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地下迷宮の贈りもの~災魔が生み出すさまざまなもの~

#アルダワ魔法学園


●グリモアベースにて
「みなさま、お集まりいただきありがとうございます。急に寒くなって、季節を感じるようになりましたね……さあ、依頼のお話をいたしましょうか」
 グリモア猟兵のアゼリア・リーンフィールド(空に爆ぜた星の花弁・f19275)が一度礼をし、用意してあったボードに資料を貼ってゆく。

 今回の目的地はアルダワ魔法学園。地下迷宮の一つで災魔が異常発生し、あふれるように上層階へと向かってきている状態だという。
「地下迷宮を調査探索していた生徒さんが休眠状態にあったフロアボスを刺激してしまい、結果暴走。手下の災魔だけでなく、罠や蒸気機関、他にもがらくたや食べ物や……とにかく色々なものを無尽蔵に生み出している状態です」
 フロアボスのいる場所は洞窟の様相を取った迷宮の先にある。元々シンプルな大部屋だったのだが、もはや汚部屋顔負けの状況になってしまっているらしい。
「なぜそんなことになったかというとですね、くだんの生徒さんがフロアボスの性質に目をつけ、物資の補給を目論んでちょっかいを出してしまった、と。そうですね、その能力を制御できたら確かに便利かもしれませんが……さすがに災魔相手では生徒さんだと手に負えなかったのは当たり前ですね」
 要は、眠っているのをいいことにガジェットやら魔術やらを用いて、好きな物資が手に入るような機構を作ろうとしたらしい。

「ええと、生徒さんは無事学園まで逃げおおせましたが……『楽して稼ぎたかった』『叩いて何か出てくるってロマンじゃない?』『剥ぎ取りは素材集めの基本』『まさか食べ物どころか災魔まで生み出されるとは思っていなかった』など供述しているようです」
 ちらっとアゼリアが猟兵たちに見せた写真には、学園内の廊下で正座している数人の生徒の姿があった。全員反省の顔を見せているが、なぜだか清々しい様子。
「やってしまったものは仕方がありません。わたしたちのお仕事は、それを大ごとにしないことですから。でも、ただの尻拭い、だとみなさまも釈然としませんよね?」
 にっこり、と笑みを深めるアゼリア。ちょっととぼけたように顎に手を添えた。
「そういえば、もうすぐクリスマスですね。みなさま、プレゼントは考えていらっしゃいますか?」
 どういうことだ、と猟兵の一人が問う。アゼリアが言うに、フロアボスの性質を利用してクリスマスプレゼントを用意してしまおうという提案であった。
「やらかした生徒さんによると、ボスが生み出すものは本当に何でもありみたいで、しかも周辺にいる誰かの意図を反映している傾向にあるみたいなのです。例えば、用意したいプレゼントを考えながら攻撃したら、それに近いものが生み出されると思うんです」
 それはそのものでも良いし、逆に素材を生み出させて自身で加工することも良いだろう。ただし生み出されるものは自分の手元に現れるとは限らない。それこそフロア全体を探す羽目になる可能性もゼロではないのだ。とにかく、それはフロアボスを撃破してからの作業になってしまうが。

「さ、では今回の依頼をまとめますね。アルダワ魔法学園で災魔がぽんぽん生み出され上を目指して侵攻しようとしています。まずは生み出された災魔を撃退し、暴走しているフロアボスを撃破してください。ついでにクリスマスプレゼントを探しちゃいましょう、ということです」
 生み出されている災魔はゴーレム型、ネットを飛ばして行動を阻んだりトリッキーな遠距離攻撃を仕掛けたり、大勢で連携して襲い掛かってくる。
 フロアボスは動くことは無いが、様々な罠や災魔を作り出して攻撃させたり、自身も強力なビームを放つことがあるようだ。
「ではみなさま、楽しいクリスマスには準備が必須です。頑張ってきてくださいね!」


蜉蝣カナイ
 皆様こんにちは、蜉蝣カナイです。
 急な気温の変化についていけないですが、気付いたら十二月。寒いのも当たり前でしたね。

●構成について
 第一章:集団戦
 わんさかあふれてくるゴーレムの災魔をやっつけて先への道を切り開きましょう
 第二章:ボス戦
 欲しいものを思い浮かべながらぶん殴るとフロアのどこかにそれが生み出されるかもしれません。なお、公序良俗に反するものは採用いたしませんのでご了承ください。
 第三章:日常
 フロアボスを撃破しても物は消えません。だだっ広い汚部屋の如きフロアの中から、欲しいものを探しましょう。ちなみに罠も埋まっているかもしれませんが、フロアボスを無力化しているので発動しません。

 また、第一章、第二章に参加していなくても第三章の参加は可能です。すでに生み出されている物の中にあなたが探すものもあるでしょう。
 なお、イメージはピニャータでお送りいたします。

 皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『スチームゴーレム』

POW   :    対猟兵捕獲ネット弾
【対象の回避行動を予測した後、両腕】から【ユーベルコードを封じる捕獲用ネット弾】を放ち、【対象をネットで捕獲する事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    掘削用誘導弾ランチャー
レベル×5本の【先端が削岩用のドリルになっている、機械】属性の【、迷宮の壁や床を掘削して襲来する、誘導弾】を放つ。
WIZ   :    ニューバイパス
【迷宮を掘削して構築していた別通路を利用】【して、対象を包囲する様に別部隊が攻撃】【を行い、部隊間で連携して攻撃する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
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●おもちゃの兵隊の行進(おもちゃではない)
 がしゃんどすんとゴーレムがゆく。
 狭い扉も何のその、しっかり整列、規則正しく前へゆく。
 分かれ道はあれど行き止まりは無い。壁なら壊してしまえばいいのだから。

