アースクライシス2019⑪~敗者は去るのみ〜
『ああ、もうダメなんだ!』
『うるせぇ、いいからそこをどけ!』
巨大な汚水槽がある通路の前で男たちが怒鳴り合う。
『このままじゃこの汚水槽は爆破されて、ニューヨーク中が汚れてしまうんだ!』
『そうしないために俺たちは爆弾の解除キーを持ってきたんだ! だからそこを……』
『もうおしまいだぁぁぁぁぁ!』
顔全体を覆うマスクを被った男がそう叫んだ瞬間、男たちの体が吹っ飛ばされ、通路の壁や床に叩きつけられる。
『ほら……言っただろう。もうおしまいなんだって……』
そう言ってマスクの男はその場でしゃがみ込んだ。
「……ということが今、ダストブロンクスの下層『ダウン』で起きています」
映像を切ったルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)は改めて猟兵達に向き直った。
ダストブロンクス・アッパーが猟兵達に制圧されたことに乗じ、ダウンにいたヒーロー達が蜂起し、ダストブロンクスの巨大汚水槽に仕掛けられた爆弾の解除を行おうとしている。
この爆弾はスカムキングがダストブロンクスの住人が裏切った時、汚水槽を爆破して人の住めない環境に変えるために仕掛けていたものらしい。
「ですが、これだけの騒ぎになっているのに起爆してない所を見るとスカムキングは別の所にいると考えられます。なのでこの機に乗じて全て解除してしまおう、というのがヒーロー側の思惑です。ちなみにヒーロー達の努力によって、その汚水槽の場所と爆弾の解除方法は解明されています」
しかしスカムキングは万が一の事態を想定したのか、各汚水槽の周りに配下のオブリビオンを着かせていた。
当然ヒーローだけでは巨大汚水槽を守るオブリビオンを突破する事は出来ず、冒頭の映像のようにいずれも返り討ちに合っている。
「ですので、汚水槽の場所までヒーロー達に案内してもらい、我々がオブリビオンを引き付けている間にヒーローの皆様に解除に当たってもらいたいと考えております」
今回汚水槽に案内してくれるのは、「エヌ」と「エス」と名乗る双子の少年ヒーローだという。
「どうやら磁石の力を使って相手を吹き飛ばすヒーローだそうです。彼らも『猟兵達のお役に立ちたい』と怪気炎を吐いているので、彼らが幻滅するどころかさらに尊敬するような立派な姿を見せてきてください」
平岡祐樹
emergency! emergency! 総員、息切れしてないか! まだ敵はたくさんいるぞ!
皆様お疲れ様です、平岡祐樹です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
今案件では『ヒーローを守り、共に戦う』ことでプレイングボーナスがつきます。スカムキングの居場所は別シナリオで明らかとなっておりますが、そこに突入する前に帰る家を無くしてやりましょう!
第1章 ボス戦
『ネガティブ・スクリーマー』
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POW : ネガティブマインド
全身を【陰鬱としたオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【負傷と、それに伴う負の感情】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : ダークスクリーム
【不平不満を込めた、衝撃波を伴う叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : エンヴィカウンター
対象のユーベルコードを防御すると、それを【妬む気持ちから無理やり再現する事で】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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「こんばんは、僕はエヌ!」
「俺はエス!」
「二人揃ってマグネットヒーローズです!」
10から11歳ぐらいの少年が、必死に練習してきたと見られる紹介をしてきたところで猟兵達のささくれだった気持ちが少しだけ安らぐ。
「この先に問題の汚水槽があります」
「でも、その前にあの変なマスクを被ったお兄さんが道を塞いでいて……通ろうとした僕たちの先輩を大声で吹き飛ばしてしまったんです」
そう言って視線を向けた先には頭を抱えて蹲る長髪の男の姿があった。
ナギ・ヌドゥー
へぇ、君達その歳でヒーローなのかい?将来有望だね
……その未来を失くさない為にも負ける訳にはいかないな。
マグネットヒーローズ、あの絶叫に合わせて磁石パワーをぶつけてくれないか?
