アースクライシス2019⑭〜破滅へのカウントダウン
●アークスクライシス!
ジェネシス・エイトに復活に始まり全世界を震わせた戦争も終盤に近付いていた。
そう……オブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』の出現である!
地球全土を覆うような投影映像を前に全世界市民達がそれを知ることになった。
「ギャーハッハッハッハ、来るがいいぞ雑魚共。この自由の女神とやらを猟兵共の墓場にしようとか、我ならが洒落がきいているぜ!」
何がきいてるのがさっぱりわからないが本人がそう言ってるのでそうなのだろう。
ヒーローズアースを崩壊させようとしているジェネシス・エイトを率いているだけありその覇気はケタが違うのだ。
その余りの覇気を前にしてニューヨーク市民、さらには付近にいる軍もとてもではないが歯が立たないという事は本能的にわかってしまったようだ。
「安心しろや、お前たちはまだ殺さねぇ……猟兵達が殺される様をその眼に焼き付ける観客なんだからよ!」
その自身の表れとなっている『骸の海発射装置』のチャージを今か今かと待ち受ける部位を指差し大きく笑い続ける。
そう……それが成った時こそが世界にとっては……。
●グリモアベース
「いよいよ正念場です!」
眼鏡をキリリと光らせグリモア猟兵の村雨ベルが壁を叩く。
「厳しい戦いが続きましたがいよいよ敵首領の登場というわけですよ」
そこに映し出されたのは自由の女神前に陣取り腕組みをして、我はここにありと存在感を放つ異形。
「奴の持つ『骸の海発射装置』のチャージが終わった時こそヒーローズアースにカタストロフが起こってしまいます。その期日は余りにも短い」
であるこそ急いで倒す必要があると力説する。
「ただしチャージ途中とはいえその力の一端を使い戦ってくるだけに苦戦は必至です」
そうして人々に絶望を与えようというのが目的なのだろいう。
目立つために観光地をわざわざ選んでいるがその物を破壊する心配はないので戦いに集中すればいい事だけは一安心らしい。
「クライング・ジェネシスは絶対に先手を取ってきます、そのユーベルコードへの対策をすることこそが勝利への鍵なので頑張ってください!」
そう言いながら頭を下げ皆を戦場へと送り出すのだった。
●プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』。
(クライング・ジェネシスは必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
轟天
このシナリオはアースクライシス2019の戦争シナリオです。
クライング・ジェエシスは先制攻撃を行ってきます。
どの能力値で先制攻撃してくるかは猟兵のユーベルコードと同じ能力に対応した物になりますのでご注意ください。
いかに防御して耐え切るかが重要です。
何も対策していなかったり不十分ですと敵にダメージを与える事無く敗退しますのでその点を特にご注意ください。
第1章 ボス戦
『クライング・ジェネシス』
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POW : 俺が最強のオブリビオン・フォーミュラだ!
全身を【胸からオブリビオンを繰り出し続ける状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : 貴様らの過去は貴様らを許さねェ!
【骸の海発射装置を用いた『過去』の具現化】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【相手と同じ姿と能力の幻影】で攻撃する。
WIZ : チャージ中でも少しは使えるんだぜェ!
【骸の海発射装置から放つ『過去』】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を丸ごと『漆黒の虚無』に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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セシリア・サヴェージ
私の過去が私を許さない、ですか。
過去の私は暗黒を受け入れた私を恨んでいるのでしょうか……。
過去の私の攻撃は【武器受け】で防ぎます。
私自身が自分の実力や思考、挙動の癖を一番把握していますから、遅れを取ることはないはずです。
しかし、それはあちらも同じこと……ならば私自身を超えてみせましょう!
UC【闇の氾濫】で限界を超えた力を引き出します。代償は大きいですが【気合い】で耐えます。
世界の命運がかかった戦いなのです。これしきのことで私は止まりません!
【怪力】【鎧砕き】で過去の私をその鎧ごと粉砕し、返す刀でクライング・ジェネシスも攻撃します。
世界をここで終わらせはしません。必ず護ってみせましょう!
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ニューヨークいやUSAのシンボルとも言える自由の女神像の前に陣取り、オブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』はチャージが溜まるまでに続々と現れる猟兵達を愉悦交じりの笑いで待ち受けていた。
「ギャハハ、貴様らの過去は貴様を許さねえェ!」
突然そう宣告されセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)は暗黒剣ダークスレイヤーを握る手に汗が滲むのを感じていた。
目の前に現れたのは過去の自分自身、身に纏う武具も何もかもが瓜二つの過去の自分が振り下ろす剣は一撃必殺の重みで襲い掛る。
首を守るように構えた所に同じ暗黒剣がぶつかり合い気を抜けばこちらの首が飛んでいたことだろう。
「ギャハハ、なんだよおい! 自分自身の過去には抗えないってかぁ?」
「うっ……うるさいっ!」
クライング・ジェネシスに言われるまでもない……自分自身の思考も実力も一番わかっているのは自分自身なのだ、だが攻撃に比重を置く自分の戦い方で守勢のままでいるのはどう考えても不利というものではない。
(くっ……さすがは私、ならば……私自身を超えてみせましょう!)