 そのフロアは洞窟のようだった。薄暗い中、魔力の照明が岩の壁を冷たく照らす。
 いくつもの分かれ道を選び先へ進めば、フロアボスの待つ部屋への扉があるだろう。

――その前に、四方から響く機械音の主をどうにかしないといけないのだが。

 曲がり角から、ゴーレムの発する蒸気がちらりと覗いた。
デナイル・ヒステリカル
災魔の発生と伺ったときは緊張感が走りました、しかしそれほど危機迫った事態でない……のでしょうか?

とは言えオブリビオンの相手は猟兵がするもの。
敵の進行が進み事態が悪化する前に、この依頼を収めるよう努力します。

四方から聞こえてくる機械の駆動音に対し、同行している猟兵へと背中を預ける形で後ろへ振り向き死角をカバーします。

コンコンと爪先で地面を叩き、センサーを起動。

敵は隠密性に優れるわけではない。
誘導弾が壁を穿つ振動を感知すれば、向かってくる方向と数を事前に把握できます。

UCを発動
敵の誘導弾弾頭に装着されているドリルの制御プログラムへとハッキング

こちらへと放たれた弾を、敵機体へと返して差し上げます


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
まあ、発想自体は良いと思いますが、災魔を甘く見過ぎた印象ですねぇ。
取り敢えず、対処して参りましょう。

『F●S』三種を展開、『FBS』は四肢に嵌めて飛行能力の確保に使い、ダンジョンを進みますぅ。
場所が「通路」ですから、相手が一方向に或る程度集まっているなら【耀衣舞】を使用して「光速の突撃」を行い一気に叩きましょう。
「十字路」等、複数方向から狙われる可能性が有る場所では『FRS』『FSS』を各通路に向け、敵方のいる通路を[範囲攻撃]の[2回攻撃]で狙いつつ、進行方向に【耀衣舞】を行い突破後に追って来た相手を狙い撃ちにしますぅ。

援軍を生み出される前に辿り着きたいですが、さて?



●道が無いなら作ればいい
「災魔の発生と伺ったときは緊張感が走りましたね」
「ええ。まあ、発想自体は良いと思いますが、災魔を甘く見過ぎた印象ですねぇ」
 デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)と夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はどちらともなく言葉を交わしていた。
双方とも口調は世間話のような穏やかさだが、るこるは計二十四機の物々しい武装を空中に展開したうえでその内の一部、今はまだ仄かに光を放つだけの戦輪を両腕と両足に装着して空中を滑るように進んでいる。
対するデナイルは目立つ装備は一見頭上のゴーグルと腰の銃だけのように見えるが、自身に搭載しているプログラムをバックグラウンドで作動させ、今まで歩いた分のマッピングをしっかりと行っていた。
「しかしそれほど危機迫った事態でない――」
 ようで良かった、と続けようとしたデナイルの言葉は、どどどどどと急激に近づいてくる地響きのような音に阻まれる。まだ姿は見えないが、数多のゴーレムが急激に近づいてきているということをセンサー越しに確認するまでもなく察して
「……のでしょうか?」
 振動でずり落ちた眼鏡を直した。気を取り直してその上からゴーグルを装着する。すぐさまデナイルの視界に可視化されたマップを始めとする電子空間が広がった。
「私たちの事を察知されたみたいですねぇ」
 二人が今いるのは一本道。正面に注意を向けたるこるに合わせるように、デナイルは自然と後ろを向く。
「取り敢えず、対処して参りましょう」
「ですね。敵の進行が進み事態が悪化する前に」
 何気なくデナイルが岩の地面をつま先で軽く突いた。コンコン、と音に合わせて波紋が広がるように、視界の情報量が増えてゆく。
「最速の接敵は進行方向から十体」
「ではまず道を切り開きましょうかぁ」
 ダンジョンの照明をかき消すように、るこるの体をまばゆい光が覆った。彼女が装着していた戦輪がスラスターのごとく作動し、鈴のような作動音がどんどんと音程を上げてゆく。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて舞を捧げましょう」
 祝詞が終わると同時に通路の数十メートル先、突き当りにゴーレムの姿が現れる。