あの衝撃波を相殺できるかもしれない、同時にぼくも仕掛けよう。
二人に合わせ【殺気・呪詛】を込めた【呪殺弾・制圧射撃】の攻撃で【恐怖与える】
怯ませたらUC「咎狗無明縛」発動
放つ拷問具は猿轡、マスクごと口を抑え質問
『アンタの不平不満って具体的に何だ?』
さぁ聞いてやるぞ、遠慮無く言ってみろ。
どうした?真実を言わねばソレは外れんぞ?
あぁ猿轡で話しにくいのか、ククク……【精神攻撃】
「へぇ、君達その歳でヒーローなのかい?将来有望だね」
「いえ、でも全然実績は無いですし……それに上では僕たちぐらいの子が活躍してるって聞いてます!」
「若いからまだまだ、じゃなくてぼーっとしてたら置いてかれる、って思わないと」
お世辞の褒め言葉に真面目に返してきたマグネットヒーローズにナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)は内心感心していた。このくらいの少年なら承認欲求が高いだろう、と思っていたら割と周りを見れていたからだ。
「……その未来を失くさない為にも負ける訳にはいかないな。マグネットヒーローズ、例の絶叫に合わせて磁石パワーをぶつけてくれないか? あの衝撃波を相殺できるかもしれない」
「え、でも物ならともかく声は……」
「大丈夫だ、同時にぼくも仕掛けよう」
「……ああ、もう、なんでみんな死ぬのが分かってるのにもがこうとするんだ……」
オブリビオンはぶつぶつと文句を垂れ流すだけで、攻撃しようとしてこない。ナギ達に気づいてないのか、偶然前を通りがかっただけでこっちにはこないだろうとたかを括っているのだろうか。
「いくよ、エス!」
「おう!」
エスがオブリビオンに磁力を持たせるとエヌが勢い良く突進していく。すると同一の磁力を持たされたが故にオブリビオンは汚水槽のある広場の手前まで弾き飛ばされた。
「くそっ、どいつもこいつも何で諦めないんだ! スカムキングが戻ってきたら爆弾が無くても僕たちは……」
「戻させはしないさ、そのためにぼく達はここに来た」
エヌと入れ替わるように前に出たナギは掌から殺気と呪詛を込めた黒い光球を生み出し、放つ。
「な、なんだよこれ! こんなの聞いてなモガッ!」
その禍々しさと威力に怯え、怯んだオブリビオンの口元に黒い布が現れ、独りでにオブリビオンの口を塞ぐようにきつく巻かれる。
「アンタの不平不満って具体的に何だ? さぁ聞いてやるぞ、遠慮無く言ってみろ。どうした? 真実を言わねばソレは外れんぞ?……あぁ猿轡で話しにくいのか。ククク……」
話せないことが分かっているのにマシンガンのように畳み掛け、笑い始めたナギに恐怖にかられたオブリビオンは布に手をかけて外そうと足掻く。
「なんだみんな死ぬみんな死ぬと言っておきながら、自分は生きたがってるではないか。言ってることとやってることが矛盾しているぞ?」
マスクをしているため、どのような表情をしているかは分からない。しかし少なくとも笑ってはないだろうな、と思いながらナギは鉈を構えながらゆっくりと近づいていった。
成功
🔵🔵🔴
ガルディエ・ワールレイド
「俺は騎士のカルディエだ。頼りにしてるぜ、マグネットヒーローズ。ただし無理はすんなよ」
◆行動
前衛
装備は《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流
《武器受け》で防御
マグネットヒーローズへ攻撃が行く場合は最優先で《かばう》