少しずつ押されていた刃が首筋まで押し込まれ薄く血が流れてしまう、だが覚悟を決めたセシリアはその痛みを意味介さず奥底から力を引き出そうと咆哮をあげた。
「うぉぉぉぉっ! 全ては覚悟の上っ……この身に何があろうともっ!」
暗黒の鎧から満ち溢れた“闇”が氾濫し全身を包み込んでいく、全身が悲鳴を上げ血を噴き出しながら押し返し始めた刃と刃。
「消え去れ過去の私!」
その華奢な身体からは想像もできない怪力で剣を弾き返すと脇がガラガラに隙だらけ、それを見逃さず全身を横に一回転しながら暗黒剣を振り回し容赦なく切り裂いた……。
グシャリと上半身と下半身が引き裂かれた過去の自分に唇を噛み締めつつ、その怒りを刃にこめもう一歩踏み込み剣の回転を殺さず大上段から一気に不敵な笑みを浮かべていたクライング・ジェネシスへと振り下ろした。
「なっ何だとバカな!?」
「暗黒騎士を……私をっ! 舐めるなぁっ!!」
世界をこんなところで終わらせはしない、そして必ず護ってみせる……そんな決意を込めた会心の一撃に為すすべもなく、ニューヨークの地に鮮血の華が見事に咲いたのだった。
成功
🔵🔵🔴
アリス・セカンドカラー
あら?過去の私を具現化してもクラジェネたんを男の娘化して秘密のダンスで御奉仕御奉仕♡するだけじゃない?まぁ、それで私のエナジー吸われちゃうから、私も秘密のダンスで御奉仕御奉仕♡に交ざりましょ♪
御奉仕御奉仕な非戦闘行動に没頭してる間は幻影にも私にも攻撃が遮断されるので、クラジェネたんのエナジーだけがちゅーちゅー減っていくことでしょう。
色気が足りないとか言われたら妄想の具現化でセクシーな体型に変身よ☆フェロモン(誘惑/催眠術/毒使い/ドーピング)撒いておけばこいつも案外ノリノリで秘密のダンスに乗ってきそう。幻影と二人ががりで快楽責めされたら流石の私も危ないかも?
●
自由の女神の前で繰り広げられる中には概念同士のぶつかり合いが起こる事も稀にあったりするのだ。
世の中にはオブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』といえども理解不能なそのような者達もいるということだ。
無邪気な小悪魔のように降臨したアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)が目にしたのはクライング・ジェネシスにより呼び出された過去の自分。
クスクスクスと笑いながら魅せる雰囲気は自分そのものであり、自分であれば真っ先にクライング・ジェネシスを男の娘化して秘密のダンスでご奉仕しちゃうだけじゃない?などと内心ニヤリとしてしまったのだが……。
「こ、こら!クラジェネたんにご奉仕するんじゃないのわたし!」
「クスクスクス、それよりも目の前のアリスたんを男の娘にしてご奉仕するだけじゃない♡」
周囲の景色が星辰界により周囲が妄想で作られた空間へと転じ二人のアリスとクライング・ジェネシスはその中へと閉じ込められてしまった。
(あっ……お股に生えてるこの感触って♡)
「ふふふ、私のくせに男の娘化しちゃって、さっそく興奮しちゃった?♡」
にじり寄りいきなり唇を重ねご奉仕をしてくる過去のアリス、そしてアリス自身も真っ先にそえに順応し奉仕し返し始めればその空間はいるだけで精気を吸われる魔空間になっていく。
「ギャハハハ、色気も無いくせに手前自身に弄られて大きくしてりゃ世話ないな!」
「うっうるさぁい♡ お色気なんてこうだからぁ♡」
売り言葉に買い言葉、アリスの姿が妄想の中でセクシーな男の娘へとさらに成長し、過去の自分をより悦ばせてしまう。
二人の絡みを高笑いしているクライング・ジェネシスだったが何やら先ほどより足元がおぼつかない。
信じられない事にこの空間にいるというだけで生命力が吸い上げられるなど思いもよらなかっただろう。
しかも妄想世界に半分取り込まれかけ鎧の中が男の娘ぐらいまで若返っているのかもしれないが外からはわからないのが残念だったかもしれないのだが。
「……私とクラジェネたん二人がかりで責めてくるなんてぇ♡ そこだめぇ~♥♥♥」
快楽責めの中アリスの心が張り裂けそうなほど爆発し熱いエナジーを解き放ってしまったのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
浮島・いねす
「姫ちゃんin自由の女神、『クライング・ジェネシス倒してみた』オンエアー!」
まずは先制UC耐え切ってやんよ!
