アースクライシス2019⑬~にくきゅうは世界を救う?
●モフラにて
「さあ、働きな!」
びしぃっと地面が鞭打たれ、空気が震える。
ここはラグランジュポイントのとある『島』。名を『モフラ』と言う。
住人はもふもふだと思った?
残念ながら、住人たちは鱗や岩石、あるいは鉱石など、硬い肌を持つ宇宙人たちだ。自身に無いもふもふを愛するが故の、島の名前。その島は今、オブリビオンによって支配されていた。
「数だけは多いんだ、キリキリ働いて、さっさと作りな!」
オブリビオンたちが使用するUFOの部品を作らされている住人たち。
「くっ、俺がアレを使いこなせていたらこんなことには……」
「仕方ないわ、アレは私たち用ではないんですもの」
「今は耐えるのじゃ。きっと、アレを使いこなすヒーローが現れる、その時を」
オブリビオンを倒すだけの力を持たない住人たちは、この逆境に耐えるしかなかったのだ。
●グリモアベースにて
「がう、皆、お疲れ様だよー」
グリモア猟兵のアルファ・オメガ(もふもふペット・f03963)がにくきゅうのついた小さな猫の手をふりふり振っている。
「集まってくれてありがとー。ヒーローズアースの戦争もここが正念場!」
そう言ってアルファは予知の内容を話し出す。
「皆にはラグランジュ・ポイントにあるモフラって島を、オブリビオンから解放して欲しいんだ」
その島を闊歩しているのは『洗脳されしアメフト女子高生』、簡単に言うとアメフト装備な露出強のJKである。そんな彼女らが尖兵として送り込まれているのだ。
「見た目JKだけどオブリビオンなので、遠慮なく倒していいよ」
とにかく島を解放しないといけないので!
●謎兵器の名は……
「がう、それで島の住人たちなんだけどね」
住人たちは戦闘力がほぼほぼ無い。そのため、猟兵たちがオブリビオンと戦い出したら、巻き込まれない様に逃げるだろう。
しかし、だ。
「とっても数が多いんだ。だから助けてもらうことでかなり戦況を有利にすることができると思う」
だが、助けに来てくれたとはいえ、不意に現れた猟兵たちを信用するだろうか?
「そこで登場するのが、これ」
そう言ってアルファがきゅっきゅっきゅーと書き出したのは。
「にくきゅうグローブだよ」
●落ち着いて聞いて欲しい
「島の名前、モフラはモフモフラバーから取られてるんだ」
ゆえに、この島ではもふもふは神聖であり、その真ん中に鎮座するにくきゅうは至高とされる。崇め奉る存在なのだ。
「で、ただの偶像かと思いきや、これが謎兵器だったりする」
具体的には、にくきゅうでパンチした相手を一定時間行動不能にする。しかし、直接的なダメージや殺傷力は無い。爪付いてないし。
「その昔、モフラではこのにくきゅうグローブを使って侵略者を撃退し、島を救ったヒーローがいたんだ」
そのため、このにくきゅうグローブを扱える者は英雄として、信用に足る存在と化すのだ!
「これを使ってオブリビオンを倒していけば、住人たちもきっと協力してくれるよ!」
きっと住人たちで蜂起して暴動を起こす。その隙にJKたちを叩きのめして欲しい。
しかし最終的な判断は参加した猟兵たちに委ねられる。
「どんな作戦で行くかは皆にお任せするけど、何にしてもJKたちを倒して島を解放すること。これが今回の目標だよ」
よろしくね、とアルファは自分のにくきゅうでハイタッチしていくのであった。
るちる
はじめまして、あるいはこんにちは、るちるです。
遅れながらアースクライシス参戦でございます。頑張るぞー。
このシナリオでは特定行動を取ることにより、プレイングボーナスを得られます。
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プレイングボーナス……島に眠る「宇宙人の謎兵器」を使う。
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ということで、謎兵器はにくきゅうグローブです。
にくきゅうグローブ(略称:nig)の効果はOPにある通り。ぺすっとかもふっとかにくきゅうで叩くと、敵の動きを一時的に止めることができます。その隙にフルボッコも可能です。
また、使用者の想像力に反応するようで、例えば遠距離からにくきゅう型のエネルギーを飛ばしたり、ロケットにくきゅうパンチが打てたり、どこからかにくきゅうグローブ(複製)を召喚できたりします。好きなようにカスタマイズしてください。
nigは一家にひとつあるくらい、そこら中で奉られています。サイズ、カラー、毛並み等々お好みのものをどうぞ。
また、自前のにくきゅう(ないしはにくきゅう武器)がある方は、nigの効果のみを受け継ぐことができます。
ちなみにJKたちがnigを使うことはありません。彼女たちにとってその肉体が武器だからです!(脳筋ではない、はず?)