また彼らが磁力での吹き飛ばしを決めやすいように、敵を引きつけるし、吹き飛ばしに成功した場合は即座に追撃を行うぜ。
あと、怪気炎と称された気合がちと不安では有る。
無謀な行動に出ないかには注意するぜ
◆ネガティブマインド対策
受けたダメージと、負の感情に応じて強化か。ならば、感情を感じる心だけを砕いてやるよ
敵のみを対象と指定して【破魂の咆哮】で攻撃
「俺は騎士のカルディエだ」
「はい、本日はよろしくお願いします!」
そんな会話を交わしていたガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)はナギにじわじわと嬲られているオブリビオンを眺めつつ魔槍斧と魔剣を構えていた。
「頼りにしてるぜ、マグネットヒーローズ。ただし無理はすんなよ」
「はい、もちろんです!」
そう言ってマグネットヒーローズは助走をつけて、蹲るオブリビオンの上を跳んで通過していく。
その際再び体が近づけられたことにより、オブリビオンの頭は勢いよく地面に叩きつけられた。
その上にガルディエは思い切り振り上げた斧槍を叩きつけ、床につくだけだった頭を埋め込んだ。
「……む、むぐぅー!」
怒った様子のオブリビオンは、自分の頭の形に凹んだ穴から頭を上げて唸る。
すると体から陰鬱とした黒いオーラが漏れ始めた。
「ん? 本気を出したってところか?」
猟兵達が様子を見る中オブリビオンはマスクを少しだけ上げ、露わになった自分の歯で先ほどまでびくともしてなかった猿轡を噛み切った。
「通さない……通したら、僕が、スカムキングに殺されるんだ!」
細身の体からは想像できない速さで走り始めたオブリビオンは磁力を無視して、先を走るマグネットヒーローズに手を伸ばす。
しかしそのスーツの襟に何かが引っかかり、オブリビオンの手は空を切った。
「お、お前、邪魔をするな!」
「ガルディエさん!」
オブリビオンの叫び声に思わず振り返ったマグネットヒーローズが見たのは斧槍の刃を首筋に後ろからつけられたオブリビオンの姿だった。
「早く行け、お前らのやるべきことはこいつを倒すことじゃないだろう!」
援護しようと戻ろうとしたマグネットヒーローズをガルディエが叱責する。自分たちの役割を思い出したマグネットヒーローズは後ろ髪を引かれる思いをしつつも、背を向けて走り出した。
「あ、待て……いや、その前に刃をどけ……」
『咆哮に耐えねば竜の前に立つ資格は無い。テメェにそれが有るか?』
排水路の空気を震わせる咆哮に先ほどまで強気な態度を取っていたオブリビオンは腰が抜けたようにその場で尻餅をつく。するとオブリビオンの体を覆っていたオーラが霧散した。
「受けたダメージと、負の感情に応じて強化だったか。ならば、感情を感じる心だけを砕いてやるよ」
「ひ、ひいぃぃぃっ!」
砕く、という言葉に反応してオブリビオンは尻餅をついたまま後ずさりし、ガルディエから逃げようとする。
しかしその動きはあまりに遅く、ガルディエが2つの武器を使って袋叩きにするのは至難の技では全く無かった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
もう息切れしてるよー
疲労困憊だよー
☆UC対策
自UC発動
負の感情の塊みたいな存在に向けるには、とっても便利なUCだろう
別に使ってもいいよ
でも私の負の感情と貴方の負の感情、どっちが強いかは当然……
☆通常攻撃
【オーラ防御】展開
【第六感】で攻撃を【見切り】光の鎖で【早業武器受け】からの【念動力】で操り捕縛、地面に叩きつける【カウンター】