外れても面倒だしね
姫ちゃんの『過去』……
それは今よりネットリテラシーも煽り耐性もなかった頃
それは炎上のさだめ
むせる
その体は、きっと炎で出来ていた
それなら『今』の姫ちゃんに耐えられないワケがない!
耐え切れたらUC発動!
「ライジングフェニックスコーデにコーデチェンジ!」
不死鳥のようなドレス姿でバーニングファイアに乗って
時速165kmで急上昇からの急降下アタック!
突撃バーニングハート!
燃え盛る姫ちゃんの熱いプリンセスハート
耐えられるものなら耐えてみやがれー!
来世ではチャンネル登録しろよ!
●
「姫ちゃんin自由の女神……『クライング。ジェネシス倒してみた』オンッ エアー!」
騒々しいBGMが鳴り響き全世界に向けて始まったネット生放送。
きゃぴるーんとポーズを決めポーズで視聴者へとエールを送り浮島・いねす(自称ゆめかわ系バーチャルアイドル・f19414)は目の前でどう反応していいのか微妙にわからず視線だけを送ってくるオブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』にビシッっと指を突き付け大声で宣言する。
「まずは先制技耐えきってやんよっ!!」
「ギャハハ、あぁそうかい! それじゃお望み通り手前の過去でも味わいやがれ!」
骸の海発射装置から放たれた『いねすの過去』、それはまさに黒歴史のオンパレード。
(ぶほっ!? これはで生放送で調子に乗った勢いで親の携帯で課金した時の動画!?)
いきなり全身の毛穴から冷や汗が噴き出した気がする、初手から痛すぎる……そう痛すぎるのだ。
最も危険な罠、それは携帯決済。巧まずして仕掛けられた無料の闇に眠る殺し屋。それは、2か月後に請求し偽りの平穏を打ち破る。ヴァーチャルは巨大な罠の街 そこかしこで、明細を銜えた両親が目を覚ます。次回「罠」 いねすが溜めた負債 カード、振り込み、御用心。
何かいい声で脳内ナレーションまで聞こえてきて泣きそうになるが、どうにか堪える事ができたのここ数年打ちのめされ叩かれまくり養った煽り耐性とネタに塗れた人生そのもの。
「べ……別に全部耐えきってもいいのだろう?」
精一杯の強がりでカッコイイ背中を見せるといねすは半泣きで黒歴史に打ち勝った……というより空虚さを通り越した心はまさに炎のように燃え上がる。
「今の姫ちゃんにそんなもの耐えられないわけがなーい!」
……血涙でも流してそうだがそっとしておいてあげよう。
「ギャハハハ、よくそんなでここにこれたもんだ!」
「うっ、うるさーい! 耐えたものは耐えたっての!」
命の危機より人としての尊厳のほうがきつかった過去だったせいか結果として肉体的には無傷である。
そして「今」の実況慣れしたいねすであれば、この恥ずかしさに燃える心を“より映える“ようにするのはたやすいことで。
「姫ちゃんのブロウクンハートは今バーニングとなる! ライジングフェニックスコーデにぃ~コーデチェーンジ!」
天高く飛び上がり不死鳥のようなドレスを纏う姿はまさにフェニックス、上昇の頂点で何だかカッコいいッポーズを取ってからバーニングファイアに飛び乗り急降下する大半がもはやギャグにしか見えない。
「って……それ攻撃なのかって……うぉぉぉっ!?」
急降下したまま大爆発し飛び散る瓦礫が周囲に降り注ぐ、そしてその中心でポーズをキメながら振り向いたいねすは熱いプリンセスハートをアピールしながら画面に向かって軽くウィンク。
「来世ではチャンネル登録しろよ!」
その可愛い仕草に呼応するかのようにネット上では“いいね”がものすごい勢いで増え続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
大宝寺・朱毘
立ち位置は遠間。放たれた『過去』が着弾するまで多少でもタイムラグを稼ぎたい。
『過去』の軌道を【視力】を利して【見切り】、ギターから【全力魔法】の【衝撃波】を【カウンター】で当てて威力の減殺を狙う。
それで完全に防げるなどと思ってないが、殺し損なった分の『過去』は体で受ける。地形を『虚無』にされて二の太刀の威力を上げるよりはマシという読み。死ななきゃ安い。
直後、ロック調の【シンフォニック・キュア】で先制攻撃で受けたダメージを癒やす。歌詞は「Injured but Not Broken(傷付けど壊れず)」といった内容。【歌唱】を利し、周囲の猟兵も癒やせれば僥倖。
次いで【全力魔法】の【衝撃波】で反撃。
●
「ギャハハ、お前も過去を味わうがいいぜェ!」
自由の女神をバックに簡易チャージした躯の海発射装置から『過去』が発射されるのを視界ギリギリで待ち受け大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)は眼鏡ごしにそれを凝視した。
(こ、これってあたしがデビューした当時の過去だよな!?)
