する事。理想は内部への潜入を成功してから行動に移るべきではあるが今の状況でそれを望む事は出来ないだろう。
ならば、この病院を外から炙りだしてしまえばいいと考えた個体は、この建物を灰とするべく火炎放射器をトリガーを引き。
出るはずの炎が、灯らない。
(そんな危ない事しちゃダメだぜ君達!)
彼らは気付いてはいなかった。すでに彼らがいる場所は酸素無き真空地帯。フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)のユーベルコードによって顕現した宇宙空間によって、彼女の能力と夜の闇が合わさり音と光を閉ざす空間になっていた事に。
そうとは気が付いていないのか、空しくトリガーを引き続けるフレイムアーミー達の姿を光を操る迷彩によって透明になったフィロメーラは宙に浮かびながらそっと観察していた。
(んー?ちょっと力を使いすぎたから温存気味だとはいえ、呼吸できなけりゃ気付きそうな物だしそろそろ倒れると思うのだけどなー。もしかして死んでたりするのか?)
人の元まで光を届ける事はないが確かに存在している遠く離れた恒星が如く、彼らの行動をつぶさに見続け、疑問を抱くフィロメーラ。しばらく様子を見ていたが、どうやら同じ行動を続ける彼らを放置しても問題ないだろうと判断した彼女は、流星が如く他の猟兵達が輝く戦場へと向かうのであった。
成功
🔵🔵🔴
キャロ・エレフセレリア(サポート)
静かにしないといけない場面を除いて台詞に「!」が付く。うるさいくらいに元気
人を呼ぶ時は敵以外には誰にでも「名前+さん」
●戦闘
相棒機『メガロス』や各種ガジェット、アイテムを駆使する
『迷彩』で身を隠し『プチメガロス』で偵察しつつ敵を引きつけて、最大火力の『メガロス大爆炎波』を叩き込むのが好き
火力任せの面制圧からスナイパー技能を活かした狙撃や『メガシュピラーレ』で串刺しにして敵の動きを封じるなど、援護や中距離戦もできる
●冒険
情報収集、暗号作成にハッキングなど主に機械類に対する技能を発揮する
『武器改造』『防具改造』の技術でハッキングしやすいように改造するなど強硬手段も躊躇わない
グロリア・グルッグ(サポート)
おおっと戦闘案件ですか。いいですよ、受けて立ちますよ。
死と隣り合わせな星の海で鍛えられた騎兵の速さを教育して差し上げましょう。
騎兵走法で上空へと駆け上がり、滞空することで敵の頭を押さえます。
技能ジャンプや空中戦で高度を確保しつつ、二翼の電子鳥を放って攻撃を仕掛けましょう。
電子鳥はオートで攻撃してくれるので、私はサンダーロッドを構えて上空から雷の属性攻撃をばんばん撃ちますよ。
高速詠唱での連打で倒せるなら良し、または好機があれば杖に雷の魔力を集中させて槍のように武器改造します。
雷槍に全力魔法を注ぎ込み、ランスチャージからの騎兵突撃で敵陣を薙ぎ払ってやりましょう。
(ここがこうなって……ああもう合わないじゃない!)
暗闇の中、何かしらの機械を組み立てようとしていたそれは彼女達の種族にしては、奇怪な鉄を纏った羽をもつ妖精キャロ・エレフセレリア(たーのしー!・f12156)その人である。
(少しはオクルスで見えるけどメガロス使うわけにはいかないし!)