足払い狙いの【なぎ払い】攻撃や【高速詠唱】のバリアも混ぜてとにかくペースを乱す
☆護衛
あらかじめ【高速詠唱】で透明なバリアを張り、ピアノ線による捕縛罠を仕込む(【罠使い】)
捕まえたら【全力魔法】の【衝撃波】でぶっ叩く
「おやおや、もう気持ちが折れちゃった? まぁ、いいや。私もここら辺で一休みしたかったところだし?」
力自慢と拷問自慢の猟兵2人に心身ともにボコボコにされるオブリビオンの姿を見て鈴木・志乃(ブラック・f12101)は思いっ切り体を伸ばす。
頭を抱えて為されるがままにされていたオブリビオンは悲鳴と一緒にぶつぶつと呪詛を吐き始めた。
「憎い……痛い憎い憎い憎い! お前らは僕よりも強いから、ぐはっ、そう好き勝手やれるんだ、言えるんだ! ぐえっ、持たない者の怨念を、思い知れよぉ!!」
そう叫んだ途端、落ち着いていた黒いオーラが噴出し、周囲にいた猟兵達を跳ね除ける。
邪魔者がいなくなった所で、オブリビオンは志乃の立っている方向に向かって猛ダッシュをかけてきた。
「はい、残念でした」
しかしいたずらに殴られている間に志乃がコツコツ建造していた透明なバリアに顔面を打ちつけ、転んだところで捕縛罠が仕込まれたピアノ線に引っかかる。
足を拘束され、天井に吊り上げられたオブリビオンが抵抗してこないように全力を込めた衝撃波でぶん殴ってから志乃は笑顔を浮かべて歩み寄った。
「いやー、隣の芝生は青いとは言うけど、そんなに人のことばっかり羨ましがってて疲れないかい?」
「う、うるさい! ヒーローなんか目に見える部分でしか助けてくれないくせに! 今だってそうさ、スカムキングがいなくなったから正義面して大暴れしてんだろう!」
「まー、確かにそうだね。でもね……」
志乃はひっきりなしに暴れるオブリビオンが見やすいようにしゃがみ込み、顔を覗き込んだ。
「私達がここでしか戦ってないとでも思った? 『私は祈願成就の神の娘。全ての人々の意志を守る神子。その呪い(願い)をこそ、力に変えて魅せましょうとも』」
志乃の体からオブリビオンの黒いオーラを飲み込むほどの強い光が漏れると同時に、吊り上げていたピアノ線が限界を迎えて切れる。
重力に従って落ちるオブリビオンの体を素早く光の鎖で捕縛すると、念動力任せに一旦宙に浮かせてから改めて地面に叩きつける。
オブリビオンが猟兵に抱える恨み辛みや体が訴える痛みがどんどん増していけば黒いオーラは増え、オブリビオン自身の身体能力も上がっていく。
しかしそれを遥かに超える勢いで光量を増す志乃は素早く足を払うと上からバリアの雨を降らせてオブリビオンを地面に縫い付けた。
「私の負の感情と貴方の負の感情、どっちが強いかは当然……。大人しく降参すればいいさ」
成功
🔵🔵🔴
クトゥルティア・ドラグノフ
※アドリブ共闘大歓迎
流石下水迷宮、彼らがいないとどうしようもないね。
よーし、ここは私たちに任せてよ!
【優しさ】と【コミュ力】で安心させておくよ。
さてぶっつけ本番になるけどうまく使えるかな?
指定UCを即座に発動、オーシャン・ドラゴンは予め二人を守るため、エヌエスどちらかの側に泡で穴を空けて、そこに潜伏させておくよ。
さて敵とはまず剣で勝負!
【戦闘知識】で敵の急所を【見切り】【怪力】でダメージを与えるよ!
【野生の勘】を使った【カウンター】も時折混ぜれば動揺は誘えるかな?
おっと、私よりもヒーローを狙ったってうまくいかないよ!
潜伏させておいたオーシャン・ドラゴンを飛び出させてラッシュを食らわせてあげる!