そんな感じで、にくきゅうの感触でJKを倒していってください!
もふもふぷにぷにが、世界を救う!
それではプレイングお待ちしています。
第1章 集団戦
『洗脳されしアメフト女子高生』
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POW : パワータックル
【過酷な部活で鍛えた筋力を最大限活かした 】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【チームメイト】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : ボムシュート
【フィールドゴールのノウハウを活かすこと 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【アメフトボール型爆弾を蹴り飛ばし爆破】で攻撃する。
WIZ : 戦意高揚の舞踊
予め【チーム一丸となってハカを踊る 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
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桜雨・カイ
これがにくきゅうグローブ……ふふっ、さわりごこち良いですね。
い、いや今はそれどころではなくて!
人形にはめさせて【錬成カミヤドリ】発動。相手がボールを蹴りとばせるということはどこかに安全に蹴れる所があるはず、それを見極めて蹴り返します。
半数は【先制攻撃】【2回攻撃】で、にくきゅうグローブの力でボールをもたない敵の動きを封じ、残りはボールを蹴り返します
……終わったらこれ持ち帰って良いか聞いてきましょう(持ち帰りたい)
黒木・摩那
にくきゅうグローブ!!!
なんて素敵スーパーアイテムでしょう。
まさにもふるためのアイテム。猫好きでなくてもこれはイチコロです。
もちろんにくきゅうグローブ付けて参戦します。
ここはもふの代名詞のようなマヌルネコ風の灰グローブで行きます。
せっかくのグローブですから、UC【偃月招雷】で帯電します【属性攻撃】。
もふって、ぽふって、動きが止まったところで電撃入れます。
アメフト爆弾は【念動力】でインターセプトして、お返しします。
これで島の人たちもやる気になってくれればよいのですけど。
ティエル・ティエリエル
WIZで判定
にくきゅうぷにぷにするの楽しいよね♪
大丈夫、あんなやつら追い出してみんなでぷにぷにできるように頑張るよ!
それじゃあ、ちょっとボクには大きいからグローブははめずに全身で持って使うね!
いっくぞー!にくきゅうフルスイングだー♪と全身で振り回してぺったんぺったんするよ!
動きが止まったらとどめの一撃!動きが止まった敵をまとめて【お姫様ビーム】で薙ぎ払うよ☆
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
●舞い降りた有志たち~Lサイド~
モフラにおける強制労働現場。その広大な敷地の西側を担当する猟兵たちが3人。黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)、桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)がこの島に伝わる謎兵器『にくきゅうグローブ』を手に、配置につく。
そして……!
「にくきゅうグローブ!!!」
「これが……ふふっ、さわりごこち良いですね」
「にくきゅうぷにぷにするの楽しいよね♪」
「なんて素敵スーパーアイテムでしょう。まさにもふるためのアイテム」
猫好きでなくてもこれはイチコロ、と摩那が漏らす、その魅力に魅了された3人が……違う、そうじゃない。待って、早く戻ってきて。開始の合図はもうすぐよ!!