それはアイドルになる以前のギタリストを目指していた自分自身の夢が詰まったかのようなそんな淡い思い出、それを高速のダウンストロークでこれでもかと言わんばかりにパワーコードを弾きまくりギターをかき鳴らしその衝撃を持って少しでも時間稼ぎをしようというのだ。
なんやかんやでアイドルになってしまったとはいえギターに賭ける情熱は未だに衰えてはいない。
過去の尖った自分の過去が鋭く心に突き刺さり、なぜ夢を曲げてまでアイドルをしているのかなどという自責の念までが脳裏を駆け巡る。
だが……それでもこうして音楽活動に身を置き、そして今この瞬間も戦いの中でギターをかき鳴らしている。
地形を虚無にされるぐらいならと身に受けた己の過去に涙が少し零れるがそれに引きずられず無心で素手でカッティングしまくるその様はまさに狂人の域。
シャープなカッティングでリズムギターとリードギターを同時に弾きロック調に変化した音色は周囲に響き渡り聞く者を癒し始めた。
「Injured but Not Broken(傷付けど壊れず)♪ Stand up no matter how many times you fall(何度倒れようとも、立ち上がる)♪」
魂の歌声は過去で傷ついた朱毘の肉体を癒しさらに激しくかき鳴らすギターの音色は突如衝撃波となりクライング・ジェネシスの肉体を切り裂き血飛沫があがった。
「グググっ……手前まだそんな歌う気力があるってのか……っ」
「ご機嫌なビートを聞いて、燃えないほうがアレだっての!」
久しぶりに過去と対面してなお前向きにアイドルとしての自分を押し通した朱毘にとっては、過去に生きる目の前のオブリビオン・フォーミュラーに対して負けるわけにはいかない。
悲鳴を上げる肉体にムチを入れ更なるセッションのためギターをかき鳴らすのだった。
成功
🔵🔵🔴
久遠・翔
過去の具現化…俺と同じ姿の幻影…まさか、ね?
俺と同じ姿っていうならスピードタイプで速攻してくる
そして攻撃する場所もわかるのでそこをガード…自分の癖は自分がよくわかる
そしてUCで召喚してくる者も決まっている!出てこい不定形少女達!アカネシスターズ!と門を召喚して使役獣達を呼び出す
俺と同じ能力なら…絶対にラッキースケベになる因果に変わる!
あれ?なんでだろう泣けてきた…
女性には攻撃できない・しにくいのも一緒のはず
晒の一番破けやすい位置を攻撃して胸を開放させ、怯んだ隙に不安定少女の抱き着き粘液で服を溶かしアカネシスターズで性的に交わる
流石に相手もボスも動揺するだろうから地形の利用・暗殺で背後から一撃
●
「ギャハハハハ、なんだお前みたいなのまで戦いに出てくるってか」
嫌味な笑いが自由の女神前に響き渡る。
オブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』が腹を抱え笑うのは目の前に対峙した久遠・翔(性別迷子・f00042)を見ての第一声だ。
明らかに馬鹿にしているのだが目の前に出現した“過去の自分”を見ていると何故か心の奥底がザワザワしてくるのだ。
(過去の具現化…俺と同じ姿の幻影…まさか、ね?)
事前に聞いていたとはいえ自分自身が目の前にいるというのは不思議な感覚だった。
そして自分ならそうするであろう戦い方は恐らくはスピードに任せた速攻型、何処を狙ってくるかはわかっていた……はずなのだ。
だがその手に握られたククリナイフが切り裂いてくるのをわかってはいても防御手段に乏しかったのは事実。
胸元を切り裂かれ歯切れが宙を舞う、そして押さえつけられていた豊かな胸が飛び出し大きく揺れてしまっていた。
「なっ、わかってるのに防げないっす!?」
そう……翔が驚くのも無理はない、受けてみて思うのだ翔の一撃一撃にラーッキースケベパワーが上乗せされており普通に対応しているのに自然に脱がされ恥ずかしい目にあわされてしまうということに。
さらにすれ違い様に太もも付近を駆け抜けた一撃がズボンの中で下着だけを確かに切り裂いてしまっていることも。
少しでも避けようと足を出した所につまずき二人は絡み合いゴロゴロと転がりようやく止まる事ができたのだが……。
「ひいっ、なんでっすか!?」
複雑に絡み合った自分と自身、そしてなぜか飛び出した胸の先端を吸うように咥えているもう一人の自分。
「ううっ……出てこい不定形少女達! アカネシスターズ!」
ようやく自らが使う召喚術を使うことができた。
だが密着した状態で服を溶かす不定形少女達が抱き着いてくるというのに“過去の翔”はそれを振り払えずあっという間に捕まってしまう。
「「ンーーッ!!」」
服を溶かされようやく気付いたのは目の前で自分が絡んでいる“過去の翔”がまだ男の子だということ。
そして不定形少女や翔とのラッキースケベはまだまだこれからだということ。
逃げようとすれば余計にえっちな目にあうという自分自身の業を自ら味わってしまった翔はアカネシスターズと共にぐったりとなるまで交り合ってしまう。
「なんだこいつ過去は男で今は女ってかァ? ギャハハハ」
「うっ、うるさいっす!」
腹を抱えて笑っていたクライング・ジェネシスに怒りを一撃を入れたものの翔はそのまま終わりなきラッキースケベ地獄へと連れ戻されてしまったのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
ソラスティベル・グラスラン
世界は、滅びません!