「な、なんでもう一人いるんだ!?」
マグネットヒーローズが下水道を抜け、汚水槽のある広場にたどり着くと、そこには先ほどの者と全く同じ姿かつ無傷のオブリビオンがいた。
「……それは、僕にもわからない……。でも、君たちを止めなければ僕は別の僕共々殺されてしまう……だから君たちには死んでもらわなきゃ……」
そういえば、スカムキングのクローン体がアッパーとダウンに出現していたという。このオブリビオンもその類か、と判断したマグネットヒーローズは攻撃の構えを取った。
「流石下水迷宮、君たちがいないとどうしようもないね」
その前に、天井から降りてきたクトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)が立ち塞がった。どうやら独自に行動して道に迷ってしまっていたらしい。
「よーし、ここは私たちに任せてよ! 『いくよ、オーシャン・ドラゴン!』」
『WSHYAAAAA!!』
クトゥルティアの呼びかけに、青い鱗を持った竜人がどこからともなく現れる。
「オーシャン・ドラゴンは、彼らを守るための壁を作っておいて!」
その声に応じたオーシャン・ドラゴンは戦う気満々だったマグネットヒーローズの耳元で何かを囁きながら、その身柄を確保すると広場の隅へと連れていった。
クトゥルティアは青い長剣を出し、オブリビオンに斬りかかる。
戦闘知識で敵の急所を見切った的確な一撃は、細い腕から繰り出されたとは思えないほどの威力を持ち、オブリビオンに膝をつかせた。
「な、なんで女のくせにぃぃぃ!」
「ねぇ君、男女で差別しちゃダメだよ?」
不平不満を込めた、衝撃波を伴う叫びを適当にあしらい、カウンターの一撃を叩き込む。
「くそっ、こうなったらヒーローから先に…!」
自分では相手にならないと早々に白旗を上げたオブリビオンは視界の隅に映った竜人に連れられたマグネットヒーローズが行った先に視線を移す。その先には綺麗な泡が床中にばら撒かれていた。
「汚水槽に入る前に身を清めようとしてるのか、贅沢な話だな!」
オブリビオンはクトゥルティアの僅かな隙をついて泡のある方へ駆け出し、泡を吹き飛ばそうと叫んだ。
「残念、ハズレだよ」
吹き飛んだ泡の中から飛び出してきたのはマグネットヒーローズではなく、クトゥルティアが呼び出した竜人。
「君もキレイになろうか?」
竜人はオブリビオンの首を掴むとそこから大量の泡を発生させる。押し寄せてくる泡にオブリビオンは口を封じられ、それ以上喚くことができなくなった。
そして、その頃マグネットヒーローズは竜人が潜伏していた泡の先で開通させられていた汚水槽への通路へ突入しようとしていた。
成功
🔵🔵🔴
ミスト・ペルメオス
【SPD】
こういう場所での戦闘は不慣れなのですが…やれるだけやってみせます。
2人(双子のヒーロー達)も懸命に戦っているのですから…!
愛機たる機械鎧を駆って参戦。…閉所では行動が制限されると考えられるが作戦を強行。
戦闘開始直後に【サモン・ブラックバード】、降機して愛機は自律稼働状態に移行。
共にスラスターを駆使した高速移動を行いつつ、連携して敵に当たる。
愛機はビームシールド/ブレードやマシンキャノンを利用した接近戦を、
自身はサイキック・フィールドを攻防に(投射したり防壁として展開したり)活用して戦う。
自らと愛機、双方が囮であり本命。両方の対応を迫ることで消耗させていく。
※他の方との共闘等、歓迎です
桜井・夕月
社会に疲れた様な姿に同情しない訳でも無いけど、終わるんならひとりで終わってね?