「はっ!? い、いや今はそれどころではなくて!」
カイが現実に戻ってきてくれたおかげで、なんとか場の緊張感が戻ってきた。慌てて戦闘の準備に取り掛かる3人。
「大丈夫、あんなやつら追い出してみんなでぷにぷにできるように頑張るよ!」
とティエルが言うように。作戦としては、3人ともにくきゅうグローブを手に戦い、住人たちの決起を促す方針だ。
「ちょっとボクには大きいから、全身で持って使うね!」
フェアリーなティエルは、自分の身長と同じくらいのにくきゅうグローブを抱えるように持って。
「ここはもふの代名詞のようなマヌルネコ風・灰グローブでいきます」
お目当てのにくきゅうグローブを見つけた摩那は、ちゃきっと自分の手に装着。
カイもまた、自身の本体にして自分と同じ名を持つ人形へ、にくきゅうグローブをはめて準備万端。
そして、東側・Rサイドと取り決めてあった合図を機に、3人はオブリビオン『洗脳されしアメフト女子高生』、通称JKたちに向けて突撃したのであった!
●見よ、これがにくきゅうグローブだ!
突然乗り込んできたカイたちにJKの反応は全然追いつかなかった。というか、カイのユーベルコード『錬成カミヤドリ』で大量に増えた人形たちの動きに追いつくはずがなかった。
「隙ありです!」
そんな感じで先制攻撃を取ったカイ。人形たちを巧みに操り、容赦なくにくきゅうグローブを叩き込んで動きを封じ、2回攻撃の要領で打撃を叩き込む! その攻撃に人形の数だけ吹っ飛んで行くJKたち。
人形とJKたちが競り合う中を駆け抜ける摩那。
「せっかくのグローブですから、こうしましょう」
摩那のユーベルコード『偃月招雷』発動。にくきゅうグローブがサイキックエナジーを纏い、帯電状態に。近くのJKに対し、一気に間合いを詰める摩那!
「そりゃ!」
もふっ(謎兵器効果でJKの動きが止まる)
「せいっ!」
ぽふっ(軽い音にもかかわらず、帯電によって破壊力の増したにくきゅうパンチにより、JKが吹っ飛ぶ!)
荒ぶる(?)マヌルネコがJKたちを次々と倒していく様は、まさに狩り。
明らかに攻撃を受けている。そうJKたちが感じた時には、もう結構手遅れだった。
「いっくぞー! にくきゅうフルスイングだー♪」
小さな身体を有効活用して低空飛行からJKの群れに突入したティエルは、急上昇しながらにくきゅうグローブを全身でぐるぐるぐるーっと振り回す。小さな妖精竜巻がJKの群れの中を縦横無尽に駆け回り、その勢いで次々とぺったんぺったんして動きを封じていく。
しかし、JKたちの数は超多い。今は猟兵たちが勢いで押しているが、冷静を取り戻したらきっと数に押し返されるであろう。その懸念を払拭したのは……住人たちの決起であった!
「見よ! アレじゃ! にくきゅうグローブじゃ!」
「ああ、にくきゅうグローブをあんなに華麗に……あの戦い方、まさにヒーロー!」
「今こそ好機! 伝説のように侵略者たちを追い返すんだ!」
猟兵たちの活躍に勇気づけられた住人たちが文字通り立ち上がる。そして猟兵たちの突入でJKたちの監視が緩んだその隙を突いて、住人たちが決起したのであった。
前門の猟兵、後方の住人決起。どちらを優先するか、あるいはどう戦力を割り振るか。その判断の遅れが決定的にJKたちにダメージを与えていく。
最早、味方を巻き込むことも辞さない、と。アメフトボール型爆弾を蹴り飛ばして攻撃に移るJKたち。爆弾が蹴り込まれた先はカイがいる方向と……後方、住人たちの方向!