 ――次の瞬間、それは白い輝きと共に爆散したのだが

 光の尾を引いたるこるの突進だった。
「あら? ちょっと下がってもらおうと思ったのですが……想像より脆いんですねぇ」
 突進の勢いを全て衝突のエネルギーに変えたるこるは反動を感じさせることなくその場でふわりと静止すると、壁を、そしてそこにめり込んでばらばらになった十体分のパーツを見てうふふと微笑む。無力化できたのならば、それは最良の結果だ。
 一方るこるの速度と衝撃に思わず肩を跳ねさせたデナイルだったが、次の接敵はしっかりと彼の目に映っている。後方に注意を向けたままるこるを追いかけ通路を進み、電子空間の画面をなぞるように操作していく。ちょっとしたストッパーを外して普段の数十倍の速度でプログラムをくみ上げると、ちょっとポップなドクロマークのアイコンが岩の壁を抜けて飛んで行った。
「やはり、敵は隠密性には優れていないですね。索敵が楽なのは助かります」
 足音や駆動音とはあきらかに違う波形がだんだんと迫ってくるのが、彼にははっきりと知覚できているのだ。接敵予測地点から数メートル下がった場所で足を止めると、ちょうど左右の壁が崩れドリルが覗いた。
「お返ししますよ」
 デナイルがふいっと宙をなぞる。その動きに合わせて左右のドリルが百八十度方向転換、今貫いた穴に戻ってゆく。
 ギャリギャリと金属同士がこすれ合う激しい音が響いた。今まさに突撃せんとしていた発射元のゴーレムに、デナイルがハッキングしたドリルの誘導弾が直撃しているのだ。
 さらにダメ押しと言わんばかりに、るこるが展開していた砲撃システムたちがその穴に向けてビームをぶち込んでゆく。突進支援の演算容量が今は空いているのだ、何体か潜んでいたゴーレムの殲滅にそう時間はかからなかった。
「あらあら、道が増えてしまいましたねぇ」
「選択肢が多いのは良いことですよ。ちょうどこっちの方が近道みたいですし」
 デナイルの手招きに、戻ったるこるが新たな通路を覗き込む。ゴーレムの残骸はあるが、進むのは問題ないだろう。
「援軍を生み出される前に辿り着きたいですが、さて?」
 フロアボスへの扉に向けて、二人はパーツの山を乗り越えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

式神・御魂
【主従コンビで連携】
アドリブ歓迎

…………あるだわ初めて来た……
晴久は一人でこんな所に来れててずるい

ふぉっくすふぁいあで晴久の五行相生を援護する……
属性援護が出来ればそれだけ晴久があわあわをちゃんと動かせるから……ほんとは自分で全部やって欲しいけど……
あわあわを出しきったら援護は終わり。術者の晴久に近寄らせないようにロボロボをふぁいあでけんせーしながらなるべく纏まるように誘導するよ……

うるさい……晴久がもっと私を色んな所に呼ばないのがわるいの……


芦屋・晴久
【主従コンビで連携】
アドリブ歓迎

アルダワを訪れるのも随分と久しく感じますねぇ。さ、仕事と行きますか。
御魂、貴女の炎を軸として広範囲殲滅を行いましょう。

五行相生、属性は「炎」現象は「泡沫」
燃える泡をゴーレム全体を包み込ませ、全体に浸透したタイミングで破裂させましょう。
炎属性の分は御魂に任せ、私は現象の部分を制御致します。
泡沫を破裂させるタイミングを細かく制御できれば別働隊にも対応出来るかと。

御魂……お前の口の悪さは誰に似たのですかねぇ……いや、本当……



●金属なら融かせばいい
 てくてくと歩きながら、式神・御魂(ひとりぼっち・f23720)は興味を隠さない様子で、ふわふわの尻尾を左右に揺らしながら視線をあちこちへ走らせていた。心なしか瞳を輝かせながら、岩の壁面や魔法の照明を見上げている。
「…………あるだわ初めて来た……」
 拙い口調も心なしか嬉しそうである。
「アルダワを訪れるのも随分と久しく感じますねぇ」
 対して彼女の数歩後ろを歩くトレンチコートの男、芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)はそれをのほほんと眺めていた。ダンジョンは薄暗いがサングラスはワケがあるので外さない。深く煙草の煙を吸ってしみじみと彼がつぶやくと、ものすごい勢いで御魂が振り向いた。
「来たことあるの」
「ええまあ、仕事で色々な所へ行きますからねぇ」
 当たり前のように返す晴久の言葉に、御魂は頬を膨らませ、てってこ前へと進む足を速める。
「晴久は一人でこんな所に来れててずるい……」
 むくれる御魂に晴久は困ったように笑って誤魔化すだけ。幼女妖狐とちょっと胡散臭げな男、とちぐはぐな絵面ではあるが、二人は式神とその主人。枝分かれ状のいびつな五叉路へ差し掛かると、御魂の耳がぴくりと震えると、同時にその感知は晴久へと伝わってゆく。
「ん、来た……」
「みたいですねぇ。さ、仕事と行きますか」
 正面に数体のゴーレムが見えるがそれだけではない。おそらく無理やり作られたのであろう分かれ道の先にも、いくつもの気配があった。
「御魂、貴女の炎を軸として広範囲殲滅を行いましょう」
「りょーかい……」
 晴久がコートの内側から護符を取り出す。その目の前では御魂も同様の札を構えぽぽぽぽぽ、と小さな火種が空中に生みだしていった。
「其は五行を重ねて理を創生する軌跡也」
 晴久の言葉に反応するように眼前に太極図が浮かび上がると、火種が一つにまとまって丸く膨れてゆく。周囲に小さなフレアもこぼれて、色さえ気にしなければ水中の気泡のようだった。
「おおー……あわあわ……」
「はいちょっと制御手伝ってくださいね」
「ん……」
 複数の要素を操るこの術は制御が難しい。故に式神である御魂の力を借りることで一部を補っているのだが、それでも晴久は少し余裕が削げている様子を隠さなかった。
 御魂もそれが分かっているので、本当は全部自分でやってほしいけど、と思いながらも自らが生み出した狐火を合わせるように操ってゆく。
 炎の泡が十分に大きくなったところで、晴久がふぅ、とそれに息を吹きかけた。泡は風に千切れるシャボン玉のように、もしくは飛んでゆくタンポポの綿毛のように、急激に数を増やすと二人へ迫るゴーレムを包み込みながら通路へと広がってゆく。物理法則を無視する挙動で通路を曲がっていくのは彼の制御の賜物であろう。
「よいしょっと」
 護符を掴む指に少し力を籠めれば、爆竹に似た破裂音と共に炎の泡は連鎖的に弾けてゆく。その衝撃は、泡にまみれていたゴーレムを溶解させながら破壊するのに十分で、飛び散った金属のしぶきがオレンジ色にきらめいていた。
「いいぞ晴久……もっとやれ」
「御魂……お前の口の悪さは誰に似たのですかねぇ……」
 御魂の何とも言えないエールにサングラスのむこうの目がちょっと遠くを見つめているのは気のせいではないだろう。
「うるさい……晴久がもっと私を色んな所に呼ばないのがわるいの……」
 むくれながら御魂が紅い泡から逃れたゴーレムにぼかすか炎をぶつけてゆく。もう晴久の術への援護は必要ない段階まできた、ということで護衛がてらゴーレムを別の通路へ追い立てているのだ。ある程度まとまった所で、また晴久が泡を広げて破裂させる。
 何回かそれを繰り返せば、あっという間にゴーレムたちは動かぬ鉄と石の残骸に成り果てていた。
「いちもーだじん……だけど、ちょっとあつい……」
「いや、本当……」
 頭の中で心当たりを洗い出しながら、晴久は乾いた笑いをこぼすのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユェン・ウェイ
災魔から物資を作れたら便利だろうけど、世の中そんなに上手くいかないよねー
コンコンするのはキマフュだけで十分だよ
依頼はさくっと解決して、楽しいクリスマスに備えよう