いつも通りの月牙を使ってサポート中心で行動
実弾も衝撃波の魔弾も回復用の魔弾もガンガン撃つよ
【属性攻撃、援護射撃、スナイパー、クイックドロウ、範囲攻撃、医術、高速詠唱、2回攻撃】
影獣は犬の形「ティン、よろしくね」
ティンにも味方の攻撃のサポートと必要になれば盾になって貰う
地形を利用して敵も味方も位置の把握は常にする
敵の攻撃は第六感で回避か、衝撃波を出せる魔弾で相殺的なこと(カウンター)が出来れば面白いかな
戦闘中にヒーローさんが解除を試みるならそっちには近づけさせないし、
戦闘するなら吹き飛ばす隙を作るよ
アドリブ共闘歓迎です
「社会に疲れた様な姿に同情しない訳でも無いけど、終わるんならひとりで終わってね?」
いつも通りにスナイパーライフル型のガジェットを構えた桜井・夕月(もふもふ信者の暴走黒獣・f00358)は電球を交換するための高台から戦局をスコープ越しに見つめていた。
階下では愛機たる巨大な機械鎧を操縦し、機械鎧にとっては非常に狭い下水道の中を突破してきたミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)がちょうど広場に突っ込んでいた。
「こういう場所での戦闘は不慣れなのですが……やれるだけやってみせます。2人も懸命に戦っているのですから……!」
ミストが操縦席から飛び降りると、機械鎧がひとりでに動き出す。
狭い隙間を通るにはミストの操縦技術が必要だったが、この広場程度の広さがあれば内蔵されているAIに全てを任せられるのだろう。
「さぁ、行きましょうブラックバード!」
「ティン、よろしくね」
夕月の影から、複数の尾を持った犬のような見た目の影獣が現れる。ティンと呼ばれた影獣は夕月に向けて一吼えすると、助走をつけて階下に飛び降りた。
「どいつもこいつも、ペットだかロボットだか連れて来て……! そんなに人に自分の財力を誇りたいのか!」
オブリビオンが口から放った呪詛混じりの衝撃波が夕月のライフルから放たれた衝撃の魔弾と相殺する。
「ブラックバードは財力を誇る手段ではありません、相棒です」
「どっちでもいい! 僕には金も友人も何もかもいないんだよ!」
スラスターを駆使した高速移動を行いながらオブリビオンと対峙するミストはサイキック・フィールドを展開してオブリビオンの絶叫を受け止めつつ、その体を潰しにかかる。
しかし打ち出す力と衝撃波の威力が同じか極めて近いのか、形は維持しつつも一定の距離に達したところで止まってしまう。
だがその後ろから巨大なブレードを振りかぶるブラックバードが最小限の動きで近づいてきていた。
叫び声から連鎖する衝撃波をビームシールドで受け止めたブラックバードが振り下ろしたブレードはとっさに避けたオブリビオンの袖口を裂く。
平常なら紙一重の所で避けることが出来ていただろう。
しかしミストとブラックバード、双方が囮であり本命という強力な1人と1体の接近戦攻撃の対応を同時に迫ることでオブリビオンの体力と思考を確実に消耗されていた。
その結果、反応が僅かながら遅れてしまったのだ。
「いっだぁぁぁぁぁぁ!」
露わになった肌から大量の血が噴き出し、その痛みを込めた咆哮が天に向けて放たれる。
それにより夕月の周りにある電球が震え出していくつか割れたが、電球以外の光源があることから夕月は耳に襲いかかる悲鳴と降りしきる破片に苦しみながらも、引き続き照準を絞ることが出来ていた。
「本当に、寂しい人生を送ってきたんだ……。早く骸の海から解放されるんだね」
「僕に、同情なんか、するなぁぁぁ!」
オブリビオンの息が続かなくなり、声が途切れたところでティンがオブリビオンの右腕に噛み付いて引っ張る。
オブリビオンの視線が下に向かったところで夕月は衝撃波の魔弾以外の弾をこめてすぐに撃った。
弾丸はオブリビオンの左足を撃ち抜き、あまりの痛さにオブリビオンは体勢を崩した。