「させません!」
いち早くその方角を察知した摩那が念動力でアメフトボールをインターセプトする。そのまま、自分の方へ引き込むように操作して、JKの群れに爆弾を突き返す摩那。
そして、カイと彼の人形たちを狙った爆弾は。
「想定済なんですよ」
笑みすら浮かべているカイは冷静に人形を繰る。『相手がボールを蹴りとばせるということはどこかに安全に蹴れる所があるはず』と、こういう展開を読んでいたカイはその瞬間をきちんと見極めていた。
「『ここ』です!」
人形たちがアメフトボールを捉え、そのままJKたちに蹴り返して叩き返す。
結果。
ちゅどどどどどどおおおん!
JKの群れが爆破される。もちろんその前にティエルは退避済なのでご安心を。
爆破されたことにより、大きく戦力を削られたJKたちは形勢不利と見て、残る戦力を一斉に整列させる。それはJKたちの奥の手、『戦意高揚の舞踊』。チーム一丸となって踊るハカダンスが彼女らの戦力を……。
「うーー、まとめてどっかーん☆」
全然上げる暇なかった。
整列したJKたちはティエルにとって絶好の的だった。ティエルのにくきゅうグローブからユーベルコード『お姫様ビーム』がティエルの気合とともに放たれて。列の端から端まで綺麗になぎ払うようにぶっぱされたお姫様ビームが片っ端からJKを吹っ飛ばしていく。
早すぎたんだ(並ぶのが)
戦況は完全に猟兵&住人たちの有利。散り散りになりながらもなおも抵抗するJKたちだが、最早この勢いをひっくり返す力は無い。この場は制圧した、と言える完全勝利である。
「……終わったらこれ持ち帰って良いか聞いてきましょう。いえ持ち帰りたい」
「持ち帰っていいと思う」
「むしろ持ち帰るのが自然な流れでは?」
真剣な表情で戦い続けながら、にくきゅうグローブについて確認し合うカイとティエルと摩那であった。
大成功
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佐伯・晶
見た目に反して割と凄い武器なような
女神降臨を使用しNIGを装着
鏡に映る自分の姿を見てちょっとげんなりするけど
住人達を勇気づけるためだと割切って使おうか
ハカを踊っている間にNIGから出る
肉球型のエネルギーで行動不能にさせていくよ
踊りのリズムを見てたら動きを想像しやすいし
確実に当てていこう
行動不能になった敵は石から創った使い魔で石化していこう
ある意味では肉体美だから彫像には悪くないんじゃないかな
凛々しいとはかけ離れた表情かもしれないけど
踊りきる前にチーム皆を行動不能にできなかったら
飛行を上手く使って攻撃を回避しつつ
NIGで軽く殴って行動不能にして石化しよう
次々と無力化する事でNIGをアピールするよ
ヴィルジニア・ビアジャンティ
ちょっと待ってください!彼ら自身にモフモフがないのにモフモフに憧れているということは、いつかこの星のどこかでモフモフの権化のような生き物を見たことがあるということでは!?
えっ?今はそんなものを探している暇はない?そうですか。
さて、いかに鍛え抜かれた肉体を有していようと接近されなければ無力です。
とりあえず虎毛で大き目なnigを拝借し、『鵂狩り』の手にはめて遠距離から筋肉JKを片っ端から叩きましょう。
モフラの方々が立ち上がったら彼らに当てないよう命中力を上げた『狼狩り』の【援護射撃】をして差し上げます。反乱は虐げられている者自身の手で成ってこそ、ですから。
響・夜姫
もふもふできると思ったのに。だまされたー(棒読み)
でも敵が巨乳オブリビオン略してきょにゅリビオンだった。ぎるてぃ。
nigを十字架型浮遊砲16門に装着。
見た目、砲口が塞がるけど何故か弾もビームも出る。不思議。
「これぞ、さばーニャー」
nigの力も加わった魔改造兵器であるー。