ってドリル型の誘導弾!?
何それ怖すぎるよ!!
【ダッシュ・ジャンプ・スライディング】を駆使して回避していくね
地形が変わっても【パフォーマンス】の要領でバランスを取りつつ走っていくよ

敵に接近できたら槍で【串刺し】にしたり、UCで噛み砕いてやるよ!
ゴーレムは硬いし煙たいけど、貫けない相手でもないはず
一体一体確実に倒していくね

にしてもクリスマスプレゼントかぁ
何にしようか今から迷っちゃうなぁ
……なんだかんだでボクも物欲まみれだな



●向かってくるなら避ければいい
「災魔から物資を作れたら便利だろうけど、世の中そんなに上手くいかないよねー」
 山羊の耳をぴょこぴょこと、鼻歌が聞こえてきそうな足取りでユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)はごつごつした薄暗い通路を進んでいた。担いだドラゴンランスでコンコンコン、と冗談めかして軽く壁を叩くが、もちろん何も起こらない。コンコンするのはキマフュだけで十分だ、とうんうん頷いている。
 辿り着いた通路の曲がり角からちらりと顔を出せば、十数メートル先に何体ものゴーレムの姿が確認できる。相手もユェンを察知したようで、一気にセンサーと思しき頭部のランプを彼女に向けた。が、なぜか逃げるようにざざざざざ、と後退してゆく。
 むざむざ逃がす気はユェンにはない。攻撃の気配がないなら好機と通路に躍り出た。
「依頼はさくっと解決して、楽しいクリスマスに備えよう」
 しかしゴーレムの背に飛びかかろうと足に力をこめたところで、妙な振動が彼女に伝わってきた。嫌な予感がして飛び出すのを一瞬ためらえば、一歩前で右手側の壁ががらりと土煙を上げながら崩れる。
 そこから覗くのは、何本もの先がとがった円錐とらせん。
「ってドリル!?」
 それが、ぐいんと方向を変え、ユェンめがけて飛んでくる。
「型の誘導弾!?」
 他にも数多のドリルが岩を削る音が耳に届く。ひょえ、とユェンの喉から驚愕の声がこぼれても仕方ないのだ。
「何それ怖すぎるよ!!」
 そう言いながらもユェンは前へと駆けだした。前後左右から襲来するドリルをひょいひょい飛んで跳ねて体の向きを変えて、ときには転がって、危なげなく避けてゆく。
「うわっ!?」
 着地した床からドリルが飛び出してきてもなんのその、身体の重心を大きく動かしてぐるん、遠心力の勢いで加速しながら回避。勢いのまま、今度は目の前で崩れた天井の瓦礫に槍の石突をついてひねりを加えた宙返り。その軌道の最高点で綺麗にドリルとすれ違った。
「よし追いついた! 逃がさないよ!」
 ユェンのダンスは終わらない。しんがりだったゴーレムを間合いに入れると流れるように突き出す。槍の中腹を持ちながら踏み込むと同時に石突を押し、一気に貫くとすぐ引き抜きながら反動で自身の体を前進させる。煙を上げたゴーレムを乗り越えすぐ前に居たもう一体にユェンは文字通り牙をむいた。
 獅子のものに変化させた口で鉄の体を噛み砕く。動作を停止したゴーレムを一瞥もせず、彼女はまだまだ残りの敵を追いかけた。

「にしてもクリスマスプレゼントかぁ、何にしようか今から迷っちゃうなぁ」
 最後の一体に突き刺さった槍を引き抜き、わくわくした様子で彼女は呟いた。周辺にゴーレムの気配がもうないことを確認して、うーん、と困ったように頭を掻いた。
「……なんだかんだでボクも物欲まみれだな」
 これじゃあこの事態を引き起こした生徒を責められないな、と。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『マッド・メイズ・メイカー』