この世界には…わたしたち『勇者(ヒーロー)』がいますから!!
オブリビオンの激流を即座に【見切り】、
【オーラ防御・盾受け】で守りを固め…【ダッシュ】で横っ飛び!
避けきれずとも体は弾かれるだけで抑え、
竜の翼で飛翔、空から彼の背後へ!【空中戦】
振り向く瞬間は放出が止まるはず…
魂の深淵に眠る、わたしの竜よ!
『竜の見えざる巨腕』で彼を、胸の穴を塞ぎ鷲掴み
全力の【怪力】で抑え込みます!
今こそ、上空から【鎧砕き】の大斧を!
貴方の恨み、凄まじいものです!
無能力者からそこまでの力を付けた執念は恐ろしい程に!
だからこそ…残念です
貴方が恨みでなく、【勇気】を心に持っていたなら…!
●
自由の女神前に陣取るオブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』は充填を続ける骸の海発射装置へのチャージが未だ不十分ではあるが十分に脅威であることを示し続けていた。
「ギャハハハハ、貴様らがどう足掻こうと世界は滅びるんだよ!」
「世界は滅びません!」
そこへと割って入ったのは転送されたばかりのソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)だった。
「この世界には……わたしたち『勇者(ヒーロー)』がいますから!」
「あぁそうかよ、勇者様!」
話に割り込むなり胸からオブリビオンを繰り出しそれがソラスティベルへと次々と襲いかかっていく。
「くっ、いきなりですね!」
全身から噴き出されたオブリビオンの濁流を咄嗟に見極めスチームシールドを構えるとオーラを全開で纏わせ強化を行った。
だがそれでさえこの濁流の前には心細い物で、翼を羽ばたかせ流れを受けた勢いをそのまま利用し一気に飛び上がり相手の死角になる側へと一気に飛び越えていく。
(後ろ側ならどうにか射界から外れる事はできるでしょうか……)
それはギリギリの攻防、放たれるオブリビオンの射界から外れた瞬間にスチームシールドが耐えきれず手を離れ何処かへと吹き飛んでいった。
そしてそうなればもう一度視界内へと収めるために射出が一度収まりこちらへと振りむくクライング・ジェネシス。
(読み通り……ですっ!)
振り返るためには無敵形態を解除し放出を止めるしかない、つまり次に放出を始めるまでが勝負なのだ。
「魂の深淵に眠る、わたしの竜よっ!!」
烈火の怒号と共にソラスティベルより伸びた何かがクライング・ジェネシスへと伸びたかに見える。
「俺の最高のオブリビオン・フォーミュラっぷり思い知……ってなんだ! 発射装置が!?」
驚くのも無理はない、いつの間にか見えない竜の巨腕が発射装置を鷲掴みにしそれを許さないのだ。
「てあーっ!」
剛腕で振るわれる大斧が空を切りその重量を今破壊力に変えて叩きつけられたのだ。
鎧がはじけ飛び叩きつけられた地面にクレーターができあがる。
「貴方の恨み、凄まじいものです……無能力者からそこまで這い上がった執念は恐ろしいほどに」
無骨な刃がめり込んだ鎧から血飛沫が吹き上がる。
「だからこそ……残念です、貴方が恨みでなく“勇気”を心に持っていたなら……」
「グハッ……へへっ、未練だぜ?」
勇者の斧を受け普通であれば即死していたかもしれないその一撃を受けつつも未だ言葉を返してみせるックライング・ジェネシス、さすがはオブリビオン・フォーミュラといったところだろうか。
悲しいまでのすれ違いと価値観の違いが二人の間にはあるのだと実感した瞬間だった……。
大成功
🔵🔵🔵
ウィーリィ・チゥシャン
ったく、すごい数のオブリビオンだな。
オブリビオン・フォーミュラを名乗るだけはあるって事か。
けどな、数だけ揃えてイキってる時点でお前の器は知れてるんだよ!