後は嵐の砲火で53セット増やしたさばーニャから【誘導弾/2回攻撃/一斉発射/範囲攻撃/制圧射撃】でひたすらふぁいやー。
【部位破壊/鎧砕き】(胸)が火を噴く、ぜー。
多分nig効果で動きが止まるから防御は考えなかった。
さばーニャが一定数破壊されるたびに嵐の砲火おかわり。
終わりのないおふぇんすー。
……これ、犬の肉球だった。がってむ。
日向・史奈
nigを複製して戦います
私の手には大きいぐらいのサイズに、黒くてもふもふ…
可愛いですね、これ…と、自分で触りたくなってしまうところでした、危ないです…
複製したnigからにくきゅう型のエネルギーを飛ばして広範囲の敵の動きを止めます
範囲攻撃を使うので、かなりの範囲の敵の動きを止められればしめたものです
その間に雷の魔法を使って一斉に敵を倒します
例え敵が強くなったとしても、何回か攻撃を当てられれば倒せるはずですから
住人の皆さんも、自由になるために協力してくれるといいのですが…
●舞い降りた有志たち~Rサイド~
モフラにおける強制労働現場。その広大な敷地の東側を担当する猟兵たちが4人。佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)とヴィルジニア・ビアジャンティ(要塞椅子・f08243)と響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)と日向・史奈(ホワイトナイト・f21991)がこの島に伝わる謎兵器『にくきゅうグローブ』を手に、配置につく。
「もふもふできると思ったのに。だーまーさーれーたー」
おそらくモフラの名前に惹かれていたのだろう。がくっと肩を落とす夜姫の声はいつも通り棒読み気味で。
「はっ、ちょっと待ってください!」
そこでヴィルジニアが声を張り上げた。何かに気付いたようだ。
「彼ら自身にモフモフがないのにモフモフに憧れているということは、いつかこの星のどこかでモフモフの権化のような生き物を見たことがあるということでは!?」
「……!!」
ワンブレスで言い切るヴィルジニアとその言葉に衝撃を受ける夜姫。ふ、気付いてしまったようだな、この星の秘密に! しかし!
「えっ? 今はそんなものを探している暇はない? そうですか」
「またもや、誑かされた……」
がくっと肩を落とすヴィルジニアと夜姫。
そんな二人を横目に、手元のにくきゅうグローブへ視線を落とすのは晶である。
「見た目に反して割と凄い武器なような……」
にくきゅうは偉大なのです。あと、謎兵器だからすごいんです、きっと。
「……はっ。自分で触りたくなってしまうところでした、危ないです……」
史奈の手には大きいぐらいのサイズの黒いもふもふ。その可愛さに魅了されかけて、史奈はなんとか留まる。それはこの戦いが終わった後に、と。
とにもかくにも、東西からの同時突入を作戦として、チームを分けたのだ。もうすぐ西側と取り決めた合図の時間。目標となる住人の強制労働場、そこを闊歩するオブリビオン『洗脳されしアメフト女子高生』、通称JKたち。
「敵が巨乳オブリビオン略してきょにゅリビオンだった。ぎるてぃ」
夜姫にさっくりギルティ認定されるJKたち。
「……」
ユーベルコード『女神降臨』を使用した後、にくきゅうグローブを装着した晶は鏡に映る自分の姿を見てちょっとげんなりしている。
そして夜姫は、機動浮遊砲盾に追加ユニットも全部ぶっこんで16門に強化。その上に砲口へにくきゅうグローブを装着。
「これぞ、さばーニャー」
機動浮遊砲盾がにくきゅうグローブの力を得て、魔改造兵器になった瞬間である。
「見た目、砲口が塞がるけど何故か弾もビームも出る。不思議」
不思議。
「住人の皆さんも、自由になるために協力してくれるといいのですが…」