POW   :    自己防衛機構、起動
自身の【青い巨大コア】が輝く間、【コアから放たれる魔力の砲撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    災魔、罠、設置開始
【召喚した大量の災魔や迷宮の罠】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    迷宮、構築・拡大・変形
戦場全体に、【感覚を狂わせる蒸気を吹き出す魔道蒸気機関】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
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●困っているのはそいつも同じかもしれない
 たどり着いたフロアボスの部屋への扉は、異常に重かった。そのことに猟兵たちが納得したのは扉が開いた途端に部屋の中から色々なものがぐちゃあ、となだれ出てきたからだ。
 本、歯車、刃物、携帯食料、貴金属……種類を上げればキリがない。娯楽に使う道具や冒険に持っていきそうな物から、トラバサミや爆弾のようなもの、謎の液体が入った瓶など、あからさまに危険なものまで混ざっている。
 そして、大小さまざまな物体で、その部屋の床は全く見えなかった。
 ちょうど中央付近には、ほんのり光を放つ禍々しい球体がぼんやりと浮かんでいる。あれがフロアボスだ、猟兵たちは直感でそれを理解する。
 時折その球体が居心地悪そうに揺れるのは、間違いなく取り付けられたいびつな蒸気機関の物体のせいだろう。生徒たちはどうやら、フロアボスに仕掛けた機構を撤去する余裕が無かったらしい。
 蒸気機関がひときわ大きく蒸気を吹いた。部屋のどこかに、軽いものが落ちた音がする。

 あのある意味哀れなフロアボスを倒さないことには、この事態は収まらないだろう。
 猟兵たちを察知した球体は、その色を青から赤へと変化させた。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
これはまた、凄いことになっておりますねぇ。

『F●S』3種の展開は継続、【白翼衣】を使用しますぅ。
足場の悪さは飛行で対処、その分お互いの射線は通り易くなりますから、【白翼衣】の速度を生かし、部屋中を飛び回って狙いを絞り辛くしつつ『S●S』3種の[2回攻撃]を仕掛けましょう。
相手は動けませんから、此方からは或る程度狙い易いですねぇ。
相手が手数を増やしてきた場合は「発射口」に注視、急制動等[空中戦]の要領で回避、避けきれない攻撃は『FSS』の盾で受け流しますぅ。
「発射口」を[カウンター]で叩ければ最良ですねぇ。

ところで、私としては「持ち運び易い調理器具一式」が欲しいのですが。


ユェン・ウェイ
わ、わぁ……凄い事になってるね
フロアボスは可哀想だけど、退治しないとどうにもならないし
悪く思わないでね!

相手が呼び出す災魔や迷宮の罠は【ダッシュ・ジャンプ・スライディング】でくぐり抜けて行こう
これだけゴチャゴチャしてる部屋だし、これ以上何か増えた所で大差はないよ!
足元をとられないようにだけ気をつけないとね

UCで飛び回りつつボスへと接近
上手く近付けたらドラゴンランスで攻撃していくよ
えーっと、ボクは皆で食べられるお菓子が欲しいな!
クッキーやチョコレート、キャンディなんかを大入りの袋で!
フロアボスさん!生み出してくれるかな!

……最後まで酷使させてごめんね
その分クリスマスは楽しむからさ!



●踏み場がないなら飛べばいい
「これはまた」
「わ、わぁ……」
「凄いことになっておりますねぇ」「凄い事になってるね」
 ハモった。夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)のふたりは思わずボス部屋の入口で目を見合わせる。
「相手は動けませんから、此方からは或る程度狙い易いですねぇ」
「フロアボスは可哀想だけど、退治しないとどうにもならないし」
 機械音の奥に紛れたコアの起動音が高くなってくる。攻撃の前兆であるということは想像に容易い。
 サッと互いの進行ルートを軽く手で示すと、まったく同じタイミングで二人はそれぞれの方法で宙を蹴ったのだった。

 コアの中心部がひときわ青く光る。それは収縮し、羽衣のような乳白色の輝きを纏い部屋の中を飛行するるこるめがけて一直線に放たれた。青との光がぶつかり合う直前で、るこるは急旋回を挟んでひらりとそれをかわす。身に着けていた戦輪を投げると、コアの狙いがそちらにずれた。
「射線が通り易い代わりに、避けるのもやりやすいですねぇ」
 おっとりとした微笑みを浮かべたまま、彼女は素早く手元の制御装置を操作する。ダンジョン内で展開したままであった盾と砲が陣形を変えながらコアへの射程圏内に接近して細かくビームを放っては、反撃が来る前に離脱してゆく。
 目まぐるしい速度で繰り返される光の攻防は、まるで幾何学的な模様が空中に描かれているようだった。

 その反対側からはユェンがドラゴンランスを構えながら、トロッコのような見た目の何かを足場に、何度目かの大ジャンプを踏み切った。
「よっ、と!!」
 着地するだろう地点に視線をやると、カンテラの山がもごもご動いている。身体の重心を浮かせながら宙返りの要領で槍を突き立てれば、ちょうど頭を出したゴーレムが砕けた。先ほどのものの半分以下の大きさだが、砕けたそばからわらわら生み出されているので数が多い。追いかけてくるが追い付くはずもない速度であるのが幸いだろうか。
「これだけゴチャゴチャしてる部屋だし、これ以上何か増えた所で大差はないよ!」
 まったくそのとおりであった。正直ゴーレムもこの部屋に埋もれてる物体の一種類なわけであるし。
 そんなユェンの進撃を阻もうと、今度はいくつものトラバサミが空中に放り出された。さっきのドリルと似た圧迫感……だが、追って来ないだけ可愛いものだ。
 ユェンが今度は急降下、むりやり着地したのは横向きに転がるタイヤのホイール。着地の勢いのまま滑るように進めばその後ろにトラバサミが落ちる音がした。