膨大な数の敵も、連携も何も取れてないなら怖くない。
その流れを【見切り】、先頭の敵の先制攻撃を【盾受け】で防御すると共に【カウンター】の【シールドバッシュ】で押し返して転倒させ、倒れた敵を障害物代わりにして後続の敵の流れを堰き止める。
その繰り返しで最小限の動きで敵群の攻撃を凌ぎその間に態勢を整える。
そして【飢龍炎牙】で周囲の敵ごとCGを炎の牙で噛み砕き、それに乗じて一気にCGに肉薄して炎の【属性攻撃】を付与した大包丁で【二回攻撃】で斬りつける!
●
自由の女神前で繰り広げられる死闘は一つや二つではない。
オブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』が全身を砲撃モードに変化させ次々と絶え間ないオブリビオンを発射してくるのをウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)が中華鍋で受け止め始めどれくらい時間がたっただろうか。
「ったく、すごい数のオブリビオンだな!」
そうは言いつつも勢いに負けじと押し返しながら気合を入れなおすウィーリィ。
飛び出てきたオブリビオンの先頭を鉄鍋で押し返しそれ以上は出てこれないようにしているこれが崩れた時が敗北の瞬間になってしまうかもしれない。
「出てこれなきゃ……数がいても意味ないんだぜ!」
先頭に飛び出そうとしているオブリビオンが栓になっていて次の者が飛び出せないという状況が続きすでに疲労はピークに達しようとしていた。
「数だけ揃えてる……だけでイキってる時点でお前の器は……知れてるんだよ!」
強がりともいえる言葉を吐きつつもウィーリィは力を振り絞りオブリビオンの巨体を押し倒してしまった。
「クッ、しつけェぞ小僧!」
「お前こそな! 今度こそ喰らい尽せ、炎の顎!」
龍の姿をした炎が吹き荒れ飛び出してしまったオブリビオンごと全てを焼き付くべく一気に広がっていく。
その炎はまるで浄化でもするかのように燃え広がり断末魔の悲鳴が周囲に満ち,その最期を看取るかのようにやがて掻き消えた。
「貴様ァ、こんなことをして無事でいれると……」
「思うさ! オブリビオンの親玉めっ!!」
大包丁を大きく振り下ろし何度も何度も刃を打ち付けていく。
炎を纏ったその攻撃は確実にクライング・ジェネシスの死へと誘い続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
テラ・ウィンディア
此奴がこの世界の大ボスか
…あんまり威厳とかないなぁ
取りあえず…このおれのセクシーでナイスなボデエが妬ましいのは解るぞ!
お前もその筋肉削ればきっと至れる(超上から目線
…え?違う?
よしぶっ飛ばす(不条理が居た
【属性攻撃】
炎を全身と槍に付与
対SPD
過去のおれ?(スペースシップワールドの頃のおれを見て激切れ
お前っ!お前ぇぇぇぇ!!
何黒騎士アンヘルに無謀な特攻して撃墜してるんだこのどあほ!!
【戦闘知識】で癖の一挙一動を把握し当時の出やすい死角から【串刺し】!
此処で紅龍召喚
そのままクライングジェネシスを巻き込むように
グラビティバスターと紅龍の超高熱プラズマレーザーブレスによる
【一斉放射】で砲撃ーー!!!!
●
この世界を破滅へと向かわせているオブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』と対峙したテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)がまず最初に思った事はある意味素直すぎる子供の感想そのもので。
(此奴がこの世界の大ボスか……あんまり威厳とかないなぁ)
なんというかつるぺたんなボディで胸を張りつつ偉そうにそんな事を思っているけど気にしてはいけない。
「ギャハハハ、お前のような貧相なガキはひっこんでろ!」
テラに侮蔑としかとれない言葉と共に発射された“過去”が襲いかかる。
それは以前の宇宙での戦いで何も考えず無謀な特攻をかましているテラ自身の姿、槍と剣を振り回し一直線に向かってくるその動きは今となればわかりやすいほどに隙だらけだ。
「お前っ!お前ぇぇぇ! 何一直線に無謀な特攻してくるんだー!」
過去の自分のあまりに迂闊な動きについつい叫びたくもなるテラだったが、それを我慢しすれ違いざまに串刺しにし過去の自分を一撃で葬り去る。
「おれのセクシーでナイスなボデェが妬ましくてそんな良い頃のおれを呼び出しても無駄だぞ!」
偉そうにフンと鼻息をつきつつ過去の自分を投げ飛ばし高々と槍を天へと掲げて見せた。
「来たれ炎を統べし大いなる神龍よ!」
紅蓮の炎を纏った龍、さらには超重力に強烈な光線……全てが過去の自分越しにクライング・ジェネシスへと放たれ大爆発が巻き起こった。
不条理な一撃をキメたテラにとってはまだまだこれからが本番、闘いは始まったばかりなのだ。
成功
🔵🔵🔴
フランチェスカ・ヴァレンタイン
首領的な威厳が欠片もありませんわねー…
吐き出されたオブリビオンの群れには急加減速を繰り返す空中戦闘機動に幻惑機動(見切り+残像+フェイント+迷彩)を織り交ぜて
擦れ違いざまに斧槍でなぎ払い、集団の中央でマイクロミサイルの乱れ撃ちなども
立体的に戦域を飛び回り、強襲・爆撃・砲撃を駆使しての空襲で制圧を
周辺を間引きましたら、UCで本体を噴出口ごと簀巻きにしまして
空中に引っ張り上げて超高速回転で振り回し、遠心力を天上へと打ち出すベクトルに転換して――
成層圏へと飛び出してからのフリーフォール体験をどうぞ、ご堪能下さいませ?