3人の様子と住人たちの様子を見比べながら、史奈がそう零して。
そして、西側・Lサイドと取り決めてあった合図を機に、4人は攻撃を開始したのだった。
●百花繚乱、にくきゅう乱舞
合図の後、最初に動いたのは史奈。
「仕掛けますね」
複製した後に浮遊させた大量のにくきゅうグローブからにくきゅう型エネルギーを一斉に飛ばしていく。まだ状況を掴めていないJKたちへ不意打ちの先制攻撃。その範囲はかなりの広範囲にわたり、大量のJKたちの動きを封じていく。
しかし直線的な照射に全てのJKたちを捉えることは難しい。
「さて、いかに鍛え抜かれた肉体を有していようと接近されなければ無力です」
史奈の届かない範囲をカバーするように動いたのはヴィルジニア。首の後ろにある端子『BMI』を通じて、今も座り続けている、数多の武装が施された車椅子『要塞椅子』にコネクトした彼女はひとつの武器を起動させる。
携帯型地対空ミサイル発射機、その名を『鵂狩り』。そこから射出されるUDCの腕。あらかじめその腕に虎毛&大きめのにくきゅうグローブをセットしていたヴィルジニアは、視界の範囲で縦横無尽に走らせる。にくきゅうグローブに触れ、動きを止めていくJKたちが次々と増えていく。
そこへ無慈悲な攻撃を仕掛けたのは夜姫である。
「ひたすらふぁいやー」
ユーベルコード『虚構兵装・嵐の砲火』で先のさばーニャ16門を53セットまで増やした夜姫は、持てる技能をフル活用して、砲撃を叩き込んでいく。あまりにも暴虐的な嵐のような攻撃に成す術も無く、吹き飛ばされていくJKたち。
壊滅していく前線を見て、後方のJKたちは顔を見合わせる。これはやばい、と。とりあえず突破するためのパワーアップ、ハカダンスを踊ろうとしたJKたち……を狙っていたのは晶である。
「確実に当てていこう」
にくきゅう型のエネルギーを飛ばしてJKたちを行動不能にしていく晶。ハカのリズムを見切って、動きに合わせて、と正確性を重視したにくきゅう狙撃はハカダンスを乱すには十分な攻撃だった。
戦況は猟兵有利。しかし、どこにそれだけいたのかという数のJKたちが次々と姿を現わす。その数はいかに広範囲な攻撃を繰り返していても留めることができないほどに。
徐々に冷静さを取り戻したJKたちが攻勢に移る。
チームメイトの協力を得てのパワータックル。協力プレイを仕掛けてきたJKたちはチームメイトを犠牲にしつつ、弾幕の中を前進してくる。
それとは別に夜姫たちの上空へ降ってくるのは、蹴りだされたアメフトボール型爆弾だ。
「多分、にくきゅうグローブの効果で動きが止まるからって、防御は考えなかった」
そう言って夜姫はさばーニャ数基をアメフトボール型爆弾にぶつけて相殺する。その衝撃で破壊されるさばーニャ(複製)。
「ちょこまかしすぎでは!」
弾幕の中を突き進むJKに思わず舌打ちするヴィルジニア。ヴィルジニアの撃ち出したUDCの腕は伸びる半面、掌の部分をすり抜けられるとにくきゅうグローブを当てられない間合いがある。そこを突かれると咄嗟の動きは難しい。
「危ない!」
とうとう抜けてきたJKをとっさににくきゅう型エネルギーで狙撃する史奈。動きが止まったそこを、ヴィルジニアのUDCの腕がJKをなぎ払って吹っ飛ばす。
数の暴力で、徐々に戦況が傾いていく。このままではいかに遠距離を保っていてもいつかその弾幕を突破される。しかし……まだ戦況は、決まってない!
「にくきゅうグローブだ! にくきゅうグローブを使いこなす人が現れた!」
「なら、彼女たちがヒーロー! それは私たちが信じてきた道の通り!」
「俺たちの島を取り戻すんだー!」
JKたちの後方。猟兵たちの活躍に勇気づけられた住人たちが決起する。彼らにJKたちを倒し切る力はないが、その数はJKたちを上回る……!