「盾! ひとつ借してくれるかな!」
「ええ、いいですよぉ」
 タイヤのホイールから飛び立ったユェンが反対側のるこるへ叫ぶ。
 敵の接近に、コアの射撃が激しさを増してゆくが、そこはるこるがターゲットを取った。
「発射口は……そこですねぇ」
 ビームの光が収束してもるこるは焦る様子が無い。彼女はずっと観察していたのだ、そう、コアがビームを放つ時の挙動を。
「ところで、私としては『持ち運び易い調理器具一式』が欲しいのですが」
 急接近を果たしたるこるが戦輪を両手に、光を砕くように振う。放たれることのできなくなったその光が弾けて、コアが大きく震えた。
「えーっと、ボクは皆で食べられるお菓子が欲しいな!」
 そして、空中ジャンプを重ねて高さを稼いだユェン。るこるが盾の位置を調整して、最適な角度の足場を宙につくっていた。
「クッキーやチョコレート、キャンディなんかを大入りの袋で!」
 盾を蹴り、自身が槍の一部であるかのように突撃する。コアの球体部にそれを突き立てれば、べき、と表面にひびが入ったのが見えた。そして取り付けられた蒸気機構が激しく作動している。
「……最後まで酷使させてごめんね。その分クリスマスは楽しむからさ!」
 ユェンの着地と同時に、部屋のどこか、二か所くらいの場所でどさどさっと何かが落ちる音がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キャロ・エレフセレリア(サポート)
静かにしないといけない場面を除いて台詞に「!」が付く。うるさいくらいに元気
人を呼ぶ時は敵以外には誰にでも「名前+さん」

●戦闘
相棒機『メガロス』や各種ガジェット、アイテムを駆使する
『迷彩』で身を隠し『プチメガロス』で偵察しつつ敵を引きつけて、最大火力の『メガロス大爆炎波』を叩き込むのが好き
火力任せの面制圧からスナイパー技能を活かした狙撃や『メガシュピラーレ』で串刺しにして敵の動きを封じるなど、援護や中距離戦もできる

●冒険
情報収集、暗号作成にハッキングなど主に機械類に対する技能を発揮する
『武器改造』『防具改造』の技術でハッキングしやすいように改造するなど強硬手段も躊躇わない


日下・彼方(サポート)
バイトのヘルプだと言われて来た
実は急に来たもので状況が掴めていない
すまないが私に状況を説明してくれないか?

...よく分かった
私が出来る事を伝えておこう
私の得手は空中での近接戦闘だ
短刀で切ったり蹴り飛ばしたりだな
とは言っても空を蹴って
飛んでいるだけだから
あまり過信はしないでくれ
あと私の影から影製の狼が呼び出せる
情報収集や戦闘の役に立つ筈だ
こいつらは別に減るものでもないから
気兼ねなく使い潰してもらって構わない

私からは以上だ
別に些細な事でも頼んでくれて構わない
その為の私だ


式神・御魂
主は置いてきた……プレゼントは、私だけが貰う……

恨みは無いけれど、受けた依頼は果たさないと、ごめんね?
こんこん……こんこん……五行の力を持ってあの子の蒸気を私の蒸気で呑み込むよ……
属性は「火」、現象は「霧」。水蒸気の群は互いにぶつかり殺し合う……迷路を作る前にこっちの陣地にしちゃうんだから……
高温の霧は、身体に入り込み逆流させ、その身を傷付ける、だろう……だといいな

プレゼント……その……サングラスが、欲しい……です
長い事、使ってるみたいだから……



●プレゼントは爆発だ
「む……意外と足場、ある?」
 ふんす、とひっくり返ったリヤカーの上で仁王立ちしながら、式神・御魂(ひとりぼっち・f23720)はダンジョンボスであるコアの様子を探った。まだ射程範囲に入っていないのか、青と赤に明滅しているだけで攻撃の気配はない。
「あれ、お一人ですか!」
 その横にふわっとやってきたのはキャロ・エレフセレリア(たーのしー!・f12156)。
 猟兵だから大丈夫だろうという認識はあるが、幼い(ように見える)少女がひとりというのは絵面的に心配になるのは仕方ないだろう。いや、心配しているのはもっと小さいフェアリーだ。小さいけれども彼女の声はよく通る。とかく猟兵は見かけだけで判断するものではないのだけれど。
「主は置いてきた……プレゼントは、私だけが貰う……」
 何ということだこの式神、同行者を撒いていた。今頃かの主はふっと姿を隠した彼女を探してダンジョンの中でさ迷っているのかもしれない。
「……とりあえず、状況を説明してくれないか? このありさまだと討伐対象が特定できないんだが」
 一歩後ろから、アルダワ式のプリンターに足をかけて日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)が二人に問いかけた。ゴーグルを下して部屋の中を観察しているが、物の多さに動揺は見られない様子だ。
 御魂がびし、とダンジョンコアを指差す。確かに、取り付けられている装置のせいで周辺の景色に溶け込んでいる……ように見えなくもなかった。
「あれ……なんか、いろいろ出てくる……」
「ああ、だからこの部屋はこう……よく分かった」
 彼方は御魂の言葉にうなずいて自身の得物を確かめる。小物まで黒で揃えたツナギの作業着は、この雑多な空間に思ったより溶け込んでいた。