…無敵化が解除されるタイミングが地表に激突する瞬間ですと、より効果的なんですけどねー
●
(首領的な威厳が欠片もありませんわね……)
クライング・ジェネシスと調節対峙しフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)が感じた第一印象はそのようなものだった。
だが実力そのものはかなりのものであり、完全発射形態となり発射され続けるオブリビオンを前にはフランチェスカにまず出来た事は高速飛行で振り払うということだった。
急減速と急加速を繰り返しさらにはフェイントなどを絡めた幻惑の軌道を使い可能な限りそれらから身を守る。
それこそが今やらねばならない第一段階といったところだ。
「この状態ですと攻撃が通じないのが面倒ですわね!」
撃ち込んだマイクロミサイルやすれ違い様に振るった斧槍も効果が出ず手詰まり感がでてしまっていうのが正直痛いのだ。
強烈なGに耐えつつ大きくループしながら飛びどうにか最初の攻撃を凌げたと感じいよいよ攻勢へと転じるタイミングがやってきた。
「クッ、何しやがる!?」
「骸殻縛め……まだまだここからが本番ですわ」
射出されたワイヤーが腕を取りそのままグルグル巻きにしたことで射出口が塞がり、勢いを伝えたワイヤーがクライング・ジェネシスの巨体を宙へ舞わせ高く……そうとても高くまで飛び続け超高高度からフリーフォール状態で切り離されたまま堕ちてしまっていく。
「フリーフォール体験、どうぞ……召し上がれ♥」
地表に叩きつけられ砂埃の中からフラフラと立ち上がるクライング・ジェネシス。
両者の戦いはようやくウォーミングアップを終え長く続く戦いの本番へとターンを進めていくことになる。
成功
🔵🔵🔴
バーン・マーディ
…アシュラも…スカムキングも誇り高き者であった
アシュラは少々歪んではいたがな
だが…貴様程性根が腐った小物は珍しい
対POW
【戦闘知識】で胸からのオブビリオン(以下O)の出現位置の把握
距離を詰めOは【カウンター】で切り捨て距離を詰
ユベコ発動
全霊でOを斬り捨て
【怪力】で地面を砕きジェネシスを転倒させ
そいつらは…胸から出てくるのだったな?
そのまま背中を【怪力】を込めて踏み付け魔剣と車輪剣で【二回攻撃・吸血・生命力吸収】で連続で猛攻
無敵だから効かない?
ああ、そうだろう
だが…Oは溢れ続けているな?
出口を失ったそれらは一体どうなっていくのだろうな?
自ら破裂するか…我が剣にて切り刻まれるか
選択は貴様の自由だ
●
「ギャハハハハ、もうすぐもうすぐだぜ!」
高笑いをし自由の女神前で陣取るオブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』はチャージを終えつつある躯の海発射装置を見せつける。
それはどこまでも借り物の自分自身ではない誰かの力を使ったもの、それを見てバーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)はこれまで戦ってきた敵幹部達を思い出し溜息をつきたくなる。
「……アシュラもスカムキングも誇り高き者であった。まあアシュラは少々歪んではいたがな。だが……貴様ほど性根が腐った小物は珍しいぞ」
「ギャハハ、褒め言葉と受け取っておいてやるぜ筋肉ダルマ」
そう言いながらも射撃姿勢を取り胸の発射装置がものすごい閃光を放ち始める、だがこれでも力の一端でしかないことはわかっているだろう。
だがそれでも情人であればこれに耐えきれるはずもないので無造作にオブリビオンを射出したのだが……。
「甘いぞ見え見えすぎる」
暗黒剣を構えた瞬間にさっそくオブリビオンが二枚下ろしにされ真っ二つになる。
だが射出されるのは一体や二体ではない、それでも射出場所とタイミングを経験で予測し刃を向けておけば労せずとも斬り続けれるというものだ。
「我はここに宣言しよう、悪には悪の……正義があると!」
禍々しきオーラで紅く染まったバーンが鬼神の如く次々とオブリビオンを切り裂く姿に動けないながらも驚愕するジェネシス。
だが今更砲撃をやめるわけにもいかず双方の我慢比べがここに始まってしまっていた。
「たしかに今の貴様は無敵だ、だがこうすればどうなる!」
振りかぶった一撃が地面をえぐり取りジェネシスはそのまま前のめりに地面へと伏せる形になってしまった。
しかもその背中をバーンを容赦なく踏みつけその背中にありったけの剣技を叩きつけ続け無敵を解除できないう念入りに殴り続けていく。
「無敵だから意味がないと思っているだろうが……その溢れ続けるオブリビオンはいつまでその状態で出し続けれるのかな?」
前かがみで地面に押さえつけられ砲塔は塞がれてしまっている、そしてそこに高まったオブリビオン達が一斉に限界を迎えそうだ。
「自ら破滅するか……我が剣に切り刻まれるか、選択するのは貴様の自由だ!」
「うるせぇ、この筋肉ダルマ! こうなりゃ死なばもろともってやつだ!」
無敵でなくなった直後、解き放たれたオブリビオン達が一斉に溢れ出し一帯はさらなる地獄絵図へと変わろうとしている。
「やらせるかっ!!」
「ギャアアアアアア!?」
その瞬間を見逃さずバーンの黒き刃が深々とクライング・ジェネシスに突き刺され、余裕ぶっていたジェネシスの情けない絶叫が響き渡るのだった。
成功
🔵🔵🔴
オリヴィア・ローゼンタール
ジェネシス――創世記の名を冠しながら、人の世を呪うか!