前門の猟兵、後方の住人決起。どちらを優先するか、あるいはどう戦力を割り振るか。その判断の遅れがJKたちに隙を作った。
「小っ恥ずかしいけど、我慢我慢」
晶は魔力の翼で空へと飛びあがる。その姿は、可憐なドレスの形状をした宵闇の衣を纏いし女神……がにくきゅうグローブを着けている。その姿を見たなら、確かにちょっと頭抱えてもおかしくない。けれども今は割り切って。
晶は決起した住人たちの士気をあげるため、戦う姿でアピールを続ける。空からにくきゅう型エネルギーを降り注がせて、JKたちの動きを止めて。そして遣わすのは、石から創った使い魔だ。
「彫像っていうのも悪くないんじゃないかな」
仮初めの邪神たる彼女の使い魔は元になった物質の能力を得る。つまりは石化能力。『女神降臨』で強化された使い魔たちが次々とJKたちを石化させていく。
「ある意味では肉体美……凛々しいとはかけ離れた表情かもしれないけどね」
晶の活躍に奮い立った住人たちがその勢いを増していく。
「……反乱は虐げられている者自身の手で成ってこそ、ですから」
そう言ってヴィルジニアは要塞椅子に新たな指示を送る。がしゃんとラックが開き、そこから取り出したのは機関銃『狼狩り』。
「出来ればあまり動かないで下さると嬉しいのですが」
いつものやつ、と軽口を叩くようにして、詠唱したユーベルコード『兵常愪天』。命中率を重視した援護射撃がJKたちの足元を撃ち抜いていき、住人たちの行動を支援していく。
浮足立ってきたJKたちの隙をついて、夜姫がさばーニャ嵐の砲火おかわり。
「部位破壊と鎧砕きが火を噴く、ぜー」
とばしゅばしゅ放たれる砲撃のことごとくがJKたちの胸を撃ち抜いていく。部位とは、鎧とは胸のことだったのか。ぎるてぃされてたから仕方ないね!
「終わりのないおふぇんすー」
それが繰り返されるのだから、JKたちもたまったものではない。
それでも冷静に行動してくるJKたちもいる。晶の攻撃、ヴィルジニアと夜姫の弾幕。それらを潜り抜けて、接近……してきたJKたちを待ち受けていたのは。
「残念ですが……」
史奈のユーベルコード『は之業【白虹貫日】』。発動したのは雷の魔法。突破してきたJKたちのことごとくを、天より降り注ぐ雷で打ち据える。一撃では倒せなくとも、二撃、三撃と。
「何回か当てられれば倒せるはずですから」
史奈の言葉が示す通り、何度も雷に打たれたJKたちは耐え切れず、力尽きていく。
最早、接近戦でも遠距離戦でも猟兵たちへダメージを与えることできず。JKたちは猟兵の攻撃と住人たちの数の暴力に駆逐されていく。東側・Rサイドを完全に制圧した瞬間であった。
●そして
住人たちとこの場の勝利を喜び合った猟兵たちはつかの間の休息を取る。
「よかった……」
決起してくれた住人たちを見て、史奈がほっと胸を撫で下ろす。理不尽な支配はもうすぐ終わりを告げようとしている。
「……これ、犬の肉球だった。がってむ」
またもや事実に気付いてしまった夜姫は肩をがっくり落とす。そう、猫のにくきゅうとはどこにもうたわれていないであった。気付かなければ幸せだったかもしれないのに。
「では今から、起源となった謎の生物を探す……え、まだ終わってない? そうですか」
残念そうに要塞椅子の中に崩れ落ちるヴィルジニア。
「だよね。もうちょっとあるよね」
思わず視線を空に向けてしまう晶。この小恥ずかしい衣装を早々に換装したいのだが、そう。この強制労働場の、ひいてはモフラの解放まであと少しあるんじゃ。
その後、猟兵たちと住人たちは協力して、東側と西側の両面から徐々に制圧範囲を広げていった。そしてJKの最後のひとりが倒され、モフラを支配しているオブリビオンは全て倒された。ここにモフラの解放は成ったのだ!
オブリビオンの拠点をまたひとつ潰すことに成功した猟兵たち。そしてヒーローズアースを巡る戦いは、更なる局面に突入しようとしていたのであった。
大成功
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