「よーし、先導は任せて!」
 キャロが多機能ガジェット、相棒機のメガロスにまたがって飛び出す。それは彼女の機動力を大いに向上させていた。丸みを帯びたフォルムに対してちかちかと時折光りながら方向転換を加えて突撃する様はまるで稲妻のようだ。
 その接近を察知したコアがその球体を激しく震わせる。汽笛のような甲高い音と共に蒸気が噴き出したか、と思えば床が地割れを起こすかのように盛り上がっていく。
「こんこん……こんこん……」
 しかし、それが形成される前に御魂が霊札を宙に放った。札の動きに合わせて虚空に五芒星が描かれる。
「恨みは無いけれど、受けた依頼は果たさないと、ごめんね?」
 掌底のような動作で五芒星の中心をとん、と貫けば、お返しとばかりに熱量の高い蒸気がまっすぐ撃ち出された。
 魔道蒸気を噴出せんと部屋の中に生え始めていた太いパイプの口に、逆に御魂が操る蒸気が流れ込んでゆく。熱と圧力を逃がさないように、見える限り全部のパイプに送り込めば、たちまち鈍い破裂音が部屋の中のあちこちで響く。
「あれ……やりすぎた……?」
「いや、上々だ」
 少なくとも迷路の発現は防ぐことができた、と彼方が御魂を小脇に抱えてプリンターを足場に宙へ躍り出る。すぐ後にそこが崩れて蒸気が噴き出していた。

「うーん、ほしいもの、欲しいものかー!」
 先にコアへと接近を果たしていたキャロがまたがっていたメガロスを変形させる。
 欲しいと思ったものは割と自分で作ってしまう節がある。そう思案しながら構えたメガロスには、瞬く間に展開された大小の砲身が、スコープが、装甲が装着されていく。
 メガロスが展開するいくつもの銃口に光が集約した。
「ま、いっか!!」
 ふぁいあ! という声はけたたましい発射音にかき消される。
 無数のランチャーが、ビームが、銃弾が、動かぬコアへと降り注いで激しく爆発を生む。蒸気と相まって熱気がその場を支配した。
 そしてその爆炎と煙のなかから飛び出すように黒い影。彼方が短刀を構えて躍り出る。彼女は目ざとくコアに入るヒビに狙いを定めていた。
「行くぞ、影狼」
 炎で生じた彼方の陰から、真っ黒なシルエットの狼がコアへと襲い掛かった。一匹、二匹、次から次へとコアを組み敷くように牙を立てていく。
 そして、ダメ押しというかのように、彼方がコアの球体へ短刀を突き立てる。石が砕けるような鈍い音を発して、コアに大きな亀裂が走った。

「プレゼント……」
 御魂はというと、ちょっと前に運んでくれていた彼方に宙へと放り投げられていた。術式が残る蒸気を操って滞空時間を伸ばしていたが、明滅を激しくするコアと駆動音が安定しなくなってきた装置を前に、あえて主を置いてきた理由を思い出す。
「その……サングラスが、欲しい……です……」
 小さな呟きと共に、落下しながらもう一度高圧の蒸気を放つ。コアの根元にはまだ、迷路になるはずだったパイプが残っていた。
「長い事、使ってるみたいだから……」
 パイプは実際、コアに、そして装置に繋がっていた。
 直接高温高圧の蒸気を流し込まれた青いコアが、みるみるうちに膨れ上がってゆく。亀裂がどんどんと広がると、ついに光の粒子になって内側からはじけ飛んで、その形を失っていった。
 そして、どさどさどさどさ。部屋のあちこちに飛び散った光は、あらゆる形を取って落下してゆく。
「え……ここから、探すの」
 ふわりと着地した御魂は、ちょっとだけ遠い目をしていたように見えたのは、蒸気が見せた幻だろうか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『探そう、プレゼント!』

POW   :    カッコいい武器、防具を探す・作る!

SPD   :    美味しそうな食べ物を探す・作る!

WIZ   :    お洒落な装飾品を探す・作る!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●プレゼントは掘り当てるもの?
 ボス部屋は、先ほどまでの機械音が嘘のように静まり返っていた。
 床を隠すは物、物、物。かさばる物が鎮座している場所もあれば、場所によっては色々な物が積み重なって、身長を超える高さになっている場所もある。

 猟兵は思った。たぶん、間違いなく、自分が求めた物はこの部屋の中にある。
 同時に思った――どうやってここから探し出そうか、と。

※フラグメントの選択肢はふんわり無視してしまって大丈夫です※
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
さて、後はこのお部屋の捜索ですねぇ。
大変そうですが、頑張りましょう。

【饒僕】を使用、召喚した『僕』に「部屋の中の[情報収集]」をお願いしますぅ。
探し物の有る「場所」が解れば、後は片付けつつ掘り起こすだけですので。
その際「他の方の希望する品」が有りましたら、其方も纏めて探しましょう。
移動の際は『FBS』で飛行し、足場の悪さを補い、重量物が有る場合は[怪力]でどかしましょうかぁ。

無事に「調理器具一式」が手に入りましたら、後はお片付けですぅ。
この後を考えますと、或る程度部屋の中で整理しておきたいですねぇ。
途中「調味料」等が発見出来たら、追加でいただきましょう。


ユェン・ウェイ
……落ち着いて見回すと、なんというか凄い状況だね
探しものを抜きにしても整理整頓が必要そうだぁ……
それはアルダワの人たちに任せればいいのかな?