その傷が塞がる前にブラックバードはすぐにブレードから持ち替えたキャノンを構え、容赦なく放つ。
すかさずミストはサイキック・フィールドをオブリビオンの周りに展開し、砲弾の影響が周囲に出ないようにカバーした。
ティンと入れ替わりにサイキック・フィールドの檻の中へ飛び込んだ砲弾が大爆発を起こす。中から爆風で吹き飛ばされたオブリビオンは服装だけはボロボロになりつつも足取りは未だにしっかりとしていた。
「あれだけ食らっていてまだ動けるのか……」
「うーん。さっき脚を射抜いたばかりのはずなんだけどなー」
オブリビオンのタフさに2人が舌を巻く中、毒々しいケミカルな色を浮かべている汚水槽からマグネットヒーローズが浮上してきた。
予兆なく起きた水飛沫と呼吸音で周りにいた猟兵とオブリビオンの視線が集まる中、先に息を整え終わったエスは叫んだ。
「お待たせしました! 爆弾の解除、終わりました!」
「そ、そんな、嘘……だろ……そんな!?」
オブリビオンは痛みと恐怖で震える足を引きずりながら汚水槽へ近づいていった。
しかしその進路先に銃弾が突き刺さる。
「おっと、ヒーロー君が陸地に上がるまでは接近禁止だよ?」
踏ん張ることが出来ない水中にいる状況で激昂したオブリビオンの一撃を受けるのは非常に危ない。
爆弾が解除されたことに気を緩めるようなことはせず、夕月はライフルを撃ち。
「まだまだブラックバードの燃料に余裕はありますよ?」
ミストはブラックバードと共に無防備な背中に襲い掛かった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ルパート・ブラックスミス
生憎、終わりまで諦めるつもりはない。
そうだな、ヒーロー?
ヒーローの磁力による【吹き飛ばし】を自分に浴びせてもらおう。鋼鉄の身体ならばよく効く。
射程外からの敵に向かって撃ち出し突貫。
人間砲弾ならぬ甲冑砲弾というやつだ。
激突の瞬間に合わせてUC【命を虚ろにせし亡撃】を乗せた短剣三本を叩き込む。三撃目が当たれば奴の威力は十分落ちる!
後はそのまま【グラップル】、青く燃える鉛の翼で【空中浮遊】、叩きつける為の地面ないし攻撃の構えに入っている他の猟兵に向かって【投擲】だ。
骸の海へ去るがいい、諦観はそこで吐いていろ!
【アドリブ歓迎】
楠葉・狐徹
【POW】
「殺すための戦いは得意だが…守るための戦いは俺にできるだろうかな。」
まずはヒーローを庇うように立ち、敵の攻撃に対して【カウンター】を使用し、ヒーロー達を守る。もし、間に合わない場合やヒーロー達が負傷している場合は【怪力】で担いで敵から距離を置けるようにする
また可能ならばヒーロー達との連携を試みる
「敵を挟み撃ちして俺が刀を抜いたら磁力を使ってくれ。」
刀の刃が磁力に引き寄せられる勢いを利用して、挟み撃ちにした敵に高速で接近。そのまま【鎧無視攻撃】を使った散桜斬りを放つ
「こんなふざけた攻撃を食らうのはてめぇには最高の侮辱じゃないか?」と殺意を増幅させて敵に一言
※アドリブ、猟兵との連携OK
引き上げられたマグネットヒーローズと入れ替わる形で汚水槽に叩き込まれたオブリビオンはそのまま爆弾の状況を確認してきたらしく、黒いオーラをまき散らしながら浮上してきた。
「よくも爆弾を……許さない、許さない許さない許さない!」
「殺すための戦いは得意だが……守るための戦いは俺にできるだろうかな」
汚水で汚れた体のまま戦おうとして、強制的に捕縛されて洗われているマグネットヒーローズを守るために楠葉・狐徹(表裏一体の刃・f17109)はわめきちらすオブリビオンの前に立ちふさがった。
「そこを、どけぇぇぇぇ!」
怒りに任せた直情的すぎる右ストレートを余裕で避けると、手に持っていた鞘に入ったままの浄玻璃刀をがら空きとなった腹に叩き込んだ。
腹部に叩き込まれた衝撃にオブリビオンは呼吸が止められて、その場で腹を抱えて蹲ったが、黒いオーラであらゆる衝撃とそれに伴う鬱屈した感情を自分の力に変えることで再び立ち上がった。