真の姿に変身して飛翔、吶喊(空中戦・ダッシュ)
発射装置という形式ならば、砲弾のような軌道の筈
ロサンゼルス防衛戦で培った経験(戦闘知識)で弾道を【見切る】
【怪力】を以って灼熱する聖槍を振るい、【衝撃波】を起こして『過去』を打ち砕く
飛来する『過去』は自身と同一の姿……しかし、私は未来に向かっている、成長し続けている
刹那でも過去の己に負けるつもりなどない(気合い)
【全力魔法】で聖槍に聖なる力を集中・圧縮し、【赫怒の聖煌剣】を形成
全霊を以って【なぎ払い】、余波でジェネシスの足元の『漆黒の虚無』を【吹き飛ばし】、強化を剥ぎ取って叩き斬る
光あれ――!
●
「ギャハハハ、滅べ滅べ!お前たちは呪われよ!」
オブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』は満身創痍に近い状態であろうとも叫ぶことをやめはしない。
自由の女神前などという目立つ場所を戦いの場に選ぶほどにする者からすれば死の瞬間までが人を呪い妬み疎んじるためにその命はあるのだろう。
「ジェネシス……創世記の名を冠しながら、人の世を呪うかーっ!」
そう叫びながら空から舞い降りるオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)が飛び込む先はよりにもよってなのだが、クライング・ジェネシスの胸元に設置された躯の海発射装置そのものだ。
(発射装置というからにはその弾道はおそらく砲弾のように……!)
真の姿へと転じたオリヴィアはその砲塔を凝視しコンマ一秒もその動きを逃すまいと集中を高めていく。
「ギャハハハ、バカめ! 貴様の過去に溺れて死ねェェェっ!!」
撃ち出された“過去!がまっすぐにオリヴィアへと迫る、それは過去の未熟であった自分……そしてそれは乗り越えるべき過去。
「私は未来へ向かっている……刹那でも過去の己に負けるつもりはぁ……なぁい!!」
弾道はさまざまな経験から予測ができていた、そして灼熱した聖槍を振るう腕はこれまでになく漲る力を身体の奥底から導き出していたのだ。
穂先がゴオンと唸りを上げ過去の自分が粉々に打ち砕かれ四散する、いつまでのあの頃の私ではないとすれ違いざまに呟き最短で最速で一直線にオブリビオン・フォーミュラの間合いへと飛び込んだ。
「なんだと!? 一撃で……だと!?」
「無窮の光よ!」
聖槍に集まる輝きが輝きを増し波動が周囲へと広がっていく。
圧縮されそして一気に開放された聖なる力が足元の漆黒の虚無すらを打ち消し過去へと浸食を始めた。
「なっ、我が力が……なぜっ! なぜだ!?」
狼狽えるクライング・ジェネシスには威厳も恐怖もまるでない小物そのものの姿を晒し何故だという顔でオリヴィアを見つめる。
「これは明日を作り出すきぼう……光あれっ!」
赫怒の聖煌剣を最大放出しその暴れるかのように激しい光の刃を前方へと振りかざしその視線ごと“切り伏せた”のだ。
光の奔流に飲み込まれオブリビオン・フォーミュラ『クライング・ジェネシス』としてこの世への恩讐を叫ぶことすら出来ずその身体は分解されそして……吹き飛んだその後には何も残りはしなかった。
……こうして一つの長い戦いは終わりを告げた。
オリヴィアはカタストロフ阻止が上手くいくことを神に祈り天を見上げるのだった。
成功
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