隠密性を重視し、自身が組み上げたメガロスは此処にはない。代わりにこの状況で使えるガジェットを用意した、というよりも召喚したのではあるが暗闇の中では思うように組み立てが進まないでいた。
焦る気持ちを抑えながら両手に抱えた鉄のパーツをはめ込み、次の作業へと移ろうとした彼女であったが。
(……あ、ヤバイ)
彼女が見た物はこちらへと近づいてくる多数のオブリビオン達。自身の小ささ故か、まだこちらに気が付いている様子はないがこのままでは鉢合わせは時間の問題だろう。
せめて組み上げているガジェットだけは守らなければならないと、手持ちの道具を漁っているその時に。
彼女と、オブリビオンの間に割って入る影が一つ。
(隠密性重視の為にエンジェルは持ってこれませんでしたが)
普段は鎧装騎兵、そして電子を操る魔術師という顔を持つグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)の愛機エンジェルも此処にはない。電子を使う魔術にしても派手な事は出来ないだろう。
(だから、どうしました)
杖を槍の様に構え、稲妻と共に敵をまず貫くと、二翼の電子鳥がグロリアの隙を補うように飛び回りフレイムアーミーの攻撃を防いでゆく。
(この程度で貴方達に遅れを取る程軟弱だとは思わない事ですね)
姿勢を低くし、火炎放射器の射線から逃れると同時に地を薙ぎ、周りにいるオブリビオン達の足を取る杖の一撃。上空を飛び回り主を守るように動く電子鳥。その一人の二匹の戦いぶりは実に地に足を付けた戦士としても十分に通用する戦いぶりであった。
そして何より、状況が物語っている。キャロを守るために彼女はオブリビオン達の前に立ち戦っているのだ。答えないわけにはいかないだろう。
(――今のうちに!)
戦況は変化した。ならば作るべきガジェットも変わってくる。だが完成形が見えた以上、先ほどの様に後れを取ることはない。
グロリアが両手に持った杖でフレイムアーミーに直接電撃を流し、痺れさせていた所で、ついに完成したそれを。
(後ろに跳んで!)
目線で離れろと言う妖精に、馬無き騎兵は答える。後ろへ下がったと同時に、キャロのガジェットは空中へと何かと投射。それは、大きく広がるとフレイムアーミー達を覆いつくし、そして彼らを一か所に集めるべく収縮していく。
全てが終わった後、彼らに絡みついている物をよく見ればそれは網であった。金属で編まれた頑丈な網は、この場所にいたすべてのオブリビオン達を閉じ込め少なくとも今の所は完全に無力化していた。
(……金属の網……なるほど)
この網の作り主に目をやれば、こちらの何かを期待して笑っている様であった。
(鉄は、電気を通すってわけですか)
詠唱を行わずに、できるだけ杖に込めた魔力を最大にして、網に囚われた兵達の前に立ったグロリアは。
(mission failed……って奴ですよ兵隊さん)
ただ網に杖を触れる。それだけで捕らえられたオブリビオン達にグロリアが最大にまで練り上げた電撃が奔り、叫び声も上がる前に黒焦げの燃えカスが残るのみとなっていた。
(うっわー、すっごい威力)
(次があるなら、ちゃんとした人間に生まれ変わってくださいね?)
これで、裏で待機していたフレイムアーミー達は全て片付けた。後は、この作戦を率いるボスを倒すのみである。
すべてを終えた猟兵達は表の方へと静かに移動を始めるのであった。
成功
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第3章 ボス戦
『サイバーレイダー』
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POW : パワーアシストアーマー
予め【パワーアシスト機能に充電しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 奪い尽くす者達
レベル×1体の、【タトゥーで額】に1と刻印された戦闘用【機械化レイダー軍団】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : レイダーズシャウト
【略奪を宣言する叫び声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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それは案外早く見つかった。荒野の真ん中に、ひときわ目立つ大きな乗り物に乗った人物。体中に機械を取り付けたような巨漢からは、おおよそ生者の吐息という物を感じられず、ただ拠点の方をじっと見つめていた。
おそらく彼は死んでいるのであろう。だが、何らかの要因でその死体が動き、そして生きとし生ける物すべてに憎悪するが如くこの戦いを引き起こしたのだ。
彼の様子から、どうやら猟兵達の行動は勘づかれていない様だ。ならば、後はこの敵を全力をもって倒すだけだという事。
今までと同じような手段を用いるのもよし。無論、いつも通りにやってしまっても問題はないはずだ。ここでならば、誰にも聞かれることなくこの戦いが終わるころには朝を迎える事だろう。
拠点の彼らにはプレゼントは配り終わった。後は最後の戦いを無事に終え、サンタクロースは去るとしようではないか。
ルベル・ノウフィル(サポート)
やぁやぁ、通りすがりのサポート猟兵でございます
味方がいればこの身を呈して庇いましょう
僕を肉壁とお呼びください
星守の杯で回復要員もできますぞ
ソロ戦ならリザレクトオブリビオンで死霊騎士を前に出し自身は蛇竜に乗って霊符彩花を念動力で放ちましょう
接近戦なら妖刀墨染、隠し芸のトンネル掘りで敵の足場崩しもできますぞ
ん?探索と日常?クイズ?
それは困りましたね
僕は頭がふわふわしているとよく言われます
しかし、わかりました!
そちらのサポートも僕に任せてください
現地の人と友好的に話して世間話風に質問したりして探索しますとも
あと僕、白い狼になれます
NGなし、口調も性格もキャラブレ楽しむ派なので全て好きにしてください
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌の【薙ぎ払い】と鎖分銅の【ロープワーク】による【2回攻撃】がメイン。
遠距離戦では宇宙バイク内臓のビーム砲で【薙ぎ払い】
その他状況によって【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
芦谷・いろは
だめですよ~?
サンタさんなんですから、去り際も静かに
残すのはプレゼントと夢だけなんですからね~
だから静かに、暴れないで倒されちゃってください
《第六感》を駆使して、相手の死角に回り込みがなら《ダッシュ》で近づき
【七星七縛符】を使用します
少しぐらいは無理は出来るんで、他の猟兵の方々よろしくお願いしますね
後は、《ロープワーク》の要領で操作糸を相手に絡ませ
少々動きずらくなって貰えれば良いな~なんて思ってたりしますが
出来ますかね?
叫び声も、五月蠅い他のお仲間さんも呼ばせはしません
子供達が起きちゃうかもしれないですからね~
それはいろはとしては頂けないですよ
空が明るく色づき始め、夜明けが近い事をこの世界に住む人々に太陽が囁き始める。
例え、どれほどの人々が生きる屍になろうと、世界の巡りという物は変わらない。そんなまだ光が差したとは言えない世界の中、夜を通して人知れず戦い続けた物達がいた。
「朝が来る前にこれだけは終わらせておかないとですねー」
何処からか飛ぶ声と共に、紙で出来たとは思えぬ速さでサイバーレイダー目掛け飛翔し、その背中へと張り付いた護符は妖しげに燃える炎を吹き出し彼の体を一重二重へと覆ってゆく。
「いろははサンタさんなんですから、去り際も静かにしないといけないのです。……だから、静かに、倒されてくださいねー?」
最早誰に聞かれるわけでもないだろうと普段と同じような。しかし何処か苦しそうな声ながらも、芦谷・いろは(傀儡使い・f04958)は変わらぬ笑顔を敵に向け、拘束する炎の勢いを強めてゆく。
魑魅魍魎を調伏せしめる陰陽の技。例え世界の理が違えども、その力に陰りはない。
(……でもちょっと、辛いかもしれませんわねぇ)
敵のユーベルコードすら縛るその力の源は術者の命の力、すなわち寿命。そう簡単に尽きる物ではないにしろ、何か大切な物を奪われているという感覚はどうしてもぬぐえず、体の中で苦痛として表れていた。
無論、だからと言って逃がすわけにはいかない。仲間を呼ぶ為声を上げようとした口を炎で縛る。
と、別の個所から飛んできた鎖が更にオブリビオンの体に戒めを掛けてゆく。
「そんなに無理しなくても大丈夫っすよお嬢さん」
ぐるりぐるりと不規則に、オブリビオンの体へと鎖が回り、気が付けば炎と鎖の雁字搦め。どれだけこのオブリビオンに力があろうと抜け出すにはかなりの時間を要するはずだ。
「あんまり無茶しちゃダメっすよ?皆でやればなんとかなる事ばっかりっすから」
鎖を操っていたリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は、両手で鎖を引っ張り拘束が完全に決まっている事を確認すると、少しぐらいなら力を弱めても大丈夫だと、いろはへ言葉を送る。
「……むぅ。あんまり子ども扱いされても困るのですよねぇ。ともあれ、後はお任せしますねぇ」
ここで張り合っても何の得もない。どこか腑に落ちないが、体に苦にならない程度まで力を弱め、合図を送れば物陰に隠れていた猟兵の一人がサイバーレイダーの前へと立つ。
「御前建てどうも!……ほら、出番だよ墨染」
それは朗らかながらもどこか深い闇があるような雰囲気の少年、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)。愛用の刀である妖刀『墨染』を両手に、どこを切ればよいかを暫し目で探る。
拘束を解こうと藻掻くオブリビオンの力は強く、そうは持たないだろう。だからこそ、闇雲に切ってはいけない。切れて2度。ならば、なるべく深く、なるべく奥に、だ。
(……貴方様はどれだけ人を殺したのでしょうか……それともまだ生まれたばかりなのでしょうか)
言葉には出ない。表情にも出さない。薄く笑うその瞳の奥の仕舞事と共に、前へと踏み出す。
「墨染、今日はあまり哭かない様に」
子供たちが起きてしまいますからと。首元の鎧を抜けるように隙間を縫って、左から右へと刀を入れて文字通り通して、切る。返す刀で再び鎧の隙間を通して腕の健ごと骨を断ち、肉を削ぐ。それと同じくして拘束が解かれ3人はオブリビオンから距離を取る。
「ちぃ、馬鹿力っすね!」
「まあでもぉ。また、いろは達で動きを止めるので」
「委細承知しております。このまま行きましょう」
喉を切られたが故か弱弱しい声を上げて威嚇するサイバーレイダーの前で、3人が頷きあう。この拠点のサンタになる為の、最後の仕事が今始まったのだ。
成功
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鬼桐・相馬
ふう、やっと周囲を気にせず動ける。
【POW行動】
攻撃は極力回避に努める。これまでの[戦闘知識]から動きを[見切り]、回避し切れないものは[武器受け]。危ない味方は[かばう]よ、怪我しても炎が補う。
こちらの攻撃は敵の脚周りに集中。どんなに怪力だとしても、踏ん張る土台がなければ意味がない。[冥府の槍]で[怪力]による[部位破壊]を狙う、脚の接合部……膝に当たる部位付近か。
戦闘力を増強された時がチャンスだ。こちらもUCを発動し、脆くなった脚部を切断する。
この時を待っていたんだ。
動きが鈍くなったら引き続き部位を破壊していくよ。
……お前が死して尚動くことになった理由、何だろうな。
連携・アドリブ歓迎です!
フィロメーラ・アステール
「ここなら我慢する必要もないっぽいな!」
炎は消える前にいちばん輝くとか何とか!
夜明け前の星もまた同じ、もうひと頑張りだ!
【気合い】を入れなおして【全力魔法】ふたたび!
明けの明星のごとく輝く【パフォーマンス】を見せよう!
【おわりを印す天の客星】を発動!
終焉を告げる星霊を呼び、【破魔】の光を放つ!
これで能力強化とか召喚された手下とかを消すぜ!
【空中浮遊】すれば敵が増えてても全体に照射できる!
ついでに沈静の魔力で、憎悪の気持ちとか、死体を動かしてる力を沈静化できたら敵の動きが鈍るんじゃないかな?
鈍らなくても聖なる光で【目潰し】できるかも!
もう夜明けだし!
闇の住人がおやすみするには良い時間だと思うぞ!
ニア・スクイード
初めはゾンビ、終わりもゾンビ。
彼らはいったい何処から来たんだろう。
問いかけても答えは期待出来なさそうです。
今回は正面から行きましょう。触腕変化を使って跳ねるように仕掛ける。
機械部分は、多分私のブレードでは抜けませんね。
呼び出される部下に気をつけながら関節や生身の場所狙いで。
ニードルシューターも使ってヒットアンドアウェイで削ります。
動きが止まったら充電中かもしれないので警戒。
部下は出来れば合体される前に仕留める気持ちで。
荒野と瓦礫。
こんな世界じゃクリスマスだって言われてもピンと来ないだろうけど。
貴方も、もう眠ろうね。
おそらく今も拠点を包囲するオブリビオン達の指揮の為に、戦場の後方に陣取っていたサイバーレイダー。それは多少なり事が大きくなろうと少なくとも拠点側を騒がせる心配はなくなっているという事に他ならない。
すべてのオブリビオンの謀略を阻止し、最早後顧の憂いはない。
「黄泉還りなんて言う物は、強い思いがなせる業……などとは言うが」
何もはばかることなく力を出せる。その心地よさを自らの怪力と共に槍に乗せた鬼桐・相馬(一角鬼の黒騎士・f23529)が狙うは、その巨体を支える足。
どのような体であれ、地に足を付けてこその力。それを奪う為地面の少し上を横へ薙いだ一撃は、彼の足へとめり込んだが倒すには至らない。
「始まりもゾンビ、終わりもゾンビ。この世界はゾンビだらけです」
その相馬の体に隠れるように姿勢を低くしてサイバーレイダーへと突貫したニア・スクイード(水辺の都市伝説製造機・f24343)は足をイカの触腕へと変化させ、撓らせた足の反動を使い宙へと跳ぶ。
人の体では不可能であろう機動から弧を描くように繰り出されたブレードが肩を切り裂き、彼の体の傷をまた一つ増やしてゆく。
「貴方達はどこから来た……なんて言っても答えられませんね」
「そーいう難しい話はあたしはパスだな!」
遠くから見守る様な星の明るさはもういない。朝焼けの空に光る星の如く、その輝きを増したフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が呼び寄せた星の霊が放つ閃光がサイバーレイダーへと向けられる。
創られた物を還す力を持つ閃光は、黄泉還りの体を黒い炭の様に炭化させるがどうにも決定打には至らない。
「んー、今までの奴とはやっぱり一味も二味も違うな!」
「それだけの火力があれば十分だフィロメーラ」
スクイードへ向けられた攻撃を槍で庇い、フィロメーラへと視線を向けた相馬。無音の中戦い続けたせいであろうか、それとも目は口ほどに物言う等ということわざにもあるからであろうか。
ほんの少し相馬が向けた視線の先をフィロメーラは、そしてスクイードが見逃さない。
「なーるほど。お前の終わりが見えたぜオブリビオン!」
先ほどよりも魔力を込めて、更に狙いを絞り威力を上げる。狙う先は、彼の足。
「闇の住人はそろそろお休みの時間だぜ!」
「そういう、事だッ!」
先ほどよりも高い威力で発射された閃光はオブリビオンの足の一部分を完全に炭化させた。その再生を待たず、黒炎を纏わせた相馬の槍が焼き切る様に炭化させた部分を切り離し、丸太の様な足が宙へと舞う。
そして、それと同じように再び宙へと舞う黒い影が一つ。
「そろそろ、夜明けです」
顔に向けて空中から放ったクロスボウの弾丸は、オブリビオンの腕で弾かれた。だが、その勢いで転倒したサイバーレイダーへと向けて、両手で刃を持ったスクイードが迫る。
「貴方も、もう眠ろうね」
落下のスピードに全体重を乗せた一撃は、その頭を貫いた。肉を、そして地面の土を抉る感触が伝わり、痙攣する様に動いていたオブリビオンの手足は完全に止まった。
彼にとって、それがどのような物かは分からないが、それが猟兵達が送る最後のクリスマスプレゼントであった。
太陽が昇り、人々が目を覚ます頃。
銃を両手に抱えた大人が窓から外の様子をうかがい、驚愕に目を見開いていた。
あれほど、拠点の周りを覆っていたオブリビオン達の姿が忽然として消えていたのだ。
いったい、何が起こったのかわからず困惑する大人達の足元で、銃声や恐怖に悩まされなくなった子供達が走り回っている。
一時の物であろう。だが、それは確かにその拠点の人々が得た安息の日々であった。
成功
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