「なるほど、あのオーラは攻撃を完全に変換するわけではないのか。ならやりようはいくらでもあるな」
ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は青い炎を鎧の中にちらつかせながらその様子を眺めていた。
「なんで……なんで終わることを受け入れないんだ!」
ルパートは隣で、未だに戦線復帰が認められずに泡で全身を包まれていたマグネットヒーローズに呼びかけた。
「生憎、終わりまで諦めるつもりはない。そうだな、ヒーロー?」
「もちろんです!」
「俺たちは終わらせないために戦っているんです!」
「よし、なら手筈通りに頼むぞ」
体勢を低くしたルパートにエヌが磁力をかけ、エスが勢いよく飛びかかろうとする。すると同じ極を近づけられたルパートの体は勢いよく反発して撃ち出された。
人間砲弾ならぬ甲冑砲弾と化したルパートは完全によそ見をしていたオブリビオンの体を押しつぶした。
『我望むは命満ちる未来。されど我示すは命尽きる末路。』
鎧内に格納している短剣を取り出し、オブリビオンに跨ったルパートはひたすらに刃を突き刺す。
肉体・霊体の自由を封じる一撃目、生命力・魔力を封じる二撃目、思考と精神活動を封じる三撃目を叩き込むと黒いオーラが収まり、オブリビオンは痙攣しだす。
どうやらオーラを失ったことにより、「筋肉痛」という形で今までの動きに対する代償が襲い掛かってきたらしい。
「おい、ヒーロー! 敵を挟み撃ちして俺が刀を抜いたら磁力を使ってくれ!」
「はっ、はい!」
刀を戻した狐徹の指示に、最初の位置で泡をそそくさと拭き取っていたマグネットヒーローズが慌てて駆け寄る。
「えっと、ルパートさんみたいに刀に磁力を纏わせる形でいいですか?」
「いや、単純に引き寄せるだけでいい」
狐徹とマグネットヒーローズが打ち合わせを進める中、ルパートはオブリビオンから降りると、その首を掴んでおもむろに持ち上げる。
常人なら息苦しさを感じて腕を掴んでくるなどの抵抗をしてくるだろうが、あらゆる行動を制限されたオブリビオンはなされるがままである。
青く燃える鉛の翼で空に飛んだルパートは鉄格子越しに下水道に注ぎ込む日光を感じながらオブリビオンを地面に向かって投げつけた。
「骸の海へ去るがいい、諦観はそこで吐いていろ!」
「よし、今だ!」
狐徹が指示を出して刀を抜くと同時に、対角線上にいたマグネットヒーローズが同時に磁力を起こす。
2人分の磁力に反応した刀の刃は勢いよく引き寄せられるが、狐徹はその流れに完全に身を任せずに刀を構えなおす。
「こんなふざけた攻撃を食らうのはてめぇには最高の侮辱じゃないか?」
抑えていた殺意を解放した狐徹が話しかけてもオブリビオンは何も反応しない。
地面を勢いよく滑る狐徹と墜落してくるオブリビオンの体が交錯しようとしたところで刃は振られた。
『さらばだ……命を散らせ!』
オブリビオンの体が真っ二つになると同時に消失したところで狐徹の動きが止まった。そのまま磁力をかけていたら抜き身の刃を持った、自分よりも大きな青年が突っ込んでくるので致し方ないだろう。
初めての戦果に歓喜してハイタッチを交わすマグネットヒーローズを刀を鞘の中に戻しながら見つめる狐徹の横にルパートが空から着地する。
「どうだった?」
「俺に聞くな。……戦い方を工夫出来るようになればそこそこにはなるんじゃねぇか? 俺らには及ばねぇと思うが」
「そうか。……ならあとはその戦い方を考えられる時間を自分達が作ってやらねばな」
マグネットヒーローズにとっては爆弾を壊すことがゴールでも、猟兵にとってはまだ険しい道のりの途中である。
ヒーローズアースを救うべく、2人は目の前の成功から背を向けて次の戦場へと歩き出した。
成功
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