とりあえずボクは自分のお菓子を探そうか
まずは【野生の勘】を働かせつつフロアを歩いてみよう
落ちているものがある程度種類ごとに纏まってたりはしないかな?
それか「こういうものはこういう落ち方をしている」みたいな法則がないかも見てみよう
危なそうな所は槍を杖代わりにして進んでいくね
【失せ物探し】の技術も使って頑張ろう

無事にお菓子を発見出来たら喜んで持って帰るよ
他のものは……誰かの大切なものかもしれないからそのままにしておくね
一足早いクリスマスって感じ、楽しいな



●結局サンタは
 どさどさ、と最後のあがきのように様々な『物』をまき散らしたダンジョンボスの残渣が消えるのを待って、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)は念のため頭上を守っていた盾から顔を出した。
「さて、後はこのお部屋の捜索ですねぇ」
「……落ち着いて見回すと、なんというか凄い状況だね」
 おっとり笑顔と苦笑い。乗っても大丈夫そうな物に足をかけているだけで、二人の目に床は映らない。
「探しものを抜きにしても整理整頓が必要そうだぁ……」
「見つけた後に、ある程度整理しておきたいですねぇ」
「えっ、あっ、そ、そうだねっ!?」
 思わず口を衝いた言葉がるこるに拾われ声をひっくり返してしまったユェンだったが、実はあまりの物量に、片付けはアルダワの人々に任せようと考えていたのは秘密である。

「大変そうですが、頑張りましょう――大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、女神の僕達よ、私の元へ」
 ゆったりとるこるが手を差し伸べると、指の先から柔らかな光がこぼれる。それは白い小鳥へと変化していった。それらは部屋の四方へと散開してゆく。
「部屋の中の情報収集、お願いしますぅ」
 そして彼女も戦輪を四肢に装着し飛行機能を起動させると、高い位置から目的のものを探すのだった。
「ふふ、調理器具が持ち運べたら、素敵ですよねぇ」

「さて、お菓子お菓子っと」
 一方ユェンは持ち前の身のこなしでひょいひょいと部屋を進んでいた。時折落ちている罠を始めとした危険物は槍で器用にどかし、一度立ち止まって無力化すると、きょろきょろとその近辺を観察する。
「この辺はおっきなフライパンと鍋、ってことは食べ物っぽくなってきた……うん、こっちな気がする」
 彼女は自身の感覚と直感に頼りながら進んでいるように見えて、しっかり落ちている物の傾向や法則を観察していたのだ。それは物の向きや量、種類など、要素を挙げればキリが無いが、感覚的に読み取るには十分な情報である。
 うん、と頷いて次の進む方向へ体を向けると、目の前のひっくり返った大鍋にひらりと白い小鳥が舞い降りた。ちゅん、とさえずると、ユェンが進もうと思っていた方へと飛び立つ。
「そっか、あっちで合ってるみたいだね!」

 そしてるこるは、無造作に転がっていたシステムキッチンを持ち上げた。先に細かいものを分類整頓して確保しておいた床のスペースにそっと移動させる。
「ふう、この辺りだと思うのですが……あら?」
 大きなものを置いた振動からか、傍に引っかかっていた何かが床に落ちる。それは、分厚い雑誌のような大きさの凹凸がない金属のケースだった。拾い上げれば、見た目に反してとても軽い。
 もしかして、とるこるがそれを開くと、重ねて収納されたコンパクトな鍋セット(しかも中蓋がお皿としても使えそうな形状だ)、小型ながら切れ味のよさそうな包丁、トングとお玉、さらにはカトラリーまで、どうやって入っているのだと思うくらいに、しかし機能的に収納されていた。もしかしてケースは台の代わりにもなるかもしれない。
 そういえば整頓した中に見るからにキャンプ用ではあったがバーナーもあった気がする。数種類の調味料がひとつにまとまった入れ物も。
「これなら、外でも困りませんねぇ」
 喜びに綻んだるこるの笑みは、まさに女神のようだった。

「お菓子の楽園だぁ!」
 鍋、刃物、おもちゃ、レシピ本……それらを通り越してユェンが目の当たりにしたのは、お菓子の山。もしかしたら今まで通った中で一番高さがある。小分けのお菓子が種類問わずに積まれている物もあれば、一種類が何十個も入ったパックもある。さらにはアルダワ流行りの不思議なお菓子や見たことも無いものまで。
「どうしよう、こんなにいっぱい、誰か他の人のもあるかもしれないし……!」
 言葉は困っているが目はキラキラ輝いていた。いやしかし、こんなにあるのだから、それにフロアボスが生み出した物なのだから少し欲張っているくらいの量を持って帰ってしまってもいいかもしれない。この時初めてユェンは自分の腕が二本しかない事を悔やんだ。
 そんな時、視界にちらりと赤い物を発見した。ばっとそれを掴めば、胴体くらいの大きさがある巾着袋だった。
 これだ。これなら沢山持って帰ることができる!
「一足早いクリスマスって感じ、楽しいな」
 靴下を模した不織布の袋にお菓子を詰め込みながら、彼女は小さく鼻歌を奏でたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年12月19日


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#アルダワ魔法学園


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は照崎・舞